JP2000095784A - メチルシランの精製方法 - Google Patents

メチルシランの精製方法

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JP2000095784A
JP2000095784A JP10271104A JP27110498A JP2000095784A JP 2000095784 A JP2000095784 A JP 2000095784A JP 10271104 A JP10271104 A JP 10271104A JP 27110498 A JP27110498 A JP 27110498A JP 2000095784 A JP2000095784 A JP 2000095784A
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methylsilane
low
torr
pressure
purifying
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Shinji Miyata
慎治 宮田
Takeshi Yasutake
剛 安武
Isao Harada
功 原田
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Mitsui Chemicals Inc
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Mitsui Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 メチルシラン中の低沸点成分の不純物
を効率よく分離し、かつ安全に高純度品を得る。 【解決手段】 低沸点成分を主たる不純物として含
有するメチルシランを冷却し、固化した状態で真空排気
する、更にもう一度この操作を繰り返し行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はメチルシランの精製
方法に関する。より詳しくは、不純物を含有するメチル
シランを精製し、シランカップリング剤原料や半導体材
料として使用されうる高純度のメチルシランを安全にか
つ効率よく製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、有機ケイ素化合物の主な用途とし
ては、シリコーン、シランカップリング剤、シリル化剤
等の機能製品の原料としての需要が主流であった。しか
しながら、その中でも最近有機ケイ素化合物の一つであ
るメチルシランが、半導体デバイス製造に於けるドライ
フォトレジスト剤、あるいは低誘電率の層間絶縁膜形成
材料として特に注目を集めており、その需要も今後一層
増大するものと考えられる。
【0003】メチルシランを得る方法を例示すると、例
えば、以下の方法が挙げられる。 SiH+CHI → CHSiH+HI・・・(1) 3CHSi(OCHH → CHSiH+2CHSi(OCH・・・(2) CHSiCl+3NaH → CHSiH+3NaCl・・・(3)
【0004】(1)式は、モノシランとヨウ化メチルの
反応であるが、高価、かつ自然発火するモノシランを使
用する必要がある。 (2)式は、少なくとも一つ以上のSi−H結合を有す
るアルキルアルコキシシラン類の不均化反応であるが、
原料入手が困難で、かつその原料は高価である。 (3)式は、ハロゲン化アルキルシラン類と金属水素化
物との反応であり、金属水素化物として、LiAl
、LiBH、NaAlH、LiAlH等の
複合金属水素化物を用いる方法もある。この水素化剤
は、分散媒と混合または、溶解し、反応を行う場合が一
般的であり、(1)、(2)式よりも比較的安価で入手
も容易である等の理由から、今後製造方法の主流になる
と考えられる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らも色々の方
法で得られたメチルシランの不純物について種々検討を
行ったところ、反応原料や条件によってその種類や量は
多少ことなるが、粗ガス中に不純物として、二酸化炭素
(CO)、一酸化炭素(CO)、水素(H)、メタ
ン、エタン等の炭化水素類、Cl類等が含まれているこ
とがわかった。また当然のことながら、He、Nをキ
ャリアガスとした場合には、これを不純物として含有す
ることになる。
【0006】しかしながら、これまでメチルシランの不
純物の除去、精製に関する報告はほとんどされていな
い。特に低沸点成分の除去に関する報告は皆無である。
通常目的の分離を行うためには深冷蒸留操作が必要とな
るが、メチルシランは発火性であり、取り扱いが極めて
難しい物質であるため蒸留のような危険性の高い操作は
できるかぎり避けたい。本発明の目的は前述低沸点成分
の不純物を効率よく分離し、かつ安全に高純度メチルシ
ランを得る方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らが、メチルシ
ラン中の低沸点成分の除去方法について鋭意検討を行っ
たところ、メチルシランを容器内で冷却固化した後該容
器を真空排気すれば極めて効率よく上記不純物が除去で
きる事を見出し、本発明を完成するに至ったものであ
る。
【0008】すなわち、本発明は低沸点成分を主たる不
純物として含有するメチルシランを冷却し、固化した状
態で真空排気する。更にもう一度この操作を繰り返し行
うことを特徴とするメチルシランの精製方法に関する。 〔発明の詳細な説明〕
【0009】以下、本発明を詳細に説明する。一般に反
応で生成するガス中には前述のごとく、炭化水素類(T
HC)、二酸化炭素(CO)などの不純物が混入する
が、本発明の方法はこれらの高沸点成分を直接対象とし
ておらず、低沸点成分を対象とする発明である。本発明
にいう低沸点成分とは、メチルシランに対する相対揮発
度の高い成分であり、厳密にはメチルシランの融点であ
る−156℃以下に常圧の沸点を有する成分と定義す
る。具体的には、N、He、H、O、CO等が挙
げられる。低沸点成分を主たる不純物として含有するメ
チルシランの製法には特に限定はない。しかしながら、
反応を行うに際しては取り扱いの容易で安価な物質を使
用することが好ましいことは言うまでもない。このよう
にして生成したガス中には先に述べたように、不純物と
して低沸成分以外に高次メチルシランや炭化水素、CO
等を含むが、事前に後者の成分を吸着等の方法で除去
してもよいし、そのまま本発明を遂行してもよい。
【0010】次に本発明の本質を述べる。メチルシラン
の融点は−156℃であり、この温度で固化する。本発
明ではメチルシランが固化した状態で雰囲気を真空排気
する。この操作により、この温度で蒸気圧を有する低沸
点成分を除去することができる。
【0011】メチルシランの冷却固化のために使用する
冷媒としては特に限定するものではないがコスト的には
液体窒素を使用するのが最も有利である。また排気用の
ポンプも特に限定しないが、メチルシランの物性を考え
るとオイルの混入を避けるべきであり真空排気はダイヤ
フラム式の真空ポンプが好ましい。
【0012】また、真空排気時間は、容器の容量、処理
すべきメチルシランの充填量、低沸点成分の含有量、真
空ポンプの排気能力などによって異なるので一概に断定
出来ないが、概ね3〜30分、好ましくは5〜20分程
度の間で実施する。その際の容器内圧力は好ましくは1
0Torr以下、より好ましくは5Torr以下、最も
好ましくは2Torr以下になるまで排気を行う。この
理由は10Torrを超えると低沸成分を除去すること
はできるが高純度のメチルシランを得ることはできな
い。また、真空排気を終えたメチルシランを一旦ガス化
せしめ再度固化して真空排気すると更に低沸成分が効率
的に除去されることを本発明者らは実験的に確認した。
おそらく最初にメチルシランが固化する際に低沸成分を
とりこんで固化しているため一旦ガス化する効果があら
われるものと推定している。かくして真空排気が終了す
ると、容器は密閉したまま冷媒浴より取り出し、常温に
戻して充填されているメチルシランを気化する。以上一
連の操作でH、N、COなどの低沸点成分が除去さ
れた高純度のメチルシランを得る事が出来るのである。
【0013】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。なお、水素化剤はNaAlH を使用し、分散媒と
してブチルエーテル、トリクロロメチルシランは和光純
薬社製を使用した。 実施例1 容量500ccのテフロン製反応フラスコにブチルエー
テル250gを秤量し、これにNaAlH粉末12g
を添加し、攪拌混合して水素化剤溶液を調製した。ま
た、他の1LSUS製容器に、トリクロロメチルシラン
を移液後、Nガスにて1.5kg/cm2に加圧し密
閉容器とした。先程のトリクロロメチルシラン加圧タン
クと供給液体マスフローライン、温度計、キャリヤH
e、発生ガス出口ラインを接続した。反応器はスターラ
ーで攪拌し、またSUS製容器を温浴に浸して、反応温
度を40℃前後に調節した。
【0014】また別途、図1に示すメチルシランの精製
装置を以下のように前準備した。先ず固化精製用ボンベ
1(容量1L、材質SUS−316製)を約100℃に
加熱した状態で内圧が1Torr以下に達する迄真空ポ
ンプ3にて排気した。しかる後、加熱を止め、室温まで
冷却し、固化精製用ボンベ1を冷媒槽2(冷媒は液体窒
素を使用)中に浸漬して内温が−190℃以下になるま
で冷却した。次に、真空ポンプ3をストップし、Heガ
スを常圧まで導入した。
【0015】以上のように前準備したメチルシラン発生
装置と固化精製装置を用い、メチルシラン発生装置より
発生した粗メチルシランガスを導入配管7より固化精製
用ボンベ1に通気した。トリクロロメチルシラン加圧タ
ンク供給開始より4時間通気し、メチルシランを固化し
た。尚、冷却固化精製中のボンベ内温度は、−190〜
−195℃で行い、固化精製ボンベの後に、冷却固化ロ
ス分のメチルシランを確認する為、ガスクロマトグラフ
ィーで分析を行うようにした。4時間後、メチルシラン
の発生をストップ(トリクロロメチルシラン供給ストッ
プ)し、固化精製用ボンベ1にメチルシランを固化した
密閉状態で、真空ポンプ3を起動し、固化精製用ボンベ
1気相部に残っている低沸点成分を除去した。上記操作
温度は−190〜−197℃、真空排気時間は10分と
した。真空排気終了後、固化精製用ボンベ1を密閉した
状態で冷媒槽2より取り出し、常温になるまで放置して
メチルシランを気化した。気化したメチルシラン中の低
沸点成分をガスクロマトグラフィーにて成分分析した値
を表1に示した。
【0016】実施例2 実施例1で得られた気化したメチルシランを再度冷却固
化し、実施例1と同様に真空排気を行った。気化したメ
チルシラン中の低沸点成分をガスクロマトグラフィーに
て成分分析した値を表1に示した。
【0017】
【表1】
【0018】
【発明の効果】本発明は、メチルシラン中に含有する不
純物のうち、CO、THC等をモレキュラシーブなど
の吸着剤を使用して吸着除去するか、または不純物を含
有したまま、H、N、CO等の低沸点成分を主たる
不純物として含有するメチルシランを温度−197℃以
下で冷却固化した後、真空排気するという極めて簡単な
精製方法である。本発明の方法を採用すれば、安全に、
かつ高純度のメチルシランを得ることができ、本発明の
効果は大きいと考える。
【0019】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の有機シラン類の固化精製の系統図 1 固化精製用ボンベ 2 冷媒槽 3 真空ポンプ 4 ガスクロマトグラフィー 5 圧力計 6 温度計 7 粗メチルシランガス導入配管

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 低沸点成分を主たる不純物として含有
    するメチルシランを冷却し、固化した状態で真空排気す
    ることを特徴とするメチルシランの精製方法。
  2. 【請求項2】 低沸点成分を主たる不純物として含有
    するメチルシランを冷却し、固化した状態で真空排気し
    た後、該メチルシランを容器内で気化せしめ、再度冷却
    し、固化した状態で真空排気することを特徴とするメチ
    ルシランの精製方法。
  3. 【請求項3】 真空排気する圧力が10Torr以下
    である請求項1または2記載のメチルシランの精製方
    法。
  4. 【請求項4】 真空排気する圧力が5Torr以下で
    ある請求項1または2記載のメチルシランの精製方法。
  5. 【請求項5】 真空排気する圧力が2Torr以下で
    ある請求項1または2記載のメチルシランの精製方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1188759A3 (en) * 2000-09-19 2003-12-10 The Boc Group, Inc. Processes and apparatus for the purification of methylsilanes

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1188759A3 (en) * 2000-09-19 2003-12-10 The Boc Group, Inc. Processes and apparatus for the purification of methylsilanes

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