JP2000095565A - 黒鉛粒子の製造法、黒鉛粒子、黒鉛粒子を用いた黒鉛ペースト、リチウム二次電池用負極及びリチウム二次電池 - Google Patents

黒鉛粒子の製造法、黒鉛粒子、黒鉛粒子を用いた黒鉛ペースト、リチウム二次電池用負極及びリチウム二次電池

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JP2000095565A
JP2000095565A JP10265104A JP26510498A JP2000095565A JP 2000095565 A JP2000095565 A JP 2000095565A JP 10265104 A JP10265104 A JP 10265104A JP 26510498 A JP26510498 A JP 26510498A JP 2000095565 A JP2000095565 A JP 2000095565A
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康一 武井
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Kazuo Yamada
和夫 山田
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    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高容量で、急速充放電特性、サイクル特性に
優れたリチウム二次電池に好適な黒鉛粒子、その製造
法、黒鉛粒子を混合した黒鉛ペースト及び黒鉛ペースト
を用いたリチウム二次電池を提供する。 【解決手段】 黒鉛化可能な骨材又は黒鉛と黒鉛化可能
なバインダーを混合し、炭素化し、次いで黒鉛化する黒
鉛粒子の製造方法において、黒鉛化可能なバインダーと
して熱硬化性樹脂を10重量%以上含有するものを用
い、かつ前記熱硬化性樹脂が単品で非酸化雰囲気中で1
000℃で炭素化させたときの酸素/炭素の元素組成比
が重量比で0.005以上、窒素/炭素の元素組成比が
重量比で0.001以上である黒鉛粒子の製造法、この
製造法により製造され、広角X線回折による、厚み方向
の格子間距離(d 002)が3.380Å以下で、厚
み方向の結晶子の大きさ(Lc)が500Å以上である
黒鉛粒子、この黒鉛粒子に、有機系結着剤及び溶剤を添
加し、混合してなる黒鉛ペースト及びこの黒鉛ペースト
を集電体に塗布、一体化してなるリチウム二次電池用負
極。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規な黒鉛粒子、
黒鉛粒子の製造法、黒鉛粒子を用いた黒鉛ペースト、リ
チウム二次電池用負極及びリチウム二次電池に関する。
更に詳しくは、ポータブル機器、電気自動車、電力貯蔵
用に用いるのに好適な、急速充放電特性、サイクル特性
等に優れたリチウム二次電池とそれを得るための黒鉛粒
子、黒鉛粒子の製造法、黒鉛粒子を用いた黒鉛ペース
ト、及びリチウム二次電池用負極に関する。
【0002】
【従来の技術】従来黒鉛粒子としては、例えば天然黒鉛
粒子、コークスを黒鉛化した人造黒鉛粒子、これらを粉
砕した黒鉛粒子などがある。これらの黒鉛粒子は、有機
系結着剤及び有機溶剤と混合して黒鉛ペーストとし、こ
の黒鉛ペーストを銅箔の表面に塗布し、溶剤を乾燥させ
ることにより、特公昭62−23433号公報に示され
るような、高容量のリチウム二次電池用負極として使用
されている。
【0003】しかしながら、黒鉛結晶が発達している天
然黒鉛粒子及びコークスを黒鉛化した人造黒鉛粒子は、
厚み方向の結晶の結合力が、面方向のそれに比べ極端に
小さいため、粉砕により黒鉛の層間の結合が切れ、アス
ペクト比が大きい、いわゆる鱗状粒子になる。この鱗状
粒子は、有機系結着剤、溶剤と混合、集電体に塗布、一
体化した際に、集電体の面方向に配向しやすくなる。充
放電時の黒鉛層間へのリチウムの挿入、脱離は、黒鉛の
粒子の端面を介して行われるため、このような鱗状粒子
が集電体の面方向に配向した電極を用いたリチウム二次
電池は、リチウムの吸蔵、脱離が短時間に多量に行われ
る急速充放電時の容量がリチウムの脱離、吸蔵が緩やか
に行われる通常使用時の容量に比べ極端に小さくなる。
すなわち急速充放電特性が悪くなる。
【0004】これを解消するためには、特開平7−33
5216号公報に示されるような、黒鉛化可能な骨材又
は黒鉛を、黒鉛化可能なバインダーで混合、これを黒鉛
化処理して結晶の配向性を等方化した黒鉛粒子が使用さ
れているが、本発明の黒鉛粒子では骨材の黒鉛化物の一
次粒子をバインダーの黒鉛化物で結合させている形態を
とるため、バインダーの黒鉛化物にもリチウムが吸蔵、
脱離されることになる。このため電池の充放電の繰り返
しにより、リチウムの吸蔵、脱離が繰り返される際に、
結合部の体積の膨張、収縮が生じ、結晶の疲労により一
次粒子間の開裂が起こりやすくなり、容量の低下が生じ
る。すなわち電池のサイクル劣化が生じやすくなる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、高容
量で、急速充放電特性、サイクル特性に優れたリチウム
二次電池に好適な黒鉛粒子の製造法を提供することにあ
る。
【0006】本発明の他の目的は、高容量で、急速充放
電特性、サイクル特性に優れたリチウム二次電池に好適
な、黒鉛粒子を提供することにある。
【0007】本発明の他の目的は、高容量で、急速充放
電特性、サイクル特性に優れたリチウム二次電池に好適
な、黒鉛ペーストを提供することにある。
【0008】本発明の他の目的は、高容量で、急速充放
電特性、サイクル特性に優れたリチウム二次電池に好適
な、黒鉛負極を提供することにある。
【0009】本発明の他の目的は、高容量で、急速充放
電特性、サイクル特性に優れたリチウム二次電池を提供
することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、黒鉛化可能な
骨材又は黒鉛と黒鉛化可能なバインダーを混合し、炭素
化し、次いで黒鉛化する黒鉛粒子の製造方法において、
黒鉛化可能なバインダーとして熱硬化性樹脂を10重量
%以上含有するものを用い、かつ前記熱硬化性樹脂が単
品で非酸化雰囲気中で1000℃で炭素化させたときの
酸素/炭素の元素組成比が重量比で0.005以上、窒
素/炭素の元素組成比が重量比で0.001以上である
ことを特徴とする黒鉛粒子の製造法に関する。
【0011】また本発明は、上記の製造法により製造さ
れ、広角X線回折による、厚み方向の格子間距離(d
002)が3.380Å以下で、厚み方向の結晶子の大
きさが500Å以上である黒鉛粒子に関する。
【0012】また本発明は、上記の黒鉛粒子に、有機系
結着剤及び溶剤を添加し、混合してなる黒鉛ペーストに
関する。
【0013】また本発明は、上記の黒鉛ペーストを集電
体に塗布、一体化してなるリチウム二次電池用負極に関
する。
【0014】また本発明は、上記のリチウム二次電池用
負極と正極がセパレータを介して対向して配置され、そ
の周辺に電解液が注入されたリチウム二次電池に関す
る。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明においては、黒鉛粒子の出
発原料としての黒鉛化可能なバインダーとして熱硬化性
樹脂を10重量部%以上含有するものを用い、前記熱硬
化性樹脂として単品で非酸化雰囲気中で1000℃前後
で炭素化したときの、酸素/炭素の元素組成比が重量比
で0.005以上、窒素/炭素の元素組成比が重量比で
0.001以上であるものを用いる。このようなバイン
ダーを用いると、黒鉛化処理した後の黒鉛構造が発達し
ない低黒鉛化物が得られる。このような低黒鉛化物は、
リチウムを吸蔵しないため、充放電には寄与しない。従
って充放電の繰り返しにより骨材粒子の結合は強固なま
まになり、結果として良好な急速充放電特性とサイクル
特性が維持される。加えて1000℃前後の加熱で残留
する窒素は、その後2000℃前後で黒鉛化する際、炭
素の組織中に空隙を形成しながら揮発する。ここで得ら
れた空隙は、充放電時にリチウムが吸蔵、脱離する際の
経路として機能することができ、短時間で大量のリチウ
ムが吸蔵、脱離される急速充放電の際は、この窒素の揮
発により生じた空隙が、高容量をもたらす原因となる。
【0016】バインダー中の熱硬化性樹脂の比率は10
重量%以上であることが必要で、好ましくは20重量%
以上、更に好ましくは30重量%以上である。この比率
が大きいほどサイクル特性が向上し、10重量%未満で
あるとサイクル特性は向上しない。比率の上限は特に制
限はないが、好ましくは50重量%以下である。
【0017】また使用する熱硬化性樹脂の単品での酸素
/炭素の元素組成比を重量比で0.005以上に規定し
たが、0.005未満では樹脂の黒鉛化は進行しやすく
なり、充放電時にリチウムが吸蔵しやすく、サイクル特
性が悪化する。特に上限は規定しないが、0.02以下
であることが好ましく、この範囲で本発明における良好
な効果が期待できる。
【0018】同様に窒素/炭素の元素組成比を重量比で
0.001以上に規定したが、0.001未満では特に
空隙の付与に関し十分な効果が得られない。また、上限
は特に制限はないが0.01以下であることが好まし
く、この範囲で本発明における良好な効果が期待でき
る。
【0019】本発明に使用する黒鉛化可能な骨材として
は、例えばコークス粉末、樹脂の炭素化物等が使用でき
るが、黒鉛化できる粉末材料であれば特に制限はない。
また黒鉛としては、例えば天然黒鉛粉末、人造黒鉛粉末
等が使用できる。粒径、純度等には制限はない。
【0020】黒鉛化可能なバインダーとしては、前記の
熱硬化性樹脂が10重量%以上含有されていれば、例え
ばタール、ピッチのほか、前記の熱硬化性樹脂以外の熱
硬化性樹脂、熱可塑性樹脂等を併用できる。
【0021】単品で非酸化雰囲気中で1000℃で炭素
化したときの、酸素/炭素の元素組成比が重量比で0.
005以上、窒素/炭素の元素組成比が重量比で0.0
01以上の熱硬化性樹脂としては、フラン樹脂、フェノ
ール樹脂、ポリイミド樹脂等を好ましいものとしてを挙
げることができる。
【0022】本発明の製造法において、黒鉛化可能な骨
材又は黒鉛とバインダーとの配合比率については特に限
定されないが、後に示すd 002、Lcを有する黒鉛
粒子を得ることができればよい。黒鉛化可能な骨材又は
黒鉛とバインダーとの配合比率の好ましい配合比率は、
黒鉛化可能な骨材又は黒鉛とバインダーの合計量に対し
てバインダーを10〜50重量%配合することが好まし
い。
【0023】本発明の具体的な製造方法としては、上記
の黒鉛化可能な骨材又は黒鉛と、上記のバインダーを、
バインダーの軟化点以上の温度(好ましくは80〜35
0℃)で、加熱し、溶融状態で混合した後、これを粉
砕、炭素化、黒鉛化、必要に応じてこの後粉砕して、所
望の黒鉛粒子を得る。炭素化は700〜1200℃で、
非酸化雰囲気(窒素ガスなど)の条件下で行うことが好
ましく、黒鉛化は2500〜3000℃で、非酸化雰囲
気の条件下で行うことが好ましい。
【0024】本発明の製造法により得られる黒鉛粒子
の、広角X線回折における厚み方向の格子間距離(d
002)は3.380Å以下で、厚み方向の結晶子の大
きさ(Lc)が、500Å以上であることが好ましい。
更に好ましくはd 002が3.375Å以下で、Lc
が800Å以上であり、特に好ましくはd 002が
3.370Å以下、Lcが1000Å以上である。d
002が3.380Åを超え、Lcが500Å未満で
は、黒鉛中へのリチウムの吸蔵量が小さくなり、電池の
容量も小さくなる傾向がある。なお、d 002及びL
cはX線回折により黒鉛(002)面の回折角よりBr
agの公式を用いて算出することができる。
【0025】本発明の黒鉛粒子は、有機系結着剤及び溶
剤と混練して、シート状、ペレット状の形態に成形され
る。有機系結着剤としては、例えばポリエチレン、ポリ
プロピレン、エチレンプロピレンターポリマー、スチレ
ンブタジエンゴム、イオン導電性の大きな高分子化合物
が使用できる。このような高分子化合物としては、ポリ
フッ化ビニリデン、ポリエチレンオキサイドなどがあ
る。有機系結着剤の含有量としては、黒鉛粒子との混合
物において、3〜20重量%含有することが望ましい。
【0026】溶剤としては特に制限はなく、N−メチル
−2−ピロリドン、ジメチルホルムアミド、イソプロパ
ノールなどが用いられる。その量も特に制限はなく、所
望の粘度に調整できればよいが、通常ペーストに対して
30〜70重量%使用される。
【0027】本発明の黒鉛粒子に有機系結着剤及び溶剤
を転化し、混合する黒鉛ペーストが得られる。この黒鉛
ペーストを必要に応じさらに粘度を調整した後、集電体
へ塗布し、集電体と一体化するとリチウム二次電池用の
負極が得られる。集電体としては、例えばニッケル、銅
等の箔、メッシュなどの金属集電体が使用できる。な
お、一体化は例えばロール、プレス等の成形法で行うこ
とができ、これらを組み合わせして一体化してもよい。
【0028】このようにして得られたリチウム二次電池
用の負極は、セパレータを介して正極と対向して配置
し、かつ電解液を注入することにより、従来の炭素材料
を負極に使用したリチウム二次電池に比較して、急速充
放電特性、サイクル特性に優れたリチウム二次電池を作
製することができる。
【0029】本発明におけるリチウム二次電池の正極に
用いられる材料については、特に制限はなく、LiNi
2、LiCoO2、LiMn24等を単独、又は混合し
て使用することができる。
【0030】電解液としては、LiClO4、LiPF6
等のリチウム塩を、例えば炭酸エチレン、炭酸ジメチル
などの非水系溶剤に溶解したいわゆる有機系電解液をポ
リフッ化ビニリデン等の高分子固体電解質に含ませた電
解液などを使用することができる。
【0031】セパレータとしては、例えばポリエチレ
ン、ポリプロピレン等のポリオレフィンを主成分とした
不織布、クロス、微孔フィルム又はこれらを組み合わせ
たものを使用することができる。
【0032】なお、図1に円筒型リチウムイオン二次電
池の一例を示す一部断面正面図を示す。
【0033】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて詳細に説明
するが、本発明はこれに限定にされるものではない。
【0034】実施例1 (1)黒鉛粒子の調製 平均粒径が10μmのコークス粉末60重量部、タール
ピッチ20重量部、フラン樹脂(日立化成工業(株)製
VF303)20重量部を原材料とした。ここでフラン
樹脂は、単品で窒素雰囲気中で1000℃で24時間炭
素化させたときの酸素/炭素の元素組成比は重量比で
0.012で、窒素/炭素の元素組成比は重量比で0.
0028であった。なお各元素組成比は、試料カーボン
を真空下120℃で半日乾燥したものについて、窒素及
び酸素の定量は元素分析装置としてRECO社製TC−
436型を用い、炭素の定量は元素分析装置として堀場
製作所(株)製CHNコーダーを用いて行った。
【0035】上記の原材料を混合し、200℃で2時
間、攪拌した。これを平均粒径20μmになるように粉
砕し、更に窒素雰囲気中で900℃で炭素化、更に28
00℃で黒鉛化、その後粉砕して、黒鉛粒子を得た。
【0036】得られた黒鉛粒子の広角X線回折における
d 002は3.372Å、Lcは900Åであった。
【0037】(2)リチウム二次電池の作製 図1は、円筒形リチウム二次電池の一部断面正面図を示
し、1は正極、2は負極、3はセパレータ、4は正極タ
ブ、5は負極タブ、6は正極蓋、7は電池缶及び8はガ
スケットである。
【0038】図1に示すリチウム二次電池は以下のよう
にして作製した。正極活物質としては、LiCoO2
88重量部、導電助剤として平均粒径が1μmの鱗片状
天然黒鉛を、7重量部、及び結着剤としてポリフッ化ビ
ニリデン(PVDF)を5重量部添加して、これにN−
メチル−2−ピロリドンを50重量部加え正極用黒鉛ペ
ーストを調製した。同様に負極活物質として(1)で得
た黒鉛粉末90重量部及び結着剤としてPVDFを10
重量部添加して、これにN−メチル−2−ピロリドンを
100重量部混合して負極用黒鉛ペーストを得た。
【0039】次に正極用黒鉛ペーストを厚みが25μm
のアルミニウム箔の両面に塗付し、その後120℃で1
時間真空乾燥した。真空乾燥後ローラープレスによっ
て、電極を加圧成形して、厚みを190μmとした。単
位面積当たりの正極合剤(ペーストから溶剤を除いたも
の)塗布量は、50mg/cm2であり、幅が40mm
で長さが285mmの大きさに切り出して正極1を作製
した。但し正極1の両端の長さ10mmは、正極合剤が
塗布されておらず、アルミニウム箔が露出されており、
この一方に正極タブ4を、超音波接合によって圧着し
た。
【0040】一方負極用黒鉛ペーストを、厚みが10μ
mの銅箔の両面に塗付し、その後120℃で1時間真空
乾燥した。真空乾燥後、ローラープレスによって電極を
加圧成形して、厚みを175μmとした。単位面積当た
りの負極合剤(ペーストから溶剤を除いたもの)の塗布
量は、20mg/cm2であり、幅が40mmで長さが
290mmの大きさに切り出して、負極2を作成した。
これを正極1と同様に、負極2の長さ10mmの部分
は、負極合剤が塗布されておらず、銅箔が露出してお
り、この一方に負極タブ5を超音波接合により圧着し
た。
【0041】セパレータ3は、厚みが25μm、幅が4
4mmのポリエチレン製の微孔膜を用いた。次いで図1
に示すように正極1、セパレータ3、負極2及びセパレ
ータ3の順で重ね合わせ、これを捲回して電極群とし
た。これを単3サイズの電池缶に挿入して、負極タブ5
を缶低溶接し、正極蓋6を加締るための絞り部を設け
た。この後体積比で1:1の炭酸エチレンと炭酸ジメチ
ルの混合溶媒に六フッ化リン酸リチウムを1モル/リッ
トルで溶解させた電解液を電池缶7に注入した後、正極
タブ4を正極蓋6に溶接した後、正極蓋6を加締めてリ
チウム二次電池を得た。
【0042】得られたリチウム二次電池を用いて、充放
電電流300mA、充電終止電圧4.15V、放電終止
電圧2.8Vで充放電を繰り返した。また充放電電流
を、300mAから600mAまでの範囲で変化させ、
急速充放電を行った。このときの1サイクル目の黒鉛粒
子の単位重量当たりの放電容量、及び100サイクル目
の黒鉛粒子の単位重量当たりの放電容量を測定した。そ
の結果を表1に示す。
【0043】実施例2 実施例1と同じコークス粉末60重量部、タールピッチ
30重量部、フェノール樹脂(日立化成工業(株)製H
P2000)10重量部を原材料とした。ここでフェノ
ール樹脂は、単品で窒素雰囲気中で1000℃で24時
間炭素化させたときの酸素/炭素の元素組成比は重量比
で0.009で、窒素/炭素の元素組成比は重量比で
0.0013であった。
【0044】これを実施例1と同じ方法にて黒鉛粒子を
得た。得られた黒鉛粒子の広角X線回折におけるd 0
02は3.368Å Lcは1000Åであった。
【0045】これを実施例1と同じ方法にてリチウム二
次電池を作製、実施例1と同様の電池特性試験を行っ
た。
【0046】比較例1 実施例1と同じコークス粉末60重量部、タールピッチ
20重量部、エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ製、商
品名エピコート715)20重量部を原材料とした。こ
こでエポキシ樹脂は、単品で窒素雰囲気中で1000℃
で24時間炭素化させたときの酸素/炭素の元素組成比
は重量比で0.003で、窒素/炭素の元素組成比は重
量比で0.0004であった。
【0047】これを実施例1と同じ方法にて黒鉛粒子を
得た。得られた黒鉛粒子の広角X線回折におけるd 0
02は3.371Å、Lcは880Åであった。
【0048】これを実施例1と同じ方法にてリチウム二
次電池を作製、実施例1と同様の電池特性試験を行っ
た。
【0049】比較例2 実施例1と同じコークス粉末60重量部、タールピッチ
40重量部を出発原材料とした。これを実施例1と同じ
方法にて黒鉛粒子を得た。得られた黒鉛粒子の広角X線
回折におけるd 002は3.365Å、Lcは140
0Åであった。
【0050】これを実施例1と同じ方法にてリチウム二
次電池を作製、実施例1と同様の電池特性試験を行っ
た。
【0051】
【表1】 表1に示されるように、本発明の実施例で得られたリチ
ウム二次電池は、比較例1、2に比べ、充放電電流30
0mA、600mAとも、優れたサイクル特性を有す
る。
【0052】
【発明の効果】本発明の黒鉛粒子の製造法は、高容量
で、急速充放電特性、サイクル特性に優れたリチウム二
次電池に好適な黒鉛粒子の製造法である。
【0053】本発明の黒鉛粒子は、高容量で、急速充放
電特性、サイクル特性に優れたリチウム二次電池に好適
な黒鉛粒子である。
【0054】本発明の黒鉛ペーストは、高容量で、急速
充放電特性、サイクル特性に優れたリチウム二次電池に
好適な黒鉛ペーストである。
【0055】本発明のリチウム二次電池用負極は、高容
量で、急速充放電特性、サイクル特性に優れたリチウム
二次電池に好適な黒鉛負極である。
【0056】本発明のリチウム二次電池は、高容量で、
急速充放電特性、サイクル特性に優れたリチウム二次電
池である。
【図面の簡単な説明】
【図1】円筒形リチウム二次電池の一部断面正面図であ
る。
【符号の説明】
1 正極 2 負極 3 セパレータ 4 正極タブ 5 負極タブ 6 正極蓋 7 電池缶 8 ガスケット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01M 4/58 H01M 4/58 5H014 10/40 10/40 Z 5H029 (72)発明者 武井 康一 茨城県日立市鮎川町三丁目3番1号 日立 化成工業株式会社山崎工場内 (72)発明者 藤田 淳 茨城県日立市鮎川町三丁目3番1号 日立 化成工業株式会社山崎工場内 (72)発明者 山田 和夫 茨城県日立市鮎川町三丁目3番1号 日立 化成工業株式会社山崎工場内 Fターム(参考) 4G032 AA02 AA04 AA09 AA13 BA05 GA01 4G046 EA01 EA02 EA03 EB02 EB04 EB07 EC02 EC05 4J037 AA01 CC22 CC27 DD02 EE25 EE28 FF30 4J038 CA041 CB021 CB081 CB101 CC041 CD111 DF021 HA036 JA19 JB13 JB27 KA06 MA10 NA17 PB07 PB09 PC02 5H003 AA01 AA02 AA04 BA01 BA03 BB01 BB11 BB12 BC01 BC06 BD00 BD01 BD04 5H014 AA01 AA02 BB01 BB06 BB08 EE01 EE08 HH01 HH06 HH08 5H029 AJ03 AJ05 AK03 AL06 AM03 AM07 BJ02 BJ14 CJ02 CJ07 CJ08 CJ22 CJ28 DJ08 DJ16 DJ17 EJ12 HJ01 HJ04 HJ13

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 黒鉛化可能な骨材又は黒鉛と黒鉛化可能
    なバインダーを混合し、炭素化し、次いで黒鉛化する黒
    鉛粒子の製造方法において、黒鉛化可能なバインダーと
    して熱硬化性樹脂を10重量%以上含有するものを用
    い、かつ前記熱硬化性樹脂が単品で非酸化雰囲気中で1
    000℃で炭素化させたときの酸素/炭素の元素組成比
    が重量比で0.005以上、窒素/炭素の元素組成比が
    重量比で0.001以上であることを特徴とする黒鉛粒
    子の製造法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の黒鉛粒子の製造法により
    製造され、広角X線回折による、厚み方向の格子間距離
    (d 002)が3.380Å以下で、厚み方向の結晶
    子の大きさ(Lc)が500Å以上である黒鉛粒子。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の黒鉛粒子に、有機系結着
    剤及び溶剤を添加し、混合してなる黒鉛ペースト。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の黒鉛ペーストを集電体に
    塗布、一体化してなるリチウム二次電池用負極。
  5. 【請求項5】 請求項4記載のリチウム二次電池用負極
    と正極がセパレータを介して対向して配置され、その周
    辺に電解液が注入されたリチウム二次電池。
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