JP2000094818A - スタンプユニット - Google Patents

スタンプユニット

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JP2000094818A
JP2000094818A JP10267647A JP26764798A JP2000094818A JP 2000094818 A JP2000094818 A JP 2000094818A JP 10267647 A JP10267647 A JP 10267647A JP 26764798 A JP26764798 A JP 26764798A JP 2000094818 A JP2000094818 A JP 2000094818A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ホルダ部材への印材の取付けによる保持が確
実であってシール性に優れ、繰り返し印刷に十分に耐え
ることができるスタンプユニットを提供する。 【解決手段】 ホルダ部材4の下端縁4a及び印材3の
周縁を熱圧により変形し、印材の周縁を斜面83に形成
するとともに、ホルダ部材4の下端縁4aを印材3の周
縁を引っ掛ける楔82に形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スカート部材と、
スカート部材内で上下に摺動可能に保持されるとともに
下端部にて印材を保持するホルダ部材と、ホルダ部材の
上方に連結されてホルダ部材を下方に移動させるグリッ
プ部材とを有するスタンプユニットに関し、特に、ホル
ダ部材に保持された印材の印刷用紙に対する印刷の耐久
性を向上させたものに関する。
【0002】
【従来の技術】現在提案されているスタンプユニットの
1つとして、本出願人の提案による特願平10−525
74号に係るものがある。このスタンプユニットは、グ
リップ(取っ手)部材、ホルダ部材およびスカート部材
を備えている。そして、ホルダ部材がスカート部材内で
上下に移動可能となるようにホルダ部材とグリップ部材
とが連結され、また、ホルダ部材の下面に印材(印面形
成部材)が熱接着により配設されている。かかるスタン
プユニットでは、印材は、カーボンブラック等の光エネ
ルギ吸収物質を分散させた軟質多孔性樹脂からなる下側
層と、インクを貯溜するとともに下側層に均一に圧力が
印加されるようにする硬質多孔性樹脂からなる上側層と
からなる2層構造に形成されている。
【0003】この印材を製版するには、まず、スタンプ
製造装置内でロール状の透明フィルムを搬送しつつサー
マルヘッドおよび転写リボンを介して透明フィルムに文
字、画像を印刷してポジ原稿を作成し、そして、このポ
ジ原稿と印材の下側層とが対向し且つ両者の間に透明ア
クリル板を介在させた状態で印材が加圧されるように、
ホルダ部材をスタンプ製造装置にセットする。この状態
で、キセノン管を発光させると、ポジ原稿を通して光が
印材の下側層に照射される。これにより、原稿の透明部
分に対応して光が照射された下側層の部分だけが光エネ
ルギ吸収物質の発熱作用によって溶融後固化されるの
で、その部分がシールされてインクを透過しない状態と
なる。一方、光が照射されず溶融固化されなかった部分
の下側層は、原稿の文字等に対応してシールされないで
そのまま残存することとなる。これにより、所望パター
ンのシール部(非印刷部)と非シール部(印刷部)とが
印材の下面に混在した印判が形成される。
【0004】また、ホルダ部材には格子状の凹凸が形成
された底面を有する収納部にインクパックを収納するこ
とができるようになっており、グリップ部材を押下して
グリップ部材の下端に配置された板状部材と凹凸底面と
の間でインクパックを挟むことにより、インクパックが
開封される。開封されたインクパックから流れ出たイン
クは、印材の上側層および下側層に貯溜され、下側層の
下面の非シール部からのみ滲出し、シール部からは滲出
ない。
【0005】文字等をスタンプ印刷する場合には、スタ
ンプユニットのスカート部材を印刷用紙上の所望位置に
配置した状態で、グリップ部材を下方に押圧する。これ
により、ホルダ部材がスカート部材の中を下方に移動し
て印材が印刷用紙に圧着され、インクが印材の下側層の
非シール部から印刷用紙に付着させられて文字等の印刷
が行われる。
【0006】この印刷に際しては、印材の余分な部分か
らインクが漏れでないようにする必要がある。そこで、
ホルダ部材に保持される印材の周囲をインクが出ないシ
ール部にし、印材の周囲以外に所定パターンの印判が形
成される。また、印材の印判部分を突出させ、印判部分
の周囲を斜めにすることにより、印材の印刷用紙への押
しつけ時に、印判部分の周囲が印刷用紙に接触しないよ
うになっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述した特願平10−
52574号のスタンプユニットにおいては、印材をホ
ルダ部材に取り付けて保持させるに際して、印材の周縁
を溶着治具を使用してホルダ部材に熱溶着して取り付け
ているのが一般的である。
【0008】しかしながら、この種のスタンプユニット
においては、万単位の印刷が繰り返し行われる場合があ
り、ホルダ部材と印材との取付けが不十分であると、ホ
ルダ部材と印材との間からインクが漏れ出たり、極端な
場合にはホルダ部材が印材から外れることがある。上述
した熱溶着によるホルダ部材と印材との取付けは、互い
の溶着によるものであって機械的なものではないため、
シールの確実性という点に難があった。
【0009】そこで、本発明の主な目的は、ホルダ部材
への印材の取付けによる保持が確実であってシール性に
優れ、繰り返し印刷に十分に耐えることができるスタン
プユニットを提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する、請
求項1のスタンプユニットは、スカート部材と、スカー
ト部材内で上下に摺動可能に保持されるとともに印材を
保持するホルダ部材と、ホルダ部材の上方に連結されて
ホルダ部材を下方に移動させるグリップ部材とを有する
スタンプユニットにおいて、前記ホルダ部材の下端縁及
び前記印材の周縁が熱圧により変形され、前記印材の周
縁が斜面に形成されるとともに、前記ホルダ部材の下端
縁が前記印材の周縁を引っ掛ける楔に形成されているこ
とを特徴とするものである。
【0011】請求項1のスタンプユニットによると、ホ
ルダ部材の下端縁及び印材の周縁が熱圧により変形する
際に、ホルダ部材の下端縁及び印材の周縁を熱圧プレス
に対して所定位置に配設し、印材の周縁が斜面に形成さ
れるとともに、前記ホルダ部材の下端縁が前記印材の周
縁を引っ掛ける楔に形成される。このようにして形成さ
れた楔は鉤状になって印材の周縁に食い込み、印材がホ
ルダ部材に強固に取り付けられることを可能にするとと
もに、印材とホルダ部材の間のシール性が格段に向上す
る。
【0012】また、請求項2のスタンプユニットは、前
記印材は、印版が作成される軟質連続多孔体と硬質連続
多孔体とを積層したものであり、前記熱圧前には、前記
軟質連続多孔体の厚み方向の全部又は一部はホルダ部材
の前記下端縁より飛び出しており、前記硬質連続多孔体
の周縁は傾斜面に形成され、前記熱圧により、前記軟質
連続多孔体の周縁が硬質連続多孔体の前記傾斜面に向か
って変形するとともに、前記下端縁が変形していること
を特徴とする請求項1記載のものである。
【0013】請求項2のスタンプユニットによると、軟
質連続多孔体の厚み方向の全部又は一部はホルダ部材の
前記下端縁より飛び出しているため、熱圧プレスは先ず
軟質連続多孔体の周縁を硬質連続多孔体の周縁は傾斜面
に向かって押し込むため、印材の周縁の傾斜が形成され
る。つぎに、ホルダ部材の下端縁が熱圧プレスで変形す
る際に、前記軟質連続多孔体の周縁を巻き込むように変
形し、鉤状の楔が形成される。
【0014】また、請求項3のスタンプユニットは、前
記印材は印版が作成される軟質連続多孔体を含み、前記
熱圧変形の前後に、前記斜面の孔を潰す焼付けが行われ
ている請求項1又は2記載のものである。
【0015】請求項3のスタンプユニットによると、前
記熱圧変形の前後に印材の周縁の斜面の孔を潰す焼付け
を行うと、斜面のシール部が確実に形成できる。予め印
材の軟質連続多孔体の周縁に熱圧を作用させ、周縁の孔
を潰しておくこともできる。ホルダ部材の下端縁の楔と
軟質連続多孔体の周縁の傾斜を熱圧で形成した後、軟質
連続多孔体の周縁の傾斜にある孔を熱圧などで潰すこと
もできる。
【0016】また、請求項4のスタンプユニットは、前
記印材は印版が作成される軟質連続多孔体を含み、前記
熱圧変形後に、前記印材の印判面に対してマスクを施
し、前記斜面に光を照射して前記軟質連続多孔体の表面
を溶かすことにより、前記斜面の孔を潰す焼付けが行わ
れている請求項3記載のものである。
【0017】請求項4のスタンプユニットによると、印
判面のマスクにより光の照射が遮られ、マスク以外の印
判の周縁の傾斜に光が照射され、軟質連続多孔体に含ま
れた光吸収体が発熱して孔が潰される。熱圧による軟質
連続多孔体の孔を潰すことに比較して、シールに必要な
適切な潰しが行われる。
【0018】また、請求項5のスタンプユニットは、前
記ホルダ部材の下端縁には、印材の印面全体を被覆しつ
つ保護フィルムが前記熱圧と同時の熱溶着により接着さ
れており、前記保護フィルムは透明樹脂フィルムからな
ることを特徴とする請求項1〜4のいずれか記載のもの
である。
【0019】請求項5のスタンプユニットによると、ホ
ルダの部材の下端縁に、印材の印面全体を被覆する保護
フィルムが熱溶着され、接着剤を使うことなく、スタン
プユニットの輸送中、スタンプユニットがユーザーに渡
った後印材の製版に至るまでの間、及び印材の製判中に
おいて印材の印面を保護することが可能になる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施の形態
について図面を参照しつつ説明する。図1は、本実施の
形態のスタンプユニットの概略的な全体分解斜視図であ
り、図2は、インクパック収納部に未開封のインクパッ
クが収納された状態でのスタンプユニットの側断面図で
ある。図3は、インクパック収納部のインクパックが開
封された直後のスタンプユニットの側断面図である。
【0021】図1〜図3に示すように、本実施の形態の
スタンプユニット1は、スタンプ印刷時にスタンプユニ
ット1全体を支持するスカート部材2と、スカート部材
2内で上下方向に摺動可能に保持できるように配置され
るとともにその下端部に熱圧により印材3が保持された
ホルダ部材4と、ホルダ部材4に嵌合して連結され、ス
タンプ印刷時にホルダ部材4を下方に移動させて印材3
を印刷用紙(図示せず)に押し付けるためのグリップ部
材5と、ホルダ部材4の印材3をカバーおよび保護する
ためのキャップ部材60とを備えている。
【0022】ホルダ部材4のインクパック収納部22に
は、フィルム材から形成された袋状のパック内にインク
が充填されてなるインクパック6を収納可能である。イ
ンクパック6には印材3において貯溜可能なインク量と
ほぼ等しい量のインクが袋詰めされている。そして、イ
ンクパック6とグリップ部材5の底面との間には、厚板
紙37が配置される。上記フィルム材としては、ポリエ
チレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ナイロン等が
単独で若しくはこれらを2種類以上貼り合せたものが使
用されている。
【0023】次に、スタンプユニット1のスカート部材
2について、図4〜図6をさらに参照して説明する。図
4はスカート部材2の側面図、図5はスカート部材2の
端面図、図6はスカート部材2の側断面図である。これ
らの図において、スカート部材2は、平面視で略長方形
の挿通孔10を有しており、挿通孔10にはホルダ部材
4を摺動可能に挿通する内壁11が設けられている。ま
た、スカート部材2は、内壁11の外側で内壁11と一
体に形成された外壁12を有する上部スカート部13
と、外壁12に連続して若干裾広がりとなるように形成
された外壁14を有する下部スカート部15とから一体
に構成されている。
【0024】上部スカート部13の両端面(左右端面)
の内壁11の上方位置には、ホルダ部材4を挿通孔10
内で常時上方に付勢すべく捻りバネ16の一方端を係止
するバネ係止部17が形成されている。また、バネ係止
部17の斜め下方位置には、捻りバネ16のコイル部が
外挿されてコイル部の位置決めを行う半月状の位置決め
突起18が形成されている。さらに、内壁11の略中央
位置には、ホルダ部材4の両端面に形成された傾斜突起
35(後述する)を上下に摺動可能に挿嵌する垂直溝1
9が形成されている。かかる垂直溝19は、スタンプ印
刷時にホルダ部材4が下方に移動する際に、ホルダ部材
4の傾斜突起35を上下方向に案内する作用を行う。ま
た、垂直溝19と位置決め突起18との間には、捻りバ
ネ16が端面から離れる方向に動くのを規制して、捻り
バネ16と傾斜突起35の下端との係止が解除されない
ようにするために捻りバネ16が挿入される開口部(図
示せず)を有するバネずれ抑制部材9が設けられてい
る。
【0025】下部スカート部材15は、スタンプ印刷時
に印刷用紙上に載置されてスタンプユニット1全体を印
刷用紙上で支持するものであり、下部スカート部材15
を構成する外壁14の四隅の下端位置には、外壁14の
下端縁を印刷用紙の紙面から離間した状態で支持する支
持突起20が設けられている。なお、下部スカート部材
15における外壁14の四面中央位置には、スタンプ印
刷面の中心を示す下向き矢印部21が形成されている。
【0026】次に、ホルダ部材4について、図7〜図1
1をさらに参照して説明する。図7はホルダ部材4の斜
視図、図8はホルダ部材4の側面図、図9はホルダ部材
4の側断面図、図10は平面図、図11は底面図であ
る。これらの図において、ホルダ部材4は、スカート部
材2の上部スカート部13と下部スカート部15のそれ
ぞれの形状に合わせて、上部ホルダ部30および下部ホ
ルダ部31とから一体に構成されている。上部ホルダ部
30は、平面視で略長方形状の筒状体を構成する周壁3
2を有し、周壁32における前側壁および後側壁(図8
中には、その一方のみを図示する)の上部には、3つの
長穴状の凹溝33が水平方向に整列して形成されてい
る。また、3つの凹溝33の間には、周壁32の壁面か
ら外側下方に傾斜する楔状の規制突起34がそれぞれ設
けられている。ここに、各凹溝33には、グリップ部材
5のリブ係止溝54(後述する)が嵌合され、これによ
りホルダ部材4とグリップ部材5とが固定連結されるも
のである。また、規制突起34は、スタンプ印刷時にホ
ルダ部材4を下方に移動する際に、スカート部材2にお
ける上部スカート部13の外壁12の上端縁に当接し
て、ホルダ部材4の下方移動量を規制する作用を行う。
【0027】また、上ホルダ部30の周壁32の両端面
(図8中、左右端面)には、周壁32の壁面から外側下
方に向かって突出するように傾斜した楔状の傾斜突起3
5が設けられている。かかる傾斜突起35は、スカート
部材2の下側からホルダ部材4を挿入する際に、上スカ
ート部13の垂直溝19内にて上下に摺動可能に挿嵌さ
れ、また、傾斜突起35の下端には、捻りバネ16の他
方端が係止される。これにより、ホルダ部材4は、傾斜
突起35と垂直溝19との協働によりスカート部材2内
で上下方向に摺動可能にされ、また、捻りバネ16の一
端が上スカート部13のバネ係止部17の下端に係止さ
れ、且つ、他端が傾斜突起35の下端に係止されること
に基づき、ホルダ部材4はスカート部材2内で常時上方
に付勢されることとなる。
【0028】ホルダ部材4の上部ホルダ部30の周壁3
2に囲まれたほぼ直方体領域であるインクパック収納部
22は、その底面23が平坦面となっており、その中央
には下部ホルダ部31に連通するインク供給孔24が設
けられている。また、インク供給孔24には、インクパ
ック6を切断開封するための切断リブ25が、底面23
よりも若干突出して設けられている。
【0029】インクパック収納部22の内壁面には、ホ
ルダ部材4の上端から後述する支持柱27(図11参
照)の底面にまで達する長穴状の4つのインク補充孔2
6が設けられている。かかるインク補充孔26は、イン
クパック6により供給されたインクの印材3における貯
溜量が少なくなった時に、ユーザによりインクパック6
を用いることなく予備的にインクを補給する際に使用さ
れる。このとき、インクは、グリップ部材5を取り外し
た状態でインク補充孔26から注入される。
【0030】また、図11に示すように、ホルダ部材4
の下部ホルダ部31には、長さ数mmの多数の円柱状の
支持柱27が格子状に配置されている。支持柱27は下
部ホルダ部31の下端から若干引っ込んだ位置であって
ホルダ部材4に保持された印材3と接触する位置にまで
伸延しており、支持柱27の底面は実質的に一つの平面
を形成している。また、下部ホルダ部31は、上部ホル
ダ部30から連続して一体に形成され、周壁32より外
側で一回り大きい周壁38を有する。なお、ホルダ部材
4は、ABS樹脂、ポリアセタールコポリマー、ポリプ
ロピレン、ポリエチレン、ナイロン等のポリオレフィン
系樹脂、PC樹脂等のいずれかによって形成されてい
る。
【0031】切断リブ25は、グリップ部材5を押下し
た際に、厚紙板37との間でインクパック6を挟圧し、
インクパック6を破断して開封する作用を行う。かかる
インクパック6の開封を確実に行うべく、切断リブ25
の両縁部は、尖って形成されている。また、インク供給
孔24は、切断リブ25によって開封されたインクパッ
ク6から流出したインクを下方に案内するものであり、
これによりインクは印材3に含浸されていく。
【0032】下部ホルダ部31を構成する周壁38の長
手壁の外側には、その略中央位置にて内方に向かって傾
斜溝43が楔状に形成されており、また、傾斜溝43の
両側には、1つまたは2つの検出溝44が形成されてい
る。ここに、傾斜溝43は、本出願人による特願平9−
249983号の明細書、図面に開示されたスタンプ製
造装置を使用して、印材3から印判を形成する際に、ホ
ルダ部材4をスタンプ製造装置における所定製版位置に
セットするための溝である。このとき、傾斜溝43は、
その両側が傾斜面に形成されているので、スタンプ製造
装置における位置決め機構とホルダ部材4との位置関係
が多少ずれた場合においても、位置決め機構の位置決め
部材と傾斜面とのカム作用に基づき、ホルダ部材4は、
位置決め部材が傾斜溝43の中央位置に当接するように
移動されることとなる。これにより、ホルダ部材4は、
スタンプ製造装置の所定製版位置にセットされる。ま
た、検出溝44は、その個数および形成位置がホルダ部
材4のサイズに従って変更されており、スタンプ製造装
置の位置決め機構内に設けられた溝センサとの協働によ
り、ホルダ部材4のサイズを特定するために使用され
る。なお、周壁38の一壁面における傾斜溝43および
検出溝44の形成位置は、他壁面における傾斜溝43、
検出溝44の形成位置と回転対称となるように設定され
ている。これは、ホルダ部材4をスタンプ製造装置の位
置決め機構による所定製版位置にセットする際に、前壁
と後壁を逆転してセットした場合においても、印材3の
製版を可能とするためである。
【0033】また、周壁38の長手壁における下部位置
には、図8に示すように、一対の係止突起45が形成さ
れている。かかる係止突起45は、後述するキャップ部
材60の係止溝62に係止され、キャップ部材60を下
部ホルダ部31の下端に取り付けるために使用される。
これにより、周壁38の下端に保持された印材3の印面
はキャップ部材60により保護される。
【0034】次に、グリップ部材5について、図12〜
図14をさらに参照して説明する。図12はグリップ部
材5の側面図、図13はグリップ部材5の底面図、図1
2はグリップ部材5の幅方向における断面図である。
【0035】これらの図において、グリップ部材5の上
面には、前記のように印材3に形成したスタンプ内容を
表示するラベル等を貼付するためのラベル貼付部50が
形成されている。また、グリップ部材5の内部におい
て、その上壁下面からは、図2、図13および図14に
示すように、ホルダ部材4の上部ホルダ部30の周壁3
2内に挿嵌される挿嵌部51が形成されている。かかる
挿嵌部51は、厚紙板37を介してホルダ部材4内に配
置されたインクパック6を押圧する作用を行う。
【0036】また、挿嵌部51は、底面視において図1
3に示すように、基本的に長方形状を有しており、その
両側位置で相互に対向する位置には4つの凹部52が形
成されている。かかる凹部52は、グリップ部材5の挿
嵌部51をホルダ部材4の周壁32内に挿嵌する際に、
周壁32に沿って形成されたインク補充孔26に対応し
た位置に設けられてい。なお、凹部52が二対形成され
ているのは、どのような状態でグリップ部材5の挿嵌部
51を周壁32内に挿嵌した場合においても、インク補
充孔26の壁部が挿嵌の支障とならないようにするため
である。また、グリップ部材5の内壁面には、複数個
(図13には、12個)のリブ53が垂直方向に形成さ
れている。また、各リブ53のうち、長方形の長辺の内
側にあるものは、その下端近傍にはリブ係止溝54が一
体に形成されている。リブ係止溝54は、前記した周壁
32の外面上部に形成された各凹溝33に嵌合されるも
のであり、これによりホルダ部材4とグリップ部材5と
が一体に連結されるものである。また、各リブ53のう
ち、長方形の短辺の内側にあるものは、段部55が形成
されている。段部55は、印材3による印刷が可能な程
度にホルダ部材4をスカート部材2内で下方に摺動させ
たとき、スカート部材2の長方形の挿通孔10を形成す
る内壁11の短辺の上端に当たって、ホルダ部材4を印
刷に十分な程度以上に摺動させないようになっている。
【0037】次に、ホルダ部材4の下部ホルダ部31の
下端部に取り付けられるキャップ部材60について図1
5および図16をさらに参照して説明する。図15はキ
ャップ部材60の側面図、図16はキャップ部材60の
側断面図である。各図において、キャップ部材60は上
方を開放した箱状を有しており、その外壁両側面の略中
央位置には、図15に示すように、キャップ部材60を
ホルダ部材4に取り付ける際、および、取り外す際に指
により把持される把持部61が形成されている。また、
キャップ部材60の両側内壁面には、前記周壁38に形
成された一対の係止突起45が係止される一対の係止溝
62が設けられている。キャップ部材60の各係止溝6
2が周壁38の各係止突起45に係止されることによ
り、キャップ部材60は周壁38に取り付けられ、これ
によりキャップ部材60を介して周壁38の下端に保持
された印材3の印面が保護されるものである。
【0038】図1乃至図3において、ホルダ部材4の下
端部に保持される印材3は、例えば気孔率90%程度の
ポリビニルホルマールである厚さ3mmの硬質多孔性樹
脂からなる上側層71と、上側層71と同じ材料からな
る厚さ2mmの硬質多孔性樹脂である中間層72と、例
えばカーボンブラック等の光エネルギ吸収物質を分散さ
せた気孔率65%程度のウレタン系樹脂である軟質多孔
性樹脂からなる下側層73との3層構造に形成されてい
る。中間層72と下側層73は格子点状に塗付された接
着剤によって互いに固定されているが、上側層71と中
間層72は人為的に接着されていないフリー状態であ
る。
【0039】上側層71には直径1〜2mmの断面円形
の貫通孔74がそれぞれ複数設けられている。つまり、
上側層71および中間層72を1つの硬質多孔性樹脂層
として考えると、硬質多孔性樹脂層には下側層73に到
達していない凹部が設けられていることになる。3層構
造の印材3の上側層71に貫通孔74が設けられている
ので、インク供給孔24から供給されて上側層71上に
拡がったインクが貫通孔74bを通って直ぐに中間層7
2に到達する。そして、中間層72に達したインクは中
間層72内をゆっくりと浸透して下側層73に達する。
そのため、本実施の形態のように印材3が3層構造であ
って硬質多孔性樹脂層の合計厚みが大きい場合であって
も、インクが軟質多孔性樹脂層である下側層73に到達
するまでの時間は、2層構造であって硬質多孔性樹脂層
の合計厚みが比較的小さい場合とほとんど変わらない。
従って、本実施の形態のスタンプユニット1によると、
例えば5千〜1万回のスタンプ印刷が可能なほどに印材
3でのインク貯溜量を増大させつつ、インクパック開封
時から下側層73へのインク到達時(すなわち、スタン
プ印刷可能時)までに必要な時間を大幅に削減すること
が可能となる。
【0040】図2において、印材3の下側層73の周縁
とホルダ部材4の下端縁とは熱圧により変形され、下側
層73の周縁が斜面に形成されるとともに、ホルダ部材
4の下端縁が下側層73の周縁の端を引っ掛けるように
押しつぶされてシールされていいる。また、印材3の下
側層73の傾斜した周縁は、気孔が熱又は樹脂で塞がれ
ており、インクが漏れでないようになっている。従っ
て、印材3の下側層73の周縁を除く部分に印判が形成
される。
【0041】図17乃至図19により、印材3の下側層
73の周縁とホルダ部材4の下端縁との熱圧の詳細を説
明する。図17は、ホルダ部材4と印材3との熱圧工
程、及び印材3の斜面の焼付け工程を示す図である。図
18は、ホルダ部材4と印材3との熱圧時における組み
立て状態を示す斜視図である。図19は、熱圧後の印材
3の斜面の焼付け状態を示す斜視図である。
【0042】図17において、熱圧治具76は、平面視
で長方形状を有する筒状に形成されており、図示しない
加熱制御装置によりその加熱制御が行われる。ここに、
熱圧治具76の加熱温度(変形温度)としては、200
℃〜240℃の範囲に設定されている。また、熱圧治具
76は、その形状に基づき、熱圧面積77を有する。
【0043】保護フィルム78は透明樹脂フィルムから
構成されており、例えば、PET(ポリエチレンテレフ
タレート)、PEN(ポリエチレンナフタレート),ポ
リアミド等の樹脂から形成されている。この保護フィル
ム78の全面又は熱圧治具76と相対する面の表面は、
シリコン系またはフッ素系樹脂による表面処理により、
シリコン系樹脂膜あるいはフッ素系樹脂膜が形成されて
いる。保護フィルム78を構成する樹脂成分の溶融温度
は、前記溶着治具76の熱圧温度よりも低く、且つ、前
記ホルダ部材4や印材3に含有されている樹脂成分の溶
融温度よりも高くされている。また、保護フィルム78
上には、前記熱圧治具76の熱圧面積77に対応して、
熱圧着代79が形成される。熱圧着代79は2つの部分
からなり、内側の熱圧着代79aは、印材3の下側層7
3とホルダ部材4の下端縁4aの内側とが溶着される部
分に対応し、また、外側の熱圧着代79bは、ホルダ部
材4における下端縁4aの圧着後の幅に対応する。かか
る保護フィルム78にて熱圧着代79の外側には、把持
部80が形成されている。
【0044】印材3は、スタンプ印刷時とは天地が逆に
なっているが、上から順に、下側層73と、中間層72
と、上側層71とからなっている。先に説明したよう
に、下側層73は、例えばカーボンブラック等の光エネ
ルギ吸収物質を分散させた気孔率65%程度のウレタン
系樹脂である軟質多孔性樹脂からなり、中間層72と上
側層71は、例えば気孔率90%程度のポリビニルホル
マールである厚さ3mmの硬質多孔性樹脂からなる。ホ
ルダ部材4もスタンプ印刷時とは天地が逆になって、下
部ホルダ部31を上方に向けて配置されており、従っ
て、下端縁4aは上方に位置している。この下側縁4a
の内側空間4bに、上側層71を支持柱27に当たるま
で押し込む。上側層71の周縁のアール状傾斜面71a
は支持柱27の側、即ちインクが補給される側に向いて
いる。内側空間4bに、更に中間層72を上側層71に
当たるまで押し込む。この中間層72の周縁のアール状
傾斜面72aは下側層73に対面する方向に向いてい
る。下側層73は周縁が平らな板状になっており、点在
する接着剤により中間層72に接着されている。
【0045】ホルダ部材4の下縁部4aは、下部ホルダ
部31の周壁38の先端部38aより更に薄くなってい
る。ただし、内側空間4bの側は連続している。下縁部
4aの薄さの程度は、熱圧したときに、変形して先端部
38aの厚さに略等しくなる程度に選定されている。
【0046】前記構成において、ホルダ部材4の下端縁
4aと印材3の周縁を熱圧するには、先ず、図17
(A)に示すように、ホルダ部材4の内側空間4b内に
印材3を上側層71、中間層72、下側層73の順に配
置する。このとき、下側層73は、ホルダ部材4の下端
部4aよりその全体が飛び出している。なお、下側層7
3が部分的にホルダ部材4の内側空間4b内に入り込ん
でいてもよい。この状態では、中間層72の傾斜面72
aが下側層73に対面しており、両者の間に空間81が
形成されている。この空間81は、下側層73の周縁が
熱圧で変形したときに流れ込むためのスペースを提供す
る。
【0047】この後、図17(B)に示されるように、
印材3の下側層73の印面を被覆するように保護フィル
ム78を載置する。この状態を保持したまま、所定温度
に加熱制御した熱圧治具76を下方に移動するととも
に、熱圧治具76を下方に押圧し、この状態で所定時間
(1〜5秒、望ましくは3秒)保持する。これにより、
印材3の下側層73の周縁が空間81に流れ込み、ホル
ダ部材4の下端縁4aが図示のように変形する。ホルダ
部材4の内側空間4bの壁はストレートであるため、下
端縁4aは内側空間4bに向かって変形しやすく。図示
のように、変形した下側装置73の周縁に食い込んで引
っ掛ける鉤状の楔82を形成する。この楔82は、シー
ル可能な密着状態を保ったまま、印材3の下側層73の
周縁を引っ掛ける状態になる。ホルダ部材4の下端縁4
aの楔82と反対側は、ホルダ部材4の周壁の先端部3
8aに引っつくように変形している。
【0048】また、ホルダ部材4の下端縁4aと特に印
材3の下側層73の周縁の変形により、同時に印材の周
縁の斜面83が同時に形成される。そのため、熱圧治具
76は内側熱圧代79bを有する形状であり、熱圧治具
76の内側はアール状の斜面になっている。また、保護
フィルム78を介在させているため、印材の周縁の斜面
83が段差のないスムースな傾斜になる。これと同時
に、保護フィルム78とホルダ部材4の下端縁4aの変
形後の平らな部分とが剥離可能な状態で溶着される。こ
のように、印材3、ホルダ部材4及び保護フィルム78
は、熱圧治具72を介して同時に熱圧される。
【0049】このように、ホルダ部材4の下端部4aと
印材3の下側層73は鉤状の楔82によってシール可能
な密着状態を保ったまま、互いに引っ掛けられた状態に
なっており、スタンプ印刷時におけるホルダ部材4への
印材3の周縁のインクに対するシールが確実となる。こ
の熱圧変形を効果的に行うために、ホルダ部材4の下端
縁4aの薄くて、内周側がストレートな形状と、印材の
中間層72の周縁のアール状傾斜面と、印材3の全体を
その周囲でも保持する支持柱27が有効である。ホルダ
部材4の下端縁4aが鉤状の楔になってと印材3の下側
層73の周縁を引っ掛けているため、繰り返しのスタン
プ印刷を経ても、ホルダ部材4の下端縁4aが印材3の
下側層73の周縁をシール可能に保持した状態が保たれ
るので、シールの確実性が飛躍的に向上する。
【0050】ここに、ホルダ部材4、印材3及び保護フ
ィルム78はそれぞれ樹脂成分を含有しており、保護フ
ィルム78に含有される樹脂成分の溶融温度はホルダ部
材4及び印材3に含有される樹脂成分の溶融温度よりも
高くされているので、保護フィルム78に含有される樹
脂成分は、その高い溶融温度に基づき、ホルダ部材4の
下端縁4aに対して強固に熱圧されることはなく、スタ
ンプ印刷を行う際に保護フィルム78を簡単にホルダ部
材4から剥がすことができる。また、保護フィルム78
の熱圧治具72と相対する面には、シリコン系またはフ
ッ素系の樹脂膜が形成されているので、熱圧時に保護フ
ィルム78が熱圧治具76に貼り付くことはない。特
に、保護フィルム78の溶融温度に近い温度にて熱圧を
行う場合に有効である。
【0051】次に、保護フィルム78を透明樹脂フィル
ムから構成することにより、発光管を発光させ、印材3
の斜面83を選択的に溶融固化する工程を引き続き行
う。図19に示されるように、保護フィルム78の上
に、アルミ箔や銀箔等のマスク84を載せる。このマス
ク84は点線で示される印材の斜面83の部分を露出さ
せ、印判形成面を被覆する。更に、透明ガラス板85を
マスク84の上に載せ、図示されない押圧手段で透明ガ
ラス板85を押しつけ、キセノン管等の発光管86を発
光させる。すると、図17(C)に示されるように、印
材3の下側層73の斜面83に相当する部分はマスク8
4が存在しないため、発光管86の光を浴びる。下側層
73内のカーボンブラック等の光エネルギ吸収物質が光
を吸収して発熱し、溶融固化によって連続孔を潰す。こ
れにより、印材3の斜面83の焼付けが行われ、この斜
面からインクが漏れ出ることがない。マスク84の厚み
を薄くすると、ガラス85を押し当て印材3を変形させ
た状態で、発光管86を発光させ、印材3を元に膨張さ
せたときに、焼付け部分とその他の部分との境界に段差
が殆ど生じない。
【0052】ところで、印判形成時にポジ原稿に印刷さ
れた画像も発熱するため、ポジ原稿が保護フィルム78
に貼り付くおそれがあるが、保護フィルム78の表面に
はシリコン系またはフッ素系の樹脂膜が形成されている
ので、貼り付くことはない。また、保護フィルム78に
おける溶着代79の外側には、保護フィルム78をホル
ダ部材4の下端縁4aから剥がす際に把持される把持部
80が形成されているので、スタンプ印刷の開始時に、
保護フィルム78をホルダ部材4から容易且つ簡単に剥
がすことができる。
【0053】なお、印材3の周縁の焼付け工程は、ホル
ダ部材4の下端部4aと印材3の周縁との熱圧工程の前
に行うこともできる。印材3の下側層73の周縁にフラ
ットな熱圧治具を当て、下側層73の周縁を予め溶融固
化して連続孔を潰しておき、この下側層73を用いて図
17(A)(B)に示される熱圧を行う。ただし、印材
3の下側層73の周縁が熱硬化しているため、図17
(A)(B)の熱圧時に周縁の熱変形が多少阻害される
ため、図17(C)の如く、熱圧後に焼付けを行うこと
が好ましい。
【0054】また、熱圧後の焼付けも、図17(C)の
ものに限らず、熱圧治具を用いて行うこともできる。印
材3の周縁の斜面83に沿って形状を有する熱圧治具を
押し当てることにより、下側層73の周縁を溶融固化し
て連続孔を潰すことができる。ただし、熱圧治具の押し
当てにより、押し当て部分とその他の部分との間に段差
が生じるため、図17(C)のマスクと発光管による焼
付けが好ましい。
【0055】つぎに、印材に印刷可能な印判を形成する
工程の一例を以下に説明する。まず、ホルダ部材4をス
タンプ製造装置(図示せず)の所定製版位置にセットす
る。このとき、下部ホルダ部31に形成された傾斜溝4
3の傾斜面と位置決め機構の位置決め部材とのカム作用
に基づき、ホルダ部材4は、スタンプ製造装置の所定製
版位置にセットされる。また、各検出溝44と位置決め
機構内に設けられた溝センサとの協働により、ホルダ部
材4のサイズが特定される。
【0056】そして、スタンプ製造装置内でロール状の
透明フィルムを搬送しつつサーマルヘッドおよび転写リ
ボンを介して文字、画像を透明フィルムに印刷してポジ
原稿を作成する。さらに、このポジ原稿と印材3の下側
層とが対向するように、両者の間に透明アクリル板を介
在させた状態でホルダ部材4をセットする。この状態
で、キセノン管を発光させると、ポジ原稿を通して光が
印材3の下側層73に照射される。これにより、原稿の
透明部分に対応して光が照射された下側層73の一部分
だけが光吸収材の発熱作用によって溶融された後固化さ
れてシールされる。一方、溶融固化されなかった部分の
印材3の下側層73は、原稿の文字等に対応してそのま
ま残存することとなる。これにより、印材3の下面にシ
ール部と非シール部とが混在した印判が形成される。
【0057】つぎに、印材3の製版終了後のスタンプユ
ニットの組み立て手順を以下に説明する。上部スカート
部13の両端面において、捻りバネ16のコイル部が予
め位置決め突起18に位置決めされるとともに、捻りバ
ネ16の一端がバネ係止部17に係止された状態のスカ
ート部材2の挿通孔10内に、ホルダ部材4が下方から
挿通される。このとき、ホルダ部材4における上部ホル
ダ部30の周壁32の両端面に形成された傾斜突起35
は、スカート部材2の垂直溝19内を上方に摺動され、
また、傾斜突起35がその楔形状に従って捻りバネ16
の他端を乗り越えた時点で捻りバネ16の他端が各傾斜
突起35の下端に係止される。この状態で、ホルダ部材
4は、スカート部材2内で捻りバネ16の付勢力により
上方に付勢されるとともに、捻りバネ16の付勢力に抗
してホルダ部材4を下方向に摺動可能となる。
【0058】前記のようにホルダ部材4とスカート部材
2とを組み立てた後、インクパック収納部22内部にイ
ンクパック6を収納し且つインクパック6上に厚板紙3
7を配置してから、グリップ部材5の挿嵌部51をホル
ダ部材4の周壁32内に挿嵌する(図2に示す状態)。
このように、挿嵌部51を周壁32内に挿嵌した状態で
さらにグリップ部材5を押下すると、ホルダ部材4内の
インクパック6は、厚紙板37と切断リブ25との間で
挟圧されていく。このとき、インクパック6に及ぼされ
る押圧力は、厚紙板37の作用に基づき、インクパック
6に対して略均一に及ぼされることとなる。従って、イ
ンクパック6は切断リブ25と接触する部位で破断開封
され、これよりインクパック6は切断リブ25の形成位
置に対応して略中央位置で開封されることとなり、イン
クパック6から流出したインクを、切断リブ25の周囲
にて略均一に分散することができる。また、厚紙板37
は、インク吸収能を有していることから、前記のよう
に、グリップ部材5を下方に移動させてホルダ部材4内
でインクパック6を開封する際に、インクパック6から
その上側に流出したインクを吸収してインクがスタンプ
ユニット1の外部に漏出することを防止することができ
る。
【0059】また、切断リブ25を介してインクパック
6が開封された際にインクが一度に流出することとなる
が、周壁32と切断リブ25との間に形成される空間
は、インクパック6から流出するインクの貯留部となる
ので、インクパック6が開封された際にインクが一度に
流出した場合においても、インクがホルダ部材4から外
部に漏出することを防止することができる。
【0060】インクパック6から流出したインクは、切
断リブ25の周囲に形成されたインク供給孔24から下
方に案内されて印材3上に一時的に溜まるが(図3に示
す状態)、上述の貫通孔74a、74bの作用により迅
速に印材3に含浸される。このとき、インク供給孔24
は切断リブ25の周囲に形成されており且つインク供給
孔24の下方には互いに離隔した支持柱27が設けられ
ているので、インクパック6からのインクを、印材3の
全体に渡って均一に含浸させることができる。
【0061】なお、前記のようにグリップ部材5を下方
に移動させることによりインクパック6を開封した時点
で、グリップ部材5の各リブ53に下端に形成されたリ
ブ係止溝54は、ホルダ部材4の周壁32に形成された
各凹部33に嵌合され、これによりホルダ部材4とグリ
ップ部材5とが一体に連結される。従って、前記のよう
に印材3にインクを含浸させた後、印材3に形成された
印判に従って文字等のスタンプ印刷を行う場合には、グ
リップ部材5とホルダ部材4とは一体に移動し、これよ
りスタンプ印刷が可能となるものである。多数回のスタ
ンプ印刷を繰り返しても、図17で説明したような、印
材3の周縁のシール構造であるため、インクの漏れを防
止するシール性が保たれたままである。
【0062】また、印材3に含浸されたインクが少なく
なって適正な濃度でスタンプ印刷を行うことができなく
なった場合には、グリップ部材5をホルダ部材4から取
り外し、厚板紙37およびインクがなくなったインクパ
ック6の袋状パックをホルダ部材4から取り出すととも
に、インクが充填された新たなインクパック6をホルダ
4内に配置して前記と同様の操作を行うことにより、ス
タンプ印刷を再開することができる。また、インクパッ
ク6および厚板紙37を取り外すことなく、ホルダ部材
4の周壁32の一内壁面に形成されたインク補充孔26
からインクを補給してスタンプ印刷を再開することも可
能である。
【0063】なお、本発明は前記実施形態に限定される
ものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々
の改良、変形が可能であることは勿論である。
【0064】
【発明の効果】請求項1のスタンプユニットによると、
ホルダ部材の下端縁の楔に印材の周縁が強固に引っ掛か
っているため、印刷を多数回繰り返しても、印材の周縁
がホルダ部材から外れたり隙間が開いたりして、インク
が漏れ、印刷時に印判の周囲に不要な枠が印刷されるこ
とがなく、耐久性とシール性に優れる。
【0065】請求項2のスタンプユニットによると、先
に軟質連続多孔体の周縁が変形し、硬質連続多孔体の周
縁の傾斜面に入り、その後ホルダ部材の下端縁が変形し
て前記硬質連続多孔体の周縁を巻き込みながら楔を形成
するため、ホルダ部材の下端縁の楔に引っ掛かる印材の
周縁を確実に形成することができる。
【0066】請求項3のスタンプユニットによると、斜
面からインクが漏れないため、捺印時に周囲の不要な枠
が捺印されない。この焼付けは、前記熱圧変形の前後に
連続して行われ、斜面に沿った焼付けを行うことができ
る。
【0067】請求項4のスタンプユニットによると、特
に光枠製版による斜面の焼付けによると、マスクに薄い
箔を使うことにより、斜面と印判との間の段差が殆どな
い状態でシールされた斜面を形成することが可能にな
る。
【0068】請求項5のスタンプユニットによると、熱
圧変形と同時に保護フィルムが接着されているため、そ
れ以降スタンプ印刷をする直前まで、印材を保護するこ
とができる。また、保護フィルムはホルダ部材と一体に
熱溶着されていることから、低コストをもって簡単にホ
ルダ部材の下端縁に引き剥がし可能に保護フィルムを張
りつけることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態のスタンプユニットの全
体分解斜視図である。
【図2】図1のスタンプユニットのインクパック未開封
時の側断面図である。
【図3】図1のスタンプユニットのインクパック開封直
後の側断面図である。
【図4】図1に示されたスカート部材の側面図である。
【図5】図1に示されたスカート部材の端面図である。
【図6】図1に示されたスカート部材の側断面図であ
る。
【図7】図1に示されたホルダ部材の斜視図である。
【図8】図1に示されたホルダ部材の側面図である。
【図9】図1に示されたホルダ部材の側断面図である。
【図10】図1に示されたホルダ部材の平面図である。
【図11】図1に示されたホルダ部材の底面図である。
【図12】図1に示されたグリップ部材の側面図であ
る。
【図13】図1に示されたグリップ部材の底面図であ
る。
【図14】図1に示されたグリップ部材の断面図であ
る。
【図15】図1に示されたキャップ部材の側面図であ
る。
【図16】図1に示されたキャップ部材の側断面図であ
る。
【図17】ホルダ部材と印材との工程、及び印材の斜面
の焼付け工程を示す図である。
【図18】ホルダ部材と印材との熱圧時における組み立
て状態を示す斜視図である。
【図19】熱圧後の印材の斜面の焼付け状態を示す斜視
図である。
【符号の説明】
1 スタンプユニット 2 スカート部材 3 印材 4 ホルダ部材 4a 下側端 5 グリップ部材 71 上側層(硬質連続多孔体) 72 中間層(硬質連続多孔体) 73 下側層(軟質連続多孔体) 72a 傾斜面 82 楔 84 マスク
フロントページの続き (72)発明者 須田 光信 愛知県名古屋市瑞穂区苗代町15番1号 ブ ラザー工業株式会社内 Fターム(参考) 2H084 AA11 AA38 BB04 BB13 CC09

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スカート部材と、スカート部材内で上下
    に摺動可能に保持されるとともに印材を保持するホルダ
    部材と、ホルダ部材の上方に連結されてホルダ部材を下
    方に移動させるグリップ部材とを有するスタンプユニッ
    トにおいて、 前記ホルダ部材の下端縁及び前記印材の周縁が熱圧によ
    り変形され、前記印材の周縁が斜面に形成されるととも
    に、前記ホルダ部材の下端縁が前記印材の周縁を引っ掛
    ける楔に形成されていることを特徴とするスタンプユニ
    ット。
  2. 【請求項2】 前記印材は、印版が作成される軟質連続
    多孔体と硬質連続多孔体とを積層したものであり、前記
    熱圧前には、前記軟質連続多孔体の厚み方向の全部又は
    一部はホルダ部材の前記下端縁より飛び出しており、前
    記硬質連続多孔体の周縁は傾斜面に形成され、前記熱圧
    により、前記軟質連続多孔体の周縁が硬質連続多孔体の
    前記傾斜面に向かって変形するとともに、前記下端縁が
    変形していることを特徴とする請求項1記載のスタンプ
    ユニット。
  3. 【請求項3】 前記印材は印版が作成される軟質連続多
    孔体を含み、前記熱圧変形の前後に、前記斜面の孔を潰
    す焼付けが行われている請求項1又は2記載のスタンプ
    ユニット。
  4. 【請求項4】 前記印材は印版が作成される軟質連続多
    孔体を含み、前記熱圧変形後に、前記印材の印判面に対
    してマスクを施し、前記斜面に光を照射して前記軟質連
    続多孔体の表面を溶かすことにより、前記斜面の孔を潰
    す焼付けが行われている請求項3記載のスタンプユニッ
    ト。
  5. 【請求項5】 前記ホルダ部材の下端縁には、印材の印
    面全体を被覆しつつ保護フィルムが前記熱圧と同時の熱
    溶着により接着されており、前記保護フィルムは透明樹
    脂フィルムからなることを特徴とする請求項1〜4のい
    ずれか記載のスタンプユニット。
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