JP2000094618A - 繊維構造物 - Google Patents
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Abstract
(57)【要約】
【課題】分散染料で染色されたポリエステル繊維からな
り、染料移行汚染防止と電磁波シールド性、防水性など
に優れた鞄、袋物、カーテン、壁材、防水布等に用いら
れる繊維構造物を提供する。 【解決手段】本発明の繊維構造物は、分散染料で染色さ
れたポリエステル繊維からなる布帛の少なくとも片面
に、金属および/または金属化合物からなるシート形態
の薄膜層を設けたものである。
り、染料移行汚染防止と電磁波シールド性、防水性など
に優れた鞄、袋物、カーテン、壁材、防水布等に用いら
れる繊維構造物を提供する。 【解決手段】本発明の繊維構造物は、分散染料で染色さ
れたポリエステル繊維からなる布帛の少なくとも片面
に、金属および/または金属化合物からなるシート形態
の薄膜層を設けたものである。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、染料移行性が少な
く、電磁波シールド性を兼ね備えた、防水布、鞄、袋
物、カーテン、壁材等に用いられる繊維構造物の改良に
関する。
く、電磁波シールド性を兼ね備えた、防水布、鞄、袋
物、カーテン、壁材等に用いられる繊維構造物の改良に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来から産業資材用途やスポーツ衣料用
途などに撥水性、防水性、透湿防水性等の機能を付与す
るためにコーティング、ラミネート加工が数多く行われ
ている。これらのコーティング布帛に使用される繊維素
材はナイロン系素材が主である。
途などに撥水性、防水性、透湿防水性等の機能を付与す
るためにコーティング、ラミネート加工が数多く行われ
ている。これらのコーティング布帛に使用される繊維素
材はナイロン系素材が主である。
【0003】しかし、ナイロン系素材は寸法安定性、防
しわ性などの機械的特性に弱点を有する上に、耐光性、
湿潤堅牢性、耐塩素堅牢性などに本質的欠点を有するも
のである。
しわ性などの機械的特性に弱点を有する上に、耐光性、
湿潤堅牢性、耐塩素堅牢性などに本質的欠点を有するも
のである。
【0004】これに対し、機械的特性に優れ、ウオッシ
ュアンドウエア性などの機能を有するポリエステル繊維
をコーティング基布素材として使用する動きが高まって
いるが、ポリエステル系繊維は分散染料で染色された場
合は、繊維内の染料が繊維と接触しているコーティング
またはラミネート樹脂膜内に経時的に移行して樹脂を汚
染し、さらに該染料が該布帛と接触した物に移行して汚
染するという致命的欠点を有する。かかる染料移行はポ
リエステルがたとえばナイロンのように酸性染料と化学
結合による染着機構をとるものではなく、分散染料の分
子を、繊維基質を弛緩して物理的に押し込んで染色する
するものであることと、さらに分散染料は有機溶剤や合
成樹脂に対して溶解性、親和性を有することが相乗的に
作用して繊維内の染料が被覆樹脂層に移行するものと考
えられる。かかるポリエステル繊維の染料移行性を低減
させる方法として、ポリマー分子構造を改質して塩基性
染料と化学結合するようにしたカチオン可染ポリエステ
ル繊維があるが、繊維の強力低下、コストアップなどの
問題がある。また、コーティング加工面からは繊維表面
をメラミン樹脂などの架橋膜で被覆したり、重合性ガス
中でプラズマ処理して重合・架橋膜で被覆する方法やコ
ーティング樹脂中に分散染料を包合するような成分を添
加するなどの方法が提案されているが十分でなく、ナイ
ロン繊維のコーティング物より劣るのが現状である。
ュアンドウエア性などの機能を有するポリエステル繊維
をコーティング基布素材として使用する動きが高まって
いるが、ポリエステル系繊維は分散染料で染色された場
合は、繊維内の染料が繊維と接触しているコーティング
またはラミネート樹脂膜内に経時的に移行して樹脂を汚
染し、さらに該染料が該布帛と接触した物に移行して汚
染するという致命的欠点を有する。かかる染料移行はポ
リエステルがたとえばナイロンのように酸性染料と化学
結合による染着機構をとるものではなく、分散染料の分
子を、繊維基質を弛緩して物理的に押し込んで染色する
するものであることと、さらに分散染料は有機溶剤や合
成樹脂に対して溶解性、親和性を有することが相乗的に
作用して繊維内の染料が被覆樹脂層に移行するものと考
えられる。かかるポリエステル繊維の染料移行性を低減
させる方法として、ポリマー分子構造を改質して塩基性
染料と化学結合するようにしたカチオン可染ポリエステ
ル繊維があるが、繊維の強力低下、コストアップなどの
問題がある。また、コーティング加工面からは繊維表面
をメラミン樹脂などの架橋膜で被覆したり、重合性ガス
中でプラズマ処理して重合・架橋膜で被覆する方法やコ
ーティング樹脂中に分散染料を包合するような成分を添
加するなどの方法が提案されているが十分でなく、ナイ
ロン繊維のコーティング物より劣るのが現状である。
【0005】一方で近年、パソコンや携帯電話などの電
子機器の急速な発展に伴い、電子機器から発生する電磁
波が機械の誤動作や通信機能を妨害する問題が生じてい
る。また人体に悪影響を及ぼす可能性も指摘されてい
る。このような電磁波障害対策として電磁波発生源面お
よび発生した電磁波の進入防止面から種々検討が行われ
ているが決め手がないのが現状である。
子機器の急速な発展に伴い、電子機器から発生する電磁
波が機械の誤動作や通信機能を妨害する問題が生じてい
る。また人体に悪影響を及ぼす可能性も指摘されてい
る。このような電磁波障害対策として電磁波発生源面お
よび発生した電磁波の進入防止面から種々検討が行われ
ているが決め手がないのが現状である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる現状
に鑑み、分散染料で染色されたポリエステル繊維からな
り、染料移行汚染防止と電磁波シールド性、防水性など
に優れた鞄、袋物、カーテン、壁材、防水布等に用いら
れる繊維構造物を提供せんとするものである。
に鑑み、分散染料で染色されたポリエステル繊維からな
り、染料移行汚染防止と電磁波シールド性、防水性など
に優れた鞄、袋物、カーテン、壁材、防水布等に用いら
れる繊維構造物を提供せんとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するために、次のような構成を採用する。
決するために、次のような構成を採用する。
【0008】すなわち、本発明の繊維構造物は染色され
たポリエステル布帛の少なくとも片面に、金属および/
または金属化合物からなるシート形態の薄膜層を形成さ
せることを特徴とするものである。かかる構成とするこ
とにより、金属および/または金属化合物の薄膜層で染
料の移行が遮断でき、かつ該薄膜で電磁波も遮蔽でき
る。
たポリエステル布帛の少なくとも片面に、金属および/
または金属化合物からなるシート形態の薄膜層を形成さ
せることを特徴とするものである。かかる構成とするこ
とにより、金属および/または金属化合物の薄膜層で染
料の移行が遮断でき、かつ該薄膜で電磁波も遮蔽でき
る。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を詳し
く説明する。
く説明する。
【0010】本発明でいうポリエステル繊維とは、ポリ
エチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート
あるいはこれらに第三成分、例えばイソフタル酸スルホ
ネート、アジピン酸、イソフタル酸、ポリエチレングリ
コールなどを共重合またはブレンドして得られる繊維な
どを使用することがで、長繊維でも短繊維でも良い。好
ましくはポリエチレンテレフタレートである。かかる繊
維からなる布帛としては、織編物、不織布などを使用す
ることができ、布帛の形態には限定されない。なお、上
述のポリエステル繊維に他の繊維、たとえば木綿、羊
毛、ナイロンなどを本発明の効果を阻害しない範囲で混
用してもさしつかえない。
エチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート
あるいはこれらに第三成分、例えばイソフタル酸スルホ
ネート、アジピン酸、イソフタル酸、ポリエチレングリ
コールなどを共重合またはブレンドして得られる繊維な
どを使用することがで、長繊維でも短繊維でも良い。好
ましくはポリエチレンテレフタレートである。かかる繊
維からなる布帛としては、織編物、不織布などを使用す
ることができ、布帛の形態には限定されない。なお、上
述のポリエステル繊維に他の繊維、たとえば木綿、羊
毛、ナイロンなどを本発明の効果を阻害しない範囲で混
用してもさしつかえない。
【0011】本発明でいう分散染料とは、通常ポリエス
テル繊維に適用される公知のポリエステルに拡散しうる
分散染料であればよく、特殊な染料である必要はない。
テル繊維に適用される公知のポリエステルに拡散しうる
分散染料であればよく、特殊な染料である必要はない。
【0012】また、かかる染料でポリエステル繊維を染
色する方法も、通常該繊維を染色する際に使用される方
法でよく、特に限定されるものではない。
色する方法も、通常該繊維を染色する際に使用される方
法でよく、特に限定されるものではない。
【0013】本発明の金属としては、例えばアルミニュ
ーム、銅、金、銀、鉄、ニッケル、亜鉛、白金などの金
属である。また、金属化合物とは、これら金属の酸化
物、窒化物、炭化物などの化合物であり、これら金属、
金属化合物の一種または二種以上を混合物として使用す
ることができる。これらの中でも本発明の金属種として
性能、加工性、コストなどが優れていることからアルミ
ニュームが好ましく使用できる。
ーム、銅、金、銀、鉄、ニッケル、亜鉛、白金などの金
属である。また、金属化合物とは、これら金属の酸化
物、窒化物、炭化物などの化合物であり、これら金属、
金属化合物の一種または二種以上を混合物として使用す
ることができる。これらの中でも本発明の金属種として
性能、加工性、コストなどが優れていることからアルミ
ニュームが好ましく使用できる。
【0014】本発明の金属および金属化合物はシート形
態を有することが必要である。
態を有することが必要である。
【0015】かかるシート状物の形成方法は熱可塑性樹
脂からなるフィルムに蒸着あるいはスパッタリングによ
って薄膜を形成するかまたは金属を圧延法などで薄膜状
の箔を設けることができる。該薄膜の厚みは分散染料移
行防止性、電磁波シールド性能から0.01〜100μ
m、好ましくは0.05〜20μmである。0.01μ
m未満であると染料移行防止性能が不安定になったり、
電磁波シールド性能が発揮できない場合がある。また、
100μmを越えると染料移行防止性や電磁波シールド
性能面では好ましいが風合いが粗硬になったり、折り曲
げられたときに金属層に亀裂が入りやすくなる場合があ
り良くない。
脂からなるフィルムに蒸着あるいはスパッタリングによ
って薄膜を形成するかまたは金属を圧延法などで薄膜状
の箔を設けることができる。該薄膜の厚みは分散染料移
行防止性、電磁波シールド性能から0.01〜100μ
m、好ましくは0.05〜20μmである。0.01μ
m未満であると染料移行防止性能が不安定になったり、
電磁波シールド性能が発揮できない場合がある。また、
100μmを越えると染料移行防止性や電磁波シールド
性能面では好ましいが風合いが粗硬になったり、折り曲
げられたときに金属層に亀裂が入りやすくなる場合があ
り良くない。
【0016】本発明の電磁波シールド性能はKFC法で
1MHzから1GHzの周波数で電界シールド性能を測
定して、500MHzでシールド性能を判断した場合に
シールド性能が20dB以上であり、好ましくは30d
B以上であり、さらに好ましくは50dB以上である。該
性能は使用する金属種および金属化合物の種類とその厚
みにより目的とする効果により設定することができる。
なお、20dB未満であると、シールド性能が低く充分
な効果を発揮できない場合がある。
1MHzから1GHzの周波数で電界シールド性能を測
定して、500MHzでシールド性能を判断した場合に
シールド性能が20dB以上であり、好ましくは30d
B以上であり、さらに好ましくは50dB以上である。該
性能は使用する金属種および金属化合物の種類とその厚
みにより目的とする効果により設定することができる。
なお、20dB未満であると、シールド性能が低く充分
な効果を発揮できない場合がある。
【0017】本発明は上記構成とすることにより、該金
属および金属化合物のシート層が分散染料の布帛への移
行を阻止し、かつ電磁波シールド性能を発揮するもので
あり、さらには防水性をも付与できるものである。
属および金属化合物のシート層が分散染料の布帛への移
行を阻止し、かつ電磁波シールド性能を発揮するもので
あり、さらには防水性をも付与できるものである。
【0018】本発明は分散染料で染色されたポリエステ
ル繊維布帛の裏面に、第1層として樹脂層を、第2層
(場合によっては第2層および第3層)として金属層お
よび/または金属化合物の薄膜層を、第3層(場合によ
っては第4層)として樹脂層をこれらの順に順次積層す
る事が、金属含有層の保護や耐水性の面から好ましい。
ル繊維布帛の裏面に、第1層として樹脂層を、第2層
(場合によっては第2層および第3層)として金属層お
よび/または金属化合物の薄膜層を、第3層(場合によ
っては第4層)として樹脂層をこれらの順に順次積層す
る事が、金属含有層の保護や耐水性の面から好ましい。
【0019】ここで、樹脂層としては、熱可塑性樹脂が
柔軟性などの点で好ましく、かつ樹脂分子中に塩素や臭
素元素を含まないものが環境面から好ましい。具体的な
樹脂としてはポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン
・アクリル酸アルキル共重合体、エチレン・ビニルアセ
テート共重合体、エチレン・αオレフィン共重合体、ポ
リエステル、ポリアミド、ウレタンなどが好ましく使用
できる。本発明の樹脂層の形成は公知の方法を使用する
ことができ特に限定されないが、例えば、Tダイ、カレ
ンダー等でフィルムを製膜する際に積層を同時に行って
も良く、また製膜したフィルムを接着剤を使用して貼り
合わせることができる。さらには溶剤あるいは水中に分
散あるいは溶解した樹脂溶液をディッピング、コーティ
ング等公知の方法で製膜する事ができる。該樹脂層は発
泡されていても良い。また本発明の樹脂層に本発明の効
果を阻害しない範囲で着色剤、制電剤、導電剤、防かび
剤、抗菌剤、消臭剤、可塑剤無機充填剤を含有しても良
い。
柔軟性などの点で好ましく、かつ樹脂分子中に塩素や臭
素元素を含まないものが環境面から好ましい。具体的な
樹脂としてはポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン
・アクリル酸アルキル共重合体、エチレン・ビニルアセ
テート共重合体、エチレン・αオレフィン共重合体、ポ
リエステル、ポリアミド、ウレタンなどが好ましく使用
できる。本発明の樹脂層の形成は公知の方法を使用する
ことができ特に限定されないが、例えば、Tダイ、カレ
ンダー等でフィルムを製膜する際に積層を同時に行って
も良く、また製膜したフィルムを接着剤を使用して貼り
合わせることができる。さらには溶剤あるいは水中に分
散あるいは溶解した樹脂溶液をディッピング、コーティ
ング等公知の方法で製膜する事ができる。該樹脂層は発
泡されていても良い。また本発明の樹脂層に本発明の効
果を阻害しない範囲で着色剤、制電剤、導電剤、防かび
剤、抗菌剤、消臭剤、可塑剤無機充填剤を含有しても良
い。
【0020】つまり、本発明の好ましい積層態様として
は、布帛と接する層として樹脂層で耐水性の皮膜を形成
し、さらにこの樹脂層の上に「金属および/または金属
化合物の薄膜層」からなる金属元素含有層の順に積層し
たものが挙げられる。すなわち、樹脂層で金属元素含有
層をサンドイッチにすることで金属元素含有層の耐摩耗
性などの物理的特性を保護し、かつ最外層を樹脂層にす
ることにより金属特有の冷たい感触を防ぐことができる
のである。
は、布帛と接する層として樹脂層で耐水性の皮膜を形成
し、さらにこの樹脂層の上に「金属および/または金属
化合物の薄膜層」からなる金属元素含有層の順に積層し
たものが挙げられる。すなわち、樹脂層で金属元素含有
層をサンドイッチにすることで金属元素含有層の耐摩耗
性などの物理的特性を保護し、かつ最外層を樹脂層にす
ることにより金属特有の冷たい感触を防ぐことができる
のである。
【0021】本発明で金属元素含有層を蒸着でシート状
にする場合は熱可塑性樹脂からなるフィルム上に蒸着し
て使用するので、かかる樹脂フィルムを最外層の樹脂層
として使用することができる。本発明は布帛に金属元素
含有層、樹脂層の順に積層してもよく、この態様の実現
方法として上述したように蒸着フィルムを使用すれば該
フィルム一枚を積層すればよい。
にする場合は熱可塑性樹脂からなるフィルム上に蒸着し
て使用するので、かかる樹脂フィルムを最外層の樹脂層
として使用することができる。本発明は布帛に金属元素
含有層、樹脂層の順に積層してもよく、この態様の実現
方法として上述したように蒸着フィルムを使用すれば該
フィルム一枚を積層すればよい。
【0022】本発明の分散染料で染色されたポリエステ
ル繊維布帛は撥水加工されているものである。該撥水加
工は公知の薬剤を使用し公知の方法で処理することがで
き特に限定されるものではなく、例えばフッ素系化合
物、シリコン系化合物、ワックス系化合物を含む溶剤系
または水系溶液に布帛を浸漬して所定の付着量になるよ
うにマングル等で絞り、乾燥し、必要によりキュアリン
グすればよい。本発明の撥水処理の性能は、JIS L
1092 5.2に規定されるスプレー法で測定した
撥水度が70点以上、好ましくは80点以上である。本
発明の撥水処理をすることにより本発明の積層体の耐水
圧性能が安定するとともに布帛表面に防汚性能を付与す
ることができる。
ル繊維布帛は撥水加工されているものである。該撥水加
工は公知の薬剤を使用し公知の方法で処理することがで
き特に限定されるものではなく、例えばフッ素系化合
物、シリコン系化合物、ワックス系化合物を含む溶剤系
または水系溶液に布帛を浸漬して所定の付着量になるよ
うにマングル等で絞り、乾燥し、必要によりキュアリン
グすればよい。本発明の撥水処理の性能は、JIS L
1092 5.2に規定されるスプレー法で測定した
撥水度が70点以上、好ましくは80点以上である。本
発明の撥水処理をすることにより本発明の積層体の耐水
圧性能が安定するとともに布帛表面に防汚性能を付与す
ることができる。
【0023】本発明の繊維構造物はJIS L 109
2 5.1(1)耐水度試験A法(低圧法)に規定され
る方法で測定した耐水圧が300H2O以上であり、か
かる耐水圧があれば雨天時に雨水がしみ込むこともな
い。しかし、屋外に放置して長期間使用する場合は、耐
水圧は1000H2O以上あることが好ましい。
2 5.1(1)耐水度試験A法(低圧法)に規定され
る方法で測定した耐水圧が300H2O以上であり、か
かる耐水圧があれば雨天時に雨水がしみ込むこともな
い。しかし、屋外に放置して長期間使用する場合は、耐
水圧は1000H2O以上あることが好ましい。
【0024】本発明による繊維構造物は、鞄、カーテ
ン、壁材などに好ましく使用することができる。
ン、壁材などに好ましく使用することができる。
【0025】
【実施例】次に実施例により、本発明をさらに詳しく説
明する。なお、実施例中における各種評価は、下記の方
法に従って行なった。 (染料移行汚染堅牢度)試験片(5cm×5cm)の積
層面と試験片布帛と同一の白布に試験片最外層樹脂と同
一の樹脂を貼り合わせた添付布(5cm×5cm)の樹
脂面同士が接触するようにガラス板2枚に挟み込んだ
後、そのガラス板上に4.5kg荷重をかけて恒温加熱
処理機で120℃×80分の熱処理を行う。
明する。なお、実施例中における各種評価は、下記の方
法に従って行なった。 (染料移行汚染堅牢度)試験片(5cm×5cm)の積
層面と試験片布帛と同一の白布に試験片最外層樹脂と同
一の樹脂を貼り合わせた添付布(5cm×5cm)の樹
脂面同士が接触するようにガラス板2枚に挟み込んだ
後、そのガラス板上に4.5kg荷重をかけて恒温加熱
処理機で120℃×80分の熱処理を行う。
【0026】その結果、添付布の染料汚染状態をグレー
スケールで判定し、これを等級で示した。等級数値の大
きいものほど汚染していないことを示す。
スケールで判定し、これを等級で示した。等級数値の大
きいものほど汚染していないことを示す。
【0027】(電磁波シールド性能)スペクトロアナラ
イザー装置((株)アドバンテスト社製)を用いKFC
法で1MHz〜1GHzの周波数で測定し500GHz
の値を表示した (撥水度)JIS L 1092 5.2スプレー法
に規定されるスプレー法で測定し点数表示した。
イザー装置((株)アドバンテスト社製)を用いKFC
法で1MHz〜1GHzの周波数で測定し500GHz
の値を表示した (撥水度)JIS L 1092 5.2スプレー法
に規定されるスプレー法で測定し点数表示した。
【0028】(耐水圧)JIS 1092 5.1
(1)耐水度試験A法(低圧法)に規定される方法で測
定した。
(1)耐水度試験A法(低圧法)に規定される方法で測
定した。
【0029】実施例1〜6、比較例1〜2 経糸および緯糸に75デニール36フィラメントのポリ
エチレンテレフタレート繊維(東レ株式会社製)を使用
して平織物を製織し、85℃で精錬し、180℃でピン
テターを用いてヒートセットした。次いで分散染料レゾ
リン・ブルーFBL3%owfの濃度で135℃で60
分間の染色を行い、常法により還元線洗浄、水洗後、1
60℃でヒートセットした。該染色布を次に示す条件で
積層加工して性能を評価した結果を表1に示した。
エチレンテレフタレート繊維(東レ株式会社製)を使用
して平織物を製織し、85℃で精錬し、180℃でピン
テターを用いてヒートセットした。次いで分散染料レゾ
リン・ブルーFBL3%owfの濃度で135℃で60
分間の染色を行い、常法により還元線洗浄、水洗後、1
60℃でヒートセットした。該染色布を次に示す条件で
積層加工して性能を評価した結果を表1に示した。
【0030】「撥水加工」アサヒガードAG4000
(明成化学株式会社製 フッ素系撥水撥油剤)の3%水
分散液に加工布を浸積して、付着量が70%になるよう
にマングルで絞り、130℃で乾燥した後、170℃で
ヒートセットした。
(明成化学株式会社製 フッ素系撥水撥油剤)の3%水
分散液に加工布を浸積して、付着量が70%になるよう
にマングルで絞り、130℃で乾燥した後、170℃で
ヒートセットした。
【0031】「金属層」(a)厚さが10μmのポリエ
ステルフィルムにアルミを0.06μmの厚みで蒸着し
た物を使用した。
ステルフィルムにアルミを0.06μmの厚みで蒸着し
た物を使用した。
【0032】(b)厚さが10μmのアルミ箔を使用し
た。
た。
【0033】(c)厚さが8μmの銅箔を使用した。
【0034】「樹脂層」(ア)アクリル樹脂(クリスコ
ートP1130 大日本インク株式会社製)を固形分が
2μmの厚みになるようにナイフコートし160℃で熱
処理した。
ートP1130 大日本インク株式会社製)を固形分が
2μmの厚みになるようにナイフコートし160℃で熱
処理した。
【0035】(イ)厚みが50μmのエチレン・ビニル
アセテート共重合体フィルムを使用した。
アセテート共重合体フィルムを使用した。
【0036】(ウ)厚みが20μmのエチレン・プロピ
レン共重合体フィルムを使用した。
レン共重合体フィルムを使用した。
【0037】なお、各層の接着はウレタン系接着剤を使
用した。
用した。
【0038】
【表1】 表1から本発明は、金属層で分散染料の移行汚染を遮断
し、かつ金属層または樹脂層で高い防水性を付与でき、
金属層の厚みで目的とする電磁波シールド性を付与でき
ることがわかる。染料移行汚染防止性、電磁波シールド
性、耐水性を兼ね備えた繊維構造物であることがわか
る。これに対し、比較例1および2は、樹脂層のみで金
属層を有していないので、移行汚染が著しく、電磁波シ
ールド性を備えることができないことが分かる。
し、かつ金属層または樹脂層で高い防水性を付与でき、
金属層の厚みで目的とする電磁波シールド性を付与でき
ることがわかる。染料移行汚染防止性、電磁波シールド
性、耐水性を兼ね備えた繊維構造物であることがわか
る。これに対し、比較例1および2は、樹脂層のみで金
属層を有していないので、移行汚染が著しく、電磁波シ
ールド性を備えることができないことが分かる。
【0039】また、本発明による繊維構造物は塩素、臭
素元素を含んでいないため、環境面でも優れる。
素元素を含んでいないため、環境面でも優れる。
【0040】
【発明の効果】本発明によれば、布帛上に形成された、
金属および/または金属化合物からなる金属元素含有層
の薄膜層で染料の移行を遮断するとともに、該薄膜層で
電磁波を遮蔽するので、布帛その他への分散染料による
移行汚染がない。よって、電磁波シールド性能、耐水性
能を兼ね備えた優れた繊維構造物が得られる。また、塩
素、臭素元素を含まないので、焼却時に有害な物質を排
出する事がなく環境に優しい繊維構造物を提供し得る。
金属および/または金属化合物からなる金属元素含有層
の薄膜層で染料の移行を遮断するとともに、該薄膜層で
電磁波を遮蔽するので、布帛その他への分散染料による
移行汚染がない。よって、電磁波シールド性能、耐水性
能を兼ね備えた優れた繊維構造物が得られる。また、塩
素、臭素元素を含まないので、焼却時に有害な物質を排
出する事がなく環境に優しい繊維構造物を提供し得る。
【0041】かかる本発明の繊維構造物は、例えば鞄、
袋物、カーテン、壁材、防水布等などに適用することが
でき、上記特性を備えた優れたものが得られる。
袋物、カーテン、壁材、防水布等などに適用することが
でき、上記特性を備えた優れたものが得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F100 AB01B AB01C AB02B AB10B AB16B AB17B AB18B AB24B AB25B AB33B AB40B AK01D AK01E BA02 BA03 BA04 BA05 BA10A BA10C BA10E DG11A EH66B EJ68A GB08 GB71 JA20C JB06A JB16D JB16E JD08 JK20 JL06 JM02B JM02C YY00 YY00C 4L048 AA20 AA21 AB07 BA01 BA02 CA05 CA08 DA19 DA24 DA30 EB05
Claims (12)
- 【請求項1】分散染料で染色されたポリエステル繊維か
らなる布帛の少なくとも片面に、金属および/または金
属化合物からなるシート形態の薄膜層を有していること
を特徴とする繊維構造物。 - 【請求項2】金属および/または金属化合物の薄膜層の
積層面は布帛の裏面であって、さらに該金属および/ま
たは金属化合物の薄膜層の外表面に樹脂層が積層されて
いる請求項1記載の繊維構造物。 - 【請求項3】布帛の裏面に、第1層として樹脂層が、第
2層として金属および/または金属化合物の薄膜層が、
第3層として樹脂層が、これらの順に積層されている請
求項1記載の繊維構造物。 - 【請求項4】金属および金属化合物の薄膜層が、アル
ミ、銅、金、銀、鉄、ニッケル、亜鉛、および白金から
なる一群のうちの少なくとも一種の元素を含有してなる
請求項1記載の繊維構造物。 - 【請求項5】金属および金属化合物の薄膜層が、蒸着ま
たは箔からなる請求項1記載の繊維構造物。 - 【請求項6】金属および金属化合物の厚さが、0.01
〜100μmの範囲内である請求項1記載の繊維構造
物。 - 【請求項7】樹脂層が、ハロゲン元素を含まない熱可塑
性合成樹脂からなるものである請求項1記載の繊維構造
物。 - 【請求項8】電磁波シールド性能が500MHzの周波
数で30dB以上である請求項1記載の繊維構造物。 - 【請求項9】布帛が撥水処理されている請求項1記載の
繊維構造物。 - 【請求項10】撥水剤が、塩素、臭素元素を含まないも
のである請求項9記載の繊維構造物。 - 【請求項11】JIS L 1092 5.1(1)で
規定される耐水度試験A法(低圧法)に基づく方法で測
定した耐水圧が、1000mmH2O以上である請求項
1〜10のいずれかに記載の繊維構造物。 - 【請求項12】鞄、袋物、カーテン、壁材、および防水
布のうちのいずれかに用いた請求項1記載の繊維構造
物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10271051A JP2000094618A (ja) | 1998-09-25 | 1998-09-25 | 繊維構造物 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP10271051A JP2000094618A (ja) | 1998-09-25 | 1998-09-25 | 繊維構造物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000094618A true JP2000094618A (ja) | 2000-04-04 |
Family
ID=17494729
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10271051A Pending JP2000094618A (ja) | 1998-09-25 | 1998-09-25 | 繊維構造物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000094618A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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-
1998
- 1998-09-25 JP JP10271051A patent/JP2000094618A/ja active Pending
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