JP2000094292A - スライダの加工装置および方法 - Google Patents

スライダの加工装置および方法

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JP2000094292A JP10272251A JP27225198A JP2000094292A JP 2000094292 A JP2000094292 A JP 2000094292A JP 10272251 A JP10272251 A JP 10272251A JP 27225198 A JP27225198 A JP 27225198A JP 2000094292 A JP2000094292 A JP 2000094292A
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  • Grinding And Polishing Of Tertiary Curved Surfaces And Surfaces With Complex Shapes (AREA)
  • Finish Polishing, Edge Sharpening, And Grinding By Specific Grinding Devices (AREA)
  • Adjustment Of The Magnetic Head Position Track Following On Tapes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 研磨部材によってスライダのエッジ部分を研
磨してエッジ部分の面取り加工を行う際に、エッジ部分
によって研磨部材が切れることを防止する。 【解決手段】 スライダ保持治具80によって保持され
たスライダは、ダイヤモンドラッピングシート39に当
接する。荷重付加部100は、最下段における重り11
3の軸部113aの下端部がスライダ保持治具80に対
して接触せずにスライダ保持治具80の上方に位置する
状態から、下方向に移動させることにより、複数段に配
置された重り113,123,133が、下段側から順
に、スライダ保持治具80に対して荷重を付加する状態
となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、浮上型磁気ヘッド
等に用いられるスライダのエッジ部分の面取り加工を行
うためのスライダの加工装置および方法に関する。
【0002】
【従来の技術】磁気ディスク装置等に用いられる浮上型
磁気ヘッドは、一般的に、スライダの後端部に薄膜磁気
ヘッド素子を形成して構成されるようになっている。ス
ライダは、一般的に、表面が媒体対向面(エアベアリン
グ面)となるレール部を有すると共に、空気流入側の端
部近傍にテーパ部またはステップ部を有し、テーパ部ま
たはステップ部より流入する空気流によってレール部が
磁気ディスク等の記録媒体の表面からわずかに浮上する
ようになっている。
【0003】このようなスライダでは、例えば特開平6
−282831号公報に示されるように、スライダが揺
れたりして傾いたときに、例えばレール部の媒体対向面
とレール部の外側の側面との間のエッジ部分のようなス
ライダのエッジ部分によって記録媒体を傷つけないよう
に、スライダのエッジ部分に対して面取り加工を施すこ
とが行われている。
【0004】スライダのエッジ部分に対する従来の面取
り加工の方法としては、例えば特開平6−12645号
公報に示されるように、弾性体上に設けられたダイヤモ
ンドラッピングシートに、荷重を加えながらスライダの
媒体対向面を接触させ、スライダをダイヤモンドラッピ
ングシートに対して相対的に移動させて研磨する方法が
ある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述のような面取り加
工の方法では、スライダに荷重を加えて、スライダをダ
イヤモンドラッピングシートに対して押し付ける必要が
ある。ところが、ダイヤモンドラッピングシートの基材
が薄いため、特に、レール部のエッジ部分の面取りがま
だ行われていないときや面取りの初期の段階で、スライ
ダのエッジ部分によってダイヤモンドラッピングシート
が切れてしまう場合があるという問題点があった。
【0006】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
ので、その目的は、研磨部材によってスライダのエッジ
部分を研磨してエッジ部分の面取り加工を行うスライダ
の加工装置および方法において、スライダのエッジ部分
によって研磨部材が切れることを防止することができる
ようにしたスライダの加工装置および方法を提供するこ
とにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明に係るスライダの
加工装置は、媒体対向面を有するスライダにおけるエッ
ジ部分を研磨してエッジ部分の面取り加工を行うスライ
ダの加工装置であって、スライダを保持するためのスラ
イダ保持具と、このスライダ保持具によって保持された
スライダのエッジ部分を研磨するための研磨部材と、ス
ライダ保持具によって保持されたスライダを研磨部材に
押し付けるようにスライダ保持具に対して荷重を付加す
ると共に、スライダ保持具に付加する荷重を調整するこ
とが可能な荷重付加手段と、研磨部材によってスライダ
のエッジ部分が研磨されるように、スライダ保持具によ
って保持されたスライダと研磨部材とを相対的に移動さ
せる移動手段とを備えたものである。
【0008】このスライダの加工装置では、荷重付加手
段によって、スライダ保持具によって保持されたスライ
ダを研磨部材に押し付けるようにスライダ保持具に対し
て荷重が付加されると共に、スライダ保持具に付加する
荷重が調整される。また、本発明に係るスライダの加工
装置では、研磨部材は、例えばシート状をなす。
【0009】また、本発明に係るスライダの加工装置で
は、荷重付加手段は、例えば、スライダ保持具に荷重を
付加するための複数の重りと、この複数の重りによる荷
重をスライダ保持具に対して段階的に加えることによっ
て荷重を調整するための荷重調整手段とを有する。この
場合、例えば、重りは、軸部と、この軸部よりも径の大
きな大径部とを含み、荷重調整手段は、それぞれ、重り
の軸部を挿通させ、大径部の挿通を阻止する孔が形成さ
れ、この孔によって重りを軸部の軸方向に移動可能に保
持する複数段の重り保持部と、この重り保持部を上下方
向に移動させる重り保持部移動手段とを含む。そして、
最下段の重り保持部によって保持された重りの軸部の下
端部がスライダ保持具に対して接触せずにスライダ保持
具の上方に位置する状態から、重り保持部移動手段によ
って重り保持部を下方向に移動させることにより、複数
段の重り保持部によって保持された重りが、下段側から
順に、スライダ保持具に対して荷重を付加する状態とな
る。また、重りは、例えば、所定の重さを有する1以上
のブロックからなる。
【0010】本発明に係るスライダの加工方法は、媒体
対向面を有するスライダにおけるエッジ部分を研磨する
ための研磨部材にスライダを押し付けるように、スライ
ダ保持具に対して荷重を付加しながら、スライダと研磨
部材とを相対的に移動させて、研磨部材によってスライ
ダのエッジ部分を研磨してエッジ部分の面取り加工を行
うスライダの加工方法であって、面取り加工の進行に応
じて、スライダ保持具に付加する荷重を変化させるもの
である。
【0011】本発明に係るスライダの加工方法では、研
磨部材は、例えばシート状をなす。また、本発明に係る
スライダの加工方法では、例えば、面取り加工の進行に
応じて、スライダ保持具に付加する荷重を、段階的に増
加させる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して詳細に説明する。図1は、本発明の一
実施の形態に係るスライダの加工装置を一部切り欠いて
示す正面図、図2は、図1の右側面図である。また、図
3は、図1に示した加工装置におけるX−Yテーブルの
近傍を拡大して示す正面図、図4は、図3の右側面図で
ある。本実施の形態に係る加工装置10は、スライダの
エッジ部分を研磨してエッジ部分の面取り加工を行う装
置である。なお、本実施の形態では、スライダとして、
薄膜磁気ヘッドに利用されるスライダの例を挙げてい
る。
【0013】加工装置10は、装置本体11を備えてい
る。この装置本体11の前端部には、操作パネル23が
設けられている。また、装置本体11上には、ベース部
12が設けられている。ベース部12上には、上面をX
方向(図1における矢印が示す左右方向)およびY方向
(図2における矢印が示す左右方向)に移動可能なX−
Yテーブル13が設けられている。X−Yテーブル13
は、本発明における移動手段に対応する。
【0014】X−Yテーブル13は、ベース部12に対
して固定された固定プレート14と、この固定プレート
14上に設けられたY方向揺動プレート15と、このY
方向揺動プレート15上に固定されたプレート16と、
このプレート16上に設けられたX方向揺動プレート1
7と、このX方向揺動プレート17上に固定されたプレ
ート18とを備えている。
【0015】図3に示したように、固定プレート14の
上面におけるX方向の両端部には、それぞれY方向に延
び、ベアリングを有するガイド19が設けられている。
Y方向揺動プレート15の下面におけるX方向の両端部
には、それぞれY方向に延び、固定プレート14に設け
られたガイド19に移動可能に係合する係合部20が設
けられている。そして、この係合部20が固定プレート
14上のガイド19に沿って移動することにより、Y方
向揺動プレート15がY方向に移動するようになってい
る。
【0016】また、図4に示したように、プレート16
の上面におけるY方向の両端部には、それぞれX方向に
延び、ベアリングを有するガイド21が設けられてい
る。X方向揺動プレート17の下面におけるY方向の両
端部には、それぞれX方向に延び、プレート16に設け
られたガイド21に係合する係合部22が設けられてい
る。そして、この係合部22がプレート16上のガイド
21に沿って移動することにより、X方向揺動プレート
17がX方向に移動するようになっている。
【0017】プレート18上には、複数のワイヤ巻きブ
ロック30が固定されている。このワイヤ巻きブロック
30の構成については、後で詳しく説明する。
【0018】図3に示したように、装置本体11内に
は、Y方向揺動用モータ40が設けられている。装置本
体11内において、Y方向揺動用モータ40の回転軸4
1には、円板42が取り付けられている。装置本体11
内には、この円板42を挟むように、揺動原点センサ4
3が設けられている。例えば、円板42には、所定の箇
所に孔が設けられ、揺動原点センサ43には、アンプを
内蔵した透過型のフォトセンサが用いられる。この場
合、揺動原点センサ43は、円板42における孔の位置
を検出して、Y方向の揺動の原点を検出するようになっ
ている。
【0019】また、ベース部12の上面より上方の位置
において、Y方向揺動用モータ40の回転軸41の上端
部には、Y方向揺動幅調整部材44を介して、Y方向揺
動用回転軸45が連結されている。Y方向揺動幅調整部
材44は、Y方向揺動用モータ40の回転軸41とY方
向揺動用回転軸45とをずらすことができると共に、そ
のずれ量を調節することができるようになっている。Y
方向揺動用回転軸45の上端部には、ベアリングを有す
るカム46が取り付けられている。Y方向揺動プレート
15の上面には、X方向に延び、カム46を誘導するた
めのガイド47が設けられている。Y方向揺動用モータ
40の回転軸41とY方向揺動用回転軸45とがずれて
いる場合には、Y方向揺動用モータ41を回転させる
と、カム46が回転し、このカム46がガイド47に沿
って移動することにより、ガイド47、プレート16お
よびY方向揺動プレート15がY方向に揺動するように
なっている。なお、ベース部12、固定プレート14、
Y方向揺動プレート15およびプレート16には、Y方
向揺動用回転軸45が挿通される孔が形成されている。
【0020】また、装置本体11内には、X方向揺動用
モータ50が設けられている。装置本体11内におい
て、X方向揺動用モータ50の回転軸51には、円板5
2が取り付けられている。装置本体11内には、この円
板52を挟むように、揺動原点センサ53が設けられて
いる。例えば、円板52には、所定の箇所に孔が設けら
れ、揺動原点センサ53には、アンプを内蔵した透過型
のフォトセンサが用いられる。この場合、揺動原点セン
サ53は、円板52における孔の位置を検出して、X方
向の揺動の原点を検出するようになっている。
【0021】本実施の形態では、加工処理の開始時に、
揺動原点センサ43,53によって、Y方向およびX方
向の揺動の原点を検出し、X−Yテーブル13の位置を
揺動の原点に復帰させることにより、加工処理の開始時
におけるX−Yテーブル13の位置を常に一定にするよ
うにしている。これにより、処理結果のばらつきをなく
すことができる。
【0022】また、ベース部12の上面より上方の位置
において、X方向揺動用モータ50の回転軸51の上端
部には、X方向揺動幅調整部材54を介して、X方向揺
動用回転軸55が連結されている。X方向揺動幅調整部
材54は、X方向揺動用モータ50の回転軸51とX方
向揺動用回転軸55とをずらすことができると共に、そ
のずれ量を調節することができるようになっている。X
方向揺動用回転軸55の上端部には、ベアリングを有す
るカム56が取り付けられている。X方向揺動プレート
17の下面には、Y方向に延び、カム56を誘導するた
めのガイド57が設けられている。Y方向揺動用モータ
50の回転軸51とX方向揺動用回転軸55とがずれて
いる場合には、X方向揺動用モータ50を回転させる
と、カム56が回転し、このカム56がガイド57に沿
って移動することにより、ガイド57、X方向揺動プレ
ート17およびプレート18がX方向に揺動するように
なっている。なお、ベース部12、固定プレート14、
Y方向揺動プレート15およびプレート16には、X方
向揺動用回転軸55が挿通される孔が形成されている。
【0023】ここで、図5ないし図8を参照して、Y方
向揺動幅調整部材44の構成および作用について説明す
る。図5は、Y方向揺動用モータ40の回転軸41とY
方向揺動用回転軸45とのずれ量がゼロであるときのY
方向揺動幅調整部材44の正面図、図6は図5の側面図
である。また、図7は、Y方向揺動用モータ40の回転
軸41とY方向揺動用回転軸45とのずれ量がゼロより
大きい所定の大きさであるときのY方向揺動幅調整部材
44の正面図、図8は図7の側面図である。
【0024】Y方向揺動幅調整部材44は、Y方向揺動
用モータ40の回転軸41の上端部に固定され、一方向
に延びる溝を有する固定部61と、この固定部61の溝
内に移動可能に収納され、Y方向揺動用回転軸45の下
端部に固定された可動部62と、固定部61の側部に取
り付けられ、固定部61に対して可動部62を移動させ
るための駆動用ねじ63と、固定部61の他の側部に取
り付けられ、固定部61に対して可動部62を固定する
ための固定用ねじ64とを備えている。
【0025】このY方向揺動幅調整部材44では、駆動
用ねじ63を回すことによって、固定部61に対して可
動部62を移動させることができ、固定用ねじ64を締
め付けることによって、固定部61に対して可動部62
を固定することができる。
【0026】Y方向揺動幅調整部材44では、図5およ
び図6に示したように、Y方向揺動用モータ40の回転
軸41とY方向揺動用回転軸45とのずれ量をゼロにし
た場合には、Y方向揺動用モータ40を駆動しても、Y
方向揺動用回転軸45は回転するだけで、その位置は変
わらない。従って、Y方向揺動プレート15の揺動幅は
ゼロとなる。
【0027】また、Y方向揺動幅調整部材44では、図
7および図8に示したように、Y方向揺動用モータ40
の回転軸41とY方向揺動用回転軸45とのずれ量をゼ
ロより大きい所定の大きさにした場合には、Y方向揺動
用モータ40を駆動すると、Y方向揺動用回転軸45
は、回転軸41に対して偏心した状態で回転し、その結
果、Y方向揺動プレート15が揺動する。この場合、Y
方向揺動プレート15の揺動幅は、回転軸41とY方向
揺動用回転軸45とのずれ量の2倍となる。
【0028】なお、X方向揺動幅調整部材54の構成お
よび作用も、Y方向揺動幅調整部材44と同様である。
【0029】本実施の形態では、Y方向揺動用モータ4
0の回転数は、0〜40rpmの範囲内で制御され、X
方向揺動用モータ50の回転数は、0〜30rpmの範
囲内で制御されるようになっている。
【0030】また、本実施の形態では、Y方向揺動プレ
ート15の揺動幅は、0〜15mmの範囲内で制御さ
れ、X方向揺動プレート17の揺動幅は、0〜30mm
の範囲内で制御されるようになっている。
【0031】図1に示したように、ベース部12の上に
は、X−Yテーブル13の左右方向の両側の位置におい
て、Y方向に延びる2本のレール部29が固定されてい
る。各レール部29には、それぞれ、Y方向に延びるガ
イド71が設けられている。
【0032】一方、X−Yテーブル13の上方には、ス
ライダ保持治具セットプレート70が設けられている。
このスライダ保持治具セットプレート70は、スライダ
を保持するスライダ保持治具80を位置決めするための
ものである。スライダ保持治具80は、本発明における
スライダ保持具に対応する。スライダ保持治具セットプ
レート70のX方向の両端部近傍における下面には、ガ
イド71に係合する係合部72が接合されている。そし
て、この係合部72がガイド71に沿って移動すること
により、スライダ保持治具セットプレート70がY方向
に移動するようになっている。スライダ保持治具セット
プレート70は、最も前側に配置された状態でX−Yテ
ーブル13の上方の位置に配置され、この状態から後ろ
側に移動することにより、X−Yテーブル13の上方の
位置から退避するようになっている。
【0033】図9は、スライダ保持治具セットプレート
70が移動する様子を示したものである。スライダ保持
治具セットプレート70が最も後ろ側(図において右
側)に配置された状態でスライダ保持治具セットプレー
ト70の後端部に対応する位置には、スライダ保持治具
セットプレート70の後ろ側への移動を規制するための
ストッパ75が設けられている。
【0034】また、図10は、X−Yテーブル13の上
方の位置におけるスライダ保持治具セットプレート70
の有無を検出するためのセンサを示す説明図である。こ
の図に示したように、保持治具セットプレート70の前
端部には、センサ作動片73が設けられている。スライ
ダ保持治具セットプレート70が最も前側に配置された
状態でスライダ保持治具セットプレート70の前端部に
対応する位置には、センサ作動片73を検出することに
よって、X−Yテーブル13の上方の位置におけるスラ
イダ保持治具セットプレート70の有無を検出するスラ
イダ保持治具セットプレート検出センサ74が設けられ
ている。このセンサ74には、例えば、アンプを内蔵し
た透過型のフォトセンサが用いられる。
【0035】本実施の形態では、スライダ保持治具セッ
トプレート検出センサ74によって、X−Yテーブル1
3の上方の位置からスライダ保持治具セットプレート7
0が退避されたことが検出され、その後、X−Yテーブ
ル13の上方の位置にスライダ保持治具セットプレート
70が配置されたことが検出された後でなければ、加工
処理を行うことができないようにしている。これは、1
回の加工処理が終了する毎に、一旦、X−Yテーブル1
3の上方の位置からスライダ保持治具セットプレート7
0を退避させ、後述するダイヤモンドラッピングシート
を張り替えるようにするためである。
【0036】また、図1に示したように、スライダ保持
治具セットプレート70上には、このスライダ保持治具
セットプレート70にスライダ保持治具80が装着され
ているか否かを検出するためのスライダ保持治具検出セ
ンサ75が設けられている。このセンサ75には、例え
ば、スライダ保持治具80を挟んで対向する位置に発光
部および受光部が配置されたフォトセンサが用いられ
る。
【0037】本実施の形態に係る加工装置10では、ス
ライダ保持治具検出センサ75によって、スライダ保持
治具80がないのを確認してから、X−Yテーブル13
の位置を揺動の原点に復帰させるようにしている。
【0038】本実施の形態に係る加工装置10は、更
に、スライダ保持治具80によって保持されたスライダ
に対して下向きの荷重を付加すると共に、付加する荷重
の大きさを調整可能な荷重付加部100を備えている。
荷重付加部100は、本発明における荷重付加手段に対
応する。荷重付加部100の構成については、後で詳し
く説明する。
【0039】次に、図11ないし15を参照して、ワイ
ヤ巻きブロック30の構成について説明する。図11は
ワイヤ巻きブロック30の側面図、図12はワイヤ巻き
ブロック30の正面図、図13はワイヤ巻きブロック3
0に用いられる弾性部材を示す斜視図、図14はワイヤ
巻きブロック30に用いられる変形用部材を示す斜視図
である。
【0040】図11および図12に示したように、ワイ
ヤ巻きブロック30は、ブロック本体31を備えてい
る。このブロック本体31には、上面で開口する直方体
形状の凹部31aが形成されている。凹部31a内に
は、図13に示したような直方体形状の弾性部材32、
または図14に示したような変形用部材33が収納され
るようになっている。弾性部材32は、例えばシリコー
ンゴムによって形成されている。弾性部材32は、凹部
31a内に収納されたとき、その上面がブロック本体3
1の上面と同一面となるようになっている。変形用部材
33の上面には、変形用部材33の長手方向に直交する
方向に延びる複数の凸部33aが形成されている。各凸
部33aは、断面が矩形になっている。変形用部材33
は、例えばステンレス鋼によって形成されている。変形
用部材33は、凹部31a内に収納されたとき、その凸
部33aの上面がブロック本体31の上面と同一面とな
るようになっている。
【0041】凹部31a内に弾性部材32または変形用
部材33が収納されたブロック本体31の外周には、ワ
イヤ34が複数回巻き付けられている。ワイヤ34の各
端部は、ブロック本体31の長手方向の両端部近傍にお
いて、ワイヤ止めねじ35によって、ブロック本体31
に対して固定されている。なお、凹部31a内に変形用
部材33が収納されている場合には、ワイヤ34のう
ち、ワイヤ巻きブロック30における上面部分に位置す
る部分は、変形用部材33の凸部33aの上に配置され
るようになっている。
【0042】ブロック本体31の長手方向の両端部近傍
には、止めねじを通すための孔36が形成されている。
そして、図3および図4に示したように、ワイヤ巻きブ
ロック30は、止めねじ用の孔36を通された止めねじ
37によって、プレート18上に固定されている。
【0043】図15は、ワイヤ巻きブロック30と、そ
の上に配置されるゴムシートおよびダイヤモンドラッピ
ングシートを示す斜視図である。なお、この図では、ワ
イヤ巻きブロック30として、ブロック本体31の凹部
31a内に変形用部材33が収納されたものを示してい
るが、凹部31a内に弾性部材32が収納されたもので
もよい。ワイヤ巻きブロック30の上には、ゴムシート
38が配置され、このゴムシート38の上にダイヤモン
ドラッピングシート39が配置される。ゴムシート38
は、例えばシリコーンゴムによって形成されている。ダ
イヤモンドラッピングシート39は、本発明における研
磨部材に対応する。
【0044】なお、本実施の形態に係る加工装置10で
は、目的によっては、ワイヤ巻きブロック30の代わり
に、図16に示したようなプレート90が用いられる。
このプレート90は、例えばステンレス鋼によって形成
されている。プレート90を使用する場合には、プレー
ト90がプレート18上に固定され、プレート90上
に、ゴムシート38が配置され、このゴムシート38の
上に、図15に示したようなダイヤモンドラッピングシ
ート39が配置される。
【0045】ここで、図17ないし図19を参照して、
ワイヤ巻きブロック30の上に、ゴムシート38および
ダイヤモンドラッピングシート39を配置する方法の一
例について説明する。図17に示したように、プレート
18上には、複数のワイヤ巻きブロック30が固定され
る。ゴムシート38は、全てのワイヤ巻きブロック30
を覆うように配置される。図17に示した例では、ゴム
シート38の上にダイヤモンドラッピングシート39を
配置する場合、まず、ダイヤモンドラッピングシート3
9を台紙91の上に載せる。このとき、ダイヤモンドラ
ッピングシート39の端が台紙91の端よりも少しはみ
出るようにする。次に、ダイヤモンドラッピングシート
39の台紙91の端よりはみ出た部分を、ゴムシート3
8上のダイヤモンドラッピングシート39を配置する領
域の端の部分に当て、その部分を手で押さえ、台紙91
を、矢印92で示した方向に引っ張りながら、ゴムシー
ト38の上にダイヤモンドラッピングシート39を張っ
てゆく。
【0046】図18は、このようにしてゴムシート38
の上にダイヤモンドラッピングシート39を張った後の
状態を示す平面図、図19は、その正面図である。図1
8に示したように、本実施の形態に係る加工装置10で
は、ワイヤ巻きブロック30は、X方向(図18におけ
る矢印が示す左右方向)に5個、Y方向(図18におけ
る矢印が示す上下方向)に2個配列され、合計10個設
けられている。また、ワイヤ34は、X方向に沿って配
置される。
【0047】次に、図20ないし図23を参照して、ス
ライダ保持治具セットプレート70について説明する。
本実施の形態に係る加工装置10では、スライダ保持治
具セットプレート70として2種類のものが用意されて
いる。以下、第1の種類のスライダ保持治具セットプレ
ートを符号70Aで表し、第2の種類のスライダ保持治
具セットプレートを符号70Bで表す。また、符号70
は、2種類のスライダ保持治具セットプレート70A,
70Bを代表して表すものとする。
【0048】図20は、第1の種類のスライダ保持治具
セットプレート70Aの平面図、図21は、図20のA
−A′線断面図である。これらの図に示したように、ス
ライダ保持治具セットプレート70Aには、スライダ保
持治具80が挿通される10個の孔76Aが形成されて
いる。この10個の孔76Aは、図18における10個
のワイヤ巻きブロック30と同様の位置関係となるよう
に配置されている。また、孔76Aは、図21に示した
ように、垂直方向に対して所定の角度で傾いている。こ
れにより、孔76Aは、ダイヤモンドラッピングシート
39の研磨面に対してスライダの媒体対向面が傾いた状
態で、スライダがダイヤモンドラッピングシート39に
当接するように、スライダ保持治具80を位置決めする
ようになっている。
【0049】図22は、第2の種類のスライダ保持治具
セットプレート70Bの平面図、図23は、図22のB
−B′線断面図である。これらの図に示したように、ス
ライダ保持治具セットプレート70Bには、スライダ保
持治具80が挿通される10個の孔76Bが形成されて
いる。この10個の孔76Bは、図18における10個
のワイヤ巻きブロック30と同様の位置関係となるよう
に配置されている。また、孔76Bは、図23に示した
ように、垂直方向に延びている。これにより、孔76B
は、ダイヤモンドラッピングシート39の研磨面に対し
てスライダの媒体対向面が平行な状態で、スライダがダ
イヤモンドラッピングシート39に当接するように、ス
ライダ保持治具80を位置決めするようになっている。
【0050】スライダ保持治具セットプレート70A,
70Bのいずれにも、図1および図2に示した係合部7
2にプレート70A,70Bを固定するためのねじが挿
通される複数のねじ孔77が形成されている。また、ス
ライダ保持治具セットプレート70A,70Bのいずれ
にも、スライダ保持治具検出センサ75を取り付けるた
めのねじが挿通されるねじ孔78が形成されている。
【0051】次に、図24を参照して、本実施の形態に
係る加工装置10によって加工されるスライダの一例に
ついて説明する。この図に示したスライダ150は、薄
膜磁気ヘッドに利用されるものであり、表面が媒体対向
面(エアベアリング面)となるレール部を有すると共
に、スライダ150の側面よりも内側にレール部の外側
の側面が配置されるようにレール部が形成されたもので
ある。
【0052】また、このスライダ150は、負圧スライ
ダであり、表面が媒体対向面となる2本のレール部15
3を有すると共に、スライダ150の側面152すなわ
ちバーの切断部よりも所定距離だけ内側にレール部15
3の外側の側面154が配置されるように、レール部1
53が形成されている。
【0053】図24において、動作の際における空気の
流れる方向を、符号166で示している。スライダ15
0では、空気が流入する側である空気流入側の面を流入
側端面LEとし、空気が流出する側である空気流出側の
面を流出側端面をTRとする。また、それに対し、空気
の流れに沿う方向に形成されており、流入側端面LE、
流出側端面TRおよび媒体対向面と交差する面を側面と
する。ただし、流入側端面LE、流出側端面TRと、媒
体対向面と、側面とは、多くの場合には互いに直交して
いる。また、図24に示したスライダ150において、
レール部153の外側の側面154とは、レール部15
3の側面のうち、スライダの側面152に最も近い2つ
の側面である。
【0054】2本のレール部153の間は、凹部形状の
負圧発生部155になっている。レール部153の幅
は、空気流入側から空気流出側まで均一ではなく、空気
流入側の幅が大きく、次いで空気流出側の幅が大きく、
中間部分の幅が最も小さくなっている。また、レール部
153における空気流入側の端部近傍には、端部側ほど
高さの低くなるテーパ部160が形成されている。ま
た、スライダ150の空気流出側の端部には、磁気ヘッ
ド素子157と、この磁気ヘッド素子157に接続され
た端子158が形成されている。このようなスライダ1
50では、レール部153の高さ(負圧発生部155の
深さ)は、数μm(例えば0.5〜5μm)程度であ
る。また、スライダ150の側面152とレール部15
3の外側の側面154との間の幅は、数十μm(例えば
10〜60μm)程度である。
【0055】なお、図24に示したスライダ150は、
符号150aで示した大部分が、例えばアルティック
(Al 2 3・TiC)によって形成され、符号150
bで示した空気流出側の一部が、磁気ヘッド素子157
や端子158を囲うアルミナ(Al 2 3)によって形
成されている。
【0056】次に、図25および図26を参照して、ワ
イヤ巻きブロック30とスライダ150との関係につい
て説明する。図25は、加工時におけるスライダ150
の近傍を示す説明図である。また、図26は、図25の
C部を拡大して示したものである。なお、図25は、ワ
イヤ巻きブロック30として、ブロック本体31の凹部
31a内に変形用部材33が収納されたものを用いた場
合の例を表しており、図25には、このワイヤ巻きブロ
ック30のうちの変形用部材33およびワイヤ34のみ
を示している。
【0057】図25に示したように、スライダ保持治具
80には、その下端側に、複数のスライダ固定部80a
が設けられており、各スライダ固定部80aに対して、
加工対象となるスライダ150が、例えば接着によって
固定されるようになっている。
【0058】変形用部材33の凸部33aの上に配置さ
れたワイヤ34は、個々のスライダ150の分離位置に
対応する位置に配置されている。個々のスライダ150
の分離位置は、言い換えると、図26に示したように、
スライダ保持治具80に固定されたスライダ150のレ
ール部153の媒体対向面とレール部153の外側の側
面154との間の第1のエッジ部分161およびスライ
ダ150の側面152とこれに直交するスライダ150
の記録媒体(磁気ディスク)側となる面159との間の
第2のエッジ部分162に対応する位置である。そのた
め、ワイヤ34上に配置されたゴムシート38およびダ
イヤモンドラッピングシート39は、第1のエッジ部分
161および第2のエッジ部分162に対応する部分が
第1のエッジ部分161および第2のエッジ部分162
側に突出するように変形される。その結果、ダイヤモン
ドラッピングシート39は、少なくとも、第1のエッジ
部分161および第2のエッジ部分162に当接するよ
うになっている。
【0059】上述の作用は、ブロック本体31の凹部3
1a内に弾性部材32が収納された場合も同様である。
ただし、ブロック本体31の凹部31a内に変形用部材
33が収納されている場合には、凹部31a内に弾性部
材32が収納されている場合に比べて、ワイヤ34の移
動が容易になる。そのため、凹部31a内に収納する部
材として変形用部材33を用いた場合には、スライダ保
持治具80に対するスライダ150の固定位置が若干ず
れている場合でも、ワイヤ34によって隆起されたゴム
シート38およびダイヤモンドラッピングシート39
が、個々のスライダ150の分離位置に入り込むことに
より、ワイヤ34が分離位置に対応する位置に移動す
る。その結果、隣接する2つのスライダ150に対し
て、ダイヤモンドラッピングシート39が均一に当た
り、スライダ150の面取り加工を均一に行うことが可
能となる。
【0060】ところで、スライダ150の空気流出側の
端部には、磁気ヘッド素子157が形成されている。従
って、スライダ150の空気流出側の端部におけるエッ
ジ部分は、面取り加工を行うにしても、加工の程度を抑
えることが好ましい。
【0061】ブロック本体31の凹部31a内に収納す
る部材として変形用部材33を用いた場合には、変形用
部材33の凸部33a上にワイヤ34が配置され、その
ワイヤ34上にゴムシート38およびダイヤモンドラッ
ピングシート39が配置されるため、隣接する凸部33
a間の部分では、変形用部材33の上面とゴムシート3
8との間に大きな隙間が生じる。その結果、隣接する凸
部33a間の部分では、スライダ150に対するダイヤ
モンドラッピングシート39の当たり方が緩くなる。そ
のため、スライダ150の空気流出側の端部におけるエ
ッジ部分の面取り加工の程度を抑えることが可能とな
る。
【0062】変形用部材33の凸部33aの幅や高さ
は、スライダ保持治具80に固定された隣り合うスライ
ダ150間の距離(以下、分離幅と言う。)d等に応じ
て適宜に設定されるが、凸部33aの幅は0.05〜
0.20mmの範囲内で設定されるのが好ましく、凸部
33aの高さは0.10〜0.50mmの範囲内で設定
されるのが好ましい。ここでは、一例として、分離幅d
を0.2mmとし、凸部33aの幅を0.15mm、高
さを0.40mmとしている。
【0063】ワイヤ34は、例えば、ナイロン(商品
名)等の合成繊維やステンレス鋼等によって形成されて
いる。ワイヤ34の外径は、分離幅d等に応じて適宜に
設定されるが、本実施の形態では、0.03〜0.20
mmの範囲内で設定されるのが好ましい。ここでは、一
例として、ワイヤ34の外径を0.09mmとしてい
る。
【0064】ゴムシート38の硬度は、30〜60が好
ましいが、研磨量を多くする場合ほど、柔らかいものを
用いるのが好ましい。ここでは、一例として、ゴムシー
ト38の硬度を50としている。また、ゴムシート38
の厚みは、0.10〜0.30mmが好ましい。ここで
は、一例として、ゴムシート38の厚みを0.30mm
としている。
【0065】ダイヤモンドラッピングシート39は、例
えば、可撓性フィルム上に研磨材層を形成して構成され
ている。可撓性フィルムは、例えばポリエチレンテレフ
タレート(PET)によって形成されている。研磨材層
は、例えば、ダイヤモンド粒子をバインダと共に可撓性
フィルム上に塗布した後、乾燥することによって形成さ
れる。また、ここでは、一例として、ダイヤモンド粒子
の粒径を0.25μmとしている。可撓性フィルムの厚
みは0〜6μmが好ましい。可撓性フィルムの厚みが0
μmの場合とは、可撓性フィルムを用いずに、ダイヤモ
ンド粒子とバインダによってダイヤモンドラッピングシ
ート39を形成する場合である。ここでは、一例とし
て、可撓性フィルムの厚みを、4μmまたは2μmとし
ている。
【0066】また、X−Yテーブル13によるY方向の
揺動幅は、X方向の揺動幅よりも大きいことが好まし
い。上述のように分離幅dを0.2mmとし、ワイヤ3
4の外径を0.09mmとした場合には、X方向の揺動
幅は1〜5mmが好ましく、Y方向の揺動幅は0.05
〜0.15mmが好ましい。ここでは、一例として、X
方向の揺動幅を3mmとし、Y方向の揺動幅を0.08
mmとしている。
【0067】ところで、本実施の形態に係る加工装置1
0では、プレート18上に、複数のワイヤ巻きブロック
30を設けている。これに対し、プレート18上に、1
つの大きな弾性部材や変形用部材を固定し、この弾性部
材や変形用部材の上に、ワイヤを配置し、その両端部を
プレート18の端部に固定することも考えられる。しか
しながら、このような構成では、ワイヤの張力が不安定
になり、加工精度が低下するおそれがある。
【0068】これに対し、本実施の形態では、各ワイヤ
巻きブロック30において、ワイヤ34のうちブロック
30の上面部分に位置する部分の長さが短いため、上述
のような構成の場合に比べて、ワイヤ34の張力は安定
する。従って、本実施の形態によれば、加工精度を向上
させることができる。
【0069】次に、図27および図28を参照して、荷
重付加部100の構成について説明する。図27は、荷
重付加部100を正面側から見た断面図、図28は、荷
重付加部100を側面側から見た断面図である。これら
の図に示したように、荷重付加部100は、1段目の重
り保持板110と、この重り保持板110の上に固定さ
れた、側壁のみからなる2つの枠111と、各枠111
の上に固定された2段目の2つの重り保持板120と、
各重り保持板120の上に固定された、側壁のみからな
る2つの枠121と、各枠121の上に固定された3段
目の2つの重り保持板130と、各重り保持板130の
上に固定された、側面および上面を有する2つのカバー
131とを備えている。2つずつ設けられた枠111、
重り保持板120、枠121、重り保持板130および
カバー131は、前後方向に配列されている。
【0070】重り保持板110には、断面が矩形の10
個の孔112が形成されている。この孔112は、図2
0または図22に示したスライダ保持治具セットプレー
ト70における10個の孔76と同様の位置関係となる
ように配置されている。重り保持板120,130に
は、重り保持板110における孔112に対応する位置
に、それぞれ、孔112と同様の形状の孔122,13
2が形成されている。各孔112,122,132に
は、それぞれ、重り保持具140が装着されている。各
重り保持具140には、垂直方向に延びる断面円形の3
個の孔141が形成されている。重り保持板110,1
20,130および重り保持具140は、本発明におけ
る重り保持部に対応する。
【0071】1段目における各重り保持具140には、
それぞれ3個の重り113が装着されている。この重り
113は、細長い円柱形状の軸部材114と、この軸部
材114の上端部側に固定された、軸部材114よりも
径の大きな円柱形状の大径部材115とで構成されてい
る。軸部材114の下端面は、球面状になっている。大
径部材115には、下端面で開口する断面円形の凹部が
形成され、この凹部内に軸部材114の上端側が挿入さ
れている。そして、大径部材115は、軸部材114に
対してねじ止めされている。このように軸部材114と
大径部材115からなる重り113は、本発明における
所定の重さを有するブロックに対応する。なお、このブ
ロックの重さは、任意でよい。つまり、使用用途等に応
じて適宜変えればよい。本実施の形態では、例えば25
gとする。また、1段目の重り113では、軸部材11
4において大径部材115の下端面より下側に突出する
部分が軸部113aとなり、この軸部113aより上側
の部分が大径部113bとなる。従って、重り保持具1
40は、重り113の軸部113aを挿通させ、大径部
113bの挿通を阻止することによって、重り113を
保持するようになっている。
【0072】2段目における各重り保持具140には、
それぞれ3個の重り123が装着されている。この重り
123は、細長い円柱形状の軸部材124と、この軸部
材124の途中にねじ止めされたフランジ部材125
と、軸部材124におけるフランジ部材125よりも上
側の部分に装着された1個以上の荷重調整用ブロック1
26とで構成されている。軸部材124の下端面は、球
面状になっている。フランジ部材125の外径は、軸部
材124の外径よりも大きくなっている。また、荷重調
整用ブロック126の外径は、フランジ部材125の外
径と等しくなっている。荷重調整用ブロック126に
は、それぞれ、軸部材124を挿通可能な孔が形成され
ている。そして、この孔に軸部材124を挿通すること
で、複数の荷重調整用ブロック126を、フランジ部材
125の上に積み重ねることができるようになってい
る。ここでは、最大4個まで、荷重調整用ブロック12
6を積み重ねることができるようになっている。
【0073】2段目の重り123では、軸部材124と
フランジ部材125とを組み合わせたものが、本発明に
おける所定の重さを有するブロックに対応し、その重さ
は例えば25gになっている。また、各荷重調整用ブロ
ック126も、本発明における所定の重さを有するブロ
ックに対応し、その重さは例えば25gになっている。
従って、荷重調整用ブロック126の数を変えること
で、重り123全体の重さを25g〜125gの範囲
で、25g単位で変えることができる。
【0074】なお、2段目の重り123では、最も上に
配置される荷重調整用ブロック126は、荷重調整用ブ
ロック126の個数に関わらず、軸部材124に対して
一定の位置、すなわち4個の荷重調整用ブロック126
を積み重ねた場合における最上段のブロック126の位
置でねじ止めされるようになっている。これは、最も上
に配置される荷重調整用ブロック126によって、3段
目の重り133を押し上げる必要があるためである。
【0075】また、2段目の重り123では、軸部材1
24においてフランジ部材125の下端面より下側に突
出する部分が軸部123aとなり、この軸部123aよ
り上側の部分が大径部123bとなる。従って、重り保
持具140は、重り123の軸部123aを挿通させ、
大径部123bの挿通を阻止することによって、重り1
23を保持するようになっている。
【0076】3段目における各重り保持具140には、
それぞれ3個の重り133が装着されている。この重り
133は、細長い円柱形状の軸部材134と、この軸部
材134の途中にねじ止めされたフランジ部材135
と、軸部材134におけるフランジ部材135よりも上
側の部分に装着された1個以上の荷重調整用ブロック1
36とで構成されている。軸部材134の下端面は、球
面状になっている。フランジ部材135の外径は、軸部
材134の外径よりも大きくなっている。また、荷重調
整用ブロック136の外径は、フランジ部材135の外
径と等しくなっている。荷重調整用ブロック136に
は、それぞれ、軸部材134を挿通可能な孔が形成され
ている。そして、この孔に軸部材134を挿通すること
で、複数の荷重調整用ブロック136を、フランジ部材
135の上に積み重ねることができるようになってい
る。ここでは、最大4個まで、荷重調整用ブロック13
6を積み重ねることができるようになっている。
【0077】3段目の重り133では、軸部材134と
フランジ部材135とを組み合わせたものが、本発明に
おける所定の重さを有するブロックに対応し、その重さ
は例えば25gになっている。また、各荷重調整用ブロ
ック136も、本発明における所定の重さを有するブロ
ックに対応し、その重さは例えば25gになっている。
従って、荷重調整用ブロック136の数を変えること
で、重り133全体の重さを25g〜125gの範囲
で、25g単位で変えることができる。
【0078】なお、3段目の重り133では、最も上に
配置される荷重調整用ブロック136を軸部材134に
対して一定の位置でねじ止めする必要はない。
【0079】また、3段目の重り133では、軸部材1
34においてフランジ部材135の下端面より下側に突
出する部分が軸部133aとなり、この軸部133aよ
り上側の部分が大径部133bとなる。従って、重り保
持具140は、重り133の軸部133aを挿通させ、
大径部133bの挿通を阻止することによって、重り1
33を保持するようになっている。
【0080】各重り113,123,133の軸部11
3a,123a,133aには、螺旋状の溝138が形
成されている。この溝138は、軸部113a,123
a,133aと重り保持具140の孔とが擦れて発生す
る削りくず(粉)を取り込んで、軸部113a,123
a,133aの円滑な動作を維持させる機能を有してい
る。
【0081】なお、図29に示したように、重り保持具
140の孔に、螺旋状の溝139を形成しても、同様の
効果を得ることができる。この効果を得るためには、溝
138と溝139の少なくとも一方を設ければよい。
【0082】図1に示したように、ベース部12の上に
設けられたレール部29には、Y方向に延びるガイド1
01が設けられている。このガイド101の上には、Y
方向可動部103が設けられている。この可動部103
には、ガイド101に係合する係合部102が設けられ
ている。そして、係合部102がガイド101に沿って
移動することにより、可動部103がY方向に移動する
ようになっている。また、可動部103には、上下方向
に延びるガイド104が設けられている。
【0083】一方、重り保持板110の左右方向の両端
部は、上下方向可動部109に連結されている。この可
動部109には、ガイド104に係合する係合部105
が設けられている。そして、係合部105がガイド10
4に沿って移動することにより、可動部109が上下方
向に移動するようになっている。
【0084】上下方向可動部109は、上下方向駆動シ
リンダ108によって上下方向に駆動されるようになっ
ている。上下方向駆動シリンダ108、上下方向可動部
109、ガイド104および係合部105は、本発明に
おける保持部移動手段に対応する。また、Y方向可動部
103は、図2に示したY方向駆動シリンダ107によ
ってY方向に駆動されるようになっている。
【0085】このようにして、荷重付加部100は、Y
方向および上下方向に移動可能になっている。図2に
は、荷重付加部100を後方に移動させて、X−Yテー
ブル13上から退避させた状態を示しているが、この状
態から荷重付加部100を前方に移動させると、荷重付
加部100をX−Yテーブル13上に配置することがで
きる。
【0086】また、荷重付加部100は、最下段におけ
る重り113の軸部113aの下端部がスライダ保持治
具80に対して接触せずにスライダ保持治具80の上方
に位置する状態から、下方向に移動させることにより、
複数段に配置された重り113,123,133が、下
段側から順に、スライダ保持治具80に対して荷重を付
加する状態となる。以下、この作用について、図30な
いし図33を参照して説明する。
【0087】図30は、荷重付加部100の最下段にお
ける重り113の軸部113aの下端部がスライダ保持
治具80の上方に位置する状態における荷重付加部10
0を表している。この状態では、スライダ保持治具80
には、外部より荷重は付加されない。
【0088】図31は、図30に示した状態から荷重付
加部100を下方向に移動させて、最下段における重り
113の軸部113aの下端部がスライダ保持治具80
の上端部に当接し、最下段における重り保持具140に
対して、重り113が持ち上がった状態を表している。
なお、図31に示した状態では、重り113の上端部が
2段目における重り123の軸部123aの下端部には
当接していない。この状態では、スライダ保持治具80
に対して、最下段における重り113による荷重のみが
付加される。ここで、1つのスライダ保持治具80に
は、3個の重り113によって荷重が付加されるので、
1つの重り113を25gとした場合には、1つのスラ
イダ保持治具80には、75gの荷重が付加されること
になる。
【0089】図32は、図31に示した状態から更に荷
重付加部100を下方向に移動させて、最下段における
重り113の上端部が2段目における重り123の軸部
123aの下端部に当接し、2段目における重り保持具
140に対して、重り123が持ち上がった状態を表し
ている。なお、図32に示した状態では、重り123の
上端部が3段目における重り133の軸部133aの下
端部には当接していない。この状態では、スライダ保持
治具80に対して、最下段における重り113と2段目
における重り123による荷重が付加される。ここで、
1つのスライダ保持治具80には、3個の重り113お
よび3個の重り123によって荷重が付加されるので、
1つの重り113を25g、1つの重り123を125
gとした場合には、1つのスライダ保持治具80には、
450gの荷重が付加されることになる。
【0090】図33は、図32に示した状態から更に荷
重付加部100を下方向に移動させて、2段目における
重り123の上端部が3段目における重り133の軸部
133aの下端部に当接し、3段目における重り保持具
140に対して、重り133が持ち上がった状態を表し
ている。この状態では、スライダ保持治具80に対し
て、最下段における重り113と2段目における重り1
23と3段目における重り133による荷重が付加され
る。ここで、1つのスライダ保持治具80には、3個の
重り113、3個の重り123および3個の重り133
によって荷重が付加されるので、1つの重り113を2
5g、1つの重り123を125g、1つの重り133
を125gとした場合には、1つのスライダ保持治具8
0には、825gの荷重が付加されることになる。
【0091】このような荷重付加部100の機能を実現
するには、最下段における重り113が上下方向に移動
できる距離が、スライダ保持治具80に荷重を付加しな
い状態(図30に示した状態)における重り113の上
端部と重り123の軸部123aの下端部との間の距離
と、重り123の上端部と重り133の軸部133aの
下端部との間の距離とを足した距離よりも大きいことが
必要である。
【0092】このように、本実施の形態では、スライダ
保持治具80に対して複数の重り113,123,13
3による荷重を段階的に加えることによって、スライダ
保持治具80に付加する荷重を調整することができる。
【0093】そのため、本実施の形態では、例えば、ス
ライダ150のレール部のエッジ部分の面取りがまだ行
われていないときや面取りの初期の段階では、スライダ
保持治具80に対して対して小さい荷重を付加してエッ
ジ部分の面取り加工を行い、面取り加工の進行に応じ
て、スライダ保持治具80に付加する荷重を増加させる
ことができる。これにより、スライダ150のエッジ部
分で、薄いダイヤモンドラッピングシート39が切れる
ことを防止することができる。なお、1つのスライダ保
持治具80に荷重を付加する1段あたりの重りの数は、
3個に限らず、2個や4個以上でもよい。また、荷重付
加部100における各重り113,123,133の重
さや、各重り113,123,133を構成するブロッ
クの重さは、適宜変えてもよい。
【0094】なお、本実施の形態に係る加工装置10
は、図示しないが、更に、操作パネル23における操作
に対応した信号や各センサの出力信号を入力し、各駆動
部分を制御する制御部を備えている。
【0095】次に、本実施の形態に係る加工装置10の
作用について説明する。なお、以下の説明は、本実施の
形態に係るスライダの加工方法の説明を兼ねている。
【0096】加工装置10を用いてスライダ150を加
工する場合には、まず、スライダ保持治具80に対し
て、加工対象となる複数のスライダ150を、記録媒体
側となる面が下側となるように、例えば接着によって固
定する。なお、この時点におけるスライダ150は、一
列に配列された複数の磁気ヘッド素子を含み媒体対向面
となる面の研磨が終了した後のバーに対して、イオンミ
リング等によってレール部を形成した後に、バーを切断
して得られたものである。
【0097】本実施の形態では、スライダ150が固定
されたスライダ保持治具80に対して、好ましくは、以
下で説明するような3段階の面取り加工を行う。
【0098】図34は、1段階目の面取り加工の様子を
示す説明図である。1段階目の面取り加工では、ワイヤ
巻きブロック30の代わりに、図16に示したようなプ
レート90が用いられる。そして、このプレート90上
に、ゴムシート38が配置され、このゴムシート38の
上に、ダイヤモンドラッピングシート39が配置され
る。また、スライダ保持治具セットプレート70として
は、プレート70Aが用いられる。1段階目の面取り加
工では、図34に示したように、プレート70Aによっ
て、ダイヤモンドラッピングシート39の研磨面に対し
てスライダ150の媒体対向面が傾いた状態で、スライ
ダ150がダイヤモンドラッピングシート39に当接す
るように、スライダ保持治具80が位置決めされる。
【0099】なお、本実施の形態では、スライダ保持治
具80がプレート70Aによって位置決めされたとき
に、スライダ150の媒体対向面のうちの空気流入端側
が下側となるように、スライダ保持治具80に対してス
ライダ150が固定されている。
【0100】スライダ保持治具80の側面とダイヤモン
ドラッピングシート39の研磨面とのなす角度θは、6
0°以上で、90°より小さい角度の範囲内が好まし
く、特に、70°±2.5°が好ましい。
【0101】また、スライダ保持治具80の上端部に
は、最下段における重り113の軸部113aの下端部
が当接する。前述のように、スライダ保持治具80に付
加する荷重は調整することができる。スライダ保持治具
80に付加する荷重は、面取り加工の進行に応じて、段
階的に増加させることが好ましい。
【0102】1段階目の面取り加工では、図34に示し
た状態で、X−Yテーブル13が揺動され、スライダ1
50の空気流入端側のエッジのみが面取り加工される。
【0103】図35は、2段階目の面取り加工の様子を
示す説明図である。2段階目の面取り加工では、ブロッ
ク本体31の凹部31a内に弾性部材32が収納された
ワイヤ巻きブロック30が用いられる。従って、弾性部
材32の上にワイヤ34が配置され、ワイヤ34の上に
ゴムシート38が配置され、ゴムシート38の上にダイ
ヤモンドラッピングシート39が配置される。また、ス
ライダ保持治具セットプレート70としては、プレート
70Aが用いられる。2段階目の面取り加工では、図3
5に示したように、プレート70Aによって、ダイヤモ
ンドラッピングシート39の研磨面に対してスライダ1
50の媒体対向面が傾いた状態で、スライダ150がダ
イヤモンドラッピングシート39に当接するように、ス
ライダ保持治具80が位置決めされる。
【0104】スライダ保持治具80の側面とダイヤモン
ドラッピングシート39の研磨面とのなす角度θは、6
0°以上で、90°より小さい角度の範囲内が好まし
く、特に、70°前後が好ましい。
【0105】また、スライダ保持治具80の上端部に
は、最下段における重り113の軸部113aの下端部
が当接する。前述のように、スライダ保持治具80に付
加する荷重は調整することができる。スライダ保持治具
80に付加する荷重は、面取り加工の進行に応じて、段
階的に増加させることが好ましい。
【0106】2段階目の面取り加工では、図25に示し
たように、ワイヤ34上に配置されたゴムシート38お
よびダイヤモンドラッピングシート39は、スライダ1
50の第1のエッジ部分161および第2のエッジ部分
162に対応する部分が第1のエッジ部分161および
第2のエッジ部分162側に突出するように変形され
る。その結果、ダイヤモンドラッピングシート39は、
少なくとも、第1のエッジ部分161および第2のエッ
ジ部分162に当接するようになっている。
【0107】2段階目の面取り加工では、図35に示し
た状態で、X−Yテーブル13が揺動され、スライダ1
50の空気流入端側のエッジが更に面取り加工されると
共に、段差を有する第1のエッジ部分161および第2
のエッジ部分162が同時に面取り加工される。このよ
うに、1段階目の面取り加工および2段階目の面取り加
工によって、スライダ150の空気流入端側のエッジ
は、他のエッジよりも多く面取り加工が施される。この
ように、スライダ150の空気流入端側のエッジを多く
面取り加工するのは、空気流入端側のエッジは、他のエ
ッジよりも記録媒体に接触する可能性が大きいからであ
る。また、1段階目の面取り加工および2段階目の面取
り加工によって、スライダ150の空気流入端側のエッ
ジは、斜面状に面取りされる。
【0108】図36は、3段階目の面取り加工の様子を
示す説明図である。3段階目の面取りでは、ブロック本
体31の凹部31a内に変形用部材33が収納されたワ
イヤ巻きブロック30が用いられる。従って、弾性部材
33の凸部33aの上にワイヤ34が配置され、ワイヤ
34の上にゴムシート38が配置され、ゴムシート38
の上にダイヤモンドラッピングシート39が配置され
る。また、スライダ保持治具セットプレート70として
は、プレート70Bが用いられる。3段階目の面取り加
工では、図36に示したように、プレート70Bによっ
て、ダイヤモンドラッピングシート39の研磨面に対し
てスライダ150の媒体対向面が平行な状態で、スライ
ダ150がダイヤモンドラッピングシート39に当接す
るように、スライダ保持治具80が位置決めされる。
【0109】また、スライダ保持治具80の上端部に
は、最下段における重り113の軸部113aの下端部
が当接する。ここで、スライダ150の媒体対向面のう
ちの空気流入端側は、図36におけるスライダ150の
右側になっている。本実施の形態では、図36に示した
ように、スライダ150の媒体対向面のうちの空気流入
端側に対してより面取り加工を施すために軸部113a
の下端部は、スライダ保持治具80の上端部のうちの右
側に偏った位置に当接するようにしている。また、前述
のように、スライダ保持治具80に付加する荷重は調整
することができる。スライダ保持治具80に付加する荷
重は、面取り加工の進行に応じて、段階的に増加させる
ことが好ましい。
【0110】3段階目の面取り加工では、ワイヤ34上
に配置されたゴムシート38およびダイヤモンドラッピ
ングシート39は、スライダ150の第1のエッジ部分
161および第2のエッジ部分162に対応する部分が
第1のエッジ部分161および第2のエッジ部分162
側に突出するように変形される。その結果、ダイヤモン
ドラッピングシート39は、少なくとも、第1のエッジ
部分161および第2のエッジ部分162に当接するよ
うになっている。
【0111】3段階目の面取り加工では、図36に示し
た状態で、X−Yテーブル13が揺動される。これによ
り、第1のエッジ部分161を含むスライダ150のレ
ール部153のエッジ部分全体と、第2のエッジ部分1
62が同時に面取り加工される。また、3段階目の面取
り加工では、第1および第2の面取り加工によって斜面
状に面取り加工されたエッジ部分を含め、ダイヤモンド
ラッピングシート39に当接するエッジ部分は、曲面状
に面取り加工される。
【0112】1段階目ないし3段階目の面取り加工は、
1台の加工装置10を用いて、各段階毎にワイヤ巻きブ
ロック30やスライダ保持治具セットプレート70等を
取り替えて行うことも可能であるが、各段階用に設定さ
れた3台の加工装置10を用いて行う方が効率的であ
る。
【0113】このような本実施の形態に係るスライダの
加工方法によれば、スライダ150の空気流入端側のエ
ッジ部分に対して、他のエッジ部分よりも多く面取り加
工を施すことができる。これにより、スライダ150の
耐衝撃性を向上させることができる。
【0114】ここで、スライダ150の空気流入端側の
エッジ部分に対して、本実施の形態による3段階の面取
り加工を施した場合と、他の方法で面取り加工を施した
場合とで、エッジ部分の形状を比較する。
【0115】なお、比較のための他の面取り加工の方法
には、図37に示した方法と、図38に示した方法とを
用いた。図37に示した方法では、図34に示した1段
階目の面取り加工と同様に、ワイヤ巻きブロック30の
代わりに、図16に示したようなプレート90が用いら
れる。そして、このプレート90上に、ゴムシート38
が配置され、このゴムシート38の上に、ダイヤモンド
ラッピングシート39が配置される。また、スライダ保
持治具セットプレート70としては、プレート70Bが
用いられる。従って、図37に示した方法では、ダイヤ
モンドラッピングシート39の研磨面に対してスライダ
150の媒体対向面が平行な状態で、スライダ150が
ダイヤモンドラッピングシート39に当接するように、
スライダ保持治具80が位置決めされる。そして、この
状態で、X−Yテーブル13が揺動されて、スライダ1
50のエッジ部分の面取り加工が施される。
【0116】一方、図38に示した方法では、図35に
示した2段階目の面取り加工と同様に、ブロック本体3
1の凹部31a内に弾性部材32が収納されたワイヤ巻
きブロック30が用いられる。従って、弾性部材32の
上にワイヤ34が配置され、ワイヤ34の上にゴムシー
ト38が配置され、ゴムシート38の上にダイヤモンド
ラッピングシート39が配置される。また、スライダ保
持治具セットプレート70としては、プレート70Bが
用いられる。従って、図38に示した方法では、ダイヤ
モンドラッピングシート39の研磨面に対してスライダ
150の媒体対向面が平行な状態で、スライダ150が
ダイヤモンドラッピングシート39に当接するように、
スライダ保持治具80が位置決めされる。そして、この
状態で、X−Yテーブル13が揺動されて、スライダ1
50のエッジ部分の面取り加工が施される。
【0117】図37に示した方法や図38で示した方法
によって面取り加工を施した場合におけるスライダ15
0の空気流入端側のエッジ部分の形状の一例を図39に
示す。また、本実施の形態による3段階の面取り加工を
施した場合におけるスライダ150の空気流入端側のエ
ッジ部分の形状の一例を図40に示す。なお、図390
および図40に示した形状は、触針式表面粗さ計を用い
て測定したものである。触針式表面粗さ計としては、英
国ランク テーラー ホブソン(Rank Taylor-Hobson)
社製「タリステップ(Talystep)」(商品名)を用い
た。なお、触針には、先端部の曲率半径が2μmのもの
を用いた。図39および図40において、横軸は水平方
向の位置、縦軸は垂直方向の位置を表している。
【0118】図39に示した形状において、面取り加工
が施された領域の高さ方向の長さは、0.5μmであっ
た。これに対し、図40に示した形状において、面取り
加工が施された領域の高さ方向の長さは、5.0μmで
あった。これらの図から、本実施の形態による3段階の
面取り加工によれば、スライダ150の空気流入端側の
エッジ部分に対して多く面取り加工を施すことができ、
スライダ150の耐衝撃性を向上させることが可能とな
ることが分かる。
【0119】次に、図41ないし図46を参照して、本
実施の形態におけるスライダ保持治具80の側面とダイ
ヤモンドラッピングシート39の研磨面とのなす角度θ
と、面取り加工後のエッジ部分の形状との関係について
説明する。
【0120】図41に示したように、1段階目および2
段階目の面取り加工におけるθを60°とした場合、2
段階目の面取り加工終了後のエッジ部分の形状は、例え
ば図42に示したようになり、3段階目の面取り加工終
了後のエッジ部分の形状は、例えば図43に示したよう
になった。
【0121】また、図44に示したように、1段階目お
よび2段階目の面取り加工におけるθを75°とした場
合、2段階目の面取り加工終了後のエッジ部分の形状
は、例えば図45に示したようになり、3段階目の面取
り加工終了後のエッジ部分の形状は、例えば図46に示
したようになった。
【0122】図42、図43、図45および図46に示
した形状の測定方法は、図39、図40の場合と同様で
ある。
【0123】図42に示した形状において、面取り加工
が施された領域の高さ方向の長さは、3.5μmであっ
た。これに対し、図45に示した形状において、面取り
加工が施された領域の高さ方向の長さは、2.5μmで
あった。これらの図からも分かるように、θが小さいほ
ど、面取り加工が施された領域の高さ方向の長さが大き
くなる。
【0124】しかし、図43と図46とを比較すると分
かるように、θが小さいほど、3段階目の面取り加工後
においても、面取り加工が施された領域が斜面状に近い
ままであることが推測される。図43に示した形状を許
容範囲の限度とすると、θは60°以上とする必要があ
る。
【0125】以上説明したように、本実施の形態に係る
加工装置10および本実施の形態に係るスライダの加工
方法によれば、スライダ150の空気流入端側のエッジ
に対してより多く面取り加工を施すことができると共
に、段差を有する第1のエッジ部分161と第2のエッ
ジ部分162に対して面取り加工を施すことができる。
従って、本実施の形態によれば、傾いても、エッジ部分
によって記録媒体の面を傷つけることを防止できるスラ
イダ150を得ることができる。
【0126】また、負圧を発生させないスライダに比べ
て負圧スライダの方が、傾いたときに第1のエッジ部分
161が記録媒体に接触する可能性が大きいので、本実
施の形態に係る加工装置10および本実施の形態に係る
スライダの加工方法は、特に、負圧スライダを加工する
場合に効果が顕著になる。
【0127】また、本実施の形態に係るスライダの加工
方法によれば、スライダ150の空気流入端側のエッジ
や、第1のエッジ部分161や、第2のエッジ部分16
2だけではなく、それ以外の、レール部153における
媒体対向面の周縁部、およびスライダ150の外周面の
媒体対向面側の周縁部についても、十分に面取り加工を
施すことができる。これにより、スライダ150が種々
の態様で傾いたとしても、記録媒体を傷つけることを防
止できるスライダ150を得ることができる。
【0128】また、本実施の形態に係る加工装置10お
よび本実施の形態に係るスライダの加工方法では、ダイ
ヤモンドラッピングシート39を変形させて、このダイ
ヤモンドラッピングシート39をスライダ150の第1
のエッジ部分161および第2のエッジ部分162に当
接させるようにしている。その際、ダイヤモンドラッピ
ングシート39を、弾性を有するゴムシート38によっ
て保持するようにしたので、ダイヤモンドラッピングシ
ート39が切れることを防止でき、安定してスライダ1
50の加工を行うことができる。
【0129】また、本実施の形態では、スライダ保持治
具80に対して複数の重り113,123,133によ
る荷重を段階的に加えることによって、スライダ保持治
具80に付加する荷重を調整することができる。そのた
め、本実施の形態によれば、スライダ150のエッジ部
分で、薄いダイヤモンドラッピングシート39が切れる
ことを防止することができる。
【0130】また、本実施の形態では、重り113,1
23,133の軸部113a,123a,133aと重
り保持具140の孔との少なくとも一方に、螺旋状の溝
138または溝139を形成したので、この溝138,
139によって、軸部113a,123a,133aと
重り保持具140の孔とが擦れて発生する削りくず
(粉)を取り込んで、軸部113a,123a,133
aの円滑な動作を維持させることができる。
【0131】また、本実施の形態では、スライダ保持治
具セットプレート70の1種類として、垂直方向に対し
て所定の角度で傾いた孔76Aを有するスライダ保持治
具セセットプレート70Aを用意している。このプレー
ト70Aは、ダイヤモンドラッピングシート39の研磨
面に対してスライダの媒体対向面が傾いた状態で、スラ
イダ150がダイヤモンドラッピングシート39に当接
するように、スライダ保持治具80を位置決めする。従
って、本実施の形態によれば、スライダ保持治具セセッ
トプレート70Aを用いることにより、スライダ150
の特定のエッジ部分、例えばスライダ150の空気流入
端側のエッジに対して、他のエッジ部分よりも多く面取
り加工を施すことが可能となる。
【0132】また、本実施の形態では、段差を有する第
1のエッジ部分161と第2のエッジ部分162を同時
に面取り加工するために、ワイヤ34によってゴムシー
ト38およびダイヤモンドラッピングシート39を変形
させるようにしている。本実施の形態では、ワイヤ34
を、プレート18上の全面に張らずに、複数のワイヤ巻
きブロック30を用いて、複数の部分に分けて張ってい
る。そのため、本実施の形態によれば、ワイヤ34の張
力が安定し、加工精度を向上させることができる。
【0133】なお、本発明は、上記実施の形態に限定さ
れず、種々の変更が可能である。例えば、実施の形態で
は、スライダ150を固定し、X−Yテーブル13によ
ってダイヤモンドラッピングシート39を移動させるよ
うにしたが、ダイヤモンドラッピングシート39を固定
し、スライダ保持治具80を動かしてスライダ150を
移動(揺動)させるようにしてもよい。
【0134】また、本発明は、図24に示した形状のス
ライダに限らず、他の形状のスライダの加工にも適用す
ることができる。また、本発明は、2段構造のスライダ
に限らず、3段以上の構造のスライダの加工にも適用す
ることができる。
【0135】また、実施の形態では、加工対象としての
スライダとして、負圧スライダの例を挙げたが、本発明
は、負圧を発生させないスライダの加工にも適用するこ
とができる。
【0136】また、本発明は、磁気ヘッド用以外の他の
用途のスライダ、例えば光記録方式や光磁気記録方式に
よる情報の記録または再生を行うためのヘッド(ピック
アップ)用のスライダ等にも適用することが可能であ
る。
【0137】
【発明の効果】以上説明したように本発明のスライダの
加工装置によれば、荷重付加手段によって、スライダ保
持具によって保持されたスライダを研磨部材に押し付け
るようにスライダ保持具に対して荷重を付加すると共
に、スライダ保持具に付加する荷重を調整することがで
きるようにしたので、スライダのエッジ部分によって研
磨部材が切れることを防止することが可能となるという
効果を奏する。
【0138】また、本発明のスライダの加工方法によれ
ば、スライダの面取り加工の進行に応じて、スライダを
保持するスライダ保持具に付加する荷重を変化させるよ
うにしたので、スライダのエッジ部分によって研磨部材
が切れることを防止することが可能となるという効果を
奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係るスライダの加工装
置を一部切り欠いて示す正面図である。
【図2】図1の右側面図である。
【図3】図1におけるX−Yテーブルの近傍を拡大して
示す正面図である。
【図4】図3の右側面図である。
【図5】図1におけるY方向揺動幅調整部材の正面図で
ある。
【図6】図5の側面図である。
【図7】図1におけるY方向揺動幅調整部材の正面図で
ある。
【図8】図7の側面図である。
【図9】図2におけるスライダ保持治具セットプレート
が移動する様子を示す説明図である。
【図10】図9に示したスライダ保持治具セットプレー
トの有無を検出するためのセンサを示す説明図である。
【図11】図1におけるワイヤ巻きブロックの側面図で
ある。
【図12】図11に示したワイヤ巻きブロックの正面図
である。
【図13】図11に示したワイヤ巻きブロックに用いら
れる弾性部材を示す斜視図である。
【図14】図11に示したワイヤ巻きブロックに用いら
れる変形用部材を示す斜視図である。
【図15】図11に示したワイヤ巻きブロックとその上
に配置されるゴムシートおよびダイヤモンドラッピング
シートを示す斜視図である。
【図16】図11に示したワイヤ巻きブロックの代わり
に用いられるプレートとその上に配置されるゴムシート
を示す正面図である。
【図17】図11に示したワイヤ巻きブロックの上にゴ
ムシートおよびダイヤモンドラッピングシートを配置す
る方法の一例を説明するための説明図である。
【図18】図17に示した方法によってワイヤ巻きブロ
ックの上にゴムシートおよびダイヤモンドラッピングシ
ートを張った後の状態を示す平面図である。
【図19】図18の正面図である。
【図20】本発明の一実施の形態に係る加工装置で使用
するスライダ保持治具セットプレートの平面図である。
【図21】図20のA−A′線断面図である。
【図22】本発明の一実施の形態に係る加工装置で使用
する他のスライダ保持治具セットプレートの平面図であ
る。
【図23】図22のB−B′線断面図である。
【図24】本発明の一実施の形態に係る加工装置によっ
て加工されるスライダの一例を示す斜視図である。
【図25】本発明の一実施の形態に係る加工装置による
加工時におけるスライダの近傍を示す断面図である。
【図26】図25のC部を拡大して示す説明図である。
【図27】図1における荷重付加部を正面側から見た断
面図である。
【図28】図1における荷重付加部を側面側から見た断
面図である。
【図29】図28に示した重り保持具の孔に螺旋状の溝
を形成した場合における重り保持具を示す断面図であ
る。
【図30】図1における荷重付加部の作用を説明するた
めの断面図である。
【図31】図1における荷重付加部の作用を説明するた
めの断面図である。
【図32】図1における荷重付加部の作用を説明するた
めの断面図である。
【図33】図1における荷重付加部の作用を説明するた
めの断面図である。
【図34】本発明の一実施の形態に係る加工方法におけ
る1段階目の面取り加工の様子を示す断面図である。
【図35】本発明の一実施の形態に係る加工方法におけ
る2段階目の面取り加工の様子を示す断面図である。
【図36】本発明の一実施の形態に係る加工方法におけ
る3段階目の面取り加工の様子を示す断面図である。
【図37】本発明の一実施の形態に係る加工方法と比較
するための他の面取り加工の方法を示す断面図である。
【図38】本発明の一実施の形態に係る加工方法と比較
するための他の面取り加工の方法を示す断面図である。
【図39】図37に示した方法や図38で示した方法に
よって面取り加工を施した場合におけるスライダの空気
流入端側のエッジ部分の形状の一例を示す説明図であ
る。
【図40】本発明の一実施の形態による3段階の面取り
加工を施した場合におけるスライダの空気流入端側のエ
ッジ部分の形状の一例を示す説明図である。
【図41】本発明の一実施の形態におけるスライダ保持
治具の側面とダイヤモンドラッピングシートの研磨面と
のなす角度を60°とした場合のスライダ保持治具を示
す説明図である。
【図42】図41に示した場合における2段階目の面取
り加工終了後のエッジ部分の形状の一例を示す説明図で
ある。
【図43】図41に示した場合における3段階目の面取
り加工終了後のエッジ部分の形状の一例を示す説明図で
ある。
【図44】本発明の一実施の形態におけるスライダ保持
治具の側面とダイヤモンドラッピングシートの研磨面と
のなす角度を75°とした場合のスライダ保持治具を示
す説明図である。
【図45】図44に示した場合における2段階目の面取
り加工終了後のエッジ部分の形状の一例を示す説明図で
ある。
【図46】図44に示した場合における3段階目の面取
り加工終了後のエッジ部分の形状の一例を示す説明図で
ある。
【符号の説明】
10…加工装置、11…装置本体、13…X−Yテーブ
ル、30…ワイヤ巻きブロック、31…ブロック本体、
32…弾性部材、33…変形用部材、34…ワイヤ、3
8…ゴムシート、39…ダイヤモンドラッピングシー
ト、70,70A,70B…スライダ保持治具セットプ
レート、80…スライダ保持治具、100…荷重付加
部、113,123,133…重り、113a,123
a,133a…軸部、138,139…溝、150…ス
ライダ。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 媒体対向面を有するスライダにおけるエ
    ッジ部分を研磨してエッジ部分の面取り加工を行うスラ
    イダの加工装置であって、 スライダを保持するためのスライダ保持具と、 このスライダ保持具によって保持されたスライダのエッ
    ジ部分を研磨するための研磨部材と、 前記スライダ保持具によって保持されたスライダを前記
    研磨部材に押し付けるようにスライダ保持具に対して荷
    重を付加すると共に、スライダ保持具に付加する荷重を
    調整することが可能な荷重付加手段と、 前記研磨部材によってスライダのエッジ部分が研磨され
    るように、前記スライダ保持具によって保持されたスラ
    イダと前記研磨部材とを相対的に移動させる移動手段と
    を備えたことを特徴とするスライダの加工装置。
  2. 【請求項2】 前記研磨部材は、シート状をなしている
    ことを特徴とする請求項1記載のスライダの加工装置。
  3. 【請求項3】 前記荷重付加手段は、スライダ保持具に
    荷重を付加するための複数の重りと、この複数の重りに
    よる荷重をスライダ保持具に対して段階的に加えること
    によって荷重を調整するための荷重調整手段とを有する
    ことを特徴とする請求項1または2記載のスライダの加
    工装置。
  4. 【請求項4】 前記重りは、軸部と、この軸部よりも径
    の大きな大径部とを含み、 前記荷重調整手段は、それぞれ、前記重りの軸部を挿通
    させ、前記大径部の挿通を阻止する孔が形成され、この
    孔によって前記重りを軸部の軸方向に移動可能に保持す
    る複数段の重り保持部と、この重り保持部を上下方向に
    移動させる重り保持部移動手段とを含み、 最下段の重り保持部によって保持された重りの軸部の下
    端部がスライダ保持具に対して接触せずにスライダ保持
    具の上方に位置する状態から、前記重り保持部移動手段
    によって前記重り保持部を下方向に移動させることによ
    り、複数段の重り保持部によって保持された重りが、下
    段側から順に、スライダ保持具に対して荷重を付加する
    状態となることを特徴とする請求項3記載のスライダの
    加工装置。
  5. 【請求項5】 前記重りは、所定の重さを有する1以上
    のブロックからなることを特徴とする請求項3または4
    記載のスライダの加工装置。
  6. 【請求項6】 媒体対向面を有するスライダにおけるエ
    ッジ部分を研磨するための研磨部材にスライダを押し付
    けるように、スライダ保持具に対して荷重を付加しなが
    ら、スライダと研磨部材とを相対的に移動させて、研磨
    部材によってスライダのエッジ部分を研磨してエッジ部
    分の面取り加工を行うスライダの加工方法であって、 面取り加工の進行に応じて、スライダ保持具に付加する
    荷重を変化させることを特徴とするスライダの加工方
    法。
  7. 【請求項7】 前記研磨部材は、シート状をなしている
    ことを特徴とする請求項6記載のスライダの加工方法。
  8. 【請求項8】 面取り加工の進行に応じて、スライダ保
    持具に付加する荷重を、段階的に増加させることを特徴
    とする請求項6または7記載のスライダの加工方法。
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