JP2000094178A - メッキ無し溶接用ワイヤ - Google Patents

メッキ無し溶接用ワイヤ

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JP2000094178A JP26368598A JP26368598A JP2000094178A JP 2000094178 A JP2000094178 A JP 2000094178A JP 26368598 A JP26368598 A JP 26368598A JP 26368598 A JP26368598 A JP 26368598A JP 2000094178 A JP2000094178 A JP 2000094178A
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Norihiro Asai
法廣 浅井
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 コンジットライナーの排出側端部内での滑り
性を向上させて長いコンジットチューブにおいても良好
な送給性を得ることができるメッキ無し溶接用ワイヤを
提供する。 【解決手段】 メッキ無し溶接用ワイヤには、表面を脱
脂しArイオンを使用したスパッタリングにより表面か
ら10乃至100nmの厚さを削り取ったときに現れる
研削面にMoS2、WS2及びCからなる群から選択され
た少なくとも1種が存在している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、炭素鋼及びステン
レス鋼等のミグ(MIG)溶接及び炭酸ガスアーク溶接
等のマグ(MAG)溶接等の半自動溶接及びサブマージ
アーク溶接に好適なメッキ無し溶接用ワイヤに関し、特
に、送給系が長い場合においても良好な送給性が得られ
るメッキ無し溶接用ワイヤに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、ミグ(MIG)溶接及び炭酸ガ
スアーク溶接等のマグ(MAG)溶接等に使用される溶
接用ワイヤは、通常、スプール若しくはボビンに巻装さ
れた状態又はペイルパックとよばれる円筒容器に装填さ
れた状態で溶接に供せられる。そして、これらのワイヤ
が使用されるときには、夫々の所定の溶接条件に合致す
るように送給モータによりコンジットチューブを介して
溶接部に供給される。
【0003】近時、溶接作業において、高能率化及び省
人化の要請により、被覆アーク溶接が行われていた溶接
部位にも、半自動化又は自動化溶接が導入されるように
なってきている。特に、造船の分野において半自動化溶
接が行われる比率が増大しており、溶接用ワイヤの使用
量が増大している。造船工程においては、溶接部が広範
囲に及ぶため、溶接用ワイヤが長いコンジットチューブ
の中を通過することになり、その長さは長いもので10
m以上に及ぶものもある。
【0004】このようなコンジットチューブ内の溶接用
ワイヤの通過距離が長い条件の下で、良好な溶接を行う
ためには、溶接用ワイヤを円滑に送給することが必須の
条件となる。ワイヤの円滑な送給が妨げられると、安定
した溶接が困難になり、スパッタ量の増加、ビード外観
不良及び溶け込み不良等の溶接不良が生じてしまう。
【0005】そこで、表面に二硫化モリブデン(MoS
2)、二硫化タングステン(WS2)及びポリ四フッ化エ
チレンの1種又は2種以上等を含有する潤滑剤が付着さ
れた溶接用ワイヤが提案されている(特開平8−229
697号公報、特開平8−257788号公報)。
【0006】また、表面に突起が形成され潤滑性複合合
金によりコーティングされた溶接用ワイヤも提案されて
いる(特開平8−252691号公報)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述の
公報に記載された溶接用ワイヤによっても、コンジット
チューブの長さが10m以上にも及ぶ場合、コンジット
チューブの終端部付近における潤滑効果が持続されない
ため、その部位において摩擦が大きくなって十分な送給
性が得られないという問題点がある。
【0008】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
のであって、コンジットライナーの排出側端部内での滑
り性を向上させて長いコンジットチューブにおいても良
好な送給性を得ることができるメッキ無し溶接用ワイヤ
を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明に係るメッキ無し
溶接用ワイヤは、表面を脱脂しArイオンを使用したス
パッタリングにより表面から10乃至100nmの厚さ
を削り取ったときに現れる研削面にMoS2、WS2及び
Cからなる群から選択された少なくとも1種が存在して
いることを特徴とする。
【0010】本発明においては、表面を脱脂しArイオ
ンを使用したスパッタリングにより表面から10乃至1
00nmの厚さを削り取ったときに現れる研削面にMo
2、WS2及びCの少なくともいずれかが存在している
ので、長いコンジットチューブの排出側の端部近傍にお
いても、摩擦が抑制されて良好な送給性が得られる。
【0011】なお、前記MoS2、前記WS2及び前記C
は、総量で1×10-4乃至5×10 -3重量%であること
が望ましい。
【0012】また、前記研削面にNa、K及びCsから
なる群から選択された少なくとも1種が存在しているこ
とが望ましく、前記Na、前記K及び前記Csは、総量
で1乃至10ppmであることがより一層望ましい。
【0013】
【発明の実施の形態】本願発明者等が前記課題を解決す
べく、鋭意実験研究を重ねた結果、溶接用ワイヤの表面
から10乃至100nmの深さの凹みにMoS2等の潤
滑効果を有する材料を存在させることにより、コンジッ
トチューブ内の終端部においても断続的にMoS2等を
供給し、コンジットチューブ内面をMoS2等で被覆し
てワイヤの送給性を著しく向上させることができること
を見出した。ここで、コンジットチューブ内終端部と
は、コンジットチューブ内全体のうち溶接トーチ側の端
部をいう。
【0014】従来、MoS2が表面に残留した溶接用ワ
イヤは数多く提案されているものの、これらはワイヤ表
面のみにMoS2が付着したものであるため、10m以
上等の比較的長いコンジットチューブの終端部付近では
全てのMoS2が脱落してしまい、十分な送給性能を得
ることができなかった。
【0015】以下、本発明に係るメッキ無し溶接用ワイ
ヤについて、更に説明する。先ず、潤滑効果を有する材
料及びその量について説明する。
【0016】MoS2 、WS2 及びC:総量で1×10-4
乃至5×10-3 重量% MoS2はコンジットチューブ内においてワイヤの滑り
性を向上させる潤滑剤として作用する。WS2及びCも
同様に潤滑剤として送給性を向上させる作用を有する。
従って、本発明においては、MoS2、WS2及びCのう
ち少なくとも1種がワイヤ表面から所定の深さに存在し
ている必要がある。これらは、例えば、凹みが形成され
たワイヤの表面に電荷を保持させたMoS2等の分散液
(水素、油系)を吹き付けた後、フェルトで塗布するこ
とにより、ワイヤに付着させることができる。
【0017】なお、MoS2、WS2及びCの量が総量で
1×10-4乃至5×10-3重量%であると、長いコンジ
ットチューブを使用した溶接時の送給性を著しく向上さ
せることができる。一方、MoS2、WS2及びCの量が
総量で1×10-4重量%未満であると、コンジットチュ
ーブ内に潤滑剤が十分にはコーティングされず、ワイヤ
の送給性が改善されにくい。また、MoS2、WS2及び
Cの量が総量で5×10-3重量%を超えると、スパッタ
の発生量が著しく増加し、溶接作業性が劣化しやすい。
従って、送給性、通電性及び外観等を考慮すると、Mo
2、WS2及びCの量は総量で1×10-4乃至5×10
-3重量%、つまり、ワイヤ10kg当たり0.01乃至
0.5gであることが望ましい。
【0018】Na、K及びCs:総量で1乃至10pp
Na、K及びCs等のアルカリ金属は、MoS2等の塗
布液への均一な分散に有効である。これらは、例えば、
塗布液中にこれらの化合物を添加する方法又は伸線潤滑
剤中にこれらの化合物を添加する方法によりワイヤに付
着させることができる。従って、Na、K及びCs等の
アルカリ金属がMoS2等と共に存在することが望まし
い。なお、Na、K及びCs等のアルカリ金属の添加源
としては無機化合物より有機化合物の方が効果的であ
る。無機化合物としては、例えば、これらアルカリ金属
の炭酸塩が挙げられ、有機化合物としては、例えば、こ
れらアルカリ金属のカルボン酸塩が挙げられる。
【0019】また、Na、K及びCsの量が総量で1p
pm未満であると、MoS2等の分散効果が低い。一
方、Na、K及びCsの量が総量で10ppmを超える
と、送給性及び通電性を劣化させることがある。従っ
て、Na、K及びCsの量は総量で1乃至10ppmで
あることが望ましい。
【0020】次に、潤滑剤(MoS2、WS2の及びC)
並びにアルカリ金属(Na、K及びCs)が存在するワ
イヤ表面からの深さの限定理由について説明する。
【0021】深さ:10乃至100nm 潤滑剤(MoS2、WS2及びC)並びにアルカリ金属
(Na、K及びCs)が存在する深さが10nm未満で
あると、コンジットチューブ内終端部での送給性を維持
することができず、ワイヤの送給が不安定になってアー
クが安定せず、溶接作業性が著しく劣化する。一方、潤
滑剤及びアルカリ金属が存在する深さが100nmを超
えると、その効果が低くくなるため、コンジットチュー
ブ内での送給性が悪く、アークが安定せず、溶接作業性
が著しく悪化する。従って、潤滑剤(MoS2、WS2
びC)並びにアルカリ金属(Na、K及びCs)が存在
する深さはワイヤ表面から10乃至100nmとする。
但し、潤滑剤(MoS2、WS2及びC)並びにアルカリ
金属(Na、K及びCs)が10nm未満の深さ又は1
00nm以上の深さに存在しても、10乃至100nm
の深さに存在していれば、本発明による送給性向上の効
果は得られる。
【0022】次に、ワイヤ表面から10乃至100nm
の深さにMoS2等を存在させる具体的な方法について
説明する。先ず、レーザ照射によるダル仕上げが施され
たローラを使用してワイヤの表面に凹みを形成する。次
に、前述のように、分散液をワイヤに吹き付け、フェル
トで塗布する。
【0023】次いで、前述の各パラメータの測定方法に
ついて説明する。
【0024】先ず、深さの調節方法について説明する。
先ず、パーキンエルマン社製走査型オージェ分光装置P
HI650を使用してArスパッタリングを行うことに
より、溶接用ワイヤの表面を10乃至100nm削り取
る。このときの加速電圧は3kV、電流値は25mA、
スパッタリング速度は5nm/分である。研削深さの調
節はスパッタリング時間により調節する。
【0025】次に、MoS2の量の測定方法について説
明する。先ず、ワイヤ50gを20mmの長さに切断し
サンプリングする。次いで、表面に付着している油脂等
をエタノール中で攪拌洗浄し、50gのワイヤに50c
3の塩酸(濃塩酸:水=1:1(体積比))を加え1
分間放置することにより、凹みに埋め込まれたMoS 2
をワイヤ表面から脱離させる。更に、水を加えて全液量
を100cm3とした後、MoS2が分散しているこの液
を濾過する。その後、MoS2が付着した濾紙に10c
3の硫酸(濃硫酸:水=1:1(体積比))、5cm3
の過塩素酸及び20cm3の硝酸を加え白煙処理により
MoS2を溶解させる。更に、水を加えて全液量を10
0cm3とし、塩溶解させる。そして、溶解後の酸液を
ICP分析し金属Moの濃度を測定する。測定されたM
o濃度からワイヤ10kg当たりのMoS2量を算出す
る。
【0026】次に、WS2の量の測定方法について説明
する。先ず、ワイヤ50gを20mmの長さに切断しサ
ンプリングする。次いで、表面に付着している油脂等を
エタノール中で攪拌洗浄し、50gのワイヤに50cm
3の塩酸(濃塩酸:水=1:1(体積比))を加え1分
間放置することにより、凹みに埋め込まれたWS2をワ
イヤ表面から脱離させる。更に、水を加えて全液量を1
00cm3とした後、WS2が分散しているこの液を濾過
する。その後、WS2が付着した濾紙に10cm3の溶液
(濃硫酸:リン酸:水=3:2:1(体積比))、5c
3の過塩素酸及び20cm3の硝酸を加え白煙処理によ
りWS2を溶解させる。更に、水を加えて全液量を10
0cm3とし、塩溶解させる。そして、溶解後の酸液を
ICP分析し金属Wの濃度を測定する。測定されたW濃
度からワイヤ10kg当たりのWS2量を算出する。
【0027】次に、Cの量の測定方法について説明す
る。先ず、ワイヤ10gを20mmの長さに切断しサン
プリングする。次いで、表面に付着している油脂等をエ
タノール中で攪拌洗浄し、10gのワイヤに50cm3
の硝酸(濃硝酸:水=1:2(体積比))を加え加熱溶
解することにより、凹みに埋め込まれたCをワイヤ表面
から脱離させる。そして、Cが分散しているこの硝酸溶
液を石英フィルタを使用して濾過する。その後、石英フ
ィルタを酸素雰囲気の管状炉又は高周波誘導加熱炉内で
燃焼させ、赤外吸収法により発生した炭酸ガスの量を測
定する。そして、測定された炭酸ガス量からワイヤ10
kg当たりのC量を算出する。なお、硝酸溶液中で溶解
されるのは金属中の固溶Cのみであり、結晶質C及び非
晶質Cは溶解されず、石英フィルタに捕捉される。
【0028】次に、Na、K及びCsの量の測定方法に
ついて説明する。先ず、ワイヤ表面の付着物を脱脂綿に
よりふき取り、表面を清浄にされた約50gのワイヤを
サンプリングする。次いで、このサンプルを塩酸溶液中
に2乃至3分間浸漬し、その後、この塩酸溶液を濾過す
る。そして、濾液中に存在するNa、K及びCsを原子
吸光により分析する。また、濾紙上に採取されたNa化
合物、K化合物及びCs化合物は、灰化処理又は硫酸若
しくは過酸化水素による白煙処理により水溶液中に溶解
させる。その後、原子吸光によりNa、K及びCsを分
析する。そして、濾液中のNa、K及びCs量と濾紙に
採取されたNa、K及びCs量との和を算出する。
【0029】次に、潤滑剤及びアルカリ金属の存在の確
認方法について説明する。先ず、ワイヤ表面を所定の深
さまでArスパッタリングにより10nmずつ削り取
る。そして、研削後の表面に対しX線マイクロアナライ
ザにより面分析を行うことにより、注目する元素の存在
を確認する。
【0030】なお、本発明は、例えば、ソリッドワイ
ヤ、フラックス入りワイヤ及びサブマージアーク溶接用
ワイヤとして使用することができ、ワイヤの成分に影響
されるものではない。ソリッドワイヤの代表的な例は、
C:0.05重量%、Si:0.68重量%、Mn:
1.6重量%及びTi:0.2重量%を含有し、残部が
Fe及び不可避的不純物からなる。また、フラックス入
りワイヤのフープの代表的な例は、C:0.05重量
%、Si:0.15重量%、Mn:0.35重量%、A
l:0.03重量%及びTi:0.05重量%を含有
し、残部がFe及び不可避的不純物からなる。更に、フ
ラックス入りワイヤのフラックスの代表的な例は、メタ
ル:10乃至50重量%、フッ化物:2乃至3重量%、
スラグ形成剤:20乃至50重量%及びその他:5乃至
10重量%からなる。更にまた、サブマージアーク溶接
用ワイヤの代表的な例は、C:0.05重量%、Si:
0.50重量%及びMn:2.2重量%を含有し、残部
がFe及び不可避的不純物からなる。
【0031】
【実施例】以下、本発明の実施例について、その特許請
求の範囲から外れる比較例と比較して具体的に説明す
る。
【0032】第1実施例 下記表1乃至3に示す潤滑剤及びアルカリ金属が存在す
るソリッドワイヤを作製し、その送給性を評価した。潤
滑剤(MoS2、WS2及びC)並びにアルカリ金属(N
a、K及びCs)の炭酸塩又はカルボン酸塩の量は静電
塗布条件により制御した。図1はソリッドワイヤ及びフ
ラックス入りワイヤの送給系を示す模式図である。本評
価における送給系においては、送給装置1内で溶接用ワ
イヤがスプールに巻回されている。送給装置1の排出側
には、巻解かれたワイヤが導入される長さが10mのコ
ンジットライナが配設されており、コンジットライナ内
に3個のローラ2aから構成される首締め部2が設けら
れている。更に、首締め部2の排出側には、ワイヤが1
回転する1ターン部3が設けられており、その排出側に
トーチ4が連結されている。
【0033】第1実施例においては、炭素鋼用ワイヤと
してJIS Z3312 YGW11に示されるソリッ
ドワイヤを使用し、ステンレス鋼用ワイヤとしてJIS
Z3321 Y308に示されるソリッドワイヤを使
用した。また、油量はワイヤ10kg当たり0.8乃至
1.2gとした。
【0034】そして、ソリッドワイヤがコンジットライ
ナ、首締め部2及び1ターン部3を通過するときの送給
抵抗値をロードセルにより測定した。送給抵抗値が2k
gf以下であるものを◎、2kgfより大きく3kgf
以下であるものを○、3kgfより大きく4kgf以下
であるものを△、4kgfより大きいものを×として、
この測定結果を下記表4に示す。
【0035】なお、「Tr.」は、その量が微量である
ことを示す。
【0036】
【表1】
【0037】
【表2】
【0038】
【表3】
【0039】
【表4】
【0040】上記表4に示すように、実施例1乃至50
においては、潤滑剤の存在深さが本発明で規定する範囲
内にあるので、送給抵抗値が低く、優れた送給性が得ら
れた。
【0041】一方、比較例153乃至156において
は、潤滑剤の存在深さが本発明で規定する範囲から外れ
ているので、送給抵抗値が高く、送給性が不良であっ
た。
【0042】第2実施例 下記表5乃至7に示す潤滑剤及びアルカリ金属が存在す
るフラックス入りワイヤを作製し、第1実施例と同様の
方法により、その送給性を評価した。
【0043】第2実施例においては、炭素鋼用ワイヤと
してJIS Z3313 YFW−C50DXに示され
るフラックス入りワイヤを使用し、ステンレス鋼用ワイ
ヤとしてJIS Z3321 YF308に示されるフ
ラックス入りワイヤを使用した。また、油量は、シーム
部が存在していること及び拡散性水素量を考慮して、第
1実施例より少なめのワイヤ10kg当たり0.3乃至
0.5gとした。また、フラックス充填率は約13重量
%である。
【0044】そして、第1実施例と同様にして送給性の
評価を行った。この測定結果を下記表8に示す。
【0045】
【表5】
【0046】
【表6】
【0047】
【表7】
【0048】
【表8】
【0049】上記表8に示すように、実施例51乃至1
00においては、潤滑剤の存在深さが本発明で規定する
範囲内にあるので、送給抵抗値が低く、優れた送給性が
得られた。
【0050】一方、比較例157乃至160において
は、潤滑剤の存在深さが本発明で規定する範囲から外れ
ているので、送給抵抗値が高く、送給性が不良であっ
た。
【0051】第3実施例 下記表9乃至12に示す潤滑剤及びアルカリ金属が存在
するサブマージアーク溶接用ワイヤを作製し、その送給
性を評価した。図2はサブマージアーク溶接用ワイヤの
送給系を示す模式図である。本評価における送給系にお
いては、送給装置11内で溶接用ワイヤがスプールに巻
回されている。送給装置11の排出側には、巻解かれた
ワイヤが通過する長さが10mのステンレスパイプ12
が配設されている。このステンレスパイプ12の出口付
近には、ステンレスパイプ12から排出されたワイヤが
送給される5個のローラから構成される首締め部13が
設けられている。
【0052】第3実施例においては、炭素鋼用ワイヤと
してJIS Z3351 YS−S6に示されるサブマ
ージアーク溶接用ワイヤを使用し、ステンレス鋼用ワイ
ヤとしてJIS Z3351 YF308に示されるサ
ブマージアーク溶接用ワイヤを使用した。また、油量は
ワイヤ10kg当たり0.1乃至0.4gとした。
【0053】そして、サブマージアーク溶接用ワイヤが
コンジットライナ、首締め部及び1ターン部を通過する
ときの送給抵抗値をロードセルにより測定した。送給抵
抗値が5kgf以下であるものを◎、5kgfより大き
く10kgf以下であるものを○、10kgfより大き
く15kgf以下であるものを△、15kgfより大き
いものを×として、この測定結果を下記表13に示す。
【0054】
【表9】
【0055】
【表10】
【0056】
【表11】
【0057】
【表12】
【0058】
【表13】
【0059】上記表13に示すように、実施例101乃
至152においては、潤滑剤の存在深さが本発明で規定
する範囲内にあるので、送給抵抗値が低く、優れた送給
性が得られた。
【0060】一方、比較例161乃至164において
は、潤滑剤の存在深さが本発明で規定する範囲から外れ
ているので、送給抵抗値が高く、送給性が不良であっ
た。
【0061】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
ワイヤ表面から適切な深さにMoS2、WS2及びCの少
なくともいずれかを存在させているので、コンジットラ
イナー内の滑り性を向上させることができ、長いコンジ
ットチューブのトーチ側端部においても良好な送給性を
得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ソリッドワイヤ及びフラックス入りワイヤの送
給系を示す模式図である。
【図2】サブマージアーク溶接用ワイヤの送給系を示す
模式図である。
【符号の説明】
1、11;送給装置 2、13;首締め部 2a;ローラ 3;1ターン部 4;トーチ 12;ステンレスパイプ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面を脱脂しArイオンを使用したスパ
    ッタリングにより表面から10乃至100nmの厚さを
    削り取ったときに現れる研削面にMoS2、WS2及びC
    からなる群から選択された少なくとも1種が存在してい
    ることを特徴とするメッキ無し溶接用ワイヤ。
  2. 【請求項2】 前記MoS2、前記WS2及び前記Cは、
    総量で1×10-4乃至5×10-3重量%であることを特
    徴とする請求項1に記載のメッキ無し溶接用ワイヤ。
  3. 【請求項3】 前記研削面にNa、K及びCsからなる
    群から選択された少なくとも1種が存在していることを
    特徴とする請求項1又は2に記載のメッキ無し溶接用ワ
    イヤ。
  4. 【請求項4】 前記Na、前記K及び前記Csは、総量
    で1乃至10ppmであることを特徴とする請求項1乃
    至3のいずれか1項に記載のメッキ無し溶接用ワイヤ。
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