JP2000093704A - 鉄・活性シリカ複合凝集剤の製造方法 - Google Patents
鉄・活性シリカ複合凝集剤の製造方法Info
- Publication number
- JP2000093704A JP2000093704A JP10265063A JP26506398A JP2000093704A JP 2000093704 A JP2000093704 A JP 2000093704A JP 10265063 A JP10265063 A JP 10265063A JP 26506398 A JP26506398 A JP 26506398A JP 2000093704 A JP2000093704 A JP 2000093704A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- silica
- aqueous solution
- iron
- solution
- ferric
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Withdrawn
Links
Landscapes
- Separation Of Suspended Particles By Flocculating Agents (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 製造装置としても小規模化が可能で、製造操
作も容易であり、製造時間も短く、凝集剤としての性能
も高い活性シリカを製造する方法を提供する。 【解決手段】 第2鉄塩水溶液を撹伴しながら、この液
に対し、SiO2 濃度7%以下の珪酸アルカリ金属塩水
溶液を添加混合し、その際前記第2鉄塩水溶液量に対す
る珪酸アルカリ金属塩水溶液の添加量を、pHが2〜
6、シリカ濃度が2〜5%とした混合液Aが得られるよ
うに設定し、さらにそれにより得られた前記混合液Aに
対して第2鉄塩を添加してpHを2未満に低下させた混
合液Bを得ることを特徴とする鉄・活性シリカ複合凝集
剤の製造方法。前記第2鉄塩が、塩化第2鉄であること
が好ましい。
作も容易であり、製造時間も短く、凝集剤としての性能
も高い活性シリカを製造する方法を提供する。 【解決手段】 第2鉄塩水溶液を撹伴しながら、この液
に対し、SiO2 濃度7%以下の珪酸アルカリ金属塩水
溶液を添加混合し、その際前記第2鉄塩水溶液量に対す
る珪酸アルカリ金属塩水溶液の添加量を、pHが2〜
6、シリカ濃度が2〜5%とした混合液Aが得られるよ
うに設定し、さらにそれにより得られた前記混合液Aに
対して第2鉄塩を添加してpHを2未満に低下させた混
合液Bを得ることを特徴とする鉄・活性シリカ複合凝集
剤の製造方法。前記第2鉄塩が、塩化第2鉄であること
が好ましい。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鉄・活性シリカ複
合凝集剤の製造方法に関し、さらに詳しくは浄水処理な
どで凝集処理に使用する鉄・活性シリカ系凝集剤の製造
方法、すなわち活性シリカと鉄とを含有する鉄・活性シ
リカ複合凝集剤の製造方法に関する。
合凝集剤の製造方法に関し、さらに詳しくは浄水処理な
どで凝集処理に使用する鉄・活性シリカ系凝集剤の製造
方法、すなわち活性シリカと鉄とを含有する鉄・活性シ
リカ複合凝集剤の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】浄水処理の凝集処理では、凝集剤とし
て、主として硫酸アルミニウム又はポリ塩化アルミニウ
ム(PAC)が使用されている。いずれもアルミニウム
系の無機凝集剤である。こうした無機凝集剤は、単独で
使用すると十分な大きさのフロックが形成されないた
め、凝集沈殿工程、砂ろ過工程の固液分離速度が小さい
という欠点がある。また凝集分離工程から排出される汚
泥の濃縮脱水性も悪い。この汚泥の固液分離速度が小さ
く、あるいは濃縮脱水性が悪い場合、問題が起きる。た
とえば、原水の富栄養化が進むとミクロキスチスなどの
藻類が多量に含まれてくる。原水が藻類を多量に含むと
PAC又は硫酸バンドの場合では、極めて沈降性の悪い
フロックしか形成されない。形成されても浮上してしま
うこともある。凝集剤としてPAC又は硫酸バンドしか
使えない場合には、結局藻類の効果的な除去ができな
い。しかも、アルミニウム系凝集剤を使用して浄化した
飲料水には、アルミニウムイオンが残留する場合があ
る。これはアルツハイマ症を引き起こす一因になりかね
ない可能性が指摘されている。
て、主として硫酸アルミニウム又はポリ塩化アルミニウ
ム(PAC)が使用されている。いずれもアルミニウム
系の無機凝集剤である。こうした無機凝集剤は、単独で
使用すると十分な大きさのフロックが形成されないた
め、凝集沈殿工程、砂ろ過工程の固液分離速度が小さい
という欠点がある。また凝集分離工程から排出される汚
泥の濃縮脱水性も悪い。この汚泥の固液分離速度が小さ
く、あるいは濃縮脱水性が悪い場合、問題が起きる。た
とえば、原水の富栄養化が進むとミクロキスチスなどの
藻類が多量に含まれてくる。原水が藻類を多量に含むと
PAC又は硫酸バンドの場合では、極めて沈降性の悪い
フロックしか形成されない。形成されても浮上してしま
うこともある。凝集剤としてPAC又は硫酸バンドしか
使えない場合には、結局藻類の効果的な除去ができな
い。しかも、アルミニウム系凝集剤を使用して浄化した
飲料水には、アルミニウムイオンが残留する場合があ
る。これはアルツハイマ症を引き起こす一因になりかね
ない可能性が指摘されている。
【0003】凝集剤はPACや硫酸バンドだけに限られ
るものではない。浄水処理以外の排水処理分野では、各
種の合成高分子凝集剤がフロック形成を促進するために
多用されている。しかし、浄水処理には、合成有機高分
子凝集剤の安全性に心配があるため、使用が認可されて
いない。日本では昭和30年代に、上水処理分野では安
全性の高い凝集助剤として米国のBaylis氏が見出
した「活性シリカ」の利用が検討されたことがあった。
活性シリカとは、シリカモノマが重合して高分子になっ
た状態のシリカを言う。「活性シリカ」の活性とはシリ
カの凝集活性を言う。モノマシリカには凝集活性は無
い。
るものではない。浄水処理以外の排水処理分野では、各
種の合成高分子凝集剤がフロック形成を促進するために
多用されている。しかし、浄水処理には、合成有機高分
子凝集剤の安全性に心配があるため、使用が認可されて
いない。日本では昭和30年代に、上水処理分野では安
全性の高い凝集助剤として米国のBaylis氏が見出
した「活性シリカ」の利用が検討されたことがあった。
活性シリカとは、シリカモノマが重合して高分子になっ
た状態のシリカを言う。「活性シリカ」の活性とはシリ
カの凝集活性を言う。モノマシリカには凝集活性は無
い。
【0004】Baylis氏が見出した活性シリカの製
造法は次の通りである。すなわち、水ガラスを水で希釈
してシリカ濃度1.5%の水溶液とし、これに硫酸を加
えてpH8.5に調整する。室温において2時間撹拌し
てシリカモノマーを重合させ、重合して高分子状態にな
ったシリカ、すなわち活性シリカを得るという製造方法
である。しかし当時、こうして製造される活性シリカは
我が国では実用化されなかった。製造時、あるいは保存
時にゲル化トラブルが頻発し、安定して活性シリカを製
造、保存することが非常に難しかったためである。ゲル
化トラブルとは液全体がゼリー状に固まる現象を言う。
造法は次の通りである。すなわち、水ガラスを水で希釈
してシリカ濃度1.5%の水溶液とし、これに硫酸を加
えてpH8.5に調整する。室温において2時間撹拌し
てシリカモノマーを重合させ、重合して高分子状態にな
ったシリカ、すなわち活性シリカを得るという製造方法
である。しかし当時、こうして製造される活性シリカは
我が国では実用化されなかった。製造時、あるいは保存
時にゲル化トラブルが頻発し、安定して活性シリカを製
造、保存することが非常に難しかったためである。ゲル
化トラブルとは液全体がゼリー状に固まる現象を言う。
【0005】ところが、最近こうした活性シリカについ
てこれを再評価しようとする動きがある。例えば、特公
平4−75796号公報記載の「水処理方法および水処
理用凝集剤」は、「シリカモノマーの極限粘度の約2倍
以上の極限粘度を有する重合シリカと、水中で水酸化物
を形成しうる金属の可溶性塩を、該金属に対する珪素の
モル比が2以上となる条件で処理対象水中に注入撹拌す
る」という方法である。特公平4−75796号公報に
開示されている活性シリカ製造方法の概要を図2に示
す。水ガラス酸性化槽を用い、希釈された強アルカリ性
の水ガラス水溶液を硫酸などの鉱酸水溶液に添加混合
し、pHを2以下に調整して酸性化工程を行う。pH2
以下に調整したこの液を、モノマシリカ重合槽に移し、
苛性ソーダを添加してpH4以上に上げ、極限粘度を測
定しながらシリカモノマーを2〜6時間重合させる重合
工程を行う。
てこれを再評価しようとする動きがある。例えば、特公
平4−75796号公報記載の「水処理方法および水処
理用凝集剤」は、「シリカモノマーの極限粘度の約2倍
以上の極限粘度を有する重合シリカと、水中で水酸化物
を形成しうる金属の可溶性塩を、該金属に対する珪素の
モル比が2以上となる条件で処理対象水中に注入撹拌す
る」という方法である。特公平4−75796号公報に
開示されている活性シリカ製造方法の概要を図2に示
す。水ガラス酸性化槽を用い、希釈された強アルカリ性
の水ガラス水溶液を硫酸などの鉱酸水溶液に添加混合
し、pHを2以下に調整して酸性化工程を行う。pH2
以下に調整したこの液を、モノマシリカ重合槽に移し、
苛性ソーダを添加してpH4以上に上げ、極限粘度を測
定しながらシリカモノマーを2〜6時間重合させる重合
工程を行う。
【0006】また、特許第2732067号明細書には
「第2鉄イオンを安定剤として含有し、かつpH1.
5以下である珪酸溶液からなる水処理用凝集剤」が開示
されている。この明細書による凝集剤の製造法は2つあ
る。具体的には1)水ガラスに鉱酸を添加して、酸性の
水ガラス水溶液を作り、これに第2鉄塩を添加する方
法、2)酸性の水ガラス水溶液を重合させてから第2鉄
塩を添加して製造する方法の2つである。最初の方法は
シリカを重合させないで第2鉄塩を添加するものであ
り、後の方法はシリカを重合させてから第2鉄塩を添加
するものである。
「第2鉄イオンを安定剤として含有し、かつpH1.
5以下である珪酸溶液からなる水処理用凝集剤」が開示
されている。この明細書による凝集剤の製造法は2つあ
る。具体的には1)水ガラスに鉱酸を添加して、酸性の
水ガラス水溶液を作り、これに第2鉄塩を添加する方
法、2)酸性の水ガラス水溶液を重合させてから第2鉄
塩を添加して製造する方法の2つである。最初の方法は
シリカを重合させないで第2鉄塩を添加するものであ
り、後の方法はシリカを重合させてから第2鉄塩を添加
するものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記特公平4
−75796号公報開示の製造方法は、水ガラス酸性化
工程とモノマシリカ重合工程が必要である。さらにpH
を調整するだけの目的のために、酸、アルカリ剤を必ず
使用しなければならない。本発明者が詳しく検討したと
ころ、その他にも次の問題点があることが判明した。そ
のため、さらに技術開発をする必要のあることが分かっ
た。 製造に長時間を要する。 pH4でシリカモノマーを重合させ、所要極限粘度の重
合シリカを調整するのに必要な時間が2時間から6時間
を要する。 重合時間の設定が非常に難しい。 これは、重合に必要な時間は、シリカ濃度、水温、pH
などの微妙な変動によって所要重合時間が大きく変化す
るためである。重合時間の設定を誤ると重合中にシリカ
のゲル化トラブルを引き起こし凝集剤として使用不能と
なる。とりわけシリカ濃度を4%以上に高めると、こう
したゲル化トラブルが極めて起き易くなる。重合時間が
不足すると凝集効果が悪いものしか得られない。
−75796号公報開示の製造方法は、水ガラス酸性化
工程とモノマシリカ重合工程が必要である。さらにpH
を調整するだけの目的のために、酸、アルカリ剤を必ず
使用しなければならない。本発明者が詳しく検討したと
ころ、その他にも次の問題点があることが判明した。そ
のため、さらに技術開発をする必要のあることが分かっ
た。 製造に長時間を要する。 pH4でシリカモノマーを重合させ、所要極限粘度の重
合シリカを調整するのに必要な時間が2時間から6時間
を要する。 重合時間の設定が非常に難しい。 これは、重合に必要な時間は、シリカ濃度、水温、pH
などの微妙な変動によって所要重合時間が大きく変化す
るためである。重合時間の設定を誤ると重合中にシリカ
のゲル化トラブルを引き起こし凝集剤として使用不能と
なる。とりわけシリカ濃度を4%以上に高めると、こう
したゲル化トラブルが極めて起き易くなる。重合時間が
不足すると凝集効果が悪いものしか得られない。
【0008】 製造にあたり極限粘度の測定が要求さ
れる。 極限粘度の測定には熟練者でも1時間以上かかる。実用
現場で1時間以上もかかる極限粘度を測定しながら、重
合時間を制御するという方法は、実際には不可能であ
る。 pHを調整するだけの目的のために、酸、アルカリ
剤を必ず使用しなければならない。その分製造コストが
高くなる。pH調整には2段階必要で、操作は煩雑であ
る。
れる。 極限粘度の測定には熟練者でも1時間以上かかる。実用
現場で1時間以上もかかる極限粘度を測定しながら、重
合時間を制御するという方法は、実際には不可能であ
る。 pHを調整するだけの目的のために、酸、アルカリ
剤を必ず使用しなければならない。その分製造コストが
高くなる。pH調整には2段階必要で、操作は煩雑であ
る。
【0009】また、特許第2732067号明細書記載
の方法については、本発明者の追試の結果次のことが判
った。すなわち、シリカを重合させないで第2鉄塩を添
加した液は、シリカが重合していないため凝集効果が極
めて劣る。シリカを重合させてから第2鉄塩を添加する
方法は、前記特公平4−75796号公報記載の技術と
同一技術であり、それと同じ欠点がある。本発明は、以
上のような従来の活性シリカ及びその製造技術の欠点を
考慮し、製造装置としても小規模化が可能であり、製造
操作も容易であり、さらに製造時間も短く、凝集剤とし
ての性能も高い活性シリカを製造する方法を提供するこ
とを目的とするものである。
の方法については、本発明者の追試の結果次のことが判
った。すなわち、シリカを重合させないで第2鉄塩を添
加した液は、シリカが重合していないため凝集効果が極
めて劣る。シリカを重合させてから第2鉄塩を添加する
方法は、前記特公平4−75796号公報記載の技術と
同一技術であり、それと同じ欠点がある。本発明は、以
上のような従来の活性シリカ及びその製造技術の欠点を
考慮し、製造装置としても小規模化が可能であり、製造
操作も容易であり、さらに製造時間も短く、凝集剤とし
ての性能も高い活性シリカを製造する方法を提供するこ
とを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記課題を以
下の手段で解決した。 (1)第2鉄塩水溶液を撹伴しながら、この液に対し、
SiO2 濃度7%以下の珪酸アルカリ金属塩水溶液を添
加混合し、その際前記第2鉄塩水溶液量に対する珪酸ア
ルカリ金属塩水溶液の添加量を、pHが2〜6、シリカ
濃度が2〜5%とした混合液Aが得られるように調整
し、さらにそれにより得られた前記混合液Aに対して第
2鉄塩を添加してpHを2未満に低下させた混合液Bを
得ることを特徴とする鉄・活性シリカ複合凝集剤の製造
方法。 (2)前記第2鉄塩が、塩化第2鉄であることを特徴と
する前記(1)記載の鉄・活性シリカ複合凝集剤の製造
方法。
下の手段で解決した。 (1)第2鉄塩水溶液を撹伴しながら、この液に対し、
SiO2 濃度7%以下の珪酸アルカリ金属塩水溶液を添
加混合し、その際前記第2鉄塩水溶液量に対する珪酸ア
ルカリ金属塩水溶液の添加量を、pHが2〜6、シリカ
濃度が2〜5%とした混合液Aが得られるように調整
し、さらにそれにより得られた前記混合液Aに対して第
2鉄塩を添加してpHを2未満に低下させた混合液Bを
得ることを特徴とする鉄・活性シリカ複合凝集剤の製造
方法。 (2)前記第2鉄塩が、塩化第2鉄であることを特徴と
する前記(1)記載の鉄・活性シリカ複合凝集剤の製造
方法。
【0011】本発明で用いる第2鉄塩水溶液は、第2鉄
塩を水溶液中で安定に維持するためには強い酸性状態に
しておく必要がある関係で、強い酸性状態になっている
から、第2鉄塩水溶液を撹伴しながら、強アルカリ性の
SiO2 濃度7%以下の珪酸アルカリ金属塩水溶液を添
加しても、その添加量が或る範囲に抑えられていれば、
その混合液は酸性状態に維持することができる。なお、
特公平4−75796号公報及び特許第2732067
号明細書記載の活性シリカの製造法は、いずれも、珪酸
ソーダ液に鉄、アルミニウムなどの多価金属塩を共存さ
せない状態でシリカモノマを重合させている。あらかじ
めシリカモノマと多価金属塩を共存させた状態でシリカ
モノマの重合を進行させるという本発明思想は示されて
いない。
塩を水溶液中で安定に維持するためには強い酸性状態に
しておく必要がある関係で、強い酸性状態になっている
から、第2鉄塩水溶液を撹伴しながら、強アルカリ性の
SiO2 濃度7%以下の珪酸アルカリ金属塩水溶液を添
加しても、その添加量が或る範囲に抑えられていれば、
その混合液は酸性状態に維持することができる。なお、
特公平4−75796号公報及び特許第2732067
号明細書記載の活性シリカの製造法は、いずれも、珪酸
ソーダ液に鉄、アルミニウムなどの多価金属塩を共存さ
せない状態でシリカモノマを重合させている。あらかじ
めシリカモノマと多価金属塩を共存させた状態でシリカ
モノマの重合を進行させるという本発明思想は示されて
いない。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
するが、本発明はこれに限定されるものではない。図1
は、鉄・活性シリカ複合凝集剤の製造方法を実施するた
めの製造装置の一例を示す概念図である。図1では、撹
拌反応槽1に珪酸アルカリ金属塩水溶液を導入する手段
と、第2鉄塩水溶液を導入する手段とを設けてある。撹
拌反応槽1にpH1以下の強酸性の第2鉄塩水溶液2を
先に導入し、この導入した第2鉄塩・酸性水溶液2を撹
拌装置4により撹拌しながら、SiO2 濃度が7%以下
のアルカリ性アルカリ金属塩水溶液を、徐々に所定量添
加混合し、混合液Aを得る。
するが、本発明はこれに限定されるものではない。図1
は、鉄・活性シリカ複合凝集剤の製造方法を実施するた
めの製造装置の一例を示す概念図である。図1では、撹
拌反応槽1に珪酸アルカリ金属塩水溶液を導入する手段
と、第2鉄塩水溶液を導入する手段とを設けてある。撹
拌反応槽1にpH1以下の強酸性の第2鉄塩水溶液2を
先に導入し、この導入した第2鉄塩・酸性水溶液2を撹
拌装置4により撹拌しながら、SiO2 濃度が7%以下
のアルカリ性アルカリ金属塩水溶液を、徐々に所定量添
加混合し、混合液Aを得る。
【0013】この混合液Aは、pH2〜6、シリカ濃度
2〜5%の条件を満足したものである。このため、第2
鉄塩水溶液の導入量、珪酸アルカリ金属塩水溶液の添加
量は、前記の条件が達成されるように選択される。特
に、後から添加する珪酸アルカリ金属塩水溶液の添加量
は、先に導入した第2鉄塩水溶液の濃度、容量、それと
珪酸アルカリ金属塩水溶液自体の濃度により変わるの
で、具体的数値をもって示しがたいものである。次い
で、混合液Aに塩化第2鉄などの第2鉄塩酸性水溶液を
添加し、pHを2未満に下げることで混合液Bとして鉄
・活性シリカ複合凝集剤を得る。撹拌反応槽に導入する
強酸性の第2鉄塩水溶液としては、例えば塩化第2鉄、
硫酸第2鉄、ポリ硫酸第2鉄、硝酸第2鉄などを挙げる
ことができる。その中でもコスト面や入手の容易性を考
慮すると、塩化第2鉄がよい。アルカリ性珪酸アルカリ
金属塩としては、水ガラスが好ましい。
2〜5%の条件を満足したものである。このため、第2
鉄塩水溶液の導入量、珪酸アルカリ金属塩水溶液の添加
量は、前記の条件が達成されるように選択される。特
に、後から添加する珪酸アルカリ金属塩水溶液の添加量
は、先に導入した第2鉄塩水溶液の濃度、容量、それと
珪酸アルカリ金属塩水溶液自体の濃度により変わるの
で、具体的数値をもって示しがたいものである。次い
で、混合液Aに塩化第2鉄などの第2鉄塩酸性水溶液を
添加し、pHを2未満に下げることで混合液Bとして鉄
・活性シリカ複合凝集剤を得る。撹拌反応槽に導入する
強酸性の第2鉄塩水溶液としては、例えば塩化第2鉄、
硫酸第2鉄、ポリ硫酸第2鉄、硝酸第2鉄などを挙げる
ことができる。その中でもコスト面や入手の容易性を考
慮すると、塩化第2鉄がよい。アルカリ性珪酸アルカリ
金属塩としては、水ガラスが好ましい。
【0014】本発明の製造方法によると、20分程度の
短時間の内に簡単な操作によって凝集効果の極めて大き
い鉄・活性シリカ複合凝集剤が製造される。塩化第2鉄
などの第2鉄塩水溶液(強酸性)に所定量の珪酸アルカ
リ金属塩を添加混合して混合液Aを調整すると、珪酸ア
ルカリ金属塩水溶液は酸性になって、活性シリカが生成
される。従来法では硫酸水溶液に水ガラスを添加混合し
て水ガラスを酸性化してきた。本発明では、珪酸アルカ
リ金属塩を酸性化する工程(珪酸アルカリ金属塩酸性化
工程)で、硫酸の代わりに第2鉄塩水溶液を用いるもの
であり、これが本発明の特徴の一つである。混合液Aの
pHとシリカ濃度をこの範囲に設定すると、シリカモノ
マの重合速度が適度に高まる。こうすることによって凝
集効果が大きい鉄シリカ複合液を短時間の内に、ゲル化
トラブル無く製造できることが判ってきた。従来法で
は、酸性の水ガラスを苛性ソーダでpH4に上げ、モノ
マシリカを重合させる方法を採用しており、その結果、
しばしばゲル化トラブルを起こしていた。
短時間の内に簡単な操作によって凝集効果の極めて大き
い鉄・活性シリカ複合凝集剤が製造される。塩化第2鉄
などの第2鉄塩水溶液(強酸性)に所定量の珪酸アルカ
リ金属塩を添加混合して混合液Aを調整すると、珪酸ア
ルカリ金属塩水溶液は酸性になって、活性シリカが生成
される。従来法では硫酸水溶液に水ガラスを添加混合し
て水ガラスを酸性化してきた。本発明では、珪酸アルカ
リ金属塩を酸性化する工程(珪酸アルカリ金属塩酸性化
工程)で、硫酸の代わりに第2鉄塩水溶液を用いるもの
であり、これが本発明の特徴の一つである。混合液Aの
pHとシリカ濃度をこの範囲に設定すると、シリカモノ
マの重合速度が適度に高まる。こうすることによって凝
集効果が大きい鉄シリカ複合液を短時間の内に、ゲル化
トラブル無く製造できることが判ってきた。従来法で
は、酸性の水ガラスを苛性ソーダでpH4に上げ、モノ
マシリカを重合させる方法を採用しており、その結果、
しばしばゲル化トラブルを起こしていた。
【0015】混合液AのpHが2未満とした状態ではシ
リカモノマの重合速度が小さく、凝集効果が劣るものし
か製造できない。pHが6を超えるとシリカモノマの重
合速度が速くなりすぎ、混合液Aの製造中にゲル化トラ
ブルを招く危険が大きくなる。混合液Aのシリカ濃度が
2%未満では、やはりシリカモノマの重合速度が小さ
く、凝集効果が劣るものしか製造できない。混合液Aの
シリカ濃度が5%を超えると、シリカモノマの重合速度
が速くなりすぎ、混合液Aの製造中にゲル化トラブルを
招く危険が大きくなる。
リカモノマの重合速度が小さく、凝集効果が劣るものし
か製造できない。pHが6を超えるとシリカモノマの重
合速度が速くなりすぎ、混合液Aの製造中にゲル化トラ
ブルを招く危険が大きくなる。混合液Aのシリカ濃度が
2%未満では、やはりシリカモノマの重合速度が小さ
く、凝集効果が劣るものしか製造できない。混合液Aの
シリカ濃度が5%を超えると、シリカモノマの重合速度
が速くなりすぎ、混合液Aの製造中にゲル化トラブルを
招く危険が大きくなる。
【0016】混合液Aを作る際の水ガラス水溶液(以
下、珪酸アルカリ金属塩が水ガラスの場合で説明する)
のシリカ濃度の設定も重要である。SiO2 濃度が7%
を超えると第2鉄塩水溶液と水ガラス水溶液を混合した
ときに、鉄とシリカが反応した黄白色沈殿物が析出する
というトラブルが起きる。水ガラス水溶液のSiO2 濃
度が7%以下ではこの未満のような沈殿物の析出トラブ
ルは起き難い。したがって、水ガラス水溶液の最適Si
O2 濃度は7%以下、好ましくは4〜6%である。JI
S3号水ガラスのSiO2 濃度は約30%なので、JI
S3号を使用する場合は水で希釈し、SiO2 濃度4〜
6%に調製したものを第2鉄塩水溶液に添加混合する。
また、水ガラス水溶液のSiO2 濃度の下限は、混合液
AにおけるSiO2 濃度が2%以上になるように選択す
る関係で決められるが、それは第2鉄塩水溶液の濃度や
量にもよるので、特定の数値で限定できるものではな
い。
下、珪酸アルカリ金属塩が水ガラスの場合で説明する)
のシリカ濃度の設定も重要である。SiO2 濃度が7%
を超えると第2鉄塩水溶液と水ガラス水溶液を混合した
ときに、鉄とシリカが反応した黄白色沈殿物が析出する
というトラブルが起きる。水ガラス水溶液のSiO2 濃
度が7%以下ではこの未満のような沈殿物の析出トラブ
ルは起き難い。したがって、水ガラス水溶液の最適Si
O2 濃度は7%以下、好ましくは4〜6%である。JI
S3号水ガラスのSiO2 濃度は約30%なので、JI
S3号を使用する場合は水で希釈し、SiO2 濃度4〜
6%に調製したものを第2鉄塩水溶液に添加混合する。
また、水ガラス水溶液のSiO2 濃度の下限は、混合液
AにおけるSiO2 濃度が2%以上になるように選択す
る関係で決められるが、それは第2鉄塩水溶液の濃度や
量にもよるので、特定の数値で限定できるものではな
い。
【0017】混合液Aの調製時の液温は、20℃以上好
ましくは30℃以上にすると良い。20℃未満ではモノ
マシリカの重合速度が低下したり、シリカの沈殿物が析
出したりする場合があり、好ましくない。寒冷期には温
水で水ガラスを希釈するなどして混合液Aの温度を30
℃以上に設定することが好ましい。シリカのゲル化速度
は、pHが1〜2の範囲で最も遅くなることを本発明者
は見出した。従って、混合液A作成後、塩化第2鉄など
の第2鉄塩の固形物又は水溶液を添加し、混合液Aのp
Hを2未満好ましくはpH1〜1.5に低下させてゲル
化速度を遅延させる。その液を混合液Bと呼ぶことにす
る。pH1以下では逆にゲル化が早くなる。
ましくは30℃以上にすると良い。20℃未満ではモノ
マシリカの重合速度が低下したり、シリカの沈殿物が析
出したりする場合があり、好ましくない。寒冷期には温
水で水ガラスを希釈するなどして混合液Aの温度を30
℃以上に設定することが好ましい。シリカのゲル化速度
は、pHが1〜2の範囲で最も遅くなることを本発明者
は見出した。従って、混合液A作成後、塩化第2鉄など
の第2鉄塩の固形物又は水溶液を添加し、混合液Aのp
Hを2未満好ましくはpH1〜1.5に低下させてゲル
化速度を遅延させる。その液を混合液Bと呼ぶことにす
る。pH1以下では逆にゲル化が早くなる。
【0018】上記の方法で作成された鉄・活性シリカ複
合凝集剤は、浄水処理の凝集剤として好適に使用でき
る。浄水場などにおいて凝集処理を行う原水に、本発明
の鉄・活性シリカ複合凝集剤を注入し、凝集撹拌槽で撹
拌すると、50秒程度という非常に短い間にマイクロフ
ロックが形成される。その後も緩速撹拌を行うと2分程
度で非常に大きなフロックが形成され、沈殿槽及びろ過
層で高速度で固液分離できる。浄水処理の場合、本発明
の鉄・活性シリカ複合剤の適正注入率は、鉄イオンとし
て2〜10mg/リットル程度になる場合が多い。本発
明の製造方法で製造される活性シリカには第2鉄イオン
が共存しているので、原水に鉄・活性シリカ複合剤を注
入すれば良好な凝集を行うことができ、硫酸アルミニウ
ム、PAC、塩化第2鉄、ポリ硫酸鉄などの無機凝集剤
を併用する必要はない。
合凝集剤は、浄水処理の凝集剤として好適に使用でき
る。浄水場などにおいて凝集処理を行う原水に、本発明
の鉄・活性シリカ複合凝集剤を注入し、凝集撹拌槽で撹
拌すると、50秒程度という非常に短い間にマイクロフ
ロックが形成される。その後も緩速撹拌を行うと2分程
度で非常に大きなフロックが形成され、沈殿槽及びろ過
層で高速度で固液分離できる。浄水処理の場合、本発明
の鉄・活性シリカ複合剤の適正注入率は、鉄イオンとし
て2〜10mg/リットル程度になる場合が多い。本発
明の製造方法で製造される活性シリカには第2鉄イオン
が共存しているので、原水に鉄・活性シリカ複合剤を注
入すれば良好な凝集を行うことができ、硫酸アルミニウ
ム、PAC、塩化第2鉄、ポリ硫酸鉄などの無機凝集剤
を併用する必要はない。
【0019】一般に第2鉄イオンは、pH2以上でほぼ
完全に水酸化第2鉄沈殿に変化する。そして、液相側に
第2鉄イオンは極微量しか存在できなくなるのが普通で
ある。しかし、本発明の製造方法によると、驚くべきこ
とに、第2鉄酸性水溶液に水ガラスを添加混合し、pH
を2〜6に設定しても、そうした水酸化第2鉄沈殿は生
成しない。混合液A中に鉄イオンは高濃度(数千mg/
リットル以上)状態で安定化する。EDTAなどの格別
の金属キレート剤が存在しない状態で、pH5というか
なり中性近傍のpHにおいて、第2鉄イオンが液中に高
濃度に存在するという現象は、本発明者にとっても当初
理解できない不可解現象であった。しかしこれは実験的
事実として認められる。この理由は明確ではないが、第
2鉄イオンとシリカ分子が液中で独立して存在している
のではなく、第2鉄イオンがシリカ分子特に重合シリカ
分子と化学結合し、安定化されたためではないかと思わ
れる。つまりモノマシリカは単独で重合しているのでは
なく、第2鉄イオンと化学結合し、鉄・シリカ複合体と
して重合が進んでいるものと考えられる。
完全に水酸化第2鉄沈殿に変化する。そして、液相側に
第2鉄イオンは極微量しか存在できなくなるのが普通で
ある。しかし、本発明の製造方法によると、驚くべきこ
とに、第2鉄酸性水溶液に水ガラスを添加混合し、pH
を2〜6に設定しても、そうした水酸化第2鉄沈殿は生
成しない。混合液A中に鉄イオンは高濃度(数千mg/
リットル以上)状態で安定化する。EDTAなどの格別
の金属キレート剤が存在しない状態で、pH5というか
なり中性近傍のpHにおいて、第2鉄イオンが液中に高
濃度に存在するという現象は、本発明者にとっても当初
理解できない不可解現象であった。しかしこれは実験的
事実として認められる。この理由は明確ではないが、第
2鉄イオンとシリカ分子が液中で独立して存在している
のではなく、第2鉄イオンがシリカ分子特に重合シリカ
分子と化学結合し、安定化されたためではないかと思わ
れる。つまりモノマシリカは単独で重合しているのでは
なく、第2鉄イオンと化学結合し、鉄・シリカ複合体と
して重合が進んでいるものと考えられる。
【0020】本発明によって従来技術(図2)のような
水ガラス酸性化槽、およびシリカモノマの重合槽および
pH調整用の酸、アルカリが不要になった理由は、次の
様に考えられる。第2鉄塩の酸性液に対し適切なシリカ
濃度の水ガラス水溶液を添加し、適温下、pH2〜6、
シリカ濃度2〜5%の条件で混合すると、シリカモノマ
分子の重合反応が鉄塩水溶液内で適度に進行する。その
結果、鉄塩水溶液内に第2鉄イオンと重合シリカが安定
して高濃度で存在できるものと考えられる。つまり、第
2鉄塩・酸性溶液と水ガラス水溶液を混合し、混合液A
を得る工程が、従来技術の水ガラス酸性化槽、シリカモ
ノマの重合槽の両者を兼ねている。第2鉄塩がシリカの
活性化剤として作用する。
水ガラス酸性化槽、およびシリカモノマの重合槽および
pH調整用の酸、アルカリが不要になった理由は、次の
様に考えられる。第2鉄塩の酸性液に対し適切なシリカ
濃度の水ガラス水溶液を添加し、適温下、pH2〜6、
シリカ濃度2〜5%の条件で混合すると、シリカモノマ
分子の重合反応が鉄塩水溶液内で適度に進行する。その
結果、鉄塩水溶液内に第2鉄イオンと重合シリカが安定
して高濃度で存在できるものと考えられる。つまり、第
2鉄塩・酸性溶液と水ガラス水溶液を混合し、混合液A
を得る工程が、従来技術の水ガラス酸性化槽、シリカモ
ノマの重合槽の両者を兼ねている。第2鉄塩がシリカの
活性化剤として作用する。
【0021】
【実施例】以下実施例により本発明を具体的に説明す
る。ただし、本発明はこれらの実施例のみに限定される
ものではない。
る。ただし、本発明はこれらの実施例のみに限定される
ものではない。
【0022】実施例1 (本発明の鉄・活性シリカ複合凝集剤の製造例)JIS
3号水ガラス原液(SiO2 濃度30%)を温水で希釈
し、SiO2 濃度5%の水ガラス水溶液(pH11.
4)を作成した。塩化第2鉄濃度15%の酸性水溶液
(pH0.7)20gを撹拌しながら、前記水ガラス水
溶液114gを徐々に添加混合し、混合液A(組成、p
H4.0、SiO2 濃度4.25%、FeCl3 濃度
2.23%)を得た。混合時の水温は40℃に維持し
た。このようにして得られた混合液Aに直ちに塩化第2
鉄水溶液(FeCl3 濃度38%)を添加して混合液B
を調製した。その際添加後のSi/Feモル比を1.0
になる量で添加した。製造時間は約15〜20分であっ
た。本製造法の再現性を確認するため、同一条件で50
回製造を行ったが、製造中のゲル化トラブルは全くなか
った。
3号水ガラス原液(SiO2 濃度30%)を温水で希釈
し、SiO2 濃度5%の水ガラス水溶液(pH11.
4)を作成した。塩化第2鉄濃度15%の酸性水溶液
(pH0.7)20gを撹拌しながら、前記水ガラス水
溶液114gを徐々に添加混合し、混合液A(組成、p
H4.0、SiO2 濃度4.25%、FeCl3 濃度
2.23%)を得た。混合時の水温は40℃に維持し
た。このようにして得られた混合液Aに直ちに塩化第2
鉄水溶液(FeCl3 濃度38%)を添加して混合液B
を調製した。その際添加後のSi/Feモル比を1.0
になる量で添加した。製造時間は約15〜20分であっ
た。本製造法の再現性を確認するため、同一条件で50
回製造を行ったが、製造中のゲル化トラブルは全くなか
った。
【0023】実施例2 (凝集試験)カオリンを水道水に添加し、SS100m
g/リットルの懸濁液を作成し、実施例1で作成した鉄
・活性シリカ複合剤各試料を添加し、ジャーテストを行
った。ジャーテストの条件は、撹拌回転数で急速撹拌1
50rpm90秒、緩速撹拌50rpm120秒であ
る。凝集剤注入後のpHを6一定とした。水温は24℃
であった。鉄シリカ複合剤注入率は、FeCl3 として
10mg/リットル一定である。ジャーテスト時のフロ
ック生成時間(薬注後、肉眼で認識できるマイクロフロ
ックが生成するまでの時間)と、緩速撹拌120秒後の
フロック粒径、フロック沈降速度及び撹拌終了後1分静
置後の上澄み液濁度とを測定した。また比較試験とし
て、塩化第2鉄のみを10mg/リットル添加した場
合、及びPAC30mg/リットルのみを添加した場合
の試験も行った。この試験結果を第1表に示した。
g/リットルの懸濁液を作成し、実施例1で作成した鉄
・活性シリカ複合剤各試料を添加し、ジャーテストを行
った。ジャーテストの条件は、撹拌回転数で急速撹拌1
50rpm90秒、緩速撹拌50rpm120秒であ
る。凝集剤注入後のpHを6一定とした。水温は24℃
であった。鉄シリカ複合剤注入率は、FeCl3 として
10mg/リットル一定である。ジャーテスト時のフロ
ック生成時間(薬注後、肉眼で認識できるマイクロフロ
ックが生成するまでの時間)と、緩速撹拌120秒後の
フロック粒径、フロック沈降速度及び撹拌終了後1分静
置後の上澄み液濁度とを測定した。また比較試験とし
て、塩化第2鉄のみを10mg/リットル添加した場
合、及びPAC30mg/リットルのみを添加した場合
の試験も行った。この試験結果を第1表に示した。
【0024】
【表1】
【0025】フロック粒径は次の基準によって表示し
た。 E;0.2mm以下 D;0.2〜0.5mm C;0.5〜2mm B;2〜5mm A;5mm以上 特A;ペレット化 塩化第2鉄とPACだけを注入した場合に比較し、本発
明の鉄・重合シリカ複合剤は明確に凝集促進効果が現れ
た。極めて大きなフロックが形成され、緩速撹拌中にフ
ロックが底に沈降し、転がりながらペレット状に変化し
た。
た。 E;0.2mm以下 D;0.2〜0.5mm C;0.5〜2mm B;2〜5mm A;5mm以上 特A;ペレット化 塩化第2鉄とPACだけを注入した場合に比較し、本発
明の鉄・重合シリカ複合剤は明確に凝集促進効果が現れ
た。極めて大きなフロックが形成され、緩速撹拌中にフ
ロックが底に沈降し、転がりながらペレット状に変化し
た。
【0026】
【発明の効果】本発明の鉄・活性シリカ複合凝集剤の製
造方法によれば次のような効果が得られる。 従来の活性シリカ製造法で不可欠であった鉱酸及び
アルカリ剤の使用が不要になった。重合シリカの極限粘
度の測定も不要になる。 製造工程が著しく単純化でき、熟練技術者がいなく
ても例えば浄水場においてオンサイトで容易に自動化さ
れた装置によって製造できる。また製造所用時間が20
分程度と非常に短時間である。従来の方法における重合
シリカの極限粘度の測定に要する時間がいらない。 pH4で重合させて重合シリカを得る手段を取らな
いので製造中のゲル化トラブルを確実に防止できる。 製造実施する装置では、実質的に水ガラス酸性化
槽、シリカ重合槽が不要となり、装置の小型化が図れ、
製造操作も容易である。 凝集剤としての性能も高い活性シリカを製造すること
ができる。
造方法によれば次のような効果が得られる。 従来の活性シリカ製造法で不可欠であった鉱酸及び
アルカリ剤の使用が不要になった。重合シリカの極限粘
度の測定も不要になる。 製造工程が著しく単純化でき、熟練技術者がいなく
ても例えば浄水場においてオンサイトで容易に自動化さ
れた装置によって製造できる。また製造所用時間が20
分程度と非常に短時間である。従来の方法における重合
シリカの極限粘度の測定に要する時間がいらない。 pH4で重合させて重合シリカを得る手段を取らな
いので製造中のゲル化トラブルを確実に防止できる。 製造実施する装置では、実質的に水ガラス酸性化
槽、シリカ重合槽が不要となり、装置の小型化が図れ、
製造操作も容易である。 凝集剤としての性能も高い活性シリカを製造すること
ができる。
【図1】本発明の鉄・活性シリカ複合凝集剤の製造方法
を実施する装置の一例を示す概念図。
を実施する装置の一例を示す概念図。
【図2】従来の活性シリカ製造方法の概要を示す図。
1 撹拌反応槽 2 第2鉄塩・酸性水溶液 3 珪酸アルカリ金属塩水溶液 4 攪拌装置 5 第2鉄塩水溶液
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4D015 BA03 BA10 BA11 BA19 BB16 CA14 DA13 DA35 DC02 EA17 EA32 4D062 BA03 BA10 BA11 BA19 BB16 CA14 DA13 DA35 DC02 EA17 EA32
Claims (2)
- 【請求項1】 第2鉄塩水溶液を撹伴しながら、この液
に対し、SiO2 濃度7%以下の珪酸アルカリ金属塩水
溶液を添加混合し、その際前記第2鉄塩水溶液量に対す
る珪酸アルカリ金属塩水溶液の添加量を、pHが2〜
6、シリカ濃度が2〜5%とした混合液Aが得られるよ
うに調整し、さらにそれにより得られた前記混合液Aに
対して第2鉄塩を添加してpHを2未満に低下させた混
合液Bを得ることを特徴とする鉄・活性シリカ複合凝集
剤の製造方法。 - 【請求項2】 前記第2鉄塩が、塩化第2鉄であること
を特徴とする請求項1に記載の鉄・活性シリカ複合凝集
剤の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10265063A JP2000093704A (ja) | 1998-09-18 | 1998-09-18 | 鉄・活性シリカ複合凝集剤の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10265063A JP2000093704A (ja) | 1998-09-18 | 1998-09-18 | 鉄・活性シリカ複合凝集剤の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000093704A true JP2000093704A (ja) | 2000-04-04 |
Family
ID=17412080
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10265063A Withdrawn JP2000093704A (ja) | 1998-09-18 | 1998-09-18 | 鉄・活性シリカ複合凝集剤の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000093704A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2008139999A1 (ja) * | 2007-05-11 | 2008-11-20 | Tokuyama Corporation | 鉄-シリカ水処理凝集剤の製造方法 |
-
1998
- 1998-09-18 JP JP10265063A patent/JP2000093704A/ja not_active Withdrawn
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2008139999A1 (ja) * | 2007-05-11 | 2008-11-20 | Tokuyama Corporation | 鉄-シリカ水処理凝集剤の製造方法 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US3544476A (en) | Coagulant and method for treating aqueous medium comprising a basic metal salt and a multivalent anion | |
US3066095A (en) | Water purification agents and method of using same | |
US2217466A (en) | Composition of matter for water treatment | |
US5246686A (en) | Basic aluminum chlorosulfate flocculating agents | |
US2310009A (en) | Water purification | |
JPS63130189A (ja) | 水処理方法及び水処理用凝集剤 | |
JP2003500192A (ja) | 無機材料の加工に由来する本質的に水性の流体の処理のための方法 | |
EP0551061B1 (en) | Process for the preparation of a coagulating chemical | |
EP0479218B1 (en) | Flocculant for water treament and method for producing it | |
CA2564853C (en) | Method for preparing acidic solutions of activated silica and polyvalent metal salt for water treatment | |
JP5213515B2 (ja) | 鉄−シリカ水処理凝集剤の製造方法 | |
KR20130055321A (ko) | 활성규산이 혼합된 염기성 수처리용 응집제의 제조방법 | |
JP3700892B2 (ja) | 凝集剤の製造方法 | |
JP2000202207A (ja) | 水処理用凝集剤及びその製造方法 | |
JP2001219005A (ja) | 凝集剤及び水処理における凝集処理方法 | |
JP2000093704A (ja) | 鉄・活性シリカ複合凝集剤の製造方法 | |
AU2005202813A1 (en) | Method for Preparing Activated Silica for Water Treatment | |
JP2000154013A (ja) | 活性シリカの製造方法 | |
JPH11216478A (ja) | 水の凝集処理方法および無機凝集剤 | |
JPH11310412A (ja) | 鉄・活性シリカ複合液、その製造方法及びその装置 | |
JP2000308803A (ja) | 水処理用凝集剤及びその製造方法並びに水の凝集処理方法 | |
JP2000279708A (ja) | 水処理用無機凝集剤及びその製造方法 | |
JPH01284314A (ja) | 水処理用凝集剤 | |
JP3412641B2 (ja) | 発電所の低濁度排水の凝集処理法 | |
JPH11349322A (ja) | 活性シリカの製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20051101 |
|
RD04 | Notification of resignation of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424 Effective date: 20060324 |
|
A761 | Written withdrawal of application |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761 Effective date: 20060628 |