JP2000093316A - 飲料ディスペンサの原料キャニスタ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】原料箱に貯留した粉末原料層内の空洞発生を防
止して粉末原料を円滑に払出せるようにし、併せて粉末
原料が原料箱の壁面，吐出ヘッドに付着するのが効果的
に防止できる新しい方式の原料キャニスタを提供する。 【解決手段】先端に備えた原料吐出ヘッド２ｃを下方に
向けて縦軸方向に設置した逆円錐形容器としてなる原料
箱２ａと、原料箱の内部中心に同心的に組み込んだ縦軸
式のスクリュウコンベヤ２ｄとで原料キャニスタ２を構
成し、原料箱内に収容した粉末原料をスクリュウコンベ
ヤの送り動作により原料吐出ヘッドを通じて下方に払出
すようにするとともに、スクリュウコンベヤの回転軸２
ｄ-3には半径方向に突き出した複数本のＬ字形攪拌棒２
ｆを設け、その先端側脚部をスクレーパとして原料箱の
壁面に付着した粉末原料を掻き取るようにする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、オフイスなどに据
付けて使用する粉末自動給茶機，あるいはカップ式飲料
自動販売機などを実施対象とする飲料ディスペンサに関
し、詳しくは飲料ディスペンサに搭載した原料キャニス
タの構造に係わる。

【０００２】

【従来の技術】まず、頭記した粉末自動給茶機を例に、
その構成を図２(a),(b) に示す。図において、１は給茶
機の本体キャビネットであり、キャビネット１の上半部
１ａには煎茶，ウーロン茶，紅茶，コーヒーなどの各種
粉末原料（お茶については「粉茶」と呼ばれる微粉状の
粉末原料が使われる）を種類別に収容する複数基の原料
キャニスタ（スクリュー式の粉末原料送出機構を備えた
粉末原料箱）２，各基の原料キャニスタ２と個々に対応
してその下方に配したミキシングボール（上蓋付きの本
体容器にモータで駆動する攪拌羽根を内蔵するととも
に、その底部に飲料出口を開口し、上蓋に粉末原料，湯
水の投入口が開口している）３，原料キャニスタ２とミ
キシングボール３との間に介挿した原料投入シュータ
４，温水タンク５，冷水タンク６（冷凍機と組合せた貯
氷室内に給水用の冷却コイルを配管した構造），ベンド
ステージ７，ベンドステージの下方に配した排水皿８な
どが配備されており、キャビネット１の下半部１ｂには
飲料水を貯留するポリタンク９，送水ポンプ１０，浄水
器１１，および排水バケツ１２などが収容されている。

【０００３】ここで、飲料水ポリタンク９と温水タンク
５，冷水タンク６との間には送水ポンプ１０を経て給水
管が配管され、また温水タンク５，冷水タンク６と各基
のミキシングボール３との間には給湯弁，給水弁を介し
て給湯，給水管が配管されており、さらに排水皿８と温
水タンク５，冷水タンク６，ベンドステージ７，および
排水皿８と排水バケツ１２との間にはドレン排水管が配
管されている。

【０００４】かかる構成でベンドステージ７にカップ１
３を置き、図示されてない操作パネルで所望の飲料，ホ
ット／コールドの選択スイッチを押すと、指定された原
料キャニスタ２から定量の粉末原料が払出され、シュー
タ４を通じてミキシングボール３に投入されるととも
に、温水タンク５，もしくは冷水タンク６から定量の
湯，もしくは冷水がミキシングボール３に供給され、こ
こで粉末原料と湯水を攪拌して調製した飲料を飲料をカ
ップ１３に吐出し供給する。

【０００５】次に、前記の自動給茶機に搭載した原料キ
ャニスタ２の従来構造を図３(a),(b) に示す。図におい
て、２ａは下半部が角錐形になる箱形の原料箱、２ｂは
その上蓋、２ｃは原料吐出ヘッドであり、原料箱２ａの
底部には水平軸形のスクリューコンベヤ２ｄが組み込ま
れており、さらに原料箱２ａの中央にはスクリューコン
ベヤ２ｄのスクリュー羽根２ｄ-1と噛み合って回転する
歯車式の攪拌板２ｅが配備されている。なお、２ｄ-2は
図示されてない駆動モータに連結する軸継手のヨークで
ある。

【０００６】かかる構成で、原料箱２ａ内に粉末原料１
４を収容してスクリューコンベヤ２ｄを回転駆動する
と、粉末原料１４は吐出ヘッド２ｃからミキシングボー
ル（図２参照）に向けて払出されるとともに、原料箱内
では図示矢印のようにスクリューコンベヤ２ｄに向けて
粉末原料１４が流動する。また、スクリューコンベヤ２
ｄの回転に従動して攪拌板２ｅが回転し、原料箱２ａに
貯留した粉末原料を攪拌して流動を促すようする。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】ところで、前記した従
来構造の原料キャニスタでは、機能面で次に記すような
難点がある。すなわち、原料キャニスタ２から吐出ヘッ
ド２ｃを通じて粉末原料１４を吐き出す方向は水平方向
であり、これに対して原料箱２ａ内に貯留した粉末原料
１４は、底部側のスクリューコンベヤ２ｄに向けて下方
に流動する。また、粉末原料はこの流動過程で攪拌板２
ｅの攪拌作用を受けるが、その攪拌効果は攪拌板２ｅの
周域にのみ直接作用し、原料箱２ａの側壁面には殆ど攪
拌作用が及ばない。

【０００８】一方、粉末原料１４はインスタントコーヒ
ーのように顆粒状のものから「粉茶」と呼ばれる微粉状
のものまで各種の原料があり、原料箱に貯留している間
に湿気を含むと粉末粒子同士がくっ付き合って団塊を形
成したり、原料箱２ａの内壁面，吐出ヘッド２ｃなどに
付着し易くなる。このために、従来構造の原料キャニス
タ２では、粉末原料の払出し進行に伴って原料箱２ａに
収容した粉末原料１４の層内に空洞が生じてスクリュー
コンベヤ２ｄに向けて円滑に流動しない状態が発生し、
これが原因で粉末原料の定量払出しが正常に機能しなく
なることがしばしば経験されている。また、原料箱２ａ
内に配した攪拌板２ｅは原料箱の内壁面には直接作用し
ないので、湿気を含んだ粉末原料が原料箱２ａの内壁面
に付着堆積するようになる。さらに、原料吐出ヘッド２
ｃが水平方向に開口してことから、ここから吐き出され
るの粉末原料が吐出ヘッド２ｃの出口周辺に付着堆積し
て汚れ易くなるといった問題もある。

【０００９】本発明は上記の点にかんがみなされたもの
であり、その目的は前記課題を解決し、原料キャニスタ
の原料箱に貯留した粉末原料の層内に空洞が生じること
なく円滑に流動させて正常に粉末原料を払出すことがで
き、併せて粉末原料が原料箱の壁面，吐出ヘッドの出口
周辺に付着するのを効果的に防止できるように構成した
新しい方式の原料キャニスタを提供することにある。

【００１０】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の原料キャニスタは、先端に備えた原料吐出
ヘッドを下に向けて縦軸方向に設置した逆円錐形容器と
してなる原料箱と、円錐の軸中心に回転軸を沿わせて原
料箱の内部に組み込んだ縦軸式のスクリューコンベヤと
からなり、原料箱内に収容した粉末原料をスクリューコ
ンベヤにより原料吐出ヘッドを通じて下方に払出すよう
に構成する（請求項１）。

【００１１】また、本発明によれば、前記構成の原料キ
ャニスタにおいて、スクリューコンベヤの回転軸に攪拌
棒を取付ける（請求項２）ものとし、具体的には次記の
ような態様で構成することができる。 (1) 攪拌棒を回転軸から半径方向に突き出したＬ字形棒
となし、その先端側の脚部をスクレーパとして原料箱の
円錐壁面に摺動させ、原料箱の壁面に付着した粉末原料
を掻き取るように構成する（請求項３）。

【００１２】(2) スクリューコンベヤの回転軸上で軸方
向，周方向に位置をずらして複数本の攪拌棒を設ける
（請求項４）。上記の構成によれば、スクリューコンベ
ヤの切り出し搬送により先端の吐出ヘッドを通じて粉末
原料を払出す方向と、この原料払出し動作に伴って原料
箱内に貯留した粉末原料がスクリューコンベヤに向けて
流動する方向が共に重力方向と同じ下向き方向であり、
しかも原料箱が縦軸の逆円錐形の容器であることから、
原料箱内を流動する粉末原料の流れがスムーズに行われ
て粉末原料の層内に空洞が発生することがなく、これに
より原料キャニスタの定量払出し機能が常に正常に機能
するようになる。また、原料吐出ヘッドの出口は下向き
であるので、ここから下方に向けて吐き出される粉末原
料がヘッド周面に付着するのが防げる。

【００１３】さらに、スクリューコンベヤの軸上に取付
けて逆円錐形の原料容器と同心的に配置した攪拌棒は、
スクリューコンベヤの回転時にスクレーパとして原料箱
の内壁面に付着している粉末原料を掻き取るように機能
するので、これにより原料箱の壁面への原料付着を効果
的に防ぐことができる。

【００１４】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図１
(a),(b) に示す実施例に基づいて説明する。なお、図中
で図３に対応する部材には同じ符号を付してその説明は
省略する。すなわち、図示実施例においては、原料箱２
ａは少なくともその下半部が断面円形の逆円錐形容器と
してなり、その先端を下に向けてここに原料吐出ヘッド
２ｃを取付けるとともに、原料箱２ａの内部には円錐の
軸中心に縦軸形のスクリューコンベヤ２ｄが同心的に組
み込まれ、その回転軸２ｄ-3の上端が原料箱２ａの上蓋
２ｂを貫通して図示されてない駆動モータと軸継手を介
して連結されている。また、スクリューコンベヤ２ｄの
回転軸２ｄ-3の軸上には、軸方向，周方向に位置をずら
して複数本の攪拌棒２ｆ（図示例では３本）が取付けて
ある。この攪拌棒２ｆはＬ字状に屈曲しており、その先
端側の脚片部を原料箱２ａの円錐形壁面に沿わせてお
く。なお、上蓋２ｂは前部の開閉蓋と後部の固定蓋とに
二分割されており、スクリューコンベヤ２ｄの回転軸２
ｄ-3は固定蓋を貫通している。

【００１５】かかる構成で、原料箱２ａに粉末原料１４
を収容した状態でスクリューコンベヤ２ｄを回転する
と、スクリュー羽根２ｄ-1により切り出された粉末原料
が原料吐出ヘッド２ｃを通じて下方に吐き出される。同
時に攪拌棒２ｆが原料箱内の粉末原料を攪拌して空洞発
生を防止しつつ、粉末原料の流動を促進させるととも
に、攪拌棒２ｆの先端側脚部が原料箱２ａの内壁面を摺
動してここに付着している粉末原料を掻き取るように働
く。

【００１６】なお、上記した各機能，およびその効果に
ついては、発明者等が製作した原料キャニスタの試作品
について行ったテストからも確認されている。

【００１７】

【発明の効果】以上述べたように、本発明の構成によれ
ば、原料箱をその先端に備えた原料吐出ヘッドを下に向
けて配置した逆円錐形容器として、その内部の軸中心に
スクリューコンベヤを組み込んだ構成としたことによ
り、スクリューコンベヤの搬送動作により先端の吐出ヘ
ッドを通じて粉末原料を払出す方向と、この原料払出し
動作に伴って原料箱内に貯留した粉末原料がスクリュー
コンベヤに向けて流動する方向が共に重力方向と同じ下
向き方向であり、しかも原料箱が縦軸の逆円錐形の容器
であることから、原料箱内を流動する粉末原料の流れが
スムーズに行われて粉末原料の層内に空洞が発生するこ
とがなく、これにより原料キャニスタの定量払出しを常
に正常に機能させることができる。また、原料吐出ヘッ
ドの出口は下向きであるので、ここから下方に向けて吐
き出される粉末原料がヘッド周面に付着するのを防止で
きる。

【００１８】さらに、スクリューコンベヤの軸上に取付
けて逆円錐形の原料容器と同心的に配置した攪拌棒は、
スクリューコンベヤの回転時にスクレーパとして原料箱
の内壁面に付着している粉末原料を掻き取るように機能
するので、これにより原料箱の壁面への原料付着を効果
的に防ぐことができるなど、従来方式の原料キャニスタ
で問題となっていた原料箱内での粉末原料の空洞発生に
起因する定量払出し機能の低下，内壁面への粉末原料の
付着堆積，および原料吐出ヘッドへの粉末原料の付着に
よる汚れなど問題点の解決が図れる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例による原料キャニスタの構成図
であり、(a) は縦断側面図、(b) は(a) 図の矢視Ｘ−Ｘ
断面図

【図２】本発明の実施対象となる粉末自動給茶機の構成
図であり、(a) は飲料系統図、(b) は機内上部の側面図

【図３】図２の給茶機に搭載した原料キャニスタの従来
例の構成図であり、(a) は側面図、(b) は一部切欠正面
図

【符号の説明】

２ 原料キャニスタ ２ａ 原料箱 ２ｂ 上蓋 ２ｃ 原料吐出ヘッド ２ｄ スクリューコンベヤ ２ｄ-1 スクリュー羽根 ２ｄ-3 回転軸 ２ｆ 攪拌棒 １４ 粉末原料

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】機内に装備して粉末原料を貯留し、指令に
   基づいて粉末原料を定量ずつミキシングボールに向けて
   払出す飲料ディスペンサの原料キャニスタであって、先
   端に備えた原料吐出ヘッドを下方に向けて縦軸方向に設
   置した逆円錐形容器としてなる原料箱と、円錐の軸中心
   に回転軸を沿わせて原料箱の内部に組み込んだ縦軸式の
   スクリューコンベヤとからなり、原料箱内に収容した粉
   末原料をスクリューコンベヤの送り動作により原料吐出
   ヘッドを通じて下方に払出すようにしたことを特徴とす
   る飲料ディスペンサの原料キャニスタ。
2. 【請求項２】請求項１記載の原料キャニスタにおいて、
   スクリューコンベヤの回転軸に攪拌棒を取付けたことを
   特徴とする飲料ディスペンサの原料キャニスタ。
3. 【請求項３】請求項２記載の原料キャニスタにおいて、
   攪拌棒が回転軸から半径方向に突き出したＬ字形棒であ
   り、その先端側の脚部をスクレーパとして原料箱の壁面
   に付着した粉末原料を掻き取るようにしたことを特徴と
   する飲料ディスペンサの原料キャニスタ。
4. 【請求項４】請求項２，または３のいずれかに記載の原
   料キャニスタにおいて、スクリューコンベヤの回転軸上
   で軸方向，周方向に位置をずらして複数本の攪拌棒を設
   けたことを特徴とする飲料ディスペンサの原料キャニス
   タ。