JP2000092765A - 電力ケーブルを電機子巻線に用いた回転電機 - Google Patents

電力ケーブルを電機子巻線に用いた回転電機

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JP2000092765A
JP2000092765A JP10256486A JP25648698A JP2000092765A JP 2000092765 A JP2000092765 A JP 2000092765A JP 10256486 A JP10256486 A JP 10256486A JP 25648698 A JP25648698 A JP 25648698A JP 2000092765 A JP2000092765 A JP 2000092765A
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armature winding
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armature
rotating electric
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Ryoichi Mizogami
良一 溝上
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Fuji Electric Co Ltd
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    • H02GENERATION; CONVERSION OR DISTRIBUTION OF ELECTRIC POWER
    • H02KDYNAMO-ELECTRIC MACHINES
    • H02K2203/00Specific aspects not provided for in the other groups of this subclass relating to the windings
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Abstract

(57)【要約】 【課題】電力ケーブルを電機子巻線に用いた回転電機に
関して、その体格の小形化と巻線形成の作業性の向上を
図る。 【解決手段】電機子巻線を絶縁階級と導体断面積との異
なる複数種類の電力ケーブルにより形成し、前記電機子
巻線に対する印加電圧の高低に応じて各巻線毎に適用電
力ケーブルの絶縁階級とこれに連動して導体断面積の変
更を行うものであり、図1の例の如く、前記電機子巻線
が星形結線で、鉄心の内径側が結線の中性点側(零電位
側)外径側が結線の出力側(高電圧側)とした場合を例
として、3種類の電力ケーブル1A,1B,1Cを高電
圧側から零電位側(低電圧側)に向けて図示順序にてス
ロット内に収納するものであり、ケーブル仕上がり寸法
の順次縮小により所要のスロット面積の低減と、スロッ
ト形状の台形化に伴って鉄心利用率の向上とが図られて
いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、電力ケーブルを
電機子巻線に用いた回転電機に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のこの種の電力ケーブルを用いた回
転電機の電機子巻線としては、図5の電機子巻線を収納
した電機子鉄心スロット部の概念的な断面図に例示する
如く、断面形状が円形をなす一種類の電力ケーブルのみ
により形成されたものが知られている。因みに、図6は
電力ケーブルの断面図の例示である。
【0003】先ず、図5において1は電機子鉄心のスロ
ットに収納されて電機子巻線を形成する電力ケーブル、
2はスロットを形成する鉄心歯、3はスロット開溝部を
閉塞し電機子巻線の飛び出しを防止する楔である。な
お、楔3は電機子鉄心の内径側即ち回転子と電機子間の
空隙側に配置される。従って、スロット底部は電機子鉄
心の外径側に位置するものとなる。
【0004】また、図6は電力ケーブル1の断面図の例
示であり、1aは導体、1bは内側半導体層、1cは主
絶縁層、1dは外側半導体層、1eは遮蔽層、1fはシ
ースである。ここに、外側半導体層1dはその内部電位
傾度を緩やかにするためのものであり、また、遮蔽層1
eはケーブル周辺の電界の影響を遮断しケーブル外被を
等電位とするためのものである。
【0005】なお、図5に示す電力ケーブル1の断面表
示は図6に示す構成の電力ケーブルを省略表示したもの
である。また、図示の如く、主絶縁層1cにおける電界
傾度の均一化を図るために円形断面の導体1aに対し前
記各層1b〜1fは同心円状に配置され、従って、図示
の如く、電力ケーブル1の仕上がり形状は円形となされ
ている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図5に
概念表示する如く断面の形状が円形をなす一種類の電力
ケーブルのみにより回転電機の電機子巻線を形成する場
合には、下記の諸問題が生じていた。即ち、 1)一般に、回転電機で多用される電機子巻線が星形結
線の場合、発電機における出力側或いは電動機における
入力側の電機子巻線端には定格電圧が印加される。一
方、中性点側の電機子巻線端は、中性点接地時には零電
位となり、非接地時においても前記回転電機の定格電圧
に比して非常に低い電圧印加となる。
【0007】従って、前記の電機子巻線に用いる電力ケ
ーブルの絶縁階級を前記回転電機の定格電圧に合わせて
選定した場合、中性点側に近づくに従って前記電機子巻
線を形成する電力ケーブルの絶縁階級の余裕が大とな
り、絶縁性能上の無駄が多くなって結果的に回転電機の
体格増大を招く事になる。 2)一般に、電力ケーブルは、通常の回転電機の電機子
(固定子)巻線に適用される型巻きコイルに比してその
電流密度を低く抑えて使用する必要がある。
【0008】これは、電力ケーブルの場合、その主絶縁
層の厚みが前記型巻きコイルのそれに比して厚いために
放熱効果が悪くなると共に使用する絶縁材の許容温度も
低いために発生損失の抑制を行う必要があるためであ
る。例えば、通常の型巻きコイルを用いた大形突極同期
機での電流密度が3〜4A/mm2 程度であるのに対し
て、66kV級のCVケーブルの場合は気中で1A/m
2 程度となり、回転電機のスロット内に収める場合は
更に小なる値とする必要がある。
【0009】逆に、上記1)項に関連し、絶縁階級の低
減が可能な電力ケーブルについては、その主絶縁層の厚
み縮小による放熱効果の改善に伴い、前記電力ケーブル
における絶縁材の温度をその許容値以内に維持可能とす
る事を条件として、その所要導体断面積の低減が可能と
なるものであり、若しその所要絶縁階級の低減に対して
電力ケーブルの種別変更を行わなければ、前記絶縁階級
の低減度が大なるほど前記電力ケーブルの所要導体断面
積に対する余裕が大となり、結果的に回転電機の体格増
大を招く事になる。
【0010】3)回転電機の電機子巻線を形成する電力
ケーブルにおいて、その断面形状が円形をなす場合の外
径は同一通電容量を有する一般的な型巻きコイルの幅よ
りも大となるために、電機子のスロット数を大きくとる
事が出来ない。この事は毎極毎相のスロット数と電機子
鉄心外径とに関する設計の自由度を極めて制約する事を
意味する。
【0011】また、毎極毎相のスロット数も通常の型巻
きコイル使用機と比較して少となるために電圧波形の歪
みも大となる。更に、電力ケーブルの外径が大となる事
はコイルエンド部におけるケーブル曲げ作業を難しくし
て作業性を悪化させる。上記に鑑みこの発明は、電機子
巻線形成用にその絶縁階級と導体断面積等に関する複数
種類の電力ケーブルを用い、各電機子巻線の実印加電圧
と絶縁階級とに関連する放熱状態等を考慮して前記複数
種類の電力ケーブルを適宜選択する事により、その体格
の小形化と巻線形成の作業性の好転を図った電力ケーブ
ルを用いた電機子巻線を有する回転電機の提供を目的と
するものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
にこの発明の電力ケーブルを電機子巻線に用いた回転電
機において、 1)請求項1の発明は、電力ケーブルを電機子巻線に用
いた回転電機において、複数種類の電力ケーブルを用い
るものであって、前記電機子巻線が星形結線をなす場合
に、前記回転電機の出力側或いは入力側に配置する巻線
として絶縁階級の高い電力ケーブルを用い、前記の出力
側或いは入力側から中性点に近づくに従い段階的に絶縁
階級を低減させた電力ケーブルを用いて前記電機子巻線
を形成するものとする。
【0013】2)請求項2の発明は、請求項1に記載の
電力ケーブルを電機子巻線に用いた回転電機において、
電機子巻線を形成する電力ケーブルに対する前記の如き
絶縁階級の低減に連動し、前記電力ケーブルにおける絶
縁材の温度をその許容値以内に維持可能となす事を条件
に、前記電力ケーブルにおける導体断面積の低減を行う
ものとする。
【0014】3)請求項3の発明は、電力ケーブルを電
機子巻線に用いた回転電機において、複数種類の電力ケ
ーブルを用いるものであって、前記電機子巻線が星形結
線をなし且つその中性点引き出しを回転子と電機子間の
空隙側より行う場合に、電機子外径側に配置される前記
回転電機の出力側或いは入力側巻線としては絶縁階級が
高く且つ導体断面積の大なるものを用い、前記空隙側の
中性点に近づくに従って段階的に絶縁階級と導体断面積
の両者を低減させた電力ケーブルを用いて前記電機子巻
線を形成するものとする。
【0015】4)請求項4の発明は、電力ケーブルを電
機子巻線に用いた回転電機において、仕上がり形状が円
形断面ではなく小判形等の非円形断面をなす電力ケーブ
ルを用いて前記電機子巻線を形成するものとする。 5)請求項5の発明は、請求項4に記載の電力ケーブル
を電機子巻線に用いた回転電機において、前記の仕上が
り形状が円形断面でない電力ケーブルはその導体と絶縁
層との構成に関し、円形断面或いは小判形等の非円形断
面を有して一列に配列された複数の導体を前記円形仕上
がり形状の電力ケーブルの場合と同様の絶縁層構成によ
って被覆したものとする。
【0016】6)請求項6の発明は、電力ケーブルを電
機子巻線に用いた回転電機において、前記各電機子巻線
のコイルエンド部における前記電力ケーブルの外側半導
体層と遮蔽層とを除去すると共に、各電機子巻線におけ
る除去されていない遮蔽層部を個別に接地するものとす
る。 7)請求項7の発明は、電力ケーブルを電機子巻線に用
いた回転電機において、前記電力ケーブルとして外側半
導体層と遮蔽層の無いものを用いると共に、電機子鉄心
スロット内の隙間を前記電力ケーブルにおける主絶縁材
に比して誘電率の大なる絶縁油で満たし且つこれを循環
させるものとする。
【0017】上記の如くこの発明は、電機子巻線の形成
において、スロット中に配置される各電機子巻線に印加
される電圧或いはその放熱状態等を考慮して、その絶縁
階級と導体断面積とに関して異なる複数種類の電力ケー
ブルをスロット中に配置される前記各電機子巻線それぞ
れに対して適宜選択するものであり、台形状スロットの
適用と、これに伴う鉄心歯部先端と歯部根元とにおける
磁束通過面積差の縮小に起因する磁束密度差の減少によ
る鉄心利用率の向上を図るものである。
【0018】また、電機子巻線に適用する電力ケーブル
に関しその外側半導体層と遮蔽層を削除してその仕上が
り外径を縮小させると共に、鉄心スロット内の隙間を誘
電率を考慮した絶縁油で満たし且つこれを循環させる事
により電機子巻線に適用する電力ケーブルの機能低下を
招く事なく所要の電機子鉄心体格の縮小を図るものであ
る。
【0019】
【発明の実施の形態】以下この発明の実施例を図1〜図
4の各図面により説明する。ここに、図1は請求項1〜
請求項3に対応するこの発明の第1の実施例を示す電機
子鉄心スロット部の概念的な断面図であり、図2は請求
項4と請求項5とに対応するこの発明の第2の実施例を
示す電機子鉄心スロット部の概念的な断面図であり、図
3は請求項6に対応するこの発明の第3の実施例を示す
電機子巻線のコイルエンド部の概念的な構成図であり、
図4は請求項7に対応するこの発明の第4の実施例を示
す電機子鉄心スロット部の概念的な断面図である。
【0020】なお、図1〜図4の各図においては図5,
図6両図に示すものと同一機能の構成要素に対しては同
一の表示符号を付している。先ず、図1は絶縁階級と導
体断面積との異なる複数種類の電力ケーブルを用いて形
成した電機子巻線を納める電機子鉄心スロット部の概念
的な断面図であり、電機子巻線が星形結線をなし、内径
側(楔3配置の空隙側)が結線の中性点側、外径側(ス
ロット底部側)が結線の出力側(発電機の場合、電動機
の場合は入力側)となる如く電機子巻線を構成する電力
ケーブル1A,1B,1Cがそれぞれ配置されている状
態を例示するものである。
【0021】なお、図示の電力ケーブル1A,1B,1
Cの各断面表示は図6に示す構成の電力ケーブルを省略
表示したものである。図示のケーブル配置によれば、最
も外径側の電力ケーブル1Aには定格電圧が印加され、
内径側に移行するにつれて順次印加電圧が低下し、最も
内径側の電力ケーブル1Cにおいては零電圧或いは非常
に低い電圧の印加となるため、1A,1B,1Cの順に
各電力ケーブルの絶縁階級を低下させると共にこの絶縁
階級の低減に対応して前記と同様1A,1B,1Cの順
に各電力ケーブルの導体断面積の縮小に伴うケーブル仕
上がり外径の縮小が可能となり、所定の電力ケーブルを
納めるに要するスロット面積の縮小が可能となる。
【0022】因みに、回転電機の定格電圧を33kVと
し、図示の如く各電力ケーブル1A,1B,1Cの絶縁
階級/導体断面積をそれぞれ33kV/400mm2
22kV/325mm2 、11kV/250mm2 の如
く設定した場合、図示の各電力ケーブルを納めるに要す
るスロット1つ当たりの面積は、一般に市販されている
CVケーブルの寸法を基準として111cm2 となる。
これに対し、若し図示の各電力ケーブルを従来技術によ
る図5の如く全て1種類のものにより、例えば定格電圧
に対応する図示の電力ケーブル1Aにより形成するもの
とすれば、所要のスロット面積は150cm2 となる。
即ち、3種類の電力ケーブルを適宜用いる事により所要
のスロット面積を約3/4に縮小する事が出来る。
【0023】更に、1種類の電力ケーブルを使用する場
合のスロット形状は矩形となるが、図1に示す如く複数
種類の電力ケーブルを使用する事によりスロット形状を
台形とする事が出来る。ここに、矩形スロットの場合、
鉄心歯2の先端ではその幅が細いため磁束密度は高くな
り、鉄心歯2の根元ではその幅が広いために磁束密度は
低くなる。従って、鉄心歯先端における磁束密度を磁気
飽和の限界で設計した場合には鉄心歯根元での磁束密度
は低くなって電機子鉄心の利用率が悪くなる。これに対
し、台形スロットの場合、鉄心歯2の先端と根元とにお
ける幅の差が少なく、従って磁束密度の差も小となって
電機子鉄心の利用率も向上する。
【0024】次に、図2はその仕上がり形状が小判形等
の非円形形状の電力ケーブルを用いて形成した電機子巻
線を納める電機子鉄心スロット部の概念的な断面図であ
り、図(b)と図(c)とが本発明を示すものであり、
これ等両図の比較対照用として従来技術の実施例である
前述の図5に対応する図(a)を併記する。ここに、1
D〜1Fは電力ケーブルであり、各々の絶縁層等の構成
は図6に準じるものであり、1aは導体、1bは内側半
導体層、1cは主絶縁層、1gは外側半導体層1dと遮
蔽層1eとシース1fとを一括表示したものである。
【0025】今、図(b)を図(a)と対比するものと
し、電力ケーブル1Eは、円形断面を有して一列に配列
された複数の導体を円形仕上がり形状の電力ケーブルの
場合と同様の構成と厚みとを有する絶縁層により被覆し
てその仕上がり形状が小判形の電力ケーブルとなし、そ
の複数の円形導体の断面積の和を図(a)の電力ケーブ
ル1Eの導体断面積と等しくすると共に導体以外の各積
層部1b,1c,1gの厚さを等しくしたものである。
【0026】例えば、図(a)の電力ケーブル1Dを、
一般に市販されている絶縁階級33kV/導体断面積4
00mm2 のCVケーブルとなし、図(b)の電力ケー
ブル1Eを、各導体の断面積の和が前記のケーブル1D
の導体断面積と等しくなる如く断面積100mm2 の4
本の導体を一列に配列し、導体以外の各積層部1b,1
c,1gの厚さを等しくして仕上がり形状が小判形をな
す電力ケーブルとした場合、前記ケーブル1Dの仕上が
り外径が約50mmであるのに対し、同1Eのスロット
幅方向は約37mm,深さ方向は約76mmとなり、ス
ロット幅を約7割に低減可能となる。
【0027】上記の状態において、ケーブルのスロット
幅方向太さと深さ方向太さとの積で規定されるケーブル
1本当りのスロット専有面積は、図(a)の場合は25
00mm2 であるのに対して図(b)の場合は2812
mm2 となり、約1割程度の増加となる。次に、図
(c)において、電力ケーブル1Fはその導体を図
(a)に示すケーブル1Dの導体と等面積の小判状のも
のとすると共に、導体以外の各積層部1b,1c,1g
の厚さを等しくし、電力ケーブルとしての仕上がり形状
も小判形としたものである。
【0028】今、図(c)を図(b)と同様に図(a)
と対比すれば、電力ケーブル1Dを絶縁階級33kV/
導体断面積400mm2 のCVケーブルとし、これと等
価なものとしての電力ケーブル1Fは、スロット幅方向
は約37mm,深さ方向は約65mmとなり、ケーブル
1本当りのスロット専有面積は2405mm2 となり、
図(a)の場合の2500mm2 に比して若干小となす
事が出来る。
【0029】上記の如く、その仕上がり形状が小判形等
の非円形の形状をなす電力ケーブルを用いる場合は、円
形形状の電力ケーブルを用いる場合に比して一つのスロ
ットに納め得るケーブル本数は減少するが、同一の電機
子鉄心に対してスロット数の増大で対処する事が可能と
なり、毎極毎相のスロット数と電機子鉄心外径とに関す
る設計の自由度が増大される。
【0030】また、スロット幅の縮小により鉄心歯部に
おける先端と根元両者間の幅の比が小となって鉄心利用
率が向上すると共に、スロットピッチが小となる事によ
ってスロットリップルによる界磁鉄心表面における渦電
流損も低減される。更に、電力ケーブルのコイルエンド
部における曲げ作業を容易にし電機子巻線形成の作業性
の改善が期待出来る。
【0031】次に、図3は電機子巻線のコイルエンド部
の概念的な構成図であり、電力ケーブルに関し、1hは
図6に示す導体1aと内側半導体層1bと主絶縁層1c
とを一括して表示したものであり、同様に、1gは外側
半導体層1dと遮蔽層1eとシース1fとを一括表示し
たものである。また、2は鉄心歯、3は楔である。図示
の如く、電機子巻線のコイルエンド部においては電力ケ
ーブルの外側半導体層と遮蔽層とはシースと共に一括削
除されており、他の電力ケーブルにおける外側半導体層
と遮蔽層との間は電気的に完全に分断されると共に各電
力ケーブルにおける遮蔽層は接地処理部4において個々
に接地されている。
【0032】因みに、前記の如き外側半導体層と遮蔽層
両者の削除がなければ、導体層をなすこれ等外側半導体
層と遮蔽層の両層には回転電機の端子電圧と同一電圧が
誘導され、前記両層と電機子鉄心間に瞬時に絶縁破壊が
発生する事になる。なお、前記の如き外側半導体層と遮
蔽層両層の削除を行っても各電力ケーブルにおけるコイ
ルエンド部以外の部位における前記の外側半導体層と遮
蔽層とには、回転電機の定格端子電圧の1相分電圧を1
相当りの直列導体数で割った値の電圧が誘導されること
になるが、前記定格端子電圧に比し極めて低い値とな
る。例えば、定格端子電圧が33kV、直列導体数30
0の星形結線の発電機の場合、各1つの外側半導体層と
遮蔽層とに誘導される電圧は64V程度となる。この値
は通常電力ケーブル最外端のシース1fのみで十分絶縁
可能である。若し、この誘導電圧が高くシース1fのみ
での絶縁が不十分の場合にはシース1fの外側に更に絶
縁補強を施す事が必要となる。
【0033】次に、図4は、導体1aと内側半導体層1
bと主絶縁層1cとから構成された電力ケーブル1G、
即ち図6に示す電力ケーブルの構成から主絶縁層の外側
に配置された外側半導体層と遮蔽層とを除いた構成をな
す電力ケーブルにより形成された電機子巻線を納めた電
機子鉄心スロット部の概念的な断面図である。なお、前
記電機子巻線と電機子鉄心間の隙間を前記電力ケーブル
の主絶縁材の誘電率よりも大なる誘電率の絶縁油で満た
し、且つこの絶縁油を循環させるものとしている。
【0034】一般に、前記の外側半導体層はその内部電
位傾度を緩やかにし、遮蔽層はケーブル周辺の電界の影
響を遮断すると共にケーブル外被を等電位化し、両者そ
れぞれに設置効果を有するものではあるが、同時に、図
3に示す如き誘導電圧の低減を必要とすると共にケーブ
ル外径の増大を来す欠点を有するものでもある。若し、
図4に示す如く、前記の外側半導体層と遮蔽層とを削除
した構成をなす電力ケーブルにより形成された電機子巻
線をその儘の状態でスロット内に収納し所定の高電圧を
印加すれば、ケーブル外被とスロット壁面間の小さな隙
間である電界集中部位10の位置に大きな電界集中が生
じ、更に、各電力ケーブルに交番電圧が印加されると部
位10と共に部位11にも電界集中が生じ、これ等両部
位にはコロナ放電が発生して両部位における絶縁劣化が
促進される。
【0035】従って、請求項7に対応する本発明におい
ては、図4に示すスロット部の電力ケーブル1Gと鉄心
間の隙間をこの電力ケーブルの主絶縁材の誘電率よりも
大なる誘電率の絶縁油で満たす事により前記両部位10
と11における電界緩和を行ってコロナ放電の防止を図
ると共に、前記絶縁油を冷媒としてスロット内を循環さ
せて電力ケーブルを含めてスロット内の冷却を図り、結
果的に回転電機の体格の小形化を図るものである。
【0036】なお、前記絶縁油のスロット外への流出或
いは滲出防止のためにシール等による適当な処置は別途
なされているものとする。
【0037】
【発明の効果】この発明によれば、電力ケーブルを電機
子巻線に用いた回転電機に関して、 1)請求項1の発明による如く、複数種類の電力ケーブ
ルを用い、電機子巻線が星形結線をなす場合に、出力側
或いは入力側の高電圧側に配置する巻線に対しては絶縁
階級の高いケーブルを用い、中性点に近づくに従い段階
的に絶縁階級を低減させたケーブルを用いて前記電機子
巻線を形成する事により、また、 2)請求項2の発明による如く、請求項1に記載の回転
電機において、電機子巻線を形成する電力ケーブルに対
する前記の如き絶縁階級の低減に連動し、前記電力ケー
ブルにおける導体断面積の低減を行う事により、電機子
巻線に対する電圧印加状態に対応した絶縁階級と導体断
面積を有する電力ケーブルを適宜選択して所定の電力ケ
ーブルを納めるに要するスロット面積の縮小を可能とな
すと共に、スロット形状を台形となし磁路設計に関連し
た電機子鉄心の利用率を向上させることが可能となり、
結果的に回転電機の体格の小形化を図ることが出来る。
また、 3)請求項3の発明による如く、複数種類の電力ケーブ
ルを用い、電機子巻線が星形結線をなし、且つその中性
点引き出しを回転子と電機子間の空隙側より行う場合
に、電機子外径側に配置される高電圧側ケーブルには絶
縁階級が高く且つ導体断面積の大なるものを用い、中性
点に近づくに従い段階的に絶縁階級と導体断面積の両者
を低減させた電力ケーブルを用いて前記電機子巻線を形
成する事により、前述の請求項1と請求項2の場合より
も更に顕著にスロット面積の縮小と電機子鉄心の利用率
向上とによる回転電機の体格の小形化を図ることが出来
る。また、 4)請求項4の発明による如く、仕上がり形状が円形で
はなく小判形の如き非円形の電力ケーブルを用いて前記
電機子巻線を形成する事により、また、 5)請求項5の発明による如く、請求項1に記載の回転
電機において、前記の仕上がり形状が非円形の電力ケー
ブルは、その導体と絶縁層との構成に関して、円形断
面,或いは小判形の如き非円形断面を有して一列に配列
された複数の導体を円形仕上がり形状の電力ケーブルの
場合と同様の絶縁層構成により被覆したものとする事に
より、円形形状の電力ケーブルを用いる場合に比して1
スロットに納め得るケーブルの本数は減少するが、同一
の電機子鉄心に対してスロット数の増大で対処する事が
可能となり、毎極毎相のスロット数と電機子鉄心外径と
に関する設計の自由度が増大され、また、スロット幅の
縮小により鉄心利用率が向上すると共に界磁鉄心表面に
おける渦電流損も低減される。
【0038】更に、コイルエンド部における電力ケーブ
ルの曲げ作業が容易になって電機子巻線形成の作業性の
改善が期待出来る。また、 6)請求項6の発明による如く、各電機子巻線のコイル
エンド部における電力ケーブルの外側半導体層と遮蔽層
とを除去すると共に各電機子巻線における除去されてい
ない遮蔽層部を個別に接地する事により、回転電機動作
電圧が誘導される前記外側半導体層と遮蔽層とは各電力
ケーブル毎に電気的に完全に分断され、前記の各外側半
導体層と遮蔽層とにおける誘導電圧は回転電機定格電圧
の1相分電圧を1相当りの直列導体数で割った極めて小
なる値まで低下し、その絶縁対策は、通常、電力ケーブ
ル最外端のシースのみで十分となる。また、 7)請求項7の発明による如く、電機子巻線を形成する
電力ケーブルとして外側半導体層と遮蔽層の無いものを
使用すると共に、電機子鉄心スロット内の隙間を前記電
力ケーブルにおける主絶縁材よりも誘電率の大なる絶縁
油で満たし且つこれを循環させる事により、スロット内
における局部的な電界集中部位の解消を行いコロナ放電
の防止を図ると共に、前記絶縁油を冷媒としてスロット
内の冷却を図り、結果的に回転電機の体格の小形化を図
る事が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施例を示す電機子鉄心スロ
ット部の断面図
【図2】この発明の第2の実施例を示す電機子鉄心スロ
ット部の断面図
【図3】この発明の第3の実施例を示す電機子巻線のコ
イルエンド部の構成図
【図4】この発明の第3の実施例を示す電機子鉄心スロ
ット部の断面図
【図5】従来技術の実施例を示す電機子鉄心スロット部
の断面図
【図6】電力ケーブルの断面図
【符号の説明】
1 電力ケーブル(1A〜1G) 1a 導体 1b 内側半導体層 1c 主絶縁層 1d 外側半導体層 1e 遮蔽層 1f シース 1g 1dと1eと1fの三者積層部の一括表示 1h 1aと1bと1cの三者積層部の一括表示 2 鉄心歯 3 楔 10 電界集中発生部位 11 電界集中発生部位

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電力ケーブルを電機子巻線に用いた回転電
    機において、複数種類の電力ケーブルを用いるものであ
    って、前記電機子巻線が星形結線をなす場合に、前記回
    転電機の出力側或いは入力側に配置する巻線としては絶
    縁階級の高い電力ケーブルを用い、前記の出力側或いは
    入力側から中性点に近づくに従い段階的に絶縁階級を低
    減させた電力ケーブルを用いて前記電機子巻線を形成し
    た事を特徴とする電力ケーブルを電機子巻線に用いた回
    転電機。
  2. 【請求項2】請求項1記載の電力ケーブルを電機子巻線
    に用いた回転電機において、前記電機子巻線を形成する
    電力ケーブルに対する前記の如き絶縁階級の低減に連動
    し、前記電力ケーブルにおける絶縁材の温度をその許容
    値以内に維持可能となす事を条件に、前記電力ケーブル
    における導体断面積の低減を行う事を特徴とする電力ケ
    ーブルを電機子巻線に用いた回転電機。
  3. 【請求項3】電力ケーブルを電機子巻線に用いた回転電
    機において、複数種類の電力ケーブルを用いるものであ
    って、前記電機子巻線が星形結線をなし且つその中性点
    引き出しを回転子と電機子間の空隙側より行う場合に、
    電機子外径側に配置される前記回転電機の出力側或いは
    入力側巻線としては絶縁階級が高く且つ導体断面積の大
    なるものを用い、前記空隙側の中性点に近づくに従い段
    階的に絶縁階級と導体断面積の両者を低減させた電力ケ
    ーブルを用いて前記電機子巻線を形成した事を特徴とす
    る電力ケーブルを電機子巻線に用いた回転電機。
  4. 【請求項4】電力ケーブルを電機子巻線に用いた回転電
    機において、仕上がり形状が円形断面ではなく小判形等
    の非円形断面をなす電力ケーブルを用いて前記電機子巻
    線を形成した事を特徴とする電力ケーブルを電機子巻線
    に用いた回転電機。
  5. 【請求項5】請求項4記載の電力ケーブルを電機子巻線
    に用いた回転電機において、前記の仕上がり形状が円形
    断面でない電力ケーブルはその導体と絶縁層との構成に
    関し、円形断面或いは小判形等の非円形断面を有して一
    列に配列された複数の導体を前記円形仕上がり形状の電
    力ケーブルの場合と同様の絶縁層構成によって被覆した
    ものである事を特徴とする電力ケーブルを電機子巻線に
    用いた回転電機。
  6. 【請求項6】電力ケーブルを電機子巻線に用いた回転電
    機において、前記各電機子巻線のコイルエンド部におけ
    る前記電力ケーブルの外側半導体層と遮蔽層とを除去す
    ると共に、各電機子巻線における除去されていない遮蔽
    層部を個別に接地する事を特徴とする電力ケーブルを電
    機子巻線に用いた回転電機。
  7. 【請求項7】電力ケーブルを電機子巻線に用いた回転電
    機において、前記電力ケーブルとして外側半導体層と遮
    蔽層の無いものを用いると共に、電機子鉄心スロット内
    の隙間を前記電力ケーブルにおける主絶縁材に比して誘
    電率の大なる絶縁油で満たし且つこれを循環させる事を
    特徴とする電力ケーブルを電機子巻線に用いた回転電
    機。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012186938A (ja) * 2011-03-07 2012-09-27 Denso Corp 電機子
JP2013034289A (ja) * 2011-08-01 2013-02-14 Toshiba Industrial Products Manufacturing Corp 回転電機の固定子,回転電機,回転電機駆動システム及び電気自動車
JP2018143084A (ja) * 2017-01-06 2018-09-13 株式会社東芝 回転電機コイル

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