JP2000092581A - インナーイヤー型ヘッドホン装置 - Google Patents

インナーイヤー型ヘッドホン装置

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JP2000092581A
JP2000092581A JP10254193A JP25419398A JP2000092581A JP 2000092581 A JP2000092581 A JP 2000092581A JP 10254193 A JP10254193 A JP 10254193A JP 25419398 A JP25419398 A JP 25419398A JP 2000092581 A JP2000092581 A JP 2000092581A
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sound
housing
ear
thin film
headphone device
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Yoshihisa Shigyo
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 インナーイヤー型ヘッドホーン装置を耳に装
着した時に、耳とイヤーパッド部分の嵌入度合いをぴっ
たりさせることにより、透き間からの音の漏れをなくし
インナーイヤー型ヘッドホーン装置の本来の性能を十分
に発揮させ音量感を向上させるとともに、長時間使用し
ても耳に苦痛を与えることがなく透き間からの音の漏れ
をなくし遮音効果を上げ音量感を向上させ得るインナー
イヤー型ヘッドホーン装置を提供する。 【構成】インナーイヤー型ヘッドホーン装置は、電気音
響変換素子28を内蔵するとともに音の放射部30を有
するハウジング10を備え、該放射部30近縁のハウジ
ング10には、放射部30に対応する部分を開口させ放
射部30の放射面よりも大きな外形を有する薄膜可撓シ
ート32を備えた構成を持つ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ラジオ、テープレコー
ダー、補聴器、ヘッドホンステレオ等の音響機器に適応
するインナーイヤー型ヘッドホン装置に関する。
【0002】
【発明の属する技術分野】近年様々な音響機器の発達の
なかで個人的に音を楽しむことが一般化しており、この
ためラジオ等を聞く場合、音を発生させて他人に迷惑を
かけないために耳の耳孔に直接装着するインナーイヤー
型ヘッドホン装置が知られている。図9は従来のインナ
ーイヤー型ヘッドホン装置を例示した図であり、内部に
電気音響変換素子を収納したハウジング10、封止部材
12、電気音響変換素子と結線されたコード14、さら
にハウジングの音の放射面を囲周して装着された発泡ウ
レタンやスポンジゴム等からなるイヤーパッド16から
構成されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このような従来のイン
ナーイヤー型ヘッドホン装置については個個人の耳の大
きさ、形、内側の装置の装着部分等が異なりすべての人
に合致したインナーイヤー型ヘッドホン装置を提供する
ことは実際上不可能である。図10は従来のインナーイ
ヤー型ヘッドホン装置を耳に装着した状態を示してい
る。図に示すように従来のインナーイヤー型ヘッドホン
装置は、耳を構成する耳介18とこの耳介18に連続し
た耳穴内部である外耳道20との中間に位置する耳甲介
腔22に音の放射面を鼓膜24側に向けて外耳道20を
塞ぐように装着される。この場合、図11に示すよう
に、不規則な断面形状を有する耳甲介腔22と硬質の合
成樹脂等からなるハウジング10に装着した人工のイヤ
ーパッド16との間には、ミクロ的にみると多数の透き
間26が存在する。この透き間26を介して耳穴の外部
から種々のノイズが侵入し、装置本来の放射音を歪ま
せ、良質のハイファイ音の音質を著しく損なうものとな
っていた。また、この透き間26はインナーイヤー型ヘ
ッドホン装置の音の放射部から放射されて外耳道20か
ら鼓膜24へ向かう音と、透き間26を通って外へ漏れ
出た音との音道となり、インナーイヤー型ヘッドホン装
置の音の放射部側と外へ漏れ出た音は、音圧は略等しく
位相が反対であるためインナーイヤー型ヘッドホン装置
の前後で形成される音圧が相殺され、音量感を大きく減
殺させるとともに透き間26から漏れ出た音が位相がず
れて音に歪みを生じさせた状態で外部から再び耳穴に入
る結果インナーイヤー型ヘッドホン装置の本来の性能を
十分に発揮させることができないという問題があった。
また音漏れの結果外部には歪んだ音が残り静かな場所や
大勢の人が集まる場所ではノイズとして他人の迷惑にな
る問題があった。さらに、この音量感を向上させるため
に、耳甲介腔22にイヤーパッド16を装着したハウジ
ング10を強く押しつけると耳穴に痛みを生じさせ、長
時間にわたって音楽を楽しんだり、音を聴取することが
困難であるという問題があった。
【0004】本発明は上記従来の問題に鑑みてなされた
ものであり、その一つの目的は極めて簡単な構成でイン
ナーイヤー型ヘッドホン装置を耳に装着した時に、耳甲
介腔部分と装置との透き間を可及的になくさせ、外部か
らのノイズ侵入を遮断させて特に高品質のハイファイ音
を聴取することのできるインナーイヤー型ヘッドホン装
置を提供することである。また、本発明の他の目的は、
装置の耳への装着時の透き間をなくして音道を遮断さ
せ、装置の内外での音の相殺現象を生じさせないように
して十分な音量間を確保させることのできるインナーイ
ヤー型ヘッドホン装置を提供することである。さらに、
本発明の他の目的は、耳甲介腔での装置と耳の内部の穴
との透き間をなくして外部ノイズを遮断し、良好な音質
を保持しつつ、十分な音量感を確保でき、同時に装置を
長時間使用しても耳に苦痛を与えることのないインナー
イヤー型ヘッドホン装置を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、電気音響変換素子28を内蔵するとともに
音の放射部30を有するハウジング10を備え、該放射
部30近縁のハウジング10には、前記放射部30に対
応する部分を開口させ放射部の放射面よりも大きな外形
を有する薄膜可撓シート32を取りつけたインナーイヤ
ー型ヘッドホン装置から構成される。
【0006】また、前記薄膜可撓シート32はハウジン
グ10に対して着脱可能に取りつけられてなることとし
てもよい。
【0007】また上記目的を達成するための他の発明
は、電気音響変換素子28を内蔵するとともに音の放射
部30を有するハウジング10を備え、音の放射部30
近縁のハウジング10には空気の圧送により外周側に膨
張し得る膨可袋部34が周状に設けられ、さらに、該ハ
ウジング10にはこの膨可袋部34に連通し、外部から
空気を圧送し得る逆止弁機構36を保持した空気圧送手
段38を備えたインナーイヤー型ヘッドホン装置から構
成される。
【0008】また、前記膨可袋部34はその膨張時に音
の放射方向と離反する方向に断面拡径した形状に構成さ
れてなることとしてもよい。
【0009】
【実施例及び発明の実施の形態】以下、添付図面に基づ
き、本発明の好適な実施例について説明する。図1ない
し図4は、本発明の第一実施例に係るインナーイヤー型
ヘッドホン装置を示しており、図1はインナーイヤー型
ヘッドホン装置の縦断面説明図である。また、図2はイ
ンナーイヤー型ヘッドホン装置を耳に装着した状態の態
様説明図である。図1において、インナーイヤー型ヘッ
ドホン装置は、電気音響変換素子28を内蔵するととも
に音の放射部30を有するハウジング10を備え、該放
射部30近縁のハウジング10には、前記放射部30に
対応する部分を開口させ放射部30の放射面よりも大き
な外形を有する薄膜可撓シート32を備えている。
【0010】図1、2、3において、本発明の第一実施
例に係るインナーイヤー型ヘッドホン装置は、ハウジン
グ10を備えており、このハウジング10は、一端側に
円形をした音の放射部30を有し、ある程度の厚みを有
する円盤状の放射面支持部11aと、電気音響変換素子
28を内蔵し、放射面支持部11aの他端側中央部から
下方に垂下した垂下部11bから構成され、これらを硬
質合成樹脂で内部を中空として一体的に成形させて構成
されている。そして、垂下部11bの下端には封止部材
12が設けられている。この封止部材12はハウジング
10内に内蔵された電気音響変換素子28に電気信号を
取り入れるコード14を垂下部11bにて封止してい
る。
【0011】図1において、放射面支持部11aと垂下
部11bは内部が連通しており、放射面支持部11aの
一端側には、同放射面支持部本体の周控え部13が設け
られている。そしてその周控え部13の中央部には、多
数の透孔31aを備えた放射面が形成される。実施例に
おいて、周控え部13と放射面を備えた保護板31が一
体的に膨出して設けられている。直接的にはこの保護板
31が音の放射部30を形成し、その表面が音の放射面
とされる。そして、電気音響変換素子28によって電気
信号を変換させて振動板を振動させて生成された音は音
の放射部30を介して耳の外耳道側に所定の音圧を加え
ながら放射される。
【0012】本発明において特徴的なことは、電気音響
変換素子28を内蔵するとともに音の放射部30を有す
るハウジング10を備え、該放射部30近縁のハウジン
グ10には、前記放射部30に対応する部分を開口させ
放射部30の放射面よりも大きな外形を有する薄膜可撓
シート32を備えたことである。図4に示すように薄膜
可撓シート32は中央部に保護板31と同じ大きさある
いは同心円の開口部44を有している。すなわち、薄膜
可撓シート32は中央部に円形の開口部44が形成され
た略ドーナツ形状で形成されている。そして、一面側の
開口部44の口縁には円形の開口部44と同一の円形開
口を施し、貼着面に容易に剥離可能な離型紙を表面側に
貼着させた該薄膜可撓シート本体と同心状のドーナツ形
状の着脱部46が設けられており、この離型紙を剥離さ
せ、その貼着面を放射部30の放射面周縁に貼着させる
ことにより着脱自在ないわゆる両面テープ構成となって
いる。
【0013】実施例において、放射面支持部11aの周
控え部13にこの着脱部46を位置合わせして貼着する
ことにより、中央の開口部44において音の放射面を耳
の鼓膜側に向けて露出状態とさせ得る。図3に示すよう
にこの薄膜可撓シート32は音の放射部30の放射面よ
りも大きな外径を有するように設けられている。すなわ
ち、耳甲介腔22部分に装置をあてがって装着したとき
に正面視で耳甲介腔の穴縁をはみ出してはみ出し部32
aを形成するほどの大きさで設けられている。すなわ
ち、薄膜可撓シート32の外形はインナーイヤー型ヘッ
ドホン装置を耳に装着した時に、耳の耳甲介腔22部分
を十分に覆う位の大きさである必要がある。そして、こ
の薄膜可撓シート32は外耳道20の鼓膜24と耳甲介
腔22とを結ぶ線を軸として軸方向にその面が直角とな
るように放射面支持部11aの周控え部13に貼着され
る。
【0014】この薄膜可撓シート32を構成する材質は
薄膜状で可撓性を有し、できるだけ遮音性が高いものが
好適である。ゴム材、発泡ウレタン材、軟質合成樹脂
材、セルローズ材、その他任意の素材を用いてもよい。
不規則な断面形状を有する耳甲介腔22とハウジング1
0に装着したインナーイヤー型ヘッドホン装置との間に
存在する透き間がインナーイヤー型ヘッドホン装置の音
の放射部からでて外耳道20から鼓膜24へ向かう音と
透き間を通って外へ漏れ出た音との音道となり、音を相
殺して音量感を損なうことになることから、遮音性を考
慮すると材料の組織は緻密な材質の方がより効果的であ
る。
【0015】この薄膜可撓シート32の外形形状は実施
例では円形としているが、任意に構成してもよい。図5
(イ)(ロ)(ハ)は薄膜可撓シート32の変形例を示
しており、使用上は耳の耳甲介腔22を十分に覆える広
さがあればよく図示のように楕円形、三角形、矩形等で
も良い。また、その他任意の多角形状、その他の任意形
状に構成してよい。
【0016】次に本発明におけるインナーイヤー型ヘッ
ドホン装置は耳に装着した場合、図2に示すように、耳
の耳介18の内面側に連続した外耳道20との中間に位
置する耳甲介腔22に、音の放射面を鼓膜24に向けて
外耳道20を塞ぐように外耳道20の鼓膜24と耳甲介
腔22とを結ぶ軸方向に沿って装置を挿入する。挿入に
際してはインナーイヤー型ヘッドホン装置のハウジング
10を指で持ち、耳介18に添わせながら耳甲介腔22
部分へ押し込んでいく。このとき薄膜可撓シート32は
薄い膜状でありまた十分な可撓性を有していることか
ら、耳介18及び耳甲介腔22の内面形状に倣いながら
押し込まれていき、ハウジング10の放射面支持部11
aがこの耳甲介腔22に嵌合する位置まで挿嵌される。
薄膜可撓シート32は、挿入の前は外耳道20の鼓膜2
4と耳甲介腔22とを結ぶ軸方向に対し、直角でその断
面視は平面であるが、挿入が進むにつれて徐々に耳介1
8及び耳甲介腔22の形状に合わせられていくため、薄
膜可撓シート32の平面部分も徐々に耳介18及び耳甲
介腔22の形状に合わせて曲げられ、耳甲介腔への嵌合
時には耳介18及び耳甲介腔22の内壁面に全周にわた
って密着した状態を保つこととなる。
【0017】この場合、薄膜可撓シート32のはみ出し
部32aは耳甲介腔22とハウジング10の放射面支持
部11aとのミクロ的な透き間26をシート32の外周
部42の範囲にわたってすべて覆い、このとき耳甲介腔
への嵌合部分の外周縁である耳介18の内面側にわたっ
て密着するから装置の内外における外耳道と外部とは薄
膜可撓シート32により確実に遮断され、インナーイヤ
ー型ヘッドホン装置の音の放射部からでて外耳道20か
ら鼓膜24へ向かう音と、透き間を通って外へ漏れ出た
音との音道を生じさせることがなく、その結果、漏れた
音と本来の再生音との位相歪みをなくすことによってよ
り良質の音声を取り入れることができノイズの侵入及び
音量感の減少を確実に防止することが可能となる。
【0018】しかも、薄膜可撓シート32は、極めて簡
単な構造で、製作容易で、大量生産が可能であり、低コ
ストに製造することができる。しかも、既成のヘッドホ
ン装置に簡単に適用して用いることが可能であり、汎用
性が極めて高いものである。
【0019】上記の実施例では、薄膜可撓シート32は
ハウジング10に対して着脱可能に取りつける場合を示
しているが、この薄膜可撓シートは、ハウジングに対し
て固定的、或いは一体的に取りつけて着脱はしない構成
としても良い。この場合、単にハウジングに対して薄膜
可撓シートを接着、溶着その他の固定方法により固定さ
せるようにしてもよく、可能であれば、一体成形的に取
りつけるようにしてもよい。
【0020】次に図6に基づいて本発明の第二実施例に
係るインナーイヤー型ヘッドホン装置を説明するが、第
一実施例と同一部材には同一符号を付し、その詳細な説
明は省略する。図において、電気音響変換素子28を内
蔵するとともに音の放射部30を有するハウジング10
を備えている。そして、放射部30近縁のハウジング1
0には空気の圧送により外周側に膨張し得る膨可袋部3
4が周状に設けられ、さらに、該ハウジング10にはこ
の膨可袋部34に連通し、外部から空気を圧送し得る逆
止弁機構36付きの空気圧送手段38が設けられてい
る。
【0021】図6において、この第二実施例のインナー
イヤー型ヘッドホン装置のハウジングは第一実施例と略
同様の構成からなり、放射面支持部11aとこれに内部
を連通し、中央部分から連接して垂下状に設けられた垂
下部11bを備えている。そして、放射面支持部11a
の一端面側に円形をした音の放射面を有する放射部30
が形成されている。また、垂下部11bの基部側には電
気音響変換素子28が内蔵されている。ハウジング10
全体は、硬質合成樹脂等により一体成形されており、垂
下部11aの下端には封止部材12が設けられている。
【0022】本実施例において、インナーイヤー型ヘッ
ドホン装置の放射面支持部11aは放射面側に離反する
方向に所要の幅について平坦部33が形成されており、
この平坦部33の外面側には膨可袋部34が周状に取り
付け固定されている。この膨可袋部34は内部が中空で
密閉されており、薄膜状の軟質の膨張可能な材質例えば
ゴム材、合成樹脂材等で構成され、内部に空気が圧入さ
れた場合は、ハウジング10にたいする膨可袋部34の
取り付け位置を変化させることなく外周方向のみに容易
に膨張し得るようになっている。この膨可袋部34は断
面略半円状に形成されている。
【0023】一方、放射面支持部11aの周方向の一部
には放射面と離間側に延設させた圧入管路48が設けら
れており、この圧入管路48の一端側は膨可袋部34の
基部側に連通路50を介して連通している。実施例にお
いて、圧入管路48の放射面側寄りには孔が穿孔されて
おり、この孔内に膨可袋部34の一部が挿着固定され、
圧入管路内と膨可袋部34内部とを密閉状に連通させて
いる。
【0024】この圧入管路48の他端側には空気圧送手
段38が接続されており、この圧入管路の他端側が空気
取入口58とされる。実施例において、空気圧送手段3
8は、一端を大気開放させた大気側開口を有するととも
に他端を圧入管路48の先端側に装着され軟質の合成樹
脂等からなるアダプタ管49と、このアダプタ管49内
に設けられた逆止弁機構36を備えている。アダプタ管
49は、可撓性かつ弾性を有する合成樹脂製からなり、
管の外部から指等で挟みつけるように押圧すれば、管径
を縮径させ、指を離せば弾性的に復元し、元の関係を保
持するようになっている。アダプタ管49は、圧入管路
48との嵌着側に後述する逆止弁機構36を内蔵させる
とともに、この逆止弁機構への空気圧送のためのポンピ
ング作用を行なうための空気室を形成する空気室部60
を備えている。
【0025】逆止弁機構36は、外部から圧入口54に
空気を圧入するときには開弁して圧入を実行させるとと
もに、圧入を停止させると自動的に閉弁して空気の逆流
を阻止するような構造となっている。すなわち、実施例
において逆止弁機構36は、アダプタ管49内であって
圧入管路48の先端部と圧入口54の中間位置に配置さ
れ、軟質な材料例えばゴム材、合成樹脂材等で構成され
ており空気圧送手段38から圧送された空気を圧入管路
48方向へ通過させるが空気が圧送されない時は、逆止
弁が機能して圧入管路48内に空気を保持する。なお、
実施例では、アダプタ管49に逆止弁機構36を設けて
いるが、これに限らず、ハウジング10の圧入管路48
に設けるようにしてもよい。
【0026】図中、31はハウジング10の音の放射部
30である放射面支持部11aの一面側に設けられ、多
数の透孔31aを備えた保護板31であり、通孔31a
を介して保護板31の内外は連通している。したがっ
て、電気音響変換素子28によって変換生成された音圧
は音の放射部30の放射面から耳の外耳道側に所定の音
圧となって放射される。
【0027】第二実施例のインナーイヤー型ヘッドホン
装置を用いるに際しては、耳の耳介の内面側に連続した
外耳道の中間に位置する耳甲介腔に、音の放射部を鼓膜
に向けて外耳道を塞ぐように外耳道の鼓膜と耳甲介腔を
結ぶ軸方向に沿うように挿入し膨可袋部34がちょうど
耳甲介腔部に位置するまで差し入れる。そして、空気室
部60において指等で把持押圧して圧縮し逆止弁機構3
6を介してハウジング10の空気通路48を経由し空気
室内の空気を膨可袋部34の連通路50を通り膨可袋部
34の内部に送り込む。このとき、空気取入口58を例
えば指で反復して挟むこと等により、空気室60内の空
気を圧縮し逆止弁機構36を介してハウジング10の空
気通路48を経由し膨可袋部34の連通路50を通り膨
可袋部34の内部に送り込む。この空気圧送動作により
膨可袋部34内は徐々に加圧され、膨可袋部34の外周
面52は音の放射部30近縁のハウジング10の外周を
広める方向に膨張する。このとき、膨可袋部34の材質
が軟質のゴム質等であるため外周面52が外側へ膨張す
るにつれ外周面52の膜厚は徐々に薄くなる。このため
耳甲介腔部に位置している膨可袋部34の外周面52
は、耳甲介腔の内面形状に倣いながらより密着して接す
るようになり、ミクロ的に発生する透き間に対して耳甲
介腔部を膨可袋部34で密着して覆って塞ぐ。
【0028】これによって、ミクロ的な透き間が生じ、
インナーイヤー型ヘッドホン装置の音の放射部からでて
外耳道から鼓膜へ向かう音と、透き間を通って外へ漏れ
出た音との音道になることを防止し、ノイズの外部から
の侵入を確実に防止するとともに、豊かな音量感を享受
し得ることとなる。特に、本実施例の装置では、空気圧
送手段により膨可袋部34が外周方向に膨出し、確実に
耳甲介腔部に密着するから、音道としての透き間を生じ
ることが全くなく、よって、良質なハイファイ音と、良
好な音量間の享受を同時に実現させ得る。またインナー
イヤー型ヘッドホン装置を耳に装着した時膨可袋部は軟
質材で構成されており常に外耳道にぴったり挿着されて
おり音の聴取時にインナーイヤー型ヘッドホン装置を耳
に強く押しつけて使用する必要がなく耳痛を発生させる
ことがない。
【0029】なお、空気圧送手段38は例えば注射器状
の圧入器具、その他のシリンダ・ピストン等による圧入
装置、その他の圧入装置を備えるように構成し、これの
ノズル口を圧送用の可撓チューブを介して圧入管路先端
あるいは、アダプタ管の空気取り入れ口側に装着接続さ
せて圧入させる機構としても良い。
【0030】ハウジング10に対する膨可袋部34の取
付位置及び膨可袋部34と圧入管路との連通構成は任意
に構成してもよく、たとえば、図7に示すように、膨可
袋部34の側面側に圧入管路48の先端側を連通させる
ようにしてもよく、また図8に示すように、膨可袋部3
4はその膨張時に音の放射方向と離反する方向に断面拡
径した形状に構成してもよい。図8に示す例では膨可袋
部34の膨張時の断面形状を耳甲介腔装着時に鼓膜側に
外径が小さく、外部側である耳介側に大きく形成させて
いる。具体的には図示のように段差状に拡径させた形状
にしている。これによっても上記の実施例と同様の作用
効果を得ることができ、特に、図8のように、耳介側に
拡径させた膨可袋部の断面形状膨張時構成とすることに
より、膨可袋部34外周側と耳甲介腔並びに耳介内面側
との密着状態がより確実なものとなり、さらに良質の放
射音と、音量感を得ることが可能である。本発明にかか
るインナーイヤー型ヘッドホン装置は上記した実施例構
成に限定されるものではなく、詳細部分については、任
意の変更を行ってもよい。
【0031】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のインナー
イヤー型ヘッドホン装置によれば、電気音響変換素子を
内蔵するとともに音の放射部を有するハウジングを備
え、該放射部近縁のハウジングには、前記放射部に対応
する部分を開口させ放射部の放射面よりも大きな外形を
有する薄膜可撓シートが取りつけられるように構成した
ので、極めて簡単な構造で、低コストでありながらノイ
ズを確実に遮断して良質のハイファイ放射音及び音量感
豊かな音を聴取することができ、同時に長時間の連続装
着に際しても耳痛等を生じさせることなく実用性に優れ
たインナーイヤー型ヘッドホン装置を実現させることが
可能である。
【0032】また前記薄膜可撓シートはハウジングに対
し着脱可能に取りつけられており、インナーイヤー型ヘ
ッドホン装置に対し必要に応じて着脱させながら使用す
ることができ、使用中の薄膜可撓シートが破損したり、
汚れたり等の不具合が生じた時は、交換することによっ
て継続してインナーイヤー型ヘッドホン装置の使用が可
能である。そして、インナーイヤー型ヘッドホン装置を
耳に装着した時の音の漏れを極めて少なくでき、良質の
音声を聴取できるとともにインナーイヤー型ヘッドホン
装置本来の性能を十分に発揮させ音量感を楽しむことが
出来る。
【0033】また電気音響変換素子を内蔵するとともに
音の放射部を有するハウジングを備え、放射部近縁のハ
ウジングには空気の圧送により外周側に膨張し得る膨可
袋部が周状に設けられ、さらに、該ハウジングにはこの
膨可袋部に連通し、外部から空気を圧送し得る逆止弁機
構付きの空気圧送手段を備えた構成としたので、インナ
ーイヤー型ヘッドホン装置を耳に装着した時に、外耳道
部分と薄膜可撓シートの密着度が極めて高く、透き間部
分が確実になくなるからノイズ侵入が確実に防止でき、
高品質のハイファイ音及び良好な音量感を同時に得るこ
とが可能である。さらに、インナーイヤー型ヘッドホン
装置を耳に装着した時膨可袋部は軟質材で構成されてお
り常に外耳道にぴったり挿着されて、音の聴取時にイン
ナーイヤー型ヘッドホン装置を耳に強く押しつけて使用
する必要がなく耳痛を発生させることがない。
【0034】また、前記膨可袋部はその膨張時に音の放
射方向と離反する方向に断面拡径した形状に構成するこ
とにより、特に、膨可袋部外周側と耳甲介腔並びに耳介
内面側との密着状態がより確実なものとなり、さらに良
質の放射音と、音量感を得ることが可能である。またイ
ンナーイヤー型ヘッドホン装置を耳に装着した時膨可袋
部は軟質材で構成されており常に外耳道にぴったり挿着
されて、音の聴取時にハウジング部分を耳に強く押しつ
けて使用する必要がなく長時間にわたり連続使用しても
耳痛を発生させることがない。
【0035】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施例に係るインナーイヤー型ヘ
ッドホン装置の縦断面説明図である。
【図2】図1のインナーイヤー型ヘッドホン装置を耳に
装着した一部断面説明図である。
【図3】インナーイヤー型ヘッドホン装置を装着した耳
甲介腔部分の概略正面説明図である。
【図4】(イ)は本発明品に係る薄膜可撓シートの正面
図である。(ロ)は(イ)の縦断面図である。
【図5】(イ)、(ロ)、(ハ)は本発明に係る薄膜可
撓シートの変形例の正面図である。
【図6】本発明の第二実施例に係るインナーイヤー型ヘ
ッドホン装置の縦断面説明図である。
【図7】本発明の第二実施例の膨可袋部部分の変形例を
示すインナーイヤー型ヘッドホン装置の縦断面説明図で
ある。
【図8】本発明の第二実施例の膨可袋部部分の他の変形
例を示すインナーイヤー型ヘッドホン装置の主要断面図
である。
【図9】従来のインナーイヤー型ヘッドホン装置の概略
構成説明図である。
【図10】図9のインナーイヤー型ヘッドホン装置を耳
に装着した説明図である。
【図11】図9のインナーイヤー型ヘッドホン装置を装
着した耳甲介腔部分の正面説明図である。
【符号の説明】
10 ハウジング 28 電気音響変換素子 30 放射部 32 薄膜可撓シート 32a はみ出し部 34 膨可袋部 36 逆止弁機構 38 空気圧送手段

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電気音響変換素子を内蔵するとともに音
    の放射部を有するハウジングを備え、 該放射部近縁のハウジングには、放射部に対応する部分
    を開口させ放射部の放射面よりも大きな外形を有する薄
    膜可撓シートが取りつけられてなるインナーイヤー型ヘ
    ッドホン装置。
  2. 【請求項2】 前記薄膜可撓シートはハウジングに対し
    て着脱可能に取りつけられてなる請求項1記載のインナ
    ーイヤー型ヘッドホン装置。
  3. 【請求項3】 電気音響変換素子を内蔵するとともに音
    の放射部を有するハウジングを備え、 放射部近縁のハウジングには空気の圧送により外周側に
    膨張し得る膨可袋部が周状に設けられ、 さらに、該ハウジングにはこの膨可袋部に連通し、外部
    から空気を圧送し得る逆止弁機構付きの空気圧送手段を
    備えてなるインナーイヤー型ヘッドホン装置。
  4. 【請求項4】 前記膨可袋部はその膨張時に音の放射方
    向と離反する方向に断面拡径した形状に構成されてなる
    請求項3記載のインナーイヤー型ヘッドホン装置。
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