JP2000091865A - 音響装置 - Google Patents

音響装置

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JP2000091865A
JP2000091865A JP25872398A JP25872398A JP2000091865A JP 2000091865 A JP2000091865 A JP 2000091865A JP 25872398 A JP25872398 A JP 25872398A JP 25872398 A JP25872398 A JP 25872398A JP 2000091865 A JP2000091865 A JP 2000091865A
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filter
response filter
frequency
acoustic
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Hiroshi Kowaki
宏 小脇
Yuji Tomita
裕二 冨田
Hideki Matsui
英樹 松井
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Denso Ten Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 希望する音響特性を、デジタル演算処理量を
減少して、達成する。 【解決手段】 音響源からの音響信号は、縦続接続され
た有限インパルス応答(FIR)フィルタ4と無限イン
パルス応答(IIR)フィルタ5とを経て増幅回路8に
与え、スピーカ9で音響化する。FIRフィルタ4によ
って、物理計測によって制御可能な周波数特性および位
相特性の補正を行い、聴感補正部分を、IIRフィルタ
5で行って音質調整を行う。マルチチャネル音響装置で
は、チャネルデバイダをIIRフィルタ42,43で実
現し、その位相特性の乱れを、イコライザとしてのFI
Rフィルタ44,45で打ち消すとともに、音質調整の
ための周波数特性を選択可能とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、音響信号のデジタ
ル処理を行う音響装置に関し、特に有限インパルス応答
(Finite Inpulse Response、略称FIR)フィルタと
無限インパルス応答(Infinite Inpulse Response、略
称IIR)フィルタを用いて実現される音響装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】たとえば磁気テープ再生装置などの車載
用音響装置では、磁気テープ再生、増幅回路、およびス
ピーカなどのシステム全体の周波数特性および位相特性
を、たとえば平坦にしてイコライジングするために、F
IRフィルタが用いられ、そのFIRフィルタを除くシ
ステム全体の逆特性がFIRフィルタに設定される。
【0003】FIRフィルタは、周波数特性および位相
特性の複雑な音響特性を平坦に上首尾に達成することが
できる。このFIRフィルタは、このように希望する音
響特性を実現することができる反面、そのフィルタ係数
の設計演算が複雑になるという問題がある。したがって
車載用音響装置においてFIRフィルタを用いて予め定
める種類のスピーカを駆動する増幅回路の出力音響信号
の周波数特性および位相特性を平坦に予め設定しておい
たとしても、実際には、組合わせるスピーカの特徴およ
び聴取する車室などの部屋の伝達関数などに起因して、
そのFIRフィルタによる音響特性が聴感的に最適でな
い場合が多い。そこで聴取者が、聴感に頼りながら、F
IRフィルタの係数を変更して設定し、周波数特性を調
整しなければならなくなる。FIRフィルタは、上述の
ように係数設計演算が複雑であり、このような音響装置
の多種類の使用態様に応じて、聴感にたよりながら複雑
な係数設計演算を行うことは多くの労力を必要とし、ま
た希望する聴感的に最適な音響特性を得ることができな
い。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、希望
する聴感的に最適な音響特性を、容易に、しかも正確に
得ることができるようにした音響装置を提供することで
ある。
【0005】他の従来の技術は、マルチチャネル音響装
置である。磁気テープ再生装置などの音響信号源からの
音響信号を、複数の周波数帯域毎の各チャネルにチャネ
ルデバイダによって分割し、各チャネル毎の増幅回路に
よって、各周波数毎のたとえばウーファおよびツィータ
をそれぞれ駆動する。或る提案された技術では、チャネ
ルデバイダと、システム全体の音響特性の音質調整など
のイコライジングを行うイコライザとして、周波数特性
および位相特性を平坦にするために、いずれもFIRフ
ィルタを用いる。このような構成では、各チャネル毎に
周波数帯域の分割のためのFIRフィルタと、イコライ
ザのためのFIRフィルタとを用いることになる。した
がってFIRフィルタの数が増大する。FIRフィルタ
は、その構成タップ数にもよるが、デジタルの比較的演
算処理量が大きいフィルタであり、したがって演算処理
速度を向上しなければならず、コスト的に不利である。
【0006】本発明の他の目的は、希望する音響特性を
正確に得ることができ、しかも構成を簡素化することが
できるようにしたマルチチャネル方式の音響装置を提供
することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、音響信号を発
生する音響信号源と、音響信号源からの音響信号を補正
する補正装置と、補正装置の出力を増幅する増幅回路
と、増幅回路の出力によって駆動されるスピーカとを含
み、補正装置は、有限インパルス応答フィルタと、その
有限インパルス応答フィルタの後段または前段に縦続接
続されるもう1つのフィルタとを含み、有限インパルス
応答フィルタは、少なくとも増幅回路とスピーカとの周
波数および位相の各特性を打消す特性を有するように構
成されることを特徴とする音響装置である。
【0008】本発明によれば、音響信号源、たとえば磁
気テープおよびコンパクトディスクなどの記録媒体の再
生装置、ラジオ受信機などからの音響信号は、補正装置
によって周波数特性および位相特性が補正され、増幅回
路によって増幅されスピーカが駆動される。補正装置
は、FIRフィルタと、その後段または前段に縦続接続
されるもう1つのフィルタとを含む。このFIRフィル
タによって、少なくとも増幅回路とスピーカとの周波数
特性と位相特性を打消す特性を有するように構成され
る。すなわち少なくとも増幅回路とスピーカとの合成さ
れた周波数および位相の音響特性の逆特性を、FIRフ
ィルタに、もたせる。
【0009】このためにたとえばスピーカからの音響
を、たとえば無響室内でマイクロホンによって検出し、
入力される音響信号とマイクロホンの出力とに基づい
て、周波数特性と位相特性がたとえば平坦な直線状にな
るように、FIRフィルタの係数の設計演算を行う。こ
うしてFIRフィルタを用いて、物理計測によって、前
述の音響信号源からスピーカまでの周波数特性および位
相特性を含む音響特性の補正設定を、正確に行うことが
できる。
【0010】さらにFIRフィルタの後段または前段に
は、前記もう1つのフィルタが縦続接続され、これによ
ってたとえばスピーカが設置される自動車の車室などの
部屋の伝達関数、および聴取者の聴感の好みなどによっ
て、たとえば聴感にたよりながら、聴感的に最適な音響
特性の補正を行うことができる。前記もう1つのフィル
タは、FIRフィルタに比べて構成が簡素化されたフィ
ルタ、たとえばIIRフィルタであってもよいけれど
も、抵抗、コンデンサ、演算増幅回路、コイルなどを用
いたアナログフィルタであってもよい。
【0011】こうしてFIRフィルタによって、聴感で
は補正が難しい音響特性を、物理計測によって正確に補
正し、周波数特性および位相特性を平坦に直線状になる
ように正確に補正することができる。また前記もう1つ
のフィルタによって、物理計測では識別が難しいたとえ
ば音質調整を行うことができる。こうして構成を簡略化
し、演算処理を簡略化してコストパフォーマンスが高い
効率のよい構成によって、音響特性を聴取者の聴感に最
適に正確に補正することが可能になる。
【0012】また本発明は、前記もう1つのフィルタ
は、無限インパルス応答フィルタであることを特徴とす
る。
【0013】本発明に従えば、IIRフィルタでは、希
望する周波数特性を得るための設計演算が、FIRフィ
ルタに比べて簡単であり、コストを低減することができ
る。こうしてIIRフィルタを用いて、スピーカからの
音響を聴取する車室などの部屋に応じて、また聴取者の
聴感の好みに応じて、音響特性の補正を行い、たとえば
音質を調整することができる。
【0014】また本発明は、スピーカは、車両の車室内
に設けられ、有限インパルス応答フィルタは、増幅回路
とスピーカと車室との周波数および位相の各特性を打消
す特性を有するように構成されることを特徴とする。
【0015】本発明に従えば、FIRフィルタを用い
て、音響信号源から車室までの周波数特性および位相特
性を含む音響特性の逆特性を、FIRフィルタによって
達成し、こうして聴取者は、部屋内で周波数特性および
位相特性が平坦な状態で、聴取することができる。こう
して前記もう1つのフィルタによって、聴取者の好みに
応じた音響特性の変化を行うことができる。
【0016】また本発明は、有限インパルス応答フィル
タは、予め定める遅延時間がそれぞれ設定され、縦続接
続される複数n段の遅延回路と、遅延回路の数nよりも
1だけ多い複数(n+1)段の利得調整回路であって、
初段には有限インパルス応答フィルタへの入力信号が与
えられ、第2段〜最終段には、各段に対応する遅延回路
の出力がそれぞれ与えられる利得調整回路と、各利得調
整回路の出力を加算する加算器とを含むことを特徴とす
る。
【0017】また本発明は、無限インパルス応答フィル
タは、無限インパルス応答フィルタへの入力信号が与え
られる加算器に、その加算器からの出力が与えられる利
得調整回路と遅延回路とを経た信号をフィードバックし
て与える構成を有することを特徴とする。
【0018】本発明に従えば、FIRフィルタは、その
インパルス応答が有限時間長で表されるものであり、そ
れがフィルタの係数となっている。このFIRフィルタ
の伝達関数の周波数応答および直線位相特性は、この伝
達関数のフィルタ係数を決定して、行うことができる。
FIRフィルタでは、直線位相特性を正確に、しかも容
易に実現することができ、常に安定なフィルタを実現す
ることができ、フィルタの係数を多くすることによっ
て、鋭いカットオフ特性を得ることが容易に可能であ
る。
【0019】IIRフィルタは、インパルス応答が無限
に続く構成を有する。IIRフィルタでは、周波数特性
を平坦にしたとき、位相特性が周波数に対応して大きく
変化してしまう。このIIRフィルタでは、前述のFI
Rフィルタに比べて、演算処理が簡単であるという利点
がある。
【0020】本発明では、FIRフィルタおよびIIR
フィルタは、デジタルフィルタであって、マイクロコン
ピュータなどを用いて実現することができる。
【0021】また本発明は、音響信号を発生する音響信
号源と、音響信号源からの音響信号を複数の周波数帯域
毎の各チャネルに分割する各チャネル毎の無限インパル
ス応答フィルタと、各無限インパルス応答フィルタの後
段または前段にそれぞれ縦続接続されて設けられ、無限
インパルス応答フィルタによる位相の変化を打消す特性
を有する有限インパルス応答フィルタと、無限インパル
ス応答フィルタまたは有限インパルス応答フィルタのう
ちの後段の出力をそれぞれ増幅する増幅回路と、各増幅
回路からの出力によってそれぞれ駆動されるスピーカと
を含むことを特徴とする音響装置である。
【0022】本発明に従えば、FIRフィルタを用いた
音響装置を、チャネルデバイダと組合わせて用いる場
合、チャネルデバイダを、FIRフィルタで構成せず、
各チャネル毎のFIRフィルタに、チャネルデバイダの
逆特性をたたみ込むことによって、音響装置としての直
線位相特性を生かしながら、チャネルデバイダの構成を
簡素化することができる。このチャネルデバイダとし
て、IIRフィルタを用いる。IIRフィルタを用いる
ことによって、デジタル演算処理量を少なくすることが
でき、コスト的に有利である。この反面、IIRフィル
タを用いることによって、位相特性の乱れが大きくなっ
てしまう。したがってせっかくFIRフィルタでイコラ
イザを構成したとしても、直線位相特性を実現すること
ができなくなる。そこで本発明では、車載用音響装置な
どにおいて車両の車室の特性および聴取者の好みの音質
などに応じて、音響特性を変化するためのイコライザと
してFIRフィルタを用いる構成において、このFIR
フィルタのフィルタ係数を算出する段階で、この所望す
るイコライザ特性の伝達関数と、そのイコライザの前段
または後段に設けてあるチャネルデバイダであるIIR
フィルタの伝達関数とをたたみ込み、こうして得られた
フィルタ係数を設定することによって、チャネルデバイ
ダとイコライザとの位相を合成した直線位相特性を得る
ことができる。しかもチャネルデバイダではIIRフィ
ルタを用いることによって演算処理量を、FIRフィル
タに比べて大幅に削減することができる。
【0023】IIRフィルタを、チャネルデバイダとし
て用いることによって、周波数特性を任意に選ぶことが
でき、遮断周波数を希望する値に選ぶことが容易であ
る。しかもイコライザとしてのFIRフィルタでは、直
線位相特性が得られるので、出力の位相が、周波数に拘
わらず変化せず一定であり、各チャネルを設定すること
によって、位相特性が変化してしまうおそれはない。
【0024】また本発明は、有限インパルス応答フィル
タは、予め定める遅延時間がそれぞれ設定され、縦続接
続される複数n段の遅延回路と、遅延回路の数nよりも
1だけ多い複数(n+1)段の利得調整回路であって、
初段には有限インパルス応答フィルタへの入力信号が与
えられ、第2段〜最終段には、各段に対応する遅延回路
の出力がそれぞれ与えられる利得調整回路と、各利得調
整回路の出力を加算する加算器とを含み、無限インパル
ス応答フィルタは、無限インパルス応答フィルタへの入
力信号が与えられる加算器に、その加算器からの出力が
与えられる利得調整回路と遅延回路とを経た信号をフィ
ードバックして与える構成を有し、各無限インパルス応
答フィルタの遮断周波数をそれぞれ達成するための無限
インパルス応答フィルタに含まれる各利得調整回路の利
得を表す第1データをストアする第1メモリと、第1メ
モリの第1データによって設定された利得を有する利得
調整回路を備えた各無限インパルス応答フィルタの位相
の変化を打消すための有限インパルス応答フィルタに含
まれる各利得調整回路の利得を表す第2データをストア
する第2メモリと、第1メモリにストアされた第1デー
タによって無限インパルス応答フィルタの利得調整回路
の利得を設定し、第2メモリにストアされた第2データ
によって有限インパルス応答フィルタの利得調整回路の
利得を設定する制御手段とを含むことを特徴とする。
【0025】本発明に従えば、チャネルデバイダを構成
するIIRフィルタの周波数特性を決定し、その周波数
特性に対応したIIRフィルタの利得調整回路の利得
を、第1メモリにおいてストアして設定する。このチャ
ネルデバイダを構成するIIRフィルタでは、上述のよ
うに周波数特性が決定されることによって、その位相特
性が決まる。このIIRフィルタの位相特性を打ち消す
ために、イコライザを構成するFIRフィルタの位相特
性が決まり、このFIRフィルタの位相特性を達成する
ためのFIRフィルタの利得調整回路の利得が、第2メ
モリにストアされる。こうして第2メモリにストアされ
る第2データは、チャネルデバイダとして働くIIRフ
ィルタの周波数特性を達成する第1メモリの第1データ
に対応する。
【0026】こうして第1および第2メモリにストアさ
れた第1および第2データによって、IIRフィルタお
よびFIRフィルタの音響特性を制御手段によって設定
することができる。
【0027】また本発明は、第2データは、相互に異な
る複数種類の周波数特性毎に、第2メモリにストアさ
れ、前記複数種類の周波数特性を選択する入力手段がさ
らに備えられ、制御手段は、入力手段の出力に応答し、
選択された周波数特性に対応した第2データを第2メモ
リからそれぞれ読出して有限インパルス応答フィルタの
利得調整回路の利得を設定することを特徴とする。
【0028】本発明に従えば、イコライザとして働くF
IRフィルタの第2データは、FIRフィルタが達成す
べき複数種類の周波数特性毎に設定される。このFIR
フィルタは、たとえば周波数特性が、(a)平坦であ
り、(b)低域を強調し、もしくは減衰し、または
(c)高域を強調し、もしくは減衰するなどの特性を有
する。こうしてチャネルデバイダのIIRフィルタの位
相の変化を打ち消すための位相特性を有し、かつこれら
の複数種類の周波数特性のうち、入力手段によって選択
された1つの周波数特性を達成するように、イコライザ
のFIRフィルタにおける利得調整回路の利得が、予め
演算されて、逆周波数特性の種類毎に、第2メモリに予
めストアしておく。こうして入力手段によって希望する
周波数特性を選択して音質の変化を得ることが容易に可
能である。
【0029】また本発明は、入力手段は、有限インパル
ス応答フィルタの利得の周波数特性を補正して変化する
第3データを入力可能であり、制御手段は、第3データ
によって第2データを補正することを特徴とする。
【0030】本発明に従えば、入力手段によって第3デ
ータを入力し、第2メモリにストアされた第2データを
補正することができる。これによって希望する音質を、
聴取者の好みに応じて変化して徴調整することが容易で
ある。
【0031】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の実施の一形態の
全体の構成を示すブロック図である。この音響装置1
は、自動車などの車両に搭載される。音響信号源2は、
たとえば磁気テープおよびコンパクトディスクなどの記
録媒体の再生装置、ラジオ受信機などであって、音響信
号を導出する。アナログ/デジタル(略称A/D)変換
器3は、音響信号源2からのアナログ音響信号を、デジ
タル音響信号に変換し、イコライジング処理を行うため
に縦続接続された有限インパルス応答(FIR)フィル
タ4と無限インパルス応答(IIR)フィルタ5に与え
られる。これらのフィルタ4,5は、マイクロコンピュ
ータなどによって実現される処理回路6において、デジ
タル演算処理されて実現される。フィルタ4,5からの
デジタル音響信号は、デジタル/アナログ(略称D/
A)変換器7によってアナログ音響信号に変換され、増
幅回路8に与えられて、車室内に設けられたスピーカ9
が駆動される。車室は、参照符10で示される。この車
室10内の音響は、運転者などの車室10内における聴
取者11によって聴取される。
【0032】図2は増幅回路8の周波数特性を示し、図
3はスピーカ9の周波数特性を示し、図4は車室10の
周波数特性を示し、図5は聴取者11の耳で聴取した頭
部の伝達関数である周波数特性を示す。図2〜図5にお
ける横軸は周波数であり、縦軸は利得である。本発明の
実施の一形態では、FIRフィルタ4は、増幅回路8と
スピーカ9との図2および図3に示される周波数特性お
よび図示されていない位相特性の各特性を打ち消して平
坦に直線状になるように補正する。さらにIIRフィル
タ5によって、車室10内の聴取者11の聴感に最適な
音質が得られるように、周波数特性および位相特性を補
正する。
【0033】FIRフィルタ4の周波数および位相の各
特性を設定するためのフィルタ係数は、増幅回路8およ
びスピーカ9の各音響特性に対応してたとえばリードオ
ンリメモリ12にストアされる。このメモリ12にスト
アされたデータは、ランダムアクセスメモリ13に読出
されて、FIRフィルタ4の特性を実現するために用い
られる。またIIRフィルタ5の標準的な音響特性を実
現するためのフィルタ係数がリードオンリメモリ14に
ストアされ、ランダムアクセスメモリ15に読出され、
押釦などによって実現される入力手段16によってその
メモリ15のデータが補正され、IIRフィルタ5の周
波数および位相の音響特性が実現される。FIRフィル
タ4のためのメモリ12にストアされるデータは、音響
源2から平坦な周波数特性を有する音響信号が出力され
るとき、たとえば無響室内でスピーカ9の直前に配置さ
れたマイクロホンの出力とに基づいて、周波数特性が平
坦になるように、かつ位相特性が直線状になるように、
FIRフィルタ4のフィルタ係数が設計演算され、こう
して得られたデータがメモリ12にストアされる。こう
して物理計測によって、スピーカ9をそれよりも音響信
号の上流側の各構成要素2〜8による音響特性の平坦な
直線状になるように正確に補正することができる。さら
に聴取者11は、入力手段16を操作し、希望する音質
が得られるように、メモリ14のデータを基準にして、
補正することができる。
【0034】図6は、FIRフィルタ4とIIRフィル
タ5とを示す電気回路図である。FIRフィルタ4は、
遅延回路群18と利得調整回路hと加算器19とを含
み、加算器19の出力はライン20からIIRフィルタ
5に与えられる。
【0035】図7は、FIRフィルタ4の具体的な構成
を示す電気回路図である。遅延回路群18は、複数n段
の縦続接続された遅延回路Z1〜Znから成り、デジタ
ル音響信号は、その初段の遅延回路Z1に与えられる。
利得調整回路h0〜hnは、総括的に参照符hで前述の
ように示される。この利得調整回路h0〜hnは、遅延
回路Z1〜Znの数nよりも1だけ多い複数(n+1)
段設けられる。初段の利得調整回路h0には、このFI
Rフィルタ4へのデジタル音響信号である入力信号が与
えられる。第2段〜最終段の利得調整回路h1〜hnに
は、各段に対応する遅延回路Z1〜Znへの出力がそれ
ぞれ与えられる。
【0036】これらの各利得調整回路h0〜hnの出力
は、加算器19によって加算される。遅延回路Z1〜Z
nは同一構成を有し、入力される音響信号のサンプリン
グ周期Tだけ遅延する。FIRフィルタ4の伝達関数H
(z)は、式1で示される。
【0037】
【数1】 利得調整回路h0〜hnの利得を同一の参照符で示し、
遅延回路Z1〜Znの各伝達関数をz-1で示す。利得遅
延回路h0〜hnの利得であるフィルタ係数{hk}を
設定することによって、FIRフィルタ4の希望する周
波数特性および位相特性を得ることができる。
【0038】図8は、FIRフィルタ4の周波数特性2
1を示す図である。音響信号源2から全周波数帯域にわ
たって平坦な振幅を有する音響信号が出力され、かつフ
ィルタ4,5が省略された構成において、スピーカ9か
らは周波数特性22を有する音響出力が得られるものと
する。この周波数特性22は、前述の図2および図3に
示される周波数特性を合成した特性であり、さらにその
他の構成要素2,3,7などの周波数特性が合成されて
含まれてもよい。FIRフィルタ4の周波数特性21
は、このような少なくとも増幅回路8およびスピーカ9
の周波数特性の逆特性を有し、このようなFIRフィル
タ4を介在することによって、合成された平坦な周波数
特性を実現することができる。
【0039】図9は、FIRフィルタ4の位相特性23
を示す図である。図9の横軸は周波数であり、縦軸は位
相である。この位相特性23は、前述の周波数特性22
と同様に、音響源2、A/D変換器3、D/A変換器
7、増幅回路8およびスピーカ9の合成された位相特性
24を打ち消す逆特性を有する。したがってFIRフィ
ルタ4が介在されることによって、音響源2からの音響
信号のスピーカ9から出力される位相特性は、直線性を
有し、位相のずれが生じない。図8の周波数特性21お
よび図9の位相特性23が達成されるように、メモリ1
2には、利得調整回路h0〜hnの各利得が設定されて
ストアされる。
【0040】図10は、IIRフィルタ5の一部5aの
基本的構成を示すブロック図である。IIRフィルタ5
は、ライン20からのデジタル音響信号が入力信号とし
て与えられる加算器26に、その加算器26からライン
27を介する出力が与えられる利得調整回路b1,b2
と遅延回路Z11,Z12とを経た信号をフィードバッ
クで与える構成を有する。加算器26のライン20側に
は、利得遅延回路a0,a1,a2と遅延回路Z21,
Z22とを経た信号を与える。このような図10に示さ
れる2次IIRフィルタ5aが、複数段(たとえば図6
では3段)縦続接続されてIIRフィルタ5が構成され
る。
【0041】IIRフィルタ5の利得調整回路Z11,
Z12,Z21,Z22などの利得を変化することによ
って、図11に示される希望する周波数特性を得ること
ができ、このような各利得を、メモリ14に予めストア
しておき、希望する周波数特性に対応した利得を、入力
手段16によって選択する。図11(1)では、IIR
フィルタ5による周波数特性は、参照符28で示される
ように平坦であってもよく、または強調された特性29
であってもよく、さらに減衰された特性30であっても
よい。さらに図11(2)に示されるように低域を強調
する特性31を得るようにしてもよく、低域を減衰する
特性32を得るようにしてもよく、さらに高域を強調す
る特性33を得るようにしてもよく、さらに高域を減衰
する特性34を得るようにしてもよい。さらに図11
(3)に示されるように、IIRフィルタ5によってロ
ーパスフィルタの特性34aを得るようにしてもよく、
またはバイパスフィルタの特性35aを得るようにして
もよい。このような各特性28〜35の各特性を得るた
めのIIRフィルタ5に含まれる利得調整回路の利得
が、前述のようにメモリ14にストアされ、入力手段1
6によって選択可能である。車室10内の聴取者11
は、入力手段16を操作し、周波数特性28〜35のう
ちの1つを選択し、これによってメモリ14から読出さ
れた利得調整回路の利得を表すデータがメモリ15に読
出され、IIRフィルタ5の周波数特性が設定される。
【0042】本発明の実施の他の形態では、FIRフィ
ルタ4によって、車室10の周波数および位相の各特性
を含めた合成された各特性を打ち消す特性を有するよう
に、FIRフィルタ4を構成する利得調整回路h0〜h
nの利得が、設定されるように、メモリ12にそのデー
タがストアされてもよい。本発明の実施の他の形態で
は、IIRフィルタ5に代えて、抵抗、コンデンサ、演
算増幅回路、コイルなどを用いたアナログフィルタであ
ってもよい。FIRフィルタ4とIIRフィルタ5と
は、縦続接続される前後はいずれであってもよい。
【0043】FIRフィルタ4では、不慣れな聴取者1
1がその周波数特性を細かく正確に調整することは、一
般には困難である。このFIRフィルタ4のタップ数を
多くすることによって、聴取可能な周波数帯域を低域ま
で広げることができ、またサンプリング周波数Fs(た
とえば44.1kHz)の1/2の周波数まで出力する
ことができる。FIRフィルタ4では、利得調整回路の
利得を調整することによって、周波数特性と位相特性と
を独立に設定することができるという優れた利点があ
る。したがって本発明では、FIRフィルタ4を用い
て、スピーカ9の特性または車室10の伝達関数を含め
た周波数特性が平坦になるように、かつ位相特性が直線
性をもつように、すなわち周波数に拘わらず位相が乱れ
ないように設定することができる。IIRフィルタ5を
用いて、聴取者11の個人の好みによって、または頭部
の位置によって、さらには車室10の変化に応じて、希
望する周波数特性および位置特性を得るようにする。I
IRフィルタ5では、振幅と位相の特性を独立して調整
することはできず、たとえば入力手段16によってその
IIRフィルタ5の振幅のみ、すなわち周波数特性のみ
を調整し、位相の調整を行わないようにしてもよく、ま
たは位相の単純な調整のみを行うようにしてもよい。
【0044】図12は、本発明の実施の一形態の音響装
置41のブロック図である。この実施の形態は、前述の
実施の形態に類似し、対応する部分には同一の参照符を
付す。音響信号源2からのアナログ音響信号は、A/D
変換器3によってデジタル音響信号に変換され、チャネ
ルデバイダを構成するIIRフィルタ42,43にそれ
ぞれ与えられる。これらのフィルタ42,43からの出
力は、音質を調整するためのイコライザを構成するFI
Rフィルタ44,45にそれぞれ与えられる。フィルタ
44,45からのデジタル音響信号は、D/A変換器7
a,7bによってアナログ音響信号に変換され、増幅回
路8a,8bによってツィータおよびウーファなどのス
ピーカ9a,9bが駆動される。こうしてこの実施の形
態では2ウエイのマルチチャネル音響装置41が実現さ
れる。音響信号源2からの音響信号は、たとえば右信号
であり、左信号は、図12におけるA/D変換器3以降
の構成要素が設けられ、ステレオ再生を行うようにして
もよい。
【0045】図13は、IIRフィルタ42,43およ
びFIRフィルタ44,45に関連する構成を示すブロ
ック図である。各IIRフィルタ42,43は、前述の
IIRフィルタ5と同様な構成を有する。またFIRフ
ィルタ44,45は、前述のFIRフィルタ4と同様な
構成を有する。IIRフィルタ42,43のための複数
(たとえばこの実施の形態では2ウエイ)の周波数帯域
毎の各チャネルに分割するための第1データは、リード
オンリメモリ46にストアされる。またイコライザとし
て働くFIRフィルタ44,45の音質調整のための第
2データは、もう1つのリードオンリメモリ47にスト
アされる。これらのメモリ46,47からの第1および
第2データは、ランダムアクセスメモリ48,49;5
0,51に読出され、各IIRフィルタ42,43;各
FIRフィルタ44,45にそれぞれ与えられる。押釦
などによって実現される入力手段16は、音質調整のた
めのメモリ47にストアされた第2データを選択する。
【0046】メモリ46には、IIRフィルタ42,4
3のための第1データが、ストア領域46a,46bに
それぞれストアされる。これらの各ストア領域46a,
46bの第1データは、メモリ48,49にそれぞれ読
出され、IIRフィルタ42,43に設定される。
【0047】図14は、音響信号源2からの音響信号の
特性を示す図である。この音響信号源2からの音響信号
は、図14(1)の周波数特性で示されるように、全て
の周波数にわたって振幅が一定であり、すなわち利得が
一定である。またこの音響信号源2からの音響信号は、
図14(2)に示されるように全ての周波数帯域にわた
って位相が零である。このような図14に示される音響
特性を有する音響信号がA/D変換器3を経てチャネル
デバイダとしてのIIRフィルタ42,43に与えられ
る。
【0048】図15は、チャネルデバイダであるIIR
フィルタ42,43の周波数特性を示す図である。高域
のためのIIRフィルタ42は、参照符52で示される
ハイパスフィルタの特性を有する。低域のためのIIR
フィルタ43は、参照符53で示されるローパスフィル
タの特性を有する。これらのフィルタ42,43の遮断
周波数fcは、たとえば5kHzであってもよい。メモ
リ46には、フィルタ42,43によって周波数特性5
2,53がそれぞれ達成されるように、利得調整回路a
0,a1,a2;b1,b2(前述の図10参照)など
の利得が設定される。
【0049】図16は、チャネルデバイダとして働くI
IRフィルタ42,43の位相特性を示す図である。I
IRフィルタ42が、前述の図15の周波数特性52を
有することによって、このIIRフィルタ42は、図1
6(1)に示される位相特性54を有することになる。
またIIRフィルタ43が図15の周波数特性53を有
することによって、このIIRフィルタ43は、図16
(2)で示される位相特性55を有することになる。
【0050】イコライザとして働くFIRフィルタ4
4,45は、IIRフィルタ42,43による図16に
示される位相の乱れを補正し、かつ聴取者の好みの音質
を達成するように、周波数特性および位相特性が設定さ
れる。
【0051】図17は、イコライザとして働くFIRフ
ィルタ44,45の周波数特性を示す図である。FIR
フィルタ44は、参照符57で示される平坦な周波数特
性と、高域強調特性58と高域減衰特性59とを実現す
ることができる。FIRフィルタ45は、平坦な周波数
特性61と低域強調特性62と低域減衰特性63とを選
択して達成することができる。
【0052】図18は、FIRフィルタ44,45の位
相特性を示す図である。FIRフィルタ44は、IIR
フィルタ42の図16(1)に示される位相特性54を
打ち消すようにした逆特性64を有する。またFIRフ
ィルタ45は、IIRフィルタ43の図16(2)に示
される位相特性55を打ち消すようにした図16(2)
に示される逆特性65を有する。
【0053】メモリ47には、FIRフィルタ44が常
に図16(1)の位相特性64を有し、しかも周波数特
性57,58,59を選択的に有することができるため
の第1データが、ストア領域57a,58a,59aに
それぞれストアされる。さらにFIRフィルタ45が図
16(2)の位相特性65を常に有し、しかも図17の
周波数特性61,62,63を選択的に有することがで
きるためのデータが、ストア領域61a,62a,63
aにそれぞれストアされる。入力手段16によって聴取
者がFIRフィルタ44,45の周波数特性57,5
8,59;61,62,63を選択することによって、
メモリ47の選択された特性に対応したストア領域57
a,58a,59a;61a,62a,63aからのデ
ータがメモリ50,51にそれぞれ読出され、これによ
ってFIRフィルタ44,45の各周波数特性57,5
8,59;61,62,63が達成される。
【0054】本発明の実施の他の形態では、チャネルデ
バイダとして働くIIRフィルタ42,43の複数種類
の遮断周波数を選択可能とし、これらの各周波数特性に
対応して、FIRフィルタ44,45のためのメモリ4
7が準備されて設けられてもよい。こうしてチャネルデ
バイダとして用いられるIIRフィルタ42,43は、
デジタル演算処理量が少ないという利点があり、このと
き前述の図15に関連して述べたように周波数特性5
2,53を設定することによって、図16に示される位
相特性が自動的に決まってしまい、このような位相の乱
れを防ぐために、周波数特性と位相特性とを個別的に設
定することができるという利点を有するFIRフィルタ
44,45を、イコライザまたは音質調整のために用い
る。
【0055】
【発明の効果】請求項1の本発明によれば、デジタル信
号処理によって音響信号のイコライジング処理を行う場
合、FIRフィルタともう1つのフィルタとを併用し、
それぞれに役割をもたせることによって、効率よい音響
調整が可能になる。すなわちFIRフィルタによって、
物理計測によって周波数特性および位相特性を含む音響
特性をたとえば平坦に直線状になるように正確に補正
し、スピーカおよび車室などの音響特性に応じて聴感補
正すべき音質調整を、前記もう1つのフィルタで行う。
こうしてデジタル演算処理量が少ないもう1つのフィル
タを用い、コストパフォーマンスが高いデジタル信号処
理を、聴取者の聴感に最適に正確に行うことができるよ
うになる。
【0056】請求項2の本発明によれば、前記もう1つ
のフィルタは、IIRフィルタであり、これによってデ
ジタル演算処理量を低減することができ、FIRフィル
タによって聴感では補正の難しい音響特性を物理的に補
正し、IIRフィルタでは物理計測では識別が難しい音
質調整を行うことによって、効率よく音響特性の補正が
可能になる。
【0057】請求項3の本発明によれば、FIRフィル
タによって増幅回路とスピーカと車室との周波数および
位相の各特性を打ち消して平坦な周波数特性を得るよう
にし、しかも周波数に拘わらず増幅回路とスピーカと車
室と音響信号の位相が乱れないようにすることが容易で
ある。
【0058】請求項4,5の本発明によれば、FIRフ
ィルタを用いて直線位相特性を正確に、しかも容易に実
現し、常に安定なフィルタを実現することができ、また
鋭いカットオフ特性を得ることが容易であり、IIRフ
ィルタを用いてデジタル演算処理量の低減を図ることが
できる。
【0059】請求項6の本発明によれば、チャネルデバ
イダとしてIIRフィルタを用い、FIRフィルタに、
このチャネルデバイダとして用いるIIRフィルタの位
相の逆特性をもたせて、システム全体として直線位相特
性を生かしながら、前述のようにIIRフィルタをチャ
ネルデバイダとして用いて構成を簡素化することができ
る。
【0060】請求項7の本発明によれば、第1メモリに
は、チャネルデバイダとしてのIIRフィルタの周波数
特性を設定するための第1データがストアされ、このI
IRフィルタの位相の乱れを打ち消すためであってかつ
希望する周波数特性を得るためのFIRフィルタの第2
データが第2メモリにストアされ、これらの第1および
第2メモリからのストア内容に基づいてIIRフィルタ
およびFIRフィルタの音響特性を実現することができ
る。こうしてチャネルデバイダとイコライザとの合成し
た直線位相特性を得ることができ、しかもデジタル演算
処理量を、前述のようにIIRフィルタを用いることに
よって、大幅に削減することができる。
【0061】請求項8の本発明によれば、音質調整を行
うイコライザとして働くFIRフィルタの周波数特性を
変化するための複数種類の第2データを、第2メモリに
ストアしておき、入力手段によってその複数種類の周波
数特性のうちの1つを選択し、これによって音響装置の
直線位相特性を保ちながら、聴取者の希望する音質の周
波数特性を得ることができる。
【0062】請求項9の本発明によれば、複数種類の各
周波数特性毎に、入力手段から第3データを入力して補
正し、これによって、聴取者の希望する周波数特性をさ
らに正確に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態の全体の構成を示すブロ
ック図である。
【図2】増幅回路8の周波数特性を示す図である。
【図3】スピーカ9の周波数特性を示す図である。
【図4】車室10の周波数特性を示す図である。
【図5】聴取者11の耳で聴取した頭部の伝達関数であ
る周波数特性を示す図である。
【図6】FIRフィルタ4とIIRフィルタ5とを示す
電気回路図である
【図7】FIRフィルタ4の具体的な構成を示す電気回
路図である。
【図8】FIRフィルタ4の周波数特性21を示す図で
ある。
【図9】FIRフィルタ4の位相特性23を示す図であ
る。
【図10】IIRフィルタ5の一部の基本的構成を示す
ブロック図である。
【図11】IIRフィルタ5によって得られる周波数特
性28〜34,34a,35aを示す図である。
【図12】本発明の実施の一形態の音響装置41のブロ
ック図である。
【図13】IIRフィルタ42,43およびFIRフィ
ルタ44,45に関連する構成を示すブロック図であ
る。
【図14】音響源2からの音響信号の特性を示す図であ
る。
【図15】チャネルデバイダであるIIRフィルタ4
2,43の周波数特性を示す図である。
【図16】チャネルデバイダとして働くIIRフィルタ
42,43の位相特性を示す図である。
【図17】イコライザとして働くFIRフィルタ44,
45の周波数特性を示す図である。
【図18】FIRフィルタ44,45の位相特性を示す
図である。
【符号の説明】
1 音響信号 2 音響信号源 3 A/D変換器 4,44,45 FIRフィルタ 5,42,43 IIRフィルタ 6 処理回路 7 D/A変換器 8 増幅回路 9 スピーカ 10 車室 11 聴取者 12,14,46,47 リードオンリメモリ 13,15,48,49,50,51 ランダムアクセ
スメモリ 16 入力手段 18 遅延回路 19,26 加算器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松井 英樹 兵庫県神戸市兵庫区御所通1丁目2番28号 富士通テン株式会社内 Fターム(参考) 5J030 AA02 AB03 AB04 AC01 AC09 AC10 AC16 AC20 AC21 AC22

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 音響信号を発生する音響信号源と、 音響信号源からの音響信号を補正する補正装置と、 補正装置の出力を増幅する増幅回路と、 増幅回路の出力によって駆動されるスピーカとを含み、 補正装置は、 有限インパルス応答フィルタと、 その有限インパルス応答フィルタの後段または前段に縦
    続接続されるもう1つのフィルタとを含み、 有限インパルス応答フィルタは、少なくとも増幅回路と
    スピーカとの周波数および位相の各特性を打消す特性を
    有するように構成されることを特徴とする音響装置。
  2. 【請求項2】 前記もう1つのフィルタは、無限インパ
    ルス応答フィルタであることを特徴とする請求項1記載
    の音響装置。
  3. 【請求項3】 スピーカは、車両の車室内に設けられ、 有限インパルス応答フィルタは、増幅回路とスピーカと
    車室との周波数および位相の各特性を打消す特性を有す
    るように構成されることを特徴とする請求項1または2
    記載の音響装置。
  4. 【請求項4】 有限インパルス応答フィルタは、 予め定める遅延時間がそれぞれ設定され、縦続接続され
    る複数n段の遅延回路と、 遅延回路の数nよりも1だけ多い複数(n+1)段の利
    得調整回路であって、初段には有限インパルス応答フィ
    ルタへの入力信号が与えられ、第2段〜最終段には、各
    段に対応する遅延回路の出力がそれぞれ与えられる利得
    調整回路と、 各利得調整回路の出力を加算する加算器とを含むことを
    特徴とする請求項1〜3のうちの1つに記載の音響装
    置。
  5. 【請求項5】 無限インパルス応答フィルタは、 無限インパルス応答フィルタへの入力信号が与えられる
    加算器に、その加算器からの出力が与えられる利得調整
    回路と遅延回路とを経た信号をフィードバックして与え
    る構成を有することを特徴とする請求項1〜3のうちの
    1つに記載の音響装置。
  6. 【請求項6】 音響信号を発生する音響信号源と、 音響信号源からの音響信号を複数の周波数帯域毎の各チ
    ャネルに分割する各チャネル毎の無限インパルス応答フ
    ィルタと、 各無限インパルス応答フィルタの後段または前段にそれ
    ぞれ縦続接続されて設けられ、無限インパルス応答フィ
    ルタによる位相の変化を打消す特性を有する有限インパ
    ルス応答フィルタと、 無限インパルス応答フィルタまたは有限インパルス応答
    フィルタのうちの後段の出力をそれぞれ増幅する増幅回
    路と、 各増幅回路からの出力によってそれぞれ駆動されるスピ
    ーカとを含むことを特徴とする音響装置。
  7. 【請求項7】 有限インパルス応答フィルタは、 予め定める遅延時間がそれぞれ設定され、縦続接続され
    る複数n段の遅延回路と、 遅延回路の数nよりも1だけ多い複数(n+1)段の利
    得調整回路であって、初段には有限インパルス応答フィ
    ルタへの入力信号が与えられ、第2段〜最終段には、各
    段に対応する遅延回路の出力がそれぞれ与えられる利得
    調整回路と、 各利得調整回路の出力を加算する加算器とを含み、 無限インパルス応答フィルタは、 無限インパルス応答フィルタへの入力信号が与えられる
    加算器に、その加算器からの出力が与えられる利得調整
    回路と遅延回路とを経た信号をフィードバックして与え
    る構成を有し、 各無限インパルス応答フィルタの遮断周波数をそれぞれ
    達成するための無限インパルス応答フィルタに含まれる
    各利得調整回路の利得を表す第1データをストアする第
    1メモリと、 第1メモリの第1データによって設定された利得を有す
    る利得調整回路を備えた各無限インパルス応答フィルタ
    の位相の変化を打消すための有限インパルス応答フィル
    タに含まれる各利得調整回路の利得を表す第2データを
    ストアする第2メモリと、 第1メモリにストアされた第1データによって無限イン
    パルス応答フィルタの利得調整回路の利得を設定し、第
    2メモリにストアされた第2データによって有限インパ
    ルス応答フィルタの利得調整回路の利得を設定する制御
    手段とを含むことを特徴とする請求項6記載の音響装
    置。
  8. 【請求項8】 第2データは、相互に異なる複数種類の
    周波数特性毎に、第2メモリにストアされ、 前記複数種類の周波数特性を選択する入力手段がさらに
    備えられ、 制御手段は、入力手段の出力に応答し、選択された周波
    数特性に対応した第2データを第2メモリからそれぞれ
    読出して有限インパルス応答フィルタの利得調整回路の
    利得を設定することを特徴とする請求項7記載の音響装
    置。
  9. 【請求項9】 入力手段は、有限インパルス応答フィル
    タの利得の周波数特性を補正して変化する第3データを
    入力可能であり、 制御手段は、第3データによって第2データを補正する
    ことを特徴とする請求項8記載の音響装置。
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