JP2000091784A - 電子装置及び電子装置の放射ノイズ低減方法 - Google Patents

電子装置及び電子装置の放射ノイズ低減方法

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JP2000091784A
JP2000091784A JP10252902A JP25290298A JP2000091784A JP 2000091784 A JP2000091784 A JP 2000091784A JP 10252902 A JP10252902 A JP 10252902A JP 25290298 A JP25290298 A JP 25290298A JP 2000091784 A JP2000091784 A JP 2000091784A
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power supply
ics
capacitor
radiation noise
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Yuichiro Matsuura
雄一郎 松浦
Kenzo Furusawa
憲三 古澤
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Denso Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電子装置からの放射ノイズを簡単な構成で確
実に低減させる。 【解決手段】 直流的に互いが非導通な2系統の電源パ
ターン10,12を介して別々の動作電圧Vmain,Vsu
b が供給される2つのIC1,2が、信号線6を介して
通信を行うように構成された電子装置30において、上
記2つの電源パターン10,12の間にコンデンサCを
接続する。この電子装置30によれば、一方のICが送
信することで、その送信側のICの電源パターンの電荷
量が落ち込むと共に、受信側のICの電源パターンの電
荷量が信号線6に伝達される信号のオーバーシュートに
よって過剰となる現象が生じる際に、受信側のICの電
源パターンの過剰な電荷がコンデンサCによって送信側
のICの電源パターンへ戻される。よって、2つのIC
1,2が通信を行う際に両IC1,2の動作電圧Vmai
n,Vsub が変動して発生する放射ノイズを、確実に低
減することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、信号線を介して通
信を行う2つのICを備えた電子装置に関し、特に、そ
の2つのICの各々に対して、直流的に互いが非導通の
2系統の電源パターンにより個別の動作電圧を供給する
ように構成された電子装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、例えば自動車のエンジンやト
ランスミッション等を制御する車載用の電子装置とし
て、信号線を介して通信を行う2つのICを備えると共
に、その2つのICの各々に対して、直流(DC)的に
互いが非導通の2系統の電源パターンを介し個別の動作
電圧を供給するように構成されたものがある。
【0003】ここで、こうした電子装置の構成の一例に
ついて、図7を用い具体的に説明する。図7に示すよう
に、この例の車載用電子装置100は、車両のイグニッ
ションスイッチ102がオンされている場合にのみバッ
テリ104のプラス端子(+)に接続される第1の電源
線+B1 と、バッテリ104のプラス端子(+)に常時
接続された第2の電源線+B2 と、バッテリ104のマ
イナス端子(−)及び車両のボディに接続された接地
(グランド:GND)線E1 とに接続されている。
【0004】そして、この電子装置100は、2つのI
C1,2と、イグニッションスイッチ102がオンされ
ている場合に第1の電源線+B1 を介して供給されるバ
ッテリ電圧(バッテリ104のプラス端子の電圧であ
り、通常12V)から、IC1が動作するための第1動
作電圧Vmain(この例では5V)を生成して出力するた
めの第1のトランジスタTr1 と、この第1のトランジ
スタTr1 によって出力される第1動作電圧Vmainか
ら、IC2が動作するための第2動作電圧Vsub (この
例では5Vよりも若干低い電圧)を生成して出力するた
めの第2のトランジスタTr2 と、上記2つのトランジ
スタTr1 ,Tr2 を制御する電源制御IC4とを備え
ている。
【0005】尚、この例の電子装置100では、上記2
つのIC1,2のうち、一方のIC1がマイクロコンピ
ュータであり、他方のIC2がRAMである。そして、
その2つのIC1,2は、複数の信号線6からなるバス
8によって互いに接続されており、そのバス8の各信号
線6を介してデータ転送のための通信を行う。
【0006】このように構成された電子装置100にお
いて、イグニッションスイッチ102がオンされている
場合には、電源制御IC4が、自己の端子P1 からの出
力電圧により第1のトランジスタTr1 のベース電流を
制御して、その第1のトランジスタTr1 のコレクタか
ら第1動作電圧Vmainを出力させる。そして、その第1
動作電圧Vmainは、当該電子装置100を構成するプリ
ント配線基板に形成された第1の電源パターン10を介
してIC1に供給される。
【0007】そして更に、イグニッションスイッチ10
2がオンされている場合には、電源制御IC4が、自己
の端子P2 からの出力電圧により第2のトランジスタT
r2のベース電流を制御して、その第2のトランジスタ
Tr2 のコレクタから第2動作電圧Vsub を出力させ
る。そして、その第2動作電圧Vsub は、当該電子装置
100を構成する上記プリント配線基板に形成された第
2の電源パターン12を介してIC2に供給される。
【0008】また、イグニッションスイッチ102がオ
フされると、第1のトランジスタTr1 から第1動作電
圧Vmainが出力されなくなる。そして、それに伴い、第
2のトランジスタTr2 からも第2動作電圧Vsub が出
力されなくなるが、この場合には、RAMであるIC2
に記憶された制御データを継続して保持するために、電
源制御IC4が、第2の電源線+B2 から自己の端子P
3 に入力されるバッテリ電圧を元にIC2用の上記第2
動作電圧Vsub を内部で生成し、その生成した第2動作
電圧Vsub を自己の端子P4 から上記第2の電源パター
ン12へ出力する。尚、電源制御IC4は、イグニッシ
ョンスイッチ102がオフされると、2つのトランジス
タTr1 ,Tr2 を共にオフさせる。
【0009】一方、図7に例示した電子装置100とは
異なる構成の電子装置として、例えば図8のような構成
の電子装置106も考えられる。即ち、図8に例示する
電子装置106では、図7の電子装置100と比較し
て、第2のトランジスタTr2 のエミッタが、第1のト
ランジスタTr1 のコレクタではなく、第2の電源線+
B2 に接続されている。そして、この電子装置106に
おいて、イグニッションスイッチ102がオンされてい
る場合には、電源制御IC4が、第1のトランジスタT
r1と第2のトランジスタTr2 とを両方共にオンさせ
て、第1の電源線+B1 から供給されるバッテリ電圧を
元に第1動作電圧Vmainを生成させると共に、第2の電
源線+B2 から供給されるバッテリ電圧を元に第2動作
電圧Vsub を生成させる。また、電源制御IC4は、イ
グニッションスイッチ102がオフされると、第1のト
ランジスタTr1 はオフさせるが、第2のトランジスタ
Tr2 はオンさせたままにする。尚、図8に例示する電
子装置106の場合、電源制御IC4の端子P4 は、第
2動作電圧Vsub の電圧値をモニタするための入力端子
として用いられる。
【0010】そして、図8のような電子装置106によ
っても、図7の電子装置100と同様に、イグニッショ
ンスイッチ102がオフされてIC1への第1動作電圧
Vmainの供給が停止されても、IC2へは第1の電源パ
ターン10とDC的に非導通である別系統の第2の電源
パターン12により継続して第2動作電圧Vsub が供給
されることとなり、IC2内の制御データを常時保持
(所謂メモリバックアップ)することができる。
【0011】ところで、図7及び図8に例示した電子装
置100,106のように、2系統の電源パターン1
0,12を介して別々の動作電圧Vmain,Vsub が供給
される2つのIC1,2が、信号線6を介して高速通信
を行う構成の場合には、両IC1,2が通信を行うこと
により、各動作電圧Vmain,Vsub が変動してノイズが
発生し、そのノイズが電子装置から外部への放射ノイズ
となる。
【0012】この放射ノイズの発生メカニズムについて
具体的に説明すると、例えば、図7及び図8に例示した
電子装置100,106において、IC1が信号線6に
ハイレベルの信号を出力する際には、図9に示すよう
に、IC1内の出力部14を構成するPチャネルMOS
トランジスタTa とNチャネルMOSトランジスタTb
とのうちでPチャネルMOSトランジスタTa の方がオ
ンされることとなるが、そのハイレベルの信号を出力す
るための電流は、図9における実線の矢印で示すよう
に、第1動作電圧Vmainから得ることとなる。
【0013】そのため、第1動作電圧VmainをIC1に
供給する第1の電源パターン10の電荷量は、図10
(A)に示すように、IC1がハイレベルを出力する毎
に安定電荷状態から落ち込み、それに伴い第1動作電圧
Vmainが変動することとなる。しかも、図9に示すよう
に、IC1の出力部14から出力される信号には、実際
には電源電圧(第1動作電圧Vmain)以上の電圧を伴っ
たオーバーシュートと呼ばれる高周波成分が含まれてい
る。よって、IC2側で信号を受ける際には、IC2内
の入力部16に備えられた2つの入力保護ダイオードD
a ,Db のうちでカソードが第2動作電圧Vsub に接続
された方の入力保護ダイオードDa を通って、図9にお
ける一点鎖線の矢印で示すように、上記高周波成分が第
2動作電圧Vsub に混入することとなる。
【0014】このため、第2動作電圧Vsub をIC2に
供給する第2の電源パターン12の電荷量は、図10
(B)に示すように、IC1がハイレベルの信号を出力
する毎に安定電荷状態からパルス的に増大し、それに伴
い第2動作電圧Vsub が変動することとなる。
【0015】そして、このように第1動作電圧Vmainと
第2動作電圧Vsub が変動すると、その各動作電圧Vma
in,Vsub の電源系全体の回路で電気的に不安定な状態
となり、元の安定した状態へ戻るために、ノイズ放射と
いう形でエネルギーのバランスを取ることとなる。そし
て、これが電子装置からの放射ノイズの原因となる。
【0016】尚、図9及び図10は、IC1が信号を送
信し、その信号をIC2が受信する場合を表している
が、上記放射ノイズの発生メカニズムは、IC2が信号
を送信し、その信号をIC1が受信する場合でも同様で
ある。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】ここで、上記のように
2つのICが通信を行うことによって発生する放射ノイ
ズレベルを低減するための方法としては、まず、従来か
ら採用されているように、各ICの電源パターンとグラ
ンドパターンとの間に、バイパスコンデンサと呼ばれる
コンデンサを夫々設けて、各動作電圧の安定化を図るこ
とが考えられる。
【0018】具体例を挙げると、図7及び図8に示すよ
うに、IC1側の第1の電源パターン10とグランドパ
ターン(バッテリ104のマイナス端子に接続されてい
る配線パターン)18との間にバイパスコンデンサとし
てのコンデンサ20を接続し、同様に、IC2側の第2
の電源パターン12とグランドパターン18との間にバ
イパスコンデンサとしてのコンデンサ22を接続する。
【0019】しかしながら、このようなバイパスコンデ
ンサを設ける従来の方法では、各IC自身が動作するこ
とだけに起因して発生する動作電圧の変動を抑制するの
には効果があるが、他のICと信号線を介して高速通信
を行うことで発生する各動作電圧の変動に対しては、充
分な効果を発揮することができない。
【0020】特に、この方法の場合には、各IC毎に設
けられるバイパスコンデンサの容量や接続位置等を適宜
調整して、放射ノイズ対策を行うこととなるが、例えば
車両用の電子装置においては、電子装置単体での電源パ
ターンとグランドパターンとの間のインピーダンスと、
車両搭載状態での電源パターンとグランドパターンとの
間のインピーダンスとには差が生じるため、調整がうま
くとれない。つまり、各IC毎に設けたバイパスコンデ
ンサの容量等を電子装置が単体の状態で調整しても、電
子装置を車両に搭載した状態では条件が違ってしまい、
放射ノイズを容易且つ確実に低減することができない。
【0021】一方、放射ノイズを低減するための別の方
法として、2つのICを接続する信号線に対して直列に
抵抗器或いはインダクタンスを挿入する方法もある。つ
まり、この方法では、信号を出力する側のICからの流
出電流を抑制することで、そのICの動作電圧の安定化
を図る効果と、信号線に流れる電流を抑制することで、
その信号線の周囲で形成される電流変化に起因した磁界
変化を抑える効果とにより、放射ノイズを低減させるの
である。
【0022】しかしながら、この方法では、2つのIC
間に信号線が多数ある場合に、その各信号線に対して抵
抗器或いはインダクタンスを挿入しなければならず、近
年における電子装置の小型化及び高集積化の傾向を考慮
すると、不利な面が大きい。特に、車載用の電子装置で
は、図7及び図8に例示したように、2つのICはバス
を形成する複数の信号線によって互いに接続される場合
が多く、しかも、車載用の電子装置は、自動車という限
られた空間内に配置されるため、その大きさには制限が
ある。よって、信号線に対して抵抗器或いはインダクタ
ンスを挿入する方法は、車両用の電子装置に採用できな
い場合が多い。
【0023】一方、プリント配線基板における電源パタ
ーンとグランドパターンの面積を拡大することも、放射
ノイズを低減させるための1つの方法として考えられ
る。つまり、電源パターンとグランドパターンの静電容
量を増大させて、動作電圧の変動を抑制するのである。
【0024】しかしながら、この方法も、近年における
電子装置の小型化及び高集積化の傾向を考慮すると、電
源パターンとグランドパターンの面積を拡大するのには
限度があるため、充分な効果を得ることができない。本
発明は、こうした問題に鑑みなされたものであり、電子
装置からの放射ノイズを簡単な構成で確実に低減させる
ことを目的としている。
【0025】
【課題を解決するための手段、及び発明の効果】上記目
的を達成するためになされた本発明の電子装置は、信号
線により互いに接続されて通信を行う2つのICと、そ
の各ICに夫々対応して設けられ、対応する方のICが
動作するための動作電圧を出力する2つの電力供給手段
と、直流的に互いが非導通に形成され、前記2つの電力
供給手段から夫々出力される動作電圧の各々を、前記2
つのICのうちで該当する方のICに供給する2つの電
源パターンとを備えているが、特に、前記2つの電源パ
ターンの間にコンデンサが接続されている。
【0026】つまり、本発明の電子装置では、図7及び
図8に例示した電子装置100,106と同様に、直流
的に非導通な2系統の電源パターンを介して2つのIC
の各々へ別々の動作電圧が供給され、その2つのICが
信号線を介して通信を行うように構成されているが、各
ICへ動作電圧を供給する2つの電源パターンを、コン
デンサによって交流(AC)的に結合するようにしてい
る。
【0027】このような本発明の電子装置によれば、図
9及び図10を用いて前述したように、一方のICが送
信することで、その送信側のICの電源パターンの電荷
量が落ち込むと共に、受信側のICの電源パターンの電
荷量が信号線に伝達される信号のオーバーシュートによ
って過剰となる現象が生じる際に、受信側のICの電源
パターンの過剰な電荷がコンデンサによって送信側のI
Cの電源パターンへ戻されることとなる。
【0028】つまり、2つの電源パターン間に接続され
たコンデンサにより、図4における点線の矢印で示すよ
うに、送信側のICの電源パターンから受信側のICの
電源パターンに移動する過剰な電荷を元の位置へ戻す経
路が形成され、その結果、各ICの動作電圧の変動が相
殺されることとなる。
【0029】よって、本発明の電子装置によれば、2つ
のICが通信を行う際に両ICの動作電圧が変動して発
生する放射ノイズを、確実に低減することができる。し
かも、2つのICの各動作電圧は、当該電子装置に設け
られた2つの電力供給手段から一定電圧として出力され
るため、2つの電源パターンのコンデンサによる結合
(コンデンサ結合)は、当該電子装置の外部における配
線状態等の外部条件の影響を受け難いものとなる。この
ため、当該電子装置単体で、コンデンサの容量や接続位
置等を調整しても、実際の使用状態と大差なく放射ノイ
ズの低減効果を発揮することができ、装置の開発時間を
短縮することができる。
【0030】また更に、本発明の電子装置によれば、放
射ノイズの低減効果だけではなく、外来ノイズの照射を
受けた場合にも、効果を発揮することができる。つま
り、外来ノイズによって各ICの動作電圧が変動するよ
うな場合に、コンデンサには、その電圧変動を平滑する
ように電流が流れることとなり、コンデンサによって交
流的には各電源パターンの面積及び静電容量を大きくし
たのと同様の電圧変動抑制効果が得られるからである。
【0031】このように本発明の電子装置によれば、当
該装置からの放射ノイズを簡単な構成で確実に低減する
ことができ、外来ノイズの影響も受け難くなる。ところ
で、送信側のICと受信側のICとが決まっているので
あれば、コンデンサとしては極性の有るコンデンサを用
いることができるが、請求項2に記載のように、コンデ
ンサとして、電流を双方向に流すことができる極性の無
いコンデンサを用いれば、2つのICが送受信を行う場
合であっても、信頼性を損ねることなく前述した放射ノ
イズ低減効果を得ることができる。
【0032】尚、極性の無いコンデンサとしては、一般
的にフィルムコンデンサや積層セラミックコンデンサが
ある。また、アルミ電解コンデンサの中にも、種類によ
っては極性が無いものがある。一方、電源パターン上で
の電圧変動は、水面に波紋が広がるのと同様に、発生源
を中心にして放射状に拡散する傾向がある。
【0033】そこで、請求項3に記載のように、前記コ
ンデンサ(2つの電源パターンの間に接続されるコンデ
ンサ)を複数個備え、その各コンデンサを、当該電子装
置を構成するプリント配線基板における複数箇所に夫々
設けるようにすれば、ICの動作電圧の変動を効率的に
抑制して放射ノイズをより確実に低減させることができ
る。
【0034】また、請求項4に記載のように、前記コン
デンサと直列に抵抗器或いはインダクタンスを接続する
ように構成すれば、外来ノイズの影響を一層抑制するこ
とができる。つまり、外来ノイズの照射を受けて不安定
になった動作電圧を平滑にするようにコンデンサに流れ
る電流を、抵抗器或いはインダクタンスによって熱に変
換することができ、ノイズ耐量を向上させることができ
るからである。
【0035】一方、本発明の放射ノイズ低減方法は、請
求項5に記載のように、信号線により互いに接続され、
該信号線を介して通信を行う2つのICと、その各IC
に夫々対応して設けられ、対応する方のICが動作する
ための動作電圧を出力する2つの電力供給手段と、直流
的に互いが非導通に形成され、前記2つの電力供給手段
から夫々出力される動作電圧の各々を、前記2つのIC
のうちで該当する方のICに供給する2つの電源パター
ンとを備えた電子装置に用いられ、該電子装置から放射
される放射ノイズを低減するための方法であって、前記
2つの電源パターンの間にコンデンサを接続することを
特徴としている。
【0036】そして、この放射ノイズ低減方法によれ
ば、請求項1に記載の電子装置を得ることができ、前述
したように、放射ノイズを簡単な構成で確実に低減でき
ると共に、外来ノイズの影響を受け難い電子装置を得る
ことができる。
【0037】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態につい
て、図面を用いて説明する。まず図1は、第1実施形態
の電子装置30の主要部を表す回路図である。尚、本第
1実施形態の電子装置30は、図7及び図8に例示した
電子装置100,106と同様に、自動車に搭載されて
エンジンやトランスミッション等の制御対象を制御する
ものであり、その全体構成及び外部配線は図7の電子装
置100と同じである。そして、図1は、2つのIC
1,2を中心にして回路図を示したものである。また、
以下に説明する図1を始めとする各図において、前述し
た図7〜図10と同じ構成要素及び電圧名については、
同一の符号を付しているため、詳しい説明は省略する。
【0038】図1に示すように、本第1実施形態の電子
装置30は、図7に示した従来の電子装置100と比較
して、第1のトランジスタTr1 から出力される第1動
作電圧VmainをIC1に供給する第1の電源パターン1
0と、第2のトランジスタTr2 或いは電源制御IC4
の端子P4 から出力される第2動作電圧Vsub をIC2
に供給する第2の電源パターン12との間に、コンデン
サCが接続されている。
【0039】尚、前述したように、第1の電源パターン
10と第2の電源パターン12は、DC的に非導通であ
る。これは、第1動作電圧Vmainが落ちている際に(つ
まり、イグニッションスイッチ102のオフ時に)、第
2の電源パターン12から第1の電源パターン10へ第
2動作電圧Vsub が回り込んでIC1が動作することが
ないようにするためである。そして、放射ノイズ発生の
主要素であるAC成分だけを流すために、コンデンサC
が選ばれている。
【0040】また、本実施形態では、図7に示されてい
る第1のトランジスタTr1 が、IC1に対応する方の
電力供給手段に相当し、第2のトランジスタTr2 と電
源制御IC4(特に、端子P4 から第2動作電圧Vsub
を出力する部分)が、IC2に対応する方の電力供給手
段に相当している。
【0041】ここで、本第1実施形態において、上記コ
ンデンサCは、実際には4個のコンデンサC1 〜C4 か
らなり、その4個のコンデンサC1 〜C4 は、図2のイ
メージ図のように実装されている。即ち、図2に示すよ
うに、当該電子装置30を構成するプリント配線基板3
2においては、IC2の周囲に第2の電源パターン12
が長方形状に形成されており、更に、その第2の電源パ
ターン12を囲むようにして第1の電源パターン10が
形成されている。そして、上記4個の各コンデンサC1
〜C4 は、第2の電源パターン12の4辺の各々に配置
されて、第2の電源パターン12と第1の電源パターン
10とを交流的に結合(コンデンサ結合)している。
尚、プリント配線基板32は、実際には多層基板であ
り、第1の電源パターン10と第2の電源パターン12
との両方或いは一方は、基板32の表面ではなく基板3
2の内部の層に形成されている。
【0042】また、本第1実施形態において、コンデン
サC1 〜C4 としては、放射ノイズの問題としてよく取
り上げられる数10MHz〜数GHzの周波数帯域で良
好な特性を示すと共に、極性の無い(つまり、電流を双
方向に流すことができる)チップ積層セラミックコンデ
ンサを用いている。
【0043】このように構成された本第1実施形態の電
子装置30によれば、例えばIC1の方が信号を送信す
る場合には、従来の電子装置100,106と同様に、
ハイレベルの信号を出力するための電流が第1動作電圧
Vmainから供給されるため、第1の電源パターン10の
電荷量が落ち込もうとし、また、受信側であるIC2側
の第2の電源パターン12の電荷量は信号線6に伝達さ
れる信号のオーバーシュートによって過剰になろうとす
るが、その際には、前述した図9と同様の図3における
二点鎖線の矢印で示すように、コンデンサC(C1 〜C
4 )によって、IC1側の第1の電源パターン10から
IC2側の電源パターン12に移動する過剰な電荷を元
の位置(即ち、第1の電源パターン10)へ戻す経路が
形成される。
【0044】そして、このようなコンデンサC(C1 〜
C4 )の作用は、IC2が信号を送信し、その信号をI
C1が受信する場合についても全く同様である。これ
は、前述したように、コンデンサC(C1 〜C4 )とし
て、極性の無いコンデンサを用いているからである。
【0045】このため、本第1実施形態の電子装置30
によれば、一方のICが信号を送信することで、その送
信側のICの電源パターンの電荷量が落ち込むと共に、
受信側のICの電源パターンの電荷量が信号線6に伝達
される信号のオーバーシュートによって過剰となる現象
が生じる際に、図4における点線の矢印で示す如く、受
信側のICの電源パターン(図4では第2動作電圧Vsu
b の電源パターン12)の過剰な電荷がコンデンサC
(C1 〜C4 )によって送信側のICの電源パターン
(図4では第1動作電圧Vmainの電源パターン10)へ
戻されて、各IC1,2の動作電圧Vmain,Vsub の変
動が相殺されることとなる。
【0046】よって、本第1実施形態の電子装置30に
よれば、2つのIC1,2が通信を行う際に両IC1,
2の動作電圧Vmain,Vsub が変動して発生する放射ノ
イズを、確実に低減することができる。しかも、2つの
IC1,2の各動作電圧Vmain,Vsub は、当該電子装
置30に設けられた2つのトランジスタTr1 ,Tr2
及び電源制御IC4によって一定電圧として生成・出力
されるため、2つの電源パターン10,12のコンデン
サC(C1 〜C4 )による結合は、当該電子装置30の
外部における配線状態等の影響を受け難いものとなる。
このため、当該電子装置30単体で、コンデンサC(C
1 〜C4 )の容量や接続位置等を調整しても、実際の使
用状態と大差なく放射ノイズの低減効果を発揮すること
ができ、装置の開発時間を短縮することができる。
【0047】また更に、本第1実施形態の電子装置30
によれば、放射ノイズの低減効果だけではなく、外部か
らの外来ノイズによって各IC1 ,2の動作電圧Vmai
n,Vsub が変動するような場合に、コンデンサC(C1
〜C4 )には、その電圧変動を平滑するように電流が
流れることとなり、コンデンサC(C1 〜C4 )によっ
て交流的には各電源パターン10,12の面積及び静電
容量を大きくしたのと同様の電圧変動抑制効果が得られ
る。よって、外来ノイズに対してもIC1 ,2の誤動作
等を防ぐことができる。
【0048】このように本第1実施形態の電子装置30
によれば、当該装置30からの放射ノイズを簡単な構成
で確実に低減することができ、外来ノイズの影響も受け
難くなる。また、一般に、電源パターン10,12上で
の電圧変動は、発生源を中心にして放射状に拡散する傾
向にあるが、本第1実施形態の電子装置30では、図2
に示したように、第1の電源パターン10の内側にて長
方形状に形成された第2の電源パターン12の各辺に、
4個の各コンデンサC1 〜C4 を実装するようにしてい
るため、IC1 ,2の動作電圧Vmain,Vsub の変動を
効率的に抑制して放射ノイズをより確実に低減させるこ
とができる。
【0049】次に、第2実施形態の電子装置について説
明する。図5に示すように、第2実施形態の電子装置3
4は、第1実施形態の電子装置30と比較して、2つの
電源パターン10,12の間に接続されるコンデンサC
(C1 〜C4 )に対し直列に抵抗器Rが接続されてい
る。つまり、2つの電源パターン10,12は、コンデ
ンサC1 〜C4 の各々と抵抗器Rとからなる4組のRC
直列回路によって接続されている。そして、それ以外の
構成については、第1実施形態の電子装置30及び図7
の電子装置100と同じである。
【0050】このような第2実施形態の電子装置34に
よれば、外来ノイズの照射を受けて不安定になった動作
電圧Vmain,Vsub を平滑にするようにコンデンサC1
〜C4 に流れる電流を、抵抗器Rによって熱に変換でき
るため、外来ノイズに対するノイズ耐量を向上させるこ
とができる。
【0051】次に、第3実施形態の電子装置について説
明する。図6に示すように、第3実施形態の電子装置3
6は、第1実施形態の電子装置30と比較して、2つの
電源パターン10,12の間に接続されるコンデンサC
(C1 〜C4 )に対し直列にインダクタンスLが接続さ
れている。つまり、第2実施形態の電子装置34におけ
る抵抗器RをインダクタンスLに置換した構成であり、
2つの電源パターン10,12は、コンデンサC1 〜C
4 の各々とインダクタンスLとからなる4組のLC直列
回路によって接続されている。そして、それ以外の構成
については、第1実施形態の電子装置30及び図7の電
子装置100と同じである。
【0052】このような第3実施形態の電子装置36に
よっても、外来ノイズの照射を受けて不安定になった動
作電圧Vmain,Vsub を平滑にするようにコンデンサC
1 〜C4 に流れる電流を、インダクタンスLによって熱
に変換できるため、外来ノイズに対するノイズ耐量を向
上させることができる。
【0053】以上、本発明の一実施形態について説明し
たが、本発明は、前述した各実施形態に限定されるもの
ではなく、種々の形態を採り得ることは言うまでもな
い。例えば、上記各実施形態の電子装置30,34,3
6は、本発明を図7に例示した従来の電子装置100に
適用したものであったが、本発明は、図8の電子装置1
06やそれ以外の構成の電子装置に対しても全く同様に
適用することができる。
【0054】また、上記各実施形態の電子装置30,3
4,36では、一方のIC1がマイクロコンピュータで
あり、他方のIC2がRAMであったが、2つのIC1
,2の種類は、例えば、IC1とIC2とが共にマイ
クロコンピュータであるといった具合に、他の組み合わ
せでも良い。
【0055】一方、上記各実施形態の電子装置30,3
4,36では、2つの電源パターン10,12間に4個
のコンデンサC(C1 〜C4 )を接続するようにした
が、コンデンサCの数は適宜決定することができる。ま
た、上記第2及び第3実施形態の電子装置34,36で
は、4個全てのコンデンサC1 〜C4 に対して抵抗器R
或いはインダクタンスLを直列に接続するようにした
が、複数個のコンデンサCのうちの何れかのみに抵抗器
R或いはインダクタンスLを接続するようにしても良
い。
【0056】また更に、上記各実施形態の電子装置3
0,34,36は、車両用の電子装置であったが、本発
明は、車両用に限らず、それ以外の民生用機器や医療用
機器等に用いられる電子装置に対しても同様に適用する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1実施形態の電子装置の主要部を表す回路
図である。
【図2】 第1実施形態の電子装置におけるコンデンサ
の実装状態を表すイメージ図である。
【図3】 第1実施形態の電子装置において2つのIC
が通信を行う場合の動作状態を表す説明図である。
【図4】 第1実施形態の電子装置の放射ノイズ低減作
用を説明する説明図である。
【図5】 第2実施形態の電子装置の主要部を表す回路
図である。
【図6】 第3実施形態の電子装置の主要部を表す回路
図である。
【図7】 従来の車載用電子装置の一構成例を表す回路
図である。
【図8】 従来の車載用電子装置の他の構成例を表す回
路図である。
【図9】 図7及び図8の電子装置において2つのIC
が通信を行う場合の動作状態を説明する説明図である。
【図10】 従来の電子装置における放射ノイズの発生
メカニズムを説明する説明図である。
【符号の説明】
1,2…IC 4…電源制御IC 6…信号線
8…バス Tr1 …第1のトランジスタ Tr2 …第2のトラン
ジスタ 10…第1の電源パターン 12…第2の電源パター
ン 14…出力部 16…入力部 18…グランドパタ
ーン 30,34,36,100,106…電子装置 32…プリント配線基板 C(C1 〜C4 )…コンデ
ンサ R…抵抗器 L…インダクタンス 102…イグニ
ッションスイッチ 104…バッテリ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 信号線により互いに接続され、該信号線
    を介して通信を行う2つのICと、 前記各ICに夫々対応して設けられ、対応する方のIC
    が動作するための動作電圧を出力する2つの電力供給手
    段と、 直流的に互いが非導通に形成され、前記2つの電力供給
    手段から夫々出力される動作電圧の各々を、前記2つの
    ICのうちで該当する方のICに供給する2つの電源パ
    ターンと、 を備えた電子装置において、 前記2つの電源パターンの間にコンデンサが接続されて
    いること、 を特徴とする電子装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の電子装置において、 前記コンデンサは、極性の無いコンデンサであること、 を特徴とする電子装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2に記載の電子装置
    において、 前記コンデンサを複数個備え、その各コンデンサは、当
    該電子装置を構成するプリント配線基板における複数箇
    所に夫々設けられていること、 を特徴とする電子装置。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし請求項3の何れかに記載
    の電子装置において、 前記コンデンサと直列に、抵抗器或いはインダクタンス
    が接続されていること、 を特徴とする電子装置。
  5. 【請求項5】 信号線により互いに接続され、該信号線
    を介して通信を行う2つのICと、 前記各ICに夫々対応して設けられ、対応する方のIC
    が動作するための動作電圧を出力する2つの電力供給手
    段と、 直流的に互いが非導通に形成され、前記2つの電力供給
    手段から夫々出力される動作電圧の各々を、前記2つの
    ICのうちで該当する方のICに供給する2つの電源パ
    ターンと、 を備えた電子装置に用いられ、該電子装置から放射され
    る放射ノイズを低減するための放射ノイズ低減方法であ
    って、 前記2つの電源パターンの間にコンデンサを接続するこ
    と、 を特徴とする電子装置の放射ノイズ低減方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008130612A (ja) * 2006-11-16 2008-06-05 Denso Corp 電子部品内蔵型多層基板
JPWO2021246136A1 (ja) * 2020-06-03 2021-12-09

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