JP2000090496A - 光記録媒体、光記録媒体製造用原盤及び光記録再生装置 - Google Patents

光記録媒体、光記録媒体製造用原盤及び光記録再生装置

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JP2000090496A
JP2000090496A JP10256947A JP25694798A JP2000090496A JP 2000090496 A JP2000090496 A JP 2000090496A JP 10256947 A JP10256947 A JP 10256947A JP 25694798 A JP25694798 A JP 25694798A JP 2000090496 A JP2000090496 A JP 2000090496A
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JP
Japan
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groove
optical recording
recording medium
light
track
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JP10256947A
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English (en)
Inventor
Somei Endo
惣銘 遠藤
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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  • Optical Record Carriers And Manufacture Thereof (AREA)
  • Manufacturing Optical Record Carriers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ランドグルーブ記録の光記録媒体において、
トラックピッチを非常に狭くしても、トラッキングサー
ボ及びトラックシークを安定に行えるようにする。 【解決手段】 記録トラックに沿ってグルーブを形成す
る際に、深さの異なる第1のグルーブと第2のグルーブ
とを隣り合うように形成するとともに、これらのグルー
ブを、下記の2つの式を満たすように形成する。なお、
Xは第1のグルーブの位相深さ、Yは第2のグルーブの
位相深さ、K,Mは任意の整数である。 Y≧0.5M+1.9210-15.1875(X+0.5K)+38.7772(X+0.5K)2-3
2.0372(X+0.5K)3 Y≦0.5M-7891.9344+136273.8897(X+0.5K)-977584.9679
(X+0.5K)2+3729402.0181(X+0.5K)3-7980032.8847(X+0.5
K)4+9081208.5197(X+0.5K)5-4294055.2253(X+0.5K)6

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ランドグルーブ記
録がなされる光記録媒体に関する。また、本発明は、ラ
ンドグルーブ記録がなされる光記録媒体を製造する際に
使用される光記録媒体製造用原盤に関する。また、本発
明は、ランドグルーブ記録がなされる光記録媒体に対し
て記録及び/又は再生を行う光記録再生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】光記録媒体として、円盤状に形成されて
なり光学的に記録及び/又は再生が行われる光ディスク
が実用化されている。光ディスクには、データに対応し
たエンボスピットがディスク基板に予め形成されてなる
再生専用光ディスクや、磁気光学効果を利用してデータ
の記録再生を行う光磁気ディスクや、記録膜の相変化を
利用してデータの記録再生を行う相変化型光ディスクな
どがある。
【0003】これらの光ディスクのうち、光磁気ディス
クや相変化型光ディスクのように書き込みが可能な光デ
ィスクでは、通常、記録トラックに沿ったグルーブがデ
ィスク基板に形成される。ここで、グルーブとは、主に
トラッキングサーボやトラックシークを行えるようにす
るために、記録トラックに沿って形成される、いわゆる
案内溝のことである。
【0004】なお、トラッキングサーボとは、光スポッ
トを記録トラックに追従させることである。また、トラ
ックシークとは、光スポットを所望する記録トラックへ
移動させることである。トラックシークを行うために
は、光スポットの移動時に当該光スポットが横切ったト
ラックの数を検出する必要があり、このようなトラック
数検出のことは、一般にトラバースカウントと呼ばれ
る。
【0005】ところで、従来の光ディスクでは、主に、
光記録再生装置に搭載される光ピックアップの再生分解
能を向上することで、高記録密度化を達成してきた。そ
して、光ピックアップの再生分解能の向上は、主に、デ
ータの再生に使用するレーザ光の波長λを短くしたり、
光ディスク上にレーザ光を集光する対物レンズの開口数
NAを大きくしたりすることにより実現されてきた。
【0006】ここで、光ディスクの具体的な例として、
CD、MD、MDData2、DVD+RW、DVD−
ROMを例に挙げ、それらについて、データの再生に使
用するレーザ光の波長λ、対物レンズの開口数NA、ト
ラックピッチの値を表1に示す。
【0007】
【表1】
【0008】表1に示すように、従来の光ディスクで
は、レーザ光の波長λを短くしたり、対物レンズの開口
数NAを大きくしたりすることにより、狭トラック化が
実現され、これにより、高記録密度化が達成されてい
る。
【0009】しかしながら、従来の光ディスクでは、狭
トラック化を進めたとしても、そのトラックピッチの空
間周波数は、光記録再生装置の光ピックアップのカット
オフ周波数の1/2〜2/3程度までとされている。こ
こで、カットオフ周波数とは、再生信号振幅がほぼ0と
なる周波数のことであり、データの再生に使用するレー
ザ光の波長をλとし、光ディスク上にレーザ光を集光す
る対物レンズの開口数をNAとしたとき、2NA/λで
表される。
【0010】このようにトラックピッチの空間周波数が
カットオフ周波数の1/2〜2/3程度とされるのは、
光スポットを記録トラックに追従させるトラッキングサ
ーボや、光スポットを所望する記録トラックに移動させ
るトラックシークなどを安定に行えるようにするため
に、トラッキングサーボやトラックシークに必要な信号
を十分なレベルにて得られるようにする必要があるから
である。
【0011】例えば、MDData2等の光ディスクで
は、トラッキングサーボにプッシュプル信号が用いられ
ているが、プッシュプル信号を用いてトラッキングサー
ボを行うにあたって、トラッキングサーボを安定に行う
には、プッシュプル信号振幅比が0.15程度以上であ
る必要がある。また、トラックシーク時には、トラバー
スカウントのためにクロストラック信号が使用される
が、クロストラック信号を用いてトラックシークを行う
にあたって、トラックシークを安定に行うには、クロス
トラック信号振幅が0.06程度以上である必要があ
る。そして、従来の光ディスクでは、プッシュプル信号
振幅比を0.15以上とし、且つ、クロストラック信号
振幅比を0.06以上とするには、トラックピッチの空
間周波数をカットオフ周波数の1/2〜2/3程度とす
る必要があった。
【0012】なお、プッシュプル信号は、光ディスクか
らの反射光を、図6に示すように、トラック中心に対し
て対称に配置された2つの光検出器A,Bにより検出
し、それら2つの光検出器A,Bからの出力の差(A−
B)をとることにより得られる。また、クロストラック
信号は、それら2つの光検出器A,Bからの出力の和
(A+B)をとることにより得られる。
【0013】すなわち、記録及び/又は再生時に光ディ
スクからの反射光を、トラック中心に対して対称に配置
された2つの光検出器により検出したときに、一方の光
検出器で検出される光量をA、他方の光検出器で検出さ
れる光量をBとしたとき、A−Bで表される差信号がプ
ッシュプル信号であり、A+Bで表される和信号がクロ
ストラック信号である。また、プッシュプル信号の振幅
をC、クロストラック信号の振幅をD、グルーブが形成
されていない鏡面部位におけるクロストラック信号の値
をMmaxとすると、プッシュプル信号振幅比はC/Mmax
で表され、クロストラック信号振幅比はD/Mmaxで表
される。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】ところで、光ディスク
等の光記録媒体に対する高記録密度化の要求はとどまる
ところを知らず、更なる高記録密度化が望まれている。
そして、光記録媒体の高記録密度化を実現する手法の一
つとして、グルーブの部分と、グルーブとグルーブの間
のランド部分との両方に情報信号の記録を行う手法が考
案されている。なお、このようにグルーブとランドの両
方に情報信号を記録することは、一般に、ランドグルー
ブ記録と称される。ランドグルーブ記録では、グルーブ
の部分だけに情報信号の記録を行うグルーブ記録や、ラ
ンドの部分だけに情報信号の記録を行うランド記録に比
べて、理想的には記録密度を2倍程度にまで高めること
が可能である。
【0015】ところで、ランドグルーブ記録では、グル
ーブ部分における記録再生特性と、ランド部分における
記録再生特性とを同一にするために、グルーブ幅とラン
ド幅とが同一であることが望まれる。しかし、グルーブ
幅とランド幅とが同一になると、光スポットがグルーブ
上にあるときに得られるクロストラック信号と、光スポ
ットがランド上にあるときに得られるクロストラック信
号との差がなくなり、トラックシーク時にランドとグル
ーブとを判別することができなくなる。すなわち、従
来、ランドグルーブ記録を採用した光記録媒体では、ト
ラックシーク時にランドとグルーブとを判別することが
できないという問題があった。
【0016】更に、ランドグルーブ記録の光記録媒体で
は、トラックピッチを狭くすると、プッシュプル信号も
大幅に小さくなってしまうという問題もあった。例え
ば、従来のランドグルーブ記録の光記録媒体において、
トラックピッチが1.00μmの場合には、プッシュプ
ル信号振幅比が0.48となり、これならば、プッシュ
プル信号を用いてトラッキングサーボを安定に行うこと
ができる。しかしながら、例えば、トラックピッチを
0.75μmにすると、プッシュプル信号振幅比は0.
09程度にまで小さくなってしまう。これでは、プッシ
ュプル信号を用いてトラッキングサーボを安定に行うこ
とは困難である。したがって、従来、ランドグルーブ記
録の光記録媒体では、トラックピッチを狭くして高記録
密度化を進めることは難しかった。
【0017】本発明は、以上のような従来の実情に鑑み
て提案されたものであり、高記録密度化に好適なランド
グルーブ記録を採用しつつ、トラッキングサーボやトラ
ックシークを安定に行うことが可能な光記録媒体を提供
することを目的とする。また、本発明は、そのような光
記録媒体を製造することが可能な光記録媒体製造用原盤
を提供することも目的とする。また、本発明は、記録媒
体として、そのような光記録媒体を用いる光記録再生装
置を提供することも目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明に係る第1の光記
録媒体は、記録トラックに沿ってグルーブが形成され、
所定の波長λの光が照射されて記録及び/又は再生がな
される光記録媒体であって、グルーブの部分と、グルー
ブとグルーブの間のランド部分との両方に情報信号の記
録がなされる。そして、この光記録媒体は、グルーブと
して、深さの異なる第1のグルーブと第2のグルーブと
が隣り合うように形成されてなり、第1のグルーブ及び
第2のグルーブが、下記式(1)及び式(2)、或い
は、下記式(3)及び式(4)を満たすように形成され
ていることを特徴とする。ここで、光入射面からグルー
ブに至る媒質の屈折率をn、第1のグルーブの深さを
x、第2のグルーブの深さをyとすると、第1のグルー
ブの位相深さXはx×n/λで表され、第2のグルーブ
の位相深さYはy×n/λで表される。なお、下記式
(1)乃至(4)において、K,L,M,Nは任意の整
数である。
【0019】 Y≧0.5M+1.9210−15.1875(X+0.5K)+38.7772(X+0.5K)2 −32.0372(X+0.5K)3 ・・・(1) Y≦0.5M−7891.9344+136273.8897(X+0.5K) −977584.9679(X+0.5K)2+3729402.0181(X+0.5K)3 −7980032.8847(X+0.5K)4+9081208.5197(X+0.5K)5 −4294055.2253(X+0.5K)6 ・・・(2) Y≧0.5N−13.7275−100.6913(X+0.5L)+283.6042(X+0.5L)2 −360.1805(X+0.5L)3+174.2959(X+0.5L)4 ・・・(3) Y≦0.5N−1.4918+16.3767(X+0.5L)−57.3863(X+0.5L)2 +88.1002(X+0.5L)3−49.8972(X+0.5L)4 ・・・(4) 以上のような本発明に係る第1の光記録媒体では、深さ
の異なる第1のグルーブ及び第2のグルーブが、上記式
(1)及び式(2)、或いは、上記式(3)及び式
(4)を満たすように形成されているので、ランドグル
ーブ記録を採用しつつトラックピッチを狭くしても、ト
ラッキングサーボやトラックシークに必要な信号を十分
なレベルで得ることができる。
【0020】なお、上記第1の光記録媒体において、第
1のグルーブと第2のグルーブのうちの少なくとも一方
は、少なくとも一部が蛇行するように形成されたウォブ
リンググルーブであることが好ましい。このようにグル
ーブを蛇行させてウォブリンググルーブとすることによ
り、グルーブ自体にアドレス情報等を付加することがで
きる。
【0021】また、上記第1の光記録媒体は、記録及び
/又は再生に使用される対物レンズの開口数をNA、光
の波長をλとしたときに、2×NA/λで表されるカッ
トオフ周波数よりも、トラックピッチの空間周波数が大
きいことが好ましい。カットオフ周波数よりもトラック
ピッチの空間周波数を大きくすることで、光記録媒体の
更なる高記録密度化を進めることができる。
【0022】また、本発明に係る第2の光記録媒体は、
記録トラックに沿ってグルーブが形成され、光が照射さ
れて記録及び/又は再生がなされる光記録媒体であっ
て、グルーブの部分と、グルーブとグルーブの間のラン
ド部分との両方に情報信号の記録がなされる。そして、
この光記録媒体は、グルーブとして、深さの異なる第1
のグルーブと第2のグルーブとが隣り合うように形成さ
れてなる。ここで、この光記録媒体によって上記光が反
射されてなる反射光を、トラック中心に対して対称に配
置された2つの光検出器により検出したときに、一方の
光検出器で検出される光量をA、他方の光検出器で検出
される光量をB、A−Bで表される差信号の振幅をC、
A+Bで表される和信号の振幅をD、グルーブが形成さ
れていない鏡面部位における上記和信号の値をMmaxと
する。このとき、この光記録媒体は、C/Mmaxで表さ
れる差信号振幅比が0.06以上となり、D/Mmaxで
表される和信号振幅比が0.15以上となることを特徴
とする。
【0023】以上のような本発明に係る第2の光記録媒
体では、ランドグルーブ記録を採用していても、隣り合
うグルーブの深さを異なるものとすることにより、トラ
ックピッチを狭くしても、トラッキングサーボやトラッ
クシークに必要な信号を十分なレベルにて得ることが可
能となっている。具体的には、この光記録媒体では、和
信号振幅比が0.15以上となるようにしているので、
和信号を用いてトラッキングサーボを安定に行うことが
できる。また、差信号振幅比が0.06以上となるよう
にしているので、差信号を用いてトラックシークを安定
に行うことができる。
【0024】なお、上記第2の光記録媒体において、第
1のグルーブと第2のグルーブのうちの少なくとも一方
は、少なくとも一部が蛇行するように形成されたウォブ
リンググルーブであることが好ましい。このようにグル
ーブを蛇行させてウォブリンググルーブとすることによ
り、グルーブ自体にアドレス情報等を付加することがで
きる。
【0025】また、上記第2の光記録媒体は、記録及び
/又は再生に使用される対物レンズの開口数をNA、光
の波長をλとしたときに、2×NA/λで表されるカッ
トオフ周波数よりも、トラックピッチの空間周波数が大
きいことが好ましい。カットオフ周波数よりもトラック
ピッチの空間周波数を大きくすることで、光記録媒体の
更なる高記録密度化を進めることができる。
【0026】また、本発明に係る光記録媒体製造用原盤
は、記録トラックに沿ってグルーブが形成され所定の波
長λの光が照射されて記録及び/又は再生がなされる光
記録媒体を製造する際に使用される光記録媒体製造用原
盤である。ここで、対象となる光記録媒体は、グルーブ
の部分と、グルーブとグルーブの間のランド部分との両
方に情報信号の記録がなされる記録媒体である。
【0027】そして、本発明に係る光記録媒体製造用原
盤は、上記グルーブに対応した凹凸パターンとして、第
1のグルーブパターンと第2のグルーブパターンとが隣
り合うように形成されてなる。ここで、上記光記録媒体
の光入射面からグルーブに至る媒質の屈折率をn、第1
のグルーブパターンの深さをx'、第2のグルーブパタ
ーンの深さをy'としたときに、x'×n/λで表される
第1のグルーブパターンの位相深さをX'、y'×n/λ
で表される第2のグルーブパターンの位相深さをY'と
する。そして、本発明に係る光記録媒体製造用原盤は、
第1のグルーブパターン及び第2のグルーブパターン
が、下記式(5)及び式(6)、或いは、下記式(7)
及び式(8)を満たすように形成されていることを特徴
とする。なお、下記式(5)乃至(8)において、K,
L,M,Nは任意の整数である。
【0028】 Y'≧0.5M+1.9210−15.1875(X'+0.5K)+38.7772(X'+0.5K)2 −32.0372(X'+0.5K)3 ・・・(5) Y'≦0.5M−7891.9344+136273.8897(X'+0.5K) −977584.9679(X'+0.5K)2+3729402.0181(X'+0.5K)3 −7980032.8847(X'+0.5K)4+9081208.5197(X'+0.5K)5 −4294055.2253(X'+0.5K)6 ・・・(6) Y'≧0.5N−13.7275−100.6913(X'+0.5L)+283.6042(X'+0.5L)2 −360.1805(X'+0.5L)3+174.2959(X'+0.5L)4 ・・・(7) Y'≦0.5N−1.4918+16.3767(X'+0.5L)−57.3863(X'+0.5L)2 +88.1002(X'+0.5L)3−49.8972(X'+0.5L)4 ・・・(8) 以上のような本発明に係る光記録媒体製造用原盤では、
第1のグルーブパターン及び第2のグルーブパターン
が、上記式(5)及び式(6)、或いは、上記式(7)
及び式(8)を満たすように形成されているので、この
光記録媒体製造用原盤を用いることにより、上記式
(1)及び式(2)、或いは、上記式(3)及び式
(4)を満たす第1のグルーブ及び第2のグルーブが形
成されてなる光記録媒体を製造することができる。した
がって、この光記録媒体製造用原盤によれば、ランドグ
ルーブ記録を採用しつつトラックピッチを狭くしても、
トラッキングサーボやトラックシークに必要な信号を十
分なレベルで得ることができる光記録媒体を製造するこ
とができる。
【0029】なお、上記光記録媒体製造用原盤におい
て、第1のグルーブパターンと第2のグルーブパターン
のうちの少なくとも一方は、少なくとも一部が蛇行する
ように形成されるウォブリンググルーブに対応した凹凸
パターンであることが好ましい。このような光記録媒体
製造用原盤によれば、ウォブリンググルーブを有する光
記録媒体を作製することができる。そして、グルーブを
蛇行させてウォブリンググルーブとすることにより、グ
ルーブ自体にアドレス情報等を付加することができるの
で、第1のグルーブパターンと第2のグルーブパターン
のうちの少なくとも一方をウォブリンググルーブに対応
した凹凸パターンとした上記光記録媒体製造用原盤によ
れば、グルーブ自体にアドレス情報等を付加した光記録
媒体を作製することができる。
【0030】また、本発明に係る光記録再生装置は、記
録トラックに沿ってグルーブが形成された光記録媒体に
対して、光を照射して記録及び/又は再生を行う光記録
再生装置である。そして、記録及び/又は再生の対象と
なる光記録媒体として、グルーブの部分と、グルーブと
グルーブの間のランド部分との両方に情報信号の記録が
なされるとともに、上記グルーブとして、深さの異なる
第1のグルーブと第2のグルーブとが隣り合うように形
成されてなる光記録媒体を用いる。そして、本発明に係
る光記録再生装置は、上記光記録媒体のトラック中心に
対して対称に配置された2つの光検出器を備える。ここ
で、上記光記録媒体によって上記光が反射されてなる反
射光を上記2つの光検出器により検出したときに、一方
の光検出器で検出される光量をA、他方の光検出器で検
出される光量をBとする。そして、本発明に係る光記録
再生装置では、記録及び/又は再生時に、光スポットを
記録トラックに追従させるトラッキングサーボを、A+
Bで表される和信号を用いて行い、光スポットを所望す
る記録トラックに移動させるトラックシークを、A−B
で表される差信号を用いて行う。
【0031】以上のような本発明に係る光記録再生装置
では、記録及び/又は再生の対象となる光記録媒体とし
て、隣り合うグルーブの深さが異なる光記録媒体を用い
るようにしている。このような光記録媒体では、ランド
グルーブ記録を採用しつつトラックピッチを狭めても、
トラックシークやトラッキングサーボを行うのに必要な
信号を十分なレベルにて得られるようにすることができ
る。すなわち、本発明に係る光記録再生装置では、隣り
合うグルーブの深さが異なる光記録媒体を用いることに
より、ランドグルーブ記録を採用しつつトラックピッチ
を狭めても、上記差信号を用いることでトラックシーク
を安定に行うことができ、且つ、上記和信号を用いるこ
とでトラッキングサーボを安定に行うことができる。
【0032】なお、上記光記録再生装置において、記録
及び/又は再生の対象となる光記録媒体は、第1のグル
ーブと第2のグルーブのうちの少なくとも一方が、少な
くとも一部が蛇行するように形成されたウォブリンググ
ルーブとされている光記録媒体であることが好ましい。
このようにグルーブを蛇行させてウォブリンググルーブ
とすることにより、グルーブ自体にアドレス情報等を付
加することができる。
【0033】また、上記光記録再生装置は、記録及び/
又は再生時に光を光記録媒体上に集光する対物レンズを
備える。そして、上記対物レンズの開口数をNA、上記
光の波長をλとしたときに、2×NA/λで表されるカ
ットオフ周波数よりも、記録及び/又は再生の対象とな
る光記録媒体のトラックピッチの空間周波数が大きいこ
とが好ましい。カットオフ周波数よりもトラックピッチ
の空間周波数を大きくすることで、光記録媒体の更なる
高記録密度化を進めることができる。
【0034】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、本発明を光磁気ディスクに適用した場合を例に挙げ
て、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0035】なお、以下の説明では、グルーブの蛇行の
ことをウォブリングと称し、ウォブリングするように形
成されたグルーブのことをウォブリンググルーブと称す
る。また、ウォブリンググルーブに対して、蛇行するこ
となく形成されたグルーブのことをストレートグルーブ
と称する。
【0036】また、以下の説明では、光磁気ディスクに
よって反射された反射光を、トラック中心に対して対称
に配置された2つの光検出器により検出したときに、一
方の光検出器で検出される光量をA、他方の光検出器で
検出される光量をBとしたとき、A−Bで表される差信
号のことをプッシュプル信号と称し、A+Bで表される
和信号のことをクロストラック信号と称する。
【0037】また、A−Bで表されるプッシュプル信号
の振幅をC、A+Bで表されるクロストラック信号の振
幅をD、グルーブが形成されていない鏡面部位における
和信号(A+B)の値をMmaxとしたとき、C/Mmaxで
表される値をプッシュプル信号振幅比と称し、D/Mma
xで表される値をクロストラック信号振幅比と称する。
【0038】<光磁気ディスク>本発明を適用した光磁
気ディスクについて、要部を拡大した断面図を図1に示
す。
【0039】この光磁気ディスク1は、円盤状に形成さ
れてなり、磁気光学効果を利用してデータの記録再生が
行われる。そして、この光磁気ディスク1は、ポリメチ
ルメタクリレート(PMMA)やポリカーボネート(P
C)等からなるディスク基板2上に、光磁気記録がなさ
れる記録層3と、当該記録層3を保護する保護層4とが
形成されてなる。ここで、記録層3は、例えば、SiN
等からなる誘電体膜と、TeFeCo合金等からなる垂
直磁気記録膜と、SiN等からなる誘電体膜と、Al等
からなる光反射膜とが積層されてなる。また、保護層4
は、例えば、記録層3の上に紫外線硬化樹脂がスピンコ
ートされてなる。なお、本発明において、記録層3や保
護層4の構成は任意であり、本例に限定されるものでは
ない。
【0040】この光磁気ディスク1は、記録領域の一部
を拡大した図2に示すように、深さが異なり、幅がほぼ
等しい2つのグルーブとして、ウォブリンググルーブ6
とストレートグルーブ7とが2重螺旋を描くように(す
なわちダブルスパイラル状に)、ディスク基板2に形成
されている。なお、図2では、この光磁気ディスク1か
ら得られるクロストラック信号及びプッシュプル信号
と、グルーブ6,7との対応関係も示している。
【0041】なお、図1及び図2に示した光磁気ディス
ク1では、ウォブリンググルーブ6を深い方のグルー
ブ、ストレートグルーブ7を浅い方のグルーブとしてい
るが、逆に、ウォブリンググルーブ6を浅い方のグルー
ブ、ストレートグルーブ7を深い方のグルーブとしても
良い。ウォブリンググルーブ6を浅い方のグルーブ、ス
トレートグルーブ7を深い方のグルーブとした場合に
は、図1及び図2に示した例と比べて、クロストラック
信号及びプッシュプル信号の位相が反転することとな
る。
【0042】この光磁気ディスク1において、ウォブリ
ンググルーブ6は、例えば±10nmの振幅にて一定の
周期で蛇行するように形成されている。すなわち、この
光磁気ディスク1では、一方のグルーブ(すなわちウォ
ブリンググルーブ6)をウォブリングさせることによ
り、グルーブにアドレス情報を付加している。
【0043】そして、この光磁気ディスク1は、ランド
グルーブ記録がなされる記録媒体であり、ウォブリング
グルーブ6及びストレートグルーブ7の部分と、ウォブ
リンググルーブ6とストレートグルーブ7の間のランド
の部分とに、光磁気記録によるデータの記録が行われ
る。すなわち、図2に示すように、この光磁気ディスク
1では、ストレートグルーブ7の部分が、情報信号が記
録される第1の記録トラックTrackAとなる。また、ス
トレートグルーブ7とウォブリンググルーブ6の間のラ
ンドの部分であって、ディスク内周側がストレートグル
ーブ7となっている部分が、情報信号が記録される第2
の記録トラックTrackBとなる。また、ウォブリンググ
ルーブ6の部分が、情報信号が記録される第3の記録ト
ラックTrackCとなる。また、ウォブリンググルーブ6
とストレートグルーブ7の間のランドの部分であって、
ディスク内周側がウォブリンググルーブ6となっている
部分が、情報信号が記録される第4の記録トラックTrac
kDとなる。
【0044】なお、ここでは、ダブルスパイラル状に形
成されてなる2つのグルーブがウォブリンググルーブ6
とストレートグルーブ7とからなる例を挙げるが、本発
明に係る光記録媒体において、これらの2つのグルーブ
は、深さが異なるものであれば良く、両方ともストレー
トグルーブであっても良いし、また、両方ともウォブリ
ンググルーブであっても良い。ただし、グルーブをウォ
ブリングさせた場合には、グルーブ自体にアドレス情報
等を付加することができるという利点がある。しかも、
本例のように、一方のグルーブをウォブリンググルーブ
として、他方のグルーブをストレートグルーブとした場
合には、両方のグルーブをウォブリンググルーブにする
場合に比べて、狭トラック化を図りやすいので、高記録
密度化に適している。
【0045】そして、この光磁気ディスク1において、
トラックピッチTPitchは0.50μmとされている。こ
こで、トラックピッチTPitchは、ウォブリンググルーブ
6とストレートグルーブ7の中心位置の間隔に相当す
る。すなわち、この光磁気ディスク1において、ウォブ
リンググルーブ6とストレートグルーブ7の中心位置の
間隔は、0.50μmとされている。
【0046】なお、以下の説明では、隣接するストレー
トグルーブ7の中心位置の間隔のことをトラックピリオ
ドTPeriodと称する。トラックピリオドTPeriodは、トラ
ックピッチTPitchの2倍に相当するものであり、この光
磁気ディスク1においてトラックピリオドTPeriodは、
1.00μmとされている。
【0047】そして、本発明を適用してなる光磁気ディ
スク1では、ウォブリンググルーブ6とストレートグル
ーブ7とが、それらの深さが異なるように形成されてい
る。具体的には、ウォブリンググルーブ6及びストレー
トグルーブ7のうち、深い方のグルーブの位相深さをX
とし、浅い方のグルーブの位相深さをYとしたとき、ウ
ォブリンググルーブ6及びストレートグルーブ7は、下
記式(1−1)及び式(1−2)、或いは下記式(1−
3)及び式(1−4)を満たすように形成されている。
なお、下記式(1−1)乃至(1−4)において、K,
L,M,Nは、任意の整数である。
【0048】 Y≧0.5M+1.9210−15.1875(X+0.5K)+38.7772(X+0.5K)2 −32.0372(X+0.5K)3 ・・・(1−1) Y≦0.5M−7891.9344+136273.8897(X+0.5K) −977584.9679(X+0.5K)2+3729402.0181(X+0.5K)3 −7980032.8847(X+0.5K)4+9081208.5197(X+0.5K)5 −4294055.2253(X+0.5K)6 ・・・(1−2) Y≧0.5N−13.7275−100.6913(X+0.5L)+283.6042(X+0.5L)2 −360.1805(X+0.5L)3+174.2959(X+0.5L)4 ・・・(1−3) Y≦0.5N−1.4918+16.3767(X+0.5L)−57.3863(X+0.5L)2 +88.1002(X+0.5L)3−49.8972(X+0.5L)4 ・・・(1−4) なお、光磁気ディスク1に対する記録再生時に使用され
るレーザ光の波長をλとし、光磁気ディスク1の光入射
面からグルーブに至る媒質(すなわちディスク基板2)
の屈折率をnとすると、深い方のグルーブの位相深さX
は、当該グルーブの深さをxとしたとき、x×n/λで
表される。また、浅い方のグルーブの位相深さYは、当
該グルーブの深さをyとしたとき、y×n/λで表され
る。
【0049】以上のような光磁気ディスク1では、後述
する実験結果からも分かるように、ウォブリンググルー
ブ6及びストレートグルーブ7が上記式(1−1)及び
式(1−2)、或いは上記式(1−3)及び式(1−
4)を満たすように形成されているので、トラッキング
サーボやトラックシークに必要な信号を十分なレベルで
得ることができる。
【0050】そして、この光磁気ディスク1では、図2
に示したように、プッシュプル信号のレベル、プッシュ
プル信号の極性、クロストラック信号のレベル、クロス
トラック信号の極性のうち、少なくともいずれかは、各
記録トラック毎に異なるものとなる。したがって、この
光磁気ディスク1では、トラックシーク時にプッシュプ
ル信号及びクロストラック信号のレベル及び極性を検出
することにより、第1の記録トラックTrackAと、第2
の記録トラックTrackBと、第3の記録トラックTrackC
と、第4の記録トラックTrackDとを判別することがで
きる。
【0051】<レーザカッティング装置>以上のような
光磁気ディスク1を製造する際には、当該光磁気ディス
ク1の原盤となる光記録媒体製造用原盤の作製にレーザ
カッティング装置が使用される。以下、光記録媒体製造
用原盤の作製に使用されるレーザカッティング装置の一
例について、図3を参照して詳細に説明する。
【0052】図3に示したレーザカッティング装置10
は、ガラス基板11の上に塗布されたフォトレジスト1
2を露光して潜像を形成するためのものである。このレ
ーザカッティング装置10でフォトレジスト12に潜像
を形成する際、フォトレジスト12が塗布されたガラス
基板11は、移動光学テーブル上に設けられた回転駆動
装置に取り付けられる。そして、フォトレジスト12を
露光する際、ガラス基板11は、フォトレジスト12の
全面にわたって所望のパターンでの露光がなされるよう
に、図中矢印A1に示すように回転駆動装置によって回
転駆動されるとともに、移動光学テーブルによって平行
移動される。
【0053】このレーザカッティング装置10は、2つ
の露光ビームによってフォトレジスト12を露光するこ
とが可能となっており、ウォブリンググルーブ6に対応
した潜像と、ストレートグルーブ7に対応した潜像と
を、それぞれの露光ビームにより形成する。すなわち、
このレーザカッティング装置10では、第1の露光ビー
ムによってウォブリンググルーブ6に対応した潜像を形
成し、第2の露光ビームによってストレートグルーブ7
に対応した潜像を形成する。
【0054】このレーザカッティング装置10は、レー
ザ光を出射する光源13と、光源13から出射されたレ
ーザ光の光強度を調整するための電気光学変調器(EO
M:Electro Optical Modulator)14と、電気光学変
調器14から出射されたレーザ光の光軸上に配された検
光子15と、検光子15を透過してきたレーザ光を反射
光と透過光とに分割する第1のビームスプリッタ17
と、第1のビームスプリッタ17を透過してきたレーザ
光を反射光と透過光とに分割する第2のビームスプリッ
タ18と、第2のビームスプリッタ18を透過してきた
レーザ光を検出するフォトディテクタ(PD:Photo De
tector)19と、電気光学変調器14に対して信号電界
を印加して当該電気光学変調器14から出射されるレー
ザ光強度を調整するオートパワーコントローラ(AP
C:Auto Power Controller)20とを備えている。
【0055】上記レーザカッティング装置10におい
て、光源13から出射されたレーザ光は、先ず、オート
パワーコントローラ20から印加される信号電界によっ
て駆動される電気光学変調器14によって所定の光強度
とされた上で検光子15に入射する。ここで、検光子1
5はS偏光だけを透過する検光子であり、この検光子1
5を透過してきたレーザ光はS偏光となる。
【0056】なお、光源13には、任意のものが使用可
能であるが、比較的に短波長のレーザ光を出射するもの
が好ましい。具体的には、例えば、波長λが351nm
のレーザ光を出射するKrレーザや、波長λが442n
mのレーザ光を出射するHe−Cdレーザなどが、光源
13として好適である。
【0057】そして、検光子15を透過してきたS偏光
のレーザ光は、先ず、第1のビームスプリッタ17によ
って反射光と透過光とに分けられ、更に、第1のビーム
スプリッタ17を透過したレーザ光は、第2のビームス
プリッタ18によって反射光と透過光とに分けられる。
なお、このレーザカッティング装置10では、第1のビ
ームスプリッタ17によって反射されたレーザ光が第1
の露光ビームとなり、第2のビームスプリッタ18によ
って反射されたレーザ光が第2の露光ビームとなる。
【0058】第2のビームスプリッタ18を透過したレ
ーザ光は、フォトディテクタ19によって、その光強度
が検出され、当該光強度に応じた信号がフォトディテク
タ19からオートパワーコントローラ20に送られる。
そして、フォトディテクタ19から送られてきた信号に
応じて、オートパワーコントローラ20は、フォトディ
テクタ19によって検出される光強度が所定のレベルに
て一定となるように、電気光学変調器14に対して印加
する信号電界を調整する。これにより、電気光学変調器
14から出射するレーザ光の光強度が一定となるよう
に、自動光量制御(APC:Auto Power Control)が施
され、ノイズの少ない安定したレーザ光が得られる。
【0059】また、上記レーザカッティング装置10
は、第1のビームスプリッタ17によって反射されたレ
ーザ光を光強度変調するための第1の変調光学系22
と、第2のビームスプリッタ18によって反射されたレ
ーザ光を光強度変調するための第2の変調光学系23
と、第1及び第2の変調光学系22,23によって光強
度変調が施された各レーザ光を再合成してフォトレジス
ト12上に集光するための光学系24とを備えている。
【0060】そして、第1のビームスプリッタ17によ
って反射されてなる第1の露光ビームは、第1の変調光
学系22に導かれ、第1の変調光学系22によって光強
度変調が施される。同様に、第2のビームスプリッタ1
8によって反射されてなる第2の露光ビームは、第2の
変調光学系23に導かれ、第2の変調光学系23によっ
て光強度変調が施される。
【0061】すなわち、第1の変調光学系22に入射し
た第1の露光ビームは、集光レンズ29によって集光さ
れた上で音響光学変調器30に入射し、この音響光学変
調器30によって、所望する露光パターンに対応するよ
うに光強度変調される。ここで、音響光学変調器30に
使用される音響光学素子としては、例えば、酸化テルル
(TeO2)からなる音響光学素子が好適である。そし
て、音響光学変調器30によって光強度変調された第1
の露光ビームは、コリメートレンズ31によって平行光
とされた上で、第1の変調光学系22から出射される。
【0062】ここで、音響光学変調器30には、当該音
響光学変調器30を駆動するための駆動用ドライバ32
が取り付けられている。そして、フォトレジストの露光
時には、所望する露光パターンに応じた信号S1が駆動
用ドライバ32に入力され、当該信号S1に応じて駆動
用ドライバ32によって音響光学変調器30が駆動さ
れ、第2の露光ビームに対して光強度変調が施される。
【0063】具体的には、例えば、一定の深さのウォブ
リンググルーブ6に対応したグルーブパターンの潜像を
フォトレジスト12に形成するような場合には、一定レ
ベルのDC信号が駆動用ドライバ32に入力され、当該
DC信号に応じて駆動用ドライバ32によって音響光学
変調器30が駆動される。これにより、所望するグルー
ブパターンに対応するように、第1の露光ビームに対し
て光強度変調が施される。
【0064】また、第2の変調光学系23に入射した第
2の露光ビームは、集光レンズ33によって集光された
上で音響光学変調器34に入射し、この音響光学変調器
34によって、所望する露光パターンに対応するように
光強度変調される。ここで、音響光学変調器34に使用
される音響光学素子としては、例えば、酸化テルル(T
eO2)からなる音響光学素子が好適である。そして、
音響光学変調器34によって光強度変調された第2の露
光ビームは、コリメートレンズ35によって平行光とさ
れるとともに、λ/2波長板36を透過することにより
偏光方向が90°回転させられた上で、第2の変調光学
系23から出射される。
【0065】ここで、音響光学変調器34には、当該音
響光学変調器34を駆動するための駆動用ドライバ37
が取り付けられている。そして、フォトレジスト12の
露光時には、所望する露光パターンに応じた信号S2が
駆動用ドライバ37に入力され、当該信号S2に応じて
駆動用ドライバ37によって音響光学変調器34が駆動
され、第2の露光ビームに対して光強度変調が施され
る。
【0066】具体的には、例えば、一定の深さのストレ
ートグルーブ7に対応したグルーブパターンの潜像をフ
ォトレジスト12に形成するような場合には、一定レベ
ルのDC信号が駆動用ドライバ37に入力され、当該D
C信号に応じて駆動用ドライバ37によって音響光学変
調器34が駆動される。これにより、所望するグルーブ
パターンに対応するように、第2の露光ビームに対して
光強度変調が施される。
【0067】以上のようにして、第1の露光ビームは第
1の変調光学系22によって光強度変調が施され、第2
の露光ビームは第2の変調光学系23によって光強度変
調が施される。このとき、第1の変調光学系22から出
射された第1の露光ビームはS偏光のままであるが、第
2の変調光学系23から出射された第2の露光ビーム
は、λ/2波長板36を透過することにより偏光方向が
90°回転させられているので、P偏光となっている。
【0068】そして、第1の変調光学系22から出射さ
れた第1の露光ビームは、ミラー41によって反射さ
れ、移動光学テーブル上に水平且つ平行に導かれ、偏向
光学系46に入射する。そして、第1の露光ビームは、
偏向光学系46によって光学偏向が施された上で、ミラ
ー44によって反射されて進行方向が90°曲げられた
上で偏光ビームスプリッタ45に入射する。一方、第2
の変調光学系32から出射された第2の露光ビームは、
ミラー42によって反射され、移動光学テーブル上に水
平且つ平行に導かれ、そのまま偏光ビームスプリッタ4
5に入射する。
【0069】ここで、偏向光学系46は、ウォブリング
グルーブのウォブリングに対応するように、第1の露光
ビームに対して光学偏向を施すためのものである。すな
わち、第1の変調光学系22から出射され偏向光学系4
6に入射した第1の露光ビームは、ウェッジプリズム4
7を介して音響光学偏向器(AOD:Acousto Optical
Deflector)48に入射し、この音響光学偏向器48に
よって、所望する露光パターンに対応するように光学偏
向が施される。ここで、音響光学偏向器48に使用され
る音響光学素子としては、例えば、酸化テルル(TeO
2)からなる音響光学素子が好適である。そして、音響
光学偏向器48によって光学偏向が施された第1の露光
ビームは、ウエッジプリズム49を介して偏向光学系4
6から出射される。
【0070】ここで、音響光学偏向器48には、当該音
響光学偏向器48を駆動するための駆動用ドライバ50
が取り付けられており、当該駆動用ドライバ50には、
電圧制御発振器(VCO:Voltage Controlled Oscilla
tor)51からの高周波信号が、アドレス情報を含む制
御信号S3によりFM変調され供給される。そして、フ
ォトレジスト12の露光時には、所望する露光パターン
に応じた信号が、電圧制御発振器51から駆動用ドライ
バ50に入力され、当該信号に応じて駆動用ドライバ5
0によって音響光学偏向器48が駆動され、これによ
り、第1の露光ビームに対して光学偏向が施される。
【0071】具体的には、例えば、周波数84.672
kHzにてグルーブをウォブリングさせることにより、
グルーブにアドレス情報を付加するような場合には、例
えば中心周波数が224MHzの高周波信号を周波数8
4.672kHzの制御信号にてFM変調した信号を、
電圧制御発振器51から駆動用ドライバ50に供給す
る。そして、この信号に応じて、駆動用ドライバ50に
よって音響光学偏向器48を駆動し、当該音響光学偏向
器48の音響光学素子のブラッグ角を変化させ、これに
より、周波数84.672kHzのウォブリングに対応
するように、第1の露光ビームに対して光学偏向を施
す。
【0072】そして、このような偏向光学系46によっ
て、ウォブリンググルーブ6のウォブリングに対応する
ように光学偏向が施された第1の露光ビームは、上述し
たように、ミラー44によって反射されて進行方向が9
0°曲げられた上で偏光ビームスプリッタ45に入射す
る。
【0073】ここで、偏光ビームスプリッタ45は、S
偏光を反射し、P偏光を透過するようになされている。
そして、第1の変調光学系22から出射され偏向光学系
46によって光学偏向が施された第1の露光ビームは、
S偏光であり、また、第2の変調光学系23から出射さ
れた第2の露光ビームは、P偏光である。したがって、
第1の露光ビームは当該偏光ビームスプリッタ45によ
って反射され、第2の露光ビームは当該偏光ビームスプ
リッタ45を透過する。これにより、第1の変調光学系
22から出射され偏向光学系46によって光学偏向が施
された第1の露光ビームと、第2の変調光学系23から
出射された第2の露光ビームとは、進行方向が同一方向
となるように再合成される。
【0074】そして、進行方向が同一方向となるように
再合成されて偏光ビームスプリッタ45から出射した第
1及び第2の露光ビームは、拡大レンズ52によって所
定のビーム径とされた上でミラー53によって反射され
て対物レンズ54へと導かれ、当該対物レンズ54によ
ってフォトレジスト12上に集光される。これにより、
フォトレジスト12が露光され、フォトレジスト12に
潜像が形成されることとなる。このとき、フォトレジス
ト12が塗布されているガラス基板11は、上述したよ
うに、フォトレジスト12の全面にわたって所望のパタ
ーンでの露光がなされるように、図中矢印A1に示すよ
うに回転駆動装置によって回転駆動されるとともに、移
動光学テーブルによって平行移動される。この結果、第
1及び第2の露光ビームの照射軌跡に応じた潜像が、フ
ォトレジスト12の全面にわたって形成されることとな
る。
【0075】なお、露光ビームをフォトレジスト12の
上に集光するための対物レンズ54は、より微細なグル
ーブパターンを形成できるようにするために、開口数N
Aが大きい方が好ましく、具体的には、開口数NAが
0.9程度の対物レンズが好適である。
【0076】また、このように第1及び第2の露光ビー
ムをフォトレジスト12に照射する際は、必要に応じ
て、拡大レンズ52によって第1及び第2の露光ビーム
のビーム径を変化させ、対物レンズ54に対する有効開
口数を調整する。これにより、フォトレジスト12の表
面に集光される第1及び第2の露光ビームのスポット径
を変化させることができる。
【0077】ところで、偏光ビームスプリッタ45に入
射した第1の露光ビームは、当該偏光ビームスプリッタ
45の反射面にて、第2の露光ビームと合成される。こ
こで、偏光ビームスプリッタ45は、当該偏光ビームス
プリッタの反射面が、当該反射面で合成されて出射され
る光の進行方向に対して適度な反射角をなすように配さ
れる。
【0078】具体的には、偏光ビームスプリッタ54の
反射面の反射角は、第1の露光ビームに対応するスポッ
トと、第2の露光ビームに対応するスポットとの、ガラ
ス基板11の半径方向における間隔が、トラックピッチ
TPitchに対応するように設定しておく。これにより、第
1の露光ビームによりウォブリンググルーブ6に対応す
る部分を露光し、同時に、第2の露光ビームによりスト
レートグルーブ7に対応する部分を露光することが可能
となる。
【0079】以上のようなレーザカッティング装置10
では、ウォブリンググルーブ6に対応した潜像を形成す
るための第1の露光ビームに対応した光学系と、ストレ
ートグルーブ7に対応した潜像を形成するための第2の
露光ビームに対応した光学系とを備えているので、この
レーザカッティング装置10だけで、ウォブリンググル
ーブ6に対応した潜像と、ストレートグルーブ7に対応
した潜像とをまとめて形成することができる。しかも、
このレーザカッティング装置10では、第1の露光ビー
ムと第2の露光ビームとを合成するための偏光ビームス
プリッタ45の向きを調整することにより、第1の露光
ビームの照射位置と第2の露光ビームの照射位置とを容
易に調整することができる。
【0080】<光磁気ディスクの製造方法>つぎに、図
1及び図2に示した光磁気ディスク1の製造方法につい
て、具体的な一例を挙げて詳細に説明する。
【0081】光磁気ディスク1を作製する際は、先ず、
原盤工程として、ウォブリンググルーブ6及びストレー
トグルーブ7に対応した凹凸パターンを有する光記録媒
体製造用原盤を作製する。
【0082】この原盤工程においては、先ず、表面を研
磨した円盤状のガラス基板11を洗浄し乾燥させ、その
後、このガラス基板11上に感光材料であるフォトレジ
スト12を塗布する。次に、このフォトレジスト12を
上記レーザカッティング装置10によって露光し、ウォ
ブリンググルーブ6及びストレートグルーブ7に対応し
た潜像をフォトレジスト12に形成する。
【0083】なお、後述する評価用光磁気ディスクを作
製する際、レーザカッティング装置10の光源13に
は、波長λが351nmのレーザ光を出射するKrレー
ザを使用し、第1及び第2の露光ビームをフォトレジス
ト12上に集光するための対物レンズ54には、開口数
NAが0.9のものを使用した。また、拡大レンズ52
には焦点距離が80mmのものを使用した。
【0084】そして、フォトレジスト12をレーザカッ
ティング装置10によって露光する際は、第1及び第2
の露光ビームによってフォトレジスト12を露光するこ
とにより、ウォブリンググルーブ6及びストレートグル
ーブ7に対応した潜像をフォトレジスト12に形成す
る。
【0085】ここで、第1の露光ビームによってフォト
レジスト12を露光することにより、ウォブリンググル
ーブ6に対応した潜像をフォトレジスト12に形成する
際は、第1の露光ビームに対して、第1の変調光学系2
2により光強度変調を施すとともに、偏向光学系46に
より光学偏向を施す。
【0086】具体的には、先ず、一定レベルのDC信号
を駆動用ドライバ32に入力し、当該DC信号に基づい
て駆動用ドライバ32によって音響光学変調器30を駆
動し、これにより、ウォブリンググルーブ6のパターン
に対応するように、第1の露光ビームに対して光強度変
調を施す。ここで、ウォブリンググルーブ6は一定の深
さの連続した溝であるので、ウォブリンググルーブ6に
対応した潜像を形成している間は、第1の露光ビームの
光強度が一定となるように光強度変調を施す。
【0087】次いで、第1の変調光学系22によって光
強度変調が施された第1の露光ビームに対して、偏向光
学系46により光学偏向を施す。具体的には、電圧制御
発振器51から高周波信号を制御信号にてFM変調して
駆動用ドライバ50に供給し、この信号に基づいて駆動
用ドライバ50によって音響光学偏向器48を駆動し
て、当該音響光学偏向器48の音響光学素子のブラッグ
角を変化させ、これにより、第1の露光ビームに対して
光学偏向を施す。
【0088】なお、後述する評価用光磁気ディスクを作
製する際は、中心周波数224MHzの高周波信号を周
波数84.672kHzの制御信号にてFM変調して、
電圧制御発振器51から駆動用ドライバ50に供給し
た。そして、この信号に基づいて、駆動用ドライバ50
によって音響光学偏向器48を駆動し、当該音響光学偏
向器48の音響光学素子のブラッグ角を変化させ、これ
により、フォトレジスト12上に集光される第1の露光
ビームの光スポットの位置が、周波数84.672kH
z,振幅±10nmにて、ガラス基板11の半径方向に
振動するように光学偏向を行った。
【0089】そして、このように光強度変調及び光学偏
向を施した第1の露光ビームを、対物レンズ54によっ
てフォトレジスト12上に集光することにより、フォト
レジスト12を露光し、ウォブリンググルーブ6に対応
した潜像をフォトレジスト12に形成する。
【0090】また、第1の露光ビームによりフォトレジ
スト12を露光するのと同時に、第2の露光ビームによ
ってフォトレジスト12を露光することにより、ストレ
ートグルーブ7に対応した潜像をフォトレジスト12に
形成する。
【0091】第2の露光ビームによってフォトレジスト
12を露光することにより、ストレートグルーブ7に対
応した潜像をフォトレジスト12に形成する際は、第2
の露光ビームに対して、第2の変調光学系23により光
強度変調を施す。
【0092】具体的には、一定レベルのDC信号を駆動
用ドライバ37に入力し、当該DC信号に基づいて駆動
用ドライバ37によって音響光学変調器34を駆動し、
これにより、ストレートグルーブ7のパターンに対応す
るように、第2の露光ビームに対して光強度変調を施
す。ここで、ストレートグルーブ7は一定の深さの連続
した溝であるので、ストレートグルーブ7に対応した潜
像を形成している間は、第2の露光ビームの光強度が一
定となるように光強度変調を施す。
【0093】そして、このように光強度変調を施した第
2の露光ビームを、対物レンズ54によってフォトレジ
スト12上に集光することにより、フォトレジスト12
を露光し、ストレートグルーブ7に対応した潜像をフォ
トレジスト12に形成する。
【0094】なお、このようにフォトレジスト12を露
光して、ウォブリンググルーブ6及びストレートグルー
ブ7に対応した潜像を形成する際は、フォトレジスト1
2が塗布されているガラス基板11を、所定の回転速度
にて回転駆動させるとともに、所定の速度にて平行移動
させる。
【0095】具体的には、後述する評価用光磁気ディス
クを作製する際、ガラス基板11の回転速度は、第1及
び第2の露光ビームによる光スポットとフォトレジスト
12との相対的な移動速度が線速1.0m/secとな
るようにした。そして、当該ガラス基板11を1回転毎
に1.00μm(すなわちトラックピリオドTPeri
odの分)だけ、移動光学テーブルによってガラス基板
11の半径方向に平行移動させた。
【0096】以上のように第1及び第2の露光ビームに
よってフォトレジスト12を露光することにより、ウォ
ブリンググルーブ6に対応した潜像と、ストレートグル
ーブ7に対応した潜像とが、ダブルスパイラル状にフォ
トレジスト12に形成される。
【0097】なお、このように第1及び第2の露光ビー
ムによってフォトレジスト12を露光する際は、駆動用
ドライバ32,37に入力するDC信号のレベルを調整
して、第2の露光ビームのパワーと第3の露光ビームの
パワーとが異なるようにしておく。これにより、ウォブ
リンググルーブ6に対応した潜像の深さと、ストレート
グルーブ7に対応した潜像の深さとが異なるものとな
る。
【0098】また、上記レーザカッティング装置10で
は、第1の露光ビームによる光スポットと、第2の露光
ビームによる光スポットとのガラス基板11の半径方向
における間隔が、トラックピッチTPitchに対応す
るように、偏光ビームスプリッタ45の反射面の反射角
を設定しておく。
【0099】このように偏光ビームスプリッタ45の反
射面の反射角を設定しておくことにより、第1の露光ブ
ームによってウォブリンググルーブ6に対応した潜像が
形成されるとともに、当該ウォブリンググルーブ6に隣
接したストレートグルーブ7に対応した潜像が第2の露
光ビームによって形成されることとなる。このことは、
換言すれば、ウォブリンググルーブ6とストレートグル
ーブ7との相対的な位置決めは、偏光ビームスプリッタ
45の向きを調整することにより実現できるということ
でもある。
【0100】そして、以上のようにしてフォトレジスト
12に潜像を形成した後、フォトレジスト12が塗布さ
れている面が上面となるように、ガラス基板11を現像
機のターンテーブル上に載置する。そして、当該ターン
テーブルを回転させることによりガラス基板11を回転
させながら、フォトレジスト12上に現像液を滴下して
現像処理を施して、ガラス基板11上にウォブリンググ
ルーブ6及びストレートグルーブ7に対応した凹凸パタ
ーンを形成する。
【0101】次に、上記凹凸パターン上に無電界メッキ
法によりNi等からなる導電化膜を形成し、その後、導
電化膜が形成されたガラス基板11を電鋳装置に取り付
け、電気メッキ法により導電化膜上にNi等からなるメ
ッキ層を、300±5μm程度の厚さとなるように形成
する。その後、このメッキ層を剥離し、剥離したメッキ
をアセトン等を用いて洗浄し、凹凸パターンが転写され
た面に残存しているフォトレジスト12を除去する。
【0102】以上の工程により、ガラス基板11上に形
成されていた凹凸パターンが転写されたメッキからなる
光記録媒体製造用原盤、すなわち、ウォブリンググルー
ブ6及びストレートグルーブ7に対応した凹凸パターン
が形成された光記録媒体製造用原盤が完成する。
【0103】なお、この光記録媒体製造用原盤は、本発
明が適用されてなる光記録媒体製造用原盤である。すな
わち、この光記録媒体製造用原盤は、記録トラックに沿
ってウォブリンググルーブ6及びストレートグルーブ7
が形成されてなる光磁気ディスク1を製造する際に使用
される光記録媒体製造用原盤であって、ウォブリンググ
ルーブ6に対応した凹凸パターンである第1のグルーブ
パターンと、ストレートグルーブ7に対応した凹凸パタ
ーンである第2のグルーブパターンとがダブルスパイラ
ル状に形成されてなる。そして、第1のグルーブパター
ンと第2のグルーブパターンとは、それらの深さが互い
に異なるように形成されている。
【0104】次に、転写工程として、フォトポリマー法
(いわゆる2P法)を用いて、上記光記録媒体製造用原
盤の表面形状が転写されてなるディスク基板を作製す
る。
【0105】具体的には、先ず、光記録媒体製造用原盤
の凹凸パターンが形成された面上にフォトポリマーを平
滑に塗布してフォトポリマー層を形成し、次に、当該フ
ォトポリマー層に泡やゴミが入らないようにしながら、
フォトポリマー層上にベースプレートを密着させる。こ
こで、ベースプレートには、例えば、1.2mm厚のポ
リメチルメタクリレート(屈折率1.49)からなるベ
ースプレートを使用する。
【0106】その後、紫外線を照射してフォトポリマー
を硬化させ、その後、光記録媒体製造用原盤を剥離する
ことにより、光記録媒体製造用原盤の表面形状が転写さ
れてなるディスク基板2を作製する。
【0107】なお、ここでは、光記録媒体製造用原盤に
形成された凹凸パターンがより正確にディスク基板2に
転写されるように、2P法を用いてディスク基板2を作
製する例を挙げたが、ディスク基板2を量産するような
場合には、ポリメチルメタクリレートやポリカーボネー
ト等の透明樹脂を用いて射出成形によってディスク基板
2を作製するようにしても良いことは言うまでもない。
【0108】次に、成膜工程として、光記録媒体製造用
原盤の表面形状が転写されてなるディスク基板2上に記
録層3及び保護層4を形成する。具体的には、例えば、
先ず、ディスク基板2の凹凸パターンが形成された面上
に、SiN等からなる第1の誘電体膜と、TeFeCo
合金等からなる垂直磁気記録膜と、SiN等からなる第
2の誘電体膜とをスパッタリングによって順次成膜し、
更に、第2の誘電体膜上にAl等からなる光反射膜を蒸
着によって成膜することにより、第1の誘電体膜、垂直
磁気記録膜、第2の誘電体膜及び光反射膜からなる記録
層3を形成する。その後、上記記録層3上に紫外線硬化
樹脂をスピンコート法により塗布し、当該紫外線硬化樹
脂に対して紫外線を照射し硬化させることにより、保護
層4を形成する。
【0109】以上の工程により、光磁気ディスク1が完
成する。
【0110】<光磁気ディスクの評価>つぎに、上述の
ような製造方法にて、ウォブリンググルーブ6の深さと
ストレートグルーブ7の深さとが異なる複数の評価用光
磁気ディスクを作製し、それらの評価を行った結果につ
いて説明する。
【0111】ここで、ウォブリンググルーブ6及びスト
レートグルーブ7の深さの制御は、光記録媒体製造用原
盤を作製する際に、第1の露光ビーム及び第2の露光ビ
ームのパワーを変化させたり、或いは、ガラス基板上に
形成するフォトレジストの膜厚を変化させたりすること
により行った。
【0112】すなわち、評価用光磁気ディスクの評価を
行うにあたっては、ウォブリンググルーブ6に対応した
潜像を形成するための第1の露光ビームのパワーや、ス
トレートグルーブ7に対応した潜像を形成するための第
2の露光ビームのパワーを変化させたり、或いは、ガラ
ス基板上に形成するフォトレジストの膜厚を変化させた
りして、凹凸パターンの深さの異なる複数の光記録媒体
製造用原盤を作製し、その後、それらの光記録媒体製造
用原盤を用いて、上述したような2P法により評価用光
磁気ディスクを作製した。なお、これらの評価用光磁気
ディスクのディスク基板の材料には、屈折率1.49の
ポリメチルメタクリレートを使用した。
【0113】なお、各評価用光磁気ディスクにおいて、
グルーブの断面形状のうち、深さ以外のパラメータにつ
いては、ほぼ一定となるようにした。具体的には、各評
価用光磁気ディスクにおいて、図4に示すように、隣り
合うように形成された深さの異なるグルーブG1,G2
のうち、浅い方のグルーブG1の上幅t1は約300n
m、底幅t2は約200nmとなり、深い方のグルーブ
G2の上幅t3は約280nm、底幅t4は約220n
mとなり、グルーブG1とグルーブG2の間のランドの
部分の幅t5は、約210nmとなるようにした。
【0114】そして、このように作製した、グルーブ深
さの異なる複数の評価用光磁気ディスクについて、トラ
ッキングサーボ特性やトラックシーク特性を評価すると
ともに、それらの評価用光磁気ディスクから得られるプ
ッシュプル信号振幅比及びクロストラック信号振幅比を
測定した。なお、トラッキングサーボ特性及びトラック
シーク特性の評価、並びにプッシュプル信号振幅比及び
クロストラック信号振幅比の測定には、レーザ光の波長
λが650nm、対物レンズの開口数NAが0.52の
光ピックアップを用いた。
【0115】以上の測定の結果を、各評価用光磁気ディ
スクに形成されたグルーブの深さとともに表2乃至表4
に示す。なお、評価用光磁気ディスクでは、ウォブリン
グの振幅が非常に小さいため、プッシュプル信号振幅比
及びクロストラック信号振幅比は、ウォブリングの有無
には殆ど影響を受けない。そこで、ここでは、評価用光
磁気ディスクに形成されたグルーブを、ウォブリンググ
ルーブ6とストレートグルーブ7とで区別するのではな
く、深い方のグルーブと浅い方のグルーブとで区別し
た。また、表2乃至表4において、クロストラック信号
振幅比がマイナスなのは、クロストラック信号の位相が
反転したことを示している。
【0116】
【表2】
【0117】
【表3】
【0118】
【表4】
【0119】なお、表2乃至表4では、評価用光磁気デ
ィスクに形成されたグルーブの深さを示したが、グルー
ブの深さの測定は、実際には、評価用光磁気ディスク自
体を測定するのではなく、光記録媒体製造用原盤に形成
された凹凸パターンを原子間力顕微鏡(AFM:Atomic
Force Microscope)で測定することにより行った。す
なわち、ここでは、光記録媒体製造用原盤に形成された
凹凸パターンがディスク基板に精度良く転写されるもの
と仮定し、光記録媒体製造用原盤に形成された凹凸パタ
ーンの形状を測定した結果を、評価用光磁気ディスクの
グルーブの断面形状を示す値として用いた。
【0120】そして、各評価用光磁気ディスクについ
て、トラッキングサーボ特性やトラックシーク特性と、
プッシュプル信号振幅比やクロストラック信号振幅比と
の関係を調べた。その結果、クロストラック信号振幅比
が0.15以上のときには、クロストラック信号を用い
てトラッキングサーボを安定に行うことができた。ま
た、クロストラック信号振幅比が0.15以上であり、
プッシュプル信号振幅比が0.06以上のときには、プ
ッシュプル信号及びクロストラック信号のレベル及び極
性を検出することにより、第1乃至第4の記録トラック
TrackA,TrackB,TrackC,TrackDを判別して、トラ
ックシークを安定に行うことができた。このことから、
クロストラック信号振幅比が0.15以上、プッシュプ
ル信号振幅比が0.06以上となる光磁気ディスクで
は、トラッキングサーボ及びトラックシークを安定に行
えることが分かった。
【0121】そこで、クロストラック信号振幅比が0.
15以上、且つプッシュプル信号振幅比が0.06以上
となるときの、ウォブリンググルーブ6及びストレート
グルーブ7の深さを調べた。その結果、図5中の点a
1,a2,a3,a4,a5,a6,a7,a8,a
9,a10,a11,a12,a13,a14で囲まれ
た領域内、或いは、図5中の点b1,b2,b3,b
4,b5,b6,b7,b8で囲まれた領域内であれ
ば、クロストラック信号振幅比が0.15以上、且つプ
ッシュプル信号振幅比が0.06以上となることが分か
った。
【0122】なお、図5において、縦軸は、ウォブリン
ググルーブ6及びストレートグルーブ7のうちの浅い方
のグルーブについて、当該グルーブの位相深さYを示し
ている。また、横軸は、ウォブリンググルーブ6及びス
トレートグルーブ7のうちの深い方のグルーブについ
て、当該グルーブの位相深さXを示している。
【0123】ここで、点a1,a2,a3,a4を結ぶ
近似直線L1は下記式(2−1)で表され、点a4,a
5,a6,a7,a8,a9,a10,a11,a1
2,a13,a14,a1を結ぶ近似直線L2は下記式
(2−2)で表された。
【0124】 Y=+1.9210−15.1875X+38.7772X2−32.0372X3 ・・・(2−1) Y=−7891.9344+136273.8897X−977584.9679X2 +3729402.0181X3−7980032.8847X4+9081208.5197X5 −4294055.2253X6 ・・・(2−2) したがって、点a1〜a14で囲まれた領域は、下記式
(2−3)及び式(2−4)を満たす領域として、近似
的に表すことができる。
【0125】 Y≧+1.9210−15.1875X+38.7772X2−32.0372X3 ・・・(2−3) Y≦−7891.9344+136273.8897X−977584.9679X2 +3729402.0181X3−7980032.8847X4+9081208.5197X5 −4294055.2253X6 ・・・(2−4) すなわち、ウォブリンググルーブ6及びストレートグル
ーブ7のうち、深い方のグルーブの位相深さをXとし、
浅い方のグルーブの位相深さをYとしたときに、それら
のグルーブが上記式(2−3)及び式(2−4)を満た
すように形成されていれば、クロストラック信号振幅比
が0.15以上、且つプッシュプル信号振幅比が0.0
6以上となり、安定なトラッキングサーボ及びトラック
シークが可能となる。
【0126】ところで、光の回折原理より、コヒーレン
ト長以内においては、波長の整数倍毎に同様な回折効果
が得られる。したがって、グルーブに入射し反射される
光の往復の光路が、波長の整数倍を単位として増減して
も、同様な回折効果を示す。すなわち、グルーブの位相
深さX,Yを、半波長の整数倍を単位として増減させて
も、同様な回折効果が得られる。したがって、上記式
(2−3)及び式(2−4)は、任意の整数K,Mを用
いて、下記式(2−5)及び式(2−6)のように一般
化できる。
【0127】 Y≧0.5M+1.9210−15.1875(X+0.5K)+38.7772(X+0.5K)2 −32.0372(X+0.5K)3 ・・・(2−5) Y≦0.5M−7891.9344+136273.8897(X+0.5K) −977584.9679(X+0.5K)2+3729402.0181(X+0.5K)3 −7980032.8847(X+0.5K)4+9081208.5197(X+0.5K)5 −4294055.2253(X+0.5K)6 ・・・(2−6) すなわち、ウォブリンググルーブ6及びストレートグル
ーブ7のうち、深い方のグルーブの位相深さをXとし、
浅い方のグルーブの位相深さをYとしたときに、それら
のグルーブが上記式(2−5)及び式(2−6)を満た
すように形成されていれば、クロストラック信号振幅比
が0.15以上、且つプッシュプル信号振幅比が0.0
6以上となり、安定なトラッキングサーボ及びトラック
シークが可能となる。
【0128】一方、点b1,b2,b3,b4,b5を
結ぶ近似直線L3は下記式(3−1)で表され、点b
5,b6,b7,b8,b1を結ぶ近似直線L4は下記
式(3−2)で表された。
【0129】 Y=−13.7275−100.6913X+283.6042X2−360.1805X3 +174.2959X4 ・・・(3−1) Y=−1.4918+16.3767X−57.3863X2+88.1002X3 −49.8972X4 ・・・(3−2) したがって、点b1〜b8で囲まれた領域は、下記式
(3−3)及び式(3−4)を満たす領域として、近似
的に表すことができる。
【0130】 Y≧−13.7275−100.6913X+283.6042X2−360.1805X3 +174.2959X4 ・・・(3−3) Y≦−1.4918+16.3767X−57.3863X2+88.1002X3 −49.8972X4 ・・・(3−4) すなわち、ウォブリンググルーブ6及びストレートグル
ーブ7のうち、深い方のグルーブの位相深さをXとし、
浅い方のグルーブの位相深さをYとしたときに、それら
のグルーブが上記式(3−3)及び式(3−4)を満た
すように形成されていれば、クロストラック信号振幅比
が0.15以上、且つプッシュプル信号振幅比が0.0
6以上となり、安定なトラッキングサーボ及びトラック
シークが可能となる。
【0131】そして、上記式(3−3)及び式(3−
4)も、任意の整数L,Nを用いて、下記式(3−5)
及び式(3−6)のように一般化できる。
【0132】 Y≧0.5N−13.7275−100.6913(X+0.5L)+283.6042(X+0.5L)2 −360.1805(X+0.5L)3+174.2959(X+0.5L)4 ・・・(3−5) Y≦0.5N−1.4918+16.3767(X+0.5L)−57.3863(X+0.5L)2 +88.1002(X+0.5L)3−49.8972(X+0.5L)4 ・・・(3−6) すなわち、ウォブリンググルーブ6及びストレートグル
ーブ7のうち、深い方のグルーブの位相深さをXとし、
浅い方のグルーブの位相深さをYとしたときに、それら
のグルーブが上記式(3−5)及び式(3−6)を満た
すように形成されていれば、クロストラック信号振幅比
が0.15以上、且つプッシュプル信号振幅比が0.0
6以上となり、安定なトラッキングサーボ及びトラック
シークが可能となる。
【0133】ところで、本例において用いた光ピックア
ップにおいて、レーザ光の波長λは650nm、対物レ
ンズの開口数NAは0.52である。したがって、光ピ
ックアップのカットオフ周波数2NA/λは、1600
mm-1である。一方、評価用光磁気ディスクのトラックピ
ッチTPitchは0.50μmであるので、その空間周波数
は2000mm-1である。このように、評価用光磁気ディ
スクでは、トラックピッチTPitchの空間周波数のほうが
光ピックアップのカットオフ周波数2NA/λよりも大
きくなっている。
【0134】従来は、このようにトラックピッチTPitch
の空間周波数のほうが光ピックアップのカットオフ周波
数2NA/λよりも大きいと、十分なレベルのプッシュ
プル信号やクロストラック信号を得ることができず、安
定なトラッキングサーボやトラックシークができなくな
ってしまっていた。
【0135】しかしながら、本発明を適用した光磁気デ
ィスク1では、上述の実験結果からも分かるように、ウ
ォブリンググルーブ6及びストレートグルーブ7を上記
式(2−5)及び式(2−6)、或いは上記式(3−
5)及び式(3−6)を満たすように形成することによ
り、十分なレベルのプッシュプル信号やクロストラック
信号を確保しつつ、トラックピッチTPitchの空間周波数
を光ピックアップのカットオフ周波数2NA/λよりも
大きくすることが可能となっている。すなわち、本発明
を適用することにより、十分なレベルのプッシュプル信
号やクロストラック信号を確保しつつ、トラックピッチ
TPitchを狭くして、記録密度を大幅に向上することが可
能となる。
【0136】なお、本発明は、記録トラックに沿ってグ
ルーブが形成されてなる光記録媒体、並びにその製造に
使用される光記録媒体製造用原盤に対して広く適用可能
であり、本発明の対象となる光記録媒体は、例えば、再
生専用の光記録媒体、繰り返しデータの書き換えが可能
な光記録媒体、或いはデータの追記は可能だか消去はで
きないような光記録媒体のいずれでもよい。
【0137】また、データの記録方法も特に限定される
ものではなく、本発明の対象となる光記録媒体は、例え
ば、予めエンボスピット等によりデータが予め書き込ま
れている再生専用の光記録媒体、磁気光学効果を利用し
てデータの記録再生を行う光磁気記録媒体、或いは記録
層の相変化を利用してデータの記録再生を行う相変化型
光記録媒体のいずれでもよい。
【0138】また、本発明は、記録領域の少なくとも一
部にグルーブが形成されている光記録媒体、並びにその
製造に使用される光記録媒体製造用原盤に対して広く適
用可能である。すなわち、例えば、記録領域全体にグル
ーブが形成されていてもよいし、或いは、グルーブが形
成されることなくエンボスピットによってデータが記録
されているような領域が記録領域内に存在していてもよ
い。
【0139】また、本発明に係る光記録再生装置は、記
録媒体として本発明が適用された光記録媒体を用い、ト
ラッキングサーボをクロストラック信号を用いて行い、
トラックシークをプッシュプル信号を用いて行うことを
特徴とするが、その他の構成等については、既存の光記
録再生装置と同様な構成で良い。
【0140】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によ
れば、ランドグルーブ記録の光記録媒体において、トラ
ックピッチを非常に狭くしても、安定にトラッキングサ
ーボやトラックシークを行えるようにすることができ
る。したがって、本発明によれば、ランドグルーブ記録
を採用しつつ、狭トラック化を更に進めて、光記録媒体
の更なる高記録密度化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した光磁気ディスクの一例につい
て、その要部を拡大して示す断面図である。
【図2】本発明を適用した光磁気ディスクの一例につい
て、その記録領域の一部を拡大して示す図である。
【図3】本発明に係る光記録媒体及び光記録媒体製造用
原盤を作製する際に使用されるレーザカッティング装置
の一例について、その光学系の概要を示す図である。
【図4】評価用光磁気ディスクに形成されたグルーブの
断面形状を示す図である。
【図5】クロストラック信号振幅比が0.15以上、プ
ッシュプル信号振幅比が0.06以上となるときの、ウ
ォブリンググルーブ及びストレートグルーブの深さを調
べた結果を示す図である。
【図6】プッシュプル信号及びクロストラック信号の検
出方法を説明するための図である。
【符号の説明】
1 光磁気ディスク、 2 ディスク基板、 3 記録
層、 4 保護層、6 ウォブリンググルーブ、 7
ストレートグルーブ

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 記録トラックに沿ってグルーブが形成さ
    れ、所定の波長λの光が照射されて記録及び/又は再生
    がなされる光記録媒体であって、 グルーブの部分と、グルーブとグルーブの間のランド部
    分との両方に情報信号の記録がなされるとともに、 グルーブとして、深さの異なる第1のグルーブと第2の
    グルーブとが隣り合うように形成されてなり、 光入射面からグルーブに至る媒質の屈折率をn、第1の
    グルーブの深さをx、第2のグルーブの深さをyとした
    ときに、x×n/λで表される第1のグルーブの位相深
    さをX、y×n/λで表される第2のグルーブの位相深
    さをYとし、K,L,M,Nを任意の整数としたとき、 第1のグルーブ及び第2のグルーブが、下記式(1)及
    び式(2)、或いは、下記式(3)及び式(4)を満た
    すように形成されていることを特徴とする光記録媒体。 Y≧0.5M+1.9210−15.1875(X+0.5K)+38.7772(X+0.5K)2 −32.0372(X+0.5K)3 ・・・(1) Y≦0.5M−7891.9344+136273.8897(X+0.5K) −977584.9679(X+0.5K)2+3729402.0181(X+0.5K)3 −7980032.8847(X+0.5K)4+9081208.5197(X+0.5K)5 −4294055.2253(X+0.5K)6 ・・・(2) Y≧0.5N−13.7275−100.6913(X+0.5L)+283.6042(X+0.5L)2 −360.1805(X+0.5L)3+174.2959(X+0.5L)4 ・・・(3) Y≦0.5N−1.4918+16.3767(X+0.5L)−57.3863(X+0.5L)2 +88.1002(X+0.5L)3−49.8972(X+0.5L)4 ・・・(4)
  2. 【請求項2】 上記第1のグルーブと上記第2のグルー
    ブのうちの少なくとも一方は、少なくとも一部が蛇行す
    るように形成されたウォブリンググルーブであることを
    特徴とする請求項1記載の光記録媒体。
  3. 【請求項3】 記録及び/又は再生に使用される対物レ
    ンズの開口数をNA、記録及び/又は再生時に照射され
    る光の波長をλとしたときに、2×NA/λで表される
    カットオフ周波数よりも、トラックピッチの空間周波数
    が大きいことを特徴とする請求項1記載の光記録媒体。
  4. 【請求項4】 記録トラックに沿ってグルーブが形成さ
    れ、光が照射されて記録及び/又は再生がなされる光記
    録媒体であって、 グルーブの部分と、グルーブとグルーブの間のランド部
    分との両方に情報信号の記録がなされるとともに、 グルーブとして、深さの異なる第1のグルーブと第2の
    グルーブとが隣り合うように形成されてなり、 この光記録媒体によって上記光が反射されてなる反射光
    を、トラック中心に対して対称に配置された2つの光検
    出器により検出したときに、 一方の光検出器で検出される光量をA、他方の光検出器
    で検出される光量をB、A−Bで表される差信号の振幅
    をC、A+Bで表される和信号の振幅をD、グルーブが
    形成されていない鏡面部位における上記和信号の値をM
    maxとすると、 C/Mmaxで表される差信号振幅比が0.06以上とな
    り、 D/Mmaxで表される和信号振幅比が0.15以上とな
    ることを特徴とする光記録媒体。
  5. 【請求項5】 上記第1のグルーブと上記第2のグルー
    ブのうちの少なくとも一方は、少なくとも一部が蛇行す
    るように形成されたウォブリンググルーブであることを
    特徴とする請求項4記載の光記録媒体。
  6. 【請求項6】 記録及び/又は再生に使用される対物レ
    ンズの開口数をNA、記録及び/又は再生時に照射され
    る光の波長をλとしたときに、2×NA/λで表される
    カットオフ周波数よりも、トラックピッチの空間周波数
    が大きいことを特徴とする請求項4記載の光記録媒体。
  7. 【請求項7】 記録トラックに沿ってグルーブが形成さ
    れ所定の波長λの光が照射されて記録及び/又は再生が
    なされる光記録媒体を製造する際に使用される光記録媒
    体製造用原盤であって、 上記グルーブに対応した凹凸パターンとして、第1のグ
    ルーブパターンと第2のグルーブパターンとが隣り合う
    ように形成されてなり、 上記光記録媒体の光入射面からグルーブに至る媒質の屈
    折率をn、第1のグルーブパターンの深さをx'、第2
    のグルーブパターンの深さをy'としたときに、x'×n
    /λで表される第1のグルーブパターンの位相深さを
    X'、y'×n/λで表される第2のグルーブパターンの
    位相深さをY'とし、K,L,M,Nを任意の整数とし
    たとき、 第1のグルーブパターン及び第2のグルーブパターン
    は、下記式(5)及び式(6)、或いは、下記式(7)
    及び式(8)を満たすように形成されてなり、 上記光記録媒体は、グルーブの部分と、グルーブとグル
    ーブの間のランド部分との両方に情報信号の記録がなさ
    れる記録媒体であることを特徴とする光記録媒体製造用
    原盤。 Y'≧0.5M+1.9210−15.1875(X'+0.5K)+38.7772(X'+0.5K)2 −32.0372(X'+0.5K)3 ・・・(5) Y'≦0.5M−7891.9344+136273.8897(X'+0.5K) −977584.9679(X'+0.5K)2+3729402.0181(X'+0.5K)3 −7980032.8847(X'+0.5K)4+9081208.5197(X'+0.5K)5 −4294055.2253(X'+0.5K)6 ・・・(6) Y'≧0.5N−13.7275−100.6913(X'+0.5L)+283.6042(X'+0.5L)2 −360.1805(X'+0.5L)3+174.2959(X'+0.5L)4 ・・・(7) Y'≦0.5N−1.4918+16.3767(X'+0.5L)−57.3863(X'+0.5L)2 +88.1002(X'+0.5L)3−49.8972(X'+0.5L)4 ・・・(8)
  8. 【請求項8】 上記第1のグルーブパターンと上記第2
    のグルーブパターンのうちの少なくとも一方は、少なく
    とも一部が蛇行するように形成されるウォブリンググル
    ーブに対応した凹凸パターンであることを特徴とする請
    求項7記載の光記録媒体製造用原盤。
  9. 【請求項9】 記録トラックに沿ってグルーブが形成さ
    れた光記録媒体に対して、光を照射して記録及び/又は
    再生を行う光記録再生装置であって、 記録及び/又は再生の対象となる光記録媒体として、グ
    ルーブの部分と、グルーブとグルーブの間のランド部分
    との両方に情報信号の記録がなされるとともに、上記グ
    ルーブとして、深さの異なる第1のグルーブと第2のグ
    ルーブとが隣り合うように形成されてなる光記録媒体を
    用いるとともに、 上記光記録媒体のトラック中心に対して対称に配置され
    た2つの光検出器を備え、 記録及び/又は再生時に、上記光記録媒体によって上記
    光が反射されてなる反射光を上記2つの光検出器により
    検出したときに、一方の光検出器で検出される光量を
    A、他方の光検出器で検出される光量をBとすると、 光スポットを記録トラックに追従させるトラッキングサ
    ーボを、A+Bで表される和信号を用いて行い、 光スポットを所望する記録トラックに移動させるトラッ
    クシークを、A−Bで表される差信号を用いて行うこと
    を特徴とする光記録再生装置。
  10. 【請求項10】 記録及び/又は再生の対象となる光記
    録媒体として、上記第1のグルーブと上記第2のグルー
    ブのうちの少なくとも一方が、少なくとも一部が蛇行す
    るように形成されたウォブリンググルーブとされている
    光記録媒体を用いることを特徴とする請求項9記載の光
    記録再生装置。
  11. 【請求項11】 上記光を光記録媒体上に集光する対物
    レンズを備え、 上記対物レンズの開口数をNA、上記光の波長をλとし
    たときに、2×NA/λで表されるカットオフ周波数よ
    りも、記録及び/又は再生の対象となる光記録媒体のト
    ラックピッチの空間周波数が大きいことを特徴とする請
    求項9記載の光記録再生装置。
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