JP2000089173A - 多焦点コンタクトレンズの設計方法および多焦点コンタクトレンズの設計用データ処理装置 - Google Patents

多焦点コンタクトレンズの設計方法および多焦点コンタクトレンズの設計用データ処理装置

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JP2000089173A
JP2000089173A JP10255112A JP25511298A JP2000089173A JP 2000089173 A JP2000089173 A JP 2000089173A JP 10255112 A JP10255112 A JP 10255112A JP 25511298 A JP25511298 A JP 25511298A JP 2000089173 A JP2000089173 A JP 2000089173A
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center axis
optical center
deviation
pupil
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Tadashi Sawano
正 沢野
Hiroyuki Oyama
博幸 大山
Hideaki Kondo
英明 近藤
Kazuya Miyamura
一哉 宮村
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Menicon Co Ltd
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Menicon Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 多焦点コンタクトレンズにおいて、光学中心
軸を装用者の瞳孔に対して、高精度に且つ容易に位置合
わせすることの出来るコンタクトレンズの設計方法を提
供すること。 【解決手段】 検査用コンタクトレンズ8を装用させた
状態で画像データを取得し、この画像データから得られ
る瞳孔位置情報等を利用して、目的とする多焦点コンタ
クトレンズの光学中心軸の位置を設計する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は、老視用コンタクトレンズ等の多
焦点コンタクトレンズの設計方法および多焦点コンタク
トレンズの設計用データ処理装置に係り、特に、互いに
異なるレンズ度数が付与された複数の視力矯正域が、レ
ンズ幾何中心に対して偏倚せしめられた光学中心軸を共
通にして同心的に設けられてなる多焦点コンタクトレン
ズの設計方法と、そのような多焦点コンタクトレンズの
設計用データ処理装置に関するものである。
【0002】
【背景技術】従来から、コンタクトレンズの一種とし
て、互いに異なるレンズ度数が付与された複数の視力矯
正域が、レンズ幾何中心に対して偏倚せしめられた光学
中心軸を共通にして同心的に設けられてなる多焦点コン
タクトレンズ(マルチフォーカルレンズおよびバイフォ
ーカルレンズを含む)が知られており、例えば老視等の
視力調節能力に劣る目に用いるコンタクトレンズ等への
適用が検討されている。また、このような同時視形の多
焦点コンタクトレンズでは、良好なる視認性や装用感等
を得るために、特開平6−289329号公報や特開平
7−239459号公報等に記載されているように、光
学中心軸をレンズ幾何中心に対して偏倚させると共に、
装用状態における周方向の位置決めのための回転防止手
段を設けることにより、視力矯正域の光学中心軸を装用
者の瞳孔に位置合わせすることが有利であるとされてい
る。
【0003】ところが、装用時におけるコンタクトレン
ズ上での瞳孔位置は、各個人によって異なるために、設
定が難しく、有効な方法が無いのが現状であった。即
ち、コンタクトレンズにおける光学中心軸の位置決定
は、装用者の角膜形状の測定結果等を利用することも可
能であるが、正確な測定が極めて困難であるために、一
般に、トライアルレンズを装用した装用者の主観的な判
断と、第三者による周方向位置等の簡単な観察によって
いるのが現状である。
【0004】そのために、視力矯正域の光学中心軸を装
用者の瞳孔に対して、高精度に位置合わせすることが難
しかったのであり、光学中心軸と瞳孔の位置ずれに起因
して、矯正視力不良やゴースト現象,MTF(伝達関
数)の低下などといった光学的不良が発生し易く、良好
な視認性を安定して得ることが難しいという問題があっ
た。
【0005】なお、コンタクトレンズにおけるDIA
(レンズ直径)を大きくすることにより、或いはBC
(ベースカーブ)の曲率半径を小さくすることによっ
て、コンタクトレンズの位置を眼球上で強制的に位置決
めし、視力矯正域の光学中心軸を装用者の瞳孔に位置合
わせすることも考えられる。しかしながら、このような
手法は眼の安全性を軽視するものであり、装用感不良や
眼障害等の発生が容易に予測されることから、採用され
るべきでない。
【0006】
【解決課題】ここにおいて、本発明は、上述の如き事情
を背景としてなされたものであって、その解決課題とす
るところは、眼への安全性を低下させることなく、視力
矯正域の光学中心軸を装用者の瞳孔に対して高精度に且
つ容易に位置合わせすることの出来る多焦点コンタクト
レンズの設計方法および多焦点コンタクトレンズの設計
用データ処理装置を提供することにある。
【0007】
【解決手段】そして、このような課題を解決するため
に、多焦点コンタクトレンズの設計方法に関する本発明
の特徴とするところは、互いに異なるレンズ度数が付与
された複数の視力矯正域が光学中心軸を共通にして同心
的に設けられており、該光学中心軸がレンズ幾何中心に
対して偏倚せしめられていると共に、装用状態における
周方向の位置決めのための回転防止手段が設けられた多
焦点コンタクトレンズを設計するに際して、(a)形状
が既知の検査用コンタクトレンズの被検者による装用状
態を観察し、装用状態のデータを得る装用データ取得工
程と、(b)該装用取得工程で得られた装用状態のデー
タに基づいて、前記検査用コンタクトレンズの前記被検
者の瞳孔に対する相対的な偏倚情報を求める偏倚情報取
得工程と、(c)該偏倚情報に基づいて、目的とする前
記多焦点コンタクトレンズにおける前記視力矯正域の光
学中心軸が前記被検者の瞳孔の中心に位置するように、
目的とする多焦点コンタクトレンズにおける前記視力矯
正域の光学中心軸の位置を決定する位置決定工程とを、
含む多焦点コンタクトレンズの設計方法にある。
【0008】このような本発明方法に従えば、検査用コ
ンタクトレンズの実際の装用状態のデータを利用するこ
とで、目的とする多焦点コンタクトレンズにおいて、被
検者に固有のレンズ安定位置や瞳孔位置を考慮して、眼
に対する良好なフィッティング性を確保し、眼への安全
性を低下させることなく、視力矯正域の光学中心軸が、
装用者の瞳孔に対して高精度に位置合わせされた多焦点
コンタクトレンズの形状を容易に設計することが出来る
のである。
【0009】ところで、本発明方法において、装用デー
タ取得工程では、例えば、検者が被検者のレンズ装用状
態を、必要に応じて拡大鏡や指標等の補助具を用いて、
直接的乃至は間接的な目視で行うことも可能であるが、
例えば、前記装用データ取得工程において、検査用コン
タクトレンズの被検者による装用状態の観察を、かかる
装用状態を撮影することにより行い、前記装用状態のデ
ータを、画像データとして得ることが、望ましい。
【0010】このように、被検者(装用者)によるコン
タクトレンズの装用状態を撮影した画像データを利用す
ることによって、本発明の効果がより顕著に発揮される
のである。即ち、画像データ取得工程で得た画像データ
は、客観性を有しており、被検者の眼の情報だけでな
く、被検者における実際のコンタクトレンズの装用安定
状態の情報も有しているのであり、それ故、かかる画像
データに基づいて、例えば該画像データの数値処理等に
よって、その被検者の角膜形状等に応じた該被検者に固
有のコンタクトレンズの安定位置情報と、安定位置に装
用されたコンタクトレンズ上での瞳孔位置情報を含む偏
倚情報を、偏倚情報取得工程で、より客観的に且つ精度
良く得ることが出来る。特に、データを速やかに得るこ
とが可能となることから、測定に際しての被検者の苦痛
等も有利に軽減され得る。そして、この偏倚情報が判れ
ば、被検者に固有のレンズ安定位置や瞳孔位置を考慮し
て、眼に対する良好なフィッティング性を確保し、眼へ
の安全性を低下させることなく、視力矯正域の光学中心
軸が、装用者の瞳孔に対して高精度に位置合わせされた
多焦点コンタクトレンズの形状を容易に設計することが
出来るのである。
【0011】なお、本発明方法が適用されるコンタクト
レンズは、ソフトタイプのコンタクトレンズでもハード
タイプのコンタクトレンズでも良く、その視力矯正域
が、近方観察時の矯正視力を与える近用視力矯正域と、
遠方観察時の矯正視力を与える遠用視力矯正域とを有す
るバイフォーカルレンズタイプの他、必要に応じて、そ
れらの間に中間視力矯正域を有するタイプや、互いに異
なるレンズ度数が付与された3つ以上の視力矯正域が、
互いに同心的に配されたマルチフォーカルレンズタイプ
のもの等、いずれでも良い。また、視力矯正域の中心部
分が、近方観察用の視力矯正域であっても、遠方観察用
の視力矯正域であっても良い。更にまた、光学中心軸
は、原則として視力矯正域の焦点を通る光軸を言い、レ
ンズ幾何中心は、原則としてレンズ外形の平面的な図心
を言う。また、回転防止手段としては、従来から公知の
構造が何れも採用可能であり、例えば、プリズムバラス
ト構造やトランケーション構造,ダブルシン構造等が挙
げられる。更にまた、本発明方法が適用されるコンタク
トレンズは、前面光学部に対して互いに異なる曲率を有
する複数のレンズ面が設定されたものの他、後面光学部
に対して互いに異なる曲率を有する複数のレンズ面が設
定されたものにも適用され得る。また、前面光学部或い
は後面光学部に対して、円柱度数が付加されていても良
い。
【0012】また、本発明方法の上記(c)位置決定工
程においては、(d)多焦点コンタクトレンズにおける
視力矯正域の光学中心軸の位置を、該光学中心軸の被検
者の瞳孔に対する相対的な偏倚量が出来るだけ小さくな
るように、偏倚情報に基づいて仮定する位置仮定工程
と、(e)該位置仮定工程で視力矯正域の光学中心軸の
位置が仮定された多焦点コンタクトレンズにおいて、そ
の装用状態下における該光学中心軸の瞳孔に対する偏倚
量を予測計算し、求められた偏倚量が、予め設定された
許容値の範囲内にあるか否かを判定する良否判定工程
と、(f)かかる偏倚量が該許容値の範囲内になけれ
ば、前記位置仮定工程で仮定した多焦点コンタクトレン
ズにおける視力矯正域の光学中心軸の位置を、該偏倚量
が出来るだけ小さくなる方向に変更して再仮定し、この
再仮定した多焦点コンタクトレンズにおいて、その装用
状態下における光学中心軸の瞳孔に対する偏倚量を再予
測計算すると共に、求められた偏倚量が、許容値の範囲
内にあるか否かを再判定し、該偏倚量が許容値の範囲内
に収まるまで、かかる視力矯正域の光学中心軸の位置の
再仮定と、該光学中心軸の瞳孔に対する偏倚量の再予測
計算および該偏倚量の許容値による再判定を、繰り返し
て行う再計算工程とが、有利に採用される。このような
(d)〜(f)の工程を採用することによって、多焦点
コンタクトレンズに対して検査用コンタクトレンズと異
なる形状を設定することに起因する、多焦点コンタクト
レンズと検査用コンタクトレンズの角膜上での安定位置
の相違による光学中心軸と瞳孔の位置ずれを解消するこ
とが出来るのであり、より高精度なレンズ設計が可能と
なる。
【0013】更にまた、上記(d)位置仮定工程におい
ては、例えば、多焦点コンタクトレンズにおける視力矯
正域の光学中心軸の位置を、検査用コンタクトレンズに
おける被検者の瞳孔の位置と同じに設定したものと仮定
することが、有効である。これにより、難しい計算処理
等を必要とすることなく、光学中心軸の被検者の瞳孔に
対する相対的な偏倚量を有利に小さく設定することが出
来る。
【0014】さらに、本発明方法においては、多焦点コ
ンタクトレンズにおける回転防止手段として、例えばレ
ンズ重心位置をレンズ幾何中心に対して偏心設定するこ
とによって構成されたものが有利に採用され得、その場
合には、前記(c)位置決定工程において、光学中心軸
の瞳孔に対する偏倚量を求めるに際して、該光学中心軸
の位置の変更設定に起因する該レンズ重心位置の変化に
伴うレンズの装用状態における周方向の位置変化を考慮
することが望ましい。これにより、レンズ形状の変更に
伴うレンズ重心位置の変化に起因した光学中心軸の瞳孔
に対する偏倚量の増大が解消され得、光学中心軸と瞳孔
をより高精度に位置合わせすることが出来る。
【0015】また、本発明方法においては、前記(a)
装用データ取得工程で得られた装用状態のデータに基づ
いて、被検者の瞳孔径を求めると共に、該瞳孔径に対し
て予め設定された関係の大きさとなるように、視力矯正
域の径寸法を決定することが、望ましい。これにより、
各視力矯正域の大きさも、装用者個人に対して最適化さ
れ得るのであり、近方および遠方の視認性の更なる向上
が図られ得る。なお、瞳孔径と視力矯正域の大きさの関
係は、装用者個人の生活環境等のデータや要求される視
認性等を考慮して適宜に決定される。特に、装用状態の
データを画像データとして得ることにより、瞳孔径を、
より容易に且つ正確に求めることが可能となる。
【0016】更にまた、本発明方法においては、前記
(d)位置決定工程において、多焦点コンタクトレンズ
における視力矯正域の光学中心軸の位置を決定するに際
し、該光学中心軸に直交する座標面を採用し、光学中心
軸や瞳孔の位置を、かかる座標面における座標で特定す
ることが有効である。このようにすれば、光学中心軸や
瞳孔の位置を容易に且つ高精度に特定することが出来、
計算等の数値処理も容易となる。なお、座標面における
座標としては、直交座標や極座標等が特に好適に採用さ
れる。
【0017】さらに、本発明方法においては、前記
(c)位置決定工程において決定された位置に、視力矯
正域の光学中心軸を設定した場合のレンズの最小厚みを
計算し、得られた最小厚みの計算値が、予め設定された
許容値の範囲内にあるか否かを判定し、かかる最小厚み
の計算値が該許容値の範囲内となるように、レンズ厚み
を決定することが望ましい。このような方法を採用すれ
ば、視力矯正域の光学中心軸をレンズ幾何中心からずれ
た位置に設定することにより、レンズの最小厚みの位置
がレンズ幾何中心にない場合でも、レンズの最小厚みが
チェックされ得る。
【0018】また、本発明方法においては、検査用コン
タクトレンズとして、例えば、その中央部分に対して、
レンズ面上における任意の点の位置を特定し得る指標を
付したものを採用することが、有効である。このような
検査用コンタクトレンズを採用すれば、画像データに基
づいて、光学中心軸と瞳孔の偏倚量を容易に求めること
が出来るのであり、例えば、画像データによって検査用
コンタクトレンズの被検者による装用状態をモニタ表示
させて、モニタ上で、光学中心軸と瞳孔の偏倚量を測定
することも可能となる。また、検査用コンタクトレンズ
は、被検者が装用するものに出来るだけ近い形状のもの
が望ましいが、形状による安定位置の変化が予測可能で
あれば良く、被検者が装用するものと同一である必要は
ない。
【0019】一方、多焦点コンタクトレンズの設計用デ
ータ処理装置に関する本発明の特徴とするところは、互
いに異なるレンズ度数が付与された複数の視力矯正域が
光学中心軸を共通にして同心的に設けられており、該光
学中心軸がレンズ幾何中心に対して偏倚せしめられてい
ると共に、装用状態における周方向の位置決めのための
回転防止手段が設けられた多焦点コンタクトレンズの設
計用データ処理装置であって、(α)形状が既知の検査
用コンタクトレンズの被検者による装用状態を撮影し、
画像データを得る撮影手段と、(β)該撮影手段によっ
て得られた画像データを記憶するデータ記憶手段と、
(γ)該データ記憶手段によって記憶された画像データ
を、数値または画像として出力する表示手段と、(δ)
データ記憶手段に記憶された画像データに基づいて、検
査用コンタクトレンズの被検者の瞳孔に対する相対的な
偏倚情報を求める偏倚情報演算手段と、(ε)該偏倚情
報演算手段によって求められた偏倚情報に基づいて、多
焦点コンタクトレンズにおける視力矯正域の光学中心軸
の位置を、該光学中心軸の被検者の瞳孔に対する相対的
な偏倚量が出来るだけ小さくなるように仮定する位置仮
定演算手段と、(ζ)該位置仮定演算手段で光学中心軸
の位置が仮定された前記多焦点コンタクトレンズにおい
て、その装用状態下における該光学中心軸の瞳孔に対す
る偏倚量を予測計算すると共に、求められた偏倚量が、
予め設定された許容値の範囲内にあるか否かを判定する
良否判定演算手段と、(η)該良否判定演算手段で偏倚
量が許容値の範囲内にないと判定された場合に、位置仮
定演算手段で仮定した視力矯正域の光学中心軸の位置
を、該偏倚量が出来るだけ小さくなる方向に変更して再
仮定し、この再仮定した多焦点コンタクトレンズにおい
て、その装用状態下における光学中心軸の瞳孔に対する
偏倚量を再予測計算すると共に、求められた偏倚量が、
許容値の範囲内にあるか否かを再判定し、偏倚量が許容
値の範囲内に収まるまで、かかる視力矯正域の光学中心
軸の位置の再仮定と、光学中心軸の瞳孔に対する偏倚量
の再予測計算および偏倚量の許容値による再判定を、繰
り返して行う再設計演算手段とを、有する多焦点コンタ
クトレンズの設計用データ処理装置にある。
【0020】このような本発明に従う構造とされたデー
タ処理装置においては、前記(a)〜(f)の各工程を
含む本発明方法を有利に実施することが出来るのであ
り、特に、装用状態のデータを画像データとして有利に
得ることが出来る。それ故、視力矯正域の光学中心軸が
装用者の瞳孔に対して高精度に位置合わせされて、良好
なるフィッティング性と視力矯正効果が両立的に且つ安
定して発揮される多焦点コンタクトレンズを容易に設計
することが出来るのである。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明を更に具体的に明ら
かにするために、本発明の実施形態について、図面を参
照しつつ、詳細に説明する。
【0022】先ず、図1には、本発明の一実施形態とし
ての多焦点コンタクトレンズの設計用データ処理装置の
概略ブロック図が示されている。かかるデータ処理装置
は、検査用コンタクトレンズ8を装用した被検者(装用
者)の眼10の像を撮影して画像データを得る撮影装置
12と、各種設定条件等を入力するための入力装置14
を備えており、撮影装置12によって得られた画像デー
タに基づいて、入力装置14から与えられた条件の下、
装用者に適合した多焦点コンタクトレンズの形状が、演
算装置16によって求められるようになっている。ま
た、撮影装置12によって得られた画像データや演算装
置16によって求められたデータ等は、データ記憶装置
18に記憶されると共に、表示装置20によって外部表
示され得るようになっている。
【0023】ここにおいて、撮影手段としての撮影装置
12は、例えばCCDカメラ等によって構成され得る。
また、入力装置14は、コンタクトレンズの設計に際し
て必要なデータ、例えば光学中心軸と瞳孔の偏倚量の許
容値や、検査用コンタクトレンズ8の形状データ、目的
とする多焦点コンタクトレンズに付すべき視力矯正域に
関する屈折力等のデータなどを入力できるように、例え
ばキーボード等によって構成される。更に、演算手段と
しての演算装置16は、コンタクトレンズの設計に必要
な計算処理を為し得るように、例えばマイコンによって
有利に構成される。また、データ記憶手段としてのデー
タ記憶装置18は、例えば電気的,磁気的乃至は光学的
な各種のメモリ装置で構成され得、表示装置20は、C
RTやプリンタ等によって構成され得る。
【0024】また、撮影装置12によって得られた画像
データは、眼10上における検査用コンタクトレンズ8
の位置と、眼10における瞳孔の位置を、それぞれ座標
によって特定し得るようになっている。そのために、検
査用コンタクトレンズ8として、例えば、図2及び3に
示されているように、指標22を有するものが、好適に
採用される。
【0025】すなわち、かかる検査用コンタクトレンズ
8は、中央部分において、直径:Dの円形の遠用視力矯
正域24を有していると共に、この遠用視力矯正域24
の周りを取り囲むようにして、該遠用視力矯正域24と
は異なるレンズ度数(ディオプタ)が付された幅:Bの
円環形状の近用視力矯正域26を有しており、これら近
用視力矯正域26と遠用視力矯正域24によって、視力
矯正機能を発揮する光学部28が構成されている。な
お、近用視力矯正域26の外周側は、有効な視力矯正機
能を発揮しない非光学部としての円環状の周辺部30で
ある。なお、本実施形態では、近用視力矯正域26と遠
用視力矯正域24が、互いに同じ光学中心軸:Oをもっ
て同心的に形成されており、且つかかる光学中心軸:O
が、レンズの外形上の中心である幾何学的中心:Pに対
して略一致せしめられている。
【0026】また、かかる検査用コンタクトレンズ8の
裏面32は、略全面に亘って、目的とする多焦点コンタ
クトレンズの裏面形状と同じ形状、即ち角膜表面形状に
対応した凹面形状とされており、装用される眼の角膜に
近似した曲率半径:r0の球面形状(ベースカーブ)と
されている。なお、裏面32の外周縁部には、必要に応
じ、目的とするコンタクトレンズと同様なベベルが形成
される。また一方、検査用コンタクトレンズ8の表面3
4は、遠用視力矯正域24において、遠方観察時に有効
な矯正視力を与えるような凸面形状を有していると共
に、近用視力矯正域26において、近方観察時に有効な
矯正視力を与えるような凸面形状を有している。なお、
これら各視力矯正域24,26の表面形状は、必ずし
も、目的とする多焦点コンタクトレンズと同じである必
要はない。また、表面34は、裏面32に対して中心が
ずらされることにより、レンズ下方に重心を偏心させた
プリズムバラスト構造が採用されていると共に、下部の
外周縁部には、スラブオフ36が付されて肉厚が小さく
されており、装用時に、角膜上で周方向に位置決めされ
るようになっている。なお、これらプリズムバラスト構
造やスラブオフ36は、目的とするコンタクトレンズと
同様なものを採用することが望ましい。
【0027】さらに、検査用コンタクトレンズ8の表面
34には、光学部28を構成する遠用視力矯正域24と
近用視力矯正域26の間に跨がって、指標22が設けら
れている。この指標22は、被検者(多焦点コンタクト
レンズの装用予定者)に装用した状態下で、外部から視
認できるものであって、例えば、印刷等によって形成さ
れた染料による染色マーク等が好適に採用されるが、レ
ーザやカッタ等を用いてマーキングすることも出来る。
特に、かかる指標22は、互いに直交するX軸とY軸か
らなる直交座標系にて構成されていると共に、X軸およ
びY軸には、それぞれ、目盛りが付されている。また、
かかる直交座標系の原点は、レンズ幾何中心:Pおよび
レンズ光学中心軸:Oに一致せしめられている。そし
て、プリズムバラスト構造等による位置決め状態下で、
X軸方向が水平方向となり、Y軸方向が鉛直方向となる
ようにされている。なお、指標22を構成するX軸,Y
軸の太さや目盛りの間隔は、十分な視認性と測定精度が
確保されるように、0.05mm〜1.00mmの太さ乃至
は間隔で形成されることが望ましい。
【0028】このような構造とされた検査用コンタクト
レンズ8を採用すれば、多焦点コンタクトレンズの装用
予定者(被検者)に該検査用コンタクトレンズ8を装用
させ、その装用状態を撮影した画像データに基づいて、
検査用コンタクトレンズ8を装用した際の角膜上でのレ
ンズ安定位置を容易に測定することが出来るのであり、
それ故、かかる測定値に基づいて、コンタクトレンズに
形成される光学部28の好ましい光学中心軸:Oの位
置、即ち瞳孔の位置を、装用者各個人に応じて求めるこ
とが出来るのである。より具体的には、例えば、図4に
示されているように、この検査用コンタクトレンズ8
を、被検者の眼10に装用させ、角膜38上の安定位置
に位置せしめ、それを撮影装置12で画像データとして
取得する。そして、この画像データを利用すれば、例え
ば、安定位置に装用された検査用コンタクトレンズ8の
指標22を利用し、直交座標系:O−XY上における瞳
孔40の中心:Qの座標値:x,yを求めることによっ
て、検査用コンタクトレンズ8上での好適な光学中心
軸:Oの位置、換言すれば検査用コンタクトレンズ8の
幾何学中心:Pに対する視力矯正域24,26の光学中
心軸:Oの好ましい偏倚方向および偏倚量を求めること
が出来るのである。また、それと同時に、直交座標系:
O−XYを利用し、瞳孔40の直径(瞳孔径)を求める
ことが可能である。
【0029】なお、このような検査用コンタクトレンズ
8を採用する代わりに、指標が付されていない検査用コ
ンタクトレンズを採用する場合には、例えば、装用状態
を撮影して得られた画像データに対して、適当な指標を
後から重ね合わせること等によっても、検査用コンタク
トレンズ8のレンズ幾何中心:Pに対する瞳孔40の偏
倚量および偏倚方向を容易に得ることが可能である。
【0030】そして、本実施形態のデータ処理装置にお
いては、このようにして得られた画像データに基づい
て、多焦点コンタクトレンズの設計が行われるが、かか
る設計処理を、図5に示されたフローチャートに従っ
て、以下に説明する。
【0031】すなわち、多焦点コンタクトレンズの設計
に際しては、先ず、ステップS1において、前述の如き
レンズ形状の設計のために必要な各種設計条件を、入力
装置14から入力する。また、上述の如き適当な検査用
コンタクトレンズ8を被検者に装用させると共に、ステ
ップS2において、その装用状態を、撮影装置12によ
って撮影し、画像データを取得する。なお、画像データ
は、データ記憶装置18に記憶させる。次いで、ステッ
プS3〜5において、得られた画像データから、例えば
図4に示されている如き撮影した被検者の眼10の画像
を表示装置20に表示させてモニタ上で測定すること等
によって、被検者の測定条件(検査条件)下での瞳孔径
を測定し、この測定結果に基づいて、目的とする多焦点
コンタクトレンズにおける各視力矯正域の大きさ(外径
寸法)を決定すると共に、検査用コンタクトレンズ8の
レンズ幾何中心:Pと被検者の瞳孔40の中心:Qの偏
倚量および偏倚方向を測定する。
【0032】続いて、ステップS6において、測定条件
等を考慮し、目的とする多焦点コンタクトレンズにおい
て設定すべき光学中心軸の位置、即ち該多焦点コンタク
トレンズにおけるレンズ幾何中心と設定すべき光学中心
軸との偏倚量と偏倚方向(例えば、直交座標における
(x,y))を仮定し、前記ステップS1で入力された
条件データ等に基づいて、目的とする多焦点コンタクト
レンズにおける具体的形状値を、仮定的に決定する。な
お、かかる光学中心軸の仮定作業は、前記ステップS5
で求めた検査用コンタクトレンズ8におけるレンズ幾何
中心:Oに対する被検者の瞳孔40の中心:Qの偏倚量
と偏倚方向に基づいて、光学中心軸の装用者の瞳孔に対
する偏倚量が出来るだけ小さくなるように行われるので
あり、例えば、前記ステップS5で求めた、検査用コン
タクトレンズ8におけるレンズ幾何中心:Oと被検者の
瞳孔40の中心:Qの偏倚量および偏倚方向を、そのま
ま、目的とする多焦点コンタクトレンズにおけるレンズ
幾何中心と光学中心軸の偏倚量および偏倚方向と仮定す
ることによって行うことが出来る。
【0033】次に、ステップS7において、上記ステッ
プS6で仮定された光学中心軸の位置や、前記ステップ
S1で入力された条件データ等に基づいて、仮定された
レンズ形状を有する多焦点コンタクトレンズについて、
その重心位置や表面形状等を考慮して、該多焦点コンタ
クトレンズを実際に被検者が装用した場合の安定位置
を、演算装置16によって求め、かかる安定位置に置か
れた多焦点コンタクトレンズについて、その光学中心軸
と装用者の瞳孔の位置の偏倚量と偏倚方向を、演算装置
16によって予測計算する。
【0034】そして、ステップS8において、求められ
た偏倚量が、予めステップS1で入力されて記憶された
偏倚量の許容値を越えないか否かを判定する。もし、許
容値を越えていれば、ステップS6に戻り、ステップS
7で求められた偏倚量および偏倚方向を考慮して、多焦
点コンタクトレンズの装用時における光学中心軸の瞳孔
に対する偏倚量がより小さくなるように、多焦点コンタ
クトレンズにおける光学中心軸の位置を再設定(仮定)
し、ステップS7,S8の操作を繰り返す。
【0035】一方、ステップS8において、ステップS
7で仮定された多焦点コンタクトレンズにおける偏倚量
が許容値を越えていないと判断されると、ステップS9
に進み、かかる多焦点コンタクトレンズにおける最小厚
さが算出される。なお、この多焦点コンタクトレンズ
は、光学中心軸がレンズ幾何中心から偏倚していること
から、レンズ幾何中心上で最小厚さを有するものとは限
らず、レンズ表裏形状を考慮して、最小厚さを算出す
る。そして、ステップS10において、求められたレン
ズの最小厚さが、予めステップS1で入力されて記憶さ
れたレンズ厚さの許容値の範囲内にあるか否かを判定す
る。もし、許容値の範囲内になければ、ステップS6に
戻り、ステップS9で求められた最小厚さと許容値の関
係を考慮して、多焦点コンタクトレンズの最小厚さが許
容範囲内となるように、多焦点コンタクトレンズにおけ
る形状(厚さ)を再設定(仮定)し、ステップS7,S
8の操作を繰り返す。なお、レンズ厚さを変更すると、
仮定した多焦点コンタクトレンズの重心位置が変化する
こと等によって、光学中心軸の瞳孔に対する偏倚量も変
化する場合があることから、必要に応じて、ステップS
7,8の操作も、再度、行う。
【0036】そして、ステップS10において、仮定さ
れた多焦点コンタクトレンズにおける最小厚さが許容範
囲内にあると判断されると、ステップS11に進み、か
かる多焦点コンタクトレンズにおける仮定形状を、最終
的な多焦点コンタクトレンズ形状として決定する。
【0037】このようなコンタクトレンズの形状設計方
法に従えば、装用者に適合したベースカーブ等の基本的
な形状を満足しつつ、光学中心軸を、装用時における装
用者の瞳孔位置に対して、高精度に且つ容易に合わせる
ことが出来るのであり、それによって、優れたフィッテ
ィング性と装用感および安全性を確保しつつ、良好なる
視力矯正効果を安定して得ることが可能となるのであ
る。
【0038】しかも、基本的に画像データによって得ら
れる信号に基づいて、多焦点コンタクトレンズの形状が
設計可能であり、検者や測定者乃至は設計者の主観的要
因が可及的に排除されることから、安定した効果が保証
され得る。また、得られた画像データは、極めて多くの
情報を有する客観的な資料として、例えばカルテとして
保存可能であり、そのような利用にて、患者等の第三者
への説明や、第三者による助言を受ける際、或いは事後
のクレームへの対処の際等に、有効な資料として利用価
値が高いといった利点がある。
【0039】以上、本発明の実施形態について詳述して
きたが、これはあくまでも例示であって、本発明は、か
かる実施形態における具体的記載によって、何等、限定
的に解釈されるものでない。
【0040】例えば、回転防止手段としてトランケーシ
ョン構造やダブルシン構造等を採用する場合には、装用
者の瞼の形状や位置等も、レンズ安定位置の影響因子と
なることから、それを含めて画像データとして取り扱う
ことが望ましい。
【0041】また、レンズの厚さ寸法の変更が、目的と
する多焦点コンタクトレンズの安定位置に、それ程大き
な影響を与えない場合等においては、前記ステップS1
0で、レンズの最小厚さが許容範囲内にない場合でも、
再度、レンズ幾何中心に対する光学中心軸の偏倚量およ
び偏倚方向を再設定する処理は、必ずしも必要でなく、
レンズ厚さを変更するだけでも良い。
【0042】更にまた、前記実施形態において、ステッ
プS7,S8による工程と、ステップS9,S10によ
る工程を、順序を入れ換えて実施することも可能であ
る。即ち、例えば、ステップS6で光学中心軸の位置を
仮定し、その仮定した条件下でのレンズ形状について、
先ず、ステップS9,S10で最小厚さの算出と判定を
行い、ステップS6,S9,S10のループで最小厚さ
を許容範囲内に設定した後に、ステップS7,S8にお
ける装用時における多焦点コンタクトレンズの偏倚量の
予測計算と判定を行い、ステップS6,S9,S10,
S7,S8のループで、レンズの光学中心軸と装用者の
瞳孔の位置の偏倚量を許容範囲内に設定することによっ
て、目的とする多焦点コンタクトレンズの形状を決定す
ることも可能である。
【0043】加えて、本発明は、各種の形状や材質のコ
ンタクトレンズの設計に適用可能であることは、勿論で
ある。
【0044】その他、一々列挙はしないが、本発明は、
当業者の知識に基づいて、種々なる変更,修正,改良等
を加えた態様において実施され得るものであり、また、
そのような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限
り、何れも、本発明の範囲内に含まれるものであること
は、言うまでもないところである。
【0045】
【発明の効果】上述の説明から明らかなように、本発明
に係る設計方法に従えば、或いは本発明に係る設計用デ
ータ処理装置を採用すれば、装用時における装用者の瞳
孔位置に対して、視力矯正域の光学中心軸が高精度に位
置合わせされて、優れたフィッティング性のもとに、良
好なる視力矯正効果を安定して得ることの出来る多焦点
コンタクトレンズが、容易に且つ優れた品質をもって実
現され得るのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態としての多焦点コンタクト
レンズの設計用データ処理装置の構成を概略的に示すブ
ロック図である。
【図2】本発明に従う設計方法に際して、好適に用いら
れる検査用コンタクトレンズの一具体例を示す正面図で
ある。
【図3】図2に示された検査用コンタクトレンズの縦断
面図である。
【図4】図1に示された検査用コンタクトレンズを用い
て得られた画像データによる瞳孔位置等の測定作業を説
明するための説明図である。
【図5】本発明に従う設計方法の一具体例を示すフロー
チャートである。
【符号の説明】
8 検査用コンタクトレンズ 12 撮影装置 16 演算装置 18 データ記憶装置 20 表示装置 24 遠用視力矯正域 26 近用視力矯正域 38 角膜 40 瞳孔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 近藤 英明 愛知県名古屋市東区葵3丁目15─31 住友 生命千種ニュータワービル9階 株式会社 メニコン臨床センター内 (72)発明者 宮村 一哉 愛知県春日井市高森台五丁目1番地10 株 式会社メニコン総合研究所内 Fターム(参考) 2H006 BC03 DA05

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 互いに異なるレンズ度数が付与された複
    数の視力矯正域が光学中心軸を共通にして同心的に設け
    られており、該光学中心軸がレンズ幾何中心に対して偏
    倚せしめられると共に、装用状態における周方向の位置
    決めのための回転防止手段が設けられた多焦点コンタク
    トレンズを設計するに際して、 形状が既知の検査用コンタクトレンズの被検者による装
    用状態を観察し、装用状態のデータを得る装用データ取
    得工程と、 該装用データ取得工程で得られた装用状態のデータに基
    づいて、前記検査用コンタクトレンズの前記被検者の瞳
    孔に対する相対的な偏倚情報を求める偏倚情報取得工程
    と、 該偏倚情報に基づいて、目的とする前記多焦点コンタク
    トレンズにおける前記視力矯正域の光学中心軸が前記被
    検者の瞳孔の中心に位置するように、目的とする多焦点
    コンタクトレンズにおける前記視力矯正域の光学中心軸
    の位置を決定する位置決定工程とを、含むことを特徴と
    する多焦点コンタクトレンズの設計方法。
  2. 【請求項2】 前記装用データ取得工程において、検査
    用コンタクトレンズの被検者による装用状態の観察を、
    かかる装用状態を撮影することにより行い、前記装用状
    態のデータを、画像データとして得る請求項1に記載の
    多焦点コンタクトレンズの設計方法。
  3. 【請求項3】 前記位置決定工程が、 前記多焦点コンタクトレンズにおける前記視力矯正域の
    光学中心軸の位置を、該光学中心軸の前記被検者の瞳孔
    に対する相対的な偏倚量が出来るだけ小さくなるよう
    に、前記偏倚情報に基づいて仮定する位置仮定工程と、 該位置仮定工程で視力矯正域の光学中心軸の位置が仮定
    された前記多焦点コンタクトレンズにおいて、その装用
    状態下における該光学中心軸の前記瞳孔に対する偏倚量
    を予測計算し、求められた偏倚量が、予め設定された許
    容値の範囲内にあるか否かを判定する良否判定工程と、 かかる偏倚量が該許容値の範囲内になければ、前記位置
    仮定工程で仮定した前記多焦点コンタクトレンズにおけ
    る視力矯正域の光学中心軸の位置を、該偏倚量が出来る
    だけ小さくなる方向に変更して再仮定し、この再仮定し
    た多焦点コンタクトレンズにおいて、その装用状態下に
    おける前記光学中心軸の前記瞳孔に対する偏倚量を再予
    測計算すると共に、求められた偏倚量が、前記許容値の
    範囲内にあるか否かを再判定し、該偏倚量が該許容値の
    範囲内に収まるまで、かかる視力矯正域の光学中心軸の
    位置の再仮定と、該光学中心軸の瞳孔に対する偏倚量の
    再予測計算および該偏倚量の許容値による再判定を、繰
    り返して行う再計算工程とを、含む請求項1又は2に記
    載の多焦点コンタクトレンズの設計方法。
  4. 【請求項4】 前記位置仮定工程において、 前記多焦点コンタクトレンズにおける前記視力矯正域の
    光学中心軸の位置を、前記検査用コンタクトレンズにお
    ける前記被検者の瞳孔の位置と同じに設定したものと仮
    定する請求項3に記載の多焦点コンタクトレンズの設計
    方法。
  5. 【請求項5】 前記回転防止手段が、レンズ重心位置を
    レンズ幾何中心に対して偏心設定することによって構成
    されており、前記位置決定工程において、前記光学中心
    軸の前記瞳孔に対する偏倚量を求めるに際して、該光学
    中心軸の位置の変更設定に起因する該レンズ重心位置の
    変化に伴うレンズの装用状態における周方向の位置変化
    を考慮する請求項1乃至4の何れかに記載の多焦点コン
    タクトレンズの設計方法。
  6. 【請求項6】 前記装用データ取得工程で得られた装用
    状態のデータに基づいて、前記被検者の瞳孔径を求める
    と共に、該瞳孔径に対して予め設定された関係の大きさ
    となるように、前記視力矯正域の径寸法を決定する請求
    項1乃至5の何れかに記載の多焦点コンタクトレンズの
    設計方法。
  7. 【請求項7】 前記位置決定工程において、前記多焦点
    コンタクトレンズにおける前記視力矯正域の光学中心軸
    の位置を決定するに際し、該光学中心軸に直交する座標
    面を採用し、前記光学中心軸や前記瞳孔の位置を、かか
    る座標面における座標で特定する請求項1乃至6の何れ
    かに記載の多焦点コンタクトレンズの設計方法。
  8. 【請求項8】 前記位置決定工程において決定された位
    置に、前記視力矯正域の光学中心軸を設定した場合のレ
    ンズの最小厚みを計算し、得られた最小厚みの計算値
    が、予め設定された許容値の範囲内にあるか否かを判定
    し、かかる最小厚みの計算値が該許容値の範囲内となる
    ように、レンズ厚みを決定する請求項1乃至7の何れか
    に記載の多焦点コンタクトレンズの設計方法。
  9. 【請求項9】 前記検査用コンタクトレンズとして、そ
    の中央部分に対して、レンズ面上における任意の点の位
    置を特定し得る指標を付したものを採用する請求項1乃
    至8の何れかに記載の多焦点コンタクトレンズの設計方
    法。
  10. 【請求項10】 互いに異なるレンズ度数が付与された
    複数の視力矯正域が光学中心軸を共通にして同心的に設
    けられており、該光学中心軸がレンズ幾何中心に対して
    偏倚せしめられると共に、装用状態における周方向の位
    置決めのための回転防止手段が設けられた多焦点コンタ
    クトレンズの設計用データ処理装置であって、 形状が既知の検査用コンタクトレンズの被検者による装
    用状態を撮影し、画像データを得る撮影手段と、 該撮影手段によって得られた画像データを記憶するデー
    タ記憶手段と、 該データ記憶手段によって記憶された画像データを、数
    値または画像として出力する表示手段と、 前記データ記憶手段に記憶された画像データに基づい
    て、前記検査用コンタクトレンズの前記被検者の瞳孔に
    対する相対的な偏倚情報を求める偏倚情報演算手段と、 該偏倚情報演算手段によって求められた偏倚情報に基づ
    いて、前記多焦点コンタクトレンズにおける前記視力矯
    正域の光学中心軸の位置を、該光学中心軸の前記被検者
    の瞳孔に対する相対的な偏倚量が出来るだけ小さくなる
    ように仮定する位置仮定演算手段と、 該位置仮定演算手段で光学中心軸の位置が仮定された前
    記多焦点コンタクトレンズにおいて、その装用状態下に
    おける該光学中心軸の前記瞳孔に対する偏倚量を予測計
    算すると共に、求められた偏倚量が、予め設定された許
    容値の範囲内にあるか否かを判定する良否判定演算手段
    と、 該良否判定演算手段で偏倚量が許容値の範囲内にないと
    判定された場合に、前記位置仮定演算手段で仮定した視
    力矯正域の光学中心軸の位置を、該偏倚量が出来るだけ
    小さくなる方向に変更して再仮定し、この再仮定した多
    焦点コンタクトレンズにおいて、その装用状態下におけ
    る光学中心軸の瞳孔に対する偏倚量を再予測計算すると
    共に、求められた偏倚量が、前記許容値の範囲内にある
    か否かを再判定し、該偏倚量が該許容値の範囲内に収ま
    るまで、かかる視力矯正域の光学中心軸の位置の再仮定
    と、該光学中心軸の瞳孔に対する偏倚量の再予測計算お
    よび該偏倚量の許容値による再判定を、繰り返して行う
    再設計演算手段とを、有することを特徴とする多焦点コ
    ンタクトレンズの設計用データ処理装置。
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