JP2000088847A - 血液型判定方法 - Google Patents

血液型判定方法

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JP2000088847A
JP2000088847A JP20397299A JP20397299A JP2000088847A JP 2000088847 A JP2000088847 A JP 2000088847A JP 20397299 A JP20397299 A JP 20397299A JP 20397299 A JP20397299 A JP 20397299A JP 2000088847 A JP2000088847 A JP 2000088847A
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antigen
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blood group
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Jun Suzuoki
純 鈴置
Shinjiro Matsuda
真次郎 松田
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Fujifilm Wako Pure Chemical Corp
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Wako Pure Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡便で、高精度な血液型判定方法、並びにこ
れに用いる血液型判定用試験具の提供。 【解決手段】 合成血液型抗原が担持された吸収性担体
を用いることを特徴とする、血液型判定方法、及び該吸
収性担体からなる血液型判定用試薬キット、並びに血液
型判定用試験用具。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の利用分野】本発明は、血液型判定方法、並びに
それに用いる血液型判定用試験具に関する。
【0002】
【発明の背景】血液型には、例えばABO式血液型、R
h式血液型、HLA血液型等多くの種類がある。なかで
も、ABO式血液型の判定は、輸血時の供血者と受血者
の適合性等の問題から特に重要であり、一般に広く行わ
れている。
【0003】ABO式血液型は、赤血球の表面に存在す
るA抗原、B抗原の有無による分類で、該抗原は、赤血
球のほか、ほとんど全ての臓器、組織にも存在し、細胞
膜の一部を構成していると考えられている。また、血清
中には、自己にない血液型抗原に対する抗体が存在す
る。
【0004】従って、ABO式血液型の判定は、赤血球
表面の血液型抗原を検査する表試験の結果と、血清中の
抗A抗体、抗B抗体を検査する裏試験の結果とを照合し
て行われる。
【0005】このうち、裏試験に於いては、血清中の抗
A、抗B抗体の抗原への結合力に著しい個体差が見られ
るので、比較的鋭敏な血液型既知のA型及びB型赤血球
を用いた凝集法により行われている。
【0006】しかしながら、該凝集法による裏試験は、
血液型既知の赤血球を用いているため、血球自体の安定
性が悪い(低温で1ヶ月程度)という問題やバイオハザ
ードの問題、また、該赤血球が血液型抗原以外の抗原を
有しているので、測定精度の低下を招く場合がある等の
問題点を有している。更には、該凝集法による裏試験を
行った場合、操作が煩雑であり、血清により凝集の強さ
が著しく異なるので血液型の判定に経験を要する等の問
題点があった。
【0007】
【発明が解決すべき課題】本発明は、上記した如き状況
に鑑みなされたもので、安定且つ簡便で、高精度な血液
型判定方法、並びにこれに用いる血液型判定用試験具の
提供をその課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、合成血液型抗
原が担持された吸収性担体を用いることを特徴とする、
血液型判定方法の発明である。
【0009】また、本発明は、標識物質が結合した合成
血液型抗原(以下、標識合成血液型抗原と略記する。)
が保持され、且つこれとは別の箇所に合成血液型抗原が
担持された吸収性担体を試験用具として使用し、当該標
識合成血液型抗原の保持部分に生体由来試料を供するこ
とにより生じる当該合成血液型抗原の担持部分に於ける
標識物質由来の発色をもとに当該試料の血液型を判定す
る方法の発明である。
【0010】更に、本発明は、標識物質が結合した抗ヒ
ト免疫グロブリン抗体(以下、標識抗ヒト免疫グロブリ
ン抗体と略記する。)が保持され、且つこれとは別の箇
所に合成血液型抗原が担持された吸収性担体を試験用具
として使用し、当該標識抗ヒト免疫グロブリン抗体の保
持部分に生体由来試料を供することにより生じる当該合
成血液型抗原の担持部分に於ける標識物質由来の発色を
もとに当該試料の血液型を判定する方法の発明である。
【0011】更にまた、本発明は、合成血液型抗原が担
持された吸収性担体からなることを特徴とする、血液型
判定用試薬キットの発明である。
【0012】また、本発明は、(a)標識合成血液型抗
原が毛管現象により移動可能なように保持された第1部
分と、(2)合成血液型抗原が担持されている第2部分
とを具備し、(3)該第1部分と第2部分とが、相互間
に毛管現象が生じるように連結された、血液型判定用試
験用具の発明である。更に、本発明は、(a)標識抗ヒ
ト免疫グロブリン抗体が毛管現象により移動可能なよう
に保持された第1部分と、(2)合成血液型抗原が担持
されている第2部分とを具備し、(3)該第1部分と第
2部分とが、相互間に毛管現象が生じるように連結され
た、血液型判定用試験用具の発明である。
【0013】即ち、本発明者らは、簡便で、精度の高い
血液型判定方法を開発すべく鋭意研究を行った結果、化
学的に明確で均一な合成血液型抗原を固定化した吸収性
担体を用いて血液型の判定を行えば、従来の血液型判定
方法に於ける上記した如き問題を解決して、簡便に、高
精度に血液型を判定し得ることを見出し、本発明を完成
するに至った。
【0014】本発明に於いて用いられる合成血液型抗原
は、化学的に合成されたものであって、血液型抗原が有
する抗原性を有するものであればよい。このような血液
型抗原としては、例えばABO血液型抗原、Rh血液型
抗原、MNS血液型抗原、Lewis血液型抗原、P血
液型抗原、I血液型抗原、Duffy血液型抗原、Ki
dd血液型抗原、Diego血液型抗原、Xg血液型抗
原、Lutheran血液型抗原、Kell血液型抗
原、Sid血液型抗原、高頻度抗原、低頻度抗原等が挙
げられる。これらのうちその抗原決定部位が糖鎖である
場合は、抗原決定部位と同じ構造を有する糖化合物が合
成血液型抗原として用いられ、また、その抗原決定部位
が蛋白質である場合は、抗原決定部位と同じ構造を有す
るペプチドが合成血液型抗原として用いられる。
【0015】本発明に於いて、糖化合物を合成血液型抗
原として用いる場合、糖化合物を構成する単糖残基の数
は、血液型抗原の種類により異なるが、通常2〜8個、
好ましくは2〜6個である。また、単糖残基の種類とし
ては、血液型抗原の種類により異なるが、例えば例えば
トレオース残基,エリトロース残基,エリトルロース残
基等のテトロース残基類、例えばリボース残基,デオキ
シリボース残基,アラビノース残基,キシロース残基,
リキソース残基,リブロース残基,キシルロース残基,
アラビヌロース残基,リクスロース等のペントース残基
類、例えばグルコース残基,マンノース残基,アロース
残基,アルトロース残基,ガラクトース残基,タロース
残基,イドース残基,グロース残基,フコース残基,フ
ルクトース残基,ソルボース残基,タガトース残基,プ
シコース残基等のヘキソース残基類、例えばグルコサミ
ン残基,ガラクロサミン残基,N−アセチルグルコサミ
ン残基,N−アセチルガラクトサミン残基,N−アセチ
ルムラミン酸残基等のアミノ糖残基類、例えばN−アセ
チルイノミン酸残基等のシアル酸残基類、例えばソルビ
トール残基,イノシトール残基,マンニトール残基,リ
ビトール残基,エリトリトール残基,アラビトール残
基,キシリトール残基等の糖アルコール残基類等が挙げ
られ、これら単糖残基はそれらの持つ-OHの1個以上が-
OR'の形に成っていてもよく、また、単糖残基の2つの-
OHが、互いに結合して-O-R"-O-の形に成っていてもよ
い。
【0016】R’としては、通常糖の水酸基の水素原子
を置換し得るもの(例えば水酸基の保護基として用いら
れるもの)であれば如何なるものでもよいが、例えばア
ルキル基、アリール基、置換基を有していてもよいベン
ジル基、アシル基、ハロゲン化アシル基、アシルアルキ
ルカルボニル基、ベンジリデン基、イソプロピリデン
基、トリメチルシリル基,tert-ブチルジメチルシリル
基、-CH(CF3)-NHCO-O-CH2C6H5、-CO-O-CH2C6H4(2Br)等
が挙げられる。
【0017】R”としては、例えばメチレン基,エチレ
ン基,トリメチレン基,プロピレン基,テトラメチレン
基,2−メチルプロピレン基,ペンタメチレン基,2−
メチルブチレン基,2−エチルプロピレン基,ヘキサメ
チレン基,2−エチルブチレン基,ヘプタメチレン基,
2−エチルペンチル基,2−メチルへキシレン基,オク
タメチレン基,2−エチルへキシレン基,ノナメチレン
基,デカメチレン基,ウンデカメチレン基,ドデカメチ
レン基,テトラデカメチレン基,ヘキサデカメチレン
基,オクタデカメチレン基,2−エチルオクタデセン
基,イコセン基等の通常炭素数1〜20、好ましくは1
〜10の直鎖状でも分枝状でもよいアルキレン基、例え
ばフェニルメチレン基、フェニルエチレン基,1-フェニ
ルトリメチレン基,2-フェニルトリメチレン基,1-フェ
ニルテトラメチレン基,2-フェニルテトラメチレン基,
1,4-ジフェニルテトラメチレン基,1-フェニルペンタメ
チレン基,2-フェニルペンタメチレン基,3-フェニルペ
ンタメチレン基,1,5-ジフェニルペンタメチレン基,ベ
ンジルメチレン基,ベンジルエチレン基,1-ベンジルト
リメチレン基,2-ベンジルトリメチレン基,1-ベンジル
テトラメチレン基,1-ベンジル-4-フェニルテトラメチ
レン基,2-ベンジルテトラメチレン基,1-ベンジルペン
タメチレン基,1-ベンジル-5-フェニルペンタメチレン
基,2-ベンジルペンタメチレン基,3-ベンジルペンタメ
チレン基等の上記アルキレン基の1個以上の水素原子が
芳香環で置換された基等が挙げられる。
【0018】アルキル基としては、直鎖状でも分枝状で
も或いは環状でもよく、例えば酸素原子,硫黄原子,窒
素原子等のヘテロ原子を1〜3個有していてもよく、具
体的には、炭素数1〜10の例えばメチル基,エチル
基,n-プロピル基,イソプロピル基,n-ブチル基,イソ
ブチル基,sec-ブチル基,tert-ブチル基,n-ペンチル
基,イソペンチル基、sec-ペンチル基,tert-ペンチル
基,ネオペンチル基,n-ヘキシル基,イソヘキシル基,
シクロヘキシル基, ,n-ヘプチル基,シクロヘプチル
基等が挙げられる。
【0019】アリール基としては、単環でも多環でもよ
く、また上記した如きアルキル基又はニトロ基を置換基
として有していてもよく、具体的には、例えばフェニル
基、p-ニトロフェニル基、2,4-ニトロフェニル基、o-ト
リル基、m-トリル基、p-トリル基、4-ニトロ-o-トリル
基、4-ニトロ-m-トリル基、2,3-キシリル基、3,5-キシ
リル基、5-ニトロ-2,3-キシリル基、メシチル基、m-ク
メニル基、1-ナフチル基、2-ナフチル基、1-アントリル
基、2-アントリル基、1-フェナントリル基、2-フェナン
トリル基、3-フェナントリル基、4-フェナントリル基、
9-フェナントリル基、1-ピレニル基等が挙げられる。
【0020】置換基を有していてもよいベンジル基とし
ては、例えばニトロベンジル基,-CH2C6H4(2NO2), -CH2
C6H3(2,6Cl2), -CH2C6H4(3Br),アジドベンジル基,メ
トキシベンジル基等が挙げられる。
【0021】アシル基としては、モノカルボン酸由来の
炭素数2〜24の例えばアセチル基,プロピオニル基,
ブチリル基,イソブチリル基,バレリル基,イソバレリ
ル基,ピバロイル基,ヘプタノイル基,オクタノイル
基,ノナノイル基,デカノイル基,ラウロイル基,トリ
デカノイル基,ミリストイル基,ペンタデカノイル基,
パルミトイル基,ヘプタデカノイル基,ステアロイル
基,ノナデカノイル基,イコサノイル基,ヘニコサノイ
ル基,ドコサノイル基,トリコサノイル基,テトラコサ
ノイル基,ベンゾイル基,トルオイル基,ヒドロアトロ
ポイル基,2-ナフトイル基等のアシル基等が挙げられ
る。尚、本発明の糖鎖化合物を抗体製造用の免疫源、或
いはリポソーム調製用原料として用いる場合、アミノ基
の置換基として挙げられる脂肪酸由来のアシル基として
は、例えば炭素数12〜24、好ましくは14〜20の
ものが挙げられ、具体的には、例えばラウロイル基、ト
リデカノイル基、ミリストイル基、ペンタデカノイル
基、パルミトイル基、ヘプタデカノイル基、ステアロイ
ル基、ノナデカノイル基、イコサノイル基、ヘニコサノ
イル基、ドコサノイル基、トリコサノイル基、テトラコ
サノイル基等が挙げられる。
【0022】ハロゲン化アシル基としては、上記した如
きアシル基の水素原子の1個以上が例えば塩素,フッ
素,臭素等のハロゲン原子に置換されたものが挙げら
れ、具体的には、例えばトリフルオロアセチル基,トリ
クロロアセチル基,トリブロモアセチル基,3,3,3-トリ
クロロプロピオニル基,パーフルオロプロピオニル基,
3,3,4,4-テトラクロロブチリル基,パーフルオロオクタ
ノイル基,9,9,10,10,10-ペンタクロロデカノイル基,
パーブロモミリストイル基,パーフルオロステアロイル
基等が挙げられる。
【0023】アシルアルキルカルボニル基としては、例
えばアセチルメチルカルボニル基,アセチルエチルカル
ボニル基,アセチルトリメチルカルボニル基,アセチル
プロピルカルボニル基,プロピオニルメチルカルボニル
基,プロピオニルエチルカルボニル基,プロピオニルプ
ロピルカルボニル基,ブチリルメチルカルボニル基,ブ
チリルエチルカルボニル基等が挙げられる。
【0024】上記した如き糖化合物は、同一でも異なっ
ていてもよい通常2個以上、好ましくは2〜8個、更に
好ましくは3〜6個の単糖残基が夫々O−グリコシド結
合によって結合して形成されたものである。
【0025】また、ペプチドを合成血液型抗原として用
いる場合、ペプチドを構成するアミノ酸残基の数は、血
液型抗原の種類により異なるが、通常3〜20個、好ま
しくは5〜10個である。また、アミノ酸残基の種類と
しては、血液型抗原の種類により異なるが、例えばアラ
ニン残基、グリシン残基、バリン残基、ロイシン残基、
イソロイシン残基、セリン残基、スレオニン残基、シス
テイン残基、メチオニン残基、アスパラギン酸残基、ア
スパラギン残基、グルタミン酸残基、グルタミン残基、
アルギニン残基、リジン残基、ヒスチジン残基、フェニ
ルアラニン残基、チロシン残基、トリプトファン残基、
プロリン残基、ヒドロキシプロリン残基及びこれらの誘
導体等が挙げられる。
【0026】本発明に於いて使用される合成血液型抗原
は、常法により合成することができるが、例えば糖化合
物の場合は、J. Org. Chem., 53, 5629 (1988)、Carboh
ydr.Res., 209, C1 (1991)、Carbohydr. Res., 201, 31
(1990)、Can. J. Chem., 57, 1244 (1979)、Justus Li
ebigs Ann. Chem., 657, 179 (1962)等に記載の方法に
より得られた構成糖を、常法により縮合することにより
容易に合成することが出来る。また、例えばペプチドの
場合は、新生化学実験講座1,タンパク質VI,3頁(19
92)に記載の方法等により容易に合成することが出来
る。
【0027】本発明に於いて用いられる吸収性担体とし
ては、吸収性を有し、毛管現象が生じる性質を有するも
のであればよく、例えば多孔性を有するシート状乃至膜
状物、フォーム(発泡体)、織布状物、不織布状物、編
物状物等が挙げられ、これらには天然、半合成又は合成
の繊維状或いはその他の形状の素材を、抄紙、製膜、発
泡成型、編製、織製等の常法により成型することにより
得られるもの等が含まれる。これらの素材としては、例
えば綿、麻、絹、セルロース、ロックウール、獣毛、ニ
トロセルロース、セルロースアセテート、ガラス繊維、
カーボン繊維、ボロン繊維、ポリアミド、アラミド、ポ
リビニルアルコール、ポリビニルアセテート、レーヨ
ン、ポリエステル、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エ
ステル、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニ
ル、ポリ塩化ビニリデン等が挙げられる。尚、これら吸
収性担体に更にアミノ基、カルボキシル基等の官能基を
導入した、所謂活性基修飾吸収性担体も本発明の吸収性
担体に包含される。また、該吸収性担体の形状は、方形
でも円形乃至楕円形でもよい。
【0028】本発明に於いて、合成血液型抗原を吸収性
担体に担持させる方法としては、通常この分野で用いら
れる方法であればよく、例えば上記した如き吸収性担体
に上記した如き合成血液型抗原を含有する溶液を、例え
ば塗布、滴下或いは噴霧等した後、これを乾燥して物理
的吸着により担持させる方法、吸収性担体中の例えばア
ミノ基、カルボキシル基等の官能基を利用して化学的に
合成血液型抗原を担持させる方法、目的の免疫反応に関
与しないタンパク質を合成血液型抗原と結合させた後、
例えば塗布、滴下或いは噴霧等した後、これを乾燥して
物理的吸着により担持させる方法等が挙げられる。
【0029】尚、このようにして得られた合成血液型抗
原が担持された吸収性担体は、非特異的な吸着による測
定への影響を防止するために、所謂ブロッキング処理を
施しておくことが望ましい。このようなブロッキング処
理は、通常この分野で行われる方法、例えば上記した如
き吸収性担体を例えばアルブミン、グロブリン、カゼイ
ン、ポリビニルアルコール、界面活性剤等のブロッキン
グ剤(但し、測定への影響のないものを選択して使用す
る。)を含有する適当な緩衝液(例えばpHが5〜9程度
で、10〜500mMの例えばトリス緩衝液、リン酸緩衝液、
ベロナール緩衝液、ホウ酸緩衝液、グッド緩衝液等)中
に適当な時間浸漬した後に乾燥する方法等により行えば
よい。
【0030】合成血液型抗原の吸収性担体への担持量
は、判定する血液型の種類や、検出限界等により変動す
るが、吸収性担体の合成血液型抗原が担持される部分の
単位面積(cm2)当たりの担持量として通常0.01μg〜1
mg、好ましくは0.05μg〜100μg、より好ましくは0.1μ
g〜50μgである。
【0031】本発明の判定方法は、合成血液型抗原が担
持された吸収性担体を用いる方法であればよく、特に限
定されないが、例えば該吸収性担体と、標識合成血液型
抗原を組み合わせて用いる方法、該吸収性担体と、標識
抗ヒト免疫グロブリン抗体を組み合わせて用いる方法等
が好ましく挙げられる。
【0032】本発明に於いて用いられる抗ヒト免疫グロ
ブリン抗体は、生体由来試料中に存在する合成血液型抗
原と反応する物質(判定対象物)との反応性を有するも
のであればよく、ポリクローナル抗体でもモノクローナ
ル抗体でもよい。
【0033】このような抗ヒト免疫グロブリン抗体は、
市販品を用いてもよいし、例えば兎、馬、羊、山羊、ラ
ット、マウス等の動物抗血清から公知の方法(例えば、
「タンパク質精製法,Robert.K.Scopes著,シュプリン
ガー・フェアラーク東京株式会社,1985年,37頁〜179
頁」等に記載された方法等。)で取得されるポリクロー
ナル抗体、或いは細胞融合技術や遺伝子組換え技術等を
利用した公知の方法〔Eur.J.Immunol, 6, 511(1976)等
に記載の方法。〕で取得されるモノクローナル抗体を用
いてもよい。
【0034】また、本発明に於いて用いられる抗ヒト免
疫グロブリン抗体には、これら抗ヒト免疫グロブリン抗
体の一部、例えば、抗ヒト免疫グロブリン抗体をパパイ
ン等で部分分解して得られるF(ab’)2フラグメン
ト、F(ab’)2フラグメントを還元処理して得られ
るFab’フラグメント等の、所謂抗体フラグメントも
包含される。
【0035】本発明に於いて用いられる標識合成血液型
抗原又は標識抗ヒト免疫グロブリン抗体は、上記した合
成血液型抗原又は抗ヒト免疫グロブリン抗体を標識物質
で標識したものである。
【0036】本発明に於いて用いられる標識物質として
は、これを合成血液型抗原又は抗ヒト免疫グロブリン抗
体に標識したものが毛管現象により移動可能なものであ
ればよく、例えばラジオアイソトープ、例えば酵素、例
えば金コロイド,鉄コロイド,銀コロイド等の金属コロ
イド、例えばセレニウムコロイド等の非金属コロイド、
例えばローダミンB,ローダミンイソチオシアネート,
カルボキシルフルオレッセン,フルオレッセンイソチオ
シアネート(FITC)等の蛍光色素、例えばクーマシーブ
リリアントブルーR250,メチルオレンジ等の色素、例え
ばポリスチレン,ポリアクリルアミド等の高分子ポリマ
ーを原料として調製された着色ラテックス、例えば上記
の如き蛍光色素や色素等を内包する着色リポソーム等が
挙げられる。中でも、例えば金コロイド、セレニウムコ
ロイド、着色ラテックス等の視覚的に検知し得るシグナ
ルが得られる標識物質が好ましく、特に取扱い易さや感
度等の点から金コロイドが好ましい。
【0037】上記した如き標識物質は、常法により調製
されたもの、或いは市販品を用いることができる。
【0038】具体的には、例えば金コロイドの場合、例
えば塩化金酸をクエン酸ナトリウムで還元する方法〔Na
ture Phys. Sci., vol.241, 20(1973)〕等により調製す
ればよい。また、金コロイドの粒径は特に限定されない
が、通常5nm〜90nm、好ましくは10nm〜70nmである。
【0039】上記した如き合成血液型抗原又は抗ヒト免
疫グロブリン抗体と上記した如き標識物質とを結合させ
る方法としては、通常この分野で用いられる常法、例え
ば物理的吸着法〔Techniques in Immunocytochemistry,
volume 1, p108-133, Acadenic Press社、J. Histoche
m. Cytochem., vol. 25, 1187-1200(1977)、Experienti
a vol. 31, 1147(1975)等に記載の方法〕、化学的結合
法〔特公平7-107535号公報、J. Immunol. Methods, vo
l. 75, 351(1984)、B. B. A., vol. 640, 66(1981)、B.
B. R. C., vol. 89, 1114(1979)、J. Immunol. Method
s, vol. 22, 165(1984)等に記載の方法〕、標識物質を
タンパク質を介して結合させる方法等が挙げられ、用い
る標識物質の種類に応じて選択すればよい。
【0040】尚、標識物質として金コロイドを用いる場
合には、金コロイドと、例えばアルブミン,カゼイン等
の目的の免疫反応に関与しないタンパク質とを、常法
〔Techniques in Immunocytochemistry, volume 1, p10
8-133, Academic Press社、J.Histochem. Cytochem., v
ol. 25, 1187-1200(1977)、Experientia vol. 31, 1147
(1975)等に記載の方法〕により結合させた後、例えばス
クシンイミド基等の官能基が導入された合成血液型抗原
又は抗ヒト免疫グロブリン抗体や、例えばN−ヒドロキ
シスクシンイミド(NHS)基等の官能基がスペーサー
を介して結合した合成血液型抗原又は抗ヒト免疫グロブ
リン抗体の該官能基と、金コロイドに結合したタンパク
質のアミノ基とを反応させて結合させる方法、合成血液
型抗原又は抗ヒト免疫グロブリン抗体に導入されたアミ
ノ基に例えばm−マレイミドベンゾイル−N−ヒドロキ
シスクシンイミドエステル(MBS)等の架橋剤を用い
て導入したマレイミド基と、金コロイドに結合したタン
パク質のチオール基とを反応させて結合させる方法等
の、金コロイドを目的の免疫反応に関与しないタンパク
質に結合させた後、そのタンパク質と、合成血液型抗原
又は抗ヒト免疫グロブリン抗体とを結合させる方法や、
例えばアルブミン,カゼイン等の目的の免疫反応に関与
しないタンパク質と、例えばスクシンイミド基等の官能
基が導入された合成血液型抗原又は抗ヒト免疫グロブリ
ン抗体や、例えばN−ヒドロキシスクシンイミド(NH
S)等の官能基がスペーサーを介して結合した合成血液
型抗原又は抗ヒト免疫グロブリン抗体とを反応させて、
合成血液型抗原又は抗ヒト免疫グロブリン抗体の官能基
にタンパク質のアミノ基を結合させる方法や、合成血液
型抗原又は抗ヒト免疫グロブリン抗体に導入されたアミ
ノ基に例えばm−マレイミドベンゾイル−N−ヒドロキ
シスクシンイミドエステル(MBS)等の架橋剤を用い
て導入したマレイミド基と、例えばアルブミン,カゼイ
ン等の目的の免疫反応に関与しないタンパク質のチオー
ル基とを反応させる方法等により得られた結合物と、金
コロイドとを、常法〔Techniques in Immunocytochemis
try, volume1, p108-133, Academic Press社、J. Histo
chem. Cytochem., vol. 25, 1187-1200(1977)、Experie
ntia vol. 31, 1147(1975)等に記載の方法〕により結合
させる方法等の、目的の免疫反応に関与しないタンパク
質と、合成血液型抗原又は抗ヒト免疫グロブリン抗体と
を結合させた後、そのタンパク質と標識物質とを結合さ
せる方法により行うのが好ましい。
【0041】より具体的には、標識物質として金コロイ
ドを用いる場合、例えば以下の如くして行えば本発明の
標識合成血液型抗原又は標識抗ヒト免疫グロブリン抗体
を得ることができる。即ち、炭素鎖を介してアミノ基を
導入した合成血液型抗原(又は抗ヒト免疫グロブリン抗
体)6mgを、通常0.1〜100mg、好ましくは0.1〜50mgの
MBSと反応させ、合成血液型抗原(又は抗ヒト免疫グ
ロブリン抗体)中のアミノ基にマレイミド基を導入す
る。次いで、牛血清アルブミン(BSA)5mgを、2−
〔4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジニル〕
エタンスルホン酸(HEPES)緩衝液に溶解し、通常1〜1
000μg、好ましくは10〜100μgのN−スクシンイミジル
−3−(2−ピリジルジチオ)プロピオネート(SPDP)
と反応させた後、脱塩してピリジルジチオプロピオネー
ト−BSA(PDP-BSA)を得る。これを更に、ジチオス
レイトールで還元した後、脱塩してチオール基導入BS
Aを得る。これにマレイミド基導入合成血液型抗原(又
は抗ヒト免疫グロブリン抗体)を反応させた後、ゲル濾
過等により未反応の合成血液型抗原(又は抗ヒト免疫グ
ロブリン抗体)とBSAを分離し、合成血液型抗原(抗
ヒト免疫グロブリン抗体)−MBS−BSA複合体を得
る。次いで、金コロイドと、金コロイド1mgに対して通
常0.5〜100μg、好ましくは1〜50μgの合成血液型抗原
(抗ヒト免疫グロブリン抗体)−MBS−BSA複合体
とを、適当な緩衝液中で5〜30分間室温下で反応させた
後、例えばポリエチレングリコール等の分散剤を添加し
た後、遠心分離処理等により目的の金コロイド標識合成
血液型抗原(又は標識抗ヒト免疫グロブリン抗体)を分
取する。尚、上記反応で用いられる緩衝液は、金コロイ
ドと、合成血液型抗原又は抗ヒト免疫グロブリン抗体と
の結合反応を阻害しないものであればよい。また、得ら
れた金コロイド標識合成血液型抗原(又は標識抗ヒト免
疫グロブリン抗体)は、例えばポリエチレングリコール
等の分散剤を含有させた溶液中に均一に分散させて保存
すればよい。
【0042】上記の如き合成血液型抗原が担持された吸
収性担体と標識合成血液型抗原又は標識抗ヒト免疫グロ
ブリン抗体とを組み合わせて用いて本発明の判定方法を
実施する場合には、該標識合成血液型抗原又は標識抗ヒ
ト免疫グロブリン抗体と生体由来試料を予め反応させた
後、該反応液を合成血液型抗原のみが担持された吸収性
担体に供し、合成血液型抗原の担持部分に於ける標識物
質由来の発色に基づいて判定を行ってもよいが、合成血
液型抗原が担持され、且つ標識合成血液型抗原又は標識
抗ヒト免疫グロブリン抗体が毛管現象によって移動可能
なように保持された吸収性担体を用いるのが好ましい。
【0043】標識合成血液型抗原又は標識抗ヒト免疫グ
ロブリン抗体と、生体由来試料とを予め反応させた後
に、該反応液を合成血液型抗原のみが担持された吸収性
担体に供することにより判定を行う場合の標識合成血液
型抗原又は標識抗ヒト免疫グロブリン抗体の使用量は、
判定する血液型の種類や、検出限界等により変動する
が、反応時の濃度として、標識合成抗原の場合は、未標
識の合成血液型抗原量に換算して通常0.005〜5mg/m
l、好ましくは0.01μg〜0.5μg/ml、より好ましくは0.
05〜50μg/mlであり、また、標識抗ヒト免疫グロブリ
ン抗体の場合は、通常0.005μgAb〜0.5mgAb/ml、好ま
しくは0.05μgAb〜0.5mgAb/ml、より好ましくは0.5μg
Ab〜50μgAb/mlである。
【0044】また、吸収性担体に標識合成血液型抗原又
は標識抗ヒト免疫グロブリン抗体を合成血液型抗原が担
持された吸収性担体に毛管現象により移動可能なように
保持させるに当たっては、合成血液型抗原が担持された
箇所とは別の箇所に標識合成血液型抗原又は標識抗ヒト
免疫グロブリン抗体を保持させることが望ましい。尚、
当該吸収性担体は、合成血液型抗原が担持される箇所
と、標識合成血液型抗原又は標識抗ヒト免疫グロブリン
抗体が保持される箇所、或いはその他の箇所が、毛管現
象により相互に連絡されるようになっていればよく、単
一の吸収性担体からなるものであっても、複数の吸収性
担体を一体に構成したものであってもよい。
【0045】吸収性担体に標識合成血液型抗原又は標識
抗ヒト免疫グロブリン抗体を保持させる方法は、通常こ
の分野で用いられる毛管現象により移動可能なように保
持させる方法であればよく、上記した如き吸収性担体
を、上記した如き標識合成血液型抗原又は標識抗ヒト免
疫グロブリン抗体を含有する溶液中に浸漬後、例えば風
乾、送風乾燥又は凍結乾燥等して保持させる方法、上記
した如き吸収性担体に、上記した如き標識合成血液型抗
原又は標識抗ヒト免疫グロブリン抗体を含有する溶液を
例えば塗布、滴下或いは噴霧等した後、これを風乾、送
風乾燥又は凍結乾燥等して保持させる方法等が挙げられ
る。また、標識合成血液型抗原又は標識抗ヒト免疫グロ
ブリン抗体の吸収性担体への保持量は、判定する血液型
の種類や、検出限界等により変動するが、吸収性担体の
標識合成血液型抗原又は標識抗ヒト免疫グロブリン抗体
が保持される部分の単位面積(cm2)当たりの保持量と
して、標識合成抗原の場合は、未標識の合成血液型抗原
量に換算して通常0.01μg〜10mg、好ましくは0.05μg〜
1mg、より好ましくは0.1〜100μgであり、また、標識
抗ヒト免疫グロブリン抗体の場合は、通常0.005μgAb〜
0.5mgAb、好ましくは0.05μgAb〜0.5mgAb、より好まし
くは0.5μgAb〜50μgAbである。
【0046】尚、標識合成血液型抗原又は標識抗ヒト免
疫グロブリン抗体を含有する溶液としては、通常この分
野で用いられている、例えば10〜500mMのトリス緩衝
液,リン酸緩衝液,ベロナール緩衝液,ホウ酸緩衝液,
グッド緩衝液等の緩衝液等が挙げられ、そのpHは、抗原
抗体反応を抑制しない範囲であればよく、通常5〜9で
ある。また、このような溶液中には、目的の抗原抗体反
応を阻害しないものであれば、例えばアルブミン,グロ
ブリン,水溶性ゼラチン,ポリエチレングリコール等の
安定化剤、界面活性剤、糖類等を含有させておいてもよ
い。
【0047】また、このようにして得られた標識合成血
液型抗原又は標識抗ヒト免疫グロブリン抗体が保持され
た吸収性担体は、非特異的な吸着による測定への影響を
防止するために、予め、所謂ブロッキング処理を施して
おくことが望ましい。このようなブロッキング処理は、
先に述べた方法に準じて行えばよい。
【0048】本発明の方法は、具体的には例えば以下の
如く行えばよい。合成血液型抗原が担持された吸収性担
体と、標識合成血液型抗原とを組み合わせて用いる場合
には、標識合成血液型抗原が毛管現象により移動可能な
ように保持され、且つこれとは別の箇所に合成血液型抗
原が担持された上記の如き吸収性担体の、当該標識合成
血液型抗原の保持部分に生体由来試料を供し、その結果
生じる当該合成血液型抗原の担持部分に於ける標識物質
由来の発色をもとに当該試料の血液型の判定を行う。図
1に判定原理を示す。
【0049】また、合成血液型抗原が担持された吸収性
担体と、標識抗ヒト免疫グロブリン抗体とを組み合わせ
て用いる場合には、標識合成血液型抗原の代わりに標識
抗ヒト免疫グロブリン抗体を用いて上記の方法を行えば
よい。図2に判定原理を示す。
【0050】また、本発明の判定方法に於いて、種類の
異なる合成血液型抗原を複数個用いてこれを行えば、血
液型の判定を一回の操作で行うことができる。
【0051】例えば合成A型抗原及び合成B型抗原を用
いて本発明の判定方法を行えば、ABO血液型の判定、
即ち、A型、B型、AB型又はO型の判定を一回の操作
で行うことができる。
【0052】即ち、図3に示すように、標識合成A型抗
原と標識合成B型抗原が毛管現象により移動可能なよう
に保持され、且つこれとは別の箇所に合成A型抗原と合
成B型抗原が担持された吸収性担体の、当該標識合成A
型抗原と標識合成B型抗原の保持部分に生体由来試料を
供し、その結果生じる当該合成A型抗原と合成B型抗原
の担持部分に於ける標識物質由来の発色をもとに当該試
料の血液型の判定を行えばよい。尚、図3で用いた生体
由来試料はA型血清である。
【0053】また、図4に示すように、標識合成A型抗
原と標識合成B型抗原の代わりに標識抗ヒト免疫グロブ
リン抗体を用いて上記の方法を行なっても、同様に一回
の操作でABO血液型の判定を行うことができる。
【0054】そして、上記ABO血液型の判定に於い
て、合成B型抗原担持部位にのみ標識物質に由来する発
色が認められた場合は、生体由来試料中に抗B型抗体の
みが存在していることから、生体由来試料の血液型はA
型と判定され、合成A型抗原担持部位にのみ標識物質に
由来する発色が認められた場合は、生体由来試料中に抗
A型抗体のみが存在していることから、生体由来試料の
血液型はB型と判定される。また、合成A型抗原担持部
位及び合成B型抗原担持部位の両方に標識物質に由来す
る発色が認められた場合は、生体由来試料中に抗A型抗
体及び抗B型抗体の両方が存在していることから、生体
由来試料の血液型はO型と判定され、合成A型抗原担持
部位及び合成B型抗原担持部位の両方に標識物質に由来
する発色が認められない場合は、生体由来試料中に抗A
型抗体及び抗B型抗体の両方が存在していないことか
ら、生体由来試料の血液型はAB型と判定される。
【0055】上記した如きABO血液型を判定する場合
の合成血液型抗原としては、A型抗原、B型抗原等の抗
原性を有する、通常2〜8個、好ましくは3〜6個の、
例えばガラクトース残基、N−アセチルガラクトサミン
残基、フコース残基、N−アセチルグルコサミン残基、
グルコース残基等の単糖残基からなる糖化合物が好まし
い。
【0056】より具体的には、例えば合成A型抗原とし
ては、下記式[I]に示す糖化合物が特に好ましい。
【0057】
【化1】
【0058】(式中、Acはアセチル基を示す。) また、例えば合成B型抗原としては、下記式[II]に示
す糖化合物が特に好ましい。
【0059】
【化2】
【0060】これらA型抗原又はB型抗原を合成するに
は、例えば以下の如く行えばよい。即ち、ペンタアセチ
ル-β-D-ガラクトースを原料として、J. Org. Chem., 5
3,5629 (1988)等に記載の方法に準じて2-(トリメチルシ
リル)エチル 2,3,4,6-テトラ-O-アセチルガラクトピラ
ノシドを合成し、これを脱アセチル後、4,6-ベンジリデ
ン化、3-ベンゾイル化により水酸基を選択的に保護す
る。次いで、これと、フコースを原料としてCarbohydr.
Res., 209, C1 (1991)やCarbohydr. Res.,201, 31 (19
90)等に記載の方法に準じて合成したメチル2,3,4-トリ-
O-ベンジル-1-チオ-β-フコシルピラノシドとを縮合し
て2糖鎖誘導体を得た後、該2糖鎖誘導体のベンゾイル
基を選択的に除去する。次いで、A型抗原の場合は、該
2糖鎖誘導体と、ペンタアセチル-β-D-ガラクトースを
原料としてCan. J. Chem., 57,1244 (1979)等に記載の
方法に準じて合成した3,4,6-トリ-O-アセチル-2-アジド
-2-デオキシ-α-D-ガラクトピラノシルブロミドとを縮
合させて3糖鎖誘導体を得る。次いで、該3糖鎖誘導体
を、還元、アセチル化、脱2-(トリメチルシリル)エチル
化した後、脱保護すれば、式[I]で示される合成A型
抗原を合成することが出来る。また、B型抗原の場合
は、該2糖鎖誘導体と、ペンタアセチル-β-D-ガラクト
ースを原料としてJustus Liebigs Ann. Chem., 657, 17
9 (1962)等に記載の方法に準じて合成したエチル2,3,4,
6-テトラ-O-ベンジル-1-チオ-β-ガラクトピラノシドと
を縮合させて3糖鎖誘導体を得る。次いで、該3糖鎖誘
導体を、還元、アセチル化、脱2-(トリメチルシリル)エ
チル化した後、脱保護すれば、式[II]で示される合成
B型抗原を合成することが出来る。尚、上記の如くして
得られた合成A型抗原又は合成B型抗原を、吸収性担体
に担持させる場合や、標識物質と結合させる場合には、
当該吸収性担体や標識物質が有する例えばアミノ基、マ
レイミド基、チオール基、カルボキシル基、アルデヒド
基、ヒドロキシル基、ジアゾニウム基、酸アジド、アル
コキシカルボニル基、アシルオキシカルボニル基、ハロ
ホルミル基、クロロスルホニル基、シアネート基、エポ
キシ基、ケトン基、イソシアネート基、或いはハロゲン
化アルキル基等と直接反応する反応性官能基、或いは通
常この分野で使用されている例えばグルタルアルデヒ
ド、サクシンアルデヒド、マロンアルデヒド等のアルデ
ヒド化合物、例えばm−マレイミドベンゾイル−N−ヒ
ドロサクシンイミドエステル、4−(マレイミドメチ
ル)シクロヘキサン−1−カルボキシル−N−ヒドロサ
クシンイミドエステル、N−m−マレイミドベンゾイル
オキシサクシンイミド等のサクシンイミド又はその誘導
体、o−フェニレンビスマレイミド、例えばジシクロヘ
キシルカルボジイミド,1−エチルー3−(3−ジメチ
ルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩等のカルボジ
イミド化合物等の架橋試薬を用いることにより吸収性担
体や標識物質が有するこれらの基と結合し得る反応性官
能基を導入した合成血液型抗原を用いることが出来る。
【0061】このような反応性官能基としては、例えば
置換基を有していてもよいアミノ基、置換基を有してい
てもよいカルボキシル基、置換基を有していてもよいマ
レイミド基、チオール基、ヒドロキシル基、イミダゾリ
ル基、ヒドロキシフェニル基、置換基を有していてもよ
いイミド基等が挙げられ、なかでも、置換基を有してい
てもよいアミノ基は、当該吸収性担体や標識物質が有す
るアミノ基、チオール基、カルボキシル基、アルコキシ
カルボニル基、アルキルオキシカルボニル基、ハロホル
ミル基、クロロスルホニル基、シアネート基、エポキシ
基、ケトン基、アルデヒド基等と容易に結合し得るので
特に好ましい。
【0062】これらの反応性官能基は直接、或いは例え
ば下記一般式[A]で示されるスペーサーを介して合成
血液型抗原に導入される。 −X−E− [A] (Eは二価の炭化水素基、Xは結合手又は上記した如き
単糖残基からなる糖残基を示す。) 尚、上記した如き反応性官能基の導入後に立体障害を起
こすことなく、抗原性を維持し得るという点から、反応
性官能基を上記のようなスペーサーを介して導入した合
成血液型抗原が好ましい。
【0063】例えば、合成血液型抗原として、前記一般
式[I]又は[II]で示される糖化合物を使用する場合
には、下記の如くその末端の水酸基の水素原子が直接或
いは上記スペーサーを介して置換された形をとる。
【0064】
【化3】
【0065】(E及びXは前記と同じ、R1は反応性官
能基、pは0又は1の整数を夫々示す。) 上記R1で示される反応性官能基は、前記したものが含
まれる。
【0066】また、これらの糖残基に導入される反応性
官能基の中では、スペーサーを介した置換基を有してい
てもよいアミノ基が好ましい。
【0067】上記一般式[A]に於けるEで示される二
価の炭化水素残基としては、通常炭素数1〜20、好ま
しくは2〜10、更に好ましくは3〜8の例えば二価の
脂肪族炭化水素残基、二価の脂環式炭化水素残基、二価
の脂環脂肪族炭化水素残基、二価の芳香族残基、二価の
芳香脂肪族残基等、が挙げられ、これら二価の炭化水素
残基は、その鎖中に、例えば酸素原子,硫黄原子,窒素
原子等のヘテロ原子を1〜3個有していてもよい。
【0068】二価の脂肪族炭化水素残基としては、例え
ば飽和脂肪族炭化水素残基及び不飽和脂肪族炭化水素残
基が挙げられる。
【0069】飽和脂肪族炭化水素残基としては、直鎖状
でも分枝状でもよく、具体的には、例えばメチレン基,
エチレン基,トリメチレン基,プロピレン基,テトラメ
チレン基,2−メチルプロピレン基,ペンタメチレン
基,2−メチルブチレン基,2−エチルプロピレン基,
ヘキサメチレン基,2−エチルブチレン基,ヘプタメチ
レン基,2−エチルペンチル基,2−メチルへキシレン
基,オクタメチレン基,2−エチルへキシレン基,ノナ
メチレン基,デカメチレン基,ウンデカメチレン基,ド
デカメチレン基,テトラデカメチレン基,ヘキサデカメ
チレン基,オクタデカメチレン基,2−エチルオクタデ
セン基,イコセン基等のアルキレン基、例えば上記アル
キレン基の鎖中に例えば酸素原子,硫黄原子,窒素原子
等のヘテロ原子を有して成る例えば-CH2-S-CH2CH2-、-C
H2CH2-O-CH2CH2-、-CH2-NH-CH2CH(CH3)CH2-等が挙げら
れる。
【0070】不飽和脂肪族炭化水素残基としては、上記
の如き飽和脂肪族炭化水素残基の鎖中に1〜3個の二重
結合を有しているものが挙げられ、これらは直鎖状でも
分枝状でもよく、具体的には、例えば-CH=CH-、-CH2CH=
CH-、-CH2-O-CH=CH2-、-CH=CH-CH2-、-CH2CH2CH=CH-、-
CH2C(CH3)=CH-、-CH(CH2CH3)-CH2CH2CH=CH-、-CH2CH2CH
=CH-CH=CH-、-CH2CH=CH-CH(CH3)-CH=CH-CH2-等が挙げら
れる。
【0071】二価の脂環式炭化水素残基としては、単環
でも多環でもよく、また、二重結合を有していてもよ
く、具体的には、例えばシクロプロピレン基、1,3-シク
ロペンチレン基、1,4-シクロヘキシレン基、1,2-シクロ
ヘキシレン基、1,3-シクロヘキシレン基、3-シクロヘキ
セン-1,2-イレン基、2,5-シクロヘキサジエン-1,4-イレ
ン基、1,4-シクロへプチレン基、1,4-シクロオクチレン
基、2,7-スピロ[3,4]オクチレン基、3,9-スピロ[4,
5]デカ-1,6-ジエニレン基、
【0072】
【化4】
【0073】等が挙げられる。
【0074】二価の脂環脂肪族炭化水素残基としては、
上記した如き飽和又は不飽和脂肪族炭化水素残基の鎖中
或いは末端に上記した如き脂環式炭化水素残基を有する
基が挙げられ、具体的には、例えば
【0075】
【化5】
【0076】等が挙げられる。
【0077】二価の芳香族残基としては、単環でも多環
でもよく、また、環と環との間に結合手を介してもよ
く、具体的には、例えばo-フェニレン基、p-フェニレン
基、m-フェニレン基、1,5-ナフチレン基、2,6-ナフチレ
ン基、ビフェニル-4,4'-イレン基、1,5-アントリレン
基、2,6-アントリレン基、p-テルフェニル-4,4"-イレン
基、m-テルフェニル-4,4'-イレン基、2,7-フェナントリ
レン基、1,6-ピレニレン基等が挙げられる。
【0078】二価の芳香脂肪族残基としては、上記した
如き飽和又は不飽和脂肪族炭化水素残基の鎖中或いは末
端に、上記した如き二価の芳香族残基を1〜3個有して
いるものが挙げられ、具体的には、例えば
【0079】
【化6】
【0080】等が挙げられる。
【0081】また、Xで示される糖残基は、同一でも異
なっていてもよい通常1個以上、好ましくは1〜5個、
更に好ましくは1〜3個の上記した如き単糖残基が、夫
々O−グリコシド結合によって結合して形成されたもの
である。
【0082】R1で示される反応性官能基のうち、置換
基を有していてもよいアミノ基の置換基としては、例え
ばアルキル基、ハロアルキル基、アリール基、縮合多環
式炭化水素の脂肪族環から水素原子を1個除いてできる
1価基、アリールアルキル基、アシル基、ハロゲン化ア
シル基、アルコキシカルボニル基、ハロゲン化アルコキ
シカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アリー
ルアルキルオキシカルボニル基、縮合多環式炭化水素の
脂肪族環から水素原子を1個除いてできる1価基を置換
基として有するアルキルオキシカルボニル基、アシルオ
キシ基、例えばアルキレン基,ハロゲン化アルキレン
基,アリーレン基,ジアシル基,ハロゲン化ジアシル
基,アルキレンジオキシカルボニル基,アリーレンジオ
キシカルボニル基、ジアシルオキシ基等アミノ基の2つ
の水素原子を同時に置換し得る二価の基等が好ましく挙
げられる。
【0083】アルキル基としては、直鎖状でも分枝状で
も或いは環状でもよく、通常炭素数1〜20、好ましく
は1〜10のものが挙げられ、具体的には、例えばメチ
ル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブ
チル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル
基、n-ペンチル基、イソペンチル基、sec-ペンチル基、
tert-ペンチル基、ネオペンチル基、2-メチルブチル
基、1-エチルプロピル基、2-エチルプロピル基、n-ヘキ
シル基、イソヘキシル基、n-ヘプチル基、n-オクチル
基、n-ノニル基、n-デシル基、n-ドデシル基、n-テトラ
デシル基、n-ペンタデシル基、n-ヘプタデシル基、n-ノ
ナデシル基、n-イコシル基、シクロプロピル基、シクロ
ペンチル基、シクロヘキシル基、シクロペンタデシル
基、シクロノナデシル基等が挙げられる。
【0084】ハロアルキル基としては、上記の如きアル
キル基の一個以上の水素原子が例えば塩素,フッ素,臭
素等のハロゲン原子で置換されているものが挙げられ、
具体的には、例えばクロロメチル基、ジクロロメチル
基、トリクロロメチル基、トリフルオロメチル基、ジブ
ロモメチル基、1,1,2,2-テトラクロロエチル基、4,4,4,
4-トリフルオロブチル基、パーフルオロn-ペンチル基、
パーフルオロn-ヘキシル基、10,10,10-トリクロロデシ
ル基、パーフルオロn-ノナデシル基、パーフルオロn-イ
コシル基等が挙げられる。
【0085】アルキレン基としては、上記の如きアルキ
ル基が二価となった通常炭素数2〜20、好ましくは2
〜10の基等が挙げられ、例えばエチレン基、トリメチ
レン基、プロピレン基、テトラメチレン基、2−メチル
プロピレン基、ペンタメチレン基、2−メチルブチレン
基、2−エチルプロピレン基、ヘキサメチレン基、2−
エチルブチレン基、ヘプタメチレン基、2−エチルペン
チル基、2−メチルへキシレン基、オクタメチレン基、
2−エチルへキシレン基、ノナメチレン基、デカメチレ
ン基、ウンデカメチレン基、ドデカメチレン基、テトラ
デカメチレン基、ヘキサデカメチレン基、オクタデカメ
チレン基、2−エチルオクタデセン基、イコセン基等が
挙げられる。
【0086】ハロゲン化アルキレン基としては、上記の
如きアルキレン基の一個以上の水素原子が例えば塩素,
フッ素,臭素等のハロゲン原子に置換されたものが挙げ
られ、具体的には、例えばクロロメチレン基、ジブロモ
メチレン基、1,2-ジクロロエチレン基、2-(2,2,2-トリ
クロロエチル)-へキシレン基、パーフルオロデカメチレ
ン基、2-(1,1,2,2,2-ペンタフルオロエチル)-オクタデ
セン基、パーフルオロイコセン基等が挙げられる。
【0087】アリール基としては、単環でも多環でもよ
く、また上記した如きアルキル基又はニトロ基を置換基
として有していてもよく、具体的には、例えばフェニル
基、p-ニトロフェニル基、o-トリル基、m-トリル基、p-
トリル基、4-ニトロ-o-トリル基、4-ニトロ-m-トリル
基、2,3-キシリル基、3,5-キシリル基、5-ニトロ-2,3-
キシリル基、メシチル基、m-クメニル基、1-ナフチル
基、2-ナフチル基、1-アントリル基、2-アントリル基、
1-フェナントリル基、2-フェナントリル基、3-フェナン
トリル基、4-フェナントリル基、9-フェナントリル基、
1-ピレニル基等が挙げられる。
【0088】縮合多環式炭化水素の脂肪族環から水素原
子を1個除いてできる1価基としては、例えば炭素数8
〜20のものが挙げられ、具体的には、例えば1-インデ
ニル基、2-インデニル基、1-アセナフテニル基、9-フル
オレニル基、1-フェナレニル基等が挙げられる。
【0089】アリールアルキル基としては、上記の如き
アルキル基の水素原子1個以上が上記の如きアリール基
に置換されたものが挙げられ、具体的には、例えばベン
ジル基、ベンズヒドリル基、フェネチル基、トリチル基
等が挙げられる。
【0090】アリーレン基としては、上記の如きアリー
ル基が二価の基になったもの等が挙げられ、具体的に
は、例えばo-フェニレン基、m-フェニレン基、p-フェニ
レン基、o-3-トリレン基、m-2-トリレン基、m-4-トリレ
ン基、m-5-トリレン基、p-2-トリレン基、o-3,4-キシリ
レン基、o-3,6-キシリレン基、o-4,5-キシリレン基、p-
2,3-キシリレン基、p-2,6-キシリレン基、メシチレン
基、o-3-クメニレン基、o-4-クメニレン基、m-5-クメニ
レン基、p-クメニレン基、2,3-ナフチレン基、1,4-ナフ
チレン基、2,7-ナフチレン基、2,6-ナフチレン基、1,8-
ナフチレン基、1,5-ナフチレン基、1,8-アントリレン
基、2,7-アントリレン基、2,6-アントリレン基、1,5-ア
ントリレン基、1,4-アントリレン基、2,3-アントリレン
基、2,7-フェナントリレン基、3,6-フェナントリレン
基、4,5-フェナントリレン基、9,10-フェナントリレン
基等が挙げられる。
【0091】アシル基としては、モノカルボン酸由来の
炭素数2〜24の例えばアセチル基,プロピオニル基,
ブチリル基,イソブチリル基,バレリル基,イソバレリ
ル基,ピバロイル基,ヘプタノイル基,オクタノイル
基,ノナノイル基,デカノイル基,ラウロイル基,トリ
デカノイル基,ミリストイル基,ペンタデカノイル基,
パルミトイル基,ヘプタデカノイル基,ステアロイル
基,ノナデカノイル基,イコサノイル基,ヘニコサノイ
ル基,ドコサノイル基,トリコサノイル基,テトラコサ
ノイル基,ベンゾイル基,トルオイル基,ヒドロアトロ
ポイル基,2-ナフトイル基等のアシル基等が挙げられ
る。尚、本発明の糖鎖化合物を抗体製造用の免疫源、或
いはリポソーム調製用原料として用いる場合、アミノ基
の置換基として挙げられる脂肪酸由来のアシル基として
は、例えば炭素数12〜24、好ましくは14〜20の
ものが挙げられ、具体的には、例えばラウロイル基、ト
リデカノイル基、ミリストイル基、ペンタデカノイル
基、パルミトイル基、ヘプタデカノイル基、ステアロイ
ル基、ノナデカノイル基、イコサノイル基、ヘニコサノ
イル基、ドコサノイル基、トリコサノイル基、テトラコ
サノイル基等が挙げられる。
【0092】ジアシル基としては、ジカルボン酸由来の
炭素数2〜20の例えばマロニル基,スクシニル基,グ
ルタリル基,アジポイル基,ヘプタンジオイル基,オク
タンジオイル基,ノナンジオイル基,デカンジオイル
基,フタロイル基,イソフタロイル基,テレフタロイル
基等が挙げられる。
【0093】ハロゲン化アシル基としては、上記した如
きアシル基の水素原子の1個以上が例えば塩素,フッ
素,臭素等のハロゲン原子に置換されたものが挙げら
れ、具体的には、例えばトリフルオロアセチル基,トリ
クロロアセチル基,トリブロモアセチル基,3,3,3-トリ
クロロプロピオニル基,パーフルオロプロピオニル基,
3,3,4,4-テトラクロロブチリル基,パーフルオロオクタ
ノイル基,9,9,10,10,10-ペンタクロロデカノイル基,
パーブロモミリストイル基,パーフルオロステアロイル
基等が挙げられる。
【0094】ハロゲン化ジアシル基としては、上記した
如きジアシル基の水素原子の1個以上が例えば塩素,フ
ッ素,臭素等のハロゲン原子に置換されたものが挙げら
れ、具体的には、例えば2,2-ジクロロマロニル基,2,3-
ジブロモスクシニル基,4,4-ジフルオロヘプタンジオイ
ル基,パーフルオロデカンジオイル基等が挙げられる。
【0095】アルコキシカルボニル基としては、例えば
炭素数2〜11のものが挙げられ、具体的には、例えば
メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロピ
ルオキシカルボニル基、n-ブトキシカルボニル基、sec-
ブトキシカルボニル基、tert-ブトキシカルボニル基、n
-ペンチルオキシカルボニル基、n-ヘキシルオキシカル
ボニル基、n-ヘプチルオキシカルボニル基、2-エチルヘ
キシルオキシカルボニル基、n-オクチルオキシカルボニ
ル基、n-ノニルオキシカルボニル基、n-デシルオキシカ
ルボニル基等が挙げられる。
【0096】ハロゲン化アルコキシカルボニル基として
は、上記の如きアルコキシカルボニル基の一個以上の水
素原子が塩素,フッ素,臭素等のハロゲン原子に置換さ
れたものが挙げられ、具体的には、例えばトリクロロメ
トキシカルボニル基、2,2,2−トリクロロエトキシカ
ルボニル基、パーフルオロプロピルオキシカルボニル
基、パーフルオロブトキシカルボニル基、5,5,5-トリク
ロロペンチルオキシカルボニル基、8,8,8-トリフルオロ
オクチルオキシカルボニル基、パーフルオロデシルオキ
シカルボニル基等が挙げられる。
【0097】アルキレンジオキシカルボニル基として
は、例えば炭素数3〜12のものが挙げられ、具体的に
は、例えばメチレンジオキシカルボニル基、エチレンジ
オキシカルボニル基、トリメチレンジオキシカルボニル
基、プロピレンジオキシカルボニル基、テトラメチレン
ジオキシカルボニル基、3-メチルプロピレンジオキシカ
ルボニル基、2-メチルブチレンジオキシカルボニル基、
2,3-ジメチルプロピレンジオキシカルボニル基、3-エチ
ルプロピレンジオキシカルボニル基、ヘキサメチレンジ
オキシカルボニル基、ヘプタメチレンジオキシカルボニ
ル基、オクタメチレンジオキシカルボニル基、ノナメチ
レンジオキシカルボニル基、デカメチレンジオキシカル
ボニル基等が挙げられる。
【0098】アリールオキシカルボニル基としては、例
えば炭素数6〜20のものが挙げられ、具体的には、例
えばフェニルオキシカルボニル基、o-トリルオキシカル
ボニル基、m-トリルオキシカルボニル基、p-トリルオキ
シカルボニル基、2,3-キシリルオキシカルボニル基、2,
4-キシリルオキシカルボニル基、3,5-キシリルオキシカ
ルボニル基、1-ナフチルオキシカルボニル基、2-ナフチ
ルオキシカルボニル基、1-アントリルオキシカルボニル
基、2-アントリルオキシカルボニル基、1-フェナントリ
ルオキシカルボニル基、2-フェナントリルオキシカルボ
ニル基、3-フェナントリルオキシカルボニル基、4-フェ
ナントリルオキシカルボニル基、9-フェナントリルオキ
シカルボニル基等が挙げられる。
【0099】アリールアルキルオキシカルボニル基とし
ては、上記の如きアルキルオキシカルボニル基の1個以
上の水素原子が上記した如きアリール基に置換されたも
のが挙げられ、具体的には、例えばベンジルオキシカル
ボニル基、p-ニトロベンジルオキシカルボニル基、ベン
ズヒドリルオキシカルボニル基、フェネチルオキシカル
ボニル基、トリチルオキシカルボニル基等が挙げられ
る。
【0100】縮合多環式炭化水素の脂肪族環から水素原
子を1個除いてできる1価基を置換基として有するアル
キルオキシカルボニル基としては、上記の如きアルキル
オキシカルボニル基の1個以上の水素原子が上記の如き
縮合多環式炭化水素の脂肪族環から水素原子を1個除い
てできる1価基に置換されたものが挙げられ、具体的に
は、例えば1-インデニルメチルオキシカルボニル基、2-
インデニルエチルオキシカルボニル基、1-アセナフテニ
ルエチルオキシカルボニル基、1-フェナレニルメチルオ
キシカルボニル基、9-フルオレニルメチルオキシカルボ
ニル基等が挙げられる。
【0101】R1が、例えばアルキル基、ハロアルキル
基、アリール基、縮合多環式炭化水素の脂肪族環から水
素原子を1個除いてできる1価基、アリールアルキル
基、アシル基、ハロゲン化アシル基、アルコキシカルボ
ニル基、ハロゲン化アルコキシカルボニル基、アリール
オキシカルボニル基、アリールアルキルオキシカルボニ
ル基、縮合多環式炭化水素の脂肪族環から水素原子を1
個除いてできる1価基を置換基として有するアルキルオ
キシカルボニル基、アシルオキシ基、例えばアルキレン
基,ハロゲン化アルキレン基,アリーレン基,ジアシル
基,ハロゲン化ジアシル基,アルキレンジオキシカルボ
ニル基,アリーレンジオキシカルボニル基、ジアシルオ
キシ基等アミノ基の2つの水素原子を同時に置換し得る
二価の基等の置換基を有するアミノ基の場合、これを例
えば常法により処理すれば、R1がアミノ基である対応
する化合物が容易に得られる。
【0102】より具体的には、例えば官能基導入合成A
型抗原としては、下記式[III]又は[III’]に示す糖
化合物が好ましい。
【0103】
【化7】
【0104】(式中、Acはアセチル基を夫々示す。)
【0105】
【化8】
【0106】(式中、Acは前記と同じ。また、mは1
〜5の整数を夫々示す。) また、例えば官能基導入合成B型抗原としては、下記式
[IV]又は[IV’]に示す糖化合物が好ましい。
【0107】
【化9】
【0108】
【化10】
【0109】(式中、Ac及びmは前記と同じ。) 尚、上記一般式[III]、[III’]、[IV]及び[I
V’]に於いて、E’は炭素数1〜20のアルキレン鎖
を示す。
【0110】これら官能基導入合成A型抗原又は官能基
導入合成B型抗原を合成するには、常法に従ってこれを
行えばよいが、例えば以下の如く合成すればよい。
【0111】即ち、例えば下記一般式[VII] HO−E−R2 [VII] (式中、Eは前記と同じ。また、R2は前記した如き置
換基を有していてもよいアミノ基を示す。)で示される
化合物と、上記した如き2個以上8個以下の先に説明し
た単糖残基からなる糖鎖化合物とをO−グリコシル化反
応させることによって容易に得られる。
【0112】また、本発明の糖鎖化合物は、上記一般式
[VII]で示される化合物と、1個以上8個未満の先に
説明した単糖残基から成り且つ任意の位置に水酸基を有
する糖鎖化合物とをO−グリコシル化反応させた後、得
られた糖鎖化合物に更に適当な単糖残基を1個ずつ任意
の数までO−グリコシド結合で結合させていくことによ
っても得られる。
【0113】上記O−グリコシル化反応は、常法に従っ
て行えばよい。即ち、糖残基と一般式[VII]で示され
る化合物の水酸基とをO-グリコシド結合させるには、例
えば以下の如く行えばよい。
【0114】即ち、1-クロロ置換体,1-ブロモ置換体等
のハロゲン化糖化合物等の置換基の離脱により糖化合物
となるいわゆる糖供与体と、1〜5当量の、フタルイミド
基,トリフルオロアセチル基等、適当な保護基で保護さ
れたアミノ基を有する一般式[VII]で示される化合物
とを、ジクロロメタン,ニトロメタン,アセトニトリル
等に溶解し、1〜5当量の、例えば過塩素酸銀と炭酸銀、
トリフルオロメタンスルホン酸銀とs-コリジン又は臭化
水銀とシアン化水銀等の活性化剤を添加し、好ましくは
モレキュラーシーブス4Aやドライアライト等の脱水剤
の共存下、-30℃〜室温で、2〜24時間攪拌下反応させ、
次いでシリカゲルカラム等により精製することで、目的
とする化合物を得ることができる。
【0115】また、糖供与体として上記に替え1-チオメ
チル置換体,1-チオエチル置換体,1-チオフェニル置換
体等の1-チオアルキル化糖を用いる場合、当該糖供与体
と、1〜5当量の、フタルイミド基,トリフルオロアセチ
ル基等、適当な保護基で保護されたアミノ基を有する一
般式[VII]で示される化合物とを、ジクロロメタン,
ニトロメタン,アセトニトリル等に溶解し、1〜5当量
の、例えばメチルトリフラート、臭化銅と臭化テトラブ
チルアンミニウム又はN-よう化こはく酸イミドとトリフ
ルオロメタンスルホン酸等の活性化剤を添加し、好まし
くはモレキュラーシーブス4Aやドライアライト等の脱
水剤の共存下、-30℃〜室温で、2〜24時間攪拌下反応さ
せ、次いでシリカゲルカラム等により精製することで、
目的とする化合物を得ることができる。また、適当な糖
鎖と、還元末端に一般式[VII]で示される化合物をO-
グリコシド結合させて得られた糖鎖とをグリコシド結合
させるには、例えば以下の如く行えばよい。
【0116】即ち、糖供与体として、1-クロロ置換体,
1-ブロモ置換体等のハロゲン化糖を用いる場合、糖供与
体と、1〜5当量の、O-グリコシド結合を形成させたい水
酸基以外の水酸基を、アセチル基,ベンゾイル基,ベン
ジル基等の糖の合成で通常使用される保護基で保護し、
且つ、2価の炭化水素残基を介して結合したアミノ基を
フタルイミド基,トリフルオロアセチル基等、適当な保
護基で保護した糖鎖化合物とを、ジクロロメタン,ニト
ロメタン,アセトニトリル等に溶解し、1〜5当量の、例
えば過塩素酸銀と炭酸銀、トリフルオロメタンスルホン
酸銀とs-コリジン又は臭化水銀とシアン化水銀等の活性
化剤を添加し、好ましくはモレキュラーシーブス4Aや
ドライアライト等の脱水剤の共存下、-30℃〜室温で、2
〜24時間攪拌下反応させ、次いでシリカゲルカラム等に
より精製することで、目的とする化合物を得ることがで
きる。または、糖供与体として1-チオメチル置換体,1-
チオエチル置換体,1-チオフェニル置換体等の1-チオア
ルキル化糖を用いる場合、糖供与体と、1〜5当量の、O-
グリコシド結合を形成させたい水酸基以外の水酸基を、
アセチル基,ベンゾイル基,ベンジル基等の糖の合成で
通常使用される保護基で保護し、且つ、2価の炭化水素
残基を介して結合したアミノ基をフタルイミド基,トリ
フルオロアセチル基等、適当な保護基で保護した糖鎖化
合物とを、ジクロロメタン,ニトロメタン,アセトニト
リル等に溶解し、1〜5当量の、例えばメチルトリフラー
ト、臭化銅と臭化テトラブチルアンミニウム又はN-よう
化こはく酸イミドとトリフルオロメタンスルホン酸等の
活性化剤を添加し、好ましくはモレキュラーシーブス4
Aやドライアライト等の脱水剤の共存下、-30℃〜室温
で、2〜24時間攪拌下反応させ、次いでシリカゲルカラ
ム等により精製することで、目的とする化合物を得るこ
とができる。
【0117】本発明の糖鎖化合物を製造する際に使用す
る単糖としては、本発明の糖鎖化合物を構成する単糖残
基の基となる単糖と同じものが挙げられ、また、糖の主
鎖に直接結合する水素原子が、必要に応じて、例えば−
3等で置換されていてもよい。
【0118】合成A型抗原又は/及び合成B型抗原の担
持量は、検出限界等により異なるが、吸収性担体の合成
A型抗原又は/及び合成B型抗原が担持される部分の単
位面積(cm2)当たりの担持量として通常0.01μg〜10m
g、好ましくは0.05μg〜1mg、より好ましくは0.1〜100
μgである。
【0119】また、標識合成A型抗原又は/及び標識合
成B型抗原の保持量は、吸収性担体の標識合成A型抗原
又は/及び標識合成B型抗原が保持される部分の単位面
積(cm2)当たりの保持量として、未標識の合成血液型
抗原量に換算して通常0.01μg〜1mg、好ましくは0.1μ
g〜1mg、より好ましくは1μg〜100μgであり、また、
標識抗ヒト免疫グロブリン抗体の保持量は、吸収性担体
に於ける標識抗ヒト免疫グロブリン抗体が保持される部
分の単位面積(cm2)当たりの保持量として通常0.01μg
Ab〜1mgAb、好ましくは0.1μgAb〜1mgAb、より好まし
くは1μgAb〜100μgAbである。
【0120】上記の判定方法に於いて、標識合成A型抗
原と標識合成B型抗原とを吸収性担体に保持させるに当
たっては、同一箇所に保持させても、また、生体由来試
料の移動方向上の異なる箇所に夫々別々に保持させても
よく、或いは生体由来試料の移動方向上でない異なる箇
所に夫々別々に保持させてもよい。尚、生体由来試料の
移動方向上でない異なる箇所に夫々を別々に保持させた
ものを用いて判定を行う場合には、生体由来試料は、標
識合成A型抗原が保持されている箇所と標識合成B型抗
原が保持されている箇所の夫々を経由するように供され
る。また、合成A型抗原と合成B型抗原とを吸収性担体
に担持させるに当たっては、同一箇所に担持させても、
また、生体由来試料の移動方向上の異なる箇所に夫々別
々に担持させてもよく、或いは生体由来試料の移動方向
上でない異なる箇所に夫々別々に担持させてもよいが、
同一箇所に担持させる場合には、同一箇所に於ける発色
が、合成A型抗原に結合した標識物質に由来する発色で
あるのか、合成B型抗原に結合した標識物質に由来する
発色であるのか判別可能となり、且つ合成A型抗原に結
合した標識物質に由来する発色と、合成B型抗原に結合
した標識物質に由来する発色とが同時に起こった場合に
は、夫々に由来する発色が単独で起こった場合と判別可
能な色調となるような標識物質の組合せを適宜選択して
標識合成A型抗原と標識合成B型抗原の夫々の標識物質
として用いるのが好ましい。尚、生体由来試料の移動方
向上でない異なる箇所に夫々別々に担持させる場合は、
標識合成A型抗原及び標識合成B型抗原も生体由来試料
の移動方向上でない異なる箇所であって、これら合成A
型抗原及び合成B型抗原の夫々に対応する、生体由来試
料の移動方向上の然るべき箇所に夫々保持させることが
望ましい。
【0121】本発明に於ける生体由来試料としては、例
えば血液、血漿、血清、唾液、髄液、尿、毛髪、糞便等
や、これらを適当な緩衝液等で希釈或いは懸濁させて得
られる液体試料等が挙げられる。
【0122】本発明の血液型判定用試薬キット及び血液
型判定用試験用具は、上述した如き本発明の血液型判定
方法に使用されるもので、合成血液型抗原が担持された
吸収性担体からなるものであり、好ましくは、合成血液
型抗原が担持され、且つ標識合成血液型抗原が保持され
ている吸収性担体からなるもの、又は合成血液型抗原が
担持され、且つ標識抗ヒト免疫グロブリン抗体が保持さ
れている吸収性担体からなるものである。
【0123】より好ましくは、(a)標識合成血液型抗
原が毛管現象により移動可能なように保持された第1部
分と、(b)合成血液型抗原が担持されている第2部分
とを具備し、(c)該第1部分と第2部分とが、相互間
に毛管現象が生じるように連結されたもの、或いは、標
識合成血液型抗原の代わりに標識抗ヒト免疫グロブリン
抗体を保持させた以外は上記と同様の構成を有するもの
が挙げられる。尚、本発明のキット又は試験用具の好ま
しい態様は、上記した如きものであるが、このようなも
のであれば単一の吸収性担体からなるものであっても、
複数の吸収性担体を組み合わせて一体に構成したもので
あってもよい。また、本発明のキット又は試験用具に
は、合成血液型抗原のみが担持されたものも包含され
る。また、本発明のキット又は試験用具の構成要素の好
ましい態様や具体例は上で述べた通りである。
【0124】本発明のキット又は試験用具の好ましい態
様の一例を図5に示す。
【0125】尚、図5に於いて各数字は夫々以下のもの
を示す。
【0126】1:吸収性担体 2:標識合成血液型抗原又は標識抗ヒト免疫グロブリン
抗体保持部分 3:合成血液型抗原担持部分 また、本発明のキット又は試験用具の好ましい態様の他
の例を図6に示す。
【0127】尚、図6に於いて各数字は夫々以下のもの
を示す。
【0128】1:担体 2:生体由来試料吸収部 3:第1部分(標識合成血液型抗原又は標識抗ヒト免疫
グロブリン抗体保持部分) 4:第2部分 5:合成血液型抗原担持部分(判定部) 6:液体吸収部 また、ABO血液型の判定に用いられる試験用具の好ま
しい態様の一つを図7に示す。
【0129】尚、図7に於いて各数字は夫々以下のもの
を示す。
【0130】1:担体 2:生体由来試料吸収部 3:第1部分(標識合成A型抗原及び標識合成B型抗原
担持部分) 4:第2部分 5:合成A型抗原担持部分(B型判定部) 6:合成B型抗原担持部分(A型判定部) 7:液体吸収部 上記した如き例えば図6及び図7で示される本発明の試
験用具を調製するには、例えば以下の如くして行えばよ
い。即ち、先ず,例えば適当な大きさの担体上に、上記
の如くして作製した合成血液型抗原(又は、合成A型抗
原及び合成B型抗原)が担持されている判定部を有する
吸収性担体を接着して第2部分(展開膜)を形成し、次
いで、例えば金コロイド等が結合した標識合成血液型抗
原(又は、標識合成A型抗原及び標識合成B型抗原)或
いは標識抗ヒト免疫グロブリン抗体を保持させた吸収性
担体を、該判定部と相互間に毛管現象が生じるように接
着させて第1部分を形成することにより調製し得る。
尚、該試験用具に於いては、生体由来試料の吸収及び第
1部分での免疫反応を円滑に行わせるために、第1部分
の下端に更に生体由来試料吸収部を設け、生体由来試料
を先ずこの部分に滴下し、毛管現象を利用して第1部分
にこれを運ばせて反応を開始させるようにしてもよく、
また、第2部分の上端に液体吸収部を設け、第2部分よ
り展開させてくる生体由来試料を効率よく吸収し得るよ
うにしてもよい。これらの部分は、相互間に毛管現象が
生じるように接着していればよく、より毛管現象を生じ
やすくするために、第1部分と第2部分、第1部分と生
体由来試料吸収部、第2部分と液体吸収部とが約1〜2
mm程度重なるように接着させるようにしてもよい。ま
た、該試験用具に於いて、担体としては、例えばポリ塩
化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレ
ン等の材質からなるシート状のものが挙げられ、生体由
来試料吸収部及び液体吸収部の材質は、第1部分や第2
部分を形成させるために用いられる吸収性担体と同じも
のでよい。尚、全体の大きさとしては、生体由来試料吸
収部に生体由来試料を例えば滴下等してから毛管現象に
より第2部分の末端にまで生体由来試料が展開されるま
での時間が、通常15分以内、好ましくは10分以内となる
ように設定される。
【0131】上記した如き本発明の試験用具を用いて本
発明の判定方法を行うには、例えば以下の如く行えばよ
い。即ち、先ず上記の如くして調製された試験用具を用
い、第1部分に生体由来試料を例えば滴下したり、第1
部分を生体由来試料中に浸漬する等して(尚、当該試験
用具に生体由来試料吸収部が設けられている場合は、生
体由来試料吸収部に生体由来試料を滴下したり、生体由
来試料吸収部を生体由来試料中に浸漬する等して、ここ
から毛管現象を利用して第1部分に生体由来試料を供す
るようにする。)、第1部分に生体由来試料を供して反
応させ、標識合成A型抗原又は標識合成B型抗原等の標
識合成血液型抗原、或いは標識抗ヒト免疫グロブリン抗
体と生体由来試料中の判定対象物との免疫複合体(反応
生成物)を形成させる。次いで、毛管現象により移動し
た反応生成物が、第2部分の合成A型抗原又は/及び合
成B型抗原担持部分に捕捉されて生じる反応生成物(標
識合成A型抗原又は標識合成B型抗原等の標識合成血液
型抗原、或いは標識抗ヒト免疫グロブリン抗体と、生体
由来試料中の判定対象物と、合成A型抗原又は合成B型
抗原等の合成血液型抗原と、のサンドイッチ型免疫複合
体)中の標識物質に由来する発色により生体由来試料の
血液型を判定する。尚、判定対象物と反応しなかった標
識合成A型抗原又は標識合成B型抗原等の標識合成血液
型抗原、或いは標識抗ヒト免疫グロブリン抗体は、毛管
現象により更に下流に移動する。
【0132】尚、判定は、標識物質の発色の程度を観察
し、その結果を予め作製しておいた標識物質に由来する
発色の程度と判定対象物量との関係を表す色調表等に当
てはめる等することにより、判定対象物量を定量的に判
定することができるが、発色の程度が特定の色調より薄
ければ陰性、濃ければ陽性としておけば、判定対象物の
半定量も可能である。尚、標識物質の発色の程度の観察
は、目視にて行なっても、また、例えばプレテスター R
M-405、プレテスター RM-505(何れも和光純薬工業
(株)製)等の尿試験紙用のテスター、例えばデンシト
メーター等を用いて行っても良く、使用する標識物質の
種類により適宜選択すればよい。
【0133】以下に合成例及び実施例を挙げ、本発明を
更に具体的に説明するが、本発明はこれらにより何等限
定されるものではない。
【0134】
【実施例】合成例1.3−アミノ−1−プロパノール
1.04gをクロロホルム 3mlに溶解し、トリフルオロ酢酸
メチル 2.0gのクロロホルム(1ml)溶液を添加した。室温
で2時間撹拌した後、反応液を精製し、減圧濃縮してCF
3CONH(CH2)3OH 2.35gを得た(収率:99.2%)。 元素分析 C5H8NO2F3(171.12)として 計算値(%); C:35.10, H:4.71, N:8.19 実測値(%); C:34.93, H:4.89, N:8.20
【0135】合成例2.6−アミノ−1−ヘキサノール
10gをクロロホルム 5mlに溶解し、トリフルオロ酢酸メ
チル 1.1gのクロロホルム(1ml)溶液を添加した。室温で
5時間撹拌した後、反応液を精製し、ジエチルエーテル
/ヘキサンで結晶化させ、CF3CONH(CH2) 6OH 1.62gを得
た(収率:89.0%)。 融点;39.1〜40.7℃ 元素分析 C8H14NO2F3(213.20)として 計算値(%); C:45.07, H:6.62, N:6.57 実測値(%); C:44.98, H:6.61, N:6.55
【0136】合成例3.8−ブロモ−1−オクタノール
1.13g及びフタルイミドカリウム 1.0gをDMFに溶解
し、100℃で2時間撹拌した。反応液をクロロホルム 25
0mlで希釈し、飽和重曹水、飽和食塩水で洗浄した後、
無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を留去した後、
ヘキサンで結晶化させ、化合物[1]
【0137】
【化11】
【0138】1.39gを得た(収率:93.3%)。 融点;56.7〜57.4℃ 元素分析 C16H21NO3(275.35)として 計算値(%); C:69.79, H:7.69, N:5.09 実測値(%); C:69.80, H:7.68, N:5.11
【0139】合成例4.ペンタアセチル-β-D-ガラクト
ースより、文献〔J. Org. Chem., 53, 5629 (1988)〕に
記載の方法に準じて合成した2-(トリメチルシリル)エチ
ル 2,3,4,6-テトラ-O-アセチルガラクトピラノシド 97.
8gを、メタノール 1.3Lに溶解し、28%-ナトリウムメチ
ラート 3.3mlを添加した。室温で終夜攪拌した後、陽イ
オン交換樹脂アンバーリスト15を加えて中和した。これ
を濾別した後、濾液を濃縮し、残渣をベンズアルデヒド
200ml,ギ酸 200mlに溶解した。室温で1時間攪拌した
後、飽和重曹水で中和し、酢酸エチルで抽出した。有機
層を食塩水で2回洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで
乾燥した。溶媒を留去し、残渣を精製した後、結晶化を
行い、化合物[2]
【0140】
【化12】
【0141】(式中、Phはフェニル基、SEは2-(ト
リメチルシリル)エチル基を表す。)45.0gを得た(収
率;56.5%)。 融点;108.5〜109.7℃ 元素分析 C18H28O6Si(368.50)として 計算値(%); C:58.67, H:7.66, 実測値(%); C:58.64, H:7.68,
【0142】合成例5.上記合成例4.で得た化合物
[2] 45.0gを、ピリジン 207mlに溶解し、0℃に冷却
下ベンゾイルシアニド48g のアセトニトリル(23ml)溶液
を添加した。0℃で3時間攪拌した後、メタノール 300ml
を添加し、更に室温で1時間攪拌した。反応液を減圧濃
縮し、ジクロロメタンで抽出した。有機層を0.2N-塩
酸,飽和重曹水,食塩水で順次洗浄した後、無水硫酸マ
グネシウムで乾燥した。溶媒を留去後、残渣をシリカゲ
ルカラム(溶離液;ヘキサン:酢酸エチル=3:1)で精製し
た。ヘキサン/酢酸エチルより結晶化を行い、化合物
[3]
【0143】
【化13】
【0144】(式中、Bzはベンゾイル基を表し、Ph
及びSEは前記と同じ。)52.0gを得た(収率;90.1%)。 融点;115.3〜117.0℃ 元素分析 C25H32O7Si(472.61)として 計算値(%); C:63.54, H:6.82, 実測値(%); C:63.54, H:6.83,
【0145】合成例6.上記合成例5.で得た化合物
[3]52.0gと、フコース(Aldrich社製)より文献〔Carb
ohydr. Res., 209, C1 (1991), Carbohydr. Res., 20
1, 31 (1990)〕に記載の方法に準じて合成したメチル
2,3,4-トリ-O-ベンジル-1-チオ-β-フコシルピラノシド
58.7gとを1,2-ジクロロメタン:DMF=5:1混合溶媒 2Lに
溶解し、それに臭化銅(II) 44.2g、テトラブチルアンモ
ニウムブロミド 70.9g及びモレキュラシーブス4A 90gの
混合物を添加した。窒素雰囲気下、室温で60時間攪拌し
た後、反応液を濾過し、濾液を減圧濃縮して得られた残
渣を酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和重曹水、食塩
水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶
媒を留去後、残渣をシリカゲルカラム(溶離液;ヘキサ
ン:酢酸エチル=6:1)で精製し、化合物[4]
【0146】
【化14】
【0147】(式中、Bnはベンジル基を表し、Ph、
SE、Bzは前記と同じ。)82.4gを得た(収率;84.2
%)。 元素分析 C52H60O11Si(889.13)として 計算値(%); C:70.25, H:6.80, 実測値(%); C:70.28, H:6.84,
【0148】合成例7.上記合成例6.で得た化合物
[4] 82.4gを、ベンゼン:メタノール=1:9混合溶媒 5
Lに溶解し、1N-ナトリウムメチラート 1Lを添加した。
室温で2昼夜攪拌した後、酢酸 60mlを加えて中和し、こ
れを濃縮して得られた残渣を酢酸エチルで抽出した。有
機層を食塩水で2回洗浄した後、無水硫酸マグネシウム
で乾燥した。溶媒を留去後、残渣をシリカゲルカラム
(溶離液;ヘキサン:酢酸エチル=4:1)で精製した。ヘキ
サンより結晶化を行い、化合物[5]
【0149】
【化15】
【0150】58.8gを得た(収率;80.9%)。 融点;102.7〜103.6℃ 元素分析 C45H56O10Si(785.02)として 計算値(%); C:68.85, H:7.19, 実測値(%); C:68.82, H:7.20,
【0151】合成例8.上記合成例7.で得た化合物
[5] 1.0g、炭酸銀 7.4g及び無水硫酸カルシウム6.5g
とをジクロロメタン 40mlに溶解し、-30〜-20℃に冷却
した。これにトリフルオロメタンスルホン酸銀 0.36g、
次いでペンタアセチル-β-D-ガラクトース(Aldrich社
製)より文献〔Can. J. Chem., 57, 1244 (1979)〕に記
載の方法に準じて合成した3,4,6-トリ-O-アセチル-2-ア
ジド-2-デオキシ-α-D-ガラクトピラノシルブロミド 1.
51gのジクロロメタン(10ml)溶液を添加した。同温度で
3.5時間攪拌した後、反応液を濾過した。濾液を食塩水
で2回洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒
を留去後、残渣をシリカゲルカラム(溶離液;ヘキサン:
酢酸エチル=3:1)で精製し、化合物[6]
【0152】
【化16】
【0153】(式中、Acはアセチル基を表し、Ph、
SE及びBnは前記と同じ。)1.37gを得た(収率;97.9
%)。 元素分析 C57H71N3O17Si(1098.29)として 計算値(%); C:62.34, H:6.52, N:3.83 実測値(%); C:62.40, H:6.59, N:3.79
【0154】合成例9.上記合成例8.の方法により得
た化合物[6] 5.0gを酢酸 150mlに溶解し、10%-パラ
ジウム炭素 5gを添加した。水素雰囲気下、室温で5日間
攪拌した後、反応液を濾過した。濾液を減圧濃縮し、残
渣をシリカゲルカラム(溶離液;クロロホルム:メタノー
ル=9:1)で精製した。次いで、得られた化合物をピリジ
ン 70ml,無水酢酸 30mlに溶解し、N,N-ジメチルアミノ
ピリジン 10mgを添加した。室温で終夜攪拌した後、反
応液を濃縮し、酢酸エチルで抽出した。有機層を0.2N-
塩酸,飽和重曹水,食塩水で順次洗浄した後、無水硫酸
マグネシウムで乾燥した。溶媒を留去後、残渣をシリカ
ゲルカラム(溶離液;クロロホルム:メタノール=50:1)
で精製した。ジエチルエーテルより結晶化を行い、化合
物[7]
【0155】
【化17】
【0156】3.47gを得た(収率;78.9%)。 融点;112.6〜114.5℃ 元素分析 C41H63NO23Si(966.03)として 計算値(%); C:50.98, H:6.57, N:1.45, 実測値(%); C:51.10, H:6.65, N:1.41,
【0157】合成例10.上記合成例9.で得た化合物
[7] 3.23gをジクロロメタン 10mlに溶解し、氷冷下
三ふっ化ほう素ジエチルエーテル錯体 4.24mlを添加し
た。氷冷下3.5時間攪拌した後、反応液をジクロロメタ
ンで希釈した。ジクロロメタン層を飽和重曹水,食塩水
で順次洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。
溶媒を留去後、残渣をシリカゲルカラム(溶離液;ヘキ
サン:酢酸エチル=1:4)で精製し、化合物[8]
【0158】
【化18】
【0159】(式中、Acは前記と同じ。)1.79gを得
た(収率;61.9%)。 元素分析 C36H51NO23(865.79)として 計算値(%); C:49.79, H:5.94, N:1.62, 実測値(%); C:49.84, H:5.99, N:1.59,
【0160】合成例11.上記合成例10.の方法によ
り得た化合物[8] 1.85gをジクロロメタン10mlに溶解
し、氷冷下トリクロロアセトニトリル3ml、1,8-ジアザ
ビシクロ〔5,4,0〕-7-ウンデセン 370μlを添加した。
氷冷下2時間攪拌した後、反応液を濃縮し、残渣をシリ
カゲルカラム(溶離液;ヘキサン:酢酸エチル:エタノー
ル=10:5:1)で精製した。ヘキサンで粉末化し、化合物
[9]
【0161】
【化19】
【0162】(式中、Acは前記と同じ。)1.55gを得
た(収率;71.8%)。 元素分析 C38H51N2O23Cl3(1010.18)として 計算値(%); C:45.18, H:5.09, N:2.77, 実測値(%); C:45.11, H:5.09, N:2.78,
【0163】合成例12.上記合成例11. の方法に
より得た化合物[9]2.0g、合成例2で得られたCF3CON
H(CH2)6OH 850mg及びモレキュラーシーブス4A 15gを
ジクロロメタン 60mlに懸濁し、氷冷下でこれにトリメ
チルシリルトリフルオロメタンスルホン酸 1mlを添加し
た。反応液を氷冷下で1時間、室温で1.5時間撹拌し
た後、クロロホルム/メタノール=5/1混液 100mlで
希釈した。不溶物を濾去した後、濾液を減圧濃縮し、残
渣をシリカゲルカラム(溶離液;ヘキサン:酢酸エチ
ル:エタノール=10:5:1)で精製して化合物[10]
【0164】
【化20】
【0165】(式中、Acは前記と同じ。)2.03gを得
た(収率:96.7%)。
【0166】尚、1H-NMRにより、目的化合物が得ら
れたことを確認した。 元素分析 C44H63N2O24F3(1060.98)として 計算値(%); C:49.81, H:5.99, N:2.64, 実測値(%); C:49.87, H:6.07, N:2.62,
【0167】合成例13.合成例12.で得られた化合
物[10] 2.0gをメタノール 160mlに溶解し、それに2
8%ナトリウムメトキシド 0.6mlを加えた後、室温で一夜
撹拌し、更に25%アンモニア水 40mlを加えて室温で2日
間撹拌した。反応液を酢酸で中和し、減圧濃縮した後、
残渣をシリカゲルカラム(溶離液;クロロホルム:メタ
ノール:酢酸:水=6:4:0.5:0.5)で精製し、溶出画分を
減圧濃縮した。残渣をゲル濾過カラム(溶離液;メタノ
ール)で精製し、化合物[11]
【0168】
【化21】
【0169】(式中、Acは前記と同じ。)700mgを得
た。(収率:59.3%) 尚、1H-NMRにより、目的化合物が得られたことを確
認した。 元素分析 C26H48N2O15(628.67)として 計算値(%); C:49.67, H:7.70, N:4.46, 実測値(%); C:49.69, H:7.71, N:4.44,IRチャートを
図8に示す。
【0170】合成例14.上記合成例7.で得た化合物
[5] 2.83g、ペンタアセチル-β-D-ガラクトース(Ald
rich社製)より文献〔Justus Liebigs Ann. Chem., 657,
179 (1962)〕に記載の方法に準じて合成したエチル
2,3,4,6-テトラ-O-ベンジル-1-チオ-β-ガラクトピラノ
シド 2.11g及びモレキュラシーブス4A 2gのジエチルエ
ーテル溶液にトリフルオロメタンスルホン酸メチル 2.0
mlを添加した。窒素雰囲気下、室温で20時間攪拌した
後、反応液をトリエチルアミン 5.0mlで中和した。不溶
物を濾別し、濾液を減圧濃縮した後、残渣をシリカゲル
カラム(溶離液;ヘキサン:酢酸エチル=4:1)で精製し
た。熱エタノールより再結晶化を行い、化合物[12]
【0171】
【化22】
【0172】(式中、Ph、SE及びBnは前記と同
じ。)3.26gを得た(収率;69.1%)。 融点;112.9〜114.1℃ 元素分析 C79H90O15Si(1307.66)として 計算値(%); C:72.56, H:6.94, 実測値(%); C:72.55, H:6.96,
【0173】合成例15.上記合成例14.の方法によ
り得た化合物[12] 9.54gを酢酸 300mlに溶解し、10
%-パラジウム炭素 9.5gを添加した。水素雰囲気下、室
温で3日間攪拌した後、反応液を濾過し、濾液を減圧乾
固した。次いで、得られた残渣をピリジン 200ml、無水
酢酸 300mlに溶解し、N,N-ジメチルアミノピリジン 30m
gを添加した。室温で終夜攪拌した後、反応液を濃縮
し、クロロホルムで抽出した。有機層を0.2N-塩酸,飽
和重曹水,食塩水で順次洗浄した後、無水硫酸マグネシ
ウムで乾燥した。溶媒を留去後、残渣をシリカゲルカラ
ム(溶離液;ヘキサン:酢酸エチル=1:1)で精製した。ジ
エチルエーテルより結晶化を行い、化合物[13]
【0174】
【化23】
【0175】(式中、SE及びAcは前記と同じ。)5.
62gを得た(収率;70.9%)。 融点;95.4〜98.0℃ 元素分析 C41H62O24Si(967.01)として 計算値(%); C:50.92, H:6.46, 実測値(%); C:50.94, H:6.49,
【0176】合成例16.上記合成例15.で得た化合
物[13] 1.50gをジクロロメタン 5mlに溶解し、氷冷
下三ふっ化ほう素ジエチルエーテル錯体 2.0mlを添加し
た。氷冷下4時間攪拌した後、反応液をジクロロメタン
で希釈した。ジクロロメタン層を飽和重曹水,食塩水で
順次洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶
媒を留去後、残渣をシリカゲルカラム(溶離液;ヘキサ
ン:酢酸エチル=1:2)で精製し、化合物[14]
【0177】
【化24】
【0178】(式中、Acは前記と同じ。)1.06gを得
た(収率;79.1%)。 元素分析 C36H50O24(866.78)として 計算値(%); C:49.89, H:5.81, 実測値(%); C:49.92, H:5.83,
【0179】合成例17.上記合成例16.の方法で得
た化合物[14] 1.12gをジクロロメタン 5mlに溶解
し、氷冷下トリクロロアセトニトリル 2ml及び1,8-ジア
ザビシクロ〔5,4,0〕-7-ウンデセン 224μlを添加し
た。氷冷下2時間攪拌した後、反応液を濃縮し、残渣を
シリカゲルカラム(溶離液;ヘキサン:酢酸エチル:クロ
ロホルム=20:10:1)で精製した。ヘキサンで粉末化し、
化合物[15]
【0180】
【化25】
【0181】(式中、Acは前記と同じ。)1.20gを得
た(収率;92.0%)。 元素分析 C38H50NO24Cl3(1011.17)として 計算値(%); C:45.14, H:4.98, N:1.39, 実測値(%); C:45.09, H:5.00, N:1.41,
【0182】合成例18.上記合成例17.の方法で得
た化合物[15]50mg、合成例1で得られたCF3CONH(CH
2)3OH 26mg及びモレキュラーシーブズ4A 370mgをジク
ロロメタン 1.5mlに懸濁し、これにトリメチルシリルト
リフルオロメタンスルホン酸 25μlを添加した。反応液
を室温で1時間撹拌した後、クロロホルム/メタノール
=5/1混液 5mlで希釈した。不溶物を濾去し、反応液
を減圧濃縮した後、残渣をシリカゲルカラム(溶離液;
ヘキサン:酢酸エチル:エタノール=20:10:1)で精製し
て化合物[16]
【0183】
【化26】
【0184】を定量的に得た。
【0185】尚、1H-NMRにより、目的化合物が得ら
れたことを確認した。 元素分析 C41H56NO25F3(1019.88)として 計算値(%); C:48.29, H:5.53, N:1.37, 実測値(%); C:48.36, H:5.61, N:1.35,
【0186】合成例19.上記合成例17.の方法で得
た化合物[15] 2.0g、合成例2で得られたCF3CONH(C
H2)6OH 850mg及びモレキュラーシーブズ4A 15gをジク
ロロメタン 60mlに懸濁し、これにトリメチルシリルト
リフルオロメタンスルホン酸 1mlを添加した。反応液を
氷冷下で1時間、室温で1.5時間撹拌した後、クロロ
ホルム/メタノール=5/1混液 100mlで希釈した。不
溶物を濾去し、濾液を減圧濃縮した後、残渣をシリカゲ
ルカラム(溶離液;ヘキサン:酢酸エチル:エタノール
=10:5:1)精製して化合物[17]
【0187】
【化27】
【0188】1.83gを得た。(収率:87.0%) 尚、1H-NMRにより、目的化合物が得られたことを確
認した。 元素分析 C44H62NO25F3(1061.96)として 計算値(%); C:49.76, H:5.88, N:1.32, 実測値(%); C:49.80, H:5.91, N:1.31,
【0189】合成例20.上記合成例17.の方法で得
た化合物[15] 50mg、合成例3で得られた化合物
[1] 28mg及びモレキュラーシーブズ4A 370mgをジ
クロロメタン 1.5mlに懸濁し、これにトリメチルシリル
トリフルオロメタンスルホン酸 25μlを添加した。反応
液を室温で1時間撹拌した後、クロロホルム/メタノー
ル=5/1混液 5mlで希釈した。不溶物を濾去し、濾液
を減圧濃縮した後、残渣をシリカゲルカラム(溶離液;
ヘキサン:酢酸エチル:エタノール=20:10:1)で精製し
て化合物[18]
【0190】
【化28】
【0191】を定量的に得た。尚、1H-NMRにより、
目的化合物が得られたことを確認した。 元素分析 C52H69NO26(1124.11)として 計算値(%); C:55.56, H:6.19, N:1.25, 実測値(%); C:55.59, H:6.22, N:1.21,
【0192】合成例21.合成例18.で得た化合物
[16] 51.0mgをメタノール 4mlに溶解し、それに28%
ナトリウムメトキシド 30μlを加えた後、室温で一夜撹
拌しし、更に25%アンモニア水 3mlを加えて室温で3時
間撹拌した。反応液を酢酸で中和し、減圧濃縮した後、
残渣をシリカゲルカラム(溶離液;クロロホルム:メタ
ノール:酢酸:水=6:4:0.5:0.5)で精製し、溶出画分を
減圧濃縮した。残渣をゲル濾過カラム(溶離液;メタノ
ール)で精製して化合物[19]
【0193】
【化29】
【0194】21mgを得た(収率:78.7%)。尚、1H-N
MRにより、目的化合物が得られたことを確認した。 元素分析 C21H39NO15(545.54)として 計算値(%); C:46.24, H:7.21, N:2.57, 実測値(%); C:46.25, H:7.23, N:2.57, IRチャートを図9に示す。
【0195】合成例22.合成例19.で得られた化合
物[17] 1.8gをメタノール 144mlに溶解し、それに2
8%ナトリウムメトキシド 540μlを加えた後、室温で一
夜撹拌し、更に25%アンモニア水 48mlを加えて室温で3
日間撹拌した。反応液を酢酸で中和し、減圧濃縮した
後、残渣をシリカゲルカラム(溶離液;クロロホルム:
メタノール:酢酸:水=6:4:0.5:0.5)で精製し、溶出画
分を減圧濃縮した。残渣をゲル濾過カラム(溶離液;メ
タノール)で精製して化合物[20]
【0196】
【化30】
【0197】600mgを得た(収率:60.3%)。尚、1H-N
MRにより、目的化合物が得られたことを確認した。 元素分析 C24H45NO15(587.62)として 計算値(%); C:49.06, H:7.72, N:2.38, 実測値(%); C:49.08, H:7.72, N:2.42,IRチャートを
図10に示す。
【0198】合成例23.合成例20.で得られた化合
物[18] 56.2mgをメタノール 4mlに溶解し、それに2
8%ナトリウムメトキシド 15μlを加えた後、室温で一夜
撹拌し、陽イオン交換樹脂を用いて中和した。陽イオン
交換樹脂を濾去した後、反応液をメタノール 4mlに溶解
し、これに酢酸ヒドラジン 730mgを加え、還流下で1時
間撹拌した。反応液を減圧濃縮し、それにジメチルホル
ムアミド(DMF)を加えて懸濁させ、反応液中の不溶
物を濾去し、濾液を減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカ
ラム(溶離液;クロロホルム:メタノール:酢酸:水=
6:4:0.5:0.5)で精製して化合物[21]
【0199】
【化31】
【0200】20mgを得た(収率:65.1%)。尚、1H-N
MRにより、目的化合物が得られたことを確認した。 元素分析 C26H49NO15(615.67)として 計算値(%); C:50.72, H:8.02, N:2.28, 実測値(%); C:50.69, H:8.09, N:2.33, IRチャートを図11に示す。
【0201】合成例24.6-アミノ-1-ヘキサノール 23
4gをDMF1Lに溶解し、無水フタル酸296gとピリジン500m
lを添加した。120℃で1時間攪拌した後、無水酢酸2Lを
添加した。120℃で更に2時間攪拌した後、反応液を減圧
濃縮した。残渣を酢酸エチルに溶解し、0.2N-塩酸,飽
和重曹水,食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウム
で乾燥した。溶媒を留去した後、残渣をメタノール4Lに
溶解し、28%-ナトリウムメトキシド25mlを添加した。室
温で4時間攪拌した後、陽イオン交換樹脂を用いて中和
した。陽イオン交換樹脂を濾去し、溶媒を留去した後、
ヘキサンで結晶化させ、化合物[22]
【0202】
【化32】
【0203】442gを得た(収率;89.3%)。 元素分析 C14H17NO3(247.29)として 計算値(%);C:68.00, H:6.93, N:5.66 実測値(%);C:67.98, H:6.96, N:5.55
【0204】合成例25.合成例24.で得られた化合
物[22]364gと、2-アセタミド-2-デオキシ-テトラ-O
-アセチル-β-D-グルコース 382g、テトラメチル尿素 1
17ml、及びドライアライト 300gをジクロロメタン 3Lに
溶解し、これに塩化鉄(III) 240g、及びドライアライト
400gのジクロロメタン 4Lの溶液を添加した。室温で48
時間攪拌反応させた後、不溶物を濾別し、ジクロロメタ
ンで洗浄した。濾液を食塩水,飽和重曹水,食塩水で洗
浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を留
去した後、熱エタノールより再結晶化を行い、化合物
[23]
【0205】
【化33】
【0206】335gを得た(収率;59.2%)。 元素分析 C28H36N2O11(576.60)として 計算値(%);C:58.33, H:6.29, N:4.86 実測値(%);C:58.01, H:6.99, N:4.87
【0207】合成例26.合成例25.で得られた化合
物[23]367gをメタノール6Lに溶解し、28%-ナトリ
ウムメトキシド20mlを添加した。室温で4時間攪拌反応
させた後、析出した結晶を濾取し、化合物[24]
【0208】
【化34】
【0209】260gを得た(収率;90.6%)。 元素分析 C22H30N2O8(450.49)として 計算値(%);C:58.66, H:6.71, N:6.22 実測値(%);C:58.65, H:6.74, N:6.20
【0210】合成例27.合成例26.で得られた化合
物[24]260gをDMF5Lに懸濁し、ベンズアルデヒドジ
メチルアセタール430ml、及びp-トルエンスルホン酸15g
を添加した。室温で16時間攪拌反応させた後、28%-ナト
リウムメトキシド15mlで中和した。反応液を水に投入し
た後、析出した結晶を濾取し、化合物[25]
【0211】
【化35】
【0212】270gを得た(収率;87.1%)。 元素分析 C29H34N2O8(538.60)として 計算値(%);C:64.67, H:6.36, N:5.20 実測値(%);C:64.77, H:6.33, N:5.20
【0213】合成例28.合成例27.で得られた化合
物[25]250gをDMF4.5Lに溶解し、60%-水素化ナトリ
ウム28g、及びベンジルブロミド83mlを添加した。室温
で18時間攪拌反応させた後、メタノールを添加し、30分
間攪拌した。反応液を水に投入した後、析出した結晶を
濾取し、化合物[26]
【0214】
【化36】
【0215】260gを得た(収率;89.4%)。 元素分析 C36H40N2O8(628.72)として 計算値(%);C:68.77, H:6.41, N:4.46 実測値(%);C:68.70, H:6.46, N:4.44
【0216】合成例29.合成例28.で得られた化合
物[26]220g,シアノ水素化ホウ素ナトリウム200g,
及びモレキュラーシーブス3A220gをTHF3Lに懸濁し、氷
浴で冷却下飽和塩化水素ジエチルエーテル溶液700mlを3
0分間で滴下した。氷浴中で更に1時間攪拌反応させた
後、クロロホルムで反応液を希釈した。不溶物を濾去
し、濾液を飽和重曹水,食塩水で洗浄した後、無水硫酸
マグネシウムで乾燥した。溶媒を留去した後、熱エタノ
ールより再結晶化を行い、化合物[27]
【0217】
【化37】
【0218】78gを得た(収率;35.3%)。 元素分析 C36H42N2O8(630.74)として 計算値(%);C:68.55, H:6.71, N:4.44 実測値(%);C:68.60, H:6.68, N:4.41
【0219】合成例30.合成例29.で得られた化合
物[27]78g,テトラアセチルガラクトシルブロミド1
53g,及びモレキュラーシーブス4A125gをジクロロメタ
ン1.3Lに溶解し、氷浴で冷却下、トリフルオロメタンス
ルホン酸銀100gのトルエン溶液700ml,2,4,6-トリメチ
ルピリジン25mlを添加した。反応液を更に氷浴下で2時
間攪拌反応させた後、不溶物を濾去した。濾液を、0.2N
-塩酸,飽和重曹水,食塩水で洗浄した後、無水硫酸マ
グネシウムで乾燥した。溶媒を留去した後、残渣をメタ
ノール4Lに溶解し、28%-ナトリウムメトキシド8mlを添
加し、室温で16時間攪拌反応させた後、陽イオン交換樹
脂を用いて中和した。陽イオン交換樹脂を濾去し、反応
液を減圧濃縮した後、残渣をシリカゲルカラム(溶離
液:クロロホルム:メタノール=9:1)で精製して化
合物[28]
【0220】
【化38】
【0221】83.4gを得た(収率;85.0%)。 元素分析 C42H52N2O13(792.88)として 計算値(%);C:63.62, H:6.61, N:3.53 実測値(%);C:63.55, H:6.62, N:3.60
【0222】合成例31.合成例30.で得られた化合
物[28]83.4gをベンズアルデヒド830mlに懸濁し、塩
化亜鉛83gを添加し、室温で4時間攪拌反応させた後、ク
ロロホルムで反応液を希釈した。反応液を食塩水,飽和
重曹水,食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで
乾燥した。溶媒を留去した後、ジエチルエーテルより結
晶化を行い、化合物[29]
【0223】
【化39】
【0224】101gを定量的に得た。 元素分析 C49H56N2O13(880.99)として 計算値(%);C:66.80, H:6.41, N:3.18 実測値(%);C:66.89, H:6.50, N:3.10
【0225】合成例32.合成例31.で得られた化合
物[29]101gをピリジン200mlに溶解し、氷浴で冷却
下、ベンゾイルシアニド30gのアセトニトリル溶液30ml
を添加し、冷却下で4時間攪拌反応させた後、クロロホ
ルムで反応液を希釈した。反応液を食塩水,0.2N-塩
酸,飽和重曹水,食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネ
シウムで乾燥した。溶媒を留去し、反応液を減圧濃縮し
た後、残渣をシリカゲルカラム(溶離液:クロロホル
ム)で精製して化合物[30]
【0226】
【化40】
【0227】76.7gを得た(収率;74.0%)。 元素分析 C56H60N2O14(985.10)として 計算値(%);C:68.28, H:6.14, N:2.84 実測値(%);C:68.30, H:6.15, N:2.82
【0228】合成例33.合成例32.で得られた化合
物[30]75g,メチル 2,3,4-トリ-O-ベンジル-1-チオ
フコース106g,及びモレキュラーシーブス4A200gを1,2-
ジクロロエタン/DMF=5/1混液1.5Lに懸濁し、臭化銅
(II)76g,テトラブチルアンモニウムブロミド122gを添
加し、反応液を室温で48時間攪拌反応させた後、不溶物
を濾去した。濾液を、0.2N-塩酸,飽和重曹水,食塩水
で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒
を留去し、反応液を減圧濃縮した後、残渣をシリカゲル
カラム(溶離液:クロロホルム)で精製して化合物[3
1]
【0229】
【化41】
【0230】78.6gを得た(収率;73.7%)。 元素分析 C83H88N2O18(1401.61)として 計算値(%);C:71.13, H:6.33, N:2.00 実測値(%);C:71.31, H:6.50, N:1.97
【0231】合成例34.合成例33.で得られた化合
物[31]67gをメタノール2.6Lに溶解し、28%-ナトリ
ウムメトキシド20mlを添加し、室温で4時間攪拌反応さ
せた後、酢酸を用いて中和した。反応液を減圧濃縮した
後、残渣をシリカゲルカラム(溶離液:クロロホルム)
で精製して化合物[32]
【0232】
【化42】
【0233】45gを得た(収率;72.4%)。 元素分析 C76H84N2O17(1297.51)として 計算値(%);C:70.35, H:6.53, N:2.16 実測値(%);C:70.39, H:6.50, N:2.11
【0234】合成例35.合成例34.で得られた化合
物[32]23g,2-アジド-2-デオキシ-3,4,6-トリ-O-ア
セチルガラクトシルブロミド21g,及びモレキュラーシ
ーブス4A70gをジクロロメタン1Lに懸濁し、臭化水銀39
g,シアン化水銀 27gを添加し、反応液を室温で48時間
攪拌反応させた後、不溶物を濾去した。濾液を、よう化
カリウム水溶液,飽和重曹水,食塩水で洗浄した後、無
水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を留去した後、残
渣をメタノール2Lに溶解し、28%-ナトリウムメトキシド
10mlを添加した。室温で16時間攪拌反応させた後、陽イ
オン交換樹脂を用いて中和した。陽イオン交換樹脂を濾
去し、反応液を減圧濃縮した後、残渣をシリカゲルカラ
ム(溶離液:クロロホルム:メタノール=100:3)で
精製して化合物[33]
【0235】
【化43】
【0236】16gを得た(収率;59.5%)。 元素分析 C82H93N5O21(1484.66)として 計算値(%);C:66.34, H:6.31, N:4.72 実測値(%);C:66.35, H:6.37, N:4.70
【0237】合成例36.合成例25.で得られた化合
物[33]13.7gを酢酸320mlに溶解し、10%-パラジウ
ム炭素13gを添加した。反応容器を水素ガス置換し、室
温で72時間攪拌反応させた後、不溶物を濾去した。溶媒
を留去した後、残渣をピリジン250mlに溶解し、無水酢
酸250mlを添加し、室温で16時間攪拌反応させた後、反
応液を減圧濃縮した。残渣を、0.2N-塩酸,飽和重曹
水,食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した
後、溶媒を留去し、反応液を減圧濃縮した後、残渣をシ
リカゲルカラム(溶離液:クロロホルム:メタノール=
100:3)で精製して化合物[34]
【0238】
【化44】
【0239】8gを得た(収率;63.4%)。 元素分析 C62H83N3O32(1382.34)として 計算値(%);C:53.87, H:6.05, N:3.04 実測値(%);C:53.88, H:6.03, N:3.02
【0240】合成例37.合成例36.で得られた化合
物[34]7.7gをメタノール500mlに溶解し、28%-ナト
リウムメトキシド1mlを添加し、室温で24時間攪拌反応
させた後、酢酸で中和し、減圧濃縮した。残渣をメタノ
ール400mlに溶解し、酢酸ヒドラジン74gを添加した後、
還流下で4時間攪拌反応させた。反応液を減圧濃縮し、
残渣にDMFを加えて懸濁させ、不溶物を濾去した。濾液
を減圧濃縮した後、残渣をシリカゲルカラム(溶離液:
クロロホルム:メタノール:酢酸:水=10:10:1:
2)で精製して化合物[35]
【0241】
【化45】
【0242】3.2gを得た(収率;63.4%)。 元素分析 C34H61N3O20(831.87)として 計算値(%);C:49.09, H:7.39, N:5.05 実測値(%);C:49.10, H:7.40, N:5.10
【0243】合成例38.合成例34.で得られた化合
物[32]20g,エチル 2,3,4,6-テトラ-O-ベンジル-1-
チオガラクトース27g、及びモレキュラーシーブス4A45g
を1,2-ジクロロエタン/DMF=5/1混液300mlに懸濁し、
臭化銅(II)16g,テトラブチルアンモニウムブロミド25g
を添加した。反応液を室温で72時間攪拌した後、不溶物
を濾去した。濾液を、0.2N-塩酸,飽和重曹水,食塩水
で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒
を留去し、残渣をシリカゲルカラム(溶離液:クロロホ
ルム)で精製して化合物[36]
【0244】
【化46】
【0245】16.5gを得た(収率;58.7%)。 元素分析 C110H118N2O22(1820.15)として 計算値(%);C:72.59, H:6.53, N:1.54 実測値(%);C:72.65, H:6.50, N:1.52
【0246】合成例39.合成例38.で得られた化合
物[36]18.4gをメタノール700mlに溶解し、酢酸ヒド
ラジン130gを添加した後、還流下で4時間攪拌反応させ
た。反応液を減圧濃縮し、残渣にDMFを加えて懸濁さ
せ、不溶物を濾去した。濾液を減圧濃縮した後、残渣を
シリカゲルカラム(溶離液:クロロホルム:メタノール
=9:1)で精製して化合物[37]
【0247】
【化47】
【0248】16.4gを得た(収率;96.1%)。 元素分析 C102H116N2O20(1690.04)として 計算値(%);C:72.49, H:6.92, N:1.66 実測値(%);C:72.51, H:6.88, N:1.67
【0249】合成例40.合成例39.で得られた化合
物[37]16gを酢酸500mlに溶解し、10%-パラジウム炭
素16gを添加した。反応容器を水素ガス置換し、室温で7
2時間攪拌反応させた後、不溶物を濾去した。溶媒を留
去し、残渣をシリカゲルカラム(溶離液:クロロホル
ム:メタノール:酢酸:水=10:10:1:2)で精製し
て化合物[38]
【0250】
【化48】
【0251】7gを得た(収率;88.7%)。 元素分析 C32H58N2O20(790.81)として 計算値(%);C:48.60, H:7.39, N:3.54 実測値(%);C:48.61, H:7.40, N:3.571 H-NMRチャートを図12に示す。
【0252】実施例1. (1)金コロイド標識合成A型抗原溶液の調製 合成例13.で得たアミノ基導入合成A型抗原6mgを、
0.05Mリン酸緩衝液(pH7.0)に溶解し、MBS(N−
m−マレイミドベンゾイルオキシスクシミド)3mgと反
応させ、合成A型抗原中のアミノ基の部分にマレイミド
基を導入して、マレイミド化合成A型抗原を得た。一
方、牛血清アルブミン(BSA)5mgを10mM2−〔4−
(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジニル〕エタン
スルホン酸(HEPES)緩衝液(pH7.4)に溶かし、SPDP
(N-Succinimidyl-3-(2-Pyridyldithio)propionate)
31μgと室温30分反応させた後、脱塩しPyridyldithiopr
opionate-BSA(PDP-BSA)を作製した。PDP-BSA 5mgを
ジチオスレイトール 30mgと室温で20分反応後、脱塩
し、チオール基導入BSAを得た。上記マレイミド化合成
A型抗原とチオール基導入BSAを混合し、粗合成A型抗
原−BSA複合体を得た。ゲル濾過により未反応の抗原とB
SAを分離し、合成A型抗原−BSA複合体を得た。この合
成A型抗原−BSA(15mg/ml) 31μlをフレンス(Fren
s)の方法〔Nature Phys.Sci.,vol.241,20-22(1973)〕
で調製し、0.1M K2CO3でpHを6.5に調整した金コロイド
溶液(金コロイドの平均粒経:15nm OD520nm=1.
2)6mlとを混合し1時間反応させた後、反応液に分散
剤としてポリエチレングリコール(シグマ社製。商品
名:カーボワックス20M)を終濃度で0.05%となるよう
に添加した。その後、反応液を15000rpm×20分で遠心分
離処理し、上清を捨て、得られた残渣を50mMリン酸緩衝
液(0.05%ポリエチレングリコール含有pH7.4)3mlに
懸濁後、再度15000rpm×20分で遠心分離処理した。得ら
れた残渣を50mM N,N−ビス(2−ヒドロキシエチ
ル)−2−アミノエタンスルホン酸(BES)緩衝液(1
% ショ糖及び6% BSA含有、pH7.2)でOD525=1.0に
なるように懸濁したものを金コロイド標識合成A型抗原
溶液とした。
【0253】(2)金コロイド標識合成B型抗原溶液の
作製 アミノ基導入合成A型抗原の代わりに合成例22.で得
たアミノ基導入合成B型抗原を用いて、(1)と同様の
方法で金コロイド標識合成B型抗原溶液を作製した。
【0254】(3)第1部分の作製 (1)で得られた金コロイド標識合成A型抗原溶液と
(2)で得られた金コロイド標識合成B型抗原溶液を同
量混合した溶液を、予め50mM BES緩衝液(1%ショ糖及
び1% BSA含有、pH7.2)中に、30分間浸した後、50mM
BES緩衝液(1%ショ糖含有、pH7.2)により洗浄し、乾
燥させて、マスキング処理したヘマセップV膜(日本ホ゜
ール社製)(1.0cm×0.5cm)に含浸させた後、乾燥させて
第1部分を作製した。
【0255】(4)第2部分の作製 合成例13.で得たアミノ基導入合成A型抗原を炭酸緩
衝液(50mM,pH9.0)に10mg/mlになるように溶かした
ものをImmunodyne ABCメンブレン(共有結合活性修飾ナ
イロンメンブレン:日本ホ゜ール社製)(2cm×0.5cm)に
対して塗布機(リノマート:カマグ社製)により線塗布
し(0.8μl/cm)、更に、同じメンブレンの別の部位
に、合成例22.で得たB型3糖抗原に炭素鎖を介して
アミノ基を導入した合成B型抗原を炭酸緩衝液(50mM,
pH9.0)に10mg/mlになるように溶かしたものを塗布機
により線塗布した(0.8μl/cm)。乾燥後、該膜を50mM
BES緩衝液(1%ショ糖及び1% BSA含有、pH7.2)中
に30分間浸し、次いで50mM BES緩衝液(1%ショ糖含
有、pH7.2)により洗浄した後乾燥させて、第2部分を
作製した。
【0256】(5)試験用具の組立 塩ビシート(6cm×0.5cm)上に、(3)で作製した第
1部分と(4)で作製した第2部分とを、第1部分と第
2部分とが約1〜2mm程度重なるように両面テープで接
着した。次いで、第2部分の第1部分と接していない端
に吸収用の濾紙(3cm×0.5cm)を第2部分と約1〜2m
m程度重なるように両面テープで接着して試験用具を作
製した。
【0257】(6)血液型判定方法 (5)で作製した試験用具の第1部分に検体50〜100μl
を滴下して、15分間放置後、第2部分に於ける合成A型
抗原担持部分(B型判定部)及び合成B型抗原担持部分
(A型判定部)の着色を観察した。検体にA型の血清を
用いた場合には、A型判定部の着色が見られたが、B型
判定部の着色は見られなかった。逆に、検体にB型の血
清を用いた場合には、B型判定部の着色が見られたが、
A型判定部の着色は見られなかった。また、検体にAB
型の血清を用いた場合には、A型判定部及びB型判定部
の何れの部分にも着色は見られなかったが、検体にO型
の血清を用いた場合には、A型判定部及びB型判定部の
両者に着色が見られた。このことから、本発明の試験用
具を用いて血液型の判定を行えば、ABO型の判定(裏
試験)が簡便に行えることが判る。
【0258】実施例2.実施例1.に於いて用いられて
いるアミノ基導入合成B型抗原(化合物[20])の代
わりに合成例21.で得られた化合物[19]又は合成
例23.で得られた化合物[21]を用いた以外は、実
施例1.と同様に作製した試験用具を用いて、実施例
1.と同様に血液型の判定を行った。その結果、実施例
1.と同様に、検体にA型の血清を用いた場合には、A
型判定部の着色が見られたが、B型判定部の着色は見ら
れなかった。逆に、検体にB型の血清を用いた場合に
は、B型判定部の着色が見られたが、A型判定部の着色
は見られなかった。また、検体にAB型の血清を用いた
場合には、A型判定部及びB型判定部の何れの部分にも
着色は見られなかったが、検体にO型の血清を用いた場
合には、A型判定部及びB型判定部の両者に着色が見ら
れた。
【0259】実施例3.(1)金コロイド標識抗免疫グ
ロブリン溶液の調製 抗ヒト免疫グロブリン抗体(DAKO社製)16μlを、フレ
ンス(Frens)の方法〔Nature Phys.Sci.,vol.241,20-2
2(1973)〕で調製し0.1M K2CO3でpHを6.5に調整した
金コロイド溶液(金コロイドの平均粒経:15nm OD5
20nm=1.2)6mlとを混合し1時間反応させた後、
反応液に分散剤としてポリエチレングリコール(シグマ
社製。商品名:カーボワックス20M)を終濃度で0.05%
となるように添加した。その後、反応液を15000rpm×20
分で遠心分離処理し、上清を捨て、得られた残渣を50mM
リン酸緩衝液(0.05%ポリエチレングリコール含有。pH
7.4)3mlに懸濁後、再度15000rpm×20分で遠心分離処
理した。得られた残渣を50mMBES緩衝液(1%ショ糖及
び6% BSA含有、pH7.2)でOD525=1.0になるよう
に懸濁したものを金コロイド標識抗ヒト免疫グロブリン
抗体溶液とした。
【0260】(2)第1部分の作製 (1)で得られた金コロイド標識抗ヒト免疫グロブリン
抗体溶液を、予め50mMBES緩衝液(1%ショ糖及び1%
BSA含有、pH7.2)中に30分間浸した後、50mMBES緩衝液
(1%ショ糖含有、pH7.2)により洗浄し、乾燥させて
マスキング処理を行ったヘマセップV膜(日本ホ゜ール社
製)(1.0cm×0.5cm)に含浸させた後、乾燥させて第1
部分を作製した。
【0261】(3)試験用具の作製 塩ビシート(6cm×0.5cm)上に(2)で作製した第1
部分と実施例.1の(4)で作製した第2部分とを、第
1部分と第2部分とが約1〜2mm程度重なるように両面
テープで接着した。次いで、第2部分の第1部分と接し
ていない端に吸収用の濾紙(3cm×0.5cm)を判定部と
約1〜2mm程度重なるように両面テープで接着して試験
用具を作製した。
【0262】(4)血液型判定方法 (3)で作製した試験用具の第1部分に検体50〜100μl
を滴下して、15分間放置後、第2部分に於ける合成A型
抗原担持部分(B型判定部)及び合成B型抗原担持部分
(A型判定部)の着色を観察した。検体にA型の血清を
用いた場合には、A型判定部の着色が見られたが、B型
判定部の着色は見られなかった。逆に、検体にB型の血
清を用いた場合には、A型判定部の着色が見られたが、
B型判定部の着色は見られなかった。また、検体にAB
型の血清を用いた場合には、A型判定部及びB型判定部
の何れも着色は見られなかったが、検体にO型の血清を
用いた場合には、A型判定部及びB型判定部の両者に着
色が見られた。このことから、本発明の試験用具を用い
て血液型の判定を行えば、ABO型の判定(裏試験)を
1回の操作で簡便に行えることが判る。
【0263】実施例4.実施例3.に於いて用いられて
いるアミノ基導入合成B型抗原(化合物[20])の代
わりに合成例21.で得られた化合物[19]又は合成
例23.で得られた化合物[21]を用いた以外は、実
施例3.と同様に作製した試験用具を用いて、実施例
3.と同様に血液型の判定を行った。その結果、実施例
3.と同様に、検体にA型の血清を用いた場合には、A
型判定部の着色が見られたが、B型判定部の着色は見ら
れなかった。逆に、検体にB型の血清を用いた場合に
は、A型判定部の着色が見られたが、B型判定部の着色
は見られなかった。また、検体にAB型の血清を用いた
場合には、A型判定部及びB型判定部の何れも着色は見
られなかったが、検体にO型の血清を用いた場合には、
A型判定部及びB型判定部の両者に着色が見られた。
【0264】実施例5. (1)金コロイド標識合成4糖A型抗原の作製 合成例37.で得たアミノ基導入合成4糖A型抗原(化
合物[35])3mgを、0.15Mリン酸緩衝液(pH8.0)に溶解
し、イミノチオラン(Pierce社製)4μl(130mg/ml)を加え
て37℃1時間反応させ、合成A型抗原中のアミノ基の部分にS
H基を導入して、SH基導入合成A型抗原を得た。一方、牛
血清アルブミン(BSA)5mgを0.15Mリン酸緩衝液(pH8.0)に溶
解し、イミノチオラン(Pierce社製)10μl(130mg/ml)を
加えて37℃1時間反応させた後、Sephadex G-25カラムで
脱塩しSH基導入BSAを得た。SH基導入BSAに5,5’−ジ
チオビス(2−ニトロ安息香酸)(DTNB:終濃度1mM)を
反応させた後、Sephadex G-25カラムで脱塩しDTNB導入B
SAを得た。DTNB導入BSAを上記SH基導入合成A型抗原と
を反応後Sephadex G-25カラムで脱塩し、合成A型抗原−
BSA複合体を得た。この合成A型抗原−BSA複合体 31μl
をフレンス(Frens)の方法[Nature Phys.Sci.,vol.24
1,20-22(1973)]で調製 し0.1M K2CO3でpHを9.0に調整
した金コロイド溶液(金コロイドの平均粒経:30nm。O
525nm=1.2)6mlと混合し反応させた後、反応液を
10000rpm×10分で遠心分離処理し、上清を捨て、得られ
た残渣を50mM 2−モルホリノエタンスルホン酸(ME
S)緩衝液(1% BSA, 2%Sucrose 1% SDS pH 7.2)で、O
525nm=2.0になるように懸濁したものを金コロイド
標識合成4糖A型抗原溶液とした。
【0265】(2)金コロイド標識合成4糖B型抗原の
作製 アミノ基導入合成4糖A型抗原の代わりに合成例40.
で得たアミノ基導入合成4糖B型抗原(化合物[3
8])を用いて、(1)と同様の方法で金コロイド標識
合成4糖B型抗原を作製した。
【0266】(3)第1部分の作製 (1)で作製した金コロイド標識合成4糖A型抗原溶液
と(2)で作製した金コロイド標識合成4糖B型抗原溶
液を等量混合した溶液を、予め50mM MES緩衝液( 1% su
crose, 1% BSA含有 pH7.2)中に30分間浸し、50mM MES
緩衝液(1% poly(1-vinylpyrrolidone-co-vinyl acetat
e)(Aldrich社製)含有 pH7.2)により洗浄し、乾燥させ
て、マスキンク゛処理したク゛ラスファイハ゛ー膜(日本ミリポア社製)
(1.0cm×0.6cm)に含浸させた後、乾燥させて第1部分
を作製した。
【0267】(4)第2部分の作製 合成例37.で得た合成4糖A型抗原を炭酸緩衝液(50mM,
pH11.0)に10mg/mlになるように溶かしたものをImmunody
ne ABCメンフ゛レン(共有結合活性修飾ナイロンメンフ゛レン:日本ホ゜ール
社製)(2cm×0.6cm)に対して塗布機(リノマート:カ
マグ社製)により線塗布し(0.8μl/cm)、更に、同じメンフ
゛レンの別の部位に合成例40.得た合成4糖B型抗原に炭
酸緩衝液(50mM,pH11.0)に10mg/mlになるように溶かした
ものを塗布機により線塗布した(0.8μl/cm)。乾燥後、
該膜を50mM MES緩衝液( 1% sucrose, 1% BSA含有 pH7.
2)中に30分間浸し、50mM MES,緩衝液(1% poly(1-viny
lpyrrolidone-co-vinyl acetate)(Aldrich社製)含有 pH
7.2)により洗浄し、乾燥させて、第2部分を作製し
た。
【0268】(5)試験用具の組立 塩ビシート(6cm×0.6cm)に(3)で作製した第1部分と
(4)で作製した第2部分とを、第1部分と第2部分と
が約1〜2mm程度重なるように表面テープで接着した。次
いで、第2部分の第1部分と接していない端に吸収用の
濾紙(3cm×0.6cm)を第2部分と約1〜2mm程度重なるよう
に両面テープで接着して試験用具を作製した。
【0269】(6)血液型判定方法 (5)で作製した試験用具の第1部分に検体50〜100μl
を滴下して、15分放置後、第2部分に於ける合成A型抗原
担持部分(B型判定部)及び合成B型抗原担持部分(A型
判定部)の着色を観察した。検体にA型の血清を用いた
場合には、A型判定部の着色が見られたが、B型判定部の
着色は見られなかった。逆に検体にB型の血清を用いた
場合には、B型判定部の着色が見られたが、A型判定部の
着色は見られなかった。また、検体にAB型の血清を用い
た場合には、A型判定部及びB型判定部の何れの部分にも
着色は見られなかったが、検体にO型の血清を用いた場
合には、A型判定部及びB型判定部の両者に着色が見られ
た。
【0270】このことから、本発明の試験用具を用いて
血液型の判定を行えば、ABO型の判定(裏試験)が簡便
に行えることが判る。
【0271】
【発明の効果】以上述べた如く、本発明は、簡便で、高
精度な血液型判定方法、及びこれに用いる血液型判定用
試験キット並びに試験用具を提供するものであり、本発
明を利用することにより、簡便に、精度良く生体由来試
料の血液型を判定することができ、更には血液型を1回
の操作で判定することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の血液型判定方法の好ましい態様の原理
を模式的に示す図である。
【図2】本発明の血液型判定方法の好ましい態様の原理
を模式的に示す図である。
【図3】本発明の血液型判定方法の好ましい態様の原理
を模式的に示す図である。
【図4】本発明の血液型判定方法の好ましい態様の原理
を模式的に示す図である。
【図5】本発明の血液型判定用試験用具の一例を示す図
である。
【図6】本発明の血液型判定用試験用具の好ましい態様
の一つを示す図である。
【図7】本発明の血液型判定用試験用具の好ましい態様
の一つを示す図である。
【図8】合成例13.で得られた合成A型抗原(化合物
[11])のIRスペクトルの測定結果を示す図であ
る。
【図9】合成例21.で得られた合成B型抗原(化合物
[19])のIRスペクトルの測定結果を示す図であ
る。
【図10】合成例22.で得られた合成B型抗原(化合
物[20])のIRスペクトルの測定結果を示す図であ
る。
【図11】合成例23.で得られた合成B型抗原(化合
物[21])のIRスペクトルの測定結果を示す図であ
る。
【図12】合成例40.で得られた合成4糖B型抗原
(化合物[38])の1H−NMRの測定結果を示す図
である。
【符合の説明】
図5に於いて各数字は夫々以下のものを示す。 1:吸収性担体 2:標識合成血液型抗原又は標識抗ヒト免疫グロブリン
抗体保持部分 3:合成血液型抗原担持部分 図6に於いて各数字は夫々以下のものを示す。 1:担体 2:生体由来試料吸収部 3:第1部分(標識合成血液型抗原又は標識抗ヒト免疫
グロブリン抗体保持部分) 4:第2部分 5:合成血液型抗原担持部分(判定部) 6:液体吸収部 図7に於いて各数字は夫々以下のものを示す。 1:担体 2:生体由来試料吸収部 3:第1部分(標識合成A型抗原及び標識合成B型抗原
担持部分) 4:第2部分 5:合成A型抗原担持部分(B型判定部) 6:合成B型抗原担持部分(A型判定部) 7:液体吸収部

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 合成血液型抗原が担持された吸収性担体
    を用いることを特徴とする、血液型判定方法。
  2. 【請求項2】 合成血液型抗原が担持された吸収性担体
    と、標識物質が結合した合成血液型抗原とを組み合わせ
    て用いることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 合成血液型抗原が担持された吸収性担体
    と、標識物質が結合した抗ヒト免疫グロブリンとを組み
    合わせて用いることを特徴とする、請求項1に記載の方
    法。
  4. 【請求項4】 標識物質が結合した合成血液型抗原が毛
    管現象により移動可能なように保持され、且つこれとは
    別の箇所に合成血液型抗原が担持された吸収性担体の、
    当該標識物質が結合した合成血液型抗原の保持部分に生
    体由来試料を供し、その結果生じる当該合成血液型抗原
    の担持部分に於ける標識物質由来の発色をもとに当該試
    料の血液型を判定する方法。
  5. 【請求項5】 標識物質が結合した抗ヒト免疫グロブリ
    ンが毛管現象により移動可能なように保持され、且つこ
    れとは別の箇所に合成血液型抗原が担持された吸収性担
    体の、当該標識物質が結合した抗ヒト免疫グロブリン抗
    体の保持部分に生体由来試料を供し、その結果生じる当
    該合成血液型抗原の担持部分に於ける標識物質由来の発
    色をもとに当該試料の血液型を判定する方法。
  6. 【請求項6】 合成血液型抗原が、合成A型抗原又は/
    及び合成B型抗原である、請求項4又は5に記載の方
    法。
  7. 【請求項7】 標識物質が視覚的に検知し得るシグナル
    が得られるものである請求項2〜6に記載の方法。
  8. 【請求項8】 合成血液型抗原が担持された吸収性担体
    からなることを特徴とする、血液型判定用試薬キット。
  9. 【請求項9】 吸収性担体が、更に、標識物質が結合し
    た合成血液型抗原を毛管現象により移動可能なように保
    持しているものである請求項8に記載のキット。
  10. 【請求項10】 吸収性担体が、更に、標識物質が結合
    した抗ヒト免疫グロブリン抗体を毛管現象により移動可
    能なように保持しているものである請求項8に記載のキ
    ット。
  11. 【請求項11】 標識物質が視覚的に検知し得るシグナ
    ルが得られるものである請求項9又は10に記載のキッ
    ト。
  12. 【請求項12】 (a)標識物質が結合した合成血液型
    抗原が毛管現象により移動可能なように保持された第1
    部分と、(b)合成血液型抗原が担持されている第2部
    分とを具備し、(c)該第1部分と第2部分とが、相互
    間に毛管現象が生じるように連結された、血液型判定用
    試験用具。
  13. 【請求項13】 (a)標識物質が結合した抗ヒト免疫
    グロブリン抗体が毛管現象により移動可能なように保持
    された第1部分と、(b)合成血液型抗原が担持されて
    いる第2部分とを具備し、(c)該第1部分と第2部分
    とが、相互間に毛管現象が生じるように連結された、血
    液型判定用試験用具。
  14. 【請求項14】 合成血液型抗原が、合成A型抗原又は
    /及び合成B型抗原である、請求項12又は13に記載
    の試験用具。
  15. 【請求項15】 標識物質が視覚的に検知し得るシグナ
    ルが得られるものである請求項12〜14に記載の試験
    用具。
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