JP2000088831A - クロマトグラム用の解析装置 - Google Patents
クロマトグラム用の解析装置Info
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Abstract
後、該同定結果が正しいか否かを解析するためのクロマ
トグラムの解析用装置を提供すること。 【解決手段】被分析物を含む試料をクロマトグラフィー
に供することによって得られるクロマトグラムの解析装
置であって、クロマトグラムを記憶するための第1記憶
手段、クロマトグラム中のピークを検出し、各被分析物
のピークとして同定するための第1演算手段、同定され
た被分析物ピークを評価するための各被分析物毎の基準
ピーク出現時間を記憶するための第2記憶手段、記憶さ
れた基準ピーク出現時間と同定された被分析物ピークの
出現時間との相関を示す値を求める第2演算手段、そし
て、相関の程度を表示する表示手段とを具備するクロマ
トグラムの解析用装置。
Description
ラフィーやガスクロマトグラフィー等、被分析物を含む
試料をカラム等の分離手段に供して取得されるクロマト
グラムを解析する解析装置に関するものであり、更に具
体的には、例えば液体クロマトグラフィーによる血液や
尿中のカテコールアミンやアミノ酸の分析における、ク
ロマトグラムの解析装置に関するものである。
マトグラフィー等に供してクロマトグラムを得、該クロ
マトグラム中の被分析物のピークを検出し、その高さ、
巾、ピーク面積等を解析し、被分析物の定性、定量を行
うことが知られている。
出ピークを検出した後、検出されたピークを予めその存
在を予想した成分と関連付けることが必要である。この
ための方法として、クロマトグラム中のピークを全て検
出した後で、被分析物毎に、検出したピークの中から1
つのピークを選んで関係付けて同定する方法(以下、第
1法という)と、予め測定しようとする被分析物毎にピ
ークが出現する時間(標準ピーク出現時間)を予想して
おき、この付近でピークを探す方法(以下、第2法とい
う)がある。
ピーク以外に、予想していない未知成分のピークを検出
することが可能である。即ち、クロマトグラムの解析に
当たり、通常はクロマトグラムの傾き等によりピーク開
始点とピーク終了点を検出し、この範囲で最大値を取る
点をピークとすることにより、未知成分のピークも検出
可能であるが、微小ピークの検出を可能とするようにピ
ーク検出感度を上げれば、試料中の成分に由来しないノ
イズピークをもピークとして検出してしまう恐れがあ
る。
とする被分析物以外のピークを検出することはできな
い。
においても、例えばヒト血液や血清等の生体試料等を試
料として得られたクロマトグラムを解析する場合には、
試料に含まれる被分析物以外の夾雑物に由来するピーク
(妨害ピーク)により、ピーク検出が困難になることが
ある。例えば血清等はそれ自体がさまざまな成分を含む
うえ、薬物投与を受けている者の血清試料では、該薬物
やその代謝物までも含まれるため、クロマトグラム中に
は多数の妨害ピークが出現することになる。そして、被
分析物ピークと妨害ピークが近接して出現する場合が生
じる。
程度である場合は、両ピークが重複したとするとピーク
出現時間の差に応じて重複ピークのピーク巾が広がるた
め、ピーク巾の広がりを解析することにより妨害ピーク
の重複を知ることができる。しかし、被分析物ピークが
妨害ピークに比較して小さい場合、重複ピークでは妨害
ピークが支配的になり、被分析物ピークのピーク巾と妨
害ピークのピーク巾の差が小さい時にはピークの巾の広
がりを解析しても妨害ピークの重複を知ることは困難で
ある。
くに出現すると、妨害ピークを被分析物のピークと誤認
して同定する可能性が生じる。理論上は被分析物ピーク
の出現時間と妨害ピークの出現時間が異なれば、被分析
物ピークを検出するための時間巾を狭くすることにより
ピーク同定の誤認を回避することが可能であるが、カラ
ムの劣化、移動相の変化、測定温度等の環境の変化によ
り被分析物ピークの出現時間が変動する可能性があり、
実際上はある程度以上は該時間巾を狭くすることは困難
で、妨害ピークを被分析物のピークと誤認する恐れを排
除できない。
被分析物ピークを同定した後、該同定結果が正しいか否
かを判定するためのクロマトグラムの解析用装置を提供
することにある。
に成された本発明の装置は、3種以上の被分析物を含む
試料をクロマトグラフィーに供することによって得られ
るクロマトグラムの解析装置であって、得られたクロマ
トグラムを記憶するための第1記憶手段、クロマトグラ
ム中のピークを検出し、各被分析物のピークとして同定
するための第1演算手段、同定された被分析物ピークを
解析するための各被分析物毎の基準ピーク出現時間を記
憶するための第2記憶手段、記憶された基準ピーク出現
時間と同定された被分析物ピークの出現時間との相関を
示す値を求める第2演算手段、そして、相関の程度を表
示する表示手段とを具備するクロマトグラムの解析用装
置である。以下、本発明を詳細に説明する。
被分析物を分離・展開した後に検出を行う、いわゆるク
ロマトグラフィーにおけるクロマトグラム解析に使用す
ることができる。クロマトグラフィーは、分離・展開の
原理によって種々の液体クロマトグラフィーやガスクロ
マトグラフィーが存在するが、解析対象となるクロマト
グラムはいかなるクロマトグラフィーにより得られたも
のであっても良い。例えば電気泳動結果を適当な染色試
薬で染色後、光学測定装置でスキャンニングする等した
場合でも、その解析に本発明を使用することができる。
む場合にのみ適用されるのは、ピークの出現時間の相関
を評価するために少なくとも3つのピークが必要である
ことによる。
析に先立ち、例えば単純移動平均、多項式フィッティン
グ、フーリエ変換又はウェーブレット変換等によるスム
ージング処理を行ったり、単純スパイク除去処理、フー
リエ変換又はウェーブレット変換等によるノイズ除去処
理を行っておくことが好ましい。これらの処理を行うこ
とにより、ノイズを除去しておけば、クロマトグラムに
おける被分析物ピークの最高値や最低値が正確になり、
ピーク検出精度が向上するため、高い解析結果を得るこ
とができる。
で表され(Sumは連続するデータXiを加算する関数
であり、mは加算するデータの数である)、多項式フィ
ッティングはYn=Sum(Ki×Xi)/Sum(K
i)で表され(Sum及びXiは前記同様であり、Ki
は例えばSavitzky−Golay法により、デー
タを2次式又は3次式にフィッティングするように決定
される係数である)、フーリエ変換はデータをフーリエ
変換して周波数軸で高周波成分をカットするウィンドウ
関数をかけ、逆フーリエ変換で時間軸に戻すことをい
い、ウェーブレット変換は例えばAnalytical
Chemistry、第69巻、1号、1997年、
第78〜90頁に記載された処理であり、単純スパイク
除去処理としてはメディアン法(Y=Median(X
i)で表される、連続する3ないし5のデータの中心を
取る方法)等が例示できる。
物ピークを同定した後、該同定結果が正しいか否かを評
価するための装置である。しかしながら、本発明の装置
に更に被分析物のピーク面積やピーク高さ等を解析する
ためのベースラインを設定する手段や、設定されたベー
スラインを用いてピーク高さ、ピーク面積等を検出する
ための手段を追加することに制限はない。
を記憶する。該手段は、例えば通常のメモリーやフラッ
シュメモリー等の書き換え可能な記憶媒体で構成でき、
例えば液体クロマトグラフィーにおける検出装置からの
検出信号を経時的に記憶できれば良い。第1記憶手段は
後述する第2記憶手段と一体に構成することもできる。
なお、該経時的記憶は連続的なものであっても良いし、
例えば1秒毎等の、間欠的なものであっても良い。間欠
的にクロマトグラムを記憶する場合には、ピーク巾に比
較して十分に短い時間間隔で値を記憶することが好まし
い。ここで、時間は、例えば分離カラム等の分離手段に
試料を供した時間を0(ゼロ)として計算しても良い
し、例えばクロマトグラフィーに試料を供してから所定
時間経過後にクロマトグラムの経時的記憶を開始する場
合には該開始時間を0(ゼロ)として計算しても良い。
電気泳動の結果をスキャンする場合には、移動距離を時
間に置き換えて考えれば良い。
た、3種以上の被分析物を含む試料をクロマトグラフィ
ーに供することによって得られるクロマトグラムを解析
し、その中のピークを検出するための手段であり、例え
ばコンピュータ等で構成することができるが、後述する
第2演算手段と兼用としても良い。第1演算手段として
は、従来のピーク検出手段等を用いることができるが、
具体的な構成として以下の例を例示することができる。
まず、適当な記憶手段に被分析物のピークを検出するた
めのピーク検出開始時間(tp1)やピーク検出終了時
間(tp2)等を記憶する。該手段は、例えば通常のメ
モリーやフラッシュメモリー等の書き換え可能な記憶媒
体で構成することが可能であり、例えばキーボード等の
入力装置を用いてこれらを入力し、記憶させれば良い。
この記憶のため、第1演算手段に別途記憶手段を併設す
るか、又は、本発明の記憶手段を兼用としても良い。
て解析しようとする被分析物のピークを検出するための
ものであり、被分析物の種類毎に設定される。これらの
値はtp1<tp2の関係を満たすが、例えば、被分析
物のみを含む標準試料をクロマトグラフィーに供してク
ロマトグラムを得、このクロマトグラムから被分析物の
基準ピーク出現時間(ts)を求め、tp1<ts<t
p2と設定することが例示できる。tp1及びtp2
は、より好ましくは、使用するクロマトグラフィーの分
離の様式、移動相等の速度、分析を行う室温等の分析環
境等が変化した場合にも被分析物ピークを検出し得るよ
うに、tsがこれら環境が変化した場合に変動する時間
巾を勘案し、適宜設定する。
外の成分が含まれていることが予想される場合にはtp
2−tp1が小さくなるように設定し、被分析物以外の
成分の存在が予想されない場合にはtp2−tp1が大
きくなるように設定することが好ましいが、一般的にt
p2−tp1は被分析物を含む標準試料のクロマトグラ
ムの高さがピーク高さの1/2となる時のピーク巾(ピ
ーク半値巾)の1倍程度〜2倍程度となるように設定す
ることが例示できる。ただし、必ずしもts−tp1=
tp2−tsとする必要はない。そしてtp1 〜tp2
までの範囲内で、最高値を有するクロマトグラム点を被
分析物のピークとする等すれば良い。
フラッシュメモリー等の書き換え可能な記憶媒体で構成
することができ、前記第1記憶手段と一体に構成するこ
ともできる。第2記憶手段には、各被分析物の基準ピー
ク出現時間を記憶させるため、外部入力装置等を接続す
る。
クを評価するための各被分析物毎の基準ピーク出現時間
を記憶する。基準ピーク出現時間としては、被分析物ピ
ークが出現すると予想される時間を記憶すれば良い。該
時間としては、前記したts、即ち被分析物のみを含む
標準試料をクロマトグラフィーに供して得たクロマトグ
ラムから算出された、該被分析物のピーク出現時間を用
いることが特に好ましい。 第2演算手段は、基準ピー
ク出現時間と同定された被分析物ピークの出現時間との
相関を示す値を求める手段であり、コンピュータ等を例
示することができる。 相関を示す値としては、例えば
相関係数の値、相関係数の値を二乗した値を例示するこ
とができる。例えばXiとYiの相関係数(r)を二乗
した値は、r2=(n×ΣXiYi−ΣXi×ΣYi)2
/(n×ΣXi2−(ΣXi)2)(n×ΣYi2−(Σ
Yi)2)で表される。基準ピーク出現時間をXi、同
定された被分析物のピーク出現時間をYiとして前記式
を適用すると、被分析物ピーク出現時間の間隔が基準ピ
ーク出現時間の間隔と同一で、単にピークの出現時間が
平行に移動した(早まったか、遅くなった)だけの場合
や、クロマトグラムにおける時間軸が伸縮しただけの場
合(即ち、被分析物のうち任意の2つの被分析物のピー
ク出現時間の間隔と、対応するこれらの基準ピークの出
現時間の間隔の比が一定となっている場合)には相関が
保持され、r=1となる。従って、例えばr=1の場合
には、仮にピーク出現時間にズレがあったとしても、ピ
ーク出現時間が分析環境の変化によって生じたものであ
ると考えることができ、第1演算手段におけるピーク同
定結果を正しいと判定すること等ができる。この判定の
基準については、本発明を適用しようとするクロマトグ
ラフィーの種類(分離・展開手段の種類)や被分析物の
種類、更には分析環境のうち変化し得る要因とその影響
の様子等を総合的に勘案したり、実際の被分析物を含む
標準試料と妨害ピークを出現させる夾雑物やゴーストピ
ークの様子等を勘案して決定することができるが、通常
はr>0.999又はr2>0.998とならない場合
には第1演算手段における同定結果を誤りと判定するこ
とが例示できる。
ーク出現時間と同定された被分析物ピークの出現時間の
間の直線回帰式で表される直線と基準ピーク出現時間及
び被分析物のピーク出現時間で示される点の間の距離を
被分析物のピーク出現時間の誤差とし、誤差の絶対値の
最大値、該誤差の絶対値の平均値、該誤差の標準偏差又
は該誤差の分散値を用いることもできる。直線と点の距
離は、縦方向(y軸に平行)に測っても、横方向(x軸
に平行)に測っても、点から該直線に垂線をおろした方
向に測っても良い。例えば直線回帰式をy=A+Bx、
基準ピーク出現時間をXi、同定された被分析物のピー
ク出現時間をYiとすると、係数A及びBはXi及びY
iを用いて、B=(n×ΣXiYi−ΣXi×ΣYi)
/(n×ΣXi2−(ΣXi)2)、A=(ΣYi−B×
ΣXi)/nと表すことができる。
向に測った場合、被分析物のピーク出現時間の誤差はY
i−(A×Xi+B)で表される。被分析物ピーク出現
時間の間隔が基準ピーク出現時間の間隔と同一で、単に
ピークの出現時間が平行に移動した(早まったか、遅く
なった)だけの場合や、クロマトグラムにおける時間軸
が伸縮しただけの場合(即ち、被分析物のうち任意の2
つの被分析物のピーク出現時間の間隔と、対応するこれ
らの基準ピークの出現時間の間隔の比が一定となってい
る場合)には相関が保持され、基準ピークの出現時間と
同定された被分析物ピークの出現時間で示される点は回
帰直線の上に並ぶため、ピーク出現時間の検出誤差を考
慮しても、誤差の絶対値の最大値<0.02分程度とな
る。従って、例えば誤差の絶対値の最大値>0.1分の
場合には、第1演算手段におけるピーク同定結果が正し
くないと判定すること等ができる。この判定の基準につ
いては、本発明を適用しようとするクロマトグラフィー
の種類(分離・展開手段の種類)や被分析物の種類、更
には分析環境のうち変化し得る要因とその影響の様子等
を総合的に勘案したり、実際の被分析物を含む標準試料
と妨害ピークを出現させる夾雑物やゴーストピークの様
子等を勘案して決定することができるが、通常は誤差の
絶対値の最大値<0.1分とならない場合には第1演算
手段における同定結果を誤りと判定することが例示でき
る。
おいて溶出液の構成成分の濃度を連続的又はステップ式
に切り替えて被分析物を溶出させるような場合、単に上
記のような相関を示す値を用いて本発明を実施すること
は困難である。これは、被分析物の出現時間の変動が平
行な移動や時間軸の伸縮にとどまらないという理由によ
る。従って、かかる場合には得られたクロマトグラムを
溶出液の構成成分の濃度の変化に応じて適当な時間で分
割して本発明を実施することができる。また例えば、被
分析物がイオン交換作用だけではなく、疎水吸着作用で
液体クロマトグラフカラムと相互作用するような場合に
は、複数の被分析物を温度や溶出液の濃度、pH変化等
に対して同じ挙動を示す群に分け、各群に含まれる被分
析物に対して本発明を実施することができる。
される相関を示す値について、相関基準値を設定してお
くこともできる。相関基準値としては、相関を示す値に
ついて許容し得る範囲をしきい値として設定しておくこ
とが例示ができる。即ち、前記のようにして算出された
相関を示す値とこの相関基準値を比較し、その結果を後
述の表示手段に出力するように構成するのである。しき
い値としては、前記した0.999や0.1を用いるこ
とが例示できる。
準試料の評価と被分析物以外の成分が含まれる可能性の
ある未知試料の評価においては、基準ピーク出現時間及
び/又は相関基準値を変えても良い。例えば、標準試料
の評価に用いる基準ピーク出現時間は予め別の装置で標
準試料を測定して得られたピーク出現時間を用い、相関
基準値を甘く設定することができる。また、未知試料の
評価に用いる基準ピーク出現時間はバッチ毎に測定する
標準試料の測定結果から得られたピーク出現時間を用
い、相関基準値を厳しく設定することができる。
を示す値等を表示し又は印刷等する手段であるが、第1
演算手段による各被分析物のピーク同定結果をも表示・
印刷し得る手段であることが好ましい。算出した相関を
示す値と相関基準値を比較するように第2演算手段を構
成した場合には、比較結果や該結果に基づくクロマトグ
ラムの同定の可否を表示するように構成することもでき
る。また例えば、第1記憶手段中に記憶されたクロマト
グラムを表示・印刷したり、第2記憶手段中に記憶され
た基準ピーク出現時間をも表示・印刷できるように構成
しても良い。
説明した各手段に加え、例えば各被分析物のピークと同
定され、かつ、本発明の装置によってピーク同定結果が
正しい等と判定された場合に、各ピークについてベース
ラインを設定し、ピーク高さやピーク面積などを算出す
るための演算手段を追加装備したり、同定結果が誤って
いると判定された場合や被分析物のピークを検出できな
かった場合に警告を発生する手段等を追加装備すること
ができる。更に、相関を示す値が同定結果の判定の境界
領域にある値の場合には、ピーク高さやピーク面積など
を算出する演算手段と警告を発生する手段を追加装備す
ることも例示できる。
るために図面に基づき本発明を更に詳細に説明するが、
本発明はこれらに限定されるものではない。
用のクロマトグラム解析装置に適用した一例を示すもの
である。図中、1は分離カラム、2は検出器を示し、送
液ポンプや試料導入装置等のその他のクロマトグラフィ
ー装置は省略した。図中、点線で囲った部分が本発明の
解析装置であり、一台のコンピュータにより本発明の各
手段を構成した。図中、3は第2記憶手段、4は第1記
憶手段、5は第1演算手段、6は第2演算手段、8はプ
リンタを用いた表示手段をそれぞれ示す。第2記憶手段
3はキーボード7からの入力を記憶し、第1記憶手段4
は検出器2からの出力(クロマトグラム)を記憶し、第
1演算手段5は第1記憶手段と連絡され、そして第2演
算手段は第1演算手段、第2記憶手段及び表示手段と連
絡されている。
トグラム装置の構成の概略を示すものである。該装置
は、溶離液ポンプ9a、9b、試薬ポンプ10a、10
b、オートサンプラ11、2本の前処理カラム12及び
13と1本の分析カラム14、リアクタ15、そして蛍
光検出器16から構成され、さらに溶離液を切り替える
バルブや流路を切り替えるバルブを有するものである。
図1に示した本発明の解析装置は検出器16と連結され
る。
カテコールアミンの成分であるノルエピネフリン(No
rEpinephrine;NE)、エピネフリン(E
pinephrine;E)及びドーパミン(Dopa
mine;DA)のクロマトグラムについて第1演算手
段によりピーク検出を行った結果を示す結果である。分
析に供した試料は、カテコールアミン成分であるNE、
E及びDAを各1pg/ml含む標準試料であり、これ
を室温(24.6℃)条件下で測定したものである。ピ
ーク出現時間が約16分のピークがNE、約18分のピ
ークがE、そして約25分のピークがDAである。液体
クロマトグラフィー装置としては、前処理カラムとして
2本のカラム(第1の前処理カラム12は直径4.6m
m×75mmの逆相(エーテルゲル)カラム、第2の前
処理カラム13は直径3.0mm×60mmのイオン交
換カラム)、分離カラム14として逆相(ODS)用カ
ラム(直径4.0mm×150mm)を配置した装置を
用いた。この装置では、ポンプ9aで溶離液(リン酸緩
衝液(pH7))で試料を第1の前処理用カラムに送液
し(1.0ml/分)、第1の前処理用カラムに保持さ
れた成分に対して、電磁弁を切り替えることによりポン
プ9aで溶離液(硝酸アンモニウム水溶液とアセトニト
リルの混合液)を送液して第2の前処理用カラムに導入
し、そして第2の前処理用カラムに保持された成分に対
して、ポンプ9bで溶離液(硝酸アンモニウムを含むト
リス緩衝液(pH7))を分析カラムに送液して分離し
(0.7ml/分)、分析カラムから溶出する成分に蛍
光反応試薬を混合した後にリアクタ15に導入した。リ
アクタで蛍光反応試薬であるDPE(Diphenyl
ethylendiamine)と90℃、3分間反応
させて蛍光誘導体化した。蛍光反応試薬はポンプ10a
とポンプ10b(各0.25ml/分)を用いて送液し
た。蛍光誘導体化した各被分析物は、蛍光検出器を用い
て励起波長340〜360nm、蛍光波長460nmで
測定し、クロマトグラムを得た。
下で液体クロマトグラフィーに供した場合の各被分析物
のピーク出現時間をプロットした図である。横軸は2
4.6℃での各被分析物のピーク出現時間(基準ピーク
出現時間)であり、縦軸は22.2℃及び25.6℃の
各被分析物のピーク出現時間である。NE、E及びDA
に関するプロットは22.2℃と25.6℃でそれぞれ
直線上に並んでおり、温度条件を変えて取得したクロマ
トグラムにおける各被分析物のピーク出現時間では良好
な相関が保たれていることが分かる。
℃での各基準ピーク出現時間に対して24.6℃での各
ピーク出現時間をプロットすると、y=xの直線上に並
ぶが、これら3本の直線は15分付近で一点に交わる。
この事実から、クロマトグラムを行う温度が変化すると
15分を基準にして時間軸が伸縮することが示された。
図5は、22.2℃の温度条件下で、夾雑物であるレ
ボノルデフリン(Levonordefrin;LE)
を含む試料を前記同様に液体クロマトグラフィーに供し
た場合のピーク出現時間を図3におけるEに代えてプロ
ットした図である。LEのピーク出現時間は約17.7
分であり、Eのピーク出現時間と近い。このため、従来
方法ではクロマトグラム中のピーク検出後にLEのピー
クを検出し、かつ、LEのピークをEのピークと誤って
同定してしまう可能性がある。
DAを含む試料を液体クロマトグラフィーに供した場合
のクロマトグラムであり、図7は同一条件下でNE、L
E及びDAを含む試料を液体クロマトグラフィーに供し
た場合のクロマトグラムである。このように実際のクロ
マトグラムについても、LEのピークはEのピークに近
い位置に出現することから、ピーク検出のやり方によっ
てはLEのピークをEのピークとして同定してしまう可
能性を否定できない。
本発明の解析装置で解析した結果を示すものである。本
例では、24.6℃条件下でNE、E及びDAを含む標
準試料を液体クロマトグラフィーに供して得たクロマト
グラムから求めたこれら被分析物のピーク出現時間を基
準ピーク出現時間として第2記憶手段に記憶してある。
なお、図7のクロマトグラムの解析においては、LEの
ピークをEのピークと誤同定したとして本発明の装置に
よる解析を行った。
れるNE、E及びDAの各被分析物ピークの出現時間は
液体クロマトグラフィーを実施する温度条件が変化する
ことにより変動するが、各ピーク出現時間は良好な相関
を保持しているため、本発明の第2演算手段により算出
される「相関を示す値」のうち相関係数等は1.000
0となり、誤差の絶対値の最大値等は非常に小さい値と
なる。これに対してLEのピークをEのピークと誤同定
したと仮定して本発明の解析装置により解析した場合に
は、第2演算手段により算出される「相関を示す値」の
うち相関係数等は0.999未満となり、誤差の絶対値
の最大値等は大きい値となる。この結果、カテコールア
ミンの分析においてNE、E及びDAのピーク同定結果
を判定するにあたっては、相関係数等を「相関を示す
値」とする場合には該値として0.999未満の値が第
2演算手段で算出されたとき、そして誤差の絶対値の最
大値等を「相関を示す値」とする場合には該値として
0.1分以上の値が第2演算手段で算出された時に、第
1演算手段による同定結果が誤りであることを知ること
ができる。
けるNE、E及びDAを被分析物とし、LEを妨害ピー
クを発生する夾雑物として本発明における相関を示す値
と誤同定を判定するための値を具体的に説明したが、被
分析物の具体的な種別や予想される夾雑物の種別と実際
のクロマトグラムから、前記のようなしきい値的な数値
を勘案することが可能である。
よりピーク出現時間が変化することがあっても、クロマ
トグラム中の測定されるべき被分析物に由来するピーク
近傍に夾雑物に由来する妨害ピークやゴーストピークが
出現する可能性がある場合に、従来のピーク検出方法に
よって検出されたピークが被分析物に由来するピークか
否かを判定することが可能となる。即ち、従来の方法に
よって被分析物ピークであると同定されたピークについ
て解析を行い、その同定結果が正しいか否かを判定する
ことが可能となるのである。
ピークを被分析物のピークといったん同定してしまった
場合にも、これら誤った同定に基づいて妨害ピーク等を
被分析物のピークとしたままピークの解析を行ってしま
うという可能性を排除できるようになる。このことは、
多くのクロマトグラフィーが微量の被分析物の定量等に
用いられていることや、時にはクロマトグラフィーが臨
床的意義を有する微量の被分析物(例えば血液中に存在
する蛋白質等)の定量に用いられ、その結果が患者の治
療等に反映される臨床診断の分野においては重要な意義
を有する。
析する場合に好ましく適用することができる。温度や溶
媒組成を連続的に、又は、段階的に変化させながら分析
する場合には、クロマトグラムを時間を基準にして複数
のクロマトグラムに分割し、分割したクロマトグラムに
対して本発明を適用することができる。また、被分析物
がイオン交換作用だけでなく、疎水吸着作用で液体クロ
マトグラムカラムと相互作用するような場合には、複数
の被分析物を同じ挙動を示す群に分け、各々の群に含ま
れる被分析物に対して本発明を適用することができる。
式図である。
用の液体クロマトグラフィー装置の概要を示す図であ
る。
E及びDAを含む標準試料を液体クロマトグラフィー装
置に供して得たクロマトグラムを示す図である。
度条件下で液体クロマトグラフィーに供して得たクロマ
トグラムについてピーク検出を行い、検出された各ピー
クのピーク出現時間をプロットした図である。
様に液体クロマトグラフィーに供した場合のピーク出現
時間を図3におけるEに代えてプロットした図である。
を含む試料を液体クロマトグラフィーに供した場合のク
ロマトグラムを示す図である。
条件下でNE、LE及びDAを含む試料を液体クロマト
グラフィーに供した場合のクロマトグラムを示す図であ
る。
第2記憶手段、5 第1演算手段、6 第2演算手段、
7 入力手段、8 表示手段、9a、9b 溶離液ポン
プ、10a、10b 試薬ポンプ、11 オ−トサンプ
ラ、12、13前処理カラム、14 分析カラム、15
リアクタ、16 検出器
Claims (6)
- 【請求項1】3種以上の被分析物を含む試料をクロマト
グラフィーに供することによって得られるクロマトグラ
ムの解析装置であって、得られたクロマトグラムを記憶
するための第1記憶手段、クロマトグラム中のピークを
検出し、各被分析物のピークとして同定するための第1
演算手段、同定された被分析物ピークを評価するための
各被分析物毎の基準ピーク出現時間を記憶するための第
2記憶手段、記憶された基準ピーク出現時間と同定され
た被分析物ピークの出現時間との相関を示す値を求める
第2演算手段、そして、相関の程度を表示する表示手段
とを具備するクロマトグラムの解析用装置。 - 【請求項2】第2記憶手段が、クロマトグラムにおいて
被分析物のピークが出現すると予想される標準ピーク出
現時間を基準ピーク出現時間として記憶するものである
請求項1の装置。 - 【請求項3】前記標準ピーク出現時間が、各被分析物を
含む標準試料をクロマトグラフィーに供して得られたク
ロマトグラムから計測されたピーク出現時間であること
を特徴とする請求項2の装置。 - 【請求項4】第2演算手段が、相関係数の値又は相関係
数の値を二乗した値を基準ピーク出現時間と同定された
被分析物ピークの出現時間との相関を示す値として求め
るものであることを特徴とする請求項1の装置。 - 【請求項5】第2演算手段が、基準ピーク出現時間と同
定された被分析物ピークの出現時間の間の直線回帰式で
表される直線と基準ピーク出現時間及び被分析物のピー
ク出現時間で示される点の間の距離を被分析物のピーク
出現時間の誤差とし、誤差の絶対値の最大値、該誤差の
絶対値の平均値、該誤差の標準偏差又は該誤差の分散値
を基準ピーク出現時間と同定された被分析物ピークの出
現時間との相関を示す値として求めるものであることを
特徴とする請求項1の装置。 - 【請求項6】第2演算手段が基準ピーク出現時間と同定
された被分析物ピークの出現時間との相関を示す値を求
めた後、該値を所定の相関基準値と比較するものであ
り、表示手段が該比較結果を表示するものである、請求
項1の装置。
Priority Applications (2)
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US09/393,194 US6438499B1 (en) | 1998-09-10 | 1999-09-10 | Chromatogram analyzer |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP25636498A JP3911867B2 (ja) | 1998-09-10 | 1998-09-10 | クロマトグラム用の解析装置 |
Publications (2)
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007085804A (ja) * | 2005-09-21 | 2007-04-05 | Hitachi High-Technologies Corp | 積分型データ演算法におけるチェック機能を備えたデータ処理方法 |
JP2018523115A (ja) * | 2015-07-01 | 2018-08-16 | ジーイー・ヘルスケア・バイオサイエンス・アクチボラグ | 生体分子のサイズを決定するための方法 |
-
1998
- 1998-09-10 JP JP25636498A patent/JP3911867B2/ja not_active Expired - Fee Related
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