JP2000088475A

JP2000088475A - 冷却塔の白煙回収装置

Info

Publication number: JP2000088475A
Application number: JP10261262A
Authority: JP
Inventors: Kunishige Motoki; 邦茂元木
Original assignee: SHIN NIPPON REIKI KK
Current assignee: SHIN NIPPON REIKI KK
Priority date: 1998-09-16
Filing date: 1998-09-16
Publication date: 2000-03-31

Abstract

(57)【要約】【課題】冷却能力を低下させることなく、白煙の発生
を防止でき、既存の冷却塔にも容易に適用することがで
きる。【解決手段】充填材ユニット３への被冷却水の散水部
４の上部に配設される湿った空気の吸引ダクト２２と、
該吸引ダクト２２に接続される空気吸引機２３と、吸引
された空気中の水分を除去する除湿装置２４とで構成し
た。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、充填材ユニットで
上昇する空気と接触した際に生じる被冷却水の蒸発潜熱
によって被冷却水を冷却する冷却塔において、外気の状
態により発生する白煙を回収する装置に関する。

【０００２】

【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】冷却塔
は、上部に送風機を設置した排気口を有するケーシング
内に充填材ユニットを配置するとともに、該充填材ユニ
ットの上部に被冷却水の散水部を配置し、該散水部から
散水された被冷却水を前記充填材ユニットに流下させ
て、該充填材ユニットを上昇する空気と前記被冷却水と
を接触させる構成である。このような構成の冷却塔は、
被冷却水に接触した空気が高温多湿の状態にあるため、
外気温が低い冬季や湿度が高い梅雨時等には水分が飽和
状態になって白煙が排気口から排出されて、外気を汚染
しているように誤認されたり、火事等と見間違えられる
虞があるため、近年、白煙発生防止対策が種々なされて
いる。

【０００３】例えば、特公平４−２９２４２号公報に示
される冷却塔は、充填材ユニットの一部に乾いた空気を
作るいわゆる乾式部を設けた乾湿混合型充填材を用いる
ことにより、湿り空気と乾き空気とを混合して、冷却塔
の排気口から排出される空気の湿度を下げ、白煙の発生
を防止しているが、この構成では、白煙が発生しない条
件での使用時にも乾いた空気を作る部分が存在するため
冷却能力がその分低下し、冷却塔が大型になる。

【０００４】また、特許第２５８０９９１号公報に示さ
れる冷却塔は、乾式部に被冷却水を流下させることがで
きる散水部を設け、夏季等の白煙の発生の虞がないとき
は、乾式部に被冷却水を流下させて冷却能力を高め、冬
季等の白煙の発生多発時には、乾式部に被冷却水を流下
させないで、湿り空気と乾き空気とを混合させて、白煙
の発生を防止しているが、この構成では、散水装置が複
雑な構造となるだけでなく、既存の形式の冷却塔に適用
することが困難である。

【０００５】そこで本発明は、冷却能力を低下させるこ
となく、白煙の発生を防止でき、既存の冷却塔にも容易
に適用することができる白煙回収装置を提供することを
目的としている。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ため、本発明は、上部に送風機を設置した排気口を有す
るケーシング内に充填材ユニットを配置するとともに、
該充填材ユニットの上部に被冷却水の散水部を配置し、
該散水部からの被冷却水を前記充填材ユニットに流下さ
せて、該充填材ユニットを上昇する空気と前記被冷却水
とを接触させる冷却塔の白煙回収装置であって、前記散
水部と前記排気口との間に配設される前記空気の吸引ダ
クトと、前記冷却塔の近傍に設置されて、前記吸引ダク
トに接続される空気吸引機と、吸引された空気中の水分
を除去する除湿装置とで構成されることを特徴としてい
る。また、前記冷却塔の冷却水槽に、前記除湿装置の受
水槽からの水回収ラインを接続することにより、除湿装
置で回収した水を冷却水槽の補給水として利用すること
ができる。

【０００７】

【発明の実施の形態】以下、本発明を、図面に示す実施
形態例に基づいて、さらに詳細に説明する。図１及び図
２は本発明の第１実施形態例を示すもので、カウンター
フロータイプの冷却塔１は、ケーシング２内に、充填材
ユニット３を配置するとともに、該充填材ユニット３の
上部に被冷却水の散水部４を配置し、充填材ユニット３
の下方を冷却水槽５としている。また、ケーシング２
は、上部中央に送風機６を設置した排気口７を、該排気
口７と散水部４との間に開閉可能な外気吸入口８を、該
充填材ユニット３の下部と冷却水槽５の上部との間に形
成された外気取入口９を、それぞれ有している。

【０００８】前記冷却水槽５には、冷却水をポンプ１０
を介して冷凍機等の熱交換器１１へ供給する冷却水供給
ライン１２と、運転水質基準を越えた冷却水を系外へ排
出するブローダウンライン１３と、減少した冷却水を補
給する補給水ライン１４とが接続されており、前記熱交
換器１１と前記散水部４とは、被冷却水ライン１５にて
接続されている。なお、排気口７と散水部４との間に
は、被冷却水と接触した空気中の水滴を除去するエリミ
ネータ１６が必要に応じて設けられる。

【０００９】前記熱交換器１１で熱交換された冷却水
は、被冷却水ライン１５を介して散水部４から被冷却水
として充填材ユニット３に散水される。散水された被冷
却水は充填材ユニット３を流下し、送風機６の吸引力に
て外気取入口９から空気を取り入れて充填材ユニット３
を上昇する空気と直接接触した後、冷却水となって冷却
水槽５に貯溜され、再びポンプ１０によって熱交換器１
１へ供給され、一方、被冷却水と接触した空気は、水蒸
気を含む湿った空気となって送風機６にて排気口７から
排出される。

【００１０】この冷却塔１に設けられた白煙回収装置２
１は、前記散水部４と前記排気口７との間に配設される
前記空気の吸引ダクト２２と、前記冷却塔１の近傍に設
置されて、吸引ダクト２２に接続される空気吸引機２３
と、吸引された空気中の水分を除去する除湿装置２４と
で構成されている。該除湿装置２４は、吸引ダクト２２
が接続された前記空気吸引機２３と、受水槽２５と、該
受水槽２５内の水に下部を浸した湿式フィルター２６
と、前記空気吸引機２３の排圧調整を行う排圧調整器２
７と、排気口２８と、前記受水槽２５と前記冷却水槽５
とを接続する水回収ライン２９とを備えている。

【００１１】この白煙回収装置２１は、被冷却水との接
触により湿った空気を前記排気口７から塔外へ排出する
前に、吸引ダクト２２から空気吸引機２３に吸引し、空
気中の水分を湿式フィルター２６にて液化して除去し、
水分を除去された乾いた空気を排気口２８から排出す
る。

【００１２】前記湿式フィルター２６は、電動又は手動
により定期的に回転することにより受水槽２５内の水に
よる水膜を常に維持させ、該水膜に湿った空気中の水分
を直接当てて液化する。液化された水滴は、湿式フィル
ター２６の回転により受水槽２５に貯溜される。前記排
圧調整器２７は、湿式フィルター２６で液化された水滴
が排気口２８から吹き出ないように排圧調整を行う。前
記水回収ライン２９は、受水槽２５上部に位置する取入
口から、該取入口の高さ以上になった受水槽２５の水
を、補給水ライン１４を介して前記冷却水槽５へ送り、
補給水として再利用する。

【００１３】このように構成することにより、冷却塔１
は、外気温が高い夏季等では、白煙回収装置２１を作動
させずに、前述の如く、被冷却水と空気とを直接接触さ
せて被冷却水を冷却し、被冷却水との接触により湿った
空気を送風機６により排気口７から排出する。送風機６
は、外気温の高い状態を設計条件としてその風量を選定
しているから、冷却塔１は冷却能力を充分に発揮でき
る。

【００１４】そして、冬季や梅雨時等の白煙発生時期に
は、白煙回収装置２１を作動して、被冷却水との接触に
より湿った空気を前記排気口７から塔外へ排出する前に
除湿装置２４へ吸引し、除湿装置２４で水分が除去した
乾いた空気を除湿装置２４の排気口２８から排出する。
この際の送風機６の風量制御は、冷水温度を検知し、イ
ンバータ制御や極数変換電動機等の利用、あるいは、送
風機６の上部又は下部に開閉式のダンパーを設置して行
う。また、必要風量が空気吸引機２３の吸引量以下の場
合は、送風機６を停止したり、上述のダンパーを閉じた
り、あるいは、排気口７にカバーをする。さらに、前記
外気吸入口８を開けて冷却塔１内に外気を吸入し、冷却
塔１内で白煙を強制的に発生させて吸引することもでき
る。

【００１５】このように、白煙発生時期に白煙回収装置
２１を作動させればよいから、冷却塔１の冷却能力を低
下させることなく、白煙の発生を防止できる。また、こ
の白煙回収装置２１は、散水部４の上部に吸引ダクト２
２を配設し、冷却塔１の側部近傍に除湿装置２４を設置
すればよいから、既存の冷却塔にも容易に適用すること
ができ、クロスフロータイプの冷却塔にも容易に適用で
きる。

【００１６】図３は、除湿装置２４の第２実施形態例を
示すもので、以下の実施形態例において前記第１実施形
態例と同一要素のものには同一の符号を付してその説明
を省略する。この除湿装置２４は、受水槽２５からポン
プ３１により、受水槽２５の上部に設けたスプレーノズ
ル３２へ供給し、該スプレーノズル３２にて散布される
水滴を湿った空気に直接当てて、湿った空気中の水分を
液化して除去し、乾いた空気を排気口２８から排出する
ものである。

【００１７】図４は、除湿装置２４の第３実施形態例を
示すもので、この除湿装置２４は、前記補給水ライン１
４から分岐した供給ライン３３を介して湿式フィルター
２６に通水することにより、湿式フィルター２６表面を
濡れた状態に保ち、湿式フィルター２６を通過する湿っ
た空気中の水分を液化して除去し、乾いた空気を排気口
２８から排出するものである。なお、除湿装置は、上述
の各実施形態例の構造に限らず、この他の公知の除湿装
置でもよい。

【００１８】

【発明の効果】以上説明したように、本発明は、冷却塔
の白煙回収装置を、冷却塔の散水装置の上部に配設され
る湿った空気の吸引ダクトと、該吸引ダクトに接続され
る空気吸引機と、吸引された空気中の水分を除去する除
湿装置とで構成したので、湿った空気を冷却塔の排気口
から塔外へ排出する前に、吸引ダクトから除湿装置に吸
引して、除湿装置で水分が除去した乾いた空気を除湿装
置から排出することができる。したがって、白煙発生時
期に簡単な構造の白煙回収装置を作動させることによ
り、冷却塔の冷却能力を低下させることなく、白煙の発
生を防止できる。また、構造が簡単であるため、既存の
冷却塔にも容易に適用することができる。さらに、冷却
塔の冷却水槽に、除湿装置の受水槽からの水回収ライン
を接続することにより、除湿装置で回収した水を冷却水
槽の補給水として利用することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１実施形態例を示す全体概略図で
ある。

【図２】同じく除湿装置の概略図である。

【図３】除湿装置の第２実施形態例を示す概略図であ
る。

【図４】除湿装置の第３実施形態例を示す概略図であ
る。

【符号の説明】

１…冷却塔、２…ケーシング、３…充填材ユニット、４
…散水部、５…冷却水槽、６…送風機、７…排気口、８
…外気吸入口、９…外気取入口、２１…白煙回収装置、
２２…吸引ダクト、２３…空気吸引機、２４…除湿装
置、２５…受水槽、２６…湿式フィルター、２８…除湿
装置の排気口、２９…水回収ライン、３２…スプレーノ
ズル

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】上部に送風機を設置した排気口を有する
ケーシング内に充填材ユニットを配置するとともに、該
充填材ユニットの上部に被冷却水の散水部を配置し、該
散水部からの被冷却水を前記充填材ユニットに流下させ
て、該充填材ユニットを上昇する空気と前記被冷却水と
を接触させる冷却塔の白煙回収装置であって、前記散水
部と前記排気口との間に配設される前記空気の吸引ダク
トと、前記冷却塔の近傍に設置されて、前記吸引ダクト
に接続される空気吸引機と、吸引された空気中の水分を
除去する除湿装置とで構成されることを特徴とする冷却
塔の白煙回収装置。
【請求項２】前記冷却塔の冷却水槽には、前記除湿装
置の受水槽からの水回収ラインが接続されていることを
特徴とする請求項１記載の冷却塔の白煙回収装置。