JP2000088146A - 送液用配管及び管部材 - Google Patents

送液用配管及び管部材

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JP2000088146A
JP2000088146A JP10264115A JP26411598A JP2000088146A JP 2000088146 A JP2000088146 A JP 2000088146A JP 10264115 A JP10264115 A JP 10264115A JP 26411598 A JP26411598 A JP 26411598A JP 2000088146 A JP2000088146 A JP 2000088146A
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pipe
shape memory
memory alloy
liquid
freezing
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JP10264115A
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Yasuhiro Kataoka
泰弘 片岡
Takasumi Shimizu
孝純 清水
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Daido Steel Co Ltd
Aichi Prefecture
Original Assignee
Daido Steel Co Ltd
Aichi Prefecture
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16LPIPES; JOINTS OR FITTINGS FOR PIPES; SUPPORTS FOR PIPES, CABLES OR PROTECTIVE TUBING; MEANS FOR THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16L9/00Rigid pipes
    • F16L9/02Rigid pipes of metal

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  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Rigid Pipes And Flexible Pipes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 逃がし弁等の複雑な配管機構やヒータ等が不
要で構造が簡単であり、しかも凍結破壊を確実に防止す
ることができる送液配管を提供する。 【解決手段】 水道用配管1の少なくとも一部を形状記
憶合金配管部70とし、管内の液体が凍結・膨張したと
きに形状記憶合金配管部70に該膨張を吸収する向きの
変形(以下、膨張吸収変形という)を生じさせる。他
方、液体の凍結・膨張状態が解消された場合は、形状記
憶合金配管部70を形状記憶効果又は超弾性効果に基づ
いて凍結前の形状にほぼ復帰させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、水道配管や給湯
配管等として使用される送液用配管と、それに用いられ
る管部材とに関するものであり、特に凍結破壊防止機能
を有する配管ならびに管部材に関する。
【0002】
【従来の技術】水道配管や給湯配管における凍結破壊防
止技術としては、従来より次のような方法が採用されて
いる。 配管内の液体が凍結して膨張した場合に、余分な液体
を配管に設けられた逃がし弁を用いて排出する。 凍結が予想される場合に、配管内に不凍液を流して凍
結そのものが起こらないようにする。 配管に保温断熱材を巻いたり、ヒータや加熱ランプ等
を配管に取り付け、凍結防止を図る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記
の方法では、逃がし弁を取り付けるため配管構造が複雑
化し、また送液ポンプの圧力変動や管詰まりなど、凍結
以外の要因による圧力上昇により逃がし弁が誤作動して
しまう恐れがある。一方、の方法では、不凍液供給の
ための配管やポンプが余分に必要となるほか、不凍液と
の接触により配管金属の腐食を招きやすい問題がある。
また、水道配管等の場合、不凍液を完全に流出させて内
部を十分に洗浄した後でなければ、配管の再使用ができ
ない欠点がある。
【0004】他方、においては、保温断熱材を使用す
る方法では凍結防止の効果が必ずしも十分でなく、ヒー
タ等を用いる方法では、ヒータが常時通電されるために
電気コストがかさむ他、豪雪時等に停電したりすると作
動しなくなる欠点がある。
【0005】本発明の課題は、逃がし弁等の複雑な配管
機構やヒータ等が不要で構造が簡単であり、しかも凍結
破壊を確実に防止することができる送液用配管と、それ
に用いる管部材とを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段及び作用・効果】上記課題
を解決するために、本発明の送液用配管は、配管の少な
くとも一部を形状記憶合金配管部とし、管内の液体が凍
結・膨張したときに形状記憶合金配管部に該膨張を吸収
する向きの変形(以下、膨張吸収変形という)を生じさ
せる一方、液体の凍結・膨張状態が解消された場合は、
形状記憶合金配管部を形状記憶効果又は超弾性効果に基
づいて凍結前の形状にほぼ復帰させるようにしたことを
特徴とする。
【0007】また、本発明の管部材は、送液用配管を形
成するための管部材であって、少なくとも管長手方向に
おける少なくとも中央部分が形状記憶合金で構成され、
管内の液体が凍結・膨張したときは該膨張を吸収する向
きに変形(以下、膨張吸収変形という)する一方、液体
の凍結・膨張状態が解消された場合は、自身の有する形
状記憶効果又は超弾性効果に基づいて凍結前の形状にほ
ぼ復帰することを特徴とする。
【0008】なお、本発明において「形状記憶合金」と
は、外力による変形・除荷後に残留している変形歪が加
熱により消滅して原形回復する効果(いわゆる「形状記
憶効果」)を有した、本来の意味での形状記憶合金と、
応力誘起マルテンサイト変態とその逆変態とに基づき超
弾性効果を示す超弾性合金とを総称する広義の概念とし
て定義する。
【0009】上記本発明によれば、例えば凍結が見込ま
れる部分を形状記憶合金配管部とすることで、管内の液
体が凍結・膨張したときに、その形状記憶合金配管部に
膨張吸収変形を生じさせることで凍結破壊を防止するこ
とができる。すなわち、従来のように逃がし弁等の複雑
な配管機構やヒータ等が不要で構造が簡単であり、しか
も凍結破壊を確実に防止することができる送液配管が実
現される。一方、液体の凍結・膨張状態が解消された場
合は、形状記憶合金配管部が形状記憶効果又は超弾性効
果に基づいて凍結前の形状にほぼ復帰する。すなわち、
非凍結時における配管の使用も問題なく行うことがで
き、加えて凍結・解凍を繰り返した場合にも配管に変形
が蓄積したりせず、長期にわたって何度でも凍結に耐え
ることができる。
【0010】なお、形状記憶合金の具体的な材質として
は、TiNi系合金が強度及び変形−復帰の繰返し特性
に優れているので、本発明に最も好適に使用することが
できる。また、このほかでは、Cu−Al−Ni系合
金、Cu−Zn−Al系合金などの使用も可能である。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、図
面に示す実施例を参照して説明する。図1に、本発明の
送液用配管の一例として、屋内へ水道水を導くための水
道用配管1を示している。(a)は、比較的温暖で凍結
が問題とならない通常時の状態を、(b)は凍結の心配
がある冬季の状態を示している。配管1は、管継手部6
0により連結された複数の管部材50にて構成されてお
り、地中に埋設された地中部1aと、屋内引込のために
地上に露出する地上露出部1bと、先端に蛇口1dが取
り付けられた屋内引込部1cとからなる。図1(b)に
示すように、冬季に凍結しやすいのは、地上露出部1b
と、その前後に隣接する地中部1a及び屋内引込部1c
の一部(図中、網かけを施した部分)である。
【0012】図1の管部材50は、図2(a)に示すよ
うに、地上露出部1bにかかる3本が本発明の形状記憶
合金管部材51で構成されて形状記憶合金配管部70を
形成しており、他は一般の鋼製管部材52とされてい
る。本実施例においては形状記憶合金として、TiNi
系合金、具体的には、Ni含有量が48〜52原子%、
Ti含有量が48〜52原子%、NiとTiの合計含有
量が96〜100原子%である合金が使用されている。
【0013】図3(a)に示すように、形状記憶合金管
部材51の両端部は、外面に雄ねじ部51b,51bが
刻まれた被連結部51a,51aとなっており、筒状の
管継手部60の内面に形成された雌ねじ部60a.60
aにねじ込まれることにより、管部材51同士の連結が
なされるようになっている。この例では、管部材51の
他、管継手部60も形状記憶合金にて構成している。ま
た、マルテンサイト変態及び逆変態の変態温度は管部材
51の全体にわたってほぼ一様となるように設定してい
る。
【0014】図2(a)に示すように、凍結が見込まれ
る部分を形状記憶合金配管部70とすることで、図1
(b)のように気温が低下して管内の水Wが凍結・膨張
したときに、図3(b)に示すように形状記憶合金配管
部70は、全体が拡径する方向に変形し、水Wの膨張を
吸収する。これにより、凍結破壊を防止することができ
る。一方、図1(a)のように気温が上昇して液体の凍
結・膨張状態が解消された場合は、図3(a)に示すよ
うに、形状記憶合金配管部70は形状記憶効果又は超弾
性効果に基づいて凍結前の形状にほぼ復帰する。
【0015】形状記憶合金配管部70(管部材51)の
液体凍結時の変形と、解凍時の原形復帰のメカニズム
は、形状記憶効果を利用する場合と、超弾性効果を利用
する場合とで若干の違いがある。超弾性効果と形状記憶
効果とは、いずれも熱弾性型マルテンサイト変態を起こ
す合金において発現する、いわば表裏一体の関係にある
現象であり、マルテンサイト変態の開始温度Msと凍結
温度θとの関係により超弾性効果を利用する形になる
か、形状記憶効果を利用する形になるかが定まる。これ
は、合金の組成が同一であっても事情は変わらない(な
ぜなら、後述する通り、同一組成の合金であっても、熱
処理条件により変態温度を変化させることが可能である
からである)。以下、その推測されるメカニズムについ
て説明する。なお、TiNi系合金では、最も低温側の
マルテンサイト相、それよりも高温側で生成するR相と
通称される中間相、及び最も高温側で生成する母相の3
つの相の間で、概ね2段階的に変態を起こすことが知ら
れている。このうちR相と母相との間の変態は可逆性が
高く、温度ヒステリシス(=As−Ms:Asは逆変態の
開始温度)も小さいので広く用いられている。本発明で
は、このR相も広義のマルテンサイト相に含まれるもの
として定義する。
【0016】まず、形状記憶効果を利用する場合から説
明する。形状記憶効果はよく知られている通り、低温相
であるマルテンサイト相が高温相である母相に逆変態す
る際に、変形前と同じ結晶方位の母相が生成することに
基づき発現するものである。そして、形状記憶効果が利
用できるためには、凍結温度θ(水の場合、ほぼ0℃で
ある)において合金組織の少なくとも一部がマルテンサ
イト相となっていること、換言すればMs>θが成り立
っていることが必要である。
【0017】このような状態で管内の液体が凍結・膨張
すると、図3(b)に示すように、形状記憶合金配管部
70は管径が押し広げられる向きに変形する。この変形
は膨張による荷重が除かれた後も少なくとも部分的に残
留するものであり、塑性変形に類似している。しかしな
がら、これは一般の金属の塑性変形のように結晶のすべ
り変形が主体となるものではなく、変形荷重の向きに対
して最も大きな歪をもたらす方位のマルテンサイト兄弟
晶(いわゆるバリアント)が、他の方位のバリアントを
食いながら成長するという、形状記憶合金特有の双晶変
形的機構に基づくものであることが知られている。な
お、凍結温度θにおいて母相が残留している場合は、そ
の母相が膨張荷重により応力誘起マルテンサイト変態を
起こして変形歪の一部を担うことがある。また、θ>A
sの場合は、応力誘起されたマルテンサイト相の一部が
除荷に従い逆変態することもある。これは、後述する超
弾性効果と同じメカニズムであり、形状記憶効果と超弾
性効果とをいわば折衷的に利用する形のものとなる。
【0018】一方、上記状態から気温が上昇し、凍結し
た液体が解凍しはじめて膨張荷重が弛むと、初期の段階
では形状記憶合金配管部70の変形歪は残留している。
しかし、温度がさらに上昇してAsに到達すると、マル
テンサイト相は元の結晶方位の母相へ逆変態を開始し、
逆変態終了温度(Af)において逆変態が完了して、配
管部70(管部材51)は図3(a)に示すように、凍
結前の管径に復帰することとなる。
【0019】次に、超弾性効果を利用する場合について
説明する。超弾性効果を利用する場合はMs<θとなっ
ている必要がある。この場合も、管内の液体が凍結・膨
張すると図3(b)に示すように、形状記憶合金配管部
70(管部材51)は管径が押し広げられる向きに変形
する。Ms<θであるから、凍結温度θにおいて配管部
70は母相状態にて変形荷重を受ける。母相はその変形
荷重の向きに対して最も大きな歪をもたらす方位のバリ
アントを生成させる形で、応力誘起マルテンサイト変態
を起こす。すなわち、本来のMsよりも高温であるθに
おいてマルテンサイト相が生成するのであるが、これは
熱力学的には、マルテンサイト変態の駆動力が変形の弾
性エネルギにより補われ、見かけのMsが上昇するため
であると解釈されている。なお、本明細書において、M
s、As、Af等の変態温度はすべて、外部荷重や拘束荷
重を付加しない状態にて測定したものであると定義す
る。
【0020】上記変形は、応力誘起マルテンサイト相の
生成・成長に基づき、結晶のすべり変形を伴うことなく
進行する。この状態から気温が上昇して液体が解凍し、
荷重が弛むと、応力誘起されたマルテンサイト相は直ち
に母相への逆変態を開始し、図3(a)の状態に原形復
帰する。すなわち、荷重を除去すればマルテンサイト相
が逆変態して原形復帰するので弾性変形に類似した挙動
となり(いわゆる変態擬弾性)、しかも除荷により可逆
的に復帰する歪量が一般の金属の弾性変形と比べて相当
に大きいため、超弾性効果と称されているのである。こ
の場合、Af<θであれば、θにて膨張荷重が解消され
た時点でほぼ完全に原形復帰する形となる。他方、Af
>θであれば、θにて液体の解凍が完全に終わっても若
干のマルテンサイト相が残留しており、その後さらに温
度上昇してAfに到達した段階で、原形復帰が終了する
形となる。
【0021】上記形状記憶合金配管部70(管部材5
1)は、例えば液体が水である場合、少なくとも膨張吸
収変形が見込まれる部分において、これを構成する形状
記憶合金の逆変態終了温度Afを、基本的は凍結温度で
ある0℃から日中の気温の範囲に設定すればよく、この
範囲にて任意に変化させることができる。しかし、凍結
破壊が問題となる使用環境下では、日中の気温の上昇は
あまり望めない。この場合、Afを高く設定し過ぎる
と、気温が少し上昇したくらいでは配管部70(管部材
51)はマルテンサイト変態を起こしたままなかなか原
形に復帰せず、しかもNiTi合金等のマルテンサイト
相は比較的柔らかいので外力等に対する強度もあまり確
保できなくなる。従って、上記Afは、凍結温度である
氷点の直上温度域、具体的には0〜5℃程度の範囲にて
調整することが望ましいといえる。
【0022】なお、図1において配管1は、その全体を
形状記憶合金により構成してもよいが、一般に形状記憶
合金は高価であるから、なるべく凍結が予想される部分
あるいはその近傍に限定して使用することが経済的には
得策である。従って、図1に示すように、管継手部60
により連結された複数の管部材50にて配管を構成し、
図2(a)に示すように、それら管部材50の一部(こ
の場合、地上露出部1bにかかる3本)を形状記憶合金
管部材51とすれば、部分的に形状記憶合金にて構成さ
れた配管構造を容易に構築することが可能となる。な
お、凍結が予想される管部材50の一部のみを形状記憶
合金で構成するようにしてもよい。例えば、図2(b)
は、地上露出部1bに部分的にしかかかっていない両側
の管部材を通常の鋼製管部材52とし、中央のもののみ
を形状記憶合金管部材51とした例である。この場合、
凍結による両側の管部材52内の水の膨張は中央の管部
材51の変形により吸収することができる。
【0023】上記構成においては、形状記憶合金管部材
51を管継手部60により他の管部材あるいは部位に機
械的に接続する必要がある。この場合、管部材51の全
体(あるいは管継手部60も)を形状記憶合金にて構成
した場合、柔らかいマルテンサイト相が主体となる凍結
温度θにおいては変形を生じやすく、例えば両端の被連
結部分51a,51a(図3)が凍結時の圧力にて、接
続が弛んだり外れたりする問題を発生しうる。この場
合、被連結部分51aだけを変形しにくい別材質で構成
してもよいが、構造が複雑となるので管部材51の価格
上昇が避けがたい。
【0024】そこで、図4(a)に示すように、形状記
憶合金管部材51の全体を形状記憶合金で構成し、両端
の被連結部分51a,51aのマルテンサイト変態開始
温度Ms1を、残余の中間部分51cのマルテンサイト変
態開始温度Ms2よりも低く設定して、被連結部分51
a,51aにおけるマルテンサイト変態を相対的に起こ
りにくくしておけば、同図(b)に示すように、膨張に
よる変形がマルテンサイト変態しやすい中間部分51c
にて優先的に進むので、被連結部分51a,51aの弛
みや外れといった不具合が生じにくくなる。また、全体
を同一材質により一体形成できるので安価に製造可能と
なる。この場合、上記効果をより顕著に達成するには、
被連結部分51a,51aの逆変態終了温度Af2を−1
0℃以下に設定する一方、残余の中央部分51cの該逆
変態終了温度Af1を0〜5℃の範囲にて調整することが
望ましい。また、上記被連結部分51a,51aは、−
10〜0℃の範囲にて超弾性効果を示すように構成して
おけば、被連結部分51a,51aに膨張に伴う変形が
生じた場合でも、温度上昇に伴い原形復帰できるので一
層好都合である。なお、図4では、管継手部60は形状
記憶合金以外の材質(例えば通常の炭素鋼)により構成
している。
【0025】TiNi系合金をはじめとする形状記憶合
金の変態温度は、よく知られている通り、熱処理条件
(温度、保持時間及び冷却速度)により調整することが
できる。この場合、図5(a)に示すように、管部材5
1の全体を炉Fに挿入し、中央部分51cの変態温度が
上記条件を満足するものとなる熱処理温度T1にて加熱
した後、冷媒中に投じて急冷する(これ以降の熱処理を
施さなければ、全体の変態温度が一様な図3のタイプの
管部材51が得られる)。次いで、同図(b)に示すよ
うに、被連結部分51aのみを炉F内に挿入して、該被
連結部分51aの変態温度が上記条件を満足するものと
なる熱処理温度T2(Af1<Af2であるから、T2>T1
となる)にて局所加熱した後、同様に急冷する。これに
より、図4(a)に示すように、各部の変態温度が調整
された管部材が得られる。
【0026】また、他の方法としては、図6に示すよう
に、中央部分51cをセラミック粉末等の断熱材Iによ
り覆った状態にて管部材51を炉内に挿入し、被連結部
分51aの温度がT2、中央部分51cの温度がT1(T
2>T1)となるように同時熱処理した後、急冷するよう
にしてもよい。また、被連結部分51aのみを局所加熱
する方法としては、図7(a)に示すように、被連結部
分51aを直接通電により抵抗加熱する方法や、同図
(b)に示すように、高周波コイルCにより被連結部分
51aを誘導加熱する方法を採用してもよい。
【0027】また、図8に示すように、形状記憶合金管
部材51の一方又は双方の端部を少し拡径し、内面に雌
ねじ部51eを形成して被連結部分51a’を形成して
もよい。この被連結部分51a’の雌ねじ部51eに
は、別の管部材の被連結部分51aの雄ねじ部51bが
ねじ込まれる。すなわち、被連結部分51a’は、管継
手部に兼用されている。
【0028】以上説明した本発明の送液用配管の概念は
水道配管に限らず、ポンプ装置や温水器などの給排水設
備の周辺配管部分等にも適用可能である。
【0029】
【実施例】以下、本発明の効果を確認するために、下記
の実験を行った。まず、形状記憶合金素材として高周波
溶解により、組成56%−残TiのTiNi系合金の丸
棒を作製し、これを熱間鍛造により直径20mmの丸棒
に加工して水急冷した。この丸棒を長さ100mmに切
断し、次いでドリルにより穿孔して軸線方向に内径17
mmの貫通孔を孔設し、さらに両端部外周面に雄ねじ部
を形成して、図3に示す形状の形状記憶合金管部材51
を作製した。
【0030】そして、上記形状記憶合金管部材51を、
表1の2つの条件にて形状記憶熱処理した。なお、各管
部材51は、それぞれ2本ずつ作製・熱処理するととも
に、一方を後述の凍結耐久性試験に供する一方、他方か
らは放電加工により変態点測定用の試験片(寸法:外径
4mm×厚さ3mm)を切り出した。この試験片をDS
C(示差走査型熱量計で)冷却・加熱しながら示差熱曲
線を求め、これからMs、Mf(マルテンサイト変態終了
温度)、As、Afの各変態温度を読み取った。結果を表
1に示す。
【0031】
【表1】
【0032】なお、引張試験片を切り出して別途行った
荷重付加→除荷→加熱のサイクル試験から、1の試料は
0℃にて3%まで引張変形した後加熱することにより、
ほぼ完全に原形に復帰し、良好な形状記憶効果を示すこ
とを確認した。また、2の試料は0℃にて5%まで引張
変形させ、除荷することにより原形に弾性的復帰し、超
弾性効果を示すことを確認した。
【0033】次に、上記各形状記憶合金管部材1,2
と、比較例として上記形状記憶合金の代わりに鋳鉄(F
CD450)を使用した同形状の管部材とを用いて、凍
結耐久性試験を以下のようにして行った。まず、管部材
の一方の開口を雄ねじ部に螺合するキャップナットにて
塞ぎ、内部に水を満たして他端も同様にキャップナット
で塞いで試験品とした。そして、各試験品の外径寸法を
予め測定した後、冷凍庫内で−5℃にて24時間保持
し、内部の水を凍結させた。その後、これを室温(20
℃)に放置して解凍し、試験品の外径寸法を確認したと
ころ、形状記憶合金管部材1,2はいずれも試験前と外
径寸法がほとんど変わりなく、ほぼ原形復帰していた。
また、キャップナットの螺合状態にも異常はなかった。
一方、比較例の試験品は外径膨張が見られ、片側のキャ
ップナットは凍結時に氷に押し出されるようにして外れ
ていた。
【0034】なお、実施例の形状記憶合金管部材1,2
は、その後さらに、−5℃、15時間の冷凍保持→室温
解凍のサイクルを15回繰り返したが、いずれも外径膨
張等の永久歪や破損は全く見られなかった。
【図面の簡単な説明】
【図1】水道配管の例と凍結予想部位の説明図。
【図2】本発明に基づく水道配管のいくつかの実施例を
示す模式図。
【図3】本発明の形状記憶合金管部材の一例を作用とと
もに示す断面図。
【図4】同じくその変形例を作用とともに示す断面図。
【図5】図4の形状記憶合金管部材の製造方法の一例を
示す工程説明図。
【図6】その第一の変形例を示す工程説明図。
【図7】同じく第二の変形例を示す工程説明図。
【図8】本発明の形状記憶合金管部材のいくつかの変形
例を示す断面図。
【符号の説明】
1 水道配管(送液用配管) 50 管部材 51 形状記憶合金管部材 60 管継手部 70 形状記憶合金配管部
フロントページの続き (72)発明者 清水 孝純 愛知県一宮市大字高田字北門37番地 Fターム(参考) 3H111 AA01 BA05 DA26 DB03

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 配管の少なくとも一部を形状記憶合金配
    管部とし、管内の液体が凍結・膨張したときに前記形状
    記憶合金配管部に該膨張を吸収する向きの変形(以下、
    膨張吸収変形という)を生じさせる一方、液体の凍結・
    膨張状態が解消された場合は、前記形状記憶合金配管部
    を形状記憶効果又は超弾性効果に基づいて凍結前の形状
    にほぼ復帰させるようにしたことを特徴とする送液用配
    管。
  2. 【請求項2】 前記形状記憶合金配管部は、少なくとも
    前記膨張吸収変形が見込まれる部分において、これを構
    成する形状記憶合金の逆変態終了温度Afが0〜5℃の
    範囲にて調整されている請求項1記載の送液用配管。
  3. 【請求項3】 前記配管は、管継手部により連結された
    複数の管部材からなり、それら管部材の一部を、管長手
    方向における少なくとも中央部分が形状記憶合金で構成
    された形状記憶合金管部材とした請求項1又は2に記載
    の送液用配管。
  4. 【請求項4】 前記形状記憶合金管部材はその全体が形
    状記憶合金で構成され、両端の被連結部分の逆変態終了
    温度Af1が−10℃以下に設定される一方、残余の中央
    部分の逆変態終了温度Af2が0〜5℃の範囲にて調整さ
    れている請求項3記載の送液用配管。
  5. 【請求項5】 前記形状記憶合金管部材の前記被連結部
    分は、−10〜0℃の範囲にて超弾性効果を示すものと
    されている請求項4記載の送液用配管。
  6. 【請求項6】 送液用配管を形成するための管部材であ
    って、少なくとも管長手方向における少なくとも中央部
    分が形状記憶合金で構成され、管内の液体が凍結・膨張
    したときは該膨張を吸収する向きに変形(以下、膨張吸
    収変形という)する一方、液体の凍結・膨張状態が解消
    された場合は、自身の有する形状記憶効果又は超弾性効
    果に基づいて凍結前の形状にほぼ復帰することを特徴と
    する管部材。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2013500864A (ja) * 2009-08-07 2013-01-10 イノベーティブ プロセッシング テクノロジーズ インコーポレーテッド 形状記憶材料を含む材料の加工方法およびその装置

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