JP2000088045A - ダイナミックダンパ装置 - Google Patents

ダイナミックダンパ装置

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JP2000088045A
JP2000088045A JP10261900A JP26190098A JP2000088045A JP 2000088045 A JP2000088045 A JP 2000088045A JP 10261900 A JP10261900 A JP 10261900A JP 26190098 A JP26190098 A JP 26190098A JP 2000088045 A JP2000088045 A JP 2000088045A
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dynamic damper
vibrating body
rotation
weight
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JP10261900A
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Shingo Nagamine
晋吾 永峰
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Honda Motor Co Ltd
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Honda Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 振動体に別の振動を付加し、その共振に
より振動体の振動を減衰させるダイナミックダンパ装置
において、ダイナミックダンパ装置25を、電動モータ
6と、この電動モータ6の回転軸11に取付けた偏心マ
ス8と、電動モータ6の回転を制御する回転制御手段2
2とから構成した。 【効果】 ダイナミックダンパ装置を安価に構成するこ
とができるとともに、回転制御手段により電動モータの
回転を制御することで任意の周波数の振動を発生させる
ことができ、この振動で任意の周波数の振動を減衰させ
ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はダイナミックダンパ
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図15は従来のダイナミックダンパ装置
の断面図であり、ダイナミックダンパ100は、ベース
101と、このベース101にラバー102を介して結
合した円筒部材103と、この円筒部材103に巻いた
コイル104と、このコイル104に通電するための導
線105と、前記ベース101にラバー102を介して
結合したウエイト部材106と、このウエイト部材10
6に取付けるとともに、上記コイル104の径外方及び
径内方に配置したマグネット107,108とからな
る。
【0003】図16(a),(b)は従来のダイナミッ
クダンパ装置の作用図である。(a)において、コイル
104に通電すると、コイル104によって磁界が発生
し、この磁界中のマグネット107,108に、例え
ば、上向きの力が発生し、ウエイト部材106は円筒部
材103に対して上方に移動する。これに伴って、ダイ
ナミックダンパ100を取付けた振動体110には上記
した上向きの力に対する反力が下向きに発生する。
【0004】(b)において、コイル104に(a)と
反対の向きに通電すると、コイル104によって磁界が
発生し、この磁界中のマグネット107,108に下向
きの力が発生し、ウエイト部材106は円筒部材103
に対して下方に移動する。
【0005】これに伴って、ダイナミックダンパ100
を取付けた振動体110には上記した下向きの力に対す
る反力が上向きに発生する。以上のような(a)と
(b)を繰り返すことで、例えば、振動体110で発生
した振動を打ち消す方向にダンナミックダンパ100で
振動を発生させると、振動体110の振動を減衰させる
ことが可能になる。(特開平10−38020号公報参
照)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記技術では、ベース
101にラバー102を介して円筒部材103とウエイ
ト部材106の両方を取付ける構造であるため、ラバー
102を成形するのに複雑な形状の型が必要となり、コ
ストが高くつく。
【0007】また、ダイナミックダンパ100は上下方
向の振動しか抑制することができないため、振動抑制の
方向を変えるには、振動体110への取付け方向を変え
る必要がある。そこで、本発明の目的は、構造が簡単
で安価に製造できる、構造が簡単でしかも振動抑制の
方向を変えられる、ダイナミックダンパ装置を提供する
ことにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明の請求項1は、振動体に別の振動を付加し、そ
の共振により振動体の振動を減衰させるダイナミックダ
ンパ装置において、ダイナミックダンパ装置を、電動モ
ータと、この電動モータの回転軸に取付けた偏心マス
と、電動モータの回転を制御する回転制御手段とから構
成した。
【0009】これによれば、ダイナミックダンパ装置を
安価に構成することができるとともに、回転制御手段に
より電動モータの回転を制御することで任意の周波数の
振動を発生させることができ、この振動で任意の周波数
の振動を減衰させることができる。
【0010】請求項2は、振動体に電動モータを弾性部
材を介して取付け、電動モータの回転軸を原点とし、回
転軸に直交する面上にx軸とこのx軸に直交するy軸と
を設定したときに、弾性部材を、x軸方向のばね定数を
小さく、y軸方向のばね定数を大きくした。これによれ
ば、電動モータから振動体にy軸方向の振動が伝わり、
振動体のy軸方向の振動を減衰させることができる。
【0011】請求項3は、振動体に別の振動を付加し、
その共振により振動体の振動を減衰させるダイナミック
ダンパ装置において、このダイナミックダンパ装置を、
一対の電動モータと、これらの電動モータのそれぞれの
回転軸に連結した平行な一対の支軸と、これらの支軸に
それぞれ取付けた偏心マスと、前記一対の電動モータの
回転を制御する回転制御手段とから構成した。
【0012】これによれば、ダイナミックダンパ装置を
安価に構成することができるとともに、回転制御手段に
より一対の電動モータの回転を制御することで、一対の
偏心マスに働く遠心力を合成して合力として作用させる
ことができるとともに、その合力の方向を変更して振動
の方向を変更することができ、回転軸と直交する面上の
任意方向の振動体の振動を減衰させることができる。
【0013】請求項4は、回転制御手段を、一対の電動
モータの回転数を同一に、且つ回転方向を逆に制御する
ものとした。これによれば、一対の偏心マスに働く遠心
力の合力を一定方向に設定することで振動の方向を一定
方向にすることができ、振動体の一定方向の振動を減衰
させることができる。
【0014】請求項5は、回転制御手段を、一方の偏心
マスの回転角位相を他方の偏心マスの回転角位相に対し
て調整する位相調整機能を備えたものとした。これによ
れば、一方又は両方の電動モータの回転を回転制御手段
で制御することにより、それぞれの偏心マスに働く遠心
力の合力の方向を変更することができ、振動の方向を変
更することで回転軸と直交する面上の任意方向の振動体
振動を減衰させることができる。また、電動モータの運
転中(即ち、ダイナミックダンパ装置の作動中)に、振
動体の振動の減衰方向を任意に変更できる。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を添付図に基
づいて以下に説明する。なお、図面は符号の向きに見る
ものとする。図1は本発明に係るダイナミックダンパ装
置の第1の実施の形態の斜視図であり、ダイナミックダ
ンパ装置を構成するダイナミックダンパを示す。ダイナ
ミックダンパ1は、車両の駆動系等の振動体に取付ける
ためのベース2と、このベース2に弾性部材としてのマ
ウンティングラバー3を介して取付け、上記振動体の振
動と逆位相の振動を発生させることで振動体に対する制
振機能を発揮する振動発生部4とからなる。
【0016】振動発生部4は、載置台5と、この載置台
5に載せた電動モータ6及びフレーム部材7と、このフ
レーム部材7内に回転可能に取付けるとともに電動モー
タ6の回転軸6aに連結した偏心マスとしてのウエイト
8とからなる。なお、9は振動発生部4を覆うカバーで
ある。
【0017】図2は本発明に係るダイナミックダンパ装
置の第1の実施の形態の正面図であり、ダイナミックダ
ンパ1のウエイト8を支軸11に偏心させて取付けたこ
とを示す。マウンティングラバー3は、水平方向のばね
定数を小さく、鉛直方向(厚さ方向)のばね定数を大き
くすることで、振動発生部4からベース2へ水平方向の
振動が伝わらないようにするとともに、振動発生部4か
らベース2へ鉛直方向の振動を伝えるものである。即
ち、電動モータ6の回転軸6aと同軸の支軸11に直交
する平面(紙面)上に、例えば、水平方向にx軸、この
x軸に直交する鉛直方向にy軸を設定したときに、マウ
ンティングラバー3は、x軸方向のばね定数を小さく、
y軸方向のばね定数を大きくしたものである。
【0018】図3は図1の3−3線断面図であり、フレ
ーム部材7に支軸11をベアリング12,13を介して
回転可能に取付け、この支軸11に形成したセレーショ
ン軸部11aにウエイト8に形成したセレーション穴部
8aを嵌合し、支軸11の端部に電動モータ6の回転軸
6aを継手14で同軸に連結したことを示す。なお、1
5はウエイト8の移動を規制するカラー、16はベアリ
ング13を押さえるベアリング押さえ、17…(…は複
数個を示す。以下同様。)はフレーム部材7を載置台5
に取付けるためのボルト、18…は電動モータ6を載置
台5に取付けるためのボルトである。
【0019】図4は本発明に係るダイナミックダンパ装
置(第1の実施の形態)を取付けた車両の平面図であ
り、車体Bの、例えば車室の床面に振動センサ21を取
付け、また、車体Bの、例えばエンジンEを載せるサブ
フレームFにダイナミックダンパ1を、支軸11(図3
参照)を車体Bの左右方向に水平に向けて取付け、振動
センサ21で検知した振動の信号VSを回転制御手段2
2に送り、この回転制御手段22からダイナミックダン
パ1に回転制御信号RSを送ることを示す。
【0020】振動センサ21は、例えば、床面の上下方
向の振動を検知するものである。回転制御手段22は、
予めエンジンEで各回転毎に発生する振動と振動センサ
21を取付けた床面の振動との関係特性をマップとして
備え、この関係特性に従って、振動の信号VSからダイ
ナミックダンパ1の電動モータ6(図3参照)の回転数
(振動の周波数)及び回転角位相(振動の位相)を求
め、サブフレームFから車体Bの床面に伝わる振動が小
さくなるように、電動モータ6の回転を制御してサブフ
レームFの振動を小さくするものであり、結果的に、床
面を介して乗員が感じる振動を減衰させる。
【0021】上記した振動センサ21は、ダイナミック
ダンパ1を取付けたサブフレームFに取付けてもよい。
この場合には、回転制御手段22は、振動センサ21が
検知した振動の信号VSに基づいて、検知した振動の振
動数に対応する電動モータ6の回転数と、検知した振動
の位相に対して逆位相となる電動モータ6の回転角位相
とを求め、電動モータ6の回転を制御する。この時、振
動センサ21の振動の信号VSの代わりに、図示せぬエ
ンジンコントロールユニットから出力される回転数信
号、クランク角信号を回転制御手段22で受けて電動モ
ータ6を制御してもよい。
【0022】ダイナミックダンパ1と、振動センサ21
と、回転制御手段22とでダイナミックダンパ装置25
を構成する。なお、31,31はストラット、32,3
2は前輪、33,33はシート、34はハンドルであ
る。
【0023】以上に述べたダイナミックダンパ装置25
の作用を次に説明する。図5(a)〜(e)は本発明に
係るダイナミックダンパ装置の第1の実施の形態の作用
を説明する作用図である。(a)は、ダイナミックダン
パ1を振動体Vに取付けた状態を示す。ここで、支軸1
1を○、ウエイト8の重心Gを●とする。
【0024】(b)において、電動モータ6を作動さ
せ、ウエイト8を時計回りに一定角速度ωで回転させ
る。ウエイト8の重心Gが支軸11に対して時計の3時
の位置に来ると、重心Gには右向きに遠心力Fが働く。
【0025】この時、重心Gに作用するウエイト8の質
量をmとすると、 F=m・r・ω2 となる。上記遠心力Fにより、振動発生部4は右側に変
位するが、マウンティングラバー3の水平方向のばね定
数は小さいため、上記変位はマウンティングラバー3で
吸収され、ベース2及びベース2を取付けた振動体Vに
伝わらない。従って、上記遠心力Fは振動体Vに作用し
ない。
【0026】(c)において、ウエイト8の重心Gが時
計の6時の位置に来ると、重心Gには下向きに遠心力F
が働く。マウンティングラバー3の鉛直方向のばね定数
は大きいため、上記遠心力Fは、振動発生部4からマウ
ンティングラバー3、ベース2を介して振動体Vに伝わ
る。この時、例えば、振動体Vが上向きに変位しようと
すれば、この振動体Vの変位しようとする力と上記遠心
力とが打ち消し合い、振動体Vの振動を減衰させること
ができる。
【0027】(d)において、ウエイト8の重心Gが時
計の9時の位置に来ると、重心Gには左向きに遠心力F
が働く。これにより、振動発生部4は左側に変位する
が、マウンティングラバー3の水平方向のばね定数は小
さいため、上記変位はマウンティングラバー3で吸収さ
れ、ベース2及びベース2を取付けた振動体Vに伝わら
ない。従って、上記遠心力Fは振動体Vに作用しない。
【0028】(e)において、ウエイト8の重心Gが時
計の12時の位置に来ると、重心Gには上向きに遠心力
Fが働く。マウンティングラバー3の鉛直方向のばね定
数は大きいため、上記遠心力Fは、振動発生部4からマ
ウンティングラバー3、ベース2を介して振動体Vに作
用する。
【0029】この時、例えば、振動体Vが下向きに変位
しようとすれば、この振動体Vの変位しようとする力と
上記遠心力とが打ち消し合い、振動体Vの振動を減衰さ
せることができる。このように、振動発生部4とベース
2との間にマウンティングラバー3を介設することで、
ダイナミックダンパ装置25で振動体Vの上下振動を減
衰させることができる。
【0030】図6は本発明に係るダイナミックダンパ装
置の第2の実施の形態の正面図であり、ダイナミックダ
ンパ装置を構成するダイナミックダンパを示す。なお、
第1の実施の形態と同一構成については同一符号を付
け、説明を省略する。ダイナミックダンパ40は、振動
体V(図5(a)参照)に取付けるためのベース41
と、このベース41に取付けた制振機能を発揮する振動
発生部42とからなる。
【0031】振動発生部42は、ベース41に取付けた
載置台43と、この載置台43に載せた一対の電動モー
タ6,6及びフレーム部材44と、このフレーム部材4
4内に回転可能に収納した一対のウエイト8,8と、フ
レーム部材44の前部に取付けた一対の回転角検出器4
5,45とからなる。ウエイト8,8は、平行となるよ
うに配置した支軸46,46にそれぞれ偏心させて取付
けたものである。ここで、47は振動発生部42を覆う
カバーである。
【0032】図7は図6の7−7線断面図であり、フレ
ーム部材44に支軸46をベアリング12,13を介し
て回転可能に取付け、この支軸46に形成したセレーシ
ョン軸部46aにウエイト8に形成したセレーション穴
部8aを嵌合し、支軸46の端部に電動モータ6の回転
軸6aを継手14で連結し、支軸46の前端に上記した
回転角検出器45の図示せぬ回転検出軸を連結したこと
を示す。なお、他方の電動モータ6側も同様な構成を有
する。
【0033】図8は本発明に係るダイナミックダンパ装
置の第2の実施の形態の制御ブロック図である。ダイナ
ミックダンパ装置50は、支軸46,46(図7参照)
を車体B(図4参照)の左右方向に且つ水平に向けて配
置したダイナミックダンパ40と、車体上下方向の振動
を検知する第1振動センサ51と、車体前後方向の振動
を検知する第2振動センサ52と、回転制御手段として
の回転制御部53とからなる。
【0034】回転制御部53は、第1・第2振動センサ
51,52からの振動の信号VS1,VS2に基づいて
振動の周波数分析を行い、各周波数における振動のレベ
ルを求める周波数分析手段54と、この周波数分析手段
54からの分析情報AIに基づいて特定周波数の位相を
解析する位相解析手段55と、この位相解析手段55か
らの位相信号PS及び回転角検出器45A,45B(回
転角検出器45,45を、便宜上、回転角検出器45
A,45Bとして区別する。)からの回転角信号AS
1,AS2に基づいて、電動モータ6A,6B(電動モ
ータ6,6を、便宜上、電動モータ6A,6Bとして区
別する。)の回転数及び回転角位相を求める演算手段5
6とからなる。
【0035】更に、回転制御部53は、上記した演算手
段56からの演算結果CR1に基づいて電動モータ6A
に制御信号CS1を送り回転を制御する第1モータ制御
手段57と、演算手段56からの演算結果CR2に基づ
いて電動モータ6Bに制御信号CS2を送り回転を制御
する第2モータ制御手段58とからなる。
【0036】以上に述べたダイナミックダンパ装置50
の作用を次に説明する。図9(a)〜(e)は本発明に
係るダイナミックダンパ装置の第2の実施の形態の作用
を説明する作用図(第1作用図)である。(a)は、ダ
イナミックダンパ40を振動体Vに取付けた状態を示
す。ここで、支軸46A,46B(支軸46,46を、
便宜上、支軸46A,46Bとして区別する。)を○、
ウエイト8A,8B(ウエイト8,8を便宜上、ウエイ
ト8A,8Bとして区別する。)の重心GA,GBを●
とする。まず、ウエイト8Aの重心GAの初期位置を支
軸46Aに対して時計の9時の位置に調整し、ウエイト
8Bの重心GBの初期位置を支軸46Bに対して時計の
3時の位置に調整する。
【0037】(b)において、電動モータを作動させ、
ウエイト8Aを反時計回りに一定角速度ωで回転させ、
ウエイト8Bを時計回りに一定角速度−ωで回転させ
る。ウエイト8Aの重心GAが時計の6時の位置に来る
と、重心GAには下向きに遠心力Fが働く。ここで、 F=m・r・ω である。
【0038】また、ウエイト8Bの重心GBもウエイト
8Aの重心GAと同じタイミングで時計の6時の位置に
来るため、重心GBにも下向きに遠心力Fが働く。ここ
で、 F=m・r・(−ω)=m・r・ω2 である。
【0039】これにより、2×Fの力が、振動発生部4
2からベース41を介して振動体Vに伝わる。この時、
例えば、振動体Vが上向きに変位しようとすれば、この
振動体Vの変位しようとする力と上記2×Fの力とが打
ち消し合い、振動体Vの振動を減衰させることができ
る。
【0040】(c)において、ウエイト8Aの重心GA
が時計の3時の位置に来ると、重心GAには右向きに遠
心力Fが働く。また、ウエイト8Bの重心GBはウエイ
ト8Aの重心GAと同じタイミングで時計の9時の位置
に来るため、重心GBには左向きに遠心力Fが働く。こ
の時、重心GAに働く遠心力Fと重心GBに働く遠心力
Fとは方向が逆で且つ大きさが同じなので、打ち消し合
い、振動発生部42から振動体Vに力が作用しない。
【0041】(d)において、ウエイト8Aの重心GA
が時計の12時の位置に来ると、重心GAには上向きに
遠心力Fが働く。また、ウエイト8Bの重心GBもウエ
イト8Aの重心GAと同じタイミングで時計の12時の
位置に来るため、重心GBにも上向きに遠心力Fが働
く。
【0042】これにより、2×Fの力が、振動発生部4
2からベース41を介して振動体Vに作用する。この
時、例えば、振動体Vが下向きに変位しようとすれば、
この振動体Vの変位しようとする力と上記2×Fの力と
が打ち消し合い、振動体Vの振動を減衰させることがで
きる。
【0043】(e)において、ウエイト8Aの重心GA
が時計の9時の位置に来ると、重心GAには左向きに遠
心力Fが働く。また、ウエイト8Bの重心GBはウエイ
ト8Aの重心GAと同じタイミングで時計の3時の位置
に来るため、重心GBには右向きに遠心力Fが働く。こ
の時、重心GAに働く遠心力Fと重心GBに働く遠心力
Fとは方向が逆で且つ大きさが同じなので、打ち消し合
い、振動発生部42から振動体Vに力が作用しない。
【0044】上記した(b),(d)は、車体の上下方
向の振動減衰作用を示すものである。このように、図8
に示した回転制御部53を、一対の電動モータ6A,6
Bの回転数を同一に、且つ回転方向を逆に制御するもの
としたことにより、一対のウエイト8A,8Bに働く遠
心力の合力を一定方向に設定することで振動の方向を一
定方向にすることができ、振動体の一定方向の振動を減
衰させることができる。
【0045】図10(a)〜(e)は本発明に係るダイ
ナミックダンパ装置の第2の実施の形態の作用を説明す
る作用図(第2作用図)である。(a)において、ま
ず、ウエイト8Aの重心GAの初期位置を時計の6時の
位置に調整し、ウエイト8Bの重心GBの初期位置を時
計の3時の位置に調整する。
【0046】(b)において、電動モータを作動させ、
ウエイト8Aを反時計回りに一定角速度ωで回転させ、
ウエイト8Bを時計回りに一定角速度−ωで回転させ
る。ウエイト8Aの重心GAが支軸46Aの右下斜め4
5°の位置に来ると、重心GAには右下斜め45°方向
に遠心力Fが働く。
【0047】また、ウエイト8Bの重心GBもウエイト
8Aの重心GAと同じタイミングで支軸46Bの右下斜
め45°の位置に来るため、重心GBには右下斜め45
°方向に遠心力Fが働く。これにより、右下斜め45°
方向で且つ2×Fの力が、振動発生部42からベース4
1を介して振動体Vに伝わる。この時、例えば、振動体
Vが左上斜め45°方向に変位しようとすれば、この振
動体Vの変位しようとする力と上記2×Fの力とが打ち
消し合い、振動体Vの左上がり斜め45°方向の振動を
減衰させることができる。
【0048】(c)において、ウエイト8Aの重心GA
が支軸46Aの右上斜め45°の位置に来ると、重心G
Aには右上斜め45°方向に遠心力Fが働く。また、ウ
エイト8Bの重心GBはウエイト8Aの重心GAと同じ
タイミングで支軸46Bの左下斜め45°の位置に来る
ため、重心GBには左下斜め45°方向に遠心力Fが働
く。この時、重心GAに働く遠心力Fと重心GBに働く
遠心力Fとは方向が逆で且つ大きさが同じなので、打ち
消し合い、振動発生部42から振動体Vに力が作用しな
い。
【0049】(d)において、ウエイト8Aの重心GA
が支軸46Aの左上斜め45°の位置に来ると、重心G
Aには左上斜め45°方向に遠心力Fが働く。また、ウ
エイト8Bの重心GBもウエイト8Aの重心GAと同じ
タイミングで支軸46Bの左上斜め45°の位置に来る
ため、重心GBには左上斜め45°方向に遠心力Fが働
く。
【0050】これにより、左上斜め45°方向で且つ2
×Fの力が、振動発生部42からベース41を介して振
動体Vに作用する。この時、例えば、振動体Vが右下斜
め45°方向に変位しようとすれば、この振動体Vの変
位しようとする力と上記2×Fの力とが打ち消し合い、
振動体Vの左上がり斜め45°方向の振動を減衰させる
ことができる。
【0051】(e)において、ウエイト8Aの重心GA
が支軸46Aの左下斜め45°の位置に来ると、重心G
Aには左下斜め45°方向に遠心力Fが働く。また、ウ
エイト8Bの重心GBはウエイト8Aの重心GAと同じ
タイミングで支軸46Bの右上斜め45°の位置に来る
ため、重心GBには右上斜め45°方向に遠心力Fが働
く。この時、重心GAに働く遠心力Fと重心GBに働く
遠心力Fとは方向が逆で且つ大きさが同じなので、打ち
消し合い、振動発生部42から振動体Vに力が作用しな
い。
【0052】このように、一対のウエイト8A,8Bの
角速度を方向が逆で且つ大きさを同じにし、しかも回転
角位相に差を持たせることができるので、振動発生部4
2の振動方向を支軸46A,46Bに直交する平面内で
任意に設定することができ、振動体Vに発生する上記平
面内の任意の方向の振動を減衰させることができる。ま
た、電動モータの運転中に、振動体Vの振動の減衰方向
を任意に変更することができ、エンジンE(図4参照)
の回転数により変化する振動体の振動周波数に応じて迅
速にその振動を減衰させることができる。
【0053】図10では、振動体Vの左上、右下の斜め
45゜方向の振動を減衰させたが、一対のウエイト8
A,8Bの回転角位相差を適当に設定することで、図1
0で説明したのと同様に、図8における車体前後方向の
振動も減衰させることができる。
【0054】図11は本発明に係るダイナミックダンパ
装置の第3の実施の形態の断面図であり、第1・第2の
実施の形態と同一構成については同一符号を付け、説明
を省略する。ダイナミックダンパ60は、振動体Vに取
付けるベース61と、このベース61に載せた回転体収
納部62及び回転体収納部62の両側に配置した一対の
電動モータ63A,63Bと、これらの電動モータ63
A,63Bの回転軸6a,6aの回転角を検出する回転
角検出器45,45とからなる。なお、45a,45a
は回転角検出器45,45を支えるステーである。
【0055】回転体収納部62は、ハウジング64と、
このハウジング64内に回転可能に収納した偏心マスと
しての第1ウエイト65Aと、この第1ウエイト65A
の端部にスプライン結合した支軸としての中継軸66
と、上記第1ウエイト65A内に支軸67で回転可能に
支持するとともに、支軸67にセレーション結合した偏
心マスとしての第2ウエイト65Bとからなる。第1ウ
エイト65Aと第2ウエイト65Bとは、支軸67の中
心線CLを回転中心とし、中心線CLに対してそれぞれ
偏心させたものである。
【0056】ハウジング64は、ハウジング本体64a
に右側分割部64bを着脱可能に取付けたものである。
第1ウエイト65Aは、ウエイト本体65aに右側分割
体65bを着脱可能に取付けたものであり、ウエイト本
体65aの端部にスプライン穴部65cを備える。第1
ウエイト65Bは、セレーション穴部65dを有する。
【0057】中継軸66は、一端に第1ウエイト65A
のスプライン穴部65cに嵌合するスプライン軸部66
aを備え、他端を継手14を介して電動モータ63Aの
回転軸6aに連結するものである。支軸67は、第2ウ
エイト65Bのセレーション穴部65dに嵌合するセレ
ーション軸部67aを有し、端部を継手14を介して電
動モータ63Bの回転軸6aに連結するものである。こ
こで、71,72,73,74はベアリング、75は第
2ウエイト65Bの移動を規制するカラーである。
【0058】第1ウエイト65Aの重心をGPA、この
重心GPAに作用する第1ウエイト65Aの質量をm
1、支軸67の中心線CLから重心GPAまでの距離を
r1、第1ウエイト65Aの角速度をω、第2ウエイト
65Bの重心をGPB、この重心GPBに作用する第2
ウエイト65Bの質量をm2、中心線CLから重心GP
Bまでの距離をr2、第2ウエイト65Bの角速度を−
ω(即ち、第1ウエイト65Aと回転数が同一で、回転
方向が逆である。)とすると、第1ウエイト65Aの重
心GPAに働く遠心力FAは、 FA=m1・r1・ω2‥‥‥(1) また、第2ウエイト65Bの重心GPBに働く遠心力F
Bは、 FB=m2・r2・(−ω)2‥‥‥(2)
【0059】第1ウエイト65Aの遠心力FAと第2ウ
エイト65Bの遠心力FBとを等しくすると、 FA=FB 従って、上記(1)式及び(2)式より、 m1・r1・ω2=m2・r2・(−ω)2
【0060】即ち、m1,r1,m2,r2には、 m1・r1=m2・r2 の関係がある。また、重心GPAと重心GPBとは、共
に支軸67に直交する同一平面上にある。
【0061】この第3の実施の形態は、2個のウエイト
を有する図8に示した第2の実施の形態の第1・第2振
動センサ51,52及び回転制御部53を備えることで
ダイナミックダンパ装置78(図11参照)を構成す
る。このダイナミックダンパ装置78の作用は、図9,
図10に示した第2の実施の形態の作用と同様である。
【0062】図11において、第1ウエイト65Aの回
転中心と第2ウエイト65Bの回転中心とを同一の中心
線CLとしたので、第1ウエイト65Aの遠心力FAと
第2ウエイト65Bの遠心力FBとが回転中心CLから
それぞれ外方へ向かうように作用するため、これらの遠
心力FA,FBによる偶力は発生しない。
【0063】図12は本発明に係るダイナミックダンパ
装置の第4の実施の形態の正面図であり、ダイナミック
ダンパ装置を構成するダイナミックダンパを示す。な
お、第1〜第3の実施の形態と同一構成については同一
符号を付け、説明を省略する。ダイナミックダンパ80
は、振動体に取付けるためのベース81と、このベース
81にマウンティングラバー82を介して取付けた制振
機能を発揮する振動発生部42とからなる。
【0064】マウンティングラバー82は、水平方向の
ばね定数を小さく、鉛直方向(厚さ方向)のばね定数を
大きくすることで、振動発生部42からベース81へ水
平方向の振動が伝わらないようにするとともに、振動発
生部42からベース81へ鉛直方向の振動を伝えるもの
である。
【0065】即ち、両方の支軸46,46に直交する平
面(紙面)上に、例えば、水平方向にx軸、このx軸に
直交する鉛直方向にy軸を設定したときに、マウンティ
ングラバー82は、x軸方向のばね定数を小さく、y軸
方向のばね定数を大きくしたものである。
【0066】この第4の実施の形態は、2個のウエイト
を有する図8に示した第2の実施の形態の第1・第2振
動センサ51,52及び回転制御部53を備えることで
ダイナミックダンパ装置88を構成する。
【0067】以上に述べたダイナミックダンパ装置88
の作用を次に説明する。図13は本発明に係るダイナミ
ックダンパ装置の第4の実施の形態の作用を説明する作
用図(第1作用図)である。(a)は、ウエイト8A,
8Bの重心GA,GBの位置が、第2の実施の形態の作
用を説明した図9(a),(b)と同じ位置にある状態
を示すものである。
【0068】即ち、ウエイト8Aの重心GAの初期位置
を時計の9時の位置に調整し、ウエイト8Bの重心GB
の初期位置を時計の3時の位置に調整した状態から、電
動モータを作動させ、ウエイト8Aを反時計回りに一定
角速度ωで回転させ、ウエイト8Bを時計回りに一定角
速度−ωで回転させる。
【0069】ウエイト8Aの重心GAが時計の6時の位
置に来ると、重心GAには下向きに遠心力Fが働く。ま
た、ウエイト8Bの重心GBもウエイト8Aの重心GA
と同じタイミングで時計の6時の位置に来るため、重心
GBには下向きに遠心力Fが働く。
【0070】マウンティングラバー82の鉛直方向のば
ね定数は大きいため、2×Fの力が、振動発生部42か
らマウンティングラバー82及びベース81を介して振
動体Vに伝わる。この時、例えば、振動体Vが上向きに
変位しようとすれば、この振動体Vの変位しようとする
力と上記2×Fの力とが打ち消し合い、振動体Vの振動
を減衰させることができる。
【0071】(b)において、ウエイト8Aの重心GA
が時計の12時の位置に来ると、重心GAには上向きに
遠心力Fが働く。また、ウエイト8Bの重心GBもウエ
イト8Aの重心GAと同じタイミングで時計の12時の
位置に来るため、重心GBには上向きに遠心力Fが働
く。
【0072】これにより、2×Fの力が、振動発生部4
2からマウンティングラバー82及びベース81を介し
て振動体Vに作用する。この時、例えば、振動体Vが下
向きに変位しようとすれば、この振動体Vの変位しよう
とする力と上記2×Fの力とが打ち消し合い、振動体V
の振動を減衰させることができる。なお、重心GAと重
心GBとに方向が反対の遠心力Fが作用する場合には、
それぞれの遠心力Fが打ち消し合い、振動発生部42か
ら振動体Vに力が作用しない。
【0073】図14は本発明に係るダイナミックダンパ
装置の第4の実施の形態の作用を説明する作用図(第2
作用図)である。(a)は、ウエイト8A,8Bの重心
GA,GBの位置が、第2の実施の形態の作用を説明し
た図10(a),(b)と同じ位置にある状態を示すも
のである。
【0074】即ち、ウエイト8Aの重心GAの初期位置
を時計の6時の位置に調整し、ウエイト8Bの重心GB
の初期位置を時計の3時の位置に調整した状態から、電
動モータ6A,6B(図8参照)を作動させ、ウエイト
8Aを反時計回りに一定角速度ωで回転させ、ウエイト
8Bを時計回りに一定角速度−ωで回転させる。
【0075】ウエイト8Aの重心GAが、例えば、支軸
46Aの右下斜め45°の位置に来ると、重心GAには
右下斜め45°方向に遠心力Fが働く。この遠心力Fの
上下方向の成分はF・sin45°である。また、ウエ
イト8Bの重心GBもウエイト8Aの重心GAと同じタ
イミングで支軸46Bの右下斜め45°の位置に来るた
め、重心GBには右下斜め45°方向に遠心力Fが働
く。この遠心力Fの上下方向の成分もF・sin45°
である。
【0076】これにより、上下方向で且つ2×F・si
n45°の力が、振動発生部42からマウントラバー8
2及びベース81を介して振動体Vに伝わる。一方、重
心GA,GBに働く遠心力Fの水平方向の成分は、それ
ぞれF・cos45°であり、両方で2×F・cos4
5°となるが、マウンティングラバー82の水平方向の
ばね定数は小さいため、この2×F・cos45°の力
はマウンティングラバー82で吸収され、振動体Vに伝
わらない。この時、例えば、振動体Vが上向きに変位し
ようとすれば、この振動体Vの変位しようとする力と上
記2×F・sin45゜の力とが打ち消し合い、振動体
Vの振動を減衰させることができる。
【0077】(b)において、ウエイト8Aの重心GA
が支軸46Aの左上斜め45°の位置に来ると、重心G
Aには左上斜め45°方向に遠心力Fが働く。この遠心
力Fの上下方向の成分はF・sin45°である。ま
た、ウエイト8Bの重心GBもウエイト8Aの重心GA
と同じタイミングで支軸46Bの左上斜め45°の位置
に来るため、重心GBには左上斜め45°方向に遠心力
Fが働く。この遠心力Fの上下方向の成分もF・sin
45°である。
【0078】これにより、上下方向で且つ2×F・si
n45°の力が、振動発生部42からマウントラバー8
2及びベース81を介して振動体Vに作用する。一方、
重心GA,GBに働く遠心力Fの水平方向の成分は、そ
れぞれF・cos45°であり、両方で2×F・cos
45°となるが、マウンティングラバー82の水平方向
のばね定数は小さいため、この2×F・cos45°の
力はマウンティングラバー82で吸収され、振動体Vに
作用しない。
【0079】この時、例えば、振動体Vが下向きに変位
しようとすれば、この振動体Vの変位しようとする力と
上記2×F・sin45゜の力とが打ち消し合い、振動
体Vの振動を減衰させることができる。なお、重心GA
と重心GBとに方向が反対の遠心力Fが作用する場合に
は、それぞれの遠心力Fが打ち消し合い、振動発生部4
2から振動体Vに力が作用しない。
【0080】このように、振動発生部42とベース81
との間にマウンティングラバー82を介設するととも
に、ウエイト8Aとウエイト8Bとに回転角位相差を設
けることで、ダイナミックダンパ80での上下方向の起
振力を2×F、2×F・sin45°というように変更
することができる。
【0081】換言すると、ウエイト8Aとウエイト8B
との回転角位相を変更することにより、ダイナミックダ
ンパ80の上下方向の起振力を変更することができ、振
動体Vの振動のレベルに応じた起振力(制振力)を発生
させることで振動体Vの振動を精度良く減衰させること
ができる。
【0082】尚、図1に示した第1の実施の形態のマウ
ンティングラバー3は、ベース2と振動発生部4との間
に介設したものであるが、振動発生部4の上下にそれぞ
れマウンティングラバー3を設け、これらのマウンティ
ングラバー3,3の更に上下に一体的にしたベース2,
2を設けてもよい。また、図12に示した第4の実施の
形態のマウンティングラバー82についても、振動発生
部42の上下にそれぞれ設けてもよく、これらのマウン
ティングラバー82,82の更に上下に一体的にしたベ
ース81,81を設けてもよい。
【0083】更に、第2の実施の形態では、図6〜図8
に示したように、支軸46,46を車体Bの左右方向に
且つ水平に向けて、一対のウエイト8,8を鉛直面内で
回転させ、制振の方向を車体Bの上下方向と前後方向と
に設定したが、支軸46,46を鉛直方向に向けて、一
対のウエイト8,8を水平面内で回転させ、制振の方向
を車体Bの前後方向と左右方向とに設定してもよい。
【0084】更にまた、図6に示した第2の実施の形態
及び図12に示した第4の実施の形態では、一対の電動
モータ6,6を用いたが、1台の電動モータ6で歯車、
チェーン、ベルト等を介して一対のウエイト8,8を回
転させてもよい。また更に、第2〜第4の実施の形態で
は、電動モータの回転軸にウエイトの支軸を同軸に配置
したが、同軸に配置しなくてもよい。更に、第1〜第4
の実施の形態では、電動モータの回転軸に支軸を介して
ウエイトを取付けたが、電動モータの回転軸に直接ウエ
イトを取付けてもよい。
【0085】
【発明の効果】本発明は上記構成により次の効果を発揮
する。請求項1のダイナミックダンパ装置は、ダイナミ
ックダンパ装置を、電動モータと、偏心マスと、回転制
御手段とから構成したので、ダイナミックダンパ装置を
安価に構成することができるとともに、回転制御手段に
より電動モータの回転を制御することで任意の周波数の
振動を発生させることができ、この振動で振動体の任意
の周波数の振動を減衰させることができる。
【0086】請求項2のダイナミックダンパ装置は、振
動体に電動モータを弾性部材を介して取付け、弾性部材
を、x軸方向のばね定数を小さく、y軸方向のばね定数
を大きくしたので、電動モータから振動体にy軸方向の
振動が伝わり、振動体のy軸方向の振動、即ち所定の方
向の振動を減衰させることができる。
【0087】請求項3のダイナミックダンパ装置は、ダ
イナミックダンパ装置を、一対の電動モータと、一対の
偏心マスと、回転制御手段とから構成したので、ダイナ
ミックダンパ装置を安価に構成することができるととも
に、回転制御手段により一対の電動モータの回転を制御
することで、一対の偏心マスに働く遠心力を合成して合
力として作用させることができるとともに、その合力の
方向を変更して振動の方向を変更することができ、支軸
と直交する面上の任意方向の振動体の振動を減衰させる
ことができる。
【0088】請求項4のダイナミックダンパ装置は、回
転制御手段を、一対の電動モータの回転数を同一に、且
つ回転方向を逆に制御するものとしたので、一対の偏心
マスに働く遠心力の合力を一定方向に設定することで振
動の方向を一定方向にすることができ、振動体の一定方
向の振動を減衰させることができる。
【0089】請求項5のダイナミックダンパ装置は、回
転制御手段を、一方の偏心マスの回転角位相を他方の偏
心マスの回転角位相に対して調整する位相調整機能を備
えたものとしたので、一方又は両方の電動モータの回転
を回転制御手段で制御することにより、それぞれの偏心
マスに働く遠心力の合力の方向を変更することができ、
振動の方向を変更することで回転軸と直交する面上の任
意方向の振動体の振動を減衰させることができる。ま
た、電動モータの運転中に、振動体の振動の減衰方向を
任意に変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るダイナミックダンパ装置の第1の
実施の形態の斜視図
【図2】本発明に係るダイナミックダンパ装置の第1の
実施の形態の正面図
【図3】図1の3−3線断面図
【図4】本発明に係るダイナミックダンパ装置(第1の
実施の形態)を取付けた車両の平面図
【図5】本発明に係るダイナミックダンパ装置の第1の
実施の形態の作用を説明する作用図
【図6】本発明に係るダイナミックダンパ装置の第2の
実施の形態の正面図
【図7】図6の7−7線断面図
【図8】本発明に係るダイナミックダンパ装置の第2の
実施の形態の制御ブロック図
【図9】本発明に係るダイナミックダンパ装置の第2の
実施の形態の作用を説明する作用図(第1作用図)
【図10】本発明に係るダイナミックダンパ装置の第2
の実施の形態の作用を説明する作用図(第2作用図)
【図11】本発明に係るダイナミックダンパ装置の第3
の実施の形態の断面図
【図12】本発明に係るダイナミックダンパ装置の第4
の実施の形態の正面図
【図13】本発明に係るダイナミックダンパ装置の第4
の実施の形態の作用を説明する作用図(第1作用図)
【図14】本発明に係るダイナミックダンパ装置の第4
の実施の形態の作用を説明する作用図(第2作用図)
【図15】従来のダイナミックダンパ装置の断面図
【図16】従来のダイナミックダンパ装置の作用図
【符号の説明】
1,40,60,80…ダイナミックダンパ、3,82
…弾性部材(マウンティングラバー)、6,6A,6
B,63A,63B…電動モータ、6a…電動モータの
回転軸、8,8A,8B…偏心マス(ウエイト)、1
1,46,66,67…支軸、22…回転制御手段、2
5,50,78,88…ダイナミックダンパ装置、53
…回転制御手段(回転制御部)。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 振動体に別の振動を付加し、その共振に
    より振動体の振動を減衰させるダイナミックダンパ装置
    において、このダイナミックダンパ装置は、電動モータ
    と、この電動モータの回転軸に取付けた偏心マスと、前
    記電動モータの回転を制御する回転制御手段とからなる
    ことを特徴とするダイナミックダンパ装置。
  2. 【請求項2】 前記振動体に前記電動モータを弾性部材
    を介して取付け、電動モータの回転軸を原点とし、回転
    軸に直交する面上にx軸とこのx軸に直交するy軸とを
    設定したときに、前記弾性部材は、x軸方向のばね定数
    を小さく、y軸方向のばね定数を大きくしたものである
    ことを特徴とする請求項1記載のダイナミックダンパ装
    置。
  3. 【請求項3】 振動体に別の振動を付加し、その共振に
    より振動体の振動を減衰させるダイナミックダンパ装置
    において、このダイナミックダンパ装置は、一対の電動
    モータと、これらの電動モータのそれぞれの回転軸に連
    結した平行な一対の支軸と、これらの支軸にそれぞれ取
    付けた偏心マスと、前記一対の電動モータの回転を制御
    する回転制御手段とからなることを特徴とするダイナミ
    ックダンパ装置。
  4. 【請求項4】 前記回転制御手段は、前記一対の電動モ
    ータの回転数を同一に、且つ回転方向を逆に制御するこ
    とを特徴とした請求項3記載のダイナミックダンパ装
    置。
  5. 【請求項5】 前記回転制御手段は、一方の偏心マスの
    回転角位相を他方の偏心マスの回転角位相に対して調整
    する位相調整機能を備えたことを特徴とする請求項3又
    は請求項4記載のダイナミックダンパ装置。
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