JP2000086927A - 分散物及びそれを含む写真要素 - Google Patents

分散物及びそれを含む写真要素

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JP2000086927A JP11258209A JP25820999A JP2000086927A JP 2000086927 A JP2000086927 A JP 2000086927A JP 11258209 A JP11258209 A JP 11258209A JP 25820999 A JP25820999 A JP 25820999A JP 2000086927 A JP2000086927 A JP 2000086927A
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ジェイ.ヘルバー マーガレット
William J Harrison
ジェイ.ハリソン ウィリアム
Richard L Parton
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 画像形成及び写真要素に特に有用な分散物を
提供する。 【解決手段】 構造式I: [D−(X)m ]−(Y)n (I) (式中、Dは、メロシアニン色素であり、各Yは、イオ
ン性もしくは非イオン性の可溶化置換基又は水中でのp
Ka値が4未満である基を有し、各Xは、非イオン性置
換基であり、nは、1〜10であり、そしてmは、0〜
10である)の液晶形成性色素が分散された溶媒を含ん
でなる分散物であって、当該色素が溶媒中で液晶相を形
成する分散物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、リオトロピック液
晶相を形成する色素を溶媒に分散した分散物、当該分散
物の調製方法、当該分散物を含む画像形成要素、及び当
該分散物を含有する写真要素に関する。
【0002】
【従来の技術】写真材料のような感光性材料を含む輻射
線感受性材料は、種々の目的のためにフィルター色素を
使用する場合がある。フィルター色素を用いて、輻射線
感受性層の感度を調節することができ、吸収性色素とし
て用いて輻射線感受性層の画像シャープネスを高めるこ
とができ、ハレーション防止色素として用いてハレーシ
ョンを低減することができ、1層以上の輻射線感受性層
に達する輻射線の量もしくは強度を減らすのに用いるこ
とができ、また特定の波長もしくは波長領域の輻射線が
輻射線感受性要素の1層以上の輻射線感受性層に到達す
るのを防止するのに用いることができる。
【0003】これらの各用途の場合、フィルター色素
(複数でもよい)は、輻射線感受性要素及び色素の特定
の要件に従って、また当該要素が露光される様式に従っ
て、輻射線感受性要素のいずれの層にも配置することが
できる。使用されるフィルター色素の量は広範に変わる
が、フィルター色素は一定の様式で輻射線に対する当該
要素のレスポンスを変えるのに十分な量で存在するのが
好ましい。フィルター色素は輻射線感受性層の上方の
層、輻射線感受性層中、輻射線感受性層の下方の層、も
しくは輻射線感受性層とは反対の支持体側にある層中に
配置することができる。
【0004】写真材料は、種々に命名されるスペクトル
の異なる領域、例えば、赤、青、緑、紫外、赤外、X線
等に対して増感された層を有することが多い。典型的な
カラー写真要素は、可視光の3つの主領域(即ち、青、
緑、及び赤)のそれぞれに対して増感された層を有す
る。これらの材料に用いられるハロゲン化銀は青光に対
する固有感度を有する。緑光もしくは赤光に対する感度
と一緒に、青光に対する感度の増加は、ハロゲン化銀粒
子に吸着する種々の増感色素を用いることによって与え
られる。増感されたハロゲン化銀は青光に対するそれ自
体の固有の感度を保持する。
【0005】非常に特殊な領域の光を濾過もしくは吸着
することが特に好ましい多くの用途が存在する。これら
のいくつかの用途、例えば、イエローフィルター色素及
びマゼンタトリマー色素等は、特定の波長の光が露光時
にフィルムの特定の層に到達するのを防止するために、
層−特異的な様式でコートされる非拡散性色素を必要と
する。これらの色素は、下に配置された乳剤の感度に悪
影響を与えないで透過する光を防止するために吸収包絡
線の深色(長波長)側にシャープカット縁部を有しなけ
ればならない。
【0006】他の用途では、一定の波長より下の光を通
すことができるのが望ましい。これらの場合、吸収包絡
線の浅色(短波長)縁部が非常にシャープカットである
色素を有するのが好ましい。増感されたハロゲン化銀乳
剤層に対するこれらのフィルター層の位置によっては、
浅色縁部並びに深色縁部がシャープカットである吸収ス
ペクトルを有する、非拡散性の層特異的なフィルター色
素を有するのも好ましい。そのような色素は「フィンガ
ーフィルター」としても知られている。好ましくは、写
真要素等の画像形成要素に導入した場合に、これらの色
素が、高吸光係数、狭半値幅並びにシャープカット深色
及び浅色吸収包絡線を示すのがよい。
【0007】一般的に、これらの特性を達成するため
に、色素の等方性溶液が導入されている。しかし、この
方法で導入された色素は、隣接層に移動することが多
く、感度低下もしくは汚染等の問題を起こし、媒染剤を
使用しないで層特異的な様式でコートすることができな
い。可溶性色素は媒染剤処理して隣接層に移動すること
を防止することができる。ポリマー媒染剤を使用して色
素移動を防止することができるが、そのような媒染剤
は、処理中に要素に色素が残存するときに遭遇する汚染
問題をさらに悪化させる。
【0008】高吸光係数の色素は最少量の色素を用いて
最大の光吸収を可能にする。必要な色素量が低下する
と、光濾過のコストを低減し、処理副生成物の発生がよ
り少なくなる。また、色素レイダウン(laydown )の低
下によって、短期間処理における色素汚染も低減させる
ことができる。
【0009】上記のようなフィンガーフィルターは、安
全光による露光から増感されたハロゲン化銀乳剤を保護
するような他の用途の場合に非常に好ましい。そのよう
な色素は、増感されたハロゲン化銀乳剤の感度に悪影響
を与えないで、狭い安全光照射領域の光を効率よく吸収
するために、高吸光係数及び狭半値幅、並びにシャープ
カット吸収包絡線を有する吸収スペクトル有しなければ
ならない。これによって、安全光スペクトル領域の光に
よる露光に対する増感乳剤の保護が与えられる。安全光
色素における有用な吸光極大は、490〜510nm及
び590〜610nmを含むが、これに限定するもので
はない。
【0010】赤外吸収フィルター色素の場合も、同様な
特性が要求される。レーザー露光する輻射線感受性要素
は、レーザー発光の波長のところでの高効率の光吸光度
を必要とする。広い範囲を吸収する色素に由来する好ま
しくない吸光度は、レーザー発光波長での光捕捉の効率
を低下させ、所望のスペクトル領域を十分にカバーする
ためには大量の色素の使用を必要とする。写真要素で
は、この写真要素が複数の増感層を有する場合は、望ま
しくない吸光度によって、隣接するハロゲン化銀増感層
の感度低下を起こすこともある。レーザー発光及び燐光
発光を吸収する場合に有用なフィンガーフィルター吸光
極大は、950nm、880nm、830nm、790
nm、633nm、670nm、545nm、及び48
8nmを含むが、これらに限定するものではない。
【0011】ドライプロセス画像形成フィルムを含むい
くつかの輻射線感光性要素では、深シアン及び赤外波長
のところに光濾過もしくはハレーション防止を与える必
要がある。一般的に、水溶性もしくは溶媒溶性色素又は
粉砕された固体粒子色素を用いて、そのような保護は達
成される。典型的には、等方性水溶液を形成する水溶性
色素によって、比較的シャープな高吸光率吸収を与える
ことができるが、中間層移動する傾向がある。
【0012】フィルター色素の一般的な用途の一つは、
感光性ハロゲン化銀写真要素においてである。処理前
に、青光が青以外のスペクトル領域に増感されているハ
ロゲン化銀を含有する層に到達すると、この青光に曝さ
れたハロゲン化銀粒子は、青光に対してその固有の感度
を有するために、現像可能となるであろう。これは、写
真要素に記録されている画像情報の不正確な表現を生じ
る。従って、写真要素では青光を濾過して除く物質を含
むことが、一般的に行われる。この青吸収物質を青光を
濾過することが望ましい写真要素のいずれの位置にも配
置することができる。三原色のそれぞれに増感された層
を有するカラー写真要素の場合、光源に最も近い方に青
増感された層を有して、この青増感層と緑及び赤増感層
との間に青吸収(即ち、イエローフィルター)層を挟む
ことが一般的である。
【0013】別のフィルター色素の一般的な用途は、U
V、可視もしくは赤外スペクトル領域の部分を濾過もし
くは切り取って、増感された乳剤に望ましくない波長の
光が到達するのを防止することである。イエローフィル
ター色素としてはまさに、青以外のスペクトル領域に対
して増感された乳剤の露光の不正確な色表現を防止し、
UV、マゼンタ、シアン及び赤外スペクトル領域におい
て吸収するフィルター色素は、増感乳剤層をシールドす
ることによって特定の波長領域に対する露光の不正確な
色表現を防止する。
【0014】この戦略の一つの用途は、緑吸収マゼンタ
トリマー色素の使用である。可視光の3つの主領域(即
ち、青、緑及び赤)のそれぞれに増感された層を有する
典型的なカラー写真要素の一つのタイプでは、緑増感層
は赤増感層の上で、且つ青増感層の下にコートされる。
それらの増感ハロゲン化銀層における選択された分光感
度極大によると、緑乳剤と赤乳剤との分光感度の間には
オーバーラップする領域が存在する場合がある。そのよ
うな場合、緑感性乳剤によって吸収されない緑光は赤感
性乳剤まで通り抜けることができ、赤分光増感色素の立
上がり区間によって吸収される。この緑乳剤と赤乳剤と
の間のクロストークは不正確な色表現を生じる。従っ
て、写真要素に導入した場合に緑増感乳剤の分光極大付
近を強く吸収し、その吸光極大に対してちょうど深色の
吸収が認められないようなシャープカット深色吸光度を
有する緑吸収フィルター色素を見出すことが非常に望ま
しい。
【0015】フィルター色素もしくはトリマー色素のシ
ャープカット深色縁部が、その吸光極大まで効率よく光
を吸収する(その吸光極大を通る光があるとしても、非
常に少ない)ことによって、最小限の感度低下で優れた
色再現を可能にする。例えば、深色縁部でゆるやかにシ
ャープカットするだけのマゼンタトリマー色素(緑吸収
剤)は、フィルター色素として十分に機能するが、その
吸光極大を通り越した赤領域における望ましくない吸収
によって、その下にコートされている赤感性乳剤の赤光
(従って、赤感度)が失われるであろう。マゼンタトリ
マー色素の最適な吸光極大の位置は構成される写真要素
に依存して変わるけれども、可視光の3つの主領域(即
ち、青、緑及び赤)のそれぞれに増感された層を有する
典型的なカラー写真要素の一つのタイプでは、マゼンタ
トリマー色素が、約550nmのところで強く吸収し、
約550nmより上の吸収が認められないようなシャー
プカット深色吸光度を有することが特に望ましい。
【0016】従って、写真要素の用途の場合、約550
nmより下のスペクトルの緑領域に必要な高吸光度を有
し、約550nmより上にはほとんどもしくは全く吸光
を有さず、さらに、インキュベートもしくは後処理汚染
問題の欠点を持たず、さらにまた、コートされたフィル
ム内を移動する傾向を有しない(但し、処理時に完全に
除去される)フィルター色素を提供することが望まし
い。
【0017】写真フィルム要素の層に溶媒溶解性もしく
は水溶性フィルター色素を導入するために用いられる一
つの方法は、それらの色素を水性もしくはアルコール等
方性溶液として加えることである。この方法で添加され
た色素は一般的に移動性が高く、急速に拡散し、要素の
他の層に移動することが多いので、通常悪い結果をもた
らす。ポリマー媒染剤を用いて色素移動を防止すること
ができるが、そのような媒染剤は、処理中に要素に色素
が残存するときに遭遇する汚染問題をさらに悪化させ
る。
【0018】また、フィルター色素は、標準的なコロイ
ド粉砕もしくは均質化方法を用いる水性ゼラチンの通常
の分散物として、又は装填されたラテックスとして調製
される。より最近では、固体フィルター色素の微粒子形
状スラリー及び懸濁物を生成する、ボールミル粉砕、サ
ンドミル粉砕、媒体ミル粉砕並びに関連する方法が、写
真溶融調合物に容易に用いることができるスラリー及び
分散物を生成する標準的なツールとなっている。分散物
として導入される固体粒子フィルター色素は、十分に低
いpHのところでコートすると、色素移動に関する問題
を除くことができる。しかし、溶媒不溶性固体粒子フィ
ルター色素(顔料)は、相対的に低吸光係数であり、過
剰量の色素を塗布する必要がある。さらに、微結晶性の
ために、有用な、シャープカット深色もしくは浅色スペ
クトル特徴を一貫して生じる固体粒子分散体色素のクラ
スを見出すことは非常に困難である。実際、微結晶性色
素の色相は予測が難しく、同じような類似物間で大きく
変わることが多い。
【0019】さらに、多くの固体粒子色素は、溶融及び
コーティング操作において経験される高熱及び高湿度の
保持条件下で堅牢でない。そのような条件下では、色素
の微結晶は熟成を受け、インキュベーション後により低
い光学濃度を生じる場合がある。さらに、粉砕技法によ
って実用的な固体粒子フィルター色素分散物を調製する
のに要する時間と費用が、それらの使用を思いとどまら
せる(特に、大容量用途において)。従って、使用前に
必ずしも機械粉砕することが要求されず、移動しない
で、処理時に容易に洗い流されて、残留汚染をほとんど
もしくは全く残さない色素を提供することが望ましい。
【0020】また、そのようなフィルター色素分散物
が、シャープカット吸光度ピークを有し、高い吸光係数
を提供することが望ましい。オキソノールフィルター色
素の固体粒子分散物において、これらの望ましい色素特
徴を得る一つに方法が、Texterの米国特許第5,274,109
号、同5,326,687 号及び同5,624,467 号明細書に記載さ
れている。Texterの明細書には、ピラゾロンオキソノー
ル色素を厳密にコントロールされたpH条件下で微量沈
降させて、それらの対応する粉砕された固体粒子分散物
と比較して、長波長側に、狭く、深色性且つシャープカ
ットの吸収スペクトル生成することが記載されている。
しかし、この技法は大容量用途には実用的でない。
【0021】ゼラチンコーティングに導入したとき、シ
ャープカット特性を有する特定クラスの色素、バルビツ
ール酸オキソノール色素が、米国特許第5,766,834 号明
細書に記載されているが、他のフィルター色素のクラス
がこれらの有用な分光特徴を有することを示唆する引用
はなされていない。さらに、これらの色素の分光特徴は
少数の特定波長領域に限定されており、これらのシャー
プカット色素の色相は、広範な有用な領域にわたって調
節できない。
【0022】固体粒子の様に非移動性であるが、さら
に、完全な溶媒溶解性色素の様に分光特徴が狭吸収性か
つシャープカットであり、そしてさらに、画像要素に有
用な多様な吸光極大のところで利用可能な色素物質が入
手可能で有れば、非常に有用であろう。
【0023】
【発明が解決しようとする課題】従って、高吸光係数、
狭半値幅を有し、そして深色縁部及び/もしくは浅色縁
部がシャープカットであり、さらに好ましくは深色縁部
と浅色縁部の両方がシャープカットである色素、特にフ
ィルター色素を有することが望ましい。写真要素に使用
される色素の場合、そのような色素を含んだ露光済み輻
射線感受性要素の処理時に、その色素が実質的に完全に
除去されるか、無色となることがさらに望ましい。コー
トされた色素が、その分光特性及び物性において堅牢で
あり、画像形成要素内を移動する傾向がないことも望ま
しい。また、高容量製造に適したフィルター色素の分散
物を調製する方法を有することも好ましい。
【0024】
【課題を解決するための手段】広範な活性メチレン核か
ら誘導されるメロシアニン色素を、一定の置換基と可溶
化基で官能化し、親水性コロイド中に分散させてリオト
ロピック(溶媒誘導されたもの)液晶色素相(メソ相)
を形成することができることが見出された。これらのメ
ソ相形成色素は、従来の水もしくは溶媒可溶性色素、又
は溶媒不溶性固体粒子色素よりも、色相、分光形状、非
移動性、堅牢性及び処理除去性に関して、独特で有用な
特性を有する。さらに、所定の色素群において、水性ゼ
ラチンのような親水性コロイドを含む溶媒に分散した場
合に、微晶質(固体)相もしくは等方性(例えば、溶
液)相よりもむしろ安定な液晶相を形成する固有の性質
を持つように、当業者が色素類似体を最適化することが
できることも見出された。さらにまた、親水性コロイド
色素分散物の性質、例えば、イオン強度、温度及びpH
を変更すると、安定な液晶相を形成するという所定の色
素の性質を改善することができることも見出された。さ
らに、含水親水性コロイド(例えば、水性ゼラチン)に
形成された色素液晶相の有利な分光特性及び物性が、画
像形成要素の乾いた(蒸発した)ゼラチンコーティング
に広く保持されることも見出された。
【0025】本発明は特に両親媒性色素、とりわけ、実
用上有用なリオトロピック液晶相を形成することができ
る写真要素のフィルター色素、特に、メロシアニンクラ
ス由来の色素に関する。しかし、液晶形成は必ずしもこ
れらの特定色素群にも特定の色素構造にも限定されない
ことが予想される。また、有用な写真フィルター特性の
可能性を有する新規なメロシアニン色素構造に、この技
法を適用することもできる。前記可溶化基を導入するこ
とによって特定の色素発色団に与えられる両親媒性の程
度は、発色団により、また色素群によって変わることは
理解されよう。
【0026】写真画像形成用途の場合、液晶フィルター
色素は、固体粒子(微晶質)導入色素もしくは水溶性
(等方性溶液)フィルター色素の従来の到達水準を越え
る利点の母体を提供する。さらに、液晶フィルター色素
は、水溶性色素もしくは固体粒子色素を用いても実質的
に達成できない分光特性と物性の組合せを提供する。以
下の有益な分光特性と物性は、これらの色素の液晶形態
固有のものである。例えば、リオトロピック液晶形態に
分散された色素は、(微晶質)固体粒子色素の様であっ
て、且つ媒染されてない等方性溶液色素の様でないよう
な、良好な層特異性及び非移動性を与える、ゆっくりと
した集合的な分子拡散(程度は色素等方性溶液種よりも
遅い)を示す。
【0027】リオトロピック液晶形態に分散された色素
は、同じ湿潤レイダウン(濃度)で、分散された(微晶
質)固体粒子色素よりも非常に高い吸光係数を示す。リ
オトロピック液晶形態に分散された色素は、従来の(微
晶質)固体粒子色素に匹敵する処理時の流出及び漂白速
度を示すが、通常は、その速度はさらに大きい。リオト
ロピック液晶色素相は、(微晶質)固体粒子色素相より
も、容易に、速く且つ再現良く調製される。リオトロピ
ック液晶形態(特に、スメクチックメソ相形態)に分散
された色素は、その(微結晶)固体粒子相当物よりも、
シャープカット、より強い分光吸収特徴を示すことが多
く、写真用フィンガーフィルターとして特に有用であ
る。リオトロピック液晶形態に分散された色素は、特有
な深色シフトした励起吸収Jバンド(シャープで、狭く
且つ強い)を示すことが多く、(長波長)シャープカッ
ト分光特徴を有し、多くの写真用フィンガーフィルター
用途に特に有用である。
【0028】いわゆるJバンド(J凝集体)スペクトル
は、(微晶質)固体粒子色素によっては容易には提供さ
れない。リオトロピック液晶形態に分散された色素は、
(短波長)シャープカット分光特徴を有する、実用上有
用な浅色シフトしたHバンド吸収スペクトルも示す。ま
た、リオトロピック液晶状態に分散された色素は、色素
の等方性溶液吸光度状態と比較すると分光シフトをほと
んどもしくは全く示さず、依然としてその液晶相の特徴
的な非移動性を保持することができる。特徴的且つ有用
なJバンド及びHバンド吸収スペクトルを示す、好まし
い両親媒性フィルター色素の実質的に「非移動性」のリ
オトロピック液晶形態(相)は、非常に明りょうであっ
て、容易に同定でき、時に同様な吸収スペクトルを示す
ことがある非液晶(等方性)急速拡散色素相とは容易に
区別できる。水性のリオトロピック液晶状態に分散され
た色素、もしくは水性ゼラチン層の乾燥時の一時的なメ
ソ相を通り抜ける色素は、通常、蒸発した(乾燥)状態
でのメソ相と共に有用な分光特性及び物性を保持する。
リオトロピック液晶形態として最初に分散された色素
は、蒸発したゼラチン層で良好なインキュベーション安
定性を示すことが多い。
【0029】本発明は、広範な活性メチレン核から誘導
され、以下に記載するように選択的に官能化させるとリ
オトロピック液晶を形成できるメロシアニン色素の集合
を含んでなる。本明細書は、当業者が所定の色素群の液
晶メンバーを見出す方法を教示し、さらに、色素メソ相
(即ち、液晶相)の存在を決定するためのテストプロト
コルを含み、固体粒子色素もしくは溶媒溶解性(溶液)
色素と比較して色素液晶が有する優れた特徴を示す。さ
らに、本発明は画像形成要素、とりわけ写真要素におけ
る色素メソ相特性の有利性を実証する。
【0030】本発明の一つの態様は、溶媒、特に水もし
くは親水性コロイド(例えば、水性ゼラチン)に分散し
た場合に、液晶相を形成するフィルター色素を含んでな
る。本発明の別の態様は、溶媒もしくは親水性コロイド
(例えば、水性ゼラチン)に分散した場合に、スメクチ
ック液晶相を形成するフィルター色素を含んでなる。本
発明のさらに別の態様は、溶媒もしくは親水性コロイド
(例えば、水性ゼラチン)に分散した場合に、ネマチッ
クもしくは六方晶相液晶相を形成するフィルター色素を
含んでなる。
【0031】本発明のさらに別の態様は、深色もしくは
浅色にシフトした分光吸光極大を示し、その等方性単一
溶液状態と比べると、非常に高い吸光係数及び非常に狭
い半値幅を示す色素リオトロピック液晶を含んでなる。
本発明のさらに別の態様は、その等方性単一溶液状態と
類似した吸光係数及び半値幅を有する分光吸光度包絡線
を有する色素リオトロピック液晶を含んでなる。本発明
のさらに別の態様は、親水性コロイド(例えば、水性ゼ
ラチン)に分散した場合に液晶相を形成し、特に、シャ
ープカットの短波長もしくは長波長縁部を示す狭分光吸
収バンドを有するフィルター色素を含んでなる。
【0032】本発明のさらに別の態様は、親水性コロイ
ド(例えば、水性ゼラチン)に分散した場合に液晶相を
形成し、低色素拡散性及び低中間層移動を示すフィルタ
ー色素を含んでなる。本発明のさらに別の態様は、粉砕
技法に頼らず、望ましい特性が全てそのままで、容易
で、安価で、急速で再現性良く、液晶状態にある本発明
の色素を画像形成要素、特に、写真要素に導入すること
ができる直接ゼラチン分散方法を含んでなる。
【0033】本発明のさらに別の態様は、親水性コロイ
ド(例えば、水性ゼラチン)に分散した場合に液晶相を
形成し、高温及び高湿度条件で優れた安定性を示すフィ
ルター色素を含んでなる。本発明のさらに別の態様は、
含水親水性コロイド(例えば、水性ゼラチン)に分散し
た場合に液晶相を形成し、一旦コートされた画像形成要
素が乾燥(蒸発)しても望ましい物性及び分光特性の全
てを保持するフィルター色素を含んでなる。本発明のさ
らに別の態様は、親水性コロイド層に分散された液晶状
態の少なくとも1種の色素を含有し、当該色素が写真処
理によって脱色され、処理前もしくは処理後にハロゲン
化銀写真乳剤に悪い影響を生じないハロゲン化銀輻射線
感受性材料を含んでなる。
【0034】本発明の追加の態様は、親水性コロイド層
が着色され、写真処理時に優れた脱色性を示すハロゲン
化銀輻射線感受性材料を含んでなる。本発明のさらに追
加の態様は、親水性コロイド層が着色され、その吸光極
大のところの分光領域の部分に高吸光度を示すが、その
吸光極大の上方おおよそ20nmで相対的に小さな吸光
度を有するハロゲン化銀輻射線感受性材料を含んでな
る。本発明のさらに追加の態様は、親水性コロイド層が
着色され、その吸光極大のところの分光領域の部分に高
吸光度を示すが、その吸光極大の下方おおよそ20nm
で相対的に小さな吸光度を有するハロゲン化銀輻射線感
受性材料を含んでなる。
【0035】含水水性媒体(好ましくは、ゼラチン等の
親水性コロイドを含有する)に分散したとき、以下に記
載するある種の色素が安定な液晶相を形成し、上述した
本発明の目的のための利点を提供することが見いだされ
た。この液晶色素分散物は、粉末色素もしくは粉砕色素
スラリーを水性媒体、好ましくはゼラチンもしくは他の
親水性コロイドを含有するものに、本明細書に記載する
方法を用いて特定の濃度及び温度範囲にわたって分散さ
せることによって作成することができる。
【0036】本発明の一つの態様は、式I: [D−(X)m ]−(Y)n (I) (式中、Dは、メロシアニン色素であり、各Yは、イオ
ン性もしくは非イオン性の可溶化置換基又は水中でのp
Ka値が4未満である基を有し、各Xは、非イオン性置
換基であり、nは、1〜10、好ましくは1〜6、さら
に好ましくは1〜3であり、mは、0〜10、好ましく
は1〜6、さらに好ましくは1〜3である)の液晶形成
色素を分散して有する溶媒(好ましくは、水性媒体)を
含んでなり、得られる色素は、本明細書に記載するよう
に分散すると溶媒(例えば、水性媒体)で液晶相を形成
する。
【0037】本発明の別の好ましい態様は、構造式Iの
液晶形成色素を含有する画像形成要素を含んでなる。本
発明のさらに好ましい態様は、構造式Iの液晶形成色素
を含有する輻射線感受性要素(例えば、写真要素)を含
んでなる。
【0038】本発明のさらに好ましい態様は、構造式I
の色素を約2℃〜約100℃の温度で水性媒体に添加
し、約5分〜約48時間、この混合物を攪拌することを
含んでなる液晶色素分散物の調製方法を含んでなる。
【0039】
【発明の実施の形態】上述したように、本発明は式I: [D−(X)m ]−(Y)n (I) (式中、Dは、メロシアニン色素であり、各Yは、イオ
ン性もしくは非イオン性の可溶化置換基又は水中でのp
Ka値が4未満である基を有し、各Xは、非イオン性置
換基であり、nは、1〜10、好ましくは1〜6、さら
に好ましくは1〜3であり、mは、0〜10、好ましく
は1〜6、さらに好ましくは1〜3である)の液晶形成
性色素を含んでなり、得られる色素は、本明細書に記載
するように分散すると溶媒(例えば、親水性コロイドを
含む水性媒体)で液晶相を形成する。色素液晶相の存在
を決定するプロトコルも本明細書に記載する。
【0040】式Iで、Dはメロシアン色素残基を表す。
有用な色素には、UV領域(400nmより下)、可視
領域(400〜700nm)、及び赤外領域(700n
mより上)において吸収する色素が含まれる。
【0041】各Yは、独立して、イオン性もしくは非イ
オン性の可溶化置換基又は水中でのpKa値が4より下
である基を有する基となることができ、各Xは、独立し
て非イオン性置換基となることができ、各X及びYは、
所望の溶媒に分散もしくは溶解したときに得られる色素
が液晶相を形成するような数もしくは組合せである。水
系溶媒の場合、Yに含有される可溶化基の例には、これ
らに限定されないが、カルボキシラート(CO2 - )、
スルホ(SO3 - )、スルファト(OSO3 -)、スル
フェート(SO4 - )、ホスフェート、ホスホネート、
トリアルキルアンモニウム(R3 + )、ピリジニウ
ム、アルキルピリジニウム、ヒドロキシラート
(O- )、エノラート(C=C−O- )、ジシアノビニ
ラート(C=CCH(CN)2 - )、アルキルエーテル
(例えば、CH2 OCH2 OCH3 )、両性イオン性基
(例えば、アミノ酸、ホスファチジルコリン、ホスファ
チジルエタノールアミン、及びホスファチジルセリ
ン)、並びにpKa値が4より下、好ましくは、3.8
より下の、スルホン酸、アシルスルホンアミド(CON
HSO2 R)、サッカリン部分(環状アシルスルホナミ
ド)、及びスルホニルスルホナミド(SO2 NHSO2
R)が含まれる。
【0042】YもしくはYに含有される置換基は、いか
ようにも当該色素と結合することができ、発色団部分D
それ自体もしくはXに直接結合するか、置換又は非置換
のアルキルもしくはアリール基のような結合基の一部と
して色素に結合することができる。X基の例には、これ
らに限定されないが、アリール、アルキル、アラルキ
ル、ハロゲン、シクロアルキル、アルコキシ、アルキル
アミノ、アシル、カルボキシ、カルボキシアルキル、ス
ルホンアミドもしくはアルキルチオが含まれ、より好ま
しくはフェニル、ハロゲン及びベンゾである。
【0043】本発明の好ましい態様では、構造式Iの液
晶形成性色素は式IIのメロシアニン色素である:
【化8】
【0044】上式中、Aは、上述した活性メチレン部分
もしくはケトメチレン部分であり、R1 は、置換又は非
置換のアリール、アルキルもしくはアラルキルであり、
2〜R5 は、それぞれ独立に、水素、アルキル、シク
ロアルキル、アルケニル、置換又は非置換のアリール、
ヘテロアリールもしくはアラルキル、アルキルチオ、ヒ
ドロキシ、ヒドロキシレート、アルコキシ、アミノ、ア
ルキルアミノ、ハロゲン、シアノ、ニトロ、カルボキ
シ、アシル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニ
ル、スルホンアミド、スルファモイルを表し、縮合芳香
環もしくは縮合複素芳香環を形成するのに必要な原子
団、又はYの説明で記載したような可溶化置換基を有す
る基を含む。L1 〜L6 は、置換もしくは非置換のメチ
ン基(s、t、もしくはvの少なくとも1つ、好ましく
は2以上が1である場合は、そのうちのいくつかが5員
もしくは6員環の1員である可能性を含む)であり、Y
2 は、O、S、Te、Se、NRx 、もしくはCRy
z (ここで、Rx 、Ry 及びRzは炭素数1〜5のアル
キル基)であり、そしてs及びt並びにvは独立に0も
しくは1であるが、式IIの色素上の少なくとも1つの
置換基は、式IのYのところで記載したようにイオン性
もしくは非イオン性可溶化置換基又は水中でpKa値が
4未満である基である。好ましい態様では、Y2 はO、
S、NもしくはCであり、s、t及びvの合計は1もし
くは2である。
【0045】本発明の別の特に好ましい態様では、構造
式Iの液晶形成性色素は式IIIのメロシアニン色素で
ある:
【化9】
【0046】上式中、R6 は、置換もしくは非置換のア
リール、ヘテロアリール、又は置換もしくは非置換のア
ミノ基であり、G1 は、Oもしくはジシアノビニル(N
CCH2 CN)であり、E1 は、電子求引性基であり、
8 〜L13は、L1 〜L6 のところで記載したようなメ
チン基を表し、R1 〜R5 、Y2 、並びにs、t、及び
vは上記したものと同じであるが、式IIIの色素上の
少なくとも1つの置換基は、式IのYのところで記載し
たようにイオン性もしくは非イオン性可溶化置換基又は
水中でpKa値が4未満である基である。好ましい態様
では、Y2 はOもしくはS、E1 はシアノ、R6 は置換
又は非置換のフェニルもしくは複素芳香環、R1 はスル
ホアルキルであり、s、t及びvの合計は1もしくは2
である。特に好ましい態様では、G1 はジシアノビニ
ル、E1 はシアノ、そしてY2 はOである。
【0047】本発明の別の好ましい態様では、構造式I
の液晶形成性色素は式IVの色素である:
【化10】
【0048】上式中、G2 は、酸素(O)もしくはジシ
アノビニル(NCCH2 CN)であり、R1 〜R5
は、それぞれ独立に上記と同じ基を表し、そしてR7
10は、上記R1 〜R5 と同じ基を表し、Y2 、L8
13、並びにs、t、及びvは上記したものと同じであ
るが、式IVの色素上の少なくとも1つの置換基は、式
IのYのところで記載したようにイオン性もしくは非イ
オン性可溶化置換基又は水中でpKa値が4未満である
基である。
【0049】本発明の別の好ましい態様では、構造式I
の液晶形成性色素は式Vの色素である:
【化11】
【0050】上式中、R12は、それぞれ独立に上記R2
〜R5 において記載した基を表し、Y3 は、O、S、N
x 、もしくはCRy z (ここで、Rx 、Ry 及びR
z は炭素数1〜5のアルキル基)であり、そしてR
11は、置換又は非置換のアリール、アルキルもしくはア
シルを表し、xは0、1、2であり、そしてY2
1 、R2 〜R5 、L8 〜L13、並びにs、t、及びv
は上記したものと同じであるが、式Vの色素上の少なく
とも1つの置換基は、式IのYのところで記載したよう
にイオン性もしくは非イオン性可溶化置換基又は水中で
pKa値が4未満である基である。好ましい態様では、
2 及びY3 はOもしくはSであり、R1 はスルホアル
キルであり、s、t、及びvの合計は1もしくは2であ
る。
【0051】本発明の別の好ましい態様では、構造式I
の液晶形成性色素は式VIの色素である:
【化12】
【0052】上式中、E2 は、電子求引性基、好ましく
はシアノであり、R11は、置換又は非置換のアリール、
アルキルもしくはアシルを表し、そしてY2 、R1 、R
2 〜R5 、L8 〜L13、並びにs、t、及びvは上記し
たものと同じであるが、式VIの色素上の少なくとも1
つの置換基は、式IのYのところで記載したようにイオ
ン性もしくは非イオン性可溶化置換基又は水中でpKa
値が4未満である基である。好ましい態様では、E2
シアノであり、R1 はスルホアルキルである。
【0053】本発明の別の好ましい態様では、構造式I
の液晶形成性色素は式VIIの色素である:
【化13】
【0054】上式中、R13は、水素、置換又は非置換の
アルキル、アリールもしくはアラルキルであり、R
14は、置換又は非置換のアルキル、アリールもしくはア
ラルキル、アルコキシ、アミノ、アシル、アルコキシカ
ルボニル、カルボキシ、カルボキシレート、シアノ、も
しくはニトロであり、R1 〜R5 、L8 〜L13、Y2
びにs、t、及びvは上記したものと同じであるが、式
VIIの色素上の少なくとも1つの置換基は、式IのY
のところで記載したようにイオン性もしくは非イオン性
可溶化置換基又は水中でpKa値が4未満である基であ
る。好ましい態様では、R13はアリール基であり、s、
t、及びvの合計は1もしくは2である。
【0055】本発明の別の好ましい態様では、構造式I
の液晶形成性色素は式VIIIの色素である:
【化14】
【0056】上式中、R15及びR16は、それぞれ独立
に、水素、置換又は非置換のアルキル、アリールもしく
はアラルキルであり、Y4 は、OもしくはSであり、R
1 〜R 5 、L8 〜L13、Y2 並びにs、t、及びvは上
記したものと同じであるが、式VIIIの色素上の少な
くとも1つの置換基は、式IのYのところで記載したよ
うにイオン性もしくは非イオン性可溶化置換基又は水中
でpKa値が4未満である基である。好ましい態様で
は、s、t、及びvの合計は1もしくは2である。
【0057】本発明のさらに別の好ましい態様は、構造
式I〜VIIIの液晶形成性色素を含有する画像形成要
素を含んでなる。本発明のさらに別の好ましい態様は、
構造式I〜VIIIの液晶形成性色素を含有する輻射線
感受性要素、例えば、写真要素を含んでなる。
【0058】式IIでは、Aによって表される活性化メ
チレンもしくはケトメチレン部分は当該技術分野では周
知であり、例えば、Hamer の、The Cyanine Dyes and R
elated Compound 、469-494 頁及び595-604 頁に記載さ
れている。本発明に従うと、好ましい活性メチレン基に
は、これらに限定するものではないが、ベンゾイルアセ
トニトリル、2−ピラゾリン−5−オン、ピラゾリジン
ジオン、トリシアノプロペン、バルビツール酸、インダ
ンジオン、ジシアノビニルインダンジオン、ビス(ジシ
アノビニル)インダンジオン、ピロリノン、フラノン
(例えば、シアノフェニルフラノン及び誘導体)、ベン
ゾチオフェンジオキシド、ジシアノビニルベンゾチオフ
ェンジオキシド、ローダニン、ベンゾフラノン、クロマ
ンジオン、シクロヘキサンジオン、イソキサゾリノン、
ピラゾロピリジン、ピリドン及びピランジオンから誘導
されるものが含まれ、これらの任意の部分を必要に応じ
て、イオン性もしくは非イオン性可溶化基(複数でもよ
い)又は水中でのpKa値が4未満であるイオン化基で
置換することができる。
【0059】本明細書中の表のM+ は、H+ 、Et3
+ 、C5 5 NH+ 、Na+ 、及びK+ 等のカチオン
であり、X- は、Br- 、Cl- 及びpTs- 等のアニ
オンである。本明細書で用語「基」を用いる場合は、置
換もしくは非置換の場合を包含する。E1 及びE2 は、
March の、Advanced Organic Chemistry、20-21 頁、22
8-229 頁、386-387 頁及び494-497 頁に開示されている
電子求引性置換基である。E1 及びE2 の基には、シア
ノ、アシル、ベンゾイル、フェナシル、アミノカルボニ
ル、アルコキシカルボニル、アリール、ニトロ又はアリ
ールスルホニルもしくはアルキルスルホニルが含まれ
る。
【0060】Yに含まれる可溶化基は、当業者によって
容易に選択可能である。イオン性可溶化基の例には、カ
ルボキシラート(CO2 - )、スルホ(SO3 - )、ス
ルファト(OSO3 - )、スルフェート(SO4 - )、
ヒドロキシラート(O- )、エノラート(C=C−
- )、ジシアノビニラート(C=C−CH(CN)2
-)、ホスフェート及びホスホネート等のアニオン性
基、アンモニウム、アルキルアンモニウム、ジアルキル
アンモニウム、トリアルキルアンモニウム(アルキルが
置換されていてもよい)及びピリジニウム等のカチオン
性基、アミノ酸、ホスファチジルコリン、ホスファチジ
ルエタノールアミン、及びホスファチジルセリン等の両
性イオン性基が含まれる。
【0061】Yに含まれる非イオン性可溶化基の例に
は、例えば(−O(CH2 n OCH 3 もしくは(CH
2 OCH2 OCH3 )等のアルキルエーテルが含まれ
る。また、Yは、水中でのpKa値が4未満のイオン化
基を有してもよい。水中でのpKa値が4未満のイオン
化基の例には、好ましくは、スルホン酸(SO3 H)、
アシルスルホンアミド(CONHSO2 R)、サッカリ
ン(環状アシルスルホナミド)、及びスルホニルスルホ
ナミド(SO2 NHSO2 R)、ジニトロアルキル、ジ
ニトロフェノール、及び活性化カルボキシ部分(例え
ば、ジクロロアルキルカルボキシ)、並びにサリチル酸
が含まれる。全ての構造において、Yはイオン性可溶化
基もしくは非イオン性可溶化基又はpKa値が4より下
の基となることができ、あるいはYは前記可溶化部分の
一つを有する基となることができる。
【0062】式IのDで表されるメロシアン色素残基
は、増感色素に通常用いられるタイプであって、当該技
術分野で周知の安定な複素環核から誘導することができ
る。例えば、それらの多くはMees及びJames の、Theory
of The Photographic Process, 4 版、195-203 頁に記
載されている。有用な複素環核には、チアゾール、セレ
ナゾール、オキサゾール、テレロゾール、イミダゾー
ル、インドール、ベンゾオキサゾール、ベンゾチアゾー
ル、ベンズイミダゾールもしくはベンズインドールが含
まれ、より好ましいのは、置換又は非置換のベンゾオキ
サゾール、ベンゾチアゾール、ベンズイミダゾールもし
くはベンズインドール核である。
【0063】L基は置換されていも非置換であってもよ
い。これには、それらのいくつかが5員もしくは6員環
の一員となってもよい可能性を包含する。式II〜VI
IIにおいて、R2 〜R5 の好ましい置換基には、フェ
ニル、ベンゾ(縮合フェニル)、ハロゲン(特に、クロ
ロ、フルオロ、ブロモ)、及びピロール等の基が含まれ
る。
【0064】メチン基は、例えば、アルキル、アルケニ
ル、アリール、アラルキル、シクロアルキル、もしくは
上記のような複素環式基で置換されることができ、p、
q、もしくはrの2つ以上が1である場合、2以上のメ
チン基はそれらの置換基と一緒になって5員もしくは6
員の炭素環もしくは複素環を形成することができる。
【0065】一般的に、本明細書において特定の部分も
しくは基を引用する場合には、そのような引用は、当該
部分が非置換であるか、もしくは一種以上の(可能な最
多数までの)置換基で置換されていてもよいことを意味
する。例えば、「アルキル」もしくは「アルキル基」と
は置換又は非置換アルキルを意味し、「ベンゼン基」と
は置換又は非置換ベンゼン(最大6 個の置換基を含む)
を意味する。一般的に、特に断らない限り、本明細書に
おける分子に使用できる置換基には、写真用途に必要な
特性を損なわないものであれば、置換の有無にかかわら
ずいずれの基も含まれる。
【0066】上記の基のいずれかに対する置換基の具体
例として公知の置換基、例えば、クロロ、フルオロ、ブ
ロモ、ヨードのようなハロゲン;アルコキシ、特に「低
級アルキル」のもの(すなわち、炭素原子数1〜6)、
例えば、メトキシ、エトキシ;置換又は非置換アルキ
ル、特に低級アルキル(例えば、メチル、トリフルオロ
メチル);チオアルキル(例えば、メチルチオもしくは
エチルチオ)、特に炭素原子数1〜6のもの;置換又は
非置換アルケニル、特に炭素原子数2〜10のもの(例
えば、エテニル、プロペニル、もしくはブテニル);置
換又は非置換アリール、特に炭素原子数6〜20のもの
(例えば、フェニル);及び置換又は非置換ヘテロアリ
ール、特にN 、O もしくはS がら選ぱれた異種原子1 〜
3個を含有する5員環又は6員環(例えば、ピリジル、
チエニル、フリル、ピロリル);酸又は酸塩基、例え
ば、次に記載するいずれかのもの;ヒドロキシレート、
アミノ、アルキルアミノ、シアノ、ニトロ、カルボキ
シ、カルボキシレート、アシル、アルコキシカルボニ
ル、アミノカルボニル、スルホンアミド、スルファミ
ド、スルファモイル、スルホ、スルホネート、アルキル
アンモニウム、及び水中でのpKa値が4より下のイオ
ン化基;その他当該技術分野で公知のもの、が挙げられ
る。アルキル置換基は、特に、「低級アルキル」(すな
わち、1〜6個の炭素原子を有するもの)、例えばメチ
ル及びエチルを包含することができる。さらに、アルキ
ル基又はアルキレン基に関しては、分岐があってもなく
てもよく、環構造を含む場合もあることを理解された
い。
【0067】本発明の好ましい色素の例を以下に挙げ
る。
【表1】
【0068】
【表2】
【0069】
【表3】
【0070】
【表4】
【0071】
【表5】
【0072】
【表6】
【0073】
【表7】
【0074】
【表8】
【0075】
【表9】
【0076】
【表10】
【0077】
【表11】
【0078】
【表12】
【0079】
【表13】
【0080】
【表14】
【0081】
【表15】
【0082】
【表16】
【0083】
【表17】
【0084】
【表18】
【0085】
【表19】
【0086】
【表20】
【0087】
【表21】
【0088】
【表22】
【0089】
【表23】
【0090】式I〜VIIIの色素は、当該技術分野で
周知の合成技法によって調製することができる。次に合
成例を具体的に示す。そのような技法は、例えば、"The
Cyanine Dyes and Related Compounds", Frances Hame
r, Interscience Publishers, 1964にさらに説明されて
いる。
【0091】本発明の液晶色素分散物を、固体粒子色素
分散物を調製するのに一般的に用いる周知の方法で調製
することができる。この場合、水及び界面活性剤もしく
は水溶性ポリマーを含む水性媒体の色素スラリーを、ボ
ールミル、サンドミル、媒体ミルもしくはコロイドミル
(媒体ミルが好ましい)等の粉砕操作にかける。そして
この色素スラリーを、写真要素に用いるために、適当な
濃度(好ましくは、30重量%以下)及び適当な温度
(好ましくは、20〜90℃)で水性ゼラチンと混合す
ることができる。
【0092】別の好ましい態様では、本発明の液晶色素
分散物を、直接ゼラチン分散法(DGD)を用いて調製
することができ、この場合、微粉末色素もしくはその水
性スラリーを、適当な濃度(好ましくは、30重量%以
下)及び適当な温度(好ましくは、0〜100℃)でゼ
ラチン(もしくは、他の親水性コロイド)を含有する水
もしくは水性媒体と、単に混合もしくは攪拌する。
【0093】好ましい方法のいずれも、ゼラチン分散の
前及び/もしくは後で高温に曝す場合があるが、所望の
結果が得られ、この加熱処理はゼラチンに分散した後行
うのが好ましい。ゼラチン系分散物を調製するのに最適
な温度範囲は、20℃〜100℃であって、ゼラチンの
濃度に依存するが、色素の分解温度より下にとどまるの
がよく、5分間〜48時間が好ましい。必要ならば、水
性ゼラチンに分散する前及び/もしくは後に、固体粒子
分散物のような粉砕方法によって調製される色素に、同
様の熱処理を適用して有効な結果を得ることができる。
さらに、必要ならば、例えば、pH及び/もしくはイオ
ン強度並びに溶媒組成調節を用いて、固体粒子分散物
(SPD)もしくは直接ゼラチン分散物(DGD)調製
技法を用いて調節される色素の溶解度及び液晶形成特性
をコントロールすることができる。
【0094】直接ゼラチン分散法は、有機溶媒、界面活
性剤、ポリマー添加物、電解質、粉砕操作、pHコント
ロール等を必ずしも用いる必要がないという点で有利で
ある。この方法は、一般的に、粉砕方法よりも、簡単
で、速く、より寛大で、融通がきく。水性ゼラチンに濃
縮した増感色素分散体を調製するBoettcher 記載の方法
(PCTWO93/23792公報)は、本発明に適用すると、
同じ効果を有する。本発明のリオトロピック液晶色素分
散物を、画像形成要素に直接導入してもよい。
【0095】単独もしくは写真要素の他のフィルター色
素と組み合わせて、式(I〜VIII)の化合物を固体
粒子分散及び直接ゼラチン分散調合することは、一般的
なフィルター色素目的としては有用である。上述したよ
うに調合された色素は、6以下(一般的に4〜6)の一
般的なコーティングpHを含む種々のpHにおいて、コ
ートされた相から実質的に移動しないような液晶相を自
発的に形成する傾向を明らかに有する。しかし、8以上
(一般的に8〜12)の処理pHのところでは高い溶解
性を有し、その結果写真処理時に色素が完全に除去され
ることも多い。
【0096】本発明は、溶媒(特に、水)及び親水性コ
ロイド(例えば、水性ゼラチン)において、液晶を形成
するように官能化された多種多様の色素群を含む。これ
らの物質は、上記のような写真システムのフィルター色
素として、分光増感剤として、そしてインクジェット、
バーコード付け、及び熱現像画像形成システムの非写真
画像形成用途において特に有用である。色素リオトロピ
ック液晶相を扱うことの教示はほとんど存在しない。さ
らに、当業者が液晶を形成できる色素を設計及び合成す
ること、もしくは画像形成要素で、それらの形成が影響
を及ぼすことの教示は全くない。
【0097】多くの物質では、物質の3つの状態のみ、
即ち、固体、液体及び気体が存在することが一般的に受
け入れられている。しかし、いくつかの物質は、一般的
に液晶相(メソ相)とよぶ物質の第四の状態を示す。液
晶相は結晶固体でも等方性液体でもないが、両方のいく
つかの性質を示す。液晶相は、簡単に、一定大きさの分
子配列を有する液体と記述することができる。次に記載
するように、この分子配列は、他の状態では液体に非常
に似ている物質の内部特性において測定可能な非等方性
を生じる。従って、液晶物質の物性は特異的であり、固
体及び液体の物性とは区別される。これらの違いを利用
して写真要素の形成に有利とすることができ、また種々
の光学的技法及び分光分析技法による液晶相の検出が可
能である。
【0098】液晶はサーモトロピック型とリオトロピッ
ク型に分類することができる。本発明の色素組成物は、
リオトロピック型であるが、比較のために先ず、サーモ
トロピック型を説明する。いくつかの結晶化合物は融解
しても直ちに等方性液体を生成しないかわりに、新たに
形成された「溶融物」は液晶相(メソ相)である。簡単
な場合では、さらに加熱すると通常の等方性液体の形成
が起きる。結晶固体の融点より上であるが等方性液体の
形成温度より下で存在する相は、サーモトロピック型液
晶相として知られている。ある場合では、最初に形成さ
れたメソ相を加熱しても、等方性液体を生じないで、む
しろ一つ以上の中間液晶相を生じ、最終的に(形成され
る最後のもの)さらに加熱して、等方性液を生じる。こ
のようにして形成されるメソ相は通常、全てサーモトロ
ピック型と分類される。サーモトロピック型液晶の用語
は、また、化合物の共融混合物を含むまで拡張される。
サーモトロピック型液晶は、一般的に、無色の有機物質
であり、典型的に、疎水性(水不溶性)である。これら
は通常、電気−光学ディスプレイ素子、例えば、デジタ
ル時計及び計算機に用いられる。
【0099】これに対して、適当な溶質(メソゲン)に
溶媒を単に加えることによって、定温でリオトロピック
型液晶の自発的形成を実現できる。溶媒は典型的に(必
ずしもそうでないが)水であり、リオトロピック型メソ
相は濃度及び温度の有限範囲にわたって安定である。典
型的なリオトロピック型メソゲンは両親媒性である。用
語「両親媒性」は、親水性基(例えば、脂肪族及び芳香
族)並びに疎水性基(例えば、CO2 - + 、SO3 -
+ 、SO4 - + 、O(CH2 CH2 O)x)の両方
が同一分子上に存在することを意味する。これらの例に
は、界面活性剤、脂質、ポリマー、色素、及び医薬物質
が含まれる。これらの分子の両親媒性及び親水性−疎水
性バランス(HHB)が、リオトロピック型メソ相を形
成するその傾向に影響を与える。
【0100】形成される液晶相(複数でもよい)の構造
体タイプ並びに濃度及び温度に対する安定性は、メソゲ
ン依存性が高い。例えば、Koll等は、米国特許第4,309,
183号明細書(1982年、1 月、5 日発行)において、特
定のアニオン性アゾ反応性色素のリオトロピック型液晶
相を、天然及び合成基材を染色及び印刷する特定用途た
めに、室温及び色素濃度12〜35%でどのようにして
水中で調製できるかを教示する。しかし、そのような色
素の画像形成要素への引用は報告されていない。
【0101】リオトロピック型メソ相形成をコントロー
ルする短期の分子間力及び長期の凝集体間力の複合的な
相互作用のために、所定の溶質−溶媒組合せにおける液
晶形成の見込みもしくは安定性を予測することは困難で
ある。置換基を好適に操作すると、多種多様の発色団が
リオトロピック型液晶が形成できる場合があり、且つ形
成することを実証することが本発明の一つの目的であ
る。いくつかの全く通常の色素群、言い換えると、メソ
相が今まで報告されていない色素群を写真に有用なリオ
トロピック型メソゲンに変更するのに有効な置換基組合
せの例を提供することが本発明の更なる目的である。
【0102】好ましい態様では、両親媒性フィルター色
素を、親水性溶媒、典型的に(但し、限定されない)水
もしくは水性ゼラチンに、湿潤レイダウン(色素濃度)
及び温度選択(好ましくは、色素30重量%以下、より
好ましくは、色素10重量%以下、より好ましくは、色
素5重量%以下、最も好ましくは、色素0.5重量%以
下、温度0〜100℃)で分散させると任意の液晶相を
形成する。最も好ましい態様では、前記色素メソ層は、
層状のスメクチック構造を有し、別の好ましい態様で
は、この色素のメソ層はネマチックもしくは六方晶構造
を有する。リオトロピック型両親媒性(特に、イオン
性)フィルター色素の液晶層安定性は、また、異なるタ
イプのゼラチン、ポリマー、有機溶媒(例えば、アルコ
ール及びアセトン)並びに界面活性剤等の添加物の存在
に対して感受性を有することも見出された。例えば、低
レベルの通常の電解質はイオン性色素メソ層形態を安定
化することができる。イオン性フィルター色素のメソ層
安定性(温度及び濃度の両方に対する)の向上は、ゼラ
チン製造における副生成物としての異なる量及びタイプ
の電解質カチオン並びにアニオン(例えば、カルシウ
ム、マグネシウム、ナトリウム、塩化物及びスルファ
ト)を含有する写真用ゼラチン(例えば、いわゆるレギ
ュラー、脱イオンもしくは脱石灰ゼラチングレード)を
賢明に選択することによって、簡単に達成することがで
きる。
【0103】同様に、非脱イオン水を用いるか、又は精
製水(脱イオン水もしくは蒸留水)に低レベルの塩を添
加することによって、ある種のイオン性フィルター色素
のメソ層安定性を高めることができる。本発明に好まし
い色素を、それを調合、分散、コーティング及び乾燥す
る場合に一般的用いられる実施条件下で、安定なリオト
ロピック型メソ層を示すように選択する。色素の分野の
当業者は、本明細書に開示した指針に従って、色素構造
及び/もしくは溶媒条件を系統的に最適化して、好適な
メソゲン−溶媒組合せの場合の色素メソ層形成及び安定
性を増強並びにコントロールすることができるであろう
ことは理解されよう(色素メソ相の温度安定性は色素メ
ソ相濃度と共に常に増加する)。
【0104】メソ層形成は、濃度と温度の両方に依存す
るので、好ましい両親媒性フィルター色素のいくつか
は、最初に等方性溶液相を形成する場合があり、乾燥工
程でより濃縮された温度安定性のメソ相へ遷移すること
は理解されよう。
【0105】希釈液晶色素相として、含水親水性コロイ
ド媒体(例えば、水性ゼラチン)に最初に分散された好
ましい両親媒性フィルタ色素のいくつかは、乾燥の際に
全体的に液晶のままであるか、又は(濃度に依存する
か、もしくはイオン強度に依存して)乾燥工程で液晶状
態から結晶、半結晶、もしくは非晶質固体色素状態、又
はそれらの混合物に可逆遷移する場合がある。しかし、
そのような場合、好ましい色素は依然として、最初に分
散された希釈色素メソ相に伴う有用な分光特性及び物性
(例えば、良好な被覆力を提供する吸収エンベロープ、
層特異性、インキュベーション安定性、迅速処理溶離及
び/もしくは漂白性)を広く保持することが見出され
た。
【0106】ゼラチン分散された色素の最終物理形態
(液晶、結晶、非晶質固体)は、所定の温度及び湿度条
件並びに他の媒質の存在下で蒸発した(乾燥した)ゼラ
チンフィルムの保持水分(水)含量に関連する当該色素
の正確な相挙動に依存するであろう。しかし、本発明に
従うと、写真ベヒクルに調合及び分散されたとき液晶の
ままであるか、又は次のコーティング及び乾燥工程のい
ずれかの段階で一時的に液晶相を通過する色素は、本明
細書で記載する分光特性及び物性の両方の有用且つ独特
の組合せを提供する。本明細書で用いる「蒸発」コーテ
ィングもしくは「乾燥」コーティングの用語は、過剰の
水もしくは溶媒を乾燥工程によって蒸発させるか除去さ
せた含水水性ゼラチン溶融物からなるコーティング(但
し、依然として最終の画像形成要素、特に写真画像形成
要素の典型的な平衡水分濃度は保持している)を称する
ことを強調するものである。
【0107】本発明に従うと、好ましい色素発色団はい
くらかの追加された親水性度を有しなければならず、そ
れは、イオン性、両性イオン性もしくは非イオン性可溶
化基によって与えられ、水性媒体にリオトロピック型液
晶相を形成することができる。同様に、必要な場合、非
水性(例えば、有機)溶媒用途では、色素は、親水性よ
りもむしろ追加の疎水性の分枝脂肪鎖のような可溶化部
分を有するのがよい。
【0108】通常のメソ相構造型、例えば、層状スメク
チック(例えば、ラメラ)、柱状六方晶及びネマチック
(これらは、種々の程度の配向性及び遷移性分子配列を
有する)を、多くの多種多様なリオトロピック型メソゲ
ンによって形成することができる。異方性で、熱力学的
に安定な超分子構造の本来的な配列性のために、例え
ば、小角X線(中性子)散乱、偏光光学顕微鏡法及び四
重極(例えば、23Na、 2 H、17O、14N)NMR分光
分析を含む実験的技法を、リオトロピック型メソ相の構
造及び物理化学特性の識別及び特性決定に、決まった手
順で適用することができる。
【0109】本発明に従うと、偏光光学顕微鏡法(N.H.
Hartshorneによって、「The Microscopy of Liquid Cry
stals 」, Microscope Publications Ltd., London, En
gland, 1974 、に記載されている)を用いて、好ましい
色素を容易に識別することができる。所定の色素−溶媒
組合せの正確な量的メソ相挙動を確認するために、既知
の組成物の一定範囲の試料混合物を用意し(一般的に、
水性ゼラチンに溶解した色素)、濡れた薄膜(経路長が
わかっている密封されたガラス毛管セルに入れたもの)
として偏光で観察し、薄膜をゆっくりと蒸発させて(顕
微鏡ガラススライドに手塗りして自然乾燥させる)色素
メソ相安定の正確な濃度および温度領域を確認する。ま
た、これらの同様の薄膜プレパレーションを用いて、色
素メソ相の分光吸収特性、例えば、UV−可視分光光度
計を用いて、吸収波長、バンド幅、及び吸光度係数を分
析且つ定量することもできる。
【0110】偏光下の薄膜メソ相プレパレーションで表
される複屈折型テクスチャー及びレオロジー(剪断下で
の流体挙動)を単に観察することで、溶質−溶媒濃度及
び温度の関数として、メソ相構造型(例えば、特定のロ
ングレンジ凝集体間配列によって、スメクチック、ネマ
チック、六方晶)は十分に確認される。リオトロピック
型発色ネマチックメソ相を形成する色素を、流体領域
(いわゆる、シュリーレン、タイガースキン、網状、ホ
モジニアス(平面)、糸状、液滴、ホメオトロピック
(擬等方性)を含む粘弾性テクスチャー)から確認でき
る。リオトロピック型発色六方晶メソ相は、通常、粘
性、複屈折ヘリンボン、リボンもしくはファン状テクス
チャーを示すが、リオトロピック型発色スメクチックメ
ソ相は、粒状モザイク、葉状(擬シュリーレン)、球顆
状及び油線状複屈折テクスチャーを示す。
【0111】偏光光学顕微鏡法を用いて試料の液晶性質
を決定的に確認できない場合は、他の十分に確立された
経験的な方法を用いることができる。例えば、リオトロ
ピック型メソ相は特徴的な四重NMR分光分析線形状及
び四重分割を示すが、小角及び広角X線(中性子)回折
測定は、特異且つ特徴的な構造回折パターン(G.W.Gray
& P.A.Winsor 編、「Liquid Crystals and Plastic Cr
ystals」、Ellis Horwood Ltd., Chichester, UK, 197
4, 1 及び2 巻を参照されたい)を提供する。そのよう
な相依存特性を用いて、例えば、液晶フィルター色素分
散物と通常の微晶質(即ち、固体)フィルター色素分散
物とを区別することができる。
【0112】本発明の色素の特に有利な点は、不溶性で
あり、写真媒体において微晶質固体粒子として存在する
公知の比較色素よりも、液晶状態で、そのコーティング
λma x のところで、高い被覆力を有することである。こ
の利点は、高被覆力を供えたフィルター色素は、同程度
の光濾過を達成するために、低被覆力の色素と同程度に
多い被覆量でコートする必要がないので、最近のフィル
ムフォーマット及び処理条件では特に重要である。さら
に、製造コストの低下及びコートする色素量が少ないこ
とは、写真要素の処理時の好ましくない色素汚染量を低
減し、処理液に蓄積する色素残留物の量を低減し、結果
として写真要素から除去されたより少ない溶解色素量は
環境に与える影響が小さい。
【0113】本発明の色素の更なる利点は、典型的な固
体粒子色素よりも深色側においてよりシャープカットし
た吸光度包絡線を一般的に有することである。この特徴
は、特定のλmax までの分光領域において、強い光吸収
が必要とされ、特定のλmaxの後、最大光透過が必要と
される場合に特に有利である。そのようなフィルター色
素もしくはトリマー色素は特に有用であり、カラー写真
要素の特定層にコートした場合、特定の波長領域の光が
当該色素を含有する光濾過層より下の輻射線感受性層を
露光するの防止するが、フィルター色素より下の層の感
度低下を起こさせない。赤感性ハロゲン化銀層の直上に
コートされた緑フィルター色素は、そのような吸収特徴
の特に有利な例であり、優れた緑/赤分離を達成するこ
とができる。
【0114】フィルター色素もしくはトリマー色素のシ
ャープカット深色縁部は、その吸光極大まで効率よく光
を吸収する(その吸光極大を通る光があっても非常に少
ない)ことによって、最小限の感度損失で優れた色再現
を可能にする。深色縁部で緩やかにシャープカットする
だけのマゼンタトリマー色素(緑吸収剤)は、フィルタ
ー色素として機能することができるが、そのλmax を通
り越した赤領域での望ましくない吸収が、下にコートさ
れた赤感性乳剤から赤光(従って、感度)を奪う。典型
的なカラー写真要素では、コートした場合に550nm
に近い波長のところで強く吸収するが、550nmを越
える波長のところでは相対的に小さく吸収する緑吸収フ
ィルター色素を有することが望ましい。
【0115】フィルター色素、特に緑フィルター色素の
場合、所望の光吸収の正確な包絡線が、その写真材料の
意図する目的に従って、一つの写真要素から別の写真要
素へと大きく変化することが強調される。いくつかの写
真要素は550nmより幾分短いかもしくは長い波長ま
で強く吸収するが、深色側をシャープカットして、所望
の吸光極大を通り越す光波長を大部分透過する、緑フィ
ルタ色素の様なフィルター色素を必要とする。シャープ
カット深色及び/もしくは浅色特性を示すコートされた
色素吸収の特徴は、特定波長光濾過に基本的に有用であ
るが、吸収から透過へと望ましい分光シフトする正確な
波長は、写真材料が異なると、異なる場合がある。
【0116】本発明の色素の更なる利点は、液晶状態で
多くの色素がその溶解した等方性溶液状態よりも非常に
シャープに吸収する、即ち、非常に狭い半値幅を有する
ことである。さらに、溶解した等方性溶液状態の色素と
異なり、液晶状態の色素は本質的に非移動性であって、
大きく拡散する傾向がないので、層特異的にコートする
ことができる。
【0117】この色素は光を吸収することが望ましい要
素のいずれの層にも配置してもよいが、写真要素では、
これらを処理時に溶解され洗い流される層に配置するこ
とが特に有利である。有用な色素量は、1〜1000m
g/m2 の範囲である。色素は、処理前は、少なくとも
0.10の濃度単位、好ましくは少なくとも0.50の
濃度単位で、目的の分光領域の吸光Dmax のところに光
学濃度を生成するのに十分な量で存在するのがよい。こ
の光学濃度は、大部分の写真用途の場合、一般的に、
5.0濃度単位未満である。
【0118】本発明の色素を、中間層色素、トリマー色
素、ハレーション防止色素もしくは光吸収要素として用
いることができる。本発明の色素を用いて、米国特許第
4,900,652 号及び同4,803,150 号明細書並びに欧州特許
出願公開公報第0391405 号に記載されているようにX線
材料のクロスオーバーを防止すること、米国特許第4,98
8,611 号明細書に記載されているように、そして特定色
素の吸収スペクトルによって指定される他の用途におい
て、多層写真要素の感光性乳剤層に望ましくない光が到
達するのを防止することができる。本発明の色素を別個
のフィルター層に用いるか、粒子間吸収剤として用いる
ことができる。
【0119】式I〜VIIIの液晶形成性色素は輻射線
感受性材料の調製に有用である。そのような材料は、可
視光、紫外、赤外、もしくはX線等の輻射線に感受性を
有する。また、式I〜VIIIの液晶形成性色素は、熱
現像要素、もしくはインクジェット用途の色素材料等の
非写真画像形成要素に有用である。非写真画像形成材料
は、レーザー、発光ダイオードに感受性を有するCDも
しくは他の媒体等の光学記録要素、又は熱現像材料とな
ることができる。
【0120】本発明のもう一つの態様は、式(I〜VI
II)の液晶形成性色素を含有する輻射線感受性要素を
含んでなる。好ましくは、当該輻射線感受性要素は、少
なくとも一層の感光性親水性コロイド層及び少なくとも
一層の他の親水性コロイド層を支持体上に含んでなる写
真要素である。式I〜VIIIの色素を任意の公知の方
法で写真要素の親水性層に導入することができる。本発
明の要素の支持体は、以下により具体的に記載するよう
な写真要素の多くの周知の支持体となることができる。
【0121】本発明により製造される写真要素は、単色
要素であっても多色要素であってもよい。多色要素は、
スペクトルの三つの主領域の各々に対して感光する画像
色素生成ユニットを含有する。各ユニットは、スペクト
ルの特定領域に感光する単一乳剤層または多層乳剤層を
含むことができる。画像形成ユニットの層をはじめとす
る該要素の層は、当該技術分野で知られている様々な順
序で配置することができる。別のフォーマットでは、ス
ペクトルの三つの主領域の各々に対して感光する乳剤
を、単一のセグメント化層として配置することもでき
る。
【0122】典型的な多色写真要素は、少なくとも一種
のシアン色素生成性カプラーと組み合わされている一層
以上の赤感性ハロゲン化銀乳剤層を含むシアン色素画像
形成ユニットと、少なくとも一種のマゼンタ色素生成性
カプラーと組み合わされている一層以上の緑感性ハロゲ
ン化銀乳剤層を含むマゼンタ色素画像形成ユニットと、
少なくとも一種のイエロー色素生成性カプラーと組み合
わされている一層以上の青感性ハロゲン化銀乳剤層を含
むイエロー色素画像形成ユニットとを担持する支持体を
含む。該要素は、フィルター層、中間層、オーバーコー
ト層、下塗層、等のような別の層をさらに含有してもよ
い。これらのすべてを、透明であっても反射性(例え
ば、紙支持体)であってもよい支持体の上に塗布するこ
とができる。
【0123】本発明の写真要素は、リサーチ・ディスク
ロージャー(Research Disclosure,Item 34390, 1992
年11月)に記載されているような磁気記録層、又は米国
特許第4,279,945 号及び同第4,302,523 号に記載されて
いるような透明支持体の下側にある磁性粒子を含有する
層のような透明磁気記録層をさらに含むと有用である場
合がある。当該要素の全厚(支持体は除く)は5 〜30μ
m であることが典型的である。感色層の順序は変更可能
であるが、通常は、透明支持体の上に順に赤感性、緑感
性及び青感性とし(すなわち、青感性層が支持体から最
も遠い)、反射性支持体ではその反対の順序とすること
が典型的である。
【0124】本発明はまた、本発明の写真要素をいわゆ
るシングルユースカメラ(又は「レンズ付きフィルム」
ユニット)に使用することも企図している。これらのカ
メラは、予めフィルムを装填した状態で市販され、そし
て露光済フィルムをカメラ内部に残したままカメラ全体
を処理業者に戻す。このようなカメラはガラス製又はプ
ラスチック製のレンズを有し、これを介して写真要素の
露光を行うことができる。
【0125】本発明の要素において使用するのに好適な
材料に関する以下の記述では、リサーチ・ディスクロー
ジヤー(Research Disclosure, l996 年9 月, No.389,
Item 38957 )(以下、「リサーチ・ディスクロージャ
ーI 」と称する。)を参照する。以降でいうセクション
とは、特記しない限り、リサーチ・ディスクロージャ一
I のセクションをさすものとする。リサーチ・ディスク
ロージャーは、すべて英国のKenneth Mason Publicatio
ns社(Dudley Annex, 12a North Street, Emsworth, Ha
mpshire, P0107DQ)の刊行物である。
【0126】本発明の写真要素において用いられるハロ
ゲン化銀乳剤は、ネガ型、例えば、表面感性乳剤もしく
は未カブリ内部潜像形成性乳剤、又は(処理中にカブら
される)内部潜像形成型のポジ乳剤であることができ
る。好適な乳剤及びその調製、並びに化学増感及び分光
増感方法は、セクションI 〜V に記載されている。カラ
一材料及び現像調節剤は、セクションV 〜XXに記載され
ている。写真要素に用いることができるベヒクルはセク
ションIIに記載されており、また各種添加剤、蛍光増白
剤、カブリ防止剤、安定剤、光吸収及び散乱性材料、硬
膜剤、塗布助剤、可塑剤、減摩剤及び艶消剤は、例えば
セクションVI〜XIIIに記載されている。製法はすべての
セクションに記載されており、層配置は特にセクション
XIに、露光別法はセクションXVI に、そして処理法及び
処理剤はセクションXlX 及びXXにそれぞれ記載されてい
る。
【0127】ネガ型ハロゲン化銀を使用することにより
ネガ像を形成することができる。必要に応じてポジ(又
はリバーサル)像を形成することができるが、通常はま
ずネガ像を形成させる。
【0128】本発明の写真要素は、欧州特許第213490
号、特開昭58-172647 号、米国特許第2,983,608 号、ド
イツ国特許出願第2,706,ll7 号C 、英国特許第1,530,27
2 号、特開昭58-ll3935 号、米国特許第4,070,191 号及
びドイツ国特許出願第2,643,965 号に記載されているも
ののようなマスキングカプラー及びカラードカプラー
(例えば、中問層補正のレベルを調節するため)をさら
に使用することができる。マスキングカプラーをシフト
もしくはブロックすることができる。
【0129】写真要素は、漂白もしくは定着の処理段階
を促進もしくは改良して画質を改善する材料をさらに含
有することができる。欧州特許第193389号、同301477
号、米国特許第4,163,669 号、同4,865,956 号及び同4,
923,784 号の各明細書に記載されるような漂白促進剤が
特に有用である。また、核形成剤、現像促進剤もしくは
その前駆体(英国特許第2,097,140 号、同2,131,188
号);電子移動剤(米国特許第4,859,578 号、同4,912,
025 号);ヒドロキノン、アミノフェノール、アミン、
没食子酸の誘導体等のようなカブリ防止剤及び混色防止
剤;カテコール;アスコルビン酸;ヒドラジド;スルホ
ンアミドフェノール;及び非発色カプラーを用いること
も考えられる。
【0130】また、当該要素は、コロイド状銀ゾル又は
イエロー及び/もしくはマゼンタフィルター色素及び/
もしくはハレーション防止色素を水中油型分散体、ラテ
ックス分散体もしくは固体粒子分散体として(特に、す
べての感光層の下のアンダーコートに又は支持体のすべ
ての感光層が配置されている側とは反対側に)含んでな
るフィルター色素層をさらに含むことができる。さら
に、要素は、「スミアリング(smearing)」カプラー
(例えば、米国特許第4,366,237 号、欧州特許096570
号、米国特許第4,420,556 号及び同4,543,323 号明細書
に記載されているようなもの)と共に使用することがで
きる。また、当該カプラーは、例えば、特願昭61-25824
9 号もしくは米国特許第5,019,492 号明細書に記載され
るような保護された形態で、ブロックもしくは塗布され
ていてもよい。
【0131】写真要索は、さらに、他の画像改良化合
物、例えば、「現像抑制剤放出型」化合物(DIR )を含
有することができる。本発明の要素にとって有用な追加
的DIRは、当該技術分野では公知であり、それらの例
は、米国特許第3,137,578 号、同3,148,022 号、同3,14
8,062 号、同3,227,554 号、同3,384,657 号、同3,379,
529 号、同3,615,506 号、同3,617,291 号、同3,620,74
6 号、同3,701,783 号、同3,733,201 号、同4,049,455
号、同4,095,984 号、同4,126,459 号、同4,149,886
号、同4,150,228 号、同4,211,562 号、同4,248,962
号、同4,259,437 号、同4,362,878 号、同4,409,323
号、同4,477,563 号、同4,782,012 号、同4,962,018
号、同4,500,634 号、同4,579,816 号、同4,607,004
号、同4,618,571 号、同4,678,739 号、同4,746,600
号、同4,746,601 号、同4,791,049 号、同4,857,447
号、同4,865,959 号、同4,880,342 号、同4,886,736
号、同4,937,179 号、同4,946,767 号、同4,948,716
号、同4,952,485 号、同4,956,269 号、同4,959,299
号、同4,966,835 号、同4,985,336 号並びに特許公報英
国特許第1,560,240 号、同2,007,662 号、同2,032,914
号、同2,099,167 号、ドイツ国特許第2,842,063 号、同
2,937,127 号、同3,636,824 号、及び同3,644,416 号、
並びに欧州特許公開公報第272,573 号、同335,319 号、
同336,411 号、同346,899 号、同362,870 号、同365,25
2 号、同365,346 号、同373,382 号、同376,212 号、同
377,463号、同378,236 号、同384,670 号、同396,486
号、同401,612 号、同401,613 号に記載されている。
【0132】また、DIR 化合物は、「Developer-Inhibi
tor-Releasing (DIR )Couplers for Color Photograp
hy」、C,R, Barr, J,R, Thirtle 及びP,W, Vittum 、Ph
otographic Science and Engineering、第13巻、174 頁
(1969)にも記載されている。
【0133】リサーチディスクロージャー(Research D
isclosure,)1979 年11月、Item18716 、英国のKenneth
Mason Publications社(Dudley Annex, 12a North Stre
et,Emsworth, Hampshire, P0107DQ)より入手可能)に
記載されているように、本発明の概念を利用して反射カ
ラープリントを得ることができることも考えられる。本
発明の要素を構成する乳剤及び材料は、米国特許第4,91
7,994 号に記載されているようなpH調整済支持体上に、
欧州特許第0164961 号に記載されているようなエポキシ
溶剤と共に、(例えば米国特許第4,346,165 号、同第4,
540,653 号及び同第4,906,559 号に記載されているよう
な)追加の安定剤と共に、カルシウムなどの多価カチオ
ンに対する感度を低下させるための米国特許第4,994,35
9 号に記載されているようなバラスト化キレート化剤と
共に、そして米国特許第5,068,171 号及び同第5,096,80
5 号に記載されているようなステイン低減性化合物と共
に、塗布することができる。本発明の要素において有用
となり得るその他の化合物については、下記の特許出願
公開公報に記載されている:83-09959、83-62586、90-7
2629、90-72630、90-72632、90-72633、90-72634、90-7
7822、90-78229、90-78230、90-79336、90-79338、90-7
9690、90-79691、90-80487、90-80489、90-80490、90-8
0491、90-80492、90-80494、90-85928、90-86669、90-8
6670、90-87361、90-87362、90-87363、90-87364、90-8
8096、90-88097、90-93662、90-93663、90-93664、90-9
3665、90-93666、90-93668、90-94055、90-94056、90-l
01937、90-103409 、90151577。
【0134】写真要素に用いられるハロゲン化銀は、ヨ
ウ臭化銀、臭化銀、塩化銀、塩臭化銀及び塩ヨウ臭化銀
であることができる。例えば、本発明の写真要素に用い
られるハロゲン化銀は、塩化銀を少なくとも90%より
多く(例えば、塩化銀少なくとも95%、98%、99
%もしくは100%)含有することができる。そのよう
な高塩化物ハロゲン化銀乳剤の場合、臭化銀が少し存在
してもよいが、一般的には、ヨウ化銀は実質的に含まな
い。実質的にヨウ化銀を含まないとは、ヨウ化物濃度が
1%以下、好ましくは、0.5%もしくは0.1%未満
であることを意味する。特に、そのような場合、その感
度を増すために塩化銀を臭化物源で処理できることも可
能性として考えられるが、得られた乳剤の臭化物の全体
濃度は一般的に約2〜2.5%以下、好ましくは約0.
6〜1.2%(残りは塩化銀)である。ここにいう%は
モル%である。
【0135】ハロゲン化銀粒子のタイプには多形体、立
方体及び八面体が含まれることが好ましい。ハロゲン化
銀の粒径は、写真用組成物において有用であることが知
られているものであればどのような分布を示してもよ
く、また多分散であっても単分散であってもよい。
【0136】平板状粒子ハロゲン化銀乳剤を使用するこ
ともできる。平板状粒子とは、平行な二つの主面がそれ
ぞれ残りのどの粒子面よりも明らかに大きい粒子のこと
であり、また平板状粒子乳剤とは、平板状粒子が総粒子
投影面積の30%以上、より典型的には50%以上、好まし
くは70%超、最適には90%超を占めている乳剤のことで
ある。平板状粒子が総粒子投影面積の実質的に全部(>
97%)を占めることもあり得る。平板状粒子乳剤は、高
アスペクト比平板状粒子乳剤、すなわちECD /t >8 で
あることができる。ここにECD は粒子投影面積に等しい
面積を有する円の直径を表し、またt は平板状粒子の厚
さを表す。また、平板状粒子乳剤は、中アスペクト比平
板状粒子乳剤、すなわちECD /t =5 〜8 であること、
或いは低アスペクト比平板状粒子乳剤、すなわちECD /
t =2 〜5 であることも可能である。乳剤は、典型的に
は高い平板状度(T )を示す。ここにT (すなわち、EC
D/t2)>25であり、ECD 、t 共にマイクロメートル
(μm )単位で測定される。平板状粒子は、平板状粒子
乳剤の平均アスペクト比及び/又は平均平板状度の目標
値を達成するものであれば、任意の厚さを有することが
できる。投影面積の要件を満たす平板状粒子が0 .3 μ
m 未満の厚さを有するものであることが好ましく、薄い
(<0 .2 μm )平板状粒子が特に好ましく、そして平
板状粒子の性能を最大限に高めるためには極薄(<0 .
07μm )の平板状粒子が考えられる。青感度をヨードハ
ロゲン化物系平板状粒子の固有青吸収に頼る場合には、
比較的厚い平板状粒子、典型的には最大0 .5 μm まで
の厚さを有する平板状粒子を使用することが考えられ
る。
【0137】高ヨウ化物平板状粒子乳剤がHouse の米国
特許第4,490,458 号、Maskaskyの米国特許第4,459,353
号及びYagiらの欧州特許出願公開第0410410 号に記載さ
れている。面心立方形(岩塩型)結晶格子構造を成すハ
ロゲン化銀で構成された平板状粒子は、{100}主面
又は{111}主面のいずれを有することもできる。
{111}主面型平板状粒子を含有する乳剤について
は、粒子分散度、ハロゲン化物分布、双晶面問隔、エッ
ジ構造及び粒子ディスロケーションが制御されたもの並
びに{111}粒子面安定剤を吸着させたものを含み、
リサーチディスクロージャーI 、セクションI,B,(3 )
(第503 頁)に引用されている文献に記載されている。
【0138】本発明において用いられるハロゲン化銀粒
子は、当該技術分野で周知の方法、例えば、リサーチ・
ディスクロージャーI 及びThe Theory of the Photogra
phicProcess, 第4 版, T.H. James編, Macmillan Publi
shing Co., New York, 1977に記載されている方法に従
い調製することができる。これらには、アンモニア乳剤
製法、中性又は酸性乳剤製法その他当該技術分野で周知
のもののような方法が含まれる。これらの方法は、一般
に、水溶性銀塩と水溶性ハロゲン化物塩とを保護コロイ
ドの存在下で混合し、析出によりハロゲン化銀が形成さ
れる際の温度、pAg 、pH、等を適当な値に制御するとい
うものである。
【0139】本発明において用いられるハロゲン化銀
は、貴金属(例えば、金)増感剤、中間カルコゲン(例
えば、イオウ)増感剤、還元増感剤及び当該技術分野で
公知のもので、化学増感を施すことが有利である場合が
ある。ハロゲン化銀の化学増感に有用な化合物及び技法
については当該技術分野では周知であり、リサーチ・デ
ィスクロージャーI 及びその中に引用されている文献に
も記載されている。
【0140】本発明の写真要素は、典型的ではあるが、
ハロゲン化銀を乳剤の形態で与える。写真乳剤は、一般
に、乳剤を写真要素の層として塗布するためのベヒクル
を含む。有用なベヒクルとして、天然物、例えば、タン
パク質、タンパク質誘導体、セルロース誘導体(例、セ
ルロースエステル)、ゼラチン(例、牛骨もしくは獣皮
ゼラチンのようなアルカリ処理ゼラチン又は豚皮ゼラチ
ンのような酸処理ゼラチン)、ゼラチン誘導体(例、ア
セチル化ゼラチン及びフタル化ゼラチン)、その他リサ
ーチディスクロージャーl に記載されているもの、が挙
げられる。また、ベヒクル又はベヒクル増量剤として有
用なものに、親水性透水性コロイドがある。これには、
リサーチディスクロージャーI に記載されているよう
に、合成ポリマー系解こう剤、キャリヤ及び/又はバイ
ンダー、例えば、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(ビ
ニルラクタム)、アクリルアミドポリマー、ポリビニル
アセタール、アルキル及びスルホアルキルアクリレート
並びにメタクリレートのポリマー、加水分解ポリビニル
アセテート、ポリアミド、ポリビニルピリジン及びメタ
クリルアミドコポリマーが含まれる。ベヒクルは、写真
乳剤において有用であれぱ任意の量で乳剤中に存在する
ことができる。また、乳剤には、写真乳剤において有用
であることが知られている添加剤のいずれでも含めるこ
とができる。これらには、例えば、活性ゼラチン、硫
黄、セレン、テルル、金、白金、パラジウム、イリジウ
ム、オスミウム、レニウム、リン又はこれらの混合物等
の化学増感剤が含まれる。化学増感は、リサーチディス
クロージャーI 、セクションlV(第510 −511 頁)及び
その中に引用されている文献に記載されているように、
一般に、5 〜10のpAg レベル、5 〜8 のpHレベル、30〜
80℃の温度で行われる。
【0141】ハロゲン化銀は、リサーチ・ディスクロー
ジャーI に記載されているような、当該技術分野で周知
のいずれかの方法により増感色素で増感されることがで
きる。増感色素は、写真要素に乳剤をコートする前の任
意のとき(例えば、化学増感時もしくは後)又は同時に
ハロゲン化銀粒子と親水性コロイドの乳剤に添加するこ
とができる。増感色素は、例えば、水もしくはアルコー
ル溶液として添加することができる。増感色素/ハロゲ
ン化銀乳剤とカラー画像形成性カプラー分散液との混合
は、塗布工程の直前に、又は塗布工程に先立ち(例えば
2時間前に)行うことができる。
【0142】本発明の写真要素は、リサーチディスクロ
ージャーI 、セクションXVI に記載されているものをは
じめとする公知の技法のいずれかを用いて像様露光され
ることが好ましい。この典型的なものとして、スペクト
ルの可視領域の光で露光することがあり、このような露
光の典型的なものはレンズを通した実物像のものである
が、記憶された画像(例えば、コンピューターに記憶さ
せた画像)に対して発光装置(例えば、発光ダイオード
やCRT )によって露光することも可能である。
【0143】本発明の組成物を含む写真要素は、例えば
リサーチディスクロージャーI 又はThe Theory of the
Photographic Process,第4 版,T .H .James 編,Ma
cmillan Publishing Co .,New York,1977年、に記載
されている周知の処理組成物のいずれかを用いた周知の
写真処理法のいずれかによって処理することができる。
ネガ型要素を処理する場合、要素を発色現像液(カラー
カプラーにより着色画像色素を生成するもの)で処理
し、次いで酸化剤及び溶剤で処理して銀及びハロゲン化
銀を除去する。リバーサル型カラー要素を処理する場合
には、要素を最初に黒白現像液(カプラー化合物による
着色色素の生成がない現像液)で処理し、次いでハロゲ
ン化銀をカブらせる処理(通常は化学カブリ又は光学カ
ブリ処理)をし、その後に発色現像液で処理する。好適
な発色現像主薬はp 一フェニレンジアミン類である。特
に好ましいものとして、4 −アミノ−N ,N −ジエチル
アニリン塩酸塩、4 −アミノ−3 −メチル−N ,N −ジ
エチルアニリン塩酸塩、4 −アミノ−3 メチル−N −エ
チル−N −(β−(メタンスルホンアミド)エチル)ア
ニリンセスキ硫酸塩水和物、4 −アミノ−3 −メチル−
N −エチル−N −(β−ヒドロキシエチル)アニリン硫
酸塩、4 −アミノ−3 −β−(メタンスルホンアミド)
エチル−N ,N −ジエチルアニリン塩酸塩及び4 −アミ
ノ−N −エチル−N −(2 −メトキシエチル)−m −ト
ルイジン ジ−p −トルエンスルホン酸が挙げられる。
現像後、漂白−定着を続け、銀もしくはハロゲン化銀を
除き、洗浄して乾燥する。
【0144】
【実施例】色素2−1の合成 トリエチルアミン(2.5g、0.025モル)を、2
5℃で、攪拌している40mlの無水エタノール中の6
−メトキシ−2−フェニル−1,3,3−トリシアノヘ
キサトリエン(5g、0.02モル)及び5−フェニル
−2−メチル−3−スルホプロピルベンゾオキソゾール
(6.6g、0.02モル)のスラリーに少しづつ添加
した。この反応混合物を加熱して還流し、30分間保持
し、そして攪拌しながら25℃まで冷却した。沈殿生成
物を濾過して集めて、エタノールですすいだ。粗色素を
還流でエタノールにスラリー化し、その後25℃に冷却
し、濾過して集めると純粋な色素2−1を8.6g(収
率65%)を得た。全ての分析データは割り当てた構造
と一致した。
【0145】調合物A:固体粒子分散体(SPD)調合
手順 工程1: 次の手順に従ってボールミルによって水性色素
として色素を調合した。水(22.0g)及びTriton X
-200(商標)の10.0%溶液(アルキルアリールポリ
エーテルスルホネート界面活性剤、Rohm and Haas 製)
1.0gを、ねじ込み蓋を有する120mLの瓶にいれ
た。色素の試料1.0gをこの溶液に加えた。酸化ジル
コニウムビーズ(60mL、1.8mm径)を加え、蓋
を固く閉めたこの容器をミルにおき、内容物を4日間粉
砕した。その後、得られた混合物を濾過して、酸化ジル
コニウムビーズを除いた。工程2に記載するように、生
じた水性色素スラリーをゼラチンに分散した。
【0146】工程2:上記の色素スラリー(工程1)の
水性ゼラチン分散物を次のように調製した。色素スラリ
ーを入れる容器を取り、45〜80℃で、既知量の色素
スラリーを12.5%の水性ゼラチン溶液(18.0
g)に加えた。その後、この混合物を水で希釈して8
8.87gにし、最終色素分散体を得た。次の実験で
は、このように調製したゼラチン含有色素分散物を調合
物Aと称する。全体を通して、用語「SPD」を、通
常、固体粒子微晶質色素分散物を調製するのに用いられ
る周知の粉砕技法を用いて調合された色素分散物を簡単
に表すために用いる。これはこの方法で調製された色素
の物理的状態が天然でもっぱら微晶質であることを意味
しない。上記の分散物を、広範な色素濃度範囲、0.0
05〜30重量%で調製することができる。最も一般的
に使用した濃度は0.01〜0.30%色素であった。
【0147】調合物B:直接ゼラチン分散物(DGD)
調合手順 公称2.000gH2 O、0.12500g脱イオンゼ
ラチンを秤量してねじ込み蓋付きガラスバイアルにい
れ、少なくとも30分間25℃で浸漬させた。膨潤した
ゼラチンを攪拌しながら50℃で15分間溶解した。ゼ
ラチン溶液を25℃に冷却し、その後5℃で冷却して硬
化させた。公称2.870gH2 Oを、硬化したゼラチ
ンの上部に加え、次に0.00500gの粉末色素を加
えた。色素粉末を十分に湿らせ、そして攪拌し水層に分
散させ、25℃で17時間放置した。その後、この試料
を湯浴で12時間60〜80℃に加熱し、断続的に攪拌
して混合した。次にこの試料を39.0℃までおおよそ
1時間かけて冷却し、測定するまでこの温度を維持し
た。次の実験セクションでは、このようにして調製した
分散物を調合物B(直接ゼラチン分散体もしくはDG
D)と称する。
【0148】上記調合物は色素濃度0.10重量%に相
当するが、上記の分散物を、広範な色素濃度範囲、0.
005〜30重量%で調製することができる。最も一般
的に使用した濃度は0.01〜0.30%色素であっ
た。ある場合では、脱イオン(脱石灰)ゼラチンよりも
レギュラー石灰処理写真用ゼラチン(非脱石灰)を用い
た。
【0149】例1:色素リオトロピック型液晶相形成の
偏光光学顕微鏡試験(液晶相試験) 本発明色素と比較色素の、既知の組成の直接水性ゼラチ
ン分散物(DGD)を調合物Bにおいて記載したように
調製し、室温まで冷却して硬化させた。小量のゼラチン
色素分散体をガラスバイアルから取り出し、前もって清
浄にしたガラスマイクロスライド(Gold Seal Product
s, USA )とマイクロカバーガラス(VWRScientific, US
A )との間に挟んで、薄膜を形成した。そして、各スラ
イドを偏光素子を備えたZeiss Universal M 顕微鏡を用
いて、16倍対物レンズで偏光で見た。
【0150】液晶DGDは、偏光で見たときのその複屈
折(ブライト)特徴型テクスチャー及び干渉色によって
容易に確認された。等方性DGD(溶液色素、非液晶)
は、偏光で見たとき、複屈折が全くない(ブラック外
観)ことによって容易に液晶DGDと区別された。結晶
DGD(固体色素、非液晶)は、有限サイズの固体色素
粒子もしくは結晶、又はその固体粒子もしくは結晶のク
ランプの存在(カバーガラスに圧力をかけても、中位の
剪断力で容易に変形しなかった)のために等方性及び液
晶DGDと容易に区別された。
【0151】そしてゲルDGDをゲルからゾル遷移をと
おして加熱し(40℃〜50℃)、偏光で試料スライド
を顕微鏡で観察した。リオトロピック型ネマチックメソ
相を形成する色素は、典型的に、いわゆる、シュリーレ
ン、タイガースキン、網状、ホモジニアス(平面)、糸
状、液滴、及びホメオトロピックを含む特徴のある流
体、粘弾性、複屈折テクスチャーを示した。リオトロピ
ック型六方晶メソ相を形成する色素は、粘性、複屈折ヘ
リンボン、リボンもしくはファン状テクスチャーを示し
た。リオトロピック型スメクチックメソ相を形成する色
素は、いわゆる粒状モザイク、球顆状、葉状(擬シュリ
ーレン)及び油線状複屈折テクスチャーを示した。
【0152】本発明の最も好ましい液晶形成性色素は、
その特徴的な複屈折型テクスチャー及びレオロジーから
証明されるように、高温で液晶状態が明確に残ってい
た。ある場合では、加熱すると色素液晶相は可逆的に等
方性相(非液晶)に溶解した。ある場合では、色素液晶
相は、固体色素と共存した。高温で試料スライドを維持
して、色素メソ相(複数でもよい)の存在及び安定性
を、溶媒の周辺蒸発からより濃縮された蒸発(乾燥)状
態までの間モニターした。本発明の最も好ましい色素
は、含水ゲル状態、含水溶融(ゾル)状態及び蒸発(乾
燥)状態で、顕微鏡液晶テクスチャーを示した。これら
の状態(ゲル、ゾル及び蒸発)を、g、s及びeの文字
を使って、表XIの第4欄括弧内に表す。色素及びゼラ
チン濃度は、蒸発前の含水ゲル及びゾル状態のものであ
る。本発明の色素のいくつかでは、既知の組成の水性色
素分散物(ゼラチン無し)を、この粉末色素を水に60
℃で1時間攪拌して混合し、その後顕微鏡試験する前に
室温まで冷却することによって調製した。
【0153】本発明の好ましい色素は、色素30重量%
以下の濃度で水性媒体中にリオトロピック型液晶相を形
成し、より好ましい色素は、色素10重量%以下の濃度
でリオトロピック型液晶相を形成し、さらに好ましい色
素は、色素5重量%以下の濃度でリオトロピック型液晶
相を形成し、最も好ましい色素は、色素0.5重量%以
下の濃度でリオトロピック型液晶相を形成した。表XI
にデータを要約する。
【0154】
【表24】
【0155】
【表25】
【0156】比較色素
【化15】
【0157】
【化16】
【0158】例2:含水色素DGDの吸光極大
(λmax )、半値幅(Hbw)及びモル吸光係数(λ
max )(典型的なスメクチック液晶色素の分光特性) 色素、1−2〜1−4、1−6、1−7、1−23、1
−24、2−1、2−3〜2−5、2−13、7−4、
8−4、9−1、9−4、9−13、並びに比較色素A
及びBの直接ゼラチン分散物(DGD)を調合物Bのと
ころで記載したように調製した。各分散物の小量を39
℃に保持し、0.0066cm経路長のガラスセルに移
し、その吸収スペクトルを25℃で測定した。これらの
含水分散物を「含水DGD」と称する。色素溶液、1−
2〜1−4、1−6、1−7、1−23、1−24、2
−1、2−3〜2−5、2−13、7−4、8−4、9
−1、9−4、9−13、並びに比較色素A及びBを、
適当な有機溶媒(特に断らない限りは、メタノールもし
くはトリエチルアミンを加えたメタノール)で調製し、
その吸収スペクトルを25℃で測定した。等方性色素溶
液及び色素含水DGDの吸光係数をベールの法則に従っ
て計算し、半値幅(Hbw)を測定した。これらのデー
タを表XIIに要約する。
【0159】
【表26】
【0160】上記の結果は、本発明の色素を含有する直
接ゼラチン分散物(スメクチック液晶状態で分散されて
いる)が、その等方性溶液(即ち、単一)の吸光極大と
比較して、深色的にもしくは浅色的にシフトした吸光極
大を示すことを実証する。さらに、本発明の色素は、含
水液晶DGDとして調合すると、メタノール等の溶剤中
のその非液晶等方性溶液状態と比較して、より高い吸光
係数及びより狭い半値幅を示す。さらに、含水液晶DG
Dとしての本発明の色素は、非液晶色素A及びBと比較
して、Hbwと吸光係数の両方において非常に優れてい
る。
【0161】例3:色素移動特性 色素、1−2、1−3、1−6、1−24、2−1、2
−3、3−3、5−1、5−2、5−4、7−4、8−
1、8−4、9−1、並びに比較色素A及びBの直接ゼ
ラチン分散物溶融物(含水DGD)を調合物Bのところ
で記載したように調製した(色素0.06〜1重量
%)。色素を含んでいない水性ゼラチン溶融物を受容層
として調製し、冷却硬化させた(詳細調合仕様、ゼラチ
ン2.5重量%)。ゼラチン受容体パッドのセットを2
5℃で平衡させた。含水DGD溶融物(39℃に保持)
をピペットでゼラチン受容体パッド上にとり、24時間
置いた。2時間後と24時間後、可溶化した移動色素を
示す底部層の色を観察して、0が移動の色が見られない
ことを示し、5が上層及び下層に色が同じように出現し
ている(完全平衡)ことを意味する0〜5の等級で記録
した。観察結果を表XIIIに記録する。
【0162】
【表27】
【0163】上記データは、本発明の液晶形成性色素
は、実質的にネマチック、スメクチックに関係なく、大
きく残っており、ある場合では、コートしたとき完全に
不動であり、コートされた層からはっきりと感知できる
ほどには移動しないことを明らかに実証している。反対
に、比較色素はコートされた色素から隣接層に自由に移
動している。この例は、当該技術分野で広く用いられて
いる溶解性色素を越える、本発明の液晶形成性色素の重
要な利点を実証する。
【0164】例4:含水色素DGDの吸光極大
(λmax )、半値幅(Hbw)及びモル吸光係数(λ
max )(典型的なネマチック液晶色素の分光特性) 色素、2−7、7−3、6−7、7−1、8−1、9−
11、5−1、5−2、5−4、並びに比較色素A及び
Bの直接ゼラチン分散物(DGD)を調合物Bのところ
で記載したように調製した。各分散物の小量を39℃に
保持し、0.0066cm経路長のガラスセルに移し、
その吸収スペクトルを25℃で測定した。これらの含水
分散物を「含水DGD」と称する。上記色素並びに比較
色素A及びBの色素溶液を、適当な有機溶媒(特に断ら
ない限りは、メタノールもしくはトリエチルアミンを加
えたメタノール)で調製し、その25℃での吸収スペク
トル及びその半値幅(Hbw)を測定した。これらのデ
ータを表XIVに要約する。
【0165】
【表28】
【0166】上記結果は、本発明のネマチック液晶形成
性色素のいくつかを含有する直接ゼラチン分散物が、前
例のスメクチック液晶形成性色素よりも広範囲の分光特
性を示すことを実証する。これらの特性は、吸光係数及
び半値幅に関する明らかに有利なものから、対応する等
方性溶液と比較して幾分不利なものまでわたっている。
しかし、この例での本発明の液晶形成性色素は全て、単
一性(非液晶)比較色素(例3を参照されたい)と比べ
てコートされた層での遅い拡散性もしくは非拡散性であ
る優れた特性(典型的な液晶層の重要な物性)を有す
る。
【0167】例5:蒸発色素DGDの分光特性 色素、1−1〜1−7、1−15〜1−17、1−2
1、1−23、1−24、1−27、2−1〜2−5、
2−13、3−1、4−1、4−7、6−1、6−1
0、7−1、7−2、7−4、8−4、9−1、9−
4、9−5、9−13並びに比較色素A及びBの直接ゼ
ラチン分散物(DGD)を調合物Bのところで記載した
ように粉末色素を用いて調製した。各分散物の小量を3
9℃に保持し、標準ガラス顕微鏡用スライド(0.8/
1.0mm厚)に塗り、均一な薄い濡れフィルムを形成
し、それらのDmax (蒸発)が4.0吸光度単位未満と
なるように周囲温度及び湿度で少なくとも17時間乾燥
させた。これらの蒸発させたゼラチンフィルムの吸収ス
ペクトルを25℃で測定した。これらの試料を表XVで
「蒸発DGD」と称する。上記色素の各溶液を、適当な
有機溶媒(特に断らない限りは、メタノールもしくはト
リエチルアミンを加えたメタノール)で調製し、その2
5℃での吸収スペクトルを測定した。各色素において、
コートされた色素と溶媒に溶解された色素の吸光極大の
差(Δλmax =(λmax 蒸発DGD−λmax溶液))及
びコートされた色素と溶媒に溶解された色素の半値幅の
差(ΔHbw=Hbw蒸発DGD−Hbw溶液)を計算
した。これらのデータを表XVに要約する。
【0168】
【表29】
【0169】
【表30】
【0170】上記結果は、溶液状態で示される分光特徴
に比較して蒸発したコーティングの本発明の液晶形成性
色素の有用な分光特徴を明らかに実証する。コートされ
た本発明の色素は、溶媒に溶解した色素(非液晶)より
も大きな深色性もしくは浅色性の吸光極大及び非常に狭
い半値幅(Hbw)を示す。上記データから、コートし
た比較色素A及びBがその溶解溶液状態と比べて比較で
きるほど有利な分光変化を示さないことも明らかであ
る。
【0171】例6:含水及び蒸発色素DGDの分光特性 色素、1−1〜1−4、1−6、1−7〜1−16、1
−23、1−24、2−1、2−3〜2−5、2−1
3、3−1、7−4、8−4、9−1、9−4、9−1
3並びに比較色素A及びBの直接ゼラチン分散物(DG
D)を調合物Bのところで記載したように粉末色素を用
いて調製した。各分散物の小量を39℃に保持し、0.
0066cm経路長のガラスセルに移し、その吸収スペ
クトルを25℃で測定した。これらの試料を表XVIで
「含水DGD」と称する。また、各分散物の小量を標準
ガラス顕微鏡用スライド(0.8/1.0mm厚)に塗
り、均一な薄い濡れフィルムを形成し、それらのDmax
(蒸発)が4.0吸光度単位未満となるように周囲温度
及び湿度で少なくとも17時間乾燥させた。これらの蒸
発させたゼラチンフィルムの吸収スペクトルを25℃で
測定した。これらの試料を表XVIで「蒸発DGD」と
称する。これらのデータを表XVIに要約する。
【0172】
【表31】
【0173】上記結果は、含水ゼラチン中の液晶状態で
の本発明の各色素の深色性吸光最大及び狭半値幅の有用
な分光特徴が、蒸発したゼラチンフィルムもしくは層に
広く保持されており、ある場合では、コーティングから
除去された過剰の水のためにこの分光特徴が劇的に改善
することを明らかに実証する。
【0174】例7:コートされた色素の分光特性に与え
る置換基の影響 色素、1−1〜1−3、2−1〜2−3並びに比較色素
A及びBの直接ゼラチン分散物(DGD)を調合物Bの
ところで記載したように粉末色素を用いて調製した(各
試料の色素重量%は公称色素0.06〜1重量%)。各
分散物の小量を39℃に保持し、0.0066cm経路
長のガラスセルに移し、その吸収スペクトルを25℃で
測定した。これらの試料を「含水DGD」と称する。さ
らに、各分散物の小量溶液を標準ガラス顕微鏡用スライ
ド(0.8/1.0mm厚)に塗り、均一な薄い濡れフ
ィルムを形成し、それらのDmax (蒸発)が4.0吸光
度単位未満となるように周囲温度及び湿度で少なくとも
17時間乾燥させた。これらの蒸発させたゼラチンフィ
ルムの吸収スペクトルを25℃で測定した。これらの試
料を「蒸発DGD」と称する。各色素において、単一バ
ンドの吸光極大(λMmax )と、液晶相に対応する深色
性バンドの吸光最大(λlcmax )を、「含水DGD」及
び「蒸発DGD」の両方で測定し、光学濃度(O.
D.)を単一バンドのλmax でのところ(O.D.−
M)と液晶相に対応する深色性バンドのところ(O.
D.-lc )で、「含水DGD」及び「蒸発DGD」の両
方で測定し、この比(O.D.-lc )/(O.D.−
M)を計算した。これらのデータを表XVIIに要約す
る。
【0175】
【表32】
【0176】上記のデータは、所定の色素群内に疎水性
置換基が存在したりしなかったりすると、液晶相を形成
する色素の傾向に劇的な影響を与えることを明らかに示
している。これらのデータは、比較色素と比べると本発
明の色素が選択的に置換されて安定な液晶形成を助け、
最も好ましい色素は、含水溶融物(含水DGD)にあっ
ても液晶と単一バンド間との優れた比を有することを示
す。さらに、本発明の色素1−1〜1−3及び2−1〜
2−3からなる群内では、フェニル、ベンゾもしくはク
ロロ置換を載せた色素の場合、非置換の類似物と比べて
液晶相特性が改善される。親水性基と疎水性基との最適
なバランスは色素群間で幾分異なるであろう。
【0177】例8:蒸発色素DGDのスペクトル形状 色素の直接ゼラチン分散物(DGD)を調合物Bのとこ
ろで記載したように調製した。各分散物の小量をを標準
ガラス顕微鏡用スライド(0.8/1.0mm厚)に塗
り、均一な薄い濡れフィルムを形成し、それらのDmax
(蒸発)が2.5吸光度単位未満となるように周囲温度
及び湿度で少なくとも17時間乾燥させた。各コートし
たDGDの吸収スペクトルを測定した。比較固体粒子色
素、C、D、E、F及びGを調合物Aのところで記載し
たように調製した。各比較色素の溶融物をポリエチレン
テレフタレート支持体にコートして、色素被覆量0.0
43〜0.129g/m2 、ゼラチン被覆量1.61g
/m2 、及び硬膜剤レベル0.016g/m2 を実現し
た。乾燥コーティングの吸光極大及び半値幅(Hbw)
を25℃で測定した。各色素のλmax +20nmのとこ
ろの光学濃度(O.D.)に対するλmax のところの光
学濃度(Dmax )の比を計算した。各色素のλmax −2
0nmのところの光学濃度(O.D.)に対するλmax
のところの光学濃度(Dmax )の比も計算した。これら
の比はスペクトルバンド先鋭度の尺度である。比が大
きいほど光濾過/吸収用途に望ましいよりシャープカッ
トのスペクトル吸収包絡線を有する。これらのデータを
表XVIIIに要約する。
【0178】
【表33】
【0179】これらのデータは、本発明の液晶形成性色
素を、水性ゼラチンコーティングでコートすると、非常
に狭い吸光度包絡線を有する吸収スペクトルを有し、比
較固体粒子色素と比べてよりシャープな浅色縁部及び深
色縁部を示すことを明らかに実証する。「>20」と記
された比を有する本発明の色素は、λmax +20nmの
ところの光学濃度(O.D.)値が、ノイズに対して測
定されなかったほど非常に低いことにも留意されたい。
比較色素を調合Bを用いて調製すると、溶融物での当該
色素の不溶性のために、得られたコーティングの質が非
常に悪いことにも留意されたい。従って、固体粒子の通
常の手順と同様、比較色素を粉砕して(調合A)、その
後コーティングした。それ故、本発明の色素は比較例に
対して遥かに優れた分光特性を有するだけでなく、代わ
りの簡単な調合物B手順を用いることによって、より複
雑な調合物A手順を必要としないでそれらの優れた特性
を得ることができる。
【0180】この例は、固体粒子色素を超える本発明の
液晶形成性色素の重要な利点を実証する。また、この例
は、本発明の液晶色素は、コーティング中で、伝統的な
固体粒子色素を用いては実質的に達成できないシャープ
で狭い吸収スペクトルを提供することも実証する。
【0181】要約すると、上記例は、本発明の色素が、
成功裏に従来技術のフィルター色素固有の問題を解決す
ることを実証する。可溶性色素は媒染しなければ、一般
的にコーティング中で移動する。固体粒子色素は一般的
に移動しないが、そのスペクトル包絡線が概して非常に
広く、被覆力が低く、シャープカットではない。さら
に、固体粒子色素は、コートされる要素に導入するため
に特殊な粉砕操作を必要とする。上記例は本発明の液晶
形成性色素が、高吸光度、狭半値幅、及びシャープカッ
ト縁部の優れたスペクトル特性の組合せを有し、さらに
不動性であるので媒染剤を用いない層−特異的な着色を
可能にする。さらに本発明の液晶形成性色素の多くは処
理時に容易に脱色されるか、写真要素から容易に除去さ
れ、後処理色素汚染をほとんどもしくは全く残さない。
【0182】本発明の他の好ましい態様を請求項との関
連において、次に記載する。 (態様1)前記溶媒が水もしくは親水性コロイド、好ま
しくはゼラチンを含有する水性媒体である請求項1に記
載の分散物。 (態様2)Yが、カルボキシラート(CO2 - )、スル
ホ(SO3 - )、スルファト(OSO3 - )、スルフェ
ート(SO4 - )、ホスフェート、ホスホネート、トリ
アルキルアンモニウム(R3 + )、ピリジニウム、ア
ルキルピリジニウム、ヒドロキシラート(O- )、エノ
ラート(C=C−O- )、ジシアノビニラート(C=C
CH(CN)2 - )、アルキルエーテル、両性イオン性
基、もしくはpKa値が4未満である基である請求項1
に記載の分散物。 (態様3)Yが、スルホン酸、アシルスルホンアミド
(CONHSO2 R)、サッカリン部分、もしくはスル
ホニルスルホナミド(SO2 NHSO2 R)である請求
項1に記載の分散物。
【0183】(態様4)Yが非イオン性可溶化基である
請求項1に記載の分散物。 (態様5)Xが、アリール、アルキル、アラルキル、ハ
ロゲン、シクロアルキル、アルコキシ、アルキルアミ
ノ、アシル、カルボキシ、カルボキシアルキル、スルホ
ンアミドもしくはアルキルチオ、より好ましくはフェニ
ル、ハロゲンもしくはベンゾである請求項1に記載の分
散物。 (態様6)前記色素を、約5分〜約48時間攪拌しなが
ら約20〜約100℃の温度で溶媒に添加する請求項1
に記載の分散物の調製方法。
【0184】(態様7)前記溶媒が水もしくは親水性コ
ロイドを含有する水性媒体である態様6に記載の方法。 (態様8)前記色素を、微晶質固体粒子の形態又はそれ
らの粉末固体もしくはスラリーとして水性媒体に添加す
る態様7に記載の方法。 (態様9)請求項1に記載の分散物を含有する画像形成
要素。
【0185】
【発明の効果】本発明は、水性媒体、例えば、水性ゼラ
チンに溶解され、そして溶解して自発的に、めったにな
いほど十分且つ驚くほど熱力学的に安定な色素状態を構
成する液晶相を形成する、画像形成要素、特に、輻射線
感受性要素(例えば、写真要素)のフィルター色素もし
くは光吸収化合物として有用なメロシアニン色素を提供
する。液晶状態の色素はその単一等方性溶液(非液晶)
状態のλmax に対して実質的に深色もしくは浅色的であ
るコートλmax を有し、そのコーティングλmaxのとこ
ろでとりわけ高い被覆力を示すことが多い。さらに、液
晶色素相は、そのコーティングλmax のところで強く吸
収するが、その吸光極大の直ぐ下もしくは直ぐ上の波長
のところで比較的小さく光を吸収する、シャープカット
浅色及び/もしくは深色分光特徴を示すことが多い。さ
らに、液晶色素相は著しく狭い半値幅を有することが多
い。本発明の色素は、写真要素に導入するために、例え
ば、固体粒子色素分散体(SPD)を生成する通常のボ
ールミルもしくは媒体ミル手順で、もしくはより簡単に
は、写真要素に導入するために直接ゼラチン分散(DG
D)として調合することができる。写真要素では、自発
的に形成された液晶状態の色素はほとんど移動性を示さ
ず、処理の際にその多くは後処理汚染問題が実質的にな
い。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ウィリアム ジェイ.ハリソン アメリカ合衆国,ニューヨーク 14618, ロチェスター,ブルックサイド ドライブ 75 (72)発明者 リチャード エル.パートン アメリカ合衆国,ニューヨーク 14580, ウェブスター,コベントリー ドライブ 823

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 構造式I: [D−(X)m ]−(Y)n (I) (式中、Dは、メロシアニン色素であり、 各Yは、イオン性もしくは非イオン性の可溶化置換基又
    は水中でのpKa値が4未満である基を有し、 各Xは、非イオン性置換基であり、 nは、1〜10であり、そしてmは、0〜10である)
    の液晶形成性色素が分散された溶媒を含んでなる分散物
    であって、当該色素が溶媒中で液晶相を形成する分散
    物。
  2. 【請求項2】 前記色素が下記式II、III、IV、
    V、VI、VIIもしくはVIIIの色素である請求項
    1に記載の分散物: 【化1】 (上式中、Aは、活性メチレン部分もしくはケトメチレ
    ン部分であり、 R1 は、置換又は非置換のアリール、アルキルもしくは
    アラルキルであり、 R2 〜R5 は、それぞれ独立に、水素、アルキル、シク
    ロアルキル、アルケニル、置換又は非置換のアリール、
    ヘテロアリールもしくはアラルキル、アルキルチオ、ヒ
    ドロキシ、ヒドロキシレート、アルコキシ、アミノ、ア
    ルキルアミノ、ハロゲン、シアノ、ニトロ、カルボキ
    シ、アシル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニ
    ル、スルホンアミド、スルファモイルを表し、縮合芳香
    環もしくは縮合複素芳香環を形成するのに必要な原子
    団、又は可溶化置換基を有する基を含み、 L1 〜L6 は、置換もしくは非置換のメチン基であり、 Y2 は、O、S、Te、Se、置換もしくは非置換の
    N、又は置換もしくは非置換のCであり、そしてs及び
    t並びにvは独立に0もしくは1であるが、式IIの色
    素上の少なくとも1つの置換基は、イオン性もしくは非
    イオン性可溶化置換基又は水中でpKa値が4未満であ
    る基である); 【化2】 (上式中、R6 は、置換又は非置換のアリール、ヘテロ
    アリール、又は置換もしくは非置換のアミノ基であり、 G1 は、Oもしくはジシアノビニル(NCCH2 CN)
    であり、 E1 は、電子求引性基であり、 L8 〜L13は、それぞれ独立に、置換もしくは非置換の
    メチン基を表し、 R1 は、置換又は非置換のアリール、アルキルもしくは
    アラルキルであり、 R2 〜R5 は、それぞれ独立に、水素、アルキル、シク
    ロアルキル、アルケニル、置換又は非置換のアリール、
    ヘテロアリールもしくはアラルキル、アルキルチオ、ヒ
    ドロキシ、ヒドロキシレート、アルコキシ、アミノ、ア
    ルキルアミノ、ハロゲン、シアノ、ニトロ、カルボキ
    シ、アシル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニ
    ル、スルホンアミド、スルファモイルを表し、縮合芳香
    環もしくは縮合複素芳香環を形成するのに必要な原子
    団、又は可溶化置換基を有する基を含み、 Y2 は、O、S、Te、Se、置換もしくは非置換の
    N、又は置換もしくは非置換のCであり、そしてs及び
    t並びにvは独立に0もしくは1であるが、式IIIの
    色素上の少なくとも1つの置換基は、イオン性もしくは
    非イオン性可溶化置換基又は水中でpKa値が4未満で
    ある基である); 【化3】 (上式中、G2 は、酸素(O)もしくはジシアノビニル
    (NCCH2 CN)であり、 R1 は、置換又は非置換のアリール、アルキルもしくは
    アラルキルであり、 R2 〜R5 及びR7 〜R10は、それぞれ独立に、水素、
    アルキル、シクロアルキル、アルケニル、置換又は非置
    換のアリール、ヘテロアリールもしくはアラルキル、ア
    ルキルチオ、ヒドロキシ、ヒドロキシレート、アルコキ
    シ、アミノ、アルキルアミノ、ハロゲン、シアノ、ニト
    ロ、カルボキシ、アシル、アルコキシカルボニル、アミ
    ノカルボニル、スルホンアミド、スルファモイルを表
    し、縮合芳香環もしくは縮合複素芳香環を形成するのに
    必要な原子団、又は可溶化置換基を有する基を含み、 L8 〜L13は、置換もしくは非置換のメチン基であり、 Y2 は、O、S、Te、Se、置換もしくは非置換の
    N、又は置換もしくは非置換のCであり、そしてs及び
    t並びにvは、独立に0もしくは1であるが、式IVの
    色素上の少なくとも1つの置換基は、イオン性もしくは
    非イオン性可溶化置換基又は水中でpKa値が4未満で
    ある基である); 【化4】 (上式中、R12は、それぞれ独立に、水素、アルキル、
    シクロアルキル、アルケニル、置換又は非置換のアリー
    ル、ヘテロアリールもしくはアラルキル、アルキルチ
    オ、ヒドロキシ、ヒドロキシレート、アルコキシ、アミ
    ノ、アルキルアミノ、ハロゲン、シアノ、ニトロ、カル
    ボキシ、アシル、アルコキシカルボニル、アミノカルボ
    ニル、スルホンアミド、スルファモイルを表し、縮合芳
    香環もしくは縮合複素芳香環を形成するのに必要な原子
    団、又は可溶化置換基を有する基を含み、 Y3 は、O、S、置換もしくは非置換のN又はCであ
    り、 R11は、置換又は非置換のアリール、アルキルもしくは
    アシル基を表し、 xは0、1、2であり、 Y2 は、O、S、Te、Se、置換もしくは非置換の
    N、又は置換もしくは非置換のCであり、 R1 は、置換又は非置換のアリール、アルキルもしくは
    アラルキルであり、 R2 〜R5 は、それぞれ独立に、水素、アルキル、シク
    ロアルキル、アルケニル、置換又は非置換のアリール、
    ヘテロアリールもしくはアラルキル、アルキルチオ、ヒ
    ドロキシ、ヒドロキシレート、アルコキシ、アミノ、ア
    ルキルアミノ、ハロゲン、シアノ、ニトロ、カルボキ
    シ、アシル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニ
    ル、スルホンアミド、スルファモイルを表し、縮合芳香
    環もしくは縮合複素芳香環を形成するのに必要な原子
    団、又は可溶化置換基を有する基を含み、 L8 〜L13は、独立に、置換もしくは非置換のメチン基
    であり、そしてs、t、及びvは、独立に0もしくは1
    であるが、式Vの色素上の少なくとも1つの置換基は、
    イオン性もしくは非イオン性可溶化置換基又は水中でp
    Ka値が4未満である基である); 【化5】 (上式中、E2 は、電子求引性基であり、 R11は、置換又は非置換のアリール、アルキルもしくは
    アシルを表し、 Y2 は、O、S、Te、Se、置換もしくは非置換の
    N、又は置換もしくは非置換のCであり、 R1 は、置換又は非置換のアリール、アルキルもしくは
    アラルキルであり、 R2 〜R5 は、それぞれ独立に、水素、アルキル、シク
    ロアルキル、アルケニル、置換又は非置換のアリール、
    ヘテロアリールもしくはアラルキル、アルキルチオ、ヒ
    ドロキシ、ヒドロキシレート、アルコキシ、アミノ、ア
    ルキルアミノ、ハロゲン、シアノ、ニトロ、カルボキ
    シ、アシル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニ
    ル、スルホンアミド、スルファモイルを表し、縮合芳香
    環もしくは縮合複素芳香環を形成するのに必要な原子
    団、又は可溶化置換基を有する基を含み、 L8 〜L13は、独立に、置換もしくは非置換のメチン基
    であり、そして、 s及びt並びにvは独立に0もしくは1であるが、式V
    Iの色素上の少なくとも1つの置換基は、イオン性もし
    くは非イオン性可溶化置換基又は水中でpKa値が4未
    満である基である); 【化6】 (上式中、R13は、水素、置換又は非置換のアルキル、
    アリールもしくはアラルキルであり、 R14は、置換又は非置換のアルキル、アリールもしくは
    アラルキル、アルコキシ、アミノ、アシル、アルコキシ
    カルボニル、カルボキシ、カルボキシレート、シアノ、
    もしくはニトロであり、 R1 は、置換又は非置換のアリール、アルキルもしくは
    アラルキルであり、 R2 〜R5 は、それぞれ独立に、水素、アルキル、シク
    ロアルキル、アルケニル、置換又は非置換のアリール、
    ヘテロアリールもしくはアラルキル、アルキルチオ、ヒ
    ドロキシ、ヒドロキシレート、アルコキシ、アミノ、ア
    ルキルアミノ、ハロゲン、シアノ、ニトロ、カルボキ
    シ、アシル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニ
    ル、スルホンアミド、スルファモイルを表し、縮合芳香
    環もしくは縮合複素芳香環を形成するのに必要な原子
    団、又は可溶化置換基を有する基を含み、 L8 〜L13は、それぞれ独立に、置換もしくは非置換の
    メチン基であり、 Y2 は、O、S、Te、Se、置換もしくは非置換の
    N、又は置換もしくは非置換のCであり、そしてs及び
    t並びにvは独立に0もしくは1であるが、式VIIの
    色素上の少なくとも1つの置換基は、イオン性もしくは
    非イオン性可溶化置換基又は水中でpKa値が4未満で
    ある基である); 【化7】 (上式中、R15及びR16は、それぞれ独立に、水素、置
    換又は非置換のアルキル、アリールもしくはアラルキル
    であり、 Y4 は、OもしくはSであり、 R1 は、置換又は非置換のアリール、アルキルもしくは
    アラルキルであり、 R2 〜R5 は、それぞれ独立に、水素、アルキル、シク
    ロアルキル、アルケニル、置換又は非置換のアリール、
    ヘテロアリールもしくはアラルキル、アルキルチオ、ヒ
    ドロキシ、ヒドロキシレート、アルコキシ、アミノ、ア
    ルキルアミノ、ハロゲン、シアノ、ニトロ、カルボキ
    シ、アシル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニ
    ル、スルホンアミド、スルファモイルを表し、縮合芳香
    環もしくは縮合複素芳香環を形成するのに必要な原子
    団、又は可溶化置換基を有する基を含み、 L8 〜L13は、それぞれ独立に、置換もしくは非置換の
    メチン基であり、 Y2 は、O、S、Te、Se、置換もしくは非置換の
    N、又は置換もしくは非置換のCであり、そしてs及び
    t並びにvは独立に0もしくは1であるが、式VIII
    の色素上の少なくとも1つの置換基は、イオン性もしく
    は非イオン性可溶化置換基又は水中でpKa値が4未満
    である基である)。
  3. 【請求項3】 少なくとも1層感光性ハロゲン化銀乳剤
    層及び少なくとも1層の感光性でない層を有する支持体
    を含んでなる写真要素であって、前記層の少なくとも1
    層が請求項1もしくは2に記載の分散物を含んでなる写
    真要素。
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