JP2000085559A - 制御弁機構およびそれを用いた車両用制動装置 - Google Patents

制御弁機構およびそれを用いた車両用制動装置

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JP2000085559A
JP2000085559A JP10263315A JP26331598A JP2000085559A JP 2000085559 A JP2000085559 A JP 2000085559A JP 10263315 A JP10263315 A JP 10263315A JP 26331598 A JP26331598 A JP 26331598A JP 2000085559 A JP2000085559 A JP 2000085559A
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hydraulic
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clutch
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Minoru Masuko
実 増子
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 油圧クラッチの連結・切り離し動作が特定の
圧力下で行われるようにした制御弁機構を用いて、車両
の減速時に運動エネルギーを油圧として回収して制動動
作や加速動作に活用でき、しかも油圧失陥等によって制
動動作等に支障が生じることのない安全な車両用制動装
置を得る。 【解決手段】 制動エネルギー回生ユニット3の油圧ポ
ンプモータ9と車輪軸21との連結・切り離しを行う油
圧クラッチ24を、制御室31に第1の所定値以上の油
圧が供給されると、その油圧によって係合板27が非係
合位置に変位してクラッチ・オフ状態になる構成とする
と共に、油圧クラッチ24の係合板27が係合位置と非
係合位置との中間で留まるような中途半端な油圧が制御
室31に供給されないように制御室31へ供給する油圧
を切換制御するクラッチ制御弁機構40を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は制御弁機構およびそ
れを用いた車両用制動装置に関し、とりわけ、車両の減
速時に失われる運動エネルギーを回収して後の制動動作
や発進/加速動作に有効利用することで車両におけるエ
ネルギー効率を向上させることができ、しかも、ブレー
キ機能のインテリジェント化にも適した車両用制動装置
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】最近の車両のブレーキ装置は、アンチロ
ックブレーキシステムの装備や、トラクションコントロ
ールシステムの装備など、ブレーキ機能のインテリジェ
ント化が活発に行われている。そして、このようなイン
テリジェント化への対応のため、ブレーキ装置の電動化
が進められている。
【0003】ブレーキ装置の電動化としては、ブレーキ
パッド等の摩擦材をブレーキディスク等の回転体に押圧
する摩擦材駆動機構自体を電動化する方法と、摩擦材を
回転体に押圧する油圧等の発生源となる圧力発生装置を
電動化する方法とに大別することができ、種々のものが
開発・提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の電動ブ
レーキ装置は、何れにしても、制動時には、車両に搭載
されたバッテリーから摩擦材駆動機構あるいは圧力発生
装置の原動部に電気エネルギーを供給する必要があり、
ブレーキ装置の電動化により車両における電気エネルギ
ーの消費が増大し、車載バッテリーの高性能化等が必要
になるという問題があった。
【0005】また、従来のブレーキ装置は、一般的に、
車両の減速時には運動エネルギーは全て熱に変換して捨
てており、車両におけるエネルギー効率を低下させる一
因となっていた。そこで、車両の減速時に失う運動エネ
ルギーを油圧エネルギーとして油圧蓄圧用のアキュムレ
ータに回収して、回収した油圧エネルギーを車両の発進
/加速動作時に駆動エネルギーとして活用することで車
両におけるエネルギー効率の向上を図る制動エネルギー
回生装置も提案されている(特許第2503818号参
照)。
【0006】しかし、前述の特許第2503818号に
開示の制動エネルギー回生装置は、エアーブレーキ装置
との組み合わせで使用する構成とされ、そのために、通
常のエアーブレーキユニットが必要となるだけでなく、
空気圧の制御系統と、回生装置用の油圧制御系統の2系
統の制御系が必要で、構造が複雑になるという問題があ
った。また、制動エネルギー回生装置が車両のプロペラ
シャフトとトランスミッションとの間に装備されるた
め、制動時のエネルギー回収や回収したエネルギーの再
利用を各車輪毎に独立に行うことができず、例えば、車
輪の制動トルク又は駆動トルクを各車輪毎に個別に制御
することが要求されるアンチロックブレーキシステムや
トラクションコントロールシステムなどに有効活用でき
ないという問題があった。
【0007】さらに、上述した制動エネルギー回生装置
等では、アキュムレータに回収した油圧エネルギーの蓄
圧状態に応じて係合板を車輪軸に連結、あるいは、係合
板を車輪軸から切り離す油圧クラッチ等を用いている
が、このような油圧クラッチ等の制御弁機構では、例え
ば、アキュムレータ圧の低下に伴ってピストンが徐々に
係合板を変位させるとき、係合板が係合位置と非係合位
置との中間で留まるような中途半端な状態、所謂、半ク
ラッチ状態となることがあり、そのために、係合板の連
結部が完全に噛み合った状態とならず、破損する虞があ
った。
【0008】本発明は上記事情に鑑みてなされたもの
で、油圧クラッチ等の半クラッチ状態を解消して係合板
が係合位置あるいは非係合位置のいずれかを択一的に選
択する制御弁機構を提供することを目的とする。
【0009】また、本発明の他の目的は、上述の制御弁
機構を用いて、車両の減速時に運動エネルギーを回収し
て回収したエネルギーを制動動作や発進/加速動作に使
用して車両におけるエネルギー効率を向上させることが
でき、しかも、エネルギーの回収や回収したエネルギー
の再利用を車輪毎に独立に行うことができるため、アン
チロックブレーキシステムやトラクションコントロール
システムなどのブレーキ機能のインテリジェント化の実
現が容易にできると同時に、ブレーキ装置の電動化によ
って車両における電気エネルギーの消費が増大すること
を抑えることもできる車両用制動装置を提供することに
ある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明に係る制御弁機構は、アキュムレータの油圧が
第1の所定値以上のときに前記アキュムレータと制御室
とを連通すると共に前記制御室とリザーバ間の連通を遮
断する第1の状態と、前記アキュムレータの油圧が前記
第1の所定値未満で、かつ第1の所定値より低い第2の
所定値以上のときに前記アキュムレータと前記制御室と
の連通を遮断すると共に前記制御室と前記リザーバ間の
連通を遮断する第2の状態と、前記アキュムレータの油
圧が前記第2の所定値以下のときに前記アキュムレータ
と前記制御室との連通を遮断すると共に前記制御室と前
記リザーバ間を連通する第3の状態とを備えていること
を特徴とする。
【0011】そして、上記構成によれば、制御弁機構
は、弁ハウジング内を変位するスプールが、第1、第2
及び第3の状態を択一的に選択し、第2の状態では、被
作動体(例えば、油圧クラッチ等)の制御室がアキュム
レータ及びリザーバのいずれからも遮断された密閉室と
なるので、例えば、アキュムレータ圧が徐々に低下した
場合でも制御室内の油圧は第2の状態に移行する直前の
アキュムレータ圧に保持される。つまり、被作動体の動
作は、制御弁機構が第1、第3の状態にある特定の圧力
下でのみ行われる。
【0012】また、上記他の目的を達成するための本発
明に係る車両用制動装置は、ポンプ軸に回転力が入力さ
れた場合には作動油を吐出する油圧ポンプとして作動
し、吸込ポートに油圧が供給された場合には油圧力によ
って前記ポンプ軸を回転させる油圧モータとして作動す
る油圧ポンプモータと、前記油圧ポンプモータの吐出す
る油圧を蓄圧するアキュムレータと、係合板を一方に押
圧するばね及び前記ばねの押圧力とは逆向きに前記アキ
ュムレータの油圧を作用させる制御室を有し、前記制御
室に供給される第1の所定値以上の油圧によって前記係
合板の位置を非係合位置に切り換えて、前記ポンプ軸と
車輪軸とを非連結状態とする油圧クラッチと、前記作動
油を貯留するリザーバと、前記油圧クラッチの制御室に
対して前記アキュムレータ又は前記リザーバを切替接続
することで前記油圧クラッチの作動を制御するクラッチ
制御弁機構とを備え、前記クラッチ制御弁機構は、前記
アキュムレータの油圧が前記第1の所定値以上のときに
前記アキュムレータと前記油圧クラッチの制御室とを連
通すると共に前記制御室とリザーバ間の連通を遮断する
第1の状態と、前記アキュムレータの油圧が前記第1の
所定値未満で、かつ第1の所定値より低い第2の所定値
以上のときに前記アキュムレータと前記制御室との連通
を遮断すると共に前記制御室と前記リザーバ間の連通を
遮断する第2の状態と、前記アキュムレータの油圧が前
記第2の所定値以下のときに前記アキュムレータと前記
制御室との連通を遮断すると共に前記制御室と前記リザ
ーバ間を連通する第3の状態とを備えていることを特徴
とする。
【0013】そして、上記構成によれば、車両の制動時
又は発進/加速時には、クラッチ制御弁機構は、アキュ
ムレータと油圧クラッチの制御室との連通を遮断すると
共に前記制御室とリザーバとの間を連通する第3の状態
となり、油圧クラッチの制御室に供給される油圧が第2
の所定値以下となるために、油圧ポンプモータのポンプ
軸が車輪軸に連結された状態となる。
【0014】そして、車両の制動時の場合、油圧ポンプ
モータは車輪軸からポンプ軸に入力する回転力で油圧ポ
ンプとして作動し、ポンプ軸を回転させる駆動トルク分
が車輪に負荷として作用して、車輪の回転を減速する制
動力となる。また、油圧ポンプモータの吐出する油圧を
アキュムレータに蓄圧して、減速時の運動エネルギーの
一部(熱として消費されなかった分)がアキュムレータ
に油圧として回収される。
【0015】一方、発進/加速時には、油圧ポンプモー
タは吸込ポートに供給されるアキュムレータ圧でポンプ
軸を回転駆動させる油圧モータとして作動して、ポンプ
軸に連結されている車輪軸に回転力を伝達する。
【0016】また、制動動作や発進/加速動作が不要な
通常走行時には、クラッチ制御弁機構は、アキュムレー
タ圧に応じて、油圧クラッチの制御室への油路接続を切
り換える。具体的には、アキュムレータ圧が第1の所定
値以上の時には、第1の状態となり、アキュムレータと
油圧クラッチの制御室とを連通すると共に、制御室とリ
ザーバとの間の連通を遮断する。また、アキュムレータ
の油圧が第1の所定値未満で、かつ、第1の所定値より
低い第2の所定値以上の時には、第2の状態となり、ア
キュムレータと制御室との連通を遮断すると共に制御室
とリザーバとの間の連通を遮断する。また、アキュムレ
ータ圧が第2の所定値以下の時には、第3の状態とな
り、アキュムレータと制御室との連通を遮断すると共に
制御室とリザーバとの間を連通する。
【0017】クラッチ制御弁機構が第1の状態の時、油
圧クラッチは、制御室がアキュムレータと連通状態とな
り、アキュムレータから第1の所定値以上の油圧が供給
されるため、油圧によって係合板が速やかに非係合位置
に変位して、油圧ポンプモータのポンプ軸を車輪軸から
切り離した非連結状態となる。
【0018】また、クラッチ制御弁機構が第3の状態の
時、油圧クラッチは、制御室がリザーバと連通状態とな
り、制御室の油圧が一挙に第2の所定値以下の低圧に下
がるため、係合板がばねによる押圧力によって速やかに
係合位置に戻り、油圧ポンプモータのポンプ軸を車輪軸
に連結した状態となる。そして、この状態の時には、油
圧ポンプモータは油圧ポンプとして作動させられ、アキ
ュムレータへの油圧回収が再開されて、アキュムレータ
圧の回復がなされる。
【0019】また、クラッチ制御弁機構が第2の状態の
時、油圧クラッチは、制御室がアキュムレータ及びリザ
ーバの双方から遮断され、密閉室となるため、制御室内
の油圧が第2の状態に移行する直前のアキュムレータ圧
に保持される。従って、例えば、それまでクラッチ制御
弁機構が第1の状態で作動していて、アキュムレータ圧
が制御室に供給されている状態で、アキュムレータ圧が
第1の所定値以上の状態から徐々に降下して、第1の所
定値未満で第2の所定値以上の範囲に移行する場合に
は、制御室内の圧力を、第1の所定値に保持し、それま
でのクラッチの非連結状態を維持する。一方、逆に、そ
れまでクラッチ制御弁機構が第3の状態で作動してい
て、制御室がリザーバに連通されて、アキュムレータへ
の油圧回収が再開され、アキュムレータ圧が第2の所定
値未満の状態から徐々に上昇して、第1の所定値未満で
第2の所定値以上の範囲に移行した時には、アキュムレ
ータ圧が第1の所定値以上になるまで、制御室内の圧力
をリザーバに連通していた時の圧力(第2の所定値未
満)に保持し、それまでのクラッチの連結状態を維持す
る。
【0020】そして、クラッチ制御弁機構から油圧クラ
ッチの制御室に供給される油圧は、係合板をばね力に抗
して非係合位置に変位させるに十分に高圧の第1の所定
値以上、又は、ばね力によって係合板が係合位置に戻さ
れるに十分に低圧の第2の所定値未満の何れかに切換制
御され、油圧クラッチの係合板が係合位置と非係合位置
との中間で留まるような中途半端な値(第1の所定値と
第2の所定値の中間値)とならない。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る車両用制動装
置の好適な実施の形態を図面に基づいて詳細に説明す
る。なお、本実施形態では、制御弁機構を油圧クラッチ
に適用した場合として、以下、クラッチ制御弁機構とし
て説明する。図1乃至図3は本発明に係る車両用制動装
置の一実施形態を示したもので、図1は車両用制動装置
の構成を示すブロック図、図2は車両用制動装置に使用
されている油圧クラッチ及び油圧ポンプモータの拡大断
面図、図3は車両用制動装置に使用されているクラッチ
制御弁機構の動作を示す拡大断面図である。
【0022】この車両用制動装置10は、図示のよう
に、車両の車輪毎に装備される制動エネルギー回生ユニ
ット3と、この制動エネルギー回生ユニット3を制御す
る制御装置4とを備える。制御装置4は、エンジン等の
動力装置が搭載される車体上で、車輪から離れた適宜位
置に設置されている。
【0023】制動エネルギー回生ユニット3は、図示の
ように、油圧により車輪を制動する油圧ブレーキユニッ
ト7と、車輪軸21に連結するポンプ軸9cを有した油
圧ポンプモータ9と、ポンプ軸9cを車輪軸21に係脱
する油圧クラッチ24と、油圧蓄圧用のアキュムレータ
11と、作動油を貯留するリザーバ13と、油圧クラッ
チ24の動作を切り換えるべく装備されたクラッチ制御
用電磁弁25及びクラッチ制御弁機構40と、油圧ポン
プモータ9の吐出ポート9aからアキュムレータ11へ
の油圧供給を制御する蓄圧用制御弁18と、油圧ポンプ
モータ9の動作を切り換えるポンプ用作動切換弁15
と、油圧ポンプモータ9の吐出圧を調整するリリーフ弁
16と、アキュムレータ11と油圧ブレーキユニット7
とを連通させる油路5aを開閉可能なアキュムレータ出
力制御弁17と、アキュムレータ圧が必要以上に上昇し
ないようにチェック圧が設定されたアキュムレータ保護
用のチェック弁19とを備えている。
【0024】チェック弁19は、例えば、チェック圧を
アキュムレータ11の蓄圧限界圧に設定して、アキュム
レータ圧がチェック圧を超えるときに、アキュムレータ
圧をリザーバ13に逃がして、アキュムレータ圧を蓄圧
限界圧内に維持する。
【0025】油圧ポンプモータ9は、ポンプ軸9cに回
転力が入力された場合には吸込ポート9bに供給される
作動油を吐出ポート9aから吐出する油圧ポンプとして
作動し、又、吸込ポート9bに油圧が供給された場合に
は供給された油圧力によってポンプ軸9cが回転する油
圧モータとして作動する。
【0026】油圧クラッチ24は、図2に示すように、
ポンプ軸9c上を車輪軸21と一体のブレーキディスク
22に向かって進退可能にポンプ軸9cの先端部のスプ
ライン9dに嵌合した係合板27と、係合板27と油圧
ポンプモータ9のハウジング9eとの間に挟まれるよう
にポンプ軸9cに嵌合装備されたクラッチハウジング2
8と、クラッチハウジング28に収容されてばね29に
よる押圧力で係合板27をブレーキディスク22に押し
付けるピストン30と、供給される油圧がピストン30
をばね29に抗してブレーキディスク22から離れる方
向に付勢するようにクラッチハウジング28内に画成さ
れた制御室31と、ブレーキディスク22の表面に当接
するあて板32と係合板27との間に装備されて係合板
27がピストン30の先端に当接した状態を保つように
係合板27をピストン30側に付勢する戻しばね33と
を備えて構成される。
【0027】あて板32は、摩擦係数の小さな材料で形
成されていて、摺動摩擦によって戻しばね33が摩耗す
ることを防止している。戻しばね33はばね29よりも
付勢力が小さく設定されていて、制御室31に基準値以
上の油圧が供給されない状態では、ばね29の付勢力に
よって係合板27がブレーキディスク22に押し付けら
れた状態に保持される。係合板27にはブレーキディス
ク22の表面に形成された連結用凹部35に係合する連
結ピン34が突設されていて、ブレーキディスク22に
押し付けられた係合板27は、連結ピン34と連結用凹
部35との係合によって、ブレーキディスク22と一体
回転する連結状態になる。
【0028】即ち、油圧クラッチ24は、制御室31に
供給される油圧力が基準値(後述する第1の所定値)未
満の場合には、ばね29の押圧力で係合板27がブレー
キディスク22に係合して、油圧ポンプモータ9のポン
プ軸9cを車輪軸21に連結した状態を保ち、又、供給
される油圧力が前述の基準値以上の場合には、油圧力に
よるピストン30のばね29に抗する変位に伴って、係
合板27がブレーキディスク22から離脱して、油圧ポ
ンプモータ9のポンプ軸9cを車輪軸21から切り離し
た状態にする。
【0029】クラッチ制御弁機構40は、図3にも示す
ように、スプール41と、スプール41を摺動可能に収
容保持する弁ハウジング42と、弁ハウジング42内に
おいてスプール41を一方に付勢するばね43とで構成
されている。弁ハウジング42は、スプール41の摺動
する外周壁に、アキュムレータ11に接続される第1ポ
ート42aと、リザーバ13に接続される第2ポート4
2bと、油圧クラッチ24の制御室31に接続される第
3ポート42cとを有している。また、弁ハウジング4
2は、収容したスプール41の両端に、アキュムレータ
11が接続される第1の制御用液室44と、クラッチ制
御用電磁弁25によりアキュムレータ11又はリザーバ
13が切替接続される第2の制御用液室45とを画成し
ている。ばね43は、圧縮コイルばねで、第2の制御用
液室45に装備されて、スプール41を第1の制御用液
室44側に付勢している。
【0030】スプール41は、外周の摺動方向に離間し
た2カ所にポート相互を連通させるためのポート連通溝
41a、41bが周方向に沿って形成されていて、前述
の第1及び第2の制御用液室44、45に作用する油圧
力によって弁ハウジング42内を変位して、各ポート間
の連通状態を切り換える。このスプール41の外周に
は、両端の各液室44、45とポート連通溝41a、4
1bとの間をシールするシール部材47、48が嵌合装
備されている。
【0031】以上のクラッチ制御弁機構40は、第1及
び第2の制御用液室44、45に作用する油圧力に応じ
たスプール41の変位によって、油圧クラッチ24の制
御室31にアキュムレータ11又はリザーバ13を切替
接続して、油圧クラッチ24の作動を制御する。
【0032】具体的には、クラッチ制御弁機構40は、
第2の制御用液室45がリザーバ13に接続されると共
に、第1の制御用液室44に供給されるアキュムレータ
11の油圧が第1の所定値以上の時には、ばね43の付
勢力Kよりも第1の制御用液室44に供給されたアキュ
ムレータ圧による付勢力Fの方が大きいため、図3
(a)に示すように、スプール41が第2の制御用液室
45側に最大限に寄って、アキュムレータ11と油圧ク
ラッチ24の制御室31とを連通させると共に、制御室
31とリザーバ13との間の連通を遮断する第1の状態
となる。
【0033】また、クラッチ制御弁機構40は、第2の
制御用液室45がリザーバ13に接続されると共に、ア
キュムレータ11の油圧が第1の所定値未満で、かつ、
第1の所定値より低い第2の所定値以上の時には、ばね
43の付勢力Kと第1の制御用液室44に供給されたア
キュムレータ圧による付勢力Fとが釣り合うため、図3
(b)に示すように、スプール41は第1の制御用液室
44と第2の制御用液室45との中間位置に変位して、
アキュムレータ11と制御室31との連通を遮断すると
共に制御室31とリザーバ13との間の連通を遮断する
第2の状態なる。
【0034】更に、クラッチ制御弁機構40は、第2の
制御用液室45がリザーバ13に接続されると共にアキ
ュムレータ11の油圧が第2の所定値以下の時、又は、
第2の制御用液室45がアキュムレータ11に接続され
た時には、ばね43の付勢力Kの方が第1の制御用液室
44に供給されたアキュムレータ圧による付勢力Fより
も大きくなるため、図3(c)に示すように、スプール
41は第1の制御用液室44側に最大限に変位して、ア
キュムレータ11と制御室31との連通を遮断すると共
に制御室31とリザーバ13との間を連通する第3の状
態となる。
【0035】アキュムレータ11の油圧が、第2の所定
圧未満の状態から徐々に昇圧して、第1の所定値未満で
かつ第1の所定値より低い第2の所定値以上になると、
図3(d)に示すように、スプール41が第2の制御用
液室45側に変位を開始して、図3(b)と同様に、ス
プール41が第1の制御用液室44と第2の制御用液室
45との中間位置に変位して、アキュムレータ11と制
御室31との連通を遮断すると共に制御室31とリザー
バ13との間の連通を遮断する第2の状態なる。そし
て、更にアキュムレータ11の油圧が昇圧して、第1の
所定値以上になると、スプール41は図3(a)に示し
た第1の状態に戻る。つまり、スプール41は、弁ハウ
ジング42で変位して第1、第2及び第3の状態を択一
的に選択するように構成されている。
【0036】クラッチ制御用電磁弁25は、3ポート2
位置切換弁で、制動操作や発進/加速操作が検出されな
い車両の定速走行時等は、図3に示すように、バルブ位
置をポジションAに設定して、第2の制御用液室45に
リザーバ13を接続した油路接続状態を作る。また、車
両の制動時又は発進/加速時には、バルブ位置をポジシ
ョンBに設定して、第2の制御用液室45にアキュムレ
ータ11に接続した油路接続状態を作る。
【0037】蓄圧用制御弁18は、本実施形態の場合、
チェック圧が制御装置4からの制御信号により変更可能
なチェック弁で、油圧ポンプモータ9の吐出する油圧を
アキュムレータ11に導く蓄圧用油路5bに装備されて
いる。油圧ポンプモータ9の吐出圧がチェック圧以下で
あれば、蓄圧用油路5bを閉じた状態に保って、アキュ
ムレータ11への油圧供給を断つ。チェック圧の変更
は、ステッピングモータ18cを利用した直動装置18
bによってバルブスプリング18aの撓み量を調節する
ことにより行う。
【0038】ポンプ用作動切換弁15は、5ポート2位
置切換弁で、バルブ位置をポジションAとすると、アキ
ュムレータ11と油圧ポンプモータ9の吐出ポート9a
とが接続すると共にリザーバ13を油圧ポンプモータ9
の吸込ポート9bに接続した第1の油路接続状態を形成
し、バルブ位置をポジションBにすると、蓄圧用油路5
bを吸込ポート9bに接続すると共にリザーバ13を吐
出ポート9aに接続した第2の油路接続状態を形成す
る。
【0039】リリーフ弁16は、制御装置4からの制御
信号によりチェック圧を変更可能な構成で、油蓄圧用制
御弁18とポンプ用作動切換弁15との間の蓄圧用油路
5bに装備され、チェック圧により蓄圧用油路5bを流
れる油圧を調整することで、油圧ポンプモータ9の吐出
圧を調整する。チェック圧の変更は、ステッピングモー
タ16cを利用した直動装置16bによってバルブスプ
リング16aの撓み量を調節することにより行う。
【0040】但し、このリリーフ弁16には、チェック
圧昇圧機構20が装備されている。このチェック圧昇圧
機構20は、直動装置16bとバルブスプリング16a
との間に介在して直動装置16bの変位をバルブスプリ
ング16aに伝達する変位伝達部材20aと、リリーフ
弁16の弁ハウジング16d内に摺動可能に支持された
ピストン部材20bと、弁ハウジング16dとピストン
部材20bとの間に圧装されてピストン部材20bを介
して変位伝達部材20aをバルブスプリング16aの圧
縮方向に付勢するチェック圧昇圧ばね20cと、アキュ
ムレータ圧が導かれるアキュムレータ圧検出室20dと
を備えている。
【0041】そしてアキュムレータ圧検出室20dは、
アキュムレータ圧がピストン部材20bに対してチェッ
ク圧昇圧ばね20cを圧縮する方向の付勢力を作用させ
るように装備されている。即ち、チェック圧昇圧機構2
0は、アキュムレータ11に蓄圧された油圧をアキュム
レータ圧検出室20dに受け、この油圧が基準圧より下
がると、チェック圧昇圧ばね20cによる付勢力によっ
てピストン部材20bが変位伝達部材20aをバルブス
プリング16aの圧縮方向に変位させて、リリーフ弁1
6のチェック圧を上昇させる構成である。
【0042】車両を長期間放置してアキュムレータ圧が
低下すると、油圧クラッチ24を切断できなくなるが、
その場合にはチェック圧昇圧機構20を制御して、その
チェック圧を最大とする。その状態で車両を走らせる
と、油圧ポンプモータ9が作動してアキュムレータ圧が
昇圧して、油圧クラッチ24は切断される。
【0043】アキュムレータ出力制御弁17は、3ポー
ト3位置切換弁で、バルブ位置がポジションAの時に
は、アキュムレータ11に蓄圧された油圧を油圧ブレー
キユニット7に供給し、バルブ位置がポジションBの時
には、油圧ブレーキユニット7に供給された油圧の保持
とアキュムレータ11の油圧保持を行い、また、バルブ
位置がポジションCの時には、油圧ブレーキユニット7
の油圧をリザーバ13に戻す。即ち、アキュムレータ出
力制御弁17は、油圧ブレーキユニット7への油圧供給
を制御する。
【0044】油圧ブレーキユニット7は、車輪と一体回
転するブレーキディスク22を挟むように配置された一
対の摩擦材71、72を、キャリパ73のシリンダ部7
4に収容保持された油圧ピストン75によりブレーキデ
ィスク22に押し付けて、制動力を発生させる油圧式デ
ィスクブレーキである。アキュムレータ11に蓄圧され
た油圧がアキュムレータ出力制御弁17を介してキャリ
パ73のシリンダ部74に供給される。
【0045】制御装置4は、車載の図示せぬ各種センサ
・スイッチ類からステアリング角、ブレーキペダル踏
力、車輪速、ヨーレート等の種々の信号を受けて各車輪
の回転状態や車両の走行状態を検知し、入手した各種の
信号に基づいて、各車輪毎に装備された制動エネルギー
回生ユニット3を互いに独立に制御することで、各車輪
に与える制動トルク及び駆動トルクを最適化するべく、
各制動エネルギー回生ユニット3のクラッチ制御用電磁
弁25、ポンプ用作動切換弁15、リリーフ弁16の直
動装置16b、蓄圧用制御弁18の直動装置18b、ア
キュムレータ出力制御弁17を制御する。
【0046】具体的には、制御装置4は、車両の制動時
又は発進/加速時には、クラッチ制御用電磁弁25のバ
ルブ位置をポジションBにする。クラッチ制御用電磁弁
25のバルブ位置がポジションBの時は、クラッチ制御
弁機構40の第1及び第2の制御用液室44、45に供
給される油圧がいずれもアキュムレータ圧となり、クラ
ッチ制御弁機構40のスプール41はばね43による付
勢力によって、図3(c)に示したように、第1の制御
用液室44側に最大限に変位した状態になる。この状態
では、クラッチ制御弁機構40は、アキュムレータ11
と油圧クラッチ24の制御室31との連通を遮断すると
共に制御室31とリザーバ13とを連通させる第3の状
態となり、油圧クラッチ24の制御室31に供給される
油圧が第2の所定値以下となるために、油圧ポンプモー
タのポンプ軸が車輪軸21に連結された状態となる。
【0047】そして、車両の制動時の場合は、ポンプ用
作動切換弁15が、油圧ポンプモータ9の吐出ポート9
aを蓄圧用油路5bを介してアキュムレータ11に接続
すると共に油圧ポンプモータ9の吸込ポート9bをリザ
ーバ13に接続した第1の油路接続状態を形成する。そ
のため、油圧ポンプモータ9は車輪軸21からポンプ軸
9cに入力する回転力で油圧ポンプとして作動し、ポン
プ軸9cを回転させる駆動トルク分が車輪に負荷として
作用して、車輪の回転を減速する制動力となる。
【0048】なお、油圧ポンプモータ9を油圧ポンプと
して作動させる際には、必要とされる制動力に応じて設
定される目標リリーフ圧P0 に基づいて、リリーフ弁1
6及び蓄圧用制御弁18の直動装置16b、18bを制
御して、これらの各弁16、18に適正なチェック圧を
設定する。つまり油圧ポンプモータ9の吐出圧が必要と
する制動力に比例するようにリリーフ弁16及び蓄圧用
制御弁18のチェック圧を制御することにより、アキュ
ムレータ11への蓄圧動作によって発生する制動力を、
ブレーキペダル踏力に比例した値とすることができる。
【0049】具体的には、目標リリーフ圧P0 がアキュ
ムレータ圧よりも低い場合には、リリーフ弁16のチェ
ック圧を目標リリーフ圧P0 に設定する。これにより、
通常では、リリーフ弁16におけるリリーフ圧の方が蓄
圧用制御弁18のチェック圧とアキュムレータ圧との和
よりも低いために、油圧ポンプからの吐出圧はリリーフ
圧に制御されて、油圧ポンプが吐出した作動油はリリー
フ弁16を経てリザーバ13に戻され、アキュムレータ
11は油圧ポンプモータ9の吐出ポート9aから切り離
された状態になる。従って、アキュムレータ11圧の影
響を受けずに、所望の小さな制動力を正確に発生させる
ことができ、また、制動力の微調整等も容易、かつ確実
に行うことができる。
【0050】アキュムレータ圧が低下して、制御室31
の液圧力がばね29の付勢力よりも小さくなると、リリ
ーフ弁16に装備されたチェック圧昇圧機構20によっ
てリリーフ弁16内のチェック圧が昇圧させられ、その
結果、リリーフ弁16のチェック圧が蓄圧用制御弁18
のチェック圧よりも高くなる。そのため、実質的には、
蓄圧用制御弁18がリリーフ弁として働くようになり、
油圧ポンプの吐出圧が蓄圧用制御弁18を介してアキュ
ムレータ11に供給され、アキュムレータ11への蓄圧
が始まって、アキュムレータ圧の降下分が補充される。
そして、アキュムレータ圧が、元の適正圧に復帰する
と、リリーフ弁16のチェック圧昇圧機構20によるチ
ェック圧の昇圧動作が解除される。即ち、アキュムレー
タ圧が下がっても、リリーフ弁16に装備したチェック
圧昇圧機構20により自動的に、かつ、速やかに、アキ
ュムレータ11への蓄圧が開始されてアキュムレータ圧
が補償される。
【0051】また、目標リリーフ圧P0 が現在のアキュ
ムレータ圧PX よりも高い場合には、蓄圧用制御弁18
のチェック圧を目標リリーフ圧P0 に制御し、かつ、リ
リーフ弁16のチェック圧は目標リリーフ圧P0 よりも
高い適宜値に設定し、実質的には蓄圧用制御弁18をリ
リーフ弁16として機能させる。このように制御する
と、所望の制動力を発生させる一方で、アキュムレータ
11がリザーバ13として機能するため、油圧ポンプモ
ータ9の出力する油圧がアキュムレータ11に蓄圧さ
れ、減速時の運動エネルギーの一部(熱として消費され
なかった分)がアキュムレータ11に油圧として回収さ
れる。
【0052】さらに、必要とする制動力に対してポンプ
負荷による制動力だけでは制動力不足を生じる場合に
は、制御装置4は、アキュムレータ11に蓄圧された油
圧により油圧ブレーキユニット7を作動させて制動力を
補うべく、アキュムレータ出力制御弁17のバルブ位置
をポジションAに切り換える。さらに、制御装置4は、
油圧ブレーキユニット7の制動力を保持状体にする場合
には、アキュムレータ出力制御弁17のバルブ位置をポ
ジションBに設定する。
【0053】なお、車両のブレーキ解除時には、制御装
置4は、クラッチ制御用電磁弁25、ポンプ用作動切換
弁15及びアキュムレータ出力制御弁17のバルブポジ
ションを図1に示す位置に設定する。つまり、クラッチ
制御用電磁弁25のバルブ位置をポジションAに設定し
て、クラッチ制御弁機構40を介してアキュムレータ圧
を油圧クラッチ24の制御室31に供給することで、油
圧ポンプモータ9のポンプ軸9cを車輪軸21から切り
離し、かつ、ポンプ用作動切換弁15のバルブ位置をポ
ジションAに設定して、アキュムレータ11の油圧保持
を図ると同時に、リリーフ弁16のチェック圧を最小値
(略ゼロ)に設定し、また、アキュムレータ出力制御弁
17のバルブ位置をポジションCに設定して油圧ブレー
キユニット7の油圧をリザーバ13に戻す。
【0054】一方、発進/加速時には、制御装置4は、
ポンプ用作動切換弁15のバルブ位置をポジションAに
設定して、油圧ポンプモータ9の吐出ポート9aにリザ
ーバ13を接続すると共に油圧ポンプモータ9の吸込ポ
ート9bにアキュムレータ11を接続した第2の油路接
続状態を形成する。これにより、油圧ポンプモータ9は
吸込ポート9bに作用するアキュムレータ圧でポンプ軸
9cが回転駆動される油圧モータとして作動して、ポン
プ軸9cに連結されている車輪軸21に回転力を伝達す
る。
【0055】さらに、制御装置4は、リリーフ弁16の
最大チェック圧を当該装置の構成機器や油路の最大許容
圧力以下に設定して、過負荷による油圧機器や油路の破
損を防止する。また、制御装置4は、例えば、制動動作
や発進/加速動作が不要な時(例えば、通常走行時)に
は、クラッチ制御用電磁弁25によりクラッチ制御弁機
構40の第2の制御用液室45をリザーバ13に接続す
る。この状態では、クラッチ制御弁機構40は、アキュ
ムレータ圧に応じて、自動的に、油圧クラッチ24の制
御室31への油路接続を切り換える。
【0056】例えば、アキュムレータ圧が第1の所定値
以上の時には、クラッチ制御弁機構40は、第1の状態
となり、アキュムレータ11と油圧クラッチ24の制御
室31とを連通させると共に、制御室31とリザーバ1
3との間の連通を遮断する。また、アキュムレータ11
の油圧が第1の所定値未満で、かつ第1の所定値より低
い第2の所定値以上の時には、クラッチ制御弁機構40
は、第2の状態となり、アキュムレータ11と制御室3
1との連通を遮断すると共に制御室31とリザーバ13
との間の連通を遮断する。そして、アキュムレータ圧が
第2の所定値以下の時には、クラッチ制御弁機構40
は、第3の状態となり、アキュムレータ11と制御室3
1との連通を遮断すると共に制御室31とリザーバ13
との間を連通する。
【0057】クラッチ制御弁機構40が第1の状態の
時、油圧クラッチ24は、制御室31がアキュムレータ
11と連通状態となり、アキュムレータ11から第1の
所定値以上の油圧が供給されるため、油圧によって係合
板27が速やかに非係合位置に変位して、油圧ポンプモ
ータ9のポンプ軸9cを車輪軸21から切り離した非連
結状態となり、車輪軸21に余分な負荷が作用すること
を防止する。
【0058】また、クラッチ制御弁機構40が第3の状
態の時、油圧クラッチ24は、制御室31がリザーバ1
3と連通状態となり、制御室31の油圧が一挙に第2の
所定値以下の低圧に下がるため、係合板27がばねによ
る押圧力によって速やかに係合位置に戻り、油圧ポンプ
モータ9のポンプ軸9cを車輪軸21に連結した状態と
なる。この状態の時には、ポンプ用作動切換弁15が油
圧ポンプモータ9の吐出ポート9aをアキュムレータ1
1に接続すると共に油圧ポンプモータ9の吸込ポート9
bをリザーバ13に接続した第1の油路接続状態を形成
して、油圧ポンプモータ9は油圧ポンプとして作動させ
られる。従って、油圧ポンプによってアキュムレータ1
1への油圧回収が再開されて、アキュムレータ圧の復旧
がなされる。即ち、車両の通常走行時において、クラッ
チ制御弁機構40の第3の状態は、低下したアキュムレ
ータ圧を第1の所定値以上に復旧させる動作となる。
【0059】また、クラッチ制御弁機構40が第2の状
態の時、油圧クラッチ24は、制御室31がアキュムレ
ータ11及びリザーバ13の双方から遮断され、密閉室
となるため、制御室31内の油圧が第2の状態に移行す
る直前のアキュムレータ圧に保持される。従って、例え
ば、それまでクラッチ制御弁機構40が第1の状態で作
動していて、アキュムレータ圧が制御室31に供給され
ている状態で、アキュムレータ圧が第1の所定値以上の
状態から徐々に降下して、第1の所定値未満で第2の所
定値以上の範囲に移行する場合には、制御室31内の圧
力を、第1の所定値に保持し、それまでのクラッチの非
連結状態を維持して、車輪軸21に余分な負荷が作用す
ることを防止する。
【0060】一方、逆に、それまでクラッチ制御弁機構
40が第3の状態で作動していて、制御室31がリザー
バ13に連通されて、アキュムレータ11への油圧回収
が再開され、アキュムレータ圧が第2の所定値未満の状
態から徐々に上昇して、第1の所定値未満で第2の所定
値以上の範囲に移行した時には、アキュムレータ圧が第
1の所定値以上になるまで、制御室31内の圧力をリザ
ーバ13に連通していた時の圧力(第2の所定値未満)
に保持し、それまでのクラッチの連結状態を維持する。
【0061】このように油圧クラッチ24は、制御室3
1に供給される油圧により係合板27を非係合位置又は
係合位置に切り換えることで、ポンプ軸9cと車輪軸2
1とを非連結状態又は連結状態に切り換える。ところ
で、図4に示すように、制御室31をクラッチ制御用電
磁弁25のみで直接アキュムレータ11又はリザーバ1
3に接続切換するようにした構成の場合では、制御室3
1に供給されるアキュムレータ圧が第1の所定値以上の
状態から第1の所定値未満に徐々に低下したような場合
に、アキュムレータ圧の低下に応じて、油圧クラッチ2
4の係合板27が徐々にブレーキディスク22側に移動
するため、係合板27に装備された連結ピン34の先端
の一部のみが連結用凹部35に引っかかって、連結ピン
34と連結用凹部35との係合が不完全な半クラッチ状
態が発生し、それを原因として係合板27に破損等の不
都合が発生する虞がある。
【0062】しかし、本実施形態の場合は、制御室31
に供給される油圧は、クラッチ制御弁機構40により、
係合板27をばね力に抗して非係合位置に変位させるに
十分に高圧の第1の所定値以上、又は、ばね力によって
係合板27が係合位置に戻されるに十分に低圧の第2の
所定値未満の何れかに切換制御され、油圧クラッチ24
の係合板27が係合位置と非係合位置との中間で留まる
ような中途半端な値(第1の所定値と第2の所定値の中
間値)とならない。従って、係合が不完全な半クラッチ
状態が発生せず、半クラッチ状態での回転力伝達を原因
とする係合板27の破損を防止することができる。
【0063】以上の車両用制動装置10によれば、車両
の制動時又は発進/加速時には、油圧クラッチ24を介
して油圧ポンプモータ9のポンプ軸9cが車輪軸21に
連結された状態に保持される。そして、制動時には、ブ
レーキペダル踏力センサ(図示せず)よりの信号と油圧
ポンプモータ9の吐出圧を検出する圧力センサ(図示せ
ず)よりの信号とを比較して、ブレーキペダル踏力に比
例した制動力が得られるようにリリーフ弁16や蓄圧用
制御弁18のチェック圧を適正に制御すれば、ポンプ吐
出圧(即ち、リリーフ圧)を任意値に調節することがで
き、ポンプ吐出力によって決定される油圧ポンプの駆動
トルク(即ち、発生する制動力)を任意値に調整するこ
とができる。
【0064】従って、ポンプ吐出圧は、アキュムレータ
11の蓄圧に関係なく、任意に設定することができて、
緩やかな制動が要求される場合でも、アキュムレータ1
1の高圧がポンプ負荷として作用することに起因したガ
ックン効き等が生じない良好な制動を行うことが可能に
なり、かつ、別のブレーキ装置を併用せずとも、ポンプ
吐出圧をアキュムレータ11の蓄圧限界圧以上の高圧に
設定して、大きな制動力を発生させることが可能にな
る。また、アキュムレータ圧が下がっても、リリーフ弁
16に装備したチェック圧昇圧機構20により自動的
に、かつ、速やかに、アキュムレータ11への蓄圧が開
始されてアキュムレータ圧が補償されるため、アキュム
レータ11の蓄圧量を安定維持することができる。従っ
て、アキュムレータ圧を駆動源として利用する場合に、
アキュムレータ圧の低下に起因した作動不良等を防止す
ることができ、また、蓄圧量が安定維持されるため、小
型のアキュムレータ11でも駆動源として安定した動作
を期待することができる。
【0065】そして、必要とする制動力に対してアキュ
ムレータ11への蓄圧による制動力では制動力が不足す
る場合には、アキュムレータ11に蓄圧された油圧によ
り油圧ブレーキユニット7を作動させることで制動力を
補うため、必要十分な制動力を得ることが可能になる。
【0066】そして、発進/加速時には、アキュムレー
タ圧を油圧ポンプモータ9に供給し、油圧ポンプモータ
9が油圧モータとして作動して車輪に駆動力を伝えるよ
うに、ポンプ用作動切換弁15及び蓄圧用制御弁18を
制御する。このように動作制御することで、車両の減速
時に回収したエネルギーを制動動作や発進/加速動作に
有効利用して車両におけるエネルギー効率を向上させる
ことができる。
【0067】さらに、アキュムレータ11への蓄圧動作
時には、リリーフ弁16のチェック圧を当該装置の構成
機器や油路の最大許容圧力以下に設定することにより、
過負荷による油圧機器や油路の破損を防止することがで
きる。
【0068】また制動動作や発進/加速動作が不要な時
には、油圧クラッチ24により油圧ポンプモータ9のポ
ンプ軸9cを車輪軸21から切り離して、車輪軸21に
余分な負荷が作用することを確実に防止することができ
る。さらに、本発明の車両用制動装置10において装備
する油圧クラッチ24は、基準値以上の油圧力が制御室
31に供給された場合に油圧ポンプを車輪軸21から切
り離すタイプである。そのため、例えば、車両の長期の
不使用等でアキュムレータ11に蓄圧された油圧が下が
ったり、あるいはアキュムレータ11から油圧クラッチ
24への油路からの油圧の漏れ等で、基準値以上の油圧
を油圧ポンプに供給できなくなるという失陥が生じた場
合でも、油圧ポンプモータ9のポンプ軸9cが車輪軸2
1から切り離せなくなるために車輪への負荷が若干増大
するという小さな不都合は生じるものの、制動動作や回
収したエネルギーを再利用する加速動作等に対しては、
失陥の発生前と変わらない性能を維持することができ、
制動性能や加速性能の信頼性、安全性に優れる。
【0069】また、以上の車両用制動装置10では、各
車輪毎に制動エネルギー回生ユニット3が装備され、制
御装置4が各制動エネルギー回生ユニット3を互いに独
立に制御可能なため、エネルギーの回収や回収したエネ
ルギーの再利用を車輪毎に独立に行うことができ、アン
チロックブレーキシステムやトラクションコントロール
システムなどのブレーキ機能のインテリジェント化の実
現が容易にできる。つまり、蓄圧による制動時の車輪の
スキッドが検出されると、直動装置16bを制御してリ
リーフ弁16のチェック圧を下げることで制動力が減少
し、また、油圧ブレーキユニット7による制動時におい
ては、アキュムレータ出力制御弁17のバルブ位置をポ
ジションAに設定することで、制動力が減少して車輪ス
キッドを解消することができる。また、発進/加速時に
駆動輪のスリップが検出されると、各弁15、16、1
7、18、25を制御して駆動輪に制動力をかけて、そ
のスリップを抑えることができる。
【0070】更に、本発明の車両用制動装置10の場
合、制動手段の油圧ブレーキユニット7は、車両の減速
時にアキュムレータ11に蓄圧した油圧で作動させる構
成で、電気エネルギーの消費量が大きな電動モータ等は
使用しておらず、電気エネルギーは各弁15、16、1
7、18、25の動作制御に使用する分だけで済むた
め、ブレーキ装置の電気的制御によって車両における電
気エネルギーの消費が増大することを抑えることもでき
る。
【0071】また、制動動作時にアキュムレータ11に
蓄圧された油圧は、前述した油圧ブレーキユニット7の
駆動源として、あるいは油圧ポンプモータ9を油圧モー
タとして作動させる駆動源として活用されるだけでな
く、油圧ポンプモータ9のポンプ軸9cを車輪軸21に
対して係脱する油圧クラッチ24の駆動源としても活用
するもので、クラッチを作動させるための専用の駆動源
が不要で、構成部品の増大を抑えて、装置の小型化や低
コスト化を図ることができる。
【0072】また、車両用制動装置10に使用した油圧
クラッチ24は、制御室31に供給される油圧により係
合板27を非係合位置又は係合位置に切り換えること
で、ポンプ軸9cと車輪軸21とを非連結状態又は連結
状態に切り換える。その際に、制御室31に供給される
油圧は、クラッチ制御弁機構40により、係合板27を
ばね力に抗して非係合位置に変位させるに十分に高圧の
第1の所定値以上、又は、ばね力によって係合板27が
係合位置に戻されるに十分に低圧の第2の所定値未満の
何れかに切換制御され、油圧クラッチ24の係合板27
が係合位置と非係合位置との中間で留まるような中途半
端な値(第1の所定値と第2の所定値の中間値)となら
ない。従って、係合が不完全な半クラッチ状態が発生せ
ず、半クラッチ状態での回転力伝達による係合板27の
破損を防止することができる。
【0073】なお、ポンプ用作動切換弁15の各バルブ
ポジションA、Bにおける上述の作動説明は車両前進時
におけるものであって、車両後進時においては、ポジシ
ョンBが蓄圧の制動となり、ポジションAが駆動力補助
となる。
【0074】なお、上記実施形態では、制御弁機構を油
圧クラッチに適用した場合について述べたが、本発明
は、このような用途に限定されるものでないことは勿論
である。また、本発明において、各構成部品の具体的構
成は、上記実施形態に限定するものではなく、本発明の
趣旨を逸脱しない範囲で、形状等を設計変更可能なこと
は言うまでもない。
【0075】
【発明の効果】本発明の制御弁機構によれば、弁ハウジ
ング内を変位するスプールが、第1、第2及び第3の状
態を択一的に選択するので、例えば、アキュムレータ圧
の低下に伴う被作動体(例えば、油圧クラッチ等)の動
作を、第1、第3の状態にある特定の圧力下でのみ確実
に行うことができる。
【0076】また、本発明の車両用制動装置によれば、
車両の制動時又は発進/加速時には、クラッチ制御用電
磁弁によりクラッチ制御弁機構の第2の制御用液室がア
キュムレータに接続される。この状態では、クラッチ制
御弁機構は、アキュムレータと油圧クラッチの制御室と
の連通を遮断すると共に制御室とリザーバとの間を連通
する第3の状態となり、油圧クラッチの制御室の供給さ
れる油圧が第1の所定値以下となるために、油圧ポンプ
モータのポンプ軸が車輪軸に連結された状態となる。
【0077】そして、車両の制動時の場合は、ポンプ用
作動切換弁が、油圧ポンプモータの吐出ポートをアキュ
ムレータに接続すると共に油圧ポンプモータの吸込ポー
トをリザーバに接続した第1の油路接続状態を形成する
ため、油圧ポンプモータは車輪軸からポンプ軸に入力す
る回転力で油圧ポンプとして作動し、ポンプ軸を回転さ
せる駆動トルク分が車輪に負荷として作用して、車輪の
回転を減速する制動力となる。また、前記油圧ポンプモ
ータの出力する油圧が前記アキュムレータに蓄圧され、
減速時の運動エネルギーの一部(熱として消費されなか
った分)が前記アキュムレータに油圧として回収され
る。
【0078】一方、発進/加速時には、ポンプ用作動切
換弁が、油圧ポンプモータの吐出ポートにリザーバを接
続すると共に油圧ポンプモータの吸込ポートにアキュム
レータを接続した第2の油路接続状態を形成するため、
油圧ポンプモータは吸込ポートに作用するアキュムレー
タ圧でポンプ軸が回転駆動される油圧モータとして作動
して、ポンプ軸に連結されている車輪軸に回転力を伝達
する。
【0079】即ち、車両の減速時には、ポンプ軸が油圧
クラッチを介して車輪軸に連結された油圧ポンプモータ
を油圧ポンプとして作動させることで、車輪軸に制動力
を作用させる一方、車輪軸の運動エネルギーを油圧エネ
ルギーとしてアキュムレータに回収することができる。
そして、車両の発進/加速時には、油圧ポンプモータを
油圧モータとして作動させることで、車両の減速時にア
キュムレータに回収した油圧エネルギーを、運動エネル
ギーとして車輪軸に出力して、車両の発進/加速動作に
有効利用して車両におけるエネルギー効率を向上させる
ことができる。
【0080】また、本発明の車両用制動装置では、制動
動作や発進/加速動作が不要な通常走行時には、クラッ
チ制御用電磁弁によりクラッチ制御弁機構の第2の制御
用液室がリザーバに接続される。この状態では、クラッ
チ制御弁機構は、アキュムレータ圧に応じて、油圧クラ
ッチの制御室への油路接続を切り換える。アキュムレー
タ圧が第1の所定値以上の時には、第1の状態となり、
アキュムレータと油圧クラッチの制御室とを連通させる
と共に、制御室とリザーバとの間の連通を遮断する。ア
キュムレータの油圧が第1の所定値未満で、かつ、第1
の所定値より低い第2の所定値以上の時には、第2の状
態となり、アキュムレータと制御室との連通を遮断する
と共に制御室とリザーバとの間の連通を遮断する。そし
て、アキュムレータ圧が第2の所定値以下の時には、第
3の状態となり、アキュムレータと制御室との連通を遮
断すると共に制御室とリザーバとの間を連通する。
【0081】クラッチ制御弁機構が第1の状態の時、油
圧クラッチは、制御室がアキュムレータと連通状態とな
り、アキュムレータから第1の所定値以上の油圧が供給
されるため、油圧によって係合板が速やかに非係合位置
に変位して、油圧ポンプモータのポンプ軸を車輪軸から
切り離した非連結状態となる。
【0082】また、クラッチ制御弁機構が第3の状態の
時、油圧クラッチは、制御室がリザーバと連通状態とな
り、制御室の油圧が一挙に第2の所定値以下の低圧に下
がるため、係合板がばねによる押圧力によって速やかに
係合位置に戻り、油圧ポンプモータのポンプ軸を車輪軸
に連結した状態となる。この状態の時には、ポンプ用作
動切換弁が油圧ポンプモータの吐出ポートをアキュムレ
ータに接続すると共に油圧ポンプモータの吸込ポートを
リザーバに接続した第1の油路接続状態を形成して、油
圧ポンプモータは油圧ポンプとして作動させられる。従
って、油圧ポンプによってアキュムレータへの油圧回収
が再開されて、アキュムレータ圧の復旧がなされる。即
ち、車両の通常走行時において、クラッチ制御弁機構の
第3の状態は、低下したアキュムレータ圧を第1の所定
値以上に復旧させる動作となる。
【0083】また、クラッチ制御弁機構が第2の状態の
時、油圧クラッチは、制御室がアキュムレータ及びリザ
ーバの双方から遮断され、密閉室となるため、制御室内
の油圧が第2の状態に移行する直前のアキュムレータ圧
に保持される。従って、例えば、それまでクラッチ制御
弁機構が第1の状態で作動していて、アキュムレータ圧
が制御室に供給されている状態で、アキュムレータ圧が
第1の所定値以上の状態から徐々に降下して、第1の所
定値未満で第2の所定値以上の範囲に移行する場合に
は、制御室内の圧力を、第1の所定値に保持し、それま
でのクラッチの非連結状態を維持する。また、逆に、そ
れまでクラッチ制御弁機構が第3の状態で作動してい
て、制御室がリザーバに連通されて、アキュムレータへ
の油圧回収が再開され、アキュムレータ圧が第2の所定
値未満の状態から徐々に上昇して、第1の所定値未満で
第2の所定値以上の範囲に移行した時には、アキュムレ
ータ圧が第1の所定値以上になるまで、制御室内の圧力
をリザーバに連通していた時の圧力(第2の所定値未
満)に保持し、それまでのクラッチの連結状態を維持す
る。
【0084】即ち、本発明の油圧クラッチでは、制御室
に供給される油圧により係合板を非係合位置又は係合位
置に切り換えることで、ポンプ軸と車輪軸とを非連結状
態又は連結状態に切り換える。その際に、制御室に供給
される油圧は、クラッチ制御弁機構により、係合板をば
ね力に抗して非係合位置に変位させるに十分に高圧の第
1の所定値以上、又は、ばね力によって係合板が係合位
置に戻されるに十分に低圧の第2の所定値未満の何れか
に切換制御され、油圧クラッチの係合板が係合位置と非
係合位置との中間で留まるような中途半端な値(第1の
所定値と第2の所定値の中間値)とならない。従って、
係合が不完全な半クラッチ状態が発生せず、半クラッチ
状態での回転力伝達による係合板の破損を防止すること
ができる。
【0085】さらに、本発明の車両用制動装置において
装備する油圧クラッチは、基準値(第1の所定値)以上
の油圧力が制御室に供給された場合に油圧ポンプを車輪
軸から切り離すタイプであるため、例えば、車両の長期
の不使用等でアキュムレータに蓄圧された油圧が下がっ
たり、あるいはアキュムレータから油圧クラッチの制御
室への油路からの油圧の漏れ等で、基準値以上の油圧を
油圧ポンプに供給できなくなるという失陥が生じた場合
には、油圧ポンプモータのポンプ軸が車輪軸に連結され
た状態に維持される。従って、車輪への負荷が若干増大
するという小さな不都合は生じるものの、速やかにアキ
ュムレータ圧の復旧がなされ、制動動作や回収したエネ
ルギーを再利用する加速動作等に対しては、失陥の発生
前と変わらない性能を維持することができ、制動性能の
信頼性、安全性に優れる。
【0086】また、本発明の車両用制動装置は、油圧ポ
ンプ又は油圧モータとして動作切換可能な油圧ポンプモ
ータを油圧クラッチを介して車輪軸に装備するもので、
車両の各車輪毎に油圧クラッチを介して油圧ポンプモー
タを装備した構成とすることで、エネルギーの回収や回
収したエネルギーの再利用を車輪毎に独立に行うことが
でき、アンチロックブレーキシステムやトラクションコ
ントロールシステムなどのブレーキ機能のインテリジェ
ント化の実現が容易にできる。
【0087】更に、本発明の車両用制動装置の場合、制
動動作時にアキュムレータに蓄圧された油圧は、油圧ポ
ンプモータを油圧モータとして作動させる駆動源として
活用されるだけでなく、油圧ポンプモータのポンプ軸を
車輪軸に対して係脱する油圧クラッチの駆動源としても
活用するもので、クラッチを作動させるための専用の駆
動源が不要で、構成部品の増大を抑えて、装置の小型化
や低コスト化を図ることができる。更に、本発明の車両
用制動装置の場合、駆動源として電気エネルギーの消費
量が大きな電動モーター等を使用しておらず、電気エネ
ルギーはクラッチ制御用電磁弁、ポンプ用作動切換弁等
の動作制御に使用する分だけで済むため、ブレーキ装置
の電動化によって車両における電気エネルギーの消費が
増大することを抑えることもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る車両用制動装置の一実施形態の構
成を示すブロック図である。
【図2】図1の車両用制動装置に使用される油圧クラッ
チ及び油圧ポンプモータの拡大断面図である。
【図3】図1の車両用制動装置に使用されるクラッチ制
御弁機構の動作を示す拡大断面図である。
【図4】図1に示したクラッチ制御弁機構を省略して、
油圧クラッチの制御室を電磁弁によりアキュムレータ又
はリザーバに接続切り換えする構成とした車両用制動装
置のブロック図である。
【符号の説明】
3 制動エネルギー回生ユニット 4 制御装置 7 油圧ブレーキユニット 9 油圧ポンプモータ 10 車両用制動装置 11 アキュムレータ 13 リザーバ 15 ポンプ用作動切換弁 16 リリーフ弁 17 アキュムレータ出力制御弁 18 蓄圧用制御弁 21 車輪軸 22 ブレーキディスク 24 油圧クラッチ 25 クラッチ制御用電磁弁 27 係合板 31 制御室 34 連結ピン 35 連結用凹部 40 クラッチ制御弁機構 41 スプール 42 弁ハウジング 42a 第1ポート 42b 第2ポート 42c 第3ポート 43 ばね 44 第1の制御用液室 45 第2の制御用液室

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アキュムレータの油圧が第1の所定値以
    上のときに前記アキュムレータと制御室とを連通すると
    共に前記制御室とリザーバ間の連通を遮断する第1の状
    態と、 前記アキュムレータの油圧が前記第1の所定値未満で、
    かつ第1の所定値より低い第2の所定値以上のときに前
    記アキュムレータと前記制御室との連通を遮断すると共
    に前記制御室と前記リザーバ間の連通を遮断する第2の
    状態と、 前記アキュムレータの油圧が前記第2の所定値以下のと
    きに前記アキュムレータと前記制御室との連通を遮断す
    ると共に前記制御室と前記リザーバ間を連通する第3の
    状態とを備えていることを特徴とする制御弁機構。
  2. 【請求項2】 ポンプ軸に回転力が入力された場合には
    作動油を吐出する油圧ポンプとして作動し、吸込ポート
    に油圧が供給された場合には油圧力によって前記ポンプ
    軸を回転させる油圧モータとして作動する油圧ポンプモ
    ータと、 前記油圧ポンプモータの吐出する油圧を蓄圧するアキュ
    ムレータと、 係合板を一方に押圧するばね及び前記ばねの押圧力とは
    逆向きに前記アキュムレータの油圧を作用させる制御室
    を有し、前記制御室に供給される第1の所定値以上の油
    圧によって前記係合板の位置を非係合位置に切り換え
    て、前記ポンプ軸と車輪軸とを非連結状態とする油圧ク
    ラッチと、 前記作動油を貯留するリザーバと、 前記油圧クラッチの制御室に対して前記アキュムレータ
    又は前記リザーバを切替接続することで前記油圧クラッ
    チの作動を制御するクラッチ制御弁機構とを備え、 前記クラッチ制御弁機構は、 前記アキュムレータの油圧が前記第1の所定値以上のと
    きに前記アキュムレータと前記油圧クラッチの制御室と
    を連通すると共に前記制御室とリザーバ間の連通を遮断
    する第1の状態と、 前記アキュムレータの油圧が前記第1の所定値未満で、
    かつ第1の所定値より低い第2の所定値以上のときに前
    記アキュムレータと前記制御室との連通を遮断すると共
    に前記制御室と前記リザーバ間の連通を遮断する第2の
    状態と、 前記アキュムレータの油圧が前記第2の所定値以下のと
    きに前記アキュムレータと前記制御室との連通を遮断す
    ると共に前記制御室と前記リザーバ間を連通する第3の
    状態とを備えていることを特徴とする車両用制動装置。
  3. 【請求項3】 前記クラッチ制御弁機構は、前記アキュ
    ムレータが接続される第1の制御用液室と、クラッチ制
    御用電磁弁により前記アキュムレータ又は前記リザーバ
    が切替接続される第2の制御用液室と、これら第1及び
    第2の制御用液室に作用する油圧に応じて変位するスプ
    ールとを備え、 前記スプールが変位して前記第1、第2及び第3の状態
    を択一的に選択することを特徴とする請求項2記載の車
    両用制動装置。
  4. 【請求項4】 前記クラッチ制御用電磁弁は、車両の制
    動時又は発進/加速時には前記第2の制御用液室をリザ
    ーバに接続し、車両の制動動作や発進/加速動作が不要
    なときには前記第2の制御用液室を前記アキュムレータ
    に接続する請求項3記載の車両用制動装置。
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