JP2000085241A - インクジェット用受像材料の製造方法 - Google Patents

インクジェット用受像材料の製造方法

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JP2000085241A
JP2000085241A JP10255269A JP25526998A JP2000085241A JP 2000085241 A JP2000085241 A JP 2000085241A JP 10255269 A JP10255269 A JP 10255269A JP 25526998 A JP25526998 A JP 25526998A JP 2000085241 A JP2000085241 A JP 2000085241A
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Toshiaki Aono
俊明 青野
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 表面にプラス荷電を有し、且つ、高い空隙率
の受像層により、インクの吸収性が高く、色素の染着性
に優れるというインクジェット用受像材料を、複雑な工
程を必要とせず、簡単に製造しうるインクジェット用受
像材料の製造方法を提供する。 【解決手段】 無機酸化物微粒子、バインダーポリマー
及び揮発性塩基を含有する受像層塗布液を調製する工程
と、該受像層塗布液を支持体上に塗布して受像層塗布液
層を形成する工程と、該受像層塗布液層を乾燥して、分
散媒とともに揮発性塩基を除去し、無機酸化物微粒子を
バインダーポリマーを介して固定化し、支持体上に表面
にプラス電荷を有する多孔質構造を有する受像層を形成
する工程と、を有することを特徴とする。受像層塗布液
のpHは無機酸化物微粒子の等電点近傍に調整すること
が好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェット用
受像材料の製造方法に関し、詳しくは、インクの吸収性
が高く、色素の染着性に優れたインクジェット用受像材
料を製造しうるインクジェット用受像材料の製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェット用受像材料には、形成さ
れる画像の彩度が高いこと、色素が該インクジェット用
受像材料に強固に染着可能であること、速乾性でありイ
ンク滲み等を生じないこと、などの特性が要求される。
従来においては、これらの要求に応えるため、例えばポ
リマー媒染剤を用いる方法が提案されている。しかし、
この場合、形成される画像の彩度が高く、透明性に優れ
るという利点があるものの、インクの吸収性、速乾性に
劣り、そのためにインク滲み等が生じ得るという問題が
ある。一方、無機超微粒子を用いる方法も提案されてい
る。この場合、インクの吸収性、速乾性に優れ、インク
滲み等の問題は生じないが、形成される画像の彩度が十
分でなく、鮮やかな色再現が不可能な上、長期に又は高
湿度下で保存すると画像に滲みが生じるという問題があ
る。
【0003】物理的な受像層の特性の観点からは、例え
ば、特開平7−276789号公報には、空隙率の高い
三次元網目構造の色材受容層を有する記録用シートが記
載されている。これを受けて、さらにこの受像層と色材
との関係を親和性の観点から検討し、本発明者は、先
に、表面にプラス荷電を有する超微粒子を含有する受像
層を支持体上に設けることで、よりインクの吸収性が高
く、色素の染着性に優れたインクジェット用受像材料が
得られることを見いだし、特願平9−315668号と
して提案した。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、表面にプラ
ス荷電を有する微粒子を有し、且つ、高い空隙率の受像
層により、インクの吸収性が高く、色素の染着性に優れ
るというインクジェット用受像材料を、微粒子の電荷の
影響を減少させるための複雑な工程を必要とせず、簡単
に製造しうるインクジェット用受像材料の製造方法を提
供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意検討の
結果、受像層塗布液のpHを調整することにより、空隙
率が高く、表面にプラス荷電を有する超微粒子を含有す
る受像層を支持体上に容易に形成しうることを見いだし
て本発明を完成した。即ち、本発明のインクジェット用
受像材料の製造方法は、無機酸化物微粒子とバインダー
ポリマーと揮発性塩基とを含有する受像層塗布液を調製
する工程と、該受像層塗布液を支持体上に塗布して受像
層塗布液層を形成する工程と、該受像層塗布液層を乾燥
して、分散媒とともに揮発性塩基を除去し、無機酸化物
微粒子をバインダーポリマーを介して固定化し、支持体
上に表面にプラス電荷を有する多孔質構造を有する受像
層を形成する工程と、を有することを特徴とする。
【0006】ここで、揮発性塩基はアンモニアであるこ
とが好ましい。また、本発明に用いる受像層塗布液に、
バインダーポリマー1重量部に対して無機酸化物微粒子
を0.5〜10重量部含有し、該無機酸化物微粒子の一
次粒子径が0.1μm以下であることが好ましい態様で
ある。また、本発明に用いうる無機酸化物微粒子の等電
点は5〜11であり、且つ、受像層塗布液層のpHを無
機酸化物微粒子の等電点±1に調整することが好まし
い。
【0007】本発明の作用機構は明確ではないが、酸化
亜鉛などの無機酸化物微粒子は、等電点近傍ではその微
粒子表面の電荷はプラスとマイナスのものがほぼ同数存
在することになり、分散液中で微粒子同士がプラスとマ
イナスの影響で繋がりやすくなるため、揮発性塩基を添
加してpHを高くなし、等電点近傍に調整することによ
り、空隙率の高い多孔質層を形成しやすくなると考えら
れる。また、乾燥工程においては、隣接する微粒子同士
がバインダーポリマーを介して結着するとともに、揮発
性塩基が蒸発などにより除去されるが、塩基性物質の減
少により膜のpHが低下し、微粒子表面の電荷はプラス
のものが増加していくことになり、インク受容層として
優れた特性を有する表面にプラスの電荷を有する均一で
空隙率の高い受像層を簡易に製造することができるもの
と推定される。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明のインクジェット用
受像材料の製造方法について、工程順に従って順次、詳
細に説明する。本発明のインクジェット用受像材料の製
造方法は、最終的には、表面にプラスの電荷を有する微
粒子を含有する受像層を有するインクジェット用受像材
料を製造するものである。
【0009】まず、支持体に塗布する受像層塗布液を調
整する。受像層塗布液には、無機酸化物微粒子、バイン
ダーポリマー、これらの分散媒、及び適宜選択したその
他の成分を含有してなり、これに揮発性塩基を添加す
る。
【0010】前記受像層塗布液は、例えば、以下のよう
にして調製することができる。即ち、無機酸化物微粒子
の分散液、バインダーポリマーの水溶液又は水分散液、
及び、添加剤の水溶液又は水分散液をブレンドするもの
である。このとき、揮発性塩基を添加して、受像層塗布
液のpHを上げ、好ましくは、配合された無機酸化物微
粒子の等電点近傍に調整する。詳しくは、受像層塗布液
のpHは無機酸化物微粒子の等電点±1の範囲に調整さ
れることが好ましい。等電点とは、両性電解質やコロイ
ド粒子の電気二重層の電位がゼロになるときの溶液の水
素イオン濃度(pH)であり、無機酸化物微粒子の等電
点は文献値より明らかである。また、受像層塗布液をの
pHは常法により測定することができる。
【0011】ここで用いうる無機酸化物微粒子として
は、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化鉛及び酸化ジル
コニウム等の表面にプラスの電荷を有しうる金属酸化物
微粒子が好ましく挙げられ、さらに、透明性に優れたも
のが、透明性に優れたインクジェット用受像材料が得ら
れる点で有利である。表面にプラス荷電を有しうる無機
酸化物微粒子(以下、適宜、単に微粒子と称する)とし
ては、適宜調製したものを用いてもよいし、市販品を用
いてもよく、一種単独で使用してもよいし、二種以上を
併用してもよい。
【0012】前記無機酸化物微粒子の大きさとしては、
一次粒子径が0.1μm以下であるものが好ましく、
0.05μm以下がより好ましく、0.005〜0.0
3μmが特に好ましい。前記微粒子の大きさとして、前
記一次粒子径で0.1μmを越えると、インクジェット
用受像材料の表面の光沢性が低下し、更にインクの吸収
性、染着性、色素の滲み等の性能が低下することがあ
る。前記一次粒子径は、例えば、電子顕微鏡写真によ
り、あるいは前記超微粒子を充分に分散させた後、レー
ザー光による粒径測定装置を用いて、測定することがで
きる。
【0013】前記受像層塗布液中に配合される微粒子の
含有量としては、バインダーポリマー1重量部に対し
て、0.5〜10重量部であるのが好ましく、1〜6重
量部であるのがより好ましい。含有量が、0.5重量部
未満であると、受像層を多孔質構造にすることができな
いことがあり、10重量部を越えると、受像層の強度が
低下し、乾燥時にヒビ割れ等が発生する虞がある。一
方、前記含有量が前記数値範囲内にあると、そのような
ことはなく、インクの吸収性が高く、印字後のインクの
乾燥が速いインクジェット用受像材料が得られる点で有
利である。
【0014】本発明においては、バインダーポリマーと
して、以下の公知の水性樹脂を用いることができる。前
記水性樹脂として、親水性構造単位としてはヒドロキシ
ル基を有する樹脂として、ポリビニルアルコール(PV
A)、セルロース系樹脂(メチルセルロース(MC)、
エチルセルロース(EC)、ヒドロキシエチルセルロー
ス(HEC)、カルボキシメチルセルロース(CMC)
等)、キチン類及びデンプンなど;エーテル結合を有す
る樹脂として、ポリエチレンオキサイド(PEO)、ポ
リプロピレンオキサイド(PPO)、ポリエチレングリ
コール(PEG)及びポリビニルエーテル(PVE)な
ど;アミド基又はアミド結合を有する樹脂としてポリア
クリルアミド(PAAM)、ポリN−ビニルアセトアミ
ド(PNVA)、及びポリビニルピロリドン(PVP)
など;その水溶液が低温でゲル化能を有するゼラチン、
カラギーナンなど;アミノ基、イミノ基、第3アミン及
び第4アンモニウム塩を有するポリアリルアミン(PA
A)、ポリエチレンイミン(PEI)、エポキシ化ポリ
アミド(EPAm)、ポリビニルピリジン、カチオン性
ポリマー媒染剤など、が挙げられる。本発明において、
前記バインダーポリマーは、一種のみを使用してもよい
し、二種以上を併用してもよい。
【0015】本発明において、前記受像層塗布液中に微
粒子を均一に分散させるには、例えば、以下のような方
法が挙げられる。即ち、分散媒、例えば水100重量部
に微粒子2〜20重量部を添加し、十分水に馴染ませて
から分散機を用いて微粒子を水中に分散させる方法であ
る。分散機としては、例えば、機械的に直接力を加えて
分散する各種ミル、大きな剪断力を有する高速攪拌型分
散機、高強度の超音波エネルギーを与える分散機などの
いずれも用いることができ、より具体的には、ボ−ルミ
ル、サンドグラインダーミル、ビスコミル、コロイドミ
ル、ホモジナイザー、ディゾルバーポリトロン、ホモミ
キサー、ホモブレンダー、ケディミル、ジェットアジタ
ー、毛細管式乳化装置、液体サイレン、電磁歪式超音波
発生機、ボールマン笛を有する乳化装置などが挙げられ
る。なお、バインダーポリマーは別に溶液を調製して前
記微粒子分散液に混合してもよいが、微粒子を分散させ
る際、分散媒に予め所定量のバインダーポリマーを添加
溶解させておき、バインダーポリマーを分散安定化剤
(保護コロイド)として作用させることも好ましい。受
像層塗布液調製に用いうる分散媒としては、水のほか、
水/メタノール、水/エタノール等の混合溶媒等の水性
溶媒を挙げることができる。
【0016】塗布液調製の際、微粒子分散液とバインダ
ーポリマーとを含有する分散液中に揮発性塩基を添加し
て分散液のpHを上げる操作を行う。pHは、前記した
ように微粒子の等電点近傍に調整されることが好まし
い。ここで、用いられる揮発性塩基とは、後に続く塗布
液層を乾燥させる工程で、分散媒とともに揮発して除去
されうるものを指し、例えば、アンモニア等が挙げられ
る。揮発性塩基の添加量は、微粒子の種類や添加量、バ
インダーポリマーの種類等により適宜選択される。受像
層塗布液のpHを調整する方法としては、塗布液のpH
を実際に測定しながら揮発性塩基の添加量を制御する方
法をとることもできるが、連続的にバッチ処理される場
合には、1度実測により添加量を求めて、その後は、定
量を添加する方法をとることもできる。
【0017】なお、本発明に係る受像層塗布液には、前
記本発明の必須成分に加えて、塗布液の物性を調整した
り、受像層の特性を改良するため、本発明の効果を損な
わない限りにおいて公知の添加剤を併用することができ
る。例えば、受像層塗布液にカチオン性ポリマー媒染剤
を添加すると染料の染着性を効果的に高めることができ
る。ここで用いうるカチオン性ポリマー媒染剤として
は、例えば、特開昭63−103240号公報に記載の
カチオン性ポリマー媒染剤が好適に挙げられる。その一
例としては、下記一般式(I)で表されるカチオン性ポ
リマー媒染剤が挙げられる。一般式(I)
【0018】
【化1】
【0019】一般式(I)において、R1 は、水素原子
又は1〜6個の炭素原子を有する低級アルキル基を表
す。Lは、1〜20個の炭素原子を有する2価の連結基
を表す。Eは、炭素原子との二重結合を有する窒素原子
を構成成分として含むヘテロ環を表し、これらの中でも
下記に示すイミダゾール基が特に好ましい。nは、0又
は1である。
【0020】
【化2】
【0021】前記イミダゾール基を有するカチオン性ポ
リマー媒染剤を用いると、色素の染着性、光堅牢性の点
で有利である。
【0022】前記のように調製された受像層塗布液は、
次に、支持体上に塗布されて受像層塗布液層が形成され
る。受像層塗布液の塗布は、公知の塗布方法を採用する
ことができ、例えば、エアードクターコーター、ブレー
ドコーター、ロッドコーター、ナイフコーター、スクイ
ズコーター、リバースロールコーター、バーコーターな
どを用いて行うことができる。
【0023】次に、支持体上に形成された受像層塗布液
層は、乾燥工程に付され、塗布液層より分散媒、溶媒、
揮発性塩基が除去されて、支持体上に受像層が形成さ
れ、インクジェット用受像材料が完成する。乾燥は、一
般に50〜180℃の温度条件で、5〜20分程度の乾
燥時間で行われる。本発明の受像層塗布液のバインダー
として、その水溶液が低温でゲル化するポリマー(例え
ば、ゼラチン、κ−カラギーナンなど)を用いる場合、
0〜15℃でセット後、25〜50℃で乾燥する(セッ
ト乾燥という)ことができる。また、ポリビニルアルコ
ール又はその誘導体はほう酸又はその塩を併用すること
によりセット乾燥することができる。これらの乾燥工程
において、分散媒である水或いは水性溶媒が揮発、除去
され、バインダーポリマーが硬化して被膜を形成し、微
粒子同士が部分的に固定されて多孔質構造を形成する。
このように、微粒子間を空隙を有する様に固定化して多
孔質構造を形成することにより、インクの吸収性に優れ
たインクジェット用受像材料が得られる点で有利であ
る。
【0024】前記受像層が多孔質構造を有しているか否
かは、例えば、水銀ポロシメーター(ポアサイザー93
20−PC2、島津製作所(株)製)を用いて空隙率を
測定することにより確認することができる。本発明の方
法により得られる受像層の空隙率は、微粒子の粒径やポ
リマーバインダーの量により変動するが、空隙率40〜
80%の範囲にあることが好ましい。また、前記受像層
は、単層で形成されていてもよいし、複数の層で形成さ
れていてもよい。
【0025】このように、乾燥工程において揮発性塩基
が除去されると、膜のpHが低下して、受像層を形成す
る無機酸化物微粒子の表面がプラス電荷を有するように
なり、結果として表面がプラスに帯電した多孔質構造を
有する受像層が形成される。例えば、無機酸化物微粒子
として酸化亜鉛を用いた場合、pH4〜9であると表面
にプラス荷電を有するようになる。通常、表面にプラス
荷電を有する多孔質層を形成しようとする場合、塗布液
を前記範囲(pH4〜9)に調整して層形成を行うが、
粒子の表面電位がプラス側に傾くため粒子同士が引き合
う力が弱く、好適な空隙を有する層を形成しにくいが、
本発明の方法によれば、分散する微粒子表面にプラス、
マイナスの両電荷を有するため、微粒子間の電荷相互作
用を利用して微粒子の連結構造が形成され、従って、空
隙率が高く、且つ、均一な空孔を形成しうるという利点
を有する。微粒子として、製造法にもよるが一般には、
酸化マグネシウムはpH3〜10であると表面にプラス
荷電を有し、酸化鉛はpH4〜10であると表面にプラ
ス荷電を有し、酸化ジルコニウムはpH3〜5であると
表面にプラス荷電を有することが知られている。
【0026】前記微粒子がその表面にプラス荷電を有す
るか否かは、例えば、ゼータ電位を測定して確認するこ
とができる。前記表面にプラス荷電を有する微粒子は、
アニオン性基を有する色素(酸性染料)の染着性に優
れ、色素の滲みがなく、高湿度下で保存しても滲みが生
じず、印字画像の彩度が高く、鮮やかな色再現が可能な
インクジェット用受像材料の受像層を形成することがで
きる。
【0027】前記受像層の厚みは、インクの液滴を全て
吸収するだけの吸収容量があることが望ましく、これは
塗膜の空隙率との関連で決めることが望ましい。例え
ば、インク量8nl/mm2 の場合、空隙率が60%で
あれば該厚みとしては約15μm以上あることが望まし
い。前記受像層の厚みは、5〜50μmであることが好
ましい。前記受像層の厚みが、50μmを越えるとヒビ
割れが起こり、カールが大きくなることがあり、5μm
未満であるとインクの吸収性が悪く、保存中に色素の滲
みが起こることがある。
【0028】<支持体>前記支持体としては、特に制限
はなく、目的に応じて公知のものの中から適宜選択する
ことができる。一般的には、紙、合成高分子(フィル
ム)が挙げられる。具体的には、ポリエチレンテレフタ
レート、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリスチ
レン、ポリプロピレン、ポリイミド、セルロース類(例
えばトリアセチルセルロース)またはこれらのフィルム
中へ酸化チタンなどの顔料を含有させたもの、更にポリ
プロピレンなどから作られるフィルム法合成紙、ポリエ
チレン等の合成樹脂パルプと天然パルプとから作られる
混抄紙、ヤンキー紙、バライタ紙、コーティッドペーパ
ー(特にキャストコート紙)、金属、布類、ガラス類等
が用いられる。これらは、単独で用いることもできる
し、ポリエチレン等の合成高分子で片面または両面をラ
ミネートされた支持体として用いることもできる。この
他に、特開昭62−253159号公報第(29)〜
(31)頁に記載の支持体を用いることができる。これ
らの支持体の表面に親水性バインダーとアルミナゾルや
酸化スズのような半導性金属酸化物、その他の帯電防止
剤を塗布してもよい。
【0029】<その他の層>本発明のインクジェット用
受像材料は、必要に応じて公知の保護層、剥離層、カー
ル防止層などの補助層を有していてもよい。特に保護層
を設けるのは有用である。
【0030】<添加剤>本発明に係るインクジェット用
受像材料を形成する際に、各層塗布液中には、目的に応
じて適宜選択した各種の添加剤を用いることができる。
前記添加剤としては、例えば、特開昭62−25315
9号公報の(25)頁、同62−245253号公報な
どに記載されたものが挙げられる。なお、前記添加剤と
しては、例えば、可塑剤、スベリ剤、退色防止剤、蛍光
増白剤などが挙げられる。
【0031】前記退色防止剤としては、例えば、酸化防
止剤、紫外線吸収剤、ある種の金属錯体、硬膜剤などが
挙げられる。
【0032】前記酸化防止剤としては、例えば、クロマ
ン系化合物、クマラン系化合物、フェノール系化合物
(例えばヒンダードフェノール類)、ハイドロキノン誘
導体、ヒンダードアミン誘導体、スピロインダン系化合
物、また、特開昭61−159644号記載の化合物な
どが挙げられる。前記紫外線吸収剤としては、例えば、
ベンゾトリアゾール系化合物(米国特許第3,533,
794号など)、4−チアゾリドン系化合物(米国特許
第3,352,681号など)、ベンゾフェノン系化合
物(特開昭46−2784号など)、その他特開昭54
−48535号、同62−136641号、同61−8
8256号等に記載の化合物、また、特開昭62−26
0152号記載の紫外線吸収性ポリマーなどが挙げられ
る。前記金属錯体としては、例えば、米国特許第4,2
41,155号明細書、同4,245,018号明細書
第3〜36欄、同4,254,195号明細書第3〜8
欄、特開昭62−174741号公報、同61−882
56号公報第(27)〜(29)頁、同63−1992
48号公報、特開平1−75568号公報、同1−74
272号公報等に記載されている化合物などが挙げられ
る。なお、。前記退色防止剤の有用な具体例としては、
例えば、特開昭62−215272号公報第(125)
〜(137)頁に記載されている。
【0033】前記蛍光増白剤としては、例えば、K.V
eenkataraman編「The Chemist
ry of Synthetic Dyes」第V巻第
8章、特開昭61−148752号などに記載されてい
る化合物などが挙げられる。より具体的には、スチルベ
ン系化合物、クマリン系化合物、ビフェニル系化合物、
ベンゾオキサゾリル系化合物、ナフタルイミド系化合
物、ピラゾリン系化合物、カルボスチリル系化合物など
が挙げられる。前記蛍光増白剤は、前記退色防止剤と併
用することができる。
【0034】前記硬膜剤としては、例えば、米国特許第
4,678,739号第41欄、特開昭59−1166
55号、同62−245261号、同61−18942
号等に記載の硬膜剤が挙げられる。より具体的には、ア
ルデヒド系硬膜剤(ホルムアルデヒドなど)、アジリジ
ン系硬膜剤、エポキシ系硬膜剤、ビニルスルホン系硬膜
剤(N,N’−エチレンービス(ビニルスルホニルアセ
タミド)エタンなど)、N−メチロール系硬膜剤(ジメ
チロール尿素など)、あるいは高分子硬膜剤(特開昭6
2−234157号などに記載の化合物)などが挙げら
れる。
【0035】また、塗布助剤、剥離性改良、スベリ性改
良、帯電防止、現像促進等の目的で種々の界面活性剤を
前記添加剤として使用してもよい。前記界面活性剤の具
体例としては、特開昭62−173463号、同62−
183457号等の各公報に記載されている。添加剤と
して、スベリ性改良、帯電防止等の目的で有機フルオロ
化合物を使用してもよい。前記有機フルオロ化合物の代
表例としては、特公昭57−9053号公報第8〜17
欄、特開昭61−20944号公報、同62−1358
26号公報等に記載されているフッ素系界面活性剤、ま
たはフッ素油などのオイル状フッ素系化合物もしくは四
フッ化エチレン樹脂などの固体状フッ素化合物樹脂など
の疎水性フッ素化合物などが挙げられる。
【0036】更に、本発明に係るインクジェット用受像
材料には、マット剤を用いることができる。前記マット
剤としては、例えば、二酸化ケイ素、ポリオレフィンま
たはポリメタクリレートなどの特開昭61−88256
号公報(29)頁記載の化合物の他に、ベンゾグアナミ
ン樹脂ビーズ、ポリカーボネート樹脂ビーズ、AS樹脂
ビーズなどの特開昭63−274944号公報、同63
−274952号公報に記載の化合物などが挙げられ
る。
【0037】本発明の方法によれば、どのような電荷特
性を有する微粒子を用いても、受像層塗布液のpHをア
ンモニアなどの汎用の揮発性塩基を用いて微粒子の等電
点近傍に調整するという工程を行うのみで、微粒子の相
互作用を生かした、大きな三次元空隙を有する多孔質構
造を容易に形成しうるとともに、特段の処理工程を付加
することなく、通常の乾燥工程で揮発性塩基が除去さ
れ、色材の受容性に優れた表面電荷を有する受像層を簡
単に形成しうるという利点を有する。
【0038】
【実施例】以下に、本発明の実施例を説明するが、本発
明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。 (実施例1) <受像層形成用塗布液の調製>下記組成の受像層形成用
塗布液を調製した。 −受像層形成用塗布液の組成− 酸化亜鉛微粒子(等電点:10)・・・・・・・・・・ 10重量部 (FINEX−75、堺化学工業(株)製) ポリビニルアルコール・・・・・・・・・・・・・・・3.3重量部 (PVA420、クラレ(株)製) 水・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・136重量部 即ち、酸化亜鉛微粒子10重量部を水(73.3重量
部)に添加し、高速回転コロイドミル(クレアミック
ス、エム・テクニック(株)製)を用いて、10,00
0rpmで20分間分散させた後、ポリビニルアルコー
ル水溶液(前記水の残り62.7重量部にポリビニルア
ルコール3.3重量部を溶解させたもの)を加えて、上
記と同じ条件で分散を行い、さらに、4%アンモニア水
溶液を加えてpHを10.8に調整して、受像層形成用
塗布液を調製した。
【0039】前記受像層形成用塗布液を、厚みが100
μmであり、両面にコロナ放電処理がなされた二軸延伸
ポリエチレンテレフタレートフィルム上に、エアーナイ
フコーターを用いて塗布し、熱風乾燥機により70℃
(風速5m/秒)で1分間乾燥させた後、更に100℃
で10分間乾燥させた。これにより乾燥後の厚みが15
μmである受像層を形成し、インクジェット用受像材料
−1を得た。受像層の空隙率を水銀ポロシメーター(ポ
アサイザー9320−PC2、島津製作所(株)製)を
用いて測定したところ、65%であった。
【0040】(実施例2)実施例1において、ポリビニ
ルアルコール(PVA420、クラレ(株)製)3.3
重量部の代わりに、ポリビニルアルコール(PVA42
0、クラレ(株)製)1.5重量部と、下記のイミダゾ
ール基を含有する媒染剤(1)1.8重量部とを用いた
外は、実施例1と同様にしてインクジェット用受像材料
−3を作製した。受像層の空隙率を実施例1と同様にし
て測定したところ、56%であった。
【0041】
【化3】
【0042】(比較例1)実施例1において、アンモニ
ア水溶液による塗布液のpH調整を行わなかった外は、
実施例1と同様にして比較例1のインクジェット用受像
材料を作製した。受像層の空隙率を実施例1と同様にし
て測定したところ、43%であった。
【0043】以上のようにして作製した各インクジェッ
ト用受像材料について、以下の性能を評価し、その結果
を表1に示した。 (1)インクの吸収速度 インクジェットプリンター(PIXEL SET、キャ
ノン(株)製)により、得られた各インクジェット用受
像材料に黒ベタ印字を行った直後(約10秒後)に紙を
接触押印し、該紙への転写の有無により下記のように判
定した。 ◎:紙にインクが全く転写されなかった。 ○:紙にインクが極めてわずか転写された。 △:紙にインクが少し転写された。 ×:紙へのインクの転写が著しかった。 (2)画像の滲み 前記インクジェットプリンターにより、得られた各イン
クジェット用受像材料に文字印字を行い、印字2時間後
の画像の滲みを評価した。更に、この印字サンプルを4
0℃90%RHの高温高湿条件下で2日間放置した後、
画像の滲みを評価した。 A:全く滲みなし B:少し滲みあり C:滲み大
【0044】(3)色素の染着性 前記インクジェットプリンターにより、得られた各イン
クジェット用受像材料にマゼンタ印字を行い、乾燥後、
30秒間水洗した。その際、水洗前後の印字濃度をマク
ベス濃度計により測定し、水洗により流出しないで残存
した色素の残存率を算出して染着性を評価した。数値が
大きいほど染着性に優れている。用いたマゼンタ色素は
マイナス電荷を有する酸性染料であり、受像材料に用い
た微粒子表面がプラスの電荷を有する方が色素残存率が
大きくなるため、この評価により受像材料表面微粒子の
プラス電荷の状態を検知することができる。
【0045】
【表1】
【0046】これらの結果より、本発明の製造方法によ
り得られた実施例1、2のインクジェット用受像材料の
受像層は、空隙率が高く、表面にプラスの電荷を有して
いるため、インクの吸収速度に優れ、画像の滲みもな
い、優れた特性を有していた。一方、受像層塗布液のp
H調整を行わなかった比較例1のインクジェット用受像
材料は、同様の構成を有する実施例1との対比におい
て、空隙率が低く、インクの吸収速度が遅く、従って、
画像の滲みが極わずかであるが観察された。
【0047】
【発明の効果】本発明の製造方法によれば、表面にプラ
ス荷電を有する微粒子を有し、且つ、高い空隙率の受像
層により、インクの吸収性が高く、色素の染着性に優れ
るというインクジェット用受像材料を、複雑な工程を必
要とせず、簡単に得ることができる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 無機酸化物微粒子、バインダーポリマ
    ー、及び揮発性塩基を含有する受像層塗布液を調製する
    工程と、 該受像層塗布液を支持体上に塗布して受像層塗布液層を
    形成する工程と、 該受像層塗布液層を乾燥して、分散媒とともに揮発性塩
    基を除去し、無機酸化物微粒子をバインダーポリマーを
    介して固定化し、支持体上に表面にプラス電荷を有する
    多孔質構造を有する受像層を形成する工程と、 を有することを特徴とするインクジェット用受像材料の
    製造方法。
  2. 【請求項2】 揮発性塩基がアンモニアであることを特
    徴とする請求項1に記載のインクジェット用受像材料の
    製造方法。
  3. 【請求項3】 受像層塗布液に、バインダーポリマー1
    重量部に対して無機酸化物微粒子を0.5〜10重量部
    含有することを特徴とする請求項1又は2に記載のイン
    クジェット用受像材料の製造方法。
  4. 【請求項4】 無機酸化物微粒子の一次粒子径が0.1
    μm以下である請求項1乃至3のいずれか1項に記載の
    インクジェット用受像材料の製造方法。
  5. 【請求項5】 無機酸化物微粒子の等電点が5〜11で
    あり、且つ、受像層塗布液のpHを無機酸化物微粒子の
    等電点±1に調整することを特徴とする請求項1乃至3
    のいずれか1項に記載のインクジェット用受像材料の製
    造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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