JP2000085114A - マルチパスコーティング装置 - Google Patents

マルチパスコーティング装置

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JP2000085114A
JP2000085114A JP25402998A JP25402998A JP2000085114A JP 2000085114 A JP2000085114 A JP 2000085114A JP 25402998 A JP25402998 A JP 25402998A JP 25402998 A JP25402998 A JP 25402998A JP 2000085114 A JP2000085114 A JP 2000085114A
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sheet
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JP25402998A
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Masaharu Nishikawa
正治 西川
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Olympus Corp
Original Assignee
Olympus Optical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】コーティング膜の乾燥、硬化に要する時間を短
縮し、且つ広範囲でコーティングの膜厚を安定的に可変
自在なマルチパスコーティング装置を実現する。 【解決手段】本発明のマルチパスコーティング装置は、
媒体に液状のコーティング剤を噴射するコーティングヘ
ッド1と、上記媒体を前進方向及び後退方向に搬送する
搬送系と、上記媒体の上記双方向媒体搬送手段上におけ
る位置情報を検出するセンサ4乃至6と、面順次に指定
された回数だけ同一媒体面にコーティングを行うよう
に、上記コーティングヘッド1及び上記搬送系を制御す
るコーティング走査制御回路18とを少なくとも有した
構成となっている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、媒体シート、即
ち、例えばインクジェットプリンタによって画像を印刷
した印刷済みシート等の表面に、画質向上、表面保護、
耐水性向上等の効果を得る為に液状のコーティング剤の
コーティングを行うコーティング装置に係り、特にコー
ティング剤の乾燥、硬化を効率的に行い、高速のコーテ
ィングを実現するマルチパスコーティング装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、媒体シートの表面の性質を改
良することを目的とした塗装やコーティングが広く行わ
れている。これらの加工は、工場で大量に行う場合には
専用の設備を設けることで対応できるので、何等問題は
ない。
【0003】ところが、プリンタで印刷したもの等、少
量のシートをオフィスや専用の大掛りな設備の無い作業
場で行う場合には、スプレーコーティングの如き簡易な
手作業で行う事となり、仕上りが不揃いで作業場の周辺
を汚してしまうといった問題が生じる為、実際に採用す
るのは困難であった。
【0004】かかる問題を解決する為に、例えば特開昭
61−47284号公報では、インクジェットプリンタ
ヘッドの構成に影響を与えず、作動安定性に優れ、画像
濃度の向上、色彩鮮明度の向上に役立つレベルのコーテ
ィング手段を設けたことを特徴とするインクジェットプ
リンタに関する技術が開示されている。
【0005】さらに、例えば本出願人による特願平9−
14038号公報では、空気又はガスの噴射によらず、
液状のコーティング剤のみを滴状にして噴射し、高速で
噴射制御可能なコーティングヘッドを用いたプリントシ
ート用コーティング装置に関する技術が開示されてい
る。
【0006】ここで、図3には上記公報により開示され
たコーティング装置の構成に係る概略図を示し、以下、
簡単に説明する。図3(a)、(b)は、コーティング
装置の構成図である。
【0007】同図に示されるように、搬送ローラ10
1,102及びピンチローラ103,104によって媒
体シートは搬送される。そして、この搬送部に対向し
て、コーティングヘッド106を支持するキャリッジ1
12が設けられており、キャリッジ112はガイドレー
ル113上を往復動するよう構成されている。
【0008】符号110は媒体シートのエッジを検知す
るセンサであり、キャリッジ112上にコーティングヘ
ッド106と共に取り付けられている。このセンサ11
0が媒体シートのエッジを検知した信号によってコーテ
ィングヘッド106が制御され、媒体シート面上のみに
コーティング剤が付着される。
【0009】上記キャリッジ112の1回の往動又は復
動により、媒体シートを横断する方向の帯状の領域にコ
ーティングを行うコーティング主走査と、媒体シートを
ステップ送りするコーティング副走査への送りとを組み
合わせて、より広範囲の面積にわたりコーティング走査
を行うことができる。
【0010】図3(c),(d)は好適なコーティング
ヘッド106の構成例を示す図である。同図において、
ドーナツ状のピエゾ振動板137に穴あき板135を取
り付け、当該穴あき板135には毛細管133等の供給
手段によって液状のコーティング剤を供給する。高周波
電源138からピエゾ板137に高周波電圧を印加して
穴あき板を振動させる事によって、空気等の気体の噴射
を伴わずに孔123’からコーティング剤のみが所定の
方向に噴射される。以上により、周辺を汚染することも
なく、自動化された熟練不要の操作で、高い均一性のコ
ーティング膜が得られるコーティング装置が構成され
る。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来技術により、コーティング装置に於いて重要な課題で
ある装置内外の汚れ防止及び操作の自動化、コーティン
グ膜の均一化等といった課題は解決できるものの、コー
ティング膜の乾燥、硬化に時間を要す為にコーティング
に長時間を要してしまうといった課題は依然解決されて
いなかった。
【0012】また、期待する効果に応じて必要なコーテ
ィングの膜厚は異なる事は前述した通りであるが、コー
ティングヘッドの噴射特性を制御して噴射量を変えて膜
厚を大幅に変更しようとすると、コーティングヘッドの
動作特性が不安定になってしまうといった別の問題も生
じていた。
【0013】本発明は、上記問題に鑑みてなされたもの
で、その目的とするところは、コーティング膜の乾燥、
硬化に要する時間を短縮し、且つ広範囲でコーティング
の膜厚を安定的に可変自在なコーティング装置を実現す
ることにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の第1の態様では、シート状の媒体を搬送し
ながら所定のコーティングを行うマルチパスコーティン
グ装置において、上記媒体に液状のコーティング剤を噴
射するコーティング剤噴射手段と、上記媒体を前進方向
及び後退方向に搬送する双方向媒体搬送手段と、上記媒
体の上記双方向媒体搬送手段上における位置情報を検出
する位置情報検出手段と、上記媒体におけるコーティン
グ領域を指示するコーティング領域指示手段と、上記各
手段からの情報及び指示に基づいて、面順次に指定され
た回数だけ同一媒体面にコーティングを行うように、上
記コーティング剤噴射手段及び上記双方向媒体搬送手段
を制御するコーティング走査制御手段とを具備すること
を特徴とするマルチパスコーティング装置が提供され
る。
【0015】第2の態様では、上記第1の態様におい
て、コーティングパス数を指示するコーティングパス指
示手段を更に有し、当該コーティングパス指示手段によ
る指示に基づいて、上記コーティング走査制御手段は面
順次に所定回数だけ同一媒体シート面にコーティングを
行うよう制御することを特徴とするマルチパスコーティ
ング装置が提供される。
【0016】第3の態様では、上記第1の態様におい
て、上記コーティング走査制御手段による制御で面順次
に指定された回数だけ同一媒体面にコーティングを行う
過程において、コーティング走査の所定の境界時点にコ
ーティングを一時中断させるための待ち時間を設定する
コーティング制御手段を更に有することを特徴とするマ
ルチパスコーティング装置が提供される。
【0017】上記第1乃至第3の態様によれば、以下の
作用が奏される。即ち、本発明の第1の態様では、コー
ティング走査制御手段により、面順次に指定された回数
だけ同一媒体面にコーティングがされるように、コーテ
ィング剤噴射手段及び双方向媒体搬送手段が制御され
る。
【0018】第2の態様では、コーティング走査制御手
段により、コーティングパス指示手段により指示された
コーティングパス数に基づいて、面順次に所定回数だけ
同一媒体シート面にコーティングがなされるように制御
される。
【0019】第3の態様では、コーティング制御手段に
より、上記コーティング走査制御手段による制御で面順
次に指定された回数だけ同一媒体面にコーティングを行
う過程において、コーティング走査の所定の境界時点に
コーティングを一時中断させるための待ち時間が設定さ
れる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、本発明の
実施の形態について説明する。図1は本発明の一実施の
形態に係るマルチパスコーティング装置の構成図であ
る。図1に於いて、キャリッジ2上には、サイドエッジ
センサ4と共にコーティングヘッド1が配設されてい
る。キャリッジ2は、ガイドレール3上に媒体シートの
送り方向と直交する方向に往復動自在に保持されてい
る。上記媒体シートの先端及び後端を検知する為のセン
サ5,6は、当該媒体シートの搬送路に面して上記コー
ティングヘッド1を挟む位置に配置されている。
【0021】次に搬送系について説明すると、多数の小
孔8が設けられた吸引箱7に吸引ファン9が配設されて
おり、当該吸引箱7の多数の少孔8を設けた平面部に沿
ってループ状の搬送ベルト10が走行するように、駆動
ローラ11とガイドローラ12,13が設けられてい
る。上記駆動ローラ11には、駆動モータ16が機械的
に接続されている。更に、媒体シートを送り込む為のガ
イドプレート14、及びコーティングされて送り出され
る媒体シートを受ける為のガイドプレート15がそれぞ
れ図示の如く配設されている。
【0022】上記各センサ4、5,6からの信号は、媒
体シート検知回路17を介して、コーティング走査制御
回路18に送られる。また、不図示の操作パネル上のコ
ーティングパス指定部19からの指定信号も、上記コー
ティング走査制御回路18に送り込まれる。このコーテ
ィング走査制御回路18は、この送られた信号に基づい
て実際のコーティング走査を制御する。
【0023】ここで、上記コーティングヘッド1として
は、従来より汎用されている圧縮ガス流と共に液を噴霧
する所謂「スプレーガン」を用いる事も可能ではある
が、コーティング剤を所望とする領域のみに正確に噴射
する事が困難であり、周囲に飛散して汚れが生ずるので
好適であるとはいえない。より好適なコーティングヘッ
ド1は、正確にコーティング剤の噴射方向が規制されて
いて、高速でコーティング剤の噴射のオン/オフ制御が
可能なものである。
【0024】上記コーティングヘッド1として適用可能
な噴射系の一例として、更に所謂「オンディマンドイン
クジェットプリントヘッド」を挙げる事ができる。これ
は、上記した好適な条件を満したものであるものの、適
用可能なコーティング液の物性の範囲が極限される上
に、ノズルの詰まりの発生のおそれがあり、且つ高価で
ある等の理由から、実際の適用は困難である。
【0025】以上より、最も好適なコーティングヘッド
1は、先に図3を参照して説明した「エアレスコーティ
ングヘッド」である。かかるヘッドは、多数の開口を設
けた振動板及び圧電振動子から構成され、振動板へコー
ティング剤を供給する為のリザーバ等を一体化してコー
ティングヘッドユニットが構成されている。
【0026】そして、このコーティングヘッド1は、振
動板に設けた開口毎にコーティング剤を液滴状に分断し
て噴射するものであり、先に図3(b)に示したよう
に、開口の配列をスリット状に長くしておき、その長手
方向が媒体シートの搬送方向と一致するようにしてキャ
リッジ2に配設する。
【0027】上記キャリッジ2は、ガイドレール3上を
媒体シートの送り方向と交差する方向に往復動し、この
往復動に合わせてコーティングヘッド1を動作させてコ
ーティング剤を噴射させる。これにより、キャリッジ2
の移動方向に沿った、長い帯状のコーティング領域が形
成される。以下、かかる方向にコーティングヘッド1を
往復動させてコーティングを行う走査を「コーティング
主走査」と称する。
【0028】さらに、キャリッジ2の往動/復動による
コーティング主走査毎に、駆動モータ16によって駆動
ローラ11をステップ的に回転させて媒体シートを送
る。以下、この送りを「コーティング副走査」と称す
る。
【0029】尚、本実施の形態では、上記コーティング
主走査に於ては、前述したサイドエッジセンサ4が媒体
シートのエッジ位置を検知し、この検知信号によってコ
ーティングヘッド1のオン/オフを制御して、媒体シー
ト面内にのみコーティング剤が付着するように制御を行
うことになる。
【0030】上記媒体シートは、ガイドプレート14上
から進み、前述した構成の搬送系に送り込まれる。この
とき、吸引ファン9の作用で吸引箱7の中は負圧になっ
ているので、吸引箱7の平面部に設けた小孔によって搬
送ベルト10及び当該搬送ベルト10上に送り込まれる
媒体シートは吸い寄せられる。さらに、搬送ベルト10
には多数の小孔を設けておくか、狭い巾のベルトに分割
してベルトとベルトの間に空隙を設けておき、媒体シー
トがベルト面に吸引される作用力が発生するようにして
いる。
【0031】以下、図2のタイムチャートを参照して、
上記マルチパスコーティング装置によるコーティング走
査制御について詳細に説明する。不図示の媒体シートが
ガイドプレート14側からベルト10上に送り込まれる
と、吸引ファン9によって発生する負圧によって当該媒
体シートはベルト10に押し付けられ、当該ベルト10
の回動に従って時点t2でセンサ5に対向する位置を通
過する(図2(b)参照)。
【0032】コーティング走査制御回路17は、上記媒
体シートの先端がセンサ5を通過した時点t2の信号を
基にして媒体シートの移動量をカウントし、当該媒体シ
ートの先端がコーティングヘッド1に対向する位置に到
達する時点t3で一旦駆動モータ16をOFFし、媒体
シートの搬送を停止する。
【0033】この位置でコーティングの為のコーティン
グ主走査を始動させ、キャリッジ2を移動させながらコ
ーティングヘッド1からコーティング剤を媒体シート面
に噴射する(図2(a)参照)。
【0034】そして、キャリッジ2の往動時にコーティ
ングを行い、その終了時点t4で、再びキャリッジ2を
復動方向に移動させて初期位置に戻すと共に、駆動モー
タ16を再びONして媒体シートをステップ的に前進さ
せる。そして、キャリッジ2が初期位置に戻ると、新た
なラインで再びコーティングを行いながらキャリッジ2
を往動方向に駆動する(図2(a)参照)。
【0035】このようなステップを繰り返し、媒体シー
トを前進方向に順次に送りながら前述したようなコーテ
ィング主走査を繰り返して、コーティング領域を次々に
拡大してゆく。そして、時点t7の副走査方向への送り
で、媒体シートの後端がセンサ5を通過した事が検知さ
れるまで数回のコーティング主走査を行い、こうして1
回目のコーティングパスを終了する(図2(b)参
照)。
【0036】次いで、キャリッジ2を初期位置に戻した
時点t8で駆動モータ16を逆方向に回転させて媒体シ
ートを後退方向に送り戻す。そして、媒体シートの先端
がセンサ6を通過する時点t9から所定量媒体シートを
戻して駆動モータ16を止めた時点t10の状態は上記
時点t3と同様となっている(図2(d)参照)。
【0037】ここで、任意に設定可能な待ち時間の後の
時点t11から、再びコーティング主走査と媒体シート
の前進送りを繰り返し、2回目のコーティングパスを開
始する(図2(c)参照)。このようにして、コーティ
ングパス指定部19で設定した回数のコーティングパス
を繰り返して、この終了後に媒体シートを送り出して一
連のコーティング動作を終了する。
【0038】以上説明したように、本発明のマルチパス
コーティング装置によれば、乾燥、硬化に要する時間が
短くて済むような範囲内の一定量のコーティング剤の噴
射を、指定した領域毎に面順次で複数回重ね合わせて、
所望の厚さのコーティングを自動的に行う。従って、コ
ーティング剤の乾燥、硬化作用が、コーティング作業時
間の中で分散して生ずる為に、コーティング終了後に集
中的に乾燥、硬化させるのに比べて、乾燥、硬化を含め
たコーティング時間を大幅に短縮して効率的なコーティ
ングを行う事ができる。
【0039】また、コーティング剤の液ダレが生じない
範囲の量のコーティング剤を、面順次で塗り重ねるの
で、任意の十分に厚い膜厚のコーティングを行う場合に
も液ダレが生ずる事がなく、均一な高品質のコーティン
グ膜が得られる。
【0040】以上、本発明の一実施の形態について説明
したが、本発明は上記実施の形態に限定されることな
く、その趣旨を逸脱しない範囲で種々の改良・変更が可
能であることは勿論である。
【0041】即ち、上記実施の形態(図1,図2)で
は、指定した所定領域面への1回毎のコーティング走査
が終了した時点t8(図2参照)に於て、媒体シートを
コーティング走査の初期位置まで後退させるように制御
していたが、コーティング主走査を行いながら後退方向
へステップ的に戻すように制御してもよい。
【0042】この場合には、コーティング副走査送りの
折り返し位置の近くでは、先行してコーティングされた
コーティング剤が乾燥、硬化する前に次のコーティング
剤の噴射を受けることとなるので、各コーティング主走
査でのコーティング量を少く設定しておき流れ出しを防
止するか、又は折り返し時点で必要な待ち時間を設定し
て流れ出しを防止するように制御する。
【0043】また、媒体シートの形状がカットシートで
ある場合は、上記実施の形態で説明したセンサ5,6を
用いて媒体シートの前端及び後端を検知した信号に基い
て媒体シートの副コーティング走査送りを制御するのが
好適である。これに対して、媒体シートがロール状に巻
かれて供給され、且つ巻取られる場合には、コーティン
グの単位となる画面位置を示す為のマーキング等を読取
るセンサを新たに設けたり、座標情報等で送り込み、こ
れら信号に依って媒体シートの往復動搬送制御を行えば
よいが、かかる信号は上記センサ5,6の信号を入れ替
えて当該制御に用いればよいことになる。
【0044】また、上記実施の形態では、媒体シートの
搬送系には、先に図1に示したように、エンドレスベル
トと負圧吸引系を組合わせたものを採用し、コーティン
グ剤噴射面に接触する事なく媒体シートを往復動搬送可
能とした。
【0045】しかしながら、媒体シートのカーリングの
強さによっては往復動搬送時に浮き上りが生じてしま
う。よって、かかる搬送不良を防止する為に、公知のス
ターホイールを搬送路に配置したり、搬送ローラーとス
ターホイールの組合わせによる搬送系を用いる構成とし
ても良いことは勿論である。
【0046】また、上記実施の形態について、コーティ
ング剤の乾燥、硬化を促進させ、コーティング走査中、
或いはコーティング走査終了後にコーティング加工部か
ら送り出される時点で、接触乾燥状態が得られるよう
に、必要に応じてコーティング走査の折り返し時点で
「待ち時間」が設定可能にコーティング走査制御回路1
8を構成すれば更に良い効果が得られることは勿論であ
る。
【0047】以下、かかる変形例を詳細に説明する。第
1に、上記待ち時間は、コーティング主走査の折り返し
時点に設ける事が可能である。即ち、図2において、コ
ーティング主走査の折り返し点はt4、t5、t6、t
7等で図示され、上記実施の形態では直ちにコーティン
グ走査を折り返しているが、この折り返し点で待ち時間
を設定し、或いは待ち時間の長さの設定が可変であるよ
うにコーティング走査制御回路18を構成し、コーティ
ングパス指定部19によって待ち時間を指定可能とする
ことができる。
【0048】第2に、上記待ち時間は、媒体シートの前
進から後退に切り替わる、コーティング副走査の折り返
し点に設定することが可能である。即ち、図2において
は、t8が媒体シートを後退方向に送り返す時点である
が、この位置でコーティング剤が乾燥、硬化するに必要
な待ち時間の設定を加えることができるようにコーティ
ング走査制御回路18を構成し、コーティングパス指定
部19で待ち時間を指定可能とすることができる。
【0049】第3に、上記待ち時間は、マルチパスコー
ティングの最終回のコーティングパスを終了後、媒体シ
ートをコーティング装置から送り出す為の搬送に切り替
える時点で、コーティング剤が乾燥、硬化するに必要な
待ち時間の設定を加える事ができるようにコーティング
走査制御回路18を構成し、コーティングパス指定部1
9から待ち時間を指定可能とすることができる。
【0050】尚、本発明には上記内容のほか、以下の発
明が包含される。 (1)シート状の媒体を搬送しながら所定のコーティン
グを行うマルチパスコーティング装置において、上記媒
体に液状のコーティング剤を噴射するコーティング剤噴
射手段と、上記媒体を前進方向及び後退方向に搬送する
双方向媒体搬送手段と、上記媒体の上記双方向媒体搬送
手段上における位置情報を検出する位置情報検出手段
と、上記媒体におけるコーティング領域を指示するコー
ティング領域指示手段と、上記各手段からの情報及び指
示に基づいて、面順次に指定された回数だけ同一媒体シ
ート面にコーティングを行うように、上記コーティング
剤噴射手段及び上記双方向媒体搬送手段を制御するコー
ティング走査制御手段と、を具備することを特徴とする
マルチパスコーティング装置。
【0051】上記構成によれば、所定の膜厚のコーティ
ングを行うに際し、面順次に時間差を設けて分割された
分量のコーティング剤を噴射するため、コーティング剤
に含まれる溶剤が少量ずつ長時間掛けて気化、或いはコ
ーティング剤が硬化し、最終のコーティング走査後短時
間でハンドリング出来る迄に乾燥・硬化進行する。
【0052】また、一回のコーティング走査で噴射する
コーティング剤の量を変化させずに、所望の異なった厚
さのコーティング膜が得られる。さらに、所望とする厚
いコーティング膜を得る場合においても、複数回に分け
て塗り重ねることで、コーティング剤の流れ出しが防止
される。 (2)コーティングパス数を指示するコーティングパス
指示手段を更に有し、当該コーティングパス指示手段に
よる指示に基づいて、上記コーティング走査制御手段は
面順次に所定回数だけ同一媒体シート面にコーティング
を行うよう制御することを特徴とする上記(1)に記載
のマルチパスコーティング装置。
【0053】上記構成によれば、コーティングパスを任
意に設定し、所望とする厚さのコーティング膜を液ダレ
を起こすことなく形成できる。 (3)上記コーティング走査制御手段は、指定されたコ
ーティング領域の1回毎のコーティング終了後、上記双
方向媒体搬送手段によって媒体を初期位置まで送り戻
し、媒体を前進方向に送る工程に於いてコーティング剤
を噴射するよう制御することを特徴とする上記(1)に
記載のマルチパスコーティング装置。
【0054】上記構成によれば、各回のマルチパスコー
ティングに於いて、先行のコーティングの最も乾燥、硬
化が進んだ部分に後続のコーティングを行うので、コー
ティング剤の乾燥、硬化が均一に進行し、効率的なコー
ティングを行う事ができる。 (4)上記コーティング剤噴射手段は、多数の開口を設
けた振動板及び圧電振動子と振動板へのコーティング剤
の供給装置とからなるエアレスコーティングヘッドユニ
ット及びコーティングヘッド走査機構からなることを特
徴とする上記(1)に記載のマルチパスコーティング装
置。
【0055】上記構成によれば、各コーティングパスに
おけるコーティング剤の噴射量と領域が正確に制御さ
れ、効率的にコーティング剤の乾燥、硬化を進める事が
できる。(5)上記双方向媒体搬送手段に付属して媒体
の搬送方向の前端及び後端の少なくともいずれか一方を
検知する検知手段を更に有し、上記コーティング走査制
御手段は、上記検知手段の検知信号を基に上記双方向媒
体搬送手段の搬送方向を反転させるよう制御することを
特徴とする上記(1)に記載のマルチパスコーティング
装置。
【0056】上記構成によれば、媒体シートの前端位
置、後端位置を簡単な構成で正確に知る事ができ、これ
によって各コーティングパスでのコーティング剤の噴射
領域を正確に制御する事ができる。 (6)上記双方向媒体搬送手段は、エンドレスベルトと
負圧吸引手段からなることを特徴とする上記(1)に記
載のマルチパスコーティング装置。
【0057】上記構成によれば、媒体シートのコーティ
ング剤塗布面が完全に乾燥、硬化しないうちにマルチパ
スコーティングの為の搬送を行っても、コーティング剤
が付着した媒体シートの表面に触れる事無く搬送が行わ
れるので、その表面が他の部材に接触してコーティング
が乱されてしまう事が無い。 (7)上記コーティング走査制御手段による制御で面順
次に指定された回数だけ同一媒体面にコーティングを行
う過程において、コーティング走査の所定の境界時点に
コーティングを一時中断させるための待ち時間を設定す
るコーティング制御手段を更に有することを特徴とする
上記(1)に記載のマルチパスコーティング装置。
【0058】上記構成によれば、コーティング走査の折
り返し時点に設けた待ち時間の間に、媒体シート面上で
コーティング剤の乾燥・硬化を進行する時間が設けられ
るので、乾燥、硬化に多少時間を必要とするコーティン
グ剤を用いても、その為に必要な待ち時間を設けてコー
ティング装置を自動運転する事ができる。この待ち時間
の設定は、コーティング剤に合わせた最適の時間とする
事ができる。 (8)コーティングヘッドを媒体を幅方向に横断する方
向に往復動させるコーティング主走査手段を更に有し、
上記コーティング制御手段は、コーティング主走査の折
り返し時点に待ち時間を設定することを特徴とする上記
(7)に記載のマルチパスコーティング装置。
【0059】上記構成によれば、乾燥、硬化の為の待ち
時間をコーティング主走査の折り返し時点に設けた為、
待ち時間が全コーティング時間の中に分散して配置さ
れ、極めて効率的に乾燥、硬化を進める事ができる。 (9)上記コーティング制御手段は、媒体搬送方向の指
定されたコーティング領域のコーティング走査を終了し
たコーティング副走査の折り返し時点に於いて待ち時間
を設定することを特徴とする上記(7)に記載のコーテ
ィング装置。
【0060】上記構成によれば、隣接するコーティング
主走査は接近した時間内で行われ、完全に乾燥、硬化す
る前に隣接部のコーティング剤が塗布されるので、境界
部でコーティング剤同志が良く馴染み合う効果が得られ
る。 (10)上記コーティング制御手段は、指定した最終回
のコーティングパスが終了した時点で、媒体シートの排
出を待機させる待ち時間を設定することを特徴とする上
記(7)に記載のマルチパスコーティング装置。
【0061】上記構成によれば、コーティングの時間と
は別にコーティング装置から排出するのを待機させる待
ち時間の設定が任意に可能である。従って、作業者が補
助して乾燥、硬化の為に別の場所に移す場合は待ち時間
無しでコーティング装置を運転でき、作業者が離れてい
る時は乾燥・硬化させてから排出するよう選択的な設定
が可能となる。
【0062】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
コーティング膜の乾燥、硬化に要する時間を短縮し、且
つ広範囲でコーティングの膜厚を安定的に可変自在なマ
ルチパスコーティング装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るマルチパスコーティ
ング装置の構成図である。
【図2】本発明の実施の形態に係るマルチパスコーティ
ング装置の動作を示すタイムチャートである。
【図3】従来技術に係るマルチパスコーティング装置の
構成を示す図である。
【符号の説明】
1 コーティングヘッド 2 キャリッジ 3 ガイドレール 4 サイドエッジセンサ 5 センサ 6 センサ 7 吸引箱 8 小孔 9 吸引ファン 10 搬送ベルト 11 駆動ローラ 12 ガイドローラ 13 ガイドローラ 14 ガイドプレート 15 ガイドプレート 16 駆動モータ 17 媒体シート検知回路 18 コーティング走査制御回路 19 コーティングパス指定部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シート状の媒体を搬送しながら所定のコ
    ーティングを行うマルチパスコーティング装置におい
    て、 上記媒体に液状のコーティング剤を噴射するコーティン
    グ剤噴射手段と、 上記媒体を前進方向及び後退方向に搬送する双方向媒体
    搬送手段と、 上記媒体の上記双方向媒体搬送手段上における位置情報
    を検出する位置情報検出手段と、 上記媒体におけるコーティング領域を指示するコーティ
    ング領域指示手段と、 上記各手段からの情報及び指示に基づいて、面順次に指
    定された回数だけ同一媒体面にコーティングを行うよう
    に、上記コーティング剤噴射手段及び上記双方向媒体搬
    送手段を制御するコーティング走査制御手段と、を具備
    することを特徴とするマルチパスコーティング装置。
  2. 【請求項2】 コーティングパス数を指示するコーティ
    ングパス指示手段を更に有し、当該コーティングパス指
    示手段による指示に基づいて、上記コーティング走査制
    御手段は面順次に所定回数だけ同一媒体シート面にコー
    ティングを行うよう制御することを特徴とする請求項1
    に記載のマルチパスコーティング装置。
  3. 【請求項3】 上記コーティング走査制御手段による制
    御で面順次に指定された回数だけ同一媒体面にコーティ
    ングを行う過程において、コーティング走査の所定の境
    界時点にコーティングを一時中断させるための待ち時間
    を設定するコーティング制御手段を更に有することを特
    徴とする請求項1に記載のマルチパスコーティング装
    置。
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