JP2000082843A - 窒化ガリウム系化合物半導体素子 - Google Patents

窒化ガリウム系化合物半導体素子

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JP2000082843A
JP2000082843A JP28339598A JP28339598A JP2000082843A JP 2000082843 A JP2000082843 A JP 2000082843A JP 28339598 A JP28339598 A JP 28339598A JP 28339598 A JP28339598 A JP 28339598A JP 2000082843 A JP2000082843 A JP 2000082843A
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layer
thickness
electrode
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tantalum
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JP28339598A
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English (en)
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Naoki Shibata
直樹 柴田
Toshiya Kamimura
俊也 上村
Yasuo Koide
康夫 小出
Masanori Murakami
正紀 村上
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Toyoda Gosei Co Ltd
Original Assignee
Toyoda Gosei Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 接触抵抗率を低下させること。 【解決手段】サファイア基板1の上、順次、AlN から成
るバッファ層2、シリコン(Si)ドープのGaN から成る高
キャリア濃度n+ 層3、Siドープのn型Al0.07Ga0.93N
から成るnクラッド層4、Siドープのn型GaN からなる
nガイド層5、膜厚約 4nmのGa0.97In0.03N から成るバ
リア層62と膜厚約 2nmのGa0.9In0.1N から成る井戸層
61とが交互に積層され、最上層を膜厚約 4nmのGa0.97
In0.03N とする多重量子井戸構造(MQW) の活性層6、Mg
ドープGaN から成るpガイド層7、MgドープAl0.07Ga
0.93N から成るpクラッド層8、MgドープGaN から成る
pコンタクト層9が形成されている。電極10を、膜厚
20nmのタンタル(Ta)から成る第1金属層10aと、その
第1金属層10aに接合する膜厚80nmのチタン(Ti)から
成る第2金属層10bとから成る電極が形成する。この
電極は熱処理により抵抗率が低下する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、p型の窒化ガリウ
ム系化合物半導体に対し接触抵抗率の小さな電極を備え
た素子に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、化合物半導体においては、その半
導体表面に金属を形成しただけではオーミックコンタク
トが得られないので、熱処理による合金化処理を行うこ
とにより、金属を半導体内に拡散させてオーミックコン
タクトを得るようにしている。p型の窒化ガリウム(Ga
N) 系化合物半導体においては、熱処理、電子線照射等
の低抵抗化処理を行っても、その抵抗率はn型のGaN 系
化合物半導体の抵抗率に比べて高いため、p型層内での
横方向への電流の広がりがほとんどなく、電極直下しか
発光しない。
【0003】そのため、ニッケル(Ni)と金(Au)を各々数
十Å積層させ、熱処理して形成した透光性とオーミック
特性とを有した電流拡散電極が提案されている(特開平
6−314822号公報)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、ニッケル(Ni)
と金(Au)の2重層構造の電極においても、p型窒化ガリ
ウム系化合物半導体に対する接触抵抗率は 2×10-3Ωcm
2 とまだ大きい。そのために、窒化ガリウム系化合物半
導体素子の駆動電圧が大きくなるという問題がある。
【0005】本発明は、上記の課題を解決するためにな
されたものであり、その目的は、p型窒化ガリウム系化
合物半導体に対して接触抵抗率の小さい電極を形成する
ことである。
【0006】
【課題を解決するための手段及び作用効果】上記の課題
を解決するために、請求項1に記載の手段を採用するこ
とができる。この手段によると、p型の窒化ガリウム系
化合物半導体上に少なくともタンタル(Ta)とチタン(Ti)
とを積層して電極を形成し、熱処理することで、接触抵
抗率は 6×10-5Ωcm2 が得られ、従来のNi/Au 電極の接
触抵抗率に比べて、2桁程小さくなった。接触抵抗率の
低下は、発熱をおさえ、素子の寿命向上に大きく寄与す
る。
【0007】請求項2に記載の手段によれば、熱処理温
度は、300 ℃〜800 ℃の範囲が望ましい。又、熱処理時
間は5 〜20分が望ましい。
【0008】請求項3に記載の手段によれば、タンタル
(Ta)とチタン(Ti)との積層からなる電極の膜厚に対する
タンタル(Ta)の膜厚の比は0.1 以上0.9 以下が望まし
い。
【0009】請求項4に記載の手段によれば、タンタル
(Ta)とチタン(Ti)との積層からなる電極の膜厚に対する
タンタル(Ta)の膜厚の比は0.2 以上0.8 以下が更に望ま
しい。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明を具体的な実施例に
基づいて説明する。図1は、本発明を具体的な第1の実
施例にかかる、サファイア基板1上に形成されたGaN 系
化合物半導体で形成されたレーザダイオード100の模
式的な断面構成図である。
【0011】図1において、レーザダイオード100
は、サファイア基板1を有しており、そのサファイア基
板1上に30nmのAlN のバッファ層2が形成されている。
そのバッファ層2の上には、順に、膜厚約 5μm 、電子
密度 1×1018/cm3のシリコン(Si)ドープGaN から成る高
キャリア密度n+ 層3、膜厚約 0.6μm 、電子密度 1×
1018/cm3のシリコン(Si)ドープのAl0.07Ga0.93N から成
るnクラッド層4、膜厚80nm、電子密度 1×1018/cm3
シリコン(Si)ドープGaN からなるnガイド層5が形成さ
れている。nガイド層5の上には、膜厚約 4nmのGa0.97
In0.03N から成るバリア層62と膜厚約 2nmのGa0.9In
0.1N から成る井戸層61とが交互に積層され、最上層
を膜厚約 4nmのGa0.97In0.03N から成るバリア層62と
する多重量子井戸構造(MQW) の活性層6が形成されてい
る。バリア層62は6層、井戸層61は5層である。そ
して、その活性層6の上に、膜厚80nm、ホール密度 3×
1017/cm3のマグネシウム(Mg)ドープGaN から成るpガイ
ド層7、膜厚 600nm、ホール密度 3×1017/cm3、マグネ
シウム(Mg)ドープAl0.07Ga0.93N から成るpクラッド層
8、膜厚 200nm、ホール密度 1×1018/cm3、マグネシウ
ム(Mg)ドープGaN から成るpコンタクト層9が形成され
ている。そして、pコンタクト層9上に本発明に係る2
層の金属層からなる電極10が形成されている。又、n
+ 層3上にはバナジウム(V) 及びAlから成る電極11が
形成されている。
【0012】次に、この構造のレーザダイオード100
の製造方法について説明する。上記レーザダイオード1
00は、有機金属化合物気相成長法(以下「MOVPE 」と
示す)による気相成長により製造された。用いられたガ
スは、NH3 とキャリアガスH2又はN2とトリメチルガリウ
ム(Ga(CH3)3)(以下「TMG 」と記す)とトリメチルアル
ミニウム(Al(CH3)3)(以下「TMA 」と記す)とトリメチ
ルインジウム(In(CH3)3)(以下「TMI 」と記す)とシラ
ン(SiH4)とシクロペンタジエニルマグネシウム(Mg(C
5H5)2) (以下「CP2Mg 」と記す)である。
【0013】まず、サファイア基板1上にH2、NH3 及び
TMA を供給してAlN のバッファ層2を約30nmの膜厚に形
成した。次に、H2、NH3 、TMG 、及びH2ガスにて 0.86p
pmに希釈されたシラン(SiH4)を導入し、膜厚約 5μm 、
電子密度 1×1018/cm3、シリコン(Si)ドープGaN からな
るn+ 層3を形成した。
【0014】上記のn+ 層3を形成した後、H2、NH3
TMA 、TMG 、及びH2ガスにて 0.86ppmに希釈されたシラ
ン(SiH4)を導入し、膜厚 600nm、電子密度 1×1018/c
m3、シリコン(Si)ドープAl0.07Ga0.93N からなるnクラ
ッド層4を形成した。次に、H2、NH3 、TMG 、及びH2
スにて 0.86ppmに希釈されたシラン(SiH4)を導入し、膜
厚80nm、電子密度 1×1018/cm3のシリコン(Si)ドープGa
N からなるnガイド層5を形成した。
【0015】次に、N2又はH2、NH3 、TMG 及びTMI を供
給して、膜厚約 4nmのGa0.97In0.03N から成るバリア層
62を形成した。次に、N2又はH2、NH3 、TMG 及びTMI
を供給して、膜厚約 2nmのGa0.9In0.1N から成る井戸層
61を形成した。さらに、バリア層62と井戸層61を
同一条件で5周期形成し、最上層には膜厚約 4nmのGa
0.97In0.03N から成るバリア層62を形成した。このよ
うにしてMQW 構造の活性層6を形成した。
【0016】続いて、N2又はH2、NH3 、TMG 及びCp2Mg
を導入して、膜厚約80nmのマグネシウム(Mg)ドープGaN
からなるpガイド層7を形成した。次に、、N2又はH2
NH3、TMA 、TMG 及びCp2Mg を導入して、膜厚約 600nm
のマグネシウム(Mg)ドープのAl0.07Ga0.93N からなるp
クラッド層8を形成した。次に、N2又はH2、NH3 、TMG
及びCp2Mg を導入して、膜厚約 100nmのマグネシウム(M
g)ドープのGaN からなるpコンタクト層9を形成した。
【0017】次に、電子線照射装置を用いて、pコンタ
クト層9、pクラッド層8及びpガイド層7に一様に電
子線を照射した。電子線の照射により、pコンタクト層
9、pクラッド層8及びpガイド層7はそれぞれ、ホー
ル密度 1×1018/cm3、 3×1017/cm3、 3×1017/cm3とな
った。このようにして多層構造のウエハを形成すること
ができた。
【0018】次に、電極の形成方法について説明する。
+ 層3上に電極を形成するために、pコンタクト層9
の上にエッチングマスクを形成し、所定領域のマスクを
除去して、マスクで覆われていない部分のpコンタクト
層9、pクラッド層8、pガイド層7、活性層6、nガ
イド層5、nクラッド層4、n+ 層3の一部を塩素を含
むガスによる反応性イオンエッチングによりエッチング
して、n+ 層3の表面を露出させた。このn+ 層3の露
出面上に、膜厚20nmのバナジウム(V) と膜厚 1.8μm の
Al又はAl合金を電子ビーム法により蒸着し、電極11を
形成する。一方、pコンタクト層9上の電極形成部分
に、膜厚20nmのタンタル(Ta)から成る第1金属層10a
と、膜厚80nmのチタン(Ti)から成る第2金属層10bを
電子ビーム法により順次積層し、二重層電極10が形成
される。
【0019】電極10、11の形成の後、試料雰囲気を
真空ポンプで排気し、 5×10-6Torr以下の真空度におい
て、その状態で雰囲気温度を約 800℃にして、15分程度
加熱し、コンタクト層9と第1金属層10a、第2金属
層10bとの合金化処理、及び電極11とn+ 層3との
合金化処理を行った。
【0020】上記のようにして製造された電極10の接
触抵抗率をTLM法(伝送線路モデルによる方法)によ
り測定した。その結果、接触抵抗率は 6×10-5Ωcm2
得られ、その経時変化においても劣化は見られなかっ
た。また、上記レーザダイオードにおけるしきい値を5
%程度低減することができた。
【0021】図2は、本発明の第2の実施例にかかる、
サファイア基板11上に形成されたGaN 系化合物半導体
で形成されたフリップチップ型発光ダイオード(LE
D)101の模式的な断面構成図である。尚、酸化珪素
の保護層は図示していない。
【0022】サファイア基板11の上には窒化アルミニ
ウム(AlN) から成る膜厚約25nmのバッファ層12が設け
られ、その上にシリコン(Si)ドープのGaN から成る膜厚
約 4.0μm の高キャリア濃度n+ 層13が形成されてい
る。この高キャリア濃度n+層13の上にSiドープのn
型GaN から成る膜厚約 0.5μm のクラッド層14が形成
されている。
【0023】そして、クラッド層14の上に膜厚約35Å
のGaN から成るバリア層151と膜厚約35ÅのIn0.20
Ga0.80N から成る井戸層152とが交互に積層された多
重量子井戸構造(MQW)の発光層15が形成されてい
る。バリア層151は6層、井戸層152は5層であ
る。発光層15の上にはMgドープのp型Al0.15Ga0.85N
から成る膜厚約50nmのクラッド層16が形成されてい
る。さらに、クラッド層16の上には濃度 1×1019/cm3
にMgが添加され、ホール濃度 6×1017/cm3のp型GaN か
ら成る膜厚約100nm のコンタクト層17が形成されてい
る。
【0024】又、コンタクト層17の上には金属蒸着に
よる透光性の電流拡散電極18Aが、エッチングにより
一部露出されたn+ 層13上には電極18Bが形成され
ている。電極18Aは、コンタクト層17に接合する膜
厚20nmのタンタル(Ta)から成る第1金属層81と、その
第1金属層81に接合する膜厚80nmのチタン(Ti)から成
る第2金属層82とで構成されている。電極18Bは膜
厚200 Åのバナジウム(V) と膜厚 1.8μm のアルミニウ
ム(Al)又はアルミニウム合金で構成されている。
【0025】次に、電極の形成方法について説明する。
+ 層13上に電極を形成するために、コンタクト層1
7の上にエッチングマスクを形成し、所定領域のマスク
を除去して、マスクで覆われていない部分のコンタクト
層17、クラッド層16、発光層15、クラッド層1
4、n+ 層13の一部を塩素を含むガスによる反応性イ
オンエッチングによりエッチングして、n+ 層13の表
面を露出させた。このn+ 層13の露出面上に、膜厚 2
00Åのバナジウム(V) と膜厚 1.8μm のAl又はAl合金を
電子ビーム法により蒸着し、電極18Bを形成する。
【0026】次に、コンタクト層17上の電極形成部分
に、膜厚20nmのTaから成る第1金属層81と、膜厚80nm
のTiから成る第2金属層82を電子ビーム法により順次
積層し、透光性の電極18Aが形成される。
【0027】電極18A、18Bの形成の後、試料雰囲
気を真空ポンプで排気した後に、 5×10-6Torr以下の真
空度において、その状態で雰囲気温度を約 800℃にし
て、15分程度、加熱し、コンタクト層17、クラッド層
16をp型低抵抗化すると共にコンタクト層17と第1
金属層81、第2金属層82との合金化処理、電極18
Bとn+ 層13との合金化処理を行った。
【0028】上記のようにして製造された電極18Aの
接触抵抗率をTLM法(伝送線路モデルによる方法)に
より測定した。その結果、接触抵抗率は 6×10-5Ωcm2
が得られた。又、上記のLED101における駆動電圧
は4V未満であり、経時変化においても劣化は見られなか
った
【0029】次に、p層に各種材料の電極及び膜厚の異
なる金属2層を形成し、 800℃で熱処理時間を変化させ
て電極を形成し、TLM法により接触抵抗率を測定し
た。その結果を図3に示す。第1金属層をタンタル(Ta)
で膜厚20nm、第2金属層をチタン(Ti)で膜厚80nmとした
場合には、熱処理時間に対して接触抵抗率は曲線Aで示
す特性で変化した。約10分で接触抵抗率の減少率が小さ
くなり、 6×10-5Ωcm2の値に飽和しているのが理解さ
れる。タンタル(Ta)の膜厚40nm、チタン(Ti)の膜厚60nm
の場合には、熱処理時間に対して接触抵抗率は曲線Bで
示す特性で変化した。約20分で接触抵抗率は、 6×10-5
Ωcm2 に達しているのが理解される。
【0030】これに対して、タンタル(Ta)単層、及び、
チタン(Ti)単層で電極を形成した場合には、それぞれ、
15分、20分の熱処理を行っても、接触抵抗率の低下は見
られなかった。又、第1金属層をニッケル(Ni)で膜厚10
nm、第2金属層を金(Au)で膜厚40nmとした場合には、熱
処理時間を増加させても、接触抵抗率は 2×10-3Ωcm2
と一定で低下しないことが理解される。
【0031】次に、タンタル(Ta)及びチタン(Ti)の膜厚
の接触抵抗率に対する影響を詳しく調べた。p層に各種
材料の電極及び膜厚の異なる金属層を形成し、 800℃で
20分処理して電極を形成し、TLM法により接触抵抗率
を測定した。タンタル(Ta)単層、チタン(Ti)単層、及
び、第1金属層をタンタル(Ta)、第2金属層をチタン(T
i)で電極を形成した場合の、それぞれの膜厚と接触抵抗
率の関係を図4に示す。タンタル(Ta)単層、チタン(Ti)
単層の場合は接触抵抗率は10-3〜10-2Ωcm2 であるが、
第1金属層をタンタル(Ta)、第2金属層をチタン(Ti)で
合計100nm の膜厚に形成した場合、いずれも 3〜6 ×10
-5Ωcm2 と接触抵抗率が著しく低下した。尚このとき、
第1金属層のタンタル(Ta)の膜厚の割合は、タンタル(T
a)チタン(Ti)の二重層電極の全体の膜厚の20〜80%であ
る。
【0032】更に、タンタル(Ta)単層、チタン(Ti)単
層、及び、第1金属層をタンタル(Ta)、第2金属層をチ
タン(Ti)でp層に電極を形成した場合の、電極抵抗の経
日変化を調べた。図5に、各々の電極抵抗の初期値を1
とした結果を示す。なお、このれらデータは、電極をそ
れぞれ、タンタル(Ta)単層は電極膜厚50nm、チタン(Ti)
単層は電極膜厚50nm、第1金属層をタンタル(Ta)の膜厚
60nm、第2金属層をチタン(Ti)の膜厚40nmで形成したも
のである。
【0033】図5から、タンタル(Ta)単層、及び、チタ
ン(Ti)単層の電極抵抗の経日変化が著しく大きいことが
判る。タンタル(Ta)単層の膜厚50nmの電極の場合には 7
日後には初期値の11倍、チタン(Ti)単層の膜厚50nmの電
極の場合には 6日後には初期値の 7倍となった。一方、
第1金属層をタンタル(Ta)、第2金属層をチタン(Ti)で
p層に電極を形成した場合には 8日後でも初期値の2倍
どまり、12日後でも 3倍にとどまった。ここから、タン
タル(Ta)単層、又は、チタン(Ti)単層の電極の抵抗値の
経日変化に比較し、第1金属層をタンタル(Ta)、第2金
属層をチタン(Ti)で形成した電極抵抗の経日変化は著し
く小さいことが判った。
【0034】以上の実施例では、電極10を2層構造と
しているが、3層以上の積層構造としてもよい。又、上
記実施例において、合金化処理の加熱温度を800 ℃とし
たが、300 〜800 ℃の範囲で使用可能であり。望ましく
は450 〜650 ℃の範囲がよい。300 ℃未満で熱処理され
ると電極は低接触抵抗率を示さず、800 ℃より著しく高
い温度で熱処理されると電極の表面モフォロジーが悪化
し、この後のワイヤボンディング工程においてボンディ
ング不良の原因になる。このため、熱処理温度は300 〜
800 ℃の範囲がよい。
【0035】熱処理時間は 5〜20分が望ましい。図2か
ら、タンタル(Ta)の膜厚20nm/ チタン(Ti)の膜厚80nmと
した場合には、5分以上で接触抵抗率の低下が見られ、
9分以上で接触抵抗率の減少が飽和しているのが分か
る。又、タンタル(Ta)の膜厚40nm/ チタン(Ti)の膜厚60
nmの場合には、熱処理時間15分経過後から接触抵抗率
の低下が見られ、接触抵抗率の低下は20分以上で飽和す
る。よって、熱処理時間は 5〜20分が望ましい。
【0036】又、第1金属層のタンタル(Ta)の膜厚の割
合は、電極の全体の膜厚の10〜90%の範囲が望ましい。
更に望ましくは、第1金属層のタンタル(Ta)の膜厚の割
合は、電極の全体の膜厚の20〜80%の範囲である。タン
タル(Ta)の膜厚の割合が大きくなるに従って、接触抵抗
率を所定値にさせるに必要な熱処理時間が長くなる。タ
ンタル(Ta)の膜厚が10%よりも小さくても、又、90%よ
り大きくても接触抵抗率は 1×10-3Ωcm2 以上となり
望ましくない。
【0037】上記の第1、第2実施例では、レーザダイ
オード100の発光層6及びフリップチップ型発光ダイ
オード(LED)の発光層15はMQW構造としたが、
SQWやGa1-X InX N (0≦X ≦1)等から成る単層、その
他、任意の混晶比の4元系のAlY Ga1-X-Y InX N (0≦X,
Y,X+Y ≦1)としても良い。又、p型不純物としてMgを用
いたが、これに代えて、ベリリウム(Be)、カルシウム(C
a)、ストロンチウム(Sr)、バリウム(Ba)、亜鉛(Zn)、カ
ドミウム(Cd)などの2族元素を用いてもよい。又、第1
金属層10aと第2金属層10bとを合わせた電極10
の膜厚或いは第1金属層81と第2金属層82とを合わ
せた電極18の膜厚は、5 〜200 nmの膜厚に形成されて
いればよい。又、本発明は、他の発光素子や受光素子に
適用できると共に、その他の窒化ガリウム系化合物半導
体素子の展開が予想される高温デバイスやパワーデバイ
ス等の電子デバイスにも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の具体的な第1の実施例に係わる窒化ガ
リウム系化合物半導体素子の構成を示した模式図。
【図2】本発明の具体的な第2の実施例に係わる窒化ガ
リウム系化合物半導体素子の構成を示した模式図。
【図3】各種の電極の接触抵抗率と熱処理時間との関係
を示した測定図。
【図4】電極を構成する金属層の膜厚と接触抵抗率との
関係を示した測定図。
【図5】各種の電極の抵抗値の経日変化を示した測定
図。
【符号の説明】
1、11 サファイア基板 2、12 バッファ層 3、13 高キャリア濃度n+ 層 4、14 nクラッド層 5 nガイド層 6、15 発光層 7 pガイド層 8、16 pクラッド層 9、17 pコンタクト層 10、110、18A、18B 電極 10a、81 第1金属層 10b、82 第2金属層 100 レーザダイオード 101 フリップチップ型発光ダイオード(LE
D)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小出 康夫 京都府京都市伏見区深草西伊達町官有地深 草合同宿舎423号室 (72)発明者 村上 正紀 京都府京田辺市薪長尾谷22番地の32 Fターム(参考) 5F041 AA03 AA21 CA04 CA05 CA34 CA46 CA49 CA57 CA65 CA74 CA82 CA92 CA98 5F073 AA55 AA61 CA02 CA07 CB05 CB07 CB14 CB22 DA05 DA21 EA29

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 p型の窒化ガリウム系化合物半導体を有
    する素子において、 前記p型の窒化ガリウム系化合物半導体上に形成された
    少なくともタンタル(Ta)とチタン(Ti)との積層からなる
    電極を有することを特徴とする窒化ガリウム系化合物半
    導体素子。
  2. 【請求項2】 少なくともタンタル(Ta)とチタン(Ti)と
    の積層の後、300℃〜800℃の範囲で熱処理をする
    ことを特徴とする請求項1に記載の窒化ガリウム系化合
    物半導体素子。
  3. 【請求項3】 タンタル(Ta)とチタン(Ti)との積層から
    なる電極の膜厚に対するタンタル(Ta)の膜厚の比が0.1
    以上0.9 以下であることを特徴とする請求項1又は請求
    項2に記載の窒化ガリウム系化合物半導体素子。
  4. 【請求項4】 タンタル(Ta)とチタン(Ti)との積層から
    なる電極の膜厚に対するタンタル(Ta)の膜厚の比が0.2
    以上0.8 以下であることを特徴とする請求項1又は請求
    項2に記載の窒化ガリウム系化合物半導体素子。
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