JP2000081831A - 再帰反射ホログラム再生体 - Google Patents
再帰反射ホログラム再生体Info
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Abstract
射されると、入射方向と略同じ方向に光を反射する、意
匠性、装飾性と高い偽造防止性を備えたホログラム再生
体を提供することを目的とする。 【解決手段】 前記目的を達成するために、本発明にか
かる再帰反射ホログラム再生体は、入射する光を利用し
て映像を再生するホログラム再生体層18と、入射光を
入射光進入方向へ帰還させる再帰反射材からなる再帰反
射材層20を積層したことを特徴とする。
Description
よってホログラム像が再生されるホログラム再生体、特
にホログラム再生体の意匠性、装飾性、偽造防止性の改
良に関する。
体からの反射波を感光記録媒体で記録する。この物体か
らの反射波を物体波と呼ぶこととする。感光記録媒体で
物体波を記録するときに物体の隣りに鏡などを置き、物
体に照射された光の一部を物体を通さずに直接感光記録
媒体に送る。この光を参照波と呼ぶこととする。すると
感光記録媒体には、物体波と参照波の重ね合わせによる
干渉図形が記録される。この干渉図形には、感光記録媒
体が光の強さのみにしか応答しないにも関わらず、物体
波の振幅と位相両方の完全な情報が含まれている。この
干渉図形は、もとの物体とは全く異なっており、細かい
縞の不規則な図形となっている。しかし干渉図形が記録
されたフィルムに光を透過させるともとの物体の三次元
像を再生させる物となる。
ムを光の干渉を利用して映し出すための凹凸からなるホ
ログラムエンボスを有する透明な合成樹脂フィルムで形
成されるホログラム層と、光反射性金属や高屈折率の金
属酸化物を蒸着した反射層から構成されている。これら
ホログラムエンボスを有する合成樹脂フィルムからなる
ホログラム層と、金属蒸着膜からなる反射層とを積層す
ることによって、ホログラム層側から光を当てると、透
明な樹脂を透過した入射光は反射層で反射され、ホログ
ラム層のエンボスによる凹凸によってホログラム像を浮
き上がらせるという構成となっていた。
ィルムは、光沢に富み、美しい外観を呈し、人目を引く
ことができるため、多くのパッケージやパンフレット、
書籍などに用いられている。特にホログラム再生体は、
その製造、準備に多額の費用がかかり、製造に高度な技
術を要し、複写・偽造することが困難であることから偽
造防止を目的としてクレジットカードや金券、証明書な
どの証書類に用いられている。また最近では、光反射性
金属の完全蒸着状態を100%としたときの10〜20
%蒸着したハーフ蒸着状態で反射層とした半透明なホロ
グラムフィルムや高屈折率の金属酸化物などの透明無機
物質を蒸着して反射層とした透明ホログラムフィルムな
ども市場に出てきている。
グラムにおける反射層は、光反射性金属としてアルミニ
ウムを用いており、全体の色彩はシルバーであることが
ほとんどである。また透明、半透明のホログラムフィル
ムにおいても色彩に乏しく意匠性、装飾性に欠けるもの
であった。
技術としては、特開昭62−133476号公報などに
開示されているが、ここに開示された技術は、ホログラ
ム層表層に通常のインキを用いて絵柄を印刷する物であ
るため、ホログラムが見える状態にあるとき、見えない
状態にあるときに関わらず常に視覚的にとらえることが
可能である。このため、ホログラムを製造し得る技術が
あれば、絵柄を付与することはそう困難でないこと、簡
単に手に入れられる材料で絵柄を描けることなどから偽
造防止に十分効果を発揮する物ではなかった。
のようなホログラム再生体を複写、製造することは、コ
ンピューター加工技術の進歩などから難しいことではな
くなってきているのが現状である。そこで偽造防止を目
的としてホログラムを使用し始めた当時ほどその価値が
無くなってきてしまった。
り、一定の方向性をもった直線光が投射されると、入射
方向と略同じ方向に光を反射する、意匠性、装飾性と高
い偽造防止性を備えたホログラム再生体を提供すること
を目的とする。
に、本発明にかかる再帰反射ホログラム再生体は、入射
する光を利用して映像を再生するホログラム再生体層
と、入射光を入射光進入方向へ帰還させる再帰反射材か
らなる再帰反射材層を積層したことを特徴とする。また
本発明にかかる再帰反射ホログラム再生体において、再
帰反射材層に用いられる再帰反射材は、入射光の一部に
位相差を付与して再合成し、特定波長領域の光成分を干
渉により強調し入射光とは異なる色調の着色光を入射光
進入方向へ帰還させる着色光再帰反射材であることが好
適である。
生体において、用いられる再帰反射材は、基板と、前記
基板上に整列配置された透明微小球とを含み、前記基板
上には有色の干渉色を生起する干渉物質層が設けられて
いることが好適である。また本発明にかかる再帰反射ホ
ログラム再生体において、用いられる再帰反射材は、基
板と、前記基板上に整列配置された透明微小球とを含
み、前記透明微小球の基板への対向面に干渉物質層が設
けられていることが好適である。
生体において、用いられる再帰反射材は、有色の干渉色
を生起する干渉物質層と、前記干渉物質層上に整列配置
された透明微小球からなることが好適である。また本発
明にかかる再帰反射ホログラム再生体において、干渉物
質層には酸化金属被覆鱗片状粉体が用いられていること
が好適である。
生体において、酸化金属被覆鱗片状粉体は酸化チタン層
厚40nm以上の二酸化チタン被覆雲母及び/又は低次
酸化チタン被覆雲母であることが好適である。また本発
明にかかる再帰反射ホログラム再生体において、再帰反
射材に基板を含むとき、前記基板は酸化チタン被覆雲母
の干渉色とは異なる色調の有色であることが好適であ
る。
生体において、酸化金属被覆鱗片状粉体はその干渉色と
は異なる色調の外観色を有するチタン系複合酸化物被覆
雲母であることが好適である。また本発明にかかる再帰
反射ホログラム再生体において、干渉物質層には表面酸
化金属薄膜が用いられることが好適である。
生体において、干渉物質の配置する位置を操作すること
によって入射光に対して示す干渉色の違いで文字や図形
を描くことが好適である。また本発明にかかる再帰反射
ホログラム再生体において、干渉物質によって描かれた
文字や図形と、ホログラム層により再生されるホログラ
ム像が異なることが好適である。
生体において、ホログラム層がホログラム干渉縞を記録
したホログラム層と入射光からホログラム再生に必要な
光を反射する反射層を積層してなることが好適である。
また本発明にかかる再帰反射ホログラム再生体におい
て、ホログラム層が備える反射層が透明無機化合物より
なることが好適である。また本発明にかかる再帰反射ホ
ログラム再生体において、ホログラム再生体層が実質的
にホログラム干渉縞を記録した反射層のみからなること
が好適である。
いてさらに詳しく説明する。なお、本発明は以下で説明
する実施形態のみに制限されるものではない。
再生体の概略構成である。同図における再帰反射ホログ
ラム再生体は、ホログラム像を再生するための干渉縞が
記録されたホログラム層10と、反射層12と、コート
層14が積層されている透明ホログラムシート(ホログ
ラム再生体層)18に、再帰反射材による再帰反射材層
20が積層されている。
光28bの一部は、ホログラム層を透過し、ホログラム
シート18が備える反射層12において反射され、反射
光30′となる。また反射層12、コート層14を透過
し、再帰反射材層20に進入した入射光28aは基板2
2上で反射され再びホログラムシート18に進入し外方
に抜けて行く反射光30となる。ホログラムシート18
はこれらの反射光30、30′をホログラム再生体層の
反射、屈折などの作用によって干渉させることによって
ホログラム像を浮き上がらせる。
層24を設け、更にその表層側にガラス等よりなる粒子
径が30〜80μmの透明微小球26を多数整列配置し
て構成されている。ホログラムシート18を透過し、微
小球26内に進行した光は、透明微小球26より樹脂層
24を介して基板22で反射し、再度微小球26に帰還
させられ、外方へ進行させられる。微小球26の外方へ
突出している面は球面であるので、入射角の多少の変動
があっても同様な作用を生じ、入射方向へ反射光30を
帰還させることができる。
を各層ごとに説明する。ホログラム再生体層 本発明の再帰反射ホログラム再生体におけるホログラム
再生体層18の断面概略構成図を図2に示す。同図にお
けるホログラム再生体2は、支持体4、剥離層6、保護
層8、ホログラム層10、反射層12、コート層14、
接着層16が積層されて構成される。
グラム像を再生するための干渉縞が記録されたホログラ
ム層10を透過した光が反射層12で反射され、その反
射光によってホログラム像が再生されるものである。反
射層12に用いられる材料の性質や入射光に対する反射
率を調整することによって、通常よく見かける全反射型
ホログラム再生体や、半透明ホログラム再生体、透明ホ
ログラム再生体などと呼ばれるものがある。
ホログラム再生体を転写した後に他の層から剥離される
ものであり、この目的を達成し得る強度、耐熱性、表面
性を有する材料、例えばポリエチレンテレフタレート、
ポリエステル、ポリプロピレンなどが選ばれる。
から支持体4を剥がれやすくするために用いられるもの
である。剥離層には、もちろん樹脂が用いられることも
あるが、離型剤であっても良い。
ものであり、耐磨耗性、耐汚染性、耐溶剤性など性能を
有する透光性樹脂から選択される。この保護層8は、さ
らに支持体からの剥離性を考慮することによって剥離層
を兼ねて用いることや、ホログラム像を再生させる干渉
縞が付与されることによってホログラム層を兼ねて用い
ることができる。
グラム像を再生させる干渉縞及び反射層をコートするこ
とによってホログラム干渉縞や、反射層を磨耗、汚染、
などから保護するものである。
貼付するために設けられるものであるがホログラム再生
体をホログラムシートやホログラムフィルムとして用い
る際などには接着層を設けない場合もある。
ホログラムの転写箔であるが、本発明における再帰反射
ホログラム再生体には、ここに示したような一般的なホ
ログラム再生体や、支持体2剥離層6、接着層16が備
えられていないホログラムフィルムやホログラムシート
など各種形態のホログラム再生体を適用することが可能
である。ただし本発明における再帰反射ホログラム再生
体において特徴的なことは、ホログラム再生体に入射光
を入射光進入方向へ帰還させる再帰反射材を積層したこ
とであり、それによって得られる効果にある。よって本
発明に用いられるホログラム再生体層は再帰反射材を積
層して得られる効果を阻害しないものを用いる必要があ
る。
は、ホログラム干渉縞を記録したホログラム層に光反射
性金属をハーフ蒸着したり、金インク、銀インクの薄い
塗膜により反射層を形成した半透明ホログラム再生体、
もしくは酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、
酸化錫、酸化インジウム、酸化マグネシウム、酸化亜
鉛、硫化亜鉛、硫化カドミウム等の高屈折率を有する透
明無機化合物を反射層に用いた透明ホログラム再生体を
用いる。
して記録した反射層のみでホログラムを再生させる形態
のホログラムも存在するが、本発明はこのようなホログ
ラム再生体であっても用いることが可能である。ただ
し、前述のように用いられるホログラムは透明性が高い
ことが必要とされる。
してはフレネルホログラム、フラウンホーファーホログ
ラム、フーリエ変換ホログラム、イメージホログラムな
どの各種ホログラムを用いることができる。またこれら
前記ホログラムの形態としては、コヒーレントな光線下
でホログラム像を再生可能な通常の形態であっても、白
色光下でホログラム像を再生可能なレインボーホログラ
ムのような白色光再生ホログラムであっても良く、更に
それらの原理を利用したカラーホログラム、コンピュー
タホログラム、ホログラムディスプレイ、ホログラフィ
ックステレオグラム等、本発明の効果を損なわない各種
形態のホログラムを用いることができる。
体積ホログラムであっても平面ホログラムであっても良
い。さらにホログラム層に異なる絵柄のホログラム像が
再生されるように数種のホログラム像を多重に記録して
おくことも可能である。
ラム再生体18は、ホログラム層10が図1に示した剥
離層6、保護層8を兼ねており、支持体4はすでに取り
払われている上、接着層16は設けられていないホログ
ラム再生体を用いている。
とは図1に示す入射光28aの反射光30を着色するた
めに光の干渉を利用したことであり、このために本実施
形態では、基板22上に干渉物質層32を設けている。
この結果、入射光28aは干渉物質層32で光の干渉を
生じることとなり、反射光30は干渉作用により強調さ
れる波長の色調を呈する。
32は、本実施形態において二酸化チタン被覆雲母より
構成され、該二酸化チタン被覆雲母32は、鱗片状雲母
34と、該雲母34上に被覆された二酸化チタン層36
より構成される。そして、前記入射光28aの一部30
aは二酸化チタン層36表面で反射され、また更に一部
30bは雲母34と二酸化チタン層36の境界面で反射
される。前記反射光30aと反射光30bは二酸化チタ
ン層36の約2倍の光路差を有し、入射光28aの波長
成分のうち、光路差が半波長の奇数倍になる成分が増幅
され、波長の整数倍になる成分が減衰される。この結
果、前記二酸化チタン層36の層厚を調整することによ
り、所望の色調の反射干渉光38を得ることができるの
である。なお、この有色反射干渉光38は前記図1に示
したとおり、透明微小球26により入射光光路と略同一
方向に帰還することになる。そして、本実施形態におい
ては、二酸化チタン被覆雲母32による反射率を高めれ
ば、帰還方向からは有色反射干渉光38が強く観察され
るのである。
グラム再生体は、前述のような構成を持つ再帰反射材層
とホログラム再生体層が積層された構成をもつ。このよ
うな構成の各ホログラム再生体層と再帰反射材層が積層
した本発明における再帰反射ホログラム再生体は、照射
する光によって異なる作用を示す。以下照射された光に
対して図1にあるような本発明のホログラム再生体が示
す作用について説明する。
おくと、次の3つの可能性が考えられる。第一に光の進
行方向、存在する光の波長がバラバラのもの、第二に光
の進行方向はそろっているが存在する光の波長はバラバ
ラなもの、第三に光の進行方向、存在する光の波長が共
に均一なものである。第一の光を通常光、第二の光を直
線光、第三の光をコヒーレント光と呼ぶこととする。
通常光の下では光源から発せられる光の方向性が定まっ
ていないため、再帰反射ホログラム再生体に入射する光
も多方向から入射される。このため、再帰反射材層20
に入射した光が存在しても透明ホログラムシート18の
反射層12での反射光30′と作用し合い、複雑なもの
になり、再帰反射材層に用いた再帰反射材の干渉による
色彩は観察されない。しかしホログラム再生体層に白色
光再生ホログラムを用いていれば、このような通常光の
下であっても、ホログラム像を再生させ得る特定の角
度、方向から入射する光が存在すれば、ホログラム再生
体層の反射、屈折などの作用によって光の干渉を起こさ
せホログラム像を再生することが可能である。
られる干渉物質が示す干渉色を利用して、文字や、図形
を描いてあっても、文字や図形が確認できず、ホログラ
ム像だけが観察可能であり、図4に示すようなホログラ
ム像が観察され、干渉物質によって描かれた図柄は確認
できない。
線光を周囲の光よりも強い強度で本発明にかかる再帰反
射ホログラム再生体に照射すると、再帰反射材層20の
再帰反射性によって直線光照射方向近傍から観察した場
合のみ干渉物質は干渉色を呈し、図5に示すような干渉
物質によって描かれた文字や図形を識別できるようにな
る。この際、ホログラム再生体層の反射、屈折などの作
用によって光の干渉で再生されていたホログラム像は、
観察されなくなる。これは再帰反射材層20の干渉色の
観察可能な方向が再帰反射材の再帰反射性によって、直
線光照射方向近傍に限られるため、ホログラム再生体層
中の反射層による通常の反射、干渉の作用によって再生
されるホログラム像は、再帰反射材層の呈する干渉色の
観察可能範囲においては、観察することができなくなる
ためと思われる。
うなコヒーレントな光で再生可能なホログラムを用いて
いれば、コヒーレント光を特定の角度、方向から入射さ
せれば、ホログラム像を再生することが可能である。し
かし直線光と異なりコヒーレント光は、存在する光の波
長幅が非常に狭いため、再帰反射材に用いられる干渉物
質が示す干渉色の違いを利用して、文字や、図形を描い
てあっても、文字や図形が確認できず、ホログラム像だ
けが観察可能である。
渉物質が呈する干渉色によって、干渉物質の配置によっ
て描かれた図柄が識別できる再帰反射ホログラム再生体
において、ホログラム像と干渉物質によって描かれた図
柄が異なるものであれば、太陽光や、照明などの通常光
の下、或いは、コヒーレント光の下では、ホログラム像
が浮かび上がり、直線光を照射すると、ホログラム像が
見えずに、干渉物質によって描かれた光の干渉によって
浮かび上がる色彩を伴った図柄が見えるようになる。よ
って真性品か、偽造品かを見分けるのに直線光を用いる
ことで浮かび上がる図柄によって判定できるものとな
る。
体に意匠性、装飾性と共に高い偽造防止性を付与するた
めに、再帰反射材を利用し、光路中に有色の干渉色を生
じる物質を介在させることにより、帰還光に干渉色を付
与させ得る再帰反射材を利用することとした。
0によれば、帰還光への色調の付与に光の干渉作用を利
用するので、光の利用効率が極めて高く、しかも二酸化
チタンの層厚を調整することにより任意の色調を得るこ
とができる。更に、干渉色を生じさせる物質は化学的、
光学的に安定な無機物質である二酸化チタン被覆雲母で
あるため、耐熱性、耐経時性に優れた再帰反射材層とす
ることができる。なお、二酸化チタン被覆雲母の場合、
二酸化チタンの層厚と干渉色には以下のような関係が認
められる。
被覆雲母の幾何学的層厚は、40nm以上であることが
好適である。なお本実施形態においては再帰反射材層2
0に基板22を用いているが、本発明における再帰反射
ホログラム再生体に用いられる基板22は必ずしも光反
射性を有さなくても良い。なぜならば基板上に設けられ
た干渉物質層32も高い反射性を有しているからであ
る。このため基板22を用いなかったとしても前述の効
果を得ることは可能である。
率を調整すると、該基板22による色彩が観察可能とな
る。従って基板22に光反射性の高いものを使用し、二
酸化チタン被覆雲母32の光透過率を調整して、基板2
2による反射割合を増加させると、該基板22による反
射光40が観察可能となる。従って、基板22を有色と
することで、帰還光30の色調は有色反射干渉光38
と、基板色を反映した反射光40が合成されたものとな
る。この場合、入射方向に帰還する以外の方向からは、
有色反射干渉光38がほとんど観察されず、反射基板2
2の色調が観察されるため、一定の方向性をもった直線
光を発する光源方向から観察される光と、他の方向から
観察される光は異なった色調で観察することができる。
基板として、顔料層を使用した場合、通常光の下では顔
料の色彩が観察でき、直線光の下では干渉物質による干
渉色が観察することができる。このためほとんどがシル
バーに限られていたホログラム再生体に豊かな色彩を付
与することができる。
開示されており、前記第二実施形態と対応する部分には
符号100を加えて示し、説明を省略する。本実施形態
において特徴的なことは、干渉物質132として有色の
チタン系複合酸化物被覆雲母を用いたことである。この
場合にも、前記第二実施態様と同様、帰還光138は複
合酸化物136の色調と該複合酸化物層による光学的光
路差に基づく干渉色とが合成されて観察され、一方、直
線光の光源方向以外から観察される色調は本来の複合酸
化物被覆雲母136の色調となる。
の色彩と干渉で示すの色彩を考慮すれば、外観色による
図柄と干渉色で現れる図柄を異なるものにすることもで
きる。また外観色は同一で干渉色が異なる干渉物質を用
いることで直線光を照射した以外の方向では単一の色彩
をもつ反射面上にホログラム像が浮かんで見えるが、直
線光照射方向では、干渉色による異なる図柄が観察でき
るホログラム再生体を構成できる。
要部が示されており、前記図3と対応する部分には符号
200を加えて示し説明を省略する。同図に示す再帰反
射材層220は、干渉物質232を透明微小球226の
樹脂層224埋没面に付着させている。なお、付着させ
る干渉物質としては、前述したように通常の干渉性二酸
化チタン被覆雲母など、あるいは有色の複合酸化物被覆
雲母などを用いることができる。この場合には、透明微
小球226と干渉物質232との屈折率差等により微小
球226及び干渉物質層232の中で反射を繰り返し帰
還するか、あるいは反射基板222に反射されて帰還す
るかが決定される。光が干渉物質層232を通り抜け、
反射基板222により反射される場合にも、光が干渉物
質232を通過する際にいわゆる透過干渉光を生成する
ため、有色の帰還光を得ることができる。
要部が示されており、前記図3と対応する部分には符号
300を加えて示し説明を省略する。同図に示す再帰反
射材層320は、干渉物質層332を直接反射基板32
2上に設けている。そして、干渉物質層332の表面で
反射された反射光330aと、反射基板322上で反射
された反射光330bとの干渉により、特定の色調を得
ることができる。
要部が示されており、前記図3と対応する部分には符号
400を加えて示し説明を省略する。同図に示す再帰反
射材層420は、干渉物質層432を透明微小球426
の樹脂層424埋没面に形成している。この場合には、
干渉物質層432の更に外周に反射層450を設けてお
り、透明微小球426と干渉物質層432の境界面での
反射光430aと、反射層450での反射光430bと
の干渉により特定の色調を得ることができる。
て用いられる干渉物質としては、前記二酸化チタン被覆
雲母に代表される干渉性鱗片状粉体を用いることが好適
である。この干渉性鱗片状粉体の母核となる鱗片状粉体
としては、例えば金属アルミニウム、金属チタン、ステ
ンレスなどの粉体、あるいは板状酸化鉄、板状シリカ、
板状酸化チタン、板状アルミナなどの無機板状酸化物、
あるいは白雲母、黒雲母、セリサイト、カオリナイト、
タルク等の層状化合物、PET樹脂膜、アクリル樹脂膜
などの有機高分子泊などが挙げられるが、本発明に用い
られる鱗片状粉体はこれらに特に限定されるものではな
い。なお、光の利用率を向上させるためには、鱗片状粉
体にも光透過性のあるものを用いることが好ましい。ま
た、本発明に使用される鱗片状粉体の粒径は特に限定さ
れないが、1〜200μm、特に好ましくは10〜12
0μmで扁平なものが美しい光沢と干渉色を発揮しやす
い。
は、鱗片状粉体の表面を金属酸化物で被覆することが一
般的であり、金属酸化物としては二酸化チタン、酸化
鉄、低次酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化珪素、酸
化アルミニウム、酸化コバルト、酸化ニッケル、チタン
酸コバルトなど、及びLi−Co−Ti系複合酸化物あ
るいはK−Ni−Ti系複合酸化物、Ni−Fe−Ti
系複合酸化物、Co−Al−Ti系複合酸化物などの複
合酸化物、あるいはこれらの金属酸化物の混合物などが
挙げられるが、干渉色を発現できる金属酸化物であれ
ば、特にこれらに限定されるものではない。これらの金
属酸化物の鱗片状粉体への被覆は、これらの金属酸化物
の有機塩や無機塩を、加熱あるいは中和加水分解する方
法あるいはCVDやPVDのような蒸着操作によって行
うことができる。
応じて有機あるいは無機化合物によって表面処理を施し
てもよい。更に本発明に用いられる干渉性鱗片状粉体の
使用法は特に制限されず、干渉色が発現すれば従来の着
色剤との組み合わせや添加順序を任意に採ることができ
る。
る干渉物質層としては、金属膜の表面を酸化することに
よって得られる干渉色を持った金属膜を用いることがで
きる。これらの金属膜は、金属アルミニウム、金属チタ
ン、ステンレス膜などを陽極酸化する方法や、上記干渉
色を発現できる金属酸化物をゾル−ゲル法によって調製
し、これをコートする方法、あるいは上記干渉色を発現
できる金属のアルコキシドを金属膜に塗布してこれを加
熱分解する方法、及びCVDやPVDのような蒸着操作
法などが挙げられる。
実施形態に言えることであるが、透明微小球の屈折率
は、1.7〜2.2、さらには1.8〜2.1が好適で
あり、透明微小球の平均粒子径は、20〜60μm、さ
らには30〜50μmが好適である。
場合や小さい場合には、焦点がぼやけて明瞭な反射光が
得られなくなってしまう。また透明微小球の粒子径は、
前記範囲より小さいと干渉物質層に埋没してしまった
り、再帰反射し得る光の有効入射角度が狭くなってしま
い、再帰反射特性が悪くなってしまう。逆に粒子径が大
きい場合には、干渉物質層の形成が困難となったり、焦
点の距離合わせも難しくなる。さらには、干渉物質を含
むインキなどを用いる場合に、インクが透明微小球間の
隙間に入り込んだりして製造に困難をきたす場合もあ
る。
って着色された光の利用効率に優れた再帰反射材層は、
ホログラム再生体に高い偽造防止性と意匠性、装飾性を
付与することができる。また干渉物質が呈する干渉色の
色彩によって、文字や図形を描くことによって、さらに
高い偽造防止性を付与することができる。また、本実施
形態の干渉物質層において、光干渉が得られれば雲母チ
タンのような干渉物質と他の色剤や染料を用いて所望の
色調に調整しても良い。
する用途によって、接着性、耐熱性、耐候性、耐薬品性
などを考慮して、適当な材料を選び各層を形成すること
で、上質紙、アート紙、ミラーコート紙、和紙、粗面
紙、E段など一般印刷、UV印刷、UVニス、UVコー
ト紙、プレスコート、PVC、PP、PETなどによる
各種ラミネート紙などの紙や、軟質、硬質、発泡ビニー
ルなどのビニール、ABS、AS、HiPS、AC、P
P、PETなどのプラスチック、上製本、アルバム、T
シャツ、布製品などの各種繊維、皮革、ガラス、金属、
木工など各種素材に用いることが可能である。なお本発
明を用い得る素材としてはここに挙げたもののみに限ら
れるものではない。
発明において好適に用いられる干渉性鱗片状粉体の製造
方法を示す。 [製造例1]雲母50重量部をイオン交換水500部に
添加して十分に攪拌し均一に分散させる。得られた分散
液に、濃度40重量%の硫酸チタニル水溶液208.5
部を加えて攪拌しながら6時間沸騰させた。放冷後、濾
過水洗し900℃で焼成して緑色干渉色を持った二酸化
チタン被覆雲母90部を得た。この製造例1で得られた
二酸化チタン被覆雲母は、前記第1、2、4実施形態で
用い得る。
00部に添加して十分に攪拌して均一に分散させた。得
られた分散液に濃度40重量%の硫酸チタニル水溶液3
12.5部を加えて攪拌しながら加熱し6時間沸騰させ
た。放冷後、濾過・水洗し900℃で焼成して緑色干渉
をもった二酸化チタンで被覆された雲母100部を得
た。次に得られた雲母チタン100部に金属チタン1.
2部を混合し、オイル拡散ポンプを用いて10Torr以下
の真空度にて該混合物を800℃で4時間加熱還元し
た。冷却後外観色、干渉色ともに真珠光沢のある鮮やか
な青緑色の低次酸化チタン・二酸化チタン被覆雲母10
1.2部を得た。この製造例2で得られた低次酸化チタ
ン被覆雲母も、前記第1、2、4実施形態で用いること
ができ、特に明瞭な色調の帰還光を得ることができる。
タン(イリオジン235)100部を流速3l/minのア
ンモニアガス気流下において800℃で4時間の還元処
理を行った。冷却後外観色、干渉色ともに真珠光沢のあ
る鮮やかな青緑色の酸化窒化チタン・二酸化チタン被覆
雲母98.5部を得た。この製造例3で得られた低次酸
化チタン被覆雲母も、前記第1、2、4実施形態で用い
ることができ、特に明瞭な色調の帰還光を得ることがで
きる。
雲母チタン100部をイオン交換水200部に添加して
攪拌し均一に分散させた。得られた分散液に濃度10%
の塩化コバルト水溶液110部を1M苛性ソーダ水溶液
でpH4〜5に保ちながら80℃で3時間かけて添加
し、濾過、水洗後105℃で乾燥させ、含水酸化コバル
ト被覆雲母チタン102部を得た。次に得られた含水酸
化コバルト被覆雲母チタン100部と炭酸リチウム1
1.5gを小型攪拌機によって均一に混合し、得られた
混合粉末を磁性坩堝に入れて900℃で4時間焼成し、
緑色の鮮やかな外観色を持ったLi2CoTi3O8被
覆雲母チタン105部を得た。この製造例4で得たチタ
ン系複合酸化物被覆雲母は、第3、4実施形態で用いる
ことができる。
00部に添加して十分に攪拌し、均一に分散させた。得
られた分散液に2M硫酸チタニル350部を加えて攪拌
しながら加熱して3時間沸騰させた。放冷後、濾過、水
洗し200℃で乾燥して二酸化チタン被覆雲母90部を
得た。次に得られた二酸化チタン被覆雲母50部をイオ
ン交換水500部に添加して攪拌し、均一に分散させ
た。得られた分散液に0.42Mの塩化ニッケル水溶液
295部を1M苛性ソーダ水溶液でpHを4〜5に保ち
ながら、80℃で3時間かけて添加し、濾過、水洗後1
05℃で乾燥させ、含水酸化ニッケル雲母チタン54.
8部を得た。次に得られた含水溶性ニッケル雲母チタン
と塩化カリウム2.75部を小型混合機にて均一に混合
し、これを磁性坩堝に入れて、900℃で3時間焼成
し、鮮やかな黄色の外観色と赤色の干渉色とをもつ光沢
粉体51.0部を得た。この製造例5で得たチタン系複
合酸化物被覆雲母は、前記第3、4、実施形態で用いる
ことができる。
トフィルムの支持体上に、酢酸セルロース樹脂よりなる
厚さ0.5μmの保護層兼剥離層を設け、その上にアク
リル樹脂からなる厚さ2.5μmのホログラム層の樹脂
面にホログラム凹凸が記された金型を加圧密着させ電子
線を照射して硬化させ、さらに反射層としてアルミニウ
ムをハーフ蒸着した。その上にPET樹脂よりなる厚さ
12μmのコート層を設け、コート層全体にシリコーン
樹脂溶液を塗布し、その樹脂が流れない程度に乾燥した
時に、屈折率が1.9で200〜250メッシュの透明
性ガラス微粒子球を散布してその半球以上が埋没しない
ように一重に付着乾燥させた後、120℃で3分間加熱
処理をしてガラス微粒子球を仮付着させた。次いで、表
2の配合比による製造例1の緑色干渉雲母チタンを含む
透明着色スクリーン印刷用インキにて前記の透明ガラス
微粒子球を仮付着したフィルムのガラス微粒子仮付着面
上に模様をスクリーン印刷し、その模様が乾燥しないう
ちに80〜250メッシュのナイロン樹脂微粒子を散布
付着乾燥させて、140℃で5分間以上熱処理をして、
白色光のもとでホログラム像が再生可能なレインボーホ
ログラム層を有するホログラム再生体層と、緑色干渉雲
母チタンの干渉色と同色の緑色の反射光を呈する再帰反
射材層を有する再帰反射ホログラム再生体(転写用フィ
ルム)を得た。
テレフタレートフィルムの支持体上に、酢酸セルロース
樹脂よりなる厚さ0.5μmの保護層兼剥離層を設け、
その上にアクリル樹脂からなる厚さ2.5μmのホログ
ラム層を樹脂面にホログラム凹凸が記された金型を加圧
密着させ電子線を照射して硬化させ、さらに透明反射層
として二酸化チタンを蒸着した。そしてその全面にシリ
コーン樹脂溶液を塗布し、その樹脂が流れない程度に乾
燥した時に、屈折率が1.9で200〜250メッシュ
の透明性ガラス微粒子を散布してその半球以上が埋没し
ないように一重に付着乾燥させた後、120℃で3分間
加熱処理をしてガラス微粒子球を仮付着させた。次いで
表3の配合比による透明着色スクリーン印刷用インキに
て該ガラス微粒子球を仮付着させたフィルムに模様をス
クリーン印刷した。次にこのフィルムに厚さ80nmにな
るようにアルミニウムを真空蒸着した。さらに、該表面
にアクリル樹脂溶液を塗布し、これが乾燥しないうちに
80〜250メッシュのナイロン樹脂微粒子を散布付着
乾燥させて、140℃で5分間以上熱処理をして、白色
光のもとでホログラム像が再生可能なレインボーホログ
ラム層を有するホログラム再生体層と、低次酸化チタン
・二酸化チタン被覆雲母の外観色(干渉色)と同色に近
い青緑色反射光を呈する再帰反射材層とを有する再帰反
射ホログラム再生体(転写用フィルム)を得た。
テレフタレートフィルムの支持体上に、酢酸セルロース
樹脂よりなる厚さ0.5μmの保護層兼剥離層を設け、
その上にアクリル樹脂からなる厚さ2.5μmのホログ
ラム層を樹脂面にホログラム凹凸が記された金型を加圧
密着させ電子線を照射して硬化させ、さらに反射層とし
てアルミニウムをハーフ蒸着した。なお、ホログラム層
に形成した凹凸は、見る角度によって異なるホログラム
像が再生される多重露光ホログラム干渉縞であった。そ
の上にPET樹脂よりなる厚さ20μmのコート層を設
け、コート層全面にシリコーン樹脂溶液を塗布し、その
樹脂が流れない程度に乾燥した時に、屈折率が1.9で
200〜250メッシュの透明性ガラス微粒子球を散布
してその半球以上が埋没しないように一重に付着乾燥さ
せた後、120℃で3分間加熱処理をしてガラス微粒子
球を仮付着させた。次に表4の配合比による鮮やかな黄
色の外観色と赤色干渉色とをもつ光沢粉体を含む透明着
色スクリーン印刷用インキにて該ガラス微粒子球を仮付
着させたフィルムに模様を印刷した。
アルミニウム粉末をアクリル塗料でクリアランス0.1
01mmのアプリケータを用いて塗装した。ついで、該表
面にアクリル樹脂溶液を塗布し、これが乾燥しないうち
に80〜250メッシュのナイロン樹脂微粒子を散布付
着乾燥させて、140℃で5分間以上熱処理をして、白
色光のもとで、ある特定の角度で観察すると2Dホログ
ラム像が観察でき、別のある特定の角度角度で観察する
と3Dホログラム像が観察可能なレインボーホログラム
層を有する、外観色が黄色で再帰反射光が赤色の再帰反
射ホログラム再生体(転写用フィルム)を得た。
間に浮いているように観察できる平面立像のことであ
り、3Dホログラム像とは、立体図形が空間に浮いてい
るように観察できる立体像のことである。
50メッシュの透明性ガラス微粒子球100gを100
0mlのイソプロピルアルコール中に分散させながらチタ
ニウムテトライソプロポキシド溶液150gを添加し、
次いで30℃に分散溶液を保ちながら、水/イソプロピ
ルアルコールの1:1混合溶液100mlを5ml/minの速
度で滴下した。滴下後攪拌を4時間続けて濾別、水洗、
200℃で3時間乾燥して黄色の干渉色をもった透明性
ガラス微粒子球を得た。そして厚さ25μmのポリエチ
レンテレフタレートフィルムの支持体上に、酢酸セルロ
ース樹脂よりなる厚さ0.5μmの保護層兼剥離層を設
け、その上にアクリル樹脂からなる厚さ2.5μmのホ
ログラム層を樹脂面にホログラム凹凸が記された金型を
加圧密着させ電子線を照射して硬化させ、さらに透明反
射層として二酸化チタンをハーフ蒸着した。なお、ホロ
グラム層に形成した凹凸は、見る角度によって異なるホ
ログラム像が再生される多重露光ホログラム干渉縞であ
った。
のコート層を設け、コート層全面にシリコーン樹脂溶液
を塗布し、その樹脂が流れない程度に乾燥した時に、先
に作成した黄色の干渉色をもった透明性ガラス微粒子球
を散布してその半球以上が埋没しないように一重に付着
乾燥させた後、120℃で3分間加熱処理をしてガラス
微粒子球を仮付着させた。別に製造例4の雲母チタンを
含む透明着色スクリーン印刷用インキにて前記の透明ガ
ラス微粒子球を仮付着したフィルムのガラス微粒子仮付
着面上に模様をスクリーン印刷し、その模様が乾燥しな
いうちに80〜250メッシュのナイロン樹脂微粒子を
散布付着乾燥させて、140℃で5分間以上熱処理をし
て、白色光のもとで、ある特定の角度で観察すると2D
ホログラム像が観察でき、別のある特定の角度角度で観
察すると3Dホログラム像が観察可能なレインボーホロ
グラム層を有する、黄色の反射光を呈する再帰反射ホロ
グラム再生体(転写用フィルム)を得た。
厚さ0.5μmの保護層兼剥離層上に、アクリル樹脂か
らなる厚さ2.5μmのホログラム層を設け、ホログラ
ム層の樹脂面にホログラム凹凸が記された金型を加圧密
着させ電子線を照射して硬化させ、さらに反射層として
二酸化チタンを蒸着し、その上にPET樹脂よりなる厚
さ12μmのコート層を設け、透明ホログラムシートを
得た。続いて白色のアクリル繊維による布を基材とし、
その上にLi2CoTi3O 8被覆雲母をアクリル樹脂
溶液、青色インキと混合した透明着色印刷用インキにて
基材上に模様をグラビア印刷し、その模様が乾燥しない
うちに屈折率が1.9で200〜250メッシュの透明
性ガラス微粒子を散布してその半球以上が埋没しないよ
うに一重に付着乾燥させ、再帰反射材層を製造した。
体にシリコーン樹脂溶液を塗布し、その樹脂が流れない
程度に乾燥した時に、前記透明ホログラムシートを固定
した。最後に厚さ25μmのポリエチレンテレフタレー
トフィルムの支持体をホログラム層上に圧着させ、白色
光のもとでホログラム像が再生可能なレインボーホログ
ラム層を有するホログラム再生体層と、赤〜紫色干渉雲
母チタンの干渉色と緑〜青色の反射光を呈する再帰反射
材層を有する再帰反射ホログラム再生体(転写用フィル
ム)を得た。
2CoTi3O8被覆雲母を用いたが、雲母に被覆させ
るLi−Co−Ti系複合酸化物としては、一般式がL
i0 .5+XCo0.5−X[Li0.5−XCoXT
i1.5]O4(0<X<0.1)で表されるLi−C
o−Ti系複合酸化物が好適である。
て、最外層に用いられるPETフィルムの厚さは、23
μm〜150μm、さらには38μm〜50μmが好適
である。この厚さより薄いと柔らかすぎるため取り扱い
が難しく製造に困難をきたし、これより厚いと焦点距離
の調整が困難となってしまう。
は、20μm〜75μm、さらには23μm〜50μm
が好適である。この厚さより薄いと柔らかすぎるため取
り扱いが難しく製造に困難をきたし、これより厚いとセ
キュリティー性が低下してしまう。
再帰反射材層を形成する方法を用いたが、本発明はこれ
に限られるものではなく、例えば基板上に、干渉物質層
を形成し、その上に透明性ガラス微粒子球を散布し、再
帰反射材層を形成した後に、コート層、反射層、ホログ
ラム層、保護層を形成する方法や、あらかじめ積層され
たホログラムシートを本発明による再帰反射材層を形成
した場所に張り付ける方法などであっても本発明の効果
を得ることができ、形成方法に特に限定はない。
反射ホログラム再生体によれば、入射光同士による干渉
作用により色調を付与することとしたので、色調の選択
性が広く、しかも光の利用効率に優れる。また、本発明
において再帰反射材層に基板を含むとき、干渉物質とし
て光透過性の高い二酸化チタン被覆雲母あるいは低次酸
化チタン被覆雲母を用い、且つ基板色を有色とすること
により、直線光帰還方向からは基板色と干渉色の合成さ
れた色調が観察され、他の方向からは基板色が観察さ
れ、意匠性を向上させることができる。また、本発明に
おいて、干渉物質としてチタン系複合酸化物被覆雲母を
用いることにより、直線光帰還方向からは複合酸化物色
と干渉色の合成された色調が観察され、他の方向からは
複合酸化物色が観察され、意匠性を向上させることがで
きる。また本発明において、干渉物質の配置位置を操作
することで入射光に対して示す干渉色の違いで文字や図
形を描くことによって、直線光を当てたときにのみ干渉
色により図柄が浮き出るようになるので、意匠性、偽造
防止性を向上させることができる。
ログラム再生体の概略構成である。
けるホログラム再生体層の断面概略構成図である。
再帰反射材層の要部構成の説明図である。
下で観察したものである。
下で光源方向から観察したものである。
材層の要部構成の説明図である。
材層の要部構成の説明図である。
材層の要部構成の説明図である。
材層の要部構成の説明図である。
Claims (15)
- 【請求項1】 入射する光を利用して映像を再生するホ
ログラム再生体層と、 入射光を入射光進入方向へ帰還させる再帰反射材からな
る再帰反射材層を積層したことを特徴とする再帰反射ホ
ログラム再生体。 - 【請求項2】 請求項1記載の再帰反射ホログラム再生
体において、再帰反射材層に用いられる再帰反射材は、
入射光の一部に位相差を付与して再合成し、特定波長領
域の光成分を干渉により強調し入射光とは異なる色調の
着色光を入射光進入方向へ帰還させる着色光再帰反射材
であることを特徴とする再帰反射ホログラム再生体。 - 【請求項3】 請求項2記載の再帰反射ホログラム再生
体において用いられる再帰反射材は、 基板と、 前記基板上に整列配置された透明微小球と、を含み、 前記基板上には有色の干渉色を生起する干渉物質層が設
けられていることを特徴とする再帰反射ホログラム再生
体。 - 【請求項4】 請求項2記載の再帰反射ホログラム再生
体において用いられる再帰反射材は、 基板と、 前記基板上に整列配置された透明微小球と、を含み、 前記透明微小球の基板への対向面に干渉物質層が設けら
れていることを特徴とする再帰反射ホログラム再生体。 - 【請求項5】 請求項2記載の再帰反射ホログラム再生
体において用いられる再帰反射材は、 有色の干渉色を生起する干渉物質層と、前記干渉物質層
上に整列配置された透明微小球からなることを特徴とす
る再帰反射ホログラム再生体。 - 【請求項6】 請求項3乃至5のいずれか記載の再帰反
射ホログラム再生体において、干渉物質層には酸化金属
被覆鱗片状粉体が用いられていることを特徴とする再帰
反射ホログラム再生体。 - 【請求項7】 請求項6記載の再帰反射ホログラム再生
体において、酸化金属被覆鱗片状粉体は酸化チタン層厚
40nm以上の二酸化チタン被覆雲母及び/又は低次酸
化チタン被覆雲母であることを特徴とする再帰反射ホロ
グラム再生体。 - 【請求項8】 請求項7記載の再帰反射ホログラム再生
体において、再帰反射材に基板を含むとき、前記基板は
酸化チタン被覆雲母の干渉色とは異なる色調の有色であ
ることを特徴とする再帰反射ホログラム再生体。 - 【請求項9】 請求項7記載の再帰反射ホログラム再生
体において、酸化金属被覆鱗片状粉体はその干渉色とは
異なる色調の外観色を有するチタン系複合酸化物被覆雲
母であることを特徴とする再帰反射ホログラム再生体。 - 【請求項10】 請求項3乃至5のいずれか記載の再帰
反射ホログラム再生体において、干渉物質層には表面酸
化金属薄膜が用いられることを特徴とする再帰反射ホロ
グラム再生体。 - 【請求項11】 請求項3乃至10のいずれか記載の再
帰反射ホログラム再生体において、干渉物質の配置する
位置を操作することによって入射光に対して示す干渉色
の違いで文字や図形を描くことを特徴とする再帰反射ホ
ログラム再生体。 - 【請求項12】 請求項11記載の再帰反射ホログラム
再生体において、干渉物質によって描かれた文字や図形
と、ホログラム層により再生されるホログラム像が異な
ることを特徴とする再帰反射ホログラム再生体。 - 【請求項13】 請求項1乃至12いずれかに記載の再
帰反射ホログラム再生体において、ホログラム再生体層
がホログラム干渉縞を記録したホログラム層と入射光か
らホログラム再生に必要な光を反射する反射層を積層し
てなることを特徴とする再帰反射ホログラム再生体。 - 【請求項14】 請求項13記載の再帰反射ホログラム
再生体において、ホログラム再生体層が備える反射層が
透明無機化合物よりなることを特徴とする再帰反射ホロ
グラム再生体。 - 【請求項15】 請求項1乃至12いずれかに記載の再
帰反射ホログラム再生体において、ホログラム再生体層
が実質的にホログラム干渉縞を記録した反射層のみから
なることを特徴とする再帰反射ホログラム再生体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP08399299A JP3672453B2 (ja) | 1998-07-03 | 1999-03-26 | 再帰反射ホログラム再生体 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10-189174 | 1998-07-03 | ||
JP18917498 | 1998-07-03 | ||
JP08399299A JP3672453B2 (ja) | 1998-07-03 | 1999-03-26 | 再帰反射ホログラム再生体 |
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Publication Number | Publication Date |
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JP2000081831A true JP2000081831A (ja) | 2000-03-21 |
JP3672453B2 JP3672453B2 (ja) | 2005-07-20 |
Family
ID=26425025
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP08399299A Expired - Lifetime JP3672453B2 (ja) | 1998-07-03 | 1999-03-26 | 再帰反射ホログラム再生体 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP3672453B2 (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2002509276A (ja) * | 1998-01-13 | 2002-03-26 | ミネソタ マイニング アンド マニュファクチャリング カンパニー | 再帰反射ダイクロイック反射体 |
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1999
- 1999-03-26 JP JP08399299A patent/JP3672453B2/ja not_active Expired - Lifetime
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