JP2000081758A - 電子写真装置、電子写真感光体及びプロセスカートリッジ - Google Patents

電子写真装置、電子写真感光体及びプロセスカートリッジ

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JP2000081758A JP25116598A JP25116598A JP2000081758A JP 2000081758 A JP2000081758 A JP 2000081758A JP 25116598 A JP25116598 A JP 25116598A JP 25116598 A JP25116598 A JP 25116598A JP 2000081758 A JP2000081758 A JP 2000081758A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 帯電均一性を向上させ、低印加電圧でオゾン
レスの注入帯電を可能にする電子写真装置を提供する。 【解決手段】 電子写真感光体、該電子写真感光体とニ
ップ部を形成し、磁性粒子を磁気拘束させた磁気ブラシ
よりなる帯電部材に電圧を印加することにより該電子写
真感光体を帯電する帯電手段、露光手段、現像手段及び
転写手段を有する電子写真装置において、該電子写真感
光体の表面層が電荷輸送物質及び比誘電率が2.6〜
3.6の結着樹脂を含有し、かつ該帯電部材と該電子写
真感光体との接触面に、導電性を有し、電気陰性度が1
6以下であり、主な粒径が10nm〜5μmの範囲であ
る非磁性な帯電促進粒子を存在させて、該電子写真感光
体表面に注入帯電する電子写真装置、該電子写真装置に
用いられる電子写真感光体、該電子写真感光体を有する
プロセスカートリッジ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特定の帯電を行う
電子写真装置、該電子写真装置に用いる特定の電子写真
感光体、及び該電子写真感光体を有し特定の帯電を行う
プロセスカートリッジに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば、電子写真装置(複写機や
プリンタなど)や静電記録装置などの画像形成装置にお
いて、電子写真感光体及び静電記録誘電体などの像担持
体(被帯電体)を所有の極性・電位に一様に帯電処理
(除電処理も含む)する帯電装置としてはコロナ帯電器
(コロナ放電器)がよく使用されていた。
【0003】コロナ帯電器は非接触型の帯電装置であ
り、ワイヤ電極などの放電電極と該放電電極を囲むシー
ルド電極を備え、放電開口部を被帯電体である像担持体
に対向させて非接触に配設し、放電電極とシールド電極
に高圧を印加することにより生じる放電電流(コロナシ
ャワー)に像担持体面をさらすことで像担持体面を所定
に帯電させるものである。
【0004】近時は、中低速機種の画像形成装置にあっ
ては、像担持体などの被帯電体の帯電装置として、コロ
ナ帯電器に比べて低オゾンや低電力などの利点があるこ
とから接触帯電装置が多く提案され、また実用化されて
いる。
【0005】接触帯電装置は、像担持体などの被帯電体
に、ローラ型(帯電ローラ)、ファーブラシ型、磁気ブ
ラシ型及びブレード型などの導電性の帯電部材(接触帯
電部材や接触帯電器)を接触させ、この接触帯電部材に
所定の帯電バイアスを印加して被帯電体面を所定の極性
・電位に帯電させるものである。
【0006】接触帯電の帯電機構(帯電のメカニズムや
帯電原理)には、放電帯電系と注入帯電系の2種類
の帯電機構が混在しており、どちらが支配的であるかに
より各々の特性が現れる。
【0007】.放電帯電系 接触帯電部材と被帯電体との微小間隙に生じる放電現象
により被帯電体表面が帯電する系である。
【0008】放電帯電系は接触帯電部材と被帯電体に一
定の放電閾値を有するため、帯電電位より大きな電圧を
接触帯電部材に印加する必要がある。また、コロナ帯電
器に比べれば発生量は格段に少ないけれども放電生成物
は生じることが原理的に避けられないため、オゾンなど
活性イオンによる弊害は避けられない。
【0009】.注入帯電系 接触帯電部材から被帯電体に直接に電荷が注入されるこ
とで被帯電体表面が帯電する系である。注入帯電あるい
は直接帯電と称される。より詳しくは、中抵抗の接触帯
電部材が被帯電体表面に接触して、放電現象を介さず
に、つまり放電を基本的に用いないで被帯電体表面に直
接電荷注入を行うものである。よって、接触帯電部材へ
の印加電圧が放電閾値以下の印加電圧であっても、被帯
電体を印加電圧相当の電位に帯電することができる。
【0010】この帯電系はイオンの発生を伴わないため
放電生成物による弊害は生じない。しかし、接触帯電部
材の被帯電体への接触性が帯電性に大きく効いてくる。
そこで、接触帯電部材はより密に構成し、また被帯電体
との速度差を多く持ち、より高い頻度で被帯電体に接触
する構成をとる必要がある。
【0011】代表的な接触帯電プロセスとしては以下の
A)〜C)の方法などが提案され実用化されている。
【0012】A)ローラ帯電 接触帯電装置は、接触帯電部材として導電ローラ(帯電
ローラ)を用いたローラ帯電方式が帯電の安定性という
点で好ましく、広く用いられている。
【0013】このローラ帯電はその帯電機構は前記の
放電帯電系が支配的である。
【0014】帯電ローラは、導電あるいは中抵抗のゴム
材あるいは発泡体を用いて作成される。更に、これらを
積層して所望の特性を得たものもある。
【0015】帯電ローラは被帯電体(以下、感光体と記
す)との一定の接触状態を得るために弾性を持たせてい
るが、そのため摩擦抵抗が大きく、多くの場合感光体に
従動あるいは若干の速度差をもって駆動される。従っ
て、直接帯電しようとしても、絶対的帯電能力の低下や
接触性の不足やローラ状のムラや感光体の付着物による
帯電ムラは避けられないため、従来のローラ帯電ではそ
の帯電機構は放電帯電系が支配的である。
【0016】図6は接触帯電における帯電効率例を表わ
したグラフである。横軸に接触帯電部材に印加したバイ
アス、縦軸にはその時得られた感光体帯電電位を表わす
ものである。ローラ帯電の場合の帯電特性はAで表わさ
れる。即ち、凡そ−500Vの放電閾値を過ぎてから帯
電が始まる。従って、−500Vに帯電する場合は−1
000Vの直流電圧を印加するか、あるいは、−500
V直流の帯電電圧に加えて、放電閾値以上の電位差を常
に持つようにピーク間電圧1200Vの交流電圧を印加
して感光体電位を帯電電位に収束させる方法が一般的で
ある。
【0017】より具体的に説明すると、厚さ25μmの
有機感光体(OPC感光体)に対して帯電ローラを加圧
当接させた場合には、約640V以上の電圧を印加すれ
ば感光体の表面電位が上昇し始め、それ以降は印加電圧
に対して傾き1で線形に感光体表面電位が増加する。こ
の閾値電圧を帯電開始電圧Vthと定義する。
【0018】つまり、電子写真に必要とされる感光体表
面電位Vdを得るためには帯電ローラにはVd+Vth
という必要とされる以上のDC電圧が必要となる。この
ようにしてDC電圧のみを接触帯電部材に印加して帯電
を行う方法を「DC帯電方式」と称する。
【0019】しかし、DC帯電においては環境変動など
によって接触帯電部材の抵抗値が変動するため、また、
感光体が削れることによって膜厚が変化するとVthが
変動するため、感光体の電位を所望の値にすることが難
しかった。
【0020】このため、更なる帯電の均一化を図るため
に特開昭63−149669号公報に開示されるよう
に、所望のVdに相当するDC電圧に2×Vth以上の
ピーク間電圧を持つAC成分を重畳した電圧を接触帯電
部材に印加する「AC帯電方式」が用いられる。これ
は、ACによる電位のならし効果を目的としたものであ
り、被帯電体の電位はAC電圧のピークの中央であるV
dに収束し、環境などの外乱には影響されることはな
い。
【0021】ところが、このような接触帯電装置におい
ても、その本質的な帯電機構は、接触帯電部材から感光
体への放電現象を用いているため、先に述べたように接
触帯電部材に印加する電圧は感光体表面電位以上の値が
必要とされ、微量のオゾンは発生する。
【0022】また、帯電均一化のためにAC帯電を行っ
た場合には更なるオゾンの発生、AC電圧の電界による
接触帯電部材と感光体の振動騒音(AC帯電音)の発
生、また、放電による感光体表面の劣化などが顕著にな
り、新たな問題点となっていた。
【0023】B)ファーブラシ帯電 ファーブラシ帯電は、接触帯電部材として導電性繊維の
ブラシ部を有する部材(ファーブラシ帯電器)を用い、
その導電性繊維ブラシ部を被帯電体としての感光体に接
触させ、所定の帯電バイアスを印加して感光体面を所定
の極性・電位に帯電させるものである。
【0024】このファーブラシ帯電もその帯電機構は前
記の放電帯電系が支配的である。
【0025】ファーブラシ帯電器は固定タイプとロール
タイプが実用化されている。中抵抗の繊維を基布に折り
込みパイル状に形成したものを電極に接着したものが固
定タイプで、ロールタイプはパイルを芯金に巻き付けて
形成する。繊維密度としては100本/mm2 程度のも
のが比較的容易に得られるが、注入帯電により十分均一
な帯電を行うにはそれでも接触性は不十分であり、注入
帯電により十分均一な帯電を行うには感光体に対し機械
構成としては困難なほどに速度差を持たせる必要があ
り、現実的ではない。
【0026】このファーブラシ帯電の直流電圧印加時の
帯電特性は図6のBに示される特性をとる。従って、フ
ァーブラシ帯電の場合も、固定タイプ、ロールタイプど
ちらも多くは、高い帯電バイアスを印加し放電による帯
電を用いて帯電を行っている。
【0027】C)磁気ブラシ帯電 磁気ブラシ帯電は、接触帯電部材として導電性磁性粒子
をマグネットロールなどで磁気拘束してブラシ状に形成
した磁気ブラシ部を有する部材(磁気ブラシ帯電器)を
用い、その磁気ブラシ部を被帯電体としての感光体に接
触させ、所定の帯電バイアスを印加して感光体面を所定
の極性・電位に帯電させるものである。
【0028】この磁気ブラシ帯電の場合はその帯電機構
は前記の注入帯電系が支配的である。
【0029】磁気ブラシ部を構成させる導電性磁性粒子
として粒径5〜50μmのものを用い、感光体と十分速
度差を設けることで、均一な注入帯電を可能にする。
【0030】図6の帯電特性グラフのCにあるように、
印加バイアスとほぼ比例した帯電電位を得ることが可能
になる。
【0031】しかしながら、磁気ブラシ部を構成してい
る導電性粒子が脱落して感光体に付着するなど他の弊害
もある。
【0032】また更に、上記(A)〜(C)の代表的な
接触帯電プロセスの他に、特公平7−99442号公報
に接触帯電部材に対し粉末を塗布というものが開示され
ている。これは接触帯電装置について、帯電ムラを防止
し安定した均一帯電を行うために、接触帯電部材に被帯
電体面との接触面に粉末を塗布する構成であり、接触帯
電部材が被帯電体に従動回転であり、スコロトロンなど
のコロナ帯電器と比べるとオゾン生成物の発生は格段に
少なくなっているものの、帯電原理は前述のローラ帯電
の場合と同様に依然として放電による帯電を主としてい
る。特に、より安定した帯電均一性を得るためにはDC
電圧にAC電圧を重畳した電圧を印加するために、放電
によるオゾン生成物の発生はより多くなってしまう。よ
って、長期に装置を使用した場合や、クリーナーレスの
画像形成装置を長期に使用した場合において、オゾン生
成物による画像流れなどの弊害が現れ易い。
【0033】一方、電子写真感光体の方からも接触注入
帯電を行えるようなアプローチが近年なされており、例
えば特開平6−3921号公報などには感光体表面にあ
るトラップ準位または電荷注入層の導電粒子などの電荷
保持部材に電荷を注入して接触注入帯電を行う方法が提
案されている。放電現象を用いないため、帯電に必要と
される電圧は所望する感光体表面電位分のみであり、オ
ゾンの発生もない。更に、AC電圧を印加しないので、
帯電音の発生もなく、ローラ帯電方式と比べると、オゾ
ンレス、低電力の優れた帯電方式である。
【0034】しかし、これらは表面に電荷注入層として
アンチモンやインジウムなどをドーピングして導電処理
したSnO2 などの導電性微粒子を含有した層を通常の
感光体の上に更にもう一層設けなければならなく、生産
性が悪くコストがかかってしまい、更には導電性微粒子
を使用するために環境の変化による抵抗変動の制御が難
しいという問題点があるのが実状である。
【0035】また近年、環境問題が大きくクローズアッ
プされてきており、電子写真装置より廃トナーを出さな
いシステムが数多く提案されている。これは通常トナー
リサイクルプロセス(クリーナーレスシステム)と呼ば
れており、例えば転写方式の画像形成装置においては、
転写後の感光体(像担持体)に残存する転写残トナーは
クリーナー(クリーニング装置)によって感光体面から
除去されて廃トナーが生成するのに対し、そこでクリー
ナーをなくし、転写後の感光体上の転写残トナーは現像
装置によって「現像同時クリーニング」で感光体上から
除去し現像装置に回収・再利用する装置構成にしたトナ
ーリサイクルプロセスの画像形成装置などが提案されて
いる。
【0036】この現像同時クリーニングとは、転写後に
感光体上に残留したトナーを次工程以降の現像時にかぶ
り取りバイアス(現像装置に印加する直流電圧と感光体
の表面電位間の電位差であるかぶり取り電位差Vbac
k)によって回収する方法である。この方法によれば、
転写残トナーは現像装置に回収されて次工程以降に再用
されるため、廃トナーをなくし、メンテナンスに手を煩
わせることも少なくすることができる。また,クリーナ
ーレスであることでスペース面での利点も大きく、画像
形成装置を大幅に小型化できるようになり環境問題以外
にも大きな利点がある。
【0037】
【発明が解決しようとする課題】上記の従来の技術の項
に記載したように、接触帯電において、接触帯電部材と
して帯電ローラやファーブラシを用いた簡易な構成で注
入帯電をすることが難しく、画像形成装置にあっては絶
対的帯電不良による画像のかぶり(反転現像の場合には
白地部が現像される)や帯電ムラなどが生じる。
【0038】接触帯電部材の被帯電体面との接触面に粉
末を塗布し、接触帯電部材が従動で、放電帯電を主とす
る接触帯電装置構成では、長期に装置を使用した場合
や、クリーナーレスの画像形成装置を長期に使用した場
合に、オゾン生成物が蓄積することにより画像流れが生
じ易くなる。
【0039】ゆえに、従来では注入帯電を行う場合の接
触帯電装置構成は磁気ブラシ帯電方式が一般的である。
しかし、この方式においても下記に示すような幾つかの
問題があった。
【0040】a)電位的には確認しにくい、微視的な注
入不良による画像欠陥の対策として、更なる注入性の向
上が望まれる。
【0041】b)注入帯電においては、被帯電体と帯電
部材との接触が十分に行われる必要があり、接触性を向
上させるために帯電磁性粒子を小さくして行くと、磁性
粒子が被帯電体表面に付着する欠点があり、帯電磁性粒
子を大きくして磁気拘束力を十分に与えると、磁性粒子
と被帯電体の接触機会が少なくなり注入帯電能力が低下
する。
【0042】c)クリーナーレスの画像形成装置におい
ては、転写残トナーが帯電部において帯電不良を引き起
こしてしまう。
【0043】d)あらゆる環境(低温〜高温/低湿〜高
湿)で常に安定し均一な注入帯電を行うことが難しく、
特に低湿下での帯電性に問題がある。
【0044】従って、本発明の目的は、磁気ブラシ方式
の接触帯電において、被帯電体である電子写真感光体と
帯電部材の接触不足の問題及び帯電部材と電子写真感光
体の間の注入性の問題を改善し、帯電均一性を向上さ
せ、かついかなる環境下でも長期に渡り安定した注入帯
電を実現する、即ち、低印加電圧でオゾンレスの注入帯
電を可能にする電子写真装置、該電子写真装置に用いる
電子写真感光体、及び該電子写真感光体を有するプロセ
スカートリッジを提供することにある。
【0045】またこれにより、オゾン生成物による障
害、帯電不良による障害などのない、クリーナーレスの
ような簡易な構成、低コストな電子写真装置を得ること
を目的とする。
【0046】
【課題を解決するための手段】本発明は、電子写真感光
体、該電子写真感光体とニップ部を形成し、磁性粒子を
磁気拘束させた磁気ブラシよりなる帯電部材に電圧を印
加することにより該電子写真感光体を帯電する帯電手
段、露光手段、現像手段及び転写手段を有する電子写真
装置において、該電子写真感光体の表面層が電荷輸送物
質及び比誘電率が2.6〜3.6の結着樹脂を含有し、
かつ該帯電部材と該電子写真感光体との接触面に、導電
性を有し、電気陰性度が16以下であり、主な粒径が1
0nm〜5μmの範囲である非磁性な帯電促進粒子を存
在させて、該電子写真感光体表面に注入帯電することを
特徴とする電子写真装置である。
【0047】また、本発明は、上記電子写真装置に用い
られる電子写真感光体である。
【0048】また、本発明は、上記電子写真装置に用い
られる電子写真感光体及び帯電手段を有するプロセスカ
ートリッジである。
【0049】
【発明の実施の形態】次に、本発明に係わる電子写真感
光体について詳しく説明する。
【0050】本発明の電子写真感光体は、表面層が電荷
輸送物質及び比誘電率が2.6〜3.6の結着樹脂を含
有し、適当な電荷発生物質と組み合わせて基本的に構成
される。
【0051】比誘電率が2.6〜3.6の結着樹脂とし
ては、例えば、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート
樹脂、スチレンーメタクリル共重合体樹脂、メタクリル
樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリサルホン樹脂
及びポリエーテルサルホン樹脂などが挙げられる。これ
らの結着樹脂は、単独またはこれらの構造単位を有する
2種以上の共重合体あるいはブロック共重合体でもよ
く、あるいは他のシリコーン(シロキサン)などの構造
単位を有する化合物との共重合体あるいはブロック共重
合体でもよい。
【0052】また、2種以上の異なる結着樹脂のブレン
ドでもよい。
【0053】また、本発明においては、前記該結着樹脂
が、下記一般式(1)で示される構造単位を有するポリ
カーボネート系の結着樹脂であることが好ましい。 一般式(1)
【0054】
【化7】 (式中、R1 、R2 、R3 及びR4 は水素原子、置換基
を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアラ
ルキル基、置換基を有してもよいアリール基、アルコキ
シ基またはハロゲン原子を示し、R1 、R2 、R3 及び
4 は同一であっても異なっていてもよい。Xは単結
合、置換基を有してもよいアルキレン基、置換基を有し
てもよいアルキリデン基、置換基を有してもよいフェニ
ルアルキリデン基、置換基を有してもよいシクロアルキ
レン基、置換基を有してもよいアリーレン基、カルボニ
ル基、チオカルボニル基、酸素原子または硫黄原子を示
す。)
【0055】また、本発明においては、前記該結着樹脂
が、下記一般式(2)で示される構造単位を有するポリ
アリレート系の結着樹脂であることが好ましい。 一般式(2)
【0056】
【化8】 (式中、R5 、R6 、R7 及びR8 は水素原子、置換基
を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアラ
ルキル基、置換基を有してもよいアリール基、アルコキ
シ基またはハロゲン原子を示し、R5 、R6 、R7 及び
8 は同一であっても異なっていてもよい。Yは単結
合、置換基を有してもよいアルキレン基、置換基を有し
てもよいアルキリデン基、置換基を有してもよいフェニ
ルアルキリデン基、置換基を有してもよいシクロアルキ
レン基、置換基を有してもよいアリーレン基、カルボニ
ル基、チオカルボニル基、酸素原子または硫黄原子を示
す。Zは置換基を有してもよいアルキレン基、置換基を
有してもよいアルキリデン基、置換基を有してもよいフ
ェニルアルキリデン基または置換基を有してもよいアリ
ーレン基を示す。)
【0057】また、本発明においては、前記該結着樹脂
が、下記一般式(3)で示される構造単位を有するスチ
レンーメタクリル共重合体系の結着樹脂であることが好
ましい。 一般式(3)
【0058】
【化9】 (式中、R9 及びR10は水素原子、置換基を有してもよ
いアルキル基、置換基を有してもよいアラルキル基、置
換基を有してもよいアリール基、アルコキシ基、ハロゲ
ン原子またはニトロ基を示す。m/nの比は9/1〜3
/7の範囲である。)
【0059】上記表現のアルキル基としては、メチル、
エチル、プロピル及びブチルなどの基が挙げられる。
【0060】アラルキル基としては、ベンジル及びフェ
ネチルなどの基が挙げられる。
【0061】アリール基としては、フェニル及びナフチ
ルなどの芳香族炭化水素基が挙げられる。
【0062】アルコキシ基としては、メトキシ、エトキ
シ、プロポキシ及びブトキシなどの基が挙げられる。
【0063】ハロゲン原子としては、フッ素、塩素及び
臭素などの原子が挙げられる。
【0064】アルキレン基としては、メチレン、エチレ
ン及びイソプロピリデンなどの基が挙げられる。
【0065】アルキリデン基としては、ビニレンなどの
基が挙げられる。
【0066】フェニルアルキリデン基としては、ジフェ
ニルメチレン及びフルオニリデンなどの基が挙げられ
る。
【0067】シクロアルキレン基としては、シクロヘキ
シリデン基及びシクロプロピリデン基などの基が挙げら
れる。
【0068】アリーレン基としては、ベンゼン、ナフタ
レン、ビフェニル及びフルオレンなどの芳香族炭化水
素、チオフェン、フラン及びオキサジアゾールなどの複
素環、トリフェニルアミン及びジフェニルスルフィドな
どから2個の水素原子を除いた、2価の芳香族炭化水素
基及び複素環基が挙げられる。
【0069】また、これらの基が有してもよい置換基と
しては、メチル、エチル、プロピル、ブチル及びヘキシ
ルなどのアルキル基、メトキシ、エトキシ及びフェノキ
シなどのアルコキシ基、フッ素、塩素及び臭素などのハ
ロゲン原子、フェニル、ナフチル及びビフェニルなどの
芳香族炭化水素基、トリフルオロメチルなどのハロアル
キル基及びニトロ基などがある。
【0070】なお、R1 またはR2 とR3 またはR4
は、単結合を形成して、Xを含む5〜6員環を形成して
もよい。
【0071】また、R5 またはR6 とR7 またはR8
は、単結合を形成して、Yを含む5〜6員環を形成して
もよい。
【0072】本発明に用いられる電子写真感光体の表面
層の結着樹脂は、比誘電率が2.6〜3.6であればい
かなるものでもよいが、一般式(1)で示される構造単
位を有するポリカーボネート系の結着樹脂、一般式
(2)で示される構造単位を有するポリアリレート系の
結着樹脂及び一般式(3)で示される構造単位を有する
スチレンーメタクリル共重合体系の結着樹脂が好まし
い。
【0073】これらの結着樹脂は、少なくとも一般式
(1)〜(3)で示される構造単位を有していればよ
く、これらは単独または2種以上の共重合体あるいはブ
ロック共重合体でもよく、あるいは他のシリコーン(シ
ロキサン)などの構造単位を有する化合物との共重合体
あるいはブロック共重合体でもよい。
【0074】また、2種以上の異なる結着樹脂のブレン
ドでもよい。
【0075】本発明において、結着樹脂の比誘電率の測
定は次の方法で行った。
【0076】アルミニウムシート上に、結着樹脂を溶解
した溶液をマイヤーバーで塗布、乾燥し、10μmの結
着樹脂膜を作成し、この膜上に電極として金を真空蒸着
した。
【0077】このサンプルをインピーダンスアナライザ
ー「4192A−LF」(横河HP製)で、交流周波数
1KHzでの比誘電率を測定した。
【0078】以下に比誘電率が2.6〜3.6の結着樹
脂及び一般式(1)〜(3)で示される化合物について
その代表例を以下に商品名で、また表1〜表3に構造式
で挙げる。ただし、これらの化合物に限定されるもので
はない。
【0079】<化合物例> ポリフェニレンエーテル[旭化成工業(株)製] 化合物例No.1 X―9108 化合物例No.2 X−1711 ポリサルホン[テイジンアコモエンジニアリングプラス
チックス(株)製] 化合物例No.3 GF−120 化合物例No.4 P−1720 ポリエーテルサルホン[テイジンアコモエンジニアリン
グプラスチックス(株)製] 化合物例No.5 A−200
【0080】
【表1】
【0081】
【表2】
【0082】
【表3】
【0083】
【表4】
【0084】
【表5】
【0085】
【表6】
【0086】
【表7】
【0087】
【表8】
【0088】
【表9】
【0089】
【表10】
【0090】また、感光体の構成としては、支持体の上
に単一の感光層を設けた単層型、及び電荷発生と電荷輸
送の機能を別々の層に分担させた積層型など、例えば以
下の形態が挙げられる。 (1)電荷発生物質を含有する層/電荷輸送物質を含有
する層 (2)電荷発生物質と電荷輸送物質を含有する層 (3)電荷発生物質を含有する層/電荷発生物質と電荷
輸送物質を含有する層
【0091】支持体と感光層の間にバリヤー機能や接着
機能を有する下引き層を設けたりしてもよい。これらの
構成の中で、支持体上に少なくとも電荷発生層と電荷輸
送層がこの順に積層された構成を有する積層型(上記形
態の(1)、(3)の構成)が感度や耐久性の面などよ
り特に好ましい。
【0092】以下に支持体上に電荷発生層と電荷輸送層
を積層した機能分離型感光体についてその作成方法を述
べる。
【0093】本発明における支持体としては、導電性を
有し例えば以下に示した形態のものを挙げることができ
る。 (1)アルミニウム、アルミニウム合金、ステンレス及
び銅などの金属を板形状またはドラム形状にしたもの。 (2)ガラス、樹脂及び紙などの非導電性支持体や前記
(1)の導電性支持体上にアルミニウム、パラジウム、
ロジウム、金及び白金などの金属を蒸着またはラミネー
トすることにより薄膜形成したもの。 (3)ガラス、樹脂及び紙などの非導電性支持体や前記
(1)の導電性支持体上に導電性高分子、酸化ズズ及び
酸化インジウムなどの導電性化合物の層を蒸着あるいは
塗布することにより形成したもの。
【0094】本発明に用いられる有効な電荷発生物質と
しては、例えば以下のような物質が挙げられる。これら
の電荷発生物質は単独で用いてもよく、2種類以上組み
合わせてもよい。 (1)モノアゾ、ビスアゾ及びトリスアゾなどのアゾ系
顔料 (2)インジゴ及びチオインジゴなどのインジゴ系顔料 (3)金属フタロシアニン及び非金属フタロシアニンな
どのフタロシアニン系 (4)ペリレン酸無水物及びペリレン酸イミドなどのペ
リレン系顔料 (5)アンスラキノン及びピレンキノンなどの多環キノ
ン系顔料 (6)スクアリリウム色素 (7)ピリリウム塩及びチオピリリウム塩類 (8)トリフェニルメタン系色素 (9)セレン及び非晶質シリコンなどの無機物質
【0095】電荷発生物質を含有する層、即ち電荷発生
層は前記のような電荷発生物質を適当な結着剤に分散
し、これを導電性支持体上に塗工することにより形成す
ることができる。また、導電性支持体上に蒸着、スパッ
タ及びCVDなどの乾式法で薄膜を形成することによっ
ても形成することができる。
【0096】上記結着剤としては広範囲な結着樹脂から
選択でき、例えば、ポリカーボネート樹脂、ポリエステ
ル樹脂、ブチラール樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニ
ルアセタール樹脂、ジアリルフタレート樹脂、アクリル
樹脂、メタクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、フェノール樹
脂、シリコーン樹脂、ポリスルホン樹脂、スチレンーブ
タジエン共重合体樹脂、アルキッド樹脂、エポキシ樹
脂、尿素樹脂及び塩化ビニルー酢酸ビニル共重合体樹脂
などが挙げられるが、これらに限定されるものではな
い。これらは単独または共重合体ポリマーとして1種ま
たは2種以上混合して用いてもよい。
【0097】電荷発生層中に含有する樹脂は、好ましく
は80重量%以下、より好ましくは40重量%以下であ
る。また、電荷発生層の膜厚は好ましくは5μm以下、
より好ましくは0.01〜2μmを持つ薄膜層とするこ
とが好ましい。また、電荷発生層には種々の増感剤を添
加してもよい。
【0098】電荷輸送物質を含有する層、即ち電荷輸送
層は、適当な電荷輸送物質と本発明の比誘電率が2.6
〜3.6の結着樹脂を組み合わせて形成することができ
る。
【0099】電荷輸送物質としては、例えばピレン及び
アントラセンなどの多環芳香族化合物、カルバゾール
系、インドール系、オキサゾール系、チアゾール系、オ
キサジアゾール系、ピラゾール系、ピラゾリン系、チア
ジアゾール系及びトリアゾール系などの複素環化合物、
トリアリールメタン系化合物、あるいはこれらの化合物
からなる基を主鎖または側鎖に有するポリマー(例えば
ポリ−N−ビニルカルバゾール及びポリビニルアントラ
センなど)などと組み合わせてもよい。
【0100】電荷輸送物質と結着樹脂との配合割合は、
結着樹脂100重量部あたり電荷輸送物質を10〜50
0重量部とすることが好ましい。電荷輸送層は、上述の
電荷発生層と電気的に接続されており、電界の存在下で
電荷発生層から注入された電荷キヤリアを受け取ると共
に、これらの電荷キヤリアを表面まで輸送できる機能を
有している。この電荷輸送層は電荷キヤリアを輪送でき
る限界があるので、必要以上に膜厚を厚くすることがで
きないが、好ましくは5〜40μm、より好ましくは1
0〜30μmである。
【0101】更に、電荷輸送層中に酸化防止剤、紫外線
吸収剤及び可塑剤などの添加剤を必要に応じ添加するこ
ともできる。
【0102】このような電荷輸送層を形成する際は、適
当な有機溶媒を用い、浸漬コーティング法、スプレーコ
ーティング法、スピンナーコーティング法、ローラーコ
ーティング法、マイヤーバーコーティング法及びブレー
ドコーティング法などのコーティング法を用いて行うこ
とができる。
【0103】
【作用】即ち、本発明は、表面層が電荷輸送物質と比誘
電率が2.6〜3.6の結着樹脂を含有した電子写真感
光体の表面と磁気ブラシ帯電部材との相互接触面に、導
電性を有し、電気陰性度が16以下であり、主な粒径が
10nm〜5μmの範囲である非磁性な帯電促進粒子を
存在させた状態で、電子写真感光体の接触帯電を行わせ
るものである。また、帯電部材は電子写真感光体に周速
差を持たせて接触させて電子写真感光体の接触帯電を行
わせることもできる。
【0104】帯電促進粒子の存在により、電子写真感光
体と接触帯電部材との相互接触面において、接触帯電部
材は密に電子写真感光体と接触して、その帯電促進粒子
が電子写真感光体表面を隙間なく摺擦することで、電子
写真感光体に接触確率の点から高効率に電荷を直接注入
でき、かつ帯電促進粒子が導電性を有し、電気陰性度が
10以下であることと、電子写真感光体の表面層が電荷
輸送物質と比誘電率が2.6〜3.6の結着樹脂を含有
していることにより、注入性の点から、より高効率に電
荷注入を行うことができる。かかる帯電促進粒子は、金
属酸化物や異種無機物をドープした金属酸化物等の導電
性無機粒子あるいは有機物との混合が用いられ、好まし
くは、異種無機物がドープされた酸化亜鉛粒子等が用い
られる。
【0105】本発明の帯電促進粒子は、主な粒径が10
nm〜5μmの範囲内のものを用いる。粒径が5μmを
超えた場合、感光体との接触頻度が少なくなるため、電
荷注入が不均一なものとなってしまい、画像上の不良が
生じる。粒径が10nm未満の場合、帯電促進粒子の飛
散が著しく多くなり、帯電器上や感光体上に存在する帯
電促進粒子の分布が安定せず、不均一になってしまい、
これも画像上の不良が生じてしまう。
【0106】また、本発明の帯電促進粒子は非磁性であ
る。先記したように本発明の帯電部材は磁気ブラシを用
いている。これに磁性の帯電促進粒子を用いた場合、帯
電部材のブラシを形成している、磁性体よりなる穂と穂
の間に帯電促進粒子が蓄積し、穂がブロッキングしてし
まい柔軟性が失われ、磁気ブラシ全体が硬くなるため、
感光体の削れ量が大きくなり、また傷なども入り易くな
る。また、現像手段として、磁性の現像剤を用いた、1
成分非接触現像や2成分現像が適用された場合、磁性の
帯電促進粒子が現像器内に取り込まれることにより、現
像設定条件が乱れ、画像不良が生ずるなどの問題が発生
する。
【0107】本発明においては、帯電部材が電子写真感
光体と周速差を持つと、接触頻度をより高くすることが
でき、更に高効率に電荷を注入できる。
【0108】即ち、接触帯電部材による感光体の帯電は
上記物性範囲内に規定された帯電促進粒子と電荷輸送物
質と比誘電率が2.6〜3.6の結着樹脂を含有してい
る感光体表面層により、帯電部材の接触不足、帯電部材
と感光体の間の注入性の問題が改善され、帯電均一性が
飛躍的に向上することになり、非常に高効率で均一な注
入帯電がいかなる環境でも長期に渡り安定して行うこと
が可能となった。
【0109】更に、従来の磁性微粒子を混入させる磁気
ブラシ帯電方式にみられた、被帯電体である感光体に付
着してしまうことによる、注入性のダウンなどの弊害は
生じず、非常に高効率で均一な注入帯電を行うことが可
能となった。
【0110】かくして、注入帯電に必要な印加バイアス
は感光体に必要な電位相当の電圧で十分であるため、放
電現象を用いない安定かつ安全な帯電方式を実現するこ
とができる。
【0111】また、これにより、均一な帯電性を与える
ことができ、オゾン生成物による障害や帯電不良による
障害などのない、簡易な構成、低コストな電子写真装
置、導電粒子である帯電促進粒子を供給する手段を持つ
ことにより、装置を長期に使用した場合においても帯電
を安定して行うことができる。
【0112】導電粒子である帯電促進粒子は、100個
/mm2 以上存在させることが好ましく、抵抗値は好ま
しくは1×1012Ω・cm以下、より好ましくは1×1
10Ω・cm以下であることにより、注入帯電において
更に均一でかつ安定した帯電が可能となる。
【0113】
【実施例】〈実施例1、装置形態例−1〉図1は本発明
に従う接触帯電装置を具備した画像形成装置の一例の概
略構成模型図である。本例の画像形成装置は、転写方式
電子写真プロセス利用、プロセスカートリッジ着脱方式
のレーザービームプリンタである。
【0114】(1)本例プリンタの全体的概略構成 1は像担持体(被帯電体)としての回転ドラム型の電子
写真感光体である。本例は直径30mmの負帯電のOP
C感光体であり、矢示の時計方向に回転駆動される。
【0115】2は感光体1に当接させた接触帯電部材と
しての磁気ブラシ帯電器であり、感光体1と3mm幅の
帯電ニップ部nを形成して接し、帯電ニップ部nにおい
て感光体1の回転方向と同じ方向に回転(X方向に回
転)、あるいは逆方向に回転(Y方向に回転)して回転
駆動される。即ち、接触帯電部材としての磁気ブラシ2
は感光体1に接触し感光体1を摺擦する。そして、帯電
バイアス印加電源S1からDC帯電バイアスが印加され
て、感光体1が注入帯電される。
【0116】この回転感光体1の帯電面に対してレーザ
ーダイオード及びポリゴンミラーなどを含むレーザービ
ームスキャナ3から出力される目的の画像情報の時系列
電気ディジタル画素信号に対応して強度変調されたレー
ザービームによる走査露光Lがなされ、回転感光体1の
周面に対して目的の画像情報に対応した静電潜像が形成
される。
【0117】その静電潜像は本例の場合は磁性一成分絶
縁トナー(ネガトナー)tを用いた反転現像装置4によ
りトナー像として現像される。
【0118】4a はマグネット4bを内包させた、現像
剤担持搬送部材として直径16mmの非磁性現像スリー
ブである。この現像スリーブ4aは感光体1に対して3
00μmの離間距離をあけて対向配設し、感光体1との
対向部である現像部(現像領域部)aにて感光体1の回
転方向と順方向に感光体1と等速で回転させた。
【0119】この回転現像スリーブ4aに規制ブレード
4cで現像剤(トナー)tが薄層にコートされる。現像
剤は規制ブレード4cで回転現像スリーブ4aに対する
層厚が規制され、また電荷付与される。回転現像スリー
ブ4aにコートされた現像剤はスリーブ4aの回転によ
り、感光体1とスリーブ4aの対向部である現像部aに
搬送される。またスリーブ4aには現像バイアス印加電
源S2より現像バイアス電圧が印加され、現像スリーブ
4aと感光体1の間で1成分ジャンピング現像を行わせ
た。
【0120】現像剤(トナー)tは、公知の結着樹脂、
磁性体粒子及び電荷制御剤を混合し、混練、粉砕及び分
級の各行程を経て作成されたものである。本例におい
て、トナーtの重量平均粒径(D4)は7μmである。
【0121】一方、不図示の供給部から記録媒体として
の転写材Pが供給されて、回転感光体1と、これに所定
の押圧力で当接させた接触転写手段としての、中抵抗の
転写ローラ5との圧接ニップ部(転写部)bに所定のタ
イミングにて導入される。転写ローラ5には転写バイア
ス印加電源S3から所定の転写バイアス電圧が印加され
る。
【0122】転写部bに導入された転写材Pはこの転写
部bを挟持搬送されて、その表面側に回転感光体1の表
面に形成担持されているトナー画像が順次に静電気力と
押し圧力にて転写されていく。
【0123】トナー画像の転写を受けた転写材Pは感光
体1の面から分離されて熱定着方式などの定着装置6へ
導入されてトナー画像の定着を受け、画像形成物(プリ
ント、コピー)として装置外へ排出される。
【0124】また、転写材Pに対するトナー画像転写後
の感光体1面はクリーニング装置7により残留トナーな
どの付着汚染物の除去を受けて清掃され繰り返して作像
に供される。
【0125】8は感光体1面に対する帯電促進粒子塗布
装置であり、クリーニング装置7と磁気ブラシ2との間
位置において感光体1面に所定量の帯電促進粒子(帯電
補助粒子)mを塗布する。この装置8により感光体1面
に塗布された帯電促進粒子mは感光体1の回転に伴い感
光体1と接触帯電部材としての磁気ブラシ2との接触部
である帯電部nに持ち運ばれて帯電部nに帯電促進粒子
mが存在した状態で磁気ブラシ2による感光体1の接触
帯電処理がなされる。
【0126】本例のプリンタは、感光体1、磁気ブラシ
2、現像装置4、クリーニング装置7及び帯電促進粒子
塗布装置8の5つのプロセス機器をカートリッジPCに
包含させてプリンタ本体に対して一括して着脱交換自在
のカートリッジ方式の装置である。プロセスカートリッ
ジ化するプロセス機器の組み合わせなどは上記に限られ
るものではなく任意である。9,9はプロセスカートリ
ッジPCの着脱案内・保持部材である。なお、本発明に
おいて電子写真装置はカートリッジ方式の装置に限られ
るものではない。
【0127】(2)感光体1 本例の負帯電のOPC感光体1は、図2に層構成模型図
を示したように、φ30mmのアルミニウム製のドラム
支持体(アルミ支持体)11上に4層の機能層12〜1
5を下から順に設けたものである。
【0128】(3)磁気ブラシ2 本例で用いた接触帯電部材としての磁気ブラシ2はスリ
ーブ回転タイプのものであり、非磁性導電性スリーブ
(帯電スリーブ)2cと、この帯電スリーブ2c内に固
定配置された磁界発生手段としてのマグネットロール2
dと帯電スリーブ2cの外周面に内部のマグネットロ−
ル2dの磁力で磁気吸着させて保持させた帯電磁性粒子
(導電性磁性粒子、磁性キャリア)の磁気ブラシ部2e
からなり、磁気ブラシ部2eを感光体1面に所定幅で接
触させて帯電部nを形成させて配設してある。
【0129】帯電スリーブ2cは感光体1との接触部n
において感光体1の回転方向と同じ方向、あるいは逆方
向に回転駆動される。これにより、磁気ブラシ部2eも
回転搬送されて感光体1面が磁気ブラシ2eで摺擦され
る。
【0130】そして、帯電スリーブ2cに対して、帯電
バイアス印加電源S1により所定の帯電バイアス電圧が
印加されることで、印加帯電バイアスDC電圧にほぼ対
応した極性電位に回転感光体1が注入帯電される。
【0131】磁気ブラシの磁性粒子としては樹脂とマグ
ネタイトなどの磁性粉体を混練して粒子に成型したも
の、もしくはこれに抵抗値調節のために導電カーボンな
どを混ぜたもの、焼結したマグネタイト、フェライト、
もしくはこれらを還元または酸化処理して抵抗値を調節
したもの、上記の磁性粒子を抵抗調整をしたコート材
(フェノール樹脂にカーボンを分散したものなど)でコ
ートまたはNiなどの金属でメッキ処理して抵抗値を適
当な値にしたものなどが挙げられる。
【0132】これら磁性粒子の抵抗値としては、高過ぎ
ると感光ドラムに電荷が均一に注入できず、微小な帯電
不良によるカブリ画像となってしまう。低過ぎると感光
ドラム表面にピンホールがあったとき、ピンホールに電
流が集中して帯電電圧が降下し感光ドラム表面を帯電す
ることができず、帯電ニップ状の帯電不良となる。よっ
て、磁性粒子の抵抗値としては、1×104 〜1×10
7 Ωが望ましい。
【0133】磁性粒子の抵抗値は、電圧が印加できる金
属セル(底面積228mm2 )に磁性粒子を2g入れた
後6.6kg/cm2 で加重し、電圧を1〜1000V
印加して測定した。
【0134】磁性粒子の磁気特性としては、ドラムへの
磁性粒子付着をできるだけ抑えるために磁気力を高くす
る方がよく、飽和磁化が50(A・m2 /kg)以上で
あることが望ましい。
【0135】実際に、本実施例で用いた磁性粒子は、平
均粒径が50μmで、抵抗値が1×105 Ω、飽和磁化
が58(A・m2 /kg)であった。
【0136】本例では、磁気ブラシ2が感光体表面の移
動方向と同じ方向に移動、あるいは逆方向に移動しても
よいが、回転数及び回転方向は磁気ブラシ2と感光体1
の帯電ニップ部nの太さ、磁気ブラシの密度、感光体の
表面抵抗、またプロセススピード(感光体周速)などの
条件が変れば、最適な磁気ブラシ帯電器の回転数も変わ
る。
【0137】ここで記述した周速比は 周速比(%)=[(帯電ブラシ周速−感光体周速)/感
光体周速]×100 であり、帯電ブラシ周速は感光体表面と同じ方向に移動
するとき正の値となる。
【0138】(4)帯電促進粒子mと電荷注入帯電 電荷注入帯電は、中抵抗の接触帯電部材で、放電現象を
介さずに感光体表面に直接電荷注入を行うものである。
よって、接触帯電部材への印加電圧が放電閾値以下の印
加電圧であっても、被帯電体としての感光体を印加電圧
相当の電位に帯電することができる。
【0139】既に説明したように接触帯電部材として磁
気ブラシを用いた場合でも、更なる高効率な注入帯電が
望まれていた。ゆえに、本発明では、接触確率のアッ
プ、注入性のアップにより、これを達成するに至った。
【0140】つまり、接触確率のアップに関しては、本
実施例の図1に示すように被帯電体としての感光体1の
表面に帯電促進粒子mを塗布する装置8を設け、感光体
表面に帯電促進粒子mを102 個/mm2 以上塗布する
ことで、達成することが可能となった。帯電促進粒子塗
布装置8は、粉体粒子を塗布する一般的な手段、例えば
塗布ローラー8a上に一度均一に塗布した後、感光体上
に接触または電界で飛翔させることなどにより塗布する
構成を用いることができる。
【0141】図3に帯電促進粒子mが感光体上に存在し
たときに、帯電部材(この場合は磁気ブラシ)の接触機
会を改善しているモデル図を示す。
【0142】この帯電促進粒子mをどれくらいの密度で
感光体1上に塗布することで均一帯電性の効果が得られ
るかを、人間の視覚特性を考慮した考察と、それに基づ
く実験より求めた値が本発明の帯電促進粒子塗布密度範
囲である。
【0143】即ち、レーザービームプリンタの記録解像
度は近年300dpiから600dpiと高解像度化が
進んでいるが、帯電時は少なくともこの記録解像度より
は均一な接触帯電が必要なことは言うまでもない。
【0144】また、人間の目の視覚特性に関して、図4
の特性グラフのように、空間周波数が10(cycle
s/mm)以上では、画像上の識別諧調数が限りなく1
に近づいていく、即ち濃度ムラを識別できなくなる。
【0145】この特性を積極的に利用すると、感光体1
上に帯電促進粒子mを付着させた場合、少なくとも感光
体1で10(cycles/mm)以上の密度で帯電促
進粒子mを存在させ、この粒子mを基に接触注入帯電を
行えばよいことになる。
【0146】例え粒子mの存在しない所に帯電不良が発
生したとしても、その帯電不良によって発生する画像上
の濃度ムラは、人間の視覚特性を越えた空間周波数領域
に発生するため、画像上なんら問題はないことになる。
【0147】表4に帯電促進粒子mの塗布密度を変えた
ときに、画像上に濃度ムラとしての帯電不良が認知され
るかどうかの結果を示す。
【0148】 A:画像不良は全く認知されない B:画像不良はほとんど認知されない C:画像不良は認知される
【0149】帯電促進粒子mの塗布密度は、光学あるい
は電子顕微鏡による観察から、感光体上の塗布密度を測
定した。
【0150】具体的には、帯電バイアスを印加しない状
態で感光体1及び帯電部材2の回転を停止し、感光体1
の表面をビデオマイクロスコープ(OLYMPUS製O
VM1000N)及びデジタルスチルレコーダ(DEL
TIS製SR−3100)で撮影した。その方法はビデ
オマイクロスコープにて表面を1000倍の対物レンズ
で10箇所以上撮影した。得られたデジタル画像から個
々の粒子を領域分離するため、ある閾値を持って2値化
処理し、粒子の存在する領域の数を所望の画像処理ソフ
トを用いて計測した。
【0151】表4から分かるように、帯電促進粒子mを
わずかにでも塗布すれば(例えば10個/mm2 )、帯
電ムラ発生の抑制に効果が認められるが、画像上の濃度
ムラが人間にとって許容可能かどうかと言う点において
はまだ不十分である。
【0152】ところが、その塗布量を102 個/mm2
以上すると、画像の主観評価において急激に好ましい結
果が得られるようになる。
【0153】更に、塗布量を103 個/mm2 以上増加
させていくことにより、帯電不良に起因する画像上の問
題点は皆無となる。
【0154】注入帯電方式による帯電では、放電帯電方
式とは根本的に異なり、帯電部材が感光体に確実に接触
することで帯電が行われている訳であるが、例え帯電促
進粒子mが感光体1上に塗布したとしても、接触できな
い部分は必ず存在する。ところが、本発明の人間の視覚
特性を積極的に利用した帯電促進粒子塗布を行うこと
で、実用上この問題点を解決することが可能となった。
【0155】また、粒子mの塗布量の上限値は、粒子m
が感光体1上に1層均一に塗布されるまでであり、それ
以上塗布されても効果が向上するわけではなく、逆に露
光光源を遮ったり、散乱させたりという弊害が生じる。
【0156】塗布密度上限値は粒子mの粒径によっても
変わってくるために、一概にはいえないが、強いて記述
するならば、粒子mが感光体1上に1層均一に塗布され
る量が上限である。
【0157】例えば本例において、帯電促進粒子の量
は、5×105 個/mm2 を超えると、粒子自体の光透
過性を問わず、感光体1への露光量不足が生じる。5×
105個/mm2 以下では悪影響を改善できる。ゆえに
帯電促進粒子の塗布密度は、画像上の評価と露光量の関
係から102 〜5×105 個/mm2 であることが好ま
しい。
【0158】本例では、帯電促進粒子mとして比抵抗が
106 Ω・cm、二次凝集体を含めた平均粒径3μmの
導電性酸化亜鉛粒子を用いたが、粒子mの材料として
は、他の金属酸化物や異種無機物をドープした金属酸化
物などの導電性無機粒子や有機物との混合物などで導電
性を有し、電気陰性度が16以下であり、主な粒径が1
0nm〜5μmの範囲である非磁性な粒子が使用可能で
ある。
【0159】本発明で用いることができる帯電促進粒子
は、例えば金属酸化物の場合、その金属イオンの電気陰
性度で規定され、MgO、ZnO、PbO、CdO、H
gO、Eu23 、Nd23 、Tm23 、Dy2
3 、Y23 、La23 、CoO、Sc23 、Ni
O、CuO、Al23 、Cr23 、Ga23 、G
eO2 、SnO2 及びTiO2 などの電気陰性度が16
以下の粒子が挙げられる。
【0160】磁性粒子であるFe23 は電気陰性度は
13程度であり、電荷注入性に関しては特に問題は生じ
ない。しかし、先記したように、本実施例の磁性1成分
現像装置を用いた場合、現像器内に帯電促進粒子が蓄積
し、画像不良が生じてしまう。また、非磁性現像方式の
場合においても、この装置で画像をとり続けると、帯電
部材である磁気ブラシ中に、蓄積した帯電促進粒子によ
り、磁気ブラシがブロッキングしてしまい、感光体の表
面に深い傷が入り、画像不良が生ずるなどの問題が発生
する。
【0161】粒子抵抗は粒子を介した電荷の授受を行う
ため比抵抗としては1012Ω・cm以下が望ましく、更
には1010Ωcm以下がより望ましい。抵抗測定は、錠
剤法により測定し正規化して求めた。底面積2.26c
2 の円筒内に凡そ0.5gの粉体試料を入れ上下電極
に15kgの加圧を行うと同時に100Vの電圧を印加
し抵抗値を計測、その後正規化して比抵抗を算出した。
【0162】また、粒径は良好な帯電均一性を得るため
に50μm以下において効果が現れるが、人の視覚特性
を考慮すると、約5μm以下の細かい粒子を用いること
で、帯電時に発生する帯電不良部分の画像への影響を、
視覚的に認識されにくい状態が得られる。
【0163】本発明において、粒子が凝集体として構成
されている場合の粒径は、その凝集体としての平均粒径
として定義した。粒径の測定には、光学あるいは電子顕
微鏡による観察から、100個以上抽出し、水平方向最
大弦長を測って体積粒度分布を算出しその50%平均粒
径をもって決定した。
【0164】以上述べたように帯電促進粒子mは、一次
粒子の状態で存在するばかりではなく二次粒子の凝集し
た状態で存在することもなんら問題はない。どのような
凝集状態であれ、凝集体として帯電促進粒子としての機
能が実現できればその形態は重要ではなく、重要なのは
その粒子密度である。
【0165】一方、磁気ブラシ帯電では、磁気ブラシ部
2eを構成している磁性粒子が帯電時に少しづつ感光体
1に付着するという課題があり、磁性粒子を帯電性向上
のために積極的に微粒子化することができないという問
題があった。
【0166】ところが、本発明によれば、帯電均一性は
帯電促進粒子の存在密度により、ほぼ決まるため、磁気
ブラシ部2eを構成させる帯電促進粒子をむやみに微粒
子化する必要が無くなった。そのため、使用する磁性粒
子を比較的大きい粒子、例えば従来用いられてきた、2
0〜50μm径の磁性粒子に対して、50〜100μm
径程度の粒子まで粒径を大きくして磁気拘束力を大きく
することで、感光体に対する磁性粒子付着の問題をほぼ
解決することが可能となった。
【0167】〈実施例2、装置形態例−2〉図5は本例
の画像形成装置の概略構成図である。本例の画像形成装
置は上述の実施形態例のプリンタ(図1)において、ク
リーニング装置7をなくしてクリーナーレスシステムと
し、また帯電促進粒子塗布装置8をなくし、その代わり
に現像装置4の現像剤(トナー)tに帯電促進粒子mを
外添することで、現像装置4に感光体1に対する帯電促
進粒子供給と塗布手段を兼ねさせたものである。
【0168】トナーtは公知の結着樹脂、磁性体粒子及
び電荷制御剤を混合し、混練、粉砕及び分級の各行程を
経て作成し、更に前述の帯電促進粒子mを外添剤として
トナーに添加し作成されたものである。トナーtの重量
平均粒径(D4)は7μmであり、これに対し帯電促進
粒子mとしての導電性酸化亜鉛粒子の粒径は3μmであ
った。
【0169】帯電促進粒子mの粒径を10nm以上トナ
ー粒径以下に構成することで、トナーtの流動化剤とし
て機能させることが可能になる。
【0170】トナーtに対する帯電促進粒子mの配合量
は、一般には、トナー100重量部に対して0.01〜
20重量部の範囲で設定される。
【0171】クリーナーレスシステムの場合は、転写剤
Pに対するトナー像転写後の回転感光体1面に残留の転
写残トナーはクリーナーで除去されることなく、感光体
1の回転にともない帯電部nを経由して現像部aに至
り、現像装置4において現像同時クリーニング(回収)
される(トナーリサイクルプロセス)。
【0172】現像同時クリーニングは前述したように、
転写後に感光体1上に残留したトナーを引き続く画像形
成工程の現像時、即ち引き続き感光体を帯電し、露光し
て潜像を形成し、その潜像の現像時において、現像装置
のかぶり取りバイアス、即ち現像装置に印加する直流電
圧と感光体の表面電位間の電位差であるかぶり取り電位
差Vbackによって回収するものである。本実施例に
おけるプリンタのように反転現像の場合では、この現像
同時クリーニングは、感光体の暗部電位から現像スリー
ブにトナーを回収する電界と、現像スリーブから感光体
の明部電位へトナーを付着させる電界の作用でなされ
る。
【0173】現像装置4の現像剤tに混入させた帯電促
進粒子mは、現像装置4による感光体1側の静電潜像の
トナー現像時にトナーとともに適当量が感光体1側に移
行する。
【0174】感光体1上のトナー画像は転写部bにおい
て転写バイアスの影響で記録媒体である転写材P側に引
かれて積極的に転移するが、感光体1上の帯電促進粒子
mは導電性であることで転写材P側には積極的には転移
せず、感光体1上に実質的に付着保持されて残留する。
【0175】そして、クリーニング装置はないので、転
写後の感光体1面に残存の転写残トナー及び上記の残存
帯電促進粒子mは感光体1と接触帯電部材である磁気ブ
ラシ2の接触部である帯電部nに感光体1面の移動でそ
のまま持ち運ばれる。従って、感光体1と磁気ブラシ2
との相互接触面部nにこの帯電促進粒子mが存在した状
態で感光体1の接触帯電が行われる。
【0176】帯電部nを通過した転写残トナー及び帯電
促進粒子m、また磁気ブラシ2に付着・混入した転写残
トナー及び帯電促進粒子mは磁気ブラシ2から徐々に感
光体1上に吐き出されて、感光体1面の移動と共に現像
部aに至り、現像装置4において現像同時クリーニング
(回収)される。
【0177】また、クリーナーレスシステムの画像形成
装置の場合は、装置が稼動されることで、現像装置4の
現像剤tに混入させてある帯電促進粒子mが現像部aで
感光体1面に移行し該像担持面の移動により転写部bを
経て帯電部nに持ち運ばれて帯電部nに新しい粒子mが
逐次に供給され続けるため、帯電部nにおいて帯電促進
粒子mが脱落などで減少したり、該粒子mが劣化するな
どしても、帯電性の低下が生じることが防止されて良好
な帯電性が安定して維持される。感光体に塗布された帯
電促進粒子がクリーニング装置により除去されることが
無くなったために、感光体表面には常に十分な帯電促進
粒子mが存在することが可能となり、少量の促進粒子m
をトナーtに外添するだけで、帯電性を飛躍的に向上す
ることが可能になった。
【0178】また、当然ながら転写残トナーも再利用さ
れることになり、トナーの有効利用が可能になる。
【0179】なお、印字初期においては磁気ブラシ2と
感光体1の接触部nには帯電促進粒子が供給されないの
で接触部nには適当量の帯電促進粒子を予め介在させて
おくことがよい。
【0180】〈実施例3、感光体の評価例〉以下、部は
重量部を表わす。
【0181】10%酸化アンチモンを含有する酸化スズ
で被覆した酸化チタン粉体50部、レゾール型フェノー
ル樹脂25部、メチルセルソルブ30部、メタノール3
0部及びシリコーンオイル(ポリジメチルシロキサンポ
リオキシアルキレン共重合体、重量平均分子量300
0)0.002部を1mmΦガラスビーズを用いたサン
ドミル装置で2時間分散して導電層用の塗料を調製し、
この塗料を30mmΦのアルミニウムシリンダー上に浸
漬塗布し、140℃で30分乾燥させ、膜厚20μmの
導電層を形成した。
【0182】次に、6−66−610−12四元系ポリ
アミド共重合体5部を、メタノール70部とブタノール
25部の混合溶媒に溶解した溶液を上記導電層上に浸漬
塗布し、乾燥して膜厚1μmの下引き層を形成した。
【0183】次に、電荷発生物質として、オキシチタニ
ウムフタロシアニン10部を用い、ポリビニルブチラー
ル(商品名:エスレックBX−1、積水化学(株)製)
10部をシクロヘキサノン400部に溶解した液と共
に、1mmΦガラスビーズ400部を用いてサンドミル
装置で5時間分散した後、酢酸エチル400部を加えて
電荷発生層用の塗布液を調製した。この塗布液を上記下
引き層上に浸漬塗布し、80℃で10分間乾燥して膜厚
0.2μmの電荷発生層を形成した。
【0184】次に、電荷輸送物質として、下記構造式で
示されるスチリル化合物を10部用い、化合物例No.
24のポリカーボネート(重量平均分子量46000)
[比誘電率ε=3.0]10部と共にジクロロメタン2
0部とモノクロロベンゼン50部の混合溶媒に溶解し、
この液を上記電荷発生層上に浸漬塗布し110℃で60
分乾燥し、膜厚20μmの電荷輸送層を形成し、電子写
真感光体を作成した。スチリル化合物
【0185】
【化10】
【0186】一方、装置形態例−1の装置において、反
転現像装置4を取り外し電位測定プローブを取り付け改
造した。
【0187】これに前記電子写真感光体を取り付けて、
下記測定条件で帯電ブラシにDC電圧を0Vから800
Vまで印加し感光体の帯電電位を測定した。
【0188】[測定条件] ・感光体の周速度;100mm/sec ・感光体と磁気ブラシの周速比;−150%(磁気ブラ
シがY方向に50mm/secで回転) ・感光体と磁気ブラシのニップ幅;3mm ・帯電促進粒子の塗布量;102 個/mm2
【0189】<比較例1、2、3及び4〉化合物例N
o.24のポリカーボネートに代えて、下記結着樹脂
(比較CTB)を用いた他は、実施例3と同様に電子写
真感光体を作成し同様な評価を行った。
【0190】これらの結果を図7に示す。
【0191】比較CTB1 ポリスチレン(重量平均分子量80000) 比誘電率
ε=2.5 比較CTB2 ポリエステル S−1000[住友化学工業(株)製] 比較CTB3 ポリサルホン GF−130[テイジンアコモエンジニ
アリングプラスチックス(株)製]比誘電率ε=3.7 比較CTB4 ポリエーテルサルホン AG−320[テイジンアコモ
エンジニアリングプラスチックス(株)製]比誘電率ε
=3.8
【0192】図7のグラフの結果から、本発明で用いる
帯電方法は、磁気ブラシへの印加電圧が放電閾値以下の
印加電圧であっても感光体がリニアに帯電できることが
分る。更に、本発明の感光体は比較感光体と比べ注入帯
電性に優れ、印加電圧相当の電位に帯電できることが分
る。 〈実施例4〉下記構造式で示されるヒドラゾン化合物1
0部と化合物例No.14のポリカーボネート(重量平
均分子量100000)[比誘電率ε=3.1]10部
をモノクロロベンゼン100部に溶解した。この液を片
面アルミ蒸着マイラー(膜厚12μm)のマイラー面上
に塗布し、110℃で60分乾燥し、20μmの電荷輸
送層を形成し、30mmΦのアルミニウムシリンダーに
巻き付けた。ヒドラゾン化合物
【0193】
【化11】
【0194】これを、実施例3で用いた装置形態例−1
の装置の改造機に取り付けて、下記測定条件で帯電効率
を常温/常湿=23℃/50%RH(N/N)下、高温
/高湿=35℃/85%RH(H/H)下及び低温/低
湿=15℃/10%RH(L/L)下で測定した。結果
を表5に示す。
【0195】[測定条件] ・巻き付けアルミニウムシリンダーの周速度;100m
m/sec ・巻き付けアルミニウムシリンダーと磁気ブラシの周速
比;0%(磁気ブラシがX方向に100mm/secで
回転) 及び−150%(磁気ブラシがY方向に50m
m/secで回転) ・巻き付けアルミニウムシリンダーと磁気ブラシのニッ
プ幅;3mm ・帯電促進粒子の塗布量;102 個/mm2 ・帯電効率(%)=[1回転目の帯電電位(―V)/印
加電圧(―700V)]×100
【0196】〈比較例5〜8〉化合物例No.14のポ
リカーボネートに代えて、前記比較CTB1、比較CT
B2、比較CTB3及び比較CTB4を用いた他は、実
施例4と同様にサンプルを作成し同様な評価を行った。
【0197】各結着樹脂の比誘電率及び結果を表5に示
す。
【0198】〈実施例5〜13〉化合物例No.14の
ポリカーボネートに代えて、化合物例No.3のポリサ
ルホンGF−120[テイジンアコモエンジニアリング
プラスチックス(株)製]、化合物例No.5のポリエ
ーテルサルホンA−200[テイジンアコモエンジニア
リングプラスチックス(株)製]、化合物例No.12
のポリカーボネート(重量平均分子量85000)、化
合物例No.48のポリアリレート(重量平均分子量1
10000)、化合物例No.50のポリアリレート
(重量平均分子量90000)、化合物例No.66の
スチレンーメタクリル共重合体(重量平均分子量120
000)、化合物例No.12と化合物例No.14の
1:1の共重合体(重量平均分子量120000)、化
合物例No.24とポリジメチルシロキサン(重量平均
分子量7000)の9:1のブロック共重合体(重量平
均分子量130000)、及び化合物例No.24のポ
リカーボネート(重量平均分子量46000)と化合物
例No.48のポリアリレート(重量平均分子量110
000)の1:1のブレンドを用いた他は、実施例4と
同様にサンプルを作成し同様な評価を行った。
【0199】各結着樹脂の比誘電率及び結果を表5に示
す。
【0200】
【0201】〈実施例14〉実施例3で用いた電子写真
感光体を、装置形態例−2の画像形成装置に取り付け、
ベタ白画像及びハーフトーン画像を評価した。
【0202】下記測定条件で、N/N下で初期及び20
00枚耐久後の画像評価を行った。結果を表6に示す。
【0203】[測定条件] ・感光体の周速度;100mm/sec ・感光体と磁気ブラシの周速比;−200%(磁気ブラ
シがY方向に100mm/secで回転) ・感光体と磁気ブラシのニップ幅;3mm ・トナーに対する帯電促進粒子の配合量;2重量%
【0204】〈比較例9〜12〉比較例1、2、3及び
4で用いた電子写真感光体を、実施例14と同様に評価
した。
【0205】各結着樹脂の比誘電率及び結果を表6に示
す。
【0206】〈実施例15〜20〉化合物例No.24
のポリカーボネートに代えて、化合物例No.3のポリ
サルホンGF−120、化合物例No.12のポリカー
ボネート(重量平均分子量85000)、化合物例N
o.35のポリカーボネート(重量平均分子量9300
0)、化合物例No.48のポリアリレート(重量平均
分子量110000)、化合物例No.50のポリアリ
レート(重量平均分子量90000)、及び化合物例N
o.66のスチレンーメタクリル共重合体(重量平均分
子量120000)を用いた他は、実施例3と同様に電
子写真感光体を作成し、実施例14と同様に評価した。
【0207】各結着樹脂の比誘電率及び結果を表6に示
す。
【0208】
【0209】表6の結果から、本発明の感光体は帯電均
一性に優れ、帯電不良や帯電ムラに起因する画像欠陥が
ない良好な画像が得られ、耐久特性も優れている。
【0210】〈実施例21〉化合物例No.24のポリ
カーボネート(重量平均分子量46000)を用い、実
施例3と同様に電子写真感光体を作成した。これを実施
例3で用いた装置形態例−1の装置の改造機に取り付け
て、下記測定条件で帯電効率をN/N下、H/H下、L
/L下で測定した。結果を表7に示す。
【0211】[測定条件] ・感光体の周速度;100mm/sec ・感光体と磁気ブラシの周速比;−150%(磁気ブラ
シがY方向に50mm/secで回転) ・感光体と磁気ブラシのニップ幅;3mm ・帯電促進粒子の塗布量;102 個/mm2 ・帯電促進粒子;ZnO(比抵抗106 Ω・cm、平均
粒径3μm、電気陰性度=8.0) ・帯電効率(%)=[1回転目の帯電電位(―V)/印
加電圧(―700V)]×100
【0212】〈実施例22〜24〉帯電促進粒子として
ZnOに代えて、CuO(電気陰性度=9.5)、Ge
2 (電気陰性度=11)、SnO2 (電気陰性度=1
6)を用いた他は実施例21と同様に評価を行った。結
果を表7に示す。
【0213】〈比較例13及び14〉帯電促進粒子とし
てZnOに代えて、Nb25 (電気陰性度=18)、
MoO3 (電気陰性度=23)を用いた他は実施例21
と同様に評価を行った。結果を表7に示す。
【0214】なお、実施例22〜24,比較例13及び
14で用いた帯電促進粒子は、比抵抗が106 Ω・cm
〜108 Ω・cm、平均粒径が3μmであった。
【0215】
【0216】表7の結果から、本発明の電気陰性度が1
6以下の帯電促進粒子は帯電効率が良く、電気陰性度が
10以下の帯電促進粒子は更に良い。
【0217】その他に、 1)被帯電体1や接触帯電部材2に対する帯電促進粒子
供給・塗布手段8は実施例に限られるものではなく、そ
の他、例えば、帯電促進粒子mを含ませた発泡体あるい
はファーブラシを被帯電体1や接触帯電部材2に当接さ
せて配設する手段構成とするなど任意である。
【0218】2)接触帯電部材2や現像スリーブ4aに
対する印加帯電バイアスあるいは印加現像バイアスは直
流電圧に交番電圧(交流電圧)を重畳してもよい。
【0219】交番電圧の波形としては、正弦波、矩形波
及び三角波など適宜使用可能である。また、直流電源を
周期的にオン/オフすることによって形成された矩形波
であってもよい。このように交番電圧の波形として周期
的にその電圧値が変化するようなバイアスが使用でき
る。
【0220】3)静電潜像形成のための画像露光手段と
しては、実施例のようにデジタル的な潜像を形成するレ
ーザー走査露光手段に限定されるものではなく、通常の
アナログ的な画像露光やLEDなどの他の発光素子でも
さしつかえないし、蛍光燈などの発光素子と液晶シャッ
ターなどの組み合わせによるものなど、画像情報に対応
した静電潜像を形成できるものであるならさしつかえな
い。
【0221】感光体1は静電記録誘電体などであっても
よい。この場合は、該誘電体面を所定の極性・電位に一
様に一次帯電した後、除電針ヘッドや電子銃などの除電
手段で選択的に除電して目的の静電潜像を書き込み形成
する。
【0222】4)実施例では現像装置4は、磁性の現像
剤を用いた1成分非接触型現像装置であるが、2成分現
像剤や、非磁性の現像剤を用いる非接触型現像装置でも
さしつかえない。1成分または2成分の接触型現像装置
であってもよい。
【0223】5)感光体1からトナー画面の転写を受け
る記録媒体は転写ドラムなどの中間転写体であってもよ
い。
【0224】6)トナー粒度の測定方法の1例を述べ
る。測定装置としては、コールターカウンターTA−2
型(コールター社製)を用い、個数平均分布及び体積平
均分布を出力するインターフェイス(日科機製)及びC
X−1パーソナルコンピュータ(キヤノン製)を接続
し、電解液は一級塩化ナトリウムを用いて1%NaCl
水溶液を調製する。
【0225】測定法としては、前記電解水溶液100〜
150ml中に分散剤として界面活性剤、好ましくは、
アルキルバンゼンスルホン酸塩0.1〜5ml加え、更
に測定試料を0.5〜50mg加える。
【0226】試料を懸濁した電解液は、超音波分散器で
約1〜3分間分散処理を行い、前記コールターカウンタ
ーTA−2型により、アパーチャーとして100μアパ
ーチャーを用いて2〜40μmの粒子の粒度分布を測定
して、体積平均分布を求める。これらの求めた体積平均
分布より体積平均粒径を得る。
【0227】
【発明の効果】本発明の電子写真装置によれば、良好に
電荷を感光体表面に注入帯電することができ、かついか
なる環境でも安定した注入帯電を実現でき、画像欠陥の
ない、高品質な画像を提供できる。
【0228】また、オゾン生成物による障害、帯電不良
による障害などがない、簡易な構成、低コストな電子写
真装置、該電子写真装置に用いる電子写真感光体及び該
電子写真感光体を有するプロセスカートリッジを提供で
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の画像形成装置の概略構成図。
【図2】感光体の層構成模型図。
【図3】帯電促進粒子が存在する場合における帯電ブラ
シの感光体との接触状態のモデル図。
【図4】人間の目の視覚特性を説明する図。
【図5】実施形態例2の画像形成装置の概略構成図。
【図6】ローラ帯電、ファーブラシ帯電及び磁気ブラシ
帯電の各場合の帯電特性グラフ。
【図7】印加DC電圧と感光体電位の関係を説明する
図。
【符号の説明】
1 感光体(像担持体、被帯電体) 2 接触帯電部材(帯電ブラシまたは帯電ローラ) 4 現像装置 8 帯電促進粒子塗布装置 m 帯電促進粒子 P 転写材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 雨宮 昇司 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 Fターム(参考) 2H003 AA18 BB11 CC04 2H068 AA13 AA20 AA28 AA35 BB08 BB10 BB20 BB26 BB27 BB51 FA27 FC01

Claims (27)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子写真感光体、該電子写真感光体とニ
    ップ部を形成し、磁性粒子を磁気拘束させた磁気ブラシ
    よりなる帯電部材に電圧を印加することにより該電子写
    真感光体を帯電する帯電手段、露光手段、現像手段及び
    転写手段を有する電子写真装置において、該電子写真感
    光体の表面層が電荷輸送物質及び比誘電率が2.6〜
    3.6の結着樹脂を含有し、かつ該帯電部材と該電子写
    真感光体との接触面に、導電性を有し、電気陰性度が1
    6以下であり、主な粒径が10nm〜5μmの範囲であ
    る非磁性な帯電促進粒子を存在させて、該電子写真感光
    体表面に注入帯電することを特徴とする電子写真装置。
  2. 【請求項2】 該結着樹脂が、下記一般式(1)で示さ
    れる構造単位を有する結着樹脂である請求項1に記載の
    電子写真装置。 一般式(1) 【化1】 (式中、R1 、R2 、R3 及びR4 は水素原子、置換基
    を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアラ
    ルキル基、置換基を有してもよいアリール基、アルコキ
    シ基またはハロゲン原子を示し、R1 、R2 、R3 及び
    4 は同一であっても異なっていてもよい。Xは単結
    合、置換基を有してもよいアルキレン基、置換基を有し
    てもよいアルキリデン基、置換基を有してもよいフェニ
    ルアルキリデン基、置換基を有してもよいシクロアルキ
    レン基、置換基を有してもよいアリーレン基、カルボニ
    ル基、チオカルボニル基、酸素原子または硫黄原子を示
    す。)
  3. 【請求項3】 該結着樹脂が、下記一般式(2)で示さ
    れる構造単位を有する結着樹脂である請求項1に記載の
    電子写真装置。 一般式(2) 【化2】 (式中、R5 、R6 、R7 及びR8 は水素原子、置換基
    を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアラ
    ルキル基、置換基を有してもよいアリール基、アルコキ
    シ基またはハロゲン原子を示し、R5 、R6 、R7 及び
    8 は同一であっても異なっていてもよい。Yは単結
    合、置換基を有してもよいアルキレン基、置換基を有し
    てもよいアルキリデン基、置換基を有してもよいフェニ
    ルアルキリデン基、置換基を有してもよいシクロアルキ
    レン基、置換基を有してもよいアリーレン基、カルボニ
    ル基、チオカルボニル基、酸素原子または硫黄原子を示
    す。Zは置換基を有してもよいアルキレン基、置換基を
    有してもよいアルキリデン基、置換基を有してもよいフ
    ェニルアルキリデン基または置換基を有してもよいアリ
    ーレン基を示す。)
  4. 【請求項4】 該結着樹脂が、下記一般式(3)で示さ
    れる構造単位を有する結着樹脂である請求項1に記載の
    電子写真装置。 一般式(3) 【化3】 (式中、R9 及びR10は水素原子、置換基を有してもよ
    いアルキル基、置換基を有してもよいアラルキル基、置
    換基を有してもよいアリール基、アルコキシ基、ハロゲ
    ン原子またはニトロ基を示す。m/nの比は9/1〜3
    /7の範囲である。)
  5. 【請求項5】 該帯電促進粒子が、該帯電部材と該電子
    写真感光体との接触面に少なくとも100個/mm2
    上存在する請求項1〜4のいずれかに記載の電子写真装
    置。
  6. 【請求項6】 該帯電部材が該電子写真感光体面に対し
    て周速差を持っている請求項1〜5のいずれかに記載の
    電子写真装置。
  7. 【請求項7】 該帯電促進粒子の電気陰性度が10以下
    である請求項1〜6のいずれかに記載の電子写真装置。
  8. 【請求項8】 該帯電促進粒子の主な粒子抵抗が1×1
    12Ω・cm以下である請求項1〜7のいずれかに記載
    の電子写真装置。
  9. 【請求項9】 該電子写真感光体が電荷発生層及び電荷
    輸送層を支持体側からこの順に有する請求項1〜8のい
    ずれかに記載の電子写真装置。
  10. 【請求項10】 該帯電促進粒子を該帯電部材と該電子
    写真感光体との接触面に供給する手段を有する請求項1
    〜9のいずれかに記載の電子写真装置。
  11. 【請求項11】 該帯電促進粒子供給手段が該電子写真
    感光体に該帯電促進粒子を直接塗布することにより行う
    ものである請求項10に記載の電子写真装置。
  12. 【請求項12】 該帯電促進粒子供給手段が該帯電部材
    に該帯電促進粒子を混入させて行うものである請求項1
    0に記載の電子写真装置。
  13. 【請求項13】 現像手段及びクリーニング手段の少な
    くとも一方を有する請求項1〜12に記載の電子写真装
    置。
  14. 【請求項14】 電子写真感光体、該電子写真感光体と
    ニップ部を形成し、磁性粒子を磁気拘束させた磁気ブラ
    シよりなる帯電部材に電圧を印加することにより該電子
    写真感光体を帯電する帯電手段、露光手段、現像手段及
    び転写手段を有する電子写真装置に用いる電子写真感光
    体において、該電子写真感光体の表面層が電荷輸送物質
    及び比誘電率が2.6〜3.6の結着樹脂を含有し、か
    つ該帯電部材と該電子写真感光体との接触面に、導電性
    を有し、電気陰性度が16以下であり、主な粒径が10
    nm〜5μmの範囲である非磁性な帯電促進粒子を存在
    させて、該電子写真感光体表面に注入帯電することを特
    徴とする電子写真感光体。
  15. 【請求項15】 該結着樹脂が、下記一般式(1)で示
    される構造単位を有する結着樹脂である請求項14に記
    載の電子写真感光体。 一般式(1) 【化4】 (式中、R1 、R2 、R3 及びR4 は水素原子、置換基
    を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアラ
    ルキル基、置換基を有してもよいアリール基、アルコキ
    シ基またはハロゲン原子を示し、R1 、R2 、R3 及び
    4 は同一であっても異なっていてもよい。Xは単結
    合、置換基を有してもよいアルキレン基、置換基を有し
    てもよいアルキリデン基、置換基を有してもよいフェニ
    ルアルキリデン基、置換基を有してもよいシクロアルキ
    レン基、置換基を有してもよいアリーレン基、カルボニ
    ル基、チオカルボニル基、酸素原子または硫黄原子を示
    す。)
  16. 【請求項16】 該結着樹脂が、下記一般式(2)で示
    される構造単位を有する結着樹脂である請求項14に記
    載の電子写真感光体。 一般式(2) 【化5】 (式中、R5 、R6 、R7 及びR8 は水素原子、置換基
    を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアラ
    ルキル基、置換基を有してもよいアリール基、アルコキ
    シ基またはハロゲン原子を示し、R5 、R6 、R7 及び
    8 は同一であっても異なっていてもよい。Yは単結
    合、置換基を有してもよいアルキレン基、置換基を有し
    てもよいアルキリデン基、置換基を有してもよいフェニ
    ルアルキリデン基、置換基を有してもよいシクロアルキ
    レン基、置換基を有してもよいアリーレン基、カルボニ
    ル基、チオカルボニル基、酸素原子または硫黄原子を示
    す。Zは置換基を有してもよいアルキレン基、置換基を
    有してもよいアルキリデン基、置換基を有してもよいフ
    ェニルアルキリデン基または置換基を有してもよいアリ
    ーレン基を示す。)
  17. 【請求項17】 該結着樹脂が、下記一般式(3)で示
    される構造単位を有する結着樹脂である請求項14に記
    載の電子写真感光体。 一般式(3) 【化6】 (式中、R9 及びR10は水素原子、置換基を有してもよ
    いアルキル基、置換基を有してもよいアラルキル基、置
    換基を有してもよいアリール基、アルコキシ基、ハロゲ
    ン原子またはニトロ基を示す。m/nの比は9/1〜3
    /7の範囲である。)
  18. 【請求項18】 該帯電促進粒子が、該帯電部材と該電
    子写真感光体との接触面に少なくとも100個/mm2
    以上存在する請求項14〜17のいずれかに記載の電子
    写真感光体。
  19. 【請求項19】 該帯電部材が該電子写真感光体面に対
    して周速差を持っている請求項14〜18のいずれかに
    記載の電子写真感光体。
  20. 【請求項20】 該帯電促進粒子の電気陰性度が10以
    下である請求項14〜19のいずれかに記載の電子写真
    感光体。
  21. 【請求項21】 該帯電促進粒子の主な粒子抵抗が1×
    1012Ω・cm以下である請求項14〜20のいずれか
    に記載の電子写真装置及び電子写真感光体。
  22. 【請求項22】 該電子写真感光体が電荷発生層及び電
    荷輸送層を支持体側からこの順に有する請求項14〜2
    1のいずれかに記載の電子写真感光体。
  23. 【請求項23】 該帯電促進粒子を該帯電部材と該電子
    写真感光体との接触面に供給する手段を有する請求項1
    4〜22のいずれかに記載の電子写真感光体。
  24. 【請求項24】 該帯電促進粒子供給手段が該電子写真
    感光体に該帯電促進粒子を直接塗布することにより行う
    ものである請求項23に記載の電子写真感光体。
  25. 【請求項25】 該帯電促進粒子供給手段が該帯電部材
    に該帯電促進粒子を混入させて行うものである請求項2
    3に記載の電子写真感光体。
  26. 【請求項26】 現像手段及びクリーニング手段の少な
    くとも一方を有する請求項14〜25に記載の電子写真
    感光体
  27. 【請求項27】 請求項14〜26のいずれかに記載の
    電子写真感光体及び帯電手段、及び帯電促進粒子を該帯
    電部材と該電子写真感光体との接触面に供給する手段、
    現像手段及びクリーニング手段からなる群より選ばれた
    少なくともひとつの手段を一体に支持し、電子写真装置
    本体に着脱自在であることを特徴とするプロセスカート
    リッジ。
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