JP2000080935A - 車両用走行制御装置 - Google Patents

車両用走行制御装置

Info

Publication number
JP2000080935A
JP2000080935A JP10250948A JP25094898A JP2000080935A JP 2000080935 A JP2000080935 A JP 2000080935A JP 10250948 A JP10250948 A JP 10250948A JP 25094898 A JP25094898 A JP 25094898A JP 2000080935 A JP2000080935 A JP 2000080935A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
vehicle
control device
amount
signal
actuator
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP10250948A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3994541B2 (ja
Inventor
Mitsuhiko Morita
光彦 森田
Kunihito Sato
国仁 佐藤
Koichi Sawada
耕一 澤田
Keiichi Nishiyama
景一 西山
Takeshi Goto
武志 後藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP25094898A priority Critical patent/JP3994541B2/ja
Publication of JP2000080935A publication Critical patent/JP2000080935A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3994541B2 publication Critical patent/JP3994541B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明の課題は、車両の制動系及びアクセル系
の少なくとも一方に設けられたアクチュエータを手動操
作部の操作量に応じた制御信号に基づいて駆動制御する
ようにした車両用走行制御装置において、手動操作部を
操作する運転者の意思に従った走行状態を阻害され難く
することである。 【解決手段】車両の制動系及びアクセル系の少なくとも
一方に設けられたアクチュエータを手動操作部の操作量
に応じた制御信号に基づいて駆動制御するようにした車
両用走行制御装置において、上記手動操作部は、操作量
と操作力との関係が、操作量が多くなるに従ってその操
作量の増分に対する必要な操作力の増分が多くなるよう
な非線形関係となる機構を備えるようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両の走行状態
(加速、減速、前進、後退、定速維持等)を制御する車
両走行制御装置に係り、詳しくは、車両の制動系及びア
クセル系の少なくとも一方に設けられたアクチュエータ
を手動操作部の操作量に応じた制御信号に基づいて駆動
制御するようにした車両用走行制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば、制動系のマスタシリンダ
のピストン軸を往復動させるサーボモータ( アクチュエ
ータ)をハンドルブレーキスイッチ(手動操作部)の操
作量に応じた制御信号にて駆動制御するようにした制動
装置が提案されている(特開平9−58426)。この
ような制動装置によれば、緊急時に即座にハンドルスイ
ッチを操作することにより、アクセルペダルからブレー
キペダルへの踏み替え時間に起因した車両の空走距離を
短縮することが可能となる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記のように手動操作
部の操作量に応じた制御信号に基づいてアクチュエータ
の駆動制御を行うようにした車両用走行制御装置では、
手動操作部の少ない操作量で必要な駆動量をアクチュエ
ータに発生させなければならない。このような制限のな
かで、運転者の不用意な操作や車両振動等の外乱に起因
した操作の走行状態に対する影響が比較的大きく、手動
操作部を操作する運転者の意思に従った走行状態が阻害
され易い。
【0004】そこで、本発明の課題は、車両の制動系及
びアクセル系の少なくとも一方に設けられたアクチュエ
ータを手動操作部の操作量に応じた制御信号に基づいて
駆動制御するようにした車両用走行制御装置において、
手動操作部を操作する運転者の意思に従った走行状態を
阻害され難くすることである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明は、請求項1に記載されるように、車両の制
動系及びアクセル系の少なくとも一方に設けられたアク
チュエータを手動操作部の操作量に応じた制御信号に基
づいて駆動制御するようにした車両用走行制御装置にお
いて、上記手動操作部は、操作量と操作力との関係が、
操作量が多くなるに従ってその操作量の増分に対する必
要な操作力の増分が多くなるような非線形関係となる機
構を備えるように構成される。
【0006】このような車両用走行制御装置では、手動
操作部の操作量が多くなればなるほど、その操作量の増
分に対する必要な操作力の増分が大きくなるので、大き
な操作量を得るために必要な力が非線形的に大きくな
る。従って、運転者自らの意思にて手動操作部の操作量
を多くすることは可能であるが、不用意に多くの操作量
にて手動操作部が操作されにくくなる。
【0007】制動系は車両制動を行う系であり、油圧機
構、電気的な制動機構等を用いて構成することができ
る。また、アクセル系は車両の動力源を駆動させる系で
あり、駆動源(エンジン(ガソリン、ディーゼル)、電
気モータ等)に適した機構を有する。上記操作量と操作
力との関係が、操作量が多くなるに従ってその操作量の
増分に対する必要な操作力の増分が多くなるような非線
形関係となる機構は、例えば、請求項2に記載されるよ
うに、弾性係数の異なる複数の弾性体を直列に接続した
複合弾性体を有し、その複合弾性体が操作力に抗する反
発力を発生するようにして構成することができる。
【0008】このような車両用走行制御装置では、手動
操作部の当該機構に操作力を加えてゆくと、弾性係数の
より小さい弾性体の変形が限界に達する毎に、操作力と
操作量との関係を表す特性が段階的に変化するようにな
る。上記複合弾性体は、例えば、弾性係数の異なる複数
のコイルスプリングを直列に接続することで構成するこ
とができる。
【0009】また、同機構は、請求項3に記載されるよ
うに、弾性係数が連続的に変化する弾性体を有し、その
弾性体が操作力に抗する力を発生するように構成するこ
とができる。このような車両用走行制御装置では、手動
操作部の当該機構に操作力を加えてゆくと、操作力と操
作量との関係を表す特性が連続的に変化するようにな
る。
【0010】上記弾性体は、捲線の線径を連続的に変化
させたコイルスプリングにて構成することができる。ま
た、上記課題を解決するために、本発明は、請求項4に
記載されるように、車両の制動系及びアクセル系の少な
くとも一方に設けられたアクチュエータを手動操作部の
操作量に応じた制御信号に基づいて駆動制御するように
した車両用走行制御装置において、手動操作部の操作量
が多くなるに従ってその操作量の増分に対するアクチュ
エータの駆動量の増分が多くなるような非線形特性にて
当該アクチュエータを駆動させるための制御信号を生成
する信号生成手段を有するように構成される。
【0011】このような車両用走行制御装置では、手動
操作部の操作量が多くなればなるほど、その操作量の増
分に対するアクチュエータの駆動量の増分が多くなるの
で、手動操作部の操作量が小さいうちは、アクチュエー
タの駆動量はあまり多くならない。運転者が自らの意思
をもって手動操作部を多くの操作量にて操作した場合に
は、アクチュエータがより大きい駆動量にて駆動され
る。しかし、不用意に手動操作部に触れたとしても、僅
かな操作量では、アクチュエータの駆動量に与える影響
はより小さなものとなる。
【0012】更に、上記課題を解決するため、本発明
は、請求項5に記載されるように、車両の制動系及びア
クセル系の少なくとも一方に設けられたアクチュエータ
を手動操作部の操作量に応じた制御信号に基づいて駆動
制御するようにした車両用走行制御装置において、手動
操作部の操作量が所定周波数以上にて変動する場合に、
手動操作部の操作量に対するアクチュエータの駆動量の
応答特性を鈍くするように制御信号を調整する信号調整
手段を備えるように構成される。
【0013】このような車両用走行制御装置では、運転
者が手動操作部を操作中に車両の振動等によってその操
作量が所定周波数以上にて変動すると、信号調整手段
は、アクチュエータの駆動制御を行うべき制御信号を手
動操作部の操作量に対するアクチュエータの駆動量の応
答特性が鈍くなるように調整する。従って、手動操作部
の操作量の変動に基づいたアクチュエータの駆動量の変
動が緩和される。その結果、手動操作部の所定周波数以
上での変動の影響がアクチュエータの駆動制御に基づい
た車両の走行状態に表れ難くなる。
【0014】上記制御信号の調整を行うための操作量の
変動の基準となる所定周波数は、時間的変動の頻繁さや
急峻さの基準を表しており、手動操作部に外乱として加
わる振動や走行特性を考慮して予め定められる。上記車
両用走行制御装置において、上記信号調整手段は、例え
ば、請求項6に記載されるように、手動操作部の操作量
を表す信号の所定周波数以上の成分を減衰させるローパ
スフィルタ手段と、該ローパスフィルタ手段にて処理さ
れた信号に基づいてアクチュエータを駆動するための制
御信号を調整する手段とを備えるように構成することが
できる。
【0015】このような車両用走行制御装置では、手動
操作部の運転者の直接の操作による操作量に外乱等に起
因して変動する操作量が重畳され、全体の操作量を表す
信号に所定周波数以上の成分が含まれると、その成分が
ローパスフィルタ手段にて減衰される。そして、当該成
分が減衰された信号に基づいてアクチュエータを駆動す
るための制御信号が調整される。その結果、上記外乱等
に起因して変動する操作量がアクチュエータの駆動量に
与える影響が低減される。
【0016】更にまた、上記課題を解決するため、本発
明は、請求項7に記載されるように、車両の制動系及び
アクセル系の少なくとも一方に設けられたアクチュエー
タを手動操作部の操作量に応じた制御信号に基づいて駆
動制御するようにした車両用走行制御装置において、手
動操作部の操作量の変動の急峻さを表す値が所定値以上
となったか否かを判定する操作変動判定手段と、該操作
変動判定手段が、操作量の変動の急峻さを表す値が所定
値以上となったことを判定したときに、アクチュエータ
の駆動量が上記手動操作部の操作量変動より緩やかに当
該変動後の操作量に対応する駆動量まで変化するように
制御信号を調整する信号調整手段とを備えるように構成
される。
【0017】このような車両用走行制御装置では、例え
ば、運転者が手動操作部を誤って急激に操作した場合、
その操作量の変動の急峻さを表す値が所定値以上になる
と、信号調整手段が調整する制御信号により、アクチュ
エータの駆動量が当該操作量の変動より穏やかに変化す
るように当該変動後の操作量に対応する駆動量まで変化
する。従って、運転者の意に反した走行状態の急激な変
動が緩和される。
【0018】上記車両用走行制御装置において、上記操
作変動判定手段は、例えば、請求項7に記載されるよう
に、手動操作部の操作量を表す信号を微分処理する微分
処理手段と、該微分処理手段にて得られた信号が所定値
以上であるか否かを判定する判定手段とを有するように
構成することができる。また、上記信号調整手段は、例
えば、請求項9に記載されるように、手動操作部の操作
量を表す信号を変動後の操作量に対応するものまでその
操作量変動より穏やかに徐々に変化させる信号処理手段
と、該信号処理手段にて処理された信号に基づいてアク
チュエータを駆動するための制御信号を調整する手段を
有するように構成することができる。
【0019】上記各操作変動判定手段及び信号調整手段
によれば、手動操作部の操作量の変動に対するアクチュ
エータの駆動量の変動を電気的な処理によって容易に緩
和することができる。ところで、通常、車両の運転を行
う場合、加速と減速、前進と後退、急激な加速と緩慢な
加速、急激な減速と緩慢な減速等、異なる走行特性をい
ろいろな場面で使い分けている。更に、このような異な
る走行特性を種々の場面で使い分けるための運転操作
(制動操作、アクセル操作)が容易に行えるという観点
から、本発明は、請求項10に記載されるように、上述
した車両用制動制御装置において、手動操作部は、中立
位置を有すると共に、その中立位置から2方向に移動可
能な操作体と、該操作体に対して操作力が付加されない
状態において当該操作体を該中立位置に保持する機構と
を備え、更に、操作体が中立位置にある場合にアクチュ
エータの駆動量をなくし、該操作体が中位位置から一方
向に操作された場合と中立位置から他方向に操作された
場合で、車両の走行特性が異なるような制御信号を生成
する信号生成手段を備えるように構成される。
【0020】このような車両用走行制御装置では、ある
走行特性(例えば、加速)にて車両を運転するために、
操作体を一方向に操作すると、信号生成手段は、その走
行特性におけるその操作量に応じた制御信号を生成す
る。そして、その制御信号に基づいてアクチュエータの
駆動制御がなされる。その結果、車両はその走行特性に
従った走行状態となる。
【0021】ここで、運転者が他の走行特性(例えば、
減速)にて運転を行うために、まず、操作体から手
(指)を離すと、操作体が中立位置に保持されるように
移動される。操作体が中立位置に保持された状態で、信
号生成手段は、アクチュエータの駆動量がなくなるよう
な制御信号を生成し、その制御信号に基づいてアクチュ
エータの駆動量がなくなる。そのその結果、車両は一時
的にその走行特性に従った走行制御が停止される。
【0022】その後、運転者がその操作体を中立位置か
ら他方向に操作すると、信号生成手段は、当該他の走行
特性におけるその操作量に応じた制御信号を生成する。
そして、その制御信号に基づいてアクチュエータの駆動
制御がなされる。その結果、車両はその他の走行特性に
従った走行状態となる。上記のように、走行特性を切り
換える場合、操作体から手を離して操作力が操作体に付
加されなくなると、操作体が中立位置に保持されるよう
に移動し、運転者は、操作体を中立位置から更に他方向
に操作し易い状態になる。そして、1つの操作体で2つ
の走行特性での車両運転が可能となる。
【0023】上記異なる走行特性は、加速と減速、前進
と後退、急激な加速と緩慢な加速、急激な減速と緩慢な
減速など、1つの操作体の操作で使い分けるべき特性と
して適したものが、実際に想定される車両運転の走行パ
ターン等から決めることができる。特に、幅の広い走行
特性の切換えができるという観点から、本発明は、請求
項11に記載されるように、上記信号生成手段は、操作
体が中位位置から一方に操作された場合と中位位置から
他方向に操作された場合で、車両の走行特性が逆になる
ような制御信号を生成するように構成することができ
る。
【0024】このような車両用走行制御装置では、操作
体の操作方向を変えることで、全く逆の走行特性での走
行状態が得られる。逆の走行特性とは、加速と減速、前
進と後退等のように、走行特性を表す情報の変化の方向
が逆であることを意味する。また、上記のように手動操
作部が該操作体に対して操作力が付加されない状態にお
いて当該操作体を該中立位置に保持する機構を備える場
合、その機構の経年劣化等により、操作体に操作力が付
加されない状態において操作体が中立位置と異なる位置
に保持されてしまう場合がある。このような場合には、
本来、アクチュエータの駆動量がなくなるような制御信
号が生成されるにもかかわらず、中立位置とその異なる
位置との差に対応した操作量に基づいた制御信号が発生
して、アクチュエータが駆動されてしまう。
【0025】そのような事態を防止するという観点か
ら、本発明は、請求項12に記載されるように、上記車
両用走行制御装置において、操作力が付加されていない
状態での操作体の位置にて常にアクチュエータの駆動量
がなくなるように制御信号を補正する中立位置補正手段
を有するように構成することができる。このような車両
用走行制御装置では、操作体を中立位置に保持する機構
の経年変化等により、操作体に操作力が付加されない状
態において操作体が中立位置と異なる位置に保持されて
しまっても、中立位置補正手段が、操作体の保持位置に
てアクチュエータの駆動量がなくなるように制御信号を
補正する。これにより、操作体に操作力が付加されてい
ない状態で常にアクチュエータの駆動量がなくなるよう
になる。
【0026】また、運転操作中の運転手が手動操作部の
操作を容易にできるという観点から、本発明は、請求項
13に記載されるように、上述した各車両用走行制御装
置において、上記手動操作部は、車両の操舵を行うため
のステアリングホイールに設けられるように構成するこ
とができる。このような車両用走行制御装置では、ステ
アリングホイールを握って車両の操舵運転を行う運転者
は、ステアリングホイールに設けられた手動操作部の操
作を即座に行うことができる。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の一形態につ
いて図面に基づいて説明する。車両は、アクセルペダル
及びブレーキペダルを備えており、それぞれの踏み込み
操作によって、車両の走行及び制動がなされる。このよ
うな車両において、例えば、図1に示すように、ステア
リングホイール10の通常の握り位置の近傍に走行制御
スイッチ100が設けられている。この走行制御スイッ
チ100は、後述するように、補助的なアクセル制御及
び制動制御に用いられる。ステアリングホイール10に
おけるこの走行制御スイッチ100の設置部分は、図1
のA−A断面図である図2に示すように、くぼんでお
り、走行制御スイッチ100の操作レバー101の先端
がステアリングホイール10の外表面から突出しないよ
うになっている。このような構造により、ステアリング
ホイール10を操作する運転者が誤って操作レバー10
1を動かしてしまうことを防止している。
【0028】この走行制御スイッチ100は、図3に示
すように、操作レバー101が、終端位置(B)と
(F)の間で往復動可能となっている。そして、この操
作レバー101は、操作力が付加されない非操作状態に
おいて、中立位置(N)に保持されている。操作レバー
101を終端位置(B)方向に操作すると、その操作量
に応じた制動力が発生される。操作レバー101を反対
側の終端位置(F)方向に操作すると、その操作量に応
じたアクセル開度でのアクセル制御が行われるようにな
っている。
【0029】走行制御スイッチ100の内部は、例え
ば、図4に示すような構造となっている。即ち、操作レ
バー101の両側に複合スプリング(弾性体)102及
び103が設けられている。操作レバー101が終端位
置(B)方向に操作されると、その方向に位置する複合
スプリング102が圧縮され、操作レバー101の操作
量に応じた反発力が操作レバー101に作用する。ま
た、操作レバー101が終端位置(F)方向に操作され
ると、その方向に位置する複合スプリング103が圧縮
され、操作レバー101の操作量に応じた反発力が操作
レバー101に作用する。また、操作レバー101に操
作力が付加されていない状態では、双方の複合スプリン
グ102、103の作用によって操作レバー101が中
立位置(N)に保持される。
【0030】各複合スプリング102及び103は、例
えば、異なるバネ定数(弾性係数)となる2つ(3つ以
上でもよい)のスプリングが直列接続された構造となっ
ている。このような構造により、当該複合スプリングが
圧縮されると、その圧縮量が多くなるに従って、バネ定
数の小さいスプリングの圧縮量に対するバネ定数の大き
いスプリングの圧縮量の比率が大きくなる。このため、
操作レバー101の操作量が多くなるに従って、その操
作量の増分に対する複合スプリングからの反発力の増
分、即ち、操作力の増分が大きくなる。操作レバー10
1の操作量と操作力との関係が上記のような非線形関係
となるため、操作を行おうとする運転者の積極的な意思
なくして操作レバー101が多くの操作量にて操作され
ることはない。即ち、誤って操作レバー101が多くの
操作量にて操作されることが防止される。
【0031】上記のような、各複合スプリング102及
び103の特性は、バネ定数が連続的に変化するような
スプリングにて実現することも可能である。このような
スプリングは、連続的に線径の変化するワイヤにて製作
することができる。上記操作レバー101は、図5に示
すように、可変抵抗器の摺動子101aに連結されてお
り、操作レバー101の操作によってその摺動子101
aが抵抗体104上を摺動するようになっている。そし
て、摺動子101aに接続された端子O1 及び終端位置
(F)に近い抵抗体104の端子O2 を当該可変抵抗器
の出力端子(O1 、O2 )としている。この可変抵抗器
の抵抗体104の出力抵抗特性は、例えば、図6に示す
ように、終端位置(B)から逆の終端位置(F)に至る
まで、操作レバー101の位置(ストローク)に応じて
抵抗値が最大値RB から最小値RF に至るまで線形的に
(直線的に)変化するようになっている。なお、操作レ
バー101が中立位置(N)に保持されている状態で
は、その出力抵抗値はRN になる。
【0032】走行制御装置の基本的な構成は、図7に示
すようになっている。図7において、上記のような抵抗
特性の可変抵抗器にて構成される走行制御スイッチ10
0が制御ユニット20に接続されている。制御ユニット
20は、走行制御スイッチ100の操作レバー101の
操作量に対応した抵抗値に対応する制御信号を車両制動
系におけるホイルシリンダ圧を調整するブレーキアクチ
ュエータ30及びアクセル系におけるアクセル開度を調
整するアクセルアクチュエータ40に供給している。具
体的には、例えば、図8に示すような加減速特性が得ら
れるように、走行制御スイッチ100の操作量に応じた
抵抗値に基づいた制御信号がブレーキアクチュエータ3
0及びアクセルアクチュエータ40に供給される。
【0033】図8において、走行制御スイッチ100の
操作レバー101が中立位置(N)から終端位置(B)
まで操作される間、その操作量(ストローク)に応じ
て、減速度がゼロから−G1 まで直線的に変化するよう
な制動制御(ブレーキアクチュエータ30の駆動制御)
がなされる。また、操作レバー101が中立位置(N)
から逆方向の終端位置(F)まで操作される間、その操
作量(ストローク)に応じて、加速度がゼロからG2
で直線的に変化するようなアクセル制御(アクセルアク
チュエータ40の駆動制御)がなされる。 上記のよう
な走行制御装置により、ステアリングホイール10に設
けた走行制御スイッチ100の操作レバー101の操作
によって、車両の加速、減速、停止を行うことが可能と
なる。そして、前述したように、操作レバー101の操
作量と操作力との関係が、操作量が多くなればなるほど
加速度的にその操作力が増加するような非線形関係とな
っているため、操作レバー101の大きな操作量での誤
操作が防止される。
【0034】なお、上述した例では、走行制御スイッチ
100の操作レバー101の操作量(ストローク)に基
づいた加減速特性は、図8に示すように、線形特性であ
ったが、例えば、図9に示すような非線形特性であって
もよい。このような非線形特性は、走行制御スイッチ1
00の可変抵抗器の出力特性にて実現することも、ま
た、制御ユニット20の制御信号の出力特性にて実現す
ることも可能である。
【0035】このように走行制御スイッチ100の操作
レバー101の操作量に基づいた加減速特性が非線形特
性となる場合、操作量が多くなるに従って、その操作量
の増分に対する加減速の増分が大きくなる。即ち、その
操作量の増分に対する各アクチュエータ30、40の駆
動量の増分が大きくなるように、制御信号が調整され
る。このような特性によれば、運転者が不用意に操作レ
バー101に触れても、それに伴う操作量が小さいた
め、各アクチュエータ30、40の駆動量に与える影響
は小さい。車両を大きな加減速度にて走行制御する場合
には、運転者が自らの意思をもって操作レバー101を
大きく操作しなければならない。
【0036】上記のような車両走行制御装置において
は、運転者は車両運転の最中に、ステアリングホイール
10を握りながら、例えば、親指を走行制御スイッチ1
00の操作レバー101にあてがうことになる。このよ
うな状態で車両が走行する際、路面の凹凸等に起因した
振動がステアリングホイール10を介して運転者の手に
伝わり、その手の振動が操作レバー101に伝達してし
まう。この操作レバー101が振動すると、各アクチュ
エータ30、40に供給されるべき制御信号が比較的高
い周波数で変動し、安定した走行状態が得られない。
【0037】そこで、操作レバー101の振動にて車両
の安定性が損なわれることを防止するため、制御ユニッ
ト20は、例えば、図10に示すような手順で操作レバ
ー101の操作位置に係る信号を調整している。制御ユ
ニット20は、所定のタイミング信号に同期して処理を
実行する。図10において、走行制御スイッチ100の
出力抵抗値に基づいた信号をアナログ−デジタル変換し
て、例えば、図6に示す特性に従った、操作位置(スト
ローク)データデータPswadが取得される(S1)。そ
して、その操作位置データPswadと調整後の操作位置デ
ータPsw(初期値「0」)との偏差Err(Pswad
sw)が演算される(S2)。この偏差Errが求まる
と、更に、この偏差の積分値IE rrが演算される(S
3)。具体的には、前回(前タイミング)での偏差の積
分値IErro (初期値「0」)に当該演算された偏差E
rrが加算される(IErr=IErro +Err)。そして、
この演算された積分値IErrが次回(次タイミング)使
用べき偏差の前回積分値IErro として設定され(S
4)、更に、この演算された積分値IErrにフィルタ定
数Kf を乗ずることにより、調整済の操作位置データP
swが演算される(Psw=IErr*Kf )(S5)。
【0038】なお、上記ステップS5における操作位置
データPswを演算するために用いられるフィルタ定数K
f は、同期信号によるサンプリング周波数とカットオフ
周波数に依存する。カットオフ周波数は、車両が走行す
る際に路面から拾う振動がステアリングホイール10に
設けれた走行制御スイッチ100の操作レバー101に
あてがわれる指に影響を及ぼす臨界的な周波数に基づい
て定められる。
【0039】上記のようなS1からS5までの処理を繰
り返すことによって、図11に示すような伝達関数を用
いて表されるローパスフィルタの機能が実現される。そ
の結果、サンプリング周波数、カットオフ周波数に依存
したフィルタ定数Kf で決まる特性に従って、走行制御
スイッチ100の実際の操作位置に対応した操作位置デ
ータPswadの比較的高い周波変動分が除去され、調整後
の操作位置データPswが得られる。
【0040】そして、制御ユニット20は、このように
比較的高い周波変動成分が除去された操作位置データP
swに基づいて、例えば、図8や図9に示す特性に従っ
て、各アクチュエータ30、40が駆動制御されるよう
に、各アクチュエータ30、40に対する制御信号が生
成される。このように、走行制御スイッチ100の実際
の操作位置に対応した操作位置データPswadの比較的高
い周波数成分がが除去された後の操作位置データPsw
基づいてブレーキアクチュエータ30及びアクセルアク
チュエータ40が制御されるので、車両振動がステアリ
ングホイール10に伝わっても、その影響が走行制御ス
イッチ100の操作に基づいた走行制御に表れない。そ
の結果、車両の安定した走行状態が保たれる。
【0041】上述したような構造の走行制御スイッチ1
00では、操作レバー101に操作力が付加されていな
いときには、操作レバー101が常に中立位置(N)に
保持されるような構造となっている。このような構造で
は、製造のばらつきや、機構部品の経年変化等により、
操作力が付加されない状態(無負荷状態)で操作レバー
101が保持される位置が、真の中立位置(N)(出力
抵抗値がRN となる位置)からずれることがある。この
ような場合、運転者が操作レバー101から指を離して
も、走行制御スイッチ100の出力に基づいた僅かなが
らの加減速度制御が行われてしまう。
【0042】そこで、走行制御スイッチ100の操作レ
バー101に操作力を付加しない状態では、走行制御ス
イッチ100の出力に基づいた各アクチュエータができ
るだけ駆動されないようにするため、制御ユニット20
は、例えば、図12に示す手順に従った処理を実行す
る。図12において、走行制御スイッチ100の出力抵
抗値に基づいた信号をアナログ−デジタル変換して、例
えば、図6に示す特性に従った、操作位置(ストロー
ク)データデータPswadが取得される(S11)。そし
て、その取得された操作位置データPswadとその前回
(前タイミング)取得された操作位置データPsw ado
を比較する(S12)。
【0043】ここで、今回の操作位置データPswadと前
回の操作位置データPswado とが等しい場合(S12、
YES)は、走行制御スイッチ100の操作がなされて
いないとして、更に、ステアリングホイール10の舵角
(操作角)Steer(絶対値)が所定角度Kangよ
り大きいか否かが判定される(S13)。この所定角度
は、運転者が走行制御スイッチ100を操作し得ないよ
うな状況となるようなステアリングホイール10の舵角
であって、例えば、90°に設定される。
【0044】ステアリングホイール10の舵角Stee
rが所定角度Kangより大きい場合、即ち、走行制御
スイッチ100が操作されていないと見込まれる場合、
操作レバー101に操作力が付加されていない状態で、
操作位置データの補正値Psw g が演算される(S1
4)。この演算は、例えば、 Pswg =(Psw+Pswgo)/2 に従って行われる。上記式において、Pswは調整後の操
作位置データであり、P swgoは前回(前タイミング)に
おける補正値である。即ち、この補正値Pswg は、前回
の補正値Pswsoと今回の中立位置(N)に対応した操作
位置(原点)データPswの平均として演算される。そし
て、このように演算された補正値Pswg が次回の演算に
て用いられる前回の補正値Pswgoとして設定される(S
15)。
【0045】その後、調整後の操作位置データPswは、
走行制御スイッチ100の出力値に基づいた操作位置デ
ータPswad(ステップS1にて取得)から補正値Pswg
を差し引いた値(Psw=Pswad−Pswg )演算される
(S16)。そして、今回ステップS1にて取得された
操作位置データPswadが次回(次タイミング)の演算で
用いられる前回の操作位置データPswado として設定さ
れる。
【0046】なお、今回取得した操作位置データPswad
と前回取得した操作位置データPsw ado とが等しくない
場合(S12、NO)または、ステアリングホイール1
0の舵角(操作角)Steerが所定角度Kang以下
である場合には、走行制御スイッチ100の操作レバー
101が操作されている可能性があるので、特にステッ
プS14及びS15での補正値Pswg に関する演算処理
は行われない。
【0047】上記のようにして演算される補正値Pswg
を用いて走行制御スイッチ100の出力値に基づいた操
作位置データPswadを補正するようにしたので、操作レ
バー101に操作力が付加されていない状態では、当該
操作レバー101の絶対的な位置がずれても、走行制御
スイッチ100の出力値に基づいて各アクチュエータが
できるだけ駆動されないないようにすることができる。
【0048】更に、上記走行制御スイッチ100は、そ
の操作レバー101から指を離すと(操作力を除く
と)、常に、中立位置(N)に戻る構造になっている。
従って、走行制御スイッチ100の操作レバー101の
操作に従った走行制御が行われている過程で、運転者が
操作レバー101から指を離すと、例えば、図13
(a)の時刻t1 に示されるように、操作位置データP
swadが急激に変動してしまう。このような場合、その操
作位置データPswadに基づいた加減速制御が急激に変動
することを防止するため、制御ユニット20は、例え
ば、図14に示す手順に従った処理を実行する。
【0049】図14において、走行制御スイッチ100
の出力抵抗値に基づいた信号をアナログ−デジタル変換
して、例えば、図6に示す特性に従った、操作位置(ス
トローク)データデータPswadが取得される(S2
1)。そして、操作位置データP swadの微分値Dpsw
演算される(S22)。この微分値Dpsw は、前回(前
タイミング)の操作位置データPswado から今回ステッ
プS21にて取得した操作位置データPswadとの差(D
psw =Pswado −Pswad)として演算される。
【0050】次いで、この微分値Dpsw が所定の基準値
d より小さいか否かが判定される(S23)。走行制
御スイッチ100の操作レバー101を操作して車両の
走行制御を行っている場合には、図13(b)の時刻t
1 以前に示すように、当該微分値Dpsw は、上記基準値
d を超えることはない。このような状況では、微分値
psw が所定値Kd より小さいと判定される(S23、
YES)。すると、過渡処理が実行さていることを表す
フラグFd がセット(Fd =1)されているか否かが判
定される(S24)。このフラグFd がセットされてい
ない場合、ステップS21で取得された操作位置データ
swadが出力すべき操作位置データPswとして設定され
る(S25)。そして、今回取得された操作位置データ
swadが次回の処理にて用いられる前回の操作位置デー
タPswado として設定される(S31)。
【0051】以後、走行制御スイッチ100の操作レバ
ー101が急激に操作されて、対応する操作位置データ
swadの微分値Dpsw が基準値Kd を超える状況が発生
するまで、上記と同様の処理(ステップS21、S2
2、S23、S24、S25、S31)が繰り返し実行
される。ここで、運転者が走行制御スイッチ100の操
作レバー101から指を離すと、操作レバー101は、
中立位置(N)に急激に戻される。このとき、例えば、
図13(b)の時刻t1 で示すように、操作位置データ
swadが急激に変動し、その微分値Dpsw が基準値Kd
を超える(S23、NO)。すると、上記フラグFd
セットされ(Fd =1)(S26)、その後、ローパス
フィルター処理(LPF)が実行される(S27)。こ
のローパスフィルタ処理では、前述したように、図12
に示す手順に従って、取得された操作位置データPswad
(in)から変化が緩和された状態の調整操作位置デー
タPswf が演算される。
【0052】そして、調整操作位置データPswf が今回
取得された操作位置データPswadに等しいか否かが判定
される(S28)。これは、上記ローパスフィルタ処理
によって変化が緩和された調整操作位置データPswf
操作レバー101が急激に中立位置(N)に戻された後
の操作位置データPswadに達したか否かを判定するもの
である。そして、調整操作位置データPswf が、まだ、
ステップS21で取得された操作位置データPswadに達
していない場合には、その調整操作位置データPswf
出力すべき操作位置データPswとして設定される(S3
0)。そして、上記と同様に、今回取得された操作位置
データPswadが次回の処理にて用いられる前回の操作位
置データPswado として設定され(S31)た後に、操
作位置データPswadの取得(S21)、操作位置データ
swapの微分値Dpsw.の演算(S22)及び微分値D
psw の大きさ判定(S23)が行われる。
【0053】運転者が操作レバー101から指を離した
後で、その操作レバー101の操作位置に対応した操作
位置データPswadの変動が小さくなり、その微分値D
psw が基準値値Kd より小さくなると、(S23、YE
S)と、更に、フラグFd がセットされているか否かが
判定される(S24)。この時点では、既にフラグFd
がセット(Fd =1)されているので、上記ローパスフ
ィルタ処理等(S27S、28)が実行され、そのロー
パスフィルタ処理(S27)にて得られた調整操作位置
データPswf が出力すべき操作位置データPswとして設
定される(S30)。以後、操作位置データPswado
設定(S31)から上述した処理(S21、S22、S
23、S24、S27、S28、S30)が繰り返し実
行される。
【0054】その結果、走行制御スイッチ100の出力
抵抗値に基づいた操作位置データP swadは、例えば、図
13(a)の時刻t1 におけるように、急激に変化した
場合であっても、実際に出力される操作位置データPsw
は、上記ローパスフィルタ処理の特性に従ってなだらか
に減少してゆく。従って、その操作位置データPswに基
づいて生成される制御信号によって決まる目標減速度
は、例えば、図13(c)に示すように、時刻t1 から
徐々に減少する。
【0055】上記のような処理を実行している際に、ロ
ーパスフィルタ処理により得られた調整操作位置データ
swf が徐々に低下して、その値が、操作レバー101
が既に中立位置(N)に保持された状態で取得された操
作位置データPswadに等しくなると(S28、YE
S)、上記フラグFd がリセットされる(Fd =0)
(S29)。そして、ローパスフィルタ処理にて得られ
た調整操作位置データPswfが出力すべき操作位置デー
タPswとしてセットされた以後は、操作レバー101の
急激な中立位置(N)の復帰する前と同様の処理(S2
1、S22、S23、S24、S25、S31)の処理
が繰り返され、取得される操作位置データPsw adが出力
すべき操作位置データPswとして設定される(S3
1)。
【0056】上記のような処理によれば、走行制御スイ
ッチ100を操作していた運転者がその操作レバー10
1から指を離したために、操作レバー101が急激に中
立位置(N)に戻ったとしても、制御ユニット20内で
各アクチュエータに対する制御信号を生成するために出
力される操作位置データPswは、中立位置(N)に対応
する値まで徐々に減少する。そのため、車両も急激に減
速されることなく、徐々に減速され、その安定性が損な
われることはない。
【0057】なお、上記例においては、車両振動に起因
した操作位置データの比較的高い周波数での変動を除去
するための処理(図10参照)、操作レバー101の中
立位置(N)の変動にともなう補正(図12参照)及び
操作レバー101の急激な操作に対する操作位置データ
の調整処理(図14参照)は、別々に行われるように説
明した。しかし、それらのなかから2つ処理を任意に組
み合わせて行うこと、あるいは、それら3つの処理をす
べて行うことが可能である。
【0058】上記例において、走行制御スイッチ100
の操作レバー101のストロークと加減速度との関係を
表した図9に示す特性に従って各アクチュエータ30、
40に対する制御信号を生成する制御ユニット20の機
能が請求項4記載の信号生成手段に対応する。図10に
示す処理が請求項5記載の信号調整手段に対応する。ま
た、図14に示すステップS22、S23での処理が請
求項7記載の操作変動判定手段に、図14に示すステッ
プS27、S28、S30での処理が請求項7記載の信
号調整手段に対応する。
【0059】更に、走行制御スイッチ100の操作レバ
ー101のストロークと加減速度との関係を示した図8
または図9に示す特性に従って各アクチュエータ30、
40に対する制御信号を生成する制御ユニット20の機
能が請求項10記載の信号生成手段に対応し、図12に
示す処理が請求項12記載の中立位置補正手段に対応す
る。
【0060】なお、運転者の手による操作にて車両の走
行制御をなしうる走行制御スイッチとしては、種々の形
態が考え得る。例えば、図15に示すように、制動操作
用のブレーキボタン110a,110bとアクセル操作
用のアクセルボタン120を別々にステアリングホイー
ル10に設けることができる。アクセルボタン120の
設置位置は、通常の運転操作時に運転者がステアリング
ホイール10を握ったときに、その親指でそのボタンを
押すことができるような位置に決められる。また、各ブ
レーキボタン110、110は、通常の運転操作時に運
転者がステアリングホイール10を握った状態で、親指
を上方に延ばして各ボタンを押すことができるような位
置に決められる。
【0061】この場合、各ボタンの操作圧力に応じた制
動力及びアクセル開度が得られるように、制御ユニット
は各アクチュエータを制御する。2つのブレーキボタン
110a,110bはどちらを操作しても制動がかけら
れるようになっている。また、例えば、図16に示すよ
うに、制動操作用のブレーキボタン110a、110b
を図15に示す場合と同様の位置に設置し、アクセル操
作用の操作レバー130を右側のブレーキ操作ボタン1
10bの上部に設置するようにしてもよい。この場合、
アクセル操作がレバー操作でできるようになるので、ア
クセル状態を保持するための操作が、図15に示す例の
ようにアクセルボタン120を押し続ける操作より行い
易くなる。また、ブレーキ操作とアクセル操作が異なっ
ているため、運転者は、車両前方から視線をそらすこと
なくブレーキボタン110a、110bと操作レバー1
30を指先で判断することができるようになる。
【0062】
【発明の効果】以上、説明してきたように、各請求項記
載の本発明によれば、手動操作部の不用意な操作に対す
る車両走行状態に与える影響が少なくなり、あるいは、
車両振動などの外乱に起因した手動操作部の操作量変動
の車両走行状態に与える影響が少なくなる。その結果、
手動操作部を操作する運転者の意思に従った走行状態を
阻害され難くなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態に係る車両走行制御装置
の走行制御スイッチの設置位置を示す図である。
【図2】図1に示す走行制御スイッチのステアリングホ
イールでの設置状態を示す断面図である。
【図3】走行制御スイッチの操作レバー位置を示す図で
ある。
【図4】走行制御スイッチの構造例を示す図である。
【図5】走行制御スイッチの操作レバーと摺動抵抗器と
の関係を示す図である。
【図6】操作レバーの操作量(ストローク)と走行制御
スイッチの出力抵抗値との関係を示す図である。
【図7】本発明の実施の一形態に係る車両用走行制御装
置の構成を示すブロック図である。
【図8】走行制御スイッチの操作レバーの操作量とその
操作量に基づいて制御される加減速度との関係を示す特
性図である。
【図9】走行制御スイッチの操作レバーの操作量とその
操作量に基づいて制御される加減速度との他の関係を示
す特性図である。
【図10】制御ユニットでの処理の例を示すフローチャ
ートである。
【図11】図10に示す処理で実現されるローパスフィ
ルタを伝達関数で示したブロック図である。
【図12】制御ユニットでの処理の他の例を示すフロー
チャートである。
【図13】操作レバーの操作に基づいた操作位置データ
の状態、その変動を表す操作位置データの微分値及び操
作位置データに基づいて決定される目標減速度を示す特
性図である。
【図14】制御ユニットでの処理の更に他の例を示すフ
ローチャートである。
【図15】走行制御スイッチの他の設置例を示す図であ
る。
【図16】走行制御スイッチの更に他の設置例を示す図
である。
【符号の説明】
10 ステアリングホイール 20 制御ユニット 30 ブレーキアクチュエータ 40 アクセルアクチュエータ 100 走行制御スイッチ 101 操作レバー 102、103 複合スプリング 104 摺動抵抗器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 澤田 耕一 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 西山 景一 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 後藤 武志 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 Fターム(参考) 3G065 CA00 CA22 DA04 GA46 JA09 3G093 BA23 BA27 CB06 CB07 CB10 DA06 DB15 EA09 EB04 EC01

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】車両の制動系及びアクセル系の少なくとも
    一方に設けられたアクチュエータを手動操作部の操作量
    に応じた制御信号に基づいて駆動制御するようにした車
    両用走行制御装置において、 上記手動操作部は、操作量と操作力との関係が、操作量
    が多くなるに従ってその操作量の増分に対する必要な操
    作力の増分が多くなるような非線形関係となる機構を備
    えた車両用走行制御装置。
  2. 【請求項2】請求項1記載の車両用走行制御装置におい
    て、 上記機構は、弾性係数の異なる複数の弾性体を直列に接
    続した複合弾性体を有し、その複合弾性体が操作力に抗
    する反発力を発生するようにした車両用走行制御装置。
  3. 【請求項3】請求項1記載の車両用走行制御装置におい
    て、 上記機構は、弾性係数が連続的に変化する弾性体を有
    し、その弾性体が操作力に抗する力を発生するようにし
    た車両用走行制御装置。
  4. 【請求項4】車両の制動系及びアクセル系の少なくとも
    一方に設けられたアクチュエータを手動操作部の操作量
    に応じた制御信号に基づいて駆動制御するようにした車
    両用走行制御装置において、 手動操作部の操作量が多くなるに従ってその操作量の増
    分に対するアクチュエータの駆動量の増分が多くなるよ
    うな非線形特性にて当該アクチュエータを駆動させるた
    めの制御信号を生成する信号生成手段を有する車両用走
    行制御装置。
  5. 【請求項5】車両の制動系及びアクセル系の少なくとも
    一方に設けられたアクチュエータを手動操作部の操作量
    に応じた制御信号に基づいて駆動制御するようにした車
    両用走行制御装置において、 手動操作部の操作量が所定周波数以上にて変動する場合
    に、手動操作部の操作量に対するアクチュエータの駆動
    量の応答特性を鈍くするように制御信号を調整する信号
    調整手段を備えた車両用走行制御装置。
  6. 【請求項6】請求項5記載の車両用走行制御装置におい
    て、 上記信号調整手段は、手動操作部の操作量を表す信号の
    所定周波数以上の成分を減衰させるローパスフィルタ手
    段と、 該ローパスフィルタ手段にて処理された信号に基づいて
    アクチュエータを駆動するための制御信号を調整する手
    段とを備えた車両用走行制御装置。
  7. 【請求項7】車両の制動系及びアクセル系の少なくとも
    一方に設けられたアクチュエータを手動操作部の操作量
    に応じた制御信号に基づいて駆動制御するようにした車
    両用走行制御装置において、 手動操作部の操作量の変動の急峻さを表す値が所定値以
    上となったか否かを判定する操作変動判定手段と、 該操作変動判定手段が、操作量の変動の急峻さを表す値
    が所定値以上となったことを判定したときに、アクチュ
    エータの駆動量が上記手動操作部の操作量変動より緩や
    かに当該変動後の操作量に対応する駆動量まで変化する
    ように制御信号を調整する信号調整手段とを備えた車両
    用走行制御装置。
  8. 【請求項8】請求項7記載の車両用走行制御装置におい
    て、 上記操作変動判定手段は、手動操作部の操作量を表す信
    号を微分処理する微分処理手段と、 該微分処理手段にて得られた信号が所定値以上であるか
    否かを判定する判定手段とを有する車両用走行制御装
    置。
  9. 【請求項9】請求項7または8記載の車両用走行制御装
    置において、 上記信号調整手段は、手動操作部の操作量を表す信号を
    変動後の操作量に対応するものまでその操作量変動より
    穏やかに徐々に変化させる信号処理手段と、 該信号処理手段にて処理された信号に基づいてアクチュ
    エータを駆動するための制御信号を調整する手段を有す
    る走行制御装置。
  10. 【請求項10】請求項1、4、5及び7いずれか記載の
    車両用制動制御装置において、 手動操作部は、中立位置を有すると共に、その中立位置
    から2方向に移動可能な操作体と、該操作体に対して操
    作力が付加されない状態において当該操作体を該中立位
    置に保持する機構とを備え、 更に、操作体が中立位置にある場合にアクチュエータの
    駆動量をなくし、該操作体が中位位置から一方向に操作
    された場合と中立位置から他方向に操作された場合で、
    車両の走行特性が異なるような制御信号を生成する信号
    生成手段を備えた車両用走行制御装置。
  11. 【請求項11】請求項10記載の車両用走行制御装置に
    おいて、 信号生成手段は、操作体が中位位置から一方に操作され
    た場合と中位位置から他方向に操作された場合で、車両
    の走行特性が逆になるような制御信号を生成するように
    した車両用走行制御装置。
  12. 【請求項12】請求項10または11記載の車両用走行
    制御装置において、 操作力が付加されていない状態での操作体の位置にて常
    にアクチュエータの駆動量がなくなるように制御信号を
    補正する中立位置補正手段を有する車両用走行制御装
    置。
  13. 【請求項13】請求項1乃至12記載の車両用走行制御
    装置において、 上記手動操作部は、車両の操舵を行うためのステアリン
    グホイールに設けられた車両用走行制御装置。
JP25094898A 1998-09-04 1998-09-04 車両用走行制御装置 Expired - Fee Related JP3994541B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP25094898A JP3994541B2 (ja) 1998-09-04 1998-09-04 車両用走行制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP25094898A JP3994541B2 (ja) 1998-09-04 1998-09-04 車両用走行制御装置

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006326058A Division JP4400616B2 (ja) 2006-12-01 2006-12-01 車両用走行制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000080935A true JP2000080935A (ja) 2000-03-21
JP3994541B2 JP3994541B2 (ja) 2007-10-24

Family

ID=17215398

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP25094898A Expired - Fee Related JP3994541B2 (ja) 1998-09-04 1998-09-04 車両用走行制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3994541B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003170759A (ja) * 2001-09-26 2003-06-17 Nissan Motor Co Ltd 車両の駆動力制御装置
JP2009103010A (ja) * 2007-10-22 2009-05-14 Honda Motor Co Ltd 車両用制御装置
KR20130135849A (ko) * 2010-09-14 2013-12-11 알-럽 칼릴 아부 전기 기계 인터페이스
JP2019061343A (ja) * 2017-09-25 2019-04-18 株式会社アドヴィックス 車両用操作装置

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH06504014A (ja) * 1990-10-19 1994-05-12 サーブ オートモービル アクチボラグ 自動車を駆動するサーボ装置の作動−制御器、集成装置および方法
JPH08221146A (ja) * 1995-02-17 1996-08-30 Toyota Motor Corp 車両用操作装置
JPH09265349A (ja) * 1996-03-28 1997-10-07 Kayaba Ind Co Ltd ジョイスティックの中立補正装置

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH06504014A (ja) * 1990-10-19 1994-05-12 サーブ オートモービル アクチボラグ 自動車を駆動するサーボ装置の作動−制御器、集成装置および方法
JPH08221146A (ja) * 1995-02-17 1996-08-30 Toyota Motor Corp 車両用操作装置
JPH09265349A (ja) * 1996-03-28 1997-10-07 Kayaba Ind Co Ltd ジョイスティックの中立補正装置

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003170759A (ja) * 2001-09-26 2003-06-17 Nissan Motor Co Ltd 車両の駆動力制御装置
JP2009103010A (ja) * 2007-10-22 2009-05-14 Honda Motor Co Ltd 車両用制御装置
KR20130135849A (ko) * 2010-09-14 2013-12-11 알-럽 칼릴 아부 전기 기계 인터페이스
JP2013544350A (ja) * 2010-09-14 2013-12-12 アブ アル−ラブ カリル 電気−機械インタフェース
KR101944994B1 (ko) * 2010-09-14 2019-02-01 알-럽 칼릴 아부 전기 기계 인터페이스
JP2019061343A (ja) * 2017-09-25 2019-04-18 株式会社アドヴィックス 車両用操作装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP3994541B2 (ja) 2007-10-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
WO2017018269A1 (ja) 摩擦ブレーキシステム
CA2568220A1 (en) Control device for vehicle
CN107428326B (zh) 电动制动装置
US8296011B2 (en) Systems and methods involving quadrant dependent active damping
CN111348106A (zh) 控制机动车辆中的线控转向系统的方法以及线控转向系统
WO2011004436A1 (ja) 制駆動力制御装置
KR20160072185A (ko) 자동차를 동작시키는 방법 및 상기 방법을 수행하는 자동차
EP2536585A1 (de) Kraftfahrzeug
US7035722B2 (en) Method for operating a steering system for a motor vehicle and steering system
JP2000080935A (ja) 車両用走行制御装置
JP4400616B2 (ja) 車両用走行制御装置
US20040145321A1 (en) Actuator control apparatus
JPH05301565A (ja) ペダル比可変ブレーキペダル装置
EP3335950B1 (en) Electric brake system
JPH09193821A (ja) 車両の操舵角制御用の操作要素装置
US11214295B2 (en) Steering control system
JP3717004B2 (ja) 自動車の車速制御装置
JP6018375B2 (ja) 車両の走行制御装置
DE102010063053A1 (de) Pedalwertgeberanordnung
JP4169028B2 (ja) 車両用運転操作補助装置および車両用運転操作補助装置を備えた車両
CN113492873A (zh) 用于对于激活了的距离-和/或速度调节系统进行去除激活和重新激活的方法及设备
CN115605392A (zh) 具有与加速度相关的转向转矩反馈的线控转向系统
US20170334438A1 (en) Vehicle control apparatus for controlling continuous cooperative operation of plurality of operation devices
JP4068903B2 (ja) 車両の運転操作装置及び車両の転舵制御方法
JP2890826B2 (ja) 前輪舵角制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20061003

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20061201

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070320

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070419

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20070710

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20070723

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100810

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100810

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees