JP2000080346A - 紫外線遮断剤とその製造方法 - Google Patents

紫外線遮断剤とその製造方法

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JP2000080346A
JP2000080346A JP11050320A JP5032099A JP2000080346A JP 2000080346 A JP2000080346 A JP 2000080346A JP 11050320 A JP11050320 A JP 11050320A JP 5032099 A JP5032099 A JP 5032099A JP 2000080346 A JP2000080346 A JP 2000080346A
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ultraviolet
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吟也 足立
Toshiyuki Masui
敏行 増井
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 触媒活性が低く、分散性に優れた紫外線遮断
剤を提供する。 【解決手段】酸化物、複合酸化物中空粒子、又はそれら
の混合物に、不定形、及び/又は結晶性窒化ホウ素を複
合化する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、触媒活性が低く、
分散性に優れた紫外線遮断剤とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】紫外線はプラスチック等の有機材料を劣
化させるのみならず、生体に対して悪影響を及ぼす作用
が強く、波長280〜320nmのUV−B領域の紫外
線は皮膚の炎症を引き起こし、また波長320〜400
nmのUV−A領域の紫外線は皮膚を褐色にすることが
知られている。その防止法の一つとして、種々の有機系
紫外線吸収剤や無機系紫外線散乱剤が開発されてきた。
【0003】有機系紫外線吸収剤はプラスチックや化粧
料に配合した場合に無色かつ透明であるため汎用されて
いたが、近年になり耐熱性、耐候性の不足や、分解生成
物の毒性による安全性の面で問題が多く使用が制限され
ている。一方、無機系紫外線散乱剤である酸化チタン
は、UV−B領域の紫外線に対しては効果的な紫外線遮
蔽効果を示すものの、UV−A領域の紫外線に対しては
ほとんど効果がなく、また化粧料に配合した際にしばし
ば青白い色調をおびるという問題点を有している。逆に
酸化亜鉛は透明性は高いものの、UV−B領域の紫外線
に対しては遮断効果が十分でないという問題があった。
【0004】以上の問題点に対して、種々の改良が施さ
れた無機系紫外線遮断剤が考案されている。たとえば、
特開平1−190626号、特開平5−330825
号、特開平9−40528号に見られるように、酸化チ
タンの表面を種々の酸化物で被覆したり、複合化する技
術が知られているが、依然として分散性の悪さや、触媒
作用による皮膚への刺激など、使用感や安全性の面で不
十分であった。
【0005】また最近では、特開平6−145645
号、特開平7−207251号、特開平9−11861
0号に見られるように、セリウム化合物を紫外線遮断剤
として利用する技術が開発されているが、これらの方法
では紫外線遮断能、粒子の分散性が改善されるものの、
得られた粉体の凝集は依然として強く、また淡黄色や黄
色を呈するという問題点があった。
【0006】
【発明が解決しようという課題】それ故、本発明の課題
は従来の技術ならびに製造方法では成し得なかった、触
媒活性が低く、分散性に優れた紫外線遮断剤とその製造
方法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段及び作用・効果】上記の課
題を解決するために、本発明の紫外線遮断剤は、酸化
物、複合酸化物の中空粒子、あるいはこれら中空粒子の
混合物を用いることを特徴とする。これにより、得られ
る紫外線遮断剤の見かけの比重を小さくすることができ
るので、普通のバルク粒子を用いる場合に比べ、塗料や
顔料、化粧料等に配合した際の分散性が著しく向上する
効果がある。
【0008】さらに、本発明の紫外線遮断剤は、酸化
物、複合酸化物中空粒子、又はそれらの混合物に、不定
形又は結晶性窒化ホウ素を複合化したことを特徴とす
る。この構成によれば、互いに化学的に安定な物質の組
み合わせであるので、耐候性及び耐熱性に優れた複合粒
子が得られ、厳しい環境にさらされる用途においても紫
外線遮断剤として好適に使用できる。
【0009】上記複合粒子は、酸化物、複合酸化物中空
粒子、又はそれらの混合物からなる酸化物中空粒子の表
面を、窒化ホウ素にて被覆した構成とすることである。
酸化物中空粒子の表面を、窒化ホウ素にて被覆すること
で、滑沢性が増し、分散性が向上することに加え、触媒
活性を制止又は抑制する効果がある。
【0010】上記複合粒子における窒化ホウ素の割合
は、任意に設定することができるが、得られた複合粒子
における窒化ホウ素の体積分率を、1〜60体積%とな
るように調節すると、滑沢性、紫外線遮断性、触媒活性
の抑制効果がさらに大きくなるという効果がある。
【0011】また、本発明の紫外線遮断剤を、塗料、顔
料、化粧料等、紫外線遮断性が要求される各種分野に適
用すると、可視領域の透明性を損なうことなく、UV−
BからUV−A領域のほぼ全域にわたり優れた紫外線遮
断効果を示し、また、触媒活性が抑制されるので安定性
及び安全性が高いという効果がある。
【0012】本発明の紫外線遮断剤は、酸化物、複合酸
化物中空粒子、又はそれらの混合物からなる酸化物中空
粒子の表面を、窒化ホウ素にて被覆する構成とすること
ができる。これにより、原料が非常に安価であるという
効果、及び溶液に酸化物を浸けて熱処理するだけで良
く、製造が容易であるという効果がある。
【0013】上記の複合粒子は、酸化物中空粒子表面を
不定形窒化ホウ素にて覆う構成とすることができる。こ
こで本発明における不定形窒化ホウ素とはアモルファス
及び/又は乱層構造の窒化ホウ素を意味する。窒化ホウ
素層を不定形化することで、製造時の熱処理温度を低温
化できるという効果がある。
【0014】次に、上記の複合粒子の平均粒径は特に限
定されるものではないが、例えば0.001μm〜50
0μmに調製することができる。例えば0.001μm
以上の粒径を選択することで、ハンドリングや合成も容
易となるのでより望ましい。他方、500μm以下の粒
径を選択することで、紫外線遮断剤としてプラスチック
や化粧料に配合したときの分散性の悪化やざらつき感を
生じにくくすることができる。
【0015】使用する酸化物中空粒子の種類は特に限定
されないが、例えば典型元素、両性元素、遷移金属元
素、希土類元素、アクチノイドの各固体酸化物、好まし
くは酸化バリウム、酸化カルシウム、酸化ストロンチウ
ム、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウ
ム、酸化鉄、酸化銅、酸化銀、酸化ニッケル、酸化パラ
ジウム、酸化コバルト、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化モ
リブデン、酸化タングステン、酸化ジルコニウム、酸化
ハフニウム、酸化バナジウム、酸化ニオブ、酸化タンタ
ル、酸化スカンジウム、酸化イットリウム、ならびに酸
化ランタン、酸化セリウムをはじめとする原子番号57
〜71の希土類元素の各酸化物の1種または2種以上、
及び上記元素のうち少なくとも1種類以上を含む複合酸
化物あるいはこれらの混合物を使用できる。とりわけ、
酸化物として酸化セリウム、酸化チタン、酸化亜鉛及び
酸化ジルコニウムから選ばれるものを使用すれば、紫外
線遮断効果が大きいという利点がある。
【0016】上記のような本発明の紫外線遮断剤は、以
下の本発明の製造方法により容易に製造できる。すなわ
ち、酸化物、複合酸化物中空粒子又はそれらの混合物
を、ホウ酸と尿素を溶解させた水溶液又はアルコール溶
液に分散後、溶媒を蒸発・乾燥させて前駆体となし、そ
の前駆体を非酸化性雰囲気下で加熱することにより紫外
線遮断剤を得る。以下、本発明をさらに詳しく説明す
る。
【0017】本発明の紫外線遮断剤の製造方法は、種々
の酸化物、複合酸化物中空粒子、あるいはこれらの混合
物を、ホウ酸と尿素を溶解させた水溶液、またはアルコ
ール溶液に分散後、溶媒を蒸発させ、得られた前駆体を
非酸化性雰囲気で加熱することを特徴とする。
【0018】本発明の紫外線遮断剤を製造するには、各
種酸化物および複合酸化物中空粒子の生成が必要であ
る。
【0019】本発明において出発物質として用いられる
酸化物および複合酸化物中空粒子としては、界面反応
法、多重エマルション法、スプレードライ法、液中硬化
法、芯物質表面重合法、芯物質燃焼法、コアセルベーシ
ョン法、液中乾燥法等により調製された各種酸化物、複
合酸化物の中空粒子、ならびに中空微粒子、中空超微粒
子、あるいはこれらの混合物、市販の酸化物、複合酸化
物の中空粒子、ならびに中空微粒子、中空超微粒子、あ
るいはこれらの混合物のうち、いずれを用いてもよい
が、好ましくは分散性を高くして粒度の感触をなくすた
めに、調製品、市販品に関わらず、粒径10μm以下の
酸化物中空微粒子、複合酸化物中空微粒子が用いられ
る。
【0020】本発明において得られる紫外線遮断剤の平
均粒径は、用いる酸化物又は複合酸化物の平均粒径、な
らびに複合化する窒化ホウ素層の厚さによって0.00
1μm〜500μmの範囲に調整することができる。例
えば化粧品用の微粒子として用いる場合は、平均粒子径
を0.05μm以下にすることが可視領域の透明性を高
くする点で望ましい。
【0021】本発明において酸化物中空粒子に複合させ
る窒化ホウ素の量は、原料の混合比、反応温度や反応時
間を変化させることにより、複合化させる酸化物中空粒
子に対して任意の割合で制御することができるため、特
に限定されるものではないが、得られた複合粒子におけ
る窒化ホウ素の体積分率が1〜60%になるように調節
するのが望ましい。その理由は、60%以上の体積分率
を選択することで、高い紫外線遮断効果が得られにくく
なり、他方、1%以下の体積分率を選択することで、触
媒活性の抑制が困難になるからである。
【0022】また、本発明において酸化物又は複合酸化
物中空粒子表面に窒化ホウ素を被覆する場合、窒化ホウ
素層の厚さは、反応温度、反応時間、被覆される酸化物
の種類等によって数nm〜数十nmの範囲で変化する。
これも特に限定されるものではないが、高い紫外線遮断
効果、触媒活性の抑制、及び優れた分散性を同時に達成
するために1〜20nmに調整することが望ましい。
【0023】本発明においては、溶媒として水またはア
ルコールを用いることができる。アルコールを用いる場
合には、炭素数1以上のアルコールであればいかなるも
のでも良いが、好ましくは安価で入手容易なメタノール
あるいはエタノールが用いられる。
【0024】本発明において、複合させる窒化ホウ素の
原料としては、水またはアルコールの溶媒に溶解する窒
素ならびにホウ素含有化合物であればいかなるものでも
良いが、好ましくはホウ酸と尿素が用いられる。この場
合、溶媒に溶解させるホウ酸と尿素の割合は、任意に設
定することができるが、窒化ホウ素の生成収率を高くす
るために、好ましくは窒化ホウ素の化学量論比である
1:1の割合から、ホウ酸に対して尿素の量が2倍程度
まで過剰になるようにする。
【0025】本発明において、ホウ酸、尿素および酸化
物中空粒子から構成される前駆体は、溶媒である水また
はアルコール中にホウ酸と尿素を溶解させ、これに酸化
物粒子を分散させた後、溶媒を蒸発させることによって
得られる。溶媒の蒸発は、自然蒸発、加熱蒸発のほか
に、恒温乾燥器やロータリーエバポレーター等を用いて
も良い。また、酸化物粒子の分散には超音波分散装置の
ほか、マグネティックスターラーやホモジナイザー等の
撹拌機が用いられる。
【0026】本発明において生成した前駆体は、窒素、
水素、アンモニア、アルゴン、ヘリウム等、非酸化性お
よび不活性ガス雰囲気、あるいは真空中で還元処理さ
れ、未反応のホウ酸と尿素から窒化ホウ素が生成する。
このときの酸素分圧はガスの全圧に対して0.01%以
下にするのが望ましい。このときの処理温度は200〜
1500℃の範囲の任意の温度で行うことができるが、
粒子の凝集を抑えるには200〜700℃で行うことが
望ましい。また、200℃以下では反応速度の減少によ
り、窒化ホウ素の生成効率が著しく低下し、他方150
0℃以上では粒子間の焼結や粒成長が起こり、分散性が
低下する。処理後の粒子は、水、炭化水素、アルコー
ル、アセトン、石油エーテル等により洗浄される。洗浄
手段は遠心分離、濾別、デカンテーションを繰り返す
か、セラミックフィルターや限外ろ過膜を使った微粉洗
浄装置でもよい。洗浄が終わった粒子は、室温による自
然乾燥、あるいはオーブン等を用いた加熱乾燥、または
凍結乾燥により乾燥する。このときに真空乾燥機やスプ
レードライヤーなどを用いても良い。
【0027】このようにして、触媒活性が低く、分散性
に優れる紫外線遮断剤を得ることができるが、さらに本
発明の製造方法では、前記乾燥によって得られた紫外線
遮断剤を必要に応じて焼成してもよい。この焼成は還元
されやすい酸化物中空粒子を用いた際に特に有効であ
り、非酸化性雰囲気下での熱処理によって還元された酸
化物が元に戻る。この際の焼成温度は150〜1000
℃、好ましくは300〜600℃であり、昇温速度は5
00℃/時間以下、好ましくは100℃/時間で行い、
また焼成時間は30分〜12時間、好ましくは1〜3時
間とする。焼成温度、焼成時間及び昇温時間は、いずれ
にしろ再酸化が不十分とならず、かつ、焼成処理による
凝集、粒成長、焼結が起こりやすくならないよう、その
上限及び下限値を定めることが望ましいといえる。
【0028】次に本発明により得られた紫外線遮断材を
配合したプラスチックについて述べる。一般に、プラス
チックは太陽光線に含まれる紫外線を吸収すると劣化を
おこすことが知られている。その対策として本発明の紫
外線遮断剤を配合することで光劣化を防止あるいは低減
できる。
【0029】ここで言うプラスチックとは、ポリ塩化ビ
ニル、ポリカーボネイト、ポリプロピレン等の合成樹
脂、および天然樹脂に加え、これらのうち少なくともひ
とつを配合した塗料などを含む。
【0030】また、紫外線遮断剤のプラスチックに対す
る配合比率は任意に設定することができるが、好ましく
は0.5〜50重量%の範囲に調整する。配合率が0.
5重量%以下では十分な紫外線遮断効果を得られず、一
方、50重量%以上では分散性が低下する。また、配合
の際に分散剤等の添加剤を加えても良い。
【0031】次に本発明により得られた紫外線遮断剤を
用いた化粧料について述べる。本発明の紫外線遮断剤を
配合した化粧料は分散性が高く、優れた紫外線遮断効果
を発揮する。また、色調も肌色に近いため、違和感なく
使用することができる。化粧料の剤型としては、ファン
デーション、口紅、アイシャドウ、乳液、クリーム、化
粧水、頭髪化粧料等に用いることができ、日焼け止め化
粧料として用いるのが好ましい。配合率は特に限定され
ないが、0.1〜70重量%に調節するのが望ましい。
配合率が0.5重量%以下であると十分な紫外線遮断効
果を得にくくなる場合があり、他方、70重量%以上配
合すると分散性が低下する場合がある。
【0032】さらに化粧料として用いる場合、本発明の
紫外線遮断剤にさらに表面処理を施したものを用いても
良い。表面処理としては、アミノ酸処理、コラーゲン処
理、レシチン処理、トリグリセライド処理、シリコーン
処理、金属石鹸処理、キチン・キトサン処理等が挙げら
れる。
【0033】また、本発明により得られた紫外線遮断材
を配合した化粧料において、他の紫外線吸収剤や紫外線
散乱剤を、その使用に起因する問題点を生じない範囲で
添加しても良い。紫外線吸収剤としては、ベンゾフェノ
ン系、サリチル酸系、PABA系、ジベンゾイルメタン
系、シンナメート系等の少なくとも1種類以上が用いら
れ、紫外線散乱剤としては酸化チタン、酸化亜鉛、ある
いは酸化セリウム等の少なくとも1種類以上が好まし
く、より好ましくは平均粒径50nm以下の酸化チタ
ン、酸化亜鉛、酸化セリウムの少なくとも1種類以上で
ある。
【0034】さらに、本発明の紫外線遮断材を化粧料に
用いる場合、分散剤、界面活性剤、油剤、ゲル化剤、高
分子、保湿剤、美容成分、色素、防腐剤、粉体、香料等
の添加剤を本発明の効果を妨げない範囲で使用すること
ができる。
【0035】
【実施例】以下に実施例をあげて本発明をさらに詳細に
説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。
【0036】(実施例)1モル/リットルの硝酸セリウ
ム水溶液100ミリリットルに、界面活性剤ポリオキシ
エチレン(10)オクチルフェニルエーテル30ミリリ
ットルを溶解した。これにシクロヘキサン10ミリリッ
トルを加えよく攪拌し、O/Wマイクロエマルションを
調製した。
【0037】次に、シクロヘキサン3000ミリリット
ルに界面活性剤ソルビタンモノオレートを600ミリリ
ットル加えた溶液を調製し、これに前記O/Wマイクロ
エマルション90ミリリットルを加えてよく攪拌し、O
/W/Oマイクロエマルションを調製した。
【0038】また、上記O/W/Oマイクロエマルショ
ンとは別に、シクロヘキサン3000ミリリットルに界
面活性剤ポリオキシエチレン(5)ノニルフェニルエー
テル600ミリリットルを溶解し、これに濃アンモニア
水90ミリリットルを加えてよく攪拌し、W/Oマイク
ロエマルションを調製した。これを前記O/W/Oマイ
クロエマルションに混合し、1時間撹拌した後エバポレ
ーターで濃縮した。得られた粒子をアセトンで5回繰り
返し洗浄し、凍結乾燥後、空気中500℃で3時間焼成
し、酸化セリウム中空粒子5gを得た。
【0039】次いで、ホウ酸9.5gと、尿素18gを
500ミリリットルのエタノールに溶解し、これに前記
の酸化セリウム中空粒子5gを加え、スターラーにより
1時間分散後、脱イオン水を250ミリリットル加え、
ロータリーエバポレーターで乾燥を行った。その後、生
成した乾燥粉末を軽くほぐし、50℃で一晩真空乾燥し
た後、窒素中500℃で3時間加熱した。得られた粉末
を脱イオン水で3回洗浄した後、空気中60℃で乾燥し
た。
【0040】このようにして得られた粒子を空気中、5
00℃で3時間焼成して得られた粉末はベージュ色であ
った。図1に示すように、得られた粉末のTEM観察を
行ったところ、粒径約30〜50nmの酸化セリウム中
空粒子が確認された。粒子表面をXPS測定により定
性、定量分析したところ、図2に示すように、窒化ホウ
素に帰属されるピークが観測された。これより酸化セリ
ウム中空粒子表面を窒化ホウ素が被覆していることが明
らかとなり、その表面組成は酸化セリウム8.5%に対
して窒化ホウ素91.5%であった。
【0041】図3は、上記窒化ホウ素・酸化セリウム複
合中空粒子の紫外、可視光反射率測定結果を示すもので
あり、この図から本発明の紫外線遮断剤は優れた紫外線
遮断能を有することが明らかとなっている。さらに、本
発明で得られたホウ素・酸化セリウム複合粒子は強い凝
集がおこっておらず、極めて分散性に優れるものであっ
た。
【0042】また、得られた紫外線遮断剤0.3gをひ
まし油5.0gと混合し、これに130℃加熱下で毎時
16リットル流通させた空気を50ミリリットルの脱イ
オン水中に導入し、3時間後の水の導電率変化により触
媒活性を評価した。その結果、本発明の紫外線遮断剤を
用いた場合、3時間後の水の導電率が7.22μS/c
mであったのに対し、市販の酸化セリウムでは48.1
μS/cm、市販の酸化チタンでは12.0μS/cm
となり、明らかな触媒活性の低下が見られた。
【0043】
【発明の効果】本発明の紫外線遮断剤は、触媒活性が低
く、分散性に優れることから、紫外線遮断性が要求され
る各種分野、塗料、顔料、化粧料、蛍光体材料、セラミ
ックス材料、触媒、光学材料として有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例で製造した紫外線遮断剤のTEM写真で
ある。
【図2】実施例で製造した紫外線遮断剤のXPSスペク
トルである。
【図3】実施例で製造した紫外線遮断剤の紫外線遮断効
果を示す曲線図である。_
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08K 7/24 C08K 7/24 9/02 9/02 C08L 101/00 C08L 101/00 // A61K 7/42 A61K 7/42

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸化物、複合酸化物中空粒子、又はそれ
    らの混合物に、不定形及び/又は結晶性窒化ホウ素を複
    合化したことを特徴とする紫外線遮断剤。
  2. 【請求項2】 酸化物、複合酸化物中空粒子、又はそれ
    らの混合物の表面を、窒化ホウ素にて被覆した請求項1
    記載の紫外線遮断剤。
  3. 【請求項3】 前記酸化物中空粒子表面が、不定形及び
    /又は結晶性窒化ホウ素にて覆われている請求項2記載
    の紫外線遮断剤。
  4. 【請求項4】 平均粒径が1nm〜500μmに調整さ
    れている請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の紫
    外線遮断剤。
  5. 【請求項5】 前記酸化物として、酸化セリウム、酸化
    チタン、酸化亜鉛及び酸化ジルコニウムから選ばれるも
    のが使用される請求項1ないし4のいずれかに記載の紫
    外線遮断剤。
  6. 【請求項6】 酸化物、複合酸化物中空粒子、又はそれ
    らの混合物を、ホウ酸と尿素とを溶解させた水溶液また
    はアルコール溶液に分散後、溶媒を蒸発、乾燥させて前
    駆体となし、その前駆体を非酸化性雰囲気下で加熱する
    ことにより、請求項1ないし5のいずれかに記載の紫外
    線遮断剤を得ることを特徴とする、紫外線遮断剤の製造
    方法。
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