JP2000079764A - 光情報記録媒体および情報の記録再生方法 - Google Patents

光情報記録媒体および情報の記録再生方法

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JP2000079764A
JP2000079764A JP11259492A JP25949299A JP2000079764A JP 2000079764 A JP2000079764 A JP 2000079764A JP 11259492 A JP11259492 A JP 11259492A JP 25949299 A JP25949299 A JP 25949299A JP 2000079764 A JP2000079764 A JP 2000079764A
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JP11259492A
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English (en)
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Norihito Tamura
礼仁 田村
Norio Ota
憲雄 太田
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Maxell Holdings Ltd
Original Assignee
Hitachi Maxell Ltd
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  • Optical Record Carriers And Manufacture Thereof (AREA)
  • Optical Recording Or Reproduction (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 記録材料を選択することによって、記録特性
が良好で、CDプレーヤで情報の再生ができ、かつ耐環
境性に優れた光情報記録媒体を得る。 【解決手段】 媒体に関しては、基板の信号面に、〔G
e,Si,Sn〕元素群から選択された少なくとも1種
類の元素とAuとを主成分とする合金からなり、Auの
含有率が70原子%に調整された記録層を基板の信号面
に直接形成するという構成にした。情報の記録再生方法
に関しては、上記の媒体を用い、情報の記録時には、前
記記録層に記録用放射線ビームを照射し、その熱によっ
て上記記録層の記録用放射線ビーム照射部に原子配列の
変化を生じさせると共に当該記録用放射線ビーム照射部
の下地である上記基板に変形を生じさせ、情報の再生時
には、情報の記録部に沿って再生用放射線ビームを照射
し、上記記録層に生じた原子配列の変化ならびに上記基
板に生じた変形に伴う反射率の変化を光学的に読み出す
という構成にした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、レーザ光や電子線等の
放射線エネルギによって、例えば映像や音声などのアナ
ログ信号をFM変調したものや、電子計算機のデータ、
それにファクシミリ信号やディジタルオーディオ信号な
どのディジタル情報を、リアルタイムで記録することが
可能な光情報記録媒体、およびそれを用いた情報の記録
再生方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、基板上にヒートモード記録材
料よりなる薄膜(記録層)を担持し、放射線の光熱作用
によって情報の追記を可能にした光情報記録媒体が知ら
れている。
【0003】放射線によって薄膜に記録を行う記録原理
は種々あり、Te,Biなどを主成分とした金属層やシ
アニンなどの色素層からなる記録薄膜の変形、昇華、蒸
発などによる記録、Te−Ge系、As−Te−Ge
系、Te−O系などの相転移(相変化ともいう)、フォ
トダークニングなど原子配列変化による記録などが知ら
れている。
【0004】一方、予め情報が記録されており、放射線
による情報の記録、消去を行わない再生専用の光情報記
録媒体が、オーディオ部門や映像部門などで広く普及し
ている。CD(コンパクトディスク)はオーディオ部門
で普及している再生専用の光情報記録媒体の代表的なも
のであり、ビデオディスクは映像部門で普及している再
生専用の光情報記録媒体の代表的なものである。これら
再生専用の光情報記録媒体における再生信号の仕様は、
例えばCDフォーマットとして規格化されている。
【0005】さらには、情報の追記が可能でCDプレー
ヤで情報の再生が可能な光情報記録媒体(追記型CD)
や、同じく情報の追記が可能でビデオディスクプレーヤ
で情報の再生が可能な光情報記録媒体(追記型ビデオデ
ィスク)の開発が盛んに行われている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記追記型CDや追記
型ビデオディスクを実用化するためには、反射率や記録
した情報の信号変調度などを、各プレーヤが要求する条
件を満たすようにする必要がある。例えば追記型CDに
ついていえば、反射率が70%以上、11T信号記録時
の信号変調度が60%以上などの条件を満たさなくては
ならない。
【0007】上記した従来の記録可能な光情報記録媒体
に使用される記録材料は、高い記録感度を得るため、照
射される放射線が効率よく吸収され、反射率が低くなる
ように設定されているために、CDプレーヤやビデオデ
ィスクプレーヤでの情報の再生が不可能である。また、
光情報記録媒体を従来のCDと同様に単板構造に形成す
ると、特に耐環境性に優れることが要求されるが、従来
の追記型の記録材料はいずれも耐環境性に難点があり、
この点からも追記型CDとして用いることは不適であ
る。
【0008】本発明は、上記した従来技術の現状に鑑み
てなされたものであって、記録特性が良く、CDプレー
ヤもしくはビデオディスクプレーヤでの再生が可能で、
かつ耐環境性に優れた光情報記録媒体、および当該光情
報記録媒体に対する情報の記録再生方法を提供すること
を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の目的を
達成するため、光情報記録媒体の構成に関しては、基板
の信号面に少なくとも記録層を含む薄膜を担持してなる
光情報記録媒体において、上記基板の信号面に、〔G
e,Si,Sn〕元素群から選択された少なくとも1種
類の元素とAuとを主成分とする合金からなり、Auの
含有率が70原子%に調整された記録層が直接形成さ
れ、当該記録層に記録用放射線ビームが照射されたと
き、当該記録層の記録用放射線ビーム照射部に原子配列
の変化が生じると共に、当該記録用放射線ビーム照射部
の下地である上記基板に変形が生じて情報の記録が行わ
れるという構成にした。
【0010】上記光情報記録媒体は、波長が780nm
の光に対する反射率が70%以上とすることができる。
【0011】一方、情報の記録再生方法に関しては、基
板の信号面に、〔Ge,Si,Sn〕元素群から選択さ
れた少なくとも1種類の元素とAuとを主成分とする合
金からなり、Auの含有率が70原子%に調整された記
録層が直接形成された光情報記録媒体を用い、情報の記
録時には、前記記録層に記録用放射線ビームを照射し、
その熱によって上記記録層の記録用放射線ビーム照射部
に原子配列の変化を生じさせると共に当該記録用放射線
ビーム照射部の下地である上記基板に変形を生じさせ、
情報の再生時には、情報の記録部に沿って再生用放射線
ビームを照射し、上記記録層に生じた原子配列の変化な
らびに上記基板に生じた変形に伴う反射率の変化を光学
的に読み出すという構成にした。
【0012】
【作用】〔Ge,Si,Sn〕元素群から選択された少
なくとも1種類の元素Auとが適当な比率で存在する合
金は、70%以上の反射率を持つ。また、この合金は共
晶組織を持ち、融点が比較的低いので、記録感度が良好
であるばかりでなく、原子配列変化、例えば非晶質相か
ら結晶質相への変化などを高速で行うことができる。さ
らには、この合金は、耐環境性特に耐食性に優れる。よ
って、追記型CDもしくは追記型ビデオディスクに好適
な記録層となり得る。
【0013】一方、上記A群元素を主成分とする薄膜と
B群元素を主成分とする薄膜を積層しても、70%以上
の反射率と、高い耐環境性を持たせることができる。ま
た、記録時の光熱によって上記両方の薄膜を溶融して合
金化すると、各薄膜が単独で存在する場合に比べて反射
率が変化する。よって、追記型CDもしくは追記型ビデ
オディスクに好適な記録層となり得る。
【0014】また、記録用放射線ビームを照射すること
によって記録層の原子配列を変化させ、かつ該部下地の
基板または熱変形層を変形させて情報の記録を行い、ま
た、上記原子配列の変化および上記基板または熱変形層
の変形に伴う反射率の変化を光学的に読み出すことによ
って情報の再生を行うと、記録層の原子配列のみを変化
させることによって情報を記録する場合に比べて、記録
部の反射率変化を格段に大きくすることができるので、
良好な再生特性を得ることができる。
【0015】記録用放射線ビームを照射することによっ
てA群元素を主成分とする薄膜とB群元素を主成分とす
る薄膜を溶融して混合させ、かつ該部下地の基板または
熱変形層を変形させて情報の記録を行い、また、上記記
録層の混合および上記基板または熱変形層の変形に伴う
反射率の変化を光学的に読み出すことによって情報の再
生を行う場合も同様である。
【0016】
【実施例】本発明の第1実施例を、図1〜図3によって
説明する。図1は本例に係る光情報記録媒体の要部断面
図、図2は平面図、図3は本例の光情報記録媒体を用い
た情報の記録再生方法を示す説明図である。
【0017】図1に示すように、本例の光情報記録媒体
は、基板1の信号面2に、基板1側より、記録層3と保
護層4とを順次積層してなる。
【0018】基板1は、例えばポリカーボネート、ポリ
オレフィン、エポキシ、アクリルなど、比較的熱変形し
やすい透明なプラスチック材料をもって、所望の形状お
よび寸法に形成される。
【0019】信号面2には、光ビームスポットを案内す
るための案内溝やヘッダー信号を表すプリピット列など
の信号パターン5が微細な凹凸状に形成される。上記信
号パターン5は、図2に示すように、基板1と同心の渦
巻状もしくは同心円状に形成される。
【0020】記録層3は、〔Ge,Si,Sn〕元素群
から選択された少なくとも1種類の元素(A群元素)
と、〔Au,Ag,Al,Cu〕元素群から選択された
少なくとも1種類の元素(B群元素)とを主成分とする
合金にて形成される。
【0021】もちろん、添加元素として、例えばTl,
Co,Fe,Ni,Sc,Ti,V,Cr,Mn,Z
n,Y,Zr,Nb,Mo,Ru,Rh,Pd,Cd,
Hf,Ta,W,Re,Os,Ir,Pt,Te,S
e,Sb,S,Hg,As,B,C,N,P,O,ハロ
ゲン元素、アルカリ金属元素、アルカリ土類金属元素、
アクチニド元素、ランタニド元素、不活性ガス元素など
のうちの少なくとも1元素を含んでも良い。
【0022】上記各元素のうち、Co,Ni,Sc,T
i,V,Cr,Mn,Zn,Y,Zr,Nb,Mo,R
u,Rh,Pd,Cd,Hf,Ta,W,Re,Os,
Ir,Pt,Feは、半導体レーザ光などの長波長光の
吸収を容易にして記録感度を高める効果を持ち、また高
速結晶化を可能にする。Te,Se,Sb,Sは、非晶
質状態の安定性を増し、かつ耐酸化性を向上させる効果
を持つ。Tl,ハロゲン元素、アルカリ金属元素は、結
晶化速度を向上させ、かつ非晶質状態の安定性を増す効
果を持つ。N,O,Arは、非晶質状態の安定性を増す
効果を持つ。また、希土類元素などは、結晶化温度を高
めるなどの役割を果させ得る。
【0023】上記記録材料のうちでは、〔GeまたはS
n〕のうちの少なくともいずれか一方の元素とAlとを
主成分とする合金であって、その膜厚方向の平均組成が
下記の一般式にて表されるものが特に好ましい。 SixMAaMBbMCcMDd ただし、MAは上記B群元素〔Au,Ag,Cu,A
l〕から選択された少なくともいずれか一つの元素、M
Bは〔Te,Se,S〕元素群から選択された少なくと
もいずれか一つの元素、MCは〔B,C,P〕元素群か
ら選択された少なくともいずれか一つの元素、MDは上
記Si(ケイ素)およびMA,MB,MCで表される元
素以外の元素である。上記MDで表される元素として
は、例えばTl,Pd,Ta,W,Ir,Sc,Y,T
i,Zr,V,Nb,Cr,Mo,Mn,Fe,Ru,
Co,Rh,Ni,Sb,Hg,As,Ge,Sn,
N,O,ハロゲン元素、アルカリ金属元素、アルカリ土
類金属元素、アクチニド元素、ランタニド元素、不活性
ガス元素などの各元素を挙げることができる。
【0024】上記の一般式における添字x,a,b,
c,dは各成分の含有率を示し、下記の範囲に設定する
ことができる。ただし、単位は原子%である。 5≦x≦70 30≦a≦95 0≦b≦30 0≦c≦30 0≦d≦30。
【0025】なお、各成分の含有率を下記の範囲に設定
すると、より好ましい結果を得ることができる。 7≦x≦68 32≦a≦93 0≦b≦20 0≦c≦20 0≦d≦20。
【0026】また、各成分の含有率を下記の範囲に設定
すると、特に好ましい結果を得ることができる。 10≦x≦65 35≦a≦90 0≦b≦7 0≦c≦7 0≦d≦7。
【0027】さらには、0≦b<5、0≦c<5、0≦
d<5であれば、最も好ましい。
【0028】上記の各組成において、MAで表される元
素がAg,Al,Cuのうちの少なくとも1元素である
場合には、耐食性の面から1≦b+c+d≦20とする
ことがより好ましく、さらに、1≦b+c+d≦7とす
ることが特に好ましい。
【0029】また、記録層3内における各成分の分布
は、均一であっても良いし、膜厚方向に濃度勾配を有し
ていても良い。例えば、Se,Sb,Sについては、記
録層3の表層部により多く分布させた方が好ましい。
【0030】保護層4は、例えばAlN,Al23,S
iN,SiO2などの無機材料、または光硬化性樹脂な
どの有機材料をもって形成される。
【0031】以下、図3により、上記第1実施例の光情
報記録媒体を用いた情報の記録再生方法について説明す
る。
【0032】図3に示すように、CDフォーマットなど
の所定の方式で信号変調された記録用放射線ビーム6を
上記記録層3に合焦すると、その光エネルギーが上記記
録層3によって熱エネルギーに変換され、その熱によっ
て上記記録層3の記録用放射線ビーム照射部7の原子配
列を変化されるとともに、該部下地の基板1が熱変形8
されて情報の記録が行われる。したがって、上記原子配
列の変化および上記基板1の熱変形に伴う反射率の変化
を光学的に読み出すことによって情報の再生を行うこと
ができる。なお、情報の記録は、案内溝上に行うことも
できるし、相隣接する案内溝の間の平坦部に行うことも
できる。ただし、畜熱効果が顕著で、記録層3の原子配
列を速やかに変化させ、かつ基板1に大きな熱変形を生
じさせることができるため、溝上に記録する方がより記
録再生特性を高める上で有利である。
【0033】かように、上記第1実施例の光情報記録媒
体は、記録層3の原子配列を変化させるのみならず、基
板1を熱変形させることによって情報を記録するので、
大きな信号変調度を得ることができる。
【0034】次に、本発明の第2実施例を、図4および
図5によって説明する。図4は本例に係る光情報記録媒
体の要部断面図であり、図5は記録再生原理を示す説明
図である。
【0035】図4に示すように、本例の光情報記録媒体
は、記録層3が、A群元素を主成分とする第1の薄膜3
aとB群元素を主成分とする第2の薄膜3bとから構成
されている。その他については、上記第1実施例と同じ
であり、重複を避けるため、説明を省略する。
【0036】図5により、上記第2実施例の光情報記録
媒体を用いた情報の記録再生方法について説明する。
【0037】図5に示すように、CDフォーマットなど
の所定の方式で信号変調された記録用放射線ビーム6を
上記記録層3に合焦すると、その光エネルギーが上記記
録層3によって熱エネルギーに変換され、その熱によっ
て上記記録層3を構成する第1の薄膜3aおよび第2の
薄膜3bが融解し、互いに混合しあう。また、その熱に
よって、記録用放射線ビーム照射部7の下地の基板1が
熱変形8されて情報の記録が行われる。したがって、薄
膜3a,3bの混合、それに上記基板1の熱変形に伴う
反射率の変化を光学的に読み出すことによって情報の再
生を行うことができる。
【0038】第2実施例の光情報記録媒体も、上記第1
実施例の光情報記録媒体と同様の効果がある。
【0039】次に、本発明の第3実施例を、図6によっ
て説明する。図6は本例に係る光情報記録媒体の要部断
面図である。
【0040】図6に示すように、本例の光情報記録媒体
は、基板1と記録層3との間に、基板1よりも耐熱性の
低い物質からなる熱変形層11が設けられている。本例
の光情報記録媒体は、基板材料として、ガラスや熱硬化
性樹脂などの耐熱性が高い材料を用いた場合に特に効果
がある。熱変形層11を形成する物質としては、熱可塑
性樹脂が特に好適である。
【0041】なお、図6においては、記録層3が単層に
て表されているが、第2実施例の光情報記録媒体のよう
に、複数の薄膜の積層体から記録層3を形成することも
できる。その他については、上記第1、第2実施例と同
じであり、重複を避けるため、説明を省略する。
【0042】第3実施例の光情報記録媒体も、上記第
1、第2実施例の光情報記録媒体と同様の効果がある。
【0043】次に、本発明の第4実施例を、図7によっ
て説明する。図7は本例に係る光情報記録媒体の要部断
面図である。
【0044】図7に示すように、本例の光情報記録媒体
は、基板1側から見て記録層3の背面側に、光吸収層1
2が設けられている。
【0045】なお、図7においては、記録層3が単層に
て表されているが、第2実施例の光情報記録媒体のよう
に、複数の薄膜の積層体から記録層3を形成することも
できる。その他については、上記第1、第2実施例と同
じであり、重複を避けるため、説明を省略する。
【0046】第4実施例の光情報記録媒体は、記録層3
の背面側に光吸収層12を設けたので、発熱量が大き
く、記録感度をより向上させる効果がある。
【0047】次に、本発明の第5実施例を、図8によっ
て説明する。図8は本例に係る光情報記録媒体の要部断
面図である。
【0048】図8に示すように、本例の光情報記録媒体
は、基板1側から見て記録層3の背面側に、反射層13
が設けられている。反射層13を形成する物質として
は、Au,Ag,Alなどの金属材料が特に好適であ
る。
【0049】なお、図8においては、記録層3が単層に
て表されているが、第2実施例の光情報記録媒体のよう
に、複数の薄膜の積層体から記録層3を形成することも
できる。その他については、上記第1、第2実施例と同
じであり、重複を避けるため、説明を省略する。
【0050】第5実施例の光情報記録媒体は、記録層3
の背面側に反射層13を設けたので、記録層3と反射層
13との間で多重干渉効果を生じ、より高い反射率を得
ることができる。
【0051】次に、本発明の第6実施例を、図9によっ
て説明する。図9は本例に係る光情報記録媒体の要部断
面図である。
【0052】図9に示すように、本例の光情報記録媒体
は、基板1側から見て記録層3の背面側に、中間層14
と反射層12とが順次積層されている。
【0053】中間層14の例を挙げると、Ce,La,
Si,In,Al,Ge,Pb,Sn,Bi,Te,T
a,Sc,Y,Ti,Zr,V,Nb,Cr,Wよりな
る群より選ばれた少なくとも1元素の酸化物、Cd,Z
n,Ga,In,Sb,Ge,Sn,Pb,Biよりな
る群より選ばれた少なくとも1元素の硫化物またはセレ
ン化物、Mg,Ce,Caなどの弗化物、Si,Al,
Ta,Bなどの窒化物、B,Siなどの炭化物、Tiな
どのホウ化物、ホウ素、炭素よりなるものであって、例
えば主成分がCeO2,La23,SiO,SiO2,I
23,Al23,GeO,GeO2,PbO,Sn
O,SnO2,Bi23,TeO2,Ta25,Sc
23,Y23,TiO2,ZrO2,V25,Nb25
Cr23,WO2,WO3,CdS,ZnS,CdSe,
ZnSe,In23,In2Se3,Sb23,Sb2
3,Ga23,Ga2Se3,GeS,GeSe,Ge
Se2,SnS,SnS2,SnSe,SnSe2,Pb
S,PbSe,Bi2Se3,Bi23,MgF2,Ce
3,CaF2,TaN,Si34,AlN,BN,S
i,TiB2,B4C,SiC,B,Cのうちの一者に近
い組成を持ったもの、およびこれらの混合物である。
【0054】これらのうち、硫化物では、ZnSに近い
ものが、屈折率が適当な大きさで膜が安定である点で好
ましい。窒化物では、表面反射率があまり高くなく、膜
が安定かつ強固である点で、TaN,Si34,AlN
(窒化アルミニウム)、またはAlSiN2に近い組成
のものが好ましい。酸化物では、Y23,Sc23,C
eO2,TiO2,ZrO2,SiO,Ta25,In
23,Al23,SnO2,SiO2に近い組成のものが
好ましい。Siの水素を含む非晶質も好ましい。反射層
12を形成する物質としては、上記第5実施例と同様
に、Au,Ag,Alなどの金属材料が用いられる。
【0055】なお、図9においては、記録層3が単層に
て表されているが、第2実施例の光情報記録媒体のよう
に、複数の薄膜の積層体から記録層3を形成することも
できる。その他については、上記第1、第2実施例と同
じであり、重複を避けるため、説明を省略する。
【0056】第6実施例の光情報記録媒体は、記録層3
の背面側に中間層14および反射層12を設けたので、
多重干渉効果がより高められ、より高い反射率を得るこ
とができる。また、記録層3で発生した熱が反射層12
に拡散するの中間層14にて抑制することができ、より
高い記録感度を得ることができる。
【0057】なお、上記第1実施例の光情報記録媒体に
おいては、主として記録層3が光熱の作用によって非晶
質相と結晶質相との間の変化を利用して情報の記録が行
われるものと思われるが、必ずしも非晶質状態と結晶状
態との間の変化を記録に利用する必要はなく、何らかの
原子配列変化によって光学的性質の変化を起させれば良
い。例えば、結晶粒径や結晶形の変化などでも良い。非
晶質状態と結晶状態の変化でも、非晶質は完全な非晶質
でなく、結晶部分が混在していても良い。また、記録層
を多層構造とした場合、各層を形成する原子のうちの一
部が移動(拡散、化学反応などによる)することによ
り、あるいは移動と相変化の両方により記録されても良
い。
【0058】以下に、より具体的な実験例を示し、本発
明の効果を明らかにする。
【0059】〈実験例1〉直径12cm、厚さ1.2m
mのポリカーボネート基板を、複数のターゲットを持
ち、膜厚の均一性および再現性の良いマグネトロンスパ
ッタリング装置に入れ、基板上に記録層である厚さが約
80nmのAu70Ge30の組成の薄膜を形成し、次いで
この薄膜上に紫外線硬化樹脂による保護層を100μm
の厚さにスピンコートした。
【0060】上記のように作成したディスクを用いて、
下記の条件で情報の記録・再生を行った。まず、ディス
クの線速を1.2m/sとし、半導体レーザ(波長78
0nm)の光を記録が行われないレベル(約1mW)に
保った。この光を記録ヘッド中のレンズで集光して基板
を通して記録層に照射し、反射光を検出することによっ
て、トラッキング用の案内溝上に光スポットの中心が一
致するように記録ヘッドを駆動した。このようにしてト
ラッキングを行いながら、さらに記録層上に焦点が来る
ように自動焦点合わせを行い、レーザ光を照射してピッ
トを形成した。続いて、記録時と同じようにトラッキン
グと自動焦点合わせを行いながら、記録が行われた低パ
ワーの半導体レーザ光で反射光の強弱を検出し情報を再
生した。本実験例では、再生光パワーを1mWとしたと
きに、約1.3Vの信号強度が得られた。これは市販の
CDとほぼ同じレベルである。また、記録パワーを7m
Wとし、周波数196KHzの信号(11T信号)を記
録したときに、約70%の信号変調度が得られた。
【0061】ディスクから上記の方法で記録を行ったト
ラックを含む小片を切り出し、これをテトラヒドロフラ
ンに浸してポリカーボネートを溶かし、記録層のみを取
り出した。これを透過電子顕微鏡により観察した結果、
未記録部分は結晶状態、記録部分は非晶質状態であっ
た。また、記録済みのトラックを含む小片から記録層の
みを除去して走査電子顕微鏡により観察した。その結
果、記録部分の基板の変形を確認した。このように、記
録層の原子配列変化および基板変形の両方を起すことに
よって記録を行い、大きな信号変調度を得ることは、本
発明の特徴の1つである。
【0062】案内溝上に行ったのと同様の方法で相隣接
する溝間に記録を行ったところ、良く似た特性が得られ
た。ただし、信号変調度は、溝上記録に比べて少し小さ
くなった。
【0063】本実験例の媒体は、耐環境性にも優れてお
り、気温80℃相対湿度90%の環境下に1000時間
置いた後でも、反射率および透過率はほとんど変化しな
かった。
【0064】なお、Auの一部または全部を置換してA
g,Cu,Alのうちの少なくとも1元素を添加して
も、良く似た特性が得られた。また、Geの一部または
全部を置換してSiおよびSnのうちの少なくとも1元
素を添加しても、良く似た特性が得られた。
【0065】また、上記の光情報記録媒体において、基
板側から見て記録層の背面側に反射層を設けると、再生
出力信号が向上した。また、記録層と上記反射層との間
に中間層を設けると、記録感度が向上した。中間層とし
ては、CeO2,La23,SiO,SiO2,In
23,Al23,GeO,GeO2,PbO,SnO,
SnO2,Bi23,TeO2,Ta25,Sc23,Y
23,TiO2,ZrO2,V25,Nb25,Cr
23,WO2,WO3,CdS,ZnS,CdSe,Zn
Se,In23,In2Se3,Sb23,Sb2Se3
Ga23,Ga2Se3,GeS,GeSe,GeS
2,SnS,SnS2,SnSe,SnSe2,Pb
S,PbSe,Bi2Se3,Bi23,MgF2,Ce
3,CaF2,TaN,Si34,AlN,BN,S
i,TiB2,B4C,SiC,B,Cのうちの一者に近
い組成を持ったもの、およびこれらの混合物を用いたと
きに、特に効果があった。
【0066】さらに、基板として、ポリカーボネートの
代りに、表面に直接案内溝などの信号パターンが形成さ
れたポリオレフィン、エポキシ、アクリル樹脂を用いた
場合にも、上記とほぼ同様の結果が得られた。
【0067】〈実験例2〉上記実験例1と同様のポリカ
ーボネート基板を多数用意し、各基板ごとに上記実験例
1と同様の方法で、Si含有率が異なるSi−Au系記
録層を形成し、記録層中のSi含有率が異なる各種のデ
ィスクを作製した。ただし、各ディスクとも記録層の厚
さは約60nmであり、記録層上には、紫外線硬化樹脂
製の保護層を100μmの厚さにスピンコートした。
【0068】下記に、記録層中のSi含有率を種々変更
したときの、再生出力信号強度の変化と、記録に必要な
レーザパワーの変化とを示す。記録・再生条件および記
録・再生方法は、上記実験例1にて説明したと同じであ
る。
【0069】また、上記実験例1と同様のポリカーボネ
ート基板を多数用意し、各基板ごとに上記実験例1と同
様の方法で、SiとAuとの相対的比率を25:75と
一定にし、B含有率が異なるSi−Au−B系記録層を
形成し、記録層中のB含有率が異なる各種のディスクを
作製した。ただし、各ディスクとも記録層の厚さは約6
0nmであり、記録層上には、紫外線硬化樹脂製の保護
層を100μmの厚さにスピンコートした。
【0070】下記に、記録層中のB含有率を種々変更し
たときの、再生出力信号強度の変化と、ノイズレベルの
変化とを示す。記録・再生条件および記録・再生方法
は、上記実験例1にて説明したと同じである。
【0071】なお、Auの一部または全部を置換してA
g,Cu,Alのうちの少なくとも1元素を添加して
も、良く似た特性が得られた。また、Bの一部または全
部を置換してCおよびPのうちの少なくとも1元素を添
加しても、良く似た特性が得られた。また、Bの代わり
にSe,Te,Sのうちの少なくとも1元素を添加して
も、同様の効果があった。さらに、上記MDで表される
元素を添加すると、記録感度が若干向上した。
【0072】その他については、上記実験例1と同様の
結果が得られた。
【0073】なお、上記各実施例においては、基板1の
ほぼ全域にわたって信号パターン5を形成し、情報の追
記ができるようにしたが、図10に示すように、基板1
の記録領域をROM領域21と追記領域22とに分け、
ROM領域21にはROM情報をCDフォーマットに適
合したプリピットの形で記録し、追記領域22には上記
の信号パターンを形成して情報の追記ができるようにす
ることもできる。
【0074】また、上記各実施例においては、いわゆる
追記型CDを例にとって説明したが、ビデオディスク信
号を記録可能で、ビデオディスクプレーヤで再生可能な
ディスクにも応用することができる。
【0075】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の光情報記
録媒体は、〔Ge,Si,Sn〕元素群から選択された
少なくとも1種類の元素とAuとを主成分とする合金か
らなり、Auの含有率が70原子%に調整された記録層
を基板の信号面に直接形成したので、反射率が高く、か
つ信号変調度が大きく、さらには耐酸化性に優れてい
る。よって、情報の追記が可能にして、CDプレーヤや
ビデオレーザディスクプレーヤで情報の再生を行うこと
ができ、かつ耐環境性に優れた光情報記録媒体を提供す
ることができる。
【0076】また、本発明の情報の記録再生方法は、
〔Ge,Si,Sn〕元素群から選択された少なくとも
1種類の元素とAuとを主成分とする合金からなり、A
uの含有率が70原子%に調整された記録層が基板の信
号面に直接形成された相変化型の光情報記録媒体を用
い、記録層に原子配列変化を生じさせるとともに、基板
に熱変形を生じさせるようにしたので、記録部と非記録
部の反射率の差が大きく、大きな再生出力信号を得るこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例に係る光情報記録媒体の要部断面図
である。
【図2】第1実施例に係る光情報記録媒体の平面図であ
る。
【図3】第1実施例に係る光情報記録媒体の記録再生原
理の説明図である。
【図4】第2実施例に係る光情報記録媒体の要部断面図
である。
【図5】第2実施例に係る光情報記録媒体の記録再生原
理の説明図である。
【図6】第3実施例に係る光情報記録媒体の要部断面図
である。
【図7】第4実施例に係る光情報記録媒体の要部断面図
である。
【図8】第5実施例に係る光情報記録媒体の要部断面図
である。
【図9】第6実施例に係る光情報記録媒体の要部断面図
である。
【図10】他の実施例に係る光情報記録媒体の平面図で
ある。
【符号の説明】
1 基板 2 信号面 3 記録層 3a 第1の薄膜 3b 第2の薄膜 4 保護層 11 熱変形層 12 光吸収層 13 反射層 14 中間層

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板の信号面に少なくとも記録層を含む
    薄膜を担持してなる光情報記録媒体において、上記基板
    の信号面に、〔Ge,Si,Sn〕元素群から選択され
    た少なくとも1種類の元素とAuとを主成分とする合金
    からなり、Auの含有率が70原子%に調整された記録
    層が直接形成され、当該記録層に記録用放射線ビームが
    照射されたとき、当該記録層の記録用放射線ビーム照射
    部に原子配列の変化が生じると共に、当該記録用放射線
    ビーム照射部の下地である上記基板に変形が生じて情報
    の記録が行われることを特徴とする光情報記録媒体。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の光情報記録媒体におい
    て、波長が780nmの光の反射率が70%以上あるこ
    とを特徴とする光情報記録媒体。
  3. 【請求項3】 基板の信号面に、〔Ge,Si,Sn〕
    元素群から選択された少なくとも1種類の元素とAuと
    を主成分とする合金からなり、Auの含有率が70原子
    %に調整された記録層が直接形成された光情報記録媒体
    を用い、情報の記録時には、前記記録層に記録用放射線
    ビームを照射し、その熱によって上記記録層の記録用放
    射線ビーム照射部に原子配列の変化を生じさせると共に
    当該記録用放射線ビーム照射部の下地である上記基板に
    変形を生じさせ、情報の再生時には、情報の記録部に沿
    って再生用放射線ビームを照射し、上記記録層に生じた
    原子配列の変化ならびに上記基板に生じた変形に伴う反
    射率の変化を光学的に読み出すことを特徴とする情報の
    記録再生方法。
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