JP2000079174A - 腔内放射線治療用アプリケータ - Google Patents

腔内放射線治療用アプリケータ

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JP2000079174A
JP2000079174A JP10269014A JP26901498A JP2000079174A JP 2000079174 A JP2000079174 A JP 2000079174A JP 10269014 A JP10269014 A JP 10269014A JP 26901498 A JP26901498 A JP 26901498A JP 2000079174 A JP2000079174 A JP 2000079174A
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gel
applicator
mannan
radiation therapy
edible
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JP10269014A
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Inventor
Shigeo Furukawa
重夫 古川
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Japan Science and Technology Agency
National Institute of Radiological Sciences
Original Assignee
National Institute of Radiological Sciences
Japan Science and Technology Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 柔軟性があって生体組織に対する異物感も問
題となることはなく、破損や脱落による危険性もない腔
内放射線治療用アプリケータを提供する。 【解決手段】 マンナンゲル、特に食用マンナンゲルに
よりアプリケータを構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この出願の発明は、腔内放射
線治療用アプリケータに関するものである。
【0002】
【従来の技術】放射線治療は、手術、抗ガン化学療法と
並ぶガン治療の主要手段である。なかでも注目されてい
るのが腔内放射線治療である。この治療は、子宮や食道
などの管腔臓器においては、腔内に導入した線源を用い
て臓器内部から照射するために、腫瘍線量が外部放射線
治療と比較して格段に高いという利点を有していること
からも、管腔臓器ガンに対する根治的放射線治療技術と
して普及している。
【0003】また、病巣近傍に放射線源を設置すること
により治療効果を高める(健常組織の被爆を極力回避
し、病巣を選択的に照射する)腔内照射方式は、通常の
外部照射との併用についてもその有用性が注目されてい
る。以上のような腔内放射線治療での腔内への線源装着
法としては、可撓性チューブ(細管)を腔内所望深さま
で挿入し、しかる後、放射線源(放射性同位元素)を挿
入・充填する方法が採られる。即ち、あらかじめ腔内へ
模擬線源充填チューブを挿入し、X線写真などによりこ
のチューブの模擬線源充填部位が病巣部位に合致するこ
とを確認後、本線源を、所定深度まで挿入すること(aft
erloading)により、挿入位置(線源装着位置)の正確を
期す。しかし、このように挿入深度が特定されても、線
源(例えば細いチューブの先端)位置を安定保持し難い
場合が多く、このため、線源病巣間距離がしばしば不安
定で、適切な照射時間の選定が不可能である。
【0004】そこで、線源と対象の臓器表面との距離は
可及的に均一であることが望ましいことから、アプリケ
ータを用いて臓器を拡張することが行われてきている。
このアプリケータには、従来より、充実性のものと、バ
ルーン式のものなどがある。たとえば充実性のものの一
例としては、線源充填チューブの外径を生体腔の内径に
ほぼ合致させる方式が考えられてきている。チューブ素
材として、公知の可撓性材料、即ちポリビニルアルコー
ルや天然ゴム、合成ゴム等が考えられてきている。ま
た、腔内挿入時の摩擦抵抗を小さくするために、チュー
ブ外壁にゼリー、ヒアルロン酸カリウム水溶液、デキス
トラン水溶液、アルギン酸ナトリウム水溶液などの潤滑
剤を塗布することも考えられてきている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、以上の
ような従来のアプリケータの場合には、充実性のもの、
バルーン式のもののいずれにおいても、材質自体の柔軟
性は充分でなく、生体組織に対する異物感の点でも好ま
しくなかった。そしてさらには、これらの従来のアプリ
ケータについては、腫瘍により狭窄した管腔臓器に用い
ることからも、破損や脱落などの事故にともなう異物残
存による生体への危険性が高いという問題があった。
【0006】そこで、この出願の発明は、以上のとおり
の従来のアプリケータの問題点を解消し、柔軟性があっ
て、生体組織に対する異物感も問題となることはなく、
破損や脱落による危険性もない、新しい腔内放射線治療
用のアプリケータを提供することを課題としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】この出願の発明は、以上
のとおりの課題を解決するものとして、マンナンゲルか
らなることを特徴とする腔内放射線治療用アプリケータ
を提供する。さらにまた、この発明は、マンナンゲルが
食用マンナンゲルであるアプリケータを提供する。
【0008】
【発明の実施の形態】この出願の発明におけるボーラス
としてのマンナンゲルは、マンノグリカン(mannnoglyca
n)として知られるマンナンの水性ゲルである。マンナン
そのものは、わが国古来の食品である「こんにゃく」を
はじめ、ゾウゲヤシの実やある種のラン科植物の球根等
に含まれているβ−D−1,4−結合のマンノース残基
を主成分として持つものである。
【0009】これらのマンナンのうちでは、「こんにゃ
く」からのグルコマンナンゲルが食用のものとしてよく
知られている。この発明においては、このような、マン
ナンゲル、特に食用マンナンゲルを電磁波温熱療法のボ
ーラスに用いることを特徴としている。この発明のマン
ナン水性ゲルは、きわめて柔らかい弾性を持ちながら強
靱であり、水に濡れると非常に滑らかになるので、これ
を棒状に成形したアプリケータは、患者に苦痛を与える
ことなく、複雑な形状の体腔内に円滑に挿入でき、しか
も、体腔内面に密着したり、折れたり、潰れたりするこ
とがない。そのうえ、この発明を構成するマンナンゲル
は、従来の一般的なゲルである強靱性のまったくない寒
天ゲルやゼラチンゲル、あるいは、凍結融解を繰り返し
てゲル化させた、強靱すぎて可撓性のない完全ケン化ポ
リビニルアルコールゲルなどとは本質的に相違してい
る。
【0010】この発明の以上のようなマンナンゲルから
なるアプリケータは、一般的には食用として処理したこ
んにゃく粉を用いて水とともに型枠に注入することで製
造することができる。水との混合比、温度、pH値を適
宜に変更することによってゲル化時間、含水率、ゲル化
強度を広い範囲で、アプリケータの使用部位に応じて調
節することができる。こんにゃく粉を用いてのマンナン
ゲルの形成においてはゲル化剤は適宜であってよい。た
とえばカラギーナンやローカストビーンガム等が用いら
れる。マンナンゲルによるアプリケータは、その使用目
的、使用部位に応じて弾性や強度が調節されるが、この
ことは水分含有量の点においても関連している。通常
は、含水率は20〜60%程度として調節されることに
なる。
【0011】アプリケータの形状は、鋳型への注型成
形、さらにはその後の切断や切削の加工により調節され
る。治療対象とする生体腔の内径に対応し、所望深度ま
で挿入後、保持・固定しうること、しかも導管内(中空
部)に放射線源(または線源を充填した任意容器)を充
填しうることの他に特に制約は無く、腔の寸度、形状、
所望挿入深度に応じ選定することができる。このような
成形品を得るための鋳型材としては、石膏、ガラス、ポ
リ塩化ビニル、シリコーンゴムなども有用であるが、長
期反復使用を意図して、ステンレス・スチールを用いる
ことができる。
【0012】成形により得られたアプリケータは、消毒
液に浸漬後、水洗して実用に供することができるほか、
γ線照射滅菌法をとることもできる。また、この発明に
おいては、前述のマンナンの水溶液へ、あらかじめ前記
消毒液を添加後、これに凍結・解凍ゲル(ゲル化操作)
を施すことができる。この場合も上記の水洗をした後、
実用に供することができる。
【0013】消毒液のほか、ゲル化を阻害しない範囲に
おいて、成形材中に、生体組織に無害な成分を包埋させ
ることができ、例えばヒアルロン酸カリウムを0.2
%、あるいはデキストラン40(分子量約4万)を10
%混入することにより、成形品挿入時の摩擦抵抗を更に
軽減することもできる。また、同じく、よう素化合物粉
末を1〜2%混入することにより、腔内挿入状況を、X
線透視により確認する場合の便を図ることもできる。
【0014】この発明においては、上述の食道は勿論の
こと、必要に応じ、子宮頸、直腸、胆道、上顎などの生
体腔へ挿入しうる照射導管としてのアプリケータを得る
こともでき、例えば口腔内を対象とする場合は、開口状
態の上歯列弓、下歯列弓間から挿入可能にして、しかも
半開口状態の舌背、硬口蓋、軟口蓋、口蓋舌弓等のいず
れにも密着して保持される半折楕円球型の高含水ゲルを
口腔内へ充填後、あらかじめその内部に設けた中空部分
へ線源を包埋することができる。
【0015】この発明においては、このように対象とす
る腔の寸度・形状に応じ、マンナンゲルを任意に成形す
る。食用マンナンを利用する場合、従来の化学品を用い
た素材と比較し、安全かつ安価で、使い捨ても可能であ
る。万一、一部あるいは全部破損したり、脱落した場合
でも、食品と等価であるため、たとえば食道の場合には
消化されるだけであって、安全性も極めて良好である。
【0016】そこで以下に実施例を示し、さらに詳しく
発明の実施の形態について説明する。
【0017】
【実施例】食用こんニャク粉と水との混合物を、ゲル化
剤カラギーナンとともにプラスチックパイプに流し込
み、中空パイプ状ゲル成形品を得た。このゲルは、温水
およびアルコールにて洗浄処理した。含水率は40%と
した。
【0018】このものは弾性率の高いものであった。胸
部食道癌患者に、常法どおりの腔内麻酔を施した後、上
記成形品を先端から、患者の口腔を経て食道へ挿入し
た。この成形品は、シリコーンゴム、ポリ塩化ビニル、
天然ゴムなどのいずれの素材よりも柔軟性に富み(容易
に弾性変形可能で)、しかも従来の天然ゴム、合成ゴム
等に見られる特異な臭気、味覚を全く示さず、また潤滑
性に優れることから、患者に対する違和感は軽微で、比
較的容易に胸部食道の所定位置まで挿入することができ
た。別途ポリエチレン製細管(外径5mm、内径3.5
mm、丸底付き全長635mm)の先端(丸底)部に、
全側面を開放したステンレス・スチール製カプセル(60
Co)を挿入し、次に、このポリエチレン製細管の先端
を前記成形品の露出部中空へ挿入する。ポリエチレン製
細片の先端がこの発明のアプリケータ成形品の先端へ到
達したことを確認後、30分間放置する。この30分の
照射期間中、単純X線透視により、60Coカプセルの位
置を観察したが、所望どおりカプセルは常に腔の中央に
保持されていることが確認された。すなわち、この発明
により、放射線源を充填したポリエチレン製細管が、こ
の発明のアプリケータ内に挿入され、しかもアプリケー
タも、その外壁が食道内壁に密着・保持されることが明
らかであった。この一時照射操作を隔日ごとに3週間続
け、累積照射時間5.5時間を達成したが、食道内壁の
炎症、内皮細胞の異常増殖は見られなかった。
【0019】このように、この発明のマンナンゲルを用
いたアプリケータは、腔内への挿入が容易で、しかも柔
軟性に富むことから、腔内壁を損傷せず、放射線源を腔
内定位置に保持しうることが確認された。
【0020】
【発明の効果】以上詳しく説明したとおり、この出願の
発明によって、柔軟性があって生体組織に対する異物感
も問題となることはなく、破損や脱落による危険性もな
い腔内放射線治療用アプリケータが提供される。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マンナンゲルからなることを特徴とする
    腔内放射線治療用アプリケータ。
  2. 【請求項2】 マンナンゲルは食用マンナンのゲルであ
    る請求項1のアプリケータ。
JP10269014A 1998-09-06 1998-09-06 腔内放射線治療用アプリケータ Pending JP2000079174A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006036856A (ja) * 2004-07-23 2006-02-09 Aoba Kasei Kk 医療用ゲル化剤製剤、医療用ゲルとその製造方法
JP2016032595A (ja) * 2014-07-31 2016-03-10 国立大学法人群馬大学 放射線治療用腔内スペーサー
JP2019098123A (ja) * 2017-11-30 2019-06-24 酒見 裕幸 遠赤外線がん温熱治療器ii

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