JP2000078776A - 可飽和キャパシタンス特性を有するコンデンサ及びそれを用いた非接触給電装置 - Google Patents

可飽和キャパシタンス特性を有するコンデンサ及びそれを用いた非接触給電装置

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JP2000078776A
JP2000078776A JP10246581A JP24658198A JP2000078776A JP 2000078776 A JP2000078776 A JP 2000078776A JP 10246581 A JP10246581 A JP 10246581A JP 24658198 A JP24658198 A JP 24658198A JP 2000078776 A JP2000078776 A JP 2000078776A
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Takao Takahashi
孝夫 高橋
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Hitachi Kiden Kogyo Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 インピーダンス反転用4端子回路と、鉄心入
りインダクタを使って、端子電圧の大きさによってその
キャパシタンスの値が非線形に変わるコンデンサを等価
的に作るようにした非接触給電装置を提供すること。 【解決手段】 搬送路に沿って設けられるとともに、電
源に接続された導線を1次側とし、この1次側の導線に
流れる電流から、電磁誘導現象及び共振現象を利用し
て、搬送車に設けられる2次側ピックアップコイルによ
り、搬送車に非接触的に電力を供給する非接触給電装置
であって、インピーダンス反転用4端子回路を使って、
端子電圧の大きさによってそのインダクタンスの値が非
線形に変わる鉄心入りインダクタを、端子電圧の大きさ
によってそのキャパシタンスの値が非線形に変わるコン
デンサに等価的に代えて使うことにより、負荷電流の変
化に対する負荷端子電圧変動を軽減するようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、可飽和キャパシタ
ンス特性を有するコンデンサ及びそれを用いた非接触給
電装置に関し、特に、端子電圧の大きさによってそのキ
ャパシタンスの値が非線形に変わるコンデンサに等価的
に代えて用いることができる、簡単な4端子回路と製作
が比較的容易な鉄心入りインダクタからなる可飽和キャ
パシタンス特性を有するコンデンサ、及びこれを用い、
搬送路に沿って設けられるとともに、電源に接続された
導線を1次側とし、この1次側の導線に流れる電流か
ら、電磁誘導現象及び共振現象を利用して、搬送車に設
けられる2次側ピックアップコイルにより、搬送車に非
接触的に電力を供給する非接触給電装置に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来、半導体、液晶等を製造する工程に
おいて、部品等を搬送する場合、搬送路をクリーンな環
境に維持することが求められる。そこで、接触による発
埃を回避するために、搬送車への電力供給を、電源に接
続された導線を1次側として固定的に配置し、この1次
側導線に流れる電流に対し、鉄心に巻線を巻回したピッ
クアップコイルにより電磁誘導現象を利用して、搬送車
に非接触的に電力を供給する非接触給電装置が汎用され
ている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来の非接
触給電装置にあっては、図7の実線で示すように、負荷
の端子電圧が、負荷電流の増加と共に低下する特性があ
る。このため、搬送車のモータ駆動等に伴う負荷電流の
変化に対して負荷電圧の変動を詐容の範囲に抑えるため
に、流し得る負荷電流を制約したり、ピックアップコイ
ルにより得られた交流電流を直流電流に変換する直流電
源に高価な電圧安定化機能を付加しなければならないと
いう問題があった。
【0004】また、ピックアップコイルに、印加する電
圧によってそのインダクタンスが非線形に変わる鉄心入
りインダクタを接続して、印加電圧の大ききに依存した
インダクタンスの変化を利用して、電圧が上昇する場合
に回路の共振条件を大きくずらし、図7の点線で示すよ
うに、負荷電流による電圧の変動を抑える方法がある。
【0005】しかし、ピックアップコイルの回路特性に
よっては、動作が不安定となる場合があり、この動作が
不安定になる場合に対して、負荷電流による負荷端子電
圧の変動を抑えるためには、印加する電圧によってその
キャパシタンスが非線形に変わるコンデンサが必要とな
る。パワーエレクトロニクス技術を駆使すれば、印加す
る電圧によりそのキャパシタンスが非線形に変わるコン
デンサの働きをする回路は実現でき、実際に、半導体素
子内における電荷の分布を制御することにより非線形キ
ャパシタンス特性を持つ素子も開発されているが、高価
なものとなるだけでなく、電力用のものはなく、このよ
うな特性を有する電力用のコンデンサは、一般には製作
が困難である。
【0006】本発明は、上記従来の非接触給電装置の有
する問題点に鑑み、端子電圧の大きさによってそのキャ
パシタンスの値が非線形に変わるコンデンサに等価的に
代えて用いることができる、簡単な4端子回路と製作が
比較的容易な鉄心入りインダクタからなる可飽和キャパ
シタンス特性を有するコンデンサを提供することを第1
の目的とする。
【0007】また、本発明は、インピーダンス反転用4
端子回路と、鉄心入りインダクタを使って、端子電圧の
大きさによってそのキャパシタンスの値が非線形に変わ
るコンデンサを等価的に作るようにした非接触給電装置
を提供することを第2の目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的を達成す
るため、本第1発明の可飽和キャパシタンス特性を有す
るコンデンサは、端子電圧の大きさによってそのインダ
クタンスの値が非線形に変わる鉄心入りインダクタの両
端を、インピーダンス反転用4端子回路の出力端子に接
続することにより、端子電圧の大きさによってそのキャ
パシタンスの値が非線形に変わるコンデンサに等価的に
代えてなることを特徴とする。
【0009】この可飽和キャパシタンス特性を有するコ
ンデンサは、インピーダンス反転を実現する既に公知の
簡単な4端子回路と、製作が比較的容易な鉄心入りイン
ダクタからなり、これを使って、端子電圧の大きさによ
りそのキャパシタンスの値が非線形に変わる可飽和コン
デンサを等価的に得ることができる。
【0010】また、上記第2の目的を達成するため、本
第2発明の非接触給電装置は、搬送路に沿って設けられ
るとともに、電源に接続された導線を1次側とし、該1
次側の導線に流れる電流から、電磁誘導現象及び共振現
象を利用して、搬送車に設けられる2次側ピックアップ
コイルにより、搬送車に非接触的に電力を供給する非接
触給電装置において、インピーダンス反転用4端子回路
を使って、端子電圧の大きさによってそのインダクタン
スの値が非線形に変わる鉄心入りインダクタを、端子電
圧の大きさによってそのキャパシタンスの値が非線形に
変わるコンデンサに等価的に代えて使うことにより、負
荷電流の変化に対する負荷端子電圧変動を軽減するよう
にしたことを特徴とする。
【0011】この非接触給電装置によれば、インピーダ
ンス反転用4端子回路と、鉄心入りインダクタを使っ
て、端子電圧の大きさによってそのキャパシタンスの値
が非線形に変わるコンデンサを等価的に作ることによ
り、安価な回路構成で以て、負荷電流の変化に対する負
荷端子電圧変動を軽減し、安定して非接触給電を行うこ
とができる。
【0012】また、同じく、上記第2の目的を達成する
ため、本第3発明の非接触給電装置は、2次側ピックア
ップコイルの2次コイルリアクタンスを補償するために
コイルの両端に共振用コンデンサを接続して得られる回
路の合成リアクタンスを誘導性とした場合に、インピー
ダンス反転用4端子回路の出力側に、端子電圧の大きさ
によってそのインダクタンスの値が非線形に変わる鉄心
入りインダクタを接続してなる本第2発明の4端子回路
の入力側端子に共振用コンデンサを、出力側端子に負荷
をそれぞれ接続して、負荷電流の変化に対する負荷端子
電圧変動を軽減するとともに、1次側導線のリアクタン
スによる電圧降下を相殺するようにしたことを特徴とす
る。
【0013】この非接触給電装置によれば、安価な回路
構成で以て、負荷電流の変化に対する負荷端子電圧変動
を軽減するとともに、1次側導線のリアクタンスによる
電圧降下を相殺し、より安定して非接触給電を行うこと
ができる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の可飽和キャパシタ
ンス特性を有するコンデンサ及びそれを用いた非接触給
電装置の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0015】まず、図1に、本発明の可飽和キャパシタ
ンス特性を有するコンデンサの実施例を示す。端子電圧
の大きさによってそのインダクタンスが、図5に示すよ
うに、印加電圧が所要電圧Ectより小さいときにインダ
クタンスが大きく、大きいときにインダクタンスが小さ
くなる非線形インダクタンス特性を有する鉄心入りイン
ダクタを図3に示すインピーダンス反転回路の出力側
c,dに接続する。
【0016】ここで、第1実施例である図1(a)は、
図3(a)に示したT型のインピーダンス反転回路を用
いる場合を、一方、第2実施例である図1(b)は、図
3(b)に示したπ型のインピーダンス反転回路を用い
る場合を示す。このように、インピーダンス反転回路
は、T型とπ型とがあり(必要があれば、例えば、川上
正光著「基礎電気回路(I)」(1980年、コロナ
社)、岩崎栄治ほか著「伝送工学概論」(1994年1
0月、東海大学出版会)参照)、T型のインピーダンス
反転回路にあっては、夫々インダクタンスをL、キャパ
シタンスをCとするインダクタとコンデンサを、図4
(a)に示すようにT型に接続して、一方、π型のイン
ピーダンス反転回路にあっては、インダクタとコンデン
サを、図4(b)に示すようにπ型に接続して得られる
4端子回路として実現される。ただし、回路周波数をω
としたとき、 ωL=1/(ωC) (1) の条件を満たす必要がある。 +jX=jωL −jX=1/(jωC) (2) とすれば、図4で示される具体的なインピーダンス反転
回路が複素数表記したリアクタンスを用いて表した図3
におけるインピーダンス反転回路となっていることが分
る。
【0017】4端子回路を複素数を使ったFパラメータ
を用いて表示すると、次式となる。
【0018】
【式1】
【0019】ここでv1,i1及びv2,i2は、夫々入力
側及び出力側の電圧及び電流である。
【0020】図3に示したインピーダンス反転回路にあ
っては、 A=D=0 B,Cは、回路がT型かπ型によって異なり、 T型の場合は、 B=±jX C=1/(−(±jX)) π型の場合は、 B=−(±jX) C=1/(±jX) となる。
【0021】これらを式(3)に代入し、式(1)及び
式(2)の関係を用いて、インピーダンス反転用4端子
回路の回路解析を行う。この回路の出力端にインピーダ
ンスZLを接続したとき、入力側からみたインビーダン
スZiは、回路がT型かπ型かにかかわらず、次式で与
えられる。 Zi=v1/i1=(B/C)(i2/v2)=i2/v2=1/ZL (4) すなわち、インピーダンス反転用4端子回路にあって
は、インピーダンスを逆性に変換する性質がある。ま
た、v1とv2とは、逆比例の関係がある。
【0022】したがって、図1に示した実施例の場合、
図5に例示したように、端子電圧が所要の大きさより小
さい範囲ではそのインダクタンスが大きく、端子電圧が
所要の大きさより大きくなるとインダクタンスが急激に
低下するインダクタンス特性を有する鉄心入りインダク
タをインピーダンス反転用4端子回路の出力側に接続す
ると、入力側からみたインピーダンスとしては、図6に
示すように、端子電圧が所要の大きさより小さい範囲で
はそのキャパシタンスが小さく、端子電圧が所要の大き
さより大きくなるとキャパシタンスが急激に増大する非
線形のキャパシタンス特性を有するコンデンサのインピ
ーダンスと等価なインピーダンス特性が得られる。
【0023】これにより、端子電圧の大きさによってそ
のキャパシタンスの値が非線形に変わるコンデンサを、
閉磁路を構成する鉄心にコイルを巻いてなる安価な鉄心
入りインダクタを使って、等価的に、かつ、経済的に実
現することができる。
【0024】ところで、クリーンな環境下における搬送
システムにおいて、搬送路に沿って走行する搬送車に対
する非接触給電装置においては、図8に示すように、搬
送路に沿って設けられるとともに、電源に接続された導
線1a,1bを1次側とし、この1次側の導線1a,1
bに流れる往復の電流が作る磁束を、搬送車に設けられ
る2次側ピックアップコイルの鉄心3に導くようにす
る。1次電流は高周波交番電流であるから、鉄心3に導
かれた磁束は交番的に変化し、鉄心3に巻回されている
2次側のピックアップコイルの巻線2には、電磁誘導現
象により電圧が誘起される。
【0025】ピックアップコイルは、その回路図である
図9に示すように、ピックアップコイルの2次巻線のリ
アクタンスωL2を補償するために、これと直列に共振
用コンデンサC2を接続し、その負のリアクタンス−1
/(ωC2)により共振に近い状態にしておき、コンデ
ンサC2の両端に所定の電圧を発生するようにする。コ
ンデンサC2の両端に負荷8をつなぎ、この所定の電圧
を利用して負荷電流IRを得る。この直列回路の合成リ
アクタンスXRは、XR=ωL2−1/(ωC2)で与えら
れ、XR=0は、いわゆる直列共振に当たる。このと
き、僅かの入力で負荷の端子に大きな電圧が得られる
が、平衡点からずれたときの変動が大きいので、通常、
直列共振に近いが,合成リアクタンスXRを若干残した
ところで非接触給電を行う。
【0026】合成リアクタンスXRは、正数値、すなわ
ち誘導性とすることも、負数値、すなわち容量性とする
こともできる。それは、ピックアップコイルのインダク
タンスL2、直列コンデンサのキャパシタンスC2及び電
源角周波数ωの大きさを、それぞれ単独で又はそれぞれ
組み合わせて変えることにより容易に実現できる。合成
リアクタンスXRの値の正負にかかわらず、図9に示す
回路では、図7に実線で示すように負荷電流と共に負荷
の端子電圧が大きく降下する。負荷電圧特性を図7にお
いて点線で示すように、負荷電流に対して変動を小さく
する方法として、端子電圧が大きくなる負荷電流の小さ
いところでピックアップコイルとコンデンサC2による
直列回路を共振条件から大きくずらすことが考えられ
る。これは、その端子電圧によって、インダクタンス又
はキャパシタンスが非線形的に変わるインダクタ又はコ
ンデンサを、コンデンサC2と並列に挿入する方法であ
る。
【0027】端子電圧の大きさによってそのインダクタ
ンスが非線形に変わるインダクタは、例えば、閉磁路を
構成する鉄心にコイルを巻いてなる鉄心入りインダクタ
により鉄心の磁気飽和特性を使って比較的容易に実現で
きる。しかし、端子電圧の大きさによりそのキャパシタ
ンスが非線形に変わるコンデンサを、上記の鉄心入りイ
ンダクタのように単品で、かつ経済的に作ることは困難
である。
【0028】そして、ここでは、上記の端子電圧の大き
さによってそのキャパシタンスの値が非線形に変わるコ
ンデンサを、等価的に、かつ、経済的に実現する、閉磁
路を構成する鉄心にコイルを巻いてなる安価な鉄心入り
インダクタを使用し、これによる非線形キャパシタンス
特性を非接触給電装置(本第1発明の非接触給電装置)
に利用することにより、負荷電流の変化に対する負荷端
子電圧変動の軽減を実現できるようにしている。
【0029】次に、本第3発明の非接触給電装置の一実
施例を図2に示す。本実施例は、上記の本第1発明の実
施例により実現された非線形キャパシタンス特性を有す
る等価的なコンデンサを非接触給電装置において利用す
る場合に、その適用する回路条件を特定することによ
り、その効果を高めることができるようにしたものであ
る。
【0030】図2に示すように、非接触給電装置におい
て、ピックアップコイルの2次コイルリアクタンスを補
償するためにコイルの両端に共振用コンデンサ7を接続
して得られる回路の合成リアクタンスを誘導性とし、イ
ンビーダンス反転用4端子回路20の出力側に、端子電
圧の大きさによってそのインダクタンスの値が非線形に
変わる鉄心入りインダクタ12を接続してなる4端子回
路30の入力側端子a,bに共振用コンデンサ7を、出
力側端子e,fに負荷8を接続したものである。
【0031】ピックアップコイルの2次コイルとコイル
の両端に共振用コンデンサ7を接続して得られる回路の
合成リアクタンスを誘導性と特定する理由は次の2つで
ある。 非線形キャパシタンス特性を有する等価的なコンデン
サを用いたときに、安定した動作が期待できること ピックアップコイルの2次側リアクタンスを1次側に
換算したとき、リアクタンスが負となり、1次側導線に
よるリアクタンス電圧降下を相殺できることこれをさら
に説明すると、本実施例の回路は、図10に示すよう
に、等価回路的にはピックアップコイルの2次コイルの
両端に接続した共振用主コンデンサ7及び負荷8と並列
に電圧の大きさによりそのキャパシタンスが非線形に変
化する可変キャパシタンスコンデンサ11を接続した回
路とみなせる。この可変キャパシタンスコンデンサ11
は、端子電圧が所要の大きさより小さい範囲ではそのイ
ンダクタンスが大きく、端子電圧が所要の大きさより大
きくなるとインダクタンスが急激に低下する非線形イン
ダクタンス特性を有する鉄心入りインダクタをインピー
ダンス反転用4端子回路の出力側に接続することにより
等価的に得られたものである。
【0032】したがって、この可変キャパシタンスコン
デンサ11は、図6に示すように、所要の電圧よりも低
い電圧の範囲で十分小さなキャパシタンスを保持し、所
要の電圧よりも高い電圧に対してはキャパシタンスが急
激に大きくなる非線形のキャパシタンス特性を有してい
る。負荷の端子電圧、したがって、共振用主コンデンサ
7及びこれと並列に接続されている可変キャパシタンス
コンデンサ11の端子電圧が所要の電圧よりも低いとき
には、図6に示すように、可変キャパシタンスコンデン
サ11のキャパシタンスCXは十分に小さいので共振用
主コンデンサ7のキャパシタンスC2にほとんど影響を
与えず、ピックアップコイルとコンデンサ7による誘導
性の合成リアクタンスXR:XR=ωL2−1/(ωC2
は共振に近い小さな正の値に維持される。
【0033】そして、負荷電流が下がり、負荷の端子電
圧が、図7の実線のように上昇すると、負荷と並列に接
続された可変キャパシタンスコンデンサ11のキャパシ
タンスCXが急激に大きくなり、ピックアップコイルか
ら見たときの共振用主コンデンサ7のキャパシタンスC
2が見かけ大きくなり、共振に近く設定されていたピッ
クアップコイルと共振用主コンデンサ7による合成リア
クタンスXR:XR=ωL2−1/(ωC2)は正の大きな
値となって、共振から大きくずれ、共振用主コンデンサ
7に流れる電流を減少させ、負荷の端子電圧は、図7の
点線のように抑制される。
【0034】負荷電圧の上昇に対して、ピックアップコ
イルと共振用主コンデンサ7による合成リアクタンスX
R:XR=ωL2−1/(ωC2)は常に正の値を大きく
し、共振用主コンデンサ7に流れる電流を減少させる。
ピックアップコイルと共振用主コンデンサ7による合成
リアクタンスXR:XR=ωL2−1/(ωC2)が正であ
る誘導性の場合に、共振用主コンデンサ7及び負荷8と
並列に、電圧の大きさによってそのキャパシタンスが図
6に示したように非線形に変化する可変キャパシタンス
コンデンサ11を接続すると、合成リアクタンスXR
絶対値を減ずることはなく、したがって、XR=0の共
振は起こらず、結果として、安定した動作で負荷電圧の
変動を抑えることができるものとなる。
【0035】次に、2次側ピックアップコイルと直列に
接続したコンデンサからなる直列回路の合成リアクタン
スXRを誘導性とすると、1次側導線のインダクタンス
より生ずるリアクタンス電圧降下を相殺できることを理
論的に明らかにする。説明を簡単にするために、1次側
導線、2次コイルの抵抗分を無視することとする。ま
た、直列コンデンサの両端に接続される負荷がない場合
を取り扱うが、通常の使用動作範囲内における基本的な
メカニズムにおいて、それらを考慮したときと本質的な
差異は少ない。
【0036】上記の条件で、図11の回路において、次
の交流回路連立方程式が成立する。 v1=jωL11+jωMI2 jωMI1+jXR2=0 (5) ここで、XRは2次側ピックアップコイルと直列に接続
したコンデンサからなる直列回路の合成リアクタンスで
ある。
【0037】この交流回路連立方程式より、
【0038】
【式2】
【0039】となる。式(6)において、V1は1次側
導線に電流I1を流すときに必要な1次側電源の端子電
圧を示す。
【0040】式(6)の右辺第1項は1次側導線のイン
ダクタンスL1に起因するリアクタンスにより生ずる電
圧降下である。式(6)の右辺第2項は2次側ピックア
ップコイルと直列に接続したコンデンサからなる2次側
直列回路に流れる電流が1次側導線へ誘導する電圧であ
る。式(6)の右辺第2項において、XRで示される2
次側ピックアップコイルと直列に接続したコンデンサか
らなる直列回路の合成リアクタンスの値を本実施例に示
すように正数、すなわち、誘導性とすれば、式(6)の
右辺第2項は負数となり、式(6)の右辺第1項の1次
側導線のインダクタンスL1に起因するリアクタンス電
圧降下を相殺し、1次側導線に所要の電流I1を流すの
に必要とする1次側電源の端子電圧V1を下げることが
できる。
【0041】合成リアクタンスXRを、本実施例とは反
対の負数、すなわち、容量性とすると、式(6)の右辺
第1項と右辺第2項とで相殺できず、両者は加算される
ため、1次側導線に所要の電流を流すのに必要な1次側
電源の端子電圧が増大する。
【0042】また、図2に示した実施例においては、負
荷抵抗RLがインピーダンス反転用4端子回路20の出
力側に接続されており、無負荷を含め軽負荷のとき、す
なわち、RLが十分に大きいとき、インピーダンス反転
用4端子回路20の作用によりインピーダンス反転用4
端子回路20の入力側インピーダンスが零に近くなり、
ピックアップコイルの2次コイルが短絡される形とな
り、2次コイルに流れる電流は2次コイルのリアクタン
スにより制限された小さな電流値に抑えることができ
る。
【0043】以上、本実施例によれば、安価で、かつ簡
易な装置により負荷電流が変化しても、負荷端子電圧の
変動を抑える効果が得られる。また、1次側導体による
リアクタンス電圧降下をピックアップコイル自身で相殺
できるので、リアクタンス相殺のために1次側導線に直
列コンデンサを挿入する必要がなく、また、1次側電源
に力率改善のために並列コンデンサを接続することは不
要又は接続する量が低減できる。そして、一部分に高価
なゼロインダクタンスケーブルを用いることが不要とな
り、経済的な非接触給電装置を提供できる。また、1次
側電源の端子電圧を安全性の観点から数百ボルト以下に
制限しても、1つの電源で励磁できる1次側導線の長さ
を百メートル以上とすることができ、しかも、1つの搬
送ループをいくつかのセグメントに小分けし、各セグメ
ント毎に高価な高周波インバータ電源を用意することが
不要となるので、経済的でシンプルな非接触給電装置を
提供できる。また、無負荷時を含め、軽負荷のときにピ
ックアップコイルの2次コイルに流れる電流を小さく抑
えることができ、コイルの抵抗損低減効果がある。
【0044】
【発明の効果】請求項1に記載した発明の可飽和キャパ
シタンス特性を有するコンデンサによれば、インピーダ
ンス反転を実現する簡単な4端子回路と、製作が比較的
容易な鉄心入りインダクタを使って、端子電圧の大きさ
によりそのキャパシタンスの値が非線形に変わる可飽和
コンデンサを等価的に経済的に得ることができる。
【0045】また、請求項2に記載した発明の非接触給
電装置によれば、インピーダンス反転用4端子回路と、
鉄心入りインダクタを用いることにより、端子電圧の大
きさによりそのキャパシタンスの値が非線形に変わるコ
ンデンサを等価的に作り、安価な装置で安定した非接触
給電を行うことができる。
【0046】また、請求項3に記載した発明の非接触給
電装置によれば、安価で、かつ簡易な装置により負荷電
流が変化しても、負荷端子電圧の変動を抑える効果が得
られるとともに、1次側導体によるリアクタンス電圧降
下をピックアップコイル自身で相殺できるので、リアク
タンス相殺のために1次側導線に直列コンデンサを挿入
する必要がなく、さらに、1次側電源に力率改善のため
に並列コンデンサを接続することは不要又は接続する量
が低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の可飽和キャパシタンス特性を有するコ
ンデンサ及びそれを用いた非接触給電装置の一実施例を
示す説明図である。
【図2】本発明の非接触給電装置の一実施例を示す説明
図である。
【図3】複素数リアクタンスで表記した公知のインピー
ダンス反転用4端子回路図である。
【図4】インダクタとコンデンサで表記した公知のイン
ピーダンス反転用4端子回路である。
【図5】本発明で用いられる鉄心入りインダクタの端子
電圧に対するインダクタンス特性である。
【図6】本発明で等価的に得られるコンデンサの端子電
圧に対するキャパシタンス特性である。
【図7】非接触給電装置における一般的な負荷電流に対
する負荷端子電圧特性である。
【図8】非接触給電装置の正面図である。
【図9】従来の非接触給電装置の回路図である。
【図10】本発明による非接触給電装置の動作を説明す
るための等価回路図である。
【図11】本発明の効果を説明するための回路図であ
る。
【符号の説明】
1 1次電源端子電圧 I1 1次側導体に通流する電流 I2 ピックアップコイル2次電流 M 1次側導線と2次側ピックアップコイルとの間の
相互インダクタンス L2 2次側ピックアップコイルのインダクタンス C2 2によるリアクタンスを補償するためにL2と直
列に接続したコンデンサのキャパシタンス Cx 等価可変キャパシタンスコンデンサのキャパシタ
ンス RL 負荷抵抗 1 非接触給電装置 1b 1次側導線 2 ピックアップコイル 3 鉄心 5 ピックアップコイル 7 ピックアップコイルのリアクタンス補償用直列コ
ンデンサ 8 負荷 11 等価可変キャパシタンスコンデンサ 12 鉄心入りインダクタ 20 インピダンス反転用4端子回路 30 4端子回路

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 端子電圧の大きさによってそのインダク
    タンスの値が非線形に変わる鉄心入りインダクタの両端
    を、インピーダンス反転用4端子回路の出力端子に接続
    することにより、端子電圧の大きさによってそのキャパ
    シタンスの値が非線形に変わるコンデンサに等価的に代
    えてなることを特徴とする可飽和キャパシタンス特性を
    有するコンデンサ。
  2. 【請求項2】 搬送路に沿って設けられるとともに、電
    源に接続された導線を1次側とし、該1次側の導線に流
    れる電流から、電磁誘導現象及び共振現象を利用して、
    搬送車に設けられる2次側ピックアップコイルにより、
    搬送車に非接触的に電力を供給する非接触給電装置にお
    いて、インピーダンス反転用4端子回路を使って、端子
    電圧の大きさによってそのインダクタンスの値が非線形
    に変わる鉄心入りインダクタを、端子電圧の大きさによ
    ってそのキャパシタンスの値が非線形に変わるコンデン
    サに等価的に代えて使うことにより、負荷電流の変化に
    対する負荷端子電圧変動を軽減するようにしたことを特
    徴とする非接触給電装置。
  3. 【請求項3】 2次側ピックアップコイルの2次コイル
    リアクタンスを補償するためにコイルの両端に共振用コ
    ンデンサを接続して得られる回路の合成リアクタンスを
    誘導性とし、インピーダンス反転用4端子回路の出力側
    に、端子電圧の大きさによってそのインダクタンスの値
    が非線形に変わる鉄心入りインダクタを接続してなる4
    端子回路の入力側端子に共振用コンデンサを、出力側端
    子に負荷をそれぞれ接続して、負荷電流の変化に対する
    負荷端子電圧変動を軽減するとともに、1次側導線のリ
    アクタンスによる電圧降下を相殺するようにしたことを
    特徴とする請求項2記載の非接触給電装置。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012110154A (ja) * 2010-11-18 2012-06-07 Toshiba Corp 無線電力伝送装置
KR101358071B1 (ko) * 2011-11-22 2014-02-12 한국과학기술원 상용주파수에서 사용할 수 있는 접촉식 급집전장치
JP2018085913A (ja) * 2016-11-14 2018-05-31 株式会社東芝 無線電力伝送システム
JP2019161937A (ja) * 2018-03-15 2019-09-19 株式会社東芝 無線電力伝送システム及び送電装置
CN111628579A (zh) * 2020-05-09 2020-09-04 大连理工大学 利用铁磁谐振原理提高输出电压自稳定性的无线电能传输系统

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