JP2000077262A - 薄膜部品および薄膜コンデンサ - Google Patents

薄膜部品および薄膜コンデンサ

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JP2000077262A
JP2000077262A JP10245366A JP24536698A JP2000077262A JP 2000077262 A JP2000077262 A JP 2000077262A JP 10245366 A JP10245366 A JP 10245366A JP 24536698 A JP24536698 A JP 24536698A JP 2000077262 A JP2000077262 A JP 2000077262A
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Hiroyuki Nishikawa
洋行 西川
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Kyocera Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】より簡単な構造のハンダからなる端子を有する
薄膜部品および薄膜コンデンサを提供する。 【解決手段】表面に電極層1を有する薄膜部品であっ
て、電極層1の表面に、ハンダ濡れ性の低い第1金属層
2を形成するとともに、該第1金属層2の中央部に、第
1金属層2よりもハンダ濡れ性が良好な第2金属層3を
形成し、該第2金属層3にハンダからなる端子4を形成
してなるもので、第1金属層2がTiからなり、第2金
属層3がAuからなるものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ハンダからなる端
子を有する薄膜部品および薄膜コンデンサに関するもの
である。
【0002】
【従来技術】従来、薄膜部品の上面に電極端子としてハ
ンダ端子を形成する方法には、従来より、Controlled C
ollapse Chip Connection (いわゆるC4)と呼ばれる
技術が知られている。この方法は、素子の保護膜をハン
ダ端子形成部以外にあらかじめ形成した後、Ball Limit
ing Metallurgy (いわゆるBLM)と呼ばれる構造をハ
ンダ端子形成部位に作製した後にハンダを載せ、ハンダ
の自己凝集を利用してハンダ端子を形成する方法であ
る。このC4技術は、素子の実装技術として広く用いら
れている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、C4技
術のBLM構造は、通常Cr層、Cu層、Au層の3層
構造を採るため、用いる材料の種類が増え、しかも、保
護膜を形成する必要があるため、工程が複雑となるとい
う問題があった。
【0004】一方、C4技術のBLM構造を用いてハン
ダからなる端子を形成した薄膜コンデンサとして、US
P4,439,813号が知られている。このUSP
4,439,813号には、コンデンサを形成する電極
層の材料がTi/W、Ta、Cu、Alからなり、この
電極層表面にC4技術のBLM構造を用いてハンダから
なる端子が形成されているが、上記したように用いる材
料が多く、また保護膜を形成する必要があり、工程が複
雑であった。
【0005】また、薄膜コンデンサ等の薄膜部品におい
ては、非常に厚みの薄い部分にハンダからなる端子を形
成する必要があるため、強度等の点から従来のC4技術
のBLM構造を採用する必要はなく、より簡易な構造の
ハンダからなる端子が要求されていた。
【0006】本発明は、容易に作製でき、しかもより簡
単な構造の外部電極端子を有する薄膜部品および薄膜コ
ンデンサを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の薄膜部品は、表
面に電極層を有する薄膜部品であって、前記電極層の表
面に、ハンダ濡れ性の低い第1金属層を形成するととも
に、該第1金属層の中央部に、前記第1金属層よりもハ
ンダ濡れ性が良好な第2金属層を形成し、該第2金属層
にハンダからなる端子を形成してなるものである。ここ
で、第1金属層がTiからなり、第2金属層がAuから
なることが望ましい。
【0008】また、本発明の薄膜コンデンサは、誘電体
層の上面に上側電極層を、下面に下側電極層を有する薄
膜コンデンサであって、前記上側電極層がAuまたはC
uからなるとともに、前記上側電極層の上面にハンダ濡
れ性の低い第1金属層を形成し、該第1金属層の中央部
に、前記第1金属層よりもハンダ濡れ性が良好な第2金
属層を形成し、該第2金属層にハンダからなる端子を形
成してなるものである。ここで、第1金属層がTiから
なり、第2金属層がAuからなることが望ましい。
【0009】
【作用】本発明の薄膜部品では、電極層の表面に、ハン
ダ濡れ性の低い第1金属層を形成し、該第1金属層の中
央部に、第1金属層よりもハンダ濡れ性が良好な第2金
属層を形成し、該第2金属層にハンダを載せてリフロー
すると、ハンダが溶融して第2金属層に固着するととも
に、第2金属層の周囲に露出した第1金属層の部分によ
りハンダの第2金属層からの流出、拡散を防止でき、ハ
ンダからなる端子(以下ハンダ端子という)の形成位置
が変動することがなく、また形状の崩れのないハンダ端
子を形成することができ、従来のBLM構造と比較し
て、ほぼ半分の種類の材料で、より簡単な構造、工程に
よって、従来のBLM構造と同様の効果を得ることがで
きる。
【0010】また、第1金属層を、密着性が良好でハン
ダ濡れ性の低いTiで形成し、第2金属層をハンダ濡れ
性の良好なAuで構成することにより、第1金属層を電
極層表面に強固に密着できるとともに、第2金属層から
のハンダの流出や拡散を確実に防止でき、さらに第2金
属層とハンダとの固着強度をさらに向上できる。
【0011】即ち、薄膜部品の上部に露出した電極層と
ハンダの間に、2層の金属層を挿入することで、ハンダ
端子の位置の変動やハンダ端子形状の崩れを防ぐ作用を
持たせている。この2層の金属層はそれぞれ異なった機
能、サイズを持ち、両層が積層する構造を採っている。
【0012】薄膜部品の電極層上に形成される第1金属
層を、ハンダとの濡れ性が悪い材料を用い、第1金属層
の上に形成される第2金属層を、逆にハンダとの濡れ性
の良い材料で構成される。この第2金属層は、第1金属
層の外周部のみを残して、第1金属層の中央部を被覆す
る。つまり、第2金属層の周囲には、第2金属層を取り
囲むように第1金属層の外周部が露出している。そし
て、第2金属層上にハンダを載せたのち、ハンダリフロ
ーを行い、ハンダ端子が形成される。ハンダを載せる方
法は特に指定はなく、ハンダボール、ペーストの印刷等
の方法が用いられる。
【0013】ハンダリフローの過程ではハンダが溶融
し、ハンダの流動性が増す。Auはハンダとの濡れ性が
良いため、下層として第1金属層がなければ、この溶融
ハンダが薄膜部品の電極層上に流出、拡散する。本発明
では、ハンダ濡れ性の悪い第1金属層の外周部が、ハン
ダが載っている第2金属層を囲むように存在しているた
め、この第1金属層によって溶融ハンダの拡散が止めら
れ、ハンダが第1金属層を越えて流出、拡散することが
なくなる。
【0014】さらに、第2金属層の表面積を制御するこ
とで、ハンダ端子の形状、高さを制御できる。例えば、
第2金属層を円形とし、その直径を上に載せるハンダボ
ールと同じにすると、ハンダ端子の形状はほぼ半球状に
近い形となり、高さは直径の3/4程度のものが得られ
る。
【0015】第1、第2金属層は、電気的に見た場合、
ともに薄膜部品の電極層とハンダ端子の間に直列に挿入
されるため、電気抵抗は小さい方が望ましい。
【0016】さらに、第1金属層の材料にはハンダ濡れ
性が悪いものが用いられているが、溶融ハンダの流出を
止める作用を果たすことを考慮すると、濡れ性の悪さは
大きい方が良い。できれば、ハンダとの接合が不可能な
材料がさらに望ましい。この条件に該当する金属材料と
してTiがある。
【0017】第2金属層は、逆にハンダ濡れ性の良い材
料が用いられているが、この場合はハンダとの合金の形
成が起こるため、濡れ性の程度は問題となる。ハンダの
第2金属層への密着強度を考えると濡れ性が大きく合金
を作りやすい材料が望ましいが、第2金属層すべてが合
金化してハンダ端子に吸収されてしまうと、ハンダ濡れ
性の悪い第1金属層がハンダ端子に接触することにな
り、ハンダ端子が剥離し易くなり、本発明による効果が
失われてしまう。従って、第1金属層のハンダの濡れ
性、即ち合金化のし易さを抑えるか、第2金属層の厚み
を増して、ハンダ端子に吸収されない部分を作るか、の
方法が考えられる。
【0018】しかしながら、ハンダ濡れ性を抑えること
は密着強度を低下させることにつながり、デバイスの強
度上望ましくない。この場合には、第2金属層の厚みを
増加させる方法が望ましい。第2金属層に用いるハンダ
濡れ性の良い材料としては、Au、Sn、Ag、Cd、
Pdがあり、電気伝導度と耐酸化性等を考慮するとAu
が望ましい。また、薄膜部品の電極層をAuとすると、
第2金属層と同一材料となることから、材料の種類が少
なくてすみ、工程上のメリットも大きい。
【0019】また、この第1、第2金属層は、薄膜部品
の電極層とハンダ端子の間に直列に挿入されるため、構
造的にはハンダ端子と薄膜部品の間のバッファーの機能
を果たすことになり、ハンダの熱収縮によって薄膜部品
の誘電体層や電極層が破壊されるという問題にも有効で
ある。ハンダと薄膜部品、薄膜部品の電極層の熱膨張率
の違いにより発生する応力は、この第1、第2金属層が
バッファーとなって緩和され、誘電体層や電極層の破壊
を防ぐことができる。また、電極層の材料がハンダによ
って吸収されて電極層に穴が開くような問題も、第1、
第2金属層がハンダ端子と電極層を隔離することで防止
できる。
【0020】従来、C4技術のBLM構造は、異なる3
種類の金属材料を用いており、電極層材料を含めると4
種類の材料が必要となり、工程が複雑であった。本発明
による第1金属層の上面に第2金属層を積層した2層積
層構造(以下、2層積層構造という)を用いれば、材料
は電極層を含めても2種類または3種類でよく、用いる
材料の面から工程を簡略化することが可能である。
【0021】また、この第1、第2金属層の2層積層構
造のみで、ハンダの流れ出し、拡散を防いでいるため、
ハンダ端子の形成に必ずしも従来のような保護膜を必要
としない。したがって、本発明によって、例えば、ハン
ダとの濡れ性が良いような材料でも保護膜として用いる
ことが可能となり、保護膜材料の選択肢を増やすことが
できる。さらに、熱収縮に伴う応力緩和効果もこの単純
な2層積層構造で実現しており、BLM構造に比べて、
費用対効果の点で優れているといえる。
【0022】次に、本発明の薄膜コンデンサについて説
明する。本発明の薄膜コンデンサは、誘電体層の上面に
上側電極層を、下面に下側電極層を有している。つま
り、上側電極層および下側電極層により誘電体層が挟持
されている。誘電体層が一層の単板型、あるいは誘電体
層が複数、即ち、誘電体層と電極層とが交互に積層され
た積層型の薄膜コンデンサであっても良いことは勿論で
ある。
【0023】そして、誘電体層を挟持する上側電極層、
積層型にあっては、最上層の上側電極層は、Auおよび
/またはCuから形成されている。電極層の材料とし
て、AuやCuを用いることで、電極層の電気抵抗を低
下させている。Auの抵抗率は2.36×10-6Ωcm
で、Cuの抵抗率は1.67×10-6Ωcmである。ま
た、Auは酸化に強く、また融点は1064℃であるこ
とから、電極層として最も望ましい。
【0024】この電極層の上面には、上記の薄膜部品と
同様、第1金属層が形成され、この第1金属層の中央部
には第2金属層が形成され、第2金属層にはハンダ端子
が形成されているのである。
【0025】このような薄膜コンデンサでは、上側電極
層の材料にAuおよび/またはCuを用いることで上側
電極層自体の電気抵抗を下げ、電極層上に、第1金属
層、第2金属層を介してハンダ端子を形成することによ
り薄膜コンデンサのインピーダンスを低減させることが
可能となる。これは、薄膜コンデンサの高速動作に対し
て重要である。さらに、従来のBLM構造よりも簡単な
2層積層構造を用いてハンダ端子を形成することによ
り、簡便な方法でBLM構造と同様な効果を得ることが
できる。
【0026】また、保護膜がなくとも2層積層構造のみ
でハンダの流れ出しを抑制できるため、保護膜なしの場
合や、保護膜とハンダを接触させない構造を作製するこ
とが可能であり、使用できる保護膜材料が増えるととも
に、保護膜とハンダとの接触による不具合を回避でき
る。
【0027】
【発明の実施の形態】本発明の薄膜部品は、図1に示す
ように、薄膜部品の外面に露出した電極層1の表面に、
ハンダ濡れ性の低い第1金属層2が形成され、該第1金
属層2の中央部に、第1金属層2よりもハンダ濡れ性が
良好な第2金属層3が形成され、この第2金属層3の上
面にハンダ端子4を形成して構成されている。
【0028】電極層1は電気抵抗が小さく、耐酸化性、
耐熱性に優れた材料で構成されるものであり、Au、P
t、Pd、Cu等があり、電気抵抗が小さいという点か
らAuまたはCuが望ましい。
【0029】また、ハンダ濡れ性の低い第1金属層2と
しては、Al、Tiおよびこれらの合金があり、そのう
ちでもハンダ濡れ性が特に低いという点からTiが望ま
しい。
【0030】第2金属層3としてはAu、Pd、Sn、
Ag、Cd等があるが、そのうちハンダ濡れ性が良好
で、耐酸化性に優れるという点からAuが望ましい。
【0031】第1金属層2および第2金属層3は円板状
に形成されており、第2金属層3の直径は第1金属層2
の直径よりも小さく形成され、第1金属層2の上面中央
部に第2金属層3を積層した場合には、第2金属層3の
周囲には、第1金属層2の上面が環状に露出した環状露
出部5が形成されることになる。また、第1金属層2の
厚みは、ハンダの流出を抑えられる範囲内で薄くするこ
とが可能である。一方、第2金属層3の厚みは、ハンダ
との合金化を防止するため、第1金属層2よりも厚く形
成することが望ましいが、特に、300nm以上の厚み
とすることが望ましい。第1金属層2と第2金属層3の
ハンダ濡れ性は、その差が大きい程効果が大きい。
【0032】尚、図1では第1金属層2および第2金属
層3を円板状に形成したが、用途によって任意形状に形
成することが可能である。
【0033】本発明の薄膜部品では、電極層1の表面に
第1金属層2が形成され、該第1金属層2の中央部に、
第1金属層2よりもハンダ濡れ性が良好な第2金属層3
が形成され、この第2金属層3の上面にハンダが載せら
れ、この状態で、加熱されると、第2金属層3上に載せ
られたハンダは溶解し、第1金属層2の環状露出部5に
よって第2金属層3上に閉じ込められ、形状の崩れのな
いハンダ端子4を容易に形成することができる。
【0034】本発明の薄膜コンデンサについて説明す
る。本発明の薄膜コンデンサは、図2乃至図4に示すよ
うに、誘電体層11の上下面にAuおよび/またはCu
からなる正電極層12、およびAuおよび/またはCu
からなる負電極層13を形成してなる一対の容量素子
A、Bが対向して並置されている。一対の容量素子A、
Bの対向する位置に形成された電極層12、13は異な
る極性の電極層13、12とされている。容量素子A、
Bは基板14の上面に形成されている。
【0035】即ち、容量素子Aは、誘電体層11の下面
に正電極層12が、上面に負電極層13が形成されてお
り、容量素子Bは、誘電体層11の下面に負電極層13
が、上面に正電極層12が形成されている。そして、容
量素子A、Bが所定間隔を置いて並置されており、容量
素子Aの正電極層12と同一平面には容量素子Bの負電
極層13が、容量素子Aの負電極層13と同一平面には
容量素子Bの正電極層12が形成されることになる。
【0036】正電極層12および負電極層13は、図5
に示すように、長方形状とされ、誘電体層11は、この
誘電体層11の下面に形成された正電極層12または負
電極層13を被覆するような大きさの長方形状とされて
いる。誘電体層11同士は、所定間隔を置いて離間され
ている。誘電体層11の上面に形成された正電極層12
または負電極層13は、誘電体層11の下面に形成され
た正電極層12または負電極層13と同一形状、同一寸
法とされている。
【0037】誘電体層11は、例えば、厚みが0.1〜
1μm、大きさが縦1.2mm、横1.2mmの大きさ
とされ、電極層12、13は、例えば、厚みが0.1〜
1μm、大きさが縦1.0mm、横0.3mmの大きさ
とされている。
【0038】そして、一対の容量素子A、Bの正電極層
12および負電極層13には、それぞれ対向する容量素
子A、Bに向けて突出する接続端子電極15が形成さ
れ、極性が同じ電極層12、13の接続端子電極15同
士が接続されている。
【0039】正電極層12同士が接続された正電極接続
部17と、負電極層13同士が接続された負電極接続部
18とは所定間隔を置いて離間され、これにより絶縁さ
れている。この正電極接続部17と負電極接続部18と
の間に、誘電体層11と同一材料を充填しても良い。こ
の場合には、一対の容量素子A、Bの誘電体層11が連
結され、平面的に見るとH形状とされる。正電極層12
および負電極層13の間であって、正電極接続部17と
負電極接続部18との間に該当する部分にも、誘電体層
11と同一材料を充填しても良い。
【0040】そして、本発明の薄膜コンデンサは、外部
電極端子21、22が、容量素子A、Bに最外表面に形
成された正電極層12および負電極層13に形成され、
これにより容量が取り出される。
【0041】外部電極端子21、22は、上記図1にも
示したように、正電極層12および負電極層13上に、
ハンダ濡れ性の低い第1金属層2を形成し、該第1金属
層2の中央部に、第1金属層2よりもハンダ濡れ性が良
好な第2金属層3を形成し、この第2金属層3の上面に
ハンダ端子4を形成して構成されている。
【0042】以上のように構成された薄膜コンデンサで
は、一対の容量素子A、Bが対向して形成されているた
め、一対の容量素子A、Bには、同一平面内には正電極
層12および負電極層13が所定間隔を置いて形成され
ることになり、これらの正電極層12および負電極層1
3の間隔を接近させて形成することができるので、電流
経路が短くなり、インダクタンスを小さくすることがで
きる。
【0043】また、個々の容量素子における正電極層1
2および負電極層13を流れる電流の方向が逆方向とな
るため、各正電極層12および負電極層13でインダク
タンスが打ち消しあい、発生するインダクタンスを小さ
くすることができる。
【0044】さらに、基板上に設けられた電極に、上記
薄膜コンデンサのハンダ端子4を当接してリフローハン
ダ付けすることにより、基板に薄膜コンデンサを搭載す
ることができ、実装が容易となる。
【0045】そして、本発明の薄膜コンデンサでは、上
述したように、露出した正電極層12および負電極層1
3の表面に第1金属層2が形成され、該第1金属層2の
中央部に、第1金属層2よりもハンダ濡れ性が良好な第
2金属層3が形成され、この第2金属層3の上面にハン
ダが載せられ、この状態で、加熱されると、第2金属層
3上に載せられたハンダは溶解し、第1金属層2の環状
露出部5によって第2金属層3上に閉じ込められ、形状
の崩れのないハンダ端子4を容易に形成することがで
き、より簡単な構造の外部電極端子21、22を容易に
作製できる。
【0046】また、正電極層12および負電極層13を
AuまたはCuより形成し、第1金属層2をTiより形
成し、第2金属層3をAuより形成することができ、外
部電極端子21、22を、電極層12、13の材料まで
含めて2種または3種で形成でき、使用する材料を従来
よりも大幅に少なくできるとともに、外部電極端子2
1、22を容量素子A、Bの上面に形成したので電流経
路を短くでき、しかも正電極層12および負電極層13
を形成するAuまたはCuは抵抗が小さいため、インピ
ーダンスを大幅に低減できる。
【0047】
【実施例】Pb(Mg1/3 Nb2/3 )O3 を主成分とす
る磁器上に、膜厚350nmのAuからなる電極層1を
スパッタ法によって作製した。この電極層1上に、膜厚
200nm、直径250μmの円形のTiよりなる第1
金属層2をスパッタ法により形成した。この第1金属層
2の上に、膜厚350nm、直径150nmの円形のA
uよりなる第2金属層3をスパッタ法を用いて形成し
た。
【0048】第2金属層3の作製の際、第1金属層2と
第2金属層3の中心を一致させることにより、図1
(b)に示したように、第1金属層2の外周部の幅50
nmの領域を、第2金属層3を被覆せずに表面に露出さ
せた。つまり、環状露出部5の幅を50nmとした。ハ
ンダは直径0.2mmのハンダボールを用い、これを第
2金属層3にあたる内側の円内に載せ、220℃でハン
ダリフローを行い、ハンダ端子4を形成し、図1に示し
たような本発明の薄膜部品を25個作製した。
【0049】一方、比較例として、第1、第2金属層を
形成せずに、電極層1の上面に直接直径0.2mmのハ
ンダボールを載せ、同じ条件でリフローを行ない、25
個の薄膜部品を作製した。
【0050】本発明の薄膜部品および比較例の薄膜部品
について、ハンダ端子4の形状、ハンダ端子4の中心位
置の移動の程度、ハンダ端子4の密着強度の3項目で行
った。
【0051】ハンダ端子4の形状については、底面の直
径とハンダの高さの比率で評価し、少なくとも底面直径
の半分、比率にして0.5以上の結果について良好な結
果と判断した。また、ハンダ端子4の位置の移動につい
ては、少なくともハンダ端子4の中心が第2金属層3の
上面にあるかどうかで判断した。したがって、移動距離
が0.1mm以下を良好な結果と判断した。密着性につ
いては、ハンダ端子4が1個当り30gfの荷重に耐え
られる場合に良好と判断した。
【0052】その結果、本発明の薄膜部品では、ハンダ
端子4の形状については25個中24個が良好であり、
ハンダ端子4の中心位置の移動の程度については23個
が良好であり、ハンダ端子4の密着強度については24
個が良好であった。つまり、本発明の薄膜部品では、リ
フローにより溶融したハンダは、第1金属層2の環状露
出部5に阻まれて、電極層1上に流れ出すこともなく、
第2金属層3上に残っており、しかも、リフロー後、ハ
ンダはほぼ半球形状のハンダ端子4を形成していた。
【0053】一方、比較例の薄膜部品では、ハンダ端子
4の密着強度については25個中11個が良好であった
ものの、ハンダ端子4の形状、およびハンダ端子4の中
心位置の移動の程度については良好なものがなかった。
つまり、溶融ハンダが電極層1上に流れ出し、ハンダ端
子は形成されず、しかもハンダの位置も移動し、特定の
位置にハンダ端子を形成することはできなかった。
【0054】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
電極層の表面に、ハンダ濡れ性の低い第1金属層を形成
し、該第1金属層の中央部に、第1金属層よりもハンダ
濡れ性が良好な第2金属層を形成し、該第2金属層にハ
ンダを載せてリフローすると、ハンダが溶融して第2金
属層に固着するとともに、第1金属層の露出した外周部
によりハンダの第2金属層からの流出、拡散を防止で
き、ハンダ端子の形成位置が変動することがなく、また
形状の崩れのないハンダ端子を形成することができ、従
来のBLM構造と比較して、ほぼ半分の種類の材料で、
より簡単な構造、工程によって、従来のBLM構造と同
様の効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の薄膜部品を示すもので、(a)は外観
斜視図、(b)は平面図である。
【図2】本発明の薄膜コンデンサを示す分解斜視図であ
る。
【図3】本発明の薄膜コンデンサの平面図である。
【図4】図3の正電極接続部近傍の側面図である。
【図5】電極層と誘電体層を示す平面図である。
【符号の説明】
1・・・電極層 2・・・第1金属層 3・・・第2金属層 4・・・ハンダ端子 5・・・環状露出部 11・・・誘電体層 12・・・正電極層 13・・・負電極層 21、22・・・外部電極端子

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】表面に電極層を有する薄膜部品であって、
    前記電極層の表面に、ハンダ濡れ性の低い第1金属層を
    形成するとともに、該第1金属層の中央部に、前記第1
    金属層よりもハンダ濡れ性が良好な第2金属層を形成
    し、該第2金属層にハンダからなる端子を形成してなる
    ことを特徴とする薄膜部品。
  2. 【請求項2】第1金属層がTiからなり、第2金属層が
    Auからなることを特徴とする請求項1記載の薄膜部
    品。
  3. 【請求項3】誘電体層の上面に上側電極層を、下面に下
    側電極層を有する薄膜コンデンサであって、前記上側電
    極層がAuまたはCuからなるとともに、前記上側電極
    層の上面にハンダ濡れ性の低い第1金属層を形成し、該
    第1金属層の中央部に、前記第1金属層よりもハンダ濡
    れ性が良好な第2金属層を形成し、該第2金属層にハン
    ダからなる端子を形成してなることを特徴とする薄膜コ
    ンデンサ。
  4. 【請求項4】第1金属層がTiからなり、第2金属層が
    Auからなることを特徴とする請求項3記載の薄膜コン
    デンサ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012023303A (ja) * 2010-07-16 2012-02-02 Murata Mfg Co Ltd 電子部品

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