JP2000077167A - 面状発熱体 - Google Patents
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Abstract
料と絶縁材の混合物からなる発熱抵抗体4を形成した面
状発熱体1において、大気中処理においても炭素系材料
の劣化が無く、発熱抵抗体4を安定に形成する。 【解決手段】前記発熱抵抗体4が、球状、鱗片形状、及
びウイスカー形状のいずれかの黒鉛から成る導電成分
と、ポリイミドから成る絶縁成分から構成され、上記黒
鉛が、Mering−Maier式から算出される黒鉛
化度が35%以上であることを特徴とする。
Description
し、特に発熱抵抗体の導電成分に黒鉛材料を、また絶縁
マトリクスにポリイミドを利用したものに関する。
ブラック、球状炭素、黒鉛、酸化物等の粉末と合成樹脂
バインダーとを混合した導電性発熱組成物を用いた面状
発熱体は周知である。かかる発熱体の具体例として、カ
ーボンブラックとポリイミドからなる発熱体(特開昭5
1−99340号)、あるいは食品関係の成型用ロー
ラ、プラスチックの圧延成型用ローラ、電子写真装置の
粉末定着用ローラとしてカーボンブラックとフッ素系樹
脂からなる発熱体(特公昭62−45992号)を、絶
縁層を介して金属円筒上に焼き付けたものや、融雪用パ
ネルヒータとして粉末、繊維、ウイスカー状炭素材をア
ルキレンオキシドを単位構造とする合成樹脂(PEG
等)に分散させたもの(特公平4−29197号)等が
報告されている。
体の中で、特に炭素系材料を導電成分に用いたものは、
炭素系材料の表面活性が低いことに起因して、低温での
樹脂マトリクスとの反応性は極めて低いという利点があ
る。
鉛化度100%と考えたとき、上記導電材をなす炭素材
料の相対的な黒鉛化度は低いものであった。そのため、
相対的な黒鉛化度が低い不定形炭素は、高温で容易に酸
化されることに起因し、例えば、樹脂の焼き付け工程で
炭酸ガスによる樹脂層の膨れ、ピンホールという不具合
が発生するという第一の問題点があった。
合、抵抗の温度係数が負になるNTCR特性を示すが、
このような面状発熱体を任意の温度に設定しようとする
と、温度が上昇、下降を繰り返しながら昇温するため、
通電初期の面状発熱体の温度分布が悪くなるという第二
の問題点があった。
属基板等の発熱抵抗体の支持体に設ける絶縁層、あるい
は発熱抵抗体の絶縁マトリクス材料として知られている
ポリイミドは、電気器具等の絶縁材料として、耐熱性に
ついては約250℃までは安定に使用可能であり、一般
的な絶縁樹脂材料の中でも最も高温下にて使用可能な材
料である。
く、そのため、面状発熱体を高湿下にて放置するような
場合、吸水量によっては、該発熱体を通電発熱させた時
に吸水水分が一気に気化し、膨れ、絶縁破壊を生じ、電
流のリーク、焼損、その他の重大な事故が生じる恐れを
有するという第三の問題点があった。
際、該ポリイミド樹脂を絶縁マトリクスに選択すると、
ポリイミドはAu、Alを除くAg、Cu、Ni等の殆
どの金属成分、及びSnO2 −Sb2 O3 固溶体あるい
はZnO等の半導体酸化物に対し分解され易いため、導
電成分として上記金属あるいは金属酸化物を選択する
と、電極部の耐久性が著しく損なわれるという第四の問
題点があった。
みて鋭意研究に努めた結果、第一の問題点に関しては、
炭素系材料の黒鉛化度を高くするほど耐酸化性が向上す
ることにより、面状発熱体の製造歩留まりおよび通電耐
久性が向上可能であることを見いだした。
抵抗の温度係数は、黒鉛化温度として約2800〜29
00℃を境に、負から正に逆転する、すなわち半導体性
から金属性に変化する点、および発熱抵抗体の導電構造
は、隣接する黒鉛粒子間における電子のトンネル効果で
成立するという点の二つの見地から、発熱抵抗体におけ
る半導体性および金属性の二種の黒鉛量を適度に制御す
ることにより、通電初期の面状発熱体の温度分布を改善
するための抵抗の温度係数が任意に設定可能なことを見
いだした。
ドの平衡吸着水分量が低いほど、面状発熱体の耐久性能
が向上するということを見いだした。さらに、第四の問
題点に関しては、該ポリイミド樹脂と上記黒鉛材料から
280℃の高温でも高耐久性を有する電極部用ペースト
が成立可能なことを発見した。
あり、その目的は直流及び交流のいずれの印加電圧を使
用しても、室温から絶縁材料であるポリイミドの法的な
使用温度上限である250℃までの温度範囲に対し、高
い性能を安定的に維持し、十分な耐久性を有する面状発
熱体を提供することにある。
介して発熱抵抗体を形成して成る面状発熱体において、
前記絶縁層がポリイミドから成り、前記発熱抵抗体が、
球状、鱗片形状及びウイスカー形状のいずれかの形状を
有する黒鉛からなる導電成分と、ポリイミドから成る絶
縁成分から構成され、上記黒鉛がMering−Mai
er式から算出される黒鉛化度が35%以上であること
を特徴とするものである。
r式から算出される黒鉛化度が35〜94%である成分
と、94%以上の黒鉛化度を有する成分の二種類からな
り、両者の体積比が0:100〜80:20であること
が望ましい。
ドは、60℃、湿度95%の高温高湿下における吸水量
が4%以下であることが望ましい。
が、1000ppm/℃(25〜300℃)以上である
ことが、面状発熱体の昇温速度に関し、特に好ましい。
は、絶縁成分が、60℃、湿度95%の高温高湿下にお
ける吸湿量が4%以下であるポリイミドからなり、導電
成分がMering−Maier式から算出される黒鉛
化度が35%以上である球状、鱗片状およびウィスカー
形状のいずれかの形状の黒鉛から成り、この黒鉛からな
る導電成分と絶縁成分であるポリイミドの固形分との体
積比率が40:60〜80:20であることを特徴とす
る。
って説明する。
であり、Al及びその他の金属基板材料(Cu、Fe、
SUS材等)から成る金属基体2の表面上に、ポリイミ
ド樹脂から成る絶縁層3を設け、さらに該絶縁層3上
に、黒鉛の導電成分とポリイミド樹脂とから成る発熱抵
抗体4を形成している。使用環境によっては人体の接触
等による感電の恐れがある場合、発熱抵抗体4の表面に
ポリイミドによる絶縁保護層を設けても良い。
を後述する導電性ペーストを塗布して電極部5、5を形
成し、各電極部5に、ワイヤー形状の電極金具6を接合
してある。なお、電極金具はポリイミドに対し不活性な
金属であるAlを用いた。また、電極金具の形状には制
約はなく、目的に応じた任意の形状で良い。
体4に通電し、発熱させることができ、平面状のヒータ
として使用することができる。
に示すように、円柱状の面状発熱体とすることもでき
る。この場合、円柱状の金属基体2の外周面に絶縁層3
と発熱抵抗体4を形成し、その両端に電極部5を備え
て、電極金具6を接合してある。
3に示すように、円筒状の金属基体2の内周面に絶縁層
3と発熱抵抗体4を形成し、内周面の両端に電極部5を
形成して円柱状の電極金具6を接合することもできる。
形状の面状発熱体1は、例えば定着用ヒートロータ等と
して好適に使用することができる。
解消できる理由を詳述する。
に混入する黒鉛として黒鉛化度35%以上のものを用い
ることによって解決できる。ここで、黒鉛化度とは、黒
鉛の単結晶を100%としたときの相対的な値であり、
下記のMering−Maier式で与えられる。
(0.344 −0.3354)×100 なお、式中のd002はX線回折法により測定した、グ
ラファイトのミラー指数表示における(002)面の面
間距離(nm)である。
と、大気中での発熱抵抗体4の焼き付け処理時に、不定
形炭素分の炭酸ガス化が連続的に生じ、発熱抵抗体4の
膨張によるクラック、さらに無数のピンホール等の不具
合が生じる。これに対し、黒鉛化度が35%以上である
と、大気中処理においても炭素系材料の劣化が無く、発
熱抵抗体4が安定に形成可能である。
調整の方法について、概略を以下に説明する。なお、上
記発熱抵抗体4において、導電成分の黒鉛は球状、鱗片
形状及びウイスカー形状のいずれかを用いればよい。
子伝導で知られるが、これは黒鉛の結晶形態に非常に相
関がある。即ち、一般的な球状、鱗片形状黒鉛は、欠陥
の無い特定の面指数の炭素六角環網平面のみで構成され
ている場合は皆無であり、このことが電荷の移動を妨げ
ていると考えられている。しかしながら、気相成長法に
よる黒鉛ウイスカーは炭素六角環網平面が同心的に積み
重なって形成されており、電荷の移動が障害を受けな
い。
は、隣接する金属粒子相互の接触抵抗が発熱抵抗体の比
抵抗を支配するが、黒鉛の場合は、隣接する黒鉛粒子間
での電子のジャンプのし易さ、いわゆるトンネル効果が
発熱抵抗体の比抵抗を支配すると考えられる。このトン
ネル効果は、隣接する黒鉛粒子間距離と密接な関係があ
る。即ち、画一的な形状を有するため凝集しにくい球状
黒鉛や、鱗片形状黒鉛では、隣接黒鉛粒子間の距離が比
較的大きく、トンネル効果が阻害されるため、発熱抵抗
体の比抵抗が増加する。一方、ウイスカー状黒鉛はアス
ペクト比が大きくなるほどウイスカーが凝集しやすく、
このことがトンネル効果を助長しているのである。ま
た、成形手段の制約から高アスペクト比を有するウイス
カー形状黒鉛が使用できない場合でも、黒鉛化ケッチェ
ンブラックのような形状不定黒鉛を画一的な形状の黒鉛
粒子間に配することでトンネル効果を効果的に発現可能
である。
ことにより、さらに、後述の黒鉛添加量と黒鉛形状との
組み合わせにより、目的に応じた任意の室温抵抗を設定
可能である。
いが、球状黒鉛は直径1〜20ミクロン、鱗片形状黒鉛
は、長軸が4〜20ミクロン、ウイスカー形状黒鉛は、
直径0.1〜10ミクロンかつアスペクト比1〜30で
あるとワニス状ポリイミドと混合した際、均一に混合し
易く望ましい。
約は無いが、BET比表面積値は低いほど平衡吸着水分
量が少なくなるため、前処理としての乾燥工程が省略で
きるというメリットがある。ワニス状ポリイミドとの混
合性に関しては、BET比表面積値が10m2 /g以下
であると少ない溶媒量で均一に混合し易く好ましい。ま
た、第二の問題点に対し、本発明では、発熱抵抗体4に
用いる黒鉛として、黒鉛化度が35〜94%である成分
と94%以上の黒鉛化度を有する成分とを体積比が0:
100〜80:20の範囲で混合してある。
鉛化温度として約2800〜2900℃を境に、負から
正に逆転する、すなわち半導体性から金属性に変化する
特徴を有する。
ing−Maier式によると約94%であるが、発熱
抵抗体4においてMering−Maier式から算出
される黒鉛化度が35〜94%である成分と94%以上
の黒鉛化度を有する成分とのの体積比が100:0〜8
0:20であると、発熱抵抗体4の室温〜300℃での
抵抗の温度係数は−600ppm/℃以下となる。この
とき通電初期の面状発熱体1の温度分布は、NTCR性
が大きいことにより、昇温時の温度の波打ち幅が40℃
以上大きくなるため悪くなる。
成分と94%以上の黒鉛化度を有する成分との体積比が
0:100〜80:20である場合には、発熱抵抗体4
の室温〜300℃での抵抗の温度係数は−600ppm
/℃以上となり、NTCR性を示しても温度の波打ち幅
が小さいため上記のような不具合が無く、通電初期の面
状発熱体1の温度分布における温度ばらつきを小さくす
ることができるのである。
鉛化度が86〜94%である成分と94%以上の黒鉛化
度を有する成分の体積比が0:100〜5:95である
場合に、発熱抵抗体4の抵抗温度係数が1000ppm
/℃(25〜300℃)以上となる。このとき、面状発
熱体1の昇温速度は良好であり、急速昇温が要求される
分野において有用である。
る方法を以下に示す。
部を薄く切り出し、透過型電子顕微鏡(以下、TEM)
用サンプルを作製する。該TEM用サンプル中において
隣接する100個の黒鉛成分に対し収束電子回折像を求
め、該回折像よりグラファイトのミラー指数表示におけ
る(002)面の面間距離d002(nm)を求め、前
記Mering−Maier式から黒鉛化度を算出す
る。さらに、上記TEM用サンプルの観察面において、
該黒鉛成分1個1個が占有する面積を黒鉛化度と対応さ
せて測定する。以上の方法より求まる黒鉛化度94%以
上の成分と、35〜94%の成分の面積比を体積比とす
る。
層3や発熱抵抗体4を成すポリイミドとして、60℃、
湿度95%の高温高湿下における吸水量が4%以下であ
るポリイミドを用いる。
材として使用するポリイミドは一般的に吸湿性を有する
が、60℃、湿度95%の高温高湿下におけるポリイミ
ドの吸水量が4%以上であると、高温高湿環境下での、
面状発熱体1における絶縁層3の剥離が生じる確率が高
くなる。これに対し本発明のように、4%以下の場合は
このような不具合が生じない。
熱体1における電極部5をなす導電性ペーストとして、
60℃、湿度95%の高温高湿下における吸湿量が4%
以下であるポリイミドと、黒鉛化度が35%以上である
球状、鱗片状およびウイスカー形状を有する黒鉛とを体
積比率が40:60〜80:20の範囲で混合した導電
性ペーストを用いる。
分であるポリイミドの固形分の体積比率が0:100〜
40:60であると、ペーストの比抵抗が高くなり電極
部5の塗布厚みを極めて大きくする必要がある。また、
該体積比率が100:0〜80:20であると電極部5
の膜強度が皆無であり、電極部を安定に形成できない。
0:60〜80:20とした場合は、比抵抗および膜強
度が良好であり、安定な電極部5を形成可能である。
抵抗発熱体4において導電成分の黒鉛材料の耐酸化性を
向上させ、絶縁層3や抵抗発熱体4の絶縁マトリクスで
あるポリイミドの高温高湿下における吸水量上限を明確
にし、高耐久性を有する導電性ペースト材を電極部5に
使用した結果、発熱体の耐久性が著しく向上した。
係数を最適化させた結果、通電初期の温度分布が改善さ
れ、さらには、急速昇温可能な発熱体が得られた。
は、食品関係の加熱成形用面状発熱体、プラスチックの
加熱成型用面状発熱体、電子写真装置の粉末定着用面状
発熱体、融雪用面状発熱体、温風用ヒータ、その他利用
され得るあらゆる分野に対応する。
は下記の実施例に限定されるものではない。
体1を作成した。金属基板2は、絶縁層を形成するポリ
イミド樹脂の分解反応に対し不活性である、熱伝導率が
良好であるといった点からAlを用いた。ただし、その
他の金属基板材料(Cu、Fe、SUS材等)であって
も、基板表面を無機コーティング材(例えばシランカッ
プリング材、シリカゾル等)により被覆すれば、ポリイ
ミドとの反応性が十分回避されるため、選択可能である
(表1試料17〜18)。なお、基板形状は目的に応
じ、棒状、円筒形状、板状、その他任意の形状を選択す
れば良く、形状に関する制約は無い。
樹脂を塗布し、焼き付け絶縁層3を設けた。ポリイミド
樹脂は塗布性の点からワニス状が好ましく、これをノル
マルメチルピロリドン(NMP)等の溶剤で任意の粘度
に調整後、スプレー法、ディッピング法、刷毛塗り、ス
クリーン印刷法等の公知の手法で塗布すると良い。
成分と上記ワニス状ポリイミド樹脂から成る絶縁成分を
表1記載の比率で混合した導電ペーストをディッピング
法にて、焼き付け膜厚が50ミクロンとなるように塗布
し、その後焼き付け固定し発熱抵抗体4を形成した。ペ
ースト塗布方法には、他にスプレー法、刷毛塗り、スク
リーン印刷法等の公知のいずれの手法を用いても良い。
該発熱抵抗体4に関しては、図3に示す様に円筒状の金
属基体2の内面に発熱抵抗体4がある場合を除いて、使
用環境によっては人体の接触等による感電の恐れがある
場合、発熱抵抗体4の表面にポリイミドによる絶縁保護
層を設けても良い。
部5に、図1〜2に示すワイヤー形状電極金具6、図3
に示す様な円柱形状の電極金具6を取り付けた。取り付
け方法は、抵抗発熱体4において電極部5を形成する部
位に表1記載の比率で混合した導電ペーストを塗布し、
電極金具6の取り付け端部を該導電ペースト内に埋設保
持しながら焼き付け固定した。
性な金属であるAlを用いた。また、電極金具6の形状
には制約はなく、目的に応じた任意の形状で良い。
面状発熱体(S)、棒形状面状発熱体(R)、パイプ形
状面状発熱体(P)とし、表1に結果を示した。
いて前記Mering−Maier式より算出した。
5%環境下における飽和吸水量を測定した。
圧を印加して20秒後の面状発熱体内における温度の最
大値と最小値の差を赤外線計測装置を用いて測定した。
ただし、面状発熱体において両電極部に隣接した抵抗調
整部(単位長さ当たりの抵抗を発熱抵抗体部より15%
向上)を除いている。
体においてシート抵抗を算出している。
定し、直流電圧を印加し280℃に9秒加熱し、90秒
空冷させる冷熱サイクルを10000サイクル実施した
後の抵抗変化率(初期抵抗を基準とした抵抗増加率)を
算出した。なお、表1において全試料は昇温評価及び耐
久評価前に60℃、湿度95%環境下において100時
間エージングされている。
成分の黒鉛化度を一種類に固定した場合の製造歩留まり
を示した。
状発熱体においては、いずれも昇温時の温度ばらつきが
24℃以下と優れた温度分布を有しており、さらに60
℃、湿度95%環境下において100時間エージング後
であっても、280℃、10000サイクルの冷熱サイ
クルに対し、抵抗変化率が1%以下と優れた耐久性を示
した。
果と照らし合わせ詳述する。
らかなように、黒鉛成分の黒鉛化度を35%以上にする
ことにより、不定形炭素の炭酸ガス化による発熱抵抗体
のクラックやピンホールが出現していない。このことよ
り、ポリイミドの焼き付け温度である200℃〜300
℃において、大気中酸素により酸化されないための黒鉛
成分の黒鉛化度は35%以上である必要がある。
改善するための黒鉛成分の組成が表1の試料1〜5から
明らかである。試料1〜2については、発熱抵抗体にお
ける該黒鉛組成が、黒鉛化度35〜94%の成分と黒鉛
化度94%以上の成分の体積比において100:0〜8
0:20の範囲にあり、このためNTCR特性が−65
0ppm/℃以下と負の方向に大きく、昇温時の温度ば
らつきが40℃以上と極めて大きい。
成が前記体積比において0:100〜80:20の範囲
にあり、抵抗の温度係数(TCR)が−600ppm/
℃以上であり、このため昇温時の温度ばらつきが20℃
以下と小さい。
成が、黒鉛化度86〜94%の成分と94%以上の黒鉛
化度の成分の体積比において0:100〜5:95の範
囲にあり、このためTCRが1000ppm/℃以上で
あった。このことにより、面状発熱体の昇温速度が速
く、直流電圧印加から20秒経過後には、ほぼ温度が飽
和しており、温度ばらつきが13℃以下と非常に平坦に
なっていた。
吸水量と面状発熱体の性能に関する相関関係が試料10
〜12から明らかである。前述のように、試料は昇温評
価及び耐久評価前に60℃、湿度95%環境下において
100時間エージングされているが、ポリイミドの飽和
吸水量が前記環境下において4%以上であると、通電耐
久評価時にポリイミド中の水分が一気に気化し、発熱抵
抗体表面に無数の泡状の膨張を生じ、スパークした。特
に、試料12においては1回の通電において前記現象が
みられた。
た導電ペーストの組成が試料13〜16から明らかであ
る。導電成分である黒鉛材料と絶縁成分であるポリイミ
ドの固形分の体積比率が0:100〜40:60の範囲
にある試料13は、ペーストの比抵抗が高くなり、通電
時に電極部が抵抗発熱する不具合を生じた。また、該体
積比率が100:0〜80:20の範囲にある試料16
は電極部の膜強度が皆無であり、電極部の焼き付け後、
接触により電極金具がとれてしまう不具合を生じた。
0の範囲にある試料14〜15では、比抵抗および膜強
度が良好であり、安定な電極部を形成した。
ば、抵抗発熱体において導電成分である黒鉛材料の黒鉛
化度を35%以上にしたことで黒鉛自体の耐酸化性を向
上させ、さらに、黒鉛組成において黒鉛化度35〜94
%の成分と黒鉛化度94%以上の成分の体積比を0:1
00〜80:20とすることにより、TCRを−600
ppm/℃以上に設定可能とし、電圧印加初期の面状発
熱体の温度ばらつきを24℃以下に抑制することができ
る。
スであるポリイミドについて、60℃、湿度95%の高
温高湿下における飽和吸水量上限を4%とし、さらに、
前記黒鉛材料と該ポリイミドから作製した導電性ペース
ト材を電極部に使用した結果、発熱体の耐久性が著しく
向上し、室温からポリイミドの法的な使用温度上限の2
50℃までの温度範囲に対し高い性能を安定に維持し、
十分な耐久性を有する長期信頼性の面状発熱体が提供で
きた。
状発熱体の斜視図、(b)は(a)のA−A線断面図で
ある。
発熱体の斜視図、(b)は同図(a)のB−B線断面
図、(c)は同図(a)のC−C線断面図である。
熱体の斜視図、(b)は同図(a)のD−D線断面図、
(c)は同図(a)のE−E線断面図である。
Claims (5)
- 【請求項1】金属基体上に、絶縁層を介して、発熱抵抗
体を形成して成る面状発熱体において、前記絶縁層がポ
リイミドから成り、前記発熱抵抗体が、球状、鱗片形
状、及びウイスカー形状のいずれかの黒鉛から成る導電
成分と、ポリイミドの絶縁成分から構成され、 上記黒鉛が、Mering−Maier式から算出され
る黒鉛化度が35%以上であることを特徴とする面状発
熱体。 - 【請求項2】前記黒鉛が、Mering−Maier式
から算出される黒鉛化度が35〜94%である成分と9
4%以上の黒鉛化度を有する成分から成り、両者の体積
比が0:100〜80:20であることを特徴とする請
求項1記載の面状発熱体。 - 【請求項3】前記絶縁層として使用するポリイミドが、
60℃、湿度95%の高温高湿下における吸水率が4%
以下であることを特徴とする請求項1記載の面状発熱
体。 - 【請求項4】前記発熱抵抗体の抵抗温度係数が、100
0ppm/℃(25〜300℃)以上であることを特徴
とする請求項1乃至2記載の面状発熱体。 - 【請求項5】60℃、湿度95%の高温高湿下における
吸湿量が4%以下であるポリイミドと、Mering−
Maier式から算出される黒鉛化度が35%以上であ
る球状、鱗片状およびウイスカー形状のいずれかよりな
る黒鉛とを、体積比率が40:60〜80:20の範囲
で混合してなる導電性ペーストを用い、該導電性ペース
トを上記発熱抵抗体の端部に塗布し焼き付けて電極部を
形成したことを特徴とする請求項1乃至4記載の面状発
熱体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24430498A JP2000077167A (ja) | 1998-08-31 | 1998-08-31 | 面状発熱体 |
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JP (1) | JP2000077167A (ja) |
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