JP2000076937A - 絶縁電線およびケーブル - Google Patents
絶縁電線およびケーブルInfo
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- JP2000076937A JP2000076937A JP10244192A JP24419298A JP2000076937A JP 2000076937 A JP2000076937 A JP 2000076937A JP 10244192 A JP10244192 A JP 10244192A JP 24419298 A JP24419298 A JP 24419298A JP 2000076937 A JP2000076937 A JP 2000076937A
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- Japan
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- insulating
- polyetherketone
- inner layer
- conductor
- insulated wire
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- Insulated Conductors (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 極めて優れた耐熱性を有する絶縁電線および
ケーブルを得る。 【解決手段】 絶縁電線の絶縁体２の内側部分を耐熱樹
脂で、外側部分あるいはケーブルのシースをポリエーテ
ルケトン、ポリエーテルケトンケトン、ポリエーテルケ
トンエーテルケトンケトンのいずれかで構成する。
ケーブルを得る。 【解決手段】 絶縁電線の絶縁体２の内側部分を耐熱樹
脂で、外側部分あるいはケーブルのシースをポリエーテ
ルケトン、ポリエーテルケトンケトン、ポリエーテルケ
トンエーテルケトンケトンのいずれかで構成する。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】この発明は、耐熱性に優れた
絶縁電線およびケーブルに関する。
絶縁電線およびケーブルに関する。
【０００２】
【従来の技術】耐熱用絶縁電線として、導体上にポリエ
ーテルケトン（以下、ＰＥＥＫと記す。）からなる絶縁
層を設けたものが知られている。この絶縁電線は、ＰＥ
ＥＫのガラス転移点（Ｔｇ）が１４３℃、融点（Ｔｍ）
が３３４℃と極めて高いことから、高温において優れた
機械特性、電気特性を示し、耐熱性に優れ、１００〜１
５０℃での連続使用に耐える耐熱用絶縁電線として、例
えば船舶用、航空機用などに実用されている。しかしな
がら、使用用途によっては、さらに高耐熱性の絶縁電線
が望まれている。
ーテルケトン（以下、ＰＥＥＫと記す。）からなる絶縁
層を設けたものが知られている。この絶縁電線は、ＰＥ
ＥＫのガラス転移点（Ｔｇ）が１４３℃、融点（Ｔｍ）
が３３４℃と極めて高いことから、高温において優れた
機械特性、電気特性を示し、耐熱性に優れ、１００〜１
５０℃での連続使用に耐える耐熱用絶縁電線として、例
えば船舶用、航空機用などに実用されている。しかしな
がら、使用用途によっては、さらに高耐熱性の絶縁電線
が望まれている。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】よって、本発明におけ
る課題は、極めて耐熱性の高い絶縁電線およびケーブル
を得ることにある。
る課題は、極めて耐熱性の高い絶縁電線およびケーブル
を得ることにある。
【０００４】
【課題を解決するための手段】かかる課題は、導体上に
耐熱樹脂からなる絶縁内層を設け、この上の絶縁外層も
しくはシースをなす材料としてポリエーテルケトン（以
下、ＰＥＫと記す。）、ポリエーテルケトンケトン（以
下、ＰＥＫＫと記す。）ポリエーテルケトンエーテルケ
トンケトン（以下、ＰＥＫＥＫＫと記す。）のいずれか
を用いることで解決される。
耐熱樹脂からなる絶縁内層を設け、この上の絶縁外層も
しくはシースをなす材料としてポリエーテルケトン（以
下、ＰＥＫと記す。）、ポリエーテルケトンケトン（以
下、ＰＥＫＫと記す。）ポリエーテルケトンエーテルケ
トンケトン（以下、ＰＥＫＥＫＫと記す。）のいずれか
を用いることで解決される。
【０００５】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳しく説明する。
図１は、本発明の絶縁電線の一例を示すもので、図中符
号１は導体を示す。この導体１は、銅、銅合金、アルミ
ニウム、アルミニウム合金などからなる撚線または単線
であり、その径は特に限定されないが、０．１ｍｍ〜１
０ｍｍ程度とされる。この導体１上には絶縁内層２が設
けられている。この絶縁内層２は、架橋ポリ塩化ビニ
ル、架橋ポリエチレン、架橋エチレン−プロピレン共重
合体、シリコーンゴム、フッ素樹脂、ＰＥＥＫなどの耐
熱温度が１２０℃、好ましくは１５０℃以上の耐熱性の
良好な樹脂からなるものである。絶縁内層２は、ＰＥ
Ｋ、ＰＥＥＫ、ＰＥＫＥＫＫのいずれかであってもよ
い。絶縁内層２の厚みは、特に限定されないが、０．２
ｍｍ〜１０ｍｍ程度とされる。絶縁内層２の形成は、押
出被覆によって行われるが、架橋ポリエチレンなどから
なるものでは、さらに加熱架橋を行い、架橋ポリ塩化ビ
ニルからなるものでは電子線照射を行うことになる。
図１は、本発明の絶縁電線の一例を示すもので、図中符
号１は導体を示す。この導体１は、銅、銅合金、アルミ
ニウム、アルミニウム合金などからなる撚線または単線
であり、その径は特に限定されないが、０．１ｍｍ〜１
０ｍｍ程度とされる。この導体１上には絶縁内層２が設
けられている。この絶縁内層２は、架橋ポリ塩化ビニ
ル、架橋ポリエチレン、架橋エチレン−プロピレン共重
合体、シリコーンゴム、フッ素樹脂、ＰＥＥＫなどの耐
熱温度が１２０℃、好ましくは１５０℃以上の耐熱性の
良好な樹脂からなるものである。絶縁内層２は、ＰＥ
Ｋ、ＰＥＥＫ、ＰＥＫＥＫＫのいずれかであってもよ
い。絶縁内層２の厚みは、特に限定されないが、０．２
ｍｍ〜１０ｍｍ程度とされる。絶縁内層２の形成は、押
出被覆によって行われるが、架橋ポリエチレンなどから
なるものでは、さらに加熱架橋を行い、架橋ポリ塩化ビ
ニルからなるものでは電子線照射を行うことになる。
【０００６】この絶縁内層２上には絶縁外層３が設けら
れて、この例の絶縁電線となっている。絶縁外層３に
は、ＰＥＫ、ＰＥＫＫ、ＰＥＫＥＫＫのいずれか１種も
しくは２種以上のブレンドポリマーからなるもので、そ
の厚みは用途等によって異なるが、０．５ｍｍ〜１０ｍ
ｍ程度とされる。絶縁外層３の形成は、押出温度４００
℃〜４５０℃での押出被覆によって行われるが、絶縁内
層２を押出被覆時の熱によって劣化させないように、で
きるだけ低温で行うことが必要となる。また、絶縁外層
３の結晶化を促進するため、導体を２５０〜３００℃に
予熱したり、押出直後に、ガラス転移点以上の温度に加
熱したりすることが好ましい。そして、上記ポリマーは
下記のように、いずれも高いガラス転移点と融点を有
し、１５０℃〜１７０℃の範囲で高い機械的特性および
電気絶縁特性を有する結晶性ポリマーである。
れて、この例の絶縁電線となっている。絶縁外層３に
は、ＰＥＫ、ＰＥＫＫ、ＰＥＫＥＫＫのいずれか１種も
しくは２種以上のブレンドポリマーからなるもので、そ
の厚みは用途等によって異なるが、０．５ｍｍ〜１０ｍ
ｍ程度とされる。絶縁外層３の形成は、押出温度４００
℃〜４５０℃での押出被覆によって行われるが、絶縁内
層２を押出被覆時の熱によって劣化させないように、で
きるだけ低温で行うことが必要となる。また、絶縁外層
３の結晶化を促進するため、導体を２５０〜３００℃に
予熱したり、押出直後に、ガラス転移点以上の温度に加
熱したりすることが好ましい。そして、上記ポリマーは
下記のように、いずれも高いガラス転移点と融点を有
し、１５０℃〜１７０℃の範囲で高い機械的特性および
電気絶縁特性を有する結晶性ポリマーである。
【０００７】 ポリマー ガラス転移点（℃） 融点（℃） ＰＥＫ １６２ ３７３ ＰＥＫＫ １５６ ３４３ ＰＥＫＥＫＫ １７３ ３７１ これら３種のポリマーの化学構造（繰り返し単位）を以
下に示す。
下に示す。
【０００８】
【表１】
【０００９】本発明の絶縁電線における絶縁外層３を構
成するＰＥＫ、ＰＥＫＫ、ＰＥＫＥＫＫのいずれかに
は、必要に応じて無機充填剤、着色剤、老化防止剤など
の添加剤を適宜配合してもよい。
成するＰＥＫ、ＰＥＫＫ、ＰＥＫＥＫＫのいずれかに
は、必要に応じて無機充填剤、着色剤、老化防止剤など
の添加剤を適宜配合してもよい。
【００１０】このような絶縁電線にあっては、高温での
機械的特性および電気的特性が極めて優れ、１５０℃〜
１７０℃での長期連続使用が可能となり、耐熱性に富
み、過酷な高温環境での使用が可能な耐熱用絶縁電線と
なる。
機械的特性および電気的特性が極めて優れ、１５０℃〜
１７０℃での長期連続使用が可能となり、耐熱性に富
み、過酷な高温環境での使用が可能な耐熱用絶縁電線と
なる。
【００１１】図２は、本発明のケーブルの一例を示すも
ので、図中符号５は絶縁線心である。この絶縁線心５
は、その１本以上が撚り合わせられ、もしくは束ねられ
て集合されてコアとなっている。このコアの上に介在６
が設けられ、さらに、押え巻テープ７が巻回され、この
上にシース８が設けられて、この例のケーブルとなって
いる。上記絶縁線心５には、先に図１で例示した絶縁電
線が用いられる他、導体上に架橋ポリ塩化ビニル、架橋
ポリエチレン、シリコーンゴム、フッ素樹脂、ＰＥＥＫ
などの耐熱樹脂からなる絶縁層を設けた絶縁電線も使用
することができる。
ので、図中符号５は絶縁線心である。この絶縁線心５
は、その１本以上が撚り合わせられ、もしくは束ねられ
て集合されてコアとなっている。このコアの上に介在６
が設けられ、さらに、押え巻テープ７が巻回され、この
上にシース８が設けられて、この例のケーブルとなって
いる。上記絶縁線心５には、先に図１で例示した絶縁電
線が用いられる他、導体上に架橋ポリ塩化ビニル、架橋
ポリエチレン、シリコーンゴム、フッ素樹脂、ＰＥＥＫ
などの耐熱樹脂からなる絶縁層を設けた絶縁電線も使用
することができる。
【００１２】そして、上記シース８には、ＰＥＫ、ＰＥ
ＫＫ、ＰＥＫＥＫＫのいずれか１種もしくは２種以上の
ブレンドポリマーが用いられている。このシース８の厚
みは、用途等によって定められるが、通常は１ｍｍ〜５
ｍｍの範囲とされる。シース８の形成は、同様に押出被
覆によって行われる。
ＫＫ、ＰＥＫＥＫＫのいずれか１種もしくは２種以上の
ブレンドポリマーが用いられている。このシース８の厚
みは、用途等によって定められるが、通常は１ｍｍ〜５
ｍｍの範囲とされる。シース８の形成は、同様に押出被
覆によって行われる。
【００１３】このようなケーブルにあっては、そのシー
ス７が耐熱性に優れたＰＥＫ、ＰＥＫＫ、ＰＥＫＥＫＫ
のいずれかで構成され、かつ各絶縁線心５の絶縁層も耐
熱樹脂で構成されているため、優れた耐熱性を示すもの
となる。また、高温時での機械的強度も高いものとなる
ので、高温でかつ外力が常時加わるような用途に対して
も適用することができる。
ス７が耐熱性に優れたＰＥＫ、ＰＥＫＫ、ＰＥＫＥＫＫ
のいずれかで構成され、かつ各絶縁線心５の絶縁層も耐
熱樹脂で構成されているため、優れた耐熱性を示すもの
となる。また、高温時での機械的強度も高いものとなる
ので、高温でかつ外力が常時加わるような用途に対して
も適用することができる。
【００１４】以下、具体例を示す。
【実施例１】径０．９ｍｍの軟銅撚線上にジクミルパー
オキサイド添加低密度ポリエチレンを押出披露して、厚
さ０．３ｍｍの被覆層を形成し、これを加熱架橋して架
橋ポリエチレンからなる絶縁内層を設けた。ついで、こ
の電線を押出成形機のクロスヘッドダイのマンドレルに
送り込み、樹脂成形温度３９０℃で、ＰＥＫ、ＰＥＫ
Ｋ、ＰＥＫＥＫＫを押出被覆して厚さ０．２ｍｍの絶縁
外層を設けた。この際、絶縁外層を加熱して結晶化を促
進した。かくして外径２ｍｍの２層の絶縁層を有する絶
縁電線を得た。
オキサイド添加低密度ポリエチレンを押出披露して、厚
さ０．３ｍｍの被覆層を形成し、これを加熱架橋して架
橋ポリエチレンからなる絶縁内層を設けた。ついで、こ
の電線を押出成形機のクロスヘッドダイのマンドレルに
送り込み、樹脂成形温度３９０℃で、ＰＥＫ、ＰＥＫ
Ｋ、ＰＥＫＥＫＫを押出被覆して厚さ０．２ｍｍの絶縁
外層を設けた。この際、絶縁外層を加熱して結晶化を促
進した。かくして外径２ｍｍの２層の絶縁層を有する絶
縁電線を得た。
【００１５】この三種の絶縁電線について交流絶縁破壊
ストレスを測定したところ、いずれも１３０ｋｖ／ｍｍ
以上であった。また、耐熱温度をＭＩＬ−Ｗ−７１３９
に準拠して測定したところ、いずれも２３０℃であっ
た。
ストレスを測定したところ、いずれも１３０ｋｖ／ｍｍ
以上であった。また、耐熱温度をＭＩＬ−Ｗ−７１３９
に準拠して測定したところ、いずれも２３０℃であっ
た。
【００１６】
【実施例２】実施例１において製造した三種の絶縁電線
それぞれ３本撚り合わせてコアとし、これに介在を添わ
せ、押え巻きテープを巻回し、この上にＰＥＫ、ＰＥＫ
Ｋ、ＰＥＫＥＫＫからなる厚み２ｍｍのシースを押出被
覆して９種のケーブルを製造した。これらのケーブルの
耐熱性をＪＡＳＯ Ｄ ６０８に拠り評価したところ、
極めて高い耐熱性を有していることが判明した。
それぞれ３本撚り合わせてコアとし、これに介在を添わ
せ、押え巻きテープを巻回し、この上にＰＥＫ、ＰＥＫ
Ｋ、ＰＥＫＥＫＫからなる厚み２ｍｍのシースを押出被
覆して９種のケーブルを製造した。これらのケーブルの
耐熱性をＪＡＳＯ Ｄ ６０８に拠り評価したところ、
極めて高い耐熱性を有していることが判明した。
【００１７】
【発明の効果】以上説明したように、請求項１の絶縁電
線にあっては、絶縁層の内側部分が耐熱樹脂で、外側部
分がＰＥＫ、ＰＥＫＫ、ＰＥＫＥＫＫのいずれかで構成
されているので、極めて高い耐熱性を有し、絶縁層の内
側部分を架橋ポリエチレンで構成すれば、電気的特性も
極めて良好なものとなる。さらに、請求項２のケーブル
にあっては、絶縁線心の絶縁層が耐熱樹脂で、シースが
ＰＥＫ、ＰＥＫＫ、ＰＥＫＥＫＫのいずれかから構成さ
れているので、高温での機械的特性、電気的特性が優
れ、高度の耐熱性を示すものとなる。
線にあっては、絶縁層の内側部分が耐熱樹脂で、外側部
分がＰＥＫ、ＰＥＫＫ、ＰＥＫＥＫＫのいずれかで構成
されているので、極めて高い耐熱性を有し、絶縁層の内
側部分を架橋ポリエチレンで構成すれば、電気的特性も
極めて良好なものとなる。さらに、請求項２のケーブル
にあっては、絶縁線心の絶縁層が耐熱樹脂で、シースが
ＰＥＫ、ＰＥＫＫ、ＰＥＫＥＫＫのいずれかから構成さ
れているので、高温での機械的特性、電気的特性が優
れ、高度の耐熱性を示すものとなる。
【図１】 本発明の絶縁電線の一例を示す概略断面図で
ある。
ある。
【図２】 本発明のケーブルの一例を示す概略断面図で
ある。
ある。
１…導体、２…絶縁内層、３…絶縁外層、５…絶縁線
心、８…シース
心、８…シース
Claims (2)
- 【請求項１】 導体上に耐熱樹脂からなる絶縁内層を設
け、この絶縁内層上にポリエーテルケトン、ポリエーテ
ルケトンケトン、ポリエーテルケトンエーテルケトンケ
トンのいずれかからなる絶縁外層を設けてなる連続使用
温度１５０℃に耐える絶縁電線。 - 【請求項２】 導体上に耐熱樹脂からなる絶縁層を設け
た絶縁線心を１本以上集合し、これにポリエーテルケト
ン、ポリエーテルケトンケトン、ポリエーテルケトンエ
ーテルケトンケトンのいずれかからなるシースを設けて
なるケーブル。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP10244192A JP2000076937A (ja) | 1998-08-28 | 1998-08-28 | 絶縁電線およびケーブル |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP10244192A JP2000076937A (ja) | 1998-08-28 | 1998-08-28 | 絶縁電線およびケーブル |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2000076937A true JP2000076937A (ja) | 2000-03-14 |
Family
ID=17115152
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP10244192A Withdrawn JP2000076937A (ja) | 1998-08-28 | 1998-08-28 | 絶縁電線およびケーブル |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2000076937A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2013533812A (ja) * | 2010-05-18 | 2013-08-29 | タイコ・エレクトロニクス・ユーケイ・リミテッド | 高温絶縁テープおよび高温絶縁テープで覆われたワイヤー又はケーブル |
-
1998
- 1998-08-28 JP JP10244192A patent/JP2000076937A/ja not_active Withdrawn
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2013533812A (ja) * | 2010-05-18 | 2013-08-29 | タイコ・エレクトロニクス・ユーケイ・リミテッド | 高温絶縁テープおよび高温絶縁テープで覆われたワイヤー又はケーブル |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20051101 |