JP2000075213A - 手術用顕微鏡 - Google Patents

手術用顕微鏡

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JP2000075213A
JP2000075213A JP10241946A JP24194698A JP2000075213A JP 2000075213 A JP2000075213 A JP 2000075213A JP 10241946 A JP10241946 A JP 10241946A JP 24194698 A JP24194698 A JP 24194698A JP 2000075213 A JP2000075213 A JP 2000075213A
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observation
microscope
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light
afocal
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Masaaki Ueda
昌章 植田
Takashi Shioda
敬司 塩田
Masakazu Mizoguchi
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は合焦状態、すなわち顕微鏡焦点面の位
置と観察物体面の位置のずれを術者が容易に判断できる
ようにすると共に、眼の調整能力を極力抑え、正確な焦
準作業を可能とする手術用顕微鏡を提供することを目的
とする。 【解決手段】物体からの光を入射する単一の対物光学系
の対物レンズ9と、アフォーカル変倍光学系10とを有
し、前記アフォーカル変倍光学系10から出射されるア
フォーカル光束を左右眼像として結像する左右一対の結
像光学系12と、前記左右眼像を観察者の左右眼にそれ
ぞれ導く左右一対の接眼光学系13とを有する手術用顕
微鏡1において、観察対象物上に指標を投影するべくレ
ーザーダイオード15a,15bを設け、このレーザー
ダイオード15a,15bにより生じるスポット光を前
記アフォーカル光束中に導く導光手段19a,19b
を、前記アフォーカル変倍光学系10と前記結像光学系
12の間に設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、脳外科、眼科、形
成外科などで、特に微細部位の手術に使用される手術用
顕微鏡に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、手術手法、手術器具の発達により
手術用顕微鏡で拡大観察を行いながら微細部位の手術を
行う、いわゆるマイクロサージャリーが頻繁に行われる
ようになってきた。特に脳神経外科では対象とする手術
部位が脳であることから、術後の後遺症を避けるため、
正常組織を傷付けることは絶対に避ける必要があり、非
常に正確な手術が望まれていることは言うまでもない。
そのため、最近ではより正確な手術を行うための補助手
段として、手術用顕微鏡の観察位置や処置具の位置を検
出し、術前の診断画像(CT、MRI画像)上に位置を
表示するといった、いわゆるナビゲーション装置が使用
されるようになってきた。手術用顕微鏡のナビゲーショ
ン装置においては手術用顕微鏡の鏡体部に3ケ以上の発
光ダイオードを取り付け、その位置をCCDカメラで3
角測距すると共に、手術用顕微鏡鏡体部の焦点距離情報
を加え、観察位置を算出するといった光学式ナビゲーシ
ョン装置が主流である。
【0003】このようなナビゲーション装置ではその焦
点位置を手術用顕微鏡の観察位置として表示するため、
術者はより正確な焦準が必要となる。しかしながら、手
術用顕微鏡では比較的凹凸の大きい術部を観察するた
め、その光学系の結像には比較的深い焦点深度が常に存
在し、該焦点深度は数cmにも及ぶものである。このた
め、術者が観察対象部位に対して焦準作業を行い十分な
鮮明度で見えているにも拘らず、観察対象部位が実際の
焦点面の位置にないといったことが発生する。この場
合、当然にナビゲーション装置で表示される手術用顕微
鏡による観察位置は術者が認識している観察位置と大き
くずれるといったことになり、手術を行う上で、その点
の事情を考慮した細心の注意を払って慎重に作業を逐行
する必要がある等、能率的な作業を行う上で支障を来し
ていた。
【0004】このような問題を解決するために独国特許
4134481号公報では顕微鏡の中間結像面上もしく
は顕微鏡像を撮像するTVカメラの撮像素子上に2重ク
ロス線を設け、また、対物光学系の中心光軸上にレーザ
ーダイオードによるレーザー光線である、クロス線の光
を入射させ、該クロス線を投影指標として観察対象物上
に投影するようにしている。そして、前記中間結像面、
もしくは撮像素子上において前記2重クロス線の中に、
前記投影クロス線が入るように焦準操作することで正確
な焦準を可能ならしめている。
【0005】一方、特表平9−512922号公報や独
国特許4131717号公報等では正確な焦準を行うた
めの別の方法として、いわゆるオートフォーカスが開示
されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】(問題点)独国特許4
134481号公報における焦準作業と合焦状態の判断
は指標となるクロス線の光を対物光学系の中心光束上に
入射させ、観察視野内におけるマークの重ね合わせの状
況を見るものである。すなわち、あくまでも術者の焦準
能力に依存している。
【0007】しかしながら、手術用顕微鏡を観察する人
間には、左右の視差による画像のずれを頭の中で補正
し、融像するといった、いわゆる”眼の調整能力”を有
している。この眼の調整能力は人間が慎重に見ようとす
ればするほど大きく発揮されるものである。上述のよう
な正確な焦準作業を行なう場合、術者はその焦準作業に
対してより神経を払い、正確に2重クロス線の間にクロ
ス線の投影指標を入れようとする。すなわち、慎重にな
ればなるほど、人間の眼の調整能力が発揮され、術者と
しては2重クロス線の中に指標クロス線が入っているよ
うに見えてしまう錯覚状態に陥る。
【0008】また、前記2重クロス線の線間隔を広げて
やればある程度、人間の眼の調整能力は控除できる。し
かし、この場合、幅の広い2重クロス線の中間にクロス
線を持って行く必要があり、正確に行うとする焦準作業
自体に誤差が生じてしまうことがある。
【0009】一方、手術用顕微鏡では、その観察対象物
である術部においてその血管径や腫瘍の大きさ、または
腫瘍摘出、神経剥離などの作業の違いによって要求され
る観察倍率が異なるため、術者は各作業毎、観察倍率を
変更することになる。
【0010】しかしながら、上述した独国特許4134
481号公報では前記クロス線の光を対物光学系のみを
介して観察対象物上に投影しているため、術者が変倍操
作を行っても物体面上での投影指標の大きさは変化しな
い。従って、観察視野径に対するクロス線の投影指標の
大きさが変化する。すなわち、基準となる2重クロス線
に対してクロス線の投影指標の大きさが変化してしま
い、観察倍率によってその焦準精度にバラツキが生じて
しまう。さらに、倍率によっては2重クロス線の線間隔
よりも投影クロス線の線の方が太くなるといった状況が
起こり得、この場合には正確な焦準作業は全く行うこと
ができない。
【0011】一方、特表平9−512922号公報や独
国特許4131737号公報等のオートフォーカスは眼
の調整能力に左右されることなく焦点面に正確に観察対
象部位を持ってくることは可能となる。
【0012】しかしながら、手術用顕微鏡の観察対象部
位は組織の起伏や、血管、神経の走行によってかなりの
凹凸が存在する。このような状況において、オートフォ
ーカスにより手術用顕微鏡観察視野内の1点に正確な焦
準を行ったとしても、実際に術者は凹凸面のどの位置、
どの深さが焦点面なのか判断がつかず、正確な焦準も無
駄なものになってしまう。
【0013】(目的)本発明は前述した問題点に着目し
てなされたものであり、手術用顕微鏡の合焦状態、すな
わち顕微鏡焦点面の位置と観察物体面の位置のずれを術
者が容易に判断できるようにすると共に、眼の調整能力
を極力抑え、正確な焦準作業を可能とする手術用顕微鏡
を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段及び作用】(手段)本発明
は、物体からの光を入射する単一の対物光学系とアフォ
ーカル変倍光学系とを有し、さらに前記アフォーカル変
倍光学系から出射されるアフォーカル光束を左右眼像と
して結像する左右一対の結像光学系と、前記左右眼像を
観察者の左右眼にそれぞれ導く左右一対の接眼光学系と
を有する手術用顕微鏡において、観察対象物上に指標を
投影するべく発光手段を設け、該発光手段により生じる
スポット光を前記アフォーカル光束中に導く導光手段
を、前記アフォーカル変倍光学系と前記結像光学系の間
に設けたものである。
【0015】(作用)物体からの観察光束は対物光学
系、結像光学系、接眼光学系を介して拡大観察される。
一方、発光手段により発せられたスポット光は導光手段
により、アフォーカル光束中に導かれ、変倍光学系、対
物光学系を介して観察対象物上に指標として投影され、
この指標の状態を観察して合焦状態を判断する。
【0016】
【発明の実施の形態】[第1実施形態]図1乃至図6に
基づいて本発明の第1実施形態を説明する。図1は光学
式ナビゲーション装置の顕微鏡位置検出装置を含めた手
術用顕微鏡のシステムを示す全体的な構成の説明図、図
2は手術用顕微鏡の顕微鏡部の構成を示す説明図、図3
は手術用顕微鏡の顕微鏡部の光学系の構成を示す説明
図、図4は指標投影手段の駆動制御を示すブロック図、
図5は手術用顕微鏡の焦準状態における顕微鏡焦点面と
観察対象物の関係を示す状況説明図、図6(A)(B)
(C)は図5における各焦準状態において観察対象物に
投影される投影指標の観察視野における観察像を示す説
明図である。
【0017】(構成)まず、図1に従い、手術用顕微鏡
1の全体構成について説明する。手術用顕微鏡1は顕微
鏡部2と、この顕微鏡部2を所望の位置角度に変更、固
定する鏡体俯仰アーム3と、この鏡体俯仰アーム3を懸
垂するアーム4と、このアーム4を保持する架台5を備
えて構成される。また、前記顕微鏡部2には発光素子6
が取付けられ、この発光素子6は例えば、図示しない駆
動回路によって赤外線を発光する3個のLED6a,6
b,6cによって構成されている。
【0018】前記架台5とは別に位置検出装置7が設け
られている。位置検出装置7には前記発光素子6のLE
D6a,6b,6cが発する赤外線を検知する2つのC
CDカメラ7a,7bが設けられ、この2つのCCDカ
メラ7a,7bにより前記発光素子6のLED6a,6
b,6cが発する赤外線による3次元的画像情報を検出
する。位置検出装置7は後述するワークステーション2
3と共に光学式ナビゲーション装置を構成する。この位
置検出装置7は検出した3次元的画像情報を前記ワーク
ステーション23に送信すべくそのワークステーション
23に電気的に接続されている。
【0019】次に、図2及び図3に従って前記顕微鏡部
2の構成について説明する。顕微鏡部2は前方に位置す
る第1鏡体8と後方に位置する第2鏡体11を有してお
り、前方に位置する第1鏡体8には固定焦点式対物光学
系である対物レンズ9、左右一対のアフォーカル変倍光
学系10が収納されている。後方に位置する第2鏡体1
1には左右一対の結像光学系12及び左右一対の接眼光
学系13が収納されている。前記第1鏡体8は駆動部1
4aと鏡体保持部14bとから構成される焦準機構14
によって焦準操作がなされる。駆動部14aは鏡体俯仰
アーム3に保持され、この駆動部14aには鏡体保持部
14bを介して第1鏡体8が取り付けられている。第1
鏡体8は鏡体保持部14bに一体的に取り付けられてい
る。また、前記駆動部14aの内部には図示しない駆動
機構及び駆動モータが内蔵されている。そして、これら
の駆動機構及び駆動モータは図示しないフットスイッチ
等の入力手段からの入力信号によって、鏡体保持部14
b、すなわち第1鏡体8を図2の矢印11a,11b方
向、すなわち観察光軸O1 ,O2 に平行な方向に移動さ
せる手段を構成している。
【0020】図3で示す如く、第1鏡体8の内部にはマ
ーカー用LD駆動回路16a,16bにより略円形のス
ポット光を発光する発光手段であるレーザーダイオード
15a,15bが固定されている。レーザーダイオード
15a,15bによって発せられたスポット光はそれぞ
れリレーレンズ17a,17bによりプリズム18a,
18bにリレーされる。また、プリズム18a,18b
は各々のスポット光を観察光軸O1 ,O2 方向に向かっ
て反射する。
【0021】前記アフォーカル変倍光学系10と結像光
学系12の間には前記プリズム18a,18bによって
反射されたスポット光をアフォーカル光束中の観察光軸
O1,O2 上に導く導光手段19a,19bが設置され
ている。本実施形態においての導光手段19a,19b
はスポット光をアフォーカル光束中の観察光軸O1 ,O
2 上に導くと同時に観察光束を結像光学系12に導くビ
ームスプリッタを利用して構成されている。
【0022】次に、前述した構成の指標投影手段の駆動
制御系を図4に基づいて説明する。図4中、符号21は
前記レーザーダイオード15a,15bの発光信号を入
力する入力スイッチであり、これは図示しないフットス
イッチ等により構成されている。22はレーザーダイオ
ード15a,15bの発光の制御手段として構成される
判定回路であり、LD駆動回路16a,16bに電気的
に接続されている。上述したようにワークステーション
23には位置検出装置7が接続されており、ワークステ
ーション23は顕微鏡部2に取り付けられている前記発
光素子6の空間座標信号によって顕微鏡部2の位置及び
観察角度を算出し、算出した顕微鏡部2の位置及び観察
角度を判定回路22に入力する。
【0023】(作用)以上の構成の作用を説明する。図
5において、24は顕微鏡部2の焦点面であり、25は
観察対象物であり、26及び27は前記顕微鏡部2の焦
点深度Lの範囲を示している。
【0024】術者はまず、鏡体俯仰アーム3を移動さ
せ、観察対象物25が顕微鏡部2の焦点深度L内、例え
ば図5における焦点深度Lの範囲26の位置になるよう
に前記顕微鏡部2を配置する。次に、正確な焦準作業と
して焦点面24を焦点深度Lの範囲26の位置に移動さ
せる。術者が図示しないフットスイッチなどの入力手段
に設けられた入力スイッチ21を押すと、該入力スイッ
チ21から判定回路22に入力信号が入力される。一
方、位置検出装置7は顕微鏡部2に取付けられているL
ED6a,6b,6cのそれぞれの3次元空間画像情報
をワークステーション23に入力し、ワークステーショ
ン23は前記LED6a,6b,6cの3次元空間画像
を計算すると共に、その位置から顕微鏡部2の位置なら
びに観察角度を算出する。また、得られた観察角度は判
定回路22に送信され、判定回路22では本観察角度と
あらかじめ設定してある設定値(例えば水平)と比較す
る演算を行う。
【0025】そして、前記判定回路22によって観察角
度が設定値より小さい(観察光軸が下方)と判定された
場合、その判定回路22よりLD駆動回路16a,16
bに駆動信号が送信され、駆動回路16a,16bによ
ってレーザーダイオード15a,15bは略円形状を有
するスポット光を発光する。左右一対のスポット光は、
リレーレンズ17a,17b、プリズム18a,18
b、導光手段19a,19bによって観察光軸O1 ,O
2 上に導かれ、アフォーカル変倍光学系10及び対物レ
ンズ9を介して観察対象物25上に投影される。このと
き、観察対象物25が図5における焦点深度Lの範囲2
6の位置に存在する場合、観察点P’は焦点深度Lの範
囲内に存在するため術者により明瞭に観察されているも
のの、レーザーダイオード15a,15bによって観察
物体面上に投影されたスポット光は顕微鏡観察視野にお
いて、図6(A)に示すように、2つの略円形状を有す
る指標28,29として観察される。従って、術者は焦
点面24を焦点深度Lの範囲26の位置、すなわち焦点
Pを観察対象物25上の観察点P’の位置に移動させる
べく、図示しないフットスイッチなどにより前記焦準機
構14を操作し、前記第1鏡体8を図2中矢印11a方
向に移動させる。この操作に伴い前記指標28,29は
図6(A)に示すような矢印30,31の方向にそれぞ
れ移動し、焦点面24が焦点深度Lの範囲26の位置に
達したとき、術者は図6(B)に示すような1つの指標
32として観察し、顕微鏡部2が正確な合焦状態である
と判断する。
【0026】また、同様に観察対象物25が焦点深度L
の範囲27の位置に存在する場合、前記レーザーダイオ
ード15a,15bによって発光されたスポット光は顕
微鏡観察視野内において図6(C)に示すように2つの
指標33,34として観察される。術者は同様に焦点面
24を焦点深度Lの範囲27の位置に移動させるべく、
焦準機構14を操作し、第1鏡体8を逆に矢印11b方
向に移動させる。よって、指標33,34は図6(C)
に示すような矢印35,36方向にそれぞれ移動し、焦
点面24が焦点深度Lの範囲27の位置に達した時、図
6(B)に示すように1つの指標32として観察され、
顕微鏡部2が正確な合焦状態に達したものと判断する。
【0027】一方、上述のレーザーダイオード15a,
15bの駆動状態において、術者が鏡体俯仰アーム3を
操作し、顕微鏡部2の観察角度を変更した場合、位置検
出装置7は顕微鏡部2に取付けられた前記発光素子6の
LED6a,6b,6cの位置を撮像し、それぞれの3
次元空間画像情報をワークステーション23に送信す
る。ワークステーション23は前記LED6a,6b,
6cの3次元空間画像から、顕微鏡部2の位置ならびに
観察角度を算出し、観察角度の検出結果を前記判定回路
22に送信する。判定回路22は本観察角度とあらかじ
め設定してある設定値(例えば水平)とを再度比較演算
を行い、新たに検出された観察角度が前述の設定値より
大きいと判断された場合、LD駆動回路16a,16b
に駆動停止信号が停止され、LD駆動回路16a,16
bによるレーザーダイオード15a,15bの駆動が停
止される。
【0028】(効果)本実施形態は観察対象物面上に2
つの略円形状の指標を投影し、その合致状態で、正確な
焦準判断を行うため、線状の投影指標に比べて眼の調整
能力による誤った指標の合致判断を抑えることができ、
より正確な合焦判断が可能となる。
【0029】また、前記顕微鏡部2の観察角度を検出す
ることにより顕微鏡部2の観察光軸O1 ,O2 が観察対
象物以外の方向を向いている場合のレーザーダイオード
15a,15bの不用意な発光による観察対象物以外へ
の指標の投影を防止できるため、手術スタッフの眼に誤
ってスポット光が入射することを未然に防ぐことができ
る。
【0030】なお、本実施形態においては、顕微鏡の観
察角度検出手段として、光学式ナビゲーション装置を構
成する位置検出装置7を使用したが、顕微鏡部2の内部
にジャイロを設けたり、俯仰アーム3の各関節にエンコ
ーダを取付け、アーム回転角度を検出することでも同様
の効果が得られることは言うまでもない。
【0031】[第2実施形態]図7乃至図11に基づい
て本発明の第2実施形態を説明する。但し、第1実施形
態と同名称、同番号のものは第1実施形態と同様である
ので、ここでの具体的な説明は省略する。図7は本実施
形態における顕微鏡部の光学系の構成図、図8は図7に
おいて紙面左方向から見た側面図であり、術者は紙面右
側に位置する。図9は指標投影手段の駆動制御を示すブ
ロック図、図10は顕微鏡の焦準状態における顕微鏡焦
点面と観察対象物の関係を示す状況の説明図、図11
(A)(B)(C)は図10における焦準状態において
観察対象物に投影される投影指標の顕微鏡観察視野にお
ける観察像を示す説明図である。
【0032】(構成)図7及び図8に従い、顕微鏡部2
の光学系について説明する。図7及び図8中、符号40
は焦点距離可変対物光学系であって、これは2つ以上の
レンズ群から構成され、該レンズ群の間隔を変化させる
ことによって焦点面24の位置を変更可能なものであ
る。符号41は焦点距離可変対物光学系40の出射する
アフォーカル光束の全て、もしくはそのほとんどを包含
する一つのアフォーカル変倍光学系であって、結像光学
系12によって左右一対の左右眼像を形成すべく接眼光
学系13に光学的に接続されている。図8において示す
符号42a,42bは観察光軸O1 ,O2 を含む平面に
対して対称な位置に配置される2つの投影光軸O3,O4
を持つように、前記アフォーカル変倍光学系41と結
像光学系12の間に配置された導光手段であり、本実施
形態においては、プリズムにて構成されている。レーザ
ーダイオード15a,15b及びリレーレンズ17a,
17bは第1鏡体8内においてプリズム42a,42b
と共に光学的に接続固定されている。
【0033】また、図9において、符号44は図示しな
いフットスイッチ等の入力手段としての焦準スイッチで
あって、前記焦点距離可変対物光学系40のレンズ群間
隔を変更する図示しない焦準機構を駆動するための信号
を入力するものである。焦準スイッチ44はレーザーダ
イオード15a,15bの駆動制御手段として構成され
る制御回路45に接続されている。制御回路45は前記
焦準機構を駆動する焦準駆動回路46と前記マーカー用
LD駆動回路16a,16bと電気的に接続されてい
る。
【0034】(作用)以上の構成の作用を説明する。術
者はまず、第1実施形態と同様に鏡体俯仰アーム3を移
動させ、観察対象物25が焦点深度Lの範囲内、例えば
図10における焦点深度Lの範囲26の位置になるよう
に前記顕微鏡部2を配置する。次に焦点面24を焦点深
度Lの範囲26の位置に配置し、焦点Pを観察対象物2
5上の観察点P’の位置に移動させるといった正確な焦
準作業を行うために、焦準スイッチ44を入力する。焦
準スイッチ44から入力信号が制御回路45に送信さ
れ、制御回路45は入力信号に従って、焦点距離可変対
物光学系40の焦準機構を駆動する焦準駆動回路46に
駆動信号を出力し、焦準駆動回路46によって、前記焦
点距離可変対物光学系40のレンズ群の間隔が変更さ
れ、焦点面24の位置が変更される。
【0035】一方、制御回路45は入力スイッチとして
の焦準スイッチ44からの入力信号によってマーカー用
LD駆動回路16a,16bに駆動信号を出力し、LD
駆動回路16a,16bによって、レーザーダイオード
15a,15bが略円形状を有するスポット光を発光す
る。レーザーダイオード15a,15bから発せられた
スポット光はリレーレンズ17a,17bによってプリ
ズム42a,42bに導かれ、プリズム42a,42b
によって、左右観察光軸O1 ,O2 を含む平面に対して
略対称な光軸O3 ,O4 を経て、アフォーカル変倍光学
系41、焦点距離可変対物光学系40を介して観察対象
物25上に投影される。然るに、観察対象物25上に投
影された2つのスポット光は図11(A)に示す如く、
その観察内において上下方向に2つの略円形状を有した
指標47,48として観察される。さらに上述のように
術者が焦準作業を行い、焦点面24を移動させ、点Pを
観察対象物25上の観察点P’の位置に移動させること
によって、指標47,48は図11(A)に示す矢印4
9,50の方向に移動し、焦点面24上の点Pが観察点
P’に一致した際、図11(B)に示すように合致し、
1つの指標51として観察される。この時、術者は正確
な合焦状態と判断し、焦準スイッチ44の入力操作を停
止する。従って、制御回路45は焦準駆動回路46、L
D駆動回路16a,16bへの駆動信号を停止し、焦準
操作が停止されると共に、レーザーダイオード15a,
15bによるスポット光の発光も停止される。
【0036】また、観察対象物25が焦点深度Lの範囲
27の位置にある場合も同様に、術者の焦準作業によっ
て観察対象物25上におけるスポット光は観察視野内に
おいて図11(C)に示すごとく、術者に対して上下方
向に略円形状を有する2つの指標52,53として観察
され、この場合も焦準操作を行うことによって2つの指
標52,53は矢印54,55方向にそれぞれ移動し、
焦点面24上の点Pが観察対象物25上の観察点P”上
に一致した状態で、図11(B)に示すように合致し、
1つの指標51として観察され、術者は正確な合焦状態
と判断する。
【0037】(効果)本実施形態では観察対象物面上に
2つの略円形状の指標が、術者に対して垂直方向に観察
されることで、観察視野内における焦準操作による指標
の移動も垂直方向となり、投影指標が左右方向に移動し
ない。従って、観察視野において上下方向にずれた指標
を観察する際、眼の調整能力による左右像の合致を完全
に防止することができるので、2つの指標が微妙に一致
していない場合であっても非合焦状態と判断することが
可能となり、より正確な焦準作業が可能となる。
【0038】また、指標投影は、焦点距離可変対物光学
系40による焦準操作中のみ行われる。焦準操作は少な
くとも観察対象物が観察光軸O1 ,O2 上に存在する時
の操作であるため、指標が誤って観察対象物以外に対し
て照射されることを防止できるため、手術スタッフの眼
に誤ってスポット光が入射することを未然に防ぐことが
できる。さらに前記レーザーダイオード15a,15b
は焦準操作に伴って点灯、消灯するため、点灯に際して
入力用焦準スイッチ44を操作する必要がなくなり、操
作性の向上にもつながる。
【0039】[第3実施形態]図12乃至図16に基づ
いて本発明の第3実施形態を説明する。但し、第1、第
2実施形態と同一の名称、同番号のものは第1、第2実
施形態と同様であるので、その具体的な説明は省略す
る。図12は本実施形態における顕微鏡部の光学系の構
成を示す説明図、図13は図12において紙面左方向か
ら見た光学系の側面図であり、術者は図12において紙
面右側に位置する。図14は指標投影手段の駆動制御を
示すブロック図、図15(A)(B)は顕微鏡の焦準状
態における顕微鏡焦点面と観察対象物の関係を示す説明
図であって、(B)は(A)において紙面左方向から見
た状態のものである。図16(A)(B)(C)はそれ
ぞれ図15における焦準状態において観察対象物に投影
される投影指標の観察視野内における観察像を示す説明
図である。
【0040】(構成)図12及び図13に従い、顕微鏡
部2の光学系について説明する。第1鏡体8内にはレー
ザーダイオード60が配置され、このレーザーダイオー
ド60はLD駆動回路61によって略円形状のスポット
光を発光する。前記レーザーダイオード60によって発
せられたスポット光はリレーレンズ62によって第1鏡
体8内の第3導光手段に導かれる。ここでの第3導光手
段はプリズム63であって、前記リレーレンズ62と光
学的に接続される。また、前記プリズム63は、その光
軸O5 の導光側光軸部分が観察光軸O1 ,O2 を含む平
面に直交し、かつその光軸O5 の導出側光軸部分が、前
記観察光軸O1 ,O2 を略面対称な位置に配置する平面
内において、前記観察光軸O1 ,O2 を含む平面以外の
アフォーカル光束内になるべく、前記第1鏡体8内にお
いてアフォーカル変倍光学系41と結像光学系2の間に
配置されている。
【0041】次に、図14を参照して制御手段として構
成される制御回路64について説明する。同図中、符号
65は第2判定回路であって、これは判定回路22から
の入力信号と前記ワークステーション23からの顕微鏡
焦点位置信号に応じてLD駆動回路16a,16b,6
1に駆動信号を出力する。また、符号66は焦点距離可
変対物光学系40を構成するレンズ群間隔を検出し、そ
のレンズ間隔データから焦点距離可変対物光学系40の
焦点距離を算出し、その算出結果をワークステーション
23に送信する焦点距離検出回路である。
【0042】(作用)以上の構成において、術者はま
ず、ワークステーション23を操作し、観察対象物25
における観察目標点を入力する。このような目標点の設
定作業に関しては従来のナビゲーション装置にて行われ
るように、実際の術部上の一点を指示しても、術前診断
画像(CT、MRI画像)から構築した3次元画像上で
指示しても構わない。ワークステーション23は観察目
標点の3次元空間座標情報をメモリーに登録する。
【0043】次に、術者は、前述した第1、第2実施形
態と同様に鏡体俯仰アーム3を操作し、観察対象物25
を焦点深度L内、例えば図15(A)(B)における焦
点深度Lの範囲26の位置に来るように顕微鏡部2を配
置した後、正確な焦準操作を行う。本焦準操作に合わせ
て観察対象物25上に略円形状を有する指標を投影する
ため、前記入力スイッチ21の入力操作を行う。
【0044】すると、前述した第1実施形態と同様に入
力信号が判定回路22に送信され、判定回路22は顕微
鏡部2の観察方向を判定し、指標投影の可否を判断し、
可と判断された場合、第2判定回路65に点灯信号を出
力する。また、ワークステーション23は位置検出装置
7によって得られる、顕微鏡部2に取付けられているL
ED6a,6b,6cの画像情報と焦点距離検出回路6
6からの焦点距離信号によって、顕微鏡部2の焦点位置
Pの3次元空間座標を算出し、前述の観察目標点の3次
元空間座標とからその2点間距離を算出し、2点間距離
を第2判定回路に送信する。第2判定回路は2点間距離
とあらかじめ設定されている比較基準値(例えば10m
mや焦点深度距離)と比較し、上記2点間距離の値が比
較基準値よりも小さい場合、顕微鏡部2が観察目標点に
近い、すなわち顕微鏡部2が観察対象物以外の方向を向
いていると判断し、この場合に限ってLD駆動回路16
a,16b,61に駆動信号を送信する。前記レーザー
ダイオード15a,15b,60は前記LD駆動回路1
6a,16b,61からの駆動信号によって略円形状の
スポット光を発光する。
【0045】一方、レーザーダイオード15a,15
b,60から発せられた3つのスポット光はリレーレン
ズ17a,17b,62によってアフォーカル光束内に
導かれた後、ビームスプリッタを用いた導光手段19
a,19bおよびプリズム63によって左右観察光軸O
1 ,O2 上、及び観察光軸O1 ,O2 を含む平面に直交
し、かつ、観察光軸O1 ,O2 に対し略対称な位置に配
置する平面内において、観察光軸O1 ,O2 を含む平面
に含まれない光軸O5 としてアフォーカル変倍光学系4
1、焦点距離可変対物光学系40を介して観察対象物2
5上に投影される。また、この3つのスポット光は観察
視野内において、図16(A)に示す如く、略円形状を
有した指標67,68,69として観察される。
【0046】ここで、該3つの指標67,68,69は
観察視野内において上方向を示す矢印のごとく三角形7
0として観察される。術者はこの三角形70の形状(矢
の向き)から、正確な焦準操作は焦点面24を上方向に
移動させることと判断し、図示しないフットスイッチ等
の入力手段によって、焦点距離可変対物光学系40を操
作する。この操作によって焦点面24は観察対象物25
の存在する焦点深度Lの範囲26の位置に向かって移動
し、併せて、指標67,68,69はそれぞれ矢印7
1,72,73の方向に移動する。焦点面24が焦点深
度Lの範囲26の位置、すなわち焦点位置Pが観察対象
物25上のP’位置に達した時、図16(B)に示すよ
うに3つの指標67,68,69は指標74として観察
対象物25上で合致し、術者は正確な合焦状態を判断す
る。
【0047】一方、観察対象物25が、図15(A)
(B)における焦点深度Lの範囲27の位置ある場合、
レーザーダイオード15a,15b,60から発せられ
る、3つのスポット光は図16(C)に示すように観察
視野内において指標75,76,77として観察され
る。3つの指標75,76,77によって構成される三
角形78は前記三角形70とは逆向き、すなわち矢の向
きが下方向を向いた三角形として表示され、この場合、
術者はその三角形78の形状(矢の向き)から、正確な
焦準操作は焦点面24を下方向へ移動させることと判断
し、図示しないフットスイッチ等の入力手段によって焦
点距離可変対物光学系40を操作する。この操作によっ
て焦点面24は観察対象物25が存在する焦点深度Lの
範囲27の位置に向かって移動し、合わせて、指標7
5,76,77はそれぞれ矢印79,80,81の方向
へ移動し、焦点面24が焦点深度Lの範囲27の位置、
すなわち焦点位置Pが観察対象物25上のP”位置に達
した時、図16(B)に示すように3つの指標67,6
8,69は指標74として観察対象物25上で合致し、
術者は正確な合焦状態にあることを判断する。
【0048】(効果)本実施形態では観察対象物25と
焦点面24の位置がずれている場合、観察対象物上に3
つの略円形状の指標が、三角形を成して投影されるた
め、眼の調整能力による左右像の合致を防止できるとと
もに、その三角形の矢の向きから焦準方向として、顕微
鏡部2の焦点面24を移動させる向きを術者に告知する
ことが可能となり、焦準操作において焦点面を間違った
方向に動かしてしまうことを防止できるので、非常に効
率的な焦準作業が可能となる。
【0049】また、顕微鏡部2の焦点位置Pとあらかじ
め定めた観察目標点との距離によって、顕微鏡部2が観
察対象物である術部に向かっているかどうかを判断し、
レーザーダイオード15a,15b,60の点灯を制御
するため、より確実に不用意な発光を防止できる。
【0050】[第4実施形態]図17乃至図20に基づ
いて本発明の第4実施形態を説明する。但し、第1、第
2、第3実施形態と同名称、同番号のものは第1、第
2、第3実施形態と同様であるので、具体的な説明は省
略する。図17は本実施形態における顕微鏡部の光学系
の構成を示す説明図、図18は図17において紙面左方
向から見た光学系の側面図である。図19(A)(B)
(C)はそれぞれ焦準状態において顕微鏡観察視野内に
おける観察状態を示す説明図である。図20は指標投影
手段の駆動制御を示すブロック図である。
【0051】(構成)本実施形態における顕微鏡部2の
構成について説明する。図17及び図18で示すよう
に、顕微鏡部2の観察光軸O2 上において結像光学系1
2の焦点位置に作り出される左右眼像の位置には焦点板
90が配置されている。焦点板90の中心には図19で
示すように、クロス線91が刻印されている。観察光軸
O1 上において、前記アフォーカル変倍光学系41と結
像光学系12の間のアフォーカル光束中にはビームスプ
リッタ92が配置、固定されている。前記第1鏡体8に
は撮影鏡筒93が取付けられ、その撮影鏡筒93の一端
にはスチルカメラ94が取り付けられる。また、撮影鏡
筒93内にはビームスプリッタ92による反射光軸O6
上においてスチルカメラ94内のフィルム面96上にそ
の結像点がくるようにするためのリレーレンズ95が配
置、固定されている。また、前記スチルカメラ94内に
おいて光軸O6 上には図示しないフットスイッチ等に設
けられた入力スイッチ103による入力信号に応じて開
閉するシャッター機構97が設けられている。
【0052】図20において、符号104は本実施形態
におけるレーザーダイオード60の発光を制御する制御
手段として構成される判定回路であり、この判定回路1
04は第1実施形態と同様、顕微鏡部2の観察角度情報
を得るべく、ワークステーション23と接続されてお
り、さらにスチルカメラ94による写真撮影状態を検知
するべく、入力スイッチ103からの入力信号によって
シャッター機構97を駆動するシャッター駆動回路10
5と電気的に接続されている。
【0053】(作用)以上の構成から、第1、第2、第
3実施形態の場合と同様に、術者は正確な焦準作業を行
う。入力スイッチ21を入力することで、第1実施形態
と同様に判定回路104によってレーザーダイオード6
0の点灯可否が判断され、可と判断された場合に限って
LD駆動回路61からの駆動信号により、レーザーダイ
オード60から略円形状のスポット光が発せられる。
【0054】そして、観察対象物25が図18における
焦点深度Lの範囲26の位置にある場合、レーザーダイ
オード60による観察対象物25上へ投影されるスポッ
ト光は顕微鏡部2の観察視野内において図19(A)示
すように、指標98として焦点板90に刻印されたクロ
ス線91とともに観察される。この場合、指標98はク
ロス線91の水平線91aに対して上方に観察される。
この状態で、術者は焦準操作として焦点面24を上方向
に移動すると認識し、焦点距離可変対物光学系41を操
作し、焦点面24を焦点深度Lの範囲26の位置に向か
って移動させ、合わせて観察視野内において指標98は
矢印99の方向へ移動する。また、焦点面24が焦点深
度Lの範囲26の位置に、すなわち焦点Pが観察対象物
25上のP’の位置に来た際において、図19(B)に
示す如く、クロス線91のクロス中心位置に指標100
として観察される。
【0055】逆に、観察対象物25が焦点深度Lの範囲
27の位置に存在する場合には、前記レーザーダイオー
ド60による観察対象物25上へ投影されるスポット光
は、顕微鏡部2の観察視野内において、図19(C)に
示すように、指標101としてクロス線91と共に観察
される。この場合、指標101はクロス線91の水平線
91aに対して下方に観察される。この状態で術者は焦
準操作として焦点面24を下方向に移動すると認識し、
焦点距離可変対物光学系40を操作し、焦点面24を焦
点深度Lの範囲27の位置に向かって移動させ、合わせ
て観察視野内において指標101は矢印102方向に移
動する。焦点面24が焦点深度Lの範囲27の位置に、
すなわち焦点Pが観察対象物25上のP”の位置に来た
際に、同様に図19(B)に示す如く、クロス線91の
クロス中心位置に指標100として観察される。
【0056】一方、手術用顕微鏡部2の観察像は教育や
供覧の目的から、頻繁にスチルカメラにて撮影される。
本実施形態において顕微鏡観察像を撮影する場合、術者
は図示しないフットスイッチ等に設けられた入力スイッ
チ103を操作することで、シャッター駆動回路105
に入力信号が送信される。シャッター駆動回路105は
スチルカメラ94内に設けられているシャッター機構9
7にシャッター駆動信号を出力し、シャッター機構97
は開放状態となり、リレーレンズ95によって、顕微鏡
部2の観察像がフイルム面96上に投影される。
【0057】一方、シャッター駆動回路105は同時に
判定回路104にもシャッター駆動信号を出力する。そ
して、判定回路104はシャッター駆動信号によってス
チルカメラ94が撮影状態にあると判断し、LD駆動回
路61に対して発光停止信号を送信する。この時、レー
ザーダイオード60がスポット光の発光状態にある場
合、発光停止信号によって、LD駆動回路61の駆動が
停止され、レーザーダイオード60によるスポット光の
発光が停止される。
【0058】(効果)本実施形態では、観察対象物に一
つのスポット光を投影することで、観察対象物25と焦
点面24の位置がずれている場合、観察視野内におい
て、焦点板に刻印されたクロス線に対して、略円形状を
有する指標が、上下方向にずれて観察できるため、前述
した第3実施形態と同様な効果、すなわち眼の調整能力
による左右像の合致を防止し、さらに顕微鏡部2の焦点
面24を移動させる方向を術者に告知するといったこと
が、比較的容易かつ安価に実施できる。
【0059】また、観察像のスチル写真は教育や供覧の
目的で使用されるため、その画質、色彩の劣化は必ず避
ける必要がある。本実施形態においては写真撮影時に、
強制的にレーザーダイオード60による発光を停止する
ため、撮影写真に誤って投影指標が写ってしまうことを
防止でき、さらに顕微鏡部2の内部でのレーザー光の散
乱によるスチル写真の画質、色彩の劣化を確実に防止で
きる。尚、撮影手段としては前述したスチルカメラ94
に限らず、電子式カメラ等、他の方式のものを利用して
撮影を行ってもよい。
【0060】本発明は前述した実施形態のものに限定さ
れるものではない。また、前述した実施形態のものによ
れば、以下の各事項及びそれらの事項を任意に組み合わ
せた事項等が得られる。
【0061】<付記> (1)物体からの光を入射する単一の対物光学系とアフ
ォーカル変倍光学系とを有し、さらに前記アフォーカル
変倍光学系から出射されるアフォーカル光束を左右眼像
として結像する左右一対の結像光学系と、前記左右眼像
を観察者の左右眼にそれぞれ導く左右一対の接眼光学系
とを有する手術用顕微鏡において、スポット光を発光す
る発光手段と、該発光手段により生じるスポット光を前
記アフォーカル変倍光学系と前記結像光学系の間に前記
アフォーカル光束中に導く導光手段を設けたことを特徴
とする手術用顕微鏡。 (2)前記アフォーカル変倍光学系が左右一対のアフォ
ーカル変倍光学系からなることを特徴とする付記項1に
記載の手術用顕微鏡。 (3)2つの前記発光手段を有し、各発光手段により生
じる2つのスポット光を前記アフォーカル変倍光学系と
前記結像光学系の間の前記アフォーカル光束中に、それ
ぞれ導く導光手段を有したことを特徴とする付記項1に
記載の手術用顕微鏡。
【0062】(4)物体からの光を入射する単一の対物
光学系と単一のアフォーカル変倍光学系とを有し、該単
一のアフォーカル変倍光学系から出射されるアフォーカ
ル光束を左右眼像として結像する左右一対の結像光学系
と前記左右眼像を観察者の左右眼にそれぞれ導く左右一
対の接眼光学系とを有する手術用顕微鏡において、スポ
ット光を発光する発光手段と、該発光手段により生じる
スポット光を前記単一のアフォーカル変倍光学系と前記
結像光学系の間の前記アフォーカル光束中に導く導光手
段とを有したことを特徴とする手術用顕微鏡。 (5)少なくとも2つ以上の前記発光手段を有し、該発
光手段により生じるそれぞれのスポット光を前記単一の
アフォーカル変倍光学系と前記結像光学系の間の前記ア
フォーカル光束中にそれぞれ導く導光手段を有したこと
を特徴とする付記項4に記載の手術用顕微鏡。 (6)前記導光手段が左右観察光軸を含む平面に対して
略対称な位置に配置されることを特徴とする付記項4に
記載の手術用顕微鏡。
【0063】(7)物体からの光を入射し、アフォーカ
ル光束として出射する対物光学系と、前記アフォーカル
光束を左右眼像として結像する左右一対の結像光学系と
前記左右眼像を観察者の左右眼にそれぞれ導く左右一対
の接眼光学系とを有する手術用顕微鏡において、スポッ
ト光を発光する3つの発光手段と、該発光手段により生
じる3つのスポット光を前記対物光学系と結像光学系の
間のアフォーカル光束中のうち、前記結像光学系に導か
れるアフォーカル光束内と、前記結像光学系に導かれる
アフォーカル光束外の光束内に導く導光手段とを有した
ことを特徴とする手術用顕微鏡。 (8)前記発光手段がレーザーダイオードからなること
を特徴とする付記項1、4または7に記載の手術用顕微
鏡。 (9)前記発光手段により生じるスポット光が略円形状
であることを特徴とする付記項1、4または7に記載の
手術用顕微鏡。
【0064】(10)手術用顕微鏡の観察状態を検知す
る検出手段と、該検出手段によって得られる検出結果に
応じて、前記発光手段の発光を制御する制御手段を有し
たことを特徴とする付記項1、4または7に記載の手術
用顕微鏡。 (11)前記検出手段が鏡体位置検出装置からなること
を特徴とする付記項10に記載の手術用顕微鏡。 (12)前記検出手段が焦準機構駆動回路からなること
を特徴とする付記項10に記載の手術用顕微鏡。 (13)前記検出手段が写真撮影判定回路からなること
を特徴とする付記項10に記載の手術用顕微鏡。
【0065】(付記項10〜13の課題)独国特許4134
481号公報では、その物体面への指標を投影する光と
してレーザーダイオードによるレーザー光線を使用して
いる。レーザー光線はその指向性が非常に高いといった
性質から、物体への指標投影する際の発光手段としては
非常に有効である反面、一点に光りが集中するため、そ
の直接光りが眼に入らないように気を付ける必要があ
る。特に脳神経外科における手術用顕微鏡はその観察位
置、観察角度を頻繁に変えることが要求される。そのた
め、術者が観察方向を変化させる過程においてその観察
方向を略水平状態にしてしまうことが十分に考えられ
る。このような場合には顕微鏡観察光軸が観察物体面か
ら外れる可能性もあり、この場合を考慮して看護婦など
の手術フタッフに常に顕微鏡の観察方向に対して、術者
の顕微鏡操作に対して注意を払わなくてはならないとい
った問題があった。
【0066】(付記項10〜13の目的)付記項10〜13は、
レーザー光線による指標を観察物体面上に指標を投影す
る手術用顕微鏡において、レーザー光線が誤って観察物
体面以外に投影されるのを防止することを目的とする。 (付記項10〜13の作用及び効果)付記項10〜13において
は、物体からの観察光束は対物光学系、結像光学系、接
眼光学系を介して拡大観察される。一方、手術用顕微鏡
の観察状態に応じた出力信号が検出手段から制御手段に
送られる。前記制御手段により発光手段が駆動され、該
発光手段によって発光されたスポット光が導光手段によ
り、アフォーカル光束中に導かれ、変倍光学系、対物光
学系を介して観察対象物上に投影される。
【0067】前記顕微鏡の観察状態に応じて観察物体面
に指標を投影する発光手段の発光を制御する制御手段を
設けたため、不用意な指標の発光、特に前記顕微鏡が観
察対象物以外の方向を向いている際の発光を防止でき、
看護婦などの手術スタッフが前記顕微鏡の観察状態に注
意を払うことなく、眼に指標が入射されるのを未然に防
止することが可能となる。
【0068】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、発
光手段によるスポット光を指標として物体面に投影し、
該指標の状態によって合焦の判断を可能としたため、観
察者による左右視差の補正、いわゆる眼の調整能力によ
る指標の状態の誤認識を抑えることが可能となり、正確
な焦準作業が可能となる。また、前記スポット光は顕微
鏡を構成するアフォーカル変倍光学系、対物光学系を介
して観察対象物に投影されるため、いかなる観察倍率、
焦点距離においても顕微鏡観察視野における視野径に対
する指標の大きさが変化しないため、いかなる観察倍率
においても、同様の精度で正確な焦準作業が可能とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態における手術用顕微鏡においての
光学式ナビゲーション装置の顕微鏡位置検出装置を含め
たシステムを示す全体的な構成の説明図。
【図2】第1実施形態における手術用顕微鏡の顕微鏡部
の構成を示す説明図。
【図3】第1実施形態における手術用顕微鏡の顕微鏡部
の光学系の構成を示す説明図。
【図4】第1実施形態における手術用顕微鏡の指標投影
手段の駆動制御を示すブロック図。
【図5】第1実施形態における手術用顕微鏡の焦準状態
における顕微鏡焦点面と観察対象物の関係を示す状況説
明図。
【図6】(A)(B)(C)は図5における各焦準状態
において観察対象物に投影される投影指標の観察視野に
おける観察像を示す説明図。
【図7】第2実施形態における顕微鏡部の光学系の構成
図。
【図8】図7において紙面左方向から見た側面図。
【図9】第2実施形態における顕微鏡の指標投影手段の
駆動制御を示すブロック図。
【図10】第2実施形態における顕微鏡の焦準状態にお
ける顕微鏡焦点面と観察対象物の関係を示す状況の説明
図。
【図11】(A)(B)(C)は図10における焦準状
態において観察対象物に投影される投影指標の顕微鏡観
察視野における観察像を示す説明図。
【図12】第3実施形態における顕微鏡部の光学系の構
成を示す説明図。
【図13】図12において紙面左方向から見た光学系の
側面図。
【図14】第3実施形態における顕微鏡の指標投影手段
の駆動制御を示すブロック図。
【図15】(A)(B)は第3実施形態における顕微鏡
の焦準状態における顕微鏡焦点面と観察対象物の関係を
示す説明図であって、(B)は(A)において紙面左方
向から見た状態のもの。
【図16】(A)(B)(C)はそれぞれ図15におけ
る焦準状態において観察対象物に投影される投影指標の
観察視野内における観察像を示す説明図。
【図17】第4実施形態における顕微鏡部の光学系の構
成を示す説明図。
【図18】図17において紙面左方向から見た光学系の
側面図。
【図19】(A)(B)(C)はそれぞれ焦準状態にお
いて顕微鏡観察視野内における観察状態を示す説明図。
【図20】第4実施形態における顕微鏡の指標投影手段
の駆動制御を示すブロック図。
【符号の説明】
1…手術用顕微鏡、2…顕微鏡部、8…第1鏡体、9…
対物レンズ(対物光学系)10…アフォーカル変倍光学
系、12…結像光学系、13…接眼光学系、14…焦準
機構、15a,15b…レーザーダイオード(発光手
段)、19a,19b…導光手段。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 溝口 正和 東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目43番2号 オリ ンパス光学工業株式会社内 Fターム(参考) 2H052 AA13 AB05 AB19 AB21 AB26 AC13 AC33 AC34 AD05 AD06 AF02 AF14 AF22 AF23

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 物体からの光を入射する単一の対物光学
    系とアフォーカル変倍光学系とを有し、さらに該アフォ
    ーカル変倍光学系から出射されるアフォーカル光束を左
    右眼像として結像する左右一対の結像光学系と、前記左
    右眼像を観察者の左右眼にそれぞれ導く左右一対の接眼
    光学系とを有する手術用顕微鏡において、スポット光を
    発光する発光手段と、該発光手段により生じるスポット
    光を前記アフォーカル変倍光学系と前記結像光学系の間
    に前記アフォーカル光束中に導く導光手段とを設けたこ
    とを特徴とする手術用顕微鏡。
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