JP2000074373A - ガスタービンエンジン用燃焼器 - Google Patents

ガスタービンエンジン用燃焼器

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JP2000074373A
JP2000074373A JP10247022A JP24702298A JP2000074373A JP 2000074373 A JP2000074373 A JP 2000074373A JP 10247022 A JP10247022 A JP 10247022A JP 24702298 A JP24702298 A JP 24702298A JP 2000074373 A JP2000074373 A JP 2000074373A
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Hidekazu Utsuki
英一 宇津木
Nobuyuki Kobayashi
伸之 小林
Hidehiko Nakada
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 予混合・予蒸発室を備えたガスタービンエン
ジン用燃焼器において、予混合・予蒸発室内の旋回流の
淀みに起因する自己着火現象を未然に防止する。 【解決手段】 気相燃焼室20に混合気を供給する燃料
ノズル42は、半径方向内側に配置されて燃料および空
気に予旋回を与えて供給する環状の燃料液膜化通路56
と、その外周を取り囲むように配置されて空気を供給す
る環状の空気通路57と、両通路56,57を合流させ
て燃料を微粒化するエアーブラスト方式のノズルチップ
61とを備える。燃料液膜化通路56から予混合・予蒸
発室53に供給された燃料および空気の旋回流の半径方
向外側を、空気通路57から予混合・予蒸発室53に供
給された空気のストレート流で覆うことにより、前記旋
回流の中心の淀み部分における自己着火を抑制すること
ができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、単缶型の気相燃焼
室の上流側に配置された予混合・予蒸発室に燃料および
空気を供給する燃料ノズルを備えたガスタービンエンジ
ン用燃焼器に関する。
【0002】
【従来の技術】かかるガスタービンエンジン用燃焼器
は、特開平7−332671号公報により既に知られて
いる。このガスタービンエンジン用燃焼器は、軸線を囲
むように配置された環状の予混合・予蒸発室と、その下
流側に接続された気相燃焼室とを備えており、予混合・
予蒸発室に供給した空気および燃料に旋回流を発生させ
て微粒化した状態で気相燃焼室に供給するようになって
いる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、気相燃焼室
の上流側に予混合・予蒸発室を備えたガスタービンエン
ジン用燃焼器では、気相燃焼室からの逆火により予混合
・予蒸発室の混合気が自己着火する場合があり、特に予
混合・予蒸発室の中心部では、前記旋回流が淀んで流速
が低下するために自己着火現象が起こり易くなる問題が
ある。
【0004】本発明は前述の事情に鑑みてなされたもの
で、予混合・予蒸発室を備えたガスタービンエンジン用
燃焼器において、予混合・予蒸発室内の旋回流の淀みに
起因する自己着火現象を未然に防止することを目的とす
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に記載された発明は、単缶型の気相燃焼室
の上流側に配置された予混合・予蒸発室に燃料および空
気を供給する燃料ノズルを備えたガスタービンエンジン
用燃焼器において、前記燃料ノズルは、半径方向内側に
配置されて予混合・予蒸発室に燃料および空気を供給す
る環状の燃料液膜化通路と、燃料液膜化通路の外周を取
り囲むように配置されて予混合・予蒸発室に空気を供給
する環状の空気通路と、燃料液膜化通路から供給される
燃料および空気を空気通路から供給される空気と合流さ
せて燃料を微粒化するエアーブラスト方式のノズルチッ
プとを備えており、前記燃料液膜化通路は、該燃料液膜
化通路を流れる空気を予旋回させるスワーラと、該燃料
液膜化通路の接線方向に燃料を噴射して該燃料を予旋回
させる燃料噴出口とを備えており、前記燃料液膜化通路
からノズルチップを経て予混合・予蒸発室に供給された
燃料および空気の旋回流の半径方向外側を、前記空気通
路からノズルチップを経て予混合・予蒸発室に供給され
た空気のストレート流で覆うことにより、前記旋回流の
中心部分における自己着火を抑制することを特徴とす
る。
【0006】上記構成によれば、燃料ノズルの燃料液膜
化通路が、そこを流れる空気を予旋回させるスワーラを
備えるとともに、前記予旋回する空気の流れと同方向に
燃料を噴射する燃料噴出口とを備えているので、燃料液
膜化通路に供給された空気および燃料に強い予旋回流を
発生させて燃料の微粒化を促進することができる。また
燃料ノズルの燃料液膜化通路からノズルチップを経て予
混合・予蒸発室に供給された燃料および空気の旋回流の
半径方向外側を、燃料ノズルの空気通路からノズルチッ
プを経て予混合・予蒸発室に供給された空気のストレー
ト流で覆うので、前記旋回流の中心の淀み部分が気相燃
焼室からの逆火で自己着火するのを確実に回避すること
ができる。
【0007】また請求項2に記載された発明は、請求項
1の構成に加えて、気相燃焼室に連なる予混合・予蒸発
室の下流端にスワーラを設けたことを特徴とする。
【0008】上記構成によれば、予混合・予蒸発室の下
流端に設けたスワーラで混合気の淀みを抑制することに
より、気相燃焼室から予混合・予蒸発室への逆火を防止
して予混合・予蒸発室における混合気の自己着火を一層
確実に防止することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、添
付図面に示した本発明の実施例に基づいて説明する。
【0010】図1〜図8は本発明の一実施例を示すもの
で、図1はガスタービンエンジンの縦断面図、図2は図
1の2−2線拡大断面図、図3はガスタービンエンジン
の燃焼器の拡大縦断面図、図4は図3の要部拡大図、図
5は図3の5−5線断面図、図6は図3の6−6線断面
図、図7は第2燃料液膜化通路のスワール数と燃料粒径
との関係を示すグラフ、図8は第2燃料液膜化通路の流
れ方向に沿う流速分布を示すグラフである。
【0011】先ず、図1および図2に基づいてガスター
ビンエンジンEの構造の概略を説明する。
【0012】図1に示すように、ガスタービンエンジン
Eは概略円筒状に形成されたエンジンケーシング1を備
える。エンジンケーシング1の外周には圧縮空気通路4
が形成されており、この圧縮空気通路4の上流側には図
示せぬエアクリーナおよびサイレンサに連なる吸気通路
5が接続される。
【0013】吸気通路5の中央を貫通して一対のベアリ
ング6,7で支持された回転軸8には、遠心式のコンプ
レッサホイール9と遠心式のタービンホイール10とが
隣接して同軸に固定される。後方側のベアリング7をコ
ンプレッサホイール9とタービンホイール10との間に
配置したので、このベアリング7をコンプレッサホイー
ル9の前方に配置する場合に比べて、ベアリング7から
のタービンホイール10の後方張出量を減少させて振動
を軽減することができる。コンプレッサホイール9の外
周に放射状に形成された複数のコンプレッサブレード9
1 …は前記吸気通路5に臨んでおり、これらコンプレッ
サブレード91 …の直下流に位置する圧縮空気通路4に
複数のコンプレッサディフューザ111 …が設けられ
る。回転軸8の前端にはタービンホイール10により駆
動される発電機2が設けられる。
【0014】エンジンケーシング1の後端には円環状の
伝熱型熱交換器12が配置される。伝熱型熱交換器12
は後端外周寄りの位置に圧縮空気入口13を備えるとと
もに前端内周寄りの位置に圧縮空気出口14を備え、前
端外周寄りの位置に燃焼ガス入口15を備えるとともに
後端内周寄りの位置に燃焼ガス出口16を備える。
【0015】図2から明らかなように、伝熱型熱交換器
12は大径円筒状のアウタハウジング28と小径円筒状
のインナハウジング29とを、金属板をつづら折り状に
折り曲げてなる伝熱板30で結合したもので、その伝熱
板30を挟んで圧縮空気流路31…と燃焼ガス流路32
…とが交互に形成される。
【0016】図1に示すように、実線で示す比較的に低
温の圧縮空気と、破線で示す比較的に高温の燃焼ガスと
を相互に逆方向に流すことにより、その流路の前長に亘
って圧縮空気および燃焼ガス間の温度差を大きく保ち、
熱交換効率を向上させることができる。
【0017】単缶型燃焼器18は、上流側に配置された
予混合部19と、下流側に配置された気相燃焼室20と
を備えている。伝熱型熱交換器12の圧縮空気出口14
と予混合部19とは圧縮空気通路21で接続される。気
相燃焼室20と伝熱型熱交換器12の燃焼ガス入口15
とを接続する燃焼ガス通路24の上流部分には、タービ
ンホイール10の外周に放射状に形成された複数のター
ビンブレード101 …が臨んでおり、その更に上流には
気相燃焼室20からの燃焼ガスを導く遮熱板25および
タービンノズル261 …が設けられる。
【0018】次に、図3〜図6を併せて参照しながら予
混合部19の構造を更に詳細に説明する。
【0019】予混合部19はエンジンケーシング1(図
1参照)の軸線Lを中心として実質的に軸対称な構造を
有しており、軸線L上に位置する第1燃料ノズル41
と、その第1燃料ノズル41の上流側(図中右側)の外
周を囲むように配置された第2燃料ノズル42と、前記
第1燃料ノズル41の外周を囲むように環状に形成され
た予混合・予蒸発室43とを備える。予混合部19の上
流側外周には環状の前室44が形成されており、この前
室44は複数の空気導入口45…を介して前記圧縮空気
通路21に連通する。
【0020】第1燃料ノズル41は2重管構造になって
おり、その中心を第1燃料液膜化通路46が貫通する。
第1燃料液膜化通路46の外周を囲むように形成された
第1空気通路47は、その上流端が半径方向外側に向け
て湾曲して前室44に連通し、その中間部がスワーラ4
8を介して第1燃料液膜化通路46の上流端に連通し、
その下流端にスワーラ50が設けられる。第1燃料ノズ
ル41には第1燃料通路51が形成されており、その下
流端に連なる環状溝54の内周に形成された複数の燃料
噴出口52…は、前記第1燃料液膜化通路46の上流部
であって前記スワーラ48の直下流部に開口する。前記
燃料噴出口52…は第1燃料液膜化通路46に接線方向
に開口する(図5参照)。而して、気相燃焼室20に臨
む第1燃料ノズル41の下流端には第1燃料液膜化通路
46および第1空気通路47が開口しており、かつ軸線
L上に位置する第1燃料液膜化通路46の開口部の外周
を、第1空気通路47の環状の開口部が取り囲むことに
より、エアーブラスト型のノズルチップ53を構成す
る。
【0021】予混合・予蒸発室43の上流端と前室44
とが第2燃料液膜化通路56および第2空気通路57で
接続される。第2燃料液膜化通路56の上流端にはスワ
ーラ58が設けられるとともに、中間部には第2燃料通
路59に連なる環状溝55の内周に形成された複数の燃
料噴出口60…が開口する。前記燃料噴出口60…は第
2燃料液膜化通路56に接線方向に開口する(図6参
照)。予混合・予蒸発室43の上流端に臨む第2燃料液
膜化通路56の下流端が環状に開口しており、その外周
を囲むように第2空気通路57の下流端が環状に開口す
ることにより、エアーブラスト型のノズルチップ61が
構成される。気相燃焼室20に臨む予混合・予蒸発室4
3の下流端には、前記第1燃料ノズル41のノズルチッ
プ53の外周を囲むようにスワーラ62が設けられる。
【0022】ガスタービンエンジンEの始動時に混合気
に着火すべく、セラミックヒータよりなる点火栓63が
第2燃料ノズル42を貫通して第1燃料ノズルノズル4
1と平行に延びており、その先端が第1燃料ノズル41
のノズルチップ53の近傍に臨んでいる。
【0023】次に、本発明の実施例の作用について説明
する。
【0024】図1において、吸気通路5から吸い込まれ
てコンプレッサホイール9により圧縮された空気は圧縮
空気通路4を経て伝熱型熱交換器12に送られ、そこで
高温の燃焼ガスとの間で熱交換することにより加熱され
る。伝熱型熱交換器12を通過した圧縮空気は圧縮空気
通路21を経て単缶型燃料器18の予混合部19に達
し、そこで燃料と混合する。予混合部19から単缶型燃
焼器18の気相燃焼室20に流入した混合気は気相燃焼
し、発生した燃焼ガスは燃焼ガス通路24を通過する間
にタービンホイール10を駆動する。燃焼ガスは更に伝
熱型熱交換器12を通過して空気との間で熱交換した後
にエンジンケーシング1から排出される。このようにし
てタービンホイール10が回転すると、その回転トルク
は回転軸8を介してコンプレッサホイール9および発電
機2に伝達される。
【0025】次に、図3および図4を参照して予混合部
19における作用を説明する。
【0026】圧縮空気通路21から前室44を経て第1
燃料ノズル41の第1空気通路47に供給された空気は
第1燃料液膜化通路46の上流端に供給され、その際に
スワーラ48を通過して旋回流となる。第1燃料通路5
1から燃料噴出口52…(図5参照)を経て第1燃料ノ
ズル41の第1燃料液膜化通路46の上流端に供給され
た燃料は、接線方向に開口する前記燃料噴出口52…に
より旋回流となる。そして同方向の旋回流である空気と
混合して微粒化され、旋回流の遠心力により半径方向外
側に付勢されて第1燃料液膜化通路46の外周面に沿う
燃料液膜が形成される。一方、第1空気通路47の空気
は、第1燃料液膜化通路46の外周に沿って流れ、その
下流端に設けられたスワーラ50を通過して旋回流とな
る。而して、ノズルチップ53において、内側に位置す
る第1燃料液膜化通路46の下流端から噴出する燃料お
よび空気の混合気と、第1燃料液膜化通路46の外周を
囲む第1空気通路47の下流端から噴出する空気とが出
会い、第1空気通路47から高圧で噴射される空気の圧
力で第1燃料液膜化通路46から噴出する燃料液膜が更
に微粒化されて気相燃焼室20に供給される。
【0027】拡散燃焼用の第1燃料ノズル41は着火性
や保炎性が優れているという特徴を持ち、混合気に速や
かに着火する必要があるガスタービンエンジンEの始動
時や、炎が消え易い減速時に気相燃焼室20に燃料を供
給する。また拡散燃焼方式は予混合・予蒸発燃焼方式に
比べてエミッション特性の点では若干不利である。しか
しながら、第1燃料液膜化通路46に供給される空気お
よび燃料が、それぞれスワーラ48および接線方向に開
口する燃料噴出口52…により予旋回が与えられて微粒
化されるだけでなく、ノズルチップ53において第1燃
料液膜化通路46から供給される燃料が第1空気通路4
7から供給される高圧の空気と混合し、そのエアーブラ
スト作用により微粒化が促進されるため、拡散燃焼方式
でありながらエミッション特性を充分に向上させること
ができる。
【0028】一方、予混合・予蒸発燃焼用の第2燃料ノ
ズル42はエミッション特性が優れているという特徴を
持ち、ガスタービンエンジンEの始動時や減速時を除く
通常運転時に気相燃焼室20に燃料を供給する。即ち、
前室44の空気は第2燃料ノズル42のスワーラ58を
通過して旋回流となり、第2燃料液膜化通路56に供給
される。第2燃料通路59から燃料噴出口60…(図6
参照)を経て第2燃料液膜化通路56の中間部に供給さ
れた燃料は、接線方向に開口する前記燃料噴出口60…
により旋回流となり、同方向の旋回流である空気と混合
して効果的に微粒化され、旋回流の遠心力により半径方
向外側に付勢されて第2燃料液膜化通路56の外周面に
沿う燃料液膜が形成される。第2燃料液膜化通路56の
燃料液膜は、ノズルチップ61から予混合・予蒸発室4
3の上流端に噴出し、更に前室44から第2空気通路5
7に供給された高圧の空気はノズルチップ61から前記
燃料液膜の外周を囲むように噴出する。而して、エアー
ブラストノズルを構成するノズルチップ61において、
内側に位置する第2燃料液膜化通路56の下流端から噴
出する燃料および空気の混合気と、第2燃料液膜化通路
56の外周を囲む第2空気通路57の下流端から噴出す
る空気とが出会い、第2空気通路57の空気の圧力で第
2燃料液膜化通路56から噴出する燃料が更に微粒化さ
れて予混合・予蒸発室43に供給される。予混合・予蒸
発室43内の混合気はスワーラ62を通過して旋回流と
なり、気相燃焼室20に供給される。
【0029】第1燃料ノズル41を囲むように設けられ
た第2燃料ノズル42は必然的に大径になるため、燃料
を微粒化する上で不利になるが、スワーラ58により第
2燃料液膜化通路56を流れる空気に与えられるスワー
ルを強めるとともに、該第2燃料液膜化通路56を流れ
る空気の流速を高めることにより燃料の微粒化を促進し
ている。図7は第2燃料液膜化通路56のスワール数と
燃料粒径との関係を示すグラフであって、本実施例では
スワーラ58により発生するスワール数を充分に高める
ことにより、目標とする燃料粒径の最小値を大幅に下回
る燃料粒径を確保している。図8は第2燃料液膜化通路
56の流れ方向に沿う流速分布を示すグラフであって、
第2燃料液膜化通路56の流路断面積を燃料噴出口60
…の位置からノズルチップ61の位置に向けて漸減させ
ることにより、ノズルチップ61の位置において最大の
流速が得られるようにしている。
【0030】而して、第2燃料液膜化通路56の構造
と、その下流端のエアーブラスト方式のノズルチップ6
1との相乗効果により、第2燃料ノズル42は大径であ
りながら優れた燃料の微粒化性能を発揮することができ
る。
【0031】また第2燃料液膜化通路56からノズルチ
ップ61を経て噴出した混合気は予混合・予蒸発室43
の内部に旋回流を生成するが、一般に旋回流の中心部近
傍では流れに淀みが発生するため逆火による自己着火現
象が起こり易くなる。しかしながら、本実施例では、ノ
ズルチップ61において第2燃料液膜化通路56の外周
を覆うように第2空気通路57が開口しており、しかも
第2空気通路57から予混合・予蒸発室43の内部に供
給される空気流はスワールを伴わないストレート流であ
るため、内側の混合気の旋回流を、外側の流速の大きい
空気のストレート流で覆って該旋回流の中心部近傍での
自己着火現象を回避することができる。更に予混合・予
蒸発室43の出口にスワーラ62を配置したことによ
り、そのスワーラ62で混合気の淀みを抑制して逆火に
よる自己着火現象を回避することができる。
【0032】以上のように、着火性能および保炎性能に
優れた拡散燃焼用の第1燃料ノズル41と、エミッショ
ン特性に優れた予混合・予蒸発燃焼用の第2燃料ノズル
42とを併用しているので、着火性能および保炎性能、
並びにエミッション特性を両立させることができる。
【0033】図1から明らかなように、回転軸8の中心
を通るエンジンケーシング1の軸線Lに対して、コンプ
レッサホイール9、タービンホイール10、伝熱型熱交
換器12、単缶型燃焼器18を含む各部材が軸対称に配
置されている。その結果、ガスタービンエンジンE内部
の圧縮空気や燃焼ガスの流れが軸対称になって円周方向
に均一化されるため、圧損が減少して出力の増加および
燃費の低減が可能となる。また、ガスタービンエンジン
E内部の温度分布も軸対称になって各部材の熱的な歪み
が最小限に抑えられ、コンプレッサホイール9やタービ
ンホイール10のスムーズな回転が確保されるととも
に、熱応力によるセラミック製部品の損傷等が効果的に
防止される。更に、エンジンケーシング1や各ダクト類
も軸対称化することができるので、それらを板金等の薄
肉材料で製作することが可能となって軽量化が達成され
るばかりか、ヒートマスの減少によって冷間始動時の熱
損失を減少させて更なる燃費の低減が可能となる。
【0034】また、単缶型燃焼器18の入口における空
気密度の均一化や流速の均一化は燃焼ガス中の有害成分
の低減に対して重要であるが、前記軸対称配置により単
缶型燃焼器18に流入する空気の流れを軸対称化するこ
とができる。更に、伝熱型熱交換器12の圧縮空気入口
13および燃焼ガス入口15における流速の均一化は熱
交換効率の向上や圧損の低減を図る上で重要であるが、
前記軸対称配置により伝熱型熱交換器12に流入する圧
縮空気や燃焼ガスの流れを軸対称化することができる。
【0035】更に、図3から明らかなように、単缶型燃
焼器18を構成する気相燃焼室20、予混合・予蒸発室
43、第1燃料ノズル41および第2燃料ノズル42も
軸線Lに対して軸対称に配置されているので、空気、燃
料、混合気および燃焼ガスの流れが軸対称になって円周
方向に均一化される。その結果、気相燃焼室20に供給
される混合気の空燃比が円周方向に均一になってエミッ
ション特性が更に向上するだけでなく、単缶型燃焼器1
8の各部の温度分布も軸対称になって熱的な歪みを最小
限に抑えることができる。
【0036】以上、本発明の実施例を詳述したが、本発
明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行う
ことが可能である。
【0037】
【発明の効果】以上のように、請求項1に記載された発
明によれば、燃料ノズルの燃料液膜化通路が、そこを流
れる空気を予旋回させるスワーラを備えるとともに、前
記予旋回する空気の流れと同方向に燃料を噴射する燃料
噴出口とを備えているので、燃料液膜化通路に供給され
た空気および燃料に強い予旋回流を発生させて燃料の微
粒化を促進することができる。また燃料ノズルの燃料液
膜化通路からノズルチップを経て予混合・予蒸発室に供
給された燃料および空気の旋回流の半径方向外側を、燃
料ノズルの空気通路からノズルチップを経て予混合・予
蒸発室に供給された空気のストレート流で覆うので、前
記旋回流の中心の淀み部分が気相燃焼室からの逆火で自
己着火するのを確実に回避することができる。
【0038】また請求項2に記載された発明によれば、
予混合・予蒸発室の下流端に設けたスワーラで混合気の
淀みを抑制することにより、気相燃焼室から予混合・予
蒸発室への逆火を防止して予混合・予蒸発室における混
合気の自己着火を一層確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ガスタービンエンジンの縦断面図
【図2】図1の2−2線拡大断面図
【図3】ガスタービンエンジンの燃焼器の拡大縦断面図
【図4】図3の要部拡大図
【図5】図3の5−5線断面図
【図6】図3の6−6線断面図
【図7】第2燃料液膜化通路のスワール数と燃料粒径と
の関係を示すグラフ
【図8】第2燃料液膜化通路の流れ方向に沿う流速分布
を示すグラフ
【符号の説明】
20 気相燃焼室 42 第2燃料ノズル(燃料ノズル) 43 予混合・予蒸発室 56 第2燃料液膜化通路(燃料液膜化通路) 57 第2空気通路(空気通路) 58 スワーラ 60 燃料噴出口 61 ノズルチップ 62 スワーラ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小林 伸之 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内 (72)発明者 中田 秀彦 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 単缶型の気相燃焼室(20)の上流側に
    配置された予混合・予蒸発室(43)に燃料および空気
    を供給する燃料ノズル(42)を備えたガスタービンエ
    ンジン用燃焼器において、 前記燃料ノズル(42)は、半径方向内側に配置されて
    予混合・予蒸発室(43)に燃料および空気を供給する
    環状の燃料液膜化通路(56)と、燃料液膜化通路(4
    6)の外周を取り囲むように配置されて予混合・予蒸発
    室(43)に空気を供給する環状の空気通路(57)
    と、燃料液膜化通路(56)から供給される燃料および
    空気を空気通路(57)から供給される空気と合流させ
    て燃料を微粒化するエアーブラスト方式のノズルチップ
    (61)とを備えており、 前記燃料液膜化通路(56)は、該燃料液膜化通路(5
    6)を流れる空気を予旋回させるスワーラ(58)と、
    該燃料液膜化通路(56)の接線方向に燃料を噴射して
    該燃料を予旋回させる燃料噴出口(60)とを備えてお
    り、 前記燃料液膜化通路(56)からノズルチップ(61)
    を経て予混合・予蒸発室(43)に供給された燃料およ
    び空気の旋回流の半径方向外側を、前記空気通路(5
    7)からノズルチップ(61)を経て予混合・予蒸発室
    (43)に供給された空気のストレート流で覆うことに
    より、前記旋回流の中心部分における自己着火を抑制す
    ることを特徴とするガスタービンエンジン用燃焼器。
  2. 【請求項2】 気相燃焼室(20)に連なる予混合・予
    蒸発室(43)の下流端にスワーラ(62)を設けたこ
    とを特徴とする、請求項1に記載のガスタービンエンジ
    ン用燃焼器。
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