JP2000073886A - 4サイクルエンジンの吸気装置 - Google Patents
4サイクルエンジンの吸気装置Info
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- JP2000073886A JP2000073886A JP10243882A JP24388298A JP2000073886A JP 2000073886 A JP2000073886 A JP 2000073886A JP 10243882 A JP10243882 A JP 10243882A JP 24388298 A JP24388298 A JP 24388298A JP 2000073886 A JP2000073886 A JP 2000073886A
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- JP
- Japan
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- intake
- valve
- fuel
- throttle valve
- intake passage
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- Control Of Throttle Valves Provided In The Intake System Or In The Exhaust System (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 燃料の霧化をより一層促進でき、アイドリン
グ時の振動を低減できるとともに排気ガスを清浄にでき
る4サイクルエンジンの吸気装置を提供する。 【解決手段】 燃焼室に連通する吸気通路17dと、該
吸気通路17dの途中に介設されたスロットルバルブ2
cとを備えた4サイクルエンジン1の吸気装置におい
て、上記吸気通路17dのスロットルバルブ20より上
流側に燃料噴射弁25を、該燃料噴射弁25から噴射さ
れた燃料がアイドリング開度のスロットルバルブ20の
上流側の表面に衝突するように配設し、該スロットルバ
ルブ20に上記衝突した燃料をスロットルバルブ下流側
に噴出させて霧化を促進する霧化促進孔20cを複数形
成した。
グ時の振動を低減できるとともに排気ガスを清浄にでき
る4サイクルエンジンの吸気装置を提供する。 【解決手段】 燃焼室に連通する吸気通路17dと、該
吸気通路17dの途中に介設されたスロットルバルブ2
cとを備えた4サイクルエンジン1の吸気装置におい
て、上記吸気通路17dのスロットルバルブ20より上
流側に燃料噴射弁25を、該燃料噴射弁25から噴射さ
れた燃料がアイドリング開度のスロットルバルブ20の
上流側の表面に衝突するように配設し、該スロットルバ
ルブ20に上記衝突した燃料をスロットルバルブ下流側
に噴出させて霧化を促進する霧化促進孔20cを複数形
成した。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、4サイクルエンジ
ンの吸気装置に関し、特に燃料をスロットルバルブに衝
突するように噴射することにより燃料の霧化を促進する
ようにしたものに関する。
ンの吸気装置に関し、特に燃料をスロットルバルブに衝
突するように噴射することにより燃料の霧化を促進する
ようにしたものに関する。
【0002】
【従来の技術】4サイクルエンジンの吸気装置として、
従来の気化器に代えて燃料噴射弁を備えたものが実用化
されている。この種の吸気装置では、燃料を吸気弁の裏
面に向けて噴射するように燃料噴射弁を配置するのが一
般的であり、吸気弁の裏面に燃料を衝突させて燃料の霧
化を図るようにしている。
従来の気化器に代えて燃料噴射弁を備えたものが実用化
されている。この種の吸気装置では、燃料を吸気弁の裏
面に向けて噴射するように燃料噴射弁を配置するのが一
般的であり、吸気弁の裏面に燃料を衝突させて燃料の霧
化を図るようにしている。
【0003】一方、本出願人は、吸気通路の吸気弁開口
からスロットルバルブまでの容積(ポート容積)の行程
容積(気筒毎の排気量)に対する割合(容積比)をでき
るだけ小さく設定することにより、出力性能を低下させ
ることなくかつ低コストで排気ガスの浄化を図ることが
できる4サイクルエンジンを提案している。
からスロットルバルブまでの容積(ポート容積)の行程
容積(気筒毎の排気量)に対する割合(容積比)をでき
るだけ小さく設定することにより、出力性能を低下させ
ることなくかつ低コストで排気ガスの浄化を図ることが
できる4サイクルエンジンを提案している。
【0004】上記提案に係るエンジンでは、容積比を小
さく設定するためにスロットルバルブをできるだけ吸気
弁開口に近づけて配置する必要があり、そのため燃料噴
射弁はスロットルバルブより上流側に配置せざるを得な
くなる。このような配置構成を採用した場合に、燃料噴
射弁を、該燃料噴射弁から噴射された燃料がスロットル
バルブの上流側表面に衝突するように配設することが燃
料の霧化促進上効果的であると考えられる。
さく設定するためにスロットルバルブをできるだけ吸気
弁開口に近づけて配置する必要があり、そのため燃料噴
射弁はスロットルバルブより上流側に配置せざるを得な
くなる。このような配置構成を採用した場合に、燃料噴
射弁を、該燃料噴射弁から噴射された燃料がスロットル
バルブの上流側表面に衝突するように配設することが燃
料の霧化促進上効果的であると考えられる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが燃料をスロッ
トルバルブの表面に衝突させるようにした構造でも燃料
の霧化が十分でない場合がある。これはスロットルバル
ブ表面に衝突することにより一旦霧化した燃料が該表面
に沿って流れ落ちる際に互いに結合して再び油滴になっ
てしまうためであると考えられる。その結果、エンジン
の回転変動率が高くなってアイドリング時の振動が大き
くなり、また炭化水素等の排気成分が増加する。
トルバルブの表面に衝突させるようにした構造でも燃料
の霧化が十分でない場合がある。これはスロットルバル
ブ表面に衝突することにより一旦霧化した燃料が該表面
に沿って流れ落ちる際に互いに結合して再び油滴になっ
てしまうためであると考えられる。その結果、エンジン
の回転変動率が高くなってアイドリング時の振動が大き
くなり、また炭化水素等の排気成分が増加する。
【0006】本発明は、上記問題点に鑑みてなされたも
ので、燃料の霧化をより一層促進でき、アイドリング時
の振動を低減できるとともに排気ガスを清浄にできる4
サイクルエンジンの吸気装置を提供することを目的とし
ている。
ので、燃料の霧化をより一層促進でき、アイドリング時
の振動を低減できるとともに排気ガスを清浄にできる4
サイクルエンジンの吸気装置を提供することを目的とし
ている。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、燃焼
室に連通する吸気通路と、該吸気通路の途中に介設され
たスロットルバルブとを備えた4サイクルエンジンの吸
気装置において、上記吸気通路のスロットルバルブより
上流側に燃料噴射弁を、該燃料噴射弁から噴射された燃
料がアイドリング開度のスロットルバルブの上流側の表
面に衝突するように配設し、該スロットルバルブに上記
衝突した燃料をスロットルバルブ下流側に噴出させて霧
化を促進する霧化促進孔を複数形成したことを特徴とし
ている。
室に連通する吸気通路と、該吸気通路の途中に介設され
たスロットルバルブとを備えた4サイクルエンジンの吸
気装置において、上記吸気通路のスロットルバルブより
上流側に燃料噴射弁を、該燃料噴射弁から噴射された燃
料がアイドリング開度のスロットルバルブの上流側の表
面に衝突するように配設し、該スロットルバルブに上記
衝突した燃料をスロットルバルブ下流側に噴出させて霧
化を促進する霧化促進孔を複数形成したことを特徴とし
ている。
【0008】請求項2の発明は、請求項1において、上
記燃料噴射弁は、カム軸方向に見たとき、吸気通路の軸
線に対して下流側に向けて斜めに交差するように配設さ
れており、上記スロットルバルブは、上記燃料噴射弁の
軸線に対して直角に近くなる方向に傾斜させて配設され
ていることを特徴としている。
記燃料噴射弁は、カム軸方向に見たとき、吸気通路の軸
線に対して下流側に向けて斜めに交差するように配設さ
れており、上記スロットルバルブは、上記燃料噴射弁の
軸線に対して直角に近くなる方向に傾斜させて配設され
ていることを特徴としている。
【0009】請求項3の発明は、請求項1又は2におい
て、上記燃料噴射弁は、アイドリング運転域では燃料の
大部分を吸気行程で噴射することを特徴としている。
て、上記燃料噴射弁は、アイドリング運転域では燃料の
大部分を吸気行程で噴射することを特徴としている。
【0010】請求項4の発明は、請求項1ないし3の何
れかにおいて、上記エンジンが複数気筒エンジンであ
り、該各気筒のアイドリング吸気量の同調を上記スロッ
トルバルブのアイドリング開度の調整により行うことを
特徴としている。
れかにおいて、上記エンジンが複数気筒エンジンであ
り、該各気筒のアイドリング吸気量の同調を上記スロッ
トルバルブのアイドリング開度の調整により行うことを
特徴としている。
【0011】請求項5の発明は、請求項1ないし4の何
れかにおいて、上記吸気通路の上記スロットルバルブよ
り上流側に、該吸気通路の面積を該吸気通路内を流れる
吸気の状態の変化に応じて変化させ、吸気流量の増加速
度を上記スロットルバルブの開速度に対応した吸気流量
の増加速度より緩慢にする緩衝バルブを配設したことを
特徴としている。
れかにおいて、上記吸気通路の上記スロットルバルブよ
り上流側に、該吸気通路の面積を該吸気通路内を流れる
吸気の状態の変化に応じて変化させ、吸気流量の増加速
度を上記スロットルバルブの開速度に対応した吸気流量
の増加速度より緩慢にする緩衝バルブを配設したことを
特徴としている。
【0012】請求項6の発明は、請求項5において、上
記緩衝バルブは、吸気通路内に軸直角方向に出没可能に
配置されて吸気通路面積を変化させるピストンと、該ピ
ストンと吸気通路底面との間を流れる吸気流の負圧によ
り上記ピストンを出没させるダイヤフラムとを備えた自
動可変ベンチュリ式のものであり、上記ピストンに該ピ
ストンのリフト量が所定値に達するまで上記負圧を吸気
通路内に逃がす負圧抜き孔が形成されていることを特徴
としている。
記緩衝バルブは、吸気通路内に軸直角方向に出没可能に
配置されて吸気通路面積を変化させるピストンと、該ピ
ストンと吸気通路底面との間を流れる吸気流の負圧によ
り上記ピストンを出没させるダイヤフラムとを備えた自
動可変ベンチュリ式のものであり、上記ピストンに該ピ
ストンのリフト量が所定値に達するまで上記負圧を吸気
通路内に逃がす負圧抜き孔が形成されていることを特徴
としている。
【0013】
【発明の作用効果】請求項1の発明に係る4サイクルエ
ンジンの吸気装置によれば、燃料噴射弁を噴射された燃
料がアイドリング開度に位置するスロットルバルブの上
流側の表面に衝突するように配置し、該スロットルバル
ブに下流側に貫通する霧化促進孔を複数設けたので、上
記噴射された燃料はスロットルバルブの上流側の表面に
衝突した直後に霧化促進孔を通ってスロットルバルブ下
流側に噴出する。このように、スロットルバルブに衝突
した燃料の大部分はスロットルバルブに沿って垂れ落ち
ることなく、下流側に噴出し、アイドリング運転域での
燃料の霧化が促進され、エンジン回転変動率を低減して
アイドリング時の振動を防止できるとともに、炭化水素
等の発生を抑制して排気ガスを清浄化できる。
ンジンの吸気装置によれば、燃料噴射弁を噴射された燃
料がアイドリング開度に位置するスロットルバルブの上
流側の表面に衝突するように配置し、該スロットルバル
ブに下流側に貫通する霧化促進孔を複数設けたので、上
記噴射された燃料はスロットルバルブの上流側の表面に
衝突した直後に霧化促進孔を通ってスロットルバルブ下
流側に噴出する。このように、スロットルバルブに衝突
した燃料の大部分はスロットルバルブに沿って垂れ落ち
ることなく、下流側に噴出し、アイドリング運転域での
燃料の霧化が促進され、エンジン回転変動率を低減して
アイドリング時の振動を防止できるとともに、炭化水素
等の発生を抑制して排気ガスを清浄化できる。
【0014】請求項2の発明によれば、上記燃料噴射弁
を吸気通路の軸線に対して下流側に向けて斜めに交差す
るように配設し、上記スロットルバルブを上記燃料噴射
弁の軸線に対して直角に近くなる方向に傾斜させて配設
したので、燃料噴射弁から噴射された燃料がスロットル
バルブに対して直角に近い角度で衝突し、そのため該衝
突した燃料のより多くが霧化促進孔からより下流側に噴
出し、より一層霧化を促進できる。
を吸気通路の軸線に対して下流側に向けて斜めに交差す
るように配設し、上記スロットルバルブを上記燃料噴射
弁の軸線に対して直角に近くなる方向に傾斜させて配設
したので、燃料噴射弁から噴射された燃料がスロットル
バルブに対して直角に近い角度で衝突し、そのため該衝
突した燃料のより多くが霧化促進孔からより下流側に噴
出し、より一層霧化を促進できる。
【0015】請求項3の発明によれば、上記燃料噴射弁
は、アイドリング運転域では燃料の大部分を吸気行程で
噴射するので、スロットルバルブの下流側にシリンダボ
ア側の負圧が作用し、そのため上記スロットルバルブに
衝突した燃料がより一層確実に霧化促進孔から下流側に
噴出し、さらに霧化を促進できる。
は、アイドリング運転域では燃料の大部分を吸気行程で
噴射するので、スロットルバルブの下流側にシリンダボ
ア側の負圧が作用し、そのため上記スロットルバルブに
衝突した燃料がより一層確実に霧化促進孔から下流側に
噴出し、さらに霧化を促進できる。
【0016】請求項4の発明によれば、各気筒のアイド
リング吸気量の同調を上記スロットルバルブのアイドリ
ング開度の調整により行うようにしたので、各気筒のア
イドリング吸気量を均一にでき、エンジンの回転変動を
低減できる。即ち、本発明では、吸気量の大部分は霧化
促進孔を通って下流側に流れることから、各気筒毎の霧
化促進孔の総合計面積のばらつき等が起因して各気筒毎
のアイドリング吸気量にばらつきが生じる懸念がある
が、各スロットルバルブの開度の微調整により上記アイ
ドリング吸気量のばらつきを吸収できる。
リング吸気量の同調を上記スロットルバルブのアイドリ
ング開度の調整により行うようにしたので、各気筒のア
イドリング吸気量を均一にでき、エンジンの回転変動を
低減できる。即ち、本発明では、吸気量の大部分は霧化
促進孔を通って下流側に流れることから、各気筒毎の霧
化促進孔の総合計面積のばらつき等が起因して各気筒毎
のアイドリング吸気量にばらつきが生じる懸念がある
が、各スロットルバルブの開度の微調整により上記アイ
ドリング吸気量のばらつきを吸収できる。
【0017】請求項5の発明によれば、上記吸気通路の
上記スロットルバルブより上流側に緩衝バルブを設けた
ので、スロットルバルブを急開した場合の吸気流量の増
加速度を抑えることができ、結果的に燃料の応答遅れを
回避でき、空燃比が極端にリーンとなって生じる失火等
に起因する運転フィーリングの低下,排気ガス性状の悪
化を防止できる。
上記スロットルバルブより上流側に緩衝バルブを設けた
ので、スロットルバルブを急開した場合の吸気流量の増
加速度を抑えることができ、結果的に燃料の応答遅れを
回避でき、空燃比が極端にリーンとなって生じる失火等
に起因する運転フィーリングの低下,排気ガス性状の悪
化を防止できる。
【0018】請求項6の発明によれば、緩衝バルブを自
動可変ベンチュリ方式のものとし、かつピストンに負圧
抜き孔を形成したので、ピストンのリフト量が所定値に
達するまでは負圧が負圧抜き孔から逃げることから、ス
ロットル開度が比較的小さい領域ではピストンのリフト
速度がより緩慢となり、その結果上記燃料の応答遅れを
より一層確実に回避でき、エンジンの運転フィーリング
をより一層改善できる。
動可変ベンチュリ方式のものとし、かつピストンに負圧
抜き孔を形成したので、ピストンのリフト量が所定値に
達するまでは負圧が負圧抜き孔から逃げることから、ス
ロットル開度が比較的小さい領域ではピストンのリフト
速度がより緩慢となり、その結果上記燃料の応答遅れを
より一層確実に回避でき、エンジンの運転フィーリング
をより一層改善できる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を添付図
面に基づいて説明する。図1〜図6は本発明の一実施形
態による4サイクルエンジンの吸気装置を説明するため
の図であり、図1は上記エンジンを搭載した自動二輪車
の左側面図、図2は上記吸気装置の断面右側面図、図3
はスロットル弁の模式図、図4は緩衝バルブの動作特性
を示す図、図5,図6は本実施形態の作用効果を説明す
るための特性図である。
面に基づいて説明する。図1〜図6は本発明の一実施形
態による4サイクルエンジンの吸気装置を説明するため
の図であり、図1は上記エンジンを搭載した自動二輪車
の左側面図、図2は上記吸気装置の断面右側面図、図3
はスロットル弁の模式図、図4は緩衝バルブの動作特性
を示す図、図5,図6は本実施形態の作用効果を説明す
るための特性図である。
【0020】図において、1は水冷式4サイクル並列4
気筒5バルブエンジンであり、該エンジン1は自動二輪
車3の車体フレーム2のヘッドパイプ2aから後方斜め
下方に延びる左,右一対のメインフレーム2bに、クラ
ンク軸を車幅方向に向けて、かつ気筒軸Aを前傾させて
懸架支持されている。該エンジン1は、変速装置を内蔵
するクランクケース4の前部にシリンダボディ5を一体
形成し、該シリンダボディ5上にシリンダヘッド6,ヘ
ッドカバー7を積層締結した概略構造のものである。上
記シリンダボディ5のシリンダボア5a内にはピストン
8が摺動自在に挿入配置され、該ピストン8はコンロッ
ド9により上記クランク軸に連結されている。
気筒5バルブエンジンであり、該エンジン1は自動二輪
車3の車体フレーム2のヘッドパイプ2aから後方斜め
下方に延びる左,右一対のメインフレーム2bに、クラ
ンク軸を車幅方向に向けて、かつ気筒軸Aを前傾させて
懸架支持されている。該エンジン1は、変速装置を内蔵
するクランクケース4の前部にシリンダボディ5を一体
形成し、該シリンダボディ5上にシリンダヘッド6,ヘ
ッドカバー7を積層締結した概略構造のものである。上
記シリンダボディ5のシリンダボア5a内にはピストン
8が摺動自在に挿入配置され、該ピストン8はコンロッ
ド9により上記クランク軸に連結されている。
【0021】上記シリンダヘッド6のシリンダボディ5
側合面には4つの燃焼凹部6aが凹設されており、該燃
焼凹部6aの内表面,上記ピストン8の頂面,及び上記
シリンダボア5aで囲まれた空間が燃焼室となってい
る。また上記各燃焼凹部6aの中心部に点火プラグ10
の電極が臨んでいる。
側合面には4つの燃焼凹部6aが凹設されており、該燃
焼凹部6aの内表面,上記ピストン8の頂面,及び上記
シリンダボア5aで囲まれた空間が燃焼室となってい
る。また上記各燃焼凹部6aの中心部に点火プラグ10
の電極が臨んでいる。
【0022】また上記燃焼凹部6aには各気筒当たり3
つの吸気弁開口6b及び2つの排気弁開口6cが上記燃
焼凹部6aの周縁に沿うように開口している。該各吸気
弁開口6bには吸気弁11が、各排気弁開口6cには排
気弁12がそれぞれ閉方向に付勢して配置されており、
該吸気弁11は吸気カム軸13により、排気弁12は排
気カム軸14によりそれぞれ開閉駆動される。
つの吸気弁開口6b及び2つの排気弁開口6cが上記燃
焼凹部6aの周縁に沿うように開口している。該各吸気
弁開口6bには吸気弁11が、各排気弁開口6cには排
気弁12がそれぞれ閉方向に付勢して配置されており、
該吸気弁11は吸気カム軸13により、排気弁12は排
気カム軸14によりそれぞれ開閉駆動される。
【0023】上記エンジン1の各気筒毎に設けられた吸
気系は、上記各気筒の吸気弁開口6bをシリンダヘッド
6の後壁側に導出する吸気ポート15と、該吸気ポート
15の外部接続口15aにジョイント16を介して接続
されたスロットルボディ17と、該スロットルボディ1
7に接続され、エアクリーナボックス18内に開口する
吸気ダクト19とを備えている。上記吸気ポート15,
スロットルボディ17内のベンチュリ通路17d,及び
吸気ダクト19は全体として概略直線状をなすように構
成され、かつ気筒軸Aとなす角度が小さくなるように略
垂直方向に向けて配置されており、このようにして吸気
抵抗を可能な限り小さくしている。
気系は、上記各気筒の吸気弁開口6bをシリンダヘッド
6の後壁側に導出する吸気ポート15と、該吸気ポート
15の外部接続口15aにジョイント16を介して接続
されたスロットルボディ17と、該スロットルボディ1
7に接続され、エアクリーナボックス18内に開口する
吸気ダクト19とを備えている。上記吸気ポート15,
スロットルボディ17内のベンチュリ通路17d,及び
吸気ダクト19は全体として概略直線状をなすように構
成され、かつ気筒軸Aとなす角度が小さくなるように略
垂直方向に向けて配置されており、このようにして吸気
抵抗を可能な限り小さくしている。
【0024】上記エアクリーナボックス18は上記車体
フレーム2の左,右一対のメインフレーム2a,2a間
に配置されており、上記エアクリーナボックス18の後
側には燃料タンクTが搭載されいる。該燃料タンクT及
び上記エアクリーナボックス18の前後左右側部及び上
部はタンクカバーTaで囲まれている。なお、60はエ
アクリーナボックス18に外気を導入するダクトであ
り、該ダクト60の開口60aはヘッドパイプ2cより
前側に開口している。
フレーム2の左,右一対のメインフレーム2a,2a間
に配置されており、上記エアクリーナボックス18の後
側には燃料タンクTが搭載されいる。該燃料タンクT及
び上記エアクリーナボックス18の前後左右側部及び上
部はタンクカバーTaで囲まれている。なお、60はエ
アクリーナボックス18に外気を導入するダクトであ
り、該ダクト60の開口60aはヘッドパイプ2cより
前側に開口している。
【0025】上記スロットルボディ17は、スロットル
バルブ20,及び後述する緩衝バルブ34を内蔵すると
ともに、燃料噴射弁25を保持するように構成されてい
る。上記緩衝バルブ34は、上記スロットルバルブ20
を急激に開いた時の吸入空気量の急変を緩和するための
ものであり、自動可変ベンチュリ方式の構造を備えてい
る。
バルブ20,及び後述する緩衝バルブ34を内蔵すると
ともに、燃料噴射弁25を保持するように構成されてい
る。上記緩衝バルブ34は、上記スロットルバルブ20
を急激に開いた時の吸入空気量の急変を緩和するための
ものであり、自動可変ベンチュリ方式の構造を備えてい
る。
【0026】上記緩衝バルブ34は、スロットルボディ
17のバルブボディ17cの天壁17e側に、ベンチュ
リ通路17d内に略軸直角方向に出没してその通路面積
を変化させるピストン35を摺動自在に挿入配置し、該
ピストン35の上端を上記天壁17eとカバー36とで
形成された作動室37内に突出させ、該作動室37をピ
ストン35の上端に気密に接続されたダイヤフラム38
により負圧室aと大気圧室bとに画成し、上記ベンチュ
リ通路17dの底壁とピストン35との間の圧力を負圧
導入通路35cを介して上記負圧室aに導入するように
した構造となっている。なお、39はピストン35を最
小開度に付勢するばねであり、35aはピストン35の
底面に形成され該ピストン35全閉時の通路となる凹溝
である。
17のバルブボディ17cの天壁17e側に、ベンチュ
リ通路17d内に略軸直角方向に出没してその通路面積
を変化させるピストン35を摺動自在に挿入配置し、該
ピストン35の上端を上記天壁17eとカバー36とで
形成された作動室37内に突出させ、該作動室37をピ
ストン35の上端に気密に接続されたダイヤフラム38
により負圧室aと大気圧室bとに画成し、上記ベンチュ
リ通路17dの底壁とピストン35との間の圧力を負圧
導入通路35cを介して上記負圧室aに導入するように
した構造となっている。なお、39はピストン35を最
小開度に付勢するばねであり、35aはピストン35の
底面に形成され該ピストン35全閉時の通路となる凹溝
である。
【0027】ここで本実施形態のピストン35の側壁の
移動方向途中には、上記負圧室aとベンチュリ通路17
dとを連通させる負圧抜き孔35bが形成されている。
この負圧抜き孔35bは、該ピストン35のリフト量が
所定値に達するまでは上記負圧導入通路35cを介して
導入された負圧の一部をベンチュリ通路17d内に逃が
し、リフト量が所定値を越えると天壁17eによって閉
塞され、上記負圧をそのまま負圧導入室aに作用させる
機能を有する。
移動方向途中には、上記負圧室aとベンチュリ通路17
dとを連通させる負圧抜き孔35bが形成されている。
この負圧抜き孔35bは、該ピストン35のリフト量が
所定値に達するまでは上記負圧導入通路35cを介して
導入された負圧の一部をベンチュリ通路17d内に逃が
し、リフト量が所定値を越えると天壁17eによって閉
塞され、上記負圧をそのまま負圧導入室aに作用させる
機能を有する。
【0028】上記各スロットルバルブ20は、円形の弁
板20aを弁軸20bにボルト締め固定したものであ
り、スロットルボディ17の下流側接続ボス部17a側
寄り部分に配設されている。また上記弁板20aには、
例えば図3(a)に示すように、直径0.8mm程度の
霧化促進孔20cが弁軸20bより燃料噴射弁に近い側
に4個,噴射弁に遠い側に3個,計7個貫通形成されて
いる。
板20aを弁軸20bにボルト締め固定したものであ
り、スロットルボディ17の下流側接続ボス部17a側
寄り部分に配設されている。また上記弁板20aには、
例えば図3(a)に示すように、直径0.8mm程度の
霧化促進孔20cが弁軸20bより燃料噴射弁に近い側
に4個,噴射弁に遠い側に3個,計7個貫通形成されて
いる。
【0029】上記霧化促進孔20cは、上弁板20a
の、上記燃料噴射弁25から噴射された燃料が衝突する
範囲内に貫通形成されており、該衝突した燃料は、これ
らの霧化促進孔20cを通って下流側に2次噴霧となっ
て噴出する。またこれらの霧化促進孔20cは、アイド
リング運転域において、全吸入空気量の約80%が該霧
化促進孔20cを通って下流側に流れるようにその合計
開口面積が設定されている。
の、上記燃料噴射弁25から噴射された燃料が衝突する
範囲内に貫通形成されており、該衝突した燃料は、これ
らの霧化促進孔20cを通って下流側に2次噴霧となっ
て噴出する。またこれらの霧化促進孔20cは、アイド
リング運転域において、全吸入空気量の約80%が該霧
化促進孔20cを通って下流側に流れるようにその合計
開口面積が設定されている。
【0030】なお、上記霧化促進孔20cは、図3
(a)に示すものに限らず、例えば図3(b)に示すよ
うに、直径0.5mm程度のものを弁軸20bを対称軸
として9個ずつ計18個設ける等、各種の態様が採用可
能である。
(a)に示すものに限らず、例えば図3(b)に示すよ
うに、直径0.5mm程度のものを弁軸20bを対称軸
として9個ずつ計18個設ける等、各種の態様が採用可
能である。
【0031】また、上記吸入空気量の残り約20%は、
上記スロットルバルブ20のアイドリング開度によって
決定される上記弁板20aの外周面とベンリュリ通路1
7dの内周面との隙間面積を通って流れる。上記各気筒
用スロットルバルブ20の各弁軸20bはスロットルボ
ディ17から外方に突出し、該突出部同士は連結機構を
介して連結されている。そしてこの連結機構21は各ス
ロットルバルブのアイドリング開度の微調整が可能な構
造になっており、このアイドリング開度の微調整によっ
て上記霧化促進孔20cからの空気量の各気筒毎のばら
つきを調整し、もって各気筒へのアイドリング時の空気
量の同調をとり燃焼状態を良好にするようになってい
る。
上記スロットルバルブ20のアイドリング開度によって
決定される上記弁板20aの外周面とベンリュリ通路1
7dの内周面との隙間面積を通って流れる。上記各気筒
用スロットルバルブ20の各弁軸20bはスロットルボ
ディ17から外方に突出し、該突出部同士は連結機構を
介して連結されている。そしてこの連結機構21は各ス
ロットルバルブのアイドリング開度の微調整が可能な構
造になっており、このアイドリング開度の微調整によっ
て上記霧化促進孔20cからの空気量の各気筒毎のばら
つきを調整し、もって各気筒へのアイドリング時の空気
量の同調をとり燃焼状態を良好にするようになってい
る。
【0032】上記燃料噴射弁25は上記スロットルボデ
ィ17の底壁の上記スロットルバルブ20より上流側直
近部分に取り付けられており、該燃料噴射弁25のノズ
ル25aは燃料を、スロットルバルブ20の弁軸20b
に向けて、かつアイドリング開度位置にある弁板20a
の上流側の面に衝突させるようにその位置及び噴射孔形
状が設定されている。また、上記燃料噴射弁25は、ア
イドリング運転域においては、吸入行程で燃料を噴射す
るように構成されている。
ィ17の底壁の上記スロットルバルブ20より上流側直
近部分に取り付けられており、該燃料噴射弁25のノズ
ル25aは燃料を、スロットルバルブ20の弁軸20b
に向けて、かつアイドリング開度位置にある弁板20a
の上流側の面に衝突させるようにその位置及び噴射孔形
状が設定されている。また、上記燃料噴射弁25は、ア
イドリング運転域においては、吸入行程で燃料を噴射す
るように構成されている。
【0033】ここで上記燃料噴射弁25は、カム軸方向
に見たとき、ベンチュリ通路(吸気通路)17dの軸線
Bに対して噴射弁軸線Cが下流側に向けて斜めに交差す
るように配設されている。また上記スロットルバルブ2
0は、上記燃料噴射弁25の軸線Cに対して直角に近く
なる方向に角度θだけ傾斜させて配設されている。
に見たとき、ベンチュリ通路(吸気通路)17dの軸線
Bに対して噴射弁軸線Cが下流側に向けて斜めに交差す
るように配設されている。また上記スロットルバルブ2
0は、上記燃料噴射弁25の軸線Cに対して直角に近く
なる方向に角度θだけ傾斜させて配設されている。
【0034】なお、上記燃料噴射弁25の燃料導入孔2
5b部分には1本の共通の燃料供給レール26が接続さ
れている。該燃料供給レール26は全気筒の燃料噴射弁
に渡る長さを有する筒体であり、該燃料供給レール26
には、燃料配管を介して燃料ポンプ,燃料タンクが接続
されている。
5b部分には1本の共通の燃料供給レール26が接続さ
れている。該燃料供給レール26は全気筒の燃料噴射弁
に渡る長さを有する筒体であり、該燃料供給レール26
には、燃料配管を介して燃料ポンプ,燃料タンクが接続
されている。
【0035】次に本実施形態装置の作用効果について説
明する。本実施形態エンジン1のアイドリング運転状態
では、各気筒用スロットルバルブ20は、各気筒毎に微
調整されたアイドリング開度に保持されている。そして
燃料噴射弁25から噴射された燃料は、噴霧となってス
ロットルバルブ20の上流側の表面面に衝突し、該衝突
の直後、霧化促進孔20cを通って2次噴霧となって下
流側に噴出する。このようにして弁板20aへの燃料の
付着量が大幅に減少し、大部分は2次噴霧となることか
ら、霧化が促進され、アイドリング回転が安定し、アイ
ドリング運転時の振動を防止できると共に、排気ガスを
清浄化できる。
明する。本実施形態エンジン1のアイドリング運転状態
では、各気筒用スロットルバルブ20は、各気筒毎に微
調整されたアイドリング開度に保持されている。そして
燃料噴射弁25から噴射された燃料は、噴霧となってス
ロットルバルブ20の上流側の表面面に衝突し、該衝突
の直後、霧化促進孔20cを通って2次噴霧となって下
流側に噴出する。このようにして弁板20aへの燃料の
付着量が大幅に減少し、大部分は2次噴霧となることか
ら、霧化が促進され、アイドリング回転が安定し、アイ
ドリング運転時の振動を防止できると共に、排気ガスを
清浄化できる。
【0036】図5及び図6は、本実施形態によるアイド
リング運転域での総炭化水素量(THC)削減効果,及
び回転変動率の低減効果を説明するための実験結果を示
す特性図である。図中、実線は従来の霧化促進孔を有し
ないスロットルバルブを備え比較例エンジンの結果を、
一点鎖線,破線はそれぞれ図3(a),(b)に示す直
径0.8mm,0.5mmの霧化促進孔を有するスロッ
トルバルブを備え本実施例エンジンの結果を示す。
リング運転域での総炭化水素量(THC)削減効果,及
び回転変動率の低減効果を説明するための実験結果を示
す特性図である。図中、実線は従来の霧化促進孔を有し
ないスロットルバルブを備え比較例エンジンの結果を、
一点鎖線,破線はそれぞれ図3(a),(b)に示す直
径0.8mm,0.5mmの霧化促進孔を有するスロッ
トルバルブを備え本実施例エンジンの結果を示す。
【0037】図5において、比較例エンジンの場合、空
燃比(A/F)が13.5を越えると炭化水素量が急激
に増大し、三元触媒が正常に機能する空燃比(14.
5)付近では計測器の計測能力を越えて増加している。
一方、本実施形態エンジンの場合、炭化水素量は空燃比
が13〜15に変化しても7000〜7500ppmと
少量で安定していることが判る。
燃比(A/F)が13.5を越えると炭化水素量が急激
に増大し、三元触媒が正常に機能する空燃比(14.
5)付近では計測器の計測能力を越えて増加している。
一方、本実施形態エンジンの場合、炭化水素量は空燃比
が13〜15に変化しても7000〜7500ppmと
少量で安定していることが判る。
【0038】また図6において、比較例エンジンの場
合、空燃比(A/F)が13.5を越えると回転変動率
が急激に上昇し、三元触媒が正常に機能する空燃比(1
4.5)付近では、アイドリング回転時の振動を正常レ
ベルに保ために必要と考えられている回転変動率4.5
%を大きく越え、計測器の計測能力を越えて増加してい
る。一方、本実施形態エンジンの場合、空燃比14.5
の場合にもエンジン回転変動率は4.5%以下であり、
アイドリング回転時の振動が極めて少ないことが判る。
合、空燃比(A/F)が13.5を越えると回転変動率
が急激に上昇し、三元触媒が正常に機能する空燃比(1
4.5)付近では、アイドリング回転時の振動を正常レ
ベルに保ために必要と考えられている回転変動率4.5
%を大きく越え、計測器の計測能力を越えて増加してい
る。一方、本実施形態エンジンの場合、空燃比14.5
の場合にもエンジン回転変動率は4.5%以下であり、
アイドリング回転時の振動が極めて少ないことが判る。
【0039】なお、図5において、比較例エンジンで空
燃比がリーン側に移行するにつれて炭化水素量が増加し
ているのは、空燃比がリーン側に移行するにつれてエン
ジン回転変動率が大きくなっていることから判るように
燃焼が不安定となり、その結果炭化水素量が増大したも
のと考えられる。これに比較して本実施形態の場合、空
燃比がリーン側に移行しても、霧化の促進が図られてい
るため燃焼が安定しており、その結果炭化水素量も増加
しないものと考えられる。
燃比がリーン側に移行するにつれて炭化水素量が増加し
ているのは、空燃比がリーン側に移行するにつれてエン
ジン回転変動率が大きくなっていることから判るように
燃焼が不安定となり、その結果炭化水素量が増大したも
のと考えられる。これに比較して本実施形態の場合、空
燃比がリーン側に移行しても、霧化の促進が図られてい
るため燃焼が安定しており、その結果炭化水素量も増加
しないものと考えられる。
【0040】また本実施形態エンジン1では、上述のよ
うに容積比(ポート容積/気筒毎の排気量)を従来のエ
ンジンより小さくするためにスロットルバルブ20を吸
気弁開口6b側に近づけて配置していることから、吸入
空気量はスロットルバルブ20の開度に敏感に反応す
る。一方、燃料は空気よりも比重(慣性力)が大きい
点、及び燃料噴射弁25をスロットルバルブ20より上
流側に配置している点、から上記空気に比べて燃料の応
答遅れが生じ易い。その結果、無負荷レーシング時に燃
料応答遅れによりエンジンの運転フィーリングが低下し
易い。
うに容積比(ポート容積/気筒毎の排気量)を従来のエ
ンジンより小さくするためにスロットルバルブ20を吸
気弁開口6b側に近づけて配置していることから、吸入
空気量はスロットルバルブ20の開度に敏感に反応す
る。一方、燃料は空気よりも比重(慣性力)が大きい
点、及び燃料噴射弁25をスロットルバルブ20より上
流側に配置している点、から上記空気に比べて燃料の応
答遅れが生じ易い。その結果、無負荷レーシング時に燃
料応答遅れによりエンジンの運転フィーリングが低下し
易い。
【0041】本実施形態エンジン1では、上記スロット
ルバルブ20を急激に開いた場合、吸入空気量の増加に
伴って上記ピストン35の下端面とベンチュリ通路17
dの底面との間を通る空気の流速が高まり、該部分の負
圧がピストン35の閉方向付勢力より高まるとダイヤフ
ラム38がピストン35を引き上げる。このようにして
スロットルバルブ20の急開による吸入空気量の増加速
度が緩慢となり、上述の無負荷レーシングの場合でも燃
料応答性の遅れが緩和され、失火の発生を抑制でき、エ
ンジンの運転(回転)フィーリングの低下を回避でき
る。
ルバルブ20を急激に開いた場合、吸入空気量の増加に
伴って上記ピストン35の下端面とベンチュリ通路17
dの底面との間を通る空気の流速が高まり、該部分の負
圧がピストン35の閉方向付勢力より高まるとダイヤフ
ラム38がピストン35を引き上げる。このようにして
スロットルバルブ20の急開による吸入空気量の増加速
度が緩慢となり、上述の無負荷レーシングの場合でも燃
料応答性の遅れが緩和され、失火の発生を抑制でき、エ
ンジンの運転(回転)フィーリングの低下を回避でき
る。
【0042】そして本実施形態の緩衝バルブ34では、
ピストン35の側壁に負圧抜き孔35bを設けたので、
図4に示すように、スロットル開度が比較的小さい領域
では負圧が上記負圧抜き孔35bから逃げることからピ
ストン35のリフト量があまり増加せず、上述の吸入空
気量の増加速度がより一層緩慢となり、燃料応答遅れが
より一層確実に緩和され、上述の無負荷レーシングの場
合等におけるエンジンの回転フィーリングの低下を回避
できる。なお、スロットル開度が所定開度を越えると上
記負圧抜き孔35bが天壁17eで閉塞され、該負圧抜
き孔35bが存在しない場合と同様の特性をもって吸入
空気量が増加する。
ピストン35の側壁に負圧抜き孔35bを設けたので、
図4に示すように、スロットル開度が比較的小さい領域
では負圧が上記負圧抜き孔35bから逃げることからピ
ストン35のリフト量があまり増加せず、上述の吸入空
気量の増加速度がより一層緩慢となり、燃料応答遅れが
より一層確実に緩和され、上述の無負荷レーシングの場
合等におけるエンジンの回転フィーリングの低下を回避
できる。なお、スロットル開度が所定開度を越えると上
記負圧抜き孔35bが天壁17eで閉塞され、該負圧抜
き孔35bが存在しない場合と同様の特性をもって吸入
空気量が増加する。
【図1】本発明の一実施形態エンジンを搭載した自動二
輪車の模式側面図である。
輪車の模式側面図である。
【図2】上記エンジンの吸気装置部分の断面側面図であ
る。
る。
【図3】上記吸気装置のスロットルバルブを示す模式図
である。
である。
【図4】上記吸気装置の緩衝バルブのスロットル開度−
吸気流量特性図である。
吸気流量特性図である。
【図5】上記実施形態装置の総炭化水素量の削減効果を
説明するための実験結果を示す空燃比−THC特性図で
ある。
説明するための実験結果を示す空燃比−THC特性図で
ある。
【図6】上記実施形態装置の回転変動率の低減効果を説
明するための実験結果を示す空燃比−回転変動率特性図
である。
明するための実験結果を示す空燃比−回転変動率特性図
である。
1 4サイクルエンジン 13,14 カム軸 17d ベンチュリ通路(吸気通路) 20 スロットルバルブ 20c 霧化促進孔 25 燃料噴射弁 34 緩衝バルブ 35 ピストン 35b 負圧抜き孔 38 ダイヤフラム B 吸気通路の軸線 C 燃料噴射弁の軸線 θ スロットルバルブの傾斜角
Claims (6)
- 【請求項1】 燃焼室に連通する吸気通路と、該吸気通
路の途中に介設されたスロットルバルブとを備えた4サ
イクルエンジンの吸気装置において、上記吸気通路のス
ロットルバルブより上流側に燃料噴射弁を、該燃料噴射
弁から噴射された燃料がアイドリング開度のスロットル
バルブの上流側の表面に衝突するように配設し、該スロ
ットルバルブに上記衝突した燃料をスロットルバルブ下
流側に噴出させて霧化を促進する霧化促進孔を複数形成
したことを特徴とする4サイクルエンジンの吸気装置。 - 【請求項2】 請求項1において、上記燃料噴射弁は、
カム軸方向に見たとき、吸気通路の軸線に対して下流側
に向けて斜めに交差するように配設されており、上記ス
ロットルバルブは、上記燃料噴射弁の軸線に対して直角
に近くなる方向に傾斜させて配設されていることを特徴
とする4サイクルエンジンの吸気装置。 - 【請求項3】 請求項1又は2において、上記燃料噴射
弁は、アイドリング運転域では燃料の大部分を吸気行程
で噴射することを特徴とする4サイクルエンジンの吸気
装置。 - 【請求項4】 請求項1ないし3の何れかにおいて、上
記エンジンは、各気筒毎に上記スロットルバルブ及び燃
料噴射弁を備えた複数気筒エンジンであり、各気筒のア
イドリング吸気量の同調を上記スロットルバルブのアイ
ドリング開度の調整により行うことを特徴とする4サイ
クルエンジンの吸気装置。 - 【請求項5】 請求項1ないし4の何れかにおいて、上
記吸気通路の上記スロットルバルブより上流側に、該吸
気通路の面積を該吸気通路内を流れる吸気の状態の変化
に応じて変化させ、吸気流量の増加速度を上記スロット
ルバルブの開速度に対応した吸気流量の増加速度より緩
慢にする緩衝バルブを配設したことを特徴とする4サイ
クルエンジンの吸気装置。 - 【請求項6】 請求項5において、上記緩衝バルブは、
吸気通路内に軸直角方向に出没可能に配置されて吸気通
路面積を変化させるピストンと、該ピストンと吸気通路
底面との間を流れる吸気流の負圧により上記ピストンを
出没させるダイヤフラムとを備えた自動可変ベンチュリ
式のものであり、上記ピストンに該ピストンのリフト量
が所定値に達するまで上記負圧を吸気通路内に逃がす負
圧抜き孔が形成されていることを特徴とする4サイクル
エンジンの吸気装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10243882A JP2000073886A (ja) | 1998-08-28 | 1998-08-28 | 4サイクルエンジンの吸気装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10243882A JP2000073886A (ja) | 1998-08-28 | 1998-08-28 | 4サイクルエンジンの吸気装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000073886A true JP2000073886A (ja) | 2000-03-07 |
Family
ID=17110397
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10243882A Pending JP2000073886A (ja) | 1998-08-28 | 1998-08-28 | 4サイクルエンジンの吸気装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000073886A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2005121541A1 (en) * | 2004-06-14 | 2005-12-22 | Richard James Facer | Induction regulator for an internal combustion engine |
GB2473279A (en) * | 2009-09-08 | 2011-03-09 | Gm Global Tech Operations Inc | Intake system for a charged internal combustion engine comprising a baffle |
JP2013050048A (ja) * | 2011-08-30 | 2013-03-14 | Toshihiko Yamamoto | エンジンの吸気装置 |
-
1998
- 1998-08-28 JP JP10243882A patent/JP2000073886A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2005121541A1 (en) * | 2004-06-14 | 2005-12-22 | Richard James Facer | Induction regulator for an internal combustion engine |
GB2473279A (en) * | 2009-09-08 | 2011-03-09 | Gm Global Tech Operations Inc | Intake system for a charged internal combustion engine comprising a baffle |
GB2473279B (en) * | 2009-09-08 | 2015-09-23 | Gm Global Tech Operations Inc | Internal combustion engine and vehicle comprising the internal combustion engine |
JP2013050048A (ja) * | 2011-08-30 | 2013-03-14 | Toshihiko Yamamoto | エンジンの吸気装置 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20050519 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20080401 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20080805 |