JP2000072799A - チロシンに富むレセプター様タンパク質 - Google Patents

チロシンに富むレセプター様タンパク質

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JP2000072799A JP10237854A JP23785498A JP2000072799A JP 2000072799 A JP2000072799 A JP 2000072799A JP 10237854 A JP10237854 A JP 10237854A JP 23785498 A JP23785498 A JP 23785498A JP 2000072799 A JP2000072799 A JP 2000072799A
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Toshiko Muramatsu
寿子 村松
Takashi Muramatsu
喬 村松
Shinya Ikematsu
真也 池松
Sadatoshi Sakuma
貞俊 佐久間
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ヘパリン結合性成長因子ミッドカインと結合
するタンパク質およびその遺伝子を単離し、さらに、該
タンパク質を利用した医薬品候補化合物のスクリーニン
グ方法を提供することを課題とする。 【解決手段】 ミッドカインを結合したカラムを利用し
たアフィニティークロマトグラフィーを行うことによ
り、ミッドカインに結合する新規なタンパク質を単離す
ることに成功した。さらに、該タンパク質をコードする
遺伝子を単離することにも成功した。さらに、ミッドカ
インおよび該タンパク質を利用して、これらタンパク質
が関連する疾患に対する医薬品候補化合物のスクリーニ
ングを行うことが可能であることを見いだした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ヘパリン結合性成
長因子ミッドカインに結合するタンパク質およびその遺
伝子、並びにそれらの用途に関する。
【0002】
【従来の技術】ミッドカインは、胚性腫瘍細胞の分化の
間のレチノイン酸応答性遺伝子の産物として発見された
(Kadomatsu, K. et al., Biochem. Biophys. Res. Com
mun.,151: 1312-1318 ,1988; Tomomura, M. et al., J.
Biol. Chem., 265: 10765-10770 ,1990)。ミッドカイ
ンはヘパリン結合性の成長因子であり(Tomomura, M.et
al., Biochem. Biophys. Res. Commun., 171: 603-609
,1990)、発癌(Tsutsui, J. et al., Cancer Res., 5
3: 1281-1285 ,1993), 神経の生存および分化(Muramat
su, H. et al., Dev. Biol., 159: 392-402, 1993)、な
らびに組織修復(Yoshida, Y. et al., Dev. Brain Re
s., 85: 25-30 ,1995)、等に関与していると考えられ
ている。発癌との関連では、ミッドカインの高レベル発
現が、様々なヒトの癌で高頻度に観察されている(Tsut
sui, J. et al., Cancer Res., 53: 1281-1285 ,1993;
Garver, R. l. et al., Am. J. Respir. Cell Mol. Bio
l., 9: 463-466 ,1993; Garver, R. l. et al., Cance
r, 74:1584-1590 ,1994; Nakagawara, A. et al., Canc
er Res., 55:1792-1797,1995; Aridome, K. et al.,Jp
n. J. Cancer Res., 86:655-661,1995; Koshizawa, S.
H. et al., Cancer Lett., 111:117-125,1997; Nakanis
hi, T. et al., Obs. & Gyn., 90: 285-290,1997; O'Br
ien, T. et al., Cancer Res., 56:2515-2518,1996)。
ミッドカインはまた、ヒトの結腸直腸組織の前癌病変に
強く発現している。そして、NIH3T3細胞に対して発癌活
性を示す(Kadomatsu, K. et al., Br. J. Cancer, 75:
354-359 ,1997)。この発癌活性に加えて、ミッドカイ
ンは、少なくとも部分的に、線維素溶解活性(プラスミ
ノーゲンアクチベーター活性の増大)(Kojima, S. eta
l., J. Biol. Chem., 270: 9590-9596,1995)および血
管新生活性(Choudhuri,R. et al., Cancer Res., 57 :
1814-9,1997)を介して、発癌過程に関与している可能
性もある。発癌過程におけるミッドカインの生物学的意
義に関する証拠は、次第に蓄積されてきているが、ミッ
ドカインの機能に関する分子機構は、依然不明なままで
ある。
【0003】ミッドカインには、2つの作用形態が考え
られている。1つは、培養皿にコーティングされたミッ
ドカインが、神経細胞の基質への接着と、その生存を促
進する(Muramatsu, H. et al., Dev. Biol., 159: 392
-402 (1993); Kaneda, N. etal., J. Biochem., 119:11
50-1156,1996)ことである。これらの作用形態の生理学
的な意義は、ラットの胚の脳内で分化中の神経細胞が移
動する過程で、ミッドカインが、ラジアル・グリアル・
プロセス(radial glial process)で発現しているとい
う事実からも裏付けられる(Matsumoto, K. et al., De
v. Brain Res., 79: 229-241,1994)。この場合、ミッ
ドカインは、おそらく、そのヘパリン結合性のために、
主に接着分子として機能していると考えられる。なぜな
らば、その接着は、外からのヘパリンの添加によって大
きく阻害されるからである(Kaneda, N. et al., Bioch
em. Biophys. Res. Commun., 220:108-112,1996; Kaned
a, N. et al., J. Biochem., 119:1150-1156,1996)。2
つめは、可溶型ミッドカインはまた、いくつかの初代培
養細胞に対して、神経親和性因子として作用し(Michik
awa, M. et al., J. Neurosci. Res., 35: 530-539,199
3; Kikuchi, S. et al., Neurosci. Lett., 160:9-12,1
993)、また、内皮細胞では、その線維素溶解活性を示
す(Kojima, S. et al., J. Biol. Chem., 270: 9590-9
596,1995)ことである。眼内に注入されたミッドカイン
は、連続光照射の際の網膜細胞の劣化を妨げる(Unoki,
K. et al., Invest. Ophthalmol. Vis. Sci., 35:907-
915,1995)。従って、ミッドカインは、可溶性のリガン
ドとして機能し、その信号は、それ自身の細胞表面のレ
セプター、及び細胞内の信号伝達システムを介して、伝
達されている、と考えられている。
【0004】このように、ミッドカインと発癌や神経細
胞の生存・分化などとの関係は、徐々に明らかにされて
きてはいるものの、ミッドカインからのシグナル伝達に
おけるミッドカインの標的分子については、依然、解明
されていないのが現状である。ミッドカインの標的分子
の解明は、この分子を標的とした癌治療薬などの医薬品
の開発へつながると考えられるため、この分子のいち早
い解明が望まれていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は、ヘ
パリン結合性成長因子ミッドカインと結合するタンパク
質およびその遺伝子を単離し、さらに、該タンパク質を
利用した医薬品候補化合物のスクリーニング方法を提供
することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記課題
を解決すべく鋭意研究を行った結果、ミッドカインを結
合したカラムを利用したアフィニティークロマトグラフ
ィーを行うことにより、野生型ICRマウスの13.5日胚の
抽出液の膜分画から、ミッドカインに結合する新規なタ
ンパク質を単離することに成功した(該タンパク質を
「pp60」と命名した)。さらに、本発明者等は、単離し
たタンパク質のアミノ酸配列を決定し、該アミノ酸配列
に対応するオリゴヌクレオチドプライマーを利用したRT
-PCRを行うことにより、該タンパク質をコードする遺伝
子を単離することにも成功した。さらに、本発明者ら
は、タンパク質の構造につき解析を進めた結果、該タン
パク質が、チロシンに富む領域および膜貫通様配列を有
することを見出した。
【0007】このようにミッドカインと結合する新規な
タンパク質が単離されたことから、本発明者等は、ミッ
ドカインおよび該タンパク質を利用して、これらタンパ
ク質が関連する疾患に対する医薬品候補化合物のスクリ
ーニングを行うことが可能であることを見いだした。
【0008】即ち、本発明は、ミッドカインに結合する
新規なタンパク質およびその遺伝子、並びに該タンパク
質およびミッドカインを利用した医薬品候補化合物のス
クリーニング方法に関し、より具体的には、 (1) 配列番号:1に記載のアミノ酸配列を含み、ミ
ッドカインとの結合活性を有するタンパク質、 (2) 配列番号:1に記載のアミノ酸配列において1
若しくは複数のアミノ酸が置換、欠失、挿入および/ま
たは付加したアミノ酸配列を含み、ミッドカインとの結
合活性を有するタンパク質、 (3) 配列番号:2に記載の塩基配列からなるDNAと
ハイブリダイズするDNAがコードするタンパク質であっ
て、ミッドカインとの結合活性を有するタンパク質、 (4) (1)から(3)のいずれかに記載のタンパク
質をコードするDNA、 (5) (4)に記載のDNAを含有するベクター、 (6) (5)に記載のベクターを保持する形質転換
体、 (7) (6)に記載の形質転換体を培養する工程を含
む、(1)から(3)のいずれかに記載のタンパク質の
製造方法、 (8) (1)から(3)のいずれかに記載のタンパク
質に結合する抗体、 (9) (1)から(3)のいずれかに記載のタンパク
質とミッドカインとの結合を阻害する活性を有する化合
物をスクリーニングする方法であって、(a)被検化合
物の存在下で(1)から(3)のいずれかに記載のタン
パク質またはその部分ペプチドとミッドカインとを接触
させ、該タンパク質またはその部分ペプチドとミッドカ
インとの結合活性を検出する工程、(b)被検化合物の
非存在下において検出した(1)から(3)のいずれか
に記載のタンパク質またはその部分ペプチドとミッドカ
インとの結合活性と比較して、該タンパク質またはその
部分ペプチドとミッドカインとの結合活性を低下させる
化合物を選択する工程、を含む方法、を提供するもので
ある。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明はミッドカインに結合する
新規なタンパク質「pp60」、およびその遺伝子、並びに
それらの用途に関する。本発明者らにより決定された
「pp60」のアミノ酸配列を配列番号:1に、該タンパク
質をコードするcDNAの塩基配列を配列番号:2に示す。
【0010】ミッドカインは、多種類のヒト癌で発現が
増加していることが知られており(Tsutsui J.et al.,C
ancer Res.53:1281-1285(1993))、実際に、小児の腎臓
癌であるウィルムス腫瘍において6例の手術献体のすべ
てがミッドカインを高発現していたとの報告例がある。
また、肝癌や食道癌において、非癌部ではミッドカイン
は発現せず、癌部でしばしば強い発現が認められること
が報告されている(Aridome.K.et al.,Jpn.J.Cancer Re
s.,86:655-661(1995))。大腸癌や胃癌においては、大
部分の場合、癌部の方が非癌部よりもミッドカインの発
現が高いことが報告されている。肺癌(Garver, R. l.
et al., Cancer, 74: 1584-1590 (1994))、乳癌(Garv
er, R. l. et al., Am. J. Respir. Cell Mol. Biol.,
9: 463-466 (1993))、ニューロブラストーマ(Nakagaw
ara, A. et al., Cancer Res., 55: 1792-1797 (199
5))においてもミッドカインの発現の増加が見いだされ
ている。最近になりミッドカインとPleiotrophinが血管
新生や転移に関与していることを示唆する報告もなされ
た(Rangana.C.et al.,Cancer Res.,57,1814-1819(199
7))。「pp60」がミッドカインに結合するという事実
は、「pp60」がこれらミッドカインの機能に関与してい
ることを示唆するものであり、「pp60」は癌治療薬や癌
転移予防剤を開発するための非常に重要な標的である。
【0011】「pp60」は、天然のタンパク質の他、遺伝
子組み換え技術を利用した組換えタンパク質として調製
することができる。天然のタンパク質は、例えば、「pp
60」が発現する野生型ICRマウスの13.5日胚の細胞抽出
液若しくはその膜画分に対し、実施例1に記載したよう
にミッドカイン結合カラムを利用したアフィニティーク
ロマトグラフィーを行うことにより、また抗ミッドカイ
ン抗体や後述する抗「pp60」抗体を用いて免疫沈降を行
うことにより調製することが可能である。一方、組換え
タンパク質は、後述するように「pp60」をコードするDN
Aで形質転換した細胞を培養することにより調製するこ
とが可能である。
【0012】本発明の「pp60」をコードするDNAとして
は、該タンパク質をコードしうるものであれば特に制限
はなく、cDNA、ゲノムDNAの他、合成DNAも含まれる。
「pp60」cDNAは、例えば、実施例1に記載したように精
製した「pp60」の部分アミノ酸配列(N末端配列)をフ
ェニルイソチオシアネート法(PITC法、Edman分解法)
により決定し、コドン表より決定した1つ、またはそれ
以上の合成オリゴヌクレオチドを作製し、32Pラベル
したプローブでマウス胎児の胚より作製したcDNAライブ
ラリーをスクリーニングすることによって調製すること
ができる。cDNAが得られれば、同様のゲノムライブラリ
ーをスクリーニングすることによってゲノムDNAを調製
することも可能である。
【0013】これらDNAは、「pp60」を組換えタンパク
質として生産するために利用することができる。即ち、
「pp60」をコードするDNAを適当な発現ベクターに挿入
し、該ベクターを適当な細胞に導入して得た形質転換体
を培養し、発現させたタンパク質を精製することにより
「pp60」を組換えタンパク質として調製することが可能
である。「pp60」組み換えタンパク質の生産に用いられ
る宿主−ベクター系における宿主としては、大腸菌、酵
母、昆虫細胞、動物細胞等が考えられ、それぞれ用いる
ベクターが特定される。ベクターとしては、例えば、酵
母ではpHIL-D1,pHIL-D4などが挙げられる。ベクターの
宿主への導入方法としては、生物学的方法、物理的方
法、化学的方法などが考えられる。生物学的方法として
は、例えば、ウイルスベクターを使用する方法、特異的
受容体を利用する方法、細胞融合法(HVJ(センダイウ
イルス、ポリエチレングリコール(PEG)、電気的細胞
融合法、微少核融合法(染色体移入))が挙げられる。
また、物理的方法としては、マイクロインジェクション
法、エレクトロポレーション法、ジーンパーティクル
(gene gun)が挙げられる。化学的方法としては、リン
酸カルシウム沈殿法、リポソーム法、DEAEデキストラン
法、プロトプラスト法、赤血球ゴースト法、赤血球膜ゴ
ースト法、マイクロカプセル法が挙げられる。組換えタ
ンパク質の精製方法としては、公知の方法、例えば、イ
オン交換カラム、アフィニティーカラム等を利用する方
法などが用いられる。最終的には、精製MK抗原を固相化
したアフィニティーカラムを通して精製すると好まし
い。
【0014】また、「pp60」をコードするDNAは、「pp6
0」と同等の機能を有するタンパク質を単離するために
用いることも可能である。例えば、当業者であれば、公
知の方法を用いて天然型の「pp60」中のアミノ酸の置換
などを適宜行い、天然型のタンパク質と同等の機能を有
する改変タンパク質を調製することが可能である。当業
者に公知のアミノ酸を改変する方法としては、例えば、
部位特異的変異誘発(Site-Directed Mutagenesis)、
インビトロ変異誘発(in vitro Mutagenesis)による方
法が挙げられる。部位特異的変異誘発については、「Ol
igonucleotide-directed Dual Amber」法(文献:Hashi
moto-Gotoh,T.,et al.(1995)Gene 152,271-275.,Zolle
r,M.J. and Smith,M.(1983)Methods in Enzymology 10
0,468.,広瀬 進(1986)続生化学実験講座1「遺伝子研
究法II」105.,Ausubel,F.M.,et al.(1987)Current Prot
ocols In Molecular Biology 1.6.1-1.6.10.)、「Gapp
edduplex」法(文献:Kramer,W.,et al.(1984)Nucl.Aci
ds Res.12,9441.,Kramer,W. and Frits,H.J.(1987)Meth
ods in Enzymology 154,350.)、「Kunkel」法(文献:
Kunkel,T.A.(1985)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 82,488.,Ku
nkel,T.A.,et al.(1987)Methods in Enzymology 154,36
7.)などが挙げられ、インビトロ変異誘発については、
「LA PCR in vitro Mutagenesis」(文献:Ito,W.,Ishi
guro,H. andKurosawa,Y.(1991)Gene 102,67-70.)など
が挙げられる。改変されるアミノ酸の個数は、「pp60」
の活性が保持される限り特に制限はないが、通常、30ア
ミノ酸以内であり、好ましくは10アミノ酸以内であり、
さらに好ましくは3アミノ酸以内である。また、アミノ
酸の変異は、自然界において生じることもある。このよ
うな「pp60」においてアミノ酸が変異したタンパク質も
本発明に含まれる。
【0015】また、「pp60」と同等の機能を有するタン
パク質は、ハイブリダイゼーション技術(例えば、Samb
rook,J.,Fritsh,E.F.,Maniatis,T.(eds):Molecular Clo
ning,2nd ed.,Cold Spring Harbor Laboratory,1989、G
ubler,U.,Hoffman,B.J.:Gene,25:263-269,1983、Hanaha
n,D.:J.Mol.Biol.,166:557-580,1983参照)などを用い
て、「pp60」をコードするDNA配列またはその一部を基
に、ヒトを含む種々の生物からこれと相同性の高いDNA
を単離し、該DNAから「pp60」と同等の機能を有するタ
ンパク質を得ることもできる。このようなタンパク質を
コードするDNAを得るためのハイブリダイゼーション条
件は、好ましくは上記文献「Sambrook,J.,Fritsh,E.F.,
Maniatis,T.(eds):Molecular Cloning,2nd ed.,Cold Sp
ring Harbor Laboratory,1989」に記載のストリンジェ
ントなハイブリダイゼーション条件である。これにより
得られるDNAは、通常、「pp60」(配列番号:2)をコ
ードするDNAと高い相同性を有する。高い相同性とは、
アミノ酸レベルにおいて、通常、50%以上の相同性、好
ましくは、70%以上の相同性、さらに好ましくは90%以
上の相同性を指す。本発明には、このように「pp60」の
アミノ酸配列と高い相同性を有するアミノ酸配列を有す
るタンパク質も含まれる。
【0016】また、本発明は、「pp60」に結合する抗体
に関する。「pp60」に結合する抗体は、当業者に公知の
方法により調製することが可能である。ポリクローナル
抗体は、例えば、以下のような方法により作成すること
ができる。適当な方法で生産した組換え「pp60」をフロ
イントの完全アジュバント(FCA)と等量混合し、均一
な乳濁液(エマルジョン)を得る。これをウサギ(ニュ
ージーランドホワイト、2500〜3000gr.)の70%アルコ
ール綿で消毒した皮下10ケ所程度に注入し、初回免疫と
する。2回目以降の免疫には、アジュバントとしてフロ
イントの不完全アジュバント(FIA)を使用する。免疫
は、2週間に1回の割合で行い、3回目の免疫終了後、1週
間経過したところで、予備採血を行う。得られた血液を
4℃、1600回転で遠心し、血清を得る。この血清中の「p
p60」に対する抗体価を測定する。抗体価の充分な上昇
が確認されたら、計4〜5回の免疫終了後、全採血を実施
する。得られた血液は、同様に4℃、1600回転で遠心
し、血清とする。この血清をプロテインAを利用して精
製する。プロテインA精製後、「pp60」を固相化したア
フィニティー精製用カラムを利用して、抗血清のアフィ
ニティー精製を行う。このような過程でウサギ抗「pp6
0」ポリクローナル抗体の作製は行われる。但し、免疫
動物は、ウサギに限定されるものではなく、同様な手法
で様々な動物に免疫して抗体を得ることが可能である。
一方、モノクローナル抗体は、ケーラーとミルスタイン
の方法(Kohler, G. and C. Milstein, Nature 256: 49
5-497 (1975))によって作成することができる。
【0017】これにより調製された抗体は、「pp60」の
アフィニティー精製のために用いられる他、ミッドカイ
ンの発現異常などに起因する疾患の抗体治療などに利用
することが可能である。抗体治療に用いる場合には、ヒ
ト化抗体もしくはヒト抗体であることが好ましい。ヒト
化抗体は、例えば文献(野口浩、東隆親:抗体工学によ
るキメラ抗体の作製とその応用、Medical Immunol. 22
: 628-638 , 1991、野口浩:キメラ抗体・ヒト型化抗
体の原理と臨床応用、医学のあゆみ 167 :457-462 , 1
993、中谷知右、野口浩:抗体のヒト化、ファルマシア
33 : 24-28 , 1997)記載の方法により、またヒト抗
体は、例えば、文献(Chothia,C. et al.,Nature,324,8
77(1989)、Roguska,M.L. et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.
U.S.A.,91,969(1994)、Winter,G. et al.,Annu.Rev.Imm
unol.,12,433(1994)、Lonberg,N. et al.,Nature,368,8
56(1994))記載の方法により調製することが可能であ
る。
【0018】また、本発明は、本発明のタンパク質とミ
ッドカインとの結合を阻害する化合物のスクリーニング
方法に関する。このスクリーニング方法は、(a)被検
化合物の存在下で本発明のタンパク質またはその部分ペ
プチドとミッドカインとを接触させ、これらタンパク質
またはその部分ペプチドとミッドカインとの結合活性を
検出する工程、(b)被検化合物の非存在下において検
出した本発明のタンパク質またはその部分ペプチドとミ
ッドカインとの結合活性と比較して、これらタンパク質
またはその部分ペプチドとミッドカインとの結合活性を
低下させる化合物を選択する工程、を含む。
【0019】これらのスクリーニング方法の基礎となる
結合実験(binding assay)は、当業者であれば、文献に
記載の方法、例えば、「“受容体の性質と測定”増殖因
子とその受容体(新生化学実験講座7)、日本生化学会
編、p236-267、東京化学同人、(1991)」、「Schumache
r,R.et al.:J.Biol.Chem.266:19288-19295,1991」等に
準じて実施できる。その原理は、放射性同位元素(radio
isotope)で標識ラベルした薬物を用いて、組織より得ら
れた単一細胞、ホモジネート、或いは膜分画に含まれる
受容体への結合の様式を解明するものである。被検化合
物としては、細胞抽出液としてのタンパク質、精製タン
パク質、もしくはペプチド、人工的に合成された低分子
化合物、などが挙げられるが、これらに制限されない。
これにより単離される化合物としては、受容体に結合す
るアゴニスト、アンタゴンニスト等があげられるが、結
合実験においては、これらを総称して、リガンド(ligan
d)と呼ぶことが多い。これにより単離された化合物は、
癌の治療薬や癌転移予防剤として利用しうるのみなら
ず、炎症性疾患(特願平9-205332)、アルツハイマー病
(Yasuhara,O. et al., Biochem. Biophys. Res.Commun.
192 : 246-251,1993)などの治療薬を開発する標的とし
ても重要であると考えられる。
【0020】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。
【0021】[実施例1] ミッドカイン結合タンパク
質の同定 ミッドカインは、マウスの13日胚に豊富に発現している
(Mitsiadis,T.A.etal.:Development,121:37-51,1995;K
adomatsu,K.et al.:J.Cell Biol.110:607-616,1990)た
め、マウスの13日胚は、ミッドカインの結合タンパク質
を同定するのに、適切な材料である。ICR妊娠マウス10
匹より13日胚の胎児を取り出し、すり鉢ですりつぶし、
10mM CHAPSで可溶化した。この可溶化して得た膜分画を
ヒトミッドカインを結合したセファロースカラムにかけ
た。20mM Tris-HCl(pH7.5),2MNaCl,2mM EDTA及びプロテ
アーゼインヒビター(ベーリンガー株式会社)を含むバ
ッファーで溶出した。その後、イオン交換カラムである
Qセファロースに通した。0.5M NaClで溶出した。この溶
出物をSDS-PAGEで分画し、各バンドをトリプシンで In
Gel Digestion した。この処理によって生じたペプチド
をHPLC(MAGIC 2002;Michrom BioResources,Inc.)で分
離した。HPLCで分取した各分画をアミノ酸シークエンサ
ーにかけて、アミノ酸配列を決定した。アミノ酸配列を
決定したものを各々、コンピューターを使用したホモロ
ジー検索にかけた。ここで、全く既存のものとはホモロ
ジーを有さない新規なアミノ酸配列を持つものが一つ得
られた。これについては、そのアミノ酸配列に基づいて
DNAを合成した。種々のアミノ酸配列より、クラボウ株
式会社にDNA合成を依頼した。RT-PCRに使用したもの
は、N末端側「NFIQYFHK/配列番号:3」及び、C末端側
「FLSPVVPNYDNVHPNYHKEPFLQ配列番号:4」でそれぞ
れ、N末端側のDNA合成(センス)「5'-AAYTTYATHCARTAY
TTYCA-3'/配列番号:5」とC末端側のDNA合成(アンチ
センス)「5'-TTNGGRTGNACRTTRTCRTA-3'/配列番号:
6」であった。この合成したDNAをプライマーとして、
マウス13日胚より調製したRNAを鋳型としてRT-PCRを実
施した。PCRに使用したTaq polymeraseは、Ampli-Taq-D
NA polymerase(PERKIN ELMER)であった。ここで得られ
たcDNAをプローブとすることとした。スクリーニングし
たライブラリーは、Clontech社から購入したマウスcDNA
ライブラリーで、Mouse-7day embryo 5'-stretch plus
cDNAと Mouse-11day embryo 5'-stretch plus cDNA の2
種類であった。スクリーニングによって得られたクロー
ンをプライマーとしてprimer M13(アロカ社)、キット
としてAmersham社のThermo Sequenase fluorescentlabe
lled primer cycle sequencing kit with 7-deaza-dGTP
(RPN2538)を使用し、LI-COR 社のDNAシーケンサーを用
いて核酸配列のシークエンシングを行い、その塩基配列
を決定した。塩基配列決定と新規性を確認するためのホ
モロジー・サーチには、コンピューターとしてIBM Pers
onal Computer 350 を用い、ソフトウェアとして BaseI
magIR Version 2.30 を使用した。
【0022】得られた遺伝子は、配列番号:2に示す配
列を有し、推定された分子量は63789であった。この推
定分子量は、本MK結合タンパク質のSDS-PAGEの結果と一
致した。
【0023】また、このタンパク質は、全体の約10%が
チロシンであり、さらに241番目のアミノ酸から14アミ
ノ酸に膜貫通様配列を有した(図1)。
【0024】[実施例2] MK結合タンパク質の発現様
式 実施例1で確認されたMK結合タンパク質の発現について
In situ ハイブリダイゼーション法を用いて確認し
た。 (1)プローブの調製 プローブは図1に示したcDNAの261番目から1452番目ま
での約1.2kbを用いた。これをBluescript KS II(Str
atagene,CA)のSmaI部位に挿入した。DIG RNAラベリン
グキット(Boehringer Mannheim,Mannheim,Germany)を
使用して Digoxigenin-11-UTP-labeled single-strand
RNA を作製した。このプローブは、実際に使用するまで
−80℃に保存した。 (2)胚または組織の固定 In situ ハイブリダイゼーション法用の固定液には、
4%パラホルムアルデヒド、2%グルタルアルデヒド、
ブアン(飽和ピクリン酸水溶液(1.2%):氷酢酸:ホルマ
リン(37%ホルムアルデヒド)=75:5:25)、エタノール
/酢酸(95/5)などが挙げられるが、本実験において
は4%パラホルムアルデヒドを使用して固定を行った。
マウスをネンブタールで麻酔後、10mLの生理食塩水で灌
流し、続いて50mLの4%パラホルムアルデヒド(リン酸緩
衝溶液)で固定した。脳、他の器官そして胚は取り出
し、4%パラホルムアルデヒド(リン酸緩衝溶液)に一昼
夜、4℃で固定した。 (3)切片の作製 十分に固定された組織または胚を全自動包埋機を利用し
てパラフィン包埋した。まず、組織または胚をリン酸緩
衝液で洗浄した(2時間以上)。続いて、以下のように
プログラムした全自動包埋機にかけた。即ち、70%エタ
ノールで2時間処理、次いで80%エタノールで2時間処
理、次いで90%エタノールで2時間処理、次いで100%エ
タノールで2.5時間処理、次いで100%エタノールで2.5時
間処理、次いで100%エタノールで3時間処理、次いでキ
シレンで2時間処理、次いで100%キシレンで2時間処理、
次いで100%キシレンで3時間処理、次いでパラフィンで4
時間(56℃〜60℃)処理、次いでパラフィンで3.5時間
(56℃〜60℃)処理をプログラムした。この工程を完了
した後、パラフィンブロックとし、厚さ5μmの切片を作
製し、シランコートされたスライドグラス上に貼り付
け、伸展させた。(4)組織切片用 in situ ハイブリ
ダイゼーション法の実施in situ ハイブリダイゼーショ
ンは、キット(ISHR Starting Kit (ニッポンジー
ン))に添付されているプロトコールに従って実施し
た。なお、このキットには、コントロール用組織切片、
RNAプローブ調製用試薬、エタノール沈殿用試薬、アル
カリ加水分解バッファー、コントロールプローブ調製用
鋳型DNA、In situ ハイブリダイゼーション法用試薬(1
1種類)が既に準備されている。
【0025】まず、準備したスライドグラス(パラフィ
ン切片)を脱パラフィンした。次に、プロテアーゼ処理
を行った。続いてアセチル化した後、プレハイブリダイ
ゼーションを行った。(1)で準備したプローブを切片
にかけ、パラフィルムでカバーした。次いで、ハイブリ
ダイゼーションを行った。パラフィルムを除去し、洗浄
した。RNA分解酵素処理を行い、洗浄した。最後に、シ
グナルの検出を行った。その結果、ミッドカインの発現
が強く見られる時期に中枢神経系、特に大脳皮質、海馬
などで「pp60」の発現が認められた。また、ミッドカイ
ンは歯芽の形成に強く関与しているが、「pp60」も歯芽
の部分に強く発現していることが認められた。このよう
なことから「pp60」は、マウスの発生過程においてミッ
ドカインと協調する形で発現していることが明らかとな
った(図2〜4)。
【0026】
【発明の効果】本発明によりヘパリン結合性成長因子ミ
ッドカインと結合するタンパク質およびその遺伝子、並
びにこれらを利用した医薬品候補化合物のスクリーニン
グ方法が提供された。これにより新たな癌治療薬や癌転
移予防剤、抗炎症剤、アルツハイマー病治療薬などの開
発が可能になると考えられる。
【配列表】 SEQUENCE LISTING <110> MEIJI MILK PRODUCTS CO.,LTD. TAKASHI MURAMATSU <120> Tyrosin rich receptor like protein. <130> M1-005 <140> <141> <160> 6 <170> PatentIn Ver. 2.0 <210> 1 <211> 540 <212> PRT <213> Mus musculus <400> 1 Met His Thr Gly Asp Pro Lys Gln Asp Leu Ala Tyr Glu Arg Gln Tyr 1 5 10 15 Glu Gln Gln Thr Tyr Gln Val Ile Pro Glu Val Ile Lys Asn Phe Ile 20 25 30 Gln Tyr Phe His Lys Thr Val Ser Asp Leu Ile Asp Gln Lys Val Tyr 35 40 45 Glu Leu Gln Ala Ser Arg Val Ser Ser Asp Val Ile Asp Gln Lys Val 50 55 60 Tyr Glu Ile Gln Asp Ile Tyr Glu Asn Ser Trp Thr Lys Leu Thr Glu 65 70 75 80 Arg Phe Phe Lys Asn Thr Pro Trp Pro Glu Ala Glu Ala Ile Ala Pro 85 90 95 Gln Val Gly Asn Asp Ala Val Phe Leu Ile Leu Tyr Lys Glu Leu Tyr 100 105 110 Tyr Arg His Ile Tyr Ala Lys Val Ser Gly Gly Pro Ser Leu Glu Gln 115 120 125 Arg Phe Glu Ser Tyr Tyr Asn Tyr Cys Asn Leu Phe Asn Tyr Ile Leu 130 135 140 Asn Ala Asp Gly Pro Ala Pro Leu Glu Leu Pro Asn Gln Trp Leu Trp 145 150 155 160 Asp Ile Ile Asp Glu Phe Ile Tyr Gln Phe Gln Ser Phe Ser Gln Tyr 165 170 175 Arg Cys Lys Thr Ala Lys Lys Ser Glu Gly Glu Met Asp Phe Leu Arg 180 185 190 Ser Asn Pro Lys Val Trp Asn Val His Ser Val Leu Asn Val Leu His 195 200 205 Ser Leu Val Asp Lys Ser Asn Ile Asn Arg Gln Leu Glu Val Tyr Thr 210 215 220 Ser Gly Gly Asp Pro Glu Ser Val Ala Gly Glu Tyr Gly Arg His Ser 225 230 235 240 Leu Tyr Lys Met Leu Gly Tyr Phe Ser Leu Val Gly Leu Leu Arg Leu 245 250 255 His Ser Leu Leu Gly Asp Tyr Tyr Gln Ala Ile Lys Val Leu Glu Asn 260 265 270 Ile Glu Leu Asn Lys Lys Ser Met Tyr Ser Arg Val Pro Glu Cys Gln 275 280 285 Val Thr Thr Tyr Tyr Tyr Val Gly Phe Ala Tyr Leu Met Met Arg Arg 290 295 300 Tyr Gln Asp Ala Ile Arg Val Phe Ala Asn Ile Leu Leu Tyr Ile Gln 305 310 315 320 Arg Thr Lys Ser Met Phe Gln Arg Thr Thr Tyr Lys Tyr Glu Met Ile 325 330 335 Asn Lys Gln Asn Glu Gln Met His Ala Leu Leu Ala Ile Ala Leu Thr 340 345 350 Met Tyr Pro Met Arg Ile Asp Glu Ser Ile His Leu Gln Leu Arg Glu 355 360 365 Lys Tyr Gly Asp Lys Met Leu Arg Met Gln Lys Gly Asp Pro Gln Val 370 375 380 Tyr Glu Glu Leu Phe Ser Tyr Ala Cys Pro Lys Phe Leu Ser Pro Val 385 390 395 400 Val Pro Asn Tyr Asp Asn Val His Pro Asn Tyr His Lys Glu Pro Phe 405 410 415 Leu Gln Gln Leu Lys Val Phe Ser Asp Glu Val Gln Gln Gln Ala Gln 420 425 430 Leu Ser Thr Ile Arg Ser Phe Leu Lys Leu Tyr Thr Thr Met Pro Val 435 440 445 Ala Lys Leu Ala Gly Phe Leu Asp Leu Thr Glu Gln Glu Phe Arg Ile 450 455 460 Gln Leu Leu Val Phe Lys His Lys Met Lys Asn Leu Val Trp Thr Ser 465 470 475 480 Gly Ile Ser Ala Leu Asp Gly Glu Phe Gln Ser Ala Ser Glu Val Asp 485 490 495 Phe Tyr Ile Asp Lys Asp Met Ile His Ile Ala Asp Thr Lys Val Ala 500 505 510 Arg Arg Tyr Gly Asp Phe Phe Ile Arg Gln Ile His Lys Phe Glu Glu 515 520 525 Leu Asn Arg Thr Leu Lys Lys Met Gly Gln Arg Pro 530 535 540 <210> 2 <211> 1891 <212> DNA <213> Mus musculus <220> <221> CDS <222> (98)..(1720) <400> 2 cacgggcttc tggagcgccg tagccatgtc ttaccccgct gatgactacg agtctgaggc 60 tgcttatgat ccctacgcct acccgggcga ctatgat atg cac aca gga gat ccg 115 Met His Thr Gly Asp Pro 1 5 aag cag gac ctt gcc tat gag cgg cag tat gag cag cag aca tat cag 163 Lys Gln Asp Leu Ala Tyr Glu Arg Gln Tyr Glu Gln Gln Thr Tyr Gln 10 15 20 gtg ata ccg gaa gtg atc aaa aac ttc atc cag tac ttc cac aag acc 211 Val Ile Pro Glu Val Ile Lys Asn Phe Ile Gln Tyr Phe His Lys Thr 25 30 35 gtc tcc gat ttg att gac cag aag gtg tac gag ctt cag gcc agc cgc 259 Val Ser Asp Leu Ile Asp Gln Lys Val Tyr Glu Leu Gln Ala Ser Arg 40 45 50 gtc tcg agt gat gtc att gac cag aag gtg tac gag atc cag gac att 307 Val Ser Ser Asp Val Ile Asp Gln Lys Val Tyr Glu Ile Gln Asp Ile tac gag aac agc tgg acc aag cta act gaa agg ttc ttc aag aat aca 355 Tyr Glu Asn Ser Trp Thr Lys Leu Thr Glu Arg Phe Phe Lys Asn Thr 75 80 85 ccg tgg cct gag gca gaa gca att gca ccc caa gtt ggc aat gat gca 403 Pro Trp Pro Glu Ala Glu Ala Ile Ala Pro Gln Val Gly Asn Asp Ala 90 95 100 gta ttc cta att ttg tac aaa gaa ttg tac tac agg cat att tac gcc 451 Val Phe Leu Ile Leu Tyr Lys Glu Leu Tyr Tyr Arg His Ile Tyr Ala 105 110 115 aaa gtc agt ggg ggt ccc tcc tta gaa cag agg ttc gaa tct tat tac 499 Lys Val Ser Gly Gly Pro Ser Leu Glu Gln Arg Phe Glu Ser Tyr Tyr 120 125 130 aac tac tgc aat ctc ttc aac tac atc ctc aat gcg gat gga cct gcg 547 Asn Tyr Cys Asn Leu Phe Asn Tyr Ile Leu Asn Ala Asp Gly Pro Ala 135 140 145 150 ccc ctt gaa ctc ccc aac cag tgg ctc tgg gac atc atc gat gag ttc 595 Pro Leu Glu Leu Pro Asn Gln Trp Leu Trp Asp Ile Ile Asp Glu Phe 155 160 165 atc tac cag ttc cag tca ttc agt cag tac cgc tgc aag acg gcc aag 643 Ile Tyr Gln Phe Gln Ser Phe Ser Gln Tyr Arg Cys Lys Thr Ala Lys 170 175 180 aag tca gag gga gag atg gac ttc ctt agg tcc aac cct aaa gtc tgg 691 Lys Ser Glu Gly Glu Met Asp Phe Leu Arg Ser Asn Pro Lys Val Trp 185 190 195 aac gtg cac agc gtc ctc aac gtg ctg cac tcc ctg gtg gac aag tcc 739 Asn Val His Ser Val Leu Asn Val Leu His Ser Leu Val Asp Lys Ser 200 205 210 aac atc aac cgg cag ctg gag gtc tac acc agc gga ggt gac ccg gaa 787 Asn Ile Asn Arg Gln Leu Glu Val Tyr Thr Ser Gly Gly Asp Pro Glu 215 220 225 230 agt gta gct ggg gag tat gga cga cac tcc ctc tac aag atg ctc ggc 835 Ser Val Ala Gly Glu Tyr Gly Arg His Ser Leu Tyr Lys Met Leu Gly 235 240 245 tac ttc agc ctg gtg ggg ctt ctg cgc ctg cat tct cta ctg ggg gat 883 Tyr Phe Ser Leu Val Gly Leu Leu Arg Leu His Ser Leu Leu Gly Asp 250 255 260 tac tac cag gct atc aag gtg ctg gag aat atc gag ctg aac aag aaa 931 Tyr Tyr Gln Ala Ile Lys Val Leu Glu Asn Ile Glu Leu Asn Lys Lys 265 270 275 agc atg tat tcc cgt gtg cct gag tgc cag gtc acc acc tac tat tat 979 Ser Met Tyr Ser Arg Val Pro Glu Cys Gln Val Thr Thr Tyr Tyr Tyr 280 285 290 gtt ggc ttt gcg tat tta atg atg cgt cga tat cag gat gct atc cga 1027 Val Gly Phe Ala Tyr Leu Met Met Arg Arg Tyr Gln Asp Ala Ile Arg 295 300 305 310 gtc ttt gcc aac atc ctc ctg tac atc cag agg acc aag agt atg ttc 1075 Val Phe Ala Asn Ile Leu Leu Tyr Ile Gln Arg Thr Lys Ser Met Phe 315 320 325 cag agg acc aca tac aaa tat gaa atg att aac aag cag aac gag cag 1123 Gln Arg Thr Thr Tyr Lys Tyr Glu Met Ile Asn Lys Gln Asn Glu Gln 330 335 340 atg cat gct ctg ctg gcc att gct ctc acc atg tac ccg atg cgg atc 1171 Met His Ala Leu Leu Ala Ile Ala Leu Thr Met Tyr Pro Met Arg Ile 345 350 355 gac gag agc ata cac ctc cag ctg cgg gag aaa tac ggg gac aag atg 1219 Asp Glu Ser Ile His Leu Gln Leu Arg Glu Lys Tyr Gly Asp Lys Met 360 365 370 ctg cgc atg cag aag ggg gac ccc cag gtc tat gag gaa ctt ttc agc 1267 Leu Arg Met Gln Lys Gly Asp Pro Gln Val Tyr Glu Glu Leu Phe Ser 375 380 385 390 tat gcc tgc ccc aag ttc ctg tcg cct gtg gtg cca aac tac gac aat 1315 Tyr Ala Cys Pro Lys Phe Leu Ser Pro Val Val Pro Asn Tyr Asp Asn 395 400 405 gtc cat cct aac tac cac aaa gag ccc ttc ctg cag cag ctg aag gtg 1363 Val His Pro Asn Tyr His Lys Glu Pro Phe Leu Gln Gln Leu Lys Val 410 415 420 ttt tcc gat gag gtg cag cag cag gcc cag ctc tcc acc atc cgc agc 1411 Phe Ser Asp Glu Val Gln Gln Gln Ala Gln Leu Ser Thr Ile Arg Ser 425 430 435 ttc ctc aag ctc tac acc acc atg cct gtg gcc aag ctg gcc ggc ttc 1459 Phe Leu Lys Leu Tyr Thr Thr Met Pro Val Ala Lys Leu Ala Gly Phe 440 445 450 ctg gac ctc acc gag cag gag ttc cgc atc cag ctg ctc gtc ttc aag 1507 Leu Asp Leu Thr Glu Gln Glu Phe Arg Ile Gln Leu Leu Val Phe Lys 455 460 465 470 cac aag atg aag aat ctg gtg tgg acc agt ggc att tct gcc cta gat 1555 His Lys Met Lys Asn Leu Val Trp Thr Ser Gly Ile Ser Ala Leu Asp 475 480 485 ggc gaa ttc cag tcg gcc tcg gag gtg gac ttc tat att gat aag gac 1603 Gly Glu Phe Gln Ser Ala Ser Glu Val Asp Phe Tyr Ile Asp Lys Asp 490 495 500 atg atc cat att gca gac acc aaa gtt gcc aga cgc tat ggg gat ttc 1651 Met Ile His Ile Ala Asp Thr Lys Val Ala Arg Arg Tyr Gly Asp Phe 505 510 515 ttt atc cga cag atc cac aag ttt gaa gag ctt aat cga acc ctg aag 1699 Phe Ile Arg Gln Ile His Lys Phe Glu Glu Leu Asn Arg Thr Leu Lys 520 525 530 aag atg gga cag agg ccc tga agatactcat ccacgagtca agaacctgtt 1750 Lys Met Gly Gln Arg Pro 535 540 ttgatattat agatgggaag cattcttgtc accaagaagc cttacctaag tcagccgtca 1810 gctgaattga aacttgttca aatcaaggac tggatgtttt aaggcgctct cagtaaaggg 1870 tctttgttgg aaaaaaaaaa a 1891 <210> 3 <211> 8 <212> PRT <213> Mus musculus <400> 3 Asn Phe Ile Gln Tyr Phe His Lys 1 5 <210> 4 <211> 23 <212> PRT <213> Mus musculus <400> 4 Phe Leu Ser Pro Val Val Pro Asn Tyr Asp Asn Val His Pro Asn Tyr His Lys Glu Pro Phe Leu Gln 20 <210> 5 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Artificially Synthesized Primer Sequence <400> 5 aayttyathc artayttyca <210> 6 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Artificially Synthesized Primer Sequence <400> 6 ttnggrtgna crttrtcrta
【図面の簡単な説明】
【図1】MK結合タンパク質の疎水性及び親水性を示した
図である。
【図2】妊娠8日目と11.5日目の胚と子宮における「pp6
0」mRNAの発現について示した図である。AとDとGとH
は、ヘマトキシリン・エオジン染色したものである。B
とEとIとJは、「pp60」のcDNAと逆向きのプローブでIn
situハイブリダイゼーションを行った結果である。CとF
は、「pp60」のcDNAと同じ向きのプローブでIn situハ
イブリダイゼーションを行った結果である。DとEの四角
で囲んだ部分は、GとIに強拡大して示している。Jの矢
印で示した部分は、空洞帯と介在帯の境界部分である。
図中の略語について説明する。ecは外胚葉、ectは外胎
盤円錐、edは内胚葉、hは心臓、imzは介在帯、liは肝
臓、mは下顎、mesは中脳、myは髄脳(菱脳の後部)、sg
は脊髄神経節、spは脊髄、teは終脳、vhは腹側角、vzは
空洞帯を意味する。図中の棒の長さは、100μmに相当す
る。
【図3】マウス13.5日全胚の連続切片での「pp60」mRNA
の発現を示した図である。Aはヘマトキシリン・エオジ
ン染色の結果を示した図である。Bは「pp60」のcDNAと
逆向きのプローブでIn situハイブリダイゼーションを
行った結果である。Cは「pp60」のcDNAと同じ向きのプ
ローブでIn situハイブリダイゼーションを行った結果
である。図中の略語については、bは脳、fは顔の突起、
hは心臓、iは腸、liは肝臓、mは下顎、oは嗅覚器、tは
尻尾を意味する。図中の棒の長さは、500μmに相当す
る。
【図4】マウス妊娠13.5日目、15日目及び17日目胚の様
々な組織での「pp60」mRNAの発現について示した図であ
る。BとDとEとFは、ヘマトキシリン・エオジン染色した
結果を示したものである。AとCとGとHとIとKとLは、「p
p60」のcDNAと逆向きのプローブでIn situハイブリダイ
ゼーションした結果である。また、Jは、「pp60」のcDN
Aと同じ向きのプローブでIn situハイブリダイゼーショ
ンした結果である。AとBとCは、13.5日胚の脳と歯での
染色性を示した図である。DとGとKは、15.5日胚の胸腺
と腸での染色性を示した図である。EとFとHとIとJとL
は、17.5日胚の歯とホイスカー(ひげ)根と脳での染色
性を示した図である。Aは、後外套皮質におけるpp60mRN
Aの発現を示した図である。Cにおける矢印は、エナメル
質上皮での「pp60」mRNAの発現を示した図である。Iに
おける矢印は、ホイスカー(ひげ)根の皮質細胞での
「pp60」mRNAの発現を示した図である。図中の略語につ
いて説明する。cは皮質、cxは大脳皮質、deは歯の上
皮、dmは歯の間充織、dpは歯の乳頭状間充織、hiは海
馬、ideは内エナメル上皮、inは腸、irsは内根鞘、obは
嗅球、orsは外根鞘、thは胸腺を意味する。図中の棒の
長さは、100μmに相当する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12N 15/09 ZNA C12Q 1/02 C12P 21/02 G01N 33/15 Z C12Q 1/02 33/566 G01N 33/15 C12N 5/00 B 33/566 15/00 ZNAA (72)発明者 村松 喬 愛知県名古屋市天白区天白町大字平針字黒 石2845−161 (72)発明者 池松 真也 神奈川県小田原市成田540番地 明治乳業 株式会社細胞工学センター内 (72)発明者 佐久間 貞俊 神奈川県小田原市成田540番地 明治乳業 株式会社細胞工学センター内 Fターム(参考) 4B024 AA01 AA11 AA12 BA63 CA04 DA06 EA04 GA11 HA15 4B063 QA20 QQ79 QX07 4B064 AG20 BA15 CA02 CA19 CC24 DA01 DA05 DA14 4B065 AA26X AA91Y AB01 BA02 CA24 CA44 CA46 4H045 AA10 AA11 AA20 AA30 CA46 DA51 DA76 DA86 EA51 FA74 HA06

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 配列番号:1に記載のアミノ酸配列を含
    み、ミッドカインとの結合活性を有するタンパク質。
  2. 【請求項2】 配列番号:1に記載のアミノ酸配列にお
    いて1若しくは複数のアミノ酸が置換、欠失、挿入およ
    び/または付加したアミノ酸配列を含み、ミッドカイン
    との結合活性を有するタンパク質。
  3. 【請求項3】 配列番号:2に記載の塩基配列からなる
    DNAとハイブリダイズするDNAがコードするタンパク質で
    あって、ミッドカインとの結合活性を有するタンパク
    質。
  4. 【請求項4】 請求項1から3のいずれかに記載のタン
    パク質をコードするDNA。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載のDNAを含有するベクタ
    ー。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載のベクターを保持する形
    質転換体。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載の形質転換体を培養する
    工程を含む、請求項1から3のいずれかに記載のタンパ
    ク質の製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項1から3のいずれかに記載のタン
    パク質に結合する抗体。
  9. 【請求項9】 請求項1から3のいずれかに記載のタン
    パク質とミッドカインとの結合を阻害する活性を有する
    化合物をスクリーニングする方法であって、(a)被検
    化合物の存在下で請求項1から3のいずれかに記載のタ
    ンパク質またはその部分ペプチドとミッドカインとを接
    触させ、該タンパク質またはその部分ペプチドとミッド
    カインとの結合活性を検出する工程、(b)被検化合物
    の非存在下において検出した請求項1から3のいずれか
    に記載のタンパク質またはその部分ペプチドとミッドカ
    インとの結合活性と比較して、該タンパク質またはその
    部分ペプチドとミッドカインとの結合活性を低下させる
    化合物を選択する工程、を含む方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004085642A1 (ja) * 2003-03-27 2004-10-07 Takashi Muramatsu 関節炎関連遺伝子及びこれの関節炎検査等への利用

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WO2004085642A1 (ja) * 2003-03-27 2004-10-07 Takashi Muramatsu 関節炎関連遺伝子及びこれの関節炎検査等への利用

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