JP2000071087A - ガルバノ位置補正方法及びレーザ加工機 - Google Patents

ガルバノ位置補正方法及びレーザ加工機

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JP2000071087A
JP2000071087A JP10246672A JP24667298A JP2000071087A JP 2000071087 A JP2000071087 A JP 2000071087A JP 10246672 A JP10246672 A JP 10246672A JP 24667298 A JP24667298 A JP 24667298A JP 2000071087 A JP2000071087 A JP 2000071087A
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健 宗行
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直文 日野
Shuzo Kaino
修三 戒能
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ガルバノミラー制御装置に入力する数値デー
タを短時間で効率的に補正し、高精度の加工を生産性良
く行うことができるガルバノ位置補正方法と、その補正
方法を利用したレーザ加工方法及びレーザ加工機を提供
する。 【解決手段】 XYガルバノミラーを用いてレーザ光線
を平面上で走査させるときの位置補正方法において、先
に設定された幾何学的な走査歪みの補正を含む補正デー
タと、各時点においてレーザ照射位置測定結果により算
出したガルバノ位置検出センサの経時変化データの2つ
のデータを合わせて照射位置を補正するようにし、各時
点の補正時にはレーザ照射位置測定によってガルバノ位
置検出センサの経時変化データを算出するだけでよいよ
うにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、XYガルバノミラ
ーを用いてレーザ光線を走査する際のガルバノ位置補正
方法と、その補正方法を利用したレーザ加工方法及びレ
ーザ加工機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、被加工物の穴あけ、切断、溶
接などにレーザ加工技術が採用されており、特にレーザ
穴加工技術は、ドリル工法に比較して高速、高精度、高
密度加工が可能であることから、高密度配線回路基板に
スルーホール等の穴を加工するのに好適に採用されてい
る。
【0003】XYガルバノミラーを用いたレーザ加工機
では、照射位置決めを行うガルバノミラー制御装置に照
射位置を表す数値データを入力して加工している。ま
た、レーザ光線をその照射平面上で走査したときに生じ
る幾何学的な走査歪みを補正して高精度の加工を担保す
るために、平面上へのレーザ光線照射位置を測定し、そ
の測定結果に基づいてガルバノミラー制御装置に入力す
る数値データを補正している。この方法の詳細は、特開
平8−174256号公報に開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、ガルバノミ
ラーを用いたレーザ走査系では、その多くがガルバノ位
置検出センサに静電容量センサを用いており、その特性
上、温度や湿度や経時変化によるゲイン変動で位置決め
誤差を生じさせることになる。その中で、温度や湿度は
空調により一定に管理することができ、誤差を無くすこ
とができるが、経時変化については管理することができ
ず、それによる誤差を無くすことはできないという問題
があった。
【0005】しかるに、近年は加工平面上でミクロン単
位の正確なレーザ照射位置決めが必要とされており、こ
の経時変化による誤差が問題となってきている。
【0006】このため、従来は上記特開平8−1742
56号公報に開示された方法による補正を定期的に繰り
返していたが、その補正毎にレーザ光線を平面上に走査
したときに生じる幾何学的な走査歪みを含めた位置誤差
の測定を行うため、測定作業及び補正データを作成する
データ処理に多くの時間がかかってしまい、生産性の低
下を来すという問題があった。
【0007】本発明は、上記従来の問題点に鑑み、ガル
バノミラー制御装置に入力する数値データを短時間で効
率的に補正し、高精度の加工を生産性良く行うことがで
きるガルバノ位置補正方法と、その補正方法を利用した
レーザ加工方法及びレーザ加工機を提供することを目的
としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明のガルバノ位置補
正方法は、XYガルバノミラーを用いてレーザ光線を平
面上で走査させるときの位置補正方法において、先に設
定された幾何学的な走査歪みの補正を含む補正データ
と、現時点においてレーザ照射位置測定結果により算出
したガルバノ位置検出センサの経時変化データの2つの
データを合わせて照射位置を補正するものであり、現時
点の補正時にレーザ照射位置測定によってガルバノ位置
検出センサの経時変化データを算出するだけでよいの
で、短時間で簡単にデータ補正ができ、補正作業を定期
的にかつ頻度良く行っても生産性が低下せず、高精度の
加工を生産性良く行うことができる。
【0009】また、本発明のレーザ加工方法は、XYガ
ルバノミラーを用いてレーザ光線を平面上で走査させて
所望の加工位置をレーザ加工するレーザ加工方法におい
て、先に設定された幾何学的な走査歪みの補正を含む加
工位置の補正データと、現時点においてレーザ照射位置
測定結果により算出したガルバノ位置検出センサの経時
変化データの2つのデータを合わせて加工位置を補正し
て加工するものであり、上記のように高精度のレーザ加
工を生産性良く行うことができる。
【0010】また、本発明のレーザ加工機は、XYガル
バノミラーを用いてレーザ光線を平面上で走査させて所
望の加工位置をレーザ加工するレーザ加工機であって、
先に設定された幾何学的な走査歪みの補正を含む加工位
置の補正データと、現時点においてレーザ照射位置測定
結果により算出したガルバノ位置検出センサの経時変化
データの2つのデータを合わせて加工位置を補正して加
工するようにしたものであり、上記のように高精度のレ
ーザ加工を生産性良く行うことができる。
【0011】また、XYガルバノミラーと、レーザ光線
が照射される加工対象物を搭載して移動させるXYステ
ージと、XYステージの上部に配設された認識カメラと
を備え、レーザ加工位置の測定を可能とすると、XYス
テージの移動により任意の加工位置を認識して簡単に精
度良くレーザ照射位置を測定することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態のレー
ザ加工機におけるデータ補正方法について、図1〜図5
を参照して説明する。
【0013】まず、従来と共通の幾何学的なレーザ走査
歪みの補正方法について、図1を参照して説明する。図
1(a)に示すように、加工対象物である基板1上に設
定された一辺の長さL(例えば、50mm)の正方形の
領域内に等間隔マトリックス状に座標点2を配列し、そ
の座標点2の座標値に基づいた数値データをレーザ加工
機のガルバノミラー制御装置7(図2参照)に入力し、
基板1上にレーザ光線を照射し、穴あけを行う。穴あけ
を行った結果を図1(b)に示す。そして、加工したそ
れぞれの穴3の位置を穴位置測定機によって測定し、穴
3の位置の測定結果と座標点2の座標値を比較処理する
ことにより、歪んだ形状と元の正方形との差分を求め、
幾何学的なレーザ走査歪みを補正している。
【0014】図2において、ガルバノミラー4は、広い
駆動角20°とμラジアンオーダーの位置決め精度と、
高速位置決めを必要とされるため、ガルバノ位置検出セ
ンサとして、ガルバノミラーシャフトに回転角を検知す
る静電容量センサ5が取付けられ、その検出信号をガル
バノミラー4に流す電流を制御するドライバ6にフィー
ドバックするように構成されている。また、ドライバ6
に対してはガルバノミラー制御装置7から目標の回転角
度を指令するように構成され、静電容量センサ5の検出
信号はガルバノミラー制御装置7にはフィードバックさ
れず、指令後の時間経過で位置決め完了とみなしてい
る。
【0015】特開平8−174256号公報に開示され
ている補正方法においては、前回の位置決めデータを使
って上記のように補正をかけており、その補正データの
中にガルバノメータ4の位置決め再現性の影響が含まれ
ている。ガルバノメータ4に搭載された静電容量センサ
5は、温度変化、湿度変化、経時変化で再現性が崩れて
しまうため、測定結果から得られる補正データを定期的
に更新して精度を保つ必要があるが、このとき補正デー
タの更新されるべき部分は、ガルバノメータ4の位置決
め再現性のずれ量であり、幾何学的走査歪みの補正につ
いては定期的に行う必要がない。従来の補正方法では、
定期的補正に冗長が発生していることになり、定期的補
正作業が生産性に影響を与えていることになる。
【0016】本実施形態では静電容量センサ5の経時変
化によるガルバノメータ4の位置決め再現性の影響のみ
を簡単に測定して補正をかけるようにしている。すなわ
ち、幾何学的走査歪みの補正を含む補正を行った直後の
図3(a)に示すような加工位置測定結果と、数日〜1
ケ月後の図3(b)に示すような加工位置測定結果を比
較すると、等間隔にマトリックス状に配列された加工穴
3がX軸方向に拡大された位置精度変動を起こしてい
る。勿論、縮小の場合もあり、Y軸方向も同様である。
これは、ガルバノの経時変化及びカルバノの動作頻度に
よる自己発熱量差が原因と考えられ、原点を中心として
XY方向に縮小、拡大の変動を起こすことになる。そこ
で、拡大縮小の位置ずれに対して、拡大縮小率を参照点
の平均により算出し、前回測定した幾何学的な走査歪み
補正のための位置測定結果に、この拡大縮小率を加算す
ることにより、現時点の補正データを作成し、ガルバノ
ミラー制御装置7に入力する照射位置を表す数値データ
を補正する。
【0017】次に、具体構成例について図4、図5を参
照して説明する。図4は、CO2 レーザ穴あけ加工機を
示す。CO2 レーザ8の出射口9から出射されたレーザ
光は、適宜に配設されたベンドミラーやハーフミラーを
介して光路10を通って左右一対配設されたXYガルバ
ノミラー11に入射される。このXYガルバノミラー1
1にてXY方向にレーザ光が走査され、XYステージ1
2上に保持された被加工物である基板1上にレーザ光を
照射して穴あけ加工が行われる。14はXYステージ1
2上で、供給された基板1を平面状に規制して吸着保持
する基板保持ユニットである。
【0018】この加工機は、500mm×350mm寸
法の基板1がマトリックス状に配列された50mm×5
0mmの矩形の領域に区分され、XYガルバノミラー1
1に搭載された2枚のガルバノミラーの角度を変化させ
ることにより、各矩形領域内の任意の穴位置にレーザ光
を照射させ、またそれぞれの矩形領域の移動はXYステ
ージ12により行い、基板1上の任意の位置にレーザ照
射できるように構成されている。また、対物レンズを組
み合わせたCCDカメラ13がXYステージ12の上部
に配設されており、XYステージ12の移動により任意
の加工穴3の画像を認識装置(図示せず)に取り込ん
で、加工穴3の位置精度を確認できるように構成されて
いる。
【0019】次に、以上の構成によるガルバノ経時変化
に対する補正方法を、図5のフローチャートを参照して
説明する。補正作業は、定期的又は周期的に行う。ま
ず、補正をかけた基準マトリックスの加工を行い、CC
Dカメラ13と認識装置でその穴位置の測定を行い、図
3(b)の拡大縮小の度合いを確認する。予め決めてお
いた精度管理範囲ならば、OKと見なして生産を続行す
る。範囲外であれば、作業者が選択するための選択項目
15を適宜表示部に表示する。1つ目の選択項目は再測
定モード、2つ目は補正データを更新するゲイン補正モ
ード、3つ目は強制終了モードである。
【0020】再測定モードでは、穴位置測定が再度起動
し、精度管理範囲の判断がなされ、再度作業者の確認が
できる。
【0021】ゲイン補正モードでは、穴位置測定での結
果により、X軸、Y軸方向に拡大、縮小された位置の変
動分を算出し、この変動分のデータと、現存する幾何学
的な走査歪みを補正する位置測定結果に基づいた補正デ
ータを合わせて補正データを更新し、再度基準マトリッ
クス加工、穴位置測定を行う。ガルバノゲイン変動要因
で発生した精度管理範囲外の精度劣化はこのモードを実
行することにより精度管理範囲内に納めることができ、
生産開始できる。
【0022】強制終了モードは、ゲイン補正モードを幾
度となく繰り返しても精度がでない場合、また明らかに
光軸がずれた等のガルバノゲインの要因でない精度不良
が補正作業中に判明した場合に選択する。このときは、
装置トラブルとして、他の精度管理範囲に入らない原因
を突き止める必要がある場合であり、メンテナンスを行
う。
【0023】
【発明の効果】本発明のガルバノ位置補正方法によれ
ば、以上のように先に設定された幾何学的な走査歪みの
補正を含む補正データと、現時点においてレーザ照射位
置測定結果により算出したガルバノ位置検出センサの経
時変化データの2つのデータを合わせて照射位置を補正
するので、現時点の補正時にはレーザ照射位置測定によ
ってガルバノ位置検出センサの経時変化データを算出す
るだけでよく、従って短時間で簡単にデータ補正がで
き、補正作業を定期的にかつ頻度良く行っても生産性が
低下せず、高精度の加工を生産性良く行うことができ
る。
【0024】また、本発明のレーザ加工方法及びレーザ
加工機によれば、上記ガルバノ位置補正方法に基づいて
加工位置を補正して加工するので、上記のように高精度
のレーザ加工を生産性良く行うことができる。
【0025】また、XYガルバノミラーと、レーザ光線
が照射される加工対象物を搭載して移動させるXYステ
ージと、XYステージの上部に配設された認識カメラと
を備え、レーザ加工位置の測定を可能とすると、XYス
テージの移動により任意の加工位置を認識して簡単に精
度良くレーザ照射位置を測定することができ、さらに生
産性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態における幾何学的なレーザ
走査歪みの補正方法の説明図であって、(a)は加工位
置の座標点を示す平面図、(b)は穴あけ加工を行った
結果の平面図である。
【図2】同実施形態におけるレーザ加工機におけるガル
バノ制御系のブロック図である。
【図3】同実施形態におけるガルバノ位置検出センサの
経時変化に対する補正方法の説明図であって、(a)は
従来の補正を行った直後の加工位置を示す平面図、
(b)はガルバノゲイン変動の影響が現れた状態の位置
測定結果を示す平面図である。
【図4】同実施形態を適用したレーザ加工機の概略構成
を示し、(a)は平面図、(b
【図5】同実施形態における補正作業のフローチャート
である。
【符号の説明】
4 ガルバノミラー 5 静電容量センサ(ガルバノ位置検出センサ) 11 XYガルバノミラー 12 XYステージ 13 認識カメラ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G02B 26/10 G02B 26/10 A H01S 3/00 H01S 3/00 B (72)発明者 宗行 健 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 日野 直文 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 戒能 修三 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 2F063 AA35 BA21 BA27 BD06 CA13 DA01 DB04 HA00 ZA01 ZA02 2F065 AA03 BB02 CC01 FF04 JJ03 JJ26 PP02 QQ31 2H045 AB13 AB43 AB53 DA31 4E068 CA09 CC02 CC06 CD06 5F072 AA05 KK15 MM09 MM17 YY06

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 XYガルバノミラーを用いてレーザ光線
    を平面上で走査させるときの位置補正方法において、先
    に設定された幾何学的な走査歪みの補正を含む補正デー
    タと、現時点においてレーザ照射位置測定結果により算
    出したガルバノ位置検出センサの経時変化データの2つ
    のデータを合わせて照射位置を補正することを特徴とす
    るガルバノ位置補正方法。
  2. 【請求項2】 XYガルバノミラーを用いてレーザ光線
    を平面上で走査させて所望の加工位置をレーザ加工する
    レーザ加工方法において、先に設定された幾何学的な走
    査歪みの補正を含む加工位置の補正データと、現時点に
    おいてレーザ照射位置測定結果により算出したガルバノ
    位置検出センサの経時変化データの2つのデータを合わ
    せて加工位置を補正して加工することを特徴とするレー
    ザ加工方法。
  3. 【請求項3】 XYガルバノミラーを用いてレーザ光線
    を平面上で走査させて所望の加工位置をレーザ加工する
    レーザ加工機であって、先に設定された幾何学的な走査
    歪みの補正を含む加工位置の補正データと、現時点にお
    いてレーザ照射位置測定結果により算出したガルバノ位
    置検出センサの経時変化データの2つのデータを合わせ
    て加工位置を補正して加工するようにしたことを特徴と
    するレーザ加工機。
  4. 【請求項4】 XYガルバノミラーと、レーザ光線が照
    射される加工対象物を搭載して移動させるXYステージ
    と、XYステージ上に配設された認識カメラとを備え、
    レーザ加工位置の測定を可能としたことを特徴とする請
    求項3記載のレーザ加工機。
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