JP2000071004A - 圧延機用ロール冷却方法及びその冷却設備 - Google Patents

圧延機用ロール冷却方法及びその冷却設備

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JP2000071004A
JP2000071004A JP10242836A JP24283698A JP2000071004A JP 2000071004 A JP2000071004 A JP 2000071004A JP 10242836 A JP10242836 A JP 10242836A JP 24283698 A JP24283698 A JP 24283698A JP 2000071004 A JP2000071004 A JP 2000071004A
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roll
cooling
nozzle
rolling mill
nozzles
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JP10242836A
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English (en)
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Koji Shiina
孝次 椎名
Mitsuo Nihei
充雄 二瓶
Kenjiro Narita
健次郎 成田
Minoru Igari
実 猪狩
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Hitachi Ltd
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Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】スプレーノズルから噴射される冷却水を用いて
ロールを冷却するに際し、その冷却性能を向上すること
にある。 【解決手段】冷却水をロール表面に噴射するノズルを複
数備えた圧延機用ロールの冷却設備において、任意のノ
ズル流量密度Wcで冷却性能がピーク値付近となるよう
に、該圧延機用ロールとノズルとの距離Hと、ロール軸
方向のノズル設置間隔Xと設定してノズルを配置するこ
とを特徴とする。 【効果】ロール冷却性能の向上、特に、冷却の均一化が
図れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、圧延機用ロールの
冷却に関し、特に、スプレーノズルを備えた圧延機用ロ
ール冷却設備及びその冷却方法に係わる。
【0002】
【従来の技術】従来の圧延機用ロール冷却設備は、ヘッ
ダー側面に設置された多数のノズルから高圧スプレー水
をロールへ供給するスプレー冷却方式であり、水膜均質
効果やノズル配置が考慮されていないものであった。
【0003】従来、特公昭60−18490 号公報に記載のよ
うに、熱間圧延機では、上下のワークロールによって、
高温(約1100℃)の圧延板材を圧下する。この際、
圧延板材からワークロールに対して、熱伝導,加工熱あ
るいは摩擦熱等により、多量の熱が流入される。そし
て、このような圧延設備は、通常、約3〜7つの圧延機
スタンドを備えた圧延機列であり、前述した圧延は3〜
7回程度繰り返されて、最終的な薄板へと圧下される。
なお、スプレー冷却方法の長所は、圧延設備の点から見
たメンテナンスフリーである。
【0004】一方、世の中のニーズにより、熱間圧延機
の高能率化,ダウンサイジング化、そして職場の3K防
止等が叫ばれ、これら技術のトレンドからロールへ流入
する熱負荷は益々増大する。
【0005】そのため、各スタンド毎にストリップ板材
からロールへの流入熱はロール内部への熱伝導の前に、
ロール表面上で除去する必要がある。ところが、従来技
術では、スプレー水冷却ノズルは、設備メンテナンス上
の問題によって、圧延機用ワークロールから数100mm
離れた位置にしか設置できない。
【0006】その結果、ストリップ出側直後のワークロ
ールの表面高温部を冷却することが困難であり、スプレ
ー水が衝突する際のロール表面温度は冷却性能の悪い遷
移沸騰や膜沸騰状態を形成する高温の状態となってい
る。そして、スプレーノズルから噴射された水膜の端部
では冷却性能が悪く、その結果ロール温度分布及び冷却
性能とも悪い状態となる。
【0007】また、大量に供給された冷却水がほとんど
飛散水となってロール周りの大気中へ流出し、またロー
ル表面に形成される薄い蒸気膜を成長させるためにのみ
使われ、本来の高圧スプレー水による衝突冷却を有効に
活用することができず、ロール冷却に対して寄与されな
い点が考えられる。
【0008】その結果、ロール軸方向温度分布の不均一
が生じ、圧延ロールに圧化されたストリップ板材の中央
が熱膨張変形によるサーマルクラウンを生じ、品質保障
の点から改良の余地が考えられる。
【0009】また、高温(300℃〜800℃)のスト
リップ薄板表面へ飛散水が飛び散り、ストリップ板材の
板幅方向温度分布の不均一化による品質保障に関しても
改善する必要がある。
【0010】連続熱間圧延機やミニホットのような高効
率圧延システムにおいては、ストリップ材からロールへ
の熱流入が極めて大きくなり、この熱負荷増大に対応し
た冷却性能向上が必須である。
【0011】この性能向上のためには、ロールの性能向
上及びロール軸方向温度分布の均一化の二点が最も重要
である。また、圧延冷却システムに関しても、冷却水の
閉ループ化による完全回収が望ましい。
【0012】そこで、以上の圧延機用ロール冷却性能を
向上するための技術課題として、有効な冷却装置及び当
該装置の設置法やシステム構成を検討し、さらにロール
表面温度を低下させ、しかも均一にすることが望まれ
る。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術では、ロ
ール外部からのスプレー水冷却で高温ストリップ材から
ロールへの熱伝導及び加工熱による流入熱を除熱してい
る。しかし、熱間圧延機の連続化に伴うロールへの熱負
荷増大やミニホット用強圧下、小径ロール化への熱負荷
増大に対する冷却方法が配慮されておらず、ロール表面
及び内部温度上昇やこれに伴うロール軸方向温度分布の
不均一化によるストリップ材のサーマルクラウン発生に
よる品質低下などの課題が考えられる。
【0014】また、従来は、ロール衝突後の冷却水が表
面温度800℃から300℃のストリップ板材表面へ飛
散するので、ストリップ材の温度分布の不均一化のため
に生ずる品質確保に関しても、水切り板等を別途設置し
て対応していた。ところが、ロール及びストリップ材と
も高温面のため、表面上に形成された熱抵抗の大きな蒸
気膜を除去するために冷却水の圧力,流量により冷却性
能を制御する必要がある。
【0015】今後、ミニホットの開発においては、高圧
下ロール及びストリップ冷却領域の短縮化のため、表面
温度300℃以上の膜沸騰領域における冷却性能の向上
及び制御技術が極めて重要となる。
【0016】このように、圧延機用ロール部材に最適ノ
ズル配置により熱伝達率のピーク値を含んでスプレー水
膜均質効果による冷却性能向上及びロール軸方向温度分
布の均一化を図り、ロール軸方向温度分布の不均一化に
よる熱膨張変形に伴うストリップ材のサーマルクラウン
の発生を抑制する。さらに、外部スプレー水による冷却
装置に開放パッド機構を設置し、ロール表面に衝突した
冷却水の飛散水を抑制し、また発生蒸気を極力回収する
セミクローズド冷却システムを構成し、ロール部材及び
ストリップ材の長寿命化及び高品質性を確保することが
望まれる。
【0017】そして、熱間圧延システムのロールにおい
て、特に連続熱間圧延時にスプレーノズルを熱伝達率の
ピーク値を含んで最適に配置させることにより冷却性能
を向上させてロール軸及び周方向の温度分布の均一化を
図り、また系外への飛散水及び発生蒸気を抑制し、さら
に高温ストリップ材表面へ冷却水が供給されるのを抑制
し、ロール材の長寿命化,ストリップ材の高品質を図る
ことが望まれる。
【0018】本発明の目的は、スプレーノズルから噴射
される冷却水を用いてロールを冷却するに際し、その冷
却性能を向上することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明の圧延機用ロール
の冷却設備は、冷却水をロール表面に噴射するノズルを
複数備えた圧延機用ロールの冷却設備において、任意の
ノズル流量密度Wcで冷却性能がピーク値付近となるよ
うに、該圧延機用ロールとノズルとの距離Hと、ロール
軸方向のノズル設置間隔Xと設定してノズルを配置する
ことを特徴とする。
【0020】或いは、本発明の圧延機用ロールの冷却設
備は、冷却水をロール表面に噴射するノズルを複数備え
た圧延機用ロールの冷却設備において、任意のノズル流
量密度Wcで冷却性能がピーク値付近となるように、該
圧延機用ロールとノズルとの距離Hと、ロール軸方向の
ノズル設置間隔Xとを設定するとともに、該圧延機用ロ
ールへの平均熱伝達率hmの変化率が小さくなるように
ロール直径の変化に基づき前記距離H及び前記ノズル設
置間隔Xとを再設定して該ノズルを配置することを特徴
とする。
【0021】或いは、本発明の圧延機用ロールの冷却設
備は、冷却水をロール表面に噴射するノズルを複数備え
た圧延機用ロールの冷却設備において、下記(式1)に
基づき冷却性能を予測できうるように、0.3≦Pc≦
1.5MPa,5.0×10-3≦Wc≦5.0×10-13
/s.m2,0≦X≦175mm,100≦H≦500mmの
範囲で該ノズルを設置することを特徴とする。
【0022】 hm=aPcbWcc(X/H)d …(式1) 但し、hm:ロール表面の平均熱伝達率,Pc:スプレ
ー水の噴射圧力,Wc:スプレー水の流量密度,X:ロ
ール軸方向のノズル設置間隔,H:ロールとノズルとの
距離,a:定数,b:定数,c:定数,d:定数 或いは、本発明の圧延機用ロールの冷却設備は、冷却水
をロール表面に噴射するノズルを複数備えた圧延機用ロ
ールの冷却設備において、下記の(式2),(式3),
(式4)を満足するように、ノズル間隔Xを、スプレー
水膜の短径方向の水膜干渉境界値Xcrit以上、且つ局所
熱伝達率hxがロール軸方向に対する平均熱伝達率hm
よりも大きな範囲となるXmax 以下に設定して該ノズル
を配置することを特徴とする。
【0023】 H≦sin(γ)/(2tan(β/2))X …(式2) H≧100mm …(式3) X≦Xmax …(式4) 但し、2b:スプレー水膜の短径方向の幅,β:スプレ
ー水膜の短径方向の拡がり角度,γ:ロール軸方向とス
プレー水膜長径方向の傾き角度。
【0024】また、本発明の圧延機用ロールの冷却方法
は、複数のノズルから冷却水をロール表面に噴射してロ
ールを冷却する圧延機用ロールの冷却方法において、ノ
ズル流量密度を任意のWcとして、ロール直径の変化に
基づき前記距離H及び前記ノズル設置間隔Xとを調整し
て、該圧延機用ロールへの平均熱伝達率hmの変化率を
小さくして該ロールを冷却することを特徴とする。
【0025】
【発明の実施の形態】ロール冷却用スプレーノズルを、
同種あるいは異種ノズルに関わらずに、ストリップの出
側及び入側のロール軸及び周方向に少なくとも2段以上
に設置する。その際、熱伝達率のピーク値を含んで最適
にノズルを設置する。また、圧延機用ロール部材の外部
に設置されたスプレー冷却装置に開放パッド機構を設
け、ロール外部への冷却水及び発生蒸気の飛散水を極力
低減することが望ましい。この開放パッド機構により、
圧延設備周りの環境を改善するとともに、高圧スプレー
水による衝突冷却と開放パッド機構による対流冷却の併
用により、ロール軸及び周方向の冷却性能を一様化し、
ロール材及びストリップ材の長寿命化,高品質化を図る
ようにすることができる。
【0026】また、ロール軸及び周方向に高圧スプレー
ノズルを最適に配置することにより、ロール表面上でス
プレー水膜端部での冷却性能低下を改善する高流量密度
化とし、ロール軸及び周方向の温度分布を均一化し、さ
らに冷却性能を向上させることができる。
【0027】また、回転ロールの冷却方法として、スプ
レーノズルに加え、ヘッダーに開放パッド機構を設置す
る。そして、本機構の設置により、ロール軸及び周方向
の表面及び内部温度分布を均一化させる。これにより、
ストリップ材に発生するサーマルクラウンを抑制するこ
とができる。
【0028】従来、ストリップからロールへの加工熱や
熱伝導による流入熱が発生し、ロールの表面温度はスト
リップ中央部で急激な温度上昇を生じ、端部ではゆるや
かな温度上昇となる。そして、高温ロールをスプレー水
で冷却するとロール表面温度が冷却水と直接接触し、冷
却性能の悪い膜沸騰あるいは遷移沸騰となる可能性があ
る。
【0029】そこで、ロール軸方向全体をカバーするよ
うに配置された開放パッド機構により、ロール軸方向の
冷却性能を調整し、ロール温度分布の均一化を図ること
が可能である。その結果、ロールにより圧下されたスト
リップ板材は温度差に基づく熱膨張変形から生ずるサー
マルクラウンの発生を抑制することにより、高品質なス
トリップ材を提供することができる。
【0030】一方、数段のワークロールやストリップ薄
板は高圧スプレー冷却水により強制的に冷却された後、
材料から除熱して昇温した冷却水、あるいは高温材表面
上で発生した蒸気はそのまま大気中へ放出されて、圧延
設備周りに付着し、材料劣化や鉄鋼設備内環境を悪化さ
せている可能性がある。すなわち、冷却現象から見る
と、ロールやストリップの表面温度は膜沸騰領域となり
従来の流量や圧力制御で容易に温度制御が可能な領域で
はない。
【0031】そこで、冷却性能の障害となる約20〜3
0μmのほぼ安定な蒸気膜に対して、高圧スプレーノズ
ル及び開放パッド機構を介して冷却水膜と蒸気との境界
へ不安定流れを外乱として付加し、高温材と冷却材との
固液接触を強制的に付与することにより、容易に冷却速
度を調整することが可能である。
【0032】また、材料の品質に関係する板幅方向の温
度分布の均一化も容易に行える。すなわち、ロール及び
ストリップ材のように表面温度が200〜300℃以上
の高温材料の冷却においては、冷却性能の悪い膜沸騰領
域での冷却現象であるため、材料の温度分布の均一化を
図るには高流量密度冷却方式とシール機構のない開放パ
ッド機構を用いるのが良好である。
【0033】熱抵抗である蒸気膜を極力破断し、冷却性
能を容易に向上することができる本発明方式は、従来の
冷却設備及びハード構成を大幅に変えることなく、最適
スプレーノズル配置と開放パッド機構のみで冷却性能向
上及び温度管理が行える最も容易な冷却手段である。
【0034】以上の点から、高流量密度化を形成する最
適スプレー冷却方式に加えて開放パッド機構を設置する
ことにより、セミクローズド冷却システムを確立する有
効な冷却方式である。これらの作用により、ロール軸方
向温度分布の不均一化に基づくストリップ材のサーマル
クラウン発生を抑制し、またロール表面からの冷却水の
飛散水及び発生蒸気の抑制を可能としたセミクローズド
冷却システムにより、圧延機ロール及びストリップ材の
安全性,信頼性を確保する。
【0035】(実施例)以下、本発明の一実施例を図1
から図4により説明する。図1は圧延機用ロール冷却装
置の概要図を示す。図2は圧延機用ロール冷却方法の概
要図を示す。図3はスプレー水膜の配置図を示す。図4
はスプレー水膜による冷却対象場の説明図を示す。
【0036】まず、圧延ロール冷却装置の構成及び動作
について説明する。図1に示すように、上部ワークロー
ル2aと下部ワークロール2bとが設置され、その間に
圧延板材1が通過して圧延される。これら上部ワークロ
ール2aと下部ワークロール2bの上下に、上部ワーク
ロール2aと下部ワークロール2bを指示する上部バッ
クアップロール3aと下部バックアップロール3bとが
設置される。
【0037】ここで、上部ワークロール2a及び下部ワ
ークロール2bに、圧延板材1を圧延する際に圧延板材
1からの接触熱伝導による熱流入と、圧延板材1を圧下
する際に生ずる加工熱による熱流入とが存在する。
【0038】これらの熱流入によるロールの温度上昇を
減少するため、冷却水を噴射する上部冷却用ノズル5a
及び下部冷却用ノズル5bが設置される。この上部冷却
用ノズル5a及び下部冷却用ノズル5bは、夫々、上部
冷却用ヘッダー4a及び下部冷却用ヘッダー4bに支持
され、ロール軸方向及び周方向に複数設置される。
【0039】そして、当該上部冷却用ノズル5a及び下
部冷却用ノズル5bから高圧で噴射されるスプレー冷却
水Aにより、回転している高温の上部ワークロール2a
及び下部ワークロール2bの表面上に、スプレー水膜を
形成しながら冷却する。
【0040】図1は、上部冷却用ノズル5a及び下部冷
却用ノズル5bを夫々ロール周方向に沿って5段設置
し、ロールの回転方向に沿ってストリップ出側に3段、
ストリップ入側に2段設置した場合である。もちろん、
ストリップ出側及び入側には2段以上のヘッダーを設置
すれば、各ヘッダーの周方向に多数のノズルを配置でき
るので、図1の例の段数に限定する必要はない。
【0041】そして、上部ワークロール2a及び下部ワ
ークロール2bからスプレー水Aへ流出熱として系外へ
除去され、ロール内部への入熱がないように熱バランス
を保っている。
【0042】従来の圧延設備では、大量の高圧スプレー
水をロール表面へ噴射してロール表面温度が約100℃
以上の状態でも冷却性能を確保していた。しかし、圧延
システムの高性能化の一環として、連続熱間圧延機や強
圧下、小径ロールのようなミニホットの開発において、
ワークロールにとっては従来以上に流入熱負荷の増加が
見込まれる。このような状況では、高圧スプレー水によ
る冷却を行っても、スプレー水の衝突圧の低い場所で
は、ロール表面温度が約200〜300℃で遷移沸騰、
約300℃以上で膜沸騰が生じてしまう。そして、冷却
性能低下の原因となる約数10μm厚さの蒸気膜が存在
し、これが冷却性能を低下させる課題となる。
【0043】また、蒸気膜の生成は、ロールにより圧下
された圧延板材1がロール軸方向で不均一な温度分布を
生じ、これにより中央部が凸な温度分布により熱膨張変
形を生じ、これに伴うサーマルクラウンの発生が考えら
れる。
【0044】そこで、蒸気膜の生成を抑制し、ロール冷
却性能を向上するとともに、ロール表面に衝突した冷却
水の飛散、あるいは発生した蒸気を極力回収する必要が
ある。
【0045】次に、ノズル配置について、図2を用いて
説明する。ロール軸方向にフラットスプレーノズルから
噴射された楕円状水膜が互いに干渉せずに、しかも最適
なノズル配置となるようにノズルを配置することが望ま
しい。図2では、圧延板材1(ストリップ)の出口側の
ロール周方向にスプレーノズル2段を設置した場合のロ
ール縦断面及び横表面の概要を示している。ここでは、
ロール軸方向に任意の角度で設置したスプレー水はロー
ル表面上で楕円状スプレー水膜断面で衝突する。このス
プレー水膜の衝突面積は、ロールの軸方向に互いに水膜
が干渉しないようにスプレーノズル5を配置する。この
ようにすると、楕円状に拡がった水膜端部でスプレー水
の衝突圧力の小さな部分が隣接するスプレー水と互いに
干渉せずに、しかも水力学的にうまく重なり合って十分
な流量密度を確保し、その結果冷却能力が均一に向上す
ることができる。
【0046】このスプレー水膜の衝突面積の関係を図3
により説明する。図3はロール軸方向配置を示す。ここ
で、ロール軸方向ノズル設置間隔X,ロールとスプレー
ノズルとの距離H,ノズル1本から供給される流量Qc
とし、スプレー水膜の短径方向の幅2b,ロール軸方向
とスプレー水膜長径方向の傾き角度γ,スプレー水膜の
長径方向の拡がり角度θとする。また、スプレー水膜の
長径方向の長さをaとすると、スプレー水膜長径方向の
距離2a,スプレー水膜長径周方向の距離YY,短径方
向のノズル間隔Yは次式で表される。
【0047】 2a=2H・tan(θ/2) …(1) YY=2a・sin(γ) …(2) Y=X・sin(γ) …(3) 以上の関係を用いて、二つのスプレー水衝突部に囲まれ
たひし形要素の冷却面積A,流量密度Wc,ノズルの噴
射圧力Pc,ロール軸方向長さLは次式で求まる。
【0048】 A=X・YY …(4) Wc=Qc/A …(5) Pc=CQc2 …(6) L=nX …(7) ここで、C:定数(例えば、ノズル型式KSS2050の場
合、C=0.0075kgf/cm2である。)、n:ロール
軸方向のノズル設置個数 以上の関係から、スプレー水膜の長径方向の拡がり角度
θ,ロールとスプレーノズルとの距離H,ロール軸方向
とスプレー水膜長径方向の傾き角度γ,ロール軸方向ノ
ズル設置間隔X,ロール軸方向長さL,ロール軸方向の
ノズル設置個数n,ロール直径Dの幾何学的パラメータ
と、ノズルの噴射圧力Pc,ノズル1本から供給される
流量Qcとの運転パラメータとがわかれば、基礎実験に
より経験的相関式としてその時のロール冷却時のひし形
要素内の平均熱伝達率hmが求まることになる。
【0049】これにより、衝突した水膜間で衝突力の小
さな薄い水膜部で冷却性能が低下するのを防止し、ロー
ル軸方向表面温度の均一化を図ることができる。ここ
で、スプレーノズルは同種はもちろん、異種ノズルを用
いても良い。
【0050】次に、スプレー水が衝突した場合の冷却特
性とその記号を説明する。図4はロール表面上にスプレ
ーされる2つの水膜の概要を示す。スプレー水衝突部の
直下では冷却性能の良好な中心部に凸の局所熱伝達率分
布が形成され、平均熱伝達率haiとなる。
【0051】一方、これらスプレー水衝突部にはさまれ
たスプレー水の中間部ではロールに衝突後の水膜が回り
込んだ対流冷却のなだらかな局所熱伝達率分布となり、
平均熱伝達率hamとなる。この時、ロール軸方向に対し
て(a)に示す直線近似、あるいは(b)に示す三次曲
線近似の分布が考えられるが、いずれもひし形要素で構
成される平均熱伝達率haは面積を積分平均すると次式
となる。
【0052】 ha=(hai+ham)/2 …(8) これにより、2つのスプレー水が衝突したロール表面上
で冷却要素としてロール回転方向に形成される局所熱伝
達率分布を平均した平均熱伝達率を基に、ロール冷却性
能の低下する中間部も考慮した一つのロール冷却ひし形
要素に対する冷却性能がわかれば、これをノズル設置個
数nからロール軸方向全体の冷却性能へ展開でき、ロー
ル温度解析からどのようなノズル配置にすれば、適切な
冷却設計が可能かについて設計検討が可能となる。
【0053】次に、隣接した2つのスプレー水膜に囲ま
れた冷却要素の冷却特性を基礎試験により検討した。図
5にスプレー冷却水の流量密度Wcに対する平均熱伝達
率hmを示す。試験条件は、ノズル型式2050を用い
て、ノズル高さをH=200,300,400mm、ノズル
間隔Xを水膜干渉の有無の両者の範囲で設定した。ここ
で、スプレー噴射圧力Pcをパラメータとした。全ての
条件で流量密度Wcに対して平均熱伝達率が向上してい
る。また、冷却性能は各設定条件H,Xに対してスプレ
ー噴射圧力Pcごとにそれぞれの性能曲線が得られた。
【0054】これは、冷却性能がスプレー噴射圧力Pc
に依存していることを示している。したがって、高圧条
件でノズルを適切に配置し、冷却性能を確保する必要が
ある。ここで、図5で得られた冷却性能式を一般式とし
て表示すると、下記のようになる。
【0055】 hm=aPcbWcc(X/H)d …(9) 但し、hm:ロール表面の熱伝達率,Pc:スプレー水
の噴射圧力,Wc:スプレー水の流量密度,X:ロール
軸方向のノズル設置間隔,H:ロールとノズルとの距
離,a:定数,b:定数,c:定数,d:定数である。
【0056】すなわち、ロール表面の熱伝達率hmは第
1に流量密度Wc,第2にX/H,第3にスプレー水の
噴射圧力Pcで支配されていることを意味する。
【0057】また、これらの結果を各条件ごとにまとめ
ると、下記のようになる。H=200mmの場合、Wc=1.
5×10-2〜2.2×10-13/s.m2 の範囲ではロ
ール冷却性能は下式で示される。
【0058】 hm=412Pc0.246Wc0.685(X/H)0.384 (0.25≦X/H≦0.63の場合) …(10) hm=221Pc0.246Wc0.685(X/H)-0.923 (0.63≦X/H≦0.75の場合) …(11) また、H=300mmの場合、Wc=1.3×10-2〜6.
0×10-23/s.m2の範囲ではロール冷却性能は下
式で示される。
【0059】 hm=523Pc0.246Wc0.685(X/H)0.367 (0.33≦X/H≦0.42の場合) …(12) hm=258Pc0.246Wc0.685(X/H)-0.429 (0.42≦X/H≦0.83の場合) …(13) そして、H=400mmの場合、Wc=7.5×10-3
4.0×10-23/s.m2の範囲ではロール冷却性能は
下式で示される。
【0060】 hm=767Pc0.246Wc0.685(X/H)0.595 (0.31≦X/H≦0.38の場合) …(14) hm=269Pc0.246Wc0.685(X/H)-0.484 (0.38≦X/H≦0.75の場合) …(15) 次に、図6にノズル設置間隔に対する冷却性能について
示す。横軸にロール軸方向ノズル設置間隔X、縦軸に平
均熱伝達率hmをとる。図は代表的なH=300mmの場合
を示し、流量密度Wc一定の場合である。図中には次式
(16),(17)に示す短径方向水膜干渉境界値Xcritを
破線で併せて示す。
【0061】 Xcrit=2b/sin(γ) …(16) 2b=2H・tan(β/2) …(17) 但し、2b:スプレー水短径方向の衝突水膜長さ,β:
スプレー水膜の短径方向の拡がり角度,γ:ロール軸方
向に対するスプレーノズルから噴射される水膜の長径方
向の傾き角度である。
【0062】図6より、Xcritよりもわずかに大きなあ
る距離Xの時に平均熱伝達率のピークを持つ。これよ
り、水膜が干渉しないX>Xcritの範囲の中の平均熱伝
達率ピーク値の周辺の距離Xにノズル配置を設定すれ
ば、ロール軸方向に均一でしかも高性能な冷却が可能で
あることがわかる。本実施例では、Xcritは105mm、
平均熱伝達率のピーク値はXが120mm付近であり、そ
の差はほぼ15mmである。この差はHによっても変化す
るがほぼ5〜30mm程度と考えられる。Xcritから5〜
30mm程度離れたX値にすることにより平均熱伝達率の
ピーク値を得ることが期待できる。また、更なる圧延機
用ロールとしての顕著な冷却効果を得るために(平均熱
伝達率を約30以上得るために)、本実施例では、平均
熱伝達率のピーク値であるX=120mm付近から50mm
の範囲(X=70〜170mm)にすることが望ましいこ
とがわかる。つまり、平均熱伝達率を約30以上得るた
めには、本実施例では、平均熱伝達率がピーク値を示す
X値の周辺50mm前後の範囲が望ましい。
【0063】次に、図7にノズルとロールの距離に対す
る冷却性能について示す。横軸にノズルとロールの距離
H、縦軸に平均熱伝達率hmをとる。ノズル設置間隔
X、流量密度Wc一定の場合である。図7中には短径方
向水膜干渉境界値Xcritを破線で併せて示す。図7よ
り、初期のロール径Doが長期間使用してある時ΔDだ
け直径が減少するとD’となる。この時、初期のノズル
とロールの距離HoはHo+ΔD/2に増加する。
【0064】このように、平均熱伝達率hmのピーク値
をはさんで冷却性能が最も大きくなるように図中の斜線
部に示すような初期のHoを設定すればよい。したがっ
て、ロールが長期間使用し続けてロール径が小さくなっ
ても、ロールとノズルとの距離Hをその径ごとに調整す
れば、ロール冷却に最適な条件で運転できる。
【0065】次に、図8は流量密度一定の場合のノズル
配置の最適化を示す。横軸にロール軸方向のノズル設置
間隔Xに対するロールとノズルとの距離Hの比を表す無
次元寸法X/H、縦軸に平均熱伝達率hmをとる。条件
はスプレー水の噴射圧力Pc及びスプレー水の流量密度
Wcを一定とし、パラメータにはHをとった。
【0066】これより、各HごとにX/Hに対して平均
熱伝達率hmのピークを持つことがわかる。図8から、
太い線は各Hの条件に対する熱伝達率のピーク値を包絡
しており、この線上が冷却性能の最大値を示す。そし
て、その包絡線との交点から左下に下がっている直線が
各々のロールとノズルとの距離Hに対する冷却性能を示
す線である。下から、H=200mm,250mmと50mm
きざみでH=500mmまでを示している。例えば、H=
200mmの場合、最適なX/H=0.58 であることが
わかる。
【0067】次に、図14に、本発明の一実施例の圧延
機用ロール冷却に関する最適ノズル配置の範囲を示す。
横軸にロール軸方向のノズル設置間隔X、縦軸にロール
とノズルとの距離Hをとる。下記の式(18),(1
9),(20)を満足するように、XとHが図14中の
直角三角形で構成される領域が水膜の干渉無しで冷却性
能が最も高い領域を示している。ここで、ノズル間隔X
がスプレー水膜の短径方向の水膜干渉境界値Xcritより
も大きく局所熱伝達率hxが軸方向に対する平均熱伝達
率hmよりも大きな範囲となるXmax の範囲までの間隔
Xにノズルを配置し、ロール全面を均一冷却することを
特徴としている。
【0068】 H≦sin(γ)/(2tan(β/2))X …(18) H≧100mm …(19) X≦Xmax …(20) 次に、本発明のスプレー冷却装置及び方法によるロール
の温度分布について、図9と図10により説明する。ま
ず、図9はロール軸方向の温度分布図、図10はロール
回転方向の温度分布図を示す。
【0069】図9の場合、図10と同様にスプレー水衝
突の高冷却領域とこれら中間の低冷却領域の分布がロー
ル軸方向にスプレーノズルが最適に配置されたことによ
り緩和されて、ロール軸方向の温度分布が均一となる。
その結果、図9に示すように高圧スプレー水の衝突部と
非衝突部の間での冷却性能の差異が改善され、ロール軸
方向の温度分布が均一となり、極めて冷却改善効果が大
きいことがわかる。
【0070】また、図10の場合、ロールバイト出口側
でも高流量密度化により十分に冷却性能が確保され、さ
らにロール出側に冷却水が保持され、しかも衝突後の飛
散水を抑制するように開放パッドがカバーとして作用す
るため、ロール周方向の温度分布は従来例に比べてピー
ク温度が低下し、より平坦化される。すなわち、スプレ
ーノズル配置と開放パッド機構により、スプレー水衝突
による衝突効果を十分維持しながら、開放パッド内のロ
ール回転方向に沿った強制対流効果を併用しているた
め、冷却性能が高く、しかも一様な温度分布となる。
【0071】次に、本発明の他の実施例を図11から図
12により説明する。まず、図11は本発明の他の実施
例の圧延機用ロール冷却装置である。図11はスプレー
冷却用ヘッダー4及びノズル5を開放パッド機構A6で
囲った一体構造で水切り機構6aを有する場合である。
【0072】上部冷却用ノズル5a及び下部冷却用ノズ
ル5bの外部の冷却用ヘッダー4a,4bを囲った開放
パッド機構A6を少なくとも1つ以上設置する。ここ
で、開放パッド機構A6は、回転ロールとシール構造の
必要のない簡易カバー構造である。
【0073】そして、上部冷却用ノズル5aから高圧ス
プレー水Aを噴射することにより、蒸気膜の生成を抑制
して、ロール表面とスプレー水との直接接触によるロー
ル冷却を促進することができる。すなわち、ロール軸方
向温度分布の均一化及び冷却速度の向上を図ることがで
きる。この結果、ロール軸方向にほぼ均一な冷却性能が
確保され、圧延材に生ずるサーマルクラウンを抑制する
ことができる。
【0074】また、開放パッド機構の設置により、ロー
ルとのシール機構が不要となり、冷却設備に従来のスプ
レー方式を用いることができ、しかも本冷却構造はセミ
クローズド冷却回収システムを構成することができる。
【0075】ここで、開放パッド機構設置には次の3つ
(第一〜第三)の効果があると考えられる。第一に冷却
水及び発生蒸気の飛散防止、第二にスプレー水のインピ
ンジ冷却の積極的利用とパッド機構による対流冷却の併
用、第三にシール機構不要の簡略パッド構造である。
【0076】この場合、従来のスプレー冷却設備そのま
ま全体を開放パッド機構A6でカバーすることができる
ので、大幅な改造を伴わない。その結果、冷却性能及び
メンテナンス性能は図1の例と同様に向上する。ここ
で、開放パッド機構のストリップ側、しかもロールバイ
ト出側に水切り機構を設けると、ストリップ表面上への
ロール衝突後のスプレー水飛散水を抑制しストリップの
温度分布の不均一が抑制でき、ストリップ板材の高品質
が確保される。もちろん、水切り機構はロールバイト入
側に設置しても有効である。また、開放パッド機構内部
の上部に凝縮機構を設置し、ロールとスプレー水の間に
発生する蒸気を開放パッド機構内で凝縮水とし、外部へ
の蒸気流出を抑制させるとこができる。
【0077】さらに、開放パッド機構に水位計を設け、
これら水位の信号から水位調整弁の開度を調整し、常に
高温ロール部に冷却水が一様に保持されるようにし、ロ
ール周方向の温度分布を均一化させることが可能とな
る。
【0078】本実施例では、ロールと開放パッド機構の
間はシール機構の無いスプレー水が流出可能な構造であ
るが、このギャップに比べて冷却水の供給量が極めて大
きいために、冷却水は十分開放パッド機構内に保持でき
る。
【0079】また、圧延機用バックアップロールに開放
パッド機構を設置すると、ワークロールの冷却性能改善
はもちろん、バックアップロールにも同様の効果があ
る。この場合、スプレー水の排水ラインは、重力方向に
直列に接続し、排水するのが良好である。
【0080】次に、上部ワークロール2a、下部ワーク
ロール2b、上部バックアップロール3a及び下部バッ
クアップロール3bの全体のセミクローズド冷却システ
ムを図12に示す。
【0081】冷却システムとして、上部バックアップロ
ール3a及び下部バックアップロール3bへのスプレー
水は開放パッド機構B9内から排水ライン9aを介して
上部ワークロール2へのスプレー水と合流する。そし
て、開放パッド機構A6内から圧延設備の下端に設置し
てある冷却水用ピット10へ排水される。
【0082】これと逆に、下部の場合、下部ワークロー
ル2b周りの開放パッド機構A6から排水ライン9bを
介して、下部バックアップロール3b周りの開放パッド
機構B9から排水ライン9cを介してピット10へ排水
される。
【0083】したがって、本実施例の開放パッド機構A
6を設置し、セミクローズド冷却システムを構成すれ
ば、ロールの冷却性能向上及びサーマルクラウンの抑制
が可能となり、また冷却水の飛散及び発生蒸気を抑制す
る冷却水回収システムを構成することが容易となり、そ
の結果、信頼性の高い圧延機用ロール冷却装置を提供す
ることができる。
【0084】本実施例によれば、熱間圧延システムのロ
ール冷却用スプレー水膜をロール軸方向にスプレー水短
径方向の水膜幅が互いに干渉しないように熱伝達率のピ
ーク値を含んでノズルを最適に配置してロール軸方向の
冷却性能の向上とロール材温度分布の均一化を図り、ま
たロール材の冷却装置にシール機構不要の開放パッド機
構を設置し、スプレー水によるインピンジ冷却を積極的
に利用し、ロール材軸方向温度分布の不均一化に基づく
ロール表面の熱膨張変形によるストリップ材の成形不良
等(サーマルクラウン)を抑制することができ、さらに
冷却水の飛散及び発生蒸気を抑制するメンテナンスフリ
ーの冷却水回収システムを構成することができ、その結
果としてストリップ材の品質向上が可能となり、安全
性,信頼性の高い圧延機用冷却システムを提供できる。
【0085】
【発明の効果】本発明によると、スプレーノズルから噴
射される冷却水を用いてロールを冷却するに際し、その
冷却性能を向上することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の圧延機用ロール冷却装置の
概要図。
【図2】本発明の一実施例の圧延機用ロール冷却方法の
概要図。
【図3】本発明の一実施例のスプレー水膜の配置図。
【図4】本発明の一実施例のスプレー水膜による冷却対
象場の説明図。
【図5】基礎試験によるロール冷却性能特性図。
【図6】本発明の一実施例のノズル設置間隔に対する冷
却性能を示す図。
【図7】本発明の一実施例のノズルとロールの距離に対
する冷却性能を示す図。
【図8】本発明の一実施例のノズル配置寸法に対する冷
却性能モデル図。
【図9】本発明の一実施例のロール軸方向に対する熱伝
達率及び温度分布図。
【図10】本発明の一実施例のロール周方向に対する熱
伝達率及び温度分布図。
【図11】本発明の他の実施例のヘッダー・開放パッド
一体構造の圧延機用ロール冷却装置。
【図12】本発明の他の実施例の圧延機用ロール冷却シ
ステム図。
【図13】従来のスプレー冷却方式圧延機用ロール冷却
装置。
【図14】冷却性能に影響を及ぼすノズル設置間隔とノ
ズル距離との関係を示す図。
【符号の説明】
1…圧延板材、2a…上部ワークロール、2b…下部ワ
ークロール、3a…上部バックアップロール、3b…下
部バックアップロール、4a…上部冷却用ヘッダー、4
b…下部冷却用ヘッダー、5a…上部冷却用ノズル、5
b…下部冷却用ノズル、6…開放パッド機構A、6a…
水切り機構、6b,9a,9b,9c…排水ライン、7
…ロール表面上スプレー水膜衝突面積、8…凝縮機構、
9…開放パッド機構B、10…冷却水用ピット、A…ス
プレー水の流れ、B…蒸気の流れ、C…冷却水の流れ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 成田 健次郎 茨城県日立市大みか町七丁目2番1号 株 式会社日立製作所電力・電機開発本部内 (72)発明者 猪狩 実 茨城県日立市大みか町七丁目2番1号 株 式会社日立製作所電力・電機開発本部内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】冷却水をロール表面に噴射するノズルを複
    数備えた圧延機用ロールの冷却設備において、任意のノ
    ズル流量密度Wcで冷却性能がピーク値付近となるよう
    に、該圧延機用ロールとノズルとの距離Hと、ロール軸
    方向のノズル設置間隔Xと設定してノズルを配置するこ
    とを特徴とする圧延機用ロールの冷却設備。
  2. 【請求項2】冷却水をロール表面に噴射するノズルを複
    数備えた圧延機用ロールの冷却設備において、任意のノ
    ズル流量密度Wcで冷却性能がピーク値付近となるよう
    に、該圧延機用ロールとノズルとの距離Hと、ロール軸
    方向のノズル設置間隔Xとを設定するとともに、該圧延
    機用ロールへの平均熱伝達率hmの変化率が小さくなる
    ようにロール直径の変化に基づき前記距離H及び前記ノ
    ズル設置間隔Xとを再設定して該ノズルを配置すること
    を特徴とする圧延機用ロールの冷却設備。
  3. 【請求項3】冷却水をロール表面に噴射するノズルを複
    数備えた圧延機用ロールの冷却設備において、下記(式
    1)に基づき冷却性能を予測できうるように、0.3≦
    Pc≦1.5MPa,5.0×10-3≦Wc≦5.0×1
    -13/s.m2,0≦X≦175mm,100≦H≦5
    00mmの範囲で該ノズルを設置することを特徴とする圧
    延機用ロールの冷却設備。 hm=aPcbWcc(X/H)d …(式1) 但し、hm:ロール表面の平均熱伝達率,Pc:スプレ
    ー水の噴射圧力,Wc:スプレー水の流量密度,X:ロ
    ール軸方向のノズル設置間隔、H:ロールとノズルとの
    距離,a:定数,b:定数,c:定数,d:定数
  4. 【請求項4】冷却水をロール表面に噴射するノズルを複
    数備えた圧延機用ロールの冷却設備において、下記の
    (式2),(式3),(式4)を満足するように、ノズル
    間隔Xを、スプレー水膜の短径方向の水膜干渉境界値X
    crit以上、且つ局所熱伝達率hxがロール軸方向に対す
    る平均熱伝達率hmよりも大きな範囲となるXmax 以下
    に設定して該ノズルを配置することを特徴とする圧延機
    用ロールの冷却設備。 H≦sin(γ)/(2tan(β/2))X …(式2) H≧100mm …(式3) X≦Xmax …(式4) 但し、2b:スプレー水膜の短径方向の幅,β:スプレ
    ー水膜の短径方向の拡がり角度,γ:ロール軸方向とス
    プレー水膜長径方向の傾き角度
  5. 【請求項5】請求項1〜請求項4の何れかに記載の圧延
    機用ロールの冷却設備において、前記ノズルを取り付け
    る冷却用ヘッダーを設け、且つ前記冷却用ヘッダーと開
    放パッド機構とを一体化して設置し、該開放パッド機構
    の下部に冷却水排出機構を設けることを特徴とする圧延
    機用ロール冷却設備。
  6. 【請求項6】複数のノズルから冷却水をロール表面に噴
    射してロールを冷却する圧延機用ロールの冷却方法にお
    いて、ノズル流量密度を任意のWcとして、ロール直径
    の変化に基づき前記距離H及び前記ノズル設置間隔Xと
    を調整して、該圧延機用ロールへの平均熱伝達率hmの
    変化率を小さくして該ロールを冷却することを特徴とす
    る圧延機用ロールの冷却方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008260047A (ja) * 2007-04-12 2008-10-30 Nippon Steel Corp 圧延機用ロールの冷却装置及び冷却方法
JP2013180341A (ja) * 2012-03-05 2013-09-12 Hitachi Ltd 圧延制御装置、圧延制御方法及び圧延制御プログラム
JP2015502262A (ja) * 2011-12-23 2015-01-22 エス・エム・エス・ジーマーク・アクチエンゲゼルシャフト ロールを冷却するための方法及び装置
CN108723315A (zh) * 2018-07-03 2018-11-02 宣化钢铁集团有限责任公司 气雾外冷拉矫辊

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