JP2000070380A - 生体組織へのパルスレーザーを用いた分子注入法 - Google Patents

生体組織へのパルスレーザーを用いた分子注入法

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JP2000070380A
JP2000070380A JP10242646A JP24264698A JP2000070380A JP 2000070380 A JP2000070380 A JP 2000070380A JP 10242646 A JP10242646 A JP 10242646A JP 24264698 A JP24264698 A JP 24264698A JP 2000070380 A JP2000070380 A JP 2000070380A
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JP
Japan
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skin
injection
organic molecules
pellet
laser
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Application number
JP10242646A
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English (en)
Inventor
Masahiro Goto
真宏 後藤
Nobuyuki Ichinose
暢之 一ノ瀬
Shunichi Kasai
俊一 河西
Yasushi Fukumura
裕史 福村
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Japan Atomic Energy Agency
Original Assignee
Japan Atomic Energy Research Institute
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 パルスレーザーを使用して薬品又は抗生物質
等からなる有機分子を生体組織に注入する方法。 【解決手段】 基板として使用される石英板の上に生体
組織である鶏の内肉等の皮膚を設置する。この石英板上
に設置された皮膚上に注入源として使用される有機分子
含有高分子ペレットを配置する。この高分子ペレットに
対して石英板を配置した側とは反対側からレーザー光を
照射する。このように照射されたレーザー光により高分
子ペレット中に含有された有機分子がエネルギー的に励
起され、高分子ペレットから放出されて皮膚中に注入さ
れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、パルスレーザーを
使用して薬品又は抗生物質等からなる有機分子を生体組
織に注入する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】パルスレーザーを用いて有機分子を駆動
して高分子固体中に有機分子を注入する方法は知られて
いる。また、フタロシアニンのような比較的大きな有機
分子を分散した高分子ペレットを注入源として使用し、
この注入源にレーザーを当てることにより、弱いレーザ
ー強度でこのような有機分子を高分子固体中に注入する
ことも知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】現在、人体への薬品等
の投与は、経口による方法及び注射による方法によって
行われているが、これらの方法では薬品等を人体内組織
に部位選択的に投与することができないという問題点が
あった。そこで、本発明は、これらの方法に代わり得る
方法の一つとして開発されたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の方法は、高分子
物質に、生体組織に注入するための有機分子を均一に分
散した後に成型して高分子ペレットを作製し、このペレ
ットを注入源として使用し、この高分子ペレットにレー
ザー光を照射することにより、この注入源の高分子ペレ
ットのレーザー光の照射側の反対側に配置された生体組
織に高分子ペレットから有機分子を注入するものであ
る。本発明は、次の点で、現在行われている経口による
方法及び注射による方法に対し、その特徴点を有するも
のである。
【0005】(1) 空間選択的(局所的)に薬品およ
び抗生物質等の比較的大きな有機分子を生体組織に注入
できる。
【0006】(2) 低エネルギーのレーザー光で注入
が可能なため、人体へのレーザー光の影響が少ない。
【0007】(3) 分子注入源を光ファイバーにすれ
ば体内の深い箇所にも正確に有機分子を注入できる。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明を図面に基づいて説明する
と、図1に示すように、基板として使用される石英板の
上に生体組織である鶏の内肉等の皮膚を設置する。この
石英板上に設置された皮膚上に有機分子含有高分子ペレ
ットを配置する(図1では皮膚とペレット間を離して図
示している)。この高分子ペレットに対して石英板を配
置した側とは反対側からレーザー光を照射する。このよ
うに照射されたレーザー光により高分子ペレット中に含
有された有機分子がエネルギー的に励起され、高分子ペ
レットから放出されて皮膚中に注入される。
【0009】上記高分子ペレットに使用される高分子と
しては、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリ
エチルメタクリレート(PEMA)、ポリブチルメタク
リレート(PBMA)、ポリスチレン(PSt)等であ
る。以下、本発明を実施例に基づいて説明する。
【0010】
【実施例】テトラフェニルポルフィナイト亜鉛(ZnT
PP)分子を有機分子注入例として選び、この有機分子
を分散したPMMAペレットを圧縮成型器で圧縮成型し
て生体組織への注入源ペレットを作製した。この有機分
子を注入するための生体組織として鶏の皮膚を使用し
た。
【0011】この皮膚を基板上に付着させ、この皮膚上
に上記注入源を配置した。そしてレーザー光を皮膚が置
かれた反対側からこの注入源ペレットに照射し、ZnT
PPからなる有機分子を注入源ペレットから放出させて
皮膚に注入させた。
【0012】その際のレーザーの照射条件は、レーザー
波長248mm、レーザーパルス幅約20ns、レーザ
ー強度220mJ/cm2のレーザーを使用し、その1
00ショットを注入源ペレットに照射した。その結果、
レーザー照射後に得られた皮膚の蛍光写真(励起波長4
00〜440nm)を観察すると、それからZnTPP
の特徴的な蛍光である赤色の発光が観測された。
【0013】したがって、図2の蛍光写真に示されると
おりZnTPP分子が注入されていることが分かった。
図2の上図はレーザー照射前の皮膚からの蛍光写真で
(励起波長:400〜440nm)、薄い青色の散乱光
が見えるのみである。その下図はレーザー照射後の蛍光
写真であり、強い赤色のZnTPP分子からの蛍光がは
っきり現れており注入が起こっていることがわかる。ま
た、この照射された皮膚を水でよく洗浄した後でも同様
に強い赤色の蛍光が観測された。このことから、ZnT
PPが単に表面に付着しているのみでないことがわかっ
た。
【0014】
【発明の効果】本発明によると、予め決められた生体組
織の局所部に薬品および抗生物質等の比較的大きな有機
分子を正確に注入できるという効果があり。又低エネル
ギーのレーザー光で注入が可能なための人体へのレーザ
ー光の影響が少なく、更に分子注入源を光ファイバーに
すれば体内にも分子を注入できるという効果も生ずる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 レーザー光を使用して生体組織に有機分子を
注入するところを示す図である。
【図2】 生体組織に有機分子を注入する前後の状態を
示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 河西 俊一 大阪府寝屋川市三井南町25番1号 日本原 子力研究所関西研究所寝屋川事務所内 (72)発明者 福村 裕史 大阪府寝屋川市三井南町25番1号 日本原 子力研究所関西研究所寝屋川事務所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高分子物質に有機分子を分散して高分子
    ペレットを作製し、この高分子ペレットにレーザー光を
    照射することにより高分子ペレットから有機分子を生体
    組織に注入する方法
  2. 【請求項2】
JP10242646A 1998-08-28 1998-08-28 生体組織へのパルスレーザーを用いた分子注入法 Pending JP2000070380A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015516848A (ja) * 2012-07-05 2015-06-18 コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ 皮膚治療システム及び方法

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