JP2000069981A - Sc6ポリペプチドおよびsc6ポリヌクレオチド - Google Patents

Sc6ポリペプチドおよびsc6ポリヌクレオチド

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 SC6ポリペプチドおよびポリヌクレオチドを
提供する。 【解決手段】 配列番号2のアミノ酸配列に対して少な
くとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含んでな
るSC6ポリペプチド、および配列番号1のヌクレオチド
配列に対して少なくとも90%の同一性を有するヌクレ
オチド配列を含んでなるSC6ポリヌクレオチドを得る。 【効果】 SC6ポリペプチドおよびポリヌクレオチドは
神経傷害性の疼痛、他の疼痛、痙性、筋クロヌス、てん
かん、卒中、頭部損傷、脊髄傷害、失調症、多発性硬化
症、筋萎縮性側索硬化症、ハンチントン病、またはパー
キンソン病を含む機能障害または疾病の治療と、このよ
うな疾病の診断アッセイに有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新たに同定された
ポリペプチド、該ポリペプチドをコードするポリヌクレ
オチド、該ポリペプチドおよびポリヌクレオチドの治療
の際のまたは治療に有効でありうるアゴニスト、アンタ
ゴニストおよび/またはインヒビターである化合物を同
定する際の使用、並びに該ポリペプチドおよびポリヌク
レオチドの生産方法に関する。
【0002】
【従来の技術】薬物探索プロセスには目下根本的な大変
化が生じている。というのは、それが「機能性遺伝子科
学」(functional genomics)、すなわちハイスループッ
ト(高効率)のゲノムまたは遺伝子ベースの生物学に及
んでいるからである。遺伝子または遺伝子産物を治療標
的として同定するための手段としてのこのアプローチは
「ポジショナルクローニング」に基づいた比較的初期の
アプローチに急速に取って代わりつつある。表現型、つ
まり生物学的機能または遺伝病、が同定され、続いてそ
の遺伝子地図の位置を手がかりとして病因遺伝子が突き
止められるだろう。機能性遺伝子科学は、ハイスループ
ットDNA配列決定技術および現在入手できる多くの分
子生物学データベースから興味のもてそうな遺伝子配列
を同定するための生物情報科学(bioinformatics)の様々
なツールに大きく依存している。依然として、まだ未解
明の遺伝子およびその関連ポリペプチド/タンパク質を
薬物探索の標的として同定し特性づける必要性が存在し
ている。
【0003】中枢および末梢神経系において、確実な神
経伝達は、シナプス後活性化の後の伝達物質作用の迅速
な終結に依存する。これは、或る幾つかの場合では、ア
セチルコリンおよび神経ペプチドの場合のように、神経
伝達物質の代謝によって達成される。しかしながら、カ
テコールアミン、セロトニンおよび幾つかのアミノ酸
(例えば、GABA、グリシンおよびグルタメート)を含む
多くの場合、神経伝達物質は、細胞膜に位置する膜結合
ポリペプチドである神経伝達物質輸送体によってシナプ
ス前終末または周辺のグリア細胞へと効率的に移動す
る。
【0004】近年、幾つかのNa/Cl依存性神経伝達
物質輸送体[例えば、セロトニン、カテコールアミン、
アミノ酸(例えば、グリシン、GABA)]をコードするc
DNAが記載されている。このクラスの輸送体の一般構
造は非常に類似しており、膜貫通セグメント3と4との
間に12個の潜在的な膜貫通ヘリックスおよび3〜4個
のグリコシル化部位を有する外側ループを含んでいる。
GABAおよびカテコールアミン輸送体サブファミリーで
は、アミノ酸配列が1つのサブファミリー内の他のメン
バーとは約60〜80%の同一性があり、2つのサブフ
ァミリー間のメンバーとは約40%の同一性がある(Li
uら, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, (1992) 89:6639-66
43)。グリシンのようなアミノ酸の輸送体は、神経伝達
物質輸送体スーパーファミリーの全てのメンバーと約4
0〜50%の相同性がある。GlyT-1およびGlyT-2という
グリシン輸送体の2つのクラスが同定されている(Liu
ら, J. Biol. Chem. (1992) 268,22802-22808)。ラッ
トのGlyT-2はヒトまたはラットのGlyT-1と約50%のア
ミノ酸配列同一性を有する。
【0005】グリシンは、神経系における主要な輸送体
である。グリシンは抑制機能および興奮機能の双方を有
し得るものであり、これらの機能は、それぞれ異なるク
ラスのグリシン輸送体と関連する2種の異なるタイプの
受容体によって媒介される。グリシンの興奮機能は「ス
トリキニーネ非感受性」グリシン受容体によって媒介さ
れ、このグリシン受容体は、中枢神経系の主要な興奮伝
達物質であるグルタメートの作用の幾つかを媒介するNM
DA受容体複合体の一部である。このタイプのグリシン受
容体は脳全体にわたって広く分布し、GlyT-1輸送体と関
連する。これに対して、グリシンの抑制作用は、「スト
リキニーネ感受性」グリシン受容体によって媒介され
る。これらの受容体は主に脊髄、脳幹および小脳に見ら
れ、GlyT-2輸送体と関連する。
【0006】神経伝達物質輸送体を調節することによっ
て、シナプス間隙における神経伝達物質のレベルを変化
させることによりシナプス伝達を増強したり低下させた
りできるようになり、輸送の封鎖は神経医学的および神
経学的疾患の治療に対する確立されたアプローチであ
る。この機構により作用する薬剤としては三環系抗うつ
薬が挙げられ、これは一般にモノアミン輸送体に対して
作用し、選択的なセロトニン取込みに対するインヒビタ
ー(SSRI)である(Lesch KPおよびBengel D, CNS Drug
s 4(1995), 302-322)。GABA輸送インヒビターであるチ
アガビン(tiagabine)が、てんかんの潜在的な治療薬と
して最近同定された(Lesch KPおよびBengel D, CNS Dr
ugs 4(1995), 302-322)。グリシン輸送体の機能を調節
する化合物は、グリシンのシナプスレベルを変え、その
ために、受容体機能に影響を及ぼすことが予期されるで
あろう。GlyT-2輸送体の場合、輸送体機能を抑制するこ
とにより、ストリキニーネ感受性グリシン受容体の活性
化が増大するであろう。脊髄では、これらの受容体を活
性化することにより、疼痛に関連する情報の伝達が低下
すると予想され、GlyT-2輸送体を抑制することにより神
経障害性または他の疼痛の知覚を緩和できるであろう
(例えば、Simpson RKら, Neurochem. Res.(1996) 21,
1221-1226を参照)。さらに、ストリキニーネ感受性グ
リシン受容体を活性化することにより筋肉の機能亢進を
低減することができ、これは筋クロヌス、てんかん、お
よび痙性のような症状に関連づけることができる(例え
ば、Simpson RKら, J. Spinal Cord Med. (1996) 19, 2
15-224)。したがって、グリシン輸送体を抑制すること
によって、痙性、またはてんかん、卒中、頭部損傷、脊
髄傷害、失調症、多発性硬化症、筋萎縮性側索硬化症、
ハンチントン病、またはパーキンソン病に伴う他の筋肉
の機能亢進を緩和できるであろう。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、SC6、特にS
C6ポリペプチドおよびSC6ポリヌクレオチド、組換え物
質、並びにその生産方法に関する。もう一つの態様にお
いて、本発明は、神経傷害性の疼痛、他の疼痛、痙性、
筋クロヌス、てんかん、卒中、頭部損傷、脊髄傷害、失
調症、多発性硬化症、筋萎縮性側索硬化症、ハンチント
ン病、またはパーキンソン病(以後まとめて「前記疾
患」という)の治療をはじめとする、前記ポリペプチド
およびポリヌクレオチドの使用方法に関する。他の態様
では、本発明は、本発明により提供される物質を用いて
アゴニストおよびアンタゴニスト/インヒビターを同定
する方法、並びに同定された化合物を用いてSC6平衡異
常と関連した症状を治療することに関する。さらに他の
態様において、本発明は不適当なSC6活性またはSC6レベ
ルと関連した疾病を検出するための診断アッセイに関す
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】一つの態様において、本
発明はSC6ポリペプチドに関する。この種のペプチドに
は、配列番号2の全長にわたる配列番号2のアミノ酸配
列に対して少なくとも97%の同一性、好ましくは少な
くとも99%の同一性を有するアミノ酸配列を含んでな
る単離されたポリペプチドが含まれる。こうしたポリペ
プチドとしては配列番号2のアミノ酸配列を含むものが
ある。
【0009】本発明の他のペプチドには、そのアミノ酸
配列が配列番号2の全長にわたる配列番号2のアミノ酸
配列に対して少なくとも97%の同一性、好ましくは少
なくとも99%の同一性を有する単離されたポリペプチ
ドが含まれる。こうしたポリペプチドとしては配列番号
2のアミノ酸配列からなるポリペプチドがある。本発明
の更なるペプチドには、配列番号1に含まれるヌクレオ
チド配列を含んでなるポリヌクレオチドによりコードさ
れる単離されたポリペプチドが含まれる。
【0010】本発明のポリペプチドは神経伝達物質輸送
体ファミリーのメンバーであると考えられる。それゆ
え、それらには興味がもてる。なぜなら、神経伝達物質
輸送体には、神経学的または神経医学的疾病の治療の治
療標的として確立され実証されている歴史があるからで
ある。特に、グリシン輸送体は、グリシンによるグリシ
ン受容体の活性化を調節することが予期され、しかもス
トリキニーネ感受性グリシン受容体が疼痛情報の伝達を
制御でき、筋肉活性を調節できるという証拠がある。し
たがって、変化した筋肉活性または疼痛伝達に関連する
疾病の治療の治療標的は、グリシン輸送体の特性、特に
ストリキニーネ感受性グリシン受容体に関連するGlyT-2
型の特性を有するポリペプチドによって提供され得るで
あろう。これらの特性を以後「SC6活性」または「SC6ポ
リペプチド活性」または「SC6の生物学的活性」とい
う。これらの活性の中には、前記SC6ポリペプチドの抗
原性および免疫原性活性、特に配列番号2のポリペプチ
ドの抗原性および免疫原性活性も含まれる。本発明のポ
リペプチドはSC6の少なくとも1つの生物学的活性を示
すことが好ましい。
【0011】本発明のポリペプチドは「成熟」タンパク
質の形であっても、融合タンパク質のような、より大き
いタンパク質の一部であってもよい。しばしば、追加の
アミノ酸配列を含めることが有利であり、このようなア
ミノ酸配列としては、分泌すなわちリーダー配列、プロ
配列、多重ヒスチジン残基のような精製に役立つ配列、
または組換え生産の間の安定性を確保する付加的配列な
どがある。
【0012】また、前記ポリペプチドの変異体、すなわ
ち同類アミノ酸置換(ある残基が性質の似ている他の残
基により置換される)により基準ポリペプチドと相違し
ているポリペプチドも本発明に含まれる。典型的なこう
した置換は、Ala, Val, Leuおよび Ileの間;Ser とThr
の間;酸性残基 AspとGlu の間;Asn とGln の間;塩
基性残基 LysとArg の間;または芳香族残基 PheとTyr
の間で起こる。特に、数個、5〜10個、1〜5個、1
〜3個、1〜2個または1個のアミノ酸が任意の組合せ
で置換、欠失または付加されている変異体が好適であ
る。
【0013】本発明のポリペプチドは任意の適当な方法
で製造することができる。このようなポリペプチドに
は、単離された天然のポリペプチド、組換え的に生産さ
れたポリペプチド、合成的に製造されたポリペプチド、
またはこれらの方法の組合せにより製造されたポリペプ
チドが含まれる。こうしたポリペプチドを製造するため
の手段は当業界でよく理解されている。
【0014】本発明の更なる態様において、本発明は、
SC6ポリヌクレオチドに関する。このようなポリヌクレ
オチドには、配列番号2の全長にわたる配列番号2のア
ミノ酸配列に対して少なくとも97%の同一性を有する
ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含んでな
る単離されたポリヌクレオチドが含まれる。これに関し
て、少なくとも99%の同一性を有するポリペプチドが
一層好ましい。かかるポリヌクレオチドとして、配列番
号2のポリペプチドをコードする配列番号1に含まれる
ヌクレオチド配列を含んでなるポリヌクレオチドが挙げ
られる。
【0015】本発明の更なるポリヌクレオチドには、配
列番号2のポリペプチドをコードするヌクレオチド配列
に対して、その全コード領域にわたって、少なくとも9
0%の同一性、好ましくは少なくとも95%の同一性を
有するヌクレオチド配列を含んでなる単離されたポリヌ
クレオチドが含まれる。これに関して、少なくとも97
%の同一性を有するポリヌクレオチドが一層好ましい
が、少なくとも98〜99%の同一性を有するものがよ
り一層好ましく、少なくとも99%の同一性を有するポ
リヌクレオチドが最も好ましいものである。
【0016】本発明の更なるポリヌクレオチドには、配
列番号1の全長にわたる配列番号1のポリヌクレオチド
に対して少なくとも90%の同一性、好ましくは少なく
とも95%の同一性を有するヌクレオチド配列を含んで
なる単離されたポリヌクレオチドが含まれる。これに関
して、少なくとも97%の同一性を有するポリヌクレオ
チドが一層好ましいが、少なくとも98〜99%の同一
性を有するものがより一層好ましく、少なくとも99%
の同一性を有するポリヌクレオチドが最も好ましいもの
である。かかるポリヌクレオチドとして、配列番号1の
ポリヌクレオチドを含んでなるポリヌクレオチドおよび
配列番号1のポリヌクレオチドが挙げられる。本発明は
また、上記の全てのポリヌクレオチドに対して相補的な
ポリヌクレオチドを提供する。
【0017】配列番号1のヌクレオチド配列はラットGl
yT-2グリシン輸送体(Q.R.Liuら,J.Biol. Chem. (1993)
268: 22802-22808)(GenBank L21672)との相同性を
示す。配列番号1のヌクレオチド配列はcDNA配列で
あり、配列番号2のポリペプチドである797個のアミ
ノ酸のポリペプチドをコードするポリペプチドコード配
列(ヌクレオチド番号256〜2649)を含む。配列番
号2のポリペプチドをコードするヌクレオチド配列は、
配列番号1に含まれるポリペプチドコード配列と同一で
あっても、遺伝子コードの重複性(縮重)のため、やは
り配列番号2のポリペプチドをコードする、配列番号1
に含まれる配列以外の配列であってもよい。配列番号2
のポリペプチドは神経伝達物質輸送体ファミリーの他の
タンパク質と構造的に関連しており、ラットGlyT-2グリ
シン輸送体との相同性および/または構造類似性を有す
る(Q.R.Liuら,J. Biol. Chem. (1993) 268: 22802-228
08)(PIR A48716)。
【0018】本発明の好適なポリペプチドおよびポリヌ
クレオチドは、とりわけ、それと相同なポリペプチドお
よびポリヌクレオチドと同様の生物学的機能/性質をも
つことが期待される。さらに、本発明の好ましいポリペ
プチドおよびポリヌクレオチドは少なくとも1つのSC6
活性を有する。本発明のポリヌクレオチドは、標準的な
クローニングおよびスクリーニング技術により、ヒト脊
髄の細胞中のmRNAから誘導されたcDNAライブラ
リーから、エクスプレスド・シーケンス・タグ(ES
T)分析(Adams, M.D.ら, Science (1991) 252:1651-1
656; Adams, M.D.ら, Nature (1992) 355:632-634; Ada
ms, M.D.ら, Nature (1995) 377 Supp:3-174)を用いて
得ることができる。また、本発明のポリヌクレオチドは
ゲノムDNAライブラリーのような天然源から得ること
ができ、商業的に入手可能な公知の技法を用いて合成す
ることもできる。
【0019】本発明のポリヌクレオチドを本発明のポリ
ペプチドの組換え体生産のために用いる場合、そのポリ
ヌクレオチドには、成熟ポリペプチドのコード配列単
独、または他のコード配列(例えば、リーダーもしくは
分泌配列、プレ−、プロ−もしくはプレプロ−タンパク
質配列、または他の融合ペプチド部分をコードするも
の)と同じリーディングフレーム内にある成熟ポリペプ
チドのコード配列が含まれ得る。例えば、融合ポリペプ
チドの精製を容易にするマーカー配列がコードされ得
る。本発明のこの態様の好ましい具体例として、マーカ
ー配列は、pQEベクター(Qiagen, Inc.)により提供さ
れかつ Gentzら, Proc. Natl. Acad. Sci. USA(1989) 8
6:821-824に記載されるような、ヘキサ−ヒスチジンペ
プチド、またはHAタグである。また、このポリヌクレ
オチドは5'および3'非コード配列、例えば、転写される
が翻訳されない配列、スプライシングおよびポリアデニ
ル化シグナル、リボソーム結合部位、およびmRNA安
定化配列を含んでいてもよい。
【0020】本発明の更なる具体例としては、数個、例
えば5〜10個、1〜5個、1〜3個、1〜2個、また
は1個のアミノ酸残基が任意の組合せで置換、欠失また
は付加されている、配列番号2のアミノ酸配列を含んで
なるポリペプチド変異体をコードするポリヌクレオチド
がある。
【0021】配列番号1に含まれるヌクレオチド配列と
同一であるか十分に同一であるポリヌクレオチドは、本
発明のポリペプチドをコードする全長cDNAおよびゲ
ノムクローンを単離するために、また、配列番号1に対
して高い配列類似性を有する他の遺伝子(ヒト供給源に
由来するパラログ体(paralogs)およびヒト以外の種に
由来するオーソログ体(ortholog)およびパラログ体をコ
ードする遺伝子を含む)のcDNAおよびゲノムクロー
ンを単離するために、cDNAおよびゲノムDNA用の
ハイブリダイゼーションプローブとして、または核酸増
幅(PCR)反応用のプライマーとして用いることがで
きる。一般的に、これらのヌクレオチド配列は基準のヌ
クレオチド配列と70%、好ましくは80%、より好ま
しくは90%、最も好ましくは95%同一である。プロ
ーブまたはプライマーはたいてい15個以上のヌクレオ
チドを含み、好ましくは30個以上を含み、50個以上
のヌクレオチドを有していてもよい。特に好ましいプロ
ーブは30〜50個の範囲のヌクレオチドを有するもの
である。特に好ましいプライマーは20〜25個の範囲
のヌクレオチドを有するものである。
【0022】本発明のポリペプチド(ヒト以外の種に由
来する相同体を含む)をコードするポリヌクレオチド
は、配列番号1のヌクレオチド配列またはその断片を有
する標識プローブを用いて、ストリンジェントなハイブ
リダイゼーション条件下で適当なライブラリーをスクリ
ーニングし、該ポリヌクレオチド配列を含む全長cDN
Aおよびゲノムクローンを単離する各工程を含んでなる
方法により得られる。このようなハイブリダイゼーショ
ン技法は当業者に公知である。好ましいストリンジェン
トなハイブリダイゼーション条件は、50% ホルムアミ
ド、5×SSC (150mMNaCl, 15mM クエン酸三ナトリウム)
、50mMリン酸ナトリウム (pH7.6)、5×Denhardt溶
液、10% デキストラン硫酸および20μg/mlの変性し剪断
したサケ精子DNAを含有する溶液中42℃で一夜イン
キュベートし、次いでフィルターを 0.1×SSC 中約65
℃で洗浄することを含む。かくして、本発明は、配列番
号1のヌクレオチド配列またはその断片を有する標識プ
ローブを用いて、ストリンジェントなハイブリダイゼー
ション条件下で適当なライブラリーをスクリーニングす
ることにより得られるポリヌクレオチドをも包含する。
【0023】当業者には理解されるように、多くの場
合、ポリペプチドをコードする領域がそのcDNAの5'
末端で短く切断されることから、単離されたcDNA配
列は不完全であるだろう。それは逆転写酵素のためであ
り、この酵素はもともと「プロセシビティ」(processi
vity:重合反応中に鋳型に結合した状態でいる該酵素の
能力の尺度)が低く、第一鎖cDNA合成の間にmRN
A鋳型のDNAコピーを完成させることができない。
【0024】全長cDNAを得るための、または短鎖c
DNAを伸長させるための、当業者に公知で利用可能な
方法がいくつかあり、例えば、cDNA末端高速増幅法
(RACE)に基づいた方法がある(例えば、Frohman
ら, PNAS USA 85, 8998-9002,1988を参照のこと)。例
えばMarathonTM技術(Clontech Laboratories Inc.)によ
り示されるような、上記技法の最近の改良により、より
長いcDNAの検索が大いに簡便化された。MarathonTM
技術では、所定の組織より抽出されたmRNAからcD
NAを作製し、各末端に「アダプター」配列を連結す
る。続いて、遺伝子特異的およびアダプター特異的なオ
リゴヌクレオチドプライマーの組合せを用いて核酸増幅
(PCR)を行い、cDNAの「欠失」5'末端を増幅す
る。次に、「nested」プライマー、すなわち増幅産物の
内部にアニールするように設計されたプライマー(典型
的には、アダプター配列のさらに3'側にアニールするア
ダプター特異的プライマーおよび既知遺伝子配列のさら
に5'側にアニールする遺伝子特異的プライマー)を用い
てPCR反応を繰り返す。その後、この反応の産物をD
NA塩基配列決定により解析し、この産物を既存のcD
NAに直接結合して完全配列を得るか、または5'プライ
マー設計用の新たな配列情報を用いて別の全長PCRを
行うことにより、全長cDNAを構築することができ
る。
【0025】本発明の組換え体ポリペプチドは、当業界
で公知の方法を用いて、発現系を含有する遺伝子操作宿
主細胞から生産することができる。したがって、更なる
態様において、本発明は、本発明の1以上のポリヌクレ
オチドを含有する発現系、該発現系により遺伝子操作さ
れた宿主細胞、および組換え法による本発明ポリペプチ
ドの生産に関する。本発明のDNA構築物から誘導され
たRNAを用いてこの種のタンパク質を生産するため
に、無細胞翻訳系を使用することもできる。
【0026】組換え体生産に関しては、本発明のポリヌ
クレオチドの発現系またはその一部を組み込むために宿
主細胞を遺伝子操作する。宿主細胞へのポリヌクレオチ
ドの導入は、Davisら, Basic Methods in Molecular Bi
ology (1986) および Sambrookら, Molecular Cloning:
A Laboratory Manual, 2nd Ed., Cold Spring Harbor
Laboratory Press, Cold Spring Harbor, N.Y. (1989)
などの多くの標準的な実験室マニュアルに記載された方
法により行うことができる。好適なこうした方法とし
て、例えば、リン酸カルシウムトランスフェクション、
DEAE−デキストラン媒介トランスフェクション、ト
ランスベクション(transvection)、マイクロインジェク
ション、カチオン性脂質媒介トランスフェクション、エ
レクトロポレーション、形質導入、スクレープローディ
ング(scrape loading)、弾丸導入(ballistic introduct
ion)または感染などがある。
【0027】適当な宿主の代表的な例として、細菌細胞
(例:ストレプトコッカス、スタフィロコッカス、大腸
菌、ストレプトミセス、枯草菌)、真菌細胞(例:酵
母、アスペルギルス)、昆虫細胞(例:ドロソフィラS
2、スポドプテラSf9)、動物細胞(例:CHO、C
OS、HeLa、C 127、3T3、BHK、HEK 29
3、Bowes メラノーマ細胞)および植物細胞が挙げられ
る。
【0028】多種多様な発現系を使用することができ
る。こうした発現系として、特に、染色体、エピソーム
およびウイルス由来の系、例えば、細菌プラスミド由
来、バクテリオファージ由来、トランスポゾン由来、酵
母エピソーム由来、挿入因子由来、酵母染色体エレメン
ト由来、ウイルス(例:バキュロウイルス、SV40の
ようなパポバウイルス、ワクシニアウイルス、アデノウ
イルス、鶏痘ウイルス、仮性狂犬病ウイルス、レトロウ
イルス)由来のベクター、およびこれらの組合せに由来
するベクター、例えば、コスミドやファージミドのよう
なプラスミドとバクテリオファージの遺伝的要素に由来
するものがある。これらの発現系は発現を起こさせるだ
けでなく発現を調節する制御配列を含んでいてもよい。
一般的に、宿主内でのポリペプチドの産生のためにポリ
ヌクレオチドを維持し、増やし、発現することができる
系またはベクターはどれも使用しうる。Sambrookら, Mo
lecular Cloning: A Laboratory Manual (前掲) に記載
されるような、日常的に用いられる公知の技法のいずれ
かにより、適当なヌクレオチド配列を発現系に挿入する
ことができる。翻訳されたタンパク質を小胞体の内腔
に、細胞周辺腔に、または細胞外の環境に分泌させるた
めに、適当な分泌シグナルを目的のポリペプチドに組み
込むことができる。これらのシグナルは目的のポリペプ
チドに対して内因性であっても、異種シグナルであって
もよい。
【0029】スクリーニングアッセイで使用するため本
発明のポリペプチドを発現させようとする場合、一般に
そのポリペプチドを細胞の表面に産生させることが好適
である。その場合は、スクリーニングアッセイでの使用
に先立って細胞を回収する。該ポリペプチドが培地に分
泌される場合は、そのポリペプチドを回収し精製するた
めに培地を回収する。細胞内に産生される場合は、その
細胞をまず溶解し、その後にポリペプチドを回収する必
要がある。
【0030】組換え細胞培養物から本発明のポリペプチ
ドを回収し精製するには、硫酸アンモニウムまたはエタ
ノール沈殿、酸抽出、アニオンまたはカチオン交換クロ
マトグラフィー、ホスホセルロースクロマトグラフィ
ー、疎水性相互作用クロマトグラフィー、アフィニティ
ークロマトグラフィー、ヒドロキシルアパタイトクロマ
トグラフィーおよびレクチンクロマトグラフィーを含め
た公知の方法を用いることができる。最も好ましくは、
高速液体クロマトグラフィーが精製に用いられる。ポリ
ペプチドが細胞内合成、単離および/または精製中に変
性されるときは、タンパク質を再生させるための公知の
技法を用いて、活性のあるコンフォメーションを復元す
ることが可能である。
【0031】本発明はまた、診断薬としての本発明のポ
リヌクレオチドの使用に関する。機能障害と関連した、
配列番号1のポリヌクレオチドにより特徴づけられる遺
伝子の変異型の検出は、該遺伝子の過少発現、過剰発現
または空間的もしくは時間的に変化した発現により生ず
る疾病またはその疾病への罹りやすさの診断に追加しう
る、またはその診断を下しうる診断用ツールを提供する
だろう。該遺伝子に突然変異がある個体を、さまざまな
技法によりDNAレベルで見つけ出すことができる。
【0032】診断用の核酸は、被験者の細胞、例えば血
液、尿、唾液、組織の生検または剖検材料由来の細胞か
ら得ることができる。検出のためにゲノムDNAを直接
使用してもよいし、分析前にPCRまたは他の増幅法を
使ってゲノムDNAを酵素的に増幅してもよい。同様の
方法でRNAまたはcDNAを使用することもできる。
欠失および挿入突然変異は、正常な遺伝子型と比較した
ときの増幅産物のサイズの変化により検出できる。点突
然変異は増幅DNAを標識SC6ヌクレオチド配列とハイ
ブリダイズさせることで同定できる。完全にマッチした
配列とミスマッチの二重鎖とはRNアーゼ消化により、
または融解温度の差異により区別できる。また、DNA
配列の差異は、変性剤を含むもしくは含まないゲルでの
DNA断片の電気泳動の移動度の変化により、または直
接DNA塩基配列決定によっても検出できる(例えば、
Myersら, Science (1985) 230:1242 を参照のこと)。
特定位置での配列変化はヌクレアーゼプロテクションア
ッセイ(例えば、RNアーゼおよびS1プロテクショ
ン)または化学的開裂法によっても確認できる(Cotton
ら, Proc. Natl. Acad. Sci. USA (1985) 85:4397-4401
を参照のこと)。別の実施態様では、例えば、遺伝子変
異の効率のよいスクリーニングを行うため、SC6ヌクレ
オチド配列またはその断片を含むオリゴヌクレオチドプ
ローブのアレイ(array)を構築することができる。アレ
イ技法は公知で、一般的な適用可能性を有し、遺伝子発
現、遺伝的連鎖および遺伝的変異性を含めた分子遺伝学
のさまざまな問題を解きあかすために用いられている
(例えば、M. Cheeら, Science, Vol.274, pp.610-613
(1996) を参照のこと)。
【0033】診断アッセイは、前記の方法によりSC6遺
伝子の変異を検出することで、前記疾患への罹りやすさ
を診断または判定する方法を提供する。さらに、被験者
から得られたサンプルからポリペプチドまたはmRNA
のレベルの異常な低下または増加を測定する方法によ
り、前記疾患の診断を下すことができる。発現の低下ま
たは増加は、当業界で公知のポリヌクレオチドの定量
法、例えば核酸増幅(例:PCR、RT−PCR)、R
Nアーゼプロテクション、ノーザンブロッティング、そ
の他のハイブリダイゼーション法のいずれかによりRN
Aレベルで測定することができる。宿主から得られたサ
ンプル中の本発明ポリペプチドのようなタンパク質のレ
ベルを測定するアッセイ法は当業者によく知られてい
る。こうしたアッセイ法として、ラジオイムノアッセ
イ、競合結合アッセイ、ウエスタンブロット分析、EL
ISAアッセイなどがある。
【0034】かくして、もう一つの態様において、本発
明は、(a) 本発明のポリヌクレオチド(好ましくは、配
列番号1のヌクレオチド配列)もしくはその断片、(b)
(a) のヌクレオチド配列に相補的なヌクレオチド配列、
(c) 本発明のポリペプチド(好ましくは、配列番号2の
ポリペプチド)もしくはその断片、または(d) 本発明の
ポリペプチド(好ましくは、配列番号2のポリペプチ
ド)に対する抗体、を含んでなる診断用キットに関す
る。このようなキットにおいて、(a) 、(b) 、(c) また
は (d)が実質的な構成成分であることが理解されよう。
かかるキットは疾患または疾患への罹りやすさ、特に神
経傷害性の疼痛、他の疼痛、痙性、筋クロヌス、てんか
ん、卒中、頭部損傷、脊髄傷害、失調症、多発性硬化
症、筋萎縮性側索硬化症、ハンチントン病、またはパー
キンソン病を診断するうえで有用である。
【0035】また、本発明のヌクレオチド配列は染色体
の同定にも有用である。この配列は個々のヒト染色体上
の特定の位置をターゲッティングし、その特定位置とハ
イブリダイズすることができる。本発明に従って関連配
列の染色体地図を作成することは、これらの配列と遺伝
子関連疾患とを相関させるうえで重要な第一段階であ
る。ひとたび配列が正確な染色体位置にマップされた
ら、その染色体上のその配列の物理的位置を遺伝地図デ
ータと相関させることができる。この種のデータは、例
えば、V. McKusick, Mendelian Inheritance in Man (J
ohns Hopkins University Welch Medical Library から
オンラインで入手可能) 中に見いだせる。その後、同一
の染色体領域にマップされた遺伝子と疾患との関係を連
鎖解析(物理的に隣接した遺伝子の共遺伝)により確認
する。
【0036】罹患個体と非罹患個体とのcDNAまたは
ゲノム配列の差異も調べることができる。罹患個体の一
部または全部に突然変異が観察されるが、どの正常個体
にも観察されない場合は、その突然変異が疾患の原因で
ある可能性がある。
【0037】また、本発明のヌクレオチド配列は、組織
の位置決定にも有用である。こうした技術によって、組
織におけるヒトSC6ポリペプチドの発現パターンを、こ
れらをコードするmRNAを検出することで決定するこ
とができる。これらの技術には、in situハイブリダイ
ゼーション技術、およびヌクレオチド増幅技術、例えば
PCRが挙げられる。こうした技術は当該技術分野で公
知である。これらの研究の結果から、生物におけるポリ
ペプチドの正常な機能の指標が得られる。さらに、ヒト
SC6 mRNAの正常な発現パターンとヒトSC6遺伝子に
よってコードされるmRNAの発現パターンとを比較研
究した結果、疾患状態における突然変異体ヒトSC6ポリ
ペプチドの役割、あるいは正常なヒトSC6ポリペプチド
の不適切な発現の役割についての貴重な知見が得られ
る。そうした不適切な発現は、時間的、空間的または単
に量的な性質のものでもあり得る。
【0038】本発明のポリペプチド、その断片もしくは
類似体、またはそれらを発現する細胞は、本発明のポリ
ペプチドに免疫特異的な抗体を生産するための免疫原と
しても使用することができる。「免疫特異的」とは、そ
の抗体が従来技術における他の関連ポリペプチドに対す
るその親和性よりも本発明のポリペプチドに対して実質
的に高い親和性を示すことを意味する。
【0039】本発明のポリペプチドに対する抗体は、慣
用のプロトコールを用いて、動物(好ましくはヒト以外
の動物)に該ポリペプチドまたはエピトープを含む断
片、類似体もしくは細胞を投与することにより得られ
る。モノクローナル抗体の調製には、連続細胞系の培養
物から抗体を産生させる任意の技法を用いることができ
る。例を挙げると、ハイブリドーマ法 (Kohler, G.およ
びMilstein, C., Nature (1975) 256:495-497)、トリオ
ーマ法、ヒトB細胞ハイブリドーマ法 (Kozborら,Immun
ology Today (1983) 4:72) およびEBV−ハイブリド
ーマ法 (Coleら, Monoclonal Antibodies and Cancer T
herapy, pp.77-96, Alan R. Liss, Inc., 1985) などが
ある。
【0040】本発明のポリペプチドに対する一本鎖抗体
をつくるために、米国特許第4,946,778号に記載される
ような一本鎖抗体の調製法を適応させることができる。
また、ヒト化抗体を発現させるために、トランスジェニ
ックマウスまたは他の哺乳動物を含む他の生物を利用す
ることができる。前記の抗体を用いて、そのポリペプチ
ドを発現するクローンを単離・同定したり、アフィニテ
ィークロマトグラフィーでそのポリペプチドを精製する
こともできる。本発明のポリペプチドに対する抗体は、
とりわけ、前記疾患の治療に使用できる可能性がある。
【0041】本発明の更なる態様において、本発明は、
本発明のポリペプチドまたはその断片と、各種サブクラ
ス(IgG、IgM、IgA、IgE)の免疫グロブリ
ンのH鎖またはL鎖の定常領域の様々な部分と、を含ん
でなる遺伝子工学的に作製された可溶性融合タンパク質
に関する。免疫グロブリンとしてはヒトIgG、特にI
gG1のH鎖の定常部が好ましく、その場合は融合がヒ
ンジ領域で起こる。特定例では、血液凝固因子Xaで開
裂され得る開裂配列を組み込むことで、Fc部分を簡単
に除去できる。さらに、本発明は、これら融合タンパク
質の遺伝子工学的作製方法、並びに薬物スクリーニン
グ、診断および治療におけるそれらの使用に関する。ま
た、本発明の更なる態様はこのような融合タンパク質を
コードするポリヌクレオチドに関する。融合タンパク質
技術の例は国際特許出願 WO94/29458 およびWO94/22914
に見いだせる。
【0042】本発明の更なる態様は哺乳動物において免
疫学的応答を引き出す方法に関し、この方法は、特に前
記疾患から該動物を防御するための抗体および/または
T細胞免疫応答を生ずるのに十分な本発明のポリペプチ
ドを哺乳動物に接種することを含んでなる。本発明のさ
らに別の態様は、哺乳動物を前記疾患から防御する抗体
を産生させるような免疫学的応答を引き出すために、in
vivo で本発明のポリペプチドをコードするポリヌクレ
オチドの発現を指令するベクターを介して該ポリペプチ
ドを供給することを含んでなる、哺乳動物において免疫
学的応答を引き出す方法に関する。
【0043】本発明の更なる態様は、哺乳動物宿主に導
入したとき、その哺乳動物において本発明のポリペプチ
ドに対する免疫学的応答を引き出す免疫学的/ワクチン
製剤(組成物)に関し、この組成物は本発明のポリペプ
チドまたはポリヌクレオチドを含有する。ワクチン製剤
は適当な担体をさらに含んでいてもよい。ポリペプチド
は胃の中で分解される可能性があるので、非経口的に
(例えば、皮下、筋肉内、静脈内または皮内注射によ
り)投与することが好ましい。非経口投与に適した製剤
としては、酸化防止剤、緩衝剤、静菌剤およびこの製剤
を受容者の血液と等張にする溶質を含みうる水性および
非水性の無菌注射液、並びに懸濁化剤または増粘剤を含
みうる水性および非水性の無菌懸濁液がある。こうした
製剤は1回量容器または数回量容器(例えば、密閉アン
プルおよびバイアル)で提供することができ、また、使
用直前に無菌の液状担体を添加するだけでよい凍結乾燥
状態で保管することもできる。ワクチン製剤はこの製剤
の免疫原性を増強するためのアジュバント系、例えば水
中油型のアジュバント系や当業界で公知の他のアジュバ
ント系を含んでいてもよい。投与量はワクチンの比活性
により変化するが、ルーチンな実験操作により簡単に決
定できる。
【0044】本発明のポリペプチドは、多くの病的状
態、特に前記疾患を含めて、さまざまな生物学的機能に
関与している。それゆえ、このポリペプチドの機能を刺
激または抑制する化合物を同定するスクリーニング法を
開発することが望ましい。したがって、更なる態様にお
いて、本発明は、このポリペプチドの機能を刺激または
抑制する化合物を同定するための化合物のスクリーニン
グ法を提供する。一般的には、前記疾患の治療および予
防目的のためにアゴニストまたはアンタゴニストが使用
される。種々の供給源、例えば、細胞、無細胞調製物、
化学物質ライブラリーおよび天然産物の混合物から化合
物を同定することができる。このように同定されたアゴ
ニスト、アンタゴニストまたはインヒビターは、場合に
より、該ポリペプチドの天然のまたは修飾された基質、
リガンド、受容体、酵素などであってよく、また、その
構造的または機能的なミメティックであってもよい(Co
liganら, Current Protocols in Immunology 1(2): Cha
pter 5 (1991)を参照のこと)。
【0045】スクリーニング法では、本発明のポリペプ
チド、または該ポリペプチドを担持する細胞もしくは
膜、またはその融合タンパク質への候補化合物の結合
を、候補化合物に直接または間接的に結合された標識を
用いて簡単に測定できる。あるいはまた、スクリーニン
グ法では標識した競合物質との競合を用いることもあ
る。さらに、こうしたスクリーニング法では、候補化合
物がポリペプチドの活性化または抑制により生ずるシグ
ナルを結果的にもたらすか否かを、該ポリペプチドを担
持する細胞に適した検出系を用いて試験することができ
る。一般的には、既知のアゴニストの存在下で活性化の
インヒビターをアッセイして、アゴニストによる活性化
に候補化合物の存在が与える影響を調べる。アゴニスト
またはインヒビターの不在下で、候補化合物がポリペプ
チドの活性化を抑制するか否かを調べることによる逆ア
ゴニストまたはインヒビターのスクリーニング法では、
構成的に活性のあるポリペプチドが用いられる。さら
に、これらのスクリーニング法は、候補化合物と本発明
のポリペプチドを含む溶液とを混ぜ合わせて混合物をつ
くり、この混合物中のSC6活性を測定し、そしてこの混
合物のSC6活性をスタンダードと比較する各ステップを
単に含むだけでよい。本発明のポリペプチドのアンタゴ
ニストを同定するハイスループットスクリーニングアッ
セイでは、上記のようなFc部分とSC6ポリペプチドか
ら作製されるような融合タンパク質も使用することがで
きる(D. Bennettら, J. Mol. Recognition, 8:52-58 (1
995) およびK. Johansonら, J. Biol. Chem., 270(16):
9459-9471 (1995)を参照のこと)。
【0046】一例として、神経伝達物質輸送体の活性
は、培養下の細胞中で、放射性同位元素標識基質を用い
ることにより測定できる。細胞を所定の時間にわたって
該基質(培養培地に添加した)に曝した後、該細胞を洗
浄し、その内容物を酸またはアルカリで抽出し、放射性
同位元素標識の細胞蓄積をシンチレーション分光分析法
により測定する。このようにして、最大活性、最大活性
の半分に必要とされる基質濃度(Km)および競合物質
(例えば小分子)の効力が既存の方法により測定できる
(例えば、Clark JAおよびAmara S., Mol. Pharmacol.
46 (1994), 550-557を参照)。競合物質が実際に輸送体
の機能を阻害するかどうかを判定するためには、輸送体
の活性をブロックする物質および細胞中での放射性同位
元素標識基質の蓄積を減少させる物質を輸送体に対する
基質として作用させることにより、それらの物質を互い
に区別することが必要である。これは、まず競合物質の
不存在下で細胞に放射性同位元素標識基質をプレロード
することにより評価することができる。次に、輸送体の
「逆の(reverse)」活性を有利にする条件下(例えば、
低いNa+およびCl-イオンの細胞外濃度)で、細胞から続
いて流出する放射性同位元素標識基質の流出物について
の測定を行うことができる。輸送体に対する基質として
作用する物質はこの流出物を増大させるはずであり、一
方、輸送体の機能の真のインヒビターである物質はその
流出物を減少させるはずである(例えば、Chen N.ら,
J. Neurochem. (1998) 71, 653-665を参照)。
【0047】また、本発明のポリヌクレオチド、ポリペ
プチドまたは該ポリペプチドに対する抗体を用いて、細
胞内でのmRNAまたはポリペプチドの産生に及ぼす添
加化合物の作用を検出するためのスクリーニング法を組
み立てることができる。例えば、当業界で公知の標準方
法によりモノクローナルまたはポリクローナル抗体を用
いて、ポリペプチドの分泌レベルまたは細胞結合レベル
を測定するためのELISAアッセイを構築することが
でき、これは適切に操作された細胞または組織からのポ
リペプチドの産生を抑制または増強する物質(それぞれ
アンタゴニストまたはアゴニストともいう)の探索に用
いることができる。
【0048】膜に結合した受容体または可溶性の受容体
が存在するのであれば、当業界で公知の標準的な受容体
結合法によりこの種の受容体を同定するために本発明の
ポリペプチドを用いることができる。こうした受容体結
合法には、限定するものではないが、リガンド結合アッ
セイおよび架橋アッセイがあり、これらのアッセイで
は、ポリペプチドを放射性アイソトープ(例:125I)で
標識するか、化学的に修飾(例:ビオチン化)するか、
または検出や精製に適したペプチド配列に融合させ、そ
して推定上の受容体源(細胞、細胞膜、細胞上清、組織
抽出物、体液など)とインキュベートする。その他の方
法としては、表面プラズモン共鳴および分光学のような
生物物理的方法がある。これらのスクリーニング法は、
該ポリペプチドまたは(存在するのであれば)その受容
体への結合と競合する該ポリペプチドのアゴニストまた
はアンタゴニストを同定するために用いることもでき
る。スクリーニングアッセイを行うための標準的な方法
は当業界でよく理解されている。
【0049】本発明のポリペプチドの潜在的なアンタゴ
ニストの例としては、抗体、ある場合には、該ポリペプ
チドのリガンド、基質、受容体、酵素などと密接な関係
があるオリゴヌクレオチドもしくはタンパク質(例え
ば、リガンド、基質、受容体、酵素などの断片)、また
は本発明のポリペプチドと結合するが応答を誘導しない
(それゆえ該ポリペプチドの活性を妨げる)小分子など
がある。
【0050】かくして、他の態様において、本発明は、
本発明のポリペプチドのアゴニスト、アンタゴニスト、
リガンド、受容体、基質、酵素など、またはこの種のポ
リペプチドの産生を低下または増加させる化合物を同定
するためのスクリーニングキットに関し、このキット
は、(a) 本発明のポリペプチド、(b) 本発明のポリペプ
チドを発現している組換え細胞、(c) 本発明のポリペプ
チドを発現している細胞膜、または(d) 本発明のポリペ
プチドに対する抗体、を含んでなり、前記ポリペプチド
は好ましくは配列番号2のポリペプチドである。このよ
うなキットにおいて、(a) 、(b) 、(c) または (d)が実
質的な構成成分であることが理解されよう。
【0051】当業者であれば、本発明のポリペプチド
は、その構造に基づいて該ポリペプチドのアゴニスト、
アンタゴニストまたはインヒビターを設計する方法にも
使用できることが容易に理解されよう。この方法は、
(a) 最初に該ポリペプチドの三次元構造を解析し、(b)
アゴニスト、アンタゴニストまたはインヒビターの確実
と思われる反応部位または結合部位の三次元構造を想定
し、(c) 想定された反応部位または結合部位と結合また
は反応すると予想される候補化合物を合成し、そして
(d) その候補化合物が実際にアゴニスト、アンタゴニス
トまたはインヒビターであるか否かを調べる、ことを含
んでなる。これは通常反復プロセスであることがさらに
理解されよう。
【0052】更なる態様において、本発明は、SC6ポリ
ペプチド活性の過剰量と不足量のいずれかに関係した、
例えば神経傷害性の疼痛、他の疼痛、痙性、筋クロヌ
ス、てんかん、卒中、頭部損傷、脊髄傷害、失調症、多
発性硬化症、筋萎縮性側索硬化症、ハンチントン病、ま
たはパーキンソン病などの異常な状態の治療法を提供す
る。
【0053】該ポリペプチドの活性が過剰である場合
は、いくつかのアプローチが利用可能である。一つのア
プローチは、例えば、リガンド、基質、受容体、酵素な
どの結合をブロックすることにより、または第2のシグ
ナルを抑制することで異常な状態を軽減することによ
り、該ポリペプチドの機能を抑制するのに有効な量で、
上記のインヒビター化合物(アンタゴニスト)を製剤学
上許容される担体とともに患者に投与することを含んで
なる。もう一つのアプローチでは、内因性のポリペプチ
ドとの競合状態でリガンド、基質、酵素、受容体などと
結合する能力がまだある可溶性形態のポリペプチドを投
与することができる。このような競合物質の典型的な例
はSC6ポリペプチドの断片である。
【0054】さらに別のアプローチでは、発現阻止法を
使って内因性SC6ポリペプチドをコードする遺伝子の発
現を抑制することができる。こうした公知技術は、体内
で産生されるか体外から投与されるアンチセンス配列の
使用を必要とする(例えば、Oligodeoxynucleotides as
Antisense Inhibitors of Gene Expression (遺伝子発
現のアンチセンスインヒビターとしてのオリゴデオキシ
ヌクレオチド), CRC Press, Boca Raton, FL (1988) 中
のO'Connor, J. Neurochem (1991) 56:560を参照のこ
と)。あるいはまた、この遺伝子と共に三重らせん(ト
リプレックス)を形成するオリゴヌクレオチドを供給す
ることもできる(例えば、Leeら, Nucleic Acids Res
(1979) 6:3073; Cooneyら, Science (1988) 241:456; D
ervanら, Science (1991) 251:1360 を参照のこと)。
これらのオリゴマーはそれ自体を投与することもできる
し、関連オリゴマーをin vivo で発現させることもでき
る。合成アンチセンスまたはトリプレックスオリゴヌク
レオチドは修飾塩基または修飾骨格を含みうる。後者の
例にはメチルホスホネート、ホスホロチオエートまたは
ペプチド核酸骨格が含まれる。そうした骨格はアンチセ
ンスまたはトリプレックスオリゴヌクレオチド中に取り
込まれてヌクレアーゼによる分解からの防御を提供して
おり、当分野で公知である。これらの、または他の修飾
骨格を用いて合成されたアンチセンスおよびトリプレッ
クス分子も本発明の一部を構成する。
【0055】さらに、ヒトSC6ポリペプチドの発現は、
ヒトSC6 mRNA配列に特異的なリボザイムを用いるこ
とにより阻止することができる。リボザイムは触媒的に
活性なRNAであり、天然のものでも合成されたもので
も良い(例えば、Usman, Nら、Curr. Opin. Struct. Bio
l. (1996)6(4), 527-33を参照されたい)。合成リボザイ
ムは、選択した部位でヒトSC6 mRNAを特異的に切断
するように設計することができ、それによりヒトSC6 m
RNAから機能性ポリペプチドへの翻訳が阻止される。
通常RNA分子に見られるような天然のリボースリン酸
骨格および天然の塩基を用いてリボザイムを合成するこ
ともできる。また、リボヌクレアーゼ分解からの防御を
提供するために非天然骨格を用いてリボザイム、例え
ば、2'-O-メチルRNAを合成することも可能で、該リ
ボザイムは修飾塩基を含みうる。
【0056】SC6およびその活性の過少発現に関係した
異常な状態を治療する場合も、いくつかのアプローチを
取ることができる。一つのアプローチは、治療に有効な
量の本発明ポリペプチドを活性化する化合物(すなわ
ち、前記アゴニスト)を製剤学上許容される担体ととも
に患者に投与して、異常な状態を緩和することを含んで
なる。別法として、患者の関連細胞においてSC6を内因
的に産生させるために遺伝子治療を用いることができ
る。例えば、上で述べたような複製欠損レトロウイルス
ベクターによる発現のために本発明のポリヌクレオチド
を遺伝子操作する。次にレトロウイルス発現構築物を単
離し、本発明のポリペプチドをコードするRNAを含有
するレトロウイルスプラスミドベクターで形質導入され
たパッケージング細胞に導入する。その結果、パッケー
ジング細胞は対象の遺伝子を含有する感染性のウイルス
粒子を産生するようになる。in vivo 細胞操作およびin
vivoポリペプチド発現のために、これらのプロデュー
サー細胞を患者に投与する。遺伝子治療の概論に関して
は、Human Molecular Genetics, T Strachan and A P R
ead, BIOS Scientific Publishers Ltd (1996)中のChap
ter 20, Gene Therapy and other Molecular Genetic-b
ased Therapeutic Approaches(およびその中の引用文
献) を参照のこと。もう一つのアプローチは治療量の本
発明のポリペプチドを適当な製剤学上の担体とともに投
与することである。
【0057】更なる態様において、本発明は、治療に有
効な量のポリペプチド(例えば、可溶性形態の本発明ポ
リペプチド)、アゴニストもしくはアンタゴニストペプ
チド、または小分子化合物を製剤学上許容される担体ま
たは賦形剤と共に含有する医薬組成物を提供する。この
種の担体としては、食塩水、生理食塩水、デキストロー
ス、水、グリセロール、エタノール、およびこれらの組
合せがあるが、これらに限らない。本発明はさらに、上
記の本発明組成物の1以上の成分を充填した1以上の容
器を含んでなる医薬パックおよびキットに関する。本発
明のポリペプチドおよび他の化合物は単独で使用して
も、他の化合物、例えば治療用化合物と一緒に使用して
もよい。
【0058】医薬組成物は投与経路、例えば全身または
経口による投与経路に適合させることができる。全身投
与に適した形態は、注入(注射)、典型的には静注であ
る。皮下、筋肉内または腹腔内のような他の注入経路も
使用できる。全身投与の別の手段には、胆汁酸塩、フシ
ジン酸、その他の界面活性剤などの浸透剤を用いた経粘
膜および経皮投与がある。さらに、本発明のポリペプチ
ドまたは他の化合物を腸溶剤またはカプセル剤として製
剤化し得るのであれば、経口投与も可能である。これら
の化合物を軟膏、ペースト、ゲルなどの剤形で局所に投
与しても、かつ/または局在化させてもよい。
【0059】必要な投与量範囲は、本発明のペプチドま
たは他の化合物の選択、投与経路、製剤の性質、患者の
状態、そして医師の判断に左右される。しかし、適当な
投与量は患者の体重1kgあたり0.1〜100μgの範囲であ
る。入手可能な化合物が多様であること、投与経路の効
率が異なることを考慮すれば、必要とされる投与量は広
範に変動することが予測される。例えば、経口投与は静
注による投与よりも高い投与量を必要とすると予想され
よう。こうした投与量レベルの変動は、当業界でよく理
解されているような、標準的経験的な最適化手順を用い
て調整することができる。
【0060】治療に用いるポリペプチドは、上述したよ
うな「遺伝子治療」と称する治療法において、患者の体
内で産生させることもできる。例えば、患者由来の細胞
を、ポリペプチドをコードするDNAまたはRNAのよ
うなポリヌクレオチドにより、例えばレトロウイルスプ
ラスミドベクターを用いて、ex vivo で遺伝子工学的に
操作する。その後、これらの細胞を患者に導入する。
【0061】ポリヌクレオチドおよびポリペプチドの配
列は、類似の相同性を有する別の配列を同定する際の価
値ある情報源を提供する。これは、こうした配列をコン
ピュータ読み取り可能媒体中に保存し、次に保存したデ
ータを用いてGCGおよびレーザージーン(Lasergen
e)ソフトウエアパッケージのような公知の検索ツール
により配列データベースを検索することで最大限促進さ
れる。したがって、更なる態様において、本発明は、配
列番号1の配列を含んでなるポリヌクレオチドおよび/
またはそれによりコードされるポリペプチドを保存した
コンピュータ読み取り可能媒体を提供する。
【0062】以下の定義は上記の説明中でしばしば用い
られた用語を理解しやすくするためのものである。本明
細書中で用いる「抗体」には、ポリクローナルおよびモ
ノクローナル抗体、キメラ抗体、一本鎖抗体、ヒト化抗
体、さらにFabまたは他の免疫グロブリン発現ライブ
ラリーの産物を含むFabフラグメントが含まれる。
「単離された」とは、天然の状態から「人間の手によっ
て」改変されたことを意味する。「単離された」組成物
または物質が天然に存在するのであれば、それはそのも
との環境から変化しているか分離されており、またはそ
の両方である。例えば、生存している動物の体内に自然
界で存在するポリヌクレオチドまたはポリペプチドは
「単離された」ものではないが、その天然状態の共存物
質から分離されたポリヌクレオチドまたはポリペプチド
は、本明細書中で用いられるように、「単離された」も
のである。
【0063】「ポリヌクレオチド」とは、一般に任意の
ポリリボヌクレオチドまたはポリデオキシリボヌクレオ
チドをさし、これは修飾されていないRNAもしくはD
NA、または修飾されたRNAもしくはDNAであり得
る。「ポリヌクレオチド」には、制限するものではない
が、一本鎖および二本鎖DNA、一本鎖領域と二本鎖領
域が混じり合ったDNA、一本鎖および二本鎖RNA、
一本鎖領域と二本鎖領域が混じり合ったRNA、DNA
とRNAを含むハイブリッド分子(一本鎖でも、または
より典型的には二本鎖でもよく、一本鎖領域と二本鎖領
域が混じり合ったものでもよい)が含まれる。加えて、
「ポリヌクレオチド」はRNAまたはDNAまたはRN
AとDNAの両方からなる三重鎖領域を意味する。「ポ
リヌクレオチド」という用語はまた、1個以上の修飾塩
基を含有するDNAまたはRNA、および安定性または
他の理由のために修飾された骨格を有するDNAまたは
RNAも含む。「修飾」塩基としては、例えば、トリチ
ル化された塩基およびイノシンのような特殊な塩基があ
る。DNAおよびRNAに対してさまざまな修飾を行う
ことができる。こうして、「ポリヌクレオチド」は、自
然界に一般的に存在するポリヌクレオチドの化学的、酵
素的または代謝的に修飾された形態、並びにウイルスお
よび細胞に特徴的なDNAおよびRNAの化学的形態を
包含する。また、「ポリヌクレオチド」は、しばしばオ
リゴヌクレオチドと称される比較的短いポリヌクレオチ
ドも包含する。
【0064】「ポリペプチド」とは、ペプチド結合また
は修飾されたペプチド結合(すなわち、ペプチドアイソ
スター)により連結された2個以上のアミノ酸を含むペ
プチドまたはタンパク質を意味する。「ポリペプチド」
は短鎖(通常はペプチド、オリゴペプチドまたはオリゴ
マーという)と長鎖(一般的にはタンパク質という)の
両方をさす。ポリペプチドは20種類の遺伝子コード化
アミノ酸以外のアミノ酸を含んでもよい。「ポリペプチ
ド」は、翻訳後プロセシングのような天然のプロセス
で、または当業界で公知の化学的修飾法のいずれかで修
飾されたアミノ酸配列を含む。このような修飾は基本的
な教科書、より詳細な学術論文および研究文献に詳述さ
れている。修飾はペプチド骨格、アミノ酸側鎖、アミノ
またはカルボキシル末端を含めてポリペプチドのどこで
も行うことができる。同じタイプの修飾が所定のポリペ
プチドのいくつかの部位に同程度でまたはさまざまに異
なる程度で存在してもよい。また、所定のポリペプチド
が多くのタイプの修飾を含んでいてもよい。ポリペプチ
ドはユビキチン化のために分枝していても、分枝のある
又はない環状であってもよい。環状の、分枝した、また
は分枝した環状のポリペプチドは翻訳後の天然プロセス
から生じることがあり、また、合成法によって製造する
こともできる。修飾としては、アセチル化、アシル化、
ADP−リボシル化、アミド化、ビオチン化、フラビン
の共有結合、ヘム部分の共有結合、ヌクレオチドまたは
ヌクレオチド誘導体の共有結合、脂質または脂質誘導体
の共有結合、ホスファチジルイノシトールの共有結合、
架橋、環化、ジスルフィド結合の形成、脱メチル化、共
有結合架橋の形成、シスチンの形成、ピログルタメート
の形成、ホルミル化、γ−カルボキシル化、グリコシル
化、GPIアンカー形成、ヒドロキシル化、ヨウ素化、
メチル化、ミリストイル化、酸化、タンパク質分解プロ
セシング、リン酸化、プレニル化、ラセミ化、セレノイ
ル化、硫酸化、アルギニル化のようなタンパク質へのア
ミノ酸の転移RNA媒介付加、ユビキチン化などがある
(例えば、Proteins - Structure and Molecular Prope
rties, 2nd Ed., T.E. Creighton, W.H. Freeman and C
ompany, New York, 1993; Posttranslational Covalent
Modification of Proteins, B.C. Johnson編, Academi
c Press, New York, 1983中のWold, F., Post-translat
ional Protein Modifications:Perspectives and Prosp
ects, pgs. 1-12; Seifterら, “Analysis for protein
modifications and nonprotein cofactors", Meth Enz
ymol (1990) 182:626-646;および Rattanら, “Protein
Synthesis: Post-translational Modifications and A
ging", Ann NY Acad Sci (1992) 663:48-62を参照のこ
と)。
【0065】本明細書中で用いる「変異体」とは、基準
のポリヌクレオチドまたはポリペプチドと異なるが、不
可欠な性質を保持しているポリヌクレオチドまたはポリ
ペプチドのことである。典型的なポリヌクレオチドの変
異体は基準ポリヌクレオチドとヌクレオチド配列の点で
相違する。この変異体のヌクレオチド配列の変化は、基
準ポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチド
のアミノ酸配列を変更しても、しなくてもよい。ヌクレ
オチドの変化は、以下で述べるように、基準配列により
コードされるポリペプチドのアミノ酸の置換、欠失、付
加、融合および末端切断(トランケーション)をもたら
しうる。典型的なポリペプチドの変異体は基準ポリペプ
チドとアミノ酸配列の点で相違する。一般的には、基準
ポリペプチドの配列と変異体の配列が全般的によく類似
しており、多くの領域で同一となるような相違に限られ
る。変異体と基準ポリペプチドは任意に組み合わせた1
以上の置換、欠失、付加によりアミノ酸配列が相違して
いてよい。置換または付加されるアミノ酸残基は遺伝子
コードによりコードされるものであっても、なくてもよ
い。ポリヌクレオチドまたはポリペプチドの変異体はア
レル変異体のように天然に存在するものでも、天然に存
在することが知られていない変異体であってもよい。ポ
リヌクレオチドおよびポリペプチドの天然に存在しない
変異体は、突然変異誘発法または直接合成により作製す
ることができる。
【0066】当技術分野で知られた「同一性」とは、ポ
リペプチド配列またはポリヌクレオチド配列の比較によ
り決定された、2以上のかかる配列間の関連性のことで
ある。当技術分野ではまた、「同一性」はポリペプチド
配列またはポリヌクレオチド配列の鎖間のマッチ(matc
h)により決定された、このような配列間の配列関連性の
程度を意味する。「同一性」および「類似性」は公知の
方法により難なく算出することができ、こうした方法と
して、例えば Computational Molecular Biology, Les
k, A.M.編, Oxford University Press, New York, 198
8; Biocomputing:Informatics and Genome Projects, S
mith, D.W. 編, Academic Press, New York, 1993; Com
puter Analysis of Sequence Data, Part I, Griffin,
A.M. andGriffin, H.G. 編, Humana Press, New Jerse
y, 1994; Sequence Analysis in Molecular Biology, v
on Heinje, G., Academic Press, 1987; Sequence Anal
ysis Primer, Gribskov, M. and Devereux, J. 編, M S
tockton Press, New York,1991; および Carillo, H. a
nd Lipman, D., SIAM J. Applied Math., 48: 1073(198
8) に記載された方法があるが、これらに限らない。同
一性を決定するための好ましい方法は、検討する配列間
で最大級のマッチが得られるように設計される。さら
に、同一性および類似性を決定する方法は一般に入手可
能なコンピュータプログラムに編集されている。2配列
間の同一性および類似性を決定する好適なコンピュータ
プログラム法としては、GCGプログラムパッケージ
(Devereux, J.ら, Nucleic Acids Research 12(1):387
(1984))、BLASTP、BLASTNおよびFAST
A (Atschul, S.F.ら, J. Molec. Biol. 215:403-410
(1990)) があるが、これらに限らない。BLASTXプ
ログラムはNCBIおよび他のソースから一般に入手可
能である (BLAST Manual, Altschul, S.ら, NCBI NLMNI
H Bethesda, MD 20894; Altschul, S.ら, J. Mol. Bio
l. 215: 403-410 (1990))。公知のSmith Watermanアル
ゴリズムも同一性の決定に使用することができる。
【0067】ポリペプチド配列を比較するための好適な
パラメーターは次のものを含む: 1)アルゴリズム:Needleman & Wunsch, J. Mol. Bio
l. 48: 443-453 (1970);比較マトリックス:BLOSSUM62
、Hentikoff and Hentikoff, Proc. Natl. Acad. Sci.
USA, 89: 10915-10919 (1992) ギャップペナルティー:12 ギャップ長ペナルティー:4 これらのパラメーターと共に役に立つプログラムは Gen
etics Computer Group(Madison WI)から「gap」プロ
グラムとして一般に入手可能である。前記のパラメータ
ーはペプチド比較のためのデフォルトパラメーター(def
ault parameter) である(末端ギャップのペナルティー
は無し)。
【0068】ポリヌクレオチド配列を比較するための好
適なパラメーターは次のものを含む: 1)アルゴリズム:Needleman & Wunsch, J. Mol. Bio
l. 48: 443-453 (1970); 比較マトリックス:マッチ=+10、ミスマッチ=0 ギャップペナルティー:50 ギャップ長ペナルティー:3 これらのパラメーターと共に役に立つプログラムは Gen
etics Computer Group(Madison WI)から「gap」プロ
グラムとして入手可能である。前記のパラメーターはポ
リヌクレオチド比較のためのデフォルトパラメーターで
ある。
【0069】例として、本発明のポリヌクレオチド配列
は配列番号1の基準配列と同一、すなわち100%同一で
あっても、該基準配列に対して、ある整数個までのヌク
レオチド変異を含んでいてもよい。前記変異は少なくと
も1個のヌクレオチドの欠失、置換(トランジションお
よびトランスバージョンを含む)または付加よりなる群
から選択され、こうした変異は基準ヌクレオチド配列の
5'もしくは3'末端位置、またはこれらの末端位置の間の
どこに存在してもよく、基準配列中のヌクレオチドの間
に個々に、または基準配列内に1以上の連続するグルー
プとして介在することができる。ヌクレオチド変異の数
は、配列番号1のヌクレオチドの総数に、それぞれの
(100で割った)同一性%値を掛け、その積を配列番号
1のヌクレオチドの総数から差し引くことにより、すな
わち、次式: nn ≦xn −(xn・y) により求めることができる。式中、nnはヌクレオチド
変異の数であり、xnは配列番号1のヌクレオチドの総
数であり、yは例えば70%については0.70、80%につい
ては0.80、85%については0.85、90%については0.90、
95%については0.95などであり、xnとyの非整数の積
は、その積をxnから引く前に、最も近似する整数に切
り下げる。配列番号2のポリペプチドをコードするポリ
ヌクレオチド配列の改変は、そのコード配列にナンセン
ス、ミスセンスまたはフレームシフト突然変異を生じさ
せ、それにより、こうした変異後に該ポリヌクレオチド
によりコードされたポリペプチドを改変させることがで
きる。
【0070】同様に、本発明のポリペプチド配列は配列
番号2の基準配列と同一、すなわち100%の同一性であ
っても、該基準配列に対して、ある整数個までのアミノ
酸変異を含んで同一性%が100%未満であってもよい。
前記変異は少なくとも1個のアミノ酸の欠失、置換(同
類および非同類アミノ酸置換を含む)または付加よりな
る群から選択され、こうした変異は基準ポリペプチド配
列のアミノもしくはカルボキシ末端位置、またはこれら
の末端位置の間のいずれに存在してもよく、基準配列中
のアミノ酸の間に個々に、または基準配列内に1以上の
連続するグループとして介在することができる。所定の
同一性%についてのアミノ酸変異の数は、配列番号2の
アミノ酸の総数に、それぞれの(100で割った)同一性
%値を掛け、その積を配列番号2のアミノ酸の総数から
差し引くことにより、すなわち、次式: na ≦xa −(xa・y) により求めることができる。式中、naはアミノ酸変異
の数であり、xaは配列番号2中のアミノ酸の総数であ
り、yは例えば70%については0.70、80%については0.
80、85%については0.85などであり、xaとyの非整数
の積は、その積をxaから引く前に、最も近似する整数
に切り下げる。
【0071】「相同体」とは、対象の配列に対して高度
の配列関連性を有するポリヌクレオチドまたはポリペプ
チド配列を示すための当技術分野で使用される一般的な
用語である。こうした関連性は、上記のような比較すべ
き配列間の同一性および/または類似性の程度を決定す
ることにより定量化できる。別の種におけるポリヌクレ
オチドまたはポリペプチドの機能的等価物であるポリヌ
クレオチドまたはポリペプチドを意味する「オーソログ
体」(ortholog)、および同一の種内で考えるときに機能
的に類似した配列を意味する「パラログ体」(paralog)
という用語はこの一般的な用語に含まれる。
【0072】「融合タンパク質」とは、2つの、しばし
ば無関係の、融合された遺伝子またはその断片によりコ
ードされるタンパク質のことである。一例として、EP-A
-0 464には、免疫グロブリン分子の定常領域の様々な部
分と他のヒトタンパク質またはその一部とを含んでなる
融合タンパク質が記載されている。多くの場合、治療お
よび診断における使用には、融合タンパク質の一部とし
て免疫グロブリンFc領域を使用することが有利であ
り、これにより例えば薬物速度論的性質が向上する(例
えば、EP-A- 0232 262を参照のこと)。一方、いくつか
の使用にとっては、その融合タンパク質を発現させ、検
出し、精製した後でFc部分を除去することが望ましい
だろう。
【0073】
【実施例】実施例1:クローニング PCRにより遺伝子特異的プライマーである配列番号3
(5′プライマー)および配列番号4(3′プライマ
ー)を用いて配列番号1のヌクレオチド番号256〜2
649を得、全長クローンを増幅した。このPCRに用
いた鋳型は、AMV逆転写酵素およびオリゴ(dT)プライ
マーを用いて500ngポリA+脊髄RNA(Clontech)上で
作製した第1のcDNA鎖であった。逆転写酵素反応
は、Promega RT系を用いて行った。反応条件は、1×RT
緩衝液、1mM dNTP、5mM Mg2+、10ユニットのRNasi
n、7.5ユニットのAMV逆転写酵素、0.25μg オリゴ(d
T)15プライマー、500ng RNA鋳型とした。オリゴ(d
T)プライマーをポリA+RNAに添加し、反応物を70℃
で10分間インキュベートした後、氷上に置いた。次に、
反応物を42℃で60分間、続いて99℃で5分間インキュベ
ートし、氷上に置いた。反応生成物を1:10に希釈して
PCR反応に用いた。
【0074】PCR反応は50μlの容量[1×KlenTaq緩
衝液、0.2mM dNTP、100nM 5′プライマー(配列番号
3)、100nM 3′プライマー(配列番号4)、5μl 脊
髄第1cDNA鎖(上記)、1×KlenTaqポリメラーゼミ
ックス]で行った。反応サイクルは、95℃で2分行った
後、95℃で30秒、62℃で30秒および68℃で4分を35サイ
クル行った。この後、68℃で10分間保持し、次いで4℃
で保持した。
【0075】配列番号1には5′および3′非翻訳(UT
R)配列も含まれる。これらは別々に得た。5′UTR(ヌ
クレオチド番号1〜255)は、Marathon小脳cDNA
鋳型上で、5′RACEPCR条件(製造業者の推奨す
るもの)を用いて、遺伝子特異的プライマーである配列
番号5(第1回目用のプライマー)および配列番号6
(ネスティング(nesting)用プライマー)並びにMaratho
nアダプタープライマーを用いて、別にPCRを行って
得た。3′UTR(ヌクレオチド番号2650〜286
3)はImageクローンNo.745336[Soares NHT標準化(So
ares NHT normalized)ヒト精巣]の配列決定により得
た。
【0076】実施例2:哺乳動物細胞での発現 本発明の輸送体を、ヒト胚腎293(HEK-293)細胞中で一
過性的に発現させた。発現を最大にするために、典型的
には、トランスフェクションに先立って輸送体cDNA
から5′および3′非翻訳領域(UTR)を除去した。リ
ポフェクチンを用いて細胞を一過性的にトランスフェク
トした。トランスフェクションの24〜48時間後、実施例
1に記載のようにしてグリシン輸送体の活性をアッセイ
した。
【0077】実施例3:グリシン取込みアッセイ 実施例1に記載のようにして一過性的にトランスフェク
トした細胞の懸濁液を、ポリリシンで被覆した96ウエル
のプレートにピペッティングにより移した(ウエル当た
り50,000個の細胞)。4〜24時間後、ウエルを標準Kreb
s/Hepes緩衝液(KHB)で37℃にて洗浄した。さらにKHB
をウエルに添加した後、プレートを37℃で10分間インキ
ュベートした。次に、適当な濃度の潜在的インヒビター
を含有するKHBを1μM [3H]-グリシンと共にウエルに
添加した。37℃で2〜60分間インキュベートした後、ウ
エルを氷冷KHBで洗浄した。次に、細胞をNaOHに可溶化
し、放射能の存在量をシンチレーションカウンターを用
いて測定した。
【0078】SC6でトランスフェクトした細胞での
3H]-グリシンの取込みの経時的変化の一例を図1に
示す。この[3H]-グリシンの取込みは、アッセイにお
いて非放射性グリシン(1mM)を含有させることにより
ほぼ全面的にブロックされるが、サルコシン(1mM)に
よって有意な影響を受けることはない。このようにサル
コシン(GlyT-1輸送体を介する取込みに対するブロッカ
ー)による影響が無いこと、並びに、中性アミノ酸輸送
体取込み成分を介する取込みをブロックするために全て
のアッセイをアラニン(5mM)の存在下で行なったとい
う事実から、[3H]-グリシンの取込みがGlyT-2輸送体
によって媒介されたことが示される(Liu QRら, J. Bio
l. Chem. (1993) 268, 220802-22808)。
【0079】SC6でトランスフェクトした細胞に添加し
たグリシンの総濃度の関数としての[3H]-グリシンの
取込みを図2に示す。その結果から、Km値が58mMであり
Vmax値が1130 pmole/タンパク質のmg/分であること
が示される。
【0080】本明細書中に引用された、特許および特許
出願明細書を含めた全ての刊行物は、あたかも各刊行物
が明確にかつ個々に示されているかのように、その全体
を参考としてここに組み入れるものとする。
【0081】
【配列表】 SEQUENCE LISTING <110> SmithKline Beecham plc <120> SC6 Polypeptides and SC6 Polynucleotides <130> PA98-388 <150> GB 9818890.7 <151> 1998-8-28 <160> 6 <170> FastSEQ for Windows Version 3.0 <210> 1 <211> 2863 <212> DNA <213> Homo sapiens <400> 1 ccctcccgct ggagtgacaa ctggccagca tactctaggc tgttgtccct ttaaaacttg 60 aatccaaggg ggtaatgatt tatcaaactt gtattatcaa gaaaatgtca aaccaagggc 120 accttgcttt gcactgacgc aaacccggcc tttcccaagg agatatagaa agcgcctctc 180 ctgcctgagc caaacccagt cttgtcaata gcgggtttca ccctccacta gttcagtctg 240 ttgcctgtgt cagacatgga ttgcagtgct cccaaggaaa tgaataaact gccagccaac 300 agcccggagg cggcggcggc gcagggccac ccggatggcc catgcgctcc caggacgagc 360 ccggagcagg agcttcccgc ggccgccgcc ccgccgccgc cacgtgtgcc caggtccgct 420 tccaccggcg cccaaacttt ccagtcagcg gacgcgcgag cctgcgaggc tgagcggcca 480 ggagtggggt cttgcaaact cagtagcccg cgggcgcagg cggcctctgc agctctgcgg 540 gacttgagag aggcgcaagg cgcgcaggcc tcgccccctc ccgggagctc cgggcccggc 600 aacgcgctgc actgtaagat cccttctctg cgaggcccgg agggggatgc gaacgtgagt 660 gtgggcaagg gcaccctgga gcggaacaat acccctgttg tgggctgggt gaacatgagc 720 cagagcaccg tggtgctggg cacggatgga atcacgtccg tgctcccggg cagcgtggcc 780 accgttgcca cccaggagga cgagcgaggg gatgagaata aggcccgagg gaactggtcc 840 agcaaactgg acttcatcct gtccatggtg gggtacgcag tggggctggg caatgtctgg 900 aggtttccct acctggcctt ccagaacggg ggaggtgctt tcctcatccc ttacctgatg 960 atgctggctc tggctggatt acccatcttc ttcttggagg tgtcgctggg ccagtttgcc 1020 agccagggac cagtgtctgt gtggaaggcc atcccagctc tacaaggctg tggcatcgcg 1080 atgctgatca tctctgtcct aatagccata tactacaatg tgattatttg ctatacactt 1140 ttctacctgt ttgcctcctt tgtgtctgta ctaccctggg gctcctgcaa caacccttgg 1200 aatacgccag aatgcaaaga taaaaccaaa cttttattag attcctgtgt tatcagtgac 1260 catcccaaaa tacagatcaa gaactcgact ttctgcatga ccgcttatcc caacgtgaca 1320 atggttaatt tcaccagcca ggccaataag acatttgtca gtggaagtga agagtacttc 1380 aagtactttg tgctgaagat ttctgcaggg attgaatatc ctggcgagat caggtggcca 1440 ctagctctct gcctcttcct ggcttgggtc attgtgtatg catcgttggc taaaggaatc 1500 aagacttcag gaaaagtggt gtacttcacg gccacgttcc cgtatgtcgt actcgtgatc 1560 ctcctcatcc gaggagtcac cctgcctgga gctggagctg ggatctggta cttcatcaca 1620 cccaagtggg agaaactcac gaatgccacg gtgtggaaag atgctgccac tcagattttc 1680 ttctctttat ctgctgcatg gggaggcctg atcactctct cttcttacaa caaattccac 1740 aacaactgct acagggacac tctaattgtc acctgcacca acagtgccac aagcatcttt 1800 gccggcttcg tcatcttctc cgttatcggc ttcatggcca atgaacgcaa agtcaacatt 1860 gagaatgtgg cagaccaagg gccaggcatt gcatttgtgg tttacccgga agccttaacc 1920 aggctgcctc tctctccgtt ctgggccatc atctttttcc tgatgctcct cactcttgga 1980 cttgacacta tgtttgccac catcgagacc atagtgacct ccatctcaga cgagtttccc 2040 aagtacctac gcacacacaa gccagtgttt actctgggct gctgcatttg tttcttcatc 2100 atgggttttc caatgatcac tcagggtgga atttacatgt ttcagcttgt ggacacctat 2160 gctgcctcct atgcccttgt catcattgcc atttttgagc tcgtggggat ctcttatgtg 2220 tatggcttgc aaagattctg tgaagatata gagatgatga ttggattcca gcctaacatc 2280 ttctggaaag tctgctgggc atttgtaacc ccaaccattt taacctttat cctttgcttc 2340 agcttttacc agtgggagcc catgacctat ggctcttacc gctatcctaa ctggtccatg 2400 gtgctcggat ggctaatgct cgcctgttcc gtcatctgga tcccaattat gtttgtgata 2460 aaaatgcatc tggcccctgg aagatttatt gagaggctga agttggcgtg ctcgccacag 2520 ccggactggg gcccattctt agctcaacac cgcggggagc gttacaagaa catgatcgac 2580 cccttgggaa cctcttcctt gggactcaaa ctgccagtga aggatttgga actgggcact 2640 cagtgctagt ccagtggtgt gggatggtcc agacttgatc ctgtttttcc tctctgcctc 2700 ctcctaatgt tttccatagc tctcctccca tttttcttca tctttcttcc tacatcttgg 2760 ttcacatcca cgcatgagag tgattatgta gaaaagtagg catagtgtcg catgctgcag 2820 taaagagcta catagaccac ctgaaaaaaa aaaaaaaaaa aaa 2863 <210> 2 <211> 797 <212> PRT <213> Homo sapiens <400> 2 Met Asp Cys Ser Ala Pro Lys Glu Met Asn Lys Leu Pro Ala Asn Ser 1 5 10 15 Pro Glu Ala Ala Ala Ala Gln Gly His Pro Asp Gly Pro Cys Ala Pro 20 25 30 Arg Thr Ser Pro Glu Gln Glu Leu Pro Ala Ala Ala Ala Pro Pro Pro 35 40 45 Pro Arg Val Pro Arg Ser Ala Ser Thr Gly Ala Gln Thr Phe Gln Ser 50 55 60 Ala Asp Ala Arg Ala Cys Glu Ala Glu Arg Pro Gly Val Gly Ser Cys 65 70 75 80 Lys Leu Ser Ser Pro Arg Ala Gln Ala Ala Ser Ala Ala Leu Arg Asp 85 90 95 Leu Arg Glu Ala Gln Gly Ala Gln Ala Ser Pro Pro Pro Gly Ser Ser 100 105 110 Gly Pro Gly Asn Ala Leu His Cys Lys Ile Pro Ser Leu Arg Gly Pro 115 120 125 Glu Gly Asp Ala Asn Val Ser Val Gly Lys Gly Thr Leu Glu Arg Asn 130 135 140 Asn Thr Pro Val Val Gly Trp Val Asn Met Ser Gln Ser Thr Val Val 145 150 155 160 Leu Gly Thr Asp Gly Ile Thr Ser Val Leu Pro Gly Ser Val Ala Thr 165 170 175 Val Ala Thr Gln Glu Asp Glu Arg Gly Asp Glu Asn Lys Ala Arg Gly 180 185 190 Asn Trp Ser Ser Lys Leu Asp Phe Ile Leu Ser Met Val Gly Tyr Ala 195 200 205 Val Gly Leu Gly Asn Val Trp Arg Phe Pro Tyr Leu Ala Phe Gln Asn 210 215 220 Gly Gly Gly Ala Phe Leu Ile Pro Tyr Leu Met Met Leu Ala Leu Ala 225 230 235 240 Gly Leu Pro Ile Phe Phe Leu Glu Val Ser Leu Gly Gln Phe Ala Ser 245 250 255 Gln Gly Pro Val Ser Val Trp Lys Ala Ile Pro Ala Leu Gln Gly Cys 260 265 270 Gly Ile Ala Met Leu Ile Ile Ser Val Leu Ile Ala Ile Tyr Tyr Asn 275 280 285 Val Ile Ile Cys Tyr Thr Leu Phe Tyr Leu Phe Ala Ser Phe Val Ser 290 295 300 Val Leu Pro Trp Gly Ser Cys Asn Asn Pro Trp Asn Thr Pro Glu Cys 305 310 315 320 Lys Asp Lys Thr Lys Leu Leu Leu Asp Ser Cys Val Ile Ser Asp His 325 330 335 Pro Lys Ile Gln Ile Lys Asn Ser Thr Phe Cys Met Thr Ala Tyr Pro 340 345 350 Asn Val Thr Met Val Asn Phe Thr Ser Gln Ala Asn Lys Thr Phe Val 355 360 365 Ser Gly Ser Glu Glu Tyr Phe Lys Tyr Phe Val Leu Lys Ile Ser Ala 370 375 380 Gly Ile Glu Tyr Pro Gly Glu Ile Arg Trp Pro Leu Ala Leu Cys Leu 385 390 395 400 Phe Leu Ala Trp Val Ile Val Tyr Ala Ser Leu Ala Lys Gly Ile Lys 405 410 415 Thr Ser Gly Lys Val Val Tyr Phe Thr Ala Thr Phe Pro Tyr Val Val 420 425 430 Leu Val Ile Leu Leu Ile Arg Gly Val Thr Leu Pro Gly Ala Gly Ala 435 440 445 Gly Ile Trp Tyr Phe Ile Thr Pro Lys Trp Glu Lys Leu Thr Asn Ala 450 455 460 Thr Val Trp Lys Asp Ala Ala Thr Gln Ile Phe Phe Ser Leu Ser Ala 465 470 475 480 Ala Trp Gly Gly Leu Ile Thr Leu Ser Ser Tyr Asn Lys Phe His Asn 485 490 495 Asn Cys Tyr Arg Asp Thr Leu Ile Val Thr Cys Thr Asn Ser Ala Thr 500 505 510 Ser Ile Phe Ala Gly Phe Val Ile Phe Ser Val Ile Gly Phe Met Ala 515 520 525 Asn Glu Arg Lys Val Asn Ile Glu Asn Val Ala Asp Gln Gly Pro Gly 530 535 540 Ile Ala Phe Val Val Tyr Pro Glu Ala Leu Thr Arg Leu Pro Leu Ser 545 550 555 560 Pro Phe Trp Ala Ile Ile Phe Phe Leu Met Leu Leu Thr Leu Gly Leu 565 570 575 Asp Thr Met Phe Ala Thr Ile Glu Thr Ile Val Thr Ser Ile Ser Asp 580 585 590 Glu Phe Pro Lys Tyr Leu Arg Thr His Lys Pro Val Phe Thr Leu Gly 595 600 605 Cys Cys Ile Cys Phe Phe Ile Met Gly Phe Pro Met Ile Thr Gln Gly 610 615 620 Gly Ile Tyr Met Phe Gln Leu Val Asp Thr Tyr Ala Ala Ser Tyr Ala 625 630 635 640 Leu Val Ile Ile Ala Ile Phe Glu Leu Val Gly Ile Ser Tyr Val Tyr 645 650 655 Gly Leu Gln Arg Phe Cys Glu Asp Ile Glu Met Met Ile Gly Phe Gln 660 665 670 Pro Asn Ile Phe Trp Lys Val Cys Trp Ala Phe Val Thr Pro Thr Ile 675 680 685 Leu Thr Phe Ile Leu Cys Phe Ser Phe Tyr Gln Trp Glu Pro Met Thr 690 695 700 Tyr Gly Ser Tyr Arg Tyr Pro Asn Trp Ser Met Val Leu Gly Trp Leu 705 710 715 720 Met Leu Ala Cys Ser Val Ile Trp Ile Pro Ile Met Phe Val Ile Lys 725 730 735 Met His Leu Ala Pro Gly Arg Phe Ile Glu Arg Leu Lys Leu Ala Cys 740 745 750 Ser Pro Gln Pro Asp Trp Gly Pro Phe Leu Ala Gln His Arg Gly Glu 755 760 765 Arg Tyr Lys Asn Met Ile Asp Pro Leu Gly Thr Ser Ser Leu Gly Leu 770 775 780 Lys Leu Pro Val Lys Asp Leu Glu Leu Gly Thr Gln Cys 785 790 795 <210> 3 <211> 29 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> PCR primer <400> 3 gccaccatgg attgcagtgc tcccaagga 29 <210> 4 <211> 25 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> PCR primer <400> 4 ggactagcac tgagtgccca gttcc 25 <210> 5 <211> 24 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> PCR primer <400> 5 ctctcaagtc ccgcagagct gcag 24 <210> 6 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> PCR primer <400> 6 ggctactgag tttgcaagac 20
【0082】
【配列表のフリーテキスト】
配列番号3:PCRプライマー 配列番号4:PCRプライマー 配列番号5:PCRプライマー 配列番号6:PCRプライマー
【図面の簡単な説明】
【図1】SC6でトランスフェクトしたHEK-293細胞への[3
H]-グリシンの取込み量の経時的変化を示すグラフであ
る。
【図2】SC6でトランスフェクトしたHEK-293細胞中での
或るグリシン濃度範囲でのグリシン総取込み量を示すグ
ラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 29/00 A61K 31/00 629 A61K 39/00 39/00 H 45/00 45/00 48/00 48/00 C07K 14/47 C07K 14/47 14/705 14/705 16/28 16/28 C12N 5/10 C12P 21/02 C C12P 21/02 C12Q 1/68 A C12Q 1/68 G01N 33/53 D G01N 33/53 33/566 33/566 33/577 B 33/577 C12P 21/08 // C12P 21/08 C12N 5/00 B (72)発明者 アンソニー エム ブラウン イギリス国 シーエム19 5エーディー エセックス,ハーロー,ザ ピナクルズ, コールドハーバー ロード,スミスクライ ン ビーチャム ファーマシューティカル ズ (72)発明者 コンラッド ジェラルド チャップマン イギリス国 シーエム19 5エーディー エセックス,ハーロー,ザ ピナクルズ, コールドハーバー ロード,スミスクライ ン ビーチャム ファーマシューティカル ズ (72)発明者 イスラエル サイモン グロガー イギリス国 シーエム19 5エーディー エセックス,ハーロー,ザ ピナクルズ, コールドハーバー ロード,スミスクライ ン ビーチャム ファーマシューティカル ズ (72)発明者 ジョアン レイチェル エバンズ イギリス国 シーエム19 5エーディー エセックス,ハーロー,ザ ピナクルズ, コールドハーバー ロード,スミスクライ ン ビーチャム ファーマシューティカル ズ (72)発明者 ウィリアム ケルン イギリス国 シーエム19 5エーディー エセックス,ハーロー,ザ ピナクルズ, コールドハーバー ロード,スミスクライ ン ビーチャム ファーマシューティカル ズ (72)発明者 ヒュー ハードン イギリス国 シーエム19 5エーディー エセックス,ハーロー,ザ ピナクルズ, コールドハーバー ロード,スミスクライ ン ビーチャム ファーマシューティカル ズ

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 配列番号2の全長にわたる配列番号2の
    アミノ酸配列に対して少なくとも97%の同一性を有す
    るアミノ酸配列を含んでなる、単離されたポリペプチ
    ド。
  2. 【請求項2】 アミノ酸配列が少なくとも99%の同一
    性を有する、請求項1に記載のポリペプチド。
  3. 【請求項3】 配列番号2のアミノ酸配列を含んでな
    る、請求項1に記載のポリペプチド。
  4. 【請求項4】 配列番号2のアミノ酸配列からなる、単
    離されたポリペプチド。
  5. 【請求項5】 配列番号2の全長にわたる配列番号2の
    アミノ酸配列に対して少なくとも97%の同一性を有す
    るポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含んで
    なる単離されたポリヌクレオチド、または該ポリヌクレ
    オチドに相補的なヌクレオチド配列からなるポリヌクレ
    オチド。
  6. 【請求項6】 配列番号2のアミノ酸配列からなるポリ
    ペプチドをコードするヌクレオチド配列に対して少なく
    とも90%の同一性を有するヌクレオチド配列を含んで
    なる単離されたポリヌクレオチド、または該ポリヌクレ
    オチドに相補的なヌクレオチド配列からなるポリヌクレ
    オチド。
  7. 【請求項7】 配列番号1の全長にわたる配列番号1の
    ヌクレオチド配列に対して少なくとも90%の同一性を
    有するヌクレオチド配列を含んでなる単離されたポリヌ
    クレオチド、または該ポリヌクレオチドに相補的なヌク
    レオチド配列からなるポリヌクレオチド。
  8. 【請求項8】 前記の同一性が少なくとも95%であ
    る、請求項5〜7のいずれか1項に記載のポリヌクレオ
    チド。
  9. 【請求項9】 以下の(a)〜(c)から選択される単離され
    たポリヌクレオチド、または該ポリヌクレオチドに相補
    的なヌクレオチド配列からなるポリヌクレオチド: (a) 配列番号2のアミノ酸配列からなるポリペプチドを
    コードするヌクレオチド配列を含んでなるポリヌクレオ
    チド、 (b) 配列番号1のヌクレオチド配列からなるポリヌクレ
    オチド、および (c) 適当なライブラリーを、ストリンジェントなハイブ
    リダイゼーション条件下で、配列番号1のヌクレオチド
    配列またはその断片を有する標識プローブを用いてスク
    リーニングすることにより得られるポリヌクレオチド。
  10. 【請求項10】 下記発現系が適合性の宿主細胞内に存
    在するとき請求項1に記載のポリペプチドを産生し得る
    ポリヌクレオチドを含有する発現系。
  11. 【請求項11】 請求項10に記載の発現系を含有する
    宿主細胞、または請求項1に記載のポリペプチドを発現
    しているその膜。
  12. 【請求項12】 請求項1に記載のポリペプチドを産生
    させるのに十分な条件下で請求項11に記載の宿主細胞
    を培養し、この培養培地から該ポリペプチドを回収する
    ことを含んでなる、請求項1に記載のポリペプチドの生
    産方法。
  13. 【請求項13】 請求項1に記載のポリペプチドに対し
    て免疫特異的な抗体。
  14. 【請求項14】 請求項1に記載のポリペプチドの機能
    を刺激または抑制する化合物を同定するためのスクリー
    ニング法であって、 (a) 候補化合物と、該ポリペプチド(または該ポリペプ
    チドを担持している細胞もしくはその膜)またはその融
    合タンパク質と、の結合を、該候補化合物に直接または
    間接的に結合させた標識により測定すること、 (b) 候補化合物と、該ポリペプチド(または該ポリペプ
    チドを担持している細胞もしくはその膜)またはその融
    合タンパク質と、の結合を、標識競合物質の存在下で測
    定すること、 (c) 候補化合物が該ポリペプチドの活性化または抑制に
    より生ずるシグナルをもたらすか否かを、該ポリペプチ
    ドを担持している細胞または細胞膜に適した検出系を用
    いて調べること、 (d) 候補化合物と、請求項1に記載のポリペプチドを含
    有する溶液と、を一緒にして混合物を調製し、該混合物
    中の該ポリペプチドの活性を測定し、該混合物の活性を
    スタンダードと比較すること、および (e) 候補化合物が細胞における該ポリペプチドをコード
    するmRNAおよび該ポリペプチドの産生に及ぼす効果
    を検出すること、よりなる群から選択される方法を含ん
    でなるスクリーニング法。
  15. 【請求項15】 請求項1〜4のいずれか1項に記載の
    ポリペプチドに対するアゴニストまたはアンタゴニス
    ト。
  16. 【請求項16】 治療に用いるための以下の(a)〜(c)か
    ら選択される化合物: (a) 請求項1〜4のいずれか1項に記載のポリペプチド
    に対するアゴニストまたはアンタゴニスト、 (b) 請求項5〜9のいずれか1項に記載のポリヌクレオ
    チド、および(c) 請求項1に記載のポリペプチドをコー
    ドするヌクレオチド配列の発現をモジュレートする核酸
    分子。
  17. 【請求項17】 被験者における請求項1に記載のポリ
    ペプチドの発現または活性に関連した疾病または該疾病
    への罹りやすさを検査する方法であって、 (a) 該被験者のゲノム内の該ポリペプチドをコードする
    ヌクレオチド配列に突然変異があるか否かを調べるこ
    と、および/または(b) 該被験者から得られたサンプル
    における該ポリペプチド発現の存在または量を分析する
    こと、を含んでなる方法。
  18. 【請求項18】 以下の(a)または(b)の単離されたポリ
    ペプチド: (a) 配列番号2のアミノ酸配列からなるポリペプチド、
    または(b) 配列番号2のアミノ酸配列において、少なく
    とも1個のアミノ酸が欠失、置換もしくは付加されたア
    ミノ酸配列からなり、かつSC6活性を有するポリペプチ
    ド。
  19. 【請求項19】 請求項18に記載のポリペプチドをコ
    ードするポリヌクレオチド。
  20. 【請求項20】 以下の(a)または(b)の単離されたポリ
    ヌクレオチド: (a) 配列番号1のヌクレオチド配列からなるポリヌクレ
    オチド、または(b) (a) のポリヌクレオチドとストリン
    ジェントな条件下でハイブリダイズしかつSC6活性を有
    するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド。
JP11035070A 1998-08-28 1999-02-12 Sc6ポリペプチドおよびsc6ポリヌクレオチド Pending JP2000069981A (ja)

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