JP2000069941A - かんきつ果汁を付着した小魚の乾燥装置 - Google Patents

かんきつ果汁を付着した小魚の乾燥装置

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JP2000069941A
JP2000069941A JP10262514A JP26251498A JP2000069941A JP 2000069941 A JP2000069941 A JP 2000069941A JP 10262514 A JP10262514 A JP 10262514A JP 26251498 A JP26251498 A JP 26251498A JP 2000069941 A JP2000069941 A JP 2000069941A
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vacuum chamber
citrus juice
small fish
larva
valve
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Makoto Matsumura
誠 松村
Masayuki Kanazawa
公幸 金沢
Eitaro Tanaka
鋭太郎 田中
Yoshiro Kageyama
義郎 影山
Takeshi Miyazaki
豪 宮崎
Shigeji Okuyama
繁治 奥山
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 かんきつ果汁を付着させた小魚を、真空チャ
ンバから速やかに詰まらないように排出する。 【解決手段】 かんきつ果汁を付着した小魚の乾燥装置
は、真空ポンプ7に連結して内部を減圧している真空チ
ャンバ1と、真空チャンバ1に小魚Kを供給する供給機
構4と、供給された小魚Kにかんきつ果汁を付着させる
付着機構24と、かんきつ果汁の付着された小魚Kを真
空チャンバ1から排出させる開閉弁のある排出機構20
とを備える。さらに、この装置は、小魚Kを真空チャン
バ1から外部に排出する排出ダクト22を排出機構20
に設けている。排出ダクト22は、中心軸の近傍に、空
気噴射管25を配設している。空気噴射管25は、周囲
に空気を噴射する。空気噴射管25から周囲に噴射され
る空気は、排出ダクト22の内面に吹き付けられる。こ
の噴射空気は、排出ダクト22に詰まる小魚Kのブリッ
ジを解消して、排出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、すだち果汁等のか
んきつ果汁を付着させた、しらす等の子魚を乾燥させる
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】小型イワシ等の小魚類は、従来より、チ
リメンジャコ、煮干し等の乾燥品または佃煮等に加工し
て販売されている。これ等の小魚類は、牛乳等の乳製品
や、豆類、海藻類と同様に、重要なカルシウム補給食品
として食生活には欠かせない。それは、多量の天然カル
シウムを含んでいるからである。ただ、小魚類のカルシ
ウムは、牛乳等の乳製品に比べると、体内で吸収され難
い性質がある。小魚類のカルシウムは、魚骨由来のもの
であって、単に小魚類を乾燥する等の加工方法では、体
内で吸収されやすい状態にならない。また、カルシウム
を補給するために、多量の小魚類を食べると、小魚類に
含まれる塩分が同時に多量に摂取される弊害が発生す
る。このことは、最近の減塩傾向の食生活に大きな問題
となる。
【0003】イワシ等の小魚類は、乾燥した「チリメン
ジャコ」と、乾燥しない「釜揚げ」の状態で市販されて
いる。チリメンジャコ等の乾燥品は、原料となるイワシ
等の小魚類を煮沸した後、水切りし、天日等の乾燥工程
を経て製造される。釜揚げは、乾燥前の小魚類を製品と
して販売するものである。釜揚げは、その柔らかな食感
が好まれて、特に高齢者に好まれている。ただ、釜揚げ
は、高水分のために保存性が極めて悪く、日持ちしない
欠点がある。防腐剤等の薬品を添加して保存性を改善で
きるが、添加物等を用いないで日持ちできる釜揚げが切
望されている。
【0004】以上の弊害を解消するために、チリメンジ
ャコ等の小魚類の加工品に含まれるカルシウムを、体内
で吸収されやすいようにすると共に、小魚類の保存性を
改善するために、チリメンジャコ等の小魚類に含まれる
カルシウムを、スダチ等の香酸かんきつ類の果汁を含む
かんきつ水溶液に可溶化させて体内に吸収しやすい状態
とし、さらに、カルシウムを可溶化させる香酸かんきつ
類の果汁で、小魚類の保存性を改善する方法が開発され
ている。
【0005】この方法は、チリメンジャコ等の小魚類
を、スダチ等の香酸かんきつ類の果汁を含むかんきつ水
溶液に浸漬し、小魚類のカルシウムをかんきつ水溶液で
可溶化させた後、所定の水分率に乾燥させて容器に包装
する。包装された状態では、かんきつ果汁が小魚類の保
存性を向上させる。食べるときは、カルシウムの溶解さ
れた果汁と小魚類を一緒に食べることができる。したが
って、この方法で処理された子魚は、乾燥されたチリメ
ンジャコと同じように食べることができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】以上の方法は、美味で
カルシウムを吸収しやすくした子魚にできる。しかしな
がら、この方法で子魚を処理するには、著しく手間がか
かる。また、加工費用も高くなる。それは、かんきつ果
汁を付着させた子魚の乾燥が難しいからである。子魚に
付着するかんきつ果汁は、水分を気化させるようには簡
単には乾燥できない。さらに、この方法は、子魚をかん
きつ果汁に浸漬したのち、乾燥させる全ての加工工程
で、細菌の繁殖しないクリーンな環境を実現するため
に、設備コストが高くなる欠点もあった。
【0007】本発明者等は、このような欠点を解決する
ことを目的に、図1に示す装置を開発した。この図に示
す装置は、子魚に付着するかんきつ果汁を速やかに乾燥
するために、真空チャンバ1の内部で子魚にかんきつ果
汁を付着させる。真空チャンバ1は、たとえば、5〜1
0トールに減圧して、子魚に付着するかんきつ果汁を速
やかに乾燥させる。ただ、真空チャンバ1から排出され
る子魚は、水分率が0になるまで完全に乾燥されない。
水分率が0の子魚は、硬くて美味に食べられないからで
ある。水分率が0でない子魚は、真空チャンバ1からス
ムーズに排出するのが極めて難しい。排出ダクト22の
内面に、ブリッジの状態になって詰まるからである。
【0008】とくに、真空チャンバから子魚を排出する
装置は、排出ダクトに開閉弁を連結する必要がある。真
空チャンバを真空状態に保持しながら子魚を排出するか
らである。開閉弁を設けた排出ダクトは、子魚が極めて
詰まりやすい。それは、開閉弁を閉じた状態で、子魚の
移送が停止されるからである。開閉弁を閉じて子魚の移
送を停止させると、この状態で子魚がブリッジとなりや
すい。この状態で開閉弁を開いても、ブリッジ状態の子
魚は排出されない。子魚が排出されない状態になると、
次々と供給される子魚が次第に詰まって密になり、より
完全に詰まってその後は全く排出されなくなる。
【0009】本発明はさらにこの欠点を解消することを
目的に開発されたもので、本発明の重要な目的は、かん
きつ果汁を付着させた子魚を、真空チャンバから速やか
に詰まらないように排出できるかんきつ果汁を付着した
子魚の乾燥装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明のかんきつ果汁を
付着した子魚の乾燥装置は、子魚Kにかんきつ果汁を付
着させる付着機構24と、この付着機構24でかんきつ
果汁が付着された子魚Kを乾燥させる真空チャンバ1
と、この真空チャンバ1に連結されて内部を減圧する真
空ポンプ7と、真空チャンバ1に子魚Kを供給する供給
機構4と、かんきつ果汁の付着された子魚Kを真空チャ
ンバ1から排出させる開閉弁を有する排出機構20とを
備える。
【0011】さらに、本発明の請求項1のかんきつ果汁
を付着した子魚の乾燥装置は、子魚Kを真空チャンバ1
から外部に排出する排出ダクト22を排出機構20に設
けている。この排出ダクト22は、中心軸の近傍に、空
気噴射管25を配設している。空気噴射管25は、周囲
に空気を噴射する。空気噴射管25から周囲に噴射され
る空気は、排出ダクト22の内面に吹き付けられる。こ
の噴射空気は、排出ダクト22に詰まる子魚Kのブリッ
ジを解消して、排出する。
【0012】さらに、本発明の請求項2のかんきつ果汁
を付着した子魚の乾燥装置は、付着機構24が噴霧管1
5を有する。この噴霧管15は、真空チャンバ1に配設
されており、真空チャンバ1の内部で子魚Kにかんきつ
果汁を付着させている。
【0013】さらに、本発明の請求項3のかんきつ果汁
を付着した子魚の乾燥装置は、付着機構24が、真空チ
ャンバ1の外部に設けられている。この付着機構24で
かんきつ果汁の付着された子魚Kが、供給機構24で真
空チャンバ1に供給されている。
【0014】さらに、本発明の請求項4のかんきつ果汁
を付着した子魚の乾燥装置は、排出ダクト22に、少な
くともふたつの開閉弁を直列に連結している。両開閉弁
の間には、中間貯溜部18を設けている。空気噴射管2
5は、上部に連結される開閉弁の近傍まで延長して設け
ている。さらに、空気噴射管25は、排出ダクト22の
内面と開閉弁の両方に向かって空気を噴霧する。排出ダ
クト22の内面に向かって噴射される空気は、排出ダク
ト22に子魚Kがブリッジになるのを解消する。開閉弁
に向かって噴射される空気は、排出ダクト22と開閉弁
に子魚Kが詰まるのを解消する。
【0015】さらに、本発明の請求項5のかんきつ果汁
を付着した子魚の乾燥装置は、上部の開閉弁を開く状態
で、空気噴射管25が開閉弁に向かって空気を噴射す
る。開弁された開閉弁に噴射される空気は、開閉弁を通
過して開閉弁の下方で子魚Kが詰まれのを防止する。
【0016】さらに、本発明の請求項6のかんきつ果汁
を付着した子魚の乾燥装置は、供給機構4が、供給ガイ
ド19に空気噴射管25を備える。供給ガイド19に設
けた空気噴射管25は、噴射される空気で供給ガイド1
9の子魚Kを強制的に移送して、スムーズに子魚Kを真
空チャンバ1内に供給する。
【0017】さらに、本発明の請求項7のかんきつ果汁
を付着した子魚の乾燥装置は、供給機構4が供給ガイド
19に空気噴射管25を有すると共に、付着機構24が
真空チャンバ1の外部に設けられている。付着機構24
でかんきつ果汁の付着された子魚Kは、供給機構4で真
空チャンバ1に供給されている。子魚Kは、供給ガイド
19に設けた空気噴射管25から噴射される空気で、強
制的に移送して、スムーズに真空チャンバ1内に供給さ
れている。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図面に基
づいて説明する。ただし、以下に示す実施例は、本発明
の技術思想を具体化するためのかんきつ果汁を付着した
子魚の乾燥装置を例示するものであって、本発明はかん
きつ果汁を付着した子魚の乾燥装置を下記のものに特定
しない。
【0019】さらに、この明細書は、特許請求の範囲を
理解し易いように、実施例に示される部材に対応する番
号を、「特許請求の範囲の欄」、および「課題を解決す
るための手段の欄」に示される部材に付記している。た
だ、特許請求の範囲に示される部材を、実施例の部材に
特定するものでは決してない。
【0020】図2の断面図に示すかんきつ果汁を付着し
た子魚の乾燥装置は、気密に密閉される真空チャンバ1
と、この真空チャンバ1内に配設して、供給された子魚
にかんきつ果汁を付着させる付着機構24と、真空チャ
ンバ1に子魚を供給する供給機構4と、かんきつ果汁を
付着した子魚を排出する排出機構20とを備える。
【0021】付着機構24は、トロンメル2と、このト
ロンメル2を回転させる駆動機構3と、回転しているト
ロンメル2の内部に、子魚に向かってかんきつ果汁を噴
霧する噴霧ノズル5と、噴霧ノズル5にかんきつ果汁を
供給する供給ポンプ6とを備える。
【0022】真空チャンバ1は、真空ポンプ7を連結し
ている。真空ポンプ7は、真空チャンバ1内から気体を
排気して、真空チャンバ1内を、たとえば、3〜150
トール、好ましくは5〜50トール、さらに好ましくは
5〜20トールの真空度に減圧する。真空チャンバ1内
の圧力を低くすると、子魚に付着したかんきつ果汁を速
やかに乾燥できる。さらに、図に示す真空チャンバ1
は、内部に紫外線ランプ8を配設している。紫外線ラン
プ8は、内部に紫外線を照射して殺菌する。
【0023】トロンメル2は、真空チャンバ1内に、水
平ないしはほぼ水平な姿勢で、回転できるように配設さ
れる。図に示すトロンメル2は、入口側から出口側に向
かって下り勾配に傾斜する。トロンメル2の傾斜角は、
水平面に対して2〜10度、好ましくは2〜8度、さら
に好ましくは3〜5度、最適には約4度に設定される。
トロンメル2の傾斜角を緩くすると、入口側に供給され
た子魚はゆっくりと出口側に移送され、急峻にすると子
魚の移送速度が速くなる。さらに、トロンメル2は、必
ずしも下り勾配に傾斜して配設する必要はない。それ
は、トロンメル2の内面に、子魚を移送するフィン(図
示せず)を固定して、フィンで子魚を移送できるからで
ある。フィンは、トロンメル2の回転で子魚を移送でき
るように、たとえば、スパイラル状にトロンメル2の内
面に固定される。
【0024】さらに、トロンメル2の内面には、図3〜
図5の横断面図に示すように、供給される子魚Kを攪拌
するための攪拌羽根9を固定している。攪拌羽根9は、
図に示すように、トロンメル2が回転されることによっ
て、供給された子魚Kを攪拌する。子魚Kは、攪拌羽根
9に載って図3から図4に示すように、上方に回転移動
させられる。上部に移動した攪拌羽根9に載った子魚K
は、攪拌羽根9から落下する。これらの図のトロンメル
2は、90度ピッチに、4枚の攪拌羽根9を半径方向に
固定している。さらに、攪拌羽根9は、トロンメル2の
軸方向に延長して固定されている。トロンメルには、4
枚以上の、あるいは3枚以下の攪拌羽根を固定すること
もできる。また、幅の狭い多数の攪拌羽根を、トロンメ
ルの内面に所定のピッチで固定することもできる。
【0025】さらに、トロンメル2は、紫外線ランプ8
が照射する紫外線を透過させるように、金属網、あるい
は、透明または半透明の材料で製作される。たた、紫外
線ランプをトロンメルの内部に配設して、子魚を殺菌す
ることもできる。
【0026】さらに、トロンメル2は、これを回転させ
るために、両端部分の外周にリング10を固定してい
る。リング10は、図4に示すように、駆動機構3であ
る一対のローラー11に載せられ、ローラー11でトロ
ンメル2を矢印の方向に回転させる。
【0027】駆動機構3は、真空チャンバ1の外部に設
けられた減速モーター12と、この減速モーター12の
回転軸12Aを気密に、しかも回転できるように真空チ
ャンバ1に貫通させる気密ベアリング13と、気密ベア
リング13で真空チャンバ1の内部に貫通された回転軸
12Aを連結するユニバーサルジョイント14と、ユニ
バーサルジョイント14に連結された回転軸11Aに固
定されたローラー11とを備える。ローラー11はテー
パーローラーで、回転軸11Aを軸方向に移動させて、
トロンメル2の回転速度を変化させる。駆動機構3は、
たとえば、トロンメル2を5〜30rpm、好ましくは
8〜25rpm、さらに好ましくは12〜20rpmで
回転させる。トロンメル2の回転速度は、トロンメル2
の内径を考慮して最適値とする。大きな直径のトロンメ
ル2は、回転速度を遅くし、小さいトロンメル2は速く
回転させる。トロンメル2の直径が大きくなると、回転
速度が同じでも、内面の周速が速くなるからである。
【0028】噴霧ノズル5は、トロンメル2の内部で攪
拌されて落下している子魚Kにかんきつ果汁を噴霧す
る。図2に示す装置は、トロンメル2内の上部に縦方向
に延長して噴霧管15を設けて噴霧ノズル5としてい
る。この噴霧管15は、所定の間隔で複数の噴霧孔を開
口し、噴霧孔から霧状のかんきつ果汁を子魚に向かって
噴霧する。噴霧管15はトロンメル2の出口側を除く部
分に配設されている。出口側の近傍では、かんきつ果汁
を付着させた子魚を乾燥させるためである。
【0029】噴霧ノズル5が、子魚Kにかんきつ果汁を
噴霧する状態を図5の断面図に示している。この噴霧ノ
ズル5は、トロンメル2の内部で、バラバラと落下して
いる子魚Kに向かってかんきつ果汁を噴霧する。落下す
る子魚Kにかんきつ果汁を噴霧するために、図の装置
は、噴霧ノズル5を、トロンメル2の上部であって、子
魚Kが落下する近傍に配設している。さらに、噴霧ノズ
ル5は、ほぼ水平な方向から下向きになる範囲でかんき
つ果汁を噴霧し、落下している子魚Kに効率よくかんき
つ果汁を噴霧して付着させる。
【0030】噴霧ノズル5である噴霧管15は、配管を
介して供給ポンプ6に連結される。供給ポンプ6は、吸
入側をかんきつ果汁を充填している原液タンク16に連
結している。供給ポンプ6は、吐出流量を調整できる定
流量ポンプである。供給ポンプ6がかんきつ果汁を噴霧
ノズル5に供給する流量は、供給機構4がトロンメル2
に供給する子魚に対して適量に調整される。
【0031】供給機構4は、子魚を供給する上方を開口
しているホッパー17を備えている。このホッパー17
の底部には、直列に第1開閉弁MV1と第2開閉弁MV2
を連結している。開閉弁にはロータリーバルブが使用さ
れる。第1開閉弁MV1と第2開閉弁MV2の間には、中
間貯溜部18を設けている。さらに、第2開閉弁MV2
の下部には、真空チャンバ1を気密に貫通してトロンメ
ル2の入口側に向かって伸びている供給ガイド19を連
結している。
【0032】供給ガイド19は、垂直に落下させる子魚
を、トロンメル2に供給するために、トロンメル2に向
かって湾曲させている。供給ガイド19は、図6の断面
図に示すように、底面に空気噴射管25を連結してい
る。空気噴射管25は、子魚をトロンメル2に向かって
強制的に移送するために、子魚の移送方法に加圧空気を
噴射する。空気噴射管25は、供給ガイド19の外周面
を貫通し、供給ガイド19の内面で下向きに湾曲されて
供給ガイド19の内面に沿って空気を噴射する。空気噴
射管25の上面に子魚が堆積しないように、空気噴射管
25は、子魚が落下するより位置よりも後退させて噴射
孔25Aを配設している。
【0033】空気噴射管25は、途中にソレノイドバル
ブSV5を介して、コンプレッサー等の加圧空気源26
に連結している。ソレノイドバルブSV5は、断続して
短時間に開弁される。ソレノイドバルブSV5が開弁さ
れた瞬間に、空気噴射管25から加圧空気が噴射され
る。
【0034】さらに、図に示す装置は、真空チャンバ1
から子魚を取り出す排出機構20も設けている。この図
の排出機構20は、回転するトロンメル2から落下する
子魚を受ける受部21を真空チャンバ1の内部に設けて
いる。受部21の底部には垂直に排出ダクト22を連結
している。排出ダクト22は、真空チャンバ1の底を気
密に貫通して、途中に、第3開閉弁MV3と第4開閉弁
MV4を連結している。第3開閉弁MV3と第4開閉弁M
V4の間には中間貯溜部23を設けている。
【0035】排出ダクト22は、子魚の詰まりを解消す
るために、図7に示すように、中心軸の近傍に、空気噴
射管25を配設している。図の排出ダクト22は垂直に
配設されているので、空気噴射管25を排出ダクト22
の中心軸に位置させて垂直に配設している。排出ダクト
22の内部に配設される空気噴射管25は、排出ダクト
22の内面に向かって空気を噴射し、噴射される空気
で、排出ダクト22の子魚を詰まりを防止する。
【0036】空気噴射管25は、排出ダクト22の内面
に向かって空気を噴射するために、周囲に複数の噴射孔
25Aを開口している。噴射孔25Aは、半径方向に加
圧空気を噴射する。さらに、噴射孔25Aは、空気噴射
管25に上下に離されて開口されている。噴射孔25A
は、たとえば、図8に示すように、90度ピッチで半径
方向に加圧空気を噴射する。ただし、複数の噴射孔25
Aは、90度よりも小さい角度で、あるいは大きい角度
で加圧空気を噴射することもできる。さらに、空気噴射
管25は下端を開口しており、下端からも開閉弁に向か
って加圧空気を噴射する。
【0037】空気噴射管25は、第3開閉弁MV3の近
傍まで下端を延長している。空気噴射管25の下端は、
第3開閉弁MV3を開いたときに、加圧空気を噴射す
る。空気噴射管25から噴射される空気は、開かれた第
3開閉弁MV3を通過して、中間貯溜部23に吹き込ま
れる。中間貯溜部23に吹き込まれる空気流は、中間貯
溜部23で子魚がブリッジになって詰まるのを解消す
る。
【0038】排出ダクト22に設けた空気噴射管25
は、供給ガイド19に設けた空気噴射管25と同じよう
に、ソレノイドバルブSV6を介して加圧空気源27に
連結される。ソレノイドバルブSV6は、第3開閉弁M
V3が開弁されたときに、断続的に開弁される。ソレノ
イドバルブSV6が開弁された瞬間に、空気噴射管25
の下端と噴射孔25Aから加圧空気が噴射される。ソレ
ノイドバルブSV6を断続的に開弁して、加圧空気を噴
射する装置は、空気噴射管25から噴射される空気量を
少なくして、排出ダクト22の詰まりを有効に解消でき
る特長がある。このため、真空チャンバ1の内圧を高く
するのを少なくして、排出ダクト22の詰まりを有効に
解消できる特長がある。
【0039】供給機構4と排出機構20に設けた2つの
開閉弁の間に設けている、両中間貯溜部28、23に
は、ソレノイドバルブSV1、SV3を介して真空チャン
バ11と連通する配管系と、ソレノイドバルブSV2、
SV4を介して大気に連なる配管系を接続している。
【0040】ロータリーバルブの開閉弁MV1〜MV4
は、90度ピッチで正逆回転し、間欠的に子魚を通過さ
せる。開閉弁は、真空チャンバ1内を真空破壊すること
なく、子魚を供給し、あるいは、子魚を排出する。真空
チャンバ1内は、真空状態に減圧保持しているので、た
とえば、90℃前後に加熱された子魚が供給されると、
断熱膨張による温度低下と、水分の気化熱による冷却と
で、約5℃前後に冷却されて、排出機構20から排出さ
れる。
【0041】以上のように構成された装置は、各バルブ
を以下のように動作させて、子魚を供給し、また、排出
する。
【0042】(1) 真空チャンバ1内を真空ポンプ7に
より減圧する。 (2) 供給機構4の第1開閉弁MV1と第2開閉弁MV2
とを交互に開弁して、子魚Kであるしらす等をトロンメ
ル2内に供給する。 (3) 供給ガイド19がトロンメル2に子魚Kを供給す
るとき、断続的にソレノイドバルブSV5を開いて、空
気噴射管25から加圧空気を噴射する。空気噴射管25
から噴射される空気は、供給ガイド19に沿って流動し
て、子魚Kを供給ガイド19に詰まらないようにトロン
メル2に供給する。 (4) トロンメル2が回転して、子魚Kを移送する。ト
ロンメル2は、子魚Kを攪拌羽根9で攪拌しながら移送
する。移送される子魚Kは、噴霧ノズル5から噴霧され
るかんきつ果汁が付着される。 (5) かんきつ果汁の付着された子魚Kが、トロンメル
2から落下する。落下する子魚Kは、排出機構20で真
空チャンバ1の外部に取り出される。
【0043】供給機構は、以下の動作をして、子魚をト
ロンメルに供給する。 (1) 供給機構4は、ソレノイドバルブSV1と第2開閉
弁MV2を閉じ、第1開閉弁MV1とソレノイドバルブS
V2を開弁する。この状態で、ホッパー17に供給され
た子魚Kは、第1開閉弁MV1を通過して中間貯溜部1
8内に落下して供給される。 (2) タイマーにより、所定時間経過すると第1開閉弁
MV1を閉じる。その後、ソレノイドバルブSV2を閉じ
た後、ソレノイドバルブSV1を開いて、中間貯溜部1
8を真空チャンバ1内の真空度とする。 (3) 第2開閉弁MV2を開いて、中間貯溜部18の子魚
Kを供給ガイド19からトロンメル2に供給する。 (4) その後、タイマーにより所定時間経過すると、第
2開閉弁MV2を閉じる。 以後、(1)〜(4)の工程を繰り返して、ホッパー17の子
魚Kをトロンメル2に供給する。
【0044】排出機構は以下の動作をして、子魚をトロ
ンメルから真空チャンバの外部に排出する。 (1) トロンメル2から排出される子魚Kが受部21に
供給される。 (2) 大気に連なるソレノイドバルブSV4と、第4開閉
弁MV4を閉止して、真空チャンバ1とのソレノイドバ
ルブSV3を開弁する。この状態で、中間貯溜部23
は、ソレノイドバルブSV3を介して真空チャンバ1に
連結されて、真空チャンバ1と同じ真空度となる。 (3) この状態で、第3開閉弁MV3を開弁すると、受部
21の子魚Kが、第3開閉弁MV3を通過して、中間貯
溜部23に落下する。このとき、ソレノイドバルブSV
6を断続的に開いて、空気噴射管25から排出ダクト2
2に加圧空気を噴射する。空気噴射管25は、下端から
第3開閉弁MV3に向かって加圧空気を噴射し、さら
に、周囲の噴射孔25Aから排出ダクト22の内面に加
圧空気を噴射する。この状態で、子魚Kは、排出ダクト
22に詰まることなく、中間貯溜部23に供給される。
さらに、中間貯溜部23に落下した子魚Kは、ここに噴
射される加圧空気で、ブリッジにならないように解され
る。 (4) その後、タイマーにより所定時間経過後、第3開
閉弁MV3と真空チャンバ1との配管系のソレノイドバ
ルブSV3を閉じた後、大気開放バルブであるソレノイ
ドバルブSV4を開弁する。 (5) この状態で、中間貯溜部23は大気圧になる。 (6) その後、第4開閉弁MV4を開くと、中間貯溜部2
3の子魚Kが外部に排出される。 以後、(1)〜(6)の工程を繰り返して、子魚Kを真空チャ
ンバ1から排出する。
【0045】以上の装置は、供給ガイド19と排出ダク
ト22の両方に空気噴射管25を設けている。このた
め、子魚Kが供給ガイド19と排出ダクト22の両方に
詰まるのを解消できる。ただ、空気噴射管25は、排出
ダクト22にだけ設けることもできる。供給ガイド19
に比較して、排出ダクト22に子魚Kが詰まりやすいか
らである。
【0046】さらに、以上の図に示す装置は、トロンメ
ル2で移送している子魚Kに、かんきつ果汁を噴霧し
て、子魚Kにかんきつ果汁を付着しているが、本発明の
装置は、子魚にかんきつ果汁を付着させる構造を、前述
の構造に特定しない。子魚にかんきつ果汁を付着させる
構造は、真空チャンバの内部、または、外部で子魚にか
んきつ果汁を付着できる全ての構造とすることができ
る。
【0047】真空チャンバの外部で子魚にかんきつ果汁
を付着する装置の一例を図9に示す。この図に示す装置
は、真空チャンバ1の外部に配設された付着機構24で
子魚にかんきつ果汁を付着している。この付着機構24
は、密閉ケース28の内部に配設された回転筒29と、
回転する回転筒29内で子魚にかんきつ果汁を噴霧する
噴霧ノズル5と、かんきつ果汁が付着された子魚を真空
チャンバ1の供給機構4に移送するコンベア30とを備
える。
【0048】噴霧ノズル5は、回転筒29内の上部に縦
方向に延長して配設された噴霧管15で構成されてい
る。この噴霧管15は、所定の間隔で複数の噴霧孔を開
口しており、噴霧孔から霧状のかんきつ果汁を子魚に向
かって噴霧する。噴霧ノズル5である噴霧管15は、配
管を介して供給ポンプ6に連結されている。供給ポンプ
6は、吸入側をかんきつ果汁を充填している原液タンク
16に連結している。
【0049】この構造の付着機構24は、密閉ケース2
8の内部に配設されて回転する回転筒29内で、噴霧ノ
ズル5からかんきつ果汁を噴霧して子魚に付着する。か
んきつ果汁が付着された子魚は、真空チャンバ1の供給
機構4に供給される。図に示す供給機構4は、供給ガイ
ド19に空気噴射管25を設けており、空気噴射管25
から噴射する空気で子魚を強制的に移送して、スムーズ
にトロンメル2内に供給する。とくに、この装置は、か
んきつ果汁が付着されて詰まりやすい状態となった子魚
が供給ガイド19に供給されるが、空気噴射管25から
噴射する空気で強制的に移送できるので、この部分で子
魚がブリッジとなって詰まるのを有効に防止できる特長
がある。
【0050】
【発明の効果】本発明のかんきつ果汁を付着した子魚の
乾燥装置は、かんきつ果汁を付着させた子魚を、真空チ
ャンバから速やかに詰まらないように排出できる特長が
ある。それは、本発明の装置が、かんきつ果汁を付着さ
せた子魚を、空気噴射管で加圧空気を噴射する排出ダク
トで真空チャンバの外部に排出するからである。空気噴
射管は、子魚を真空チャンバから排出する排出ダクトの
中心軸の近傍に配設されて、排出ダクトの内面に向かっ
て空気を噴射する。噴射される空気は、排出ダクト内に
おける子魚の詰まりを確実に解消する。加圧空気で子魚
の詰まりを解消して排出する本発明の装置は、速やかに
子魚を排出できる特長がある。さらに、機械的な方法で
排出ダクトの詰まりを解消する方法に比較すると、簡単
な構造で、しかも、子魚を傷つけることなく、確実に詰
まりを解消できる特長がある。
【0051】さらに、本発明の請求項4のかんきつ果汁
を付着した子魚の乾燥装置は、空気噴射管が、ふたつの
開閉弁であって上方の開閉弁に向かって加圧空気を噴射
する。このため、開閉弁に子魚が詰まるのを有効に防止
できる。
【0052】さらに、本発明の請求項5のかんきつ果汁
を付着した子魚の乾燥装置は、上方の開閉弁を開いたと
きに、開閉弁に向かって加圧空気を噴射するので、開閉
弁の間に設けた中間貯溜部に子魚が詰まるのも確実に阻
止できる特長がある。
【0053】さらにまた、本発明の請求項6のかんきつ
果汁を付着した子魚の乾燥装置は、供給ガイドに空気噴
射管を設けているので、供給される子魚が供給ガイドに
詰まるのを有効に防止できる特長がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明者が先に開発したかんきつ果汁を付着し
た子魚の乾燥装置の概略断面図
【図2】本発明の実施例のかんきつ果汁を付着した子魚
の乾燥装置の概略断面図
【図3】図1に示す装置のトロンメルの横断面図
【図4】図2に示すトロンメルが回転する状態を示す断
面図
【図5】噴霧ノズルからかんきつ果汁を噴霧する状態を
示す断面図
【図6】図2に示す装置の供給ガイドを示す拡大断面図
【図7】図2に示す装置の排出機構を示す拡大断面図
【図8】図7に示す排出ダクトの水平断面図
【図9】本発明の他の実施例のかんきつ果汁を付着した
子魚の乾燥装置の概略断面図
【符号の説明】
1…真空チャンバ 2…トロンメル 3…駆動機構 4…供給機構 5…噴霧ノズル 6…供給ポンプ 7…真空ポンプ 8…紫外線ランプ 9…攪拌羽根 10…リング 11…ローラー 11A…回転軸 12…減速モーター 12A…回転軸 13…気密ベアリング 14…ユニバーサルジョイント 15…噴霧管 16…原液タンク 17…ホッパー 18…中間貯溜部 19…供給ガイド 20…排出機構 21…受部 22…排出ダクト 23…中間貯溜部 24…付着機構 25…空気噴射管 25A…噴射孔 26…加圧空気源 27…加圧空気源 28…密閉ケース 29…回転筒 30…コンベア K…子魚 MV1…第1開閉弁 MV2…第2開閉弁 MV3…第3開閉弁 MV4…第4開閉弁 SV1〜6…ソレノイドバルブ
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成10年10月26日(1998.10.
26)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 かんきつ果汁を付着した小魚の乾燥装
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、すだち果汁等のか
んきつ果汁を付着させた、しらす等の小魚を乾燥させる
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】小型イワシ等の小魚類は、従来より、チ
リメンジャコ、煮干し等の乾燥品または佃煮等に加工し
て販売されている。これ等の小魚類は、牛乳等の乳製品
や、豆類、海藻類と同様に、重要なカルシウム補給食品
として食生活には欠かせない。それは、多量の天然カル
シウムを含んでいるからである。ただ、小魚類のカルシ
ウムは、牛乳等の乳製品に比べると、体内で吸収され難
い性質がある。小魚類のカルシウムは、魚骨由来のもの
であって、単に小魚類を乾燥する等の加工方法では、体
内で吸収されやすい状態にならない。また、カルシウム
を補給するために、多量の小魚類を食べると、小魚類に
含まれる塩分が同時に多量に摂取される弊害が発生す
る。このことは、最近の減塩傾向の食生活に大きな問題
となる。
【0003】イワシ等の小魚類は、乾燥した「チリメン
ジャコ」と、乾燥しない「釜揚げ」の状態で市販されて
いる。チリメンジャコ等の乾燥品は、原料となるイワシ
等の小魚類を煮沸した後、水切りし、天日等の乾燥工程
を経て製造される。釜揚げは、乾燥前の小魚類を製品と
して販売するものである。釜揚げは、その柔らかな食感
が好まれて、特に高齢者に好まれている。ただ、釜揚げ
は、高水分のために保存性が極めて悪く、日持ちしない
欠点がある。防腐剤等の薬品を添加して保存性を改善で
きるが、添加物等を用いないで日持ちできる釜揚げが切
望されている。
【0004】以上の弊害を解消するために、チリメンジ
ャコ等の小魚類の加工品に含まれるカルシウムを、体内
で吸収されやすいようにすると共に、小魚類の保存性を
改善するために、チリメンジャコ等の小魚類に含まれる
カルシウムを、スダチ等の香酸かんきつ類の果汁を含む
かんきつ水溶液に可溶化させて体内に吸収しやすい状態
とし、さらに、カルシウムを可溶化させる香酸かんきつ
類の果汁で、小魚類の保存性を改善する方法が開発され
ている。
【0005】この方法は、チリメンジャコ等の小魚類
を、スダチ等の香酸かんきつ類の果汁を含むかんきつ水
溶液に浸漬し、小魚類のカルシウムをかんきつ水溶液で
可溶化させた後、所定の水分率に乾燥させて容器に包装
する。包装された状態では、かんきつ果汁が小魚類の保
存性を向上させる。食べるときは、カルシウムの溶解さ
れた果汁と小魚類を一緒に食べることができる。したが
って、この方法で処理された小魚は、乾燥されたチリメ
ンジャコと同じように食べることができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】以上の方法は、美味で
カルシウムを吸収しやすくした小魚にできる。しかしな
がら、この方法で小魚を処理するには、著しく手間がか
かる。また、加工費用も高くなる。それは、かんきつ果
汁を付着させた小魚の乾燥が難しいからである。小魚
付着するかんきつ果汁は、水分を気化させるようには簡
単には乾燥できない。さらに、この方法は、小魚をかん
きつ果汁に浸漬したのち、乾燥させる全ての加工工程
で、細菌の繁殖しないクリーンな環境を実現するため
に、設備コストが高くなる欠点もあった。
【0007】本発明者等は、このような欠点を解決する
ことを目的に、図1に示す装置を開発した。この図に示
す装置は、小魚に付着するかんきつ果汁を速やかに乾燥
するために、真空チャンバ1の内部で小魚にかんきつ果
汁を付着させる。真空チャンバ1は、たとえば、5〜1
0トールに減圧して、小魚に付着するかんきつ果汁を速
やかに乾燥させる。ただ、真空チャンバ1から排出され
小魚は、水分率が0になるまで完全に乾燥されない。
水分率が0の小魚は、硬くて美味に食べられないからで
ある。水分率が0でない小魚は、真空チャンバ1からス
ムーズに排出するのが極めて難しい。排出ダクト22の
内面に、ブリッジの状態になって詰まるからである。
【0008】とくに、真空チャンバから小魚を排出する
装置は、排出ダクトに開閉弁を連結する必要がある。真
空チャンバを真空状態に保持しながら小魚を排出するか
らである。開閉弁を設けた排出ダクトは、小魚が極めて
詰まりやすい。それは、開閉弁を閉じた状態で、小魚
移送が停止されるからである。開閉弁を閉じて小魚の移
送を停止させると、この状態で小魚がブリッジとなりや
すい。この状態で開閉弁を開いても、ブリッジ状態の
は排出されない。小魚が排出されない状態になると、
次々と供給される小魚が次第に詰まって密になり、より
完全に詰まってその後は全く排出されなくなる。
【0009】本発明はさらにこの欠点を解消することを
目的に開発されたもので、本発明の重要な目的は、かん
きつ果汁を付着させた小魚を、真空チャンバから速やか
に詰まらないように排出できるかんきつ果汁を付着した
小魚の乾燥装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明のかんきつ果汁を
付着した小魚の乾燥装置は、小魚Kにかんきつ果汁を付
着させる付着機構24と、この付着機構24でかんきつ
果汁が付着された小魚Kを乾燥させる真空チャンバ1
と、この真空チャンバ1に連結されて内部を減圧する真
空ポンプ7と、真空チャンバ1に小魚Kを供給する供給
機構4と、かんきつ果汁の付着された小魚Kを真空チャ
ンバ1から排出させる開閉弁を有する排出機構20とを
備える。
【0011】さらに、本発明の請求項1のかんきつ果汁
を付着した小魚の乾燥装置は、小魚Kを真空チャンバ1
から外部に排出する排出ダクト22を排出機構20に設
けている。この排出ダクト22は、中心軸の近傍に、空
気噴射管25を配設している。空気噴射管25は、周囲
に空気を噴射する。空気噴射管25から周囲に噴射され
る空気は、排出ダクト22の内面に吹き付けられる。こ
の噴射空気は、排出ダクト22に詰まる小魚Kのブリッ
ジを解消して、排出する。
【0012】さらに、本発明の請求項2のかんきつ果汁
を付着した小魚の乾燥装置は、付着機構24が噴霧管1
5を有する。この噴霧管15は、真空チャンバ1に配設
されており、真空チャンバ1の内部で小魚Kにかんきつ
果汁を付着させている。
【0013】さらに、本発明の請求項3のかんきつ果汁
を付着した小魚の乾燥装置は、付着機構24が、真空チ
ャンバ1の外部に設けられている。この付着機構24で
かんきつ果汁の付着された小魚Kが、供給機構24で真
空チャンバ1に供給されている。
【0014】さらに、本発明の請求項4のかんきつ果汁
を付着した小魚の乾燥装置は、排出ダクト22に、少な
くともふたつの開閉弁を直列に連結している。両開閉弁
の間には、中間貯溜部18を設けている。空気噴射管2
5は、上部に連結される開閉弁の近傍まで延長して設け
ている。さらに、空気噴射管25は、排出ダクト22の
内面と開閉弁の両方に向かって空気を噴霧する。排出ダ
クト22の内面に向かって噴射される空気は、排出ダク
ト22に小魚Kがブリッジになるのを解消する。開閉弁
に向かって噴射される空気は、排出ダクト22と開閉弁
小魚Kが詰まるのを解消する。
【0015】さらに、本発明の請求項5のかんきつ果汁
を付着した小魚の乾燥装置は、上部の開閉弁を開く状態
で、空気噴射管25が開閉弁に向かって空気を噴射す
る。開弁された開閉弁に噴射される空気は、開閉弁を通
過して開閉弁の下方で小魚Kが詰まれのを防止する。
【0016】さらに、本発明の請求項6のかんきつ果汁
を付着した小魚の乾燥装置は、供給機構4が、供給ガイ
ド19に空気噴射管25を備える。供給ガイド19に設
けた空気噴射管25は、噴射される空気で供給ガイド1
9の小魚Kを強制的に移送して、スムーズに小魚Kを真
空チャンバ1内に供給する。
【0017】さらに、本発明の請求項7のかんきつ果汁
を付着した小魚の乾燥装置は、供給機構4が供給ガイド
19に空気噴射管25を有すると共に、付着機構24が
真空チャンバ1の外部に設けられている。付着機構24
でかんきつ果汁の付着された小魚Kは、供給機構4で真
空チャンバ1に供給されている。小魚Kは、供給ガイド
19に設けた空気噴射管25から噴射される空気で、強
制的に移送して、スムーズに真空チャンバ1内に供給さ
れている。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図面に基
づいて説明する。ただし、以下に示す実施例は、本発明
の技術思想を具体化するためのかんきつ果汁を付着した
小魚の乾燥装置を例示するものであって、本発明はかん
きつ果汁を付着した小魚の乾燥装置を下記のものに特定
しない。
【0019】さらに、この明細書は、特許請求の範囲を
理解し易いように、実施例に示される部材に対応する番
号を、「特許請求の範囲の欄」、および「課題を解決す
るための手段の欄」に示される部材に付記している。た
だ、特許請求の範囲に示される部材を、実施例の部材に
特定するものでは決してない。
【0020】図2の断面図に示すかんきつ果汁を付着し
小魚の乾燥装置は、気密に密閉される真空チャンバ1
と、この真空チャンバ1内に配設して、供給された小魚
にかんきつ果汁を付着させる付着機構24と、真空チャ
ンバ1に小魚を供給する供給機構4と、かんきつ果汁を
付着した小魚を排出する排出機構20とを備える。
【0021】付着機構24は、トロンメル2と、このト
ロンメル2を回転させる駆動機構3と、回転しているト
ロンメル2の内部に、小魚に向かってかんきつ果汁を噴
霧する噴霧ノズル5と、噴霧ノズル5にかんきつ果汁を
供給する供給ポンプ6とを備える。
【0022】真空チャンバ1は、真空ポンプ7を連結し
ている。真空ポンプ7は、真空チャンバ1内から気体を
排気して、真空チャンバ1内を、たとえば、3〜150
トール、好ましくは5〜50トール、さらに好ましくは
5〜20トールの真空度に減圧する。真空チャンバ1内
の圧力を低くすると、小魚に付着したかんきつ果汁を速
やかに乾燥できる。さらに、図に示す真空チャンバ1
は、内部に紫外線ランプ8を配設している。紫外線ラン
プ8は、内部に紫外線を照射して殺菌する。
【0023】トロンメル2は、真空チャンバ1内に、水
平ないしはほぼ水平な姿勢で、回転できるように配設さ
れる。図に示すトロンメル2は、入口側から出口側に向
かって下り勾配に傾斜する。トロンメル2の傾斜角は、
水平面に対して2〜10度、好ましくは2〜8度、さら
に好ましくは3〜5度、最適には約4度に設定される。
トロンメル2の傾斜角を緩くすると、入口側に供給され
小魚はゆっくりと出口側に移送され、急峻にすると
の移送速度が速くなる。さらに、トロンメル2は、必
ずしも下り勾配に傾斜して配設する必要はない。それ
は、トロンメル2の内面に、小魚を移送するフィン(図
示せず)を固定して、フィンで小魚を移送できるからで
ある。フィンは、トロンメル2の回転で小魚を移送でき
るように、たとえば、スパイラル状にトロンメル2の内
面に固定される。
【0024】さらに、トロンメル2の内面には、図3〜
図5の横断面図に示すように、供給される小魚Kを撹拌
するための撹拌羽根9を固定している。撹拌羽根9は、
図に示すように、トロンメル2が回転されることによっ
て、供給された小魚Kを撹拌する。小魚Kは、撹拌羽根
9に載って図3から図4に示すように、上方に回転移動
させられる。上部に移動した撹拌羽根9に載った小魚
は、撹拌羽根9から落下する。これらの図のトロンメル
2は、90度ピッチに、4枚の撹拌羽根9を半径方向に
固定している。さらに、撹拌羽根9は、トロンメル2の
軸方向に延長して固定されている。トロンメルには、4
枚以上の、あるいは3枚以下の撹拌羽根を固定すること
もできる。また、幅の狭い多数の撹拌羽根を、トロンメ
ルの内面に所定のピッチで固定することもできる。
【0025】さらに、トロンメル2は、紫外線ランプ8
が照射する紫外線を透過させるように、金属網、あるい
は、透明または半透明の材料で製作される。たた、紫外
線ランプをトロンメルの内部に配設して、小魚を殺菌す
ることもできる。
【0026】さらに、トロンメル2は、これを回転させ
るために、両端部分の外周にリング10を固定してい
る。リング10は、図4に示すように、駆動機構3であ
る一対のローラー11に載せられ、ローラー11でトロ
ンメル2を矢印の方向に回転させる。
【0027】駆動機構3は、真空チャンバ1の外部に設
けられた減速モーター12と、この減速モーター12の
回転軸12Aを気密に、しかも回転できるように真空チ
ャンバ1に貫通させる気密ベアリング13と、気密ベア
リング13で真空チャンバ1の内部に貫通された回転軸
12Aを連結するユニバーサルジョイント14と、ユニ
バーサルジョイント14に連結された回転軸11Aに固
定されたローラー11とを備える。ローラー11はテー
パーローラーで、回転軸11Aを軸方向に移動させて、
トロンメル2の回転速度を変化させる。駆動機構3は、
たとえば、トロンメル2を5〜30rpm、好ましくは
8〜25rpm、さらに好ましくは12〜20rpmで
回転させる。トロンメル2の回転速度は、トロンメル2
の内径を考慮して最適値とする。大きな直径のトロンメ
ル2は、回転速度を遅くし、小さいトロンメル2は速く
回転させる。トロンメル2の直径が大きくなると、回転
速度が同じでも、内面の周速が速くなるからである。
【0028】噴霧ノズル5は、トロンメル2の内部で撹
拌されて落下している小魚Kにかんきつ果汁を噴霧す
る。図2に示す装置は、トロンメル2内の上部に縦方向
に延長して噴霧管15を設けて噴霧ノズル5としてい
る。この噴霧管15は、所定の間隔で複数の噴霧孔を開
口し、噴霧孔から霧状のかんきつ果汁を小魚に向かって
噴霧する。噴霧管15はトロンメル2の出口側を除く部
分に配設されている。出口側の近傍では、かんきつ果汁
を付着させた小魚を乾燥させるためである。
【0029】噴霧ノズル5が、小魚Kにかんきつ果汁を
噴霧する状態を図5の断面図に示している。この噴霧ノ
ズル5は、トロンメル2の内部で、バラバラと落下して
いる小魚Kに向かってかんきつ果汁を噴霧する。落下す
小魚Kにかんきつ果汁を噴霧するために、図の装置
は、噴霧ノズル5を、トロンメル2の上部であって、
Kが落下する近傍に配設している。さらに、噴霧ノズ
ル5は、ほぼ水平な方向から下向きになる範囲でかんき
つ果汁を噴霧し、落下している小魚Kに効率よくかんき
つ果汁を噴霧して付着させる。
【0030】噴霧ノズル5である噴霧管15は、配管を
介して供給ポンプ6に連結される。供給ポンプ6は、吸
入側をかんきつ果汁を充填している原液タンク16に連
結している。供給ポンプ6は、吐出流量を調整できる定
流量ポンプである。供給ポンプ6がかんきつ果汁を噴霧
ノズル5に供給する流量は、供給機構4がトロンメル2
に供給する小魚に対して適量に調整される。
【0031】供給機構4は、小魚を供給する上方を開口
しているホッパー17を備えている。このホッパー17
の底部には、直列に第1開閉弁MV1と第2開閉弁MV2
を連結している。開閉弁にはロータリーバルブが使用さ
れる。第1開閉弁MV1と第2開閉弁MV2の間には、中
間貯溜部18を設けている。さらに、第2開閉弁MV2
の下部には、真空チャンバ1を気密に貫通してトロンメ
ル2の入口側に向かって伸びている供給ガイド19を連
結している。
【0032】供給ガイド19は、垂直に落下させる小魚
を、トロンメル2に供給するために、トロンメル2に向
かって湾曲させている。供給ガイド19は、図6の断面
図に示すように、底面に空気噴射管25を連結してい
る。空気噴射管25は、小魚をトロンメル2に向かって
強制的に移送するために、小魚の移送方法に加圧空気を
噴射する。空気噴射管25は、供給ガイド19の外周面
を貫通し、供給ガイド19の内面で下向きに湾曲されて
供給ガイド19の内面に沿って空気を噴射する。空気噴
射管25の上面に小魚が堆積しないように、空気噴射管
25は、小魚が落下するより位置よりも後退させて噴射
孔25Aを配設している。
【0033】空気噴射管25は、途中にソレノイドバル
ブSV5を介して、コンプレッサー等の加圧空気源26
に連結している。ソレノイドバルブSV5は、断続して
短時間に開弁される。ソレノイドバルブSV5が開弁さ
れた瞬間に、空気噴射管25から加圧空気が噴射され
る。
【0034】さらに、図に示す装置は、真空チャンバ1
から小魚を取り出す排出機構20も設けている。この図
の排出機構20は、回転するトロンメル2から落下する
小魚を受ける受部21を真空チャンバ1の内部に設けて
いる。受部21の底部には垂直に排出ダクト22を連結
している。排出ダクト22は、真空チャンバ1の底を気
密に貫通して、途中に、第3開閉弁MV3と第4開閉弁
MV4を連結している。第3開閉弁MV3と第4開閉弁M
V4の間には中間貯溜部23を設けている。
【0035】排出ダクト22は、小魚の詰まりを解消す
るために、図7に示すように、中心軸の近傍に、空気噴
射管25を配設している。図の排出ダクト22は垂直に
配設されているので、空気噴射管25を排出ダクト22
の中心軸に位置させて垂直に配設している。排出ダクト
22の内部に配設される空気噴射管25は、排出ダクト
22の内面に向かって空気を噴射し、噴射される空気
で、排出ダクト22の小魚を詰まりを防止する。
【0036】空気噴射管25は、排出ダクト22の内面
に向かって空気を噴射するために、周囲に複数の噴射孔
25Aを開口している。噴射孔25Aは、半径方向に加
圧空気を噴射する。さらに、噴射孔25Aは、空気噴射
管25に上下に離されて開口されている。噴射孔25A
は、たとえば、図8に示すように、90度ピッチで半径
方向に加圧空気を噴射する。ただし、複数の噴射孔25
Aは、90度よりも小さい角度で、あるいは大きい角度
で加圧空気を噴射することもできる。さらに、空気噴射
管25は下端を開口しており、下端からも開閉弁に向か
って加圧空気を噴射する。
【0037】空気噴射管25は、第3開閉弁MV3の近
傍まで下端を延長している。空気噴射管25の下端は、
第3開閉弁MV3を開いたときに、加圧空気を噴射す
る。空気噴射管25から噴射される空気は、開かれた第
3開閉弁MV3を通過して、中間貯溜部23に吹き込ま
れる。中間貯溜部23に吹き込まれる空気流は、中間貯
溜部23で小魚がブリッジになって詰まるのを解消す
る。
【0038】排出ダクト22に設けた空気噴射管25
は、供給ガイド19に設けた空気噴射管25と同じよう
に、ソレノイドバルブSV6を介して加圧空気源27に
連結される。ソレノイドバルブSV6は、第3開閉弁M
V3が開弁されたときに、断続的に開弁される。ソレノ
イドバルブSV6が開弁された瞬間に、空気噴射管25
の下端と噴射孔25Aから加圧空気が噴射される。ソレ
ノイドバルブSV6を断続的に開弁して、加圧空気を噴
射する装置は、空気噴射管25から噴射される空気量を
少なくして、排出ダクト22の詰まりを有効に解消でき
る特長がある。このため、真空チャンバ1の内圧を高く
するのを少なくして、排出ダクト22の詰まりを有効に
解消できる特長がある。
【0039】供給機構4と排出機構20に設けた2つの
開閉弁の間に設けている、両中間貯溜部28、23に
は、ソレノイドバルブSV1、SV3を介して真空チャン
バ11と連通する配管系と、ソレノイドバルブSV2、
SV4を介して大気に連なる配管系を接続している。
【0040】ロータリーバルブの開閉弁MV1〜MV4
は、90度ピッチで正逆回転し、間欠的に小魚を通過さ
せる。開閉弁は、真空チャンバ1内を真空破壊すること
なく、小魚を供給し、あるいは、小魚を排出する。真空
チャンバ1内は、真空状態に減圧保持しているので、た
とえば、90℃前後に加熱された小魚が供給されると、
断熱膨張による温度低下と、水分の気化熱による冷却と
で、約5℃前後に冷却されて、排出機構20から排出さ
れる。
【0041】以上のように構成された装置は、各バルブ
を以下のように動作させて、小魚を供給し、また、排出
する。
【0042】(1) 真空チャンバ1内を真空ポンプ7に
より減圧する。 (2) 供給機構4の第1開閉弁MV1と第2開閉弁MV2
とを交互に開弁して、小魚Kであるしらす等をトロンメ
ル2内に供給する。 (3) 供給ガイド19がトロンメル2に小魚Kを供給す
るとき、断続的にソレノイドバルブSV5を開いて、空
気噴射管25から加圧空気を噴射する。空気噴射管25
から噴射される空気は、供給ガイド19に沿って流動し
て、小魚Kを供給ガイド19に詰まらないようにトロン
メル2に供給する。 (4) トロンメル2が回転して、小魚Kを移送する。ト
ロンメル2は、小魚Kを撹拌羽根9で撹拌しながら移送
する。移送される小魚Kは、噴霧ノズル5から噴霧され
るかんきつ果汁が付着される。 (5) かんきつ果汁の付着された小魚Kが、トロンメル
2から落下する。落下する小魚Kは、排出機構20で真
空チャンバ1の外部に取り出される。
【0043】供給機構は、以下の動作をして、小魚をト
ロンメルに供給する。 (1) 供給機構4は、ソレノイドバルブSV1と第2開閉
弁MV2を閉じ、第1開閉弁MV1とソレノイドバルブS
V2を開弁する。この状態で、ホッパー17に供給され
小魚Kは、第1開閉弁MV1を通過して中間貯溜部1
8内に落下して供給される。 (2) タイマーにより、所定時間経過すると第1開閉弁
MV1を閉じる。その後、ソレノイドバルブSV2を閉じ
た後、ソレノイドバルブSV1を開いて、中間貯溜部1
8を真空チャンバ1内の真空度とする。 (3) 第2開閉弁MV2を開いて、中間貯溜部18の小魚
Kを供給ガイド19からトロンメル2に供給する。 (4) その後、タイマーにより所定時間経過すると、第
2開閉弁MV2を閉じる。以後、(1)〜(4)の工程を繰り
返して、ホッパー17の小魚Kをトロンメル2に供給す
る。
【0044】排出機構は以下の動作をして、小魚をトロ
ンメルから真空チャンバの外部に排出する。 (1) トロンメル2から排出される小魚Kが受部21に
供給される。 (2) 大気に連なるソレノイドバルブSV4と、第4開閉
弁MV4を閉止して、真空チャンバ1とのソレノイドバ
ルブSV3を開弁する。この状態で、中間貯溜部23
は、ソレノイドバルブSV3を介して真空チャンバ1に
連結されて、真空チャンバ1と同じ真空度となる。 (3) この状態で、第3開閉弁MV3を開弁すると、受部
21の小魚Kが、第3開閉弁MV3を通過して、中間貯
溜部23に落下する。このとき、ソレノイドバルブSV
6を断続的に開いて、空気噴射管25から排出ダクト2
2に加圧空気を噴射する。空気噴射管25は、下端から
第3開閉弁MV3に向かって加圧空気を噴射し、さら
に、周囲の噴射孔25Aから排出ダクト22の内面に加
圧空気を噴射する。この状態で、小魚Kは、排出ダクト
22に詰まることなく、中間貯溜部23に供給される。
さらに、中間貯溜部23に落下した小魚Kは、ここに噴
射される加圧空気で、ブリッジにならないように解され
る。 (4) その後、タイマーにより所定時間経過後、第3開
閉弁MV3と真空チャンバ1との配管系のソレノイドバ
ルブSV3を閉じた後、大気開放バルブであるソレノイ
ドバルブSV4を開弁する。 (5) この状態で、中間貯溜部23は大気圧になる。 (6) その後、第4開閉弁MV4を開くと、中間貯溜部2
3の小魚Kが外部に排出される。 以後、(1)〜(6)の工程を繰り返して、小魚Kを真空チャ
ンバ1から排出する。
【0045】以上の装置は、供給ガイド19と排出ダク
ト22の両方に空気噴射管25を設けている。このた
め、小魚Kが供給ガイド19と排出ダクト22の両方に
詰まるのを解消できる。ただ、空気噴射管25は、排出
ダクト22にだけ設けることもできる。供給ガイド19
に比較して、排出ダクト22に小魚Kが詰まりやすいか
らである。
【0046】さらに、以上の図に示す装置は、トロンメ
ル2で移送している小魚Kに、かんきつ果汁を噴霧し
て、小魚Kにかんきつ果汁を付着しているが、本発明の
装置は、小魚にかんきつ果汁を付着させる構造を、前述
の構造に特定しない。小魚にかんきつ果汁を付着させる
構造は、真空チャンバの内部、または、外部で小魚にか
んきつ果汁を付着できる全ての構造とすることができ
る。
【0047】真空チャンバの外部で小魚にかんきつ果汁
を付着する装置の一例を図9に示す。この図に示す装置
は、真空チャンバ1の外部に配設された付着機構24で
小魚にかんきつ果汁を付着している。この付着機構24
は、密閉ケース28の内部に配設された回転筒29と、
回転する回転筒29内で小魚にかんきつ果汁を噴霧する
噴霧ノズル5と、かんきつ果汁が付着された小魚を真空
チャンバ1の供給機構4に移送するコンベア30とを備
える。
【0048】噴霧ノズル5は、回転筒29内の上部に縦
方向に延長して配設された噴霧管15で構成されてい
る。この噴霧管15は、所定の間隔で複数の噴霧孔を開
口しており、噴霧孔から霧状のかんきつ果汁を小魚に向
かって噴霧する。噴霧ノズル5である噴霧管15は、配
管を介して供給ポンプ6に連結されている。供給ポンプ
6は、吸入側をかんきつ果汁を充填している原液タンク
16に連結している。
【0049】この構造の付着機構24は、密閉ケース2
8の内部に配設されて回転する回転筒29内で、噴霧ノ
ズル5からかんきつ果汁を噴霧して小魚に付着する。か
んきつ果汁が付着された小魚は、真空チャンバ1の供給
機構4に供給される。図に示す供給機構4は、供給ガイ
ド19に空気噴射管25を設けており、空気噴射管25
から噴射する空気で小魚を強制的に移送して、スムーズ
にトロンメル2内に供給する。とくに、この装置は、か
んきつ果汁が付着されて詰まりやすい状態となった小魚
が供給ガイド19に供給されるが、空気噴射管25から
噴射する空気で強制的に移送できるので、この部分で
がブリッジとなって詰まるのを有効に防止できる特長
がある。
【0050】
【発明の効果】本発明のかんきつ果汁を付着した小魚
乾燥装置は、かんきつ果汁を付着させた小魚を、真空チ
ャンバから速やかに詰まらないように排出できる特長が
ある。それは、本発明の装置が、かんきつ果汁を付着さ
せた小魚を、空気噴射管で加圧空気を噴射する排出ダク
トで真空チャンバの外部に排出するからである。空気噴
射管は、小魚を真空チャンバから排出する排出ダクトの
中心軸の近傍に配設されて、排出ダクトの内面に向かっ
て空気を噴射する。噴射される空気は、排出ダクト内に
おける小魚の詰まりを確実に解消する。加圧空気で小魚
の詰まりを解消して排出する本発明の装置は、速やかに
小魚を排出できる特長がある。さらに、機械的な方法で
排出ダクトの詰まりを解消する方法に比較すると、簡単
な構造で、しかも、小魚を傷つけることなく、確実に詰
まりを解消できる特長がある。
【0051】さらに、本発明の請求項4のかんきつ果汁
を付着した小魚の乾燥装置は、空気噴射管が、ふたつの
開閉弁であって上方の開閉弁に向かって加圧空気を噴射
する。このため、開閉弁に小魚が詰まるのを有効に防止
できる。
【0052】さらに、本発明の請求項5のかんきつ果汁
を付着した小魚の乾燥装置は、上方の開閉弁を開いたと
きに、開閉弁に向かって加圧空気を噴射するので、開閉
弁の間に設けた中間貯溜部に小魚が詰まるのも確実に阻
止できる特長がある。
【0053】さらにまた、本発明の請求項6のかんきつ
果汁を付着した小魚の乾燥装置は、供給ガイドに空気噴
射管を設けているので、供給される小魚が供給ガイドに
詰まるのを有効に防止できる特長がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明者が先に開発したかんきつ果汁を付着し
小魚の乾燥装置の概略断面図
【図2】本発明の実施例のかんきつ果汁を付着した小魚
の乾燥装置の概略断面図
【図3】図1に示す装置のトロンメルの横断面図
【図4】図2に示すトロンメルが回転する状態を示す断
面図
【図5】噴霧ノズルからかんきつ果汁を噴霧する状態を
示す断面図
【図6】図2に示す装置の供給ガイドを示す拡大断面図
【図7】図2に示す装置の排出機構を示す拡大断面図
【図8】図7に示す排出ダクトの水平断面図
【図9】本発明の他の実施例のかんきつ果汁を付着した
小魚の乾燥装置の概略断面図
【符号の説明】 1…真空チャンバ 2…トロンメル 3…駆動機構 4…供給機構 5…噴霧ノズル 6…供給ポンプ 7…真空ポンプ 8…紫外線ランプ 9…撹拌羽根 10…リング 11…ローラー 11A…回転軸 12…減速モーター 12A…回転軸 13…気密ベアリング 14…ユニバーサルジョイント 15…噴霧管 16…原液タンク 17…ホッパー 18…中間貯溜部 19…供給ガイド 20…排出機構 21…受部 22…排出ダクト 23…中間貯溜部 24…付着機構 25…空気噴射管 25A…噴射孔 26…加圧空気源 27…加圧空気源 28…密閉ケース 29…回転筒 30…コンベア K…小魚 MV1…第1開閉弁 MV2…第2開閉弁 MV3…第3開閉弁 MV4…第4開閉弁 SV1〜6…ソレノイドバルブ ─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年3月25日(1999.3.2
5)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 かんきつ果汁を付着した小魚の乾燥装
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、すだち果汁等のか
んきつ果汁を付着させた、しらす等の小魚を乾燥させる
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】小型イワシ等の小魚類は、従来より、チ
リメンジャコ、煮干し等の乾燥品または佃煮等に加工し
て販売されている。これ等の小魚類は、牛乳等の乳製品
や、豆類、海藻類と同様に、重要なカルシウム補給食品
として食生活には欠かせない。それは、多量の天然カル
シウムを含んでいるからである。ただ、小魚類のカルシ
ウムは、牛乳等の乳製品に比べると、体内で吸収され難
い性質がある。小魚類のカルシウムは、魚骨由来のもの
であって、単に小魚類を乾燥する等の加工方法では、体
内で吸収されやすい状態にならない。また、カルシウム
を補給するために、多量の小魚類を食べると、小魚類に
含まれる塩分が同時に多量に摂取される弊害が発生す
る。このことは、最近の減塩傾向の食生活に大きな問題
となる。
【0003】イワシ等の小魚類は、乾燥した「チリメン
ジャコ」と、乾燥しない「釜揚げ」の状態で市販されて
いる。チリメンジャコ等の乾燥品は、原料となるイワシ
等の小魚類を煮沸した後、水切りし、天日等の乾燥工程
を経て製造される。釜揚げは、乾燥前の小魚類を製品と
して販売するものである。釜揚げは、その柔らかな食感
が好まれて、特に高齢者に好まれている。ただ、釜揚げ
は、高水分のために保存性が極めて悪く、日持ちしない
欠点がある。防腐剤等の薬品を添加して保存性を改善で
きるが、添加物等を用いないで日持ちできる釜揚げが切
望されている。
【0004】以上の弊害を解消するために、チリメンジ
ャコ等の小魚類の加工品に含まれるカルシウムを、体内
で吸収されやすいようにすると共に、小魚類の保存性を
改善するために、チリメンジャコ等の小魚類に含まれる
カルシウムを、スダチ等の香酸かんきつ類の果汁を含む
かんきつ水溶液に可溶化させて体内に吸収しやすい状態
とし、さらに、カルシウムを可溶化させる香酸かんきつ
類の果汁で、小魚類の保存性を改善する方法が開発され
ている。
【0005】この方法は、チリメンジャコ等の小魚類
を、スダチ等の香酸かんきつ類の果汁を含むかんきつ水
溶液に浸漬し、小魚類のカルシウムをかんきつ水溶液で
可溶化させた後、所定の水分率に乾燥させて容器に包装
する。包装された状態では、かんきつ果汁が小魚類の保
存性を向上させる。食べるときは、カルシウムの溶解さ
れた果汁と小魚類を一緒に食べることができる。したが
って、この方法で処理された小魚は、乾燥されたチリメ
ンジャコと同じように食べることができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】以上の方法は、美味で
カルシウムを吸収しやすくした小魚にできる。しかしな
がら、この方法で小魚を処理するには、著しく手間がか
かる。また、加工費用も高くなる。それは、かんきつ果
汁を付着させた小魚の乾燥が難しいからである。小魚
付着するかんきつ果汁は、水分を気化させるようには簡
単には乾燥できない。さらに、この方法は、小魚をかん
きつ果汁に浸漬したのち、乾燥させる全ての加工工程
で、細菌の繁殖しないクリーンな環境を実現するため
に、設備コストが高くなる欠点もあった。
【0007】本発明者等は、このような欠点を解決する
ことを目的に、図1に示す装置を開発した。この図に示
す装置は、小魚に付着するかんきつ果汁を速やかに乾燥
するために、真空チャンバ1の内部で小魚にかんきつ果
汁を付着させる。真空チャンバ1は、たとえば、5〜1
0トールに減圧して、小魚に付着するかんきつ果汁を速
やかに乾燥させる。ただ、真空チャンバ1から排出され
小魚は、水分率が0になるまで完全に乾燥されない。
水分率が0の小魚は、硬くて美味に食べられないからで
ある。水分率が0でない小魚は、真空チャンバ1からス
ムーズに排出するのが極めて難しい。排出ダクト22の
内面に、ブリッジの状態になって詰まるからである。
【0008】とくに、真空チャンバから小魚を排出する
装置は、排出ダクトに開閉弁を連結する必要がある。真
空チャンバを真空状態に保持しながら小魚を排出するか
らである。開閉弁を設けた排出ダクトは、小魚が極めて
詰まりやすい。それは、開閉弁を閉じた状態で、小魚
移送が停止されるからである。開閉弁を閉じて小魚の移
送を停止させると、この状態で小魚がブリッジとなりや
すい。この状態で開閉弁を開いても、ブリッジ状態の
は排出されない。小魚が排出されない状態になると、
次々と供給される小魚が次第に詰まって密になり、より
完全に詰まってその後は全く排出されなくなる。
【0009】本発明はさらにこの欠点を解消することを
目的に開発されたもので、本発明の重要な目的は、かん
きつ果汁を付着させた小魚を、真空チャンバから速やか
に詰まらないように排出できるかんきつ果汁を付着した
小魚の乾燥装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明のかんきつ果汁を
付着した小魚の乾燥装置は、小魚Kにかんきつ果汁を付
着させる付着機構24と、この付着機構24でかんきつ
果汁が付着された小魚Kを乾燥させる真空チャンバ1
と、この真空チャンバ1に連結されて内部を減圧する真
空ポンプ7と、真空チャンバ1に小魚Kを供給する供給
機構4と、かんきつ果汁の付着された小魚Kを真空チャ
ンバ1から排出させる開閉弁を有する排出機構20とを
備える。
【0011】さらに、本発明の請求項1のかんきつ果汁
を付着した小魚の乾燥装置は、小魚Kを真空チャンバ1
から外部に排出する排出ダクト22を排出機構20に設
けている。この排出ダクト22は、中心軸の近傍に、空
気噴射管25を配設している。空気噴射管25は、周囲
に空気を噴射する。空気噴射管25から周囲に噴射され
る空気は、排出ダクト22の内面に吹き付けられる。こ
の噴射空気は、排出ダクト22に詰まる小魚Kのブリッ
ジを解消して、排出する。
【0012】さらに、本発明の請求項2のかんきつ果汁
を付着した小魚の乾燥装置は、付着機構24が噴霧管1
5を有する。この噴霧管15は、真空チャンバ1に配設
されており、真空チャンバ1の内部で小魚Kにかんきつ
果汁を付着させている。
【0013】さらに、本発明の請求項3のかんきつ果汁
を付着した小魚の乾燥装置は、付着機構24が、真空チ
ャンバ1の外部に設けられている。この付着機構24で
かんきつ果汁の付着された小魚Kが、供給機構24で真
空チャンバ1に供給されている。
【0014】さらに、本発明の請求項4のかんきつ果汁
を付着した小魚の乾燥装置は、排出ダクト22に、少な
くともふたつの開閉弁を直列に連結している。両開閉弁
の間には、中間貯溜部18を設けている。空気噴射管2
5は、上部に連結される開閉弁の近傍まで延長して設け
ている。さらに、空気噴射管25は、排出ダクト22の
内面と開閉弁の両方に向かって空気を噴霧する。排出ダ
クト22の内面に向かって噴射される空気は、排出ダク
ト22に小魚Kがブリッジになるのを解消する。開閉弁
に向かって噴射される空気は、排出ダクト22と開閉弁
小魚Kが詰まるのを解消する。
【0015】さらに、本発明の請求項5のかんきつ果汁
を付着した小魚の乾燥装置は、上部の開閉弁を開く状態
で、空気噴射管25が開閉弁に向かって空気を噴射す
る。開弁された開閉弁に噴射される空気は、開閉弁を通
過して開閉弁の下方で小魚Kが詰まれのを防止する。
【0016】さらに、本発明の請求項6のかんきつ果汁
を付着した小魚の乾燥装置は、供給機構4が、供給ガイ
ド19に空気噴射管25を備える。供給ガイド19に設
けた空気噴射管25は、噴射される空気で供給ガイド1
9の小魚Kを強制的に移送して、スムーズに小魚Kを真
空チャンバ1内に供給する。
【0017】さらに、本発明の請求項7のかんきつ果汁
を付着した小魚の乾燥装置は、供給機構4が供給ガイド
19に空気噴射管25を有すると共に、付着機構24が
真空チャンバ1の外部に設けられている。付着機構24
でかんきつ果汁の付着された小魚Kは、供給機構4で真
空チャンバ1に供給されている。小魚Kは、供給ガイド
19に設けた空気噴射管25から噴射される空気で、強
制的に移送して、スムーズに真空チャンバ1内に供給さ
れている。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図面に基
づいて説明する。ただし、以下に示す実施例は、本発明
の技術思想を具体化するためのかんきつ果汁を付着した
小魚の乾燥装置を例示するものであって、本発明はかん
きつ果汁を付着した小魚の乾燥装置を下記のものに特定
しない。
【0019】さらに、この明細書は、特許請求の範囲を
理解し易いように、実施例に示される部材に対応する番
号を、「特許請求の範囲の欄」、および「課題を解決す
るための手段の欄」に示される部材に付記している。た
だ、特許請求の範囲に示される部材を、実施例の部材に
特定するものでは決してない。
【0020】図2の断面図に示すかんきつ果汁を付着し
小魚の乾燥装置は、気密に密閉される真空チャンバ1
と、この真空チャンバ1内に配設して、供給された小魚
にかんきつ果汁を付着させる付着機構24と、真空チャ
ンバ1に小魚を供給する供給機構4と、かんきつ果汁を
付着した小魚を排出する排出機構20とを備える。
【0021】付着機構24は、トロンメル2と、このト
ロンメル2を回転させる駆動機構3と、回転しているト
ロンメル2の内部に、小魚に向かってかんきつ果汁を噴
霧する噴霧ノズル5と、噴霧ノズル5にかんきつ果汁を
供給する供給ポンプ6とを備える。
【0022】真空チャンバ1は、真空ポンプ7を連結し
ている。真空ポンプ7は、真空チャンバ1内から気体を
排気して、真空チャンバ1内を、たとえば、3〜150
トール、好ましくは5〜50トール、さらに好ましくは
5〜20トールの真空度に減圧する。真空チャンバ1内
の圧力を低くすると、小魚に付着したかんきつ果汁を速
やかに乾燥できる。さらに、図に示す真空チャンバ1
は、内部に紫外線ランプ8を配設している。紫外線ラン
プ8は、内部に紫外線を照射して殺菌する。
【0023】トロンメル2は、真空チャンバ1内に、水
平ないしはほぼ水平な姿勢で、回転できるように配設さ
れる。図に示すトロンメル2は、入口側から出口側に向
かって下り勾配に傾斜する。トロンメル2の傾斜角は、
水平面に対して2〜10度、好ましくは2〜8度、さら
に好ましくは3〜5度、最適には約4度に設定される。
トロンメル2の傾斜角を緩くすると、入口側に供給され
小魚はゆっくりと出口側に移送され、急峻にすると
の移送速度が速くなる。さらに、トロンメル2は、必
ずしも下り勾配に傾斜して配設する必要はない。それ
は、トロンメル2の内面に、小魚を移送するフィン(図
示せず)を固定して、フィンで小魚を移送できるからで
ある。フィンは、トロンメル2の回転で小魚を移送でき
るように、たとえば、スパイラル状にトロンメル2の内
面に固定される。
【0024】さらに、トロンメル2の内面には、図3〜
図5の横断面図に示すように、供給される小魚Kを撹拌
するための撹拌羽根9を固定している。撹拌羽根9は、
図に示すように、トロンメル2が回転されることによっ
て、供給された小魚Kを撹拌する。小魚Kは、撹拌羽根
9に載って図3から図4に示すように、上方に回転移動
させられる。上部に移動した撹拌羽根9に載った小魚
は、撹拌羽根9から落下する。これらの図のトロンメル
2は、90度ピッチに、4枚の撹拌羽根9を半径方向に
固定している。さらに、撹拌羽根9は、トロンメル2の
軸方向に延長して固定されている。トロンメルには、4
枚以上の、あるいは3枚以下の撹拌羽根を固定すること
もできる。また、幅の狭い多数の撹拌羽根を、トロンメ
ルの内面に所定のピッチで固定することもできる。
【0025】さらに、トロンメル2は、紫外線ランプ8
が照射する紫外線を透過させるように、金属網、あるい
は、透明または半透明の材料で製作される。たた、紫外
線ランプをトロンメルの内部に配設して、小魚を殺菌す
ることもできる。
【0026】さらに、トロンメル2は、これを回転させ
るために、両端部分の外周にリング10を固定してい
る。リング10は、図4に示すように、駆動機構3であ
る一対のローラー11に載せられ、ローラー11でトロ
ンメル2を矢印の方向に回転させる。
【0027】駆動機構3は、真空チャンバ1の外部に設
けられた減速モーター12と、この減速モーター12の
回転軸12Aを気密に、しかも回転できるように真空チ
ャンバ1に貫通させる気密ベアリング13と、気密ベア
リング13で真空チャンバ1の内部に貫通された回転軸
12Aを連結するユニバーサルジョイント14と、ユニ
バーサルジョイント14に連結された回転軸11Aに固
定されたローラー11とを備える。ローラー11はテー
パーローラーで、回転軸11Aを軸方向に移動させて、
トロンメル2の回転速度を変化させる。駆動機構3は、
たとえば、トロンメル2を5〜30rpm、好ましくは
8〜25rpm、さらに好ましくは12〜20rpmで
回転させる。トロンメル2の回転速度は、トロンメル2
の内径を考慮して最適値とする。大きな直径のトロンメ
ル2は、回転速度を遅くし、小さいトロンメル2は速く
回転させる。トロンメル2の直径が大きくなると、回転
速度が同じでも、内面の周速が速くなるからである。
【0028】噴霧ノズル5は、トロンメル2の内部で撹
拌されて落下している小魚Kにかんきつ果汁を噴霧す
る。図2に示す装置は、トロンメル2内の上部に縦方向
に延長して噴霧管15を設けて噴霧ノズル5としてい
る。この噴霧管15は、所定の間隔で複数の噴霧孔を開
口し、噴霧孔から霧状のかんきつ果汁を小魚に向かって
噴霧する。噴霧管15はトロンメル2の出口側を除く部
分に配設されている。出口側の近傍では、かんきつ果汁
を付着させた小魚を乾燥させるためである。
【0029】噴霧ノズル5が、小魚Kにかんきつ果汁を
噴霧する状態を図5の断面図に示している。この噴霧ノ
ズル5は、トロンメル2の内部で、バラバラと落下して
いる小魚Kに向かってかんきつ果汁を噴霧する。落下す
小魚Kにかんきつ果汁を噴霧するために、図の装置
は、噴霧ノズル5を、トロンメル2の上部であって、
Kが落下する近傍に配設している。さらに、噴霧ノズ
ル5は、ほぼ水平な方向から下向きになる範囲でかんき
つ果汁を噴霧し、落下している小魚Kに効率よくかんき
つ果汁を噴霧して付着させる。
【0030】噴霧ノズル5である噴霧管15は、配管を
介して供給ポンプ6に連結される。供給ポンプ6は、吸
入側をかんきつ果汁を充填している原液タンク16に連
結している。供給ポンプ6は、吐出流量を調整できる定
流量ポンプである。供給ポンプ6がかんきつ果汁を噴霧
ノズル5に供給する流量は、供給機構4がトロンメル2
に供給する小魚に対して適量に調整される。
【0031】供給機構4は、小魚を供給する上方を開口
しているホッパー17を備えている。このホッパー17
の底部には、直列に第1開閉弁MV1と第2開閉弁MV2
を連結している。開閉弁にはロータリーバルブが使用さ
れる。第1開閉弁MV1と第2開閉弁MV2の間には、中
間貯溜部18を設けている。さらに、第2開閉弁MV2
の下部には、真空チャンバ1を気密に貫通してトロンメ
ル2の入口側に向かって伸びている供給ガイド19を連
結している。
【0032】供給ガイド19は、垂直に落下させる小魚
を、トロンメル2に供給するために、トロンメル2に向
かって湾曲させている。供給ガイド19は、図6の断面
図に示すように、底面に空気噴射管25を連結してい
る。空気噴射管25は、小魚をトロンメル2に向かって
強制的に移送するために、小魚の移送方法に加圧空気を
噴射する。空気噴射管25は、供給ガイド19の外周面
を貫通し、供給ガイド19の内面で下向きに湾曲されて
供給ガイド19の内面に沿って空気を噴射する。空気噴
射管25の上面に小魚が堆積しないように、空気噴射管
25は、小魚が落下するより位置よりも後退させて噴射
孔25Aを配設している。
【0033】空気噴射管25は、途中にソレノイドバル
ブSV5を介して、コンプレッサー等の加圧空気源26
に連結している。ソレノイドバルブSV5は、断続して
短時間に開弁される。ソレノイドバルブSV5が開弁さ
れた瞬間に、空気噴射管25から加圧空気が噴射され
る。
【0034】さらに、図に示す装置は、真空チャンバ1
から小魚を取り出す排出機構20も設けている。この図
の排出機構20は、回転するトロンメル2から落下する
小魚を受ける受部21を真空チャンバ1の内部に設けて
いる。受部21の底部には垂直に排出ダクト22を連結
している。排出ダクト22は、真空チャンバ1の底を気
密に貫通して、途中に、第3開閉弁MV3と第4開閉弁
MV4を連結している。第3開閉弁MV3と第4開閉弁M
V4の間には中間貯溜部23を設けている。
【0035】排出ダクト22は、小魚の詰まりを解消す
るために、図7に示すように、中心軸の近傍に、空気噴
射管25を配設している。図の排出ダクト22は垂直に
配設されているので、空気噴射管25を排出ダクト22
の中心軸に位置させて垂直に配設している。排出ダクト
22の内部に配設される空気噴射管25は、排出ダクト
22の内面に向かって空気を噴射し、噴射される空気
で、排出ダクト22の小魚を詰まりを防止する。
【0036】空気噴射管25は、排出ダクト22の内面
に向かって空気を噴射するために、周囲に複数の噴射孔
25Aを開口している。噴射孔25Aは、半径方向に加
圧空気を噴射する。さらに、噴射孔25Aは、空気噴射
管25に上下に離されて開口されている。噴射孔25A
は、たとえば、図8に示すように、90度ピッチで半径
方向に加圧空気を噴射する。ただし、複数の噴射孔25
Aは、90度よりも小さい角度で、あるいは大きい角度
で加圧空気を噴射することもできる。さらに、空気噴射
管25は下端を開口しており、下端からも開閉弁に向か
って加圧空気を噴射する。
【0037】空気噴射管25は、第3開閉弁MV3の近
傍まで下端を延長している。空気噴射管25の下端は、
第3開閉弁MV3を開いたときに、加圧空気を噴射す
る。空気噴射管25から噴射される空気は、開かれた第
3開閉弁MV3を通過して、中間貯溜部23に吹き込ま
れる。中間貯溜部23に吹き込まれる空気流は、中間貯
溜部23で小魚がブリッジになって詰まるのを解消す
る。
【0038】排出ダクト22に設けた空気噴射管25
は、供給ガイド19に設けた空気噴射管25と同じよう
に、ソレノイドバルブSV6を介して加圧空気源27に
連結される。ソレノイドバルブSV6は、第3開閉弁M
V3が開弁されたときに、断続的に開弁される。ソレノ
イドバルブSV6が開弁された瞬間に、空気噴射管25
の下端と噴射孔25Aから加圧空気が噴射される。ソレ
ノイドバルブSV6を断続的に開弁して、加圧空気を噴
射する装置は、空気噴射管25から噴射される空気量を
少なくして、排出ダクト22の詰まりを有効に解消でき
る特長がある。このため、真空チャンバ1の内圧を高く
するのを少なくして、排出ダクト22の詰まりを有効に
解消できる特長がある。
【0039】供給機構4と排出機構20に設けた2つの
開閉弁の間に設けている、両中間貯溜部28、23に
は、ソレノイドバルブSV1、SV3を介して真空チャン
バ11と連通する配管系と、ソレノイドバルブSV2、
SV4を介して大気に連なる配管系を接続している。
【0040】ロータリーバルブの開閉弁MV1〜MV4
は、90度ピッチで正逆回転し、間欠的に小魚を通過さ
せる。開閉弁は、真空チャンバ1内を真空破壊すること
なく、小魚を供給し、あるいは、小魚を排出する。真空
チャンバ1内は、真空状態に減圧保持しているので、た
とえば、90℃前後に加熱された小魚が供給されると、
断熱膨張による温度低下と、水分の気化熱による冷却と
で、約5℃前後に冷却されて、排出機構20から排出さ
れる。
【0041】以上のように構成された装置は、各バルブ
を以下のように動作させて、小魚を供給し、また、排出
する。
【0042】(1) 真空チャンバ1内を真空ポンプ7に
より減圧する。 (2) 供給機構4の第1開閉弁MV1と第2開閉弁MV2
とを交互に開弁して、小魚Kであるしらす等をトロンメ
ル2内に供給する。 (3) 供給ガイド19がトロンメル2に小魚Kを供給す
るとき、断続的にソレノイドバルブSV5を開いて、空
気噴射管25から加圧空気を噴射する。空気噴射管25
から噴射される空気は、供給ガイド19に沿って流動し
て、小魚Kを供給ガイド19に詰まらないようにトロン
メル2に供給する。 (4) トロンメル2が回転して、小魚Kを移送する。ト
ロンメル2は、小魚Kを撹拌羽根9で撹拌しながら移送
する。移送される小魚Kは、噴霧ノズル5から噴霧され
るかんきつ果汁が付着される。 (5) かんきつ果汁の付着された小魚Kが、トロンメル
2から落下する。落下する小魚Kは、排出機構20で真
空チャンバ1の外部に取り出される。
【0043】供給機構は、以下の動作をして、小魚をト
ロンメルに供給する。 (1) 供給機構4は、ソレノイドバルブSV1と第2開閉
弁MV2を閉じ、第1開閉弁MV1とソレノイドバルブS
V2を開弁する。この状態で、ホッパー17に供給され
小魚Kは、第1開閉弁MV1を通過して中間貯溜部1
8内に落下して供給される。 (2) タイマーにより、所定時間経過すると第1開閉弁
MV1を閉じる。その後、ソレノイドバルブSV2を閉じ
た後、ソレノイドバルブSV1を開いて、中間貯溜部1
8を真空チャンバ1内の真空度とする。 (3) 第2開閉弁MV2を開いて、中間貯溜部18の小魚
Kを供給ガイド19からトロンメル2に供給する。 (4) その後、タイマーにより所定時間経過すると、第
2開閉弁MV2を閉じる。 以後、(1)〜(4)の工程を繰り返して、ホッパー17の
Kをトロンメル2に供給する。
【0044】排出機構は以下の動作をして、小魚をトロ
ンメルから真空チャンバの外部に排出する。 (1) トロンメル2から排出される小魚Kが受部21に
供給される。 (2) 大気に連なるソレノイドバルブSV4と、第4開閉
弁MV4を閉止して、真空チャンバ1とのソレノイドバ
ルブSV3を開弁する。この状態で、中間貯溜部23
は、ソレノイドバルブSV3を介して真空チャンバ1に
連結されて、真空チャンバ1と同じ真空度となる。 (3) この状態で、第3開閉弁MV3を開弁すると、受部
21の小魚Kが、第3開閉弁MV3を通過して、中間貯
溜部23に落下する。このとき、ソレノイドバルブSV
6を断続的に開いて、空気噴射管25から排出ダクト2
2に加圧空気を噴射する。空気噴射管25は、下端から
第3開閉弁MV3に向かって加圧空気を噴射し、さら
に、周囲の噴射孔25Aから排出ダクト22の内面に加
圧空気を噴射する。この状態で、小魚Kは、排出ダクト
22に詰まることなく、中間貯溜部23に供給される。
さらに、中間貯溜部23に落下した小魚Kは、ここに噴
射される加圧空気で、ブリッジにならないように解され
る。 (4) その後、タイマーにより所定時間経過後、第3開
閉弁MV3と真空チャンバ1との配管系のソレノイドバ
ルブSV3を閉じた後、大気開放バルブであるソレノイ
ドバルブSV4を開弁する。 (5) この状態で、中間貯溜部23は大気圧になる。 (6) その後、第4開閉弁MV4を開くと、中間貯溜部2
3の小魚Kが外部に排出される。 以後、(1)〜(6)の工程を繰り返して、小魚Kを真空チャ
ンバ1から排出する。
【0045】以上の装置は、供給ガイド19と排出ダク
ト22の両方に空気噴射管25を設けている。このた
め、小魚Kが供給ガイド19と排出ダクト22の両方に
詰まるのを解消できる。ただ、空気噴射管25は、排出
ダクト22にだけ設けることもできる。供給ガイド19
に比較して、排出ダクト22に小魚Kが詰まりやすいか
らである。
【0046】さらに、以上の図に示す装置は、トロンメ
ル2で移送している小魚Kに、かんきつ果汁を噴霧し
て、小魚Kにかんきつ果汁を付着しているが、本発明の
装置は、小魚にかんきつ果汁を付着させる構造を、前述
の構造に特定しない。小魚にかんきつ果汁を付着させる
構造は、真空チャンバの内部、または、外部で小魚にか
んきつ果汁を付着できる全ての構造とすることができ
る。
【0047】真空チャンバの外部で小魚にかんきつ果汁
を付着する装置の一例を図9に示す。この図に示す装置
は、真空チャンバ1の外部に配設された付着機構24で
小魚にかんきつ果汁を付着している。この付着機構24
は、密閉ケース28の内部に配設された回転筒29と、
回転する回転筒29内で小魚にかんきつ果汁を噴霧する
噴霧ノズル5と、かんきつ果汁が付着された小魚を真空
チャンバ1の供給機構4に移送するコンベア30とを備
える。
【0048】噴霧ノズル5は、回転筒29内の上部に縦
方向に延長して配設された噴霧管15で構成されてい
る。この噴霧管15は、所定の間隔で複数の噴霧孔を開
口しており、噴霧孔から霧状のかんきつ果汁を小魚に向
かって噴霧する。噴霧ノズル5である噴霧管15は、配
管を介して供給ポンプ6に連結されている。供給ポンプ
6は、吸入側をかんきつ果汁を充填している原液タンク
16に連結している。
【0049】この構造の付着機構24は、密閉ケース2
8の内部に配設されて回転する回転筒29内で、噴霧ノ
ズル5からかんきつ果汁を噴霧して小魚に付着する。か
んきつ果汁が付着された小魚は、真空チャンバ1の供給
機構4に供給される。図に示す供給機構4は、供給ガイ
ド19に空気噴射管25を設けており、空気噴射管25
から噴射する空気で小魚を強制的に移送して、スムーズ
にトロンメル2内に供給する。とくに、この装置は、か
んきつ果汁が付着されて詰まりやすい状態となった小魚
が供給ガイド19に供給されるが、空気噴射管25から
噴射する空気で強制的に移送できるので、この部分で
がブリッジとなって詰まるのを有効に防止できる特長
がある。
【0050】
【発明の効果】本発明のかんきつ果汁を付着した小魚
乾燥装置は、かんきつ果汁を付着させた小魚を、真空チ
ャンバから速やかに詰まらないように排出できる特長が
ある。それは、本発明の装置が、かんきつ果汁を付着さ
せた小魚を、空気噴射管で加圧空気を噴射する排出ダク
トで真空チャンバの外部に排出するからである。空気噴
射管は、小魚を真空チャンバから排出する排出ダクトの
中心軸の近傍に配設されて、排出ダクトの内面に向かっ
て空気を噴射する。噴射される空気は、排出ダクト内に
おける小魚の詰まりを確実に解消する。加圧空気で小魚
の詰まりを解消して排出する本発明の装置は、速やかに
小魚を排出できる特長がある。さらに、機械的な方法で
排出ダクトの詰まりを解消する方法に比較すると、簡単
な構造で、しかも、小魚を傷つけることなく、確実に詰
まりを解消できる特長がある。
【0051】さらに、本発明の請求項4のかんきつ果汁
を付着した小魚の乾燥装置は、空気噴射管が、ふたつの
開閉弁であって上方の開閉弁に向かって加圧空気を噴射
する。このため、開閉弁に小魚が詰まるのを有効に防止
できる。
【0052】さらに、本発明の請求項5のかんきつ果汁
を付着した小魚の乾燥装置は、上方の開閉弁を開いたと
きに、開閉弁に向かって加圧空気を噴射するので、開閉
弁の間に設けた中間貯溜部に小魚が詰まるのも確実に阻
止できる特長がある。
【0053】さらにまた、本発明の請求項6のかんきつ
果汁を付着した小魚の乾燥装置は、供給ガイドに空気噴
射管を設けているので、供給される小魚が供給ガイドに
詰まるのを有効に防止できる特長がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明者が先に開発したかんきつ果汁を付着し
小魚の乾燥装置の概略断面図
【図2】本発明の実施例のかんきつ果汁を付着した小魚
の乾燥装置の概略断面図
【図3】図1に示す装置のトロンメルの横断面図
【図4】図2に示すトロンメルが回転する状態を示す断
面図
【図5】噴霧ノズルからかんきつ果汁を噴霧する状態を
示す断面図
【図6】図2に示す装置の供給ガイドを示す拡大断面図
【図7】図2に示す装置の排出機構を示す拡大断面図
【図8】図7に示す排出ダクトの水平断面図
【図9】本発明の他の実施例のかんきつ果汁を付着した
小魚の乾燥装置の概略断面図
【符号の説明】 1…真空チャンバ 2…トロンメル 3…駆動機構 4…供給機構 5…噴霧ノズル 6…供給ポンプ 7…真空ポンプ 8…紫外線ランプ 9…撹拌羽根 10…リング 11…ローラー 11A…回転軸 12…減速モーター 12A…回転軸 13…気密ベアリング 14…ユニバーサルジョイント 15…噴霧管 16…原液タンク 17…ホッパー 18…中間貯溜部 19…供給ガイド 20…排出機構 21…受部 22…排出ダクト 23…中間貯溜部 24…付着機構 25…空気噴射管 25A…噴射孔 26…加圧空気源 27…加圧空気源 28…密閉ケース 29…回転筒 30…コンベア K…小魚 MV1…第1開閉弁 MV2…第2開閉弁 MV3…第3開閉弁 MV4…第4開閉弁 SV1〜6…ソレノイドバルブ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (71)出願人 598127125 影山 義郎 徳島県板野郡上板町引野字東原43番地の10 (71)出願人 598127136 宮崎 豪 徳島県徳島市八万町法花谷214番地 (71)出願人 591049619 奥山 繁治 徳島県阿南市長生町大原楠ノ前13−10 (72)発明者 松村 誠 東京都中央区月島3丁目3−13−404 (72)発明者 金沢 公幸 徳島県徳島市中昭和町5丁目26番地 (72)発明者 田中 鋭太郎 徳島県徳島市末広4丁目1−3−407 (72)発明者 影山 義郎 徳島県板野郡上板町引野字東原43番地の10 (72)発明者 宮崎 豪 徳島県徳島市八万町法花谷214番地 (72)発明者 奥山 繁治 徳島県阿南市長生町大原楠ノ前13番地10 Fターム(参考) 4B042 AC06 AD05 AH01 AH02 AK11 AP06 AP17 AP30 AT05

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 子魚(K)にかんきつ果汁を付着させる付
    着機構(24)と、この付着機構(24)でかんきつ果汁が付着
    された子魚(K)を乾燥させる真空チャンバ(1)と、この真
    空チャンバ(1)に連結されて内部を減圧する真空ポンプ
    (7)と、真空チャンバ(1)に子魚(K)を供給する供給機構
    (4)と、かんきつ果汁の付着された子魚(K)を真空チャン
    バ(1)から排出させる開閉弁を有する排出機構(20)とを
    備えるかんきつ果汁を付着した子魚の乾燥装置であっ
    て、 排出機構(20)が、子魚(K)を真空チャンバ(1)から外部に
    排出する排出ダクト(22)を有すると共に、この排出ダク
    ト(22)の中心軸の近傍に、空気噴射管(25)を配設してお
    り、空気噴射管(25)は排出ダクト(22)の内面に向かって
    空気を噴射し、噴射される空気でもって、排出ダクト(2
    2)内における子魚(K)の詰まりを解消して排出するよう
    に構成してなるかんきつ果汁を付着した子魚の乾燥装
    置。
  2. 【請求項2】 付着機構(24)が噴霧管(15)を有し、この
    噴霧管(15)が真空チャンバ(1)に配設されて、真空チャ
    ンバ(1)の内部で子魚(K)にかんきつ果汁を付着させる請
    求項1に記載されるかんきつ果汁を付着した子魚の乾燥
    装置。
  3. 【請求項3】 付着機構(24)が、真空チャンバ(1)の外
    部に設けられており、この付着機構(24)でかんきつ果汁
    の付着された子魚(K)が、供給機構(24)で真空チャンバ
    (1)に供給される請求項1に記載されるかんきつ果汁を
    付着した子魚の乾燥装置。
  4. 【請求項4】 排出ダクト(22)に、直列に少なくともふ
    たつの開閉弁を連結しており、両開閉弁の間には中間貯
    溜部(18)を設けており、空気噴射管(25)は上部に連結さ
    れる開閉弁の近傍まで延長して設けられており、空気噴
    射管(25)が排出ダクト(22)の内面と開閉弁の両方に向か
    って空気を噴霧する請求項1に記載されるかんきつ果汁
    を付着した子魚の乾燥装置。
  5. 【請求項5】 上部の開閉弁を開く状態で、空気噴射管
    (25)が開閉弁に向かって空気を噴射する請求項4に記載
    されるかんきつ果汁を付着した子魚の乾燥装置。
  6. 【請求項6】 子魚(K)にかんきつ果汁を付着させる付
    着機構(24)と、この付着機構(24)でかんきつ果汁が付着
    された子魚(K)を乾燥させる真空チャンバ(1)と、この真
    空チャンバ(1)に連結されて内部を減圧する真空ポンプ
    (7)と、真空チャンバ(1)に子魚(K)を供給する供給機構
    (4)と、かんきつ果汁の付着された子魚(K)を真空チャン
    バ(1)から排出させる開閉弁を有する排出機構(20)とを
    備えるかんきつ果汁を付着した子魚の乾燥装置であっ
    て、 供給機構(4)が、真空チャンバ(1)に子魚(K)を供給する
    供給ガイド(19)を有し、この供給ガイド(19)には空気噴
    射管(25)を連結しており、空気噴射管(25)から噴射され
    る空気で供給ガイド(19)の子魚(K)を強制的に移送する
    ように構成してなることを特徴とするかんきつ果汁を付
    着した子魚の乾燥装置。
  7. 【請求項7】 付着機構(24)が、真空チャンバ(1)の外
    部に設けられており、この付着機構(24)でかんきつ果汁
    の付着された子魚(K)が、供給機構(4)で真空チャンバ
    (1)に供給される請求項6に記載されるかんきつ果汁を
    付着した子魚の乾燥装置。
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WO2002015705A3 (en) * 2000-08-23 2002-05-10 Creative Culinary Solutions In Tumbler for marinating food product

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2002015705A3 (en) * 2000-08-23 2002-05-10 Creative Culinary Solutions In Tumbler for marinating food product
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