JP2000069484A - 動きベクトル算出方法及び動きベクトル算出プログラムを記録した記録媒体 - Google Patents

動きベクトル算出方法及び動きベクトル算出プログラムを記録した記録媒体

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JP2000069484A
JP2000069484A JP23555198A JP23555198A JP2000069484A JP 2000069484 A JP2000069484 A JP 2000069484A JP 23555198 A JP23555198 A JP 23555198A JP 23555198 A JP23555198 A JP 23555198A JP 2000069484 A JP2000069484 A JP 2000069484A
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screen
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裕司 安藤
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Sony Corp
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    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04NPICTORIAL COMMUNICATION, e.g. TELEVISION
    • H04N19/00Methods or arrangements for coding, decoding, compressing or decompressing digital video signals
    • H04N19/50Methods or arrangements for coding, decoding, compressing or decompressing digital video signals using predictive coding
    • H04N19/503Methods or arrangements for coding, decoding, compressing or decompressing digital video signals using predictive coding involving temporal prediction
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    • HELECTRICITY
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  • Theoretical Computer Science (AREA)
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  • Compression Or Coding Systems Of Tv Signals (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 MPEG2方式のエンコードのために動きベ
クトルを求める際のブロックマッチングの計算量を削減
でき動きベクトルを高速で求めることができるようにす
る。 【解決手段】 参照画面のブロックの画素と現画面のブ
ロックの画素との残差を求める演算途中に、それまでに
求められた参照画面のブロックの画素と現画面のブロッ
クの画素との残差と閾値とを比較し、それまでに求めら
れた参照画面のブロックの画素と現画面のブロックの画
素との残差が閾値より大きくなったら、そこで演算を打
ち切る。このときの閾値の初期値を、平均値分離絶対値
和MADの値と、原点での残差AD(0,0)に基づい
て設定する。このようにすると、フレーム間符号化とな
るようなときには、閾値が下がり、確実に動きベクトル
が検出され、フレーム内符号化となるときには、演算を
打ち切る可能性が高くなり、効率的にブロックマッチン
グが行なえる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えば、MPE
G(Moving Picture Experts Group)2方式のエンコー
ド処理をソフトウェアで行なう場合に用いて好適な動き
ベクトル算出方法及び動きベクトル算出プログラムを記
録した記録媒体関する。
【0002】
【従来の技術】画像の高能率圧縮方式としてMPEG2
方式が普及している。MPEG2方式は、動き補償予測
符号化とDCT(Discrete Cosine Transform )とによ
りビデオ信号を圧縮符号化するものである。
【0003】MPEG2方式では、I(Intra )ピクチ
ャと、P(Predicti)ピクチャと、B(Bidirectionall
y Predictive)ピクチャと呼ばれる3種類の画面が送ら
れる。Iピクチャでは、同一のフレームの画素を使って
DCT符号化が行なわれる。Pピクチャでは、既に符号
化されたIピクチャ又はPピクチャを参照して、動き補
償予測を用いたDCT符号化が行なわれる。Bピクチャ
では、その前後のIピクチャ又はPピクチャを参照し
て、動き予測を用いたDCT符号化が行なわれる。
【0004】なお、Pピクチャ及びBピクチャでは、マ
クロブロックの単位では、イントラ符号化(フレーム内
符号化)を含む場合もある。すなわち、直流分を多く含
むような画面では、画面内のイントラ符号化による方が
効率的に圧縮できる。このような画面の場合には、イン
トラ符号化が行なわれる。
【0005】図6は、従来のMPEG2方式のエンコー
ダの構成の一例を示すものである。図6において、入力
端子101に、例えば、輝度信号Yと、色差信号Cb、
Crからなるコンポーネントディジタルビデオ信号が供
給される。入力端子101からのディジタルビデオ信号
は、動きベクトル検出回路103を介してフレームメモ
リ102に一旦蓄積される。このフレームメモリ102
は、少なくとも、現画面と、過去の参照画面と、未来の
参照画面との3フレーム分の画像を蓄積できる容量を有
している。
【0006】フレームメモリ102に蓄積されたデータ
を用いて、動きベクトル検出回路103で、参照画面と
現画面との間の動きベクトルが求められる。動きベクト
ルMVは、例えば、(16×16)画素からなるマクロ
ブロックを単位として求められる。求められた動きベク
トルMVは、可変長符号化回路108、動き補償回路1
15に供給される。また、動きベクトル検出回路103
で動きベクトルを求める際に得られる残差情報eは、モ
ード設定回路104に供給される。
【0007】フレームメモリ102の出力は、動きベク
トル検出回路103を介して、スイッチ回路105の端
子105Aに供給されると共に、減算回路106及び減
算回路107に供給される。減算回路106の出力がス
イッチ回路105の端子105Bに供給される。減算回
路107の出力がスイッチ回路105の端子105Cに
供給される。
【0008】スイッチ回路105は、モード設定回路1
04からのモード設定信号により、符号化モードに応じ
て切り換えられる。すなわち、スイッチ回路105は、
フレーム内符号化モードのときには、端子105A側に
設定され、順方向予測符号化モードのときには、端子1
05B側に設定され、双方向予測符号化モードのときに
は、端子105C側に設定される。
【0009】Iピクチャを伝送するときには、フレーム
内予測符号化が行なわれる。このときには、スイッチ回
路105は、端子105A側に設定される。そして、フ
レームメモリ102からは、現フレームの画像データが
出力される。この現フレームの画像データは、スイッチ
回路105を介して、DCT回路106に供給される。
【0010】DCT回路106により、(8×8)を1
ブロックとして、時間領域のビデオ信号がDCT変換さ
れ、周波数領域のスペクトラムデータに変換される。こ
のスペクトラムデータは、所謂ジグザグスキャンによ
り、直流分の成分から順に読み出される。DCT変換回
路106の出力が量子化回路107に供給される。
【0011】量子化回路107には、送信バッファ10
9から送られてくる出力ビットレートの情報に応じて、
量子化スケールが設定される。量子化回路107で、こ
の量子化スケールにより、DCT変化回路106からの
スペクトラムデータが量子化される。これにより、出力
されるビットストリームのビットレートが一定に保たれ
る。
【0012】量子化回路107の出力は、可変長符号化
回路108に供給されると共に、逆量子化回路110に
供給される。可変長符号化回路108で、量子化回路1
07からのスペクトラムデータは、動きベクトルと、量
子化スケールと、予測モードと共に、可変長符号化され
る。
【0013】可変長符号化回路108からは、符号化さ
れたビットストリームか出力される。このビットストリ
ームは、送信バッファ109に一旦蓄積される。送信バ
ッファ109からは、要求されるビットレートに応じて
データストリームが読み出され、出力端子111から、
ビットストリームが出力される。
【0014】また、量子化回路107の出力が逆量子化
回路110に供給される。逆量子化化回路110の出力
がIDCT回路112に供給される。Iピクチャの場合
には、フレーム内の画素でDCT変換が行なわれるた
め、逆量子化回路110及びIDCT回路112によ
り、元の画面が形成される。この1画面分のディジタル
ビデオデータは、加算回路113を介して、画像フレー
ムメモリ114に供給される。このフレームメモリ11
4に蓄積されたデータが次のPピクチャ又はBピクチャ
での参照フレームのデータとされる。
【0015】Pピクチャを伝送するときには、参照フレ
ームとの間で順方向予測符号化が行なわれる。このとき
には、スイッチ回路105は、端子105B側に設定さ
れる。フレームメモリ102からは、現フレームのディ
ジタルビデオ信号が出力される。このフレームメモリ1
02の出力は、減算回路106に供給される。
【0016】フレームメモリ114には、参照フレーム
のデータが蓄積されている。この参照フレームのデータ
は、動き補償回路115により、動き補償され、減算回
路106に供給される。減算回路106で、現フレーム
のデータと、動き補償された参照フレームのデータとの
差分が求められる。この現フレームのデータと、参照フ
レームのデータとの差分データがスイッチ回路105を
介して、DCT回路106に供給される。
【0017】DCT回路106により、参照フレームの
データと現フレームのデータとの差分データがDCT変
換され、スペクトラムデータに変換される。DCT変換
回路106の出力が量子化回路107に供給される。量
子化回路107で、DCT変化回路106からのスペク
トラムデータが量子化される。
【0018】量子化回路107の出力は、可変長符号化
回路108に供給されると共に、逆量子化回路110に
供給される。可変長符号化回路108で、量子化回路1
07からのスペクトラムデータは、動きベクトルと、量
子化スケールと、予測モードと共に、可変長符号化され
る。
【0019】可変長符号化回路108からは、符号化さ
れたビットストリームか出力される。このビットストリ
ームは、送信バッファ109に一旦蓄積される。送信バ
ッファ109からは、要求されるビットレートに応じて
データストリームが読み出され、出力端子111から、
ビットストリームが出力される。
【0020】また、量子化回路107の出力が逆量子化
回路110に供給される。逆量子化化回路110の出力
がIDCT回路112に供給される。Pピクチャの場合
には、参照フレームのデータと現画面のデータとの差分
がDCT変換されるため、逆量子化回路110及びID
CT回路112により、参照フレームのデータと現画面
のデータとの差分が得られる。この差分データが加算回
路113に供給される。
【0021】加算回路113には、フレームメモリ11
4から、動き補償回路115を介して、それまでの参照
画面のデータが供給される。加算回路113で、それま
での参照画面のデータに差分データが加算される。この
加算回路113の出力が次の参照フレームのデータとし
てフレームメモリ114に蓄積される。
【0022】Bピクチャを伝送するときには、過去の参
照フレームと、未来の参照フレームとを使って、両方向
予測符号化が行なわれる。このときには、スイッチ回路
105は、端子105C側に設定される。フレームメモ
リ102からは、現フレームのディジタルビデオ信号が
出力される。このバッファメモリ102の出力は、減算
回路107に供給される。
【0023】フレームメモリ114には、過去参照フレ
ームと,未来の参照フレームのデータが蓄積されてい
る。この両方の参照フレームのデータは、動き補償回路
115により、動き補償され、減算回路107に供給さ
れる。減算回路107で、現フレームのデータと、動き
補償された過去及び未来の参照フレームのデータとの差
分が求められる。この現フレームのデータと、過去及び
未来の参照フレームのデータとの差分データがスイッチ
回路105を介して、DCT回路106に供給される。
【0024】DCT回路106により、過去及び未来の
参照フレームのデータと、現フレームのデータとの差分
データがDCT変換され、スペクトラムデータに変換さ
れる。DCT変換回路106の出力が量子化回路107
に供給される。量子化回路107で、DCT変化回路1
06からのスペクトラムデータが量子化される。
【0025】量子化回路107の出力は、可変長符号化
回路108に供給されると共に、逆量子化回路110に
供給される。可変長符号化回路108で、量子化回路1
07からのスペクトラムデータは、動きベクトルと、量
子化スケールと、予測モードと共に、可変長符号化され
る。
【0026】可変長符号化回路108からは、符号化さ
れたビットストリームか出力される。このビットストリ
ームは、送信バッファ109に一旦蓄積される。送信バ
ッファ109からは、要求されるビットレートに応じて
データストリームが読み出され、出力端子111から、
ビットストリームが出力される。
【0027】
【発明が解決しようとする課題】近年、CPU(Centra
l Processing Unit )の処理速度が飛躍的に向上される
とともに、大容量のメモリが安価に入手できるようにな
ってきている。そこで、上述のようなMPEG2のエン
コード処理をソフトウェアで行なうことが考えられてい
る。
【0028】ところが、MPEG2のエンコードには、
動きベクトルを算出する処理が必要である。動きベクト
ルは、処理の対象となる現フレームにおいて分割された
ブロックに対して、参照フレーム画面内における同位置
を基点としてそのブロックと大きさの等しいブロックを
抽出し、所定の探索範囲内でこのブロックを動かしなが
ら、参照フレームのブロックの各画素と現フレームのブ
ロックの各画素との差分の絶対値和から残差を求め、こ
の残差が最小となる参照フレームのブロックを求めるよ
うなブロックマッチングにより求められる。このブロッ
クマッチングの処理は、多くの演算が必要であり、この
ことがMPEG2のエンコード処理をソフトウェアで行
なわせる場合に問題となる。
【0029】つまり、図7において、現フレーム201
のブロックCBLKでの動きベクトルを求める場合に
は、このブロックCBLKの位置を基点とする参照フレ
ーム202の周囲が探索範囲SAとされる。この探索範
囲SA内の参照フレームのブロックRBLKが取り出さ
れ、このブロックRBLKの(16×16)の各画素
と、現フレームのブロックCBLKの(16×16)の
各画素との間の差分が求められ、この差分の絶対値和か
ら、残差が求められる。参照フレーム203のブロック
RBLKは、所定の探索範囲SA内で動かされ、所定の
探索範囲SA内のブロックRBLK内の各位置におい
て、同様に、ブロックRBLKの各画素と、現フレーム
201のブロックCBLKの各画素との間の差分が求め
られ、この差分の絶対値和から、残差が求められる。こ
れら各位置で求められた参照フレームのブロックRBL
Kの各画素と、現フレームのブロックCBLKの各画素
との間の差分の絶対値和が比較され、残差が最小となる
ブロックがマッチングブロックとされる。このマッチン
グブロックから動きベクトルが求められる。
【0030】このようなブロックマッチングから動きベ
クトルを検出する場合、ブロックとして例えば(16×
16)を用いると、各画素の差分を求めるのに、 16×16=256 回の減算が必要であり、これらの各画素の差分の絶対値
和を求めるのに、256の数の総和を求める加算が必要
である。
【0031】更に、1画素ステップで所定の探索範囲内
で参照ブロックを動かしながら動きベクトルを検出する
と、その探索範囲の画素に相当する回数だけ残差を求め
る処理が必要になる。したがって、1画素ステップで所
定の探索範囲内でブロックを動かしながら残差を求め、
この残差が最小になるブロックの位置から動きベクトル
を検出するようにすると、その演算量は膨大となり、ソ
フトウェアで処理するには難しくなる。
【0032】このような動きベクトルの探索を高速化す
るためには、二つのアプローチが考えられる。一つは、
1回のブロックマッチングの計算量を削減することであ
り、他の一つは、探索領域内でのブロックマッチングの
回数を減らすことである。
【0033】前者の手法の一つに、参照フレームのブロ
ックの画素と現フレームのブロックの画素との差分の絶
対値和の演算途中に、参照フレームのブロックの画素と
現フレームのブロックの画素との差分の絶対値和と所定
の閾値とを比較し、参照フレームのブロックの画素と現
フレームのブロックの画素との差分の絶対値和が閾値よ
り大きくなったら、そこで演算を打ち切るようにしたも
のがある。
【0034】動きベクトルは、参照フレームのブロック
の画素と現フレームのブロックの画素との差分の絶対値
和の最小値を求めるものであるから、ブロックマッチン
グの途中結果で参照フレームのブロックの画素と現フレ
ームのブロックの画素との差分の絶対値和が所定の閾値
以上になれば、これが最小値となることはない。したが
って、このまま演算を続けるのは無駄である。このよう
に、参照フレームのブロックの画素と現フレームのブロ
ックの画素との差分の絶対値和が閾値より大きくなった
ら、そこで演算を打ち切るようにすれば、演算量が削減
され、動きベクトルの探索が高速化できる。
【0035】ところが、参照フレームのブロックの画素
と現フレームのブロックの画素との差分の絶対値和が閾
値より大きくなったら、そこで演算を打ち切るようにし
た場合、この差分の絶対値和と比較する閾値をどのよう
な値に設定するかが難しい。閾値を小さく設定しすぎる
と全ての点で演算が打ち切られ、動きベクトルが正しく
検出できない。また、閾値を大きく設定しすぎると、演
算が打ち切られることがなくなり、演算効率が上がらな
い。
【0036】したがって、この発明の目的は、動きベク
トルを求める際のブロックマッチングの計算量を削減で
き、動きベクトルを高速で求めることができるようにし
たものである。
【0037】
【課題を解決するための手段】この発明は、処理の対象
となる現画面において分割された現画面のブロックに対
して、参照画面内における同位置を基点としてそのブロ
ックと大きさの等しい参照画面のブロックを抽出し、所
定の探索範囲内で参照画面のブロックを動かしながら、
現画面のブロックと参照画面のブロックとの間の残差を
求め、残差が最小となる参照画面のブロックを検出して
動きベクトルを算出する動きベクトル算出方法におい
て、参照画面のブロックの画素と現画面のブロックの画
素との残差を求める演算途中に、それまでに求められた
参照画面のブロックの画素と現画面のブロックの画素と
の残差と閾値とを比較し、それまでに求められた参照画
面のブロックの画素と現画面のブロックの画素との残差
が閾値より大きくなったら、そこで演算を打ち切るよう
に制御し、閾値の初期値を、画面の特性に応じて設定す
るようにしたことを特徴とする動きベクトル算出方法、
及びそのような動きベクトル算出プログラムを記録した
記録媒体である。
【0038】この発明では、閾値の初期値を、同一画面
内の各画素の値と各画素の平均値との差分の絶対値和に
基づく値により設定するようにしている。
【0039】この発明では、閾値の初期値を、原点での
残差に基づく値により設定するようにしている。
【0040】この発明では、閾値は、それまでの残差の
最小値とするようにしている。
【0041】ブロックマッチング演算のループの中で、
現フレームのブロックの画素と参照フレームのブロック
の画素との差分の絶対値和の途中結果と閾値とを比較
し、現フレームのブロックの画素と参照フレームのブロ
ックの画素との差分の絶対値和が閾値以上になったら、
そこで演算を打ち切るような処理が行なわれている。こ
れにより、演算量が削減され、動きベクトルの探索が高
速化できる。
【0042】そして、このときの閾値の初期値は、平均
値分離絶対値和MADの値と、原点での残差AD(0,
0)に基づいて設定される。このように、平均値分離絶
対値和MADの値と、原点での残差AD(0,0)に基
づいて閾値を設定すると、フレーム間符号化となるよう
なときには、閾値が下がり、確実に動きベクトルが検出
され、フレーム内符号化となるときには、演算を打ち切
る可能性が高くなり、効率的にブロックマッチングが行
なえる。
【0043】更に、1回目の動きベクトルの探索では、
平均値分離絶対値和MADの値と原点での残差AD
(0,0)の値から求められた閾値を用い、同じブロッ
クに対する次のブロックマッチングの閾値には、元の閾
値又は検出された絶対値和の何れか小さい方を用いるこ
とで、効率の向上が図られる。
【0044】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態につ
いて図面を参照して説明する。図1は、この発明が適用
できるデータ処理装置の構成を示すものである。
【0045】図1において、1はCPU(Central Proc
essing Unit )、2はROM(ReadOnly Memory)、3
はRAM(Random Access Memory)である。CPU1、
ROM2、RAM3は、プロセッサバス4に接続され
る。
【0046】CPU1としては、例えば、MMX機能を
有するプロセッサが用いられる。MMX機能は、動画の
再生や、画像の加工、音声合成のような処理を高速で行
なえるようにしたものである。すなわち、MMX命令で
は、SIMD(Single Instruction Multiple Data)と
呼ばれる技術を用いることにより、1回の命令で連続し
たデータに対して同じ処理を繰り返し行なえる。
【0047】ROM2には、ブートストラップのプログ
ラムが格納されている。RAM3は、作業用のメインメ
モリで、RAM3の容量としては、例えば、64MB以
上のものを搭載することが望まれる。
【0048】CPU1は、ブリッジ回路5に接続されて
おり、ブリッジ回路5からプロセッサバス4が導出され
る。ブリッジ回路5は、PCI(Peripherala Componen
t Interconnect)バス6に接続される。ブリッジ回路5
は、CPU1と、プロセッサバス4及びPCIバス6と
を繋ぐものである。
【0049】PCIバス6には、IDE(Integrated D
evice Electronics )コントローラ7、SCSI(Smal
l Computer System Interface )コントローラ8、グラ
フィックアクセレータ9、IEEE(Institute Of Ele
ctrical and Electronics Engineers )1394コント
ローラ10が接続される。
【0050】IDEコントローラ7には、ハードディス
クドライブやCDドライブ等のストレージデバイス11
が接続される。SCSIコントローラ8には、ハードデ
ィスクドライブやCDドライブ等のストレージデバイス
12が接続される。また、SCSIコントローラ8に
は、ストレージデバイスの他、イメージスキャナ等、種
々の周辺機器を取り付けることができる。グラフィック
スアクセレータ9には、ディスプレイ13が取り付けら
れる。IEEE1394コントローラ10には、ディジ
タルVCR(Video Cassette Recoder)等のディジタル
オーディオビデオ機器を接続することができる。
【0051】PCIバス6は、ブリッジ回路14を介し
て、ISA(Industrial StandardArchitecture)バス
15に接続される。ブリッジ回路14は、PCIバス6
とISAバス15とを繋ぐものである。ISAバス15
には、入力デバイスコントローラ16、フロッピディス
クコントローラ17、パラレルコトローラ18、RS2
32Cコントローラ19が接続される。
【0052】入力デバイスコントローラ16には、キー
ボードやマウス等の入力デバイス20が接続される。フ
ロッピディスクコントローラ17には、フロッピディス
クドライブ21が接続される。パラレルコントローラ1
8には、プリンタ等を取り付けることができる。RS2
32Cコントローラ19には、モデム等を取り付けるこ
とができる。
【0053】初期状態では、先ず、ROM2に格納され
ているブートストラップのプログラムが走り、初期設定
が行なわれる。そして、ストレージデバイス11又は1
2がアクセスされ、ストレージデバイス11又は12に
インストールされているオペレーティングシステムが読
み込まれ、プログラムの常駐部がメインメモリとされた
RAM3に常駐される。これにより、オペレーティング
システムが起動され、このオペレーティングシステムの
管理の基に、種々の処理が実行される。
【0054】なお、上述の例では、PCIバスとISA
バスとを用いた構成とされているが、このような構成に
限定されるものではない。USB(Universal Serial B
us)を設け、このUSBバスにキーボードやマウス等の
種々の機器を接続するようにしても良い。
【0055】上述のようなデータ処理装置でMPEG2
のエンコード処理を行なう場合には、MPEG2のエン
コード処理を行なうアプリケーションプログラムが実行
される。このアプリケーションプログラムは、IDEの
ハードディスク等のストレージデバイス11又はSCS
Iのハードディスク等のストレージデバイス12に実行
可能なプログラムとして格納されており、このアプリケ
ーションプログラムは、実行時にはRAM3に読み込ま
れ、CPU1により逐次実行される。
【0056】なお、このMPEG2のエンコード処理を
行なうアプリケーションプログラムは、IDEのハード
ディスク等のストレージデバイス11又はSCSIのハ
ードディスク等のストレージデバイス12に予めインス
トールしておくようにしても良いし、CD−ROMやフ
ロッピディスクにより提供するようにしても良い。更
に、通信で提供するようにしても良い。
【0057】このMPEG2のエンコード処理を行なう
アプリケーションプログラムが実行されると、ディジタ
ルビデオデータに対して、予測モードに応じて、動きベ
クトルの算出処理、DCT演算処理、量子化処理、可変
長符号化処理が行なわれ、ディジタルビデオデータがM
PEG2方式により圧縮される。このとき、作業用とし
て、RAM3が用いられ、演算は、CPU1の演算機能
を用いて行なわれる。ディジタルビデオデータは、例え
ば、IEEE1394コントローラ10に接続された外
部のディジタルVCR等から入力される。そして、出力
データは、例えば、SCSIコントローラ8やIDEコ
ントローラ7に接続されたハードディスクドライブ等に
記録される。
【0058】図2は、このようなMPEG2のエンコー
ド処理プログラムの概要を示すフローチャートである。
【0059】図2に示すように、先ず、複数フレームの
ディジタルビデオデータが取り込まれ、このディジタル
ビデオデータがRAM3上にバッファされる(ステップ
S1)。そして、ブロックマッチングにより、動きベク
トルが算出される(ステップS2)。
【0060】予測モードがIピクチャか、Pピクチャ
か、Bピクチャかが判断される(ステップS3)。ステ
ップS3でIピクチャであると判断されたら、同一フレ
ーム内での(8×8)画素を1ブロックとしてDCT演
算が行なわれる(ステップS4)。そして、求められた
係数データは量子化され(ステップS5)、可変長符号
化される(ステップS6)。また、このときのデータ
は、参照画像のデータとしてRAM3上に保存される
(ステップS7)。
【0061】ステップS3でPピクチャであると判断さ
れたら、順方向の参照画像のデータがRAM3から読み
出され(ステップS8)、この参照画像に対して、ステ
ップS2で算出された動きベクトルに基づいて動き補償
がなされ(ステップS9)、現画像のデータと、動き補
償された参照画像のデータとの差分が求められ、この現
画像のデータと、参照画像のデータとの差分データがD
CT演算される(ステップS10)。そして、求められ
たデータは量子化され(ステップS11)、可変長符号
化される(ステップS12)。また、このときのデータ
は、参照画像のデータとしてRAM3上に保存される
(ステップS13)。
【0062】ステップS3でBピクチャであると判断さ
れたら、両方向の参照画像のデータがRAM3から読み
出され(ステップS14)、この参照画像に対して、ス
テップS2で算出された動きベクトルに基づいて動き補
償がなされ(ステップS15)、現画像のデータと、動
き補償された参照画像のデータとの差分が求められ、こ
の現画像のデータと、参照画像のデータとの差分データ
がDCT演算される(ステップS16)。そして、求め
られたデータは量子化され(ステップS17)、可変長
符号化される(ステップS18)。
【0063】図3におけるステップS2で示す動きベク
トルの算出処理は、処理の対象となる現フレームにおい
て分割されたブロックに対して、参照フレームの画面内
における同位置を基点としてそのブロックと大きさの等
しいブロックを抽出し、所定の探索範囲内でこのブロッ
クを動かしながら、現フレームのブロックの画素と参照
フレームのブロックの各画素との差分の絶対値和から残
差を求め、この残差が最小となるブロックを検出するよ
うなブロックマッチングにより行なわれる。ところが、
このようなブロックマッチングにより動きベクトルを求
めると、その演算量は膨大となる。
【0064】そこで、この発明では、ブロックマッチン
グ演算のループの中で、現フレームのブロックの画素と
参照フレームのブロックの画素との差分の絶対値和の途
中結果と所定の閾値とを比較し、現フレームのブロック
の画素と参照フレームのブロックの画素との差分の絶対
値和が所定の閾値以上になったら、そこで演算を打ち切
るような処理が行なわれている。これにより、演算量が
削減され、動きベクトルの探索が高速化できる。
【0065】更に、この発明では、平均値分離絶対値和
MADの値と原点での残差AD(0,0)に基づいてこ
のときの閾値が設定される。このように、平均値分離絶
対値和MADの値と原点での残差AD(0,0)に基づ
いて閾値を動的に設定することで、演算の無駄がなくな
る。
【0066】つまり、Pピクチャ及びBピクチャでは、
マクロブロックの単位で、フレーム内符号化を行なう場
合もある(なお、図2の例では、説明を簡単とするため
に、Pピクチャ及びBピクチャでは、参照フレームを使
ってフレーム間符号化を行なうとしている)。すなわ
ち、一般的には、フレーム間符号化の方がフレーム内符
号化よりも効率的に圧縮できるが、直流分を多く含むよ
うな画面や、動きが激しく現フレームと参照フレームと
の間の差分の絶対値和が大きくなるような画面では、フ
レーム内符号化による方が効率的に圧縮できる。フレー
ム内符号化となる場合には、動きベクトルの算出処理は
不要であるため、動きベクトルの誤りは許容できる。
【0067】現フレームのブロックの画素と参照フレー
ムのブロックの画素との差分の絶対値和の途中結果と所
定の閾値とを比較し、現フレームのブロックの画素と参
照フレームのブロックの画素との差分の絶対値和が所定
の閾値以上になったら、そこで演算を打ち切るような処
理を行なうようにした場合、閾値を低くすると、演算が
途中で打ち切られる可能性が高くなり、演算は効率的に
なる。ところが、閾値を低くすると、動きベクトルを誤
検出する可能性が高い。しかしながら、フレーム内符号
化となる場合には、動きベクトルの算出処理は不要にな
るため、動きベクトルの誤検出は許容できる。このた
め、フレーム内符号化となる場合には、閾値を下げて、
演算効率の向上を図ることができる。
【0068】Pピクチャ及びBピクチャのエンコード処
理を行なう際に、フレーム内符号化になるか否かは、平
均値分離絶対値和MADの値と原点での残差AD(0,
0)に基づいて判断される。
【0069】平均値分離絶対値和MADは、1フレーム
内の各画素の値と画素の平均値との差分の絶対値であ
り、
【0070】
【数1】
【0071】として求められる。この平均値分離絶対値
和MADは、1フレームの画面の絵柄の変化を反映して
おり、絵柄の変化が少なければ平均値分離絶対値和MA
Dが小さな値となり、絵柄の変化が大きければ平均値分
離絶対値和MADが大きな値となる。
【0072】原点での残差AD(0,0)は、参照フレ
ームの原点でのブロックの各画素と、現フレームの原点
でのブロックの各画素との間の差分の絶対値和であり、
これは、画面の動きが大きいか否かを示している。画面
の動きが大きければ、原点での残差AD(0,0)は大
きな値となり、画面の動きが小さければ、原点での残差
AD(0,0)は小さな値となる。
【0073】このことから、図3に示すような関数によ
り、フレーム内符号化になるかフレーム間符号化になる
かを判断できる。図3において、横軸は原点での残差A
D(0,0)の値を示し、縦軸は平均値分離絶対値和M
ADを示している。この図において、平均値分離絶対値
和MADの値と、原点での残差AD(0,0)の値が領
域AR1に入ったときには、フレーム内符号化処理にな
り、領域AR2に入ったときには、フレーム間符号化処
理になる。この関数は、平均値分離絶対値和MADが小
さければ、1フレームの画面の絵柄の変化が少ないの
で、フレーム内符号化となるが、原点での残差AD
(0,0)が小さければ、これに優先して、常に、フレ
ーム間符号化となることを示している。
【0074】図4は、このように、ブロックマッチング
演算のループの中で、現フレームのブロックの画素と参
照フレームのブロックの画素との差分の絶対値和の途中
結果と所定の閾値とを比較し、途中結果の差分の絶対値
和が所定の閾値以上になったら、演算を打ち切るような
処理を行なうと共に、平均値分離絶対値和MADの値と
原点での残差AD(0,0)の値とから、フレーム内符
号化になるか否かを判断して、閾値の初期値を設定し、
動きベクトルの演算を効率的に行なうようにした例を示
すものである。
【0075】なお、最初のブロックマッチングで設定さ
れる閾値は必ずしも小さな値とならないので、1回目の
動きベクトルの探索では、平均値分離絶対値和MADの
値と原点での残差AD(0,0)の値から求められたも
のを用い、同じブロックに対する次のブロックマッチン
グの閾値には、元の閾値又は検出された絶対値和の何れ
か小さい方を用いることで、効率の向上が図られてい
る。
【0076】図4において、参照フレームのブロックの
探索範囲が初期設定される(ステップS21)。そし
て、平均値分離絶対値和MADが求められ(ステップS
22)、原点での残差AD(0,0)が求められる(ス
テップS23)。この平均値分離絶対値和MADと、原
点での残差AD(0,0)とに応じて、ADminの初
期値が設定される(ステップS24)。
【0077】このADminの値は、これまでの残差の
最小値を示すものであるが、ADminの初期値は、現
フレームのブロックの画素と参照フレームのブロックの
画素との差分の絶対値和と比較する閾値の初期値とな
る。この閾値の初期値として用いられるADminは、
図3に示す関数から、フレーム内符号化になるかフレー
ム間符号化になるかに応じて動的に設定される。
【0078】つまり、図3に示す関数から、フレーム間
符号化が行なわれるであろうと判断された場合(図3に
おいて領域AR2になる場合)には、動きベクトルを正
確に求める必要があるから、閾値の初期値として用いら
れるADminは大きな値に設定され、演算が途中で打
ち切られる可能性が低くなるようにされる。これに対し
て、フレーム内符号化が行なわれるであろうと判断され
た場合(図3において領域AR1になる場合)には、動
きベクトルを使われなくなる可能性が高いため、閾値の
初期値として用いられるADminの値は小さく設定さ
れ、演算が打ち切られる可能性が高くして、演算の効率
化が図られる。
【0079】ステップS24で、ADminの初期値が
設定されたら、最初のブロックマッチングを行なう位置
が探索範囲の右上に設定される(ステップS25)。そ
して、この初期位置のブロックで、ブロックマッチング
の処理が行なわれる(ステップS26)。
【0080】ブロックマッチング処理は、図5に示すよ
うに、現フレームのブロックの画素と参照フレームのブ
ロックの画素との差分の絶対値和の途中結果と所定の閾
値とを比較し、途中結果の差分の絶対値和が所定の閾値
以上になったら、演算を打ち切るような処理により行な
われる。そして、このとき、最初のブロックマッチング
では、閾値として、ステップ24で求められたADmi
nの初期値が用いられる。
【0081】つまり、図5に示すように、ブロックマッ
チング処理(ステップS26)では、画素位置が初期設
定され(ステップS41)、残差ADが初期設定される
(ステップS42)。そして、参照フレームの画素とこ
れと対応する現フレームの画素との差分の絶対値和から
残差が求められる(ステップS43)。この参照フレー
ムの画素と現フレームの画素との差分の絶対値和を求め
ている最中に、これまでの参照フレームの画素と現フレ
ームの画素との差分の絶対値和ADが、ADminの値
を越えたか否かが判断される(ステップS44)。これ
までの参照フレームの画素と現フレームの画素との差分
の絶対値和ADがADminの値を越えたら、ブロック
マッチング処理は終了され、メインルーチンに復帰され
る。これまでの参照フレームの画素と現フレームの画素
との差分の絶対値和ADがADminの値を越えていな
ければ、全ての画素についての演算が終了したか否かが
判断される(ステップS45)。全ての画素についての
演算が終了したと判断されていなければ、ステップS4
3に戻され、参照フレームの画素と現フレームの画素と
の差分の絶対値和ADを求める処理が続けられる。ステ
ップS45で、全ての画素についての演算が終了したと
判断されたら、ブロックマッチング処理は終了され、メ
インルーチンに復帰される。
【0082】上述のように、ブロックマッチング処理で
は、ステップS44で、参照フレームのブロックと現フ
レームのブロックとの差分の絶対値和ADがADmin
の値を越えたか否かが判断され、この差分の絶対値和A
DがADminを越えていたら、メインルーチンに復帰
終了される。したがって、ADminの値が閾値とな
り、ブロックマッチング演算のループの中で、現フレー
ムのブロックの画素と参照フレームのブロックの画素と
の差分の絶対値和の途中結果と閾値とを比較し、現フレ
ームのブロックの画素と参照フレームのブロックの画素
との差分の絶対値和が所定の閾値以上になったら、そこ
で演算を打ち切るような処理が実現されている。これに
より、演算量が削減され、動きベクトルの探索が高速化
できる。
【0083】更に、閾値の初期値として用いられるAD
minは、ステップS24で、平均値分離絶対値和MA
Dと原点での残差AD(0,0)から設定される。フレ
ーム内符号化が行なわれるときには、動きベクトルは不
要となるため、動きベクトルの誤検出は許容できる。し
たがって、平均値分離絶対値和MADと原点での残差A
D(0,0)から、フレーム内符号化が行なわれると判
断された場合には、閾値として用いられるADminの
初期値が低く設定される。このように閾値を動的に変化
させることにより、動きベクトルが不要になるをフレー
ム内符号化になるときには、ブロックマッチングが打ち
切れられる可能性が高くなり、演算量が更に削減され
る。
【0084】図4において、ブロックマッチングで求め
られた差分の絶対値和ADと、これまでの最小値ADm
inとが比較される(ステップS27)。求められた差
分の絶対値和ADがこれまでの最小値ADminより小
さければ、今回の値ADがそれまでの最小値ADmin
とされる(ステップS28)。そして、このときの値が
動きベクトルMVとして記録され(ステップS29)、
次のブロック移動される(ステップ30)。そして、最
後の位置まで終了したか否かが判断され(ステップS3
1)、最後の位置まで終了していなければ、ステップ2
6に行き、次の位置でのブロックマッチングの処理が行
なわれる。
【0085】図5に示したように、ブロックマッチング
処理は、現フレームのブロックの画素と参照フレームの
ブロックの画素との差分の絶対値和の途中結果と所定の
閾値とを比較し、途中結果の差分の絶対値和が所定の閾
値以上になったら、演算を打ち切るような処理により行
なわれる。そして、閾値として、ADminの値が用い
られる。
【0086】ステップS27で、ブロックマッチングで
求められた差分の絶対値和ADと、これまでの最小値A
Dminとが比較され、ステップS28で、求められた
差分の絶対値和ADがこれまでの最小値ADminより
小さければ、今回の値ADがそれまでの最小値ADmi
nとされる。したがって、求められた差分の絶対値和が
これまでの最小値ADminより大きければ、次の閾値
は元の閾値と同じになり、求められた差分の絶対値和が
これまでの最小値ADminより小さくなると、次の閾
値はそれまでの差分の絶対値和の最小値となる。したが
って、図5に示すブロックマッチングでは、残差がそれ
までの最小値ADminを越えると、演算が終了され
る。
【0087】以下、ステップS26からステップS31
が繰り返され、現フレームのブロックの画素と参照フレ
ームのブロックの画素との差分の絶対値和の最小値が求
められる。ステップS31で、最後の位置まで終了した
か否かが判断されると、それまでの現フレームのブロッ
クの画素と参照フレームのブロックの画素との差分の絶
対値和の最小値ADminが動きベクトルMVとされ、
この結果が格納される(ステップS32)。
【0088】なお、上述の例では、平均値分離絶対値和
MADと原点での残差AD(0,0)から、閾値の初期
値を設定しているが、平均値分離絶対値和MAD又は原
点での残差AD(0,0)の1つから閾値を設定するよ
うにしても良い。
【0089】
【発明の効果】この発明によれば、ブロックマッチング
演算のループの中で、現フレームのブロックの画素と参
照フレームのブロックの画素との差分の絶対値和の途中
結果と閾値とを比較し、現フレームのブロックの画素と
参照フレームのブロックの画素との差分の絶対値和が所
定の閾値以上になったら、そこで演算を打ち切るような
処理が行なわれている。これにより、演算量が削減さ
れ、動きベクトルの探索が高速化できる。
【0090】そして、このときの閾値の初期値は、平均
値分離絶対値和MADの値と、原点での残差AD(0,
0)に基づいて設定される。このように、平均値分離絶
対値和MADの値と、原点での残差AD(0,0)に基
づいて閾値を設定すると、フレーム間符号化となるよう
なときには、閾値が下がり、確実に動きベクトルが検出
され、フレーム内符号化となるときには、閾値が上が
り、演算を打ち切る可能性が高くなり、効率的にブロッ
クマッチングが行なえる。
【0091】更に、1回目の動きベクトルの探索では、
平均値分離絶対値和MADの値と原点での残差AD
(0,0)の値から求められた閾値を用い、同じブロッ
クに対する次のブロックマッチングの閾値には、元の閾
値又は検出された絶対値和の何れか小さい方を用いるこ
とで、すなわち閾値をこれまでの最小値とすることで、
効率の向上が図られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】データ処理装置の一例のブロック図である。
【図2】MPEG2のエンコード処理の説明に用いるフ
ローチャートである。
【図3】フレーム内符号化を行なうかフレーム間符号化
を行なうかを決定する関数の一例のグラフである。
【図4】この発明が適用された動きベクトル算出処理の
説明に用いるフローチャートである。
【図5】この発明が適用された動きベクトル算出処理の
説明に用いるフローチャートである。
【図6】従来のMPEG2エンコーダの構成を示すブロ
ック図である。
【図7】ブロックマッチングの説明に用いる略線図であ
る。
【符号の説明】
1・・・CPU,2・・・ROM,3・・・RAM,7
・・・IDEコントローラ,8・・・SCSIコントロ
ーラ,10・・・IEEE1394コントローラ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5C057 BA00 EG06 EL01 EM04 EM09 EM13 5C059 KK15 KK19 MA00 MA23 NN01 NN09 NN28 NN29 PP05 PP06 PP07 SS20 TA62 TB10 TC02 TC12 TD01 TD02 TD12 UA02 UA29

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 処理の対象となる現画面において分割さ
    れた現画面のブロックに対して、参照画面内における同
    位置を基点としてそのブロックと大きさの等しい参照画
    面のブロックを抽出し、 所定の探索範囲内で上記参照画面のブロックを動かしな
    がら、上記現画面のブロックと参照画面のブロックとの
    間の残差を求め、 上記残差が最小となる参照画面のブロックを検出して動
    きベクトルを算出する動きベクトル算出方法において、 上記参照画面のブロックの画素と現画面のブロックの画
    素との残差を求める演算途中に、それまでに求められた
    参照画面のブロックの画素と現画面のブロックの画素と
    の残差と閾値とを比較し、 上記それまでに求められた参照画面のブロックの画素と
    現画面のブロックの画素との残差が上記閾値より大きく
    なったら、そこで演算を打ち切るように制御し、 上記閾値の初期値を、画面の特性に応じて設定するよう
    にしたことを特徴とする動きベクトル算出方法。
  2. 【請求項2】 上記閾値の初期値を、同一画面内の各画
    素の値と各画素の平均値との差分の絶対値和に基づく値
    により設定するようにしたことを特徴とする請求項1に
    記載の動きベクトル算出方法。
  3. 【請求項3】 上記閾値の初期値を、原点での残差に基
    づく値により設定するようにしたことを特徴とする請求
    項1に記載の動きベクトル算出方法。
  4. 【請求項4】 上記閾値の初期値を、同一画面内の各画
    素の値と各画素の平均値との差分の絶対値和に基づく値
    と、原点での残差に基づく値とにより設定するようにし
    たことを特徴とする請求項1に記載の動きベクトル算出
    方法。
  5. 【請求項5】 上記閾値は、それまでの残差の最小値と
    するようにした請求項1に記載の動きベクトル算出方
    法。
  6. 【請求項6】 処理の対象となる現画面において分割さ
    れた現画面のブロックに対して、参照画面内における同
    位置を基点としてそのブロックと大きさの等しい参照画
    面のブロックを抽出し、 所定の探索範囲内で上記参照画面のブロックを動かしな
    がら、上記現画面のブロックと参照画面のブロックとの
    間の残差を求め、 上記残差が最小となる参照画面のブロックを検出して動
    きベクトルを算出する動きベクトル算出プログラムを記
    録した記録媒体において、 上記参照画面のブロックの画素と現画面のブロックの画
    素との残差を求める演算途中に、それまでに求められた
    参照画面のブロックの画素と現画面のブロックの画素と
    の残差と閾値とを比較し、 上記それまでに求められた参照画面のブロックの画素と
    現画面のブロックの画素との残差が上記閾値より大きく
    なったら、そこで演算を打ち切るように制御し、 上記閾値の初期値を、画面の特性に応じて設定するよう
    にしたことを特徴とする動きベクトル算出プログラムを
    記録した記録媒体。
  7. 【請求項7】 上記閾値の初期値を、同一画面内の各画
    素の値と各画素の平均値との差分の絶対値和に基づく値
    により設定するようにしたことを特徴とする請求項6に
    記載の動きベクトル算出プログラムを記録した記録媒
    体。
  8. 【請求項8】 上記閾値の初期値を、原点での残差に基
    づく値により設定するようにしたことを特徴とする請求
    項6に記載の動きベクトル算出プログラムを記録した記
    録媒体。
  9. 【請求項9】 上記閾値の初期値を、同一画面内の各画
    素の値と各画素の平均値との差分の絶対値和に基づく値
    と、原点での残差に基づく値とにより設定するようにし
    たことを特徴とする請求項6に記載の動きベクトル算出
    プログラムを記録した記録媒体。
  10. 【請求項10】 上記閾値は、それまでの残差の最小値
    とするようにした請求項6に記載の動きベクトル算出プ
    ログラムを記録した記録媒体。
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