JP2000069100A - クロックタイミング再生回路および復調装置 - Google Patents

クロックタイミング再生回路および復調装置

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JP2000069100A
JP2000069100A JP10240717A JP24071798A JP2000069100A JP 2000069100 A JP2000069100 A JP 2000069100A JP 10240717 A JP10240717 A JP 10240717A JP 24071798 A JP24071798 A JP 24071798A JP 2000069100 A JP2000069100 A JP 2000069100A
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clock
circuit
timing
clock timing
signal
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JP10240717A
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English (en)
Inventor
Toshiaki Takao
俊明 高尾
Yoshifumi Suzuki
芳文 鈴木
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Nippon Telegraph and Telephone Corp
Original Assignee
Nippon Telegraph and Telephone Corp
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  • Digital Transmission Methods That Use Modulated Carrier Waves (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 多値変調方式に適用することができるクロッ
クタイミング再生回路を実現する。 【解決手段】 被調整サンプルクロックを時間δt だけ
進めたタイミングでベースバンド信号をサンプリング
し、前記サンプリングしたベースバンド信号の自乗和R
2 を求め、前記被調整サンプルクロックを時間δt だ
け遅らせるタイミングでべースバンド信号をサンプリン
グし、前記サンプリングしたベースバンド信号の自乗和
Rb2 を求め、前記サンプリングしたべースバンド信号
の自乗和Ra2 と自乗和Rb2 とを比較し、前記比較し
た結果が、自乗和Ra2 の方が大きい場合には、前記被
調整サンプルクロックをある一定時間αだけ遅らせ、自
乗和Rb2 の方が大きい場合には、前記被調整サンプル
クロックをある一定時間αだけ進ませる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ディジタルデータ
伝送の受信側におけるクロックタイミング再生技術に関
する。
【0002】ここで、本明細書において使用する用語を
定義しておく、まず、「サンプルクロック」とは、復調
装置でサンプリングに用いるクロックをいう。また、
「クロックタイミング」とは、データの誤り率が最小に
なる場合のサンプルクロックのタイミングをいう。「シ
ンボルレート」とはディジタルデータの切り替わり速
度、すなわち変調速度を表す。
【0003】
【従来の技術】ディジタルデータ伝送を行う復調装置に
は、誤り無くディジタルデータを復号するため、受信信
号から誤り率が最小となるクロックタイミングを再生す
るクロックタイミング再生回路が設けられる。このクロ
ックタイミング再生回路には、位相ジッタの少ない高精
度なクロックタイミングを再生することが求められる。
さらに、時分割多元接続通信方式等においてバースト的
なディジタルデータを伝送する場合には、ディジタルデ
ータの先頭位置に一定パターンのクロックタイミング再
生用信号が付加されている。クロックタイミング再生回
路には、この信号を用いてクロックタイミングを再生す
るまでの引き込み時間を短縮することが求められる。
【0004】従来のクロックタイミング再生回路は大別
して、アナログ処理を用いた回路と、ディジタル処理を
用いた回路がある。まず、前者の例として、タンク・リ
ミタ回路を用いたIF(Intermediate Frequency)抽出ク
ロックタイミング再生回路が挙げられる。このタンク・
リミタ回路を用いたクロックタイミング再生回路は、移
動無線通信等においてバースト的なデータを伝送する場
合に用いられる。一方、ディジタル処理を用いたクロッ
クタイミング再生回路として、ベースバンド信号をオー
バーサンプリングして得られた信号を処理することでク
ロックタイミングを再生するBQDPL(Binary Quanti
zed Digital Phase-Locked-Loop)型クロックタイミング
再生回路が挙げられる。
【0005】さらに、発明者らは、高速バースト信号に
対応するため、オーバーサンプリングが不要で、かつ調
整が容易なクロックタイミング再生回路であるサンプル
タイミング摂動型クロックタイミング再生回路およびス
テップサンプル型クロックタイミング再生回路を発明し
た(特願平9−185314、本願出願時に未公開)。
これら4種類のクロックタイミング再生回路について詳
細に説明する。
【0006】タンク・リミタ回路を用いたIF抽出クロ
ックタイミング再生回路90について説明する。図15
に、本IF抽出クロックタイミング再生回路90を備え
た復調装置の構成を示す。この復調装置には、IF信号
が入力される検波器8と、検波器8の出力をサンプリン
グするアナログ/ディジタル変換器(A/D)9と、ア
ナログ/ディジタル変換器9が出力するサンプル信号を
処理し復号信号を得るベースバンド信号処理回路10
と、クロックタイミングを再生するIF抽出クロックタ
イミング再生回路90とを備える。
【0007】IF抽出クロックタイミング再生回路90
には、自乗検波回路15と、タンク回路91と、リミタ
回路92とを備える。自乗検波回路15にはIF信号を
入力する。自乗検波回路15は、クロックの周波数成分
を含まないIF信号を非線形処理することで、クロック
の周波数成分を抽出する。タンク回路91は狭帯域の帯
域通過フィルタであり、クロックの位相ジッタを低減す
る。リミタ回路92は、タンク回路91で得られた正弦
波のクロックを矩形波に整形する。得られたクロックで
サンプリングすると誤り率は最小となる。このクロック
はアナログ/ディジタル変換器(A/D)9など、復調
装置の各部に供給される。タンク・リミタ回路を用いた
IF抽出クロックタイミング再生回路90の説明は、山
本、加藤著、「TDMA通信」、電子情報通信学会発行
に詳しい。
【0008】次に、BQDPL型クロックタイミング再
生回路95について説明する。図16に本BQDPL型
クロックタイミング再生回路95を備えた復調装置の構
成を示す。この復調装置には、IF信号が入力される検
波器8と、検波器8の出力をサンプリングするアナログ
/ディジタル変換器(A/D)9と、このアナログ/デ
ィジタル変換器9が出力するサンプル信号を処理し、復
号信号を得るベースバンド信号処理回路10と、クロッ
クタイミングを再生するBQDPL型クロックタイミン
グ再生回路95とを備える。
【0009】BQDPL型クロックタイミング再生回路
95には、ゼロクロス検出回路97と、位相判定回路9
6と、ループフィルタ82と、電圧制御発振器(VC
O)81とを備える。BQDPL型クロックタイミング
再生回路95の動作フローを図17に示す。本回路には
シンボルレートの2倍の周波数のサンプルクロックを用
いて得られたサンプル信号を入力する。この信号系列の
うち、シンボル周期で繰り返すサンプル信号D(t+n
T)をゼロクロス検出回路97に入力する(Tはシンボ
ル周期、nは任意の整数)。ゼロクロス検出回路97
は、入力信号が符号反転(ゼロクロス)したら、それを
位相判定回路96に通知する。
【0010】位相判定回路96には、サンプル信号D
(t+nT)と、これからT/2周期遅れたタイミング
でサンプリングしたサンプル信号D{t+(n+1/
2)T}を入力する。位相判定回路96は、両信号の符
号に基づき、符号誤り率が最小となるクロックタイミン
グに対して、サンプルタイミングが進んでいるか遅れて
いるかを判定する。すなわち、D(t+nT)×D{t
+(n+1/2)T}の符号が正の場合は進みと判定
し、負の場合は遅れと判定する。そして、ゼロクロス検
出回路97がゼロクロスを検出したときだけ、判定結果
を出力する。
【0011】ループフィルタ82は、一種の平均化回路
であり、位相判定回路96の判定結果を平均化する。な
お、このループフィルタ82は、N段のアップ/ダウン
カウンタを用いてディジタル回路により構成される。電
圧制御発振器(VCO)81は、ループフィルタ82の
出力結果に基づき、クロックの周波数を制御する。
【0012】これにより、サンプルタイミングの進みと
遅れが調整され、このサンプルクロックを用いて得られ
たサンプル信号のうちD(t+nT)を復号に用いるこ
とで、符号誤り率が最小となるクロックタイミングが得
られる。得られたクロックタイミングはアナログ/ディ
ジタル変換器9など、復調装置の各部に供給される。B
QDPL型クロックタイミング再生回路95の説明は、
Vijay K.Bhargaw 著、塚本監訳、「最新ディジタル衛星
通信−実用化技術と最新動向−」、日本技術経済センタ
ー発行に詳しい。
【0013】上記の二種類のクロックタイミング再生回
路と比較し、高速なバースト信号へ容易に対応できるク
ロックタイミング再生回路として、発明者らが発明した
二種類のクロックタイミング再生回路について説明す
る。
【0014】まず、ステップサンプル型クロックタイミ
ング再生回路105を備えた復調装置の構成を図18に
示す。本復調装置には、IF信号が入力される検波器8
と、検波器8の出力をサンプリングするアナログ/ディ
ジタル変換器(A/D)9と、このアナログ/ディジタ
ル変換器9が出力するサンプル信号を処理し、復号信号
を得るベースバンド信号処理回路10と、クロックタイ
ミングを再生するステップサンプル型クロックタイミン
グ再生回路105とを備える。
【0015】ステップサンプル型クロックタイミング再
生回路105には、クロックタイミング推定回路106
と、カウンタ107と、スイッチ(SW)108と、位
相シフタ4と、基準クロック発振器(OSC)3と、モ
ード切替制御回路1とを備える。ステップサンプル型ク
ロックタイミング再生回路105には、ベースバンド信
号をサンプリングして得られたサンプル信号を入力す
る。
【0016】本ステップサンプル型クロックタイミング
再生回路105の動作フローを図19に示す。本ステッ
プサンプル型クロックタイミング再生回路105は、図
19に示すように、シンボル周期に比べ微小時間Δtだ
け長い周期を持つサンプルクロックを用いてクロックタ
イミング再生用信号をサンプリングし、得られたサンプ
ル信号からクロックタイミングを推定する第一のモード
と、推定して得られたクロックタイミングでサンプリン
グし、復号信号を得る第二のモードを持つ。これらのモ
ードの切替えは、モード切替制御回路1が受信信号のク
ロックタイミング再生用信号またはデータ信号の先頭ま
たは末尾を検出することにより行われる。
【0017】第一のモードでは、スイッチ108はカウ
ンタ107に接続されている。カウンタ107は、基準
クロックに同期して1クロック周期毎にカウントアップ
することにより、サンプルクロックの周期をT+Δt
(Tはシンボル周期、Δtは微小時間)とする。アナロ
グ/ディジタル変換器(A/D)9は、このサンプルク
ロックを用いて、バースト信号の先頭に付加されている
クロックタイミング再生用信号を検波して得られたベー
スバンド信号をサンプリングする。得られたサンプル信
号をクロックタイミング推定回路106に入力する。ク
ロックタイミング推定回路106は、このサンプル信号
に基づきクロックタイミング再生用信号が極値を取るタ
イミングすなわちシンボルの中間点と、基準クロックと
の初期位相差φを推定する。例えば、φは次式で表され
る。
【0018】
【数1】 ここで、yn はIチャネルとQチャネルのサンプル信号
をそれぞれ自乗し、加算した値のn番目の値である。ま
た、ωc は基準クロックの角周波数である。クロックタ
イミング推定回路106がクロックタイミングを推定し
た後、スイッチ108がクロックタイミング推定回路1
06に切り替わり、第二のモードとなる。
【0019】第二のモードでは、クロックタイミング推
定回路106が推定した初期位相差が位相シフタ4に伝
えられ、位相シフタ4がこの初期位相差分だけ基準クロ
ックの位相をずらすことにより、誤り率が最小となるク
ロックタイミングが得られる。得られたクロックタイミ
ングは、アナログ/ディジタル変換器9など、復調装置
の各部に供給される。
【0020】次に、サンプルタイミング摂動型クロック
タイミング再生回路100を内蔵した復調装置の構成を
図20に示す。本復調装置には、IF信号が入力される
検波器8と、検波器8の出力をディジタル信号に変換す
るアナログ/ディジタル変換器(A/D)9と、アナロ
グ/ディジタル変換器9が出力するサンプル信号を処理
するベースバンド信号処理回路10と、IF信号から復
号信号を得るためのクロックタイミングを再生するサン
プルタイミング摂動型クロックタイミング再生回路10
0とを備える。サンプルタイミング摂動型クロックタイ
ミング再生回路100には、一定周期の基準クロックを
発生する基準クロック発振器(OSC)3と、この基準
クロックの位相をずらすことで補正クロックを生成する
位相シフタ4と、補正クロックの位相をδtだけ進める
位相進み回路(+δt)102と、δtだけ遅らせる位
相遅れ回路(−δt)103と、これら二種類のクロッ
クを切替えるスイッチ(SW)101と、ベースバンド
信号処理回路10から得られる識別判定誤差信号に基づ
いて、クロック位相制御信号を求めるクロック位相制御
回路2とを備える。
【0021】本サンプルタイミング摂動型クロックタイ
ミング再生回路100は、クロックタイミングのずれと
識別判定誤差の絶対値(または自乗値)の関係が、クロ
ックタイミングのずれが0の点で識別判定誤差が最小と
なる下に凸の曲線を描くことを利用している。
【0022】計算機シミュレーションにより求めたクロ
ックタイミングのずれと識別判定誤差のRMS(Root Me
an Square)値との関係を図21に示す。横軸にクロック
タイミングのずれをとり縦軸に識別判定誤差のRMS値
をとる。シミュレーションには、変調方式にQPSK(Q
uadrature Phase Shift Keying) 、8PSKおよび16
PSK、復調方式にベースバンド遅延検波方式、ロール
オフ率が0.6のナイキスト伝送系を用い、搬送波対雑
音電力比(C/N)が10〔dB〕、15〔dB〕およ
び20〔dB〕の一定雑音の条件下で計算を行った。こ
の図21から、識別判定誤差はクロックタイミングが
“0”の条件で最小となっており、また左右対称な形状
をしていることが分かる。
【0023】本サンプルタイミング摂動型クロックタイ
ミング再生回路の動作フローを図22に示す。クロック
位相制御回路2は基準クロック発振器(OSC)3が発
生する基準クロックをτだけ補正して補正クロックを生
成する。
【0024】ただし、本サンプルタイミング摂動型クロ
ックタイミング再生回路100が初期状態の場合はτ=
0であり、クロックタイミングが確定した時点で、τは
基準クロックと誤り率が最小となるクロックタイミング
との時間差になる。位相進み回路102と位相遅れ回路
103とスイッチ(SW)101は、補正クロックを基
に、位相差が2δtの進みクロックと遅れクロックとを
生成し、さらに両クロックから、サンプルクロックを生
成する。このサンプルクロックを用い、アナログ/ディ
ジタル変換器9においてベースバンド信号をサンプリン
グする。
【0025】次に、クロック位相制御回路2では、ベー
スバンド信号処理回路10から得られる識別判定誤差信
号に基づき、それぞれのタイミングにおける識別判定誤
差の絶対値|ea|、|eb|(または自乗値)を求め
る。さらに、|ea|、|eb|の差分δeを基に、サ
ンプルタイミングの補正量(+αまたは−αまたは0)
を求める。ここでα(>0)は修正幅であり、一定値に
設定することも可能であり、また差分δeに応じて適応
的に可変することも可能である。位相シフタ4は、次式
に従ってサンプルタイミング(t0 )を更新する。
【0026】 δe>0:t0 +α→t0 δe<0:t0 −α→t0 δe=0:t0 →t0 (2) 式(2)を繰り返してδe=0となったとき、下に凸の
曲線の微分係数は0となり、t0 は識別判定誤差が最小
となるタイミング、すなわち誤り率が最小となるクロッ
クタイミングと一致する。得られたクロックタイミング
はアナログ/ディジタル変換器9など、復調装置の各部
に供給される。
【0027】
【発明が解決しようとする課題】図15に示すタンク・
リミタ回路を用いたIF抽出クロックタイミング再生回
路では、クロックの精度を高めるため、狭帯域の帯域通
過フィルタであるタンク回路を用いている。クロックを
高精度化するには、タンク回路のQ値(Q=f0/Δ
f:f0 はフィルタの中心周波数、Δfは3dB帯域幅
である)を大きくする必要がある。
【0028】しかしながら、タンク回路として一般的に
用いられている単同調共振回路の遅延時間は約Q/4
〔T〕で表されるため、Q値を大きくするとタンク回路
の遅延時間が長くなり、結果としてクロックタイミング
が再生するまでの引き込み時間が長くなる。さらに、本
クロックタイミング再生回路は全てアナログ回路で構成
されるため、クロックの位相ジッタを低減し、かつ引き
込み時間を最適に調整することは困難である。
【0029】さらに、本クロックタイミング再生回路
は、IF信号からクロックを抽出しているため、伝搬路
条件の変動等によりIF信号のレベルが低下するとサン
プルクロックが消滅するという欠点を持つ。
【0030】図16に示すBQDPL型クロックタイミ
ング再生回路には、ベースバンド信号をシンボルレート
の2倍以上の周波数でオーバーサンプリングして得られ
たサンプル信号を入力する。このため、本クロックタイ
ミング再生回路は、シンボルレートの2倍以上の速度で
動作する必要がある。
【0031】しかしながら、クロックが高速化するに従
いディジタル回路の実現が困難になるため、BQDPL
型クロックタイミング再生回路はシンボルレートの高速
化に対応することが困難である。
【0032】図18に示すステップサンプル型クロック
タイミング再生回路はバースト信号に付加されるクロッ
クタイミング再生用信号の波形の特徴を利用して、クロ
ックタイミングを推定している。このため、本回路を連
続的なディジタルデータを復調する装置に適用する場合
は、連続的なディジタルデータの途中にクロックタイミ
ング再生用信号を挿入する必要があり、データの伝送効
率が低下するという問題が生ずる。また、バースト信号
および連続信号のどちらに適用する場合でも、一度クロ
ックタイミングを推定すると次のクロックタイミング再
生用信号を受信するまでクロックタイミングが推定でき
ない。
【0033】このため、クロックタイミング再生用信号
以後において、クロックタイミングがずれるとこれに追
従できず、誤り率が増加する原因となる。この問題は、
例えば送信側と受信側のクロック周波数がずれている場
合に生じる。
【0034】上記のクロックタイミング再生回路に対し
て、図20に示すサンプルタイミング摂動型クロックタ
イミング再生回路は、クロックタイミング再生用信号を
用いずクロックタイミングの再生が可能であるため、連
続的なディジタルデータを伝送する場合に有効である。
さらに、シンボルレート程度で動作するためシンボルレ
ートの高速化に容易に対応できる。
【0035】しかしながら、識別判定して得られた位相
誤差の情報に基づいてクロックタイミングを再生してい
るため、多値変調方式に適用する場合には、雑音や波形
歪成分が識別判定のしきい値を越えると位相誤差の情報
が誤り、正確なクロックタイミング再生が困難になる。
具体的には、図21に示すクロックタイミングのずれと
識別判定誤差のRMS値との関係を見ると、C/Nが等
しくても多値数の増加とともに曲線の傾きが緩やかにな
っていることが分かる。
【0036】本クロックタイミング再生回路では、曲線
の傾きが緩やかになるに従いクロックタイミングずれの
検出感度が低下するため、再生されたクロックタイミン
グの精度が低下する。従って、本クロックタイミング再
生回路を多値変調方式へ適用することは困難である。
【0037】本発明は、このような背景に行われたもの
であって、多値変調方式に適用することができるクロッ
クタイミング再生回路および復調装置を提供することを
目的とする。本発明は、クロックタイミング再生用信号
に依存せずクロックタイミングを再生することができる
クロックタイミング再生回路および復調装置を提供する
ことを目的とする。本発明は、シンボルレート程度で処
理することによりシンボルレートの高速化に容易に対応
できるクロックタイミング再生回路および復調装置を提
供することを目的とする。本発明は、低消費電力化を図
ることができるクロックタイミング再生回路および復調
装置を提供することを目的とする。本発明は、IF信号
のレベルが低下してもサンプルクロックが消滅しないク
ロックタイミング再生回路および復調装置を提供するこ
とを目的とする。本発明は、回路の調整を容易に行うこ
とができるクロックタイミング再生回路および復調装置
を提供することを目的とする。
【0038】
【課題を解決するための手段】本発明は、一定周期の基
準クロックを時間τだけ遅らせて位相補正した補正クロ
ックの立ち上がり点あるいは立ち下がり点を時間δt だ
け進めたタイミングでベースバンド信号をサンプリング
し、前記サンプリングしたベースバンド信号の自乗和R
2 を求め、前記補正クロックの立ち上がり点あるいは
立ち下がり点を時間δt だけ遅らせるタイミングでべー
スバンド信号をサンプリングし、前記サンプリングした
ベースバンド信号の自乗和Rb2 を求め、前記サンプリ
ングしたべースバンド信号の自乗和Ra2 と自乗和Rb
2 とを比較し、前記比較した結果が、自乗和Ra2 の方
が大きい場合には、前記時間τをわずかに小さくし、自
乗和Rb2 の方が大きい場合には、前記時間τをわずか
に大きくしてこれを新たな時間τとして前記補正クロッ
クを生成し、前記補正クロックを所望のクロックタイミ
ングを有するサンプルクロックとして再生することを特
徴とする。
【0039】このように、識別判定誤差を用いずにサン
プル信号の自乗和を用いることにより、多値変調方式を
含む多様な変調方式に適用することができるとともに、
雑音電力が増加しても適用することができるクロックタ
イミング再生回路を実現することができる。さらに、本
発明のクロックタイミング再生回路は、回路の調整を容
易に行うことができる。また、シンボルレート程度で処
理することによりシンボルレートの高速化に容易に対応
できる。その他にも、低消費電力化を図ることができ
る、IF信号のレベルが低下してもサンプルクロックが
消滅しないなどの利点がある。
【0040】すなわち、本発明の第一の観点はクロック
タイミング再生回路であって、受信したベースバンド信
号をサンプリングするサンプルクロックの位相を所望の
位相となるように調整する手段を備えたクロックタイミ
ング再生回路である。
【0041】ここで、本発明の特徴とするところは、前
記調整する手段は、基準クロックに対して時間τだけタ
イミングの遅れた補正クロックを生成する手段と、この
補正クロックを時間δt 進めた第一のタイミングおよび
この補正クロックを時間δt遅らせた第二のタイミング
によりベースバンド信号をそれぞれサンプリングする手
段と、前記第一のタイミングでサンプリングされたベー
スバンド信号の自乗和Ra2 と前記第二のタイミングで
サンプリングされたベースバンド信号の自乗和Rb2
を比較する手段と、この比較する手段の比較結果にした
がって前記時間τを調整する手段とを含むところにあ
る。
【0042】この時間τを調整する手段は、前記自乗和
Ra2 の方が前記自乗和Rb2 よりも大きいときには前
記時間τをわずかに小さくし前記自乗和Rb2 の方が前
記自乗和Ra2 よりも大きいときには前記時間τをわず
かに大きくしてこれを新たな時間τとして前記補正クロ
ックを生成する手段に供給する手段を含むことが望まし
い。また、前記基準クロックを内蔵することが望まし
い。これにより、IF信号から基準クロックを抽出する
方式と異なり、IF信号のレベルが低下してもサンプル
クロックが消滅することはない。
【0043】このとき、前記サンプリングする手段は、
前記第一のタイミングおよび前記第二のタイミングを交
互に繰り返すサンプルクロックを発生させる手段を含む
構成としてもよいし、あるいは、前記サンプリングする
手段は、前記第一のタイミングおよび前記第二のタイミ
ングのサンプルクロックをそれぞれ個別に発生させる手
段を含む構成としてもよい。
【0044】本発明の第二の観点は復調装置であって、
本発明のクロックタイミング再生回路を備えたことを特
徴とする復調装置である。
【0045】
【発明の実施の形態】発明の実施の形態を図1を参照し
て説明する。図1は本発明の基本的な実施形態を示すブ
ロック構成図であり、クロックタイミング再生回路を備
えた復調装置の構成例を示す。
【0046】本復調装置には、IF信号が入力される検
波器8と、検波器出力をディジタル信号に変換するアナ
ログ/ディジタル変換器(A/D)9と、アナログ/デ
ィジタル変換器9が出力するサンプル信号を処理し復号
信号を得るべースバンド信号処理回路10と、IF信号
およびサンプル信号から復号信号を得るためのクロック
タイミングを再生するクロックタイミング再生回路11
とを備える。
【0047】クロックタイミング再生回路11には、一
定周期の基準クロックを発生する基準クロック発振器
(OSC)3と、この基準クロックを位相補正して補正
クロック(t0 )を生成する位相シフタ4と、補正クロ
ックからサンプルクロックを生成するサンプルクロック
生成回路5と、サンプルクロックによりべースバンド信
号をサンプリングして得られたサンプル信号の自乗値を
計算する自乗和回路7と、自乗和回路7により得られた
サンプル信号の自乗値からクロック位相制御信号(φ)
を求めて位相シフタを制御するクロック位相制御回路6
とを備える。
【0048】すなわち、本発明は、受信したベースバン
ド信号をサンプリングするサンプルクロックの位相を所
望の位相となるように調整するクロックタイミング再生
回路11およびこれを用いた復調装置である。
【0049】ここで、本発明の特徴とするところは、ク
ロックタイミング再生回路11は、基準クロック発振器
3から発生する基準クロックに対して時間τだけタイミ
ングの遅れた補正クロックを発生する位相シフタ4と、
この補正クロックを時間δt進めた第一のタイミングお
よびこの補正クロックを時間δt遅らせた第二のタイミ
ングによりベースバンド信号をそれぞれサンプリングす
る手段であるサンプルクロック生成回路5を備え、前記
第一のタイミングでサンプリングされたベースバンド信
号の自乗和Ra2 と前記第二のタイミングでサンプリン
グされたベースバンド信号の自乗和Rb2 とを比較し、
この比較結果にしたがって前記時間τを調整する手段で
あるクロック位相制御回路6とを含むところにある。
【0050】クロック位相制御回路6は、前記自乗和R
2 の方が前記自乗和Rb2 よりも大きいときには前記
時間τをわずかに小さくし前記自乗和Rb2 の方が前記
自乗和Ra2 よりも大きいときには前記時間τをわずか
に大きくしてこれを新たな時間τとして位相シフタ4に
供給する。
【0051】サンプルクロック生成回路5は、前記第一
のタイミングおよび前記第二のタイミングを交互に繰り
返すサンプルクロックを発生させる構成とする場合と、
前記第一のタイミングおよび前記第二のタイミングのサ
ンプルクロックをそれぞれ個別に発生させる構成とする
場合とがある。
【0052】次に、図1に示すクロックタイミング再生
回路11の動作原理を図1ないし図5を参照して説明す
る。図2はIF信号の構成およびクロックタイミング再
生回路11の各部の波形を示す図である。図3はサンプ
ルタイミングのずれとサンプル信号の自乗和の平均値と
の関係を示す図であり、横軸にサンプルタイミングのず
れをとり縦軸にサンプル信号の自乗和の平均値をとる。
図4は図1に示すクロックタイミング再生回路の動作を
示すフローチャートである。図5はクロックタイミング
のずれとサンプル信号の自乗和の平均値を示す図であ
り、横軸にクロックタイミングのずれをとり縦軸にサン
プル信号の自乗和の平均値をとる。
【0053】図1に示す復調装置には、図2(a)に示
すバーストフレーム構成のIF信号を入力する。ここで
は、QPSK変調方式を例に挙げて示す。図2(b)以
後の信号は、クロックタイミング再生用信号(BTR)
およびデータ(DATA)の一部を拡大して示してい
る。受信したクロックタイミング再生用信号を検波し帯
域制限すると、図2(b)の左半分に示す周期が2T
(Tはシンボル周期)の正弦波で表されるベースバンド
信号が得られる。また、データは図2(b)の右半分に
示すアイパタンを描く。このべースバンド信号に対し、
データの誤り率が最小となるクロックタイミングは図2
(c)である。本発明のクロックタイミング再生回路
は、クロックタイミング再生用信号を用いて短時間にク
ロックタイミングを再生し、さらに基準クロック発振器
の周波数誤差等が原因で生ずるタイミングずれに追従す
ることにより、図2(c)に示す所望のクロックタイミ
ングを得ることを目的とする。
【0054】まず、基準クロック発振器3は図2(d)
に示す基準クロックを発生する。位相シフタ4は、この
基準クロックをτだけ補正して補正クロック(t0 )を
生成する。ただし、本発明のクロックタイミング再生回
路11が初期状態の場合はτ=0 であり、クロックタイ
ミングが確定した時点で、τは基準クロックとデータの
誤り率が最小となるクロックタイミングとの時間差とな
る。サンプルクロック生成回路5は、補正クロック(t
0 )を基に、位相差が2δtの2 種類のクロック(図2
(e)進みクロックおよび図2(g)遅れクロック)を
生成し、更に両クロックを用いて、図2(h)に示すサ
ンプルクロックを生成する。このサンプルクロックを用
いて、アナログ/ディジタル変換器(A/D)9におい
てべースバンド信号をサンプリングし、図2(i)に示
すサンプル信号を得る。
【0055】次に、自乗和回路7は、サンプル信号の自
乗(R2 )を計算する。なお、QPSKやQAM(Quadr
ature Amplitude Modulation) に代表される直交変調方
式の場合は、IチャネルとQチャネルの各サンプル信号
の自乗和(R2 =I2 +Q2)を計算する。これにより
得られた信号はディジタル信号であるが、これをアナロ
グ信号に変換すると図2(j)に示す信号波形となって
いる。なお、図2(j)の左半分の波形は、周期Tの正
弦波である。この波形の平均値を
【0056】
【数2】 に従って計算すると、Nが十分に大きいとき、図2
(k)に示すように図2(c)の所望のクロックタイミ
ングと等しいタイミングで最大となる波形になる。ここ
で、E〔・〕は平均値を表す関数、Tはシンボル周期を
表している。式(3)に基づいて計算したランダムデー
タを受信した場合のサンプル信号の自乗和の平均値とク
ロックタイミングのずれの関係を図5に示す。この図5
の計算には、変調方式にQPSK、8PSKおよび16
PSK、復調方式にべースバンド遅延検波方式、ロール
オフ率が0.6のナイキスト伝送系を用い、搬送波対雑
音電力比(C/N)が10〔dB〕、15〔dB〕およ
び20〔dB〕の一定雑音の条件下で計算を行った。こ
の図から、変調方式が変わっても、また雑音電力が増加
しても曲線の傾きが変わらないことが分かる。よって、
本発明のクロックタイミング再生回路により得られるク
ロックタイミングの精度は、変調方式、およびC/Nに
依存しないと言える。
【0057】次に、クロック位相制御回路では、図3の
動作原理図と図4の動作フローに示すように、自乗和回
路7から得られる遅れおよび進みの各クロックによるサ
ンプル信号の自乗値(Ra2 、Rb2 )の差分δRを基
に、クロック位相制御信号φ(=2πτ/T)の更新量
(+αまたは−αまたは0)を求める。ここでα(α>
0 )は更新幅であり、一定値に設定することも可能であ
り、また差分δRに応じて適応的に可変することも可能
である。位相シフタは、次式に従って基準クロックと補
正クロック(t0 )との差τを更新する。
【0058】 δR<0:τ+α→τ δR>0:τ−α→τ δR=0:τ→τ (4) 式(4)を繰り返してδR=0となったとき、図3に示
す曲線の微分係数は0となり、ta とtb の中間点t0
はデータの誤り率が最小となるクロックタイミングと一
致する。
【0059】上記のとおり、本発明のクロックタイミン
グ再生回路は、多値変調方式にも適用可能である。ま
た、本発明の回路は、バースト信号におけるクロックタ
イミング再生用信号とそれ以外の信号に対して共通の制
御アルゴリズムで対応できるため、制御アルゴリズムの
切替え等が不要であり、かつ連続的なディジタルデータ
を伝送する装置にも適用可能であるという特長を持つ。
さらに、本クロックタイミング再生回路の処理速度はシ
ンボルレート程度であるため、オーバーサンプリングが
不要でシンボルレートの高速化に容易に対応できる。ま
た、基準クロック発振器を内蔵しているため、IF信号
のレベルが低下してもサンプルクロックは消滅しない。
さらに、本発明のクロックタイミング再生回路はほとん
どディジタル回路で構成できるため、特性の経年変化が
ほとんど無く、また回路ごとの特性のばらつきも少な
い。よって、回路の無調整化が可能になる。
【0060】
【実施例】(第一実施例)本発明第一実施例を図6ない
し図11を参照して説明する。図6は本発明第一実施例
の復調装置の要部ブロック構成図であり、QPSK等の
位相変調方式へ対応し、復調方式にベースバンド遅延検
波方式や準同期検波方式を用いた復調装置に、本発明の
クロックタイミング再生回路11を適用した場合の復調
装置の構成例である。本復調装置には、IF信号が入力
される直交検波器12と、IF信号と非同期のキャリア
信号を発生するキャリア発振器14と、直交検波器12
が出力するベースバンド信号をディジタル信号に変換す
る2個のアナログ/ディジタル変換器(A/D)9−1
および9−2と、アナログ/ディジタル変換器9−1お
よび9−2が出力するIチヤネルとQチヤネルのサンプ
ル信号を処理して各チャネルの復号信号を得るべースバ
ンド信号処理回路10−1と、サンプル信号からアナロ
グ/ディジタル変換器9−1および9−2へ供給するサ
ンプルクロックを生成するクロックタイミング再生回路
11とを備える。
【0061】クロックタイミング再生回路11には、基
準クロック発振器(OSC)3と、位相シフタ4と、自
乗和回路7と、クロック位相制御回路6と、サンプルク
ロック生成回路5とを備える。
【0062】図7に、本発明のクロックタイミング再生
回路11に備える位相シフタ4の具体的な構成例を示
す。本回路には、クロック位相制御信号φからcosφ
とsinφのディジタル値を出力する2個のROM21
および22と、ROM21および22出力をアナログ信
号に変換する2個のディジタル/アナログ変換器(D/
A)23および24と、基準クロックを90度の位相差
を持つ2種類のクロックに分配するハイブリッド25
と、ディジタル/アナログ変換器23および24の出力
とハイブリッド25の出力を乗算する2個のアナログ乗
算器26および27と、アナログ乗算器26および27
の出力を加算し、基準クロックをφ(=2πτ/T)だ
けずらした補正クロックを生成するハイブリッド28と
を備える。
【0063】図7では、位相シフタ4を主としてアナロ
グ回路を用いて構成した。一方で、基準クロックのM倍
(Mは位相シフトのステップ幅で決まる)のクロックを
発生するクロック発振器と、シフト量が可変できる可変
長シフトレジスタとを用いて、全てディジタル回路で構
成することも可能である。
【0064】図8に、図6に示すクロックタイミング再
生回路11に備える自乗和回路7の具体的な構成例を示
す。クロックタイミング再生回路11に備える自乗和回
路7には、2個の乗算器30および31と、1 個の加算
器32とを備える。本回路は、IチヤネルとQチヤネル
のサンプル信号から、I2 +Q2 の計算を行う。
【0065】図9は、本発明のクロックタイミング再生
回路11に備えるクロック位相制御回路6の具体的な構
成図である。本回路には、入力されたサンプル信号の自
乗和(R2 )を進みクロックによる自乗和(Ra2 )と
遅れクロックによる自乗和(Rb2 )に分配するスイッ
チ(SW)33と、スイッチ出力を2シンボル時間だけ
記憶する2個のラッチ34および35と、2シンボルに
1 回だけ2個のラッチ34および35の出力の差分δR
を求める加算器36と、加算器36の出力の符号を求め
る符号検出器(sign)37と、符号検出器37の出
力をカウントし、その値が一定量を越えた時だけ“+
1”か、または“−1”を出力するアップ/ダウンカウ
ンタ(U/D)38と、アップ/ダウンカウンタ38の
出力と更新幅α(α>0 )を乗算する乗算器39と、乗
算器39の出力を累算し、クロック位相制御信号として
出力する累算器40とを備える。
【0066】図9に示すクロック位相制御回路6は一実
施例であり、本回路中の符号検出器37とアップ/ダウ
ンカウンタ38の代りに累算器を用い、差分δRに応じ
て適応的に更新幅αを可変する構成としてもよい。
【0067】図10は、本発明のクロックタイミング再
生回路11に備えるサンプルクロック生成回路5の具体
的な構成図である。サンプルクロック生成回路5には、
補正クロック(t0 )のタイミングをδtだけ進ませる
位相進み回路(−δt)41と、δtだけ遅らせる位相
遅れ回路(+δt)42と、両回路の出力を補正クロッ
ク(t0 )に同期して交互に切替えるスイッチ(SW)
43とを備える。
【0068】図11は、本発明のクロックタイミング再
生回路に備えるサンプルクロック生成回路5の別の実施
例である。本サンプルクロック生成回路5には、補正ク
ロック(t0 )の周波数を1/2にする分周回路(1/
2)44と、分周回路44が出力するクロックを反転す
る反転回路45と、反転回路45が出力するクロックの
タイミングをδtだけ進ませる位相進み回路(−δt)
46と、分周回路44が出力するクロックのタイミング
をδtだけ遅らせる位相遅れ回路(+δt)47と、位
相進み回路46と位相遅れ回路47がそれぞれ出力する
クロックを反転する2個の反転回路48および49と、
2個の反転回路48および49の出力をそれぞれ微小時
間tgだけ遅延させる2個の遅延回路50および51
と、位相進み回路46の出力するクロックとそのクロッ
クを反転し更にtgだけ遅延させたクロックの論理積を
得るAND回路52と、位相遅れ回路47の出力するク
ロックとこのクロックを反転し更にtgだけ遅延させた
クロックの論理積を得るAND回路53と、2個のAN
D回路52および53が出力するクロックの論理和を得
るOR回路54とを備える。
【0069】本発明第一実施例のクロックタイミング再
生回路が出力するサンプルクロックを図12に示す。図
12に示すように、サンプルクロックのデューティ比は
50%にならない。しかしながら、このようなクロック
に対応するアナログ/ディジタル変換器は既に市販され
ており、アナログ/ディジタル変換器が必要とするクロ
ックのホールド時間よりtgを長くすれば十分に使用可
能である。
【0070】なお、図6は復調方式にべースバンド遅延
検波方式、または準同期検波方式を用いた場合について
示したが、同期検波方式にも等しい回路構成で対応でき
る。また、図6はQPSK等の位相変調方式に対応する
場合について示したが、QAM等の振幅位相変調方式に
も同等の回路構成で対応できる。
【0071】(第二実施例)本発明第二実施例を図13
を参照して説明する。図13は本発明第二実施例のクロ
ックタイミング再生回路55を備えた復調装置の要部ブ
ロック構成図である。本発明第二実施例では、クロック
タイミング再生回路55を、ディジタルデータを復号す
る主信号系から切り離すことにより、微小時間δtの影
響が主信号系に及ばないようにしてデータの誤り率の改
善を図った構成例である。本復調装置には、IF信号か
らIチャネルとQチャネルのベースバンド信号を生成す
る直交検波器12と、IF信号と非同期のキャリア信号
を発生するキャリア発振器14と、ベースバンド信号を
ディジタル信号に変換する4個のアナログ/ディジタル
変換器(A/D)9−1〜9−4と、そのうち2個のア
ナログ/ディジタル変換器9−1および9−2が出力す
るサンプル信号を処理して各チャネルの復号信号を得る
べースバンド信号処理回路10−1と、別の2個のアナ
ログ/ディジタル変換器9−3および9−4から得られ
るサンプル信号から補正クロックおよびサンプルクロッ
クを生成するクロックタイミング再生回路55とを備え
る。
【0072】クロックタイミング再生回路55には、基
準クロック発振器(OSC)3と、位相シフタ4と、サ
ンプルクロック生成回路5と、自乗和回路7と、クロッ
ク位相制御回路6とを備える。
【0073】なお、位相シフタ4、自乗和回路7、クロ
ック位相制御回路6、およびサンプルクロック生成回路
5の構成は本発明第一実施例と等しい。
【0074】(第三実施例)本発明第三実施例を図14
を参照して説明する。図14は本発明第三実施例のクロ
ックタイミング再生回路56を備えた復調装置の要部ブ
ロック構成図である。本発明第三実施例では、クロック
タイミング再生回路56をディジタルデータを復号する
主信号系から切り離すことにより、データの誤り率の改
善を図り、かつ、進みクロック用のアナログ/ディジタ
ル変換器9−3および9−4と遅れクロック用のアナロ
グ/ディジタル変換器9−3′および9−4′を別々に
設けることにより、進みクロックおよび遅れクロックの
切替え制御を無くし、ハードウェアを実現する上でのタ
イミング設計を容易にした構成である。
【0075】本復調装置には、IF信号からIチャネル
とQチャネルのべースバンド信号を生成する直交検波器
12と、IF信号と非同期のキャリア信号を発生するキ
ャリア発振器14と、ベースバンド信号をディジタル信
号に変換する6個のアナログ/ディジタル変換器(A/
D)9−1、9−2、9−3、9−4、9−3′、9−
4′と、そのうち2個のアナログ/ディジタル変換器9
−1および9−2が出力するサンプル信号を処理して各
チャネルの復号信号を得るべースバンド信号処理回路1
0−1と、別の4個のアナログ/ディジタル変換器9−
3、9−4、9−3′、9−4′から得られるサンプル
信号から補正クロック、進みクロックおよび遅れクロッ
クを生成するクロックタイミング再生回路56とを備え
る。
【0076】クロックタイミング再生回路56には、基
準クロック発振器(OSC)3と、位相シフタ4と、ク
ロック位相制御回路6と、2個の自乗和回路7および
7′と、サンプルクロック生成回路57とを備える。
【0077】クロック位相制御回路6には、図9に示す
クロック位相制御回路6のうち、スイッチ(SW)33
と2個のラッチ34および35を取り除き、自乗和Ra
2 およびRb2 の入力端子をそれぞれ備える構成を用い
る。また、サンプルクロック生成回路57は、図14に
示すように位相進み回路(−δt)58と、位相遅れ回
路(+δt)59から構成する。なお、位相シフタ4お
よび自乗和回路7および7′の構成は本発明第一実施例
と等しい。
【0078】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のクロック
タイミング再生回路は、識別判定誤差を用いたサンプル
タイミング摂動型クロックタイミング再生回路と異な
り、多値変調方式にも適用可能である。
【0079】また、本発明のクロックタイミング再生回
路は、タンク・リミタ回路を用いたIF抽出型のクロッ
クタイミング再生回路と異り、基準クロック発振器を内
蔵しているためIF信号のレベルが低下してもクロック
は消滅しない。
【0080】さらに、本発明のクロックタイミング再生
回路は、BQDPL型クロックタイミング再生回路にお
けるオーバーサンプリングが不要であるため、処理速度
はシンボルレート程度でよい。したがって、シンボルレ
ートの高速化に容易に対応できると共に、低消費電力化
が図れる。
【0081】また、本発明のクロックタイミング再生回
路は、ステップサンプル型クロックタイミング再生回路
と異なり、バースト信号におけるクロックタイミング再
生用信号とそれ以外の信号に対して共通の制御アルゴリ
ズムで対応できるため、制御アルゴリズムの切替えが不
要であり、かつ連続的なディジタルデータを伝送する装
置にも適用可能であるという特長を持つ。
【0082】さらに、本発明のクロックタイミング再生
回路はほとんどディジタル回路で構成できるため、特性
の経年変化がほとんど無く、またクロックタイミング再
生回路ごとの特性のばらつきも少ない。よって、回路の
無調整化が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の基本的な実施形態を示すブロック構成
図。
【図2】IF信号の構成およびクロックタイミング再生
回路の各部の波形を示す図。
【図3】サンプルタイミングのずれとサンプル信号の自
乗和の平均値との関係を示す図。
【図4】クロックタイミング再生回路の動作を示すフロ
ーチャート。
【図5】クロックタイミングのずれとサンプル信号の自
乗和の平均値を示す図。
【図6】本発明第一実施例の復調装置の要部ブロック構
成図。
【図7】本発明のクロックタイミング再生回路に備える
位相シフタの具体的な構成例を示す図。
【図8】クロックタイミング再生回路に備える自乗和回
路の具体的な構成例を示す図。
【図9】クロックタイミング再生回路に備えるクロック
位相制御回路の具体的な構成図。
【図10】クロックタイミング再生回路に備えるサンプ
ルクロック生成回路の具体的な構成図。
【図11】クロックタイミング再生回路に備えるサンプ
ルクロック生成回路の別の実施例を示す図。
【図12】本発明第一実施例のクロックタイミング再生
回路が出力するサンプルクロックを示す図。
【図13】本発明第二実施例のクロックタイミング再生
回路を備えた復調装置の要部ブロック構成図。
【図14】本発明第三実施例のクロックタイミング再生
回路を備えた復調装置の要部ブロック構成図。
【図15】IF抽出クロックタイミング再生回路を備え
た復調装置の構成を示す図。
【図16】BQDPL型クロックタイミング再生回路を
備えた復調装置の構成を示す図。
【図17】BQDPL型クロックタイミング再生回路の
動作フローを示す図。
【図18】ステップサンプル型クロックタイミング再生
回路を備えた復調装置の構成を示す図。
【図19】ステップサンプル型クロックタイミング再生
回路の動作フローを示す図。
【図20】サンプルタイミング摂動型クロックタイミン
グ再生回路を内蔵した復調装置の構成を示す図。
【図21】計算機シミュレーションにより求めたクロッ
クタイミングのずれと識別判定誤差のRMS値との関係
を示す図。
【図22】サンプルタイミング摂動型クロックタイミン
グ再生回路の動作フローを示す図。
【符号の説明】
1 モード切替制御回路 3 基準クロック発振器 4 位相シフタ 5、57 サンプルクロック生成回路 6 クロック位相制御回路 7、7′ 自乗和回路 8 検波器 9、9−1〜9−4、9−1′〜9−4′ アナログ/
ディジタル変換器 10、10−1 ベースバンド信号処理回路 11、55、56 クロックタイミング再生回路 12 直交検波器 14 キャリア発振器 15 自乗検波回路 21、22 ROM 23、24 ディジタル/アナログ変換器 25、28 ハイブリッド 26、27、30、31、39 乗算器 32、36 加算器 33、43、101、108 スイッチ 34、35 ラッチ 37 符号検出器 38 アップ/ダウンカウンタ 40 累算器 41、46、58、102 位相進み回路 42、47、59、103 位相遅れ回路 44 分周回路 45、48、49 反転回路 50、51 遅延回路 52、53 AND回路 54 OR回路 81 電圧制御発振器 82 ループフィルタ 90 IF抽出クロックタイミング再生回路 91 タンク回路 92 リミタ回路 95 BQDPL型クロックタイミング再生回路 96 位相判定回路 97 ゼロクロス検出回路 105 ステップサンプル型クロックタイミング再生回
路 106 クロックタイミング推定回路 107 カウンタ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5K004 AA05 FA02 FG02 FH06 FH08 FJ08 5K047 AA05 EE02 GG08 MM29 MM38 MM44 MM49 MM59

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 受信したベースバンド信号をサンプリン
    グするサンプルクロックの位相を所望の位相となるよう
    に調整する手段を備えたクロックタイミング再生回路に
    おいて、 前記調整する手段は、基準クロックに対して時間τだけ
    タイミングの遅れた補正クロックを生成する手段と、こ
    の補正クロックを時間δt 進めた第一のタイミングおよ
    びこの補正クロックを時間δt遅らせた第二のタイミン
    グによりベースバンド信号をそれぞれサンプリングする
    手段と、前記第一のタイミングでサンプリングされたベ
    ースバンド信号の自乗和Ra2 と前記第二のタイミング
    でサンプリングされたベースバンド信号の自乗和Rb2
    とを比較する手段と、この比較する手段の比較結果にし
    たがって前記時間τを調整する手段とを含むことを特徴
    とするクロックタイミング再生回路。
  2. 【請求項2】 前記時間τを調整する手段は、前記自乗
    和Ra2 の方が前記自乗和Rb2 よりも大きいときには
    前記時間τをわずかに小さくし前記自乗和Rb2 の方が
    前記自乗和Ra2 よりも大きいときには前記時間τをわ
    ずかに大きくしてこれを新たな時間τとして前記補正ク
    ロックを生成する手段に供給する手段を含む請求項1記
    載のクロックタイミング再生回路。
  3. 【請求項3】 前記基準クロックを内蔵する請求項1記
    載のクロックタイミング再生回路。
  4. 【請求項4】 前記サンプリングする手段は、前記第一
    のタイミングおよび前記第二のタイミングを交互に繰り
    返すサンプルクロックを発生させる手段を含む請求項1
    記載のクロックタイミング再生回路。
  5. 【請求項5】 前記サンプリングする手段は、前記第一
    のタイミングおよび前記第二のタイミングのサンプルク
    ロックをそれぞれ個別に発生させる手段を含む請求項1
    記載のクロックタイミング再生回路。
  6. 【請求項6】 請求項1記載のクロックタイミング再生
    回路を備えたことを特徴とする復調装置。
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