JP2000068827A - 基準クロック生成装置 - Google Patents

基準クロック生成装置

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JP2000068827A
JP2000068827A JP10233795A JP23379598A JP2000068827A JP 2000068827 A JP2000068827 A JP 2000068827A JP 10233795 A JP10233795 A JP 10233795A JP 23379598 A JP23379598 A JP 23379598A JP 2000068827 A JP2000068827 A JP 2000068827A
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JP
Japan
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reference clock
time constant
output
resistor
pass filter
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JP10233795A
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English (en)
Inventor
Seiichi Saito
成一 斉藤
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Publication date
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  • Stabilization Of Oscillater, Synchronisation, Frequency Synthesizers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 定常動作時の基準クロックの周波数の安定性
が高く、なおかつ参照クロックにノイズが入った場合で
も基準クロックの周波数が安定している。 【解決手段】 参照クロックにノイズが入ったときにノ
イズ検出信号(13)を出力するノイズ検出手段(1
0、12)を設ける。ローパスフィルタ(5)のOPア
ンプ(50)には定数の異なる2つの帰還回路を設け、
一方の帰還回路には抵抗値の大きな時定数変更用抵抗器
(56)を直列に設ける。通常他方の帰還回路が有効で
あるが、ノイズ検出信号が出力されると、時定数変更用
抵抗器の両端を短絡スイッチ(57)が短絡して上記一
方の帰還回路を有効にし、時定数を大きな値に変更す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、デジタル機器に
おける動作の基準となる基準クロック生成装置に関する
ものであり、特に外部からのノイズに対しても安定な基
準クロック生成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の基準クロック生成装置に関して図
5、図7および図18から図21を用いて説明する。図
について説明すると、図5は従来の基準クロック生成装
置の定常動作時の説明図、図7は従来の基準クロック生
成装置におけるノイズが入った時の説明図、図18は従
来の基準クロック生成装置のブロック図、図19は従来
の基準信号クロック装置のローパスフィルタの図、図2
0は従来の基準クロック生成装置のローパスフィルタ出
力と基準クロックの図、図21は従来の他の基準クロッ
ク生成装置のブロック図である。図5、図7、図20は
説明のために各部の波形を模式化したものである。
【0003】まず構成を説明する。図18は、「わかる
PLLの応用テクニック」(日本放送出版協会)などに
示されている従来の基準クロック生成装置である位相同
期回路の構成を示すものであり、例えばシステムに1個
の基準発振器が発生する参照クロックから、システム内
の各部分がそれぞれの動作の基準として使用する基準ク
ロックを生成する装置である。
【0004】図において、1は上記参照クロック2と後
述の帰還クロック3の位相差を検出して、この位相差に
対応した出力を出力する位相比較器、4はこの位相比較
器1の出力である位相比較器出力、400はこの位相比
較器出力4を平滑化するとともに反転して出力するロー
パスフィルタ(LPF)、401はこのローパスフィル
タ400の出力であるローパスフィルタ出力、7はこの
ローパスフィルタ出力401の電圧に比例した周波数の
パルスを基準クロック8として発生する電圧制御型発振
器(VCO)、9は上記基準クロック8を所定の比率で
分周し、帰還クロック3として上記位相比較器1に入力
するディバイダである。この構成において、参照クロッ
ク2の周波数fに対して、基準クロック8の周波数はN
×f(Nは自然数)となるように、位相比較器1、ロー
パスフィルタ400および電圧制御型発振器7の定数は
設定されており、ディバイダ9は基準クロック8をN分
周して帰還クロック3の周波数をfとする。
【0005】上記位相比較器出力4は、参照クロック2
の位相と帰還クロック3の位相の相互関係により下記
(1)から(3)のようになる。 (1)参照クロック2の位相が帰還クロック3の位相よ
り一定値以上進んでいる場合:位相のずれに対応した幅
のLOWレベルのパルス。 (2)参照クロック2の位相が帰還クロック3の位相よ
り一定値以上遅れている場合:位相のずれに対応した幅
のHIGHレベルのパルス。 (3)参照クロック2の位相と帰還クロック3の位相の
ずれが一定値以下の場合:フロート状態(HIGHレベ
ルとLOWレベルのほぼ中間レベルの出力)。
【0006】また、図19は上記ローパスフィルタ40
0の具体的な構成を示す図であり、オペアンプ(OPア
ンプ)410の周囲の抵抗器RY411、RZ412お
よびコンデンサCY413から構成されている。このロ
ーパスフィルタ400において、上記位相比較器出力4
の変動に対するローパスフィルタ出力401の応答性は
上記抵抗器RY411とコンデンサCY413の大きさ
に依存するが、抵抗器RY411とコンデンサCY41
3の抵抗と容量の大きさをそれぞれRY411、CY4
13と表した場合、TY=CY413×RY411で表
されるTYをここではローパスフィルタ400の時定数
と呼ぶこととする。この時定数TYが大きいほど、上記
位相比較器出力4の変動に対してローパスフィルタ出力
401の応答が遅くなる。
【0007】次に動作について説明するが、以後の説明
で使用する図において、位相比較器出力4がHIGHレ
ベルの場合を”H”、フロート状態の場合を”F”と示
す。図18の位相同期回路が安定に動作している定常動
作においては、参照クロック2と帰還クロック3は図5
(a)に示すように一定以下の位相差を持ち、位相比較
器出力4は図5(b)のようにフロート状態で安定して
いる。ここで、参照クロック2と帰還クロック3の位相
の比較はそれぞれの立ち上がりのタイミングの比較によ
り行われる。このように位相比較器出力4が安定してい
る場合、ローパスフィルタ出力401も図5(c)のよ
うに安定しており、電圧制御型発振器7には一定電圧V
1が加わるため、電圧制御型発振器7から出力される基
準クロック8は図5(d)のように一定の周波数N×f
となる。電圧V1は基準値であり、電圧制御型発振器7
から出力されるクロックの周波数がN×fになる電圧で
ある。この基準クロック8がディバイダ9によって分周
されて帰還クロック3として位相比較器1にフィードバ
ックされ、参照クロック2と帰還クロック3の位相を一
致させるように動作することにより、参照クロック2と
基準クロック8の同期が確保される。この例ではディバ
イダ9は基準クロック8を2分周して帰還クロック3を
生成する例を示している。
【0008】このような定常動作においては、一般にロ
ーパスフィルタ400の時定数TYが小さく応答性が高
いことが、基準クロック8の周波数の安定性を維持する
という観点からは好ましい。
【0009】次に、参照クロック2に外部からノイズが
入って、図7(a)のように参照クロック2に外部から
ノイズが入った場合の挙動を説明する。このようなノイ
ズは、参照クロック2の正常な立ち上がりを阻止するの
で、参照クロック2の周期が長くなって帰還クロック3
の位相より一定値以上遅れたのと同様の影響を持ち、こ
の基準クロック生成装置は帰還クロック3の周期を参照
クロック2に合わせて長くするように動作する。前述の
ように、参照クロック2の位相が帰還クロック3の位相
より一定値以上遅れている場合は位相比較器出力4はH
IGHレベルになるので、図7(b)のように、ノイズ
が入ってから最初の帰還クロック3の立ち上がりa1
(図7(a)参照)から参照クロック2の立ち上がりa
2(図7(a)参照)までHIGHレベルが維持され
る。
【0010】この位相比較器出力4が入力されるローパ
スフィルタ出力401は、図20(a)のように一定の
遅れ時間tdかかって基準値V1から、より小さいV2
に変化し、図20(b)のように電圧制御型発振器7の
出力である基準クロック8の周波数が小さい(周期が長
い)方向に変動する。すなわち、ノイズにより基準クロ
ック8の周波数が乱されたことになる。
【0011】一方、この遅れ時間tdはローパスフィル
タ400の時定数TYと相関があり、時定数TYが大き
いほど、遅れ時間tdは大きくなり、ローパスフィルタ
出力401の変化は緩やかになる。図20(c)に示し
たように時定数TYを大きくしていくと、ローパスフィ
ルタ出力401の変化はC1、C2、・・・と緩やかに
なり、ついにはローパスフィルタ出力4はCNで示した
ように、ノイズの継続時間が一定時間以下であれば、基
準値V1のままとなり、従って、基準クロック8の周波
数は一定値が保たれる。すなわちローパスフィルタ3の
時定数TYが大きいほど、この基準クロック生成装置の
耐ノイズ性は高くなる。
【0012】また、従来の基準クロック生成装置の他の
例としては、公開特許公報平3−214925号「PL
Lシンセサイザ回路」に記載されたものがある。図21
に構成図を示すが、この構成が図18に示したものと異
なる点を説明する。600は、位相比較器1の出力から
参照クロック2と帰還クロック3の位相のずれが一定値
以上であるか否かを検出し、位相のずれが一定値以上の
場合は短絡スイッチSWC601を閉じるロック検出部
である。この短絡スイッチSW601が閉じられると、
位相比較器1と電圧制御型発振器7はインバータ602
を経由して短絡される。この例において、リセット動作
時にはロック検出部600が参照クロック2と帰還クロ
ック3の位相が一定値以上ずれていることを検出し、短
絡スイッチSWC601を閉じる。短絡スイッチSWC
601が閉じられると、位相比較器出力4が直接電圧制
御型発振器7に入力されるので、ローパスフィルタ40
0の時定数に影響されず基準クロック8の周波数を短時
間で修正することができる。しかし、参照クロック2に
ノイズが入った場合も参照クロック2と帰還クロック3
の位相が一定値以上ずれるので、短絡スイッチSWC6
01が閉じられ、位相比較器出力4が直接電圧制御型発
振器7に入力される。この結果基準クロック8の周波数
が変動することになる。以上のように、この構成は参照
クロック2にノイズが入った場合にローパスフィルタ4
00の時定数が作用しないので、図18に示した先の従
来例よりも耐ノイズ性が低い。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】従来の基準クロック生
成装置は以上のように構成されていたので、ローパスフ
ィルタ400の時定数TYを小さくすると耐ノイズ性が
低くなり、逆に耐ノイズ性を向上させるためにローパス
フィルタ400の時定数TYを大きくすると基準クロッ
クの周波数の安定性が下がるという問題があった。ま
た、ロックが外れた時に位相比較器1と電圧制御型発振
器7を短絡させる構成では、耐ノイズ性が低くなるとい
う問題があった。
【0014】この発明は上記のような問題点を解決する
ためになされたもので、耐ノイズ性が高く、同時に基準
クロックの安定性が高い基準クロック生成装置を得るこ
とを目的とする。
【0015】またこの発明は、電圧制御型発振器への入
力信号にグリッチが発生せず、安定した基準クロックを
生成することが可能な基準クロック生成装置を得ること
を目的とする。
【0016】またこの発明は、リセット動作における引
き込み時間が短い基準クロック生成装置を得ることを目
的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】この発明に係る基準クロ
ック生成装置は、参照用に供給される参照クロックの位
相と、該参照クロックと位相を比較される比較クロック
の位相とを比較して位相差に対応した信号を出力する位
相比較器と、上記位相比較器の出力から上記参照クロッ
クにノイズが入ったことを検出しノイズ検出信号を出力
するノイズ検出手段と、複数の時定数の中から1つの時
定数を選択可能であり、上記ノイズ検出信号に応じて所
定の時定数に切り換える時定数切換手段を有する、上記
位相比較器の出力を平滑化する時定数可変ローパスフィ
ルタと、上記時定数可変ローパスフィルタの出力電圧に
対応した周波数を持つ基準クロックを出力し、該基準ク
ロックを上記比較クロックとして上記位相比較器に帰還
させる電圧制型発振器とからなるものである。
【0018】また、この発明に係る基準クロック生成装
置は、上記時定数可変ローパスフィルタはオペアンプ
と、直列接続された第1の抵抗器と第1のコンデンサと
からなる上記オペアンプに関する第1の帰還回路と、
直列接続された第2の抵抗器と第2のコンデンサと時定
数変更用抵抗器とからなる上記オペアンプに関する第2
の帰還回路とを有し、上記時定数切換手段は上記ノイズ
検出信号に従って動作する上記時定数変更用抵抗器の両
端を短絡可能な短絡スイッチであるようにしたものであ
る。
【0019】また、この発明に係る基準クロック生成装
置は、上記第1のコンデンサの容量は上記第2のコンデ
ンサの容量より小さく、上記第1の抵抗器の抵抗値は上
記第2の抵抗器の抵抗値より大きくかつ上記第1の抵抗
器の抵抗値は上記時定数変更用抵抗器の抵抗値より小さ
くしたものである。
【0020】また、この発明に係る基準クロック生成装
置は、上記短絡スイッチは光結合電子スイッチであるよ
うにしたものである。
【0021】また、この発明に係る基準クロック生成装
置は、上記ノイズ検出手段は上記位相比較器出力の変化
を検出する変化検出手段と、上記変化検出手段の出力か
ら上記位相比較器出力の変化方向を検出し、この検出結
果に対応した信号を上記ノイズ検出信号として出力する
変化方向検出手段からなるものである。
【0022】また、この発明に係る基準クロック生成装
置は、上記変化検出手段はオペアンプと、直列接続され
た抵抗器とコンデンサからなる上記オペアンプに関する
帰還回路と、上記コンデンサと並列に設けられた抵抗器
を有するものである。
【0023】また、この発明に係る基準クロック生成装
置は、上記変化方向検出手段は、上記変化検出手段の出
力を微分する微分回路と、上記微分回路出力が負の場合
に導通するダイオードと上記微分回路出力が正の場合に
導通するダイオードの少なくとも一方からなるものであ
る。
【0024】また、この発明に係る基準クロック生成装
置は、上記位相比較器と上記時定数可変ローパスフィル
タの間に時間遅れ要素を設けたものである。
【0025】また、この発明に係る基準クロック生成装
置は、上記時定数可変ローパスフィルタと電圧制御型発
振器の間にグリッチ除去回路を設けたものである。
【0026】また、この発明に係る基準クロック生成装
置は、システムのリセット信号が入力される断続器を上
記位相比較器と上記ノイズ検出手段の間に設け、システ
ムのリセット信号が有意の場合は上記断続器が上記位相
比較器と上記ノイズ検出手段の接続を遮断するようにし
たものである。
【0027】また、この発明に係る基準クロック生成装
置は、上記断続器は上記システムのリセット信号が入力
されるインバータと、上記インバータの出力により上記
位相比較器と上記ノイズ検出手段の接続を断続する断続
スイッチとからなり、上記断続スイッチは上記インバー
タの出力が有意でない場合に上記位相比較器と上記ノイ
ズ検出手段の接続を遮断するようにしたものである。
【0028】また、この発明に係る基準クロック生成装
置は、上記断続器は上記位相比較器と上記ノイズ検出手
段の間に設けた抵抗器と、上記システムのリセット信号
により上記抵抗器の上記ノイズ検出手段側とグランドと
の間を断続する断続スイッチとからなり、上記断続スイ
ッチは上記システムのリセット信号が有意の場合上記抵
抗器の上記ノイズ検出手段側とグランドとの間を短絡す
るようにしたものである。
【0029】また、この発明に係る基準クロック生成装
置は、上記基準クロックを所定分周比に分周して上記比
較クロックを生成するディバイダを備えたものである。
【発明の実施の形態】実施の形態1.以下、本発明の実
施の形態1について、図1から図8を用いて説明する。
図について説明すると、図1はこの実施の形態1による
基準クロック生成装置のブロック図、図2はこの図1の
各ブロック内の詳細な回路を示した図、図3は一般的な
ローパスフィルタの構成図、図4は図3のローパスフィ
ルタの動作の説明図、図5および図6はこの実施の形態
1における定常動作時の説明図、図7および図8はこの
実施の形態1におけるノイズが入った時の説明図であ
る。図4から図8は動作の説明のため各信号を模式化し
たものである。
【0030】構成を説明する。図1において、1は周知
の位相比較器であり、システムから供給される参照クロ
ック2と比較クロックである後述の帰還クロック3の位
相差を検出して、この位相差が大きいほど幅の広いパル
スを出力する。4はこの位相比較器1の出力である位相
比較器出力、5はこの位相比較器出力4を平滑化すると
ともに反転して出力する時定数可変ローパスフィルタ
(時定数可変LPF)、6はこの時定数可変ローパスフ
ィルタ3の出力である時定数可変ローパスフィルタ出力
(時定数可変LPF出力)、7はこの時定数可変ローパ
スフィルタ出力6の電圧に比例した周波数のパルスを基
準クロック8として発生する周知の電圧制御型発振器
(VCO)、9は上記基準クロック8を所定の比率で分
周し、帰還クロック3として上記位相比較器1に入力す
る周知のディバイダである。
【0031】10は上記位相比較器1の急激な出力変化
を検出する変化検出手段である変化検出ローパスフィル
タ(変化検出LPF)、11はこの変化検出ローパスフ
ィルタ10の出力である変化検出ローパスフィルタ出力
(変化検出LPF出力)、12は上記変化検出ローパス
フィルタ出力11の変化の方向が減少の方向であること
を検出する変化方向検出手段である片方向エッジディテ
クタであり、この片方向エッジディテクタ12の出力で
ある片方向エッジディテクタ出力13により上記時定数
可変ローパスフィルタ5の応答性が変化する。上記変化
検出ローパスフィルタ10と片方向エッジディテクタ1
2によりノイズ検出手段を形成し、片方向エッジディテ
クタ出力13がノイズ検出信号である。
【0032】この構成において、参照クロック2の周波
数fに対して、基準クロック8の周波数はN×f(Nは自
然数)となるように、位相比較器1、時定数可変ローパ
スフィルタ5および電圧制御型発振器7の定数は設定さ
れており、ディバイダ9は基準クロック8をN分周して
帰還クロック3の周波数をfとする。
【0033】上記位相比較器出力4は、参照クロック2
の位相と帰還クロック3の位相の相互関係により下記
(1)から(3)のようになる。 (1)参照クロック2の位相が帰還クロック3の位相よ
り一定値以上進んでいる場合:位相のずれに対応した幅
のLOWレベルのパルス。 (2)参照クロック2の位相が帰還クロック3の位相よ
り一定値以上遅れている場合:位相のずれに対応した幅
のHIGHレベルのパルス。 (3)参照クロック2の位相と帰還クロック3の位相の
ずれが一定値以下の場合:フロート状態(HIGHレベ
ルとLOWレベルのほぼ中間レベルの出力)。
【0034】次に、図2を用いて上記時定数可変ローパ
スフィルタ5、変化検出ローパスフィルタ10、片方向
エッジディテクタ12の回路構成を説明する。
【0035】時定数可変ローパスフィルタ5の構成にお
いて、50はオペアンプ(以後OPアンプと呼ぶ)A、
51は抵抗器RA、52は第1の抵抗器である抵抗器R
B、53は第1のコンデンサであるコンデンサCAであ
り、上記抵抗器RB52とコンデンサCA53とから上
記OPアンプ50に関する第1の帰還回路を形成する。
また54は第2の抵抗器である抵抗器RC、55は第2
のコンデンサであるコンデンサCB、56は時定数変更
用抵抗器である抵抗器RDであり、これらで上記OPア
ンプ50に関する第2の帰還回路を形成する。また、上
記抵抗器RD56の両端は時定数切換手段である短絡ス
イッチで短絡可能であり、本実施形態においては光結合
電子スイッチSW57で短絡可能になっている。上記抵
抗器の抵抗値は大きい方から、抵抗器RD56、抵抗器
RB52、抵抗器RC54の順であり、抵抗器RD56
は抵抗器RB52より十分大きく、抵抗器RC54は抵
抗器RB52より十分小さい。またコンデンサCB55
の容量はコンデンサCA53の容量より十分大きい。5
8は抵抗器REであり、発光ダイオードである上記光結
合電子スイッチSW57の発光部57Aに流れる電流を
制限する。
【0036】図3に示したようなOPアンプX500、
抵抗器RX501、RY502、コンデンサCX503
からなるローパスフィルタにおいて、TX=RX×CX
(RX、CXはそれぞれ抵抗器RX501の抵抗値とコ
ンデンサCX503の容量)で示される数値を、ここで
はこのローパスフィルタの時定数と呼ぶことにする。入
力504に対する出力505の応答性はこの時定数TX
で決定され、時定数TXが大きいほど応答は遅くなるこ
とが周知である。図4のように、入力504がフロート
状態からHIGHレベルに変化した際の出力505の初
期変化は時定数TXが大きいほどX1、X2、・・・と
緩やかになり、ついには入力504のHIGHレベルの
継続時間が一定時間以下なら、出力505はXNのよう
に変化しなくなる。
【0037】上記時定数可変ローパスフィルタ5におい
て、位相比較器出力4の変動に対する時定数可変ローパ
スフィルタ出力6の応答性は、上記各抵抗器およびコン
デンサの大きさに依存する。抵抗器RA51の抵抗値を
RA、コンデンサCA53の容量をCA、コンデンサC
Bの容量をCBとした時に、T1=RA×CAで示され
るT1を第1の時定数、T2=RA×CBで表されるT
2を第2の時定数と呼ぶことにすると、上記抵抗器RD
56が短絡されていない場合は、抵抗器RB52の値が
抵抗器RD56より十分小さいので、第1の帰還回路に
流れる電流が第2の帰還回路に流れる電流より十分大き
くなり、この時定数可変ローパスフィルタ5の時定数は
第1の時定数T1とみなせる。また、上記抵抗器RD5
6が短絡されている場合は、抵抗器RC54の抵抗値が
抵抗器RB52より十分小さいので、第2の帰還回路に
流れる電流が第1の帰還回路に流れる電流より十分大き
くなり、この時定数可変ローパスフィルタ5の時定数は
第2の時定数T2とみなせる。
【0038】すなわち、上記抵抗器RD56が短絡され
ていない場合、この時定数可変ローパスフィルタ5の時
定数は小さい時定数である第1の時定数T1であるた
め、位相比較器出力4が変動すると時定数可変ローパス
フィルタ出力6も素早く変動する。また、上記抵抗器R
D56が短絡されている場合は大きい時定数である第2
の時定数T2であり、この第2の時定数T2は位相比較
器出力4が変動しても時定数可変ローパスフィルタ出力
6は一定時間変化しない大きさに設定されている。
【0039】この時定数可変ローパスフィルタ5の構成
部品の具体的な定数の一例は、RA=4.7KΩ、RB
=4.7KΩ、RC=100Ω、RD=100KΩ、C
A=0.02μF、CB=2μFである。
【0040】変化検出ローパスフィルタ10の構成にお
いて、100はOPアンプB、101は抵抗器RF、1
02は抵抗器RG、103はコンデンサCC、104は
抵抗器RHであり、このOPアンプB100、抵抗器R
F101、抵抗器RG102、コンデンサCC103か
らローパスフィルタが形成される。抵抗器RH104は
上記コンデンサCC103の放電用である。
【0041】さらに、片方向エッジディテクタ12の構
成において、120はコンデンサCD、121は抵抗器
RIであり、このコンデンサCD120と抵抗器RI1
21とで微分回路が形成され、さらにダイオードDA1
22により上記変化検出ローパスフィルタ出力11が負
の方向に変化した場合のみ片方向エッジディテクタ出力
13が変化する。抵抗器RJ123はこの変化のレベル
を安定化するものである。
【0042】次に動作について下記の(1)(2)の場
合に分けて説明する。 (1)定常状態:参照クロック2が安定しており、基準
クロック生成回路が安定に動作している場合。 (2)参照クロック2にノイズが入った場合。
【0043】また、以後の説明で使用する図において、
位相比較器出力4がHIGHレベルの場合を”H”、フ
ロート状態の場合を”F”と示す。
【0044】(1)定常状態 図1、図2に示した基準クロック生成装置が安定に動作
している場合は、参照クロック2と帰還クロック3は図
5(a)に示すように一定以下の位相差であり、位相比
較器出力4は図5(b)のようにフロート状態で安定し
ている。ここで、参照クロック2と帰還クロック3の位
相の比較はそれぞれの立ち上がりのタイミングの比較に
より行われる。このように位相比較器出力4が安定して
いる場合、時定数可変ローパスフィルタ出力6も図5
(c)のように安定しており、電圧制御型発振器7には
一定電圧V1が加わるため、電圧制御型発振器7から出
力される基準クロック8は図5(d)のように一定の周
波数(N×f)となる。電圧V1は基準値であり、電圧
制御型発振器7から出力されるクロックの周波数がN×
fになる電圧である。この基準クロック8がディバイダ
9によって分周されて帰還クロック3として位相比較器
1にフィードバックされ、参照クロック2と帰還クロッ
ク3の位相を一致させるように動作することにより、参
照クロック2と基準クロック8の同期が確保される。こ
の例ではディバイダ9は基準クロック8を2分周して帰
還クロック3を生成する例を示している。
【0045】このとき、図6(a)のように変化検出ロ
ーパスフィルタ出力11は一定値をとるので、図6
(b)のように片方向エッジディテクタ出力13に出力
は現れず、光結合電子スイッチSW57はOFFを保
つ。従って、抵抗器RD56は短絡されないので時定数
可変ローパスフィルタ5の時定数は第1の時定数T1と
なり、高い応答性を有している。定常動作において、こ
のように時定数可変ローパスフィルタ5の応答性が高い
ことが、この基準クロック生成装置が生成する基準クロ
ック8の周波数の安定性を確保するという観点からは好
ましい。
【0046】(2)参照クロック2にノイズが入った場
合。 次に、この基準クロック生成装置が定常状態で動作して
いる際に、図7(a)のようなノイズが外部から参照ク
ロック2に入った場合の挙動を説明する。このようなノ
イズは、参照クロック2がHIGHレベルからLOWレ
ベルへのスレッシュホールド以下になることを阻止する
ので、参照クロック2の周期が長くなって帰還クロック
3の位相より一定値以上遅れたのと同様の影響を与え、
この基準クロック生成装置は帰還クロック3の周期を参
照クロック2に合わせて長くするように動作する。前述
のように、参照クロック2の位相が帰還クロック3の位
相より一定値以上遅れている場合は位相比較器出力4は
HIGHレベルになるので、図7(b)のように、ノイ
ズが入ってから最初の帰還クロック3の立ち上がりa1
(図7(a)参照)から参照クロック2の立ち上がりa
2(図7(a)参照)までHIGHレベルが維持され
る。
【0047】位相比較器出力4が図7(b)のように変
化すると、抵抗RH104により放電速度が決定される
コンデンサCC103の放電が、位相比較器出力4の変
化に対して遅いため、変化検出ローパスフィルタ出力1
1は図8(a)のように減少の方向に変化する。この結
果、片方向エッジディテクタ出力13は図8(b)のよ
うにGNDレベル以下に落ちるので、光結合電子スイッ
チSW57の発光部57Aに電流が流れ、抵抗器RD5
6が短絡される。
【0048】抵抗器RD56が短絡されると、この時定
数可変ローパスフィルタ5の時定数は第2の時定数T2
となり、応答が遅くなるため、図8(c)に示したよう
に時定数可変ローパスフィルタ出力6は位相比較器出力
4の変動に応答せずに、ノイズの継続時間が一定以下な
ら基準値V1を維持する。従って、基準クロックの周波
数がN×fで一定のまま維持される。
【0049】この後、片方向エッジディテクタ出力13
の絶対値が減少すると光結合電子スイッチSW57の発
光部57Aに流れる電流が減少し、ついには光結合電子
スイッチSW57がOFFになるので抵抗器RD56が
短絡されていない状態に戻り、時定数可変ローパスフィ
ルタ5の時定数は第1の時定数T1に戻る。
【0050】変化検出ローパスフィルタ出力11が図8
(a)のように回復する時間は抵抗器RH104の大き
さで決定される。この抵抗器RH104が無いと、変化
検出ローパスフィルタ出力11が回復しないので、次の
ノイズの検出が不可能になる。
【0051】以上のように、この実施の形態1による基
準クロック生成装置は、通常は時定数可変ローパスフィ
ルタの時定数が小さいので基準クロックの周波数の安定
性が高く、また、参照クロックにノイズが入ると、この
ノイズを検出して時定数可変ローパスフィルタの時定数
を大きくするので、ノイズが入っても基準クロックの周
波数が安定しているという効果がある。
【0052】また、時定数可変ローパスフィルタの時定
数を変更するために、OPアンプに2つの帰還回路を設
け、帰還回路の切換を光結合電子スイッチで行うように
したので、切換時ノイズが出ないという効果がある。
【0053】また、変化検出ローパスフィルタにおい
て、OPアンプの帰還回路中のコンデンサを短絡する抵
抗器を設けたので、コンデンサが所定の時間内に放電
し、ノイズが連続してきた場合にも検出できるという効
果がある。
【0054】実施の形態2.実施の形態2について、図
5から図10を用いて説明する。上記実施の形態1で
は、ノイズが参照クロック2の周期が長くなったのと同
様の影響を与える場合に、基準クロックの周波数を安定
させる例について説明した。本実施形態では、ノイズが
実施の形態1のような影響を与える場合の他に、ノイズ
が図9のように参照クロック2の本来の周期よりも短い
周期でスレッシュホールドの上下に変動し、参照クロッ
ク2の周期が短くなったのと同様の影響を与える場合に
も基準クロックの周波数を安定させることが可能な例に
ついて説明する。図について説明すると、図5から図8
は上記実施の形態1の説明で使用した図であるがこの実
施の形態2の説明に援用するものであり、図5および図
6は定常動作時の説明図、図7および図8はノイズが入
った時の説明図である。また、図9はこの実施の形態2
において新たに説明するノイズの図、図10はこの実施
の形態2における両方向エッジディテクタと時定数可変
ローパスフィルタの構成図である。図9は説明のためノ
イズを模式化したものである。
【0055】構成を説明する。本実施形態の構成は、図
2に示した実施の形態1による基準クロック生成装置の
構成の、片方向エッジディテクタ12を図10の両方向
エッジディテクタ12aに、図2の時定数可変ローパス
フィルタ5を図10の時定数可変ローパスフィルタ5に
それぞれ置換したものである。また、図2においては片
方向エッジディテクタ12の出力は片方向エッジディテ
クタ出力13のみであったが、図10のように本実施形
態における両方向エッジディテクタ12aの出力は、1
3a、13bで示した両方向エッジディテクタ出力A、
両方向エッジディテクタ出力Bの2本となっている。他
の構成は図2と同様である。
【0056】図10の両方向エッジディテクタ12a
は、図2の片方向エッジディテクタ12と同様のコンデ
ンサCD120、抵抗器RI121、ダイオードDA1
22、抵抗器RJ123の他に、上記ダイオードDA1
22と方向が逆であるダイオードDAa122aおよび
抵抗器RJa123aから構成される。このコンデンサ
CD120と抵抗器RI121とで微分回路が形成さ
れ、さらにダイオードDA122により変化検出ローパ
スフィルタ出力11が負の方向に変化した場合のみ両方
向エッジディテクタ出力A13aが変化するが、これは
図2において変化検出ローパスフィルタ出力11が負の
方向に変化した場合のみ片方向エッジディテクタ出力1
3が変化することと同様である。抵抗器RJ123はこ
の変化のレベルを安定化するものであることも図2と同
様である。また、ダイオードDAa122aにより、変
化検出ローパスフィルタ出力11が正の方向に変化した
場合のみ両方向エッジディテクタ出力B13bが変化す
る。抵抗器RJa123aはこの変化のレベルを安定化
するものである。
【0057】すなわち、この両方向エッジディテクタ1
2aにおいては、変化検出ローパスフィルタ出力11が
負の方向に変化すると両方向エッジディテクタ出力A1
3aが変化し、変化検出ローパスフィルタ出力11が正
の方向に変化すると両方向エッジディテクタ出力B13
bが変化する。
【0058】次に、図10の時定数可変ローパスフィル
タ5の構成について説明するが、この時定数可変ローパ
スフィルタ5において、光結合電子スイッチSWA57
Bおよび抵抗器REa58a以外は図2に示した実施の
形態1の構成と同様であり、抵抗器RB52とコンデン
サCA53とからOPアンプA50に関する第1の帰還
回路を形成し、抵抗器RC54とコンデンサCB55お
よび抵抗器RD56からOPアンプA50に関する第2
の帰還回路を形成する。57Cは発光ダイオードである
上記光結合電子スイッチSWA57Bの発光部である。
【0059】抵抗器RD56の両端は図2と同様に光結
合電子スイッチSW57で短絡可能になっているが、本
実施形態においてはさらに光結合電子スイッチSWA5
7Bでも短絡可能であり、光結合電子スイッチSW57
の発光部57Aは上記両方向エッジディテクタ出力A1
3aに、光結合電子スイッチSWA57Bの発光部57
Cは上記両方向エッジディテクタ出力B13bに、それ
ぞれ図10に示した方向に接続されている さらに実施の形態1と同様に、抵抗器RD56が短絡さ
れていない場合は、抵抗器RB52の値が抵抗器RD5
6より十分小さいので、第1の帰還回路に流れる電流が
第2の帰還回路に流れる電流より十分大きくなり、この
時定数可変ローパスフィルタ5の時定数は小さい時定数
である第1の時定数T1とみなせる。また、上記抵抗器
RD56が短絡されている場合は、抵抗器RC54の抵
抗値が抵抗器RB52より十分小さいので、第2の帰還
回路に流れる電流が第1の帰還回路に流れる電流より十
分大きくなり、この時定数可変ローパスフィルタ5の時
定数は大きい時定数である第2の時定数T2とみなすこ
とができ、位相比較器出力4が変動しても時定数可変ロ
ーパスフィルタ出力6は一定時間変化しない。ここで、
抵抗器RA51の抵抗値をRA、コンデンサCA53の
容量をCA、コンデンサCBの容量をCBとして、T1
=RA×CA、T2=RA×CBである。
【0060】次に動作について下記の(1)(2)の場
合に分けて説明するが、(2)の参照クロック2にノイ
ズが入った場合については、ノイズの種類によりさらに
(2.1)(2.2)に分けて説明する。 (1)定常状態:参照クロック2が安定しており、基準
クロック生成回路が安定に動作している場合 (2)参照クロック2にノイズが入った場合 (2.1)ノイズが図7(a)に示すように参照クロッ
ク2がHIGHレベルからLOWレベルへのスレッシュ
ホールド以下になることを阻止する場合 (2.2)ノイズが図9のように参照クロック2の本来
の周期よりも短い周期でスレッシュホールドの上下に変
動する場合
【0061】(1)定常状態 定常状態においては、実施の形態1と同様に、参照クロ
ック2と帰還クロック3は図5(a)に示すように一定
以下の位相差であり、位相比較器出力4は図5(b)の
ようにフロート状態で安定している。このように位相比
較器出力4が安定している場合、時定数可変ローパスフ
ィルタ出力6も図5(c)のように安定しており、電圧
制御型発振器7には一定電圧V1が加わるため、電圧制
御型発振器7から出力される基準クロック8は図5
(d)のように一定の周波数(N×f)となる。
【0062】このとき、図6(a)のように変化検出ロ
ーパスフィルタ出力11は一定値をとるので、図6
(b)の実施の形態1の片方向エッジディテクタ出力1
3と同様に、両方向エッジディテクタ出力A13a、両
方向エッジディテクタ出力B13bに出力は現れず、光
結合電子スイッチSW57および光結合電子スイッチS
WA57BはOFFを保つ。従って、抵抗器RD56は
短絡されないので時定数可変ローパスフィルタ5の時定
数は小さい時定数である第1の時定数T1となり、高い
応答性を有している。定常動作において、このように時
定数可変ローパスフィルタ5の応答性が高いことが、こ
の基準クロック生成装置が生成する基準クロック8の周
波数の安定性を確保するという観点からは好ましい。
【0063】(2)参照クロック2にノイズが入った場
合 (2.1)ノイズが図7(a)に示すように参照クロッ
ク2がHIGHレベルからLOWレベルへのスレッシュ
ホールド以下になることを阻止する場合 このようなノイズが参照クロック2に入った場合は、実
施の形態1において説明したように参照クロック2の周
期が長くなって帰還クロック3の位相より一定値以上遅
れたのと同様の影響を与え、この基準クロック生成装置
は帰還クロック3の周期を参照クロック2に合わせて長
くするように動作する。実施の形態1で説明したよう
に、参照クロック2の位相が帰還クロック3の位相より
一定値以上遅れている場合は位相比較器出力4はHIG
Hレベルになるので、図7(b)のように、ノイズが入
ってから最初の帰還クロック3の立ち上がりa1(図7
(a)参照)から参照クロック2の立ち上がりa2(図
7(a)参照)までHIGHレベルが維持される。
【0064】位相比較器出力4が図7(b)のように変
化すると、実施の形態1と同様に変化検出ローパスフィ
ルタ出力11は図8(a)のように減少の方向に変化す
る。この結果、両方向エッジディテクタ出力A13aは
図8(b)の実施の形態1における片方向エッジディテ
クタ出力13と同様にGNDレベル以下に落ちるので、
光結合電子スイッチSW57の発光部57Aに電流が流
れ、抵抗器RD56が短絡される。この時両方向エッジ
ディテクタ出力B13bは変化しないので、光結合電子
スイッチSWA57BはOFFのままである。
【0065】抵抗器RD56が短絡されると、この時定
数可変ローパスフィルタ5の時定数は大きい時定数であ
る第2の時定数T2となり、応答が遅くなるため、図8
(c)に示したように時定数可変ローパスフィルタ出力
6は位相比較器出力4の変動に応答せずに、ノイズの継
続時間が一定以下なら基準値V1を維持する。従って、
基準クロックの周波数がN×fで一定のまま維持され
る。
【0066】この後、両方向エッジディテクタ出力A1
3aの絶対値が減少すると光結合電子スイッチSW57
の発光部57Aに流れる電流が減少し、ついには光結合
電子スイッチSW57がOFFになるので抵抗器RD5
6が短絡されていない状態に戻り、時定数可変ローパス
フィルタ5の時定数は小さい時定数である第1の時定数
T1に戻る。
【0067】(2.2)ノイズが図9のように参照クロ
ック2の本来の周期よりも短い周期でスレッシュホール
ドの上下に変動する場合 このようなノイズが参照クロック2に入った場合は、上
記(2.1)の場合とは逆に参照クロック2の周期が短
くなって帰還クロック3の位相より一定値以上進んだの
と同様の影響を与え、この基準クロック生成装置は帰還
クロック3の周期を参照クロック2に合わせて短くする
ように動作する。実施の形態1で説明したように、参照
クロック2の位相が帰還クロック3の位相より一定値以
上進んでいる場合は位相比較器出力4はLOWレベルに
なるので、上記(2.1)の説明では図7(b)におい
てHIGHレベルであった部分が、この場合はLOWレ
ベルとなる。
【0068】位相比較器出力4が図7(b)とはHIG
HレベルとLOWレベルが反転した変化をすると、変化
検出ローパスフィルタ出力11は図8(a)とは変化の
方向が反転して増加の方向に変化する。この結果、図1
0における両方向エッジディテクタ出力B13bは、図
8(b)の実施の形態1の片方向エッジディテクタ出力
13とはGNDレベルを挟んで上下対称形に増加しGN
Dレベル以上になるので、光結合電子スイッチSWA5
7Bの発光部57Cに電流が流れ、抵抗器RD56が短
絡される。この時両方向エッジディテクタ出力A13a
は変化しないので、光結合電子スイッチSW57はOF
Fのままである。
【0069】抵抗器RD56が短絡されると、この時定
数可変ローパスフィルタ5の時定数は大きい時定数であ
る第2の時定数T2となり、応答が遅くなるため、図8
(c)に示したように時定数可変ローパスフィルタ出力
6は位相比較器出力4の変動に応答せずに、ノイズの継
続時間が一定以下なら基準値V1を維持する。従って、
基準クロックの周波数がN×fで一定のまま維持され
る。
【0070】この後、両方向エッジディテクタ出力B1
3bの絶対値が減少すると光結合電子スイッチSWA5
7Bの発光部57Cに流れる電流が減少し、ついには光
結合電子スイッチSWA57BがOFFになるので抵抗
器RD56が短絡されていない状態に戻り、時定数可変
ローパスフィルタ5の時定数は小さい時定数である第1
の時定数T1に戻る。
【0071】以上のように、この実施の形態2による基
準クロック生成装置は、通常は時定数可変ローパスフィ
ルタの時定数が小さいので基準クロックの周波数の安定
性が高く、また参照クロックにノイズが入った場合、こ
のノイズが参照クロックの周期が長くなったのと同様の
影響を与えるノイズであっても、参照クロックの周期が
短くなったのと同様の影響を与えるノイズであっても、
いずれの場合でもこのノイズを検出して時定数可変ロー
パスフィルタの時定数を大きくするので、ノイズが入っ
ても基準クロックの周波数が安定しているという効果が
ある。
【0072】実施の形態3.実施の形態3について、図
7、図11、図12を用いて説明する。上記実施の形態
1では、参照クロック2にノイズが入って位相比較器出
力4が変動してから、時定数可変ローパスフィルタ5の
時定数が変わるまでの時間が無視できる場合について説
明したが、本実施形態ではこの時間が無視できない場合
にこの時間の影響を抑制する例について説明する。図に
ついて説明すると、図7はこの実施の形態3におけるノ
イズが入った時の説明図、図11はこの実施の形態3に
よる基準クロック生成装置のブロック図、図12はこの
実施の形態3の各信号の説明図である。図7、図12は
動作の説明のため各部の波形を模式化したものである。
【0073】構成を説明する。図11に示した構成は、
図1に示した実施の形態1による基準クロック生成装置
の、位相比較器1と時定数可変ローパスフィルタ5の間
に時間遅れ要素14を設けたものであり、この時間遅れ
要素14は抵抗器RK141とコンデンサCE142か
らなる。15はこの時間遅れ要素14の出力である時間
遅れ要素出力である。その他は実施の形態1と同様の構
成である。
【0074】次に動作を説明する。本実施形態は、定常
状態の動作は実施の形態1と同様であり、参照クロック
2にノイズが入った場合のみ実施の形態1と動作が異な
るので、この場合についてのみ説明する。
【0075】実施の形態1で説明したように、定常状態
で動作している際に図7(a)のように参照クロック2
に外部からノイズが入ると、位相比較器出力4が図7
(b)のように変化する。定常状態では時定数可変ロー
パスフィルタ5の時定数は小さい時定数である第1の時
定数T1である。図12(a)は図7(b)と同じ位相
比較器出力4の変化を示す図であるが、この位相比較器
出力4が変化検出ローパスフィルタ10に入力される
と、変化検出ローパスフィルタ10内部の回路により遅
延を生じ、変化検出ローパスフィルタ出力11は図12
(b)のように時間tb1遅れて変化する。片方向エッ
ジディテクタ出力13もこれより遅れて変化し、さらに
時定数可変ローパスフィルタ5内の光結合電子スイッチ
SW57の応答時間等を要するために、時定数可変ロー
パスフィルタ5の時定数が切り換わり大きい時定数であ
る第2の時定数T2になるのは、位相比較器出力4が変
化してから時間tb2経過した後となる。
【0076】実施の形態1で説明したように、時定数可
変ローパスフィルタ5の時定数が位相比較器出力4の変
化と同時に大きい時定数である第2の時定数T2に切り
換わる場合は、時定数可変ローパスフィルタ出力6はノ
イズの継続時間が一定値以下なら変動しない。しかし、
本実施形態では時間tb2の間、時定数可変ローパスフ
ィルタ5の時定数は小さい時定数である第1の時定数T
1で応答性が高いため、仮に時間遅れ要素14がない
と、時定数可変ローパスフィルタ出力6は図12(d)
のように位相比較器出力4の変化と同時に変化し始めて
しまい、時間tb2の後、大きい時定数である第2の時
定数T2に対応した大きさになる。この時定数可変ロー
パスフィルタ出力6の変動がグリッチとして現れ、電圧
制御型発振器7に加わるため、基準クロック8の周波数
も変動する。
【0077】これに対して、図11のように位相比較器
1と時定数可変ローパスフィルタ5の間に時間遅れ要素
14を設けると、これは積分回路であるため時間遅れ要
素出力15は図12(e)のようになだらかな変化を
し、これが時定数可変ローパスフィルタ5に入力される
ので時定数可変ローパスフィルタ出力6は図12(f)
のようにグリッチが小さくなり、電圧制御型発振器7に
加わる電圧の変動が小さくなるため、基準クロック8の
周波数の変動も小さい。
【0078】以上のように、この実施の形態3による基
準クロック発生装置は、位相比較器と時定数可変ローパ
スフィルタの間に時間遅れ要素を設けたので、時定数可
変ローパスフィルタ5の時定数の切換が遅れても時定数
可変ローパスフィルタ出力のグリッチを抑制することが
可能であり、基準クロック8の周波数の変動が小さいと
いう効果がある。
【0079】実施の形態4.実施の形態4について図
7、図12、図13を用いて説明する。実施の形態3で
は位相比較器1と時定数可変ローパスフィルタ5の間に
時間遅れ要素11を入れて時定数可変ローパスフィルタ
出力6の変動を小さくする例を示したが、本実施形態で
は時定数可変ローパスフィルタ5と電圧制御型発振器7
の間にグリッチ防止回路を入れる例を示す。図について
説明すると、図7はこの実施の形態4におけるノイズが
入った時の説明図、図12はこの実施の形態4の各信号
の説明図、図13はこの実施の形態4による基準クロッ
ク生成装置のブロック図である。図7、図12は動作の
説明のため各部の波形を模式化したものである。
【0080】構成を説明する図13に示した構成は、図
1に示した実施の形態1による基準クロック生成装置
の、時定数可変ローパスフィルタ5と電圧制御型発振器
7の間に、グリッチ除去回路13を設けたものであり、
このグリッチ除去回路13は抵抗器RL161とコンデ
ンサCF162からなる。17はこのグリッチ除去回路
の出力であるグリッチ除去回路出力である。その他は実
施の形態1と同様の構成である。
【0081】次に動作を説明する。本実施形態は、定常
状態の動作は実施の形態1と同様であり、参照クロック
2にノイズが入った場合のみ実施の形態1と動作が異な
るので、この場合についてのみ説明する。
【0082】実施の形態1で説明したように、定常状態
で動作している際に図7(a)のように参照クロック2
に外部からノイズが入ると、位相比較器出力4が図7
(b)のように変化する。定常状態では時定数可変ロー
パスフィルタ5の時定数は小さい時定数である第1の時
定数T1である。図12(a)は図7(b)と同じ位相
比較器出力4の変化を示す図であるが、この位相比較器
出力4が変化検出ローパスフィルタ10に入力される
と、変化検出ローパスフィルタ10内部の回路により遅
延を生じ、変化検出ローパスフィルタ出力11は図12
(b)のように時間tb1遅れて変化する。片方向エッ
ジディテクタ出力13もこれより遅れて変化し、さらに
時定数可変ローパスフィルタ5内の光結合電子スイッチ
SW57の応答時間等を要するために、時定数可変ロー
パスフィルタ5の時定数が切り換わり大きい時定数であ
る第2の時定数T2になるのは、位相比較器出力4が変
化してから時間tb2経過した後となる。
【0083】実施の形態1で説明したように、時定数可
変ローパスフィルタ5の時定数が位相比較器出力4の変
化と同時に大きい時定数である第2の時定数T2に切り
換わる場合は、時定数可変ローパスフィルタ出力6はノ
イズの継続時間が一定値以下なら変動しない。しかし、
本実施形態では時間tb2の間、時定数可変ローパスフ
ィルタ5の時定数は小さい時定数である第1の時定数T
1で応答性が高いため、時定数可変ローパスフィルタ出
力6は図12(d)のように位相比較器出力4の変化と
同時に変化し始めてしまい、時間tb2の後、大きい時
定数である第2の時定数T2に対応した大きさになる。
【0084】仮にグリッチ除去回路16がないとする
と、この時定数可変ローパスフィルタ出力6の変動がグ
リッチとして現れ、電圧制御型発振器7に加わるため、
基準クロック8の周波数も変動する。これに対して、図
13のように時定数可変ローパスフィルタ5と電圧制御
型発振器7の間にグリッチ除去回路16を設けると、こ
れは積分回路であるためグリッチ除去回路出力17は図
12(g)のようになだらかに変化し、これが電圧制御
型発振器7に加わるので、基準クロック8の周波数の変
動も小さい。
【0085】以上のように、この実施の形態4による基
準クロック発生装置は、時定数可変ローパスフィルタと
電圧制御型発振器の間にグリッチ除去回路を設けたの
で、時定数可変ローパスフィルタ5の時定数の切換が遅
れて時定数可変ローパスフィルタ出力にグリッチが発生
しても、基準クロック8の周波数の変動は小さいという
効果がある
【0086】実施の形態5.実施の形態1で図1および
図2に示したような基準クロック生成装置では、リセッ
ト動作時の電源変動などにより参照クロック2の周波数
が不安定で大きく変動することがある。この場合、帰還
クロック3の周波数も不安定であり、通常、一旦両者の
位相が大きくずれてその後再び位相が一致していくとい
う挙動を示す。
【0087】この時の動作について、図14(a)のよ
うにリセット動作時参照クロック2と帰還クロック3の
位相が偶然一致していたが、一旦帰還クロック3の位相
が参照クロック2の位相より進み、その後再び両者の位
相が一致していく場合を例に説明する。
【0088】図14(b)のように位相比較器出力4は
当初フロート状態であるが、参照クロック2と帰還クロ
ック3の位相がずれると図14(c)に示したように位
相のずれに応じた幅の広いHIGHレベルのパルスを発
生し、位相ずれが小さくなるに従いパルス幅は小さくな
る。変化検出ローパスフィルタ出力11も位相比較器出
力4を平滑化するとともに反転して出力するので、図1
4(c)のように位相比較器出力4の急激な変動に対応
して一旦大きく負の方向に変動する。この結果、図14
(d)のように片方向エッジディテクタ出力13がGN
Dレベルより低くなり、光結合電子スイッチSW57の
発光部57Aが発光するので、時定数可変ローパスフィ
ルタ5の時定数は大きな時定数である第2の時定数T2
となる。
【0089】一方、時定数可変ローパスフィルタ5はこ
の位相比較器出力4を平滑化するとともに反転するの
で、時定数可変ローパスフィルタ出力6は図15(a)
のように基準値V1より大きな値から徐々に基準値V1
に収束する。図15(b)のように基準クロック8の周
波数はこの時定数可変ローパスフィルタ出力6に従うた
め徐々に低くなり、帰還クロック3の進み量を抑制する
方向に作用し、最終的に参照クロック2と帰還クロック
3の位相ずれが一定値以下に収束する。この時定数可変
ローパスフィルタ出力6が基準値V1に収束するために
要する時間(引き込み時間)taは時定数可変ローパス
フィルタ5の時定数により左右され、時定数が大きくな
るほど長くなる。
【0090】このように、実施の形態1で説明した図1
および図2の構成では、リセット動作時の電源変動など
で参照クロック2が大きく変動することが原因で、時定
数可変ローパスフィルタ5の時定数が大きくなることが
あり、その結果引き込み時間が長くなることがある。
【0091】この実施の形態5は、リセット動作時に位
相比較器出力が変化検出ローパスフィルタに入力されな
いようにして時定数が大きくなることを防ぎ、引き込み
時間が長くなることを防止するものである。
【0092】以下、実施の形態5について、図16、図
17を用いて説明する。図について説明すると、図16
はこの実施の形態5による基準クロック生成装置のブロ
ック図、図17ははこの実施の形態5の変形例よる基準
クロック生成装置のブロック図である。
【0093】構成を説明する。図16に示した構成は、
図1に示した実施の形態1による基準クロック生成装置
の、位相比較器1と変化検出ローパスフィルタ10の間
に断続器18を設けたものである。この断続器18は、
インバータ181と断続スイッチである光結合電子スイ
ッチSWB182からなり、上記インバータ181の出
力であるインバータ出力181aが上記光結合電子スイ
ッチSWB182の発光部182aに入力される。19
はシステムから入力され、リセット動作時に有意である
HIGHレベルになるリセット信号RSTである。その
他は実施の形態1と同様の構成である。
【0094】次に動作について説明する。この実施の形
態5による基準クロック生成装置においては、リセット
動作時の一定時間、システムから出されるリセット信号
RST19が断続器18に入力される。リセット信号R
ST19はHIGHであるので、インバータ出力181
aは有意でないLOWになり、発光部182aに電流は
流れず、光結合電子スイッチSWB182はOFFのま
まとなる。この時、位相比較器1と変化検出ローパスフ
ィルタ10の間は遮断されていることになり、位相比較
器出力4に変動があっても変化検出ローパスフィルタ出
力11は変動しない。従って、片方向エッジディテクタ
出力13も変動しないので、時定数可変ローパスフィル
タ5の時定数は、小さい時定数である第1の時定数T1
を維持し、引き込み時間が長くなることはない。
【0095】リセット動作開始後一定時間経過すると、
リセット信号RST19は解除されLOWとなる。リセ
ット信号19がLOWになるとインバータ出力181a
はHIGHになるので発光部182aに電流が流れ、光
結合電子スイッチSWB182がONとなる。この時、
位相比較器1と変化検出ローパスフィルタ10は電気的
に接続されるので、この基準クロック生成装置は図1に
示した実施の形態1と同様に動作するようになる。
【0096】以上のように、この実施の形態5による基
準クロック生成装置は、リセット動作時の一定時間、位
相比較器と変化検出ローパスフィルタが遮断されるので
時定数可変ローパスフィルタの時定数が大きくなること
はなく、引き込み時間が長くなることが無いという効果
がある。
【0097】また、以上の説明においては、断続器18
はインバータ181aと光結合電子スイッチSWB18
2から構成される例を示したが、図17のような構成に
してもよい。図17において断続器18は電界効果型ト
ランジスタである断続スイッチ183と抵抗器RM18
4とからなっている。抵抗器RM184の大きさは変化
検出ローパスフィルタ10の入力インピーダンスより十
分小さいものとする。リセット動作時、有意であるHI
GHレベルのリセット信号RST19が断続器18に入
力されると、断続スイッチ183がONになるため変化
検出ローパスフィルタ10の入力端子10aはGNDレ
ベルに落ち、位相比較器出力4に変動があっても変化検
出ローパスフィルタ出力11は変動しない。従って、片
方向エッジディテクタ出力13も変動しないので、時定
数可変ローパスフィルタ5の時定数は、小さい時定数で
ある第1の時定数T1を維持し、引き込み時間が長くな
ることはないという効果がある。リセット動作開始後一
定時間経過すると、リセット信号RST19はLOWと
なる。リセット信号RST19がLOWになると断続ス
イッチ183はOFFとなるが、抵抗器RM184は、
その抵抗値が変化検出ローパスフィルタ10の入力イン
ピーダンスに比較して十分小さいため無視することがで
き、図1に示した実施の形態1と同様に動作するように
なる。
【0098】
【発明の効果】以上のようにこの発明では、位相比較器
の出力から参照クロックにノイズが入ったことを検出し
ノイズ検出信号を出力するノイズ検出手段と、複数の時
定数の中から1つの時定数を選択可能であり、上記ノイ
ズ検出信号に応じて所定の時定数に切り換える時定数切
換手段を有する時定数可変ローパスフィルタとを備えた
ので、参照クロックにノイズが入ったときに時定数可変
ローパスフィルタの時定数を適切な値に切り換えること
が可能であり、参照クロックにノイズが入っても基準ク
ロックの周波数が安定しているという効果がある。
【0099】また、上記時定数可変ローパスフィルタ
は、オペアンプと、直列接続された第1の抵抗器と第1
のコンデンサとからなり第1の時定数を決定する第1の
帰還回路と、直列接続された第2の抵抗器と第2のコン
デンサと時定数変更用抵抗器とからなり第2の時定数を
決定する第2の帰還回路とを有し、上記時定数切換手段
は上記ノイズ検出信号に従って動作する上記時定数変更
用抵抗器の両端を短絡可能な短絡スイッチとしたので、
参照クロックにノイズが入った場合に時定数可変ローパ
スフィルタの時定数を切り換えることが容易であるとい
う効果がある。
【0100】また、上記第1のコンデンサの容量は上記
第2のコンデンサの容量より小さく、上記第1の抵抗器
の抵抗値は上記第2の抵抗器の抵抗値より大きくかつ上
記第1の抵抗器の抵抗値は上記時定数変更用抵抗器の抵
抗値より小さくしたので、簡単な構成で時定数可変ロー
パスフィルタの時定数を切り換えることが可能であると
いう効果がある。
【0101】また、上記短絡スイッチは光結合電子スイ
ッチであるので時定数切換時にノイズが発生しにくいと
いう効果がある。
【0102】また、上記ノイズ検出手段は上記位相比較
器出力の変化を検出する変化検出手段と、上記変化検出
手段の出力から上記位相比較器出力の変化方向を検出
し、この検出結果に対応した信号を上記ノイズ検出信号
として出力する変化方向検出手段からなるので、参照ク
ロックに入ったノイズの検出が正確に行えるという効果
がある。
【0103】また、上記変化検出手段は、直列接続され
た抵抗器とコンデンサからなるオペアンプに関する帰還
回路と、上記コンデンサと並列に設けられた抵抗器を有
するので、上記コンデンサの電荷が上記抵抗器を通して
放電され、参照クロックに入る連続したノイズを検出す
ることができるという効果がある。
【0104】また、上記変化方向検出手段は、上記変化
検出手段の出力を微分する微分回路と、該微分回路出力
が負の場合に導通するダイオードと該微分回路出力が正
の場合に導通するダイオードの少なくとも一方からなる
ので、参照クロックに入るノイズの種類に対応して柔軟
にノイズ検出が行えるという効果がある。
【0105】また、上記位相比較器と上記時定数可変ロ
ーパスフィルタの間に時間遅れ要素を設けたので、時定
数の切換に遅れが生じてもグリッチを軽減することが可
能であり、基準クロックの周波数が安定するという効果
がある。
【0106】また、上記時定数可変ローパスフィルタと
電圧制御型発振器の間にグリッチ除去回路を設けたの
で、グリッチが電圧制御型発振器に入力されず、基準ク
ロックの周波数が安定するという効果がある。
【0107】また、システムのリセット信号が入力され
る断続器を上記位相比較器と上記ノイズ検出手段の間に
設け、システムのリセット信号が有意の場合は上記断続
器が上記位相比較器と上記ノイズ検出手段の接続を遮断
するようにしたので、リセット動作時にノイズ検出手段
が動作して引き込み時間が長くなることを防ぐことがで
きるという効果がある。
【0108】また、上記断続器は上記システムのリセッ
ト信号が入力されるインバータと、上記インバータの出
力により上記位相比較器と上記ノイズ検出手段の接続を
断続する断続スイッチとからなり、上記断続スイッチは
上記インバータの出力が有意でない場合に上記位相比較
器と上記ノイズ検出手段の接続を遮断するようにしたの
で、リセット動作時にノイズ検出手段が動作して引き込
み時間が長くなることを防ぐことができるという効果が
ある。
【0109】また、上記断続器は上記位相比較器と上記
ノイズ検出手段の間に設けた抵抗器と、上記システムの
リセット信号により上記抵抗器の上記ノイズ検出手段側
とグランドとの間を断続する断続スイッチとからなり、
上記断続スイッチは上記システムのリセット信号が有意
の場合上記抵抗器の上記ノイズ検出手段側とグランドと
の間を短絡するようにしたので、リセット動作時にノイ
ズ検出手段が動作して引き込み時間が長くなることを防
ぐことができるという効果がある。
【0110】また、上記基準クロックを所定分周比に分
周して上記比較クロックを生成するディバイダを備えた
ので、基準クロックの周波数を柔軟に変更することが可
能であるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1による基準クロック
生成装置のブロック図。
【図2】 図1の各ブロック内の詳細な回路を示した
図。
【図3】 一般的なローパスフィルタの構成図。
【図4】 図3のローパスフィルタの動作の説明図。
【図5】 従来の基準クロック生成装置およびこの発明
の実施の形態1における定常動作時の説明図。
【図6】 この発明の実施の形態1における定常動作時
およびリセット動作時の説明図。
【図7】 従来の基準クロック生成装置およびこの発明
の実施の形態1および実施の形態3におけるノイズが入
った時の説明図。
【図8】 この発明の実施の形態1におけるノイズが入
った時の説明図。
【図9】 この発明の実施の形態2における参照クロッ
クに入ったノイズの図。
【図10】 この発明の実施の形態2における構成図。
【図11】 この発明の実施の形態3による基準クロッ
ク生成装置のブロック図。
【図12】 この発明の実施の形態3および実施の形態
4における各信号の説明図。
【図13】 この発明の実施の形態4による基準クロッ
ク生成装置のブロック図。
【図14】 この発明の実施の形態1においてリセット
動作時に参照クロックが変動した場合の各信号の説明
図。
【図15】 この発明の実施の形態1においてリセット
動作時に参照クロックが変動した場合の各信号の説明
図。
【図16】 この発明の実施の形態5による基準クロッ
ク生成装置のブロック図。
【図17】 この発明の実施の形態5の変形例のブロッ
ク図。
【図18】 従来の基準クロック生成装置のブロック
図。
【図19】 従来の基準信号クロック装置のローパスフ
ィルタの図。
【図20】 従来の基準クロック生成装置のローパスフ
ィルタ出力と基準クロックの図。
【図21】 従来の他の基準クロック生成装置のブロッ
ク図。
【符号の説明】
1 位相比較器 2 参照クロック 3 帰還クロック 4 位相比較器出力 5 時定数可変ローパスフィルタ 6 時定数可変ローパスフィルタ出力 7 電圧制御型発振器 8 基準クロック 9 ディバイダ 10 変化検出ローパスフィルタ 10a 入力端子 11 変化検出ローパスフィルタ出力 12 片方向エッジディテクタ 12a 両方向エッジディテクタ 13 片方向エッジディテクタ出力 13a 両方向エッジディテクタ出力A 13b 両方向エッジディテクタ出力B 14 時間遅れ要素 15 時間遅れ要素出力 16 グリッチ除去回路 17 グリッチ除去回路出力 18 断続器 19 リセット信号RST 50 オペアンプA 51 抵抗器RA 52 抵抗器RB 53 コンデンサCA 54 抵抗器RC 55 コンデンサCB 56 抵抗器RD 57 光結合電子スイッチSW 57A 発光部 57B 光結合電子スイッチSWA 57C 発光部 58 抵抗器RE 58a 抵抗器REa 100 OPアンプB 101 抵抗器RF 102 抵抗器RG 103 コンデンサCC 104 抵抗器RH 120 コンデンサCD、 121 抵抗器RI 122 ダイオードDA 122a ダイオードDAa 123 抵抗器RJ 123a 抵抗器RJa 141 抵抗器RK 142 コンデンサCE 161 抵抗器RL 162 コンデンサCF 181 インバータ 181a インバータ出力 182 光結合電子スイッチSWB 182a 発光部 183 断続スイッチ 184 抵抗器RM 400 ローパスフィルタ 401 ローパスフィルタ出力 410 オペアンプ 411 抵抗器RY 412 抵抗器RZ 413 コンデンサCY 500 オペアンプ 501 抵抗器RX 502 抵抗器RY 503 コンデンサCX 504 入力 505 出力 600 ロック検出部 601 短絡スイッチSWC 602 インバータ。

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 参照用に供給される参照クロックの位相
    と、該参照クロックと位相を比較される比較クロックの
    位相とを比較して位相差に対応した信号を出力する位相
    比較器と、 上記位相比較器の出力から上記参照クロックにノイズが
    入ったことを検出しノイズ検出信号を出力するノイズ検
    出手段と、 複数の時定数の中から1つの時定数を選択可能であり、
    上記ノイズ検出信号に応じて所定の時定数に切り換える
    時定数切換手段を有する、上記位相比較器の出力を平滑
    化する時定数可変ローパスフィルタと、 上記時定数可変ローパスフィルタの出力電圧に対応した
    周波数を持つ基準クロックを出力し、該基準クロックを
    上記比較クロックとして上記位相比較器に帰還させる電
    圧制御型発振器とからなることを特徴とする基準クロッ
    ク生成装置。
  2. 【請求項2】 上記時定数可変ローパスフィルタは オペアンプと、 直列接続された第1の抵抗器と第1のコンデンサとから
    なる上記オペアンプに関する第1の帰還回路と、 直列接続された第2の抵抗器と第2のコンデンサと時定
    数変更用抵抗器とからなる上記オペアンプに関する第2
    の帰還回路とを有し、 上記時定数切換手段は上記ノイズ検出信号に従って動作
    する上記時定数変更用抵抗器の両端を短絡可能な短絡ス
    イッチであることを特徴とする請求項1に記載の基準ク
    ロック生成装置。
  3. 【請求項3】 上記第1のコンデンサの容量は上記第2
    のコンデンサの容量より小さく、上記第1の抵抗器の抵
    抗値は上記第2の抵抗器の抵抗値より大きくかつ上記第
    1の抵抗器の抵抗値は上記時定数変更用抵抗器の抵抗値
    より小さいことを特徴とする請求項2に記載の基準クロ
    ック生成装置。
  4. 【請求項4】 上記短絡スイッチは光結合電子スイッチ
    であることを特徴とする請求項2に記載の基準クロック
    生成装置。
  5. 【請求項5】 上記ノイズ検出手段は上記位相比較器出
    力の変化を検出する変化検出手段と、 上記変化検出手段の出力から上記位相比較器出力の変化
    方向を検出し、この検出結果に対応した信号を上記ノイ
    ズ検出信号として出力する変化方向検出手段からなる請
    求項1または請求項2に記載の基準クロック生成装置。
  6. 【請求項6】 上記変化検出手段は、 オペアンプと、 直列接続された抵抗器とコンデンサからなる上記オペア
    ンプに関する帰還回路と、 上記コンデンサと並列に設けられた抵抗器を有すること
    を特徴とする請求項5記載の基準クロック生成装置。
  7. 【請求項7】 上記変化方向検出手段は、 上記変化検出手段の出力を微分する微分回路と、 上記微分回路出力が負の場合に導通するダイオードと上
    記微分回路出力が正の場合に導通するダイオードの少な
    くとも一方からなることを特徴とする請求項5記載の基
    準クロック生成装置。
  8. 【請求項8】 上記位相比較器と上記時定数可変ローパ
    スフィルタの間に時間遅れ要素を設けたことを特徴とす
    る請求項1から請求項7のいずれかに記載の基準クロッ
    ク生成装置。
  9. 【請求項9】 上記時定数可変ローパスフィルタと電圧
    制御型発振器の間にグリッチ除去回路を設けたことを特
    徴とする請求項1から請求項8のいずれかに記載の基準
    クロック生成装置。
  10. 【請求項10】 システムのリセット信号が入力される
    断続器を上記位相比較器と上記ノイズ検出手段の間に設
    け、システムのリセット信号が有意の場合は上記断続器
    が上記位相比較器と上記ノイズ検出手段の接続を遮断す
    ることを特徴とする請求項1から請求項9のいずれかに
    記載の基準クロック生成装置。
  11. 【請求項11】 上記断続器は上記システムのリセット
    信号が入力されるインバータと、 上記インバータの出力により上記位相比較器と上記ノイ
    ズ検出手段の接続を断続する断続スイッチとからなり、 上記断続スイッチは上記インバータの出力が有意でない
    場合に上記位相比較器と上記ノイズ検出手段の接続を遮
    断することを特徴とする請求項10に記載の基準クロッ
    ク生成装置。
  12. 【請求項12】 上記断続器は上記位相比較器と上記ノ
    イズ検出手段の間に設けた抵抗器と、 上記システムのリセット信号により上記抵抗器の上記ノ
    イズ検出手段側とグランドとの間を断続する断続スイッ
    チとからなり、 上記断続スイッチは上記システムのリセット信号が有意
    の場合上記抵抗器の上記ノイズ検出手段側とグランドと
    の間を短絡することを特徴とする請求項10に記載の基
    準クロック生成装置。
  13. 【請求項13】 上記基準クロックを所定分周比に分周
    して上記比較クロックを生成するディバイダを備えたこ
    とを特徴とする請求項1から請求項12のいずれかに記
    載の基準クロック生成装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007116713A (ja) * 2005-10-20 2007-05-10 Honeywell Internatl Inc 耐放射線型位相ロック・ループ

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