JP2000068790A - 相補櫛形フィルタ - Google Patents

相補櫛形フィルタ

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JP2000068790A
JP2000068790A JP23864798A JP23864798A JP2000068790A JP 2000068790 A JP2000068790 A JP 2000068790A JP 23864798 A JP23864798 A JP 23864798A JP 23864798 A JP23864798 A JP 23864798A JP 2000068790 A JP2000068790 A JP 2000068790A
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Kazunori Asanaka
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 小さい回路規模で実現可能な干渉キャンセラ
を提供する。 【解決手段】 相補櫛形フィルタをツリー状に接続して
複数タップの周波数分離フィルタを構成し、干渉波を含
まないタップの出力を合成して干渉波を取り除いた信号
を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、受信信号から干渉
波を除去する干渉波除去装置(干渉キャンセラ)の改良
に関し、特に、相補櫛形フィルタ(CCF,Complementar
y Comb Filter)を用いた干渉フィルタに関する。
【0002】
【従来の技術】無線通信システムにおいて、耐干渉性を
高めるために、様々な手法が提案されている。例えば、
図21に示す可変タップ型FIRフィルタを用いた干渉
キャンセラが使用される。同図において、201〜20
6は遅延素子(シフトレジスタ)、211〜217は係
数器、221は加算器である。
【0003】図22は、他の例を示すもので、複素フィ
ルタバンク方式、ウェーブレットパケット方式の例を示
している。同図において、301〜306はFIRフィ
ルタ、311〜314はスイッチ、321〜326はF
IRフィルタである。
【0004】しかしながら、可変タップ型FIRフィル
タ方式では、可変タップを構成するために乗算器を必要
とする。このため、回路規模、消費電力が大きくなる。
また、複素フィルタバンク、ウェーブレットパケット方
式では、多数のFIRフィルタを使用するため、回路規
模、消費電力が大きい。このような理由によって、携帯
型通信機器への干渉キャンセラの搭載が困難である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】よって、本発明は、比
較的に小さい回路規模で実現可能な干渉キャンセラを提
供することを目的とする。
【0006】また、本発明は、小さい回路規模の干渉キ
ャンセラを実現可能とする周波数分割フィルタを提供す
ることを目的とする。
【0007】また、本発明は、小さい回路規模の周波数
分割フィルタを実現可能とする相補櫛形フィルタを提供
することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の相補櫛形フィルタは、入力信号をτ時間遅
延せしめた第1の遅延信号を得る第1の信号遅延回路
と、上記入力信号を2τ時間遅延せしめた第2の遅延信
号を得る第2の信号遅延回路と、上記入力信号、上記第
1の遅延信号及び上記第2の遅延信号をそれぞれ1:
2:1の割合で加算する第1の加算回路と、上記入力信
号、上記第1の遅延信号及び上記第2の遅延信号をそれ
ぞれ−1:2:−1の割合で加算する第2の加算回路
と、を備える。
【0009】かかる構成の相補櫛形フィルタを用いるこ
とによって、遅延量が周波数に依存せず、周波数成分を
2分割するフィルタを実現可能になる。
【0010】また、本発明の周波数分割フィルタは、互
いに相補的な櫛形の周波数特性を有する第1及び第2の
出力を発生する第1の相補櫛形フィルタと、上記第1の
櫛形フィルタの第1の出力を入力とし、互いに相補的な
櫛形の周波数特性を有する第3及び第4の出力を発生す
る第2の相補櫛形フィルタと、上記第1の櫛形フィルタ
の第2の出力を入力とし、互いに相補的な櫛形の周波数
特性を有する第5及び第6の出力を発生する第3の相補
櫛形フィルタと、上記第2及び第3の相補櫛形フィルタ
相互間の出力時間差を調整する遅延回路と、を備える。
【0011】また、本発明の干渉キャンセラは、上記構
成の周波数分割フィルタを含む干渉フィルタにおいて、
上記周波数分割フィルタの第3乃至第6の出力を夫々選
択する第1乃至第6のスイッチ回路と、上記第1乃至第
6のスイッチ回路の各出力を加算する加算回路と、上記
第3乃至第6の出力から干渉波を検出し、検出結果に基
づいて上記第1乃至第6のスイッチ回路の開閉を制御す
る制御回路と、を備える。
【0012】好ましくは、上記制御回路は、上記干渉波
が存在する出力を選択するスイッチ回路をオフにして干
渉波を除去する。
【0013】また、本発明の受信機は上記干渉波キャン
セラを含む。好ましくは、スベクトラム拡散通信システ
ムにおいて使用される移動あるいは携帯型の送受信装置
である。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。図1は、本発明に係る相補
櫛形フィルタの例を示している。同図において、入力信
号データは、係数器11によって値が1/2になされ、
遅延時間τの遅延素子12及び13を経て加算器14の
一方入力端に供給される。加算器14の他方入力端には
係数器11の出力データが供給される。1/2係数器1
1は、入力データの値全体を下位桁方向に1ビットシフ
トする回路によって構成することができる。これは、m
ビットの入力データの上位桁からm−1ビット分のデー
タを選択し、選択値の最上桁に1ビット値0を挿入して
mビット出力とする回路でもよい。
【0015】加算器15の出力データは、1/2係数器
15によって1/2の値になされ、加算器16の一方の
入力端に供給される。また、加算器15の出力データ
は、1/2係数器15を経て減算器17の一方の入力端
(引数側)に供給される。減算器17は、補数回路を備
える加算器で構成可能であり、加算器による表現が可能
である。加算器16及び減算器17の各他方の入力端に
は、遅延素子12の出力データが供給される。加算器1
6の出力端には、相補櫛形フィルタの一方の出力H
d +が、減算器17の出力端には相補櫛形フィルタの他方
の出力Hd -が得られる。
【0016】かかる構成の相補櫛形フィルタの伝達関数
d +(z)、Hd -(z)は、次式(1)、(2)で与えられる。
【0017】 Hd +(z)=(1/4)zd+(1/2)+(1/4)z-d ……(1) Hd -(z)=−(1/4)zd+(1/2)−(1/4)z-d ……(2) また、遅延素子z-1の遅延時間をTとしたときの、周波
数fに対する振幅特性(複素表記)は、式(3)、(4)で与え
られる。
【0018】 Hd +(ej2πfT)=cos2(πfTd) ……(3) Hd -(ej2πfT)=sin2(πfTd) ……(4) 図2(a)は、上記構成の相補櫛形フィルタの特性を真数
軸で表している。また、図2(b)は上記構成の相補櫛形
フィルタの特性を対数軸で表している。
【0019】本発明の相補櫛形フィルタは、次の(a)〜
(c)に示す特徴を持つ。
【0020】(a) 周波数に依存しない一定の遅延量を持
つ。
【0021】(b) 二つの出力の伝達関数Hd +(z)、Hd -
(z)を加算すると、利得が1になる相補的な特性を有す
る(図2(a)参照)。すなわち、二つの出力を加算する
と元の出力が得られる。
【0022】(c) 伝達関数Hd +(z)、Hd -(z)の周波数
特性は対数軸で櫛形になる(図2(b)参照)。
【0023】(1) このような特性を持つ相補櫛形フィ
ルタの伝達関数の導出について説明する。
【0024】まず、相補櫛形フィルタの伝達関数を、次
の1〜4の条件の下に導出する。
【0025】条件1 フィルタの遅延量が周波数に関係
なく一定である。
【0026】条件2 2つの伝達関数Hd +(z)、Hd -(z)
を加算すると1になる(相補性)。
【0027】条件3 ある周波数f1で、H
+(ej2πf1T)=1、H-(ej2πf1T)=0 また、別の周
波数のある周波数f2でH+(ej2πf2T)=0、H-(e
j2πf2T)=1 が成り立つ(周波数の分離性)。
【0028】条件4 フィルタの段数は最小とする。
【0029】(2) 伝達関数の導出 条件1より、z変換を用いて表したときの伝達関数が周波
数に対する遅延量が一定となるフィルタの伝達関数H
(z)は、遅延量が零のフィルタG(z)を用いて、H(z)=z
-nG(z) と表せる。そこで、遅延量が零のフィルタG
(z)の伝達関数を次式(5)のように仮定する G(z)=a-mzm+a-(m-1)zm-1+…+a-1z1+a0+a1z-1+…+am-1z-(m-1)+amz-m … …(5) このとき、G(z)の周波数特性G(ejωT)は、次式(6)の
ようになる。
【0030】 G(ejωT)=(a-m+am)cos(ωmT)+j(a-m−am)sin(ωmT) +(a-(m-1)+a(m-1))cos(ω(m−1)T)+j(a-(m-1)−a(m-1))sin(ω(m−1)
T) +… +(a−1+a1)cos(ωT)+j(a-1+a1)sin(ωT)+a0 ……(6) フィルタの遅延量が零になるためには、G(ejωT)が実
数とならなければならない。従って、am=a-m、am-1=a
-(m-1)、…、a1=a-1が成り立つことが必要である。
【0031】 G(z)=amzm+am-1zm-1+…+a1z1+a0+a1z-1+…+am-1z-(m-1)+amz-m …( 7) このときの周波数特性は、次式(8)のようになる。
【0032】 G(ejωT)=2amcos(ωmT)+2am-1cos(ω(m-1)T)+… +2a1cos(ωT)+a0 ……(8) 式(7)より、目的のフィルタの伝達関数H+(z)、H-(z)
を次式(9)、(10)のように仮定する。
【0033】 H+(z)=amzm+am-1zm-1+…+a1z1+a0+a1z-1+…+am-1z-(m-1)+amz-m … …(9) H-(z)=bmzm+bm-1zm-1+…+b1z1+b0+b1z-1+…+bm-1z-(m-1)+bmz-m … …(10) 条件2より、H+(z)+H-(z)=1が成り立つことが必要
である。従って、 am+bm=0、am-1+bm-1=0、…、a1+b1=0、a1+b1=1、……(11) これを用いて、bxを消去すると、伝達関数の周波数特性
は次式(12)、(13)のように表せる。
【0034】 H+(ejωT)=2amcos(ωmT)+2am-1cos(ω(m-1)T)+…+2a1cos(ωT)+a0 ……(12) H-(ejωT)=−2amcos(ωmT)−2am-1cos(ω(m-1)T)−… −2a1cos(ωT)+1−a0 ……(13) 条件4より、フィルタの段数を最小化する。フィルタの
段数が1段、2段のときは、解が存在しないので、解が
存在するためには、3段必要である。このとき、伝達関
数は次式(14)、(15)のように表せる。
【0035】 H+(ejωT)=+2a1cos(ωT)+a0 ……(14) H-(ejωT)=−2a1cos(ωT)+1−a0 ……(15) 条件3より、cos(2πf1T) =1 のとき、H+(ej2πf1T)
=1,H-(ej2πf1T)=0,cos(2πf2T)=−1のとき、H
+(ej2πf2T)=0,H-(ej2πf2T)=1,とすると、式(1
4)あるいは式(15)より、式(16)、式(17)が得られる。
【0036】 2a1+a0=1 ……(16) −2a1+a0=0 ……(17) これを解くと、a0=1/2、a1=1/4となる。
【0037】従って、条件1〜4を満たす伝達関数とし
て、次式(18)、(19)が得られる。
【0038】 H+(z)=(1/4)z+(1/2)+(1/4)z-1 ……(18) H-(z)=−(1/4)z+(1/2)−(1/4)z-1 ……(19) 式(18)、(19)より、図1に示すフィルタ回路が得られ
る。
【0039】次に、上述した相補櫛形フィルタを用いた
干渉キャンセラについて説明する。
【0040】従来は、既述したように、図21あるいは
図22に示される干渉キャンセラが用いられていた。し
かし、可変タップ型FIRフィルタ方式では、可変タッ
プを構成する必要があるため、乗算器が必要で、回路規
模、消費電力が大きくなる。また、複素フィルタバンク
方式、ウェーブレットパケット方式では、多数のFIR
型フィルタを用いるため、回路規模、消費電力が大きく
なる。このため、携帯型の機器では、干渉キャンセラの
採用が困難であった。
【0041】図3は、本発明の干渉キャンセラの構成例
を示している。この干渉キャンセラは、上述したような
相補櫛形フィルタを用いて実現されている。
【0042】同図において、干渉キャンセラは、大別し
て、入力信号を周波数成分に分割する周波数分割フィル
タ1、干渉波の存在する周波数成分を除くスイッチ回路
2a〜2d、各周波数成分を合成して元の信号に戻す加
算器3、スイッチ回路のオンオフを制御する制御回路4
によって構成される。
【0043】周波数分割フィルタ1は、相補櫛形フィル
タ(CCF)10a〜10c、遅延素子18を含んでい
る。デジタル化されたベースバンド信号のデータは、第
1の相補櫛形フィルタ10aに供給される。相補櫛形フ
ィルタ10aでは、既述した式(1)及び(2)中のZ-d及び
dのd値は16に設定される。相補櫛形フィルタ10
aの第1の出力は、第2の相補櫛形フィルタ10bの入
力端に供給され、第2の出力は遅延素子18を経て第3
の相補櫛形フィルタ10cの入力端に供給される。相補
櫛形フィルタ10bでは、式(1)及び(2)中のZ-d及びZ
dのd値は8に設定される。相補櫛形フィルタ10cで
は、式(1)及び(2)中のZ-d及びZdのd値は4に設定さ
れる。遅延素子18は、相補櫛形フィルタ10bの第1
及び第2の出力の遅延と、相補櫛形フィルタ10cの第
1及び第2の出力の遅延とが、同じになるように遅延時
間差分(Z-4)を調整して、後に合成した信号が元の信
号に戻るようにしている。相補櫛形フィルタ10bの第
1及び第2の出力、相補櫛形フィルタ10cの第1及び
第2の出力は、それぞれ周波数分割フィルタ1の出力ta
p(タップ)1〜tap4となる。出力tap1〜tap4は、それ
ぞれスイッチ回路2a〜2dを経て加算器3によって合
成される。周波数分割フィルタの出力tap1〜tap4は、
制御回路4にも供給される。
【0044】制御回路4は、各出力中の干渉波成分を検
出する。干渉波の検出は、例えば、信号電力が最も低い
タップに対する、各タップの信号電力の比が閾値TH
越えるときは、干渉波成分が存在すると見なして、干渉
波成分が存在するタップのスイッチ回路をオフにする。
これにより、加算器3への干渉波の混入を阻止し、干渉
波を除去する。
【0045】干渉波が存在しない場合、相補櫛形フィル
タ10b及び10cの4つの相補出力を合成すると元の
信号が得られるので、加算器3の出力には、元のベース
バンド信号のデータが得られる。
【0046】干渉波が存在するときには、干渉波の存在
する周波数成分(タップ出力)が制御回路4によって除
かれるが、加算器3の出力は、櫛形特性の周波数成分を
持つ複数のタップ出力が合成されることにより、略元の
信号が得られる。
【0047】図4は、上述した干渉キャンセラをスベク
トラム拡散信号の受信機の復調器100に使用した例を
示している。
【0048】同図において、図示しないアンテナに到来
したスベクトラム拡散信号は、周波数変換によって中間
周波数信号(IF)に変換されて、復調器100の直交
検波器に供給される。直交検波器は、キャリア信号を発
生する局部発振器101、乗算器102及び103、π
/2移相(遅延)回路104によって構成され、中間周
波数信号をベースバンド信号に復調する。I(実数部)
成分及びQ(虚数部)成分のベースバンド信号は、それ
ぞれA/D変換器105及び106によってデジタル化
されてIAD信号及びQAD信号となり、干渉キャンセラ1
07に供給される。干渉キャンセラは、ベースバンド信
号から干渉波を除去してIIC信号及びQIC信号を得て、
それぞれデジタルマッチドフィルタ(DMF)108及
び109に供給する。デジタルマッチドフィルタは、受
信信号の拡散符号の発生タイミングとと受信機の拡散符
号の発生タイミングとの同期を相関値のピーク判定によ
って検出する。
【0049】クロック再生・サンプリング部110は、
受信信号に同期したクロックを再生し、サンプリングタ
イミングを設定する。AFC・同期検波部111は、再
生されたクロックに同期してベースバンド信号の周波数
誤差補正及び位相検波を行い、元のデータを再生する。
【0050】次に、上述した干渉キャンセラの特性につ
いてのシミュレーション実験結果について説明する。実
験は、以下の条件で行った。
【0051】通信方式は直接スペクトラム拡散方式、変
調方式はDBPSK(差同2値PSK)、復調方式は同
期検波、拡散符号は11チップバーカー符号、データレ
ートは1/11/Tc、干渉周波数は0.23/Tc、復
調には図4に示す復調器を使用した。Tcは、拡散信号
の1チップの時間幅(チップ周期)である。
【0052】図5〜図8は、周波数分割フィルタ1のタ
ップ1〜4の周波数特性例をそれぞれ示している。な
お、周波数分割フィルタの周波数特性は、図示の特性例
に限定されるものではない。
【0053】このような条件に設定された干渉キャンセ
ラに図9に示すスベクトラムを有する入力を与えた。
【0054】図10〜図13は、それぞれ周波数分割フ
ィルタ1のタップ1〜4から出力されるスペクトラムを
示している。
【0055】実施例の干渉キャンセラは、干渉波が入っ
ているタップのスイッチ(SW)をオフにすることによ
って、干渉波を除去する。オンにするタップの数と、ビ
ットエラーレート(BER)特性の関係を図14乃至1
6に示す。
【0056】図14は、オンにするタップが1つの場合
のEb/No(1ビット当たりのエネルギー対雑音電力密
度比)に対するビットエラー特性を示している。同図
中、内側の曲線より、理論値特性、全タップオンの場合
の特性、タップ4のみオンの場合の特性タップ3のみオ
ンの場合の特性、タップ2オンの場合の特性、タップ1
オンのみ場合の特性を示している。最悪の条件である、
タップを1本しかオンにできない環境下では、BER=
10-3の点において約5dBの劣化が生じるが、動作可
能であることが分かる。
【0057】図15は、オンにするタップが2つの場合
のEb/Noに対するビットエラー特性を示している。同
図中、内側の曲線より、理論値特性、全タップオンの場
合の特性、タップ3,4をオンした場合の特性、タップ
2,3をオンした場合の特性、タップ2,4をオンした
場合の特性、タップ1,3をオンした場合の特性、タッ
プ1,4をオンした場合の特性、タップ1,2をオンし
た場合の特性を示している。
【0058】図16は、オンにするタップが3つの場合
のEb/Noに対するビットエラー特性を示している。同
図中、内側の曲線より、理論値特性、全タップオンの場
合の特性、タップ2,3,4をオンした場合の特性、タ
ップ1,2,3をオンした場合の特性、タップ1,2,
4をオンした場合の特性、タップ1,3,4をオンした
場合の特性を示している。3つのタップがオン状態で
は、全タップオンの場合と略同じビットエラーレートが
得られる。
【0059】図17は、Eb/No=10dBにおける
C/I(搬送波対干渉波電力比)−BER特性を示す。
同図において、実線は干渉キャンセラ非動作時の特性
を、点線は干渉キャンセラの動作時の特性を示してい
る。
【0060】干渉キャンセラを用いない場合と比較し
て、BER=10-3の点においてC/I−BER特性を
約16dB改善可能であることが分かる。
【0061】図18は、C/I=−15dBにおけるE
b/No対BER特性を示している。同図において、実
線で示す特性曲線は理論値特性、2点鎖線で示す特性曲
線は干渉キャンセラを動作させた場合の特性、点線で示
す特性曲線は干渉キャンセラを非動作とした場合の特性
を示している。これ等特性により、干渉キャンセラを用
いない場合はビットエラーレートが高く復調困難である
が、干渉キャンセラを用いることによって、復調が可能
になることが分かる。
【0062】図19は、実施例の干渉キャンセラと従来
例との回路規模(ゲート数)を比較するグラフである。
実施例の干渉キャンセラは、同等性能の可変タップ型F
IRフィルタに比べて回路規模が約80%減少する。
【0063】図20は、実施例の干渉キャンセラと従来
例との消費電力を比較するグラフである。実施例の干渉
キャンセラは、同等性能の可変タップ型FIRフィルタ
に比べて電力消費が約80%減少する。
【0064】なお、実施例の周波数分割フィルタは、3
つの相補櫛形フィルタによって4タップを得る構成とし
ているが、相補櫛形フィルタはツリー状に複数接続する
ことが可能である。この場合、4タップ、8タップ、1
6タップ、32タップ、…のものを得ることが可能であ
る。
【0065】実施例では、相補櫛形フィルタを使用した
干渉キャンセラを受信機に用いる例を説明したが、相補
櫛形フィルタや干渉キャンセラの応用はこれに限定され
るものではない。例えば、送信機、送受信機等の通信機
における干渉波除去のみならず、信号処理回路、各種フ
ィルタ回路等に使用可能である。
【0066】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の相補櫛形
フィルタは、相補的な出力特性を有するので、信号の周
波数分割及び再合成が簡単な構成で可能である。また、
この相補櫛形フィルタを使用した周波数分割フィルタ、
干渉キャンセラを用いることにより、回路規模や消費電
力の少ない装置が得られて好ましい。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、相補櫛形フィルタの構成例を示すブロ
ック回路図である。
【図2】図2(a)は、相補櫛形フィルタの特性例を真数
軸で表したグラフである。図2(b)は、相補櫛形フィル
タの特性例を対数軸で表したグラフである。
【図3】図3は、相補櫛形フィルタを用いた干渉キャン
セラの構成例を示すブロック図である。
【図4】図4は、干渉キャンセラを復調器に使用した例
を示すブロック図である。
【図5】図5は、周波数分割フィルタのタップ1の周波
数特性例を示すグラフである。
【図6】図6は、周波数分割フィルタのタップ1の周波
数特性例を示すグラフである。
【図7】図7は、周波数分割フィルタのタップ2の周波
数特性例を示すグラフである。
【図8】図8は、周波数分割フィルタのタップ3の周波
数特性例を示すグラフである。
【図9】図9は、干渉キャンセラに入力される信号の入
力スベクトラム例を示すグラフである。
【図10】図10は、図9に示される入力スベクトラム
が干渉キャンセラに供給された場合のタップ1の出力ス
ベクトラム例を示すグラフである。
【図11】図11は、図9に示される入力スベクトラム
が干渉キャンセラに供給された場合のタップ2の出力ス
ベクトラム例を示すグラフである。
【図12】図12は、図9に示される入力スベクトラム
が干渉キャンセラに供給された場合のタップ3の出力ス
ベクトラム例を示すグラフである。
【図13】図13は、図9に示される入力スベクトラム
が干渉キャンセラに供給された場合のタップ4の出力ス
ベクトラム例を示すグラフである。
【図14】図14は、干渉キャンセラのタップ出力が1
つの場合のビットエラーレート特性を示すグラフであ
る。
【図15】図15は、干渉キャンセラのタップ出力が2
つの場合のビットエラーレート特性を示すグラフであ
る。
【図16】図16は、干渉キャンセラのタップ出力が3
つの場合のビットエラーレート特性を示すグラフであ
る。
【図17】図17は、干渉キャンセラを動作させた場合
と、非動作の場合とを説明するC/I対ビットエラーレ
ート特性のグラフである。
【図18】図18は、干渉キャンセラを動作させた場合
と、非動作の場合とを説明するEb/No対ビットエラ
ーレート特性のグラフである。
【図19】図19は、実施例の回路と従来回路との回路
規模を比較するグラフである。
【図20】図20は、実施例の回路と従来回路との電力
消費を比較するグラフである。
【図21】図21は、従来の可変タップ型FIRフィル
タを用いた干渉キャンセラを説明するブロック回路図で
ある。
【図22】図22は、従来の複素フィルタバンク、ウェ
ーブレットパケット用いた干渉キャンセラを説明するブ
ロック回路図である。
【符号の説明】
1 周波数分割フィルタ 2a〜2d スイッチ回路 3 加算器 4 制御回路 11,15 係数器 12,13 遅延素子 16,17 加算器

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】入力信号をτ時間遅延せしめた第1の遅延
    信号を得る第1の信号遅延回路と、 前記入力信号を2τ時間遅延せしめた第2の遅延信号を
    得る第2の信号遅延回路と、 前記入力信号、前記第1の遅延信号及び前記第2の遅延
    信号をそれぞれ1:2:1の割合で加算する第1の加算
    回路と、 前記入力信号、前記第1の遅延信号及び前記第2の遅延
    信号をそれぞれ−1:2:−1の割合で加算する第2の
    加算回路と、 を備える相補櫛形フィルタ。
  2. 【請求項2】互いに相補的な櫛形の周波数特性を有する
    第1及び第2の出力を発生する第1の相補櫛形フィルタ
    と、 前記第1の櫛形フィルタの第1の出力を入力とし、互い
    に相補的な櫛形の周波数特性を有する第3及び第4の出
    力を発生する第2の相補櫛形フィルタと、 前記第1の櫛形フィルタの第2の出力を入力とし、互い
    に相補的な櫛形の周波数特性を有する第5及び第6の出
    力を発生する第3の相補櫛形フィルタと、 前記第2及び第3の相補櫛形フィルタ相互間の出力時間
    差を調整する遅延回路と、 を備える周波数分割フィルタ。
  3. 【請求項3】前記第1乃至第3の相補櫛形フィルタの各
    々は、請求項1記載の相補櫛形フィルタの構成を含む請
    求項2記載の周波数分割フィルタ。
  4. 【請求項4】請求項2又は3記載の周波数分割フィルタ
    を含む干渉フィルタであって、 前記周波数分割フィルタの第3乃至第6の出力を夫々選
    択する第1乃至第6のスイッチ回路と、 前記第1乃至第6のスイッチ回路の各出力を加算する加
    算回路と、 前記第3乃至第6の出力から干渉波を検出し、検出結果
    に基づいて前記第1乃至第6のスイッチ回路の開閉を制
    御する制御回路と、 を備える干渉キャンセラ。
  5. 【請求項5】前記制御回路は、前記干渉波が存在する出
    力を選択するスイッチ回路をオフにする、請求項3記載
    の干渉キャンセラ。
  6. 【請求項6】請求項1乃至5のいずれかに記載の装置を
    備える受信機。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010239240A (ja) * 2009-03-30 2010-10-21 Rion Co Ltd くし型フィルタ

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