JP2000068544A - 集光型太陽光発電装置および集光型太陽光発電モジュール - Google Patents

集光型太陽光発電装置および集光型太陽光発電モジュール

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JP2000068544A
JP2000068544A JP10231551A JP23155198A JP2000068544A JP 2000068544 A JP2000068544 A JP 2000068544A JP 10231551 A JP10231551 A JP 10231551A JP 23155198 A JP23155198 A JP 23155198A JP 2000068544 A JP2000068544 A JP 2000068544A
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photoelectric conversion
reflecting surface
conversion element
triangular wave
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English (en)
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Yoshinori Miyamura
芳▲徳▼ 宮村
Mitsunori Ketsusako
光紀 蕨迫
Yoshiaki Yazawa
義昭 矢澤
Tsuyoshi Uematsu
強志 上松
Shinichi Muramatsu
信一 村松
Ken Tsutsui
謙 筒井
Hiroyuki Otsuka
寛之 大塚
Jiyunko Minemura
純子 峯邑
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Hitachi Ltd
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Hitachi Ltd
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光電変換素子の周辺部(終端部)での変換効
率が低く、入射光を有効に利用できていない。 【解決手段】 受光面と反射面とで囲まれた空間を有す
る集光素子と、前記空間内に少なくともその一部が位置
しかつ前記受光面から入射し少なくとも前記反射面で反
射した光を受光するように設置される光電変換素子と、
前記空間を充填する媒体とを有する集光型太陽光発電装
置であって、光電変換素子の受光面に沿う方向の反射面
の断面形状は反射面での光の反射方向を光電変換素子の
延在方向の一方向側に誘導するように非対称三角溝を繰
り返して配置した三角波反射面となっている。反射面に
は非対称三角溝で構成される第1の三角波反射面と、前
記非対称三角溝とは三角溝の非対称性が反転した第2の
三角波反射面を有している。光電変換素子の終端部は前
記集光素子の縁よりも内側に位置し小型になる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は集光型太陽光発電装
置および前記集光型太陽光発電装置を複数組み込んでモ
ジュール化した集光型太陽光発電モジュールに関する。
【0002】
【従来の技術】受光面と反射面とで囲まれた空間内に少
なくともその一部が位置するように設置された光電変換
素子と、前記空間を充填している媒体を有する集光型太
陽光発電装置の構造としては、傾斜反射面やシリンドリ
カルな反射面と板状の光電変換装置を組み合わせた構造
がある。
【0003】これらの構造はたとえば特表平6- 511
602号公報に開示されている。図9(a)〜(c)は
従来の集光装置の代表的な形状を示す模式図である。同
図(a)は鳥瞰図であり、(b)および(c)は図9の
A−A′またはB−B′に沿う模式的断面図である。
【0004】集光装置は、図9(a)〜(c)に示すよ
うに、平板な光電変換素子1と、前記光電変換素子1の
両面の受光面2に光3を案内する集光素子4とからな
る。前記集光素子4は、光電変換装置に入射した光3を
受光する受光面5と、この受光面5に対して所定の角度
を有する反射面6とからなっている。受光面5と反射面
6とで囲まれた空間7には媒体が充填されている。ま
た、前記受光面5は構成的には集光素子4の底面6aを
形成する。この受光面5の光電変換素子1の延在方向に
沿う形状は、図9(c)に示すように、三角溝9を繰り
返し配置する三角波反射面10になり、入射した光3を
左右(光電変換素子1の延在方向)に均等に分散するよ
うになっている。すなわち、前記三角溝9は二等辺三角
形による溝になっている。
【0005】前記光電変換素子1はそのエネルギーを電
気に変換する機能を有することから、受光面5から入射
しかつ反射面6で反射した光3は光電変換素子1の受光
面2に至り、光電変換素子1で電気に変換されて発電が
なされることになる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来技術では、三角波
反射面10で入射光を左右に分散して有効に光電変換素
子1に光3を導入するようにしているが、光電変換素子
1の終端部(両端部)での光を有効利用するには集光素
子4の両端面(終端面)に光反射膜を別に設置したり、
あるいは光反射金属などを真空蒸着しておく必要があ
る。
【0007】しかし、このような反射部の形成は材料費
の高騰を招くばかりでなく、製造時間が長くなることか
ら集光型太陽光発電装置の製造コストが高くなる。
【0008】一方、光電変換素子の終端部はその製造課
程における切断時の影響により光電変換特性が劣化して
おり、このため光電変換素子から取出した電気エネルギ
ーの低下を生じていた。たとえば、光電変換素子1の大
きさが100mm×10mmの場合、前記切断による劣
化部分の幅は1mm以下である。
【0009】さらに、側面での反射が1回増えることに
よりわずかな光量損失が生じる。したがって、側面での
反射は避けたい。
【0010】本発明の目的は、光電変換素子から取出す
電気エネルギーの向上を図ることができる集光型太陽光
発電装置および集光型太陽光発電モジュールを提供する
ことにある。
【0011】本発明の他の目的は、光電変換素子の小型
化が図れる集光型太陽光発電装置および集光型太陽光発
電モジュールを提供することにある。
【0012】本発明の他の目的は、集光素子の製造コス
トの低減が図れる集光型太陽光発電装置および集光型太
陽光発電モジュールを提供することにある。
【0013】本発明の他の目的は、光電変換効率が高く
製造コストの低減が達成できる集光型太陽光発電装置お
よび集光型太陽光発電モジュールを提供することにあ
る。
【0014】本発明の前記ならびにそのほかの目的と新
規な特徴は、本明細書の記述および添付図面からあきら
かになるであろう。
【0015】
【課題を解決するための手段】本願において開示される
発明のうち代表的なものの概要を簡単に説明すれば、下
記のとおりである。
【0016】(1)受光面と反射面とで囲まれた空間を
有する集光素子と、前記空間内に少なくともその一部が
位置しかつ前記受光面から入射し少なくとも前記反射面
で反射した光を受光するように設置される光電変換素子
と、前記空間を充填する媒体とを有する集光型太陽光発
電装置であって、前記光電変換素子の受光面に沿う方向
の前記反射面の断面形状は前記反射面での光の反射方向
を前記光電変換素子の延在方向の一方向側に誘導するよ
うに非対称三角溝を繰り返して配置した三角波反射面と
なっている。また、前記光の誘導方向とは逆になる前記
光電変換素子の終端は前記集光素子の縁よりも内側に位
置している。前記非対称三角溝は長辺と短辺で構成さ
れ、前記長辺部分で前記光を前記一方向側に誘導するよ
うに構成されている。前記反射面には前記非対称三角溝
で構成される第1の三角波反射面と、前記第1の三角波
反射面の非対称三角溝とは三角溝の非対称性が反転した
第2の三角波反射面を有している。前記集光素子の中央
部分に前記反転する部分が設けられ、前記反転部分の両
側の三角波反射面の非対称三角溝は前記反転部分に対し
て相互に対称になっている。前記集光素子の終端側の前
記三角波反射面は反射光を集光素子の内方に誘導する構
成になっている。
【0017】(2)前記手段(1)の構成において、前
記反転する反転部分が奇数個存在する。前記光電変換素
子は一列に相互に離れて複数配置されている。前記光電
変換素子は隣り合う前記三角波反射面によって誘導され
る反転部分を中心に配置されるとともに、前記光電変換
素子の終端は前記両側の三角波反射面の外端よりも内側
に位置している。
【0018】(3)前記手段(1)または手段(2)の
構成において、前記集光素子は本体と、この本体に光透
過性の接着剤で接着された張り合わせ板とからなり、前
記張り合わせ板の一面に前記三角波反射面を有している
構成になっている。
【0019】(4)前記手段(1)乃至手段(3)のい
ずれかの手段の集光型太陽光発電装置を複数個並べてモ
ジュール化した太陽光発電モジュール。
【0020】前記(1)の手段によれば、(a)集光素
子の反射面は集光素子の中央に光を誘導する第1の三角
波反射面と第2の三角波反射面を有していることから、
集光素子の両端(終端)部分での光の受光を考慮しなく
てもよくなる。したがって、光電変換素子の終端(両
端)は集光素子の終端よりも内側に位置するような長さ
の短いものを使用することができるため、使用する光電
変換素子のコストの低減が図れ、集光型太陽光発電装置
のコストの低減が達成できる。
【0021】(b)光電変換素子の終端部分に至る光を
使用する必要がないことから、従来のように集光素子の
終端面に光反射膜や反射のための光反射金属の真空蒸着
が不要となり、集光型太陽光発電装置のコストの低減が
達成できる。
【0022】(c)光電変換素子の有効受光面で光を電
気に変換することから、変換効率の向上が達成できる。
【0023】前記(2)の手段によれば、前記手段
(1)の構成による効果に加えて、光電変換素子は、断
続的に配置すれば良いことから、設置する光電変換素子
のコストの低下を抑えることができ、集光型太陽光発電
装置のコスト低減が達成できる。
【0024】前記(3)の手段によれば、前記手段
(1)または手段(2)の構成による効果に加えて、前
記集光素子は本体と、この本体に接着した前記三角波反
射面を有する張り合わせ板とで構成されているため、集
光素子の製造コストの低減が図れ、集光型太陽光発電装
置のコストの低減が達成できる。
【0025】前記(4)の手段によれば、発電効率が良
好な安価な集光型太陽光発電モジュールを提供すること
ができる。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を詳細に説明する。なお、発明の実施の形態を
説明するための全図において、同一機能を有するものは
同一符号を付け、その繰り返しの説明は省略する。
【0027】(実施形態1)図1は本発明の一実施形態
(実施形態1)である集光型太陽光発電装置の光電変換
素子および集光素子を示す模式図、図2は前記集光素子
の一部を示す拡大模式図である。
【0028】本実施形態1では、集光素子4の反射面6
に特徴がある。この反射面6部分は底面6aともなる。
すなわち、図1に示すように、集光型太陽光発電装置1
5は、受光面5と反射面6とで囲まれた空間を有する集
光素子4と、前記空間内に少なくともその一部が位置し
かつ前記受光面5から入射し少なくとも前記反射面6で
反射した光3を受光するように設置される光電変換素子
1と、前記空間を充填する媒体とを有する構成になって
いる。
【0029】そして、前記光電変換素子1の受光面2に
沿う方向の前記反射面6の断面形状(縁形状)は、従来
は二等辺三角形からなる三角溝9を繰り返し配置した形
状になっているが、本実施形態1では、図1および図2
に示すように、三角溝9は長辺21と短辺22で構成さ
れた直角三角形による溝(非対称鋸歯状溝)からなる非
対称三角溝20になっている。
【0030】非対称三角溝20の長辺21の傾斜角度
θ、すなわち集光素子4の受光面5とのなす角度は、た
とえば22度になっている。そして、この長辺21部分
で前記光3を一方向側(図2において左方向側)に反射
誘導するように構成されている。たとえば、前記長辺2
1の長さは10mmである。
【0031】本実施形態1では、前記反射面6に、前記
非対称三角溝20で構成される第1の三角波反射面25
(三角波反射面10)と、前記第1の三角波反射面25
の非対称三角溝20とは三角溝9の非対称性が反転した
第2の三角波反射面26(三角波反射面10)を有して
いる。換言するならば、長辺21の傾斜は第1の三角波
反射面25では左上がりの傾斜になり、第2の三角波反
射面26では右上がりの傾斜になっている。また、前記
左上がりの傾斜角度と前記右上がりの傾斜角度は、必ず
しも同一角度でなくてもよい。
【0032】前記第1の三角波反射面25と第2の三角
波反射面26は反転部分27で繋がっている。本実施形
態1では、集光素子4の中央部分に前記反転部分27が
設けられていて、この反転部分27に対して前記第1の
三角波反射面25と第2の三角波反射面26は対称にな
っている。
【0033】前記第1の三角波反射面25では光3を反
転部分27側に誘導し、第2の三角波反射面26では光
3を反転部分27側に誘導し、いずれも集光素子4の両
終端側から集光素子4の内部に向かって光3を誘導す
る。
【0034】この結果、集光素子4の終端面(側面)に
向かって光3が進行しなくなることから、集光素子4の
終端面での反射が少なくなり、わずかであっても光量の
損失が防止できる。
【0035】また、非対称三角溝20の作用によって、
光が集光素子4の終端部には集まり難くなる。したがっ
て、集光素子4の長さよりも光電変換素子1の長さを小
さくし、光電変換素子1の終端が集光素子4の終端より
も内側に位置させるようにしても、光電変換素子1の終
端部分での受光量が少ないことから、光電変換の効率が
大幅に低くなるようなことはなく光電変換の効率が高く
なる。
【0036】光電変換素子1はその切断加工の過程で周
辺部での光電変換効率が低下していることから、極力こ
の切断部近傍領域を受光領域として利用しない方法が有
効な太陽光発電装置である。本実施形態1によれば入射
光は光電変換素子1の端部へはほとんど到達せず、従っ
て効率のよい中央部分で有効な発電を実施でき光電変換
効率の値は10%〜15%となった。この場合、前記aは、
0.5mm程度(集光素子4の長さ100mmに対し
て)である。
【0037】また、本実施形態1においては、前記光3
の誘導方向とは逆になる前記光電変換素子1の終端部3
0の縁(終端)は、前記集光素子4の縁(終端)よりも
内側に位置している。この結果、光電変換素子1の縁
(外端)の集光素子4の縁からの引っ込み長さaは、そ
のまま光電変換素子1の長さの短縮化(小型化)とな
る。本実施形態1の場合は、引っ込みは光電変換素子1
の両端で生じることから、従来の場合は集光素子4と光
電変換素子1の長さ(幅)が同一の場合に対して、2a
の長さ光電変換素子1を小型にすることができ、単価の
高い光電変換素子1のコストの低減が可能になる。
【0038】また、非対称三角溝20の長辺21の作用
によって光は集光素子4の終端面に向かって進行しなく
なることから、終端面に真空蒸着によって光反射金属膜
を形成したり、あるいは光反射膜を設置する必要もなく
集光素子4の製造コストの低減が図れる。
【0039】なお、本実施形態1では長辺の傾斜方向が
左右反転している反転部分27は一箇所であるが、これ
にこだわることなくさらに多く奇数個あってもよい。こ
の場合、集光素子4の終端側に光3を誘導しないように
するため、集光素子4の各終端に最も近い非対称三角溝
20では、長辺21での反射光を集光素子4の内方に誘
導する構成にしておく必要がある。
【0040】図3は本実施形態1の集光型太陽光発電装
置を複数並べてモジュール化した集光型太陽光発電モジ
ュールを示す模式的平面図、図4は模式的断面図であ
る。
【0041】集光型太陽光発電モジュール35は図3お
よび図4に示すように、Al等からなる矩形の枠体40
と、この枠体40の1面側に張り付けられた透明なガラ
ス板41(厚さ3.2mmの白板ガラス)とを有してい
る。そして、前記ガラス板41を縦横に区分した各ブロ
ック42に前記集光型太陽光発電装置15を1個ずつ配
置した構成になっている。
【0042】前記集光型太陽光発電装置15の集光素子
4は、媒体としてガラスを用いたものであり、このガラ
スの表面によって前記受光面5および反射面6(底面6
a)が形成されている。すなわち、反射面6において
は、第1の三角波反射面25,第2の三角波反射面26
および反転部分27が形成されている。反射面6におい
て、たとえばその表面に銀薄膜を真空蒸着法によって形
成して約95%の反射率を持つ鏡面としてある。
【0043】集光素子4内にその一部を位置させる光電
変換素子1は、たとえば厚さ400μmのp型のシリコ
ン半導体基板(比抵抗0.5Ω・cm)の表面にシート
抵抗100Ω/□のn型拡散層を形成した構造の光電変
換素子である光電変換素子1の集光素子4から突出した
部分には、それぞれ第1のバスバー電極43と第2の電
極44とが設けられ、それぞれ第1の配線45または第
2の配線46に接続されている。前記第1のバスバー電
極43は分岐してフィンガー電極となり、各n型拡散層
に電気的に接続されている。また、前記第2の電極44
はp型シリコン基板に電気的に接続されている。
【0044】本実施形態1の集光型太陽光発電装置15
によれば以下の効果が得られる。
【0045】(1)集光素子4の反射面6は集光素子4
の中央に光3を誘導する第1の三角波反射面25と第2
の三角波反射面26を有していることから、集光素子4
の両端(終端)部分での光の受光を考慮しなくてもよく
なる。したがって、光電変換素子1の終端(両端)は集
光素子4の終端よりも内側に位置するような長さの短い
ものを使用することができるため、使用する光電変換素
子1のコストの低減が図れ、集光型太陽光発電装置のコ
ストの低減が達成できる。
【0046】(2)光電変換素子1の終端部分に至る光
を使用する必要がないことから、従来のように集光素子
4の終端面に光反射膜や反射のための光反射金属の真空
蒸着が不要となり、集光型太陽光発電装置のコストの低
減が達成できる。
【0047】(3)光電変換素子1の周辺を除いた有効
受光面で光3を電気に変換することから、変換効率の向
上が達成できる。
【0048】本実施形態1の集光型太陽光発電モジュー
ル35も前記集光型太陽光発電装置15が有する効果を
有することになる。すなわち、本実施形態1によれば、
光電変換効率が高く製造コストの低減が図れる集光型太
陽光発電モジュール35を提供することができる。
【0049】(実施形態2)図5は本発明の他の実施形
態(実施形態2)である集光型太陽光発電装置の集光素
子を示す模式的正面図、図6は本実施形態2の集光素子
の製造方法の一部を示す模式図である。
【0050】本実施形態2では、前記集光素子4の製造
コストの低減を図る例である。すなわち、前記第1の三
角波反射面25や第2の三角波反射面26の製造は複雑
であることから、前記第1の三角波反射面25や第2の
三角波反射面26等の部分を板状の張り合わせ板51の
一面に形成しておき、その後この張り合わせ板51を集
光素子4の本体50の平坦な面に光透過性の接着剤を用
いて接着して製造する方法である。
【0051】最初に図6(a)に示すように、成形型5
2を用意する。この成形型52の一面には成形面53が
形成されている。この成形面53は、前記実施形態1の
集光型太陽光発電装置15の集光素子4の反射面6を構
成する第1の三角波反射面25,反転部分27および第
2の三角波反射面26と全く逆となる面となっている。
すなわち、前記実施形態1の非対称三角溝20を有する
反射面6と、前記成形型52の成形面53は、雌型とこ
の雌型に噛み合う雄型の関係になっている。
【0052】そこで、図6(b)に示すように、平坦な
台座54上に紫外線硬化樹脂を一定の厚さに塗布した
後、前記成形型52を裏返しにして成形面53で前記紫
外線硬化樹脂層55の表面を成形し、三角波反射面10
を形成する。この三角波反射面10は第1の三角波反射
面25,反転部分27,第2の三角波反射面26連ねた
構造になる、前記三角波反射面10の成形作業は、実際
にはプレス機で高精度に行う。
【0053】つぎに、前記成形型52を外した後、図6
(c)に示すように、前記紫外線硬化樹脂層55の表面
全域に紫外線56を照射して紫外線硬化樹脂層55を硬
化させて張り合わせ板51を製造する。
【0054】つぎに、図6(d)に示すように、張り合
わせ板51の三角波反射面10の表面全域に真空蒸着法
によって銀薄膜等からなる反射膜57を形成して約95
%の反射率を持つ鏡面(反射面6)を形成する。
【0055】つぎに、図示はしないが台座54から張り
合わせ板51を剥がし、この張り合わせ板51の平坦面
側を本体50の反射面となる側の底面に光透過性の接着
剤で接着し、図5に示すような集光素子4を製造する。
光透過性の接着剤としては、たとえばエチレンビニール
アセテート(EVA)を使用する。
【0056】この製造方法によれば、集光素子4を安価
に製造することができる。
【0057】(実施形態3)図7は本発明の他の実施形
態(実施形態3)である集光型太陽光発電装置15の光
電変換素子および集光素子を示す模式図である。
【0058】本実施形態3は反転部分27を奇数個配置
した例である。本実施形態1は反転部分27を、集光素
子4の中央とその両側に配置した3箇所構成としたもの
であり、かつ両側(左側および右側)の反転部分27を
それぞれ中心に独立した光電変換素子1を配置した例で
ある。
【0059】前記両側の反転部分27の両側の三角波反
射面10は、三角波反射面10の反射による光3がそれ
ぞれ所定の反転部分27に向かって誘導される構成にな
っている。すなわち、図7において、左側の反転部分2
7の左側の三角波反射面10は右側に光3を誘導する第
1の三角波反射面25となり、左側の反転部分27の右
側の三角波反射面10は左側に光3を誘導する第2の三
角波反射面26となっている。
【0060】また、右側の反転部分27の左側の三角波
反射面10は右側に光3を誘導する第1の三角波反射面
25となり、左側の反転部分27の右側の三角波反射面
10は左側に光3を誘導する第2の三角波反射面26と
なっている。
【0061】この結果、光電変換素子1はその長さが短
いものの使用が可能になり、光電変換素子1のコストの
低減が達成できることになる。
【0062】太陽の1日における光入射角度、また1年
の光入射角度に対し、ほとんどの光を捕捉できるように
光電変換素子の大きさ,位置を決め、配置した。
【0063】受光面5から入射した光3は、反射面6に
よって光電変換素子1方向に進行して受光され、三角波
反射面10で反射した光3は三角波反射面10(第1の
三角波反射面25,第2の三角波反射面26)によって
光電変換素子1の中央側に誘導されて受光される結果、
光受光面5に入射したほとんどの光は二つの光電変換素
子1によって電気エネルギーに変換されることになる。
【0064】本実施形態3では、集光素子上の光電変換
素子のある一面上に本来光電変換素子が配置すべき面積
の約半分から2/3の領域にのみ高価な光電変換素子を
配置するだけで効率の高い集光型太陽光発電装置15が
得られる。
【0065】図8は本実施形態3の集光型太陽光発電装
置を複数並べてモジュール化した集光型太陽光発電モジ
ュール35を示す模式的平面図である。本実施形態3の
集光型太陽光発電モジュール35は、前記実施形態1の
集光型太陽光発電モジュール35と略同様であるが、各
ブロック42に取り付けられる集光型太陽光発電装置1
5が、本実施形態3の集光型太陽光発電装置15である
点が異なる。本実施形態3の場合には、集光型太陽光発
電装置15において光電変換素子1が一列に相互に離れ
て複数配置されている。すなわち、本実施形態3の場合
には、図8に示すように、2個光電変換素子1が離れて
配置されている。
【0066】このようなモジュール化した集光型太陽光
発電モジュール35によれば、より大きな電気出力を得
ることができる。この場合、組み込む光電変換素子1は
小型であることから、集光型太陽光発電モジュール35
の製造コストの低減が達成できる。
【0067】以上本発明者によってなされた発明を実施
形態に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施形
態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範
囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【0068】本発明は少なくとも集光型の太陽光発電技
術には適用できる。
【0069】
【発明の効果】本願において開示される発明のうち代表
的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、下
記のとおりである。
【0070】(1)本発明によれば、集光型太陽光発電
装置および集光型太陽光発電モジュールにおける光電変
換素子の変換効率の良い領域を利用でき、しかも光電変
換素子を効率良く配置することで少量の光電変換素子数
で最大の光電変換エネルギーを取出すことができ、安価
な太陽光発電装置を提供できた。
【0071】(2)本発明によれば、集光型太陽光発電
装置および集光型太陽光発電モジュールにおける光電変
換素子の終端部での光量ロスを小さくでき、電気出力低
下を防止することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態(実施形態1)である集光
型太陽光発電装置の光電変換素子および集光素子を示す
模式図である。
【図2】前記集光素子の一部を示す拡大模式図である。
【図3】本実施形態1の集光型太陽光発電モジュールを
示す模式的平面図である。
【図4】本実施形態1の集光型太陽光発電モジュールを
示す模式的断面図である。
【図5】本発明の他の実施形態(実施形態2)である集
光型太陽光発電装置の集光素子を示す模式的正面図であ
る。
【図6】本実施形態2の集光素子の製造方法を示す模式
図である。
【図7】本発明の他の実施形態(実施形態3)である集
光型太陽光発電装置の光電変換素子および集光素子を示
す模式図である。
【図8】本実施形態3の集光型太陽光発電モジュールを
示す模式的平面図である。
【図9】従来の集光装置を示す模式図である。
【符号の説明】
1…光電変換素子、2…受光面、3…光、4…集光素
子、5…受光面、6…反射面、6a…底面、7…空間、
9…三角溝、10…三角波反射面、15…集光型太陽光
発電装置、20…非対称三角溝、21…長辺、22…短
辺、25…第1の三角波反射面、26…第2の三角波反
射面、27…反転部分、30…終端部、35…集光型太
陽光発電モジュール、40…枠体、41…ガラス板、4
2…ブロック、43…第1のバスバー電極、44…第2
の電極、45…第1の配線、46…第2の配線、50…
本体、51…張り合わせ板、52…成形型、53…成形
面、54…台座、55…紫外線硬化樹脂層、56…紫外
線、57…反射膜。
【手続補正書】
【提出日】平成11年7月12日(1999.7.1
2)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【請求項】 前記非対称三角溝は長辺と短辺で構成さ
れ、前記長辺部分で前記光を前記一方向側に誘導するよ
うに構成されていることを特徴とする請求項1乃至請求
項4のいずれか1項に記載の集光型太陽光発電装置。
【請求項】 前記反射面には前記非対称三角溝で構成
される第1の三角波反射面と、前記第1の三角波反射面
の非対称三角溝とは三角溝の非対称性が反転した第2の
三角波反射面を有していることを特徴とする請求項1乃
請求項5のいずれか1項に記載の集光型太陽光発電装
置。
【請求項】 前記集光素子の中央部分に前記反転する
部分が設けられ、前記反転部分の両側の三角波反射面の
非対称三角溝は前記反転部分に対して相互に対称になっ
ていることを特徴とする請求項6に記載の集光型太陽光
発電装置。
【請求項】 前記反転する反転部分が奇数個存在する
ことを特徴とする請求項6に記載の集光型太陽光発電装
置。
【請求項】 前記光電変換素子は一列に相互に離れて
複数配置されていることを特徴とする請求項1乃至請求
項7のいずれか1項に記載の集光型太陽光発電装置。
【請求項10】 前記光電変換素子は隣り合う前記三角
波反射面によって誘導される反転部分を中心に配置され
るとともに、前記光電変換素子の終端は前記両側の三角
波反射面の外端よりも内側に位置していることを特徴と
する請求項9に記載の集光型太陽光発電装置。
【請求項11】 前記集光素子の終端側の前記三角波反
射面は反射光を集光素子の内方に誘導する構成になって
いることを特徴とする請求項1乃至請求項10のいずれ
か1項に記載の集光型太陽光発電装置。
フロントページの続き (72)発明者 矢澤 義昭 東京都国分寺市東恋ケ窪一丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 上松 強志 東京都国分寺市東恋ケ窪一丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 村松 信一 東京都国分寺市東恋ケ窪一丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 筒井 謙 東京都国分寺市東恋ケ窪一丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 大塚 寛之 東京都国分寺市東恋ケ窪一丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 峯邑 純子 東京都国分寺市東恋ケ窪一丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 Fターム(参考) 5F051 JA02 JA14

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 受光面と反射面とで囲まれた空間を有す
    る集光素子と、前記空間内に少なくともその一部が位置
    しかつ前記受光面から入射し少なくとも前記反射面で反
    射した光を受光するように設置される光電変換素子と、
    前記空間を充填する媒体とを有する集光型太陽光発電装
    置であって、前記光電変換素子の受光面に沿う方向の前
    記反射面の断面形状は前記反射面での光の反射方向を前
    記光電変換素子の延在方向の一方向側に誘導するように
    非対称三角溝を繰り返して配置した三角波反射面となっ
    ていることを特徴とする集光型太陽光発電装置。
  2. 【請求項2】 受光面と反射面とで囲まれた空間を有す
    る集光素子と、前記空間内に少なくともその一部が位置
    しかつ前記受光面から入射し少なくとも前記反射面で反
    射した光を受光するように設置される光電変換素子と、
    前記空間を充填する媒体とを有する集光型太陽光発電装
    置であって、前記光電変換素子の受光面に沿う方向の前
    記反射面の断面形状は前記反射面での光の反射方向を前
    記光電変換素子の延在方向の一方向側に誘導するように
    非対称三角溝を繰り返して配置した三角波反射面となる
    とともに、前記光の誘導方向とは逆になる前記光電変換
    素子の終端は前記集光素子の縁よりも内側に位置してい
    ることを特徴とする集光型太陽光発電装置。
  3. 【請求項3】 前記非対称三角溝は長辺と短辺で構成さ
    れ、前記長辺部分で前記光を前記一方向側に誘導するよ
    うに構成されていることを特徴とする請求項1または請
    求項2に記載の集光型太陽光発電装置。
  4. 【請求項4】 前記反射面には前記非対称三角溝で構成
    される第1の三角波反射面と、前記第1の三角波反射面
    の非対称三角溝とは三角溝の非対称性が反転した第2の
    三角波反射面を有していることを特徴とする請求項1乃
    至請求項3のいずれか1項に記載の集光型太陽光発電装
    置。
  5. 【請求項5】 前記集光素子の中央部分に前記反転する
    部分が設けられ、前記反転部分の両側の三角波反射面の
    非対称三角溝は前記反転部分に対して相互に対称になっ
    ていることを特徴とする請求項4に記載の集光型太陽光
    発電装置。
  6. 【請求項6】 前記反転する反転部分が奇数個存在する
    ことを特徴とする請求項4に記載の集光型太陽光発電装
    置。
  7. 【請求項7】 前記光電変換素子は一列に相互に離れて
    複数配置されていることを特徴とする請求項1乃至請求
    項6のいずれか1項に記載の集光型太陽光発電装置。
  8. 【請求項8】 前記光電変換素子は隣り合う前記三角波
    反射面によって誘導される反転部分を中心に配置される
    とともに、前記光電変換素子の終端は前記両側の三角波
    反射面の外端よりも内側に位置していることを特徴とす
    る請求項7に記載の集光型太陽光発電装置。
  9. 【請求項9】 前記集光素子の終端側の前記三角波反射
    面は反射光を集光素子の内方に誘導する構成になってい
    ることを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれか1
    項に記載の集光型太陽光発電装置。
  10. 【請求項10】 前記集光素子は本体と、この本体に光
    透過性の接着剤で接着された張り合わせ板とからなり、
    前記張り合わせ板の一面に前記三角波反射面を有してい
    ることを特徴とする請求項1乃至請求項9のいずれか1
    項に記載の集光型太陽光発電装置。
  11. 【請求項11】 請求項1乃至請求項10のいずれか1
    項に記載の集光型太陽光発電装置を複数個並べてモジュ
    ール化したことを特徴とする太陽光発電モジュール。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011146678A (ja) * 2009-12-16 2011-07-28 Kyocera Corp 太陽電池素子の製造方法
WO2012176516A1 (ja) * 2011-06-23 2012-12-27 三洋電機株式会社 太陽電池モジュール
KR20210103658A (ko) * 2020-02-14 2021-08-24 고려대학교 산학협력단 태양전지 및 이를 포함하는 태양전지 모듈

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