JP2000066027A - 光フィルタ素子および光フィルタ素子製造方法 - Google Patents

光フィルタ素子および光フィルタ素子製造方法

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JP2000066027A
JP2000066027A JP10237154A JP23715498A JP2000066027A JP 2000066027 A JP2000066027 A JP 2000066027A JP 10237154 A JP10237154 A JP 10237154A JP 23715498 A JP23715498 A JP 23715498A JP 2000066027 A JP2000066027 A JP 2000066027A
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optical
optical fiber
face
filter element
optical fibers
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JP10237154A
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Ichiro Matsuura
一郎 松浦
Toru Yamanishi
徹 山西
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Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
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    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B6/00Light guides; Structural details of arrangements comprising light guides and other optical elements, e.g. couplings
    • G02B6/24Coupling light guides
    • G02B6/36Mechanical coupling means
    • G02B6/38Mechanical coupling means having fibre to fibre mating means
    • G02B6/3807Dismountable connectors, i.e. comprising plugs
    • G02B6/3833Details of mounting fibres in ferrules; Assembly methods; Manufacture
    • G02B6/3845Details of mounting fibres in ferrules; Assembly methods; Manufacture ferrules comprising functional elements, e.g. filters

Abstract

(57)【要約】 【課題】 小型で生産性が優れ製造が容易な光フィルタ
素子および光フィルタ素子製造方法を提供する。 【解決手段】 光ファイバ11は、光軸中心に高屈折率
のコア領域11aを有し、コア領域11aの周囲に低屈
折率のクラッド領域11bを有し、端面11cが鏡面仕
上げされている。光ファイバ12は、光軸中心に高屈折
率のコア領域12aを有し、コア領域12aの周囲に低
屈折率のクラッド領域12bを有し、端面12cが鏡面
仕上げされている。誘電体多層膜フィルタ13は、光フ
ァイバ11の端面11cに設けられ、この光フィルタ素
子の用途に応じた反射特性および透過特性を有するよう
設計される。誘電体多層膜フィルタ13が設けられた光
ファイバ11の端面11cと光ファイバ12の端面12
cとは互いに対向して配置され、光ファイバ11および
光ファイバ12それぞれの光軸方向は互いに一致してい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光伝送システム等
において好適に用いられ、特定の波長帯の光を反射し他
の波長帯の光を透過させる光フィルタ素子およびその製
造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】光フィルタ素子は、特定の波長帯の光を
反射し他の波長帯の光を透過させるものであり、光伝送
システム等において用いられる。このような光フィルタ
素子として、誘電体多層膜を用いたものが知られてい
る。例えば、特開平9−61668号公報には、光ファ
イバ用の光コネクタに誘電体多層膜フィルタを内蔵した
ものが開示されている。これは、光コネクタフェルール
の光ファイバガイド孔を切断するようにスリットを形成
し、このスリット内に誘電体多層膜フィルタを挿入して
接着固定したものである。そして、光ファイバガイド孔
に光ファイバが挿入され、この光ファイバを伝搬してき
た光は、その光ファイバ端面から出射されて誘電体多層
膜フィルタに入射し、波長に依り誘電体多層膜フィルタ
で反射または透過する。
【0003】また、特開平6−118266号公報に開
示されたものは、それぞれ光ファイバが挿通された一対
の入れ子部材のうち、一方の入れ子部材の端面および光
ファイバの端面に誘電体多層膜フィルタを蒸着し、これ
を他方の入れ子部材と対向させて嵌合スリーブ内に配置
している。一方の入れ子部材に挿通された光ファイバを
伝搬してきた光は、その光ファイバ端面から出射されて
誘電体多層膜フィルタに入射し、波長に依り誘電体多層
膜フィルタで反射または透過する。誘電体多層膜フィル
タを透過した光は、他方の入れ子部材に挿通された光フ
ァイバの端面に入射する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記各
公報に開示されたものは以下のような問題点がある。す
なわち、特開平9−61668号公報に開示された光フ
ィルタ素子は、光コネクタを利用して構成されるもので
あるからサイズが大きく、また、光コネクタに形成され
たスリット内に誘電体多層膜フィルタを挿入することか
ら、高精度の加工が要求され製造が容易でない。特開平
6−118266号公報に開示されたものは、光ファイ
バ端面だけでなく入れ子部材の端面にも誘電体多層膜フ
ィルタを蒸着することから、蒸着工程における生産性が
悪く、また、嵌合スリーブ内で一対の入れ子部材を対向
させることから、光軸合わせが困難であり製造が容易で
ない。
【0005】本発明は、上記問題点を解消する為になさ
れたものであり、小型で生産性が優れ製造が容易な光フ
ィルタ素子および光フィルタ素子製造方法を提供するこ
とを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に係る光フィルタ
素子は、(1) 端面に誘電体多層膜フィルタが設けられた
第1の光ファイバと、(2) 第1の光ファイバの上記端面
に対向して端面が配された第2の光ファイバと、(3) 第
1および第2の光ファイバそれぞれの対向する端面の間
に充填され、第1および第2の光ファイバそれぞれとの
間で屈折率の整合をとる屈折率整合剤と、を備えること
を特徴とする。この光フィルタ素子によれば、第1の光
ファイバを伝搬してきた光は、その端面から出射し、そ
の端面に設けられた誘電体多層膜フィルタに入射する。
誘電体多層膜フィルタに入射した光は、その波長に応じ
て誘電体多層膜フィルタで反射または透過する。誘電体
多層膜フィルタを透過した光は、屈折率整合剤を透過し
て第2の光ファイバの端面に入射し、第2の光ファイバ
を伝搬していく。一方、誘電体多層膜フィルタで反射し
た光は、第1の光ファイバの端面に入射し、第1の光フ
ァイバを伝搬して逆方向に戻っていく。第2の光ファイ
バを伝搬してきた光が端面から出射し屈折率整合剤を経
て誘電体多層膜フィルタに入射する場合も、同様に波長
に応じて透過または反射する。この光フィルタ素子は、
優れた生産性で容易に製造することができ、また、部品
点数が少ないので小型で安価である。
【0007】また、本発明に係る光フィルタ素子は、第
1の光ファイバの端面の法線が光軸に対して傾斜してい
ることを特徴とする。この場合には、第1の光ファイバ
の端面の法線すなわち誘電体多層膜フィルタの法線が光
軸に対して傾斜してので、双方の光ファイバの光軸回り
の回転方位の調整が容易であり、誘電体多層膜フィルタ
を透過すべき或る波長の光の一部が反射されて逆方向に
戻っていくことがなく、また、誘電体多層膜フィルタで
反射された他の或る波長の光が逆方向に戻っていくこと
もない。さらに、第1および第2の光ファイバの何れか
一方の端面が面取りまたは端面近傍が細径化されている
ことを特徴とする。この場合には、第1および第2の光
ファイバの相互間のコア間隔を小さくすることができ
る。
【0008】また、本発明に係る光フィルタ素子は、屈
折率整合剤が接着剤であることを特徴とする。この場合
には、第1および第2の光ファイバを互いに固定配置す
ることができるので好適であり、また、誘電体多層膜を
保護することができ光フィルタ素子の性能劣化を防止す
ることができる点でも好適である。
【0009】また、本発明に係る光フィルタ素子は、第
1および第2の光ファイバそれぞれの光軸を互いに一致
させて配置するとともに第1および第2の光ファイバそ
れぞれの端面を互いに対向させる固定部材を更に備える
ことを特徴とする。この場合には、第1および第2光フ
ァイバの相互間の光軸合わせを容易に行うことができ、
接続損失を小さくすることができる。この固定部材は、
V溝中に第1および第2の光ファイバそれぞれの光軸を
互いに一致させて配置するV溝部材であるのが好適であ
り、また、内部に第1および第2の光ファイバそれぞれ
の光軸を互いに一致させて配置する円筒状部材であるの
も好適である。さらに、本発明に係る光フィルタ素子
は、固定部材を収納する光コネクタを更に備えることを
特徴とする。この場合には、光フィルタ素子を内蔵する
光コネクタを安価に実現できる。
【0010】本発明に係る光フィルタ素子製造方法は、
(1) それぞれの光軸を互いに平行にして複数の光ファイ
バをパイプ内に密に収納する収納工程と、(2) 収納工程
で収納された複数の光ファイバをパイプとともに所定の
切断面で切断する切断工程と、(3) 切断工程における切
断面上の複数の光ファイバそれぞれの端面に誘電体多層
膜フィルタを形成する多層膜形成工程と、を備えること
を特徴とする。この光フィルタ素子製造方法によれば、
収納工程において、それぞれの光軸を互いに平行にして
複数の光ファイバがパイプ内に密に収納され、切断工程
において、その収納された複数の光ファイバがパイプと
ともに所定の切断面で切断され、多層膜形成工程におい
て、切断面上の複数の光ファイバそれぞれの端面に誘電
体多層膜フィルタが形成される。この光フィルタ素子製
造方法は、誘電体多層膜フィルタが端面に形成された光
ファイバを一括して且つ安価に製造することができる。
【0011】また、本発明に係る光フィルタ素子製造方
法における収納工程は、超音波振動を利用して複数の光
ファイバをパイプ内に収納することを特徴とする。この
場合には、複数の光ファイバはパイプ内に容易に密に且
つ光軸を平行に収納される。
【0012】また、本発明に係る光フィルタ素子製造方
法における切断工程は、切断面の法線が複数の光ファイ
バそれぞれの光軸に対して傾斜していることを特徴とす
る。この場合には、この光ファイバと他の光ファイバと
を端面同士を突き合わせたときに、双方の光ファイバの
光軸回りの回転方位の調整が容易であり、誘電体多層膜
フィルタを透過すべき或る波長の光の一部が反射されて
逆方向に戻っていくことがなく、また、誘電体多層膜フ
ィルタで反射された他の或る波長の光が逆方向に戻って
いくこともない。
【0013】また、本発明に係る光フィルタ素子製造方
法は、収納工程前に、複数の光ファイバそれぞれの端面
を面取りまたは端面近傍を細径化する端面成形工程を更
に備えることを特徴とする。この場合には、この光ファ
イバと他の光ファイバとを端面同士を突き合わせたとき
に、双方の光ファイバの相互間のコア間隔を小さくする
ことができる。
【0014】また、本発明に係る光フィルタ素子製造方
法は、収納工程前に、複数の光ファイバそれぞれの外周
面を被膜する被膜工程を更に備えることを特徴とする。
この場合には、複数の光ファイバそれぞれは、収納工程
の際に傷がつき難く破断し難い。
【0015】また、本発明に係る光フィルタ素子製造方
法は、多層膜形成工程前に、切断工程における切断面を
研磨または研削する研磨工程を更に備えることを特徴と
する。この場合には、後の多層膜形成工程において光フ
ァイバの端面に形成される誘電体多層膜フィルタは、端
面との接着力が強くなり、良質かつ均質のものとなる。
また、光ファイバの端面の傾斜角を微調整することがで
きる点でも好適である。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して本発明
の実施の形態を詳細に説明する。尚、図面の説明におい
て同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省
略する。
【0017】(第1の実施形態)先ず、本発明に係る光
フィルタ素子の第1の実施形態について説明する。図1
は、第1の実施形態に係る光フィルタ素子の構成図であ
り、光軸を含む面で切断したときの断面を示すものであ
る。この光フィルタ素子は、第1の光ファイバ11、第
2の光ファイバ12、誘電体多層膜フィルタ13および
屈折率整合剤14を備えて構成されている。
【0018】光ファイバ11は、光軸中心に高屈折率の
コア領域11aを有し、コア領域11aの周囲に低屈折
率のクラッド領域11bを有し、端面11cが鏡面仕上
げされている。同様に光ファイバ12は、光軸中心に高
屈折率のコア領域12aを有し、コア領域12aの周囲
に低屈折率のクラッド領域12bを有し、端面12cが
鏡面仕上げされている。誘電体多層膜フィルタ13は、
光ファイバ11の端面11cに設けられている。この誘
電体多層膜フィルタ13は、この光フィルタ素子の用途
に応じた反射特性および透過特性を有するよう設計され
る。誘電体多層膜フィルタ13が設けられた光ファイバ
11の端面11cと光ファイバ12の端面12cとは互
いに対向して配置され、光ファイバ11および光ファイ
バ12それぞれの光軸方向は互いに一致している。
【0019】屈折率整合剤14は、誘電体多層膜フィル
タ13が設けられた光ファイバ11の端面11cと光フ
ァイバ12の端面12cとの間に充填されており、光フ
ァイバ11および12の間で屈折率の整合をとる。この
屈折率整合剤14としては、マッチングオイル、グリ
ス、接着剤等であって、光ファイバ11および12それ
ぞれの材料や誘電体多層膜フィルタ13の材料の屈折率
に略等しい屈折率を有するものが好適に用いられる。特
に屈折率整合剤14として接着剤が用いられる場合に
は、光ファイバ11と光ファイバ12とを固定配置する
ことができるので好適であり、また、誘電体多層膜13
を保護することができ光フィルタ素子の性能劣化を防止
することができる点でも好適である。なお、この場合に
は、光ファイバ11,12との接着性をよくするため
に、光ファイバ11,12をシラン処理するのが好適で
ある。
【0020】この光フィルタ素子は以下のように作用す
る。光ファイバ11を伝搬してきた光は、端面11cか
ら出射し誘電体多層膜フィルタ13に入射する。誘電体
多層膜フィルタ13に入射した光は、その波長に応じて
誘電体多層膜フィルタ13で反射または透過する。誘電
体多層膜フィルタ13を透過した光は、屈折率整合剤1
4を透過して光ファイバ12の端面12cに入射し、光
ファイバ12を伝搬していく。一方、誘電体多層膜フィ
ルタ13で反射した光は、光ファイバ11の端面11c
に入射し、光ファイバ11を伝搬して逆方向に戻ってい
く。光ファイバ12を伝搬してきた光が端面12cから
出射し屈折率整合剤14を経て誘電体多層膜フィルタ1
3に入射する場合も、同様に波長に応じて透過または反
射する。
【0021】本実施形態に係る光フィルタ素子は、後述
する製造方法により優れた生産性で容易に製造すること
ができ、また、部品点数が少ないので小型で安価であ
る。
【0022】(第2の実施形態)次に、本発明に係る光
フィルタ素子の第2の実施形態について説明する。図2
は、第2の実施形態に係る光フィルタ素子の構成図であ
り、光軸を含む面で切断したときの断面を示すものであ
る。この光フィルタ素子は、第1の光ファイバ21、第
2の光ファイバ22、誘電体多層膜フィルタ23および
屈折率整合剤24を備えて構成されている。
【0023】光ファイバ21は、第1の実施形態におけ
る光ファイバ11と略同様の構成であるが、端面21c
の法線が光軸に対して傾斜している点で異なる。一方、
光ファイバ22は、第1の実施形態における光ファイバ
12と同様の構成であり、端面22cの法線が光軸に平
行である。誘電体多層膜フィルタ23は、光ファイバ2
1の傾斜した端面21cに設けられている。この誘電体
多層膜フィルタ23は、この光フィルタ素子の用途に応
じた反射特性および透過特性を有するよう端面21cの
傾斜角をも考慮して設計される。誘電体多層膜フィルタ
23が設けられた光ファイバ21の端面21cと光ファ
イバ22の端面22cとは、光ファイバ21および光フ
ァイバ22それぞれの光軸方向が互いに一致するよう配
される。屈折率整合剤24は、誘電体多層膜フィルタ2
3が設けられた光ファイバ21の端面21cと光ファイ
バ22の端面22cとの間に充填されており、光ファイ
バ21および22の間で屈折率の整合をとる。この屈折
率整合剤24としては、マッチングオイル、グリス、接
着剤等が好適に用いられる。
【0024】本実施形態に係る光フィルタ素子は、第1
の実施形態が奏する効果に加えて、以下のような効果を
も奏する。すなわち、第1の実施形態に係る光フィルタ
素子(図1)のように、光ファイバ11の端面11cお
よび光ファイバ12の端面12cそれぞれの法線が共に
光軸に平行であれば、誘電体多層膜フィルタ13を透過
すべき或る波長の光の一部が反射されて逆方向に戻って
いく。一方、従来の技術の欄で挙げた特開平6−118
266号公報に開示されたもののように、双方の光ファ
イバの端面それぞれの法線が共に光軸に対して傾斜して
いれば、双方の光ファイバの光軸回りの回転方位の調整
が困難である。これに対して、本実施例に係る光フィル
タ素子では、一方の光ファイバ21の端面12cの法線
のみが光軸に対して傾斜しており、他方の光ファイバ2
2の端面22cの法線が光軸に平行であるので、双方の
光ファイバの光軸回りの回転方位の調整が容易であり、
誘電体多層膜フィルタ23を透過すべき或る波長の光の
一部が反射されて逆方向に戻っていくことがなく、ま
た、誘電体多層膜フィルタ23で反射された他の或る波
長の光が逆方向に戻っていくこともない。
【0025】なお、光ファイバ21の端面12cの法線
と光軸とがなす傾斜度は0゜より大きく45゜以下程度
であるのが好適である。傾斜角が0゜より大きく3゜以
下程度であれば、誘電体多層膜フィルタ23を透過すべ
き或る波長の光の一部が反射されて逆方向に戻っていく
のを低減でき、また、誘電体多層膜23で反射された他
の或る波長の光が逆方向に戻っていくことがない。傾斜
角が2°以上45°以下程度であれば、誘電体多層膜フ
ィルタ23を透過すべき或る波長の光の一部が反射され
て逆方向に戻っていくことがなく、また、誘電体多層膜
23で反射された他の或る波長の光が逆方向に戻ってい
くこともない。また、傾斜角が45°程度以下であれ
ば、光ファイバ21の端面12cの先端部の機械的強度
が確保され、また、光ファイバ21と光ファイバ22と
の間の間隙損が小さい。
【0026】(第3実施形態)次に、本発明に係る光フ
ィルタ素子の第3の実施形態について説明する。図3
は、第3の実施形態に係る光フィルタ素子の構成図であ
り、同図(a)は光軸を含む面で切断したときの断面を
示すものであり、同図(b)は光ファイバ32の斜視図
である、この光フィルタ素子は、第1の光ファイバ3
1、第2の光ファイバ32、誘電体多層膜フィルタ33
および屈折率整合剤(図示せず)を備えて構成されてい
る。
【0027】光ファイバ31は、第2の実施形態におけ
る光ファイバ21と同様の構成であり、端面31cの法
線が光軸に対して傾斜している。一方、光ファイバ32
は、第2の実施形態における光ファイバ22と略同様の
構成であるが、端面32cの周囲が面取りされている点
で異なる。誘電体多層膜フィルタ33は、光ファイバ3
1の傾斜した端面31cに設けられている。誘電体多層
膜フィルタ33が設けられた光ファイバ31の端面31
cと光ファイバ32の端面32cとは、光ファイバ31
および光ファイバ32それぞれの光軸方向が互いに一致
するよう配される。屈折率整合剤は、誘電体多層膜フィ
ルタ33が設けられた光ファイバ31の端面31cと光
ファイバ32の端面32cとの間に充填されており、光
ファイバ31および32の間で屈折率の整合をとる。
【0028】本実施形態に係る光フィルタ素子は、第1
および第2の実施形態それぞれが奏する効果に加えて、
以下のような効果をも奏する。すなわち、光ファイバ3
2の端面32cの周囲が面取りされていることから、光
ファイバ31と光ファイバ32との間のコア間隔dを小
さくすることができ、接続損失が小さくなる。特に、光
ファイバ31の端面31cの傾斜角をθとし、光ファイ
バ32の端面32cの面取角をθ1 とし、光ファイバ3
2の外径をD1 とし、光ファイバ32の端面32cの面
取径をD2 としたときに、θ1 ≧θであり且つ大凡D2
≧1/2・D1 であれば、光ファイバ31と光ファイバ32
との間のコア間隔dを小さくすることができ、また、端
面32cが面取りされた光ファイバ32の機械的強度も
確保されるので、好適である。
【0029】(第4の実施形態)次に、本発明に係る光
フィルタ素子の第4の実施形態について説明する。図4
は、第4の実施形態に係る光フィルタ素子の構成図であ
り、同図(a)は光軸を含む面で切断したときの断面を
示すものであり、同図(b)は光ファイバ41の斜視図
である、この光フィルタ素子は、第1の光ファイバ4
1、第2の光ファイバ42、誘電体多層膜フィルタ43
および屈折率整合剤(図示せず)を備えて構成されてい
る。
【0030】光ファイバ41は、第2の実施形態におけ
る光ファイバ21と略同様の構成であるが、端面41c
の周囲が面取りされている点で異なる。一方、光ファイ
バ42は、第2の実施形態における光ファイバ22と同
様の構成であり、端面42cの法線が光軸に平行であ
る。誘電体多層膜フィルタ43は、光ファイバ41の傾
斜して面取りされた端面41cに設けられている。誘電
体多層膜フィルタ43が設けられた光ファイバ41の端
面41cと光ファイバ42の端面42cとは、光ファイ
バ41および光ファイバ42それぞれの光軸方向が互い
に一致するよう配される。屈折率整合剤は、誘電体多層
膜フィルタ43が設けられた光ファイバ41の端面41
cと光ファイバ42の端面42cとの間に充填されてお
り、光ファイバ41および42の間で屈折率の整合をと
る。
【0031】本実施形態に係る光フィルタ素子は、第1
および第2の実施形態それぞれが奏する効果に加えて、
以下のような効果をも奏する。すなわち、光ファイバ4
1の端面41cの周囲が面取りされていることから、光
ファイバ41と光ファイバ42との間のコア間隔dを小
さくすることができ、接続損失が小さくなる。特に、光
ファイバ41の端面41cの傾斜角をθとし、光ファイ
バ41の端面41cの先端部の面取角をθ1 とし、光フ
ァイバ41の外径をD1 とし、光ファイバ41の端面4
1cの面取径をD2 としたときに、θ1 ≧θであり且つ
大凡D2 ≧1/2・D1 であれば、光ファイバ41と光ファ
イバ42との間のコア間隔dを小さくすることができ、
また、端面42cが面取りされた光ファイバ42の機械
的強度も確保されるので、好適である。
【0032】(第5実施形態)次に、本発明に係る光フ
ィルタ素子の第5の実施形態について説明する。図5
は、第5の実施形態に係る光フィルタ素子の構成図であ
り、同図(a)は光軸を含む面で切断したときの断面を
示すものであり、同図(b)は光ファイバ52の斜視図
である、この光フィルタ素子は、第1の光ファイバ5
1、第2の光ファイバ52、誘電体多層膜フィルタ53
および屈折率整合剤(図示せず)を備えて構成されてい
る。
【0033】光ファイバ51は、第2の実施形態におけ
る光ファイバ21と同様の構成であり、端面51cの法
線が光軸に対して傾斜している。一方、光ファイバ52
は、第2の実施形態における光ファイバ22と略同様の
構成であるが、端面52c近傍が細径化されている点で
異なる。誘電体多層膜フィルタ53は、光ファイバ51
の傾斜した端面51cに設けられている。誘電体多層膜
フィルタ53が設けられた光ファイバ51の端面51c
と光ファイバ52の端面52cとは、光ファイバ51お
よび光ファイバ52それぞれの光軸方向が互いに一致す
るよう配される。屈折率整合剤は、誘電体多層膜フィル
タ53が設けられた光ファイバ51の端面51cと光フ
ァイバ52の端面52cとの間に充填されており、光フ
ァイバ51および52の間で屈折率の整合をとる。
【0034】本実施形態に係る光フィルタ素子は、第1
および第2の実施形態それぞれが奏する効果に加えて、
以下のような効果をも奏する。すなわち、光ファイバ5
2の端面52c近傍が細径化されていることから、光フ
ァイバ51と光ファイバ52との間のコア間隔dを小さ
くすることができ、接続損失が小さくなる。特に、光フ
ァイバ52の外径をD1 とし、光ファイバ52の細径化
部の径をD2 とし、光ファイバ52の細径化部の長さを
Lとしたときに、大凡L≦D2 であり且つ大凡D2 ≧1/
2・D1 であれば、光ファイバ51と光ファイバ52との
間のコア間隔dを小さくすることができ、また、端面5
2c近傍が細径化された光ファイバ52の機械的強度も
確保されるので、好適である。
【0035】(第6の実施形態)次に、本発明に係る光
フィルタ素子の第6の実施形態について説明する。図6
は、第6の実施形態に係る光フィルタ素子の構成図であ
り、同図(a)は光軸を含む面で切断したときの断面を
示すものであり、同図(b)は光ファイバ61の斜視図
である、この光フィルタ素子は、第1の光ファイバ6
1、第2の光ファイバ62、誘電体多層膜フィルタ63
および屈折率整合剤(図示せず)を備えて構成されてい
る。
【0036】光ファイバ61は、第2の実施形態におけ
る光ファイバ21と略同様の構成であるが、端面61c
近傍が細径化されている点で異なる。一方、光ファイバ
62は、第2の実施形態における光ファイバ22と同様
の構成であり、端面62cの法線が光軸に平行である。
誘電体多層膜フィルタ63は、光ファイバ61の傾斜し
て細径化された端面61cに設けられている。誘電体多
層膜フィルタ63が設けられた光ファイバ61の端面6
1cと光ファイバ62の端面62cとは、光ファイバ6
1および光ファイバ62それぞれの光軸方向が互いに一
致するよう配される。屈折率整合剤は、誘電体多層膜フ
ィルタ63が設けられた光ファイバ61の端面61cと
光ファイバ62の端面62cとの間に充填されており、
光ファイバ61および62の間で屈折率の整合をとる。
【0037】本実施形態に係る光フィルタ素子は、第1
および第2の実施形態それぞれが奏する効果に加えて、
以下のような効果をも奏する。すなわち、光ファイバ6
1の端面61c近傍が細径化されていることから、光フ
ァイバ61と光ファイバ62との間のコア間隔dを小さ
くすることができ、接続損失が小さくなる。特に、光フ
ァイバ62の外径をD1 とし、光ファイバ62の細径化
部の径をD2 とし、光ファイバ62の細径化部の長さを
Lとしたときに、大凡L≦D2 であり且つ大凡D2 ≧1/
2・D1 であれば、光ファイバ61と光ファイバ62との
間のコア間隔dを小さくすることができ、また、端面6
1c近傍が細径化された光ファイバ61の機械的強度も
確保されるので、好適である。
【0038】(第7の実施形態)次に、本発明に係る光
フィルタ素子の第7の実施形態について説明する。図7
は、第7の実施形態に係る光フィルタ素子の構成図であ
り、同図(a)は平面図であり、同図(b)は側面図で
ある。この光フィルタ素子は、第2の実施形態のものに
V溝部材75および押え蓋76が加えられたものであ
る。なお、同図(a)は、押え蓋76が置かれるべき位
置が破線で示されている。
【0039】V溝部材75は、一つの面に断面がV字状
のV溝が形成されており、そのV溝中に光ファイバ21
および22それぞれの光軸を互いに一致させて配置し、
屈折率整合剤24を介して光ファイバ21の端面21c
と光ファイバ22の端面22cとを互いに対向させる。
押え蓋76は、V溝中に光ファイバ21および22が配
されたV溝部材75の上部を覆い、光ファイバ21およ
び22を固定する。V溝部材75および押え蓋76それ
ぞれは、例えば、ガラス、ZrO2 、金属、プラスチッ
ク等からなる。なお、屈折率整合剤24として接着剤を
用い、この接着剤により光ファイバ21および22それ
ぞれをV溝部材75のV溝中に固定する場合には、押え
蓋76は不要である。
【0040】本実施形態に係る光フィルタ素子は、第1
および第2の実施形態それぞれが奏する効果に加えて、
光ファイバ21と光ファイバ22との間の光軸合わせを
容易に行うことができ、接続損失を小さくすることがで
きるという効果をも奏する。なお、第1、第3〜第6の
実施形態の何れものにもV溝部材75および押え蓋76
が加えられてもよい。
【0041】(第8の実施形態)次に、本発明に係る光
フィルタ素子の第8の実施形態について説明する。図8
は、第8の実施形態に係る光フィルタ素子の構成図であ
り、同図(a)は断面図である。この光フィルタ素子
は、第2の実施形態のものに円筒状部材85が加えられ
たものである。同図(b)および(c)それぞれは、円
筒状部材85の例の斜視図である。
【0042】円筒状部材85は、光ファイバ21および
22それぞれの外径より僅かに大きい内径を有し、その
内部に光ファイバ21および22それぞれの光軸を互い
に一致させて配置し、屈折率整合剤24を介して光ファ
イバ21の端面21cと光ファイバ22の端面22cと
を互いに対向させる。円筒状部材85は、例えば、ガラ
ス、ZrO2 、金属、プラスチック等からなる。また、
円筒状部材85は、例えば、図8(b)に示すように断
面が円環であって内径公差が極めて小さい精密キャピラ
リであるのが好適であり、また、図8(c)に示すよう
に断面がC字状である割りスリーブであるのも好適であ
る。
【0043】本実施形態に係る光フィルタ素子は、第1
および第2の実施形態それぞれが奏する効果に加えて、
光ファイバ21と光ファイバ22との間の光軸合わせを
容易に行うことができ、接続損失を小さくすることがで
きるという効果をも奏する。また、小型で安価でもあ
る。なお、第1、第3〜第6の実施形態の何れものにも
円筒状部材85が加えられてもよい。
【0044】(第9の実施形態)次に、本発明に係る光
フィルタ素子の第9の実施形態について説明する。図9
は、第9の実施形態に係る光フィルタ素子の構成図であ
り、光軸を含む面で切断したときの断面を示している。
この光フィルタ素子は、第8の実施形態における円筒状
部材85として光コネクタフェルール95を用いたもの
である。
【0045】光コネクタフェルール95は、光ファイバ
21および22それぞれの外径より僅かに大きい内径を
有し、その内部に光ファイバ21および22それぞれの
光軸を互いに一致させて配置し、屈折率整合剤を介して
光ファイバ21の端面21cと光ファイバ22の端面2
2cとを互いに対向させる。光コネクタフェルール95
は、例えば、ガラス、ZrO2 、金属、プラスチック等
からなる。フェルール保持部材96は、光ファイバ22
の被覆部22eを保持し、また、光コネクタフェルール
95に嵌合してこれを保持する。なお、光ファイバ21
は短尺のものであり、光ファイバ21の端面21cに対
して反対側にある端面21dは光コネクタフェルール9
5の端面と同一面上にある。
【0046】本実施形態に係る光フィルタ素子は、第8
の実施形態それぞれが奏する効果に加えて、光フィルタ
素子を内蔵する光コネクタを安価に実現できるという効
果を奏する。
【0047】(第10の実施形態)次に、本発明に係る
光フィルタ素子の第10の実施形態について説明する。
図10は、第10の実施形態に係る光フィルタ素子の構
成図であり、光軸を含む面で切断したときの断面を示し
ている。この光フィルタ素子は、第8の実施形態のもの
をフェルール保持部材96内に内蔵したものである。
【0048】円筒状部材85は、光ファイバ21および
22それぞれの外径より僅かに大きい内径を有し、その
内部に光ファイバ21および22それぞれの光軸を互い
に一致させて配置し、屈折率整合剤を介して光ファイバ
21の端面21cと光ファイバ22の端面22cとを互
いに対向させる。フェルール保持部材96は、円筒状部
材85の外径より僅かに大きい内径を有し、その内部に
円筒状部材85を保持するとともに、光ファイバ22の
被覆部22eを保持し、また、光コネクタフェルール9
5に嵌合してこれを保持する。なお、光ファイバ21は
短尺のものであり、光ファイバ21の端面21cに対し
て反対側にある端面21dは光コネクタフェルール95
の端面と同一面上にある。
【0049】本実施形態に係る光フィルタ素子も、第8
の実施形態それぞれが奏する効果に加えて、光フィルタ
素子を内蔵する光コネクタを安価に実現できるという効
果を奏する。なお、フェルール保持部材96内の円筒状
部材85に替えてV溝部材やメカニカルスプライス等で
あってもよい。
【0050】(第11の実施形態)次に、本発明に係る
光フィルタ素子製造方法の実施形態について説明する。
本実施形態に係る光フィルタ素子製造方法は、特に、以
上に説明した光フィルタ素子のうち誘電体多層膜フィル
タが端面に設けられた光ファイバ11,21,31,4
1,51または61を製造するものである。以下では、
第4の実施形態における光ファイバ41を製造する場合
について中心に説明するが、他の場合も同様である。図
11は、光フィルタ素子製造方法を説明するフローチャ
ートであり、図12〜図16それぞれは、光フィルタ素
子製造の各工程の説明図である。
【0051】初めに端面成形工程で、光ファイバ41の
端面41cの面取りを行う。例えば図12に示すよう
に、複数の光ファイバ411 〜414 それぞれを光軸を
互いに平行にして保持具1で保持する。このとき、複数
の光ファイバ411 〜414 それぞれは保持具1から一
定長さL1 だけ突出している。そして、光ファイバ41
1 〜414 それぞれの保持具1からの突出部分の光軸を
研磨定盤2の研磨面に対して垂直に維持し、且つ、保持
具1と研磨定盤2との間の距離をL2 (ただし、L2 <
L1 )に維持して、保持具1を研磨定盤2上で公転運動
させる。このようにすることにより、光ファイバ411
〜414 それぞれの保持具1からの突出部分が図示のと
おり撓み、この撓みが光ファイバ411 〜414 それぞ
れを研磨定盤2に押さえつける力となって、光ファイバ
411 〜414 それぞれの端面の周囲が一括して面取り
される。図13(a)は、この工程前の光ファイバ41
の断面図であり、図13(b)は、この工程後の光ファ
イバ41の断面図である。なお、第6の実施形態におけ
る光ファイバ61のように端面61c近傍を細径化する
には、端面61c近傍をフッ酸により溶かすことで可能
である。面取りおよび細径化の何れも行わない場合に
は、この工程は不要である。
【0052】次に被膜工程で、光ファイバ41の外周面
を被膜する。これにより形成される薄膜は、例えば、カ
ーボン、金属、プラスチック、セラミックス、グリス、
オイル等からなる。なお、後述する組立工程で光ファイ
バ41の端面41cと光ファイバ42の端面42cとを
対向させて接続することを考慮すると、薄膜の膜厚は光
ファイバ41の外径と比べて非常に薄いのが好適であ
る。もし、この被膜工程で形成された薄膜の膜厚が接続
に支障を与える程度である場合には、接続前に薄膜の膜
厚を減じる処理を行うことが必要である。なお、被膜工
程と端面成形工程とは逆の順序で行われてもよい。
【0053】次に収納工程で、端面が面取りされ外周面
が被膜された光ファイバ41i (i=1,2,3,…)を、それ
ぞれの光軸を互いに平行にしてパイプ3内に密に収納す
る。図14の断面図に示すように、パイプ3の一方の端
面は、図4に示す光ファイバ41の端面41cの傾斜角
θに略等しい角度で傾斜している。そして、光ファイバ
41i (i=1,2,3,…)それぞれの面取りされた端面とパ
イプ3の該一方の端面とが略同一面上になるように、光
ファイバ41i (i=1,2,3,…)それぞれはパイプ3内に
収納される。光ファイバ41i (i=1,2,3,…)それぞれ
は、外周面が被膜されているので、この収納工程の際に
傷がつき難く破断し難い。なお、超音波振動を利用して
光ファイバ41i (i=1,2,3,…)をパイプ3内に収納す
れば、容易に密に且つ光軸を平行に収納することができ
るので好適である。
【0054】次に切断工程で、収納工程で収納された光
ファイバ41i (i=1,2,3,…)をパイプ3とともに所定
平面で切断する。図15の部分断面図に示すように、光
ファイバ41i (i=1,2,3,…)およびパイプ3を図中の
一点鎖線で示す切断面でダイサを用いて切断する。この
切断面の法線と光軸とがなす角度は、図4に示す光ファ
イバ41の端面41cの傾斜角θに略等しい。
【0055】次に研磨工程では、切断工程における切断
面を研磨または研削する。研磨する際には、例えば、ダ
イヤモンド砥粒による研磨や、CeO2 粒やSiO2
を用いたバフ研磨を行うのが好適である。また、研削す
る際には、例えば、ダイヤモンド砥石を用いて行うのが
好適である。なお、この研磨工程を切断工程と同時に行
ってもよく、例えば、ダイヤモンド遊離砥粒やSiO2
遊離砥粒を混ぜた水を用いてダイサによる切断を行え
ば、同時にダイサの側面で研削を行うことができる。こ
のように研磨または研削を行って光ファイバ41の端面
41cを鏡面仕上げすることにより、後述する多層膜形
成工程において端面41cに形成される誘電体多層膜フ
ィルタ43は、端面41cとの接着力が強くなり、良質
かつ均質のものとなる。また、光ファイバ41の端面4
1cの傾斜角θを微調整することができる点でも好適で
ある。
【0056】次に多層膜形成工程では、切断面上の光フ
ァイバ41i (i=1,2,3,…)それぞれの端面に誘電体多
層膜フィルタを形成する。図16の部分断面図に示すよ
うに、光ファイバ41i (i=1,2,3,…)がパイプ3に収
納された状態で、それぞれの端面41cに誘電体多層膜
フィルタ43を一括して蒸着等により形成する。
【0057】以上のようにして、図4(b)に示すよう
な端面41cが面取りされ誘電体多層膜フィルタ43が
端面に形成された光ファイバ41が多数製造される。例
えば、パイプ3の内径が30mmであれば、約2600
0本の光ファイバ41が一括して且つ安価に製造され
る。そして、光ファイバ41i (i=1,2,3,…)それぞれ
はパイプ3から取り出されて個々に分離される。このと
き、端面41cが面取り(または細径化)されていれ
ば、パイプ3内に収納されていたときに隣接していた2
つの光ファイバを互いに分離するときに誘電体多層膜フ
ィルタが端面から剥がれるのが防止される。
【0058】そして最後に組立工程では、以上のように
して製造された光ファイバ41と光ファイバ42とを屈
折率整合剤を介して突き合わせて図4に示すような構成
とする。さらに必要に応じて、図7から図10それぞれ
に示すような固定部材(V溝部材75、円筒状部材8
5、光コネクタフェルール95、96…フェルール保持
部材96)を用いて固定する。
【0059】
【発明の効果】以上、詳細に説明したとおり、本発明に
係る光フィルタ素子は、端面に誘電体多層膜フィルタが
設けられた第1の光ファイバと、第1の光ファイバの上
記端面に対向して端面が配された第2の光ファイバと、
第1および第2の光ファイバそれぞれの対向する端面の
間に充填された屈折率整合剤とを備えて構成されるの
で、優れた生産性で容易に製造することができ、また、
部品点数が少ないので小型で安価である。
【0060】また、第1の光ファイバの端面の法線が光
軸に対して傾斜している場合には、誘電体多層膜フィル
タの法線も光軸に対して傾斜してので、双方の光ファイ
バの光軸回りの回転方位の調整が容易であり、誘電体多
層膜フィルタを透過すべき或る波長の光の一部が反射さ
れて逆方向に戻っていくことがなく、また、誘電体多層
膜フィルタで反射された他の或る波長の光が逆方向に戻
っていくこともない。さらに、第1および第2の光ファ
イバの何れか一方の端面が面取りまたは端面近傍が細径
化されている場合には、第1および第2の光ファイバの
相互間のコア間隔を小さくすることができる。
【0061】また、屈折率整合剤が接着剤である場合に
は、第1および第2の光ファイバを互いに固定配置する
ことができ、また、誘電体多層膜を保護することができ
性能劣化を防止することができる。
【0062】また、第1および第2の光ファイバそれぞ
れの光軸を互いに一致させて配置するとともに第1およ
び第2の光ファイバそれぞれの端面を互いに対向させる
固定部材を更に備える場合には、第1および第2光ファ
イバの相互間の光軸合わせを容易に行うことができ、接
続損失を小さくすることができる。さらに、固定部材を
収納する光コネクタを更に備える場合には、光フィルタ
素子を内蔵する光コネクタを安価に実現できる。
【0063】本発明に係る光フィルタ素子製造方法によ
れば、収納工程において、それぞれの光軸を互いに平行
にして複数の光ファイバがパイプ内に密に収納され、切
断工程において、その収納された複数の光ファイバがパ
イプとともに所定の切断面で切断され、多層膜形成工程
において、切断面上の複数の光ファイバそれぞれの端面
に誘電体多層膜フィルタが形成されるので、誘電体多層
膜フィルタが端面に形成された光ファイバを一括して且
つ安価に製造することができる。
【0064】また、収納工程は、超音波振動を利用して
複数の光ファイバをパイプ内に収納する場合には、複数
の光ファイバはパイプ内に容易に密に且つ光軸を平行に
収納される。
【0065】また、切断工程において切断面の法線が複
数の光ファイバそれぞれの光軸に対して傾斜している場
合には、この光ファイバと他の光ファイバとを端面同士
を突き合わせたときに、双方の光ファイバの光軸回りの
回転方位の調整が容易であり、誘電体多層膜フィルタを
透過すべき或る波長の光の一部が反射されて逆方向に戻
っていくことがなく、また、誘電体多層膜フィルタで反
射された他の或る波長の光が逆方向に戻っていくことも
ない。
【0066】また、収納工程前に複数の光ファイバそれ
ぞれの端面を面取りまたは端面近傍を細径化する端面成
形工程を更に備える場合には、この光ファイバと他の光
ファイバとを端面同士を突き合わせたときに、双方の光
ファイバの相互間のコア間隔を小さくすることができ
る。
【0067】また、収納工程前に複数の光ファイバそれ
ぞれの外周面を被膜する被膜工程を更に備える場合に
は、複数の光ファイバそれぞれは、収納工程の際に傷が
つき難く破断し難い。
【0068】また、多層膜形成工程前に切断工程におけ
る切断面を研磨または研削する研磨工程を更に備える場
合には、後の多層膜形成工程において光ファイバの端面
に形成される誘電体多層膜フィルタは、端面との接着力
が強くなり、良質かつ均質のものとなる。また、光ファ
イバの端面の傾斜角を微調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態に係る光フィルタ素子の構成図
である。
【図2】第2の実施形態に係る光フィルタ素子の構成図
である。
【図3】第3の実施形態に係る光フィルタ素子の構成図
である。
【図4】第4の実施形態に係る光フィルタ素子の構成図
である。
【図5】第5の実施形態に係る光フィルタ素子の構成図
である。
【図6】第6の実施形態に係る光フィルタ素子の構成図
である。
【図7】第7の実施形態に係る光フィルタ素子の構成図
である。
【図8】第8の実施形態に係る光フィルタ素子の構成図
である。
【図9】第9の実施形態に係る光フィルタ素子の構成図
である。
【図10】第10の実施形態に係る光フィルタ素子の構
成図である。
【図11】光フィルタ素子製造方法を説明するフローチ
ャートである。
【図12】光フィルタ素子製造方法の端面成形工程の説
明図である。
【図13】光フィルタ素子製造方法の端面成形工程によ
り得られる光ファイバの説明図である。
【図14】光フィルタ素子製造方法の収納工程の説明図
である。
【図15】光フィルタ素子製造方法の切断工程の説明図
である。
【図16】光フィルタ素子製造方法の多層膜形成工程の
説明図である。
【符号の説明】
11,12…光ファイバ、13…誘電体多層膜フィル
タ、14…屈折率整合剤、21,22…光ファイバ、2
3…誘電体多層膜フィルタ、24…屈折率整合剤、3
1,32…光ファイバ、33…誘電体多層膜フィルタ、
41,42…光ファイバ、43…誘電体多層膜フィル
タ、51,52…光ファイバ、53…誘電体多層膜フィ
ルタ、61,62…光ファイバ、63…誘電体多層膜フ
ィルタ、75…V溝部材、76…押え蓋、85…円筒状
部材、95…光コネクタフェルール、96…フェルール
保持部材。

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 端面に誘電体多層膜フィルタが設けられ
    た第1の光ファイバと、 前記第1の光ファイバの前記端面に対向して端面が配さ
    れた第2の光ファイバと、 前記第1および前記第2の光ファイバそれぞれの対向す
    る端面の間に充填され、前記第1および前記第2の光フ
    ァイバそれぞれとの間で屈折率の整合をとる屈折率整合
    剤と、 を備えることを特徴とする光フィルタ素子。
  2. 【請求項2】 前記第1の光ファイバの前記端面の法線
    が光軸に対して傾斜していることを特徴とする請求項1
    記載の光フィルタ素子。
  3. 【請求項3】 前記第1および前記第2の光ファイバの
    何れか一方の端面が面取りまたは端面近傍が細径化され
    ていることを特徴とする請求項2記載の光フィルタ素
    子。
  4. 【請求項4】 前記屈折率整合剤が接着剤であることを
    特徴とする請求項1記載の光フィルタ素子。
  5. 【請求項5】 前記第1および前記第2の光ファイバそ
    れぞれの光軸を互いに一致させて配置するとともに前記
    第1および前記第2の光ファイバそれぞれの端面を互い
    に対向させる固定部材を更に備えることを特徴とする請
    求項1記載の光フィルタ素子。
  6. 【請求項6】 前記固定部材は、V溝中に前記第1およ
    び前記第2の光ファイバそれぞれの光軸を互いに一致さ
    せて配置するV溝部材であることを特徴とする請求項5
    記載の光フィルタ素子。
  7. 【請求項7】 前記固定部材は、内部に前記第1および
    前記第2の光ファイバそれぞれの光軸を互いに一致させ
    て配置する円筒状部材であることを特徴とする請求項5
    記載の光フィルタ素子。
  8. 【請求項8】 前記固定部材を収納する光コネクタを更
    に備えることを特徴とする請求項5記載の光フィルタ素
    子。
  9. 【請求項9】 それぞれの光軸を互いに平行にして複数
    の光ファイバをパイプ内に密に収納する収納工程と、 前記収納工程で収納された前記複数の光ファイバを前記
    パイプとともに所定の切断面で切断する切断工程と、 前記切断工程における前記切断面上の前記複数の光ファ
    イバそれぞれの端面に誘電体多層膜フィルタを形成する
    多層膜形成工程と、 を備えることを特徴とする光フィルタ素子製造方法。
  10. 【請求項10】 前記収納工程は、超音波振動を利用し
    て前記複数の光ファイバを前記パイプ内に収納すること
    を特徴とする請求項9記載の光フィルタ素子製造方法。
  11. 【請求項11】 前記切断工程は、前記切断面の法線が
    前記複数の光ファイバそれぞれの光軸に対して傾斜して
    いることを特徴とする請求項9記載の光フィルタ素子製
    造方法。
  12. 【請求項12】 前記収納工程前に、前記複数の光ファ
    イバそれぞれの端面を面取りまたは端面近傍を細径化す
    る端面成形工程を更に備えることを特徴とする請求項9
    記載の光フィルタ素子製造方法。
  13. 【請求項13】 前記収納工程前に、前記複数の光ファ
    イバそれぞれの外周面を被膜する被膜工程を更に備える
    ことを特徴とする請求項9記載の光フィルタ素子製造方
    法。
  14. 【請求項14】 前記多層膜形成工程前に、前記切断工
    程における前記切断面を研磨または研削する研磨工程を
    更に備えることを特徴とする請求項9記載の光フィルタ
    素子製造方法。
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