JP2000065822A - 水質分析方法およびその装置 - Google Patents
水質分析方法およびその装置Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】水中のCO2濃度を安定にかつ精確に測定す
る。 【解決手段】試料中にアルカリ性物質を添加する手段を
設け、試料のpHを9以上にし、溶解二酸化炭素(炭
酸)を炭酸イオン或いは炭酸水素イオンに変化させて、
これを二酸化炭素濃度計に導入しその濃度を測定するも
ので、採取された試料を一時貯留する試料槽21と、試
料のpHを計測する手段24と、この計測結果に応じて
試料中にアルカリ性物質を添加する手段25、26を備
え、試料のpHを所定の範囲に制御するpH調整部2を
二酸化炭素濃度計3の前段に設ける。これにより、溶解
二酸化炭素(炭酸)を炭酸イオン或いは炭酸水素イオン
に変化させて水中で安定な状態に固定し、試料中の二酸
化炭素が大気中に揮発するのを防ぎ、炭酸濃度を経時的
変化なく安定に保って精確・簡便に測定することができ
る。
る。 【解決手段】試料中にアルカリ性物質を添加する手段を
設け、試料のpHを9以上にし、溶解二酸化炭素(炭
酸)を炭酸イオン或いは炭酸水素イオンに変化させて、
これを二酸化炭素濃度計に導入しその濃度を測定するも
ので、採取された試料を一時貯留する試料槽21と、試
料のpHを計測する手段24と、この計測結果に応じて
試料中にアルカリ性物質を添加する手段25、26を備
え、試料のpHを所定の範囲に制御するpH調整部2を
二酸化炭素濃度計3の前段に設ける。これにより、溶解
二酸化炭素(炭酸)を炭酸イオン或いは炭酸水素イオン
に変化させて水中で安定な状態に固定し、試料中の二酸
化炭素が大気中に揮発するのを防ぎ、炭酸濃度を経時的
変化なく安定に保って精確・簡便に測定することができ
る。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、炭酸飲料等の水中
のCO2濃度の測定、管理等に用いられる水質分析方法
及びその方法を実施するために用いられる水質分析装置
に関する。
のCO2濃度の測定、管理等に用いられる水質分析方法
及びその方法を実施するために用いられる水質分析装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、炭酸飲料等の水中のCO2濃度を
測定する場合には、その試料を採取して、これを例えば
前段に加熱分解炉、後段に非分散型赤外線ガス分析計を
設けた二酸化炭素濃度計に導入し、CO2濃度を測定し
ていた。
測定する場合には、その試料を採取して、これを例えば
前段に加熱分解炉、後段に非分散型赤外線ガス分析計を
設けた二酸化炭素濃度計に導入し、CO2濃度を測定し
ていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしこの方法では、
炭酸飲料中のCO2が気相へ移行するため、CO2濃度
が経時的に減少し、精確な濃度を測定することができな
いという問題点があった。本発明は、水中のCO2濃度
を安定にかつ精確に測定できる水質分析方法及びその方
法を実施する水質分析装置を提供しようとするものであ
る。
炭酸飲料中のCO2が気相へ移行するため、CO2濃度
が経時的に減少し、精確な濃度を測定することができな
いという問題点があった。本発明は、水中のCO2濃度
を安定にかつ精確に測定できる水質分析方法及びその方
法を実施する水質分析装置を提供しようとするものであ
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の水質分析方法
は、上記目的を達成するため、CO2濃度を測定する前
に、試料中にアルカリ性物質を添加し、試料のpHを9
以上にし、溶解二酸化炭素(炭酸)を炭酸イオン或いは
炭酸水素イオンに変化させて水中で安定な状態にし、こ
れを二酸化炭素濃度計に導入しその濃度を分析するよう
にしたものである。
は、上記目的を達成するため、CO2濃度を測定する前
に、試料中にアルカリ性物質を添加し、試料のpHを9
以上にし、溶解二酸化炭素(炭酸)を炭酸イオン或いは
炭酸水素イオンに変化させて水中で安定な状態にし、こ
れを二酸化炭素濃度計に導入しその濃度を分析するよう
にしたものである。
【0005】また、上記目的を達成するため、本発明の
水質分析装置は、試料のpHを計測する手段と、この計
測結果に応じて試料中にアルカリ性物質を添加する手段
を備え、試料のpHを所定の範囲に制御するpH調整部
を二酸化炭素濃度計の前段に設けたものである。試料に
アルカリ性物質を添加してpHを9以上にすると、溶解
二酸化炭素(炭酸)が炭酸イオン或いは炭酸水素イオン
になり、水中に固定され安定に存在するので、炭酸飲料
等のCO2濃度が、経時的な減少変化なく、安定に精確
に測定できる。
水質分析装置は、試料のpHを計測する手段と、この計
測結果に応じて試料中にアルカリ性物質を添加する手段
を備え、試料のpHを所定の範囲に制御するpH調整部
を二酸化炭素濃度計の前段に設けたものである。試料に
アルカリ性物質を添加してpHを9以上にすると、溶解
二酸化炭素(炭酸)が炭酸イオン或いは炭酸水素イオン
になり、水中に固定され安定に存在するので、炭酸飲料
等のCO2濃度が、経時的な減少変化なく、安定に精確
に測定できる。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の水質分析方法において
は、概略的には、CO2濃度を測定する前に、採取され
た試料にアルカリ性物質を添加して試料のpHを9以上
にし、溶解二酸化炭素(炭酸)を炭酸イオン或いは炭酸
水素イオンに変化させて水中で安定な状態にし、これを
二酸化炭素濃度計に導入する。二酸化炭素濃度計では、
測定部に試料を送り込む際に、上記の安定化した試料に
酸を添加してpH3以下として試料中の炭酸イオン及び
炭酸水素イオンを溶解二酸化炭素とし、これにスパージ
ガスを通気してCO2を抽出し、測定部でCO2を定量
する。従って試料に対して、試料採取時のアルカリ性へ
の転換、及び測定部への試料導入直前の酸性への転換と
いう2段階のpH調整が行われることになる。装置構成
としては、二酸化炭素濃度計のサンプリング部の前段
(またはサンプリング部)に、採取された試料を一時保
留してこれにアルカリ物質、例えばNaOHaq或いは
KOHaqを添加するサンプル槽を設置し、サンプル槽
内のpHを測定し、pHが9以上になるように、アルカ
リ物質を添加するため、試薬槽、pH計測手段、及びサ
ンプル槽に所要量のアルカリ物質を添加するポンプ機
構、pH調整動作の制御等を行う制御手段その他をも備
えたpH調整部が設けられる。pHが既知の試料に対し
ては、予め設定した所要量のアルカリ物質を添加させる
ように構成しておけば、pH計測動作自体は必要ではな
い。
は、概略的には、CO2濃度を測定する前に、採取され
た試料にアルカリ性物質を添加して試料のpHを9以上
にし、溶解二酸化炭素(炭酸)を炭酸イオン或いは炭酸
水素イオンに変化させて水中で安定な状態にし、これを
二酸化炭素濃度計に導入する。二酸化炭素濃度計では、
測定部に試料を送り込む際に、上記の安定化した試料に
酸を添加してpH3以下として試料中の炭酸イオン及び
炭酸水素イオンを溶解二酸化炭素とし、これにスパージ
ガスを通気してCO2を抽出し、測定部でCO2を定量
する。従って試料に対して、試料採取時のアルカリ性へ
の転換、及び測定部への試料導入直前の酸性への転換と
いう2段階のpH調整が行われることになる。装置構成
としては、二酸化炭素濃度計のサンプリング部の前段
(またはサンプリング部)に、採取された試料を一時保
留してこれにアルカリ物質、例えばNaOHaq或いは
KOHaqを添加するサンプル槽を設置し、サンプル槽
内のpHを測定し、pHが9以上になるように、アルカ
リ物質を添加するため、試薬槽、pH計測手段、及びサ
ンプル槽に所要量のアルカリ物質を添加するポンプ機
構、pH調整動作の制御等を行う制御手段その他をも備
えたpH調整部が設けられる。pHが既知の試料に対し
ては、予め設定した所要量のアルカリ物質を添加させる
ように構成しておけば、pH計測動作自体は必要ではな
い。
【0007】以下に図面に基づいて、本発明の水質分析
方法を実施するのに好適な水質分析計の実施形態につい
て、具体的に説明する。図1は、本発明の水質分析計の
要部概略構成図であって、1は試料採取部であり、例え
ば炭酸飲料から所要量の分析試料を採取し、これを次段
に送り込む機能を有している。2は二酸化炭素濃度計3
の試料導入部(サンプリング部)の前段に配設されたp
H調整部であり、これにより後述のように試料を安定化
して、二酸化炭素濃度計3に送り込まれる。
方法を実施するのに好適な水質分析計の実施形態につい
て、具体的に説明する。図1は、本発明の水質分析計の
要部概略構成図であって、1は試料採取部であり、例え
ば炭酸飲料から所要量の分析試料を採取し、これを次段
に送り込む機能を有している。2は二酸化炭素濃度計3
の試料導入部(サンプリング部)の前段に配設されたp
H調整部であり、これにより後述のように試料を安定化
して、二酸化炭素濃度計3に送り込まれる。
【0008】pH調整部2は、二酸化炭素濃度計3に導
入する試料液を一時的に保留してそのpH調整を行うた
めのサンプル槽21、pH調整に用いる試薬、例えばN
aOHaq或いはKOHaq等のアルカリ性物質23を
貯留した試薬槽22、サンプル槽21中の試料液のpH
を検出するpH計24、及びpH計24で検出されたp
H値に応じて試薬槽22中のアルカリ性物質23をサン
プル槽21に供給するポンプ機構25、サンプル槽21
中の試料液のpH値が所定値(例えばpH9)以上にな
るようにポンプ機構25を制御する動作等を行う制御部
26等を備えている。
入する試料液を一時的に保留してそのpH調整を行うた
めのサンプル槽21、pH調整に用いる試薬、例えばN
aOHaq或いはKOHaq等のアルカリ性物質23を
貯留した試薬槽22、サンプル槽21中の試料液のpH
を検出するpH計24、及びpH計24で検出されたp
H値に応じて試薬槽22中のアルカリ性物質23をサン
プル槽21に供給するポンプ機構25、サンプル槽21
中の試料液のpH値が所定値(例えばpH9)以上にな
るようにポンプ機構25を制御する動作等を行う制御部
26等を備えている。
【0009】サンプル槽21は、必要に応じて攪拌器を
設け、pH調整用試薬の添加に従ってサンプル槽21内
の試料液を攪拌するようにしても良く、また試料ごとに
サンプル槽21を洗浄できるように洗浄機構を設けてお
いても良い。制御部26は、例えば図2に示すようなp
H調整のための制御プログラムを記憶したメモリを含む
データ処理・制御システムを有している。なお、制御部
26は、試料採取部1、二酸化炭素濃度計3を含む本装
置全体のデータ処理・制御システムに包含させてもよ
い。
設け、pH調整用試薬の添加に従ってサンプル槽21内
の試料液を攪拌するようにしても良く、また試料ごとに
サンプル槽21を洗浄できるように洗浄機構を設けてお
いても良い。制御部26は、例えば図2に示すようなp
H調整のための制御プログラムを記憶したメモリを含む
データ処理・制御システムを有している。なお、制御部
26は、試料採取部1、二酸化炭素濃度計3を含む本装
置全体のデータ処理・制御システムに包含させてもよ
い。
【0010】図2は本発明の水質分析計における、試料
のpH調整を行うための制御動作を示すフロー図の1例
であり、この動作を行わせるためのデータ処理・制御シ
ステムは、上記のように制御部26に納められている。
以下、このpH調整動作の概略を図2に基づいて説明す
る。
のpH調整を行うための制御動作を示すフロー図の1例
であり、この動作を行わせるためのデータ処理・制御シ
ステムは、上記のように制御部26に納められている。
以下、このpH調整動作の概略を図2に基づいて説明す
る。
【0011】先ず、測定試料を採取しサンプル槽21に
送り込み(S1)、pH計24により試料のpHを測定
する(S2)。検出されたpH値が所定値以上かどうか
を判定し(S3)、検出されたpH値が所定値以上であ
れば、サンプル槽21中の試料を二酸化炭素濃度計3の
試料導入部に送り、分析を行う(S5)。検出されたp
H値が所定値に達しなければ、制御部26の指令により
ポンプ機構25が作動して試薬槽22中のアルカリ性物
質23が随時サンプル槽21に供給され(S4)、S3
−S4が繰り返される。検出されたpH値が所定値に到
達すれば、ポンプ機構25の動作を停止してpH調整動
作を終了し、サンプル槽21中の試料を二酸化炭素濃度
計3の試料導入部に送り、分析を行う(S5)。
送り込み(S1)、pH計24により試料のpHを測定
する(S2)。検出されたpH値が所定値以上かどうか
を判定し(S3)、検出されたpH値が所定値以上であ
れば、サンプル槽21中の試料を二酸化炭素濃度計3の
試料導入部に送り、分析を行う(S5)。検出されたp
H値が所定値に達しなければ、制御部26の指令により
ポンプ機構25が作動して試薬槽22中のアルカリ性物
質23が随時サンプル槽21に供給され(S4)、S3
−S4が繰り返される。検出されたpH値が所定値に到
達すれば、ポンプ機構25の動作を停止してpH調整動
作を終了し、サンプル槽21中の試料を二酸化炭素濃度
計3の試料導入部に送り、分析を行う(S5)。
【0012】なお、アルカリ性物質23の供給パターン
については、a)連続的に供給してもよいが、b)少量
ずつ間欠的に供給してもよく、c)またa)またはb)
を比例制御的に行いpH調整の迅速化及び精度向上を図
ってもよい。いずれにしても、厳密なpH調整は必ずし
も必要ではない。また、試料のpHが予測できる試料で
は、予め設定したアルカリの一定量を添加するだけで、
フィードバック制御のようなことを行うことが必要のな
い場合もある。
については、a)連続的に供給してもよいが、b)少量
ずつ間欠的に供給してもよく、c)またa)またはb)
を比例制御的に行いpH調整の迅速化及び精度向上を図
ってもよい。いずれにしても、厳密なpH調整は必ずし
も必要ではない。また、試料のpHが予測できる試料で
は、予め設定したアルカリの一定量を添加するだけで、
フィードバック制御のようなことを行うことが必要のな
い場合もある。
【0013】本発明の水質分析装置においては、試料中
にアルカリ性物質を添加する手段を設け、試料のpHを
10以上にし、溶解二酸化炭素(炭酸)を炭酸イオン或
いは炭酸水素イオンに変化させて水中で安定な状態に
し、試料中の二酸化炭素が大気中に揮発するのを防ぎ、
炭酸濃度を安定に保って測定できる。
にアルカリ性物質を添加する手段を設け、試料のpHを
10以上にし、溶解二酸化炭素(炭酸)を炭酸イオン或
いは炭酸水素イオンに変化させて水中で安定な状態に
し、試料中の二酸化炭素が大気中に揮発するのを防ぎ、
炭酸濃度を安定に保って測定できる。
【0014】図3は、図1の二酸化炭素濃度計の具体的
構成例図であり、測定部Mの前段にサンプリング部(試
料導入部)が設けられている。本発明の要部ではない
が、その概略を以下に説明する。
構成例図であり、測定部Mの前段にサンプリング部(試
料導入部)が設けられている。本発明の要部ではない
が、その概略を以下に説明する。
【0015】5ポートバルブ31の共通ポートaにはシ
リンジ32が接続されている。このシリンジ32にはプ
ランジャ32aとこれを駆動するモータ(図示せず)が
備えられている。試料の吸引と送出はプランジャ32a
の後退、前進により行われる。シリンジ32には、切り
替えバルブ34を介してスパージガス供給部33が接続
されており、スパージガス供給部33は後述の試料通気
処理に用いられる。
リンジ32が接続されている。このシリンジ32にはプ
ランジャ32aとこれを駆動するモータ(図示せず)が
備えられている。試料の吸引と送出はプランジャ32a
の後退、前進により行われる。シリンジ32には、切り
替えバルブ34を介してスパージガス供給部33が接続
されており、スパージガス供給部33は後述の試料通気
処理に用いられる。
【0016】5ポートバルブ31の1つの分配ポートb
には、pH調整部2からの試料をオンラインで供給する
試料採水管30が接続されている。図3では分配ポート
bが選択され、pH調整部2から供給された試料がシリ
ンジ32に吸引される状態が示されている。他の1つの
分配ポートdには、シリンジ32に吸引された試料を排
出部Eに送り出すための排出管に接続されている。さら
に他の1つの分配ポートeには、シリンジ32に採取し
た試料を酸性にするための酸貯槽36が接続され、さら
に他の1つの分配ポートcには較正用の標準液35を供
給する管が接続されている。さらに他の1つの分配ポー
トfは、シリンジ32内の試料に酸貯槽36の酸を加え
て酸性にし、これをスパージガス供給部33のスパージ
ガスをシリンジ32に導入させて発生したCO2を、管
路37を通して測定部Mに送り出すのに用いられる。
には、pH調整部2からの試料をオンラインで供給する
試料採水管30が接続されている。図3では分配ポート
bが選択され、pH調整部2から供給された試料がシリ
ンジ32に吸引される状態が示されている。他の1つの
分配ポートdには、シリンジ32に吸引された試料を排
出部Eに送り出すための排出管に接続されている。さら
に他の1つの分配ポートeには、シリンジ32に採取し
た試料を酸性にするための酸貯槽36が接続され、さら
に他の1つの分配ポートcには較正用の標準液35を供
給する管が接続されている。さらに他の1つの分配ポー
トfは、シリンジ32内の試料に酸貯槽36の酸を加え
て酸性にし、これをスパージガス供給部33のスパージ
ガスをシリンジ32に導入させて発生したCO2を、管
路37を通して測定部Mに送り出すのに用いられる。
【0017】測定部Mには、例えば非分散型赤外線ガス
分析装置(NDIR)等の分析装置39と、その上流で
キャリヤガスと共に送られてきた水分を除湿する除湿器
38が設けられている。分析装置39にCO2を導入す
る際には、シリンジ32に採取された試料は、酸を添加
してpH3以下にすることにより、試料中の炭酸イオン
及び炭酸水素イオンは全て溶解二酸化炭素(炭酸)にな
る。この溶解二酸化炭素は、スパージガスを通気すれば
容易にスパージガス中に抽出される。このスパージガス
中のCO2の測定には、通常NDIR39が用いられ
る。以上の本発明の水質分析装置においては、例えば炭
酸飲料水中の炭酸濃度を測定する場合に、二酸化炭素濃
度計に試料を導入してCO2濃度を測定する前に、試料
中にアルカリ性物質を添加する手段を設けて試料のpH
を9以上にし、溶解二酸化炭素(炭酸)を炭酸イオン或
いは炭酸水素イオンに変化させて水中で安定な状態に固
定し、試料中の二酸化炭素が大気中に揮発するのを防
ぎ、炭酸濃度を経時的変化なく安定に保つことができ
る。
分析装置(NDIR)等の分析装置39と、その上流で
キャリヤガスと共に送られてきた水分を除湿する除湿器
38が設けられている。分析装置39にCO2を導入す
る際には、シリンジ32に採取された試料は、酸を添加
してpH3以下にすることにより、試料中の炭酸イオン
及び炭酸水素イオンは全て溶解二酸化炭素(炭酸)にな
る。この溶解二酸化炭素は、スパージガスを通気すれば
容易にスパージガス中に抽出される。このスパージガス
中のCO2の測定には、通常NDIR39が用いられ
る。以上の本発明の水質分析装置においては、例えば炭
酸飲料水中の炭酸濃度を測定する場合に、二酸化炭素濃
度計に試料を導入してCO2濃度を測定する前に、試料
中にアルカリ性物質を添加する手段を設けて試料のpH
を9以上にし、溶解二酸化炭素(炭酸)を炭酸イオン或
いは炭酸水素イオンに変化させて水中で安定な状態に固
定し、試料中の二酸化炭素が大気中に揮発するのを防
ぎ、炭酸濃度を経時的変化なく安定に保つことができ
る。
【0018】図4は、pHに対する全炭酸の濃度分布の
図表であり(JISK0101−1991の図25.2
より抜粋)、全炭酸に対する、炭酸H2CO3、炭酸水
素イオンHCO3 −、炭酸イオンCO3 2−それぞれの
モル比a、b、cを示している。この図から判るよう
に、試料中にアルカリ性物質を添加してpHを9以上に
すると、溶解二酸化炭素(炭酸)が炭酸イオン或いは炭
酸水素イオンになり、水中に固定されるので、濃度変化
することなく、安定に存在する。従って、この安定な状
態の試料を二酸化炭素濃度計に導入し、CO2抽出時ま
で安定に保って分析することにより、水中の溶解二酸化
炭素の濃度を安定にかつ精確に測定することができる。
図表であり(JISK0101−1991の図25.2
より抜粋)、全炭酸に対する、炭酸H2CO3、炭酸水
素イオンHCO3 −、炭酸イオンCO3 2−それぞれの
モル比a、b、cを示している。この図から判るよう
に、試料中にアルカリ性物質を添加してpHを9以上に
すると、溶解二酸化炭素(炭酸)が炭酸イオン或いは炭
酸水素イオンになり、水中に固定されるので、濃度変化
することなく、安定に存在する。従って、この安定な状
態の試料を二酸化炭素濃度計に導入し、CO2抽出時ま
で安定に保って分析することにより、水中の溶解二酸化
炭素の濃度を安定にかつ精確に測定することができる。
【0019】
【発明の効果】以上に述べたように本発明によれば、炭
酸飲料水中の炭酸濃度を測定する場合に、CO2濃度を
測定する前に、試料中にアルカリ性物質を添加する手段
を設け、試料のpHを9以上にし、溶解二酸化炭素(炭
酸)を炭酸イオン或いは炭酸水素イオンに変化させて水
中で安定な状態に固定するようにしたから、試料中の二
酸化炭素が大気中に揮発するのを防ぎ、炭酸濃度を経時
的変化なく安定に保って精確・簡便に測定することがで
きる。
酸飲料水中の炭酸濃度を測定する場合に、CO2濃度を
測定する前に、試料中にアルカリ性物質を添加する手段
を設け、試料のpHを9以上にし、溶解二酸化炭素(炭
酸)を炭酸イオン或いは炭酸水素イオンに変化させて水
中で安定な状態に固定するようにしたから、試料中の二
酸化炭素が大気中に揮発するのを防ぎ、炭酸濃度を経時
的変化なく安定に保って精確・簡便に測定することがで
きる。
【図1】本発明の水質分析計の要部概略構成図である。
【図2】本発明の水質分析計における試料のpH調整を
行うための制御動作を示すフロー図の1例である。
行うための制御動作を示すフロー図の1例である。
【図3】図1の二酸化炭素濃度計の具体的構成例図であ
る。
る。
【図4】本発明の動作説明用図であり、pHに対する全
炭酸の濃度分布を示す。
炭酸の濃度分布を示す。
1…試料採取部 2…pH調整部 3…二酸化炭素濃度計 21…サンプル槽 22…試薬槽 23…アルカリ性物質 24…pH計 25…ポンプ機構 26…制御部
Claims (2)
- 【請求項1】水中のCO2濃度を測定する前に、試料中
にアルカリ性物質を添加して試料のpHを9以上にし、
溶解二酸化炭素(炭酸)を炭酸イオン或いは炭酸水素イ
オンに変化させて水中で安定な状態にし、これを二酸化
炭素濃度計に導入しその濃度を分析することを特徴とす
る水質分析方法。 - 【請求項2】試料のpHを計測する手段と、この計測結
果に応じて試料中にアルカリ性物質を添加する手段を備
え、試料のpHを所定の範囲に制御するpH調整部を二
酸化炭素濃度計の前段に設けたことを特徴とする水質分
析装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23297398A JP2000065822A (ja) | 1998-08-19 | 1998-08-19 | 水質分析方法およびその装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23297398A JP2000065822A (ja) | 1998-08-19 | 1998-08-19 | 水質分析方法およびその装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000065822A true JP2000065822A (ja) | 2000-03-03 |
Family
ID=16947796
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP23297398A Pending JP2000065822A (ja) | 1998-08-19 | 1998-08-19 | 水質分析方法およびその装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000065822A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011220820A (ja) * | 2010-04-09 | 2011-11-04 | Shimadzu Corp | 固有情報をもった検出装置とそれを備えた分析装置 |
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1998
- 1998-08-19 JP JP23297398A patent/JP2000065822A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011220820A (ja) * | 2010-04-09 | 2011-11-04 | Shimadzu Corp | 固有情報をもった検出装置とそれを備えた分析装置 |
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